(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】後部アクセス可能トラックシステムを有する自動診断分析装置および関連方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20220721BHJP
G01N 35/04 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
G01N35/02 G
G01N35/04 H
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020134112
(22)【出願日】2020-08-06
(62)【分割の表示】P 2018098432の分割
【原出願日】2014-03-14
【審査請求日】2020-09-03
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391008788
【氏名又は名称】アボット・ラボラトリーズ
【氏名又は名称原語表記】ABBOTT LABORATORIES
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【氏名又は名称】峰 隆司
(72)【発明者】
【氏名】オークラネク、ブライアン・エル
(72)【発明者】
【氏名】アーンクイスト、デイビツト・シー
(72)【発明者】
【氏名】大沼 武彦
(72)【発明者】
【氏名】田原 博寿
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 尚人
(72)【発明者】
【氏名】スミス、ブラッドリー・ピー
【審査官】山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-181197(JP,A)
【文献】特開2011-179919(JP,A)
【文献】特開2009-008552(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0115095(US,A1)
【文献】特開2010-133827(JP,A)
【文献】特開2008-180638(JP,A)
【文献】特開平06-003361(JP,A)
【文献】特開2012-230127(JP,A)
【文献】特表2005-529315(JP,A)
【文献】特開2013-033036(JP,A)
【文献】特開2011-033426(JP,A)
【文献】国際公開第2007/004466(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00 - 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
命令を記憶する少なくとも一つの機械可読記憶媒体であって、前記命令は実行されると診断分析装置に少なくとも、
第1の運搬具を、運搬具シャトルを用いて、前記診断分析装置の基部ステーションの第1の側面に隣接する第1の位置から、前記基部ステーションの第2の側面に隣接する第2の位置へ搬送させ、
前記基部ステーションの前記第2の側面は、前記基部ステーションの前記第1の側面と対向し、
前記診断分析装置は、前記基部ステーションの前記第1の側面側にランダムサンプルハンドラ(RSH)を含み、
ラボラトリ自動システム(LAS)のトラック部は、前記基部ステーションの前記第2の側面の外側に配置され、
前記第2の側面に隣接して前記基部ステーションに結合されたピペッティング機構を、
前記第1の運搬具が前記第2の位置にある間に、前記第1の運搬具から第1のサンプルを吸引し、
前記第1のサンプルを前記診断分析装置上の第1の
反応器に吐出し、
第2の運搬具が、
前記LASの前記トラック部上にある第3の位置にある間に、前記第2の運搬具から第2のサンプルを吸引し、
前記第2のサンプルを前記診断分析装置上の第2の
反応器に吐出する
ように制御させる、
少なくとも一つの機械可読記憶媒体。
【請求項2】
前記RSHは、ポジショナと、前記基部ステーションの前記第1の側面上にあるローディングベイ部とを含み、
前記命令は実行されると前記診断分析装置に、
前記第1の運搬具を、
前記ポジショナを用いて、前
記ローディングベイ部から前記運搬具シャトルへ搬送させる、
請求項1に記載の少なくとも一つの機械可読記憶媒体。
【請求項3】
前記ポジショナは、ラベルリーダを含み、
前記命令は実行されると前記診断分析装置に、前記ラベルリーダを用いて前記第1の運搬具上のラベルを読み取らせる、
請求項2に記載の少なくとも一つの機械可読記憶媒体。
【請求項4】
前記命令は実行されると前記診断分析装置に、
前記第1の運搬具を、前記運搬具シャトルを用いて前記第2の位置から前記第1の位置に搬送させ、
前記第1の運搬具を、前記ポジショナを用いて前記第1の位置から前記ローディングベイ部のスロットへ搬送させる、
請求項2に記載の少なくとも一つの機械可読記憶媒体。
【請求項5】
前記第1の
反応器および前記第2の
反応器は前記診断分析装置のカルーセル上を搬送され、
前記命令は実行されると前記診断分析装置に、前記カルーセルを回転させることによって複数の
反応器を移動させる、
請求項1に記載の少なくとも一つの機械可読記憶媒体。
【請求項6】
第1の運搬具を、診断分析装置の基部ステーションの第1の側面に隣接する第1の位置から、前記基部ステーションの第2の側面に隣接する第2の位置へ搬送することと、
前記基部ステーションの前記第2の側面は、前記基部ステーションの前記第1の側面と対向し、
前記診断分析装置は、前記基部ステーションの前記第1の側面にランダムサンプルハンドラ(RSH)を含み、
ラボラトリ自動システム(LAS)のトラック部は、前記基部ステーションの前記第2の側面の外側に配置され、
前記第2の側面に隣接して前記基部ステーションに結合されたピペッティング機構を介して、前記第1の運搬具が前記第2の位置にある間に、前記第1の運搬具から第1のサンプルを吸引することと、
前記ピペッティング機構を介して、前記第1のサンプルを前記診断分析装置上の第1の
反応器に吐出することと、
前記ピペッティング機構を介して、第2の運搬具が、
前記LASの前記トラック部上にある第3の位置にある間に、前記第2の運搬具から第2のサンプルを吸引することと、
前記ピペッティング機構を介して、前記第2のサンプルを前記診断分析装置上の第2の
反応器に吐出することと
を具備する、方法。
【請求項7】
前記ピペッティング機構は、遠位端(distal end)にピペットを有するアームを含み、
前記アームを回転させることによって、前記ピペットを、前記第2の位置にある前記第1の運搬具と整列させることと、
前記アームを回転させることによって、前記ピペットを、前記第3の位置にある前記第2の運搬具と整列させることと
を更に具備する、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ピペッティング機構は、前記基部ステーションを通って延びる軸周りを回転可能である、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記基部ステーションは、第3の側面と、前記第3の側面に対向する第4の側面とを有し、
前記第1の側面、前記第2の側面、前記第3の側面、および前記第4の側面は、前記基部ステーションの境界を形成し、
前記ピペッティング機構が前記第1の位置にある前記第1の運搬具から前記第1のサンプルを吸引する場合、前記ピペットは、前記基部ステーションの前記境界の内側に配置され、
前記ピペッティング機構が前記第3の位置にある前記第2の運搬具から前記第2のサンプルを吸引する場合、前記ピペットは、前記基部ステーションの前記境界の外側に配置される、
請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の運搬具は、運搬具シャトルを介して前記第1の位置から前記第2の位置へ搬送され、
前記第1の運搬具を、
前記RSHのポジショナを介して、前記基部ステーションの前記第1の側面に配置される
前記RSHのローディングベイ部から前記運搬具シャトルへ搬送すること
を更に具備する、
請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記ポジショナは、ラベルリーダを含み
、
前記ラベルリーダを介して前記第1の運搬具上のラベルを読み取ること
を更に具備する、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の運搬具を、前記運搬具シャトルを介して前記第2の位置から前記第1の位置へ搬送することと、
前記第1の運搬具を、前記ポジショナを介して前記第1の位置から前記ローディングベイのスロットへ搬送することと
を更に具備する、
請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ローディングベ
イは、運搬具の追加または除去のために人によるアクセスが可能である、
請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記第2のサンプルは優先サンプルである、
請求項6に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のサンプルは前記第1の運搬具上の第1の
容器からのものであり、
前記ピペッティング機構を介して、前記第1の運搬具上の第2の
容器から第3のサンプルを吸引することと、
前記ピペッティング機構を介して、前記第3のサンプルを前記診断分析装置上の第3の
反応器に吐出することと
を更に具備する、
請求項6に記載の方法。
【請求項16】
前記第2のサンプルは前記第2の運搬具上の第1の
容器からのものであり、
前記ピペッティング機構を介して、前記第2の運搬具上の第2の
容器から第4のサンプルを吸引することと、
前記ピペッティング機構を介して、前記第4のサンプルを前記診断分析装置上の第4の
反応器に吐出することと
を更に具備する、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
第3の運搬具を、前記診断分析装置の前記第1の側面から、前記基部ステーションの前記第2の側面へ搬送することと
を更に具備する、
請求項6に記載の方法。
【請求項18】
前記第1の運搬具は、第1の運搬具シャトルを介して前記基部ステーションの前記第2の側面へ搬送可能であり、
前記第3の運搬具は、第2の運搬具シャトルを介して前記基部ステーションの前記第2の側面へ搬送可能である、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の運搬具シャトルおよび前記第2の運搬具シャトルは独立して移動可能である、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の運搬具を、ポジショナを介して、前記基部ステーションの前記第1の側面に配置されたローディングベイ部から前記第1の運搬具シャトルへ搬送することと、
前記第3の運搬具を、前記ポジショナを介して、前記ローディングベイ部から前記第2の運搬具シャトルへ搬送することと
を更に具備する、
