(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】プラグロック機構
(51)【国際特許分類】
H01R 13/639 20060101AFI20220721BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
(21)【出願番号】P 2020217053
(22)【出願日】2020-12-25
【審査請求日】2021-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000109325
【氏名又は名称】ツインバード工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】谷川 淳
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-153526(JP,A)
【文献】特開2001-74009(JP,A)
【文献】実開昭52-145278(JP,U)
【文献】特開2004-108453(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌コネクタと、この雌コネクタに対し抜き差し可能なプラグと、前記雌コネクタを挟んだ位置に設けられる一対の軸受部とこの軸受部によって揺動可能に軸支されるロック部材とを有し、このロック部材が前記軸受部に対応する一対の軸部を同軸状に両端に有するプラグロック機構において、
前記軸受部の軸受孔の中心軸が前記軸部の中心軸に対し傾斜すると共に、前記軸部が前記軸受孔
の内壁に対し圧接するように構成されることを特徴とするプラグロック機構。
【請求項2】
前記軸部がその中心軸方向に離れた二箇所以上で前記軸受孔
の内壁に圧接することを特徴とする請求項1記載のプラグロック機構。
【請求項3】
前記ロック部材が金属線材を折り曲げて構成されると共に、前記軸受部が金属線材よりも柔らかい合成樹脂で構成されることを特徴とする請求項1記載のプラグロック機構。
【請求項4】
前記軸受孔が、その入口側が奥側よりも前記プラグの引き抜き方向側となるように傾斜することを特徴とする請求項1記載のプラグロック機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雌コネクタに接続したプラグが不用意に外れないようにするためのプラグロック機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のプラグロック機構としては、一対の突起部(本願発明の軸受部に相当する)が形成されたインレット(本願発明の雌コネクタに相当する)と、このインレットに接続されるケーブルコネクタ(本願発明のプラグに相当する)とを有し、一対の前記突起部にそれぞれ穴(本願発明の軸受孔に相当する)を設けると共に、これらの穴にスプリング部材(本願発明のロック部材に相当する)の両端部を挿通して回動可能に軸支したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、前記インレットに前記ケーブルコネクタを差し込んだ後、前記スプリング部材の係止部を前記ケーブルコネクタの後端部に掛けることで、前記ケーブルコネクタを引き抜く方向の移動が制限されるので、前記インレットからケーブルコネクタが不用意に外れるのを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなプラグロック機構においては、ロック部材が単純に軸受孔に軸支されているだけなので、ロック部材を持ち上げた状態を保持しながらプラグを雌コネクタに差し込む必要がある。引用文献1に記載されているように、プラグロック機構が設けられる機器の面が平坦であれば特に問題ないが、機器の凹んだ位置に雌コネクタが設けられる場合、ロック部材を保持するのが難しいという問題があった。また、機器或いは軸受部に前記ロック部材と係合して位置を保持する機構を設けることも考えられるが、機器の形状によっては、そのような機構とロック部材と係合させることができない等の問題もあった。
【0005】
