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特許7108643エアロゾルの特徴を強化するためのシーシャ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】エアロゾルの特徴を強化するためのシーシャ装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 1/30 20060101AFI20220721BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20220721BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20220721BHJP
【FI】
A24F1/30
A24F40/40
A24F47/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019572409
(86)(22)【出願日】2018-07-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-17
(86)【国際出願番号】 IB2018055354
(87)【国際公開番号】W WO2019016737
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-06-23
(31)【優先権主張番号】17182185.3
(32)【優先日】2017-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド フェリクス
(72)【発明者】
【氏名】ゴンザレス フローレス アナ イザベル
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/019573(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 1/30
A24F 40/40
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある体積の液体を収容するように構成された内部を画定するベッセルであって、前記ベッセルが上部空間出口を含む、ベッセルと、
前記ベッセルと流体接続しているエアロゾル発生要素であって、
電気発熱体と、
前記発熱体によって加熱されるシーシャエアロゾル発生基体を受容するための容器と、
前記容器と連通する吸込み口と、
前記容器と連通する出口と、を備える、エアロゾル発生要素と、
前記ベッセルと前記エアロゾル発生要素との間にあり、かつ前記ベッセルおよび前記エアロゾル発生要素と流体接続しているチャンバーであって、前記エアロゾル発生要素からチャンバー吸込み口を通して流れるエアロゾルを含有する空気を加速するように構成された前記チャンバー吸込み口を備えるチャンバーと、を備え、
前記エアロゾル発生基体を燃焼することなくエアロゾルを発生するために十分な程度に前記容器内に受容される前記エアロゾル発生基体を加熱するように構成される、シーシャ装置であって、
前記チャンバーが、前記チャンバー吸込み口と流体連通する主チャンバーであって、前記主チャンバーが、前記エアロゾルを含有する前記空気が前記チャンバー吸込み口を出て前記主チャンバーに入る時に、前記主チャンバー内の前記エアロゾルを含有する前記空気の減速を可能にするようにサイズ設定され、かつ形作られ、
前記チャンバー吸込み口が、前記エアロゾル発生要素に近接する第一の開口部と、前記主チャンバー内の第二の開口部とを有し、前記エアロゾル発生要素からのエアロゾルが、第一の開口部を通して前記チャンバー吸込み口の中へと流れ、かつ前記第二の開口部を通って前記第二の開口部の外へと流れ、前記主チャンバーの中へと流れ、
前記第二の開口部が約0.5mm~約4mmの範囲の直径を有する、シーシャ装置。
【請求項2】
前記チャンバーが、前記チャンバーを含まない装置に比べて前記シーシャ装置の使用中に前記上部空間出口を出る総エアロゾル質量の増加をもたらす、請求項1に記載のシーシャ装置。
【請求項3】
総エアロゾル質量の前記増加が1.5倍以上である、請求項2に記載のシーシャ装置。
【請求項4】
前記第一の開口部が前記第二の開口部よりも大きい直径を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項5】
前記第一の開口部が約1mm~約10mmの範囲の直径を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項6】
前記チャンバー吸込み口が、前記第一の開口部から前記第二の開口部までの長さとして約1mm~約20mmを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項7】
前記チャンバー吸込み口が前記主チャンバーの中へと突出する、請求項1~6のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項8】
前記チャンバー吸込み口が円錐台形を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項9】
前記主チャンバーが少なくとも約10mmの直径を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【請求項10】
前記主チャンバーが少なくとも約10mmの長さを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載のシーシャ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、シーシャ装置に関し、かつ特にシーシャ装置に関し、より具体的には、エアロゾル発生基体を燃焼することなくその基体を加熱し、そして発生したエアロゾルの特徴を強化するシーシャ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シーシャ装置は、たばこを喫煙するために使用され、また消費者が吸い込む前にベイパーおよび煙が水盤を通過するように構成されている。シーシャ装置は、一つの出口を含んでもよく、または二人以上の消費者が同時に装置を使用することができるように二つ以上の出口を含んでもよい。多くの人にとって、シーシャ装置の使用は余暇活動および社会的経験であると考えられている。
【0003】
シーシャ装置に使用されるたばこは、例えば、生成されるベイパーおよび煙の量を増やすため、風味を変化させるため、またはその両方のために、その他の成分と混合されてもよい。典型的には、シーシャ装置では木炭のペレットがたばこを加熱するため使用され、木炭のペレットは、たばこまたはその他の成分を完全にまたは部分的に燃焼させることができる。
【0004】
一部のシーシャ装置は、例えば木炭燃焼の副産物を回避するため、またはたばこの加熱または燃焼の一貫性を改善するために、たばこを加熱または燃焼するために電気加熱源を使用することが提案されてきた。しかしながら、木炭を電気ヒーターで代用することは、可視的な煙またはエアロゾル、総エアロゾル質量、または可視的な煙もしくはエアロゾルおよびエアロゾル質量の観点から不満足なエアロゾルの産生をもたらす場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
満足な量の可視的なエアロゾルおよび総エアロゾル質量のうちの一方または両方を生成する電気ヒーターを採用するシーシャ装置を提供することが望ましい。
【0006】
