(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】部品供給装置及びこれを備えた部品実装機
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20220721BHJP
【FI】
H05K13/02 B
(21)【出願番号】P 2020539911
(86)(22)【出願日】2018-08-29
(86)【国際出願番号】 JP2018031862
(87)【国際公開番号】W WO2020044449
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100127797
【氏名又は名称】平田 晴洋
(72)【発明者】
【氏名】大山 和義
(72)【発明者】
【氏名】藤田 晴康
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/174712(WO,A1)
【文献】特開2014-027131(JP,A)
【文献】特開平10-315187(JP,A)
【文献】国際公開第2017/094192(WO,A1)
【文献】特開2016-127188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を収納可能な部品収納部が所定の間隔をおいて複数配列された部品収納テープを用いて、前記部品を部品取り出し位置に供給する部品供給装置であって、
前記部品収納テープの前記部品取り出し位置に至る通路であるテープ走行路と、
前記部品収納テープを前記テープ走行路に導入し、前記部品取り出し位置へ向かうテープ送出方向に前記部品収納テープを送出するテープ導入送出機構と、
前記テープ走行路上に配置され、前記テープ導入送出機構により前記テープ走行路に導入された前記部品収納テープを受け入れて、前記各部品収納部が順次前記部品取り出し位置を通過するように、前記テープ走行路に沿って前記部品収納テープを送出するテープ受入送出機構と、
前記テープ導入送出機構及び前記テープ受入送出機構を制御する制御部と、を備え、
前記部品収納テープは、後端縁から所定の基準長さの範囲内で部品が収納されていない空の部品収納部が配置されているか、又は前記空の部品収納部が配置されていない第1部品収納テープを含み、
前記制御部は、
前記テープ受入送出機構によって送出されつつ前記部品取り出し位置にて部品の供給を先行して行う部品収納テープである先行テープの後端縁が、前記テープ受入送出機構よりも前記テープ送出方向上流側
且つ前記部品取り出し位置から前記テープ送出方向の上流側に前記基準長さ離れた第1位置を通過したときに、前記テープ導入送出機構による、前記先行テープに対して後続する部品収納テープである後続テープを前記テープ走行路に導入して前記テープ受入送出機構に向けて送出する第1導入動作を開始させ、
前記先行テープの部品収納部内に収納されていた最後の部品が取り出されて前記先行テープが部品切れとなったことを判断した場合、前記先行テープの後端縁が前記第1位置と前記部品取り出し位置との間の第2位置を通過したことに基づいて、前記テープ導入送出機構による前記後続テープに対する前記第1導入動作の実行と同時に、前記テープ受入送出機構による、前記部品取り出し位置よりも前記テープ送出方向下流側へ前記先行テープを送出して排出する排出動作を実行させ
、
前記第1導入動作は、前記先行テープが前記第1部品収納テープである場合には、
前記先行テープの後端縁が前記第1位置を通過したときに前記後続テープを前記テープ受入送出機構に向けて送出する第1送出動作と、
前記後続テープの先端縁が前記第1位置よりも前記テープ送出方向上流側の所定位置に到達したときに当該後続テープの送出を一旦停止して待機させる待機動作と、
前記先行テープの後端縁が前記第2位置を通過したときに前記後続テープの先端縁が前記第1位置を通過して前記テープ受入送出機構に到達するまで当該後続テープを送出する第2送出動作と、を含む、部品供給装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記テープ受入送出機構による前記先行テープに対する前記排出動作の実行中において、前記テープ導入送出機構の前記第1導入動作によって前記後続テープの先端縁が前記テープ受入送出機構に到達した場合、前記後続テープにおいて部品が収納された先頭の部品収納部が前記部品取り出し位置に到達するように当該後続テープを送出する第2導入動作を、前記排出動作と同時に前記テープ受入送出機構に実行させる、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記テープ導入送出機構は、前記部品収納テープを前記テープ走行路に導入して送出する第1テープ送出部を含み、
前記テープ受入送出機構は、
前記テープ走行路上において前記部品取り出し位置よりも前記テープ送出方向上流側に配置され、前記第1テープ送出部により送出された前記部品収納テープを受け入れて前記部品取り出し位置に向けて送出する第2テープ送出部と、
前記第2テープ送出部の前記テープ送出方向下流側において前記部品取り出し位置に近設され、前記第2テープ送出部と連動して前記部品収納テープを送出する第3テープ送出部と、を含み、
前記制御部は、
前記第1テープ送出部の動作を制御することにより、前記後続テープに対する前記第1導入動作を前記第1テープ送出部に実行させ、
前記第2テープ送出部及び前記第3テープ送出部の連動した動作を制御することにより、前記後続テープに対する前記第2導入動作を前記第2テープ送出部に実行させるとともに、前記先行テープに対する前記排出動作を前記第3テープ送出部に実行させる、請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記テープ走行路上に配置され、前記部品収納テープの有無を検出するテープ検出部であって、前記第2テープ送出部よりも前記テープ送出方向上流側
且つ前記部品取り出し位置から前記テープ送出方向の上流側に前記基準長さ離れた前記第1位置に配置される第1検出部と、前記第2テープ送出部と前記第3テープ送出部との間において前記第2位置に配置される第2検出部と、を更に備え、
前記制御部は、
前記第2テープ送出部及び前記第3テープ送出部の連動によって送出される前記先行テープの後端縁が前記第1検出部を通過したときに、前記第1テープ送出部による前記後続テープに対する前記第1導入動作を開始させ、
前記先行テープの後端縁が前記第2検出部を通過したことに基づいて、前記第1テープ送出部による前記後続テープに対する前記第1導入動作の実行と同時に、前記第3テープ送出部による前記先行テープに対する前記排出動作を実行させ、
前記第3テープ送出部による前記先行テープに対する前記排出動作の実行中において、前記第1テープ送出部の前記第1導入動作によって前記後続テープの先端縁が前記第2テープ送出部に到達した場合、前記第2テープ送出部による前記後続テープに対する前記第2導入動作を、前記第3テープ送出部による前記先行テープに対する前記排出動作と同時に実行させる、請求項3に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1テープ送出部が実行する前記第1導入動作
として、前記先行テープが前記第1部品収納テープである場合には、
前記先行テープの後端縁が前記第1検出部を通過したときに前記後続テープを前記第2テープ送出部に向けて送出する
前記第1送出動作
を実行させ、
前記後続テープの先端縁が前記第1検出部よりも前記テープ送出方向上流側の所定位置に到達したときに当該後続テープの送出を一旦停止して待機させる
前記待機動作
を実行させ、
前記先行テープの後端縁が前記第2検出部を通過したときに前記後続テープの先端縁が前記第1検出部を通過して前記第2テープ送出部に到達するまで当該後続テープを送出する
前記第2送出動作
を実行させる、請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記部品収納テープは、後端縁から前記基準長さの範囲を超えて前記空の部品収納部が配置された、前記第1部品収納テープとは異なる第2部品収納テープを含み、
前記第1テープ送出部が実行する前記第1導入動作は、前記先行テープが前記第2部品収納テープである場合には、前記待機動作が省略されて前記第1送出動作と前記第2送出動作とが連続した動作である、請求項5に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記先行テープが部品切れとなったことを判断した場合に、前記排出動作に先立って当該先行テープを所定の許容長さ毎に間欠的に送出する排出準備動作を、前記第3テープ送出部に実行させ、
前記部品取り出し位置よりも前記テープ送出方向下流側へ排出された前記先行テープの先端部分は、前記部品供給装置の下方側に配置されたテープ切断装置の切断動作によって切断され、
前記第3テープ送出部の前記排出準備動作は、前記テープ切断装置の前記切断動作と連動している、請求項4に記載の部品供給装置。
【請求項8】
前記テープ導入送出機構は、
前記第1テープ送出部による送出が可能となるように前記部品収納テープを保持する保持姿勢と、前記部品収納テープの保持を解除する保持解除姿勢との間での姿勢変更が可能なテープ保持部と、
前記テープ保持部を姿勢変更させる操作力が付与される操作レバーと、
前記テープ保持部が前記保持姿勢を取った状態において、前記テープ保持部を前記保持解除姿勢に姿勢変更させる前記操作レバーの操作を許可するか否かを表す情報を報知する報知部と、を更に含み、
前記報知部は、前記第1検出部によって前記部品収納テープが検出されている場合には前記操作レバーの操作を許可する操作許可情報を報知し、前記第1検出部によって前記部品収納テープが検出されていない場合には前記操作レバーの操作を不許可とする操作不許可情報を報知する、請求項4~7のいずれか1項に記載の部品供給装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の部品供給装置と、
前記部品供給装置における前記テープ受入送出機構の送出によって部品の供給を先行して行う前記先行テープが、部品切れであるかを判定する部品切れ判定部と、
前記部品供給装置によって前記部品取り出し位置に供給された部品を取り出すヘッドユニットと、を備える、部品実装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品収納テープに収納された部品を供給する部品供給装置、及びこれを備えた部品実装機に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線板等の基板上に電子部品(以下、単に「部品」という)を搭載(実装)するための部品実装機は、当該部品を部品取り出し位置に供給する部品供給装置を備えている。部品供給装置としては、部品が収納された部品収納テープを用いるテープフィーダーが知られている。
【0003】
テープフィーダーは、従来、部品の供給が先行して行われる先行テープに収納される部品が残り少なくなると、この先行テープの後端に補給用の後続テープを繋ぎ合わせながら継続的に部品供給を行うスプライシング方式であった。しかし、近年、部品補給作業の効率化を図るべく、スプライシングレス方式(自動ローディング方式ともいう)のテープフィーダーが主流となりつつある。この自動ローディング方式のテープフィーダーが、例えば特許文献1,2に開示されている。
【0004】
自動ローディング方式のテープフィーダーでは、テープの先端を所定位置にセットしておくと、ボタン操作に応じてテープを自動的に部品取り出し位置にローディングすることができる。また、前記所定位置に補給用の後続テープの先端をセットしておけば、先行テープの部品切れ後、補給用の後続テープが自動的に部品取り出し位置にローディングされて、当該補給用の後続テープについて間欠的なテープ送出動作が開始される。これにより、自動ローディング方式のテープフィーダーにおいて、作業者は、煩雑なテープ繋ぎ合わせ作業から開放され、いわゆるテープフィーダーの段取り作業や部品補給作業の効率化が図られる。
【0005】
しかしながら、従来技術の自動ローディング方式のテープフィーダーでは、先行テープが部品切れとなった場合、部品取り出し位置よりも下流側へ先行テープの全てを送出して排出した後に、後続テープの部品取り出し位置への自動的なローディングが開始される。このため、部品取り出し位置において、先行テープにて最後に部品供給が行われてから後続テープからの部品供給が可能となるまでに、時間待ちが生じる。つまり、部品取り出し位置における部品供給の、先行テープから後続テープへの切替時間が必要となる。そしてこの切替時間が長くなると、テープフィーダー(部品供給装置)による部品の供給効率が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-027131号公報
【文献】特開2016-127188号公報
【発明の概要】
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、部品収納テープに収納された部品を部品取り出し位置に供給する部品供給装置において、部品を効率良く供給することが可能な部品供給装置、及びこれを備えた部品実装機を提供することにある。
【0008】
本発明の一の局面に係る部品供給装置は、部品を収納可能な部品収納部が所定の間隔をおいて複数配列された部品収納テープを用いて、前記部品を部品取り出し位置に供給する装置である。この部品供給装置は、前記部品収納テープの前記部品取り出し位置に至る通路であるテープ走行路と、前記部品収納テープを前記テープ走行路に導入し、前記部品取り出し位置へ向かうテープ送出方向に前記部品収納テープを送出するテープ導入送出機構と、前記テープ走行路上に配置され、前記テープ導入送出機構により前記テープ走行路に導入された前記部品収納テープを受け入れて、前記各部品収納部が順次前記部品取り出し位置を通過するように、前記テープ走行路に沿って前記部品収納テープを送出するテープ受入送出機構と、前記テープ導入送出機構及び前記テープ受入送出機構を制御する制御部と、を備える。前記部品収納テープは、後端縁から所定の基準長さの範囲内で部品が収納されていない空の部品収納部が配置されているか、又は前記空の部品収納部が配置されていない第1部品収納テープを含む。前記制御部は、前記テープ受入送出機構によって送出されつつ前記部品取り出し位置にて部品の供給を先行して行う部品収納テープである先行テープの後端縁が、前記テープ受入送出機構よりも前記テープ送出方向上流側且つ前記部品取り出し位置から前記テープ送出方向の上流側に前記基準長さ離れた第1位置を通過したときに、前記テープ導入送出機構による、前記先行テープに対して後続する部品収納テープである後続テープを前記テープ走行路に導入して前記テープ受入送出機構に向けて送出する第1導入動作を開始させ、前記先行テープの部品収納部内に収納されていた最後の部品が取り出されて前記先行テープが部品切れとなったことを判断した場合、前記先行テープの後端縁が前記第1位置と前記部品取り出し位置との間の第2位置を通過したことに基づいて、前記テープ導入送出機構による前記後続テープに対する前記第1導入動作の実行と同時に、前記テープ受入送出機構による、前記部品取り出し位置よりも前記テープ送出方向下流側へ前記先行テープを送出して排出する排出動作を実行させる。前記第1導入動作は、前記先行テープが前記第1部品収納テープである場合には、前記先行テープの後端縁が前記第1位置を通過したときに前記後続テープを前記テープ受入送出機構に向けて送出する第1送出動作と、前記後続テープの先端縁が前記第1位置よりも前記テープ送出方向上流側の所定位置に到達したときに当該後続テープの送出を一旦停止して待機させる待機動作と、前記先行テープの後端縁が前記第2位置を通過したときに前記後続テープの先端縁が前記第1位置を通過して前記テープ受入送出機構に到達するまで当該後続テープを送出する第2送出動作と、を含む。
【0009】
本発明の他の局面に係る部品実装機は、上記の部品供給装置と、前記部品供給装置における前記テープ受入送出機構の送出によって部品の供給を先行して行う前記先行テープが、部品切れであるかを判定する部品切れ判定部と、前記部品供給装置によって前記部品取り出し位置に供給された部品を取り出すヘッドユニットと、を備える。
【0010】
本発明の目的、特徴及び利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る部品実装機を上方から見た平面図である。
【
図2】部品実装機に備えられる筒体、テープ切断装置及び部品供給装置を側方から見た図である。
【
図4】部品供給装置に装着される部品収納テープの構成を示す図である。
【
図5A】部品収納テープの後端部付近を拡大して示す平面図である。
【
図5B】部品収納テープの後端部付近を拡大して示す平面図である。
【
図5C】部品収納テープの後端部付近を拡大して示す平面図である。
【
図6】部品供給装置に備えられるテープ走行路形成部の構成を示す斜視図である。
【
図7】部品供給装置に備えられるテープ導入送出機構の斜視図である。
【
図8】一方のフレームを取り外した状態のテープ導入送出機構の斜視図であり、テープ保持部が保持姿勢を取った状態を示す図である。
【
図9】一方のフレームを取り外した状態のテープ導入送出機構の斜視図であり、テープ保持部が保持解除姿勢を取った状態を示す図である。
【
図10】テープ導入送出機構において連結部の近傍を拡大して示す斜視図である。
【
図11】部品供給装置に備えられるテープ送出機構をテープ送出方向から見た図である。
【
図12】部品供給装置に備えられる部品露出部の構成を示す斜視図である。
【
図13】部品露出部のカバーテープ前処理部の構成を示す斜視図である。
【
図14】部品露出部のカバーテープ立ち上げ部の構成を示す斜視図である。
【
図15】部品露出部のカバーテープ後処理部の構成を示す斜視図である。
【
図17】カバーテープ後処理部を上方から見た平面図である。
【
図18】部品供給装置の電気的構成を示すブロック図である。
【
図19A】部品供給装置におけるテープ送出制御の第1例を説明する図である。
【
図19B】部品供給装置におけるテープ送出制御の第1例を説明する図である。
【
図20A】部品供給装置におけるテープ送出制御の第2例を説明する図である。
【
図20B】部品供給装置におけるテープ送出制御の第2例を説明する図である。
【
図21A】部品供給装置におけるテープ送出制御の第3例を説明する図である。