本発明は以上の問題点を解決し、単純な構造でロック部材を任意の位置で保持することができるプラグロック機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載のプラグロック機構は、雌コネクタと、この雌コネクタに対し抜き差し可能なプラグと、前記雌コネクタを挟んだ位置に設けられる一対の軸受部とこの軸受部によって揺動可能に軸支されるロック部材とを有し、このロック部材が前記軸受部に対応する一対の軸部を同軸状に両端に有するプラグロック機構において、前記軸受部の軸受孔の中心軸が前記軸部の中心軸に対し傾斜すると共に、前記軸部が前記軸受孔の内壁に対し圧接するように構成されるものである。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載のプラグロック機構は、請求項1において、前記軸部がその中心軸方向に離れた二箇所以上で前記軸受孔の内壁に圧接するものである。
【0008】
また、本発明の請求項3に記載のプラグロック機構は、請求項1において、前記ロック部材が金属線材を折り曲げて構成されると共に、前記軸受部が金属線材よりも柔らかい合成樹脂で構成されるものである。
【0009】
更に、本発明の請求項4に記載のプラグロック機構は、請求項1において、前記軸受孔が、その入口側が奥側よりも前記プラグの引き抜き方向側となるように傾斜するものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1に記載のプラグロック機構は、以上のように構成することにより、このプラグロック機構が設けられる機器の形状によらず、単純な構造によって、前記軸部と軸孔との圧接による摩擦で前記ロック部材を任意の位置で保持しながら前記プラグを前記雌コネクタに差し込んだ後、前記ロック部材によって前記プラグの抜け止めをすることができる。
【0011】
なお、前記軸部がその中心軸方向に離れた二箇所以上で前記軸受孔に圧接することにより、前記ロック部材をぐらつかせずに安定して揺動させることができる。
【0012】
また、前記ロック部材が金属線材を折り曲げて構成されると共に、前記軸受部が金属線材よりも柔らかい合成樹脂で構成されることにより、前記軸孔が変形して広い面で前記軸部と当接することで、前記ロック部材を確実に摩擦で保持することができる。
【0013】
更に、前記軸受孔を、その入口側が奥側よりも前記プラグの引き抜き方向側となるように傾斜させることにより、前記ロック部材を前記軸受部に取り付けやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態を示すプラグロック機構が設けられた機器である携帯型冷蔵庫の斜視図である。
【
図2】同、プラグが差し込まれていない状態におけるプラグロック機構の縦断面図である。
【
図3】同、プラグが差し込まれていない状態におけるプラグロック機構の横断面図である。
【
図4】同、プラグが差し込まれた状態におけるプラグロック機構の縦断面図である。
【
図5】同、プラグが差し込まれた状態におけるプラグロック機構の横断面図である。
【
図6】同、プラグをロックした状態におけるプラグロック機構の縦断面図である。
【
図7】同、プラグをロックした状態におけるプラグロック機構の横断面図である。
【
図9】同、ロック部材を外した状態における右軸受孔付近の拡大断面図である。
【
図11】同、ロック部材を外した状態における左軸受孔付近の拡大断面図である。
【
図13】本発明の他の実施形態を示すプラグロック機構の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、
図1乃至
図12に基づいて説明する。なお、
図2,4,6における上下を本実施形態における上下と規定する。また、
図3,5,7における左右を本実施形態の左右と規定する。
【0016】
1は本発明のプラグロック機構11を設けた機器としての携帯型冷凍冷蔵庫である。この携帯型冷凍冷蔵庫1は、機構部2と収容部3と蓋体4とを有し、前記機構部2側と収容部3側にそれぞれハンドル5を有する。また、前記機構部2には、操作部6と吸気部7と排気部8が設けられる。更に、前記機構部2の合成樹脂製の外殻2Aには凹部9が設けられ、この凹部9に、図示しない冷却機構へ給電するための電源接続部10が設けられる。この電源接続部10に前記プラグロック機構11が設けられる。なお、前記携帯型冷凍冷蔵庫1の基本構成は公知であるので、その詳細な説明を省略する。
【0017】