燃焼副産物をもたらさない様式で基体を加熱するシーシャ装置を提供することも望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の様々な態様では、ベッセルと、ベッセルと流体連通するエアロゾル発生要素と、ベッセルとエアロゾル発生要素との間のチャンバーと、を備えるシーシャ装置が提供される。チャンバーは、ベッセルおよびエアロゾル発生要素と流体連通する。チャンバーは、エアロゾル発生要素から吸込み口を通して流れるエアロゾルを含有する空気を加速するように構成された吸込み口を備える。チャンバーは、吸込み口と流体連通する主チャンバーを備えることが好ましい。主チャンバーは、エアロゾルが吸込み口を出て主チャンバーに入る時に、主チャンバー内のエアロゾルの減速を可能にするようにサイズ設定され、かつ形作られる。エアロゾル発生要素は、電気発熱体と、発熱体によって加熱されるシーシャエアロゾル発生基体を受容するための容器と、容器と連通する吸込み口と、容器と連通する出口とを備える。シーシャ装置は、エアロゾルを生成するために、エアロゾルを燃焼することなくエアロゾル発生基体を十分に加熱するように構成される。
【0008】
本明細書に記述されるシーシャ装置の様々な態様または実施形態は、既存のシーシャ装置に対して一つ以上の利点を提供する場合がある。例えば、本明細書に記述される一つ以上のシーシャ装置は、実質的により可視的なエアロゾルを生成し、実質的により多くの総エアロゾル質量を送達する、または実質的により多くの可視的なエアロゾルを生成し、空気加速吸込み口を有するチャンバーを有しない類似の装置よりも実質的により多くの総エアロゾル質量を送達する場合がある。その結果、装置のユーザーは、木炭の燃焼副産物を有することなく、エアロゾル発生基体が木炭で燃焼されるシーシャ装置のより典型的な経験を有する場合がある。加えて、エアロゾルを燃焼することなくエアロゾルを生成するためにエアロゾル発生基体を十分に加熱するようにシーシャ装置が構成されている場合、エアロゾル発生基体の燃焼副産物も回避される場合がある。本明細書に記述されるシーシャ装置のこれらの利点およびその他の利点は、本開示を検討すると当業者には明らかになるであろう。
【0009】
本発明のシーシャ装置は、空気加速吸込み口を有する任意の好適なチャンバーを備えてもよい。チャンバーは、シーシャ装置の空気流路内のエアロゾル発生要素とベッセルとの間にある。エアロゾル発生要素からベッセルへ移動するエアロゾルを含有する空気は、チャンバーを通過する。チャンバーは、チャンバーに入る際にエアロゾルを含有する空気を加速する吸込み口を備える。吸込み口を出るエアロゾルを含有する空気は減速する場合があり、これは核形成プロセスを改善し、かつ空気加速吸込み口を有するチャンバーを含まない装置に対して可視的なエアロゾルの増加を生じさせる場合がある。可視的なエアロゾルの量は、ユニットの主チャンバー内、ベッセルの上部空間、または主チャンバーおよびベッセルの両方で増加する場合がある。加えて、または別の方法として、シーシャ装置によって送達される総エアロゾル質量は、空気加速吸込み口を有するチャンバーを含まない装置に対して増加する場合がある。例えば、総エアロゾル質量は、約1.5倍以上、または約2倍以上(約3倍など)増加する場合がある。
【0010】
チャンバーは、吸込み口と流体連通する主チャンバーを備えてもよい。主チャンバーは、エアロゾルを含有する空気が吸込み口を出て主チャンバーに入る時に、主チャンバー内でエアロゾルを含有する空気の減速を可能にするようにサイズ設定され、かつ形作られる。主チャンバーは、エアロゾルを含有する空気の減速を可能にする任意の好適なサイズおよび形状を有してもよい。好ましくは、主チャンバーは実質的に円筒形であるが、任意の他の好適な形状であってもよい。
【0011】
主チャンバーは任意の好適な直径を有してもよい。本開示の目的のため、「直径」は、物体の第一の端からその第一の端とは反対側にある第二の端までの最大横断距離である。一例として、「直径」は、円形の横断断面を有する物体の直径であってもよく、または長方形の横断断面を有する反対の幅であってもよい。一部の実施例では、主チャンバーは少なくとも約10 mmの直径を有する。例えば、主チャンバーの直径は、約10 mm~約50 mm(約30 mmなど)であってもよい。
【0012】
主チャンバーは任意の好適な長さを有してもよい。一部の実施例では、主チャンバーは少なくとも約10 mmの長さを有する。例えば、主チャンバーの長さは、約10 mm~約100 mm(約40 mmなど)であってもよい。
【0013】
吸込み口は主チャンバーの中へと突出することが好ましい。例えば、吸込み口の第一の端は、チャンバーのハウジングの外部表面に形成されてもよく、また吸込み口の第二の端は主チャンバーの中へと延びてもよい。
【0014】
エアロゾルを搬送する空気を加速する任意の好適な吸込み口が使用されてもよい。好適な吸込み口は、圧縮された気流断面を画定するガイドを含んでもよく、これは実質的に軸方向に加速するように空気を強制する。一部の実施例では、吸込み口は、エアロゾル発生要素に近接する第一の開口部および主チャンバーに近接する第二の開口部を備える。エアロゾル発生要素からのエアロゾルは、吸込み口の中へと第一の開口部を通して流れ、第二の開口部から出て主チャンバーの中へと流れる。第一の開口部は、第二の開口部より大きい直径を有する。
【0015】
第一の開口部は、任意の好適な寸法を有してもよい。例えば、吸込み口の第一の開口部は、約1 mm~約10 mmの範囲(約2 mm~約9 mm、または約7 mmなど)の直径を有してもよい。
【0016】
吸込み口の第二の開口部は、任意の好適な寸法を有してもよい。例えば、第二の開口部は、約0.5 mm~約4 mmの範囲(約0.5 mm~約2 mm、または約1 mmなど)の直径を有してもよい。
【0017】
吸込み口は、任意の好適な長さを有してもよい。例えば、第一の開口部から第二の開口部までの吸込み口の長さは、約1 mm~約30 mm(約1 mm~約20 mmまたは約5 mm~約30 mmなど、約20 mmなど)であってもよい。
【0018】
吸込み口は錐台状の形状を有することが好ましい。例えば、吸込み口はノズルの形態であってもよい。円錐台形を有する吸込み口は、空気が吸込み口を通して引き出される際に吸込み口を含有する空気の効率的な加速を可能にする場合がある。
【0019】
チャンバーは、任意の好適な数の空気加速吸込み口を備えてもよい。例えば、チャンバーは一つ以上の空気加速吸込み口を備えてもよい。一部の実施例では、チャンバーは、2個、3個、4個、または5個以上の空気加速吸込み口を備えてもよい。
【0020】
チャンバーは、一つ以上の部品を備えてもよい。例えば、主チャンバーおよび一つ以上の吸込み口は、同一の部品から形成されてもよく、または異なる部品から形成されてもよい。主チャンバーは、ユーザーがチャンバー内のエアロゾルを観察できるようにする材料から形成されることが好ましい。例えば、主チャンバーは、光学的に透明な材料で形成されてもよく、または不透明な材料で形成されてもよい。
【0021】
チャンバーは、エアロゾル発生要素と液体を収容するように構成されたベッセルとの間の空気流路内に位置付けられる。導管は、エアロゾル発生要素をチャンバーへ、エアロゾル発生要素の出口へと接続してもよい。別の方法として、チャンバーの吸込み口はエアロゾル発生要素の出口であってもよい。
【0022】
シーシャ装置は、チャンバーからベッセルの中へと延びる導管を備えてもよい。導管は、ベッセルの液体充填レベルより下のベッセルの中へと延びることが好ましい。一部の実施例では、チャンバーの主チャンバーは導管に流体接続される。他の実施例では、ベッセルの中へと延びる導管は、チャンバーの主チャンバーを形成する。
【0023】