請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に自動診断分析装置に関し、より詳細には、後部アクセス可能トラックシステムを有する自動診断分析装置および関連方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療診断ラボラトリは、試料またはサンプルを検査および分析するための診断機器を使用する。知られている自動診断分析装置は、診断分析手順を実行する目的で、分析装置内の異なる区域から液体を自動的に吸引し、分析装置内の異なる区域に液体を分注する、複数のカルーセルと複数のピペッティング機構を用いる。カルーセルは、反応器のためのカルーセルと、試薬のためのカルーセルとを含み得る。それぞれのカルーセル上で複数の容器を並べることによって、これらの既知の分析装置は、カルーセルが回転するとき、複数の検査サンプルに対して複数のアッセイを行うことが可能である。これらの分析装置は一般に、サンプル容器からサンプルを吸引してそのサンプルをカルーセルのうち1つ上の1つまたは複数の反応器に分注するピペッティング機構を含む。ロボットデバイスは、吸引の目的で、一度に単一のサンプル容器をサンプルピペッティング機構に近い領域に個別に搬送するために利用される。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1A】本開示の教示により例示的なサンプルポジショナを第1の位置に有する例示的な分析装置の上面図。
【
図1B】例示的なポジショナが第2の位置にある、
図1Aの例示的な分析装置を示す図。
【
図2】本開示の教示による例示的なラボラトリシステムを示す図。
【
図3】
図1および
図2に示される例示的な分析装置およびラボラトリシステムのための例示的な処理システムのブロック図。
【
図5】本明細書で開示される例とともに使用するためのプロセッサプラットフォームの図。
【発明を実施するための形態】
【0004】
いくつかの例が上記の図に示され、以下で詳細に説明される。これらの例について説明する際、同じまたは類似の要素を識別するために、同じまたは同一の参照番号が使用される。図は必ずしも原寸に比例せず、明快さおよび/または簡潔さのために、図のいくつかの特徴およびいくつかのビューは、比率において、または概略図において誇張されることがある。加えて、いくつかの例が、本明細書全体を通じて説明されている。任意の例からの任意の特徴は、他の例からの他の特徴とともに含まれてもよいし、他の例からの他の特徴の代用品であってもよいし、他の例からの他の特徴と組み合わされてもよい。
【0005】
診断ラボラトリは、たとえば臨床化学分析装置、イムノアッセイ分析装置、および血液学的分析装置を含む、試料またはサンプルを検査および分析のための診断機器などの診断機器を用いる。試料および生物学的サンプルは、たとえば、たとえばDNA、ミトコンドリアDNAの特定領域、RNA、メッセンジャーRNA、転移RNA、ミトコンドリアRNAの特定領域、断片、補体、ペプチド、ポリペプチド、酵素、プリオン、タンパク質、抗体、抗原、アレルゲン、細胞もしくはバイロン(viron)、表面タンパク質などの生物学的エンティティの一部、および/または上記の機能的等価物を含む、対象となる品目の存在または不在を調べるために分析される。患者の体液などの試料(たとえば、血清、全血、尿、スワブ、血漿、脳脊髄液、リンパ液、組織固形物(tissue solid))は、患者の健康状態についての情報を提供するためにいくつかの異なる検査を使用して分析可能である。
【0006】
一般的に、検査サンプルの分析は、1つまたは複数の分析物に対する検査サンプルの1つまたは複数の試薬との反応を伴う。反応混合物は、たとえば検査サンプル中のある分析物の存在および/または濃度などの1つまたは複数の特性に関して、装置によって分析される。自動診断分析装置の使用は、技師(たとえば、操作者)が、より少数の実行するべきタスクを有し、したがって、操作者または技師の誤りの可能性が低減されるので、ラボラトリ手順の効率を改善する。さらに、自動診断分析装置はまた、結果をはるかに早く提供し、精度および反復性が増加される。
【0007】
自動診断分析装置は、貯蔵容器(たとえば、蓋のない(open topped)チューブなどの入れ物)と試料が処理されるべき容器(たとえば、反応器)との間で液体を移動するために複数のピペットを使用する。たとえば、試料は、分析装置上のラックに搭載されたチューブ内に含まれてよく、ピペットを担持するヘッドは、ピペットをチューブ内に移動させ、チューブでは、選択された量の試料をチューブからピペットに抽出するために真空が加えられる。ヘッドは、チューブからピペットを後退させ、処理ステーションに設置された別のチューブまたは反応器にピペットを移動させ、抽出された量の試料をピペットから反応器に堆積させる。試薬は、試薬供給部から同様に獲得される。
【0008】
他の例では、トラック部またはポジショナ(たとえば、ロボットデバイス)は、ピペットがサンプル管から吸引可能であるようにピペットの近くのある位置にサンプル管またはサンプル運搬具を移動するために、分析装置の前面に配置される。そのような例では、ローディングベイ部(loading bay)または搭載ラックは、複数の運搬具を受け入れて保持するために分析装置の前方側面上に配置され、運搬具は、たとえば診断検査で使用されるべきサンプルおよび/または試薬を含み得る。検査のためにサンプルを位置決めするために、ポジショナは、ローディングベイ部から運搬具を取り出し、サンプルピペットの動作範囲の近くの場所に運搬具を移し、これも分析装置の前面に隣接する。吸引の後、ポジショナは、ローディングベイ部にサンプル運搬具を戻し、それぞれのスロットにサンプル運搬具を再度搭載する。ポジショナは、次いで第2の運搬具を取り出し、同様に、サンプルピペットの近くの場所に第2の運搬具を移す。
【0009】
しかしながら、これらの既知の分析装置のピペッティング機構は、ポジショナによって特定の場所に位置決めされたサンプル管からサンプルを吸引することのみが可能である。さらに、1つのポジショナのみが利用されるので、ポジショナは、一度に1つの運搬具を取り出して保持することのみが可能であり、したがって、異なる運搬具からの吸引間の時間遅延が増加する。
【0010】
加えて、いくつかの診断検査では、いくつかのサンプルは、検査に関してより高い優先順位を有することがあり、いくつかのサンプルおよび/もしくは試薬は、冷蔵されることが必要なことがあり、ならびに/または他のサンプルおよび/もしくは試薬は、分析の前に追加の処理ステップ(たとえば、遠心分離、インキュベーション)を必要とすることがある。いくつかの既知のラボラトリは、優先順位の高いサンプルと他の液体(たとえば、試薬、較正流体、コントロール流体(control fluid)、洗浄流体など)とを分析装置に搬送するためにトラック部を有するラボラトリ自動システムを使用する。いくつかの既知の構成では、トラック部は、分析装置の側面に沿って設置され、サンプルピペッティング機構の動作範囲内のある場所に、優先順位の高いサンプルを搬送する。この配置は、特に複数の分析装置(たとえば、モジュール)が隣り合わせに並べられる構成において、分析装置の占有面積を増加させる。また、トラックシステムが分析装置の側面上に配置されることによって、複数のモジュールの整列(たとえば、並列レイアウト)が防止され、いくつかの例では、分析装置を利用するラボラトリまたは施設のスループットを増加させるために複数のモジュール(たとえば、分析装置)を追加することが望ましいことがある。他の既知の構成では、トラックシステムは、前面ローディングベイ部の外部にある分析装置の前面に沿って配置される。しかしながら、この配置では、追加のロボット機構および/または支線(spur)が、トラックシステムからローディングベイ部に、次いでローディングベイ部から分析装置へと運搬具を移動するために必要とされる。加えて、この配置では、トラックシステムは前面ローディングベイ部へのアクセスを妨害し、したがって、操作者または技師は、診断検査のためのサンプルおよび/または試薬を手動で搭載することができない。
【0011】
本明細書で開示される例示的な分析装置は、分析装置の後方側面の近くに配置されたサンプルピペット(たとえば、ピペッティング機構)と、分析装置の前方側面からサンプルピペットの近くの分析装置の後方側面にサンプル運搬具を搬送するための1つまたは複数のシャトル運搬具とを有する。サンプルピペットは、運搬具内のサンプル管からサンプル液体を吸引し、分析装置内の1つまたは複数の反応器にサンプル液体を分注するように位置決めされる。
【0012】
いくつかの例では、分析装置は、互いとは無関係に動作する2つの運搬具シャトル(carrier shuttle)を含み、このことによって、吸引間の時間が減少し、したがって、分析装置のスループットが増加する。加えて、分析装置の後方側面に隣接してサンプルピペットを設置することによって、ラボラトリ自動システム(LAS)トラック部は、ラボラトリのレイアウトに干渉することなく分析装置の後方側面にまたはこれに沿って配置(たとえば、取り付け)可能である。たとえば、複数のモジュールまたは分析装置は並列で整列されることがあり、LASトラック部は、個々の分析装置に追加のサンプル(たとえば、優先順位の高いサンプル)とサンプル運搬具とを送達するためにモジュールの後方側面に沿って横断することがある。したがって、例示的な分析装置は、前面ローディングベイ部を利用する従来のプロトコルまたはスケジュールに従って診断検査を実行することができ、また、分析装置の通常の動作を中断することなく、優先順位の高いサンプルと他の液体(たとえば、構成/コントロール液)とをLASから受け入れることができる。加えて、例示的な分析装置のモジュール性は、ラボラトリまたは施設の要求(たとえば、イムノアッセイ検査および/または臨床化学検査のための要求増大)に応じて、より多いまたはより少ない分析装置(たとえば、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれ以上)を利用することを可能にする。複数の分析装置を用いる例では、分析装置は、イムノアッセイ分析装置または臨床化学分析装置の任意の組合せであってよい。たとえば、モジュールとして臨床化学分析装置と結合された3つのイムノアッセイ分析装置を有するラボラトリシステムがあることがある。他の例では、各々のうち2つがあることがあり、および/または他の組合せが可能である。
【0013】
本明細書で開示される例示的な装置は、診断検査を実行するための分析装置を含み、この分析装置は、第1の側面と、この第1の側面に対向する第2の側面とを有する。この例示的な装置は、第1の運搬具を受けるために分析装置の第1の側面上に配置されたローディングベイ部と、第2の側面に隣接する分析装置に結合されたピペッティング機構とを含む。例示的な装置はまた、ローディングベイ部に隣接する第1の場所からピペッティング機構に隣接する第2の場所に第1の運搬具を搬送するための第1の運搬具シャトルを含む。さらに、例示的な装置は、ピペッティング機構に隣接する第3の場所に第2の運搬具を移すために分析装置の前記第2の側面に隣接して配置されたトラック部を含む。
【0014】
いくつかの例では、装置は第2の運搬具シャトルも含み、ここにおいて、ローディングベイ部は第3の運搬具を受けることができ、第2の運搬具シャトルは、ローディングベイ部に隣接する第1の場所からピペッティング機構に隣接する第2の場所に第3の運搬具を搬送することができる。いくつかのそのような例では、第1の運搬具シャトルと第2の運搬具シャトルは独立して移動可能である。いくつかの例では、装置はまた、ローディングベイ部内のスロットから第1の運搬具シャトルに第1の運搬具を搬送するためのポジショナを含む。いくつかのそのような例では、ポジショナは、ローディングベイ部内のスロットから第2の運搬具シャトルに第3の運搬具を搬送することができる。
【0015】
いくつかの例では、第1の運搬具シャトルはリードスクリュー(lead screw)を備える。いくつかの例では、第1の運搬具シャトルはコンベアベルトを備える。
【0016】
いくつかの例では、第1の運搬具シャトルは、トラック部に実質的に垂直な方向に移動することができる。いくつかの例では、トラック部は、第3の場所にまたはそれから第1の運搬具を搬送するための支線を備える。
【0017】
いくつかの例では、装置はまた、第1の運搬具シャトルを動作させるためのモータを含み、このモータは、第1の場所または第2の場所のうち1つに配置される。いくつかのそのような例では、装置は、第1の運搬具シャトル内の動きを検出するためのセンサも含み、このセンサは、モータとは反対に、第1の場所または第2の場所のうち他方に配置される。
