(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】紙管製棺桶
(51)【国際特許分類】
A61G 17/007 20060101AFI20220721BHJP
【FI】
A61G17/007
(21)【出願番号】P 2020076240
(22)【出願日】2020-04-22
【審査請求日】2021-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】509063557
【氏名又は名称】白藤 泰利
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】特許業務法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白藤 泰利
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-113985(JP,A)
【文献】米国特許第04176431(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0167336(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 17/007
B65D 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半円筒形の紙管からなる下部紙管、前記下部紙管と同じ外径、内径及び長さの半円筒形の紙管からなる上部紙管、前記下部紙管の両端に取り付けられ前記下部紙管の内径又は外径と同じ直径の紙製円板からなる2つの側面部、前記下部紙管の内部に載置可能な長方形状の平面部、前記上部紙管の上面に設けてある窓部を備えている紙管製棺桶であって、
前記下部紙管の内径と同じ直径の円弧部及び前記円弧部の両端を結ぶ直線状の弦部を有する紙製弓型板と、前記上部紙管の内径と同じ直径の円弧部を有し、三日月状又は半円環状の紙製円弧帯状板を、それぞれ複数枚備えて
いるとともに、
前記下部紙管の内径と同じ直径の円弧部を有し、三日月状又は半月状の紙製円弧板を2枚と、前記平面部の長さと同じか若干短い長尺状の紙製補強板を備えており、
複数枚の前記紙製弓型板は、
前記弦部の中央部に溝が設けられ、前記下部紙管の長手方向の複数箇所に載置又は固定されており、
前記紙製円弧板は、前記下部紙管の両端近傍に取り付けられており、
前記紙製補強板は、前記溝の全てに嵌合して取り付けられており、
前記平面部は、複数枚の前記紙製弓型板の前記弦部
及び前記紙製補強板の上面に載置されており、
複数枚の前記紙製円弧帯状板は、前記上部紙管の長手方向の複数箇所に固定されている
ことを特徴とする紙管製棺桶。
【請求項2】
長方形の板紙及び前記板紙の上面の四隅と長辺の中央に長手方向に平行に固定される6つの土台層段ボールをさらに備えており、
前記土台層段ボールは、上面に前記下部紙管の外側面と同じ曲面を有している
ことを特徴とする請求項1に記載の紙管製棺桶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙管製棺桶に係り、特に、紙管の歪みを抑制し、上下の紙管の間における隙間の発生を防止する補強材を備える紙管製棺桶に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、棺桶の軽量化、焼却時間の短縮、燃料消費の抑制、二酸化炭素の排出量削減、天然資源の保護等を目的として、棺桶を段ボール等の紙製とする提案が行われている。
例えば、特許文献1(特許第6021469号公報)には、矩形状の底板部(1)と長辺側板部(2)との連設コーナー部分に、長辺全長にわたり硬化形成される強化梁材(9)が硬化形成されるようにして、棺本体の長手方向を実用上十分な耐荷重強度とした段ボール製棺桶が記載されている(特に、段落0021及び
図1、2を参照)。
また、特許文献2(特開平11-113985号公報)には、円筒形の紙管をそのスラスト方向に沿って半分に切断することによって形成される収容部(2)及び蓋部(3)と、紙片を積層することにて形成された略半円形状の板状体からなる収容部(2)の前部(22)及び後部(23)と、同じく略半円形状の板状体からなる蓋部(3)の前部(32)及び後部(33)等からなる棺桶が記載されている(特に、段落0012~0017及び