【
図21B】部品供給装置におけるテープ送出制御の第3例を説明する図である。
【
図22】部品供給装置に備えられる報知部の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る部品供給装置及び部品実装機について図面に基づいて説明する。なお、以下では、方向関係についてはXYZ直交座標軸を用いて説明する。X軸方向は水平面と平行な方向であり、Y軸方向は水平面上でX軸方向と直交する方向であり、Z軸方向はX、Y両方向に直交する上下方向である。また、X軸方向の一方向側を「+X側」と称し、X軸方向の一方向側とは反対の他方向側を「-X側」と称する。また、Y軸方向の一方向側を「+Y側」と称し、Y軸方向の一方向側とは反対の他方向側を「-Y側」と称する。また、Z軸方向の一方向側である上側を「+Z側」と称し、Z軸方向の一方向側とは反対の他方向側である下側を「-Z側」と称する。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係る部品実装機10を上方から見た平面図である。
図2は、部品実装機10に備えられる筒体17、テープ切断装置18及び部品供給装置1を側方から見た図である。部品実装機10は、基板E1に部品を搭載(実装)して電子回路基板(部品搭載基板)を生産する装置である。部品実装機10は、部品供給装置1がX軸方向に複数並んで配置される部品供給部10Aと、本体フレーム11と、移動フレーム12と、コンベア13と、ヘッドユニット14と、第1駆動機構15と、第2駆動機構16と、筒体17と、テープ切断装置18と、を備える。
【0014】
本体フレーム11は、部品実装機10を構成する各部が配置される構造体であり、Z軸方向から見た平面視で略矩形状に形成されている。コンベア13は、X軸方向に延び、本体フレーム11に配置される。コンベア13は、基板E1をX軸方向に搬送する。基板E1は、コンベア13上を搬送されて、所定の作業位置(基板E1上に部品が搭載される部品搭載位置)に位置決めされるようになっている。
【0015】
移動フレーム12は、X軸方向に延び、本体フレーム11に、所定の移動方向(Y軸方向)に移動可能に支持される。この移動フレーム12にヘッドユニット14が搭載されている。ヘッドユニット14は、X軸方向に移動可能となるように、移動フレーム12に搭載される。すなわち、ヘッドユニット14は、移動フレーム12の移動に伴ってY軸方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム12に沿ってX軸方向に移動可能である。ヘッドユニット14は、部品供給装置1とコンベア13により搬送された基板E1の所定の作業位置とにわたって移動可能とされ、部品供給装置1により部品取り出し位置に供給された部品を取り出すとともに、その取り出した部品を基板E1上に搭載(実装)する。
【0016】
ヘッドユニット14は、基板E1に搭載する部品を吸着して保持可能な保持具である吸着ノズルを備える。吸着ノズルは、電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、吸着ノズルに負圧が供給されることで当該吸着ノズルによる部品の吸着保持(部品の取り出し)が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品の吸着保持が解除される。なお、本実施形態では、吸着ノズル以外の保持具として、例えば部品を把持して保持するチャックなどであってもよい。
【0017】
第1駆動機構15は、本体フレーム11の+X側及び-X側の端部に配設される。第1駆動機構15は、移動フレーム12をY軸方向に移動させる機構である。第1駆動機構15は、例えば、駆動モーターと、Y軸方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、移動フレーム12に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第1駆動機構15は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、移動フレーム12をY軸方向に移動させる。
【0018】
第2駆動機構16は、移動フレーム12に配設される。第2駆動機構16は、ヘッドユニット14を移動フレーム12に沿ったX軸方向に移動させる機構である。第2駆動機構16は、第1駆動機構15と同様に、例えば、駆動モーターと、X軸方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、ヘッドユニット14に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第2駆動機構16は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、ヘッドユニット14をX軸方向に移動させる。
【0019】
筒体17は、
図2に示すように、上部開口17A及び下部開口17Bを有する筒状に形成される。筒体17は、部品供給装置1から排出される部品収納テープを上部開口17Aから受け入れて当該部品収納テープの排出をガイドする。筒体17は、上部開口17A及び下部開口17Bを画定する壁部である第1壁部171と第2壁部172とを含む。筒体17において、第1壁部171は、X軸方向に並設される全ての部品供給装置1に対向する長さを有する壁部である。第2壁部172は、第1壁部171にテープ送出方向上流側(-Y側)で対向して配置された壁部である。筒体17は、第1壁部171及び第2壁部172と、第1壁部171と第2壁部172とのX軸方向の端縁同士を接続する一対の側壁部とによって、上部開口17A及び下部開口17Bを有する箱形の筒状に形成される。
【0020】
テープ切断装置18は、筒体17の下部開口17Bに面して配置され、下部開口17Bを介して筒体17から排出される部品収納テープを所定のタイミングで切断する。筒体17の下部開口17Bから排出される部品収納テープは、テープ切断装置18により短冊状に切断される。テープ切断装置18によって切断された切断片は、所定の回収経路内を落下して回収ボックスにて回収される。なお、テープ切断装置18は複数並ぶ部品供給装置1毎に設けても良いが、部品供給部10A毎等、複数の部品供給装置1毎に1台設けて、その複数の供給装置1から排出されている部品収納テープを一括して切断するようにしてもよい。
【0021】
[部品供給装置の構成]
図3は、部品実装機10に備えられる部品供給装置1を側方から見た図である。部品供給装置1は、部品が収納された部品収納テープ100をテープ送出方向H1に送出することにより、部品を部品取り出し位置21に供給する、自動ローディング方式のテープフィーダーである。部品供給装置1によって部品取り出し位置21に供給された部品は、部品実装機10に備えられるヘッドユニット14により部品収納テープ100から取り出され、その後、基板E1上に搭載される。
【0022】
部品供給装置1の構成を説明するに先立って、部品収納テープ100について
図4を参照して説明する。
図4は、部品供給装置1に用いられる部品収納テープ100の構成を示す図である。
図4(1)は、部品収納テープ100をテープ送出方向H1に沿って切断した状態の断面図である。
図4(2)は、部品収納テープ100の斜視図である。
【0023】
部品収納テープ100は、キャリアテープ101とカバーテープ102とを含み、部品供給装置1に装着される。キャリアテープ101は、部品E2を収納する部品収納部101aが所定の間隔をおいて複数配列されたテープである。また、キャリアテープ101には、その幅方向両端部にそれぞれ、後述するテープ送出機構3における第1スプロケット311、第2スプロケット321及び第3スプロケット331の歯部と嵌合する孔部101bが所定の間隔をおいて配列されている。なお、「部品収納テープ100の孔部101bが第1スプロケット311、第2スプロケット321及び第3スプロケット331の歯部と嵌合する」とは、歯部が孔部101bに嵌り込み、第1スプロケット311、第2スプロケット321及び第3スプロケット331の回転に連動した部品収納テープ100の送出が可能となった状態のことをいう。
【0024】
カバーテープ102は、部品収納部101aを覆うようにキャリアテープ101に貼付されたテープである。カバーテープ102は、その幅方向両端部がそれぞれキャリアテープ101に接合されることにより、当該キャリアテープ101に貼付されている。このため、部品収納テープ100において、キャリアテープ101の上面における幅方向両端部にはそれぞれ、カバーテープ102の接合による接合部103が、カバーテープ102の幅方向の端縁に沿って線状に形成されている。キャリアテープ101の幅方向において、接合部103は、孔部101bよりも内方側に設けられている。
【0025】
上記のような構成の部品収納テープ100では、キャリアテープ101の幅方向両端部にそれぞれ形成された接合部103間の長さK1は、カバーテープ102の幅方向の長さと略等しく形成される。また、部品収納テープ100の幅方向の長さK2(テープ幅)は、キャリアテープ101の幅方向の長さと同一となる。なお、部品収納テープ100は、例えば、そのテープ幅K2が32mm以上の幅広のテープである。また、部品収納テープ100は部品収納部101aの並び方向に長く伸び多数の部品E2が収納されているが、部品収納テープ100の幅方向に伸びる軸心の周りに巻き回されて円形のリール形状の包装形態で部品E2を供給可能にしている。このリールは部品供給装置1の手前(
図3の右側)の図示しない台上に載置され、そこから繰り出された部品収納テープ100が部品供給装置1に装着される。
【0026】
なお、部品収納テープ100は、その後端部における部品収納部101a内での部品E2の収納状況に応じて、
図5A及び
図5Bに例示される第1部品収納テープと、
図5Cに例示される第2部品収納テープとに大別される。
【0027】
図5Aに例示される部品収納テープ100は、その後端部において、部品E2が収納されていない空の部品収納部101aが配置されていないテープである。つまり、
図5Aに例示される部品収納テープ100は、その後端部に配置された全ての部品収納部101aに部品E2が収納されている。
【0028】
図5Bに例示される部品収納テープ100は、その後端縁100Bから所定の基準長さLの範囲内で部品E2が収納されていない空の部品収納部101aが配置されたテープである。部品収納テープ100の後端部において空の部品収納部101aが配置された領域部分は一般的に「トレーラ部」と称される部分であり、その「トレーラ部」の長さは、規格化されている(例えば、JIS C0806-3、IEC 60286-3)。例えば、JIS規格等では、「トレーラ部」の長さは、160mm以上とされている。本実施形態では、前記基準長さLは「160mm」に設定される。
【0029】
図5Cに例示される部品収納テープ100は、その後端縁100Bから基準長さLの範囲を超えて部品E2が収納されていない空の部品収納部101aが配置されたテープである。つまり、
図5Cに例示される部品収納テープは、「トレーラ部」の長さが基準長さL(=160mm)を超えたテープとなる。
【0030】
図3に示すように、部品供給装置1は、装置本体2と、テープ送出機構3と、テープ走行路形成部4と、部品露出部6と、テープ走行ガイド部7と、テープ排出ガイド部8と、テープ導入送出機構200と、を備えている。装置本体2は、部品供給装置1を構成する各部を収容する筐体である。この装置本体2には、操作部22と報知部23とが付設されている。操作部22は、部品供給装置1を動作させるための指示がオペレーターによって入力される部分である。報知部23は、テープ導入送出機構200の一部を構成し、オペレーターに各種情報を報知する部分である。
【0031】
テープ送出機構3は、部品収納テープ100を、部品収納部101aの配列方向に沿った所定のテープ送出方向H1に、カバーテープ102を上面側として部品取り出し位置21に向けて送出する機構である。テープ送出機構3が部品取り出し位置21に向けて部品収納テープ100を送出するときのテープ送出方向H1は、-Y側から+Y側に向かう方向である。なお、テープ送出機構3は、部品取り出し位置21に向けてテープ送出方向H1に部品収納テープ100を送出するローディング動作と、テープ送出方向H1とは逆方向の、+Y側から-Y側に向かう方向に部品収納テープ100を送出するアンローディング動作とを、実行可能に構成されている。
【0032】
テープ走行路形成部4は、テープ送出機構3により送出される部品収納テープ100の、部品取り出し位置21に至るテープ走行路5を形成する。
図3及び
図6に示すように、テープ走行路形成部4は、一対のガイド壁41を含む。
【0033】
一対のガイド壁41は、装置本体2内において、X軸方向に所定の間隔をおいて互いに対向して配置され、Y軸方向に延びる一対の壁部である。テープ送出機構3により送出される部品収納テープ100は、その下面におけるテープ幅方向H2(X軸方向)の両端部である下面両端部がそれぞれ、一対のガイド壁41の上端面によってガイドされる。すなわち、一対のガイド壁41の上端面に沿って、部品収納テープ100のテープ走行路5が形成される。なお、一対のガイド壁41は、テープ送出機構3における後述の第2テープ送出部32の一対の第2スプロケット321と、第3テープ送出部33の一対の第3スプロケット331とが配置される領域部分が、切り欠かれている。
【0034】
一対のガイド壁41における互いに対向する内面同士の距離K3は、部品収納テープ100における接合部103間の長さK1と略等しくなるように設定されている。また、一対のガイド壁41における外面同士の距離K4は、部品収納テープ100のテープ幅K2と略等しくなるように設定されている。
【0035】
一対のガイド壁41の上端面によって形成されるテープ走行路5は、
図6に示すように、第1走行路51と、第2走行路52と、第3走行路53とを含む。テープ走行路5における第1走行路51は、湾曲形状のスロープ部を構成する。第1走行路51は、テープ送出方向H1の最下流端が最上流端よりも下方側(-Z側)に位置する湾曲形状に形成される。第1走行路51は、テープ送出方向H1の最上流側の第1湾曲領域511と、第1湾曲領域511のテープ送出方向H1下流側に連なる第2湾曲領域512と、第2湾曲領域512のテープ送出方向H1下流側に連なる第3湾曲領域513とを有する。
【0036】
第1走行路51の第1湾曲領域511は、X軸方向から見て、上に凸に湾曲した湾曲形状に形成される。第1走行路51の第2湾曲領域512は、X軸方向から見て、下に凸に湾曲した湾曲形状に形成される。第1走行路51の第3湾曲領域513は、X軸方向から見て、上に凸に湾曲した湾曲形状に形成される。この第3湾曲領域513において、テープ送出方向H1の最下流端513Eは、第1湾曲領域511におけるテープ送出方向H1の最上流端511Eよりも下方側(-Z側)に位置し、且つ、部品取出し位置21と上下方向(Z軸方向)に同一の高さ位置となっている。
【0037】
テープ走行路5における第2走行路52は、第1走行路51のテープ送出方向H1上流側に連なる。本実施形態では、第2走行路52は、テープ送出方向H1の上流から下流に向かって水平に延びるように形成されている。
【0038】
テープ走行路5における第3走行路53は、第1走行路51のテープ送出方向H1下流側に連なり、部品取り出し位置21に至る。本実施形態では、第3走行路53は、水平領域531と傾斜領域532とを有する。水平領域531は、第1走行路51の第3湾曲領域513の最下流端513Eに連なり、テープ送出方向H1に沿って水平に延びる領域部分である。第3走行路53における水平領域531のテープ送出方向H1下流端は、テープ送出方向H1において部品取り出し位置21と一致している。このように、第3走行路53において水平な領域部分となる水平領域531に部品取り出し位置21が位置するような構成とすることによって、当該部品取り出し位置21での部品収納テープ100からの部品E2の取り出し精度が向上する。なお、傾斜領域532は、水平領域531のテープ送出方向H1下流側に連なり、先下がりに傾斜した領域部分である。
【0039】
テープ導入送出機構200は、部品収納テープ100をテープ走行路5に導入し、部品取り出し位置21へ向かうテープ送出方向H1に部品収納テープ100を送出する機構である。このテープ導入送出機構200について、
図7~
図10を参照して説明する。
図7~
図10は、テープ導入送出機構200の構成を示す斜視図である。
図8及び
図9では、テープ導入送出機構200に備えられる一対のフレーム201のうち、一方のフレーム201を取り外した状態のテープ導入送出機構200が示されている。また、
図10は、テープ導入送出機構200に備えられる連結部204の近傍を拡大して示す斜視図である。
【0040】
テープ導入送出機構200は、テープ走行路5における上流側の通路を構成する第2走行路52よりも、テープ送出方向H1の上流側に配置され、第2走行路52に部品収納テープ100を導入する。テープ導入送出機構200は、一対のフレーム201と、テープ送出機構3の一部を構成する第1テープ送出部31と、一対のテープ保持部202と、操作レバー203と、連結部204と、装置本体2に付設される上述の報知部23とを備える。
【0041】
テープ導入送出機構200を構成する各部について説明するに先立って、テープ導入送出機構200に備えられる第1テープ送出部31を含むテープ送出機構3について、
図3及び
図11を参照して説明する。テープ送出機構3は、第1テープ送出部31と、第2テープ送出部32と、第3テープ送出部33とを含む。第1テープ送出部31は、テープ導入送出機構200の一部を構成し、第2テープ送出部32及び第3テープ送出部33は、テープ導入送出機構200により送出された部品収納テープ100を受け入れるテープ受入送出機構を構成する。第2テープ送出部32及び第3テープ送出部33によって構成されるテープ受入送出機構は、テープ導入送出機構200によりテープ走行路5に導入された部品収納テープ100を受け入れて、部品収納テープ100の各部品収納部101aが順次部品取り出し位置21を通過するように、テープ走行路5に沿って部品収納テープ100を送出する。
【0042】