【0018】
いくつかの例では、分析装置は、複数の反応器を有する回転可能なプレートを備え、ピペッティング機構は、反応器のうち1つまたは複数に液体を分注することができる。いくつかのそのような例では、ピペッティング機構は、第2の場所または第3の場所のうち少なくとも1つと反応器との間で液体移送の第1のプロトコルに従うことができる。いくつかの例では、第1のプロトコルは一時停止可能であり、第1の運搬具シャトルまたは第2の運搬具シャトルは、ローディングベイ部から第2の場所に第3の運搬具を搬送するためのシャトルであり、ピペッティング機構は、第3の運搬具と反応器のうち少なくとも1つとの間で液体を移すことができる。
【0019】
いくつかの例では、トラック部は、冷蔵貯蔵区域に結合される。いくつかの例では、ピペッティング機構は、サンプルを分注する、またはこれを第2の場所および第3の場所から吸引する、のうち少なくとも1つが可能である。
【0020】
本明細書で開示される別の例示的な装置は、第1のカルーセルと、第2のカルーセルと、第1のカルーセルの第1の側面上の第1のトラック部と、この第1のトラック部と平行な、第1のカルーセルの第2の側面上の第2のトラック部と、第1のカルーセルの第3の側面上の第3のトラック部と、第1のカルーセル、第1のトラック部、および第3のトラック部にアクセスするためのピペットとを含む。
【0021】
いくつかの例では、ピペットは、第1のカルーセル、第1のトラック部、および第3のトラック部の各々にアクセスするように単一軸のまわりで枢動することができる。いくつかの例では、第3のトラック部は、第1のトラック部に垂直である。いくつかの例では、第3のトラック部は、第2のトラック部の近くの第1の位置からピペットの近くの第2の位置に運搬具を搬送するための第1のシャトルを備える。いくつかの例では、第3のトラック部は、第1のシャトルと、第2のシャトルとを備える。いくつかの例では、第1のシャトルと第2のシャトルは独立して移動可能である。いくつかの例では、第1のカルーセルは反応器を運ぶことができ、第2のカルーセルは試薬容器を運ぶことができる。
【0022】
ローディングベイ部を有する分析装置の第1の側面から、この第1の側面に対向する分析装置の第2の側面に第1の運搬具を搬送することと、分析装置の第2の側面に隣接して配置されたピペッティング機構を使用して第1の運搬具から第1の液体を吸引することと、ピペッティング機構を介して、分析装置上の第1の反応器に第1の液体を分注することとを含む例示的な方法が、本明細書で開示される。例示的な方法は、トラック部に沿って、ピペッティング機構に隣接する位置に第2の運搬具を搬送することと、トラック部は分析装置の前記第2の側面に沿って配置される、ピペッティング機構を使用して第2の運搬具から第2の液体を吸引することと、ピペッティング機構を介して、分析装置上の第2の反応器に第2の液体を分注することとを含む。
【0023】
いくつかの例では、第1の運搬具は、第1の運搬具シャトルを介して分析装置の前記第2の側面に搬送される。いくつかのそのような例では、方法は、分析装置の第1の側面から分析装置の第2の側面に第3の運搬具を搬送することを含む。いくつかの例では、方法は、ピペッティング機構を使用して第3の運搬具から第3の液体を吸引することと、ピペッティング機構を介して、分析装置上の第3の反応器に第3の液体を分注することとを含む。いくつかの例では、第3の運搬具は、第2の運搬具シャトルを介して分析装置の第2の側面に搬送される。いくつかの例では、第1の運搬具シャトルと第2の運搬具シャトルは、互いとは無関係に動作する。いくつかの例では、第1の運搬具シャトルまたは第2の運搬具シャトルのうち1つまたは複数は、リードスクリューを備えるトラック部である。いくつかの例では、第1の運搬具シャトルまたは第2の運搬具シャトルのうち1つまたは複数は、コンベアベルトを備えるトラック部である。いくつかの例では、第1の運搬具、第2の運搬具、または第3の運搬具のうち1つまたは複数は、少なくとも1つの検査サンプル管を備える。
【0024】
複数の分析装置を含む例示的なシステムも本明細書で開示される。たとえば、例示的なシステムは、第1の診断検査を実行するための第1の分析装置と、第2の診断検査を実行するための第2の分析装置とを含む。例示的な第1の分析装置は、第1の近位側面と、この第1の近位側面に対向する第1の遠位側面と、この第1の遠位側面に隣接する第1のピペッティング機構と、第1の運搬具を受け入れるために前記第1の近位側面上に配置された第1のローディングベイ部とを含む。例示的な分析装置はまた、第1の近位側面に隣接する第1の場所から第1のピペッティング機構に隣接する第2の場所に第1の運搬具を搬送するための第1の運搬具シャトルを含む。例示的な第2の分析装置は、第2の近位側面と、この第2の近位側面に対向する第2の遠位側面と、この第2の遠位側面に隣接する第2のピペッティング機構と、第2の運搬具を受け入れるために第2の近位側面上に配置された第2のローディングベイ部とを含む。さらに、例示的な第2の分析装置は、第2の分析装置の第2の近位側面に隣接する第3の場所から第2のピペッティング機構に隣接する第4の場所に第2の運搬具を搬送するための第2の運搬具シャトルを含む。また、例示的なシステムは、第1の遠位側面および第2の遠位側面に沿って配置されたトラック部を含む。例示的なトラック部は、第1のピペッティング機構に隣接する第5の場所に第3の運搬具を移すための第1の側面トラック部を含む。
【0025】
何らかの例では、例示的なトラック部は、第2のピペッティング機構に隣接する第6の場所に第3の運搬具を移すための第2の側面トラック部を含む。
【0026】
いくつかの例では、第1の運搬具シャトルと第2の運搬具シャトルは実質的に平行である。いくつかの例では、第1の運搬具シャトルは、トラック部に実質的に垂直である。
【0027】
いくつかの例では、第1の診断検査はイムノアッセイであり、第2の診断検査は臨床化学アッセイである。また、いくつかの例では、第1の診断検査はイムノアッセイであり、第2の診断検査はイムノアッセイである。さらに、いくつかの例では、第1の診断検査は臨床化学アッセイであり、第2の診断検査は臨床化学アッセイである。
【0028】
いくつかの例では、例示的なシステムは、第2の分析装置の第1の近位側面および第2の近位側面に沿って配置されたポジショナも含む。いくつかの例では、このポジショナは、第2のローディングベイ部から第1の分析装置上の第1の運搬具シャトルに第2の運搬具を移すことができる。
【0029】
例示的なシステムではまた、前記第1の分析装置または前記第2の分析装置のうち1つの隣に配置された第3の分析装置を含んでよい。例示的な第3の分析装置は、第3の近位側面と、この第3の近位側面に対向する第3の遠位側面と、この第3の遠位側面に隣接する第3のピペッティング機構と、第4の運搬具を受け入れるために第3の近位側面上に配置された第3のローディングベイ部とを含む。さらに、例示的な第3の分析装置は、第3の分析装置の第3の近位側面に隣接する第6の場所から第3のピペッティング機構に隣接する第7の場所に第4の運搬具を搬送するための第3の運搬具シャトルを含む。いくつかの例では、例示的なシステムの例示的なトラック部はまた、第3の分析装置の第3の遠位側面に沿って配置される。
【0030】
次に図を参照すると、例示的な自動診断分析装置100が、第1のカルーセル102と第2のカルーセル104とを有するように、
図1Aおよび
図1Bに示されている。分析装置100は、たとえば、イムノアッセイ、臨床化学検査、または任意の他の診断検査を実行するために使用され得る。第1のカルーセル102および第2のカルーセル104は、互いとは無関係に基部ステーション106に回転可能に結合される。基部ステーション106は、様々なサブアセンブリと、たとえば洗浄液、バルク試薬、真空源、圧力源、冷却システム、温度センサ、プロセッサ、モータなどの、検査する(たとえば、診断分析を実行する)ために使用される他の構成要素とを収納する。
【0031】
図示の例では、第2のカルーセル104は、第1のカルーセル102の上方に垂直方向に間隔を置かれ(たとえば、離隔され)、第2のカルーセル104の少なくとも一部分は、第1のカルーセル102の上に配置される。他の例では、第1のカルーセル102および第2のカルーセル104は、互いと隣り合わせに(たとえば、同一平面上に)配置され、または互いと同心であるように配置されることがある。
【0032】
図1Aおよび
図1Bの図示の例では、第1のカルーセル102は試薬カルーセルであり、第2のカルーセル104は反応器カルーセルである。しかしながら、他の例では、第1のカルーセル102および第2のカルーセル104は、試薬、サンプル、反応器、またはこれらの任意の組合せを保持することがある。図示の例では、第1のカルーセル102は、カルーセルのまわりに環状に並べられた複数の試薬容器(たとえば、微粒子を有する液体を含む)を含む。いくつかの例では、第1のカルーセル102は、試薬容器の内側環状配列と、容器の内側環状配列と同心である、試薬容器の外側環状配列とを有する。図示の例では、第2のカルーセル104は、プレートの外周のまわりに配置された複数の反応器108a~nを有するプレートである。いくつかの例では、反応器108a~nは、再使用可能なキュベット(たとえば、洗浄可能なガラスキュベット)である。反応器内で検査が完了した後、器が掃除され(たとえば、滅菌され)、器は別の検査に使用され得る。しかしながら、他の例では、反応器108a~nは、1つまたは複数の検査の後に処分される使い捨てキュベット(たとえば、プラスチックキュベット)である。動作時、反応器108a~n内で1つまたは複数のアッセイ検査が行われるので、第2のカルーセル104が回転する。たとえば、試薬を分注する、反応器の内容を混合する、反応器の内容をインキュベートする、内容を分析する、反応器を洗浄するなどのために、複数の異なるモジュールまたは機器が第2のカルーセル104のまわりに配置されることがある。
【0033】
本明細書で開示される例示的な自動診断分析装置はまた、第2のカルーセル104上の反応器108a~n内の液体を吸引および分注するために、1つまたは複数のピペッティング機構(たとえば、プローブアーム、自動ピペット、ピペットなど)を含む。
図1Aおよび
図1Bに示される図示の例では、分析装置100は、基部ステーション106に結合された(たとえば、取り付けられた)ピペッティング機構110(たとえば、サンプルピペット)を含む。ピペッティング機構110は、複数の自由度を有する。図示の例では、ピペッティング機構110は、ピペッティング機構110が、進行経路112に沿って設置された容器から液体を吸引する(たとえば、液体を吸い込む)または進行経路112に沿って設置された容器に液体を分注することができるように、進行経路112(たとえば、円弧経路、水平弧経路、進行半径、動作範囲)を有する。図示のように、ピペッティング機構110は、点Aにおいて第2のカルーセル104上の反応器108a~nのうち1つへのアクセスを有するように位置決めされる。いくつかの例では、ピペッティング機構110は、回転軸を有し、プローブアームを回転させ、ピペットがプローブアームの遠位端に配置される。ピペッティング機構110はまた、Z方向(たとえば、垂直方向)に移動可能である。
【0034】
図示の例では、ピペッティング機構110は、第1のカルーセル102の外部および第2のカルーセル104の外部に配置される、たとえば、第1のカルーセル102の中心および第2のカルーセル104の中心から、第1のカルーセル102の第1の直径または第2のカルーセル104の第2の直径のいずれかよりも大きい距離にある位置で、基部106に結合される。しかしながら、他の例では、ピペッティング機構110は、第1のカルーセル102の上に、および/または第2のカルーセル104に隣接して、配置される。そのような例では、ピペッティング機構110は、第1のカルーセル102と第2のカルーセル104との間に配置されたプラットフォームに取り付けられることがある。さらに他の例では、ピペッティング機構110は、第1のカルーセル102の上および第2のカルーセル104の上に配置されることがある。