前記プラグロック機構11は、前記電源接続部10と、電源コード12と、プラグロック部13とを有して構成される。前記電源接続部10は、前記凹部9の最奥部に設けられる貫通孔14と、この貫通孔14に取り付けられる案内筒15と、この案内筒15の内端に近接して設けられる雌コネクタとしての受電コネクタ16とを有する。なお、本例において、前記案内筒15は金属製であり、前記貫通孔14が形成される前記機構部2の合成樹脂製の外殻2Aとは別体として構成されるが、合成樹脂により前記案内筒15を前記外殻2Aと一体に形成しても良い。また、前記案内筒15は、前記受電コネクタ16に接続される前記電源コード12のプラグ17の形状によっては、必ずしも必要ではない。更に、前記電源コード12は、電線部18と、この電線部18の先端に設けられる前記プラグ17とを有して構成される。そして、前記プラグ17における前記電線部18側端部には、係止面19が形成される。本例において、この係止面19は、凸曲面状の凸条である。また、前記プラグ17の差し込み方向は、水平で且つ内方向(
図2,4,6における右方向、
図3,5,7における上方向)である。換言すれば、前記プラグ17の引き抜き方向は、水平且つ外方向(
図2,4,6における左方向、
図3,5,7における下方向)である。
【0018】
前記プラグロック部13は、一対の軸受部20,20とロック部材21とを有する。前記軸受部20,20は前記凹部9の左壁9L及び右壁9Rであり、これらの左壁9L及び右壁9Rにそれぞれ左軸受孔22L及び右軸受孔22Rが形成される。なお、これらの軸受孔22L,22Rは同軸ではなく、前記左軸受孔22Lの中心軸X1Lと前記右軸受孔22Rの中心軸X1Rが交差する。また、前記各軸受孔22L,22Rは、それぞれ左壁9L及び右壁9Rを貫通して形成される。従って、前記左軸受孔22Lは、第一縁23Lと第二縁24Lとを有する。同様に、前記右軸受孔22Rは、第一縁23Rと第二縁24Rとを有する。なお、前記第一縁23L,23Rは、前記外殻2Aの凹部9の外面に設けられるため、前記第二縁24L,24Rとの位置関係では内側となる。更に、前記各軸受孔22L,22Rは円孔であり、それらの内径はそれぞれD1である。なお、前記各軸受孔22L,22Rは、前記外殻2Aの成形時に形成されても良く、また、後加工で前記左壁9L及び右壁9Rに穿孔しても良い。
【0019】
前記ロック部材21は、断面形状が円形で且つ前記外殻2Aを構成する合成樹脂よりも硬い鋼等の金属線材を折り曲げて構成される。具体的には、前記ロック部材21は、両端に形成された一対の軸部25L,25Rと、これらの軸部25L,25Rの内側に設けられた腕部26L,26Rと、これらの腕部26L,26Rの内側に設けられた係止部27を有する。なお、前記軸部25L,25R及び腕部26L,26Rは、同一の仮想平面VPX上に設けられる。また、前記係止部27は、前記仮想平面VPXと直交する仮想平面VPY上に設けられる。そして、前記ロック部材21は、前記係止部27の中央を基準として左右対称に形成される。更に、一対の前記軸部25L,25Rは、共通の中心軸X2を有する。即ち、前記ロック部材21は、中心軸X2を揺動中心として揺動可能である。なお、一対の前記軸部25L,25Rの外径はD2である。そして、D1>D2である。従って、一対の前記軸部25L,25Rは、それぞれ前記軸受孔22L、22Rに挿入可能である。更に、前記各軸部25L,25Rの軸方向長さは、前記左壁9L及び右壁9Rの厚さよりも十分長く形成される。このため、前記ロック部材21を一対の前記軸受部20,20に取り付けると、前記各軸部25L,25Rの先端は前記外殻2Aの内面よりも内側に突出する。
【0020】
前述した通り、前記左軸受孔22Lの中心軸X1Lと前記右軸受孔22Rの中心軸X1Rは交差する。これらの中心軸X1L,X1Rは、前記ロック部材21の軸部25L,25Rの中心軸X2に対し傾斜する。本例では、前記各軸受孔22L,22Rは、それらの第一縁23L,23Rが第二縁24L,24Rよりも前記プラグ17の引き抜き方向(
図3,5,7における下方向)側となるように、中心軸X1L,X1Rが傾斜する。
【0021】
このように、前記第一縁23L,23Rが第二縁24L,24Rに対し前記プラグ17の引き抜き方向(
図3,5,7における下方向)にずれることで、前記各軸受孔22L、22Rを前記軸部25L,25Rの軸方向から見ると、それらの重なり28L,28Rは、