第1テープ送出部31は、テープ導入送出機構200の一部を構成し、テープ走行路5における上流側の通路を構成する第2走行路52よりも、テープ送出方向H1の上流側に配置される。第1テープ送出部31は、先端が自由端とされた状態で部品収納テープ100を、テープ走行路5の第2走行路52に向けて送出する。これにより、部品収納テープ100は、テープ走行路5の第2走行路52に導入される。第1テープ送出部31により第2走行路52に導入された部品収納テープ100は、第2走行路52を経由して第1走行路51上を走行する。
【0043】
第1テープ送出部31は、一対の第1スプロケット311と、一対の第1ウォームホイール312と、一対の第1ウォーム313と、第1サーボモーター314と、第1ベルト315と、第1張架ローラー316と、を含む。
【0044】
一対の第1スプロケット311は、X軸方向(テープ幅方向H2)に延びる軸心回りに回転可能に一対のフレーム201(
図7参照)に支持された、円板状のスプロケットである。なお、一対のフレーム201は、テープ導入送出機構200の一部を構成する。一対の第1スプロケット311は、周方向に所定の間隔をおいて配列した複数の歯部311aを備える。一対の第1スプロケット311の歯部311aは、それぞれ、部品収納テープ100のキャリアテープ101のテープ幅方向H2両端部に形成された孔部101bと嵌合可能である。また、一対の第1スプロケット311には、一方の方向のみに回転力を伝達するワンウェイクラッチが内蔵されている。すなわち、一対の第1スプロケット311は、部品収納テープ100をテープ送出方向H1に送出するように第1サーボモーター314が回転したときのみ回転し、これと反対方向に第1サーボモーター314が回転しても回転しないようになされている。なお、一対の第1スプロケット311にワンウェイクラッチが内蔵された構成に限定されるものではなく、一対の第1スプロケット311が、部品収納テープ100のテープ送出方向H1への送出を可能とする一方の方向のみに回転するように、第1サーボモーター314の回転を制御する構成であってもよい。
【0045】
一対の第1ウォームホイール312はそれぞれ、一対の第1スプロケット311の各々と同軸上に設けられたウォーム歯車である。一対の第1ウォーム313はそれぞれ、一対の第1ウォームホイール312の各々と噛合する、ねじ状の歯車である。
【0046】
第1サーボモーター314は、一対の第1スプロケット311を回転させるための駆動力を発する駆動源である。第1サーボモーター314は、駆動力を出力するためのモーター出力軸314aを有する。第1ベルト315は、無端ベルトであり、モーター出力軸314aと一対の第1ウォーム313との間に張設され、第1サーボモーター314が回転駆動することによって周回走行する。第1張架ローラー316は、第1ベルト315の外周面に当接し、当該第1ベルト315にテンションを付与するローラーである。
【0047】
上記のように構成された第1テープ送出部31では、第1サーボモーター314の回転駆動力が第1ベルト315及び一対の第1ウォーム313を介して一対の第1ウォームホイール312に伝達され、これにより、一対の第1ウォームホイール312が回転する。一対の第1ウォームホイール312が回転すると、その回転に連動して一対の第1スプロケット311が回転する。一対の第1スプロケット311が回転すると、当該第1スプロケット311の歯部311aと嵌合する孔部101bを有するキャリアテープ101を含む部品収納テープ100が、送出される。
【0048】
第2テープ送出部32は、第1テープ送出部31のテープ送出方向H1下流側に配置される。第2テープ送出部32は、テープ走行路5における第1走行路51のテープ送出方向H1下流端、換言すると第3走行路53のテープ送出方向H1上流端に配置される。第2テープ送出部32は、第1テープ送出部31により送出されて第1走行路51上を走行する部品収納テープ100を受け入れて、当該部品収納テープ100を部品取り出し位置21に向けて送出する。これにより、第2テープ送出部32は、部品収納テープ100を第3走行路53上に走行させる。なお、第2テープ送出部32は、部品収納部101aの中心が部品取り出し位置21に一致するように、部品収納テープ100を間欠的に送出する。
【0049】
第2テープ送出部32は、第1テープ送出部31と同様に、一対の第2スプロケット321と、一対の第2ウォームホイール322と、一対の第2ウォーム323と、第2サーボモーター324と、第2ベルト325と、第2張架ローラー326と、を含む。
【0050】
一対の第2スプロケット321は、X軸方向(テープ幅方向H2)に延びる軸心回りに回転可能に装置本体2に支持された、円板状のスプロケットである。一対の第1スプロケット321は、周方向に所定の間隔をおいて配列した複数の歯部321aを備える。一対の第2スプロケット321において、Z軸方向の+Z側に位置した歯部321aは、一対のガイド壁41の上端面から露出している。一対の第2スプロケット321の歯部321aは、それぞれ、部品収納テープ100のキャリアテープ101のテープ幅方向H2両端部に形成された孔部101bと嵌合可能である。
【0051】
一対の第2ウォームホイール322はそれぞれ、一対の第2スプロケット321の各々と同軸上に設けられたウォーム歯車である。一対の第2ウォーム323はそれぞれ、一対の第2ウォームホイール322の各々と噛合する、ねじ状の歯車である。
【0052】
第2サーボモーター324は、一対の第2スプロケット321を回転させるための駆動力を発する駆動源である。第2サーボモーター324は、駆動力を出力するためのモーター出力軸324aを有する。第2ベルト325は、無端ベルトであり、モーター出力軸324aと一対の第2ウォーム323との間に張設され、第2サーボモーター324が回転駆動することによって周回走行する。第2張架ローラー326は、第2ベルト325の外周面に当接し、当該第2ベルト325にテンションを付与するローラーである。
【0053】
上記のように構成された第2テープ送出部32では、第2サーボモーター324の回転駆動力が第2ベルト325及び一対の第2ウォーム323を介して一対の第2ウォームホイール322に伝達され、これにより、一対の第2ウォームホイール322が回転する。一対の第2ウォームホイール322が回転すると、その回転に連動して一対の第2スプロケット321が回転する。一対の第2スプロケット321が回転すると、当該第2スプロケット321の歯部321aと嵌合する孔部101bを有するキャリアテープ101を含む部品収納テープ100が、送出される。
【0054】
なお、第1テープ送出部31により送出される部品収納テープ100の先端部が一対の第2スプロケット321に到達し、当該部品収納テープ100の先端部におけるキャリアテープ101の孔部101bが一対の第2スプロケット321の歯部321aと嵌合すると、第1サーボモーター314が停止する。このように第1サーボモーター314が停止すると第1スプロケット311の回転軸が停止するが、この回転軸と第1スプロケット311の間に介在するワンウェイクラッチにより、回転軸が回転しなくても、第1スプロケット311は、一対の第2スプロケット321の回転によって送出される部品収納テープ100の移動に連動して回転することができる。
【0055】
第3テープ送出部33は、テープ走行路5の第3走行路53における水平領域531のテープ送出方向H1下流端に配置される。すなわち、第3テープ送出部33は、第2テープ送出部32のテープ送出方向H1下流側において部品取り出し位置21に近設される。第3テープ送出部33は、第2テープ送出部32と連動して部品収納テープ100を送出する。第3テープ送出部33は、第2テープ送出部32により送出されて第3走行路53上を走行する部品収納テープ100を受け入れて、当該部品収納テープ100を部品取り出し位置21を通過するように送出する。部品取り出し位置21に近設して第3テープ送出部33を配置し、当該第3テープ送出部33により部品収納テープ100を受け入れる構成とすることによって、部品取り出し位置21に対して高精度に位置決めされた状態で部品収納テープ100を送出することができる。
【0056】
第3テープ送出部33は、一対の第3スプロケット331と、一対の第3ウォームホイール332とを含む。上記の「第3テープ送出部33が部品取り出し位置21に近設される」とは、X軸方向から見て、部品取り出し位置21がテープ送出方向H1において一対の第3スプロケット331の範囲内に位置するように、第3テープ送出部33が配置されることをいう。X軸方向から見て、部品取り出し位置21は、一対の第3スプロケット331の頂部(最上端部)の真上であってもよいし、一対の第3スプロケット331の頂部の真上からY軸方向にずれた位置であってもよい。部品取り出し位置21を、一対の第3スプロケット331の頂部の真上からY軸方向にずれた位置とする場合、テープ送出方向H1の下流側よりも上流側にずれた位置とするのがよい。これは、第3テープ送出部33の一対の第3スプロケット331によって送出される部品収納テープ100における部品取り出し位置21を通過する領域部分が、引っ張られた状態となるため、当該領域部分の変形が少なく、部品取り出し位置21に対して高精度に位置決めされた状態となるからである。
【0057】
一対の第3スプロケット331は、X軸方向(テープ幅方向H2)に延びる軸心回りに回転可能に装置本体2に支持された、円板状のスプロケットである。一対の第3スプロケット331は、周方向に所定の間隔をおいて配列した複数の歯部331aを備える。一対の第3スプロケット331において、+Z側に位置した歯部331aは、一対のガイド壁41の上端面から露出している。一対の第3スプロケット331の歯部331aは、それぞれ、部品収納テープ100のキャリアテープ101のテープ幅方向H2両端部に形成された孔部101bと嵌合可能である。
【0058】
一対の第3ウォームホイール332はそれぞれ、一対の第3スプロケット331の各々と同軸上に設けられたウォーム歯車である。一対の第3ウォームホイール332はそれぞれ、一対の第2ウォーム323の各々と噛合する。
【0059】
上記のように構成された第3テープ送出部33では、第2テープ送出部32と同様に、第2サーボモーター324の回転駆動力が第2ベルト325及び一対の第2ウォーム323を介して一対の第3ウォームホイール332に伝達され、これにより、一対の第3ウォームホイール332が回転する。一対の第3ウォームホイール332が回転すると、その回転に連動して一対の第3スプロケット331が回転する。一対の第2スプロケット321及び一対の第3スプロケット331は、同一の第2サーボモーター324に駆動され、同一の回転速度で連動して回転する。一対の第3スプロケット331が回転すると、当該第3スプロケット331の歯部331aと嵌合する孔部101bを有するキャリアテープ101を含む部品収納テープ100が、送出される。
【0060】
図7~
図10を参照して、テープ導入送出機構200の説明を続ける。一対のフレーム201は、
図7に示すように、X軸方向(テープ幅方向H2)に所定の間隔をおいて互いに対向して配置され、Y軸方向に(テープ送出方向H1)延びる一対の平板状部材である。一対のフレーム201の各々は、開口部2011を有する。一対のフレーム201における互いに対向する内面同士の距離は、部品収納テープ100のテープ幅K2よりも大きくなるように設定されている。
【0061】
第1テープ送出部31の一対の第1スプロケット311は、一対のフレーム201において、開口部2011よりも上方側(+Z側)に取り付けられている。なお、
図7~
図9では、一対の第1スプロケット311のうち、-X側のフレーム201に取り付けられた第1スプロケット311のみが示されている。第1テープ送出部31では、一対の第1スプロケット311が回転することにより、テープ走行路5の第2走行路52に向けて部品収納テープ100を送出する。
【0062】
一対のテープ保持部202は、一対のフレーム201の間において、X軸方向(テープ幅方向H2)に所定の間隔をおいて互いに対向して配置される。一対のテープ保持部202は、第1スプロケット311よりも下方側(-Z側)に配置される。一対のテープ保持部202は、第1テープ送出部31により送出される部品収納テープ100のテープ幅方向H2両端部をそれぞれ保持する。本実施形態では、一対のテープ保持部202の各々は、テープ送出方向H1(Y軸方向)に沿って延びる長尺に形成される。長尺に形成された一対のテープ保持部202によって部品収納テープ100を好適に保持することができる。
【0063】
操作レバー203は、テープ送出方向H1(Y軸方向)に沿って延びる長尺に形成されたレバー部材であり、オペレーターによって操作される。操作レバー203は、テープ送出方向H1上流端の操作領域部2031に操作力が付与されることにより、テープ送出方向H1下流端に設けられた第1回動軸J1回りに回動するように、一対のフレーム201に支持されている。なお、第1回動軸J1は、テープ幅方向H2(X軸方向)に延びる。
【0064】
連結部204は、一対のテープ保持部202の各々を操作レバー203に連結する構造体である。連結部204は、一対のテープ保持部202を、操作レバー203と一体的に回動可能に、操作レバー203に連結する。更に、連結部204は、操作レバー203との一体的な回動に応じて一対のテープ保持部202が、部品収納テープ100の保持が可能な保持姿勢と部品収納テープ100の保持を解除する保持解除姿勢との間で姿勢変更するように、一対のテープ保持部202を操作レバー203に連結する。なお、一対のテープ保持部202が保持姿勢を取った状態が、
図8に示されている。一方、一対のテープ保持部202が保持解除姿勢を取った状態が、
図9に示されている。
【0065】
連結部204は、第1連結部2041と第2連結部2042とを有する。第1連結部2041は、長尺に形成された一対のテープ保持部202のテープ送出方向H1上流端を操作レバー203に連結する。第2連結部2042は、長尺に形成された一対のテープ保持部202のテープ送出方向H1下流端を操作レバー203に連結する。
【0066】
一対のテープ保持部202は、操作レバー203と一体的に回動することにより、第1テープ送出部31による部品収納テープ100の送出が可能な送出可能位置と、第1テープ送出部31による部品収納テープ100の送出が解除される送出解除位置との間で変位する。送出解除位置は、送出可能位置の下方側(-Z側)において、一対のフレーム201の開口部2011に面した位置である。なお、一対のテープ保持部202が送出可能位置に配置された状態が、
図8に示されている。一方、一対のテープ保持部202が送出解除位置に配置された状態が、
図9に示されている。
【0067】
一対のテープ保持部202は、操作レバー203と一体的に回動して送出可能位置と送出解除位置との間で変位しているときには、一対のフレーム201により姿勢変更が規制されて、保持姿勢を取り続ける。一方、送出解除位置に配置された状態において、一対のテープ保持部202は、一対のフレーム201による姿勢変更の規制が解除され、開口部2011から外方に延出するように外側に広がった保持解除姿勢を取る。
【0068】
ここで、上記のテープ導入送出機構200を備えた部品供給装置1は、複数の部品収納テープ100を装着可能である。この部品供給装置1の部品供給動作は、以下の通りである。まず、オペレーターは、部品供給装置1において部品供給が先行して行われる部品収納テープ(以下、「先行テープ」と称する)100が、送出可能位置に配置されて保持姿勢を取った一対のテープ保持部202に保持されるようにしつつ、当該先行テープ100の先端部を第1スプロケット311と嵌合された状態とする。その後、オペレーターは、操作部22を操作し、第1スプロケット311を回転させる指示を入力して先行テープ100をテープ走行路5に向けて送出させる。これにより、先行テープ100は、テープ走行路5に導入される。テープ走行路5に導入された先行テープ100の先端部が第2スプロケット321に到達すると、当該先端部は、第2スプロケット321と嵌合される。
【0069】
先行テープ100の先端部が第2スプロケット321と嵌合されると、部品供給装置1の部品供給動作が開始される。部品供給装置1において、第2スプロケット321は回転し、これにより先行テープ100が間欠的に送出される。このとき、第1スプロケット311は空転するように構成され、第2スプロケット321が回転することにより先行テープ100を送出することができる。
【0070】
先行テープ100が第2スプロケット321により送出されている状態で、オペレーターは、操作レバー203のテープ送出方向H1上流端の操作領域部2031を下方側へ押し下げて、操作レバー203を回動させる。オペレーターの操作により操作レバー203が回動されると、連結部204によって操作レバー203に連結された一対のテープ保持部202は、送出可能位置から送出解除位置へと下方側に変位する。これにより、先行テープ100の第1スプロケット311との嵌合が解除される。このとき、先行テープ100は、第2スプロケット321と嵌合されているので、第1スプロケット311との嵌合が解除されても、第2スプロケット321により送出され続ける。
【0071】
ここで、一対のテープ保持部202は、先行テープ100の保持が可能な保持姿勢を取った状態で、操作レバー203と一体的に回動することにより、送出可能位置から送出解除位置へと変位する。そして、一対のテープ保持部202は、送出解除位置に配置された状態において、先行テープ100の保持を解除する保持解除姿勢を取る。このように、テープ走行路5に対する先行テープ100の導入後に、第1スプロケット311による送出が解除されるように当該先行テープ100を下方側へ変位させるときには、先行テープ100のテープ幅方向H2両端部が一対のテープ保持部202によって保持されている。このため、先行テープ100が下方側へ変位している間に、当該先行テープ100にねじれ等が発生することを、可及的に防止することができる。この結果、テープ走行路5に導入され、第2スプロケット321により送出される先行テープ100の安定した走行性が確保され、安定した部品の供給が可能となる。
【0072】
一対のテープ保持部202が保持解除姿勢を取り、先行テープ100が第2スプロケット321により送出されている状態で、オペレーターは、操作レバー203のテープ送出方向H1上流端の操作領域部2031を上方側へ押し上げて、操作レバー203を回動させる。オペレーターの操作により操作レバー203が回動されると、連結部204によって操作レバー203に連結された一対のテープ保持部202は、送出解除位置から送出可能位置へと、一対のフレーム201に沿って上方側に変位する。これにより、一対のテープ保持部202は、保持解除姿勢から保持姿勢へと姿勢変更する。