【0035】
図1Aおよび
図1Bに示される例では、例示的な分析装置100は、第1の側面114(たとえば、前方側面)と、第1の側面114に対向する第2の側面116(たとえば、背部側面、後方側面)とを有する。ピペッティング機構110は、分析装置100の第2の側面116の近く(たとえば、これに隣接して、これに沿って、これの隣に、これのより近くに、これに接して)配置される。分析装置100はまた、診断検査に使用されるべきサンプルおよび/または試薬を有する運搬具を受け入れて保つために、分析装置100の第1の側面114上のランダムサンプルハンドラ(RSH)118(たとえば、ローディングベイ部)を含む。図示の例では、RSH118は、容器、運搬具、および/または運搬具のトレイを受け入れるための複数のスロット122a~nを有する搭載ラック120を含む。図示の例では、複数の運搬具124a~nは、搭載ラック120内のスロット122a~nに挿入されている。運搬具124a~nは、1つまたは複数の容器(たとえば、チューブ、器、無蓋(open top)容器、バイアル、カップなど)を保持し得る。容器は、アッセイ診断検査のために分析装置100によって使用される、サンプル、試薬、較正、コントロール液などを含み得る。いくつかの例では、操作者(たとえば、ラボラトリ技師)は、運搬具124a~nを個別にまたはトレイ単位でRSH118の搭載ラック120に搭載する。他の例では、自動トラックシステムは、運搬具124a~nをRSH118に搬送し、運搬具124a~nをスロット122a~nのそれぞれのスロットに、たとえばロボット機構を介して搭載する。
【0036】
図1Aおよび
図1Bでは、いくつかの運搬具124a~nは、異なるスロット122a~nに挿入されているように示されている。図示の例では、運搬具124a~nの各々は6つの容器を保持している。しかしながら、他の例では、運搬具124a~nは、分析装置、RSH設計パラメータ、および/または運搬具レイアウトに応じて、より多いまたはより少ない容器を保持するように構成可能である。運搬具124a~nは、検査または再検査のために選択されるまで、スロット122a~nの中に保持される。
【0037】
図示の例では、RSH118は、運搬具124a~nおよびそれに結合された容器を搭載ラック120におよびそれから搬送するためにポジショナ126を含み、ポジショナ126はロボットデバイスであってよい。ポジショナ126は、搭載ラック120および分析装置100の第1の側面114の長さに沿って配置されたポジショナトラック部128に沿って移動可能である。ポジショナ126は、RSH118内に搭載された運搬具124a~nと係合するアーム130を有する。ポジショナ126およびアーム130は、それぞれのスロット122a~nから運搬具124a~nを除去し、ポジショナトラック部128に沿った様々な場所に運搬具124a~nを搬送するように動作する。
【0038】
図1Aおよび
図1Bに示される例では、例示的な分析装置100はまた、分析装置100の第4の側面140(たとえば、
図1Aおよび
図1Bの右側面)に対向する分析装置100の第3の側面138(たとえば、
図1Aおよび
図1Bの左側面)の近くに配置された(たとえば、これに沿って、これに隣接して、これの隣に、これに接して)、第1の運搬具シャトル134(たとえば、搬送具)と第2の運搬具シャトル136とを含む。図示の例では、第1の側面114、第2の側面116、第3の側面138、および第4の側面140は、分析装置100の外側境界を画定する。図示の例では、分析装置100は、長方形断面すなわち占有面積を有する。しかしながら、他の例では、分析装置100は、正方形断面、円形断面、または任意の他の形状の断面すなわち占有面積を有する。
【0039】
図示の例では、ポジショナ126は、運搬具124a~nを第1の運搬具シャトル134および/または第2の運搬具シャトル136におよびそれから搬送する。たとえば、
図1Aでは、ポジショナ126は、RSH118の搭載ラック120内の第1の運搬具124aと係合する。ポジショナ126は、
図1Bに示されるように、第1の運搬具124aを、この例では第1のシャトル134に搬送し、ポジショナ126は、第1の運搬具124aを解放するまたは第1の運搬具シャトル134上に移す。ポジショナ126は、検査の目的で、必要に応じて、および/または要望とおりに(たとえば、スケジューリングプロトコルまたはタイムテーブルに従って)運搬具124a~nを移動させるために、プログラム可能なコンピュータによって制御される。RSH118は、搭載ラック120上の運搬具124a~nへのランダムアクセスを提供する。分析装置100は、サンプルを検査するための規則または基準をユーザが柔軟に構成することを可能にするソフトウェアを含む。ソフトウェアは、例示的なプロセッサ316(
図3)にプログラムされるおよび/または例示的なプロセッサ316から操作されてよく、これは、以下でより詳細に開示されている。
【0040】
いくつかの例では、ポジショナ126は、運搬具情報と容器情報とを読み取るために、たとえばバーコードリーダ、無線周波数識別(RFID)リーダ、および/または他のタイプのリーダなどのラベルリーダを含む。ラベルリーダは、ポジショナ126が運搬具をリーダの側を通過させるとき、運搬具、サンプル管、および/または試薬管に付されたラベルを読み取る。例示的なRSHおよび例示的なポジショナは、2008年4月21日に出願された「ASSAY TESTING DIAGNOSTIC ANALYZER」という名称の米国特許出願第12/106,755号に開示されており、この特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0041】
図示の例では、第1の運搬具シャトル134および第2の運搬具シャトル136は、運搬具(たとえば、運搬具124a~n)および/または容器を、分析装置100の第1の側面114の近くの(たとえば、ラック120またはRSH118に隣接する)第1の位置と分析装置100の第2の側面116の近くの(たとえば、ピペッティング機構110の近くの)第2の位置との間で移動させるように動作する。具体的には、第1の運搬具シャトル134および第2の運搬具シャトル136は、運搬具124a~n上の容器内の液体(たとえば、サンプル、試料)が容器からピペッティング機構110を介して吸引できるように、運搬具124a~nをピペッティング機構110の進行経路112内のある位置に搬送するように動作する。ピペッティング機構110は、次いで、点Aにある液体を、検査のために第2のカルーセル104上の反応器108a~nのうち1つまたは複数に分注することがある。
【0042】
図示の例では、第1の運搬具シャトル134は第1のトラック部142を含み、第2の運搬具シャトル136は第2のトラック部144を含む。いくつかの例では、第1のトラック部142および第2のトラック部144は、それぞれのトラック部142、144上に置かれた運搬具を第1のトラック部142および第2のトラック部144に沿ってある位置から別の位置に搬送するために移動するコンベアベルトである。他の例では、第1のトラック部142および第2のトラック部144は、たとえば、ベルト、チェーン、往復台(carriage)、リードスクリュー、空気シリンダ、および/またはリニアモータ、もしくはこれらの組合せなどの他のトラックデバイスを含む。いくつかの例では、第1の運搬具シャトル134および第2の運搬具シャトル136は、異なるタイプのトラック部を備える。図示の例では、第1の運搬具シャトル134は、第1のトラック部142を駆動するために第1のモータ146(たとえば、電気モータ、サーボモータ、ステッパモータなど)を含み、第2の運搬具シャトル136は、第2のトラック部144を駆動するために第2のモータ148を含む。この例では、第1のトラック部142および第2のトラック部144は、互いとは無関係に動作される。他の例では、第1のトラック部142および第2のトラック部144の動作は協調される。第1のモータ146および第2のモータ148は、1つまたは複数の滑車または歯車を回転させ、今度は、この滑車または歯車がトラック部142、144を移動させるために使用され得る。図示の例では、第1のモータ146および第2のモータ148は、第1のトラック部142および第2のトラック部144をそれぞれどちらの方向にも移動させるためにどちらの方向にも回転可能である。
【0043】
図示の例では、第1のモータ146および第2のモータ148は、分析装置100の第2の側面116のより近くに設置される。図示の例では、第1の運搬具シャトル134および第2の運搬具シャトル136はまた、たとえば、リニアエンコーダおよび/またはトランスデューサなどのそれぞれのセンサ150、152を含む。第1のセンサ150および第2のセンサ152は、それぞれのトラック部142、144の位置/動きを検知するように、第1のトラック部142および第2のトラック部144に隣接して設置される。したがって、第1のセンサ150および第2のセンサ152は、第1のモータ146および第2のモータ148が動作しているとき第1のトラック部142および第2のトラック部144が実際に動いているかどうか示すために、第1のモータ146および第2のモータ148にフィードバックを提供する。図示の例では、第1のセンサ150および第2のセンサ152は、モータ146、148が動作しているときトラック部142、144が動いていることを保証する安全性機構として、第1の運搬具シャトル134および第2の運搬具シャトル136上に第1のモータ146および第2のモータ148と対向して位置決めされる。いくつかの例では、第1のトラック部142および/または第2のトラック部144は、取り除かれたり、誤整列されたり、または動作不能であったりすることがあり、したがって、運搬具を適切に搬送しない。そのような場合、第1のモータ146および第2のモータ148は、プログラムされた検査プロトコルに従って引き続き動作する(たとえば、スピンする、回転するなど)ことがある。センサ150、152が、第1のモータ146および第2のモータ148に隣接して設置されたら、モータ146、148の継続された動作は、センサ146、148の示度に干渉し、センサ150、152に、トラック部142、144が正常に動作していることを誤って示させ得る。センサ150、152をモータ146、148よりも運搬具シャトル134、136の対向する端部に設置することによって、センサ150、152は、第1のモータ146および第2のモータ148のプログラミングに従ってトラック部134、136が実際に動いていることを保証することができる。いくつかの例では、モータ146、148は、分析装置100の第2の側面116に、その近くに、またはそれにより近くに配置され、センサ150、152は、分析装置100の第1の側面114に、その近くに、またはそれにより近くにある。他の例では、この構成は、モータ146、148が分析装置100の第1の側面114に、その近くに、またはそれにより近くに配置され、センサ150、152が分析装置100の第2の側面116に、その近くに、またはそれにより近くに配置されるように切り換えられ得る。
【0044】
複数のシャトル運搬具134、136の使用は、例示的な分析装置100が、別の運搬具が他のトラック部上に搭載されている間、あるトラック部上のある運搬具からサンプリング(たとえば、吸引および/または分注)を実行することを可能にする。たとえば、第1の運搬具124aは、ポジショナ126によってRSH118から取り出され(
図1A)、第1の運搬具シャトル134の第1のトラック部142上に堆積される(