図1、2を参照)。
ところが、特許文献1に記載の段ボール製棺桶は、十分な耐荷重強度を持たせるために構造が複雑となり、接着性を有する充填剤の使用量が多くなるという問題があり、特許文献2に記載の円筒形の紙管を用いる棺桶は、紙管が板紙をスパイラル状に巻きつけた構造となっているため、収容部(2)及び蓋部(3)が棺桶内外の湿度変化や荷重等によって歪み、収容部(2)と蓋部(3)との間に隙間が発生し易いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6021469号公報
【文献】特開平11-113985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、従来の紙製棺桶、特に、特許文献2に記載の円筒形の紙管を用いる棺桶における問題点、すなわち、半円筒形状の紙管からなる収容部(下部紙管)と蓋部(上部紙管)との間に隙間が発生することを、極力防止できる紙管製棺桶の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するための請求項1に係る発明は、半円筒形の紙管からなる下部紙管、前記下部紙管と同じ外径、内径及び長さの半円筒形の紙管からなる上部紙管、前記下部紙管の両端に取り付けられ前記下部紙管の内径又は外径と同じ直径の紙製円板からなる2つの側面部、前記下部紙管の内部に載置可能な長方形状の平面部、前記上部紙管の上面に設けてある窓部を備えている紙管製棺桶であって、
前記下部紙管の内径と同じ直径の円弧部及び前記円弧部の両端を結ぶ直線状の弦部を有する紙製弓型板と、前記上部紙管の内径と同じ直径の円弧部を有し、三日月状又は半円環状の紙製円弧帯状板を、それぞれ複数枚備えているとともに、
前記下部紙管の内径と同じ直径の円弧部を有し、三日月状又は半月状の紙製円弧板を2枚と、前記平面部の長さと同じか若干短い長尺状の紙製補強板を備えており、
複数枚の前記紙製弓型板は、前記弦部の中央部に溝が設けられ、前記下部紙管の長手方向の複数箇所に載置又は固定されており、
前記紙製円弧板は、前記下部紙管の両端近傍に取り付けられており、
前記紙製補強板は、前記溝の全てに嵌合して取り付けられており、
前記平面部は、複数枚の前記紙製弓型板の前記弦部の上面及び前記紙製補強板に載置されており、
複数枚の前記紙製円弧帯状板は、前記上部紙管の長手方向の複数箇所に固定されていることを特徴としている。
【0006】
上記の課題を解決するための請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の紙管製棺桶において、
長方形の板紙及び前記板紙の上面の四隅と長辺の中央に長手方向に平行に固定される6つの土台層段ボールをさらに備えており、
前記土台層段ボールは、上面に前記下部紙管の外側面と同じ曲面を有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、下部紙管の内径と同じ直径の円弧部及び円弧部の両端を結ぶ直線状の弦部を有する紙製弓型板と、上部紙管の内径と同じ直径の円弧部を有し、三日月状又は半円環状の紙製円弧帯状板を、それぞれ複数枚備えているとともに、下部紙管の内径と同じ直径の円弧部を有し、三日月状又は半月状の紙製円弧板を2枚と、平面部の長さと同じか若干短い長尺状の紙製補強板を備えており、複数枚の紙製弓型板及び紙製円弧帯状板は、弦部の中央部に溝が設けられ、それぞれ下部紙管及び上部紙管の長手方向の複数箇所に固定されており、紙製円弧板は、下部紙管の両端近傍に取り付けられているため、下部紙管及び上部紙管が棺桶内外の湿度変化によって歪むことがない。
また、紙製補強板は、溝の全てに嵌合して取り付けられており、平面部は複数枚の紙製弓型板の弦部の上面及び前記紙製補強板に載置されているため、遺体等の荷重が平面板を介して複数枚の紙製弓型板及び長尺状の紙製補強板に分散し、下部紙管が遺体等の荷重を受けて変形することもない。