本発明のシーシャ装置は、エアロゾル発生基体を加熱してエアロゾルを生成するための任意の好適なエアロゾル発生要素を備えてもよい。エアロゾル発生基体は電気発熱体によって加熱されることが好ましい。エアロゾル発生要素は、発熱体によって加熱されるエアロゾル発生基体を収容するための容器を収容する。発熱体によって加熱される時、エアロゾル発生基体はカートリッジ内にあることが好ましく、それゆえにエアロゾル発生要素は、カートリッジを受容するように構成されるカートリッジ容器を備えることが好ましい。別の方法として、カートリッジ内にないエアロゾル発生基体は、容器内に定置されてもよい。エアロゾル発生要素は、外気吸込み口、およびエアロゾル出口を備える。ユーザーがシーシャ装置を吸う時、外気が外気吸込み口に入り、エアロゾル発生基体を通り過ぎ、または通過し、そしてチャンバーの吸込み口の中へと入るためにエアロゾル出口から出る。一部の実施例では、エアロゾル発生要素のエアロゾル出口は、チャンバーの吸込み口の少なくとも一部分である、またはチャンバーの吸込み口の少なくとも一部分を形成する。
【0024】
エアロゾル発生要素の発熱体は、エアロゾル発生基体またはカートリッジを保持するための容器の少なくとも一つの表面を画定することが好ましい。発熱体は、容器の少なくとも二つの表面を画定することがより好ましい。例えば、発熱体は、上面、側面、および底面のうちの二つ以上の少なくとも一部分を形成してもよい。発熱体は、上面の少なくとも一部分、および側面の少なくとも一部分を画定することが好ましい。発熱体は、容器の上面全体および側壁表面全体を形成することがより好ましい。発熱体は、容器の内表面または外表面上に配置されてもよい。
【0025】
任意の好適な発熱体が採用されてもよい。例えば、発熱体は、抵抗加熱構成要素および誘導加熱構成要素のうちの一方または両方を備えてもよい。発熱体は抵抗加熱構成要素を備えることが好ましい。例えば、発熱体は、一つ以上の抵抗性ワイヤーまたはその他の抵抗性要素を備えてもよい。抵抗性ワイヤーは、熱伝導性材料と接触して、生成された熱をより広い面積にわたって配分してもよい。好適な導電性材料の例としては、アルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、およびこれらの組み合わせが挙げられる。本開示の目的のためには、抵抗性ワイヤーが熱伝導性材料と接触する場合、抵抗性ワイヤーおよび熱伝導性材料の両方は、カートリッジ容器の表面の少なくとも一部分を形成する発熱体の一部である。
【0026】
一部の実施例では、発熱体は誘導加熱体を備える。例えば、発熱体は、カートリッジ容器の表面を形成するサセプタ材料を備えてもよい。本明細書で使用される場合、「サセプタ」という用語は、電磁エネルギーを熱に変換する能力を有する材料を指す。交流電磁場内に位置するとき、典型的にはサセプタ内で渦電流が誘起され、またヒステリシス損失が生じてサセプタの加熱を生じさせる場合がある。サセプタがエアロゾル形成基体と熱接触して位置するか、または熱的に近接すると、そのサセプタによってその基体が加熱され、これによりエアロゾルが形成される。サセプタはエアロゾル形成基体と少なくとも部分的に直接物理的接触して配置されることが好ましい。
【0027】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度へと誘導加熱することができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタは金属または炭素を備える。好ましいサセプタは、例えばフェライト鉄、強磁性鋼またはステンレス鋼などの強磁性合金、およびフェライトなどの強磁性材料を備えてもよく、またはその強磁性材料から成っていてもよい。好適なサセプタはアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを備えてもよい。
【0028】
好ましいサセプタは、金属サセプタ(例えば、ステンレス鋼)である。しかしながら、サセプタ材料はまた、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、アルミニウム、ニオブ、インコネル合金(オーステナイトニッケル-クロム系超合金)、金属化フィルム、セラミック(例えば、ジルコニアなど)、遷移金属(例えば、Fe、Co、Niなど)、または半金属構成要素(例えば、B、C、Si、P、Alなど)も備えてもよく、またはそれらで作製されてもよい。
【0029】
サセプタは、5パーセント超の、好ましくは20パーセント超の、好ましくは50パーセントまたは90パーセント超の強磁性もしくは常磁性の材料を含むことが好ましい。好ましいサセプタは摂氏250度を超える温度まで加熱されてもよい。好適なサセプタは、非金属コア上に配置された金属層を有する非金属コア(例えば、セラミックコアの表面上に形成された金属のトラック)を備えてもよい。
【0030】
本発明によるシステムでは、容器内に配置するための容器の少なくとも一つの表面、または容器内に定置するためのエアロゾル発生基体を収容するカートリッジは、サセプタ材料を備えてもよい。容器の少なくとも二つの表面は、サセプタ材料を備えることが好ましい。例えば、容器の基部および少なくとも一つの側壁は、サセプタ材料を備えてもよい。
【0031】
有利なことに、カートリッジ容器の外表面の少なくとも一部分は、サセプタ材料で作製される。しかしながら、カートリッジ容器の内側の少なくとも部分も、サセプタ材料で被覆されるか、サセプタ材料で裏打ちされてもよい。裏打ちは、シェルの一体型の部品を形成するように、シェルに取り付けられる、または固定されることが好ましい。
【0032】
加えて、または別の方法として、カートリッジはサセプタ材料を備えてもよい。
【0033】
シーシャ装置はまた、サセプタ材料内に渦電流および/またはヒステリシス損失を誘発するように構成された一つ以上の誘導コイルを備えてもよく、これは結果としてサセプタ材料の加熱をもたらす。サセプタ材料はまた、エアロゾル発生基体を収容するカートリッジ内に位置付けられてもよい。サセプタ材料を含むサセプタ素子は、例えば、PCT特許出願公開第2014/102092号および同第2015/177255号に記述されている材料など、任意の好適な材料を備えてもよい。
【0034】
シーシャ装置は、抵抗発熱体または誘導コイルに動作可能に連結された制御電子回路を備えてもよい。制御電子回路は発熱体の加熱を制御するように構成される。
【0035】
制御電子回路は任意の好適な形態で提供されてもよく、かつ、例えば、コントローラーまたはメモリーおよびコントローラーを含んでもよい。コントローラーは、「特定用途向け集積回路(ASIC)」状態マシン、デジタル信号プロセッサ、ゲートアレイ、マイクロプロセッサ、または等価のディスクリート論理回路もしくは集積論理回路のうちの一つ以上を含んでもよい。制御電子回路は、回路の一つ以上の構成要素に制御電子回路の機能または態様を実行させる命令を収容するメモリーを含んでもよい。本開示において制御電子回路に帰属する機能は、ソフトウエア、ファームウエア、ハードウエアのうちの一つ以上として具現化されてもよい。
【0036】
電子回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラム可能マイクロプロセッサでもよい。電子回路は電力供給を調節するよう構成されてもよい。電力は、電流パルスの形態でヒーター要素または誘導コイルに供給されてもよい。
【0037】
発熱体が抵抗発熱体である場合、制御電子回路は、発熱体の電気抵抗を監視し、発熱体の電気抵抗に依存して発熱体への電力供給を制御するように構成されてもよい。このようにして、制御電子回路は抵抗要素の温度を調節してもよい。
【0038】