図1B)ことが可能である。いくつかの例では、ポジショナ126のアーム130は、運搬具の端部上のつまみと係合するためにフックを含む。他の例では、アーム130は、運搬具の側面を把持する把持機構を有する。どちらの例においても、アーム130は、搭載ラック120(
図1A)内のそのそれぞれのスロット122a~nから第1の運搬具124aを握るために使用され、次いで、そのそれぞれのスロット122a~nから第1の運搬具124aを抽出するために持ち上がる。ポジショナ126が第1の運搬具124aを取り出した後、ポジショナ126は、分析装置100の第3の側面138の方へ、したがって第1の運搬具シャトル134および第2の運搬具シャトル136の方へ、ポジショナトラック部128に沿って移動する(たとえば、摺動する、平行移動する)。次いで、ポジショナ126のアーム130が、
図1Bの位置に示されるように、第1の運搬具シャトル134の第1のトラック部142上の第1の運搬具を整列するように回転する。図示の例では、アーム130は、少なくとも約180°回転することが可能である。
【0045】
第1の運搬具124aが第1の運搬具シャトル134の第1のトラック部142上に置かれた後、第1のモータ146は、第1の運搬具124aを、第1のトラック部142を介して分析装置100の第1の側面114の近くの第1の位置から分析装置100の第2の側面116の近くの第2の位置に、したがって、ピペッティング機構110の進行経路112内に移動するように動作する。ピペッティング機構110は、点Bにおいて第1の進行経路112に沿って第1のトラック部142上の容器から吸引し得る。第1のモータ146は、第1の進行経路112が第1の運搬具上の適切な容器と交差するように第1の運搬具124aを位置決めするように動作する。容器から吸引した後、ピペッティング機構110は、点Aにおいて第2のカルーセル104上の反応器108a~nの1つまたは複数に液体を分注するために、その第1の進行経路112に沿って移動する。
【0046】
ピペッティング機構110が第1の運搬具124a上の容器から吸引している間、ポジショナ126は、RSH118から第2の運搬具124b~nを取り出し、第2の運搬具124b~nを第2の運搬具シャトル136の第2のトラック部144上に搭載することができる。第2のモータ148は、分析装置100の第1の側面114の近くの第1の位置からピペッティング機構110の近くの分析装置100の第2の側面116に第2のトラック部144上の第2の運搬具124b~nを移動するように動作する。第2のモータ148は、ピペッティング機構110の第1の進行経路112に沿って第2の運搬具124b~nを位置決めする(たとえば、
図1Aおよび
図1Bに示される位置)ように動作する。ピペッティング機構100は、点Cにおいて第2のトラック部144上の運搬具124b~n上の容器から吸引し得る。第2の運搬具シャトル136が第2の側面116の近くの第2の位置に/から第2の運搬具124b~nを搬送するとき、および/またはピペッティング機構110が第2の運搬具124b~nから吸引するとき、第1の運搬具シャトル134は、分析装置100の第1の側面114に隣接する第1の位置および/または第2の側面116に隣接する第2の位置に/から、第1の運搬具124aを同時に、独立して搬送する。
【0047】
運搬具、たとえば第1の運搬具124aが、分析装置100の第1の側面114に隣接する第1の位置に戻るとき、ポジショナ126は、第1の運搬具124aを下ろし、第1の運搬具124aを搭載ラック120内のスロット122a~nのうち1つの内部に置く。次いで、ポジショナ126は、搭載ラック120から第1の運搬具124aまたは別の運搬具124b~nを取り出し、その運搬具124a~nを第1の運搬具シャトル134の第1のトラック部144上に堆積させることが可能である。2つの運搬具シャトル134、136を用いることによって、運搬具シャトル134、136のうち1つは、吸引のために運搬具を第2の位置の近くに保持するように動作することができ、別の運搬具は、その後の分析装置100の第2の側面116への搬送のために他の運搬具シャトル134、136上に搭載可能である。したがって、吸引間の時間が減少され、これによって、例示的な分析装置100のスループットが増加する。
【0048】
図示の例では、第1の運搬具シャトル134および第2の運搬具シャトル136は、互いに実質的に平行に整列され、分析装置100の第3の側面138に沿って配置される。しかしながら、他の例では、第1の運搬具シャトル136および第2の運搬具シャトル136は、他の場所におよび/または互いに平行でなく位置決めされ得る。図示の例では、第1の運搬具シャトル134および第2の運搬具シャトル136は、第1のカルーセル102の一部分の上に配置される。他の例では、第1の運搬具シャトル134および/または第2の運搬具シャトル136は、第1のカルーセル102の外部に(すなわち、第1のカルーセル102の隣に)配置される。
【0049】
いくつかの例では、検査順序は、操作者によってプログラムされ、またはラボ情報システムまたは任意のネットワークを介してダウンロードされる。検査順序は、複数のアッセイを要求することがある。サンプルがひとたび搭載されると、プログラム可能コンピュータが、たとえば、行われるべき検査の数、使用されるべき試薬のタイプ、使用されるべき試薬の数、インキュベーション期間、スケジュールされた優先順位、および他の要因を含む要因に基づいて、異なるサンプル検査の順序(たとえば、スケジューリング、プロトコル)を決定する。図示の例では、ポジショナ126、第1のトラック部142、第2のトラック部144、第1のモータ146、第2のモータ148、および他の構成要素は、プログラム可能コンピュータからのコマンドに応答して制御される。
【0050】
図1Aおよび
図1Bに示される図示の例では、ラボラトリ自動システム(LAS)154は、主トラック部156と、分析装置100の第2の側面116に沿って配置された第1の副トラック部または支線158とを有する。LAS154は、あるサンプル、試薬、較正、制御装置などを処理および前処理するための複数の機器および設備を含み得る。いくつかの例では、LAS154は、冷蔵貯蔵区域、遠心分離機、分注機(aliquoter)、および/または任意の他の処理ステーションを含むおよび/またはこれに結合される。いくつかの例では、LASは、ある機器から別の機器に運搬具を移動するために、トラック部とロボットポジショナからなるシステムを含む。
【0051】
図示の例では、LAS154は、分析装置100の近くの位置に、より具体的には、ピペッティング機構110の第1の進行経路112内の位置に、運搬具(たとえば、サンプル運搬具)または容器を搬送する。説明のために、運搬具124cが、第1の副トラック部または支線158の上に示されている。動作時、運搬具124cはLAS154の主トラック部156に沿って搬送され、運搬具124cが第1の支線158に到着すると、運搬具124cは、主トラック部156を引き続き下ってもよいし、ピペッティング機構110に隣接する位置に送られるために第1の支線158に進路変更されてもよい。図示のように、ピペッティング機構110の進行経路112は、分析装置110の第2の側面116を越えて延在する。図示の例では、ピペッティング機構110は、点Dにおいて第1の支線158にある運搬具上の容器から液体(たとえば、サンプル)を吸引し得る。図示の例では、LAS154の主トラック部156および支線158は、分析装置100の第2の側面116に実質的に平行であり、第1の運搬具シャトル134および第2の運搬具シャトル136に実質的に垂直である。
【0052】
図示の例では、ピペッティング機構110は、分析装置100の第2の側面116の近くに設置され、点Aにおける第2のカルーセル104上の反応器108a~n、点Bにおける第1の運搬具シャトル134の第1のトラック部142上の運搬具、点Cにおける第2の運搬具シャトル136の第2のトラック部144運搬具、および/または点DにおけるLAS154の支線158上の運搬具へのアクセスを有する(たとえば、これから吸引することができる、および/またはこれに分注することができる)。したがって、ピペッティング機構110は、(運搬具シャトル134、136のうち1つまたは複数を介して)分析装置110の第1の側面114(たとえば、前方側面)においてRSH118に搭載された運搬具および分析装置100の第2の側面116(たとえば、背部側面)上のLAS154のトラック部156に沿って搬送された運搬具へのアクセスを有する。ピペッティング機構110の点のまわりの異なる場所における運搬具への継続的なアクセスは、ピペッティング機構110が複数のサンプル容器からより効率的に、遊び時間またはダウン時間がより少ない状態で吸引することを可能にし、その結果、例示的な分析装置100のスループットを増加させる。
【0053】
図2は、第1の診断分析装置202(たとえば、第1のモジュール)と第2の診断分析装置204(たとえば、第2のモジュール)とラボラトリ自動化システム(LAS)206とを有する例示的なラボラトリシステム200を示す。図示の例では、第1の分析装置202は、第1のカルーセル208と、第2のカルーセル210とを含む。図示の例では、第2のカルーセル210は、複数の反応器内の1つまたは複数のサンプルに対して診断検査を行うための複数の反応器を有する反応用カルーセルである。第1の分析装置202はまた、第1の分析装置202の第2の側面216(たとえば、後方側面)に対向する第1の分析装置202の第1の側面214(たとえば、前方側面)に沿って配置された第1のランダムサンプルハンドラ(RSH)212(たとえば、第1のローディングベイ部)を含む。第1のピペッティング機構218は、第1の分析装置202の第2の側面216に隣接する第1の分析装置202上に配置され、第1の進行経路220(たとえば、水平弧経路、アクセスの範囲)を有する。
【0054】
図示の例では、第1の分析装置202は、第1の分析装置202の第4の側面228(たとえば、右側面)に対向する第1の分析装置202の第3の側面226(たとえば、左側面)に沿って設置された、第1の運搬具シャトル222と第2の運搬具シャトル224とをさらに含む。図示の例では、第1の運搬具シャトル222および第2の運搬具シャトル224の各々は、それぞれのトラック部230、232(たとえば、リードスクリュー)と、それぞれの往復台234、236(たとえば、シャトル)とを有する。第1のトラック部230および第2のトラック部232は、第1の分析装置202の第1の側面214の近くの第1の位置から第1の分析装置202の第2の側面216の近くの第2の位置に、第1のピペッティング機構218の第1の進行経路220内で、それぞれの往復台234、236を移動するように動作する。図示の例では、第1の往復台234および第2の往復台236は、運搬具を保持するためのプラットフォームである。第1のトラック部230および第2のトラック部232が動作する(たとえば、回転する)とき、第1の往復台234および第2の往復台236は、それぞれのトラック部230、232の長手方向軸に沿って移動する。
【0055】
図示の例では、第2の分析装置204は、たとえば、第3のカルーセル238(たとえば、試薬カルーセル)、第4のカルーセル240(たとえば、反応用カルーセル)、第2のRSH242、第2の側面246(たとえば、後方側面)に対向する第1の側面244(たとえば、前方側面)、第4の側面250(たとえば、右側面)に対向する第3の側面248(たとえば、左側面)、第2の進行経路254を有する第2のピペッティング機構252、第3の運搬具シャトル256、第4の運搬具シャトル258、第3のトラック部260(たとえば、第3のリードスクリュー)、第4のトラック部262(たとえば、第4のリードスクリュー)、第3の往復台264、および第4の往復台266などの、第1の分析装置202に類似した構成要素を含む。第2の分析装置204の第3の運搬具シャトル256および第4の運搬具シャトル258は、第2の分析装置204の第1の側面244に隣接する第1の位置から第2の分析装置204の第2の側面246に隣接する第2の位置に、第2の分析装置204の第2の進行経路254内で、運搬具を搬送するように動作する。