そのため、下部紙管と上部紙管との間における隙間の発生を抑えることができる。
さらに、紙管製棺桶を構成する部材は、ほとんどが紙製なので、軽量で、製造コストが安い、焼却時間を短縮できるといった長所があり、焼却における燃料消費の抑制、二酸化炭素の排出量削減、ダイオキシン発生の軽減といった効果も得られる。
【0009】
請求項2に係る発明によれば、請求項1に係る発明による効果に加え、長方形の板紙及び板紙の上面の四隅と長辺の中央に長手方向に平行に固定される6つの土台層段ボールをさらに備えており、土台層段ボールは、上面に下部紙管の外側面と同じ曲面を有しているので、紙管製棺桶を6つの土台層段ボールに載置したり固定したりして利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】実施例の下部紙管に紙製弓型板等を設置した状態の平面図と断面図。
【
図3】実施例の下部紙管に設置する紙製弓型板等の各種部品を示す図。
【
図4】実施例の上部紙管に楕円リング状板等を設置した状態の平面図と断面図。
【
図5】実施例の上部紙管に設置する楕円リング状板等の各種部品を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の紙管製棺桶について、実施例によって実施形態を説明する。
【実施例】
【0013】
図1は、実施例の紙管製棺桶1の使用状態を示す図である。
図1に示すように、実施例の紙管製棺桶1は、内径が50~60cm程度、外径が内径より0.5~1.5cm程度大きい円筒形の紙管を、160~210cm程度の長さに切断するとともに、切断した紙管をその中心軸に沿って半分に切断することによって形成される下部紙管2及び上部紙管3と、下部紙管2の両端に取り付けられている2つの側面部4と、上部紙管3の一端側の上面に設けてある窓部5を備えている。
紙管製棺桶1は、祭壇となるテーブル6の上に設置した下部紙管下土台7に載置して利用される。
そして、下部紙管下土台7は、高さ10cm程度、幅40~50cm程度、長さ110~160cm程度の木製台座8及び上面に下部紙管2の外側面と同じ曲面を有し、厚さが4~6cm程度の6つの土台層段ボール9から構成されている。
土台層段ボール9は、2つを1組として3組が、木製台座8の上面の四隅と長辺の中央に、直接又は長方形の板紙を介して長手方向に平行に固定されてなる。
なお、3組の土台層段ボール9を、下部紙管2の下面に接着剤等で固定しても良い。
【0014】
図2(A)及び(B)は、それぞれ下部紙管2に紙製弓型板10等を設置した状態の平面図及び断面図であり、
図3(A)~(E)は、下部紙管2に設置する紙製弓型板10等の各種部品を示す図である。
図2(A)、(B)及び
図3(A)~(E)に示すように、下部紙管2には次の各部品が組み付けられ、必要に応じて接着剤等によって、下部紙管2の内面や端部に固定される。
(A)
図3(A)に示すように、下部紙管2の内径と同じ直径の円弧部11と、円弧部11の両端を結ぶ長さが40~50cm程度の直線状の弦部12と、弦部12の中央部に設けてある幅2.5~3.5cm程度、深さ4~6cm程度の溝13を有し、厚さが1.5~2.5cm程度の段ボールからなる5枚の紙製弓型板10。
(B)
図3(B)に示すように、下部紙管2の内径と同じ直径の円弧部14を有し、三日月状で、円弧部14の両端を結ぶ長さが下部紙管2の内径と同じか若干小さく、厚さが2.5~3.5cm程度の段ボールからなる2枚の紙製円弧板15。
(C)
図3(C1)~(C3)に示すように、下部紙管2の内径と同じ直径で、厚さが1.5~2.5cm程度の段ボールからなる2枚の紙製円板16。
(D)
図3(D)に示すように、長方形で厚さが1~2cm程度の段ボールからなる紙製平面板18。
平面板18の幅は、紙製弓型板10の弦部12の長さとほぼ同じで、長さは、下部紙管2の長さから2枚の紙製円弧板15と2枚の紙製円板16の厚みを引いた長さとほぼ同じである。
(E)
図3(E)に示すように、長尺状で下辺の5箇所に溝19を有し、厚さが紙製弓型板10の溝13の幅と同じかほんの少し小さい段ボールからなる1枚の紙製補強板20。