【0073】
一対のテープ保持部202が送出可能位置に配置されて保持姿勢を取った状態で、オペレーターは、先行テープ100に対して後続する部品収納テープ(以下、「後続テープ」と称する)100が、送出可能位置に配置されて保持姿勢を取った一対のテープ保持部202に保持されるようにしつつ、当該後続テープ100の先端部を第1スプロケット311と嵌合された状態とする。このようにして、先行テープ100の部品切れが発生していない状態で、後続テープ100を装着することができる。その後、先行テープ100による部品の供給が終了すると、後続テープ100の送出が自動的に開始される。
【0074】
また、上述の如く、一対のテープ保持部202は、送出可能位置と送出解除位置との間で変位しているときには、一対のフレーム201により姿勢変更が規制されている。このため、送出可能位置と送出解除位置との間での変位中において、一対のテープ保持部202が一対のフレーム201の開口部2011から外方に延出することが規制されている。これにより、例えば複数の部品供給装置1が横並びに配置される場合であっても、隣接する部品供給装置1における一対のテープ保持部202同士が、変位中において接触することを可及的に回避することができる。
【0075】
次に、連結部204における第1連結部2041及び第2連結部2042の構造について説明する。主として
図10を参照して第2連結部2042の構造について説明すると、以下の通りである。なお、
図10では、第2連結部2042の構造のみが示されているが、第1連結部2041と第2連結部2042とは、一対のテープ保持部202の操作レバー203に対する連結構造が同一である。
【0076】
第1連結部2041及び第2連結部2042の各々は、ホルダー204Aと、可動軸204Bと、一対のリンク部材204Cと、付勢部材204Dと、下限ストッパ部材204Eと、規制板204Fと、を有する。
【0077】
ホルダー204Aは、操作レバー203の下面に固定されている。可動軸204Bは、操作レバー203及びホルダー204Aを貫通して上下方向(Z軸方向)に延びる軸部である。可動軸204Bは、上下方向(Z軸方向)に移動可能に設けられる。
【0078】
一対のリンク部材204Cは、一対のテープ保持部202の各々を可動軸204Bと連結する。一対のリンク部材204Cの各々は、Z軸方向から見た平面視において、略L字形状に形成されている。一対のリンク部材204Cの各々は、支点部204C1と、力点部204C2と、作用点部204C3とを有する。一対のリンク部材204Cの各々においては、Z軸方向から見た平面視において、力点部204C2がテープ幅方向H2(X軸方向)の中央に配置され、支点部204C1がテープ幅方向H2(X軸方向)の外側に配置され、作用点部204C3が支点部204C1と力点部204C2との間に配置されている。
【0079】
支点部204C1は、第2回動軸J2回りに回動可能となるように、ホルダー204Aに固定されている。第2回動軸J2は、テープ送出方向H1(Y軸方向)に延びる軸部である。力点部204C2は、第3回動軸J3回りに回動可能となるように、可動軸204Bに固定されている。第3回動軸J3は、第2回動軸J2と平行な軸部である。つまり、第3回動軸J3は、テープ送出方向H1(Y軸方向)に延びる。なお、力点部204C2は、Y軸方向から見て長穴形状の挿通孔204CCを有し、この挿通孔204CCに第3回動軸J3が挿通されている。作用点部204C3は、一対のテープ保持部202に接続されている。
【0080】
付勢部材204Dは、ホルダー204Aに取り付けられ、可動軸204Bを下方側へ付勢する部材である。付勢部材204Dは、例えば、可動軸204Bに巻回されるコイルばね部材によって実現される。
【0081】
一対のフレーム201による姿勢変更の規制が解除される、開口部2011に面した送出解除位置に一対のテープ保持部202が配置されると、一対のリンク部材204Cの各々において、付勢部材204Dの付勢力による可動軸204Bの下方側(-Z側)への移動が力点部204C2に入力される。これにより、支点部204C1を中心に作用点部204C3が揺動して、一対のテープ保持部202を保持姿勢から保持解除姿勢へと姿勢変更させる。一方、操作レバー203の回動に伴って一対のテープ保持部202が、送出解除位置から送出可能位置へと変位するときには、保持解除姿勢を取った一対のテープ保持部202に、一対のフレーム201による規制力が作用する。一対のテープ保持部202に作用した一対のフレーム201による規制力は、一対のリンク部材204Cを介して可動軸204Bに伝達される。可動軸204Bに規制力が伝達されると、付勢部材204Dの付勢力に抗して可動軸204Bが上方側(+Z側)に移動する。これにより、一対のテープ保持部202は、保持解除姿勢から保持姿勢へと姿勢変更する。
【0082】
また、第1連結部2041及び第2連結部2042の各々に備えられる下限ストッパ部材204Eは、可動軸204Bの上端に固定され、上下方向(Z軸方向)に移動する可動軸204Bの下限位置を規制する部材である。これにより、一対のリンク部材204Cにおいて、力点部204C2に入力される可動軸204Bの下方側(-Z側)への移動量が規定されるため、支点部204C1を中心とした作用点部204C3の揺動量が規定される。このため、一対のリンク部材204Cによる一対のテープ保持部202の姿勢変更が安定して行われる。
【0083】
また、第1連結部2041及び第2連結部2042の各々に備えられる規制板204Fは、テープ送出方向H1(Y軸方向)に沿って延びる長尺の板状に形成される板体である。規制板204Fは、一対のテープ保持部202により保持された部品収納テープ100に対して上方側(+Z側)で対向するように、可動軸204Bの下端に固定されている。つまり、一対のテープ保持部202が送出可能位置に配置された状態において、規制板204Fは、当該一対のテープ保持部202に保持された部品収納テープ100の上方側(+Z側)への変位を規制する。これにより、一対のテープ保持部202に保持された部品収納テープ100が第1スプロケット311によりテープ走行路5に向けて送出されるとき、当該部品収納テープ100の走行姿勢が安定する。一方、一対のテープ保持部202が送出解除位置に配置された状態では、可動軸204Bが下方側(-Z側)へ移動し、その移動に基づく一対のリンク部材204Cの動作によって一対のテープ保持部202が保持姿勢から保持解除姿勢へと姿勢変更される。このとき、規制板204Fは、可動軸204Bと一体的に下方側(-Z側)へ移動する。これにより、規制板204Fは、一対のテープ保持部202が保持解除姿勢を取ることにより保持が解除された部品収納テープ100を、押し下げることができる。このため、部品収納テープ100は、一対のテープ保持部202から確実に切り離れる。
【0084】
また、テープ導入送出機構200は、
図8及び
図9に示すように、操作レバー203の下面に突設され突設片205と、一対のフレーム201において開口部2011の周辺に取り付けられたテープ支持部206と、を更に含む。突設片205は、一対のテープ保持部202が保持解除姿勢を取ることにより保持が解除された部品収納テープ100を、操作レバー203の回動に応じて下方側(-Z側)へ押し下げる。テープ支持部206は、突設片205により押し下げられた部品収納テープ100の上方側(+Z側)への変位を規制しつつ、当該部品収納テープ100を支持する。
【0085】
操作レバー203のテープ送出方向H1下流端に設けられた第1回動軸J1回りの回動に伴って送出解除位置に配置された一対のテープ保持部202による保持が解除された部品収納テープ100は、テープ送出方向H1上流端側が下方に垂れ下がるように弾性変形する。ところが、部品収納部101a内に収納される部品E2の重量が小さい場合や部品収納部101a内に部品E2が収納されていない場合などには、部品収納テープ100は、自身の弾性によって上方側へ起き上がろうとする。一対のテープ保持部202による保持が解除された部品収納テープ100が上方側(+Z側)へ起き上がると、一対のテープ保持部202が保持解除姿勢から保持姿勢に姿勢変更するときに、この一対のテープ保持部202によって部品収納テープ100が挟まれてしまう。このため、部品収納テープ100を一対のテープ保持部202から確実に切り離すことができない。
【0086】
そこで、操作レバー203の下面に突設された突設片205とテープ支持部206とを備えたテープ導入送出機構200とする。突設片205が、一対のテープ保持部202による保持が解除された部品収納テープ100を下方側(-Z側)へ押し下げる。そして、テープ支持部206が、突設片205により押し下げられた部品収納テープ100の上方側(+Z側)への変位を規制しつつ、当該部品収納テープ100を支持する。これにより、一対のテープ保持部202による保持が解除された部品収納テープ100を、一対のテープ保持部202から確実に切り離すことができる。
【0087】
また、テープ導入送出機構200は、
図8及び
図9に示すように、一対のフレーム201のテープ送出方向H1下流端にそれぞれ取り付けられた一対のテープ導入ガイド部207を、更に含む。一対のテープ導入ガイド部207の各々は、第1スプロケット311により送出される部品収納テープ100の、テープ走行路5への導入をガイドするテープ導入ガイド面2071と、そのテープ導入ガイド面2071の上流側に連なる導入傾斜面2072とを有する。テープ導入ガイド面2071とテープ走行路5の第2走行路52(一対のガイド壁41の上端面)とは、同一平面上に位置する。そして、一対のテープ保持部202のテープ送出方向H1の下流側端縁と、一対のテープ導入ガイド部207のテープ導入ガイド面2071におけるテープ送出方向H1の上流側端縁との、テープ送出方向H1に沿った離間距離は、部品収納テープ100において隣接する部品収納部101a同士の中心間の長さ以上に設定されている。
【0088】
第1スプロケット311により送出される部品収納テープ100は、送出可能位置に配置された一対のテープ保持部202によりテープ幅方向H2両端部が保持された状態で、一対のテープ導入ガイド部207のテープ導入ガイド面2071に沿ってガイドされつつ、テープ走行路5に導入される。テープ走行路5に導入された部品収納テープ100は、当該テープ走行路5上に配置された第2スプロケット321により部品取り出し位置21に向けて間欠的に送出される。テープ走行路5に対する部品収納テープ100の導入後に、当該部品収納テープ100を保持した一対のテープ保持部202が、部品収納テープ100の保持を解除するために、送出可能位置から送出解除位置へと変位される。このとき、一対のテープ保持部202は、操作レバー203のテープ送出方向H1下流端に設けられた第1回動軸J1回りの回動に伴って、送出可能位置から送出解除位置へと変位する。つまり、一対のテープ保持部202は、送出可能位置から送出解除位置への変位に伴って、テープ送出方向H1下流端から上流端に向かって下方側(-Z側)へ傾斜することになる。このため、一対のテープ導入ガイド部207のテープ導入ガイド面2071に沿ってテープ走行路5に導入された部品収納テープ100は、一対のテープ保持部202の変位に伴って、テープ導入ガイド部207とテープ保持部202との間の領域部分で折り曲げられる。
【0089】
ここで、部品収納テープ100は、部品収納部101aの位置では折り曲げることが困難である。このため、部品収納テープ100は、隣接する部品収納部101aの間の領域部分で折り曲げられることが好適である。例えば、一対のテープ導入ガイド部207と一対のテープ保持部202とが、テープ送出方向H1において互いに近設して配置される場合、一対のテープ保持部202を送出可能位置から送出解除位置へと下方側に変位させるタイミングは、第2スプロケット321により間欠的に送出される部品収納テープ100において隣接する部品収納部101aの間の領域部分が、テープ導入ガイド部207とテープ保持部202との間の間隙に位置するタイミングに制限される。
【0090】
そこで、テープ導入送出機構200において、一対のテープ保持部202のテープ送出方向H1の下流側端縁と、一対のテープ導入ガイド部207のテープ導入ガイド面2071におけるテープ送出方向H1の上流側端縁との、テープ送出方向H1に沿った離間距離は、部品収納テープ100において隣接する部品収納部101a同士の中心間の長さ以上に設定される。これにより、第2スプロケット321により間欠的に送出される部品収納テープ100において隣接する部品収納部101aの間の領域部分が、テープ導入ガイド部207とテープ保持部202との間の間隙に、常に存在することになる。このため、一対のテープ保持部202を送出可能位置から送出解除位置へと下方側に変位させるタイミングが何れのタイミングであっても、部品収納テープ100は、隣接する部品収納部101aの間の領域部分で好適に折り曲げられる。
【0091】
テープ導入送出機構200によってテープ走行路5に導入された部品収納テープ100は、部品露出部6によって部品露出処理が施される。この部品露出部6について、
図3に加えて
図12を参照して説明する。
図12は、部品供給装置1に備えられる部品露出部6の構成を示す斜視図である。部品露出部6は、テープ走行路5上を走行する部品収納テープ100におけるカバーテープ102を、キャリアテープ101との接合部103を起点として立ち上げ、部品収納テープ100におけるテープ幅方向H2の側端縁の外側へ広げるとともに下方側(-Z側)へ屈曲させて、部品収納部101a内において部品E2を露出させる部品露出処理を行う。この部品露出部6は、カバーテープ立ち上げ部61と、カバーテープ前処理部62と、カバーテープ後処理部63とを含む。
【0092】
カバーテープ立ち上げ部61は、テープ走行路5における第1走行路51上に配置される。カバーテープ立ち上げ部61は、第1走行路51上を走行する部品収納テープ100において、キャリアテープ101に対するカバーテープ102の立ち上げ量が連続的に増加するように、カバーテープ102をキャリアテープ101に対して上方へ立ち上げる立ち上げ処理を行う。
【0093】
カバーテープ前処理部62は、一対のガイド壁41の間において、テープ走行路5の第2走行路52上に配置される。カバーテープ前処理部62は、カバーテープ立ち上げ部61による立ち上げ処理に先立って、カバーテープ102を切断する前処理を行う。
【0094】
カバーテープ後処理部63は、カバーテープ立ち上げ部61の上方側(+Z側)において、テープ走行路5の第1走行路51上に配置される。カバーテープ後処理部63は、カバーテープ立ち上げ部61により立ち上げられたカバーテープ102を、部品収納部101aが開放するように、部品収納テープ100におけるテープ幅方向H2両側の各側端縁の外側へ広げるとともに下方側(-Z側)へ屈曲させる後処理を行う。
【0095】
次に、部品供給装置1に備えられる部品露出部6の詳細構成について、
図12に加えて
図13~
図17を参照して説明する。
図13は、部品露出部6のカバーテープ前処理部62の構成を示す斜視図である。
図14は、部品露出部6のカバーテープ立ち上げ部61の構成を示す斜視図である。
図15は、部品露出部6のカバーテープ後処理部63の構成を示す斜視図である。
図16は、カバーテープ後処理部63の側面図である。
図17は、カバーテープ後処理部63を上方から見た平面図である。
【0096】
カバーテープ前処理部62は、前述したように、一対のガイド壁41の間において、テープ走行路5の第2走行路52上に配置される。カバーテープ前処理部62は、テープ導入送出機構200の第1テープ送出部31により送出され、先端が自由端とされた状態で第2走行路52上を走行する部品収納テープ100に対し、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理に先立って、カバーテープ102を切断する前処理を行う。
図13に示すように、カバーテープ前処理部62は、挿入部材621と、カバーテープ切断部622と、支持部623とを含む。
【0097】
挿入部材621は、先端が自由端とされた状態で第1テープ送出部31によって送出されて、第2走行路52上を走行する部品収納テープ100における、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入される部材である。挿入部材621は、平板状に形成されている。この挿入部材621は、基部6211と、当該基部6211におけるテープ送出方向H1の上流端に連なる挿入先端部6212と、を有する。なお、挿入部材621の基部6211におけるテープ送出方向H1の下流端6211aには、後述の蓋部材54が接続されている。
【0098】
挿入部材621において挿入先端部6212は、基部6211との接続部分からテープ送出方向H1の上流端となる先端縁6212aに向かって、上側(+Z側)に傾くように、基部6211に対して先上がりに傾斜している。換言すると、挿入部材621がカバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入された状態において、基部6211はカバーテープ102と略平行で、挿入先端部6212はキャリアテープ101から間隔をもって離れてカバーテープ102側に向かうように傾斜している。
【0099】
挿入部材621の挿入先端部6212を、上記のような傾斜構造とすることによって、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入部材621が挿入された状態で、第1テープ送出部31により部品収納テープ100が送出されるときに、キャリアテープ101における、隣接する部品収納部101a間に位置する収納部接続領域部分に、挿入先端部6212が接触することを抑止することができる。このため、部品収納テープ100の良好な走行性が保持され、部品取り出し位置21に向けて部品E2を効率良く供給することができる。
【0100】
また、挿入部材621の挿入先端部6212は、その先端縁6212aに向けて幅方向に先細りとなるテーパー形状に形成されている。挿入部材621は、支持部623により支持されている。本実施形態では、支持部623は、挿入部材621の基部6211におけるテープ送出方向H1の下流端6211aに接続された後述の蓋部材54の上面に配置され、且つ、装置本体2に固定されている。このような構成によって、支持部623は、蓋部材54を介して挿入部材621を支持する。