【0056】
図示の例では、ポジショナ268は、第1のRSH212と第2のRSH242との間でポジショナ経路270に沿って、ならびに第1の分析装置202および第2の分析装置204の第1の側面214、244に沿って移動可能である。この例では、1つのポジショナ268のみが、第1のRSH212、第2のRSH242、第1のトラック部230、第2のトラック部232、第3のトラック部260、および/または第4のトラック部262との間で運搬具を搬送するために利用される。いくつかの例では、ポジショナ268は、上記で
図1Aおよび
図1Bに関連して開示されたポジショナ126に実質的に類似している。ポジショナ268は、第1のRSH212および第2のRSH242内に搭載された運搬具を取り出し得、この運搬具を、第1の運搬具シャトル222、第2の運搬具シャトル224、第3の運搬具シャトル256、または第4の運搬具シャトル258を介して搬送し得る。
【0057】
図示の例では、第1の複数の運搬具272a~nは第1のRSH212に搭載され、第2の複数の運搬具274a~nは第2のRSH242に搭載される。動作時、ポジショナ268は、第1の複数の運搬具272a~nまたは第2の複数の運搬具274a~nのうち1つを取り出すことができ、運搬具を第1の運搬具シャトル222、第2の運搬具シャトル224、第3の運搬具シャトル256、または第4の運搬具シャトル258のうち1つ上に置く(たとえば、位置決めする、堆積させる、搬送する)ことができる。次いで、運搬具272a~n、274a~nは、往復台234、236、264、266およびトラック部230、232、260、262のうち1つを介して、分析装置202、204のうち1つの第2の側面216、246の近くの位置に搬送され得る。
【0058】
図示の例では、第1の分析装置202の第1のピペッティング機構218は、点Aにおいて第1の往復台234上の第1の運搬具内の容器から吸引することができ、点Bにおいて第2の往復台236上の第2の運搬具内の別の容器から吸引することができ、点Aと点Bの両方は第1の進行経路220に沿っている。同様に、第2のピペッティング機構252は、点Cにおいて第3の往復台264上の第3の運搬具内の容器から吸引することができ、点Dにおいて第4の往復台266上の第4の運搬具内の別の容器から吸引することができ、点Cと点Dの両方は第2のピペッティング機構252の第2の進行経路254に沿っている。第1のピペッティング機構218は、点Eにおいて第2のカルーセル210上の1つまたは複数の反応器にアクセスすることができ、第2のピペッティング機構252は、点Fにおいて第4のカルーセル240上の1つまたは複数の反応器にアクセスすることができる。
【0059】
図2に示される例示的なシステムでは、LAS206は、第1の分析装置202および第2の分析装置204の第2の側面216、246に沿って配置された主トラック部276を含む。主トラック部276は、第1の副トラック部または支線278と、第2の副トラック部または支線280とを有する。第1の支線278は、第1の分析装置202の第2の側面216の近くであり第1のピペッティング機構218の第1の進行経路220内にある位置に主トラック部276上の運搬具を変位させる。第2の支線280は、第2の分析装置204の第2の側面246の近くであり第2のピペッティング機構252の第2の進行経路254内にある位置に主トラック部276上の運搬具を変位させる。図示の例では、第1のピペッティング機構は、点Gにおいて第1の支線278上の運搬具上の容器から吸引することができ、第2のピペッティング機構252は、点Hにおいて第2の支線280上の別の運搬具上の別の容器から吸引することができる。
【0060】
この例では2つの分析装置202、204のみが示されているが、より多く(たとえば、3つまたは4つの)またはより少ない分析装置がラボラトリシステム200に追加されてよく、LAS206のトラック部276は、分析装置に追加の運搬具へのアクセスを供給するために分析装置に沿ってまたはその近くを横断するように構成され得る。LAS206は、検査、較正、およびコントロール液、追加の試薬(たとえば、微粒子を有する液体を含む)などのための、たとえば優先順位サンプルなどの、追加の液体を有する運搬具を搬送する。いくつかの例では、LAS206は、たとえば、冷蔵貯蔵区域282、遠心分離機284、および/または分注機286などの追加の設備に結び付けられる。
【0061】
臨床化学検査などのいくつかの例示的な検査では、たとえば血清または血漿などの体液が分析され得る。血清は、血液が凝固することができ、たとえば、より濃い血球および血小板を遠心分離管の底部に集め、その集められた細胞の上に液体血清画分を載せたままにしておく遠心分離などを介して、すべての血球が除去された後残される血液の水分を多く含んだ黄色い部分である。血漿は、血清に類似しているが、凝固なしで血液を遠心分離することによって得られる。例示的なシステム200のLAS206は、たとえば血清または血漿などのサンプル液体を遠心分離機284内で処理し、診断検査のために第1の分析装置202および第2の分析装置204のうち1つまたは複数に搬送することを可能にする。他の例では、LAS206は、優先順位の高いサンプルを運搬具上に積み込み、トラック部276に沿って、それぞれのピペッティング機構218、252の第1の進行経路220および/または第2の進行経路254内のある位置に送ることを可能にする。分析装置202、204の第2の側面216、246の近くにピペッティング機構218、252を配置することによって、ならびに分析装置202、204の第1の側面214、244および第2の側面、216、246におよびそれから運搬具を搬送する運搬具シャトル222、224、256、258を提供することによって、分析装置202、204は、第1の側面214、244によって従来の動作方法でサンプルを受け入れてもよいし、および/または第2の側面216、246においてLAS206からサンプルを受け入れてもよい。加えて、分析装置の第2の側面216、246の近くにピペッティング機構218、252を配置することによって、分析装置202、204は、それぞれの分析装置202、204の動作に干渉することなく並べることが可能な並列構成で、したがって、ラボラトリ床面積が減少される。
【0062】
図3は、本明細書で開示される分析装置100、202、204および/またはLAS154、206のうちいずれかとともに使用するための例示的な処理システム300のブロック図である。本明細書で開示される例示的な分析装置は、たとえば、1つもしくは複数の試薬を使用する複数の検査サンプルおよび/または他の診断検査手順に対して診断検査を実行するために使用される。例示的な処理システム300は、分析装置上の1つまたは複数のカルーセルの動作(たとえば、回転シーケンス、固定された方式(lockstep)、インデックス付与など)を制御するためにカルーセルコントローラ302を含む。いくつかの例では、分析装置は、複数の容器または器を有する1つまたは複数のカルーセルを含む。いくつかの例では、分析装置は、診断検査のための試薬を含む複数の試薬容器を有する第1のカルーセルと、サンプルを検査するために使用される複数の器(たとえば、反応器)を有する第2のカルーセルとを含む。たとえば、上記で開示された分析装置100は、第1のカルーセル102(たとえば、試薬カルーセル)と、第2のカルーセル104(たとえば、反応用カルーセル)とを含む。第2のカルーセル104は、複数の反応器108a~nを含み、反応器108-n上で複数の診断機能が実行される間、連続的にまたは不連続に反応器108a~nを回転させる。カルーセルコントローラ302は、たとえば、第1のカルーセル102および第2のカルーセル104の回転シーケンス(たとえば、固定された方式のタイミング)を制御するために使用され得る。
【0063】
例示的な処理システム300は、ピペットコントローラ304を含む。いくつかの例では、分析装置は、ある場所から流体を吸引し、その流体を別の場所に分注するために、1つまたは複数のピペット(たとえば、自動ピペッティング機構、プローブアームなど)を利用する。いくつかの例では、分析装置は、たとえば、サンプルを反応器に分注するための第1のピペット、第1の試薬を反応器に分注するための第2のピペット、第2の試薬を反応器に分注するための第3のピペットなどの、複数のピペットを有する。ピペットコントローラ306は、たとえば、ピペットの動き、吸引するためにピペットに加えられる真空、分注するためにピペットに加えられる圧力など、ピペットを制御するように動作する。上記で開示された例示的な分析装置100では、分析装置100は、たとえばサンプルなどの流体を吸引および分注するために進行経路112に沿ってピペットを移動するピペッティング機構110を含む。いくつかの例では、例示的なピペッティング機構110は、点Aにおいて第2のカルーセル104上の反応器108a~nにサンプルを分注する。ピペットコントローラ304は、ピペッティング機構110を制御するために使用される。
【0064】
例示的な処理システム300は、リーダコントローラ306を含む。いくつかの例では、反応用カルーセルが回転するとき、リーダ(たとえば、分析装置)がそれぞれの反応器の内容を分析し得るように、リーダは、反応用カルーセルの内部または外部に沿って配置される。いくつかの例では、反応器は、所定の時間の間、リーダの前に固定されて保持され、示度が得られる。他の例では、1つまたは複数の反応器は、リーダの前に連続的に通過され得、リーダは、各反応器に対応する複数の個別の示度を得る。リーダコントローラ306は、示度が得られたとき制御するように動作する。
【0065】
リーダコントローラ306はまた、他のリーダを制御するために使用され得る。たとえば、RSH118の近くに位置決めされたリーダは、運搬具124a~nおよび/または運搬具124a~nに結合された容器の識別情報またはその内容に関連する他のデータについての情報を収集するためにRFIDタグ、バーコード、QRコード(登録商標)、または他の機械可読コードを読み取るように動作され得る。
【0066】
例示的な処理システム300はまた、ポジショナコントローラ308と、シャトルコントローラ310とを含む。いくつかの例では、分析装置は、容器、容器を有する運搬具、および/または運搬具のトレイを受け入れるためのローディングベイ部を含む。容器は、試薬、サンプル、制御装置、較正などを含み得る。いくつかの例では、ローディングベイ部は、分析装置の第1の側面すなわち前方側面上に配置される。いくつかの例では、ポジショナ(たとえば、ロボット機構)は、ローディングベイ部から運搬具を取り出し、検査および再検査のために分析装置の異なる区域に運搬具を搬送する。ポジショナコントローラ308は、分析装置内の運搬具と係合して移動させるようにポジショナの動きを制御する。上記で開示された例示的な分析装置100では、ポジショナ126は、分析装置100の第1の側面114上のトラック部128に沿って平行移動する。ポジショナ126はまた、RSH118内の運搬具と係合するように回転するアーム130を有する。ポジショナコントローラ308は、たとえば、トラック部128に沿ってポジショナ126およびアーム130の動きを制御するために使用され得る。
【0067】