加熱構成要素が誘導コイルを含み、発熱体がサセプタ材料を備える場合、例えば、国際特許公開公報第2015/177255号に説明されているように、制御電子回路は、誘導コイルの態様を監視し、かつコイルの態様に依存して誘導コイルへの電力供給を制御するように構成されてもよい。このようにして、制御電子回路はサセプタ材料の温度を調節してもよい。
【0039】
シーシャ装置は、発熱体の温度を制御するために制御電子回路に動作可能に連結された温度センサー(熱電対など)を備えてもよい。温度センサーは任意の好適な場所に位置付けられてもよい。例えば、温度センサーは、加熱されるエアロゾル発生基体の温度を監視するために、容器の中に受容されたエアロゾル発生基体またはカートリッジの中へと挿入されるように構成されてもよい。加えて、または別の方法として、温度センサーは発熱体と接触してもよい。加えて、または別の方法として、温度センサーは、エアロゾル発生要素のエアロゾル出口など、シーシャ装置のエアロゾル出口での温度を検出するように位置付けられてもよい。センサーは、感知された温度に関連する信号を制御電子回路に送信してもよく、これは発熱体の加熱を調整して、センサーにおける好適な温度を達成する場合がある。
【0040】
シーシャ装置が温度センサーを含むかどうかにかかわらず、装置は、エアロゾル発生基体を燃焼することなくエアロゾルを発生するのに十分な程度まで容器内に受容されるエアロゾル発生基体を加熱するように構成されることが好ましい。
【0041】
制御電子回路は電源に動作可能に連結されてもよい。シーシャ装置は任意の好適な電源を備えてもよい。例えば、シーシャ装置の電源は、電池または電池の組であってもよい。一部の実施例では、陰極要素および陽極要素をロールして、それらが配置されるシーシャ装置の一部分の幾何学的形状に適合するように組み立てることができる。電源ユニットの電池は、再充電可能とすることができるだけでなく、取り外し可能かつ交換可能であってもよい。任意の好適な電池が使用されてもよい。例えば、産業用耐久型電気工具に使用されものなど、市販の耐久型または標準電池である。別の方法として、電源ユニットは、スーパーコンデンサまたはハイパーコンデンサを含む任意のタイプの電力供給源とすることができる。別の方法として、装置は、外部電源に接続されて電力供給することができ、またこうした目的のために電気的および電子的に設計することができる。採用される電源のタイプにかかわらず、電源は再充電または外部電源への接続を必要とする前に、およそ70分間の装置の連続動作において装置が正常に機能するために十分なエネルギーを提供することが好ましい。
【0042】
シーシャ装置は、エアロゾル発生基体を収容するための容器と流体接続している外気吸込み口チャネルを備える。外気は、シーシャ装置が使用されている時に、発生したエアロゾルをエアロゾル発生基体からエアロゾル出口へと搬送するために、チャネルを通して容器へ、そして容器内に配置された基体へと流れる。チャネルの少なくとも一部分は、容器に入る前に空気を予熱するために、発熱体によって形成されることが好ましい。容器の表面を形成する発熱体の一部分が、外気吸込み口チャネルの一部分を形成することが好ましい。外気吸込み口チャネルは、容器の上面および容器の側壁(発熱体によって形成されている場合)のうちの一方または両方から形成されることが好ましい。空気吸込み口チャネルは、容器の上面および容器の側壁(発熱体によって形成されている場合)の両方によって形成されることが好ましい。
【0043】
空気吸込み口チャネルの任意の好適な部分は、発熱体によって形成されてもよい。空気吸込み口チャネルの長さの約50%以上は、発熱体によって形成されることが好ましい。多くの実施例では、発熱体は、外気吸込み口チャネルの長さの95%以下を形成することになる。
【0044】
外気吸込み口チャネルを通して流れる空気は、発熱体によって任意の好適な量だけ加熱されてもよい。一部の実施例では、空気は、加熱された空気がエアロゾル発生基体またはエアロゾル発生基体を収容するカートリッジを通して流れる時にエアロゾルが形成されるように、十分に加熱される。一部の実施例では、空気は、それ自身はエアロゾル形成を生じるために十分には加熱されないが、発熱体による基体の加熱を容易にする。基体を加熱し、そしてエアロゾル形成を生じるために発熱体へと供給されるエネルギーの量は、本発明による空気が予熱される時は、空気が予熱されない設計と比較して、5%以上(10%以上、または15%以上など)低減さることが好ましい。典型的には、エネルギー節約は75%未満となるであろう。
【0045】
基体は、予熱された空気と、発熱体からの加熱との組み合わせを通して、約150℃~約250℃の範囲の温度に加熱されることが好ましく、約180℃~約230℃または約200℃~約230℃の範囲の温度へと加熱されることがより好ましい。
【0046】
気流チャネルの少なくとも一部分は、発熱体と熱遮蔽との間に形成されることが好ましい。外気吸込み口チャネルによって形成される外気吸込み口チャネルの実質的に部分全体は、熱遮蔽によって形成されることが好ましい。熱遮蔽および発熱体は、空気が熱遮蔽と発熱体との間に流れるように、外気吸込み口チャネルの対向する表面を形成してもよい。熱遮蔽は、容器によって形成される内部に対する外部に位置付けられることが好ましい。
【0047】
任意の好適な熱遮蔽材料が採用されてもよい。熱遮蔽材料は熱反射性である表面を備えることが好ましい。熱反射性表面は、断熱材料で裏打ちされてもよい。一部の実施例では、熱反射性材料は、アルミニウム金属化フィルムまたはその他の好適な熱反射性材料を含む。一部の実施例では、断熱材料はセラミック材料を含む。一部の実施例では、熱遮蔽はアルミニウム金属化フィルムおよびセラミック材料の裏当てを含む。
【0048】
外気吸込み口チャネルは、シーシャ装置の外側からの外気がチャネルを通し、かつ開口部を通して容器の中へと流れうるように、容器を通した一つ以上の開口部を備えてもよい。チャネルが二つ以上の開口部を備える場合、チャネルは、チャネルを通して各開口部へと流れる空気を方向付けるためのマニホールドを備えてもよい。シーシャ装置は、二つ以上の外気吸込み口チャネルを備えることが好ましい。
【0049】
容器は、一つ以上の外気吸込み口チャネルと連通する任意の好適な数の開口部を備えてもよい。例えば、容器は1~1000個の開口部(10~500個の開口部など)を備えてもよい。開口部は、均一なサイズであってもよく、不均一なサイズであってもよい。開口部は、均一に分布されてもよく、また不均一に分布されてもよい。開口部は、カートリッジ容器内の任意の好適な場所において形成されてもよい。例えば、開口部は、容器の上部または側壁のうちの一方または両方に形成されてもよい。開口部は容器の上部に形成されることが好ましい。
【0050】
容器は、基体またはカートリッジが容器によって受容される時に、容器の表面を形成する発熱体によるエアロゾル発生基体の伝導性加熱を容易にするように、容器の一つ以上の壁または天井と、エアロゾル発生基体またはエアロゾル発生基体を収容するカートリッジとの間で接触できるように形作られ、かつサイズ設定されることが好ましい。一部の実施例では、エアロゾル発生基体を収容するカートリッジの少なくとも一部分と容器の表面との間に空隙が形成されてもよく、空隙は外気吸込み口チャネルの一部分として機能する。
【0051】