【0101】
カバーテープ切断部622は、先端が自由端とされた状態で第1テープ送出部31によって送出されて、第2走行路52上を走行する部品収納テープ100のカバーテープ102を切断する。カバーテープ切断部622は、カバーテープ102の幅方向両端部間の所定位置(例えば中央位置)を切断する。カバーテープ切断部622により切断されたカバーテープ102の切断部分102a(
図12参照)は、テープ走行路5に沿って線状に延びる。
【0102】
カバーテープ切断部622は、カバーテープ102を切断する刃部6221と、保持部6222とを含む。保持部6222は、刃先が露出するように刃部6221を保持する保持面6222aを有する。
【0103】
カバーテープ切断部622は、保持部6222の少なくともテープ送出方向H1上流側の領域部分6222bにおける保持面6222aとは反対側の面が、挿入部材621における基部6211の上面6211bに当接するように、蓋部材54を介して支持部623に支持されている。また、カバーテープ切断部622においては、保持部6222の保持面6222aに保持された刃部6221が、上方側(+Z側)に臨んでいる。このような構成では、第2走行路52上を走行する部品収納テープ100がカバーテープ切断部622を通過するときには、当該カバーテープ切断部622の上流端6222cとキャリアテープ101との間に挿入部材621が介在することになる。このため、カバーテープ切断部622の上流端6222cが、キャリアテープ101の部品収納部101aに収納される部品E2と接触することを、防止することができる。従って、カバーテープ切断部622との接触により部品E2にダメージが与えられることを防止することができる。
【0104】
また、カバーテープ切断部622の保持部6222において、保持面6222aは、テープ送出方向H1の下流から上流に向かって先下がりに傾斜した傾斜面であることが望ましい。これにより、第2走行路52上を走行してカバーテープ切断部622を通過するときに、部品収納テープ100は、傾斜面とされた保持部6222の保持面6222aに沿ってガイドされる。この結果、部品収納テープ100がカバーテープ切断部622を通過するときの走行抵抗を軽減することができる。
【0105】
また、挿入部材621は、X軸方向(テープ幅方向H2)に延びる所定の軸心J1回りに揺動可能となるように、蓋部材54を介して支持部623に支持される構成としてもよい。また、カバーテープ切断部622は、挿入部材621の揺動に連動した揺動が可能となるように、保持部6222の少なくともテープ送出方向H1上流側の領域部分6222bが、挿入部材621における基部6211の上面6211bに当接されている。これにより、例えば部品収納テープ100が撓みながらテープ走行路5上を走行する場合、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入される挿入部材621及びカバーテープ切断部622が、その部品収納テープ100の撓みに応じて揺動可能となる。従って、挿入部材621の挿入先端部6212の、キャリアテープ101における前記収納部接続領域部分への接触を、安定的に抑止することができる。
【0106】
次に、
図14に示すように、カバーテープ立ち上げ部61は、一対のガイド壁41の間において、テープ走行路5の第1走行路51上に配置される。カバーテープ立ち上げ部61は、第1走行路51上を走行する部品収納テープ100において、カバーテープ切断部622により切断されたカバーテープ102の切断部分102aに当接することにより、当該カバーテープ102をキャリアテープ101に対して上方へ立ち上げる。カバーテープ立ち上げ部61は、立ち上げ誘発部611と、立ち上げ量調整部612とを含む。
【0107】
立ち上げ誘発部611は、カバーテープ立ち上げ部61のテープ送出方向H1の上流部分を構成する。立ち上げ誘発部611は、カバーテープ102に対する当接の始点となる当接始点P1を有し、当該当接始点P1からキャリアテープ101に対するカバーテープ102の立ち上げを誘発させる。カバーテープ立ち上げ部61は、立ち上げ誘発部611の当接始点P1が一対のガイド壁41の間の中央に位置するように配置される。換言すると、立ち上げ誘発部611の当接始点P1は、カバーテープ切断部622により切断されたカバーテープ102の切断部分102a上に位置する。カバーテープ立ち上げ部61において、立ち上げ誘発部611は、後述の蓋部材54に固定されている。
【0108】
立ち上げ量調整部612は、立ち上げ誘発部611のテープ送出方向H1の下流端に連なる。立ち上げ量調整部612は、第1走行路51上における部品収納テープ100の走行に伴って、キャリアテープ101に対するカバーテープ102の立ち上げ量を連続的に増加させる。立ち上げ量調整部612は、
図14に示すように、一対の立ち上げ調整片6121,6122により構成される。一対の立ち上げ調整片6121,6122の各々は、立ち上げ誘発部611との接続部分から一対のガイド壁41の各々に近づくように延びる板状の部材である。一対の立ち上げ調整片6121,6122の各々において、テープ送出方向H1の下流端は、カバーテープ102のテープ幅方向H2両端部におけるキャリアテープ101との接合部103にそれぞれ当接する。
【0109】
また、立ち上げ量調整部612を構成する一対の立ち上げ調整片6121,6122の各々は、
図14に示すように、第1調整片部6123と、その第1調整片部6123のテープ送出方向H1下流端に接続部材613を介して接続される第2調整片部6124と、を有する。第2調整片部6124は、第1調整片部6123に対し、接続部材613を中心とした揺動が可能となるように接続されている。このような第1調整片部6123及び第2調整片部6124を有する構成の一対の立ち上げ調整片6121,6122は、第1走行路51上における部品収納テープ100の走行挙動の変化に対応して揺動可能となる。従って、一対の立ち上げ調整片6121,6122によるカバーテープ102の立ち上げ処理の安定性の低下が防止される。
【0110】
また、カバーテープ立ち上げ部61が配置される第1走行路51は、上述の如く、テープ送出方向H1の最上流側の第1湾曲領域511と、第1湾曲領域511のテープ送出方向H1下流側に連なる第2湾曲領域512と、第2湾曲領域512のテープ送出方向H1下流側に連なる第3湾曲領域513とを有する。
【0111】
X軸方向(テープ幅方向H2)から見て第1走行路51は、第1湾曲領域511と第2湾曲領域512とで、Z軸方向(上下方向)に関して曲がる方向が異なり、曲率の符号が変化する。このような第1走行路51に沿って部品収納テープ100が走行すると、第1湾曲領域511の通過時と第2湾曲領域512の通過時とで、部品収納テープ100に対してZ軸方向(上下方向)に関して逆方向に撓もうとする力が作用する。このため、例えば第1走行路51において、第1湾曲領域511と第2湾曲領域512とにわたってカバーテープ立ち上げ部61を配置すると、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理の安定性が低下する可能性がある。
【0112】
そこで、
図14に示すように、カバーテープ立ち上げ部61は、立ち上げ誘発部611の当接始点P1が、第1湾曲領域511と第2湾曲領域512との境界線S1上又はその近傍に位置するように、配置される。このような構成では、カバーテープ立ち上げ部61は、その最上流端となる当接始点P1が第1湾曲領域511と第2湾曲領域512との境界線S1上又はその近傍に位置するので、第1湾曲領域511と第2湾曲領域512とにわたって配置されることなく、第2湾曲領域512に配置されることになる。従って、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理の安定性の低下が防止される。なお、カバーテープ立ち上げ部61において、一対の立ち上げ調整片6121,6122は、テープ送出方向H1において、第1走行路51の第2湾曲領域512と第3湾曲領域513とにわたって延びている。
【0113】
また、部品収納テープ100が第1走行路51の第1湾曲領域511及び第2湾曲領域512を走行するときには、撓みながら走行する。ここで、第1走行路51を走行する部品収納テープ100は、第1走行路51の上流側に配置される、テープ導入送出機構200の第1テープ送出部31により送出される場合と、第1走行路51の下流側に配置される第2テープ送出部32により送出される場合とで、第1湾曲領域511と第2湾曲領域512との間の変曲点を境界として走行時の撓み方向が変化し、第1走行路51上での走行挙動が変化する。具体的には、第1テープ送出部31により送出される部品収納テープ100は、第1湾曲領域511では上側(+Z側)に撓み、第2湾曲領域512では下側(-Z側)に撓む。また、第2テープ送出部32により送出される部品収納テープ100は、第1湾曲領域511では下側(-Z側)に撓み、第2湾曲領域512では上側(+Z側)に撓む。
【0114】
本実施形態のカバーテープ立ち上げ部61においては、上述の如く、立ち上げ誘発部611のみが後述の蓋部材54に固定されており、第2調整片部6124は、第1調整片部6123に対し、接続部材613を中心とした揺動が可能となるように接続されている。これにより、カバーテープ立ち上げ部61は、第1走行路51上における部品収納テープ100の走行挙動の変化に対応して揺動可能となる。従って、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理の安定性の低下が防止される。
【0115】
また、第1走行路51においてカバーテープ立ち上げ部61が配置される第2湾曲領域512の、テープ送出方向H1下流側に連なる第3湾曲領域513は、上に凸の形状に形成されている。第3湾曲領域513のテープ送出方向H1の最下流端には、上述の如く、一対の第2スプロケット321を備える第2テープ送出部32が配置されている。第3領域513の形状が上に凸の形状とされているのは、第1テープ送出部31により送出されて第3湾曲領域513を走行する部品収納テープ100の先端部におけるキャリアテープ101の孔部101bが、一対の第2スプロケット321の歯部321aと嵌合するときの嵌合性を、良好なものとするためである。
【0116】
次に、部品供給装置1に備えられる蓋部材54について説明する。蓋部材54は、部品露出部6による、部品収納部101a内において部品E2を露出させる露出処理後の部品収納テープ100の、部品収納部101aの各々の開口の少なくとも一部を覆う部材である。部品供給装置1が蓋部材54を備える構成とすることによって、露出処理後の部品収納テープ100がテープ送出部3により送出されるときにおける、部品収納部101aからの部品E2の飛び出しを、蓋部材54によって規制することができる。従って、部品供給装置1による部品取り出し位置21への部品供給を安定的に行うことができる。
【0117】
本実施形態では、蓋部材54は、挿入部材621の基部6211におけるテープ送出方向H1の下流端6211aから、部品取り出し位置21まで、テープ走行路5に沿って延びる。また、挿入部材621の基部6211における下流端6211aに接続された蓋部材54は、テープ送出機構3により送出される部品収納テープ100のカバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入された状態で、テープ走行路5に沿って部品収納部101aを覆う。このため、蓋部材54は、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入された状態で、テープ送出機構3により送出される部品収納テープ100の走行をガイドする機能を有する。
【0118】
上述の如く、部品収納テープ100が第1走行路51の第1湾曲領域511及び第2湾曲領域512を走行するときには、撓みながら走行する。このため、第1走行路51の第1湾曲領域511及び第2湾曲領域512を走行する部品収納テープ100において、部品収納部101aを覆う蓋部材54とキャリアテープ101との接触による摩擦力が増大する可能性がある。
【0119】
そこで、蓋部材54は、可撓性を有する部材であることが望ましい。このような構成では、部品収納テープ100が第1走行路51の第1湾曲領域511及び第2湾曲領域512に沿って撓みながら走行するときに、蓋部材54がその部品収納テープ100の撓みに応じて撓むことになる。これにより、第1走行路51の第1湾曲領域511及び第2湾曲領域512を走行する部品収納テープ100において、部品収納部101aを覆う蓋部材54とキャリアテープ101との接触による摩擦力の増大を抑止することができる。従って、部品収納テープ100がテープ走行路5上を走行するときの走行抵抗を軽減することができる。また、蓋部材54は、静電気を発生させないように、金属によって形成されることが望ましい。なお、蓋部材54は、プラスチック等からなる基材の表面に導電性を有する層が形成された構成であってもよい。
【0120】
次に、部品露出部6において、カバーテープ後処理部63は、カバーテープ立ち上げ部61の上方側(+Z側)に配置される。カバーテープ後処理部63は、カバーテープ立ち上げ部61により立ち上げられたカバーテープ102を、部品収納部101aが開放するように、部品収納テープ100におけるテープ幅方向H2両側の各側端縁の外側へ広げるとともに下方側(-Z側)へ屈曲させる。カバーテープ後処理部63は、
図15~
図17に示すように、上方規制部631と、側方規制部632とを含む。
【0121】
カバーテープ後処理部63において、上方規制部631は、テープ走行路5の第1走行路51に対して上方側に間隙を有して対向して配置されている。上方規制部631は、カバーテープ立ち上げ部61により立ち上げられたカバーテープ102を、上方への動きを規制しつつ、部品収納部101aが開放するように、部品収納テープ100におけるテープ幅方向H2両側の各側端縁の外側へ広げる第1後処理を行う。この上方規制部631とテープ走行路5の第1走行路51との間の間隙は、テープ送出方向H1の上流から下流に向かって狭くなるように設定されている。これにより、上方規制部631は、立ち上げ量調整部612による立ち上げ量の連続的な増加に応じて、カバーテープ102の、テープ幅方向H2両側の各側端縁に向かう外側への広がり量が大きくなるように、カバーテープ102を外側へ広げることができる。このため、部品収納部101aを効果的に開放することが可能となり、部品取り出し位置21における部品E2の取出し性を良好にすることができる。
【0122】
また、上方規制部631は、カバーテープ立ち上げ部61により立ち上げられたカバーテープ102に対する、上方への動きの規制の始点となる上方規制始点P2(
図16及び
図17参照)を有する。上方規制部631は、
図15及び
図16に示すように、第1上方規制領域6311と、第2上方規制領域6312とを有する。第1上方規制領域6311は、第1走行路51の第2湾曲領域512に対向し、テープ送出方向H1の上流から下流に向かって下方側に傾斜して延びる。第2上方規制領域6312は、第1上方規制領域6311のテープ送出方向H1下流側に連なる。第2上方規制領域6312は、第1走行路51の第3湾曲領域513に対向し、テープ送出方向H1に沿って水平に延びる。この態様では、上方規制部631の第1上方規制領域6311と第1走行路51の第2湾曲領域512との間の間隙は、第1上方規制領域6311の下方側への傾斜に応じて狭くなる。一方、上方規制部631の第2上方規制領域6312と第1走行路51の第3湾曲領域513との間の間隙は、第3湾曲領域513の上に凸の湾曲形状に応じて狭くなる。つまり、上方規制部631と第1走行路51との間の間隙を、テープ送出方向H1の上流から下流に向かって狭くなるように設定することができる。
【0123】
また、上方規制部631の第2上方規制領域6312の下面(第1走行路51と対向する側の面)において、テープ送出方向H1下流端には、
図16及び
図17に示すように、一対の立ち上げ量調整補助片633が突設されている。一対の立ち上げ量調整補助片633の各々は、テープ送出方向H1の上流から下流に向かって、一対の立ち上げ調整片6121,6122の下流端から、一対のガイド壁41の各々に近づくように延びる、板状の突片である。一対の立ち上げ量調整補助片633間のテープ幅方向H2に沿った離間距離は、テープ送出方向H1の上流から下流に向かって漸次的に大きくなる。また、一対の立ち上げ量調整補助片633間の離間距離は、一対の立ち上げ調整片6121,6122における下流側の離間距離よりも大きい。一対の立ち上げ量調整補助片633は、一対の立ち上げ調整片6121,6122の下流側において、カバーテープ102の立ち上げ量を連続的に増加させる。
【0124】
カバーテープ後処理部63において、側方規制部632は、一対のガイド壁41のテープ幅方向H2の外側から部品収納テープ100の側端面に対向するように、上方規制部631の幅方向両端部の各々から下方に延設される。側方規制部632は、上方規制部632により部品収納テープ100におけるテープ幅方向H2両側の各側端縁の外側へ広げられたカバーテープ102を、側方への動きを規制しつつ下方側へ屈曲させる第2後処理を行う。
【0125】
上方規制部631によって外側へ広げられたカバーテープ102が側方規制部632によって下方側へ屈曲されるときに、キャリアテープ101が座屈変形する可能性がある。そこで、側方規制部632によるカバーテープ102の下方側への屈曲の始点となる側方規制始点P3(
図16及び
図17参照)が、上方規制部631においてテープ送出方向H1に沿って水平に延びる第2上方規制領域6312内に位置するように、カバーテープ後処理部63を構成する。これにより、カバーテープ102が側方規制始点P3から下方側へ屈曲されるときに、キャリアテープ101が座屈変形することを抑制することができる。
【0126】
次に、
図3及び
図17を参照して、部品供給装置1に備えられるテープ走行ガイド部7について説明する。テープ走行ガイド部7は、部品露出部6のテープ送出方向H1下流側において、テープ走行路5の第3走行路53における水平領域531に配置される。すなわち、テープ走行ガイド部7は、部品取り出し位置21に近設されている。テープ走行ガイド部7は、部品露出部6による部品露出処理後の部品収納テープ100の部品取り出し位置21に向けての、第3走行路53上の走行をガイドする。テープ走行ガイド部7は、ガイド本体71と、開口幅規定部材72とを含む。