いくつかの例では、分析装置は、分析装置のある側面から分析装置の他の側面に運搬具を搬送するために1つまたは複数のシャトル運搬具を含む。いくつかの例では、ピペットは、分析装置の第2の側面すなわち後方側面に沿って配置され、運搬具シャトルは、ローディングベイ部に隣接する分析装置の前面から、分析装置の背部側面の近くでピペットの範囲内のある位置に、運搬具を搬送する。いくつかの例では、運搬具シャトルは、モータ(たとえば、電気モータ、サーボモータ、ステッパモータなど)によって動作される。いくつかの例では、シャトル運搬具は、運搬具を搬送するために、たとえばコンベアベルトまたはリードスクリューなどのトラックシステムを利用する。運搬具シャトルコントローラ310は、運搬具シャトルに沿って運搬具を搬送するために1つまたは複数の運搬具シャトルの動きを制御するように動作する。運搬具シャトルコントローラ310は、たとえば、それぞれの運搬具シャトル134、136のモータ146、148を制御するために使用され得る。
【0068】
例示的な処理システム300は、シャトル運搬具コントローラ310に通信可能に結合されたセンサ312を含む。いくつかの例では、1つまたは複数のセンサ(たとえば、トランスデューサ、エンコーダなど)は、運搬具シャトルが運搬具シャトルコントローラ310からの命令に従って動作しているかどうか決定するように運搬具シャトルの動きを感知するために使用される。いくつかの例では、センサ312は、モータよりも運搬具シャトルの対向する端部に配置される。上記で開示された例示的な分析装置100では、センサ150、152は、運搬具134、136それぞれのシャトルのトラック部142、146が効果的に動作しているかどうか、およびトラック部142、146が取り除かれる、誤整列される、または動作不能であると決定するために、それぞれの運搬具シャトル134、136のトラック部142、146に沿って配置される。
【0069】
例示的な処理システム300は、ラボラトリ自動化システム(LAS)コントローラ314を含む。いくつかの例では、ラボラトリ自動化システムは、ラボラトリのまわりで運搬具を搬送するために、トラック部および機器からなるシステムを含む。いくつかのサンプル、試薬、および診断検査において使用される他の液体は、追加の処理ステップおよび/または冷却を必要とする。LASは様々な機器に接続されてよく、処理のための時間のとき、LASは、ピペットによって吸引するために、運搬具を介して分析装置の背部側面に液体(たとえば、優先順位の高いサンプル)を搬送し得る。いくつかの例では、LASの主トラック部は、運搬具が主トラック部上に固定されて保持されないように、分析装置の後方側面に運搬具を搬送する副トラック部または支線を含む。LASコントローラ314は、たとえば主トラック部、支線、および/またはそれに付着された任意の設備もしくは機器を含むLASの動作を制御する。たとえば、上記で開示された例示的なLAS154は、ピペッティング機構110が運搬具の内容から吸引し得るように分析装置100の後方側面に隣接する場所に運搬具(たとえば、124c)を搬送するために、主トラック部156と支線158とを含む。
【0070】
例示的な処理システム300はまた、プロセッサ316と、データベース318とを含む。プロセッサは、構成要素の各々の様々な動作を制御するように、処理システム300のコントローラとセンサ302~314とインターフェースする。プロセッサ316は、所望の検査プロトコルに従って動作するようにプログラム可能である。データベース318は、たとえば行われた、行われるべき、および/または行われている検査、検査プロトコルに関する情報、リーダから収集された個々のサンプルデータおよび/もしくは試薬データ、運搬具の位置、ポジショナ、運搬具シャトル、ピペッティング機構、LAS、ならびに/もしくはカルーセルに関する情報、ならびに/または他の情報を格納するために使用され得る。
【0071】
図示の例では、処理システム構成要素302~318は、通信リンク320を介して、例示的なシステム300の他の構成要素に通信可能に結合される。通信リンク320は、任意の過去、現在、または将来の通信プロトコル(たとえば、ブルートゥース(登録商標)、USB2.0、USB3.0など)を使用する、任意のタイプの有線接続(たとえば、データバス、USB接続など)またはワイヤレス通信機構(たとえば、無線周波数、赤外線など)であってよい。また、例示的なシステム300の構成要素は、1つのデバイスに統合されてもよいし、2つ以上のデバイスにわたって分散されてもよい。
【0072】
図1A~
図2の分析装置100、202、204、および/またはLAS154、206を実施する例示的な方法が
図3に示されているが、
図3に示される要素、プロセス、および/またはデバイスのうち1つまたは複数は、任意の他の方法において結合、分割、並び替え、省略、除去、および/または実施されてよい。さらに、
図3の例示的なカルーセルコントローラ302、例示的なピペットコントローラ304、例示的なリーダコントローラ306、例示的なポジショナコントローラ308、例示的な運搬具シャトルコントローラ310、例示的なセンサ312、例示的なLASコントローラ314、例示的なプロセッサ316、例示的なデータベース318、および/または、より一般的に、例示的な処理システム300は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ならびに/またはハードウェア、ソフトウェア、および/もしくはファームウェアの任意の組合せによって実施されてよい。したがって、たとえば、例示的なカルーセルコントローラ302、例示的なピペットコントローラ304、例示的なリーダコントローラ306、例示的なポジショナコントローラ308、例示的な運搬具シャトルコントローラ310、例示的なセンサ312、例示的なLASコントローラ314、例示的なプロセッサ316、例示的なデータベース318、および/または、より一般的に、例示的な処理システム300のうちいずれかは、1つまたは複数のアナログ回路またはデジタル回路、論理回路、プログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、および/またはフィールドプログラマブル論理デバイス(FPLD)によって実施可能である。純粋なソフトウェア実装形態および/またはファームウェア実装形態を包含するために本特許の装置請求項またはシステム請求項のうちいずれかを読むとき、例示的なカルーセルコントローラ302、例示的なピペットコントローラ304、例示的なリーダコントローラ306、例示的なポジショナコントローラ308、例示的な運搬具シャトルコントローラ310、例示的なセンサ312、例示的なLASコントローラ314、例示的なプロセッサ316および/または例示的なデータベース318のうち少なくとも1つは、ソフトウェアおよび/またはファームウェアを格納する、メモリ、デジタル多用途ディスク(DVD)、コンパクトディスク(CD)、ブルーレイディスクなどの有形コンピュータ可読ストレージデバイスまたはストレージディスクを含むように本明細書で明示的に定義される。さらに、
図3の例示的な処理システム300は、
図3に示されるものに加えて、またはその代わりに、1つまたは複数の要素、プロセス、および/またはデバイスを含んでよく、ならびに/または図示の要素、プロセス、およびデバイスのうちいずれかもしくはすべてのうち複数を含んでよい。
【0073】
そのうち少なくとも一部は機械可読である、例示的な分析装置100、202、204、例示的なLAS154、206、および/または例示的な処理システム300を実施するための例示的な方法400を表す流れ図が
図4に示されている。この例では、方法400は、以下で
図5に関連して説明する例示的なプロセッサプラットフォーム500に示されるプロセッサ512などのプロセッサによる実行のためのプログラムを備える機械可読命令を使用して実施され得る。プログラムは、CD-ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイディスク、またはプロセッサ512に関連付けられたメモリなどの有形コンピュータ可読記憶媒体上に格納されたソフトウェアにおいて実施され得るが、代替的に、プログラム全体および/またはその一部は、プロセッサ512以外のデバイスによって実行可能および/またはファームウェアもしくは専用ハードウェアにおいて実施可能である。さらに、例示的なプログラムは、
図4に示される流れ図を参照しながら説明されているが、代替的に、例示的な分析装置100、202、204、例示的なLAS154、206、および/または例示的な処理システム300を実施する多数の他の方法が使用されてよい。たとえば、ブロックの実行の順序は変更されてよく、および/または説明されるブロックのうちいくつかが変更されてもよいし、除去されてもよいし、組み合わされてもよい。
【0074】
上述のように、
図4のプロセスの要素のうち少なくともいくつかは、任意の持続時間の間(たとえば、延長された時間期間の間、永久的に、短い過程(instance)の間、一時的なバッファリングの間、および/または情報のキャッシングの間)情報が格納される、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、読出し専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および/または任意の他のストレージデバイスもしくはストレージディスクなどの有形コンピュータ可読記憶媒体上に格納されたコード化された命令(たとえば、コンピュータ可読命令および/または機械可読命令)を使用して実施され得る。本明細書で使用されるとき、「有形コンピュータ可読記憶媒体」という用語は、任意のタイプのコンピュータ可読ストレージデバイスおよび/またはストレージディスクを含み、伝播信号を除外するように明示的に定義される。本明細書で使用されるとき、「有形コンピュータ可読記憶媒体」と「有形機械可読記憶媒体」は互換的に使用される。追加または代替として、
図4の例示的なプロセスは、任意の持続時間の間(たとえば、延長された時間期間の間、永久的に、短い過程の間、一時的なバッファリングの間、および/または情報のキャッシングの間)情報が格納される、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、読出し専用メモリ、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、キャッシュ、ランダムアクセスメモリ、および/または任意の他のストレージデバイスもしくはストレージディスクなどの非一時的なコンピュータ可読媒体および/または機械可読媒体上に格納されたコード化された命令(たとえば、コンピュータ可読命令および/または機械可読命令)を使用して実施されてよい。本明細書で使用されるとき、「非一時的なコンピュータ可読記憶媒体」という用語は、任意のタイプのコンピュータ可読デバイスまたはディスクを含み、伝播信号を除外するように明示的に定義される。本明細書で使用されるとき、「少なくとも」という句が請求項のプリアンブルで移行語(transition term)として使用される場合、「~を備える」という用語は制約がない(open-ended)のと同じように、「少なくとも」という句も制約がない。
【0075】
図4は、たとえば上記で詳細に説明された分析装置100、202、204、LAS154、206、および/または処理システム300によって実施され得る例示的な診断検査方法400を表す流れ図である。例示的な分析装置は、第1のカルーセルと第2のカルーセルとを含み、第2のカルーセルは、診断検査を行うための複数の反応器を有する反応用カルーセルである。反応用カルーセルが回転するとき、複数の自動モジュールは各々、個々の反応器に対してアッセイステップを実行する。例示的な分析装置は、第1の側面(たとえば、前方側面)と、この第1の側面に対向する第2の側面(たとえば、背部側面)とを有する。上記で詳細に説明された例示的な分析装置100、202、204では、ピペッティング機構は、反応用カルーセルが回転するとき反応用カルーセル上の反応器にサンプルを分注するために、分析装置の第2の側面の近くに配置される。いくつかの例では、ローディングベイ部は、運搬具または運搬具のトレイを受け入れるために例示的な分析装置の第1の側面上に配置される。例示的な方法またはプロセス400は、分析装置の第1の側面に運搬具を搭載すること(ブロック402)を含む。いくつかの例では、各運搬具は、たとえば、検査サンプルを有する試験管などの、複数の容器を含む。