紙製補強板20の高さは7~10cm程度、長さは平面板18の長さと同じか若干短く、溝19の幅は紙製弓型板10の厚さと同じかほんの少し小さい幅となっており、深さは紙製補強板20の高さから紙製弓型板10の中央部に設けてある溝13の深さを引いた長さと同じかほんの少し大きい深さとなっている。
【0015】
図4(A)及び(B)は、それぞれ内面側を上にした上部紙管3に楕円リング状板21等を設置した状態の平面図及び断面図であり、
図5(F)~(H)は、上部紙管3に設置する楕円リング状板21等の各種部品を示す図である。
図4(A)、(B)及び
図5(F)~(H)に示すように、上部紙管3には次の各部品が組み付けられ、接着剤等によって、上部紙管3の内面に固定される。
(F)
図5(F)に示すように、上部紙管3の一端側の上面に穿たれている楕円形の穴(長径:40~50cm程度、短径:30~35cm程度)より大きな楕円形の板の内側に、楕円形の穴より小さな楕円形の窓22を穿ってあり、厚さが0.5cm程度のコートボールからなる楕円リング状板21。
楕円リング状板21の長径及び短径は、それぞれ楕円形の穴の長径及び短径より3~5cm程度長く、楕円形の窓22の長径及び短径は、それぞれ楕円形の穴の長径及び短径より1~3cm程度短くなっている。
また、楕円形の窓22は、透明な樹脂製のフィルムで覆われており、上部紙管3に楕円形の穴を設けるためにくり抜かれた楕円形状の板は、楕円リング状板21の上に載置して、楕円形の窓22を閉めるための窓板(図示せず)として用いる。
なお、透明な樹脂製のフィルムは、楕円リング状板21に固定しても良いし、固定せずに取り外し可能としても良い。
(G)
図5(G)に示すように、上部紙管3の内径と同じ直径の円弧部23を有し、三日月状で、円弧部23の両端を結ぶ長さが下部紙管2の内径と同じか若干小さく、厚さが3~4cm程度の段ボールからなる2枚の紙製三日月状板24。
(H)
図5(H)に示すように、上部紙管3の内径と同じ直径の円弧部25と、下部紙管2の内径より8~10cm小さい直径の円弧部26を有し、半円環状で、厚さが3~4cm程度の段ボールからなる1枚の紙製半円環状板27。
【0016】
実施例に係る紙管製棺桶1の組み立ては、以下の手順により実施する。
なお、必要に応じて又は利用者の好みに合わせて、紙管製棺桶1の組み立て前又は後において、下部紙管2、上部紙管3及び上部紙管3からくり抜いた窓板の表面に、装飾用の紙を貼り付けたり、模様を描いたりしても良く、窓板には取っ手等を設けても良い。
(1)下部紙管2の端部から紙製円板16の厚み分+1cm程度内側に、紙製円弧板15の円弧部14を接着剤等で固定する。
(2)5枚の紙製弓型板10を、下部紙管2の下面に等間隔、かつ、互いに平行に配置し、弦部12の中央部に設けてある溝13と紙製補強板20の溝19をかみ合せて固定する。
(3)2枚の紙製円弧板15の外側と下部紙管2の両端部の下面に接着剤を塗布し、紙製円板16を貼り付けて固定し、側面部とする。側面部は下部紙管2の端部から1cm程度内側に固定されるので、下部紙管2を持ち上げるとき親指を掛けることができる。
(4)5枚の紙製弓型板10の弦部12及び紙製補強板20の上面に紙製平面板18を載置し、必要ならば固定して平面部とする。
(5)上部紙管3の一端側の上面に穿たれている楕円形の穴の縁部の内面側に、楕円リング状板21を貼り付けて固定し、窓部5とする。
(6)上部紙管3の端部から紙製円板16の厚み分+1cm程度内側に、紙製三日月状板24の円弧部23を接着剤等で固定する。側面部は上部紙管3の端部から1cm程度内側に位置するので、上部紙管3の着脱を両端部に指を掛けて行うことができる。
(7)上部紙管3の中央部に、紙製半円環状板27を接着剤等で固定する。
【0017】
実施例の紙管製棺桶1に関する変形例を列記する。
(1)実施例においては、5枚の紙製弓型板10、2枚の紙製円弧板15、2枚の紙製円板16、紙製平面板18、紙製補強板20、2枚の三日月状板24及び1枚の紙製半円環状板27を、いずれも段ボール製としたが、段ボールに限らず、厚紙や燃え易く有害物質を発生しない合成紙等を重ね合わせたものとしても良い。
また、平面部の断熱性や強度を上げるために、紙製平面板18に代えて又は加えて、断熱性や強度に優れているとともに、不燃性又は燃えても有害物質を発生しない材料からなる板状体を用いても良い。