【0127】
テープ走行ガイド部7において、ガイド本体71は、テープ走行ガイド部7の本体部を構成し、開口部711を有する。開口部711は、第3走行路53上を走行する部品収納テープ100において、部品露出部6の部品露出処理により開放された部品収納部101aに面して開口する。開口部711は、テープ送出方向H1に所定の長さを有する矩形状に形成される。この開口部711は、部品取り出し位置21の直下に位置している。つまり、部品実装機10のヘッドユニット14は、部品供給装置1によって部品取り出し位置21に供給された部品E2を、開口部711を介して取り出す。開口幅規定部材72は、ガイド本体71の開口部711におけるテープ幅方向H2の両開口端縁にそれぞれ取り付けられ、開口部711のテープ幅方向H2の開口幅を規定する。
【0128】
また、テープ走行ガイド部7は、
図17に示すように、一対のテープ導入案内部73と、一対のテープ導出案内部74と、を更に含む。一対のテープ導入案内部73の各々は、テープ送出方向H1に沿って延びる棒状の部材である。一対のテープ導入案内部73の各々は、ガイド本体71における開口部711のテープ送出方向H1上流側に、互いにテープ幅方向H2に間隔をおいて取り付けられる。一対のテープ導入案内部73の各々は、カバーテープ102のテープ幅方向H2の内側への変位を規制しつつ、テープ走行ガイド部7へのカバーテープ102の導入を案内する。一対のテープ導出案内部74の各々は、テープ送出方向H1に沿って延びる棒状の部材である。一対のテープ導出案内部74の各々は、ガイド本体71における開口部711のテープ送出方向H1下流側に、互いにテープ幅方向H2に間隔をおいて取り付けられる。一対のテープ導出案内部74の各々は、カバーテープ102のテープ幅方向H2の内側への変位を規制しつつ、テープ走行ガイド部7からのカバーテープ102の導出を案内する。
【0129】
部品取り出し位置21に供給された部品E2がガイド本体71の開口部711を介してヘッドユニット14により取り出されると、部品収納テープ100は、部品供給装置1から排出される。テープ走行ガイド部7を通過した部品収納テープ100は、下方側へ垂れ下がるようにして部品供給装置1から排出される。このとき、部品収納テープ100は、キャリアテープ101における、隣接する部品収納部101a間に位置する収納部接続領域部分で折れ曲げられて、下方側へ垂れ下がった状態となる。このように、隣接する部品収納部101a間で折れ曲げられると、部品収納テープ100は、上方側へ膨らもうとする。
【0130】
部品収納テープ100の上方側への膨らみは、テープ走行ガイド部7における開口幅規定部材72によるキャリアテープ101に対する下方側への付勢力では、抑えることが困難である。このため、部品供給装置1から排出される部品収納テープ100の上方側への膨らみによって、ガイド本体71が上方側へ持ち上げられてしまう可能性がある。そこで、本実施形態において、
図3に示すように、部品収納テープ100は、テープ排出ガイド部8を通じて部品供給装置1から排出される。テープ排出ガイド部8は、テープ走行ガイド部7のテープ送出方向H1下流側において、一対のガイド壁41のテープ送出方向H1下流側端部に取り付けられる。テープ排出ガイド部8は、テープ走行ガイド部7を通過した部品収納テープ100の下流側への排出をガイドする。テープ排出ガイド部8は、テープ走行ガイド部7を通過した部品収納テープ100の上面及び側端面に接触することにより、部品収納テープ100の上方及び側方への動きを規制する。これにより、テープ排出ガイド部8は、部品供給装置1から排出される部品収納テープ100の上方側への膨らみを抑制することができる。
【0131】
テープ排出ガイド部8を介して部品供給装置1から排出される、部品E2の取り出し後の部品収納テープ100は、前述の
図2に示す筒体17を通過してテープ切断装置18に導かれ、当該テープ切断装置18により短冊状に切断される。テープ切断装置18によって切断された切断片は、所定の回収経路内を落下して回収ボックスにて回収される。
【0132】
[部品供給装置の電気的構成]
次に、部品供給装置1の電気的構成について、
図18を参照して説明する。
図18は、部品供給装置1の電気的構成を示すブロック図である。部品供給装置1は、制御部9を更に備える。
【0133】
制御部9は、部品供給装置1の動作、特に、テープ送出機構3のテープ送出動作を制御する。制御部9は、部品供給装置1の各所に配置される、テープ検出部による部品収納テープ100の有無の検出結果に基づきテープ送出機構3のテープ送出動作を制御する。
【0134】
本実施形態では、部品供給装置1は、
図3に示すように、テープ検出部としてセット検出部24、導入検出部25、第1検出部26及び第2検出部27を備えている。セット検出部24は、テープ導入送出機構200において、第1テープ送出部31よりもテープ送出方向H1の上流側に配置されるテープ検出部である。セット検出部24は、第1テープ送出部31の第1スプロケット311に先端部が嵌合されるようにセットされた部品収納テープ100を検出する。より詳しくは、セット検出部24は、送出可能位置に配置されて保持姿勢を取った一対のテープ保持部202に保持され、先端部が第1スプロケット311に嵌合された状態の部品収納テープ100を検出する。導入検出部25は、テープ走行路5のテープ送出方向H1の最上流端に配置されるテープ検出部である。導入検出部25は、第1テープ送出部31により送出されてテープ走行路5に導入された部品収納テープ100を検出する。導入検出部25は、
図3に示すように、一対のテープ保持部202より下方に配置され、一対のテープ保持部202が保持解除姿勢を取ることにより、部品収納テープ100の保持が解除されたとしても、当該部品収納テープ100を検出する。
【0135】
第1検出部26は、テープ走行路5上において、第2テープ送出部32よりもテープ送出方向H1上流側の所定位置(第1位置)に配置されるテープ検出部である。より詳しくは、第1検出部26は、部品取り出し位置21からテープ送出方向H1の上流側に、テープ走行路5に沿って部品収納テープ100の後端部に設定されたトレーラ部の基準長さL(
図5A~
図5C参照)離れた位置に配置されている。第1検出部26は、第1テープ送出部31によって第2テープ送出部32に向かって送出される部品収納テープ100を、先端部が第2テープ送出部32に到達する前に検出する。
【0136】
第2検出部27は、テープ走行路5上において、第1検出部26と部品取り出し位置21との間の所定位置(第2位置)に配置されるテープ検出部である。本実施形態では、第2検出部27は、第2テープ送出部32と第3テープ送出部33との間に配置されている。第2検出部27は、第2テープ送出部32によって部品取り出し位置21に向かって送出される部品収納テープ100を、先端部が第3テープ送出部33に到達する前に検出する。
【0137】
セット検出部24、導入検出部25、第1検出部26及び第2検出部27の各々は、部品収納テープ100を検出するセンサとして光学式のテープ検出センサを含む構成であってもよいが、本実施形態では、部品収納テープ100の先端の当接によって変位するドグと、当該ドグの変位を検知するセンサ部とを含んで構成される、機械式のテープ検出センサである。機械式のテープ検出センサを採用することによって、透光性を有する透明材料により構成されるものや、透光性を有しない不透明材料により構成されるものなど、多種多様な部品収納テープ100を好適に検出することができる。
【0138】
前述したように、部品供給装置1では、複数の部品収納テープ100の装着が可能であって、先行テープ100の部品切れが発生していない状態で、後続テープ100を装着することができる。このような先行テープ100と後続テープ100のテープ送出機構3による送出を制御するのが、制御部9である。
【0139】
制御部9は、例えば制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)や一時的にデータを記憶するフラッシュメモリ等の記憶装置が内蔵されたマイクロコンピュータからなり、前記制御プログラムが読み出されることにより、部品供給装置1の動作を制御する。制御部9は、
図18に示すように、通信部91と、テープ走行距離演算部92と、入出力制御部93と、第1送出処理部94と、第2送出処理部95と、レバー操作監視部96とを含む。
【0140】
通信部91は、部品実装機10とデータ通信可能に接続され、部品実装機10に備えられた部品切れ判定部19から出力された判定結果情報を受信する。部品実装機10の部品切れ判定部19は、第1テープ送出部31によって送出された先行テープ100を第2テープ送出部32が受け入れて、第2テープ送出部32と第3テープ送出部33との連動動作によって部品取り出し位置21に間欠的に送出される先行テープ100において、部品収納部101a内に収納されていた最後の部品E2がヘッドユニット14により取り出されて先行テープ100が部品切れとなったか否かを判定する。具体的には、部品切れ判定部19は、先行テープ100における部品収納部101a内の部品E2の有無の検出結果に基づき、最後の部品E2がヘッドユニット14により取り出されて先行テープ100が部品切れとなったか否かを判定する。部品切れ判定部19は、ヘッドユニット14による部品取り出し位置21からの部品E2の取り出し状況を監視し、ヘッドユニット14による部品E2の取り出しが複数回連続して不成立であった場合に、部品収納部101a内に部品E2が無いことを検出し、先行テープ100が部品切れであると判定する。部品切れ判定部19は、カメラにより撮像された、部品取り出し動作後のヘッドユニット14の部品保持状況を表す画像に基づき部品収納部101a内の部品E2の有無を検出して部品切れを判定するか、真空圧を検出するセンサの検出結果に基づき部品収納部101a内の部品E2の有無を検出して部品切れを判定する。または、部品切れ判定部19は、カメラにより撮像された、部品取り出し位置21に部品が存在するか否かを表す画像に基づき部品収納部101a内の部品E2の有無を検出して部品切れを判定するようにしてもよい。この場合、カメラは、ヘッドユニット14が部品を取り出すことができる水平方向位置に位置決めされたときに部品取り出し位置21を撮像することができるように、ヘッドユニット14に取り付けられる。
【0141】
また、先行テープ100が、テープ後端の部品収納部101aまで部品E2が収納されてトレーラ部が実質的に存在しない部品収納テープであることが予め分かっている場合等、ヘッドユニット14による部品の取り出し時にその部品が最後の部品であると判断できる場合には、部品切れ判定部19は、その部品がヘッドユニット14により取り出されたことが判断できたら、先行テープ100が部品切れとなったことを判定するようにしてもよい。この部品切れ判定部19による部品切れの判定後、詳細については後述するが、第3テープ送出部33による先行テープ100に対する排出動作、並びに条件が整えば、第1テープ送出部31による後続テープ100に対する第1導入動作が開始され得る。先行テープ100において、どの部品収納部101aまで部品E2が収納されているかが分かれば、先行テープ100の後端縁が第2検出部27を通過してからの先行テープ100の走行距離に基づいて、部品切れ判定部19は、最後の部品が部品取り出し位置21に位置したことを判断できる。また、部品切れ判定部19は、ヘッドユニット14の吸着ノズルが取り出した部品が部品供給装置1と干渉しない位置まで上昇されたとき、或いは吸着ノズルが上昇すべき上昇端位置まで上昇したときに、ヘッドユニット14により部品が取り出されたことを判断できる。ヘッドユニット14の吸着ノズルの上昇位置は、上昇指令に基づき把握するか、或いは、吸着ノズルの上昇位置を昇降駆動モーターのエンコーダー等で検出できる場合にはその検出位置により把握することができる。また、部品切れ判定部19は、ヘッドユニット14の吸着ノズルが上昇してからテープの次の間欠送りを開始すべき時に、先行テープ100が部品切れとなったことを判定するようにしてもよい。なお、最後の部品が収納されている部品収納部101aがヘッドユニット14による部品取り出し前に予め分かっている場合において、その最後の部品の取り出し動作、すなわち吸着ノズルの昇降動作が行われたときに部品取り出しに失敗した場合、部品切れ判定部19は、その取り出し動作の上述するようなタイミングで先行テープ100が部品切れとなったことを判定するようにしてもよい。この部品切れ判定部19による部品切れの判定後、第3テープ送出部33による先行テープ100に対する排出動作等が行われる。
【0142】
上記では、部品切れ判定部19が部品実装機10に備えられ、その部品切れ判定部19から出力された判定結果情報を部品供給装置1の通信部91が受信する構成について説明したが、部品供給装置1の制御部9が部品切れ判定部19の判定処理を実行するようにしてもよい。この場合、部品供給装置1は、テープ走行路5に沿って設けられたセンサ等で構成され、部品収納テープ100の部品収納部100a内に部品が収納されているか否かを検出する検出装置を備える。そして、部品供給装置1の制御部9は、当該検出装置の検出結果に基づいて部品切れを判定する。
【0143】
テープ走行距離演算部92は、第2テープ送出部32と第3テープ送出部33との連動動作によって先行テープ100が送出されている状態で、第1テープ送出部31の第1スプロケット311に先端部が嵌合されるようにセットされた後続テープ100が送出されるときに、第1エンコーダー317からの出力信号(エンコーダー信号)を受信する。第1エンコーダー317は、第1テープ送出部31の第1スプロケット311を回転駆動させる第1サーボモーター314のロータの回転角度を検出し、その検出結果をエンコーダー信号としてテープ走行距離演算部92へ出力する。テープ走行距離演算部92は、第1エンコーダー317から出力されたエンコーダー信号に基づいて、第1テープ送出部31の第1スプロケット311により送出された後続テープ100の走行距離を演算する。
【0144】
また、テープ走行距離演算部92は、第2テープ送出部32と第3テープ送出部33との連動動作によって先行テープ100が送出されているときに、第2エンコーダー327からの出力信号(エンコーダー信号)を受信する。第2エンコーダー327は、第2テープ送出部32の第2スプロケット321と第3テープ送出部33の第3スプロケット331とを回転駆動させる第2サーボモーター324のロータの回転角度を検出し、その検出結果をエンコーダー信号としてテープ走行距離演算部92へ出力する。テープ走行距離演算部92は、第2エンコーダー327から出力されたエンコーダー信号に基づいて、第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作により送出された先行テープ100の走行距離を演算する。テープ走行距離演算部92の演算動作の詳細については、後述する。
【0145】
レバー操作監視部96は、操作レバー203の操作領域部2031に対するオペレーターの操作を許可するか、或いは不許可とするかの情報を生成する。このレバー操作監視部96の処理内容の詳細については、後述する。
【0146】
入出力制御部93は、操作部22、報知部23、セット検出部24、導入検出部25、第1検出部26及び第2検出部27との間のデータ通信が可能に構成される。入出力制御部93は、部品供給装置1を動作させるための、オペレーターによる指示を示す指示信号を、操作部22から受信する。また、入出力制御部93は、レバー操作監視部96により生成される、操作レバー203に対するオペレーターの操作に関する情報を報知部23に送信する。また、入出力制御部93は、セット検出部24、導入検出部25、第1検出部26及び第2検出部27の各々によって検出された部品収納テープ100の検出結果を示すテープ検出信号を、各検出部24,25,26,27から受信する。
【0147】
第2テープ送出部32と第3テープ送出部33との連動動作によって先行テープ100が部品取り出し位置21に向けて間欠的に送出されている状態において、第1テープ送出部31の第1スプロケット311に先端部が嵌合されるように後続テープ100がセットされる。自動ローディング方式のテープフィーダーである部品供給装置1では、セットされた後続テープ100は、第2テープ送出部32と第3テープ送出部33との連動動作による先行テープ100の送出状況に基づいて、第1テープ送出部31及び第2テープ送出部32によって自動的に部品取り出し位置21に送出(ローディング)される。
【0148】
後続テープ100に対する部品取り出し位置21への自動ローディング動作は、第1テープ送出部31によって実行される第1導入動作と、第2テープ送出部32によって実行される第2導入動作とを含む。第1テープ送出部31による第1導入動作は、第1スプロケット311に先端部が嵌合されるようにセットされた後続テープ100を、その先端縁が第2テープ送出部32に到達するように送出するローディング動作である。第1テープ送出部31により第1導入動作が実行されると、後続テープ100の先端部が第2スプロケット321に嵌合する。一方、第2テープ送出部32による第2導入動作は、第2スプロケット321に先端部が嵌合された後続テープ100を、その後続テープ100において部品E2が収納された先頭の部品収納部101aが部品取り出し位置21に到達するように送出するローディング動作である。第2テープ送出部32による第2導入動作の実行後においては、後続テープ100を用いた部品取り出し位置21への部品E2の供給が可能となる。なお、第2テープ送出部32による第2導入動作の実行によって後続テープ100が部品取り出し位置21に到達する前に、第3テープ送出部33による先行テープ100に対する排出動作が実行されている。第3テープ送出部33による排出動作は、部品取り出し位置21よりもテープ送出方向H1下流側へ先行テープ100を送出して排出する動作である。
【0149】
第1サーボモーター314の回転駆動に応じた第1テープ送出部31の第1スプロケット311によるテープ送出動作は、制御部9の第1送出処理部94によって制御される。また、第2サーボモーター324の回転駆動に応じた、第2テープ送出部32の第2スプロケット321と第3テープ送出部33の第3スプロケット331との連動によるテープ送出動作は、制御部9の第2送出処理部94によって制御される。つまり、第1テープ送出部31による後続テープ100に対する第1導入動作は、第1送出処理部94によって制御され、第2テープ送出部32による後続テープ100に対する第2導入動作と第3テープ送出部33による先行テープ100に対する排出動作とは、第2送出処理部95によって制御される。