図9,10に示すように非円形となる。そして、この非円形の重なり28L,28Rの前記中心軸X2を通る短寸Lは、前記軸部25L,25Rの外径D2よりも小さい。従って、前記軸部25L,25Rは、前記各軸受孔22L,22Rに挿入されると、それぞれ前記第一縁23L,23Rと第二縁24L,24Rに圧接する。具体的には、前記軸部25Lは、前記第一縁23Lの奥部23LBと、第二縁24Lの手前部24LFに圧接する。同様に、前記軸部25Rは、前記第一縁23Rの奥部23RBと、第二縁24Rの手前部24RFに圧接する。そして、前述したように、前記軸受部20,20(即ち前記外殻2A)を構成する合成樹脂が、前記ロック部材21を構成する鋼等の金属よりも柔らかいので、前記軸部25L,25Rに圧接する前記第一縁23L,23Rの奥部23LB,23RBと、第二縁24L,24Rの手前部24LF,24RFは潰れる。これによって、前記軸部25L,25Rは、前記各軸受孔22L,22Rと面接触することになる。また、前記軸部25L,25Rは、中心軸X2方向に離れた二箇所で、前記各軸受孔22L,22Rと圧接することになる。
【0022】
なお、前述した通り、前記第一縁23L,23Rが第二縁24L,24Rよりも前記プラグ17の引き抜き方向(
図3,5,7における下方向)側となるように、前記各軸受孔22L,22Rの中心軸X1L,X1Rが傾斜しているので、前記プラグロック機構11を組み立てる際に、前記ロック部材21の軸部25L,25Rを前記各軸受孔22L,22Rに挿入しやすくなっている。これによって、前記ロック部材21を前記軸受部20,20に取り付けやすくすることができる。即ち、前記プラグロック機構11を組み立てやすくすることができる。
【0023】
次に、本実施形態の作用について説明する。なお、前記携帯型冷凍冷蔵庫1の動作そのものについては、説明を省略する。
【0024】
まず使用者は、
図2及び
図3に示すように、前記係止部27を持ち上げるように、前記ロック部材21を揺動させる。前述したように、前記ロック部材21は、前記軸部25L,25Rの中心軸X2を揺動中心とする。そして、前述したように、前記軸受部20,20の各軸受孔22L,22Rの中心軸X1L,X1Rが前記軸部25L,25Rの中心軸X2に対し傾斜していることで、この中心軸X2の方向から見て、前記各軸受孔22L,22Rの第一縁23L,23Rの奥部23LB,23RBと第二縁24L,24Rの手前部24LB,24RBとの間隔である短寸Lが、前記軸部25L,25Rの外径D2よりも小さい。このため、前記軸部25Lは、前記中心軸X2方向に離れた前記第一縁23Lの奥部23LBと第二縁24Lの手前部24LFの二箇所と圧接する。同様に、前記軸部25Rは、前記中心軸X2方向に離れた前記第一縁23Rの奥部23RBと第二縁24Rの手前部24RFの二箇所と圧接する。このため、前記ロック部材21の揺動には、摩擦による抵抗が加わる。この摩擦力によって、前記ロック部材21は、任意の位置に持ち上げられた状態の姿勢を保持することができる。なお、前記軸部25L,25Rがそれぞれ中心軸X2方向に離れた二箇所で前記各軸受孔22L,22R
の内壁と当接するので、前記ロック部材21は、ぐらつかずに安定して揺動することができる。また、断面形状が円形の鋼等の金属線材を折り曲げて前記ロック部材21が構成されると共に、前記軸受部20,20が金属線材よりも柔らかい合成樹脂で構成されることにより、前記軸孔22L,22Rの第一縁23L,23Rの奥部23LB,23RBと第二縁24L,24Rの手前部24LF,24RFが前記軸部25L,25Rに押されて変形して、広い面で前記軸部25L,25Rと当接する。これによって、前記ロック部材21の姿勢を確実に摩擦力で保持することができる。そして、前記ロック部材21の姿勢保持が摩擦力のみによって行われるので、前記プラグロック機構11が設けられる機器としての前記携帯型冷凍冷蔵庫1の外殻2Aの形状によらず、前記各軸受孔22L,22Rを傾斜させるという単純な構造によって、前記ロック部材21の姿勢保持を行うことができる。
【0025】
そして、前記係止部27が持ち上げられた姿勢で前記ロック部材21が保持された状態で、
図4,5に示すように、前記プラグ17を前記電源接続部10の受電コネクタ16に差し込む。この際、前記ロック部材21の姿勢が摩擦力によって保持されているので、使用者が手で前記ロック部材21を支える必要がない。従って、前記プラグ17を前記受電コネクタ16に容易に差し込むことができる。