容器の内部およびエアロゾル発生基体を収容するカートリッジの外部は、類似のサイズおよび寸法であることが好ましい。容器の内部およびカートリッジの外部は、約1.5対1よりも大きい高さ:基部幅(または直径)比、または約1.5対1よりも大きい高さ:基部幅(または直径)比を有することが好ましい。こうした比は、発熱体からの熱がカートリッジの中心部へと貫通するのを可能にすることによって、使用中にカートリッジ内のエアロゾル発生基体のより効率的な枯渇を可能にする場合がある。例えば、容器およびカートリッジは、高さに対して約1.5~約5倍、または高さの約1.5~約4倍、または高さに対して約1.5~約3倍の基部直径(または幅)を有してもよい。同様に、容器およびカートリッジは、基部直径(または幅)に対して約1.5~約5倍、または基部直径(または幅)の約1.5~約4倍、または基部直径(または幅)に対して約1.5~約3倍の高さを有してもよい。容器およびカートリッジは、約1.5対1~約2.5対1の高さ:基部直径比または基部直径:高さ比を有することが好ましい。
【0052】
一部の実施例では、容器の内部およびカートリッジの外部は、約15 mm~約25 mmの範囲の高さ、および約40 mm~約60 mmの範囲の基部直径を有する。
【0053】
容器は、一つ以上の部品から形成されてもよい。容器は二つ以上の部品によって形成されることが好ましい。容器の少なくとも一部は、カートリッジを容器の中へと挿入するための容器の内部へのアクセスを可能にするために、別の部品に対して移動可能であることが好ましい。例えば、一つの部品は、部品が分離された時にエアロゾル発生基体またはエアロゾル発生基体を収容するカートリッジの挿入を可能にするために、別の部品に取り外し可能に取り付け可能であってもよい。部品は、ねじ係合、締まり嵌め、スナップ嵌め、またはこれに類するものによるなどの、任意の好適な様式で取り付け可能であってもよい。一部の実施例では、部品はヒンジを介して互いに取り付けられる。部品がヒンジを介して取り付けられている時、部品はまた、容器が閉位置にある時に部品を互いに対して固定するための係止機構を含んでもよい。一部の実施例では、容器は、エアロゾル発生基体またはカートリッジが引き出し内に定置されることを可能にするように摺動的に開けられてもよく、かつシーシャ装置を使用されることを可能にするように摺動的に閉めることのできる引き出しを備える。
【0054】
任意の好適なエアロゾル発生カートリッジは、本明細書に記述されるシーシャ装置と併用されてもよい。カートリッジは、熱伝導性のあるハウジングを備えることが好ましい。例えば、ハウジングはアルミニウム、銅、亜鉛、ニッケル、銀、およびこれらの組み合わせから形成されてもよい。ハウジングはアルミニウムから形成されることが好ましい。一部の実施例では、カートリッジは、アルミニウムよりも熱伝導性の低い一つ以上の材料から形成される。例えば、ハウジングは、任意の好適な熱的に安定な高分子材料から形成されてもよい。材料が十分に薄い場合、特に熱伝導性のない材料からハウジングが形成されていても、ハウジングを通して十分な熱が伝達される場合がある。
【0055】
カートリッジは、使用時にカートリッジを通した空気の流れを可能にするために、ハウジングの上部および底部に形成された一つ以上の開口部を備えてもよい。容器の上部が一つ以上の開口部を含む場合、カートリッジの上部にある少なくとも一部の開口部は、容器の上部の開口部と整列してもよい。カートリッジは、カートリッジが容器の中へと挿入された時に、容器の相補的な整列の特徴と嵌合してカートリッジの開口部を容器の開口部と整列させるように構成された整列の特徴を備える場合がある。カートリッジのハウジング内の開口部は、カートリッジ内に貯蔵されたエアロゾル発生基体がカートリッジから漏れ出るのを防止するために、貯蔵中は覆われてもよい。加えて、または別の方法として、ハウジング内の開口部は、エアロゾル発生基体がカートリッジから出るのを防止または抑止するのに十分に小さい寸法を有してもよい。開口部が覆われている場合、消費者はカートリッジを容器の中へと挿入する前にカバーを取り外してもよい。一部の実施例では、容器はカートリッジを穿孔してカートリッジ内に開口部を形成するように構成される。容器は、カートリッジの上部に穿孔するように構成されることが好ましい。
【0056】
カートリッジは、任意の好適な形状であってもよい。カートリッジは、円錐台形を有することが好ましい。
【0057】
任意の好適なエアロゾル発生基体は、本発明のシーシャ装置と併用するためにカートリッジ内に定置されてもよく、またはエアロゾル発生ユニットの容器内に定置されてもよい。エアロゾル発生基体は、エアロゾルを形成しうる揮発性化合物を放出する能力を有する基体であることが好ましい。揮発性化合物はエアロゾル発生基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル発生基体は固体であってもよく、または液体であってもよく、あるいは固体構成成分および液体構成成分の両方の成分を備えてもよい。エアロゾル発生基体は固体であることが好ましい。
【0058】
エアロゾル発生基体はニコチンを備えてもよい。ニコチンを含有するエアロゾル発生基体はニコチン塩マトリクスを備えてもよい。エアロゾル発生基体は植物由来材料を備えてもよい。エアロゾル発生基体はたばこを備えてもよく、たばこ含有材料は加熱に伴いエアロゾル発生基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有することが好ましい。
【0059】
エアロゾル発生基体は均質化したたばこ材料を備えてもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。存在する場合には、均質化したたばこ材料は、乾燥質量基準で5%以上のエアロゾル形成体含有量を有してもよく、乾燥質量基準で重量30%超との間であることが好ましい。エアロゾル形成体の含有量は、乾燥質量基準で約95%未満であってもよい。
【0060】
別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生基体は、非たばこ含有材料を備えてもよい。エアロゾル発生基体は均質化した植物由来材料を備えてもよい。
【0061】
エアロゾル発生基体は、例えば、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の破片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこのうちの一つ以上を含有する、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうち一つ以上を備えてもよい。
【0062】
エアロゾル発生基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を備えてもよい。エアロゾル形成体は、使用時に密度が高く安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつエアロゾル発生装置の使用温度で熱分解に対して実質的に耐性のある任意の好適な公知の化合物または化合物の混合物であってもよい。好適なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1、3-ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。特に好ましいエアロゾル形成体は多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールなど)であり、グリセリンが最も好ましい。エアロゾル形成基体は、その他の添加物および成分(風味剤など)を備えてもよい。エアロゾル発生基体はニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を備えることが好ましい。特に好ましい実施形態では、エアロゾル形成体はグリセリンである。
【0063】