【0150】
第1送出処理部94は、第2テープ送出部32と第3テープ送出部33との連動動作によって送出される先行テープ100の後端縁が、第2テープ送出部32よりもテープ送出方向H1上流側の所定位置(第1位置)を通過したときに、第1テープ送出部31による、後続テープ100をテープ走行路5に導入して第2テープ送出部32に向けて送出する第1導入動作を開始させる。すなわち、第1送出処理部94は、先行テープ100の後端縁が第1検出部26を通過したときに、第1テープ送出部31による後続テープ100に対する第1導入動作を開始させる。第1送出処理部94が第1テープ送出部31に実行させる第1導入動作の詳細については、後述する。
【0151】
第2送出処理部95は、通信部91が受信した部品切れ判定部19からの先行テープ100の部品切れの判定結果に基づき、先行テープ100の部品収納部101a内に収納されていた最後の部品E2がヘッドユニット14により取り出されて先行テープ100が部品切れとなったことを判断した場合、先行テープ100の後端縁が第1検出部26と部品取り出し位置21との間の所定位置(第2位置)を通過したことに基づいて、すなわち、先行テープ100の後端縁が第2検出部27を通過したことに基づいて、第3テープ送出部33による先行テープ100に対する排出動作を実行させる。ここで、第2送出処理部95は、第1テープ送出部31による後続テープ100に対する第1導入動作の実行と同時に、第3テープ送出部33による先行テープ100に対する排出動作を実行させる。なお、「先行テープ100の後端縁が第2検出部27を通過したことに基づいて」とは、「先行テープ100の後端縁が第2検出部27を通過した後」、「先行テープ100の後端縁の第2検出部27の通過に応答して」、「先行テープ100の後端縁が第2検出部27を通過したとき」、「先行テープ100の後端縁が第2検出部27を通過した直後」の何れかを意味する。
【0152】
また、第2送出処理部95は、第3テープ送出部33による先行テープ100に対する排出動作の実行中において、第1テープ送出部31の第1導入動作によって後続テープ100の先端縁が第2テープ送出部32に到達した場合、第2テープ送出部32による後続テープ100に対する第2導入動作を、第3テープ送出部33による先行テープ100に対する排出動作と同時に実行させる。
【0153】
第2テープ送出部32(第2スプロケット321)による後続テープ100に対する第2導入動作を、先行テープ100の後端縁が第2検出部27を通過したことに基づいて実行させているのは、先行テープ100の第2スプロケット321に対する嵌合の解除後に、第2スプロケット321による後続テープ100に対する第2導入動作を実行させるためである。先行テープ100の後端縁が第2検出部27を通過したことに基づき第2導入動作を実行させることに代えて、先行テープ100の後端縁が第1検出部26を通過したことに基づく第2サーボモーター324の第2エンコーダー327から出力されるエンコーダー信号に基づいて、先行テープ100の後端縁の位置が第2スプロケット321に嵌合しなくなった位置となった場合に、第2導入動作を実行させるようにしてもよい。
【0154】
第3テープ送出部33による先行テープ100に対する排出動作が実行されると、先行テープ100は、部品取り出し位置21よりもテープ送出方向H1下流側へ送出されて部品供給装置1から排出される。一方、第1テープ送出部31の第1導入動作に続いて第2テープ送出部32による後続テープ100に対する第2導入動作が実行されると、後続テープ100は、部品E2が収納された先頭の部品収納部101aが部品取り出し位置21に到達するように送出される。これにより、後続テープ100を用いた部品取り出し位置21への部品E2の供給が可能となる。
【0155】
先行テープ100の部品切れ後において、第2テープ送出部32に向かう後続テープ100の送出(第1導入動作)と同時に、先行テープ100の排出(排出動作)が実行されるので、先行テープ100の排出完了後に後続テープ100の部品取り出し位置21へのローディングが開始される従来技術に比べて、先行テープ100にて最後に部品供給が行われてから後続テープ100からの部品供給が可能となるまでの時間待ちを可及的に短くすることができる。つまり、部品取り出し位置21における部品供給の、先行テープ100から後続テープ100への切替時間を可及的に短くすることができる。このため、部品供給装置1による部品E2の供給効率の低下を抑制することができる。また、先行テープ100の排出中に、第1導入動作によって送出された後続テープ100の先端縁が第2テープ送出部32に到達した場合には、部品取り出し位置21への後続テープ100の送出(第2導入動作)が先行テープ100の排出と同時に実行される。この場合には、先行テープ100にて最後に部品供給が行われてから後続テープ100からの部品供給が可能となるまでの時間待ちを、より短くすることができる。
【0156】
第3テープ送出部33による排出動作によって部品取り出し位置21よりもテープ送出方向H1下流側へ送出された先行テープ100は、テープ排出ガイド部8を介して部品供給装置1から排出され、更には筒体17を通過してテープ切断装置18に導かれて、当該テープ切断装置18により先行テープ100が有る程度送出されてから切断されることで、短冊状に切断される。テープ切断装置18によって切断された切断片は、所定の回収経路内を落下して回収ボックスにて回収される。第2送出処理部95が第2テープ送出部32に実行させる後続テープ100に対する第2導入動作と、第3テープ送出部33に実行させる先行テープ100に対する排出動作の詳細については、後述する。
【0157】
[部品供給装置におけるテープ送出制御の具体例]
以上説明したように、第1送出処理部94に制御された第1テープ送出部31によって後続テープ100に対する第1導入動作が実行され、第2送出処理部95に制御された第2テープ送出部32及び第3テープ送出部33の連動動作によって後続テープ100に対する第2導入動作と先行テープ100に対する排出動作とが実行される。以下では、具体例を挙げて、部品供給装置1におけるテープ送出制御に関する前記第1導入動作、前記第2導入動作及び前記排出動作の詳細について説明する。
【0158】
<テープ送出制御の第1例について>
図19A及び
図19Bを参照して、部品供給装置1におけるテープ送出制御の第1例を説明する。
図19A及び
図19Bに示すテープ送出制御の第1例は、
図5Aに示す部品収納テープ100が用いられた場合の例である。つまり、第1例は、後端部に配置された全ての部品収納部101aに部品E2が収納され、トレーラ部が実質的に存在しない部品収納テープ100が用いられた場合のテープ送出制御を示す。なお、
図19A及び
図19Bでは、先行テープが「100T1」で示され、後続テープが「100T2」で示されている。
【0159】
まず、オペレーターは、リールに巻回された先行テープ100T1の先端部を例えば
図3の部品供給装置1の右側からテープ導入送出機構200の一対のテープ保持部202上に挿入する。そして、オペレーターは、先行テープ100T1が、送出可能位置に配置されて保持姿勢を取った一対のテープ保持部202に保持されるようにしつつ、リールから繰り出された当該先行テープ100T1の先端部を第1テープ送出部31の第1スプロケット311と嵌合された状態とする。なお、先行テープ100T1が巻回された上記リールは、
図3の部品供給装置1の右側下方部に回転可能に保持されている。この状態では、セット検出部24は、先行テープ100T1を検出している。その後、オペレーターは、操作部22を操作し、第1スプロケット311を回転させる指示を入力する。この指示が操作部22に入力されると、第1サーボモーター314の駆動力によって第1スプロケット311が回転し、先行テープ100T1をテープ走行路5に向けて送出する。これにより、先行テープ100T1は、テープ走行路5に導入される。
【0160】
テープ走行路5に導入された先行テープ100T1は、部品露出部6によって部品露出処理が施される。具体的には、テープ走行路5の最上流に位置する第2走行路52に配置されたカバーテープ前処理部62は、当該第2走行路52上を走行する先行テープ100T1のカバーテープ102を切断する。次に、テープ走行路5における第2走行路52の下流側に位置する第1走行路51に配置されたカバーテープ立ち上げ部61は、当該第1走行路51を走行する先行テープ100T1の、カバーテープ前処理部62によって切断されたカバーテープ102をキャリアテープ101に対して上方へ立ち上げる。次に、カバーテープ立ち上げ部61の上方側において第1走行路51に配置されたカバーテープ後処理部63は、カバーテープ立ち上げ部61によって立ち上げられたカバーテープ102を、部品収納部101aが開放するように、テープ幅方向H2の外側へ広げるとともに下方側へ屈曲させる。テープ走行路5に導入された先行テープ100T1は、上記のような部品露出部6の部品露出処理によって、部品収納部101a内で部品E2が露出される。
【0161】
部品露出部6によって部品露出処理が施された先行テープ100T1の先端部が第2テープ送出部32の第2スプロケット321に到達すると、当該先端部は、第2スプロケット321と嵌合される。この際、第1スプロケット311により送出される先行テープ100T1の移動速度よりも第2スプロケット321の周速が速くなるように第2スプロケット321の回転速度が制御され、先行テープ100T1の先端部の第2スプロケット321に対する嵌合が確実に実行されるようにする。すなわち、第2スプロケット321に嵌合される前の先行テープ100T1の移動速度よりも、第2スプロケット321に嵌合された後の先行テープ100T1の移動速度の方が速くなるが、第1スプロケット311はワンウェイクラッチの働きで速く回転することが妨げられない。以下、自動ローディング動作(第1導入動作)の一環として部品収納テープ100の先端部が第2スプロケット321に嵌合する場合には同様に、第2スプロケット321の回転速度が制御される。
【0162】
先行テープ100T1の先端部が第2スプロケット321と嵌合されると、第2サーボモーター324の駆動力によって第2スプロケット321及び第3スプロケット331が連動して回転し、先行テープ100T1において部品E2が収納された先頭の部品収納部101aが部品取り出し位置21に到達するように、先行テープ100T1が送出される(第2導入動作)。先行テープ100T1における先頭の部品収納部101aが部品取り出し位置21に到達すると、部品供給装置1の先行テープ100T1を用いた部品供給動作が開始される。すなわち、第2サーボモーター324の駆動力によって第2スプロケット321及び第3スプロケット331が連動して回転し、先行テープ100T1の各部品収納部101aが順次部品取り出し位置21を通過するように、先行テープ100T1が間欠的に送出される(
図19A(1)参照)。すなわち、第2サーボモーター324の駆動により送出された先行テープ100T1の部品収納部101aが部品取り出し位置21に停止して、ヘッドユニット14の昇降により部品E2が部品収納部101aから取り出される。部品E2が取り出された後に次の部品収納部101aが同様に部品取り出し位置21に停止するよう先行テープ100T1は送出される。この状態では、セット検出部24、導入検出部25、第1検出部26及び第2検出部27はそれぞれ、先行テープ100T1を検出している。なお、部品E2の取り出しは同一のヘッドユニット14が複数の部品供給装置1から順次行うため、部品収納部101aから部品E2の取り出しが実行された後、しばらくは同じ部品供給装置1から部品E2の取り出し動作が実行されないことがあり、その場合には次に部品E2を当該部品供給装置1から取り出すこととなるまで送り動作は行われない。
【0163】
先行テープ100T1が第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作によって送出されている状態で、オペレーターは、操作レバー203の操作領域部2031を押し下げて、操作レバー203を回動させる。これにより、一対のテープ保持部202は送出可能位置から送出解除位置へと下方側に変位して保持解除姿勢を取り、先行テープ100T1の第1スプロケット311との嵌合が解除される。この状態では、セット検出部24は、先行テープ100T1を検出しなくなる。
【0164】
一対のテープ保持部202が保持解除姿勢を取り、先行テープ100T1が第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作により送出されている状態で、オペレーターは、操作レバー203の操作領域部2031を上方側へ押し上げて、操作レバー203を回動させる。これにより、一対のテープ保持部202は、保持解除姿勢から保持姿勢へと姿勢変更する。この状態で、オペレーターは、後続テープ100T2が保持姿勢を取った一対のテープ保持部202に保持されるようにしつつ、当該後続テープ100T2の先端部を第1スプロケット311と嵌合された状態とする。これにより、第1スプロケット311による後続テープ100T2の送出が可能な状態となる(
図19A(1)参照)。この状態では、セット検出部24は後続テープ100T2を検出し、導入検出部25、第1検出部26及び第2検出部27はそれぞれ、先行テープ100T1を検出している。
【0165】
なお、後続テープ100T2もリールに巻回されており、そのリールは例えば
図19A(1)の部品供給装置1の右側に回転可能に載置されている。そのリールから繰り出された後続テープ100T2の先端部が先行テープ100T1の場合と同様に一対のテープ保持部202上に挿入された後に
図19A(1)に示す状態となる。このとき後続テープ100T2のリールと先行テープ100T1のリールは上下に並んでおり先行テープ100T1のリールが下にある。この後続テープ100T2のセットの作業は先行テープ100T1がローディングされた後先行テープ100T1が部品切れになる前までに実行すれば、先行テープ100T1が部品切れになったことが検出された後自動的に後続テープ100T2のローディングが実行され部品供給が継続されるようにできる。
【0166】
第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作による先行テープ100T1の間欠的な送出が継続し、部品取り出し位置21への部品E2の供給が継続されると、やがて、先行テープ100T1の後端縁100Bが導入検出部25を通過し、更には第1検出部26を通過するようになる(
図19A(2)参照)。この状態では、導入検出部25及び第1検出部26は、先行テープ100T1を検出しなくなる。先行テープ100T1の後端縁100Bが導入検出部25及び第1検出部26を通過したことは、先行テープ100T1の検出状態にて各検出部25,26がテープあり状態からテープなし状態に移行したことにより検出する。なお、セット検出部24は後続テープ100T2を検出し、第2検出部27は先行テープ100T1を検出している。
【0167】
先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過したとき、すなわち、第1検出部26による先行テープ100T1の検出が解除されたときに(第1検出部26の検出状態がテープあり状態からテープなし状態に移行したときに)、第1送出処理部94は、第1サーボモーター314の回転駆動を制御することにより、第1テープ送出部31の第1スプロケット311による後続テープ100T2に対する第1導入動作を開始させる。
図5Aに示すトレーラ部が実質的に存在しない先行テープ100T1が用いられた場合の第1例において、第1送出処理部94の制御によって第1スプロケット311が実行する第1導入動作は、第1送出動作と、待機動作と、第2送出動作とを含む。
【0168】
第1送出動作において、第1スプロケット311は、先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過したときに第1サーボモーター314の回転駆動が開始されることにより、回転を開始する。これにより、第1スプロケット311は、後続テープ100T2を第2テープ送出部32の第2スプロケット321に向けて連続的に送出する第1導入動作を開始する(
図19A(2)参照)。第1スプロケット311による第1送出動作によって、後続テープ100T2は、テープ走行路5に導入され、導入検出部25を通過して第2スプロケット321に向けて送出される。このため、導入検出部25は、後続テープ100T2を検出することになる。なお、テープ走行路5に導入された後続テープ100T2は、前述の先行テープ100T1と同様に、部品露出部6によって部品露出処理が施される。テープ走行路5上を走行する後続テープ100T2においてカバーテープ102は、カバーテープ前処理部62によって切断されると共にカバーテープ立ち上げ部61によってキャリアテープ101に対して上方へ立ち上げられ、更には、カバーテープ後処理部63によって部品収納部101aが開放するようにテープ幅方向H2の外側へ広げられる。このような部品露出部6の部品露出処理によって後続テープ100T2は、部品収納部101a内で部品E2が露出される。
【0169】
ここで、第1検出部26は、部品取り出し位置21から上流側に、部品収納テープの後端部に設定されたトレーラ部の基準長さL離れた位置に配置されている。このため、先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過したときに後続テープ100T2を送出するという第1スプロケット311による第1送出動作が開始されたときには、トレーラ部が実質的に存在しない先行テープ100T1は部品切れとはなっていない。従って、この時点では、部品取り出し位置21において先行テープ100T1を用いた部品供給の可能な状態が継続されている。
【0170】