(2)実施例においては、全ての構成部材の寸法を、人間の遺体を納棺する前提で記載したが、納棺する遺体がペット等である場合、その種類に応じて適宜変更しても良い。
(3)実施例においては、2枚の紙製円弧板15を
図3(B)に示すような形状(三日月状)としたが、三日月から半月程度の間の形状であれば、どのような形状でも良く、そのような形状を、本願では三日月状又は半月状と呼ぶこととする。
【0018】
(4)実施例においては、側面部を構成するために、下部紙管2の内径と同じ直径の紙製円板16を用いたが、
図3(C’2)及び(C’3)に示すように、2枚の紙製円板16の片面に下部紙管2の外径と同じ直径で、厚さが0.5~1cm程度の段ボールからなる紙製円板17を貼り合わせた複合紙製円板としても良く、また、下部紙管2の外径と同じ直径で厚さが1~2cm程度の段ボールからなる紙製円板の周りに、内径が下部紙管2の外径に等しく、長さが2~3cmのリング体を貼り合わせた複合紙製円板としても良い。
そうすることにより、下部紙管2の端面にも紙製円板が固定されるので、下部紙管2に発生する歪をより抑制することができる。
(5)実施例においては、下部紙管2の端部から紙製円板16の厚み分だけ内側に、紙製円弧板15の円弧部14を接着剤等で固定したが、下部紙管2の端部には紙製円板16又は複合紙製円板が接着剤等で固定されるので、紙製円弧板15は省いても良い。
(6)実施例においては、5枚の紙製弓型板10を、下部紙管2の下面に等間隔に載置し、弦部12の中央部に設けてある溝13と、紙製補強板20の溝19をかみ合せて固定したが、紙製弓型板10は5枚に限らず、下部紙管2の外径や長さに応じて、2~8枚程度としても良く、等間隔に配置せずに歪の発生し易い箇所の間隔を狭めて配置しても良い。
また、紙製弓型板10及び紙製補強板20の一方だけに溝を設け、5枚の紙製弓型板10の溝13に、溝を設けていない紙製補強板を嵌合させ、接着剤等で固定したり、紙製補強板20の5つの溝19に、溝を設けていない紙製弓型板の弦部の中央部を嵌合させ接着剤等で固定したりしても良い。
さらに、5枚の紙製弓型板10と紙製補強板20を固定した上で、下部紙管2の下面に5枚の紙製弓型板10の円弧部11を接着剤等で固定しても良い。
逆に、紙製補強板20を用いずに、5枚の紙製弓型板10の円弧部11を、下部紙管2の下面に直接接着剤等で固定しても良い。
【0019】
(7)実施例においては、上部紙管3の一端側の上面に楕円形の穴を穿ち、楕円リング状板21を貼り付けて窓部5としたが、楕円形の穴を穿つ位置は、納棺する遺体の種類に応じて適宜変更しても良い
(8)実施例においては、2枚の紙製三日月状板24を
図5(G)に示すような形状として、上部紙管3の端部から紙製円板16の厚み分だけ内側に固定し、1枚の紙製半円環状板27を
図5(H)に示すような形状として、上部紙管3の中央部に固定したが、2枚の紙製三日月状板24を紙製半円環状板27と同じ様な形状としても良く、1枚の紙製半円環状板27を紙製三日月状板24と同じ様な形状としても良い。
そのため、特許請求の範囲では、これらを合わせて紙製円弧帯状板と呼ぶこととする。
また、上部紙管3には大きな荷重はかからず、両端には紙製円板16があるので、紙製三日月状板24は、上部紙管3の中央と端部の途中に固定しても良く、3枚の紙製円弧帯状板を2枚として上部紙管3の適宜の位置に固定しても良い。
(9)実施例においては、1枚の紙製半円環状板27を、上部紙管3の中央部に固定したが、紙製半円環状板27を複数枚用い、上部紙管3の適宜の位置に固定して、上部紙管3の強度を上げ、歪みの発生をさらに抑えられるようにしても良い。
【符号の説明】
【0020】
1 紙管製棺桶 2 下部紙管 3 上部紙管
4 側面部 5 窓部 6 テーブル 7 下部紙管下土台
8 木製台座 9 土台層段ボール 10 紙製弓型板
11、14、23、25、26 円弧部 12 弦部
13、19 溝 15 紙製円弧板 16、17 紙製円板
18 紙製平面板 20 紙製補強板 21 楕円リング状板
22 窓 24 紙製三日月状板 27 紙製半円環状板