固体エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は、第一の主表面、第二の主外表面、または第一の主表面および第二の主表面の両方の上に固体基体が堆積された薄層を備えてもよい。担体は、例えば紙、または紙様の材料、不織布炭素繊維マット、低質量の目の粗いメッシュ金属スクリーン、または穿孔された金属箔またはその他の任意の熱的に安定した高分子マトリクスで形成されてもよい。代替的に、担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片またはシートなどの形態をとってもよい。担体は、たばこ成分がその中へと組み込まれた不織布繊維または繊維の束であってもよい。不織布繊維または繊維の束は、例えば、炭素繊維、天然セルロース繊維、またはセルロース誘導体繊維を備えてもよい。
【0064】
一部の実施例では、エアロゾル発生基体は懸濁液の形態である。例えば、エアロゾル発生基体は、粘度が高い糖蜜様の懸濁液の形態であってもよい。
【0065】
カートリッジに入る空気は、エアロゾル発生基体を横切って流れ、エアロゾルを混入し、エアロゾル出口を経由してカートリッジと容器を出る。エアロゾル出口から、エアロゾルを搬送する空気がベッセルに入る。
【0066】
シーシャ装置は、液体を収容するように構成された内部容積を画定し、かつ液体充填レベルの上方の上部空間に出口を画定する任意の好適なベッセルを備えてもよい。ベッセルは、ベッセル内に収容された内容物を消費者が観察することを可能にする光学的に透明または不透明なハウジングを備えてもよい。ベッセルは、液体充填ラインなどの液体充填境界を備えてもよい。ベッセルハウジングは任意の好適な材料で形成されてもよい。例えば、ベッセルハウジングは、ガラスまたは好適な剛直なプラスチック材料を備えてもよい。ベッセルは、消費者がベッセルを充填または清掃することを可能にするために、エアロゾル発生要素を備えるシーシャ装置の一部分から取り外し可能であることが好ましい。
【0067】
ベッセルは、消費者によって液体充填レベルまで充填されてもよい。液体は水を備えることが好ましく、これには一つ以上の着色剤もしくは風味剤、または着色剤および風味剤が随意に注入されてもよい。例えば、水には、植物または薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されてもよい。
【0068】
チャンバーを出る空気中に混入されたエアロゾルは、ベッセル内に位置付けられた導管を通して移動してもよい。導管はチャンバーへと連結されてもよく、またベッセルを通して流れるエアロゾルが導管の開口部を通して流れ、その後液体を通り、ベッセルの上部空間の中へと入り、そして消費者への送達のために上部空間出口を出るように、ベッセルの液体充填レベルより下に開口部を有してもよい。
【0069】
上部空間出口は、エアロゾルを消費者に送達するためのマウスピースを備えるホースに連結されてもよい。マウスピースは、ユーザーによって、またはシーシャ装置の制御電子回路に動作可能に連結された吸煙センサーによって起動可能なスイッチを備えてもよい。スイッチまたは吸煙センサーは、制御電子回路に無線で連結されていることが好ましい。スイッチまたは吸煙センサーの起動は、エネルギーを発熱体に常に供給するのではなく、制御電子回路に発熱体を起動させる。その結果、スイッチまたは吸煙センサーの使用は、こうした要素を採用していない装置と比較してエネルギーを節約する機能し、一定の加熱ではなく要求に応じた加熱を提供する場合がある。
【0070】
例示の目的で、本明細書に記述されるシーシャ装置を使用する一つの方法が、時系列で以下に提供される。ベッセルは、シーシャ装置の他の構成要素から取り外され、水で充填されてもよい。天然の果実飲料、植物成分、および薬草の浸出液のうちの一つ以上が、風味付けのために水に添加されてもよい。添加される液体の量は、導管の一部分を覆うべきであるが、ベッセル上に随意に存在する場合がある充填レベルマークを越えてはならない。次いで、ベッセルは、シーシャ装置へと再度組み付けられる。エアロゾル発生要素の一部分は、エアロゾル発生基体またはカートリッジを容器の中へと挿入できるように取り外され、または開かれてもよい。その後、エアロゾル発生要素は再組み立てされるかまたは閉じられる。その後、装置はオンにされてもよい。ユーザーは、所望の量のエアロゾルが生成されて、空気加速吸込み口を有するチャンバーを充填するまで、マウスピースから吸煙してもよい。ユーザーは、望む通りにマウスピースで吸煙してもよい。ユーザーは、チャンバー内にエアロゾルが見えなくなるまで、装置を使い続けてもよい。カートリッジまたは基体が使用可能なエアロゾル発生基体を消耗した時に、装置は自動的に停止することが好ましい。別の方法として、または加えて、消費者は、例えば、消耗品が枯渇した、またはほとんど枯渇したという合図を装置から受けた後、装置を未使用のエアロゾル発生基体または未使用のカートリッジで再充填してもよい。未使用基体またはカートリッジで再充填されると、装置を継続して使用することができる。シーシャ装置は、例えば装置のスイッチをオフにすることによって、消費者によっていつでもオフにできることが好ましい。
【0071】
一部の実施例では、ユーザーは、例えば、マウスピース上の起動要素を使用することによって一つ以上の発熱体を起動してもよい。例えば、起動要素は、制御電子回路と無線通信してもよく、また制御電子回路に信号を送って、スタンバイモードから最大加熱まで発熱体を起動してもよい。こうした手動起動は、カートリッジ中のエアロゾル発生基体の過熱または不要な加熱を防止するために、ユーザーがマウスピースを吸煙する間のみ有効であることが好ましい。
【0072】
一部の実施例では、マウスピースは、制御電子回路と無線通信する吸煙センサーを含み、消費者によるマウスピースの吸煙は、スタンバイモードから最大の加熱までの発熱体の作動を生じさせる。
【0073】
本発明のシーシャ装置は、任意の好適な空気管理を有する場合がある。一実施例では、ユーザーからの吸煙動作は、装置内部の低圧を生じさせる吸引効果を作り出すことになり、これによって外部の空気を装置の空気吸込み口を通して流し、外気吸込み口チャネル内、およびエアロゾル発生要素の容器内に流すことになる。次いで空気は、エアロゾル発生基体、または容器内の基体を収容するカートリッジを通して流れ、容器のエアロゾル出口を通してエアロゾルを搬送する場合がある。その後、エアロゾルを含有する空気は、チャンバーの空気加速吸込み口の第一の開口部の中へと流れてもよい(エアロゾル発生要素の出口がチャンバーの空気加速吸込み口としても機能しない限り)。空気がチャンバーの吸込み口を通して流れると、空気は加速される。加速された空気は、第二の開口部を通して吸込み口を出て、チャンバーの主チャンバーに入り、ここで空気は減速される。主チャンバー内での減速は、チャンバー内の可視的なエアロゾルの強化をもたらす核形成を改善する場合がある。エアロゾル化された空気はその後、チャンバーを出て導管を通して流れ(導管がチャンバーの主チャンバーである場合を除き)、ベッセルの内側の液体へと流れてもよい。その後、エアロゾルは、泡になって液体から出て、そして液体のレベルの上方のベッセル内の上部空間へと入り、そしてホースおよびマウスピースを通して消費者へと送達するために、上部空間出口を出る。外部の空気の流れ、およびシーシャ装置内側のエアロゾルの流れは、ユーザーからの吸煙動作によって駆動される場合がある。
【0074】
本発明のシーシャ装置のすべての主要部品の組立品が、装置の密封機能を確実にすることが好ましい。密封機能は、適正な気流の管理が行われることを確実にするべきである。密封機能は、任意の好適な様式で達成されうる。例えば、シールリングおよびシールワッシャーなどのシールが、密封シールを確保するため使用されてもよい。
【0075】