【0076】
例示的なプロセス400はまた、第1の運搬具シャトルに第1の運搬具を搬送すること(ブロック404)を含む。たとえば、上記で開示された例示的な分析装置100は、分析装置100の第1の側面114から分析装置100の第2の側面116に運搬具を搬送するために、第1の運搬具シャトル134と第2の運搬具シャトル136とを含む。いくつかの例では、ポジショナは、それぞれのスロットから運搬具を取り出し、たとえば運搬具シャトルを含む、分析装置内の他の場所に運搬具を移すようにローディングベイ部に沿って設置される。
【0077】
例示的なプロセス400は、分析装置の第1の側面から分析装置の第2の側面に第1の運搬具を搬送すること(ブロック406)を含む。いくつかの例では、第1の運搬具シャトルは、第1の運搬具を搬送するためにコンベアベルトとモータとを含む。他の例では、第1の運搬具シャトルは、第1の運搬具が往復台内に置かれることがあり、分析装置の第1の側面から分析装置の第2の側面に往復台(と第1の運搬具と)を移動するように第1のリードスクリューが動作する(たとえば、回転する)ように、リードスクリューと、往復台とを備える。いくつかの例では、第1の運搬具シャトルは、コンベアベルトの動きを感知するためにセンサ(たとえば、エンコーダ、トランスデューサ)を安全性機構として有する。
【0078】
例示的なプロセス400はまた、第1の運搬具から液体を吸引すること(ブロック408)を含む。たとえば、上記で開示された例示的な分析装置100は、ピペッティング機構110を分析装置100の第2の側面116に隣接して設置する。第1の運搬具シャトル134は、ピペッティング機構110が第1の運搬具から吸引することを可能にするために、分析装置100の第1の側面114の近くの第1の場所からおよび分析装置の第2の側面116の近くの、より具体的には、ピペッティング機構110のアクセス範囲(たとえば、進行経路112、水平弧経路など)内の、第2の場所に、第1の運搬具を搬送することが可能である。吸引後、液体が第1の反応器に分注される(ブロック410)。いくつかの例では、ピペッティング機構110は、回転軸と、プローブアームとを有し、ピペットがプローブアームの遠位端に配置される。プローブアームは、進行経路(たとえば、水平弧経路)に沿って液体にアクセスし、吸引された液体を反応用カルーセル104上の第1の反応器に分注するように回転する。
【0079】
例示的なプロセスは、第2の運搬具シャトルがあるかどうか決定すること(412)を含む。いくつかの例では、分析装置は、1つの運搬具シャトルのみを用いる。上記で開示された例示的な分析装置100、202、204では、第2の運搬具シャトルは、ターンアラウンドタイムを減少させ、スループットを増加させるために利用される。第2の運搬具シャトルは独立して動作される。したがって、第2の運搬具シャトルおよび/またはそれに関連する構成要素の動作(たとえば、ブロック314、316、318、320)のうち1つまたは複数は、第1の運搬具シャトルおよび/またはそれに関連する構成要素の動作(たとえば、ブロック304、306、308、310)のうち1つまたは複数に対して独立しておよび/または同時に行われてよい。
【0080】
例示的なプロセス400は、第2の運搬具シャトルに第2の運搬具を搬送すること(ブロック414)を含む。たとえば、上述のように、分析装置100のポジショナ126は、ローディングベイ部120内のスロット122b~nから第2の運搬具124b~nを取り出し、第2の運搬具シャトル136に第2の運搬具124b~nを搬送する。
【0081】
例示的なプロセス400はまた、分析装置の第1の側面から分析装置の第2の側面に第2の運搬具を搬送すること(ブロック416)を含む。いくつかの例では、第2の運搬具シャトルは、コンベアベルトまたはリードスクリューを含む。第2の運搬具シャトルは、分析装置の第1の側面の近くの第1の場所から分析装置の第2の側面に隣接する第2の場所に、より具体的には、ピペッティング機構の進行経路内のある場所に、第2の運搬具を搬送するように動作する。
【0082】
例示的なプロセス400は、第2の運搬具から液体を吸引すること(ブロック418)と、反応用カルーセル上の第2の反応器に液体を分注すること(420)とを含む。
【0083】
さらに、例示的なプロセス400は、分析装置の第2の側面に第3の運搬具を搬送すること(ブロック422)を含む。たとえば、例示的な分析装置100は、ラボラトリ自動化システム(LAS)154を含んでよい。LAS154は、ラボラトリのまわりで運搬具および/または診断検査液体の容器を搬送するためにトラックシステム156を有し、トラック部(たとえば、158)の一部分は、分析装置の第2の側面に隣接して配置される。第3の運搬具の搬送は、第1の運搬具および/または第2の運搬具の搬送と独立している。したがって、第1の運搬具シャトルおよび第2の運搬具シャトルおよび/またはそれらに関連する構成要素の動作(たとえば、ブロック304、308、310、312、314、316、318、320)のうち1つまたは複数は、LAS154および/またはそれに関連する構成要素の動作(たとえば、ブロック322、324、326)のうち1つまたは複数に対して独立しておよび/または同時に行われてよい。
【0084】
例示的なプロセス400はまた、第3の運搬具から液体を吸引すること(ブロック424)を含む。たとえば、LAS154は、第3の運搬具124cから液体を吸引するためのアクセスを可能にするために主トラック部156からピペッティング機構110の進行経路112内のある位置に第3の運搬具124cを向ける支線158を含む。例示的なプロセス300はまた、反応用カルーセル上の第3の反応器に液体を分注すること(ブロック426)を含む。たとえば、ピペッティング機構110は、進行経路112内で移動し、吸引された液体を第2のカルーセル104上の反応器に分注することがある。
【0085】
例示的なプロセスは、追加の検査が実行されるべきかどうか決定すること(ブロック428)を含む。さらなる検査が望まれる場合、例示的なプロセスは、第1のシャトル運搬具を介して、第2の場所から、分析装置の第1の側面に隣接する第1の場所に第1の運搬具を搬送すること(ブロック430)を含む。いくつかの例では、ポジショナは、第1の運搬具シャトルから第1の運搬具を除去し、ローディングベイ部内の空のスロットの中に第1の運搬具を置く。例示的なプロセスは、次いで、第1の運搬具シャトル上に別の運搬具(ブロック404)を(すなわち、図示の例示的なプロセス400の「第1の」運搬具として)搭載するまたは搬送することに進むことができ、例示的なプロセス400は、上記で開示されたように進行する。さらなる検査が望まれないおよび/または必要とされない(ブロック428)場合、例示的なプロセス400は終了する(ブロック432)。
【0086】
図5は、
図1A~
図3の装置および/またはシステムの1つまたは複数の部分を実施するために
図4の実行されるべき命令を実行することが可能な例示的なプロセッサプラットフォーム500のブロック図である。プロセッサプラットフォーム500は、たとえば、サーバ、パーソナルコンピュータ、モバイルデバイス、携帯情報端末(PDA)、インターネット機器、および/または任意の他のタイプのコンピューティングデバイスであってよい。
【0087】
図示の例のプロセッサプラットフォーム500は、プロセッサ512を含む。図示の例のプロセッサ512はハードウェアである。たとえば、プロセッサ512は、任意の所望のシリーズまたは製造業者からの1つまたは複数の集積回路、論理回路、マイクロプロセッサ、またはコントローラによって実施可能である。
【0088】
図示の例のプロセッサ512は、ローカルメモリ513(たとえば、キャッシュ)を含む。図示の例のプロセッサ512は、バス518を介して、揮発性メモリ514と不揮発性メモリ516とを含むメインメモリと通信する。揮発性メモリ514は、Synchronous Dynamic Random Access Memory(SDRAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、RAMBUSダイナミックランダムアクセスメモリ(RDRAM)、および/または任意の他のタイプのランダムアクセスメモリデバイスによって実施されてよい。不揮発性メモリ516は、フラッシュメモリおよび/または任意の他の所望のタイプのメモリデバイスによって実施されてよい。メインメモリ514、516へのアクセスは、メモリコントローラによって制御される。
【0089】
図示の例のプロセッサプラットフォーム500はまた、インターフェース回路520を含む。インターフェース回路520は、イーサネット(登録商標)インターフェース、ユニバーサルシリアルバス(USB)、および/またはPCI expressインターフェースなどの任意のタイプのインターフェース規格によって実施されてよい。
【0090】
図示の例では、1つまたは複数の入力デバイス522が、インターフェース回路520に接続される。入力デバイス522は、ユーザがプロセッサ512にデータとコマンドとを入力することを可能にする。入力デバイスは、たとえば、オーディオセンサ、マイクロホン、カメラ(静止画またはビデオ)、キーボード、ボタン、マウス、タッチスクリーン、トラックパッド、トラックボール、アイソポイント(isopoint)、および/または音声認識システムによって実施可能である。
【0091】
1つまたは複数の出力デバイス524も、図示の例のインターフェース回路520に接続される。出力デバイス524は、たとえば、ディスプレイデバイス(たとえば、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、液晶ディスプレイ、陰極線管ディスプレイ(CRT)、タッチスクリーン、触覚式出力デバイス、および/または発光ダイオード(LED)によって実施可能である。したがって、図示の例のインターフェース回路520は、一般に、グラフィックスドライバカード、グラフィックスドライバチップ、またはグラフィックスドライバプロセッサを含む。
【0092】
図示の例のインターフェース回路520はまた、ネットワーク526(たとえば、イーサネット接続、デジタル加入者回線(DSL)、電話回線、同軸ケーブル、セルラー電話システムなど)を介した外部機械(たとえば、任意の種類のコンピューティングデバイス)とのデータの交換を容易にするために、送信機、受信機、トランシーバ、モデム、および/またはネットワークインターフェースカードなどの通信デバイスを含む。
【0093】
図示の例のプロセッサプラットフォーム500はまた、ソフトウェアおよび/またはデータを格納するための1つまたは複数の大容量記憶デバイス528を含む。そのような大容量記憶デバイス528の例としては、フロッピーディスクドライブ、ハードドライブディスク、コンパクトディスクドライブ、ブルーレイディスクドライブ、RAIDシステム、およびデジタル多用途ディスク(DVD)ドライブがある。
【0094】
図4の方法を実施するコード化された命令532は、大容量記憶デバイス528内、揮発性メモリ514内、不揮発性メモリ516内、および/またはCDもしくはDVDなどの着脱可能な有形コンピュータ可読記憶媒体上に格納されてよい。いくつかの例示的な方法、装置、および製造品が本明細書で説明されてきたが、本特許の包含の範囲は、それに限定されない。逆に、本特許は、本特許の特許請求の範囲内に含まれるすべての方法と、装置と、製造品とを包含するものである。