【0026】
更に、
図6,7に示すように、前記ロック部材21を揺動させて倒す。これによって、差し込まれた前記プラグ17の係止面19の外側に前記係止部27が位置する。この状態で、足を引っ掛けるなどして前記電線部18が引っ張られても、前記プラグ17の係止面19が前記ロック部材21の係止部27と当接するので、前記プラグ17が前記受電コネクタ16から引き抜かれるのを防止することができる。このため、前記プラグ17が前記受電コネクタ16から不用意に外れることが防止される。
【0027】
なお、前記プラグ17を前記受電コネクタ16から外す場合は、前記ロック部材21を起こした後、前記プラグ17を前記受電コネクタ16から引き抜けば良い。この時も、前記係止部27が持ち上げられた姿勢で前記ロック部材21が保持されるので、使用者が手で前記ロック部材21を支える必要がない。従って、前記プラグ17を前記受電コネクタ16から容易に取り外すことができる。
【0028】
以上のように、本発明のプラグロック機構11は、雌コネクタとしての受電コネクタ16と、この受電コネクタ16に対し抜き差し可能なプラグ17と、前記受電コネクタ16を挟んだ位置に設けられる一対の軸受部20,20と、この軸受部20,20によって揺動可能に軸支されるロック部材21とを有し、このロック部材21が前記軸受部20,20に対応する一対の軸部25L,25Rを同軸状に両端に有し、前記軸受部20,20の各軸受孔22L,22Rの中心軸X1L,X1Rが前記軸部25L,25Rの中心軸X2に対し傾斜すると共に、前記軸部25L,25Rが前記各軸受孔22L,22Rに対し圧接するように構成されることで、プラグロック機構11が設けられる機器の形状によらず、単純な構造によって、前記軸部25L,25Rと軸孔22L,22Rとの圧接による摩擦で前記ロック部材21を任意の位置で保持しながら前記プラグ17を前記受電コネクタ16に差し込んだ後、前記ロック部材21によって前記プラグ17の抜け止めをすることができるものである。
【0029】
また、本発明は、前記軸部25L,25Rがその中心軸X2方向に離れた二箇所で、それぞれ前記各軸受孔22L,22Rに圧接することにより、前記ロック部材21をぐらつかせずに安定して揺動させることができるものである。
【0030】
また、本発明は、前記ロック部材21が鋼等の金属線材を折り曲げて構成されると共に、前記軸受部20,20が金属線材よりも柔らかい合成樹脂で構成されることにより、前記軸孔22L,22Rが変形して広い面で前記軸部25L,25Rと当接することで、前記ロック部材21を確実に摩擦で保持することができるものである。
【0031】
更に、本発明は、前記各軸受孔22L,22Rを、その入口側である第一縁23L,23Rが奥側である第二縁24L,24Rよりも前記プラグ17の引き抜き方向側となるように傾斜させることにより、前記ロック部材21を前記軸受部20,20に取り付けやすくすることができるものである。
【0032】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施形態では軸受孔が水平方向に傾斜して形成されるが、上下方向に傾斜させて形成しても良い。また、上記実施形態では、軸受孔が貫通孔であるが、有底孔であっても良い。また、上記実施形態では、軸受孔が円孔であるが、その他の形状の孔、例えば多角形孔や楕円孔としても良い。また、上記実施形態では、プラグを給電側、雌コネクタを受電側としたが、プラグを受電側、雌コネクタを給電側としても良い。更に、上記実施形態では、一対の軸受孔の中心軸を両方とも軸部の中心軸に対し傾斜させたが、
図13に示すように、一方の軸受部30の軸受孔32の中心軸X3を軸部25Lの中心軸X2と平行にし、他方の軸受部20の軸受孔22Rのみを傾斜させても良い。
【符号の説明】
【0033】
1 携帯型冷凍冷蔵庫(機器)
10 電源接続部
11 プラグロック機構
16 受電コネクタ(雌コネクタ)
17 プラグ
20 軸受部
21 ロック部材
22L 左軸受孔
22R 右軸受孔
25L 軸部
25R 軸部
30 軸受部
32 軸受孔
X1L 左軸受孔22Lの中心軸
X1R 右軸受孔22Rの中心軸
X2 軸部25L,25Rの中心軸