シールリングおよびシールワッシャーまたはその他のシール要素は、任意の好適な材料(複数可)で作製されうる。例えば、シールは、グラフェン化合物およびシリコン化合物のうちの一つ以上を備えてもよい。その材料は、米国食品医薬品局によって、ヒトにおける使用が認可されていることが好ましい。
【0076】
チャンバー、チャンバーからの導管、容器のカバーハウジング、およびベッセルなどの主要部品は、任意の好適な材料(複数可)で作製されてもよい。例えば、これらの部品は、ガラス、ガラス系化合物、ポリスルホン(PSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、またはポリフェニルスルホン(PPSU)から独立して作製されてもよい。それらの部品は、標準的な食器洗い機での使用に好適な材料で形成されることが好ましい。
【0077】
一部の実施例では、本発明のマウスピースは、ホースユニットに接続するためのクイックカップリングのオス/メスの特徴を組み込む。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図1】シーシャ装置の実施例の概略断面図。
図2】チャンバーの実施例の概略断面図。
図3】エアロゾル発生要素および導管へと動作可能に接続されたチャンバーの実施例の概略断面図。
図4】実施形態を示す概略断面図。
図5】本明細書に記載のシーシャ装置とともに使用されてもよいカートリッジの実施例の概略斜視図。
図6A】チャンバーを有しないシーシャ装置を示す図。
図6B】チャンバーを有するシーシャ装置を示す図。
図7】吸煙当たりの平均総エアロゾル質量を二つの異なる構成での吸煙20回、40回、60回、80回、および105回について示す図。
【発明を実施するための形態】
【0079】
ここで、本開示で説明される一つ以上の態様を図示する図面を参照する。しかし、当然のことながら、図面に図示されていないその他の態様も、本開示の範囲および趣旨に収まる。図中で使用される類似の番号は、類似の構成要素、工程、およびこれに類するものを指す。しかし、当然のことながら、所与の図内で一つの構成要素を指すために一つの番号を使用することは、別の図内の同じ番号が付けられた構成要素を限定することを意図するものではない。加えて、異なる図内で構成要素を指すための異なる番号の使用は、異なる番号の付いた構成要素を他の番号の付いた構成要素と同一または類似のものとすることはできないと示すことを意図するものではない。図面は、例示の目的で提示され、限定の目的で提示されるものではない。図中に提示される概略図は、必ずしも実寸に比例していない。
【0080】
ここで図1を参照すると、シーシャ装置100の実施例の概略断面図が示される。装置100は、液体19を収容するように構成される内部容積を画定し、また液体19に対する充填レベルの上にある上部空間出口15を画定するベッセル17を含む。液体19は水を備えることが好ましく、この水には一つ以上の着色剤、一つ以上風味剤、または一つ以上着色剤および一つ以上風味剤が随意に注入されてもよい。例えば、水には、植物の浸出液または薬草の浸出液のうちの一方または両方が注入されてもよい。
【0081】
装置100はまた、エアロゾル発生要素130も含む。エアロゾル発生要素130は、エアロゾル発生基体を収容する(またはカートリッジ内にないエアロゾル発生基体を受容する)カートリッジ150を受容するように構成された容器140を含む。エアロゾル発生要素130はまた、容器140の少なくとも一つの表面を形成する発熱体160も含む。図示した実施形態では、発熱体160は、容器140の上面および側面を画定する。エアロゾル発生要素130はまた、外気を装置100の中へと引き出す外気吸込み口チャネル170も含む。外気吸込み口チャネル170の一部分は、空気が容器140に入る前に空気を加熱するために発熱体160によって形成される。次いで、予熱された空気はカートリッジ150(またはカートリッジではない基体)に入り、これもまた発熱体160によって加熱されて、エアロゾル発生基体によって発生したエアロゾルを搬送する。空気はエアロゾル発生要素130の出口を出て、チャンバー200に入る。
【0082】
導管190は、チャンバー200からの空気およびエアロゾルをベッセル17内の液体19のレベルの下に搬送する。空気およびエアロゾルは、泡になって液体19を通して、ベッセル17の上部空間の出口15を出てもよい。エアロゾルをユーザーの口へと搬送するために、ホース20を上部空間出口15に取り付けてもよい。マウスピース25がホース20に取り付けられてもよく、またホース20の一部を形成してもよい。
【0083】
使用時における装置の空気流路は、図1に太い矢印で図示されている。
【0084】
マウスピース25は起動要素27を含んでもよい。起動要素27は、スイッチ、ボタンもしくはこれに類するものであってもよく、または吸煙センサーもしくはこれに類するものであってもよい。起動要素27は、装置100の任意のその他の好適な場所に定置されてもよい。起動要素27は制御電子回路30と無線通信して、例えば、電源35に発熱体140を給電させることによって、装置100を使用状態にするか、または制御電子回路に発熱体160を起動させてもよい。
【0085】
制御電子回路30および電源35は、図1に図示するエアロゾル発生要素130の底部部分以外のエアロゾル発生要素130の任意の好適な位置に配置されてもよい。
【0086】
図2は、チャンバー200の実施例の概略断面図を示す。チャンバー200は、主チャンバー230を画定するハウジング210を備える。チャンバー200は、主チャンバー230の中へと延びる、または突出する吸込み口220を含む。吸込み口は、第一の開口部223および第二の開口部227を含む。エアロゾル発生要素からのエアロゾルを含有する空気は、第一の開口部223を通して吸込み口220に入り、第二の開口部227を通して主チャンバー230に入る。第一の開口部223は、第二の開口部227よりも大きい直径を有し、これにより吸込み口220を通して第一の開口部223から第二の開口部227へと流れる空気が加速される。加速された空気は第二の開口部227を出て主チャンバー230に入ってもよい。空気は第二の開口部227を出て主チャンバー230に入ると減速される。次いでエアロゾルを含有する減速された空気は、出口240を通して主チャンバー230を出てもよく、この出口240は、エアロゾルをベッセルへと搬送するために導管(図1に図示される導管190など)と流体連結されてもよい。
【0087】
図3は、エアロゾル発生要素130および導管190へと動作可能に接続されたチャンバー200の実施例の概略断面図を示す。簡潔性と明瞭性の目的のために、すべての構成要素が示されているわけではない。図示した実施形態では、空気(矢印)は、エアロゾル発生要素130の上部131にある空気吸込み口171内に入った後、熱遮蔽165を通過し、次いで発熱体160の外側表面をたどり、発熱体160の上部に達する。次いで加熱された空気は、カートリッジ150のハウジングの上面を通して進み、エアロゾル発生基体155を通して進み、底部133にある空間を通して進み、エアロゾル出口180へと進む。次いでエアロゾル化された空気はチャンバー200の吸込み口220に入り、エアロゾル化された空気は吸込み口220を通して移動するにつれて加速される。加速された空気は第二の開口部227を経由して吸込み口220を出て主チャンバー230に入り、ここで加速された空気は膨張する。減速された空気は出口240を経由してチャンバー200を出て、ベッセルの中へと移動するために導管190に入る。
【0088】
図3で図示した実施形態において、空気は発熱体160の外表面に沿って移動した後、発熱体160を通して移動する。他の実施形態(図示せず)では、空気は発熱体160の内部表面に沿って移動してもよい。
【0089】
図3で図示される実施例では、発熱体160と底部131の上面とによって形成される容器に、カートリッジ150(またはカートリッジ内にないエアロゾル発生基体)を挿入できるまたは容器から取り外しできるように、エアロゾル発生要素130の上部131は下部133から取り外されてもよい。上部131および下部133の本体は、断熱性材料で形成されてもよい。
【0090】
図4の概略断面図に図示した実施形態では、エアロゾル発生要素130は、制御電子回路(図4に図示せず)に動作可能に連結された熱電対199を含む。図示した実施例では、熱電対199は、カートリッジ150およびエアロゾル発生基体155の中へと貫通する。カートリッジ150が下部133に位置付けられ、かつ上部131が下部131の上方に定置されている時、熱電対199はカートリッジ150の中へと貫通してもよい。熱電対199は、出口180に近接する、またはシーシャ装置が使用されている時に関連する温度のフィードバックを提供するため任意のその他の好適な場所にある、発熱体160と接触してもよい。
【0091】
ここで図5を参照すると、本明細書に記載のシーシャ装置とともに使用されてもよいカートリッジ150の実施例の概略斜視図が示される。カートリッジ150は、ハウジング151と、カートリッジ150およびハウジング内に収容されたエアロゾル発生基体を通る空気の流れを可能にするためにハウジングの上面に形成された複数の開口部153とを含む。カートリッジ150の底部はまた、カートリッジ150を通る気流を可能にするために一つ以上の開口部も含むことができる。
【0092】
空気が容器の上部を通して流れる図3などの一部の実施例では、容器の上部は、図5に示すカートリッジと類似の開口部の分布を有してもよい。
【0093】
本発明の一態様に関連して上述した特徴は、本発明の別の態様にも適用されうる。
【0094】
以下の非限定的な例では、エアロゾルの可視的な量を増加させ、ユーザーへと送達可能な総エアロゾル質量を増加させるチャンバーの能力が説明されている。40 mmの長さおよび30 mmの直径を有するチャンバーは、高温樹脂を使用して3D印刷によって構築された。チャンバーは、7 mmの第一の開口部直径、および1.6 mmの第二の開口部直径を有する吸込み口ノズルを有した。円錐台形のノズルは30 mmの長さを有した。採用されたノズルは実験室ピペットの先端であった。
【0095】
チャンバーを有するシーシャ装置が組み立てられ、またチャンバーを有しないシーシャ装置が組み立てられた。二つのシーシャ装置は、チャンバーおよび関連する吸込み口のあるなしを除き、本質的に同一であった。
【0096】
カートリッジ容器および巻回ワイヤー発熱体を収容するエアロゾル発生要素は、チャンバーへと、またはチャンバーを含まない装置内の導管へと連結された。チャンバーは導管へと連結された。両方の装置では、導管はベッセル内の液体レベルより下に延びる。
【0097】
10gの市販のAl-Fakherたばこモラセスで充填されたカートリッジを、両方の装置内の巻回ワイヤー発熱体と接触して定置した。巻回ワイヤーは230℃の一定温度に設定された。
【0098】
作り出されたエアロゾルは、喫煙の体験の前後に重量が記録された合計10個のCambridgeパッドを使用して収集された。体験の総持続時間は105回の吸煙に対応する。望ましい吸煙の体験を達成するために、四つのプログラム可能なデュアルシリンジポンプ(PDSP)を同時に使用して、以下の吸煙レジームを作成した。
・吸煙体積:530 mL
・吸煙持続時間:2600 ms
・吸煙間の期間:17秒
【0099】
ベッセルの上部空間内の可視的なエアロゾルの量は、図6A図6Bに示すように、チャンバーを有するシーシャ装置内で急激に増加した。図6Aは、チャンバーを有しないシーシャ装置を示す。図6Bは、チャンバーを有するシーシャ装置を示す。
【0100】
チャンバーを有しない装置では、基体は電気的に加熱され、作り出されたベイパーは直接的にカートリッジの底部から導管(ステムパイプ)へ、次いで水を通過する。チャンバーを有する装置では、空気はノズルを通した通過に伴い加速され、続いてチャンバー内で減速される。結果として、発生した可視的な煙の量は大幅に増加する。
【0101】
加えて、収集されたエアロゾルの総量は、374 mg(チャンバーを有しない)から1159 mg(チャンバーを有する)へと増加した。
【0102】
実験のセットアップは、10個のCambridgeパッドのうちの2個のみが所与の時点で発生したエアロゾルを収集するように配置された。20回の吸煙ごとに、逆止め弁を使用してエアロゾルが確実にCambridgeパッドの正しい対へと分配されるようにした。それゆえ、エアロゾルの生成を時間の関数として監視することが可能である。
【0103】
図7は、吸煙当たりの平均総エアロゾル質量(TAM)を、二つの異なる構成での吸煙20回、40回、60回、80回、および105回について示す。チャンバーを有しない電気シーシャによって得られた吸煙当たりの平均TAMは、三角形を使用して図示される。ノズルを損なうチャンバーを追加した同一の装置を使用して得られたTAMは、円を使用して表示される。
【0104】
本明細書で使用されるすべての科学的および技術的な用語は、別途指定のない限り、当業界で一般に使用される意味を有する。本明細書で提供されている定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするためのものである。
【0105】
本明細書および添付した請求の範囲で使用される場合、単数形(「一つの(a、an)」および「その(the)」)は複数の対象を有する実施形態を包含するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0106】
本明細書または添付した請求の範囲で使用される場合、「または」という用語は、その内容によって明らかに別途定められていない限り、「および/または」を含めた意味で一般的に使用される。
【0107】
本明細書で使用される場合、「有する(have)」、「有している(having)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、またはこれに類するものは制約のない意味で使用され、また一般的に「含むが、これらに限定されない」を意味する。当然のことながら、「から本質的に成る(consisting essentially of)」、「から成る(consisting of)」、およびこれに類するものは、「含む(comprising)」およびこれに類するものに包摂される。
【0108】
「好ましい」および「好ましくは」という語は、ある特定の状況下である特定の利益をもたらしうる本発明の実施形態に言及する。しかしながら、同一またはその他の状況下で、その他の実施形態もまた好ましいものでありうる。その上、一つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗示するものではなく、また特許請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外することを意図しない。
【0109】
「上」、「下」、「左」、「右」、「上方」、「下方」およびその他の方向または向きなど、本明細書で言及される任意の方向は、明瞭性および簡潔性のために本明細書に記述されており、実際の装置またはシステムの限定を意図するものではない。本明細書に記述される装置およびシステムは、数多くの方向および向きで使用されてもよい。
【0110】
上記で例示される実施形態は限定ではない。上述の実施形態と一貫性のあるその他の実施形態は、当業者には明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7