また、テープ走行距離演算部92は、第1エンコーダー317から出力されたエンコーダー信号に基づいて、第1スプロケット311により送出される後続テープ100T2の走行距離を演算する。テープ走行距離演算部92は、後続テープ100T2の先端縁100Fが導入検出部25を通過してからの、第1サーボモーター314のロータの回転角度の検出結果としてのエンコーダー信号に基づき後続テープ100T2の走行距離を演算する。なお、後続テープ100T2の先端縁100Fが導入検出部25を通過したことは、導入検出部25がテープなし状態からテープあり状態に移行したことにより検出する。
【0171】
第1送出動作に続く待機動作において、第1スプロケット311は、後続テープ100T2の先端縁100Fが第1検出部26よりもテープ送出方向H1上流側の所定位置PPに到達したときに第1サーボモーター314の回転駆動が停止されることにより、回転を停止する。これにより、第1スプロケット311は、後続テープ100T2の送出を一旦停止して、当該後続テープ100T2の先端縁100Fが所定位置PPに位置した状態で待機させる(
図19A(3)参照)。第1スプロケット311の待機動作による、一旦停止させるまでの後続テープ100T2の走行距離は、テープ走行距離演算部92の演算結果に基づくものである。第1スプロケット311が待機動作を実行することによって、先行テープ100T1を用いた部品取り出し位置21への部品の供給が継続している間に、後続テープ100T2の先端縁100Fと先行テープ100T1の後端縁100Bとの間の離間距離が可及的に短くなるように、後続テープ100T2を待機させることができる。このため、先行テープ100T1が部品切れとなったときに、部品取り出し位置21における部品供給の、先行テープ100T1から後続テープ100T2への切替時間を、先行テープ100T1の排出完了後に後続テープ100T2の部品取り出し位置21へのローディングが開始される場合に比べて、可及的に短くすることができる。
【0172】
なお、第1スプロケット311の待機動作中において、後続テープ100T2は、その先端縁100Fが第1検出部26よりもテープ送出方向H1上流側の所定位置PPに位置するように待機している。この状態では、導入検出部25は後続テープ100T2を検出している状態であり、第1検出部26はテープを検出していない状態であり、第2検出部27は先行テープ100T1を検出している状態である。これにより、第1スプロケット311による送出が可能な状態の後続テープ100T2と、第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作による送出が可能な状態の先行テープ100T1との、2種の部品収納テープがテープ走行路5上に存在していることを、導入検出部25、第1検出部26及び第2検出部27のテープ検出結果に基づき把握することができる。このように、先行テープ100T1と後続テープ100T2の双方のテープの存在を把握可能としているのは、第1スプロケット311の待機動作中において第1検出部26がテープを検出していない状態とされているからである。
【0173】
例えば、後続テープ100T2の先端縁100Fが第1検出部26を通過した状態で待機された場合において、停電等により部品供給装置1の電源遮断及び再通電が行われたことを想定すると、導入検出部25、第1検出部26及び第2検出部27がテープを検出している状態となる。この状態が、先行テープ100T1のみを検出した状態であるのか、先行テープ100T1及び後続テープ100T2の双方のテープを検出した状態であるのかを、区別することはできない。これに対し、第1スプロケット311の待機動作中において第1検出部26がテープを検出していない状態とすることによって、停電等により部品供給装置1の電源遮断及び再通電が行われたとしても、先行テープ100T1及び後続テープ100T2の双方のテープがテープ走行路5上に存在していることを把握することができる。
【0174】
第2サーボモーター324の回転駆動に基づく第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作による先行テープ100T1の間欠的な送出が継続し、部品取り出し位置21への部品E2の供給が継続されると、やがて、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過するようになる(
図19B(4)参照)。この状態では、第2検出部27は、先行テープ100T1を検出しなくなる。トレーラ部が実質的に存在しない先行テープ100T1は、その後端縁100Bが第2検出部27を通過した後に、部品切れとなる。すなわち、先行テープ100T1において部品E2が収納された最後の部品収納部101aが部品取り出し位置21に停止して当該部品E2がヘッドユニット14により取り出された後に部品切れとなり、部品切れが検出される。先行テープ100T1が部品切れとなったことは、部品切れ判定部19により判定され、その判定結果が通信部91を介して部品供給装置1に入力される。
【0175】
先行テープ100T1が部品切れとなった場合、待機動作に続く第2送出動作において、第1スプロケット311は、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過したことに基づいて第1サーボモーター314の回転駆動が開始されることにより、停止状態から回転を開始する。これにより、第1スプロケット311は、先端縁100Fが所定位置PPに位置した状態で待機していた後続テープ100T2を、その先端縁100Fが第1検出部26を通過して第2スプロケット321に到達するまで送出する(
図19B(4)参照)。なお、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過したことは、第2検出部27がテープあり状態からテープなし状態に移行したことにより検出する。また、第2検出部27の検出結果を用いる代わりに、先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過したことに基づく第2サーボモーター324の第2エンコーダー327から出力されるエンコーダー信号に基づいて、先行テープ100T1の後端縁100Bの位置が第2スプロケット321に嵌合しなくなった位置となったことを検出するようにしてもよい。
【0176】
先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過したときには、当該先行テープ100T1の後端縁100Bは第2スプロケット321を通過し、先行テープ100T1の第2スプロケット321に対する嵌合が解除されている。このように、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2スプロケット321を通過して嵌合が解除された後に、第1スプロケット311の第2送出動作によって後続テープ100T2の先端縁100Fが第2スプロケット321に到達することになる。先端縁100Fが第2スプロケット321に到達した後続テープ100T2は、第2スプロケット321と嵌合し、第2送出処理部95により制御された第2スプロケット321の第2導入動作によって部品取り出し位置21への送出が可能となる。なお、後続テープ100T2の先端縁100Fが第2検出部27を通過すると後続テープ100T2が第2スプロケット321に嵌合したと判断でき、第1スプロケット311を回転させる第1サーボモーター314は回転駆動を停止する。また、第2検出部27を後続テープ100T2の先端縁100Fが通過したときの第2サーボモーター324のロータの回転位置を第2エンコーダー327が検出することにより、その後の第1サーボモーター314の回転駆動による後続テープ100T2の先端縁100Fの位置が把握できる。
【0177】
第2送出処理部95は、先行テープ100T1が部品切れとなったことを判断した場合、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過したことに基づいて、第1スプロケット311による後続テープ100T2に対する第1導入動作(第2送出動作)の実行と同時に、第2サーボモーター324の回転駆動を制御することにより、第2スプロケット321及び第3スプロケット331を連動して回転させ、第3スプロケット331による先行テープ100T1に対する排出動作を実行させる。また、第2送出処理部95は、第3スプロケット331による先行テープ100T1に対する排出動作の実行中において、第1スプロケット311の第1導入動作(第2送出動作)によって後続テープ100T2の先端縁100Fが第2スプロケット321に到達した場合には、第2スプロケット321による後続テープ100T2に対する第2導入動作を、第3スプロケット331による先行テープ100T1に対する排出動作と同時に実行させる。
【0178】
テープ送出制御の第1例では、トレーラ部が実質的に存在しない部品収納テープ100が用いられているので、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過した後、後端縁100Bが略部品取出し位置21に達した後に部品切れの検出がなされる。先行テープ100T1の部品切れの検出後に、第3スプロケット331による先行テープ100T1の排出動作と第2スプロケット321による後続テープ100T2の第2導入動作とが同時に行われるが、実質的に先行テープ100T1の排出は終了している。いずれにせよ、先行テープ100T1の後端縁100Bは第2検出部27を通過しており第2スプロケット321には嵌合していないので、第2スプロケット321による後続テープ100T2の第2導入動作のための動作指令が第2サーボモーター324に発せられればよい。後続テープ100T2の第2導入動作として第2スプロケット321が回転すれば、その回転と連動して第3スプロケット331が回転することになるので、先行テープ100T1が排出されきれていなかったとしても排出は実行される。
【0179】
なお、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過していて第2スプロケット321には嵌合していない場合には、先ず第1スプロケット311による後続テープ100T2の送出による第1導入動作の一環としての第2スプロケット321への嵌合動作が実行される。ここで、後続テープ100T2の第2スプロケット321への嵌合動作のためには、第2スプロケット321の回転の周速を、第1スプロケット311による後続テープ100T2の移動速度よりも速くする動作指令がなされる。この動作は、後続テープ100T2の導入のための動作であるが、同時に先行テープ100T1の排出も実行する動作となっている。
【0180】
第2サーボモーター324の回転駆動に基づく第3スプロケット331によって排出動作が実行されると、先行テープ100T1は、部品取り出し位置21よりもテープ送出方向H1下流側へ送出されて部品供給装置1から排出される(
図19B(5)参照)。一方、第2サーボモーター324の回転駆動に基づく第2スプロケット321によって第2導入動作が実行されると、後続テープ100T2は、部品E2が収納された先頭の部品収納部101aが部品取り出し位置21に到達するように送出される(
図19B(5)参照)。これにより、後続テープ100T2を用いた部品取り出し位置21への部品E2の供給が可能となる。
【0181】
先行テープ100T1の部品切れ後において、第2スプロケット321に向かう後続テープ100T2の送出(第1導入動作)と同時に先行テープ100T1の排出が実行されるので、先行テープ100T1にて最後に部品供給が行われてから後続テープ100T2からの部品供給が可能となるまでの時間待ちを可及的に短くすることができる。つまり、部品取り出し位置21における部品供給の、先行テープ100T1から後続テープ100T2への切替時間を可及的に短くすることができる。このため、部品供給装置1による部品E2の供給効率の低下を抑制することができる。また、先行テープ100T1の排出中に、第1導入動作によって送出された後続テープ100T2の先端縁100Fが第2スプロケット321に到達した場合には、部品取り出し位置21への後続テープ100T2の送出(第2導入動作)が先行テープ100T1の排出と同時に実行される。この場合には、先行テープ100T1にて最後に部品供給が行われてから後続テープ100T2からの部品供給が可能となるまでの時間待ちを、より短くすることができる。
【0182】
第3スプロケット331による排出動作によって部品取り出し位置21よりもテープ送出方向H1下流側へ送出された先行テープ100T1は、テープ排出ガイド部8を介して部品供給装置1から排出され、更には筒体17を通過してテープ切断装置18に導かれて、当該テープ切断装置18により短冊状に切断される。テープ切断装置18によって切断された切断片は、所定の回収経路内を落下して回収ボックスにて回収される。
【0183】
第3スプロケット331による排出動作が進行し、第3スプロケット331の歯部331aが先行テープ100T1における後端の孔部101bから外れると、当該先行テープ100T1を送出する送出力がなくなる。この場合、先行テープ100T1は、全体が部品供給装置1から排出されていない状態であり、後端が内側に残った状態で留まっている。その後、後続テープ100T2が第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作により送出されると、先行テープ100T1は後続テープ100T2に押されて、部品供給装置1から排出される。
【0184】
部品取り出し位置21において後続テープ100T2を用いた部品供給が行われるようになると、この後続テープ100T2が先行テープとなる。次の新しい部品収納テープ100が後続テープとなり、前述と同様にしてテープ導入送出機構200内にセットされると同様の動作が継続される。
【0185】
<テープ送出制御の第2例について>
図20A及び
図20Bを参照して、部品供給装置1におけるテープ送出制御の第2例を説明する。
図20A及び
図20Bに示すテープ送出制御の第2例は、所定の基準長さLのトレーラ部を有する部品収納テープ100(
図5B参照)、又は、基準長さLよりも短いトレーラ部を有する部品収納テープ100が用いられた場合の例である。以下では、基準長さLのトレーラ部と、基準長さLよりも短いトレーラ部とを含めて、「基準長さLの範囲内のトレーラ部」と称する。なお、
図20A及び
図20Bでは、先行テープが「100T1」で示され、後続テープが「100T2」で示されている。
【0186】
保持姿勢を取った一対のテープ保持部202に保持された先行テープ100T1が第1スプロケット311によってテープ走行路5に導入される。テープ走行路5に導入された先行テープ100T1は、前述と同様に、部品露出部6によって部品露出処理が施される。テープ走行路5上を走行する先行テープ100T1においてカバーテープ102は、カバーテープ前処理部62によって切断されると共にカバーテープ立ち上げ部61によってキャリアテープ101に対して上方へ立ち上げられ、更には、カバーテープ後処理部63によって部品収納部101aが開放するようにテープ幅方向H2の外側へ広げられる。このような部品露出部6の部品露出処理によって先行テープ100T1は、部品収納部101a内で部品E2が露出される。
【0187】
部品露出部6によって部品露出処理が施された先行テープ100T1の先端部が第2テープ送出部32の第2スプロケット321に到達して嵌合されると、部品供給装置1の先行テープ100T1を用いた部品供給動作が開始される。すなわち、第2サーボモーター324の駆動力によって第2スプロケット321及び第3スプロケット331が連動して回転し、先行テープ100T1の各部品収納部101aが順次部品取り出し位置21を通過するように、先行テープ100T1が間欠的に送出される(
図20A(1)参照)。この状態では、セット検出部24、導入検出部25、第1検出部26及び第2検出部27はそれぞれ、先行テープ100T1を検出している。
【0188】
先行テープ100T1が第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作によって送出されている状態で、オペレーターは、操作レバー203の操作領域部2031を押し下げて、操作レバー203を回動させる。これにより、一対のテープ保持部202は送出可能位置から送出解除位置へと下方側に変位して保持解除姿勢を取り、先行テープ100T1の第1スプロケット311との嵌合が解除される。この状態では、セット検出部24は、先行テープ100T1を検出しなくなる。
【0189】
一対のテープ保持部202が保持解除姿勢を取り、先行テープ100T1が第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作により送出されている状態で、オペレーターは、操作レバー203の操作領域部2031を上方側へ押し上げて、操作レバー203を回動させる。これにより、一対のテープ保持部202は、保持解除姿勢から保持姿勢へと姿勢変更する。この状態で、オペレーターは、後続テープ100T2が保持姿勢を取った一対のテープ保持部202に保持されるようにしつつ、当該後続テープ100T2の先端部を第1スプロケット311と嵌合された状態とする。これにより、第1スプロケット311による後続テープ100T2の送出が可能な状態となる(
図20A(1)参照)。この状態では、セット検出部24は後続テープ100T2を検出し、導入検出部25、第1検出部26及び第2検出部27はそれぞれ、先行テープ100T1を検出している。
【0190】
第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作による先行テープ100T1の間欠的な送出が継続し、部品取り出し位置21への部品E2の供給が継続されると、やがて、先行テープ100T1の後端縁100Bが導入検出部25を通過し、更には第1検出部26を通過するようになる(
図20A(2)参照)。この状態では、導入検出部25及び第1検出部26は、先行テープ100T1を検出しなくなる。なお、セット検出部24は後続テープ100T2を検出し、第2検出部27は先行テープ100T1を検出している。
【0191】
先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過したとき、すなわち、第1検出部26による先行テープ100T1の検出が解除されたときに、第1送出処理部94は、第1テープ送出部31の第1スプロケット311による後続テープ100T2に対する第1導入動作を開始させる。基準長さLの範囲内のトレーラ部を有する先行テープ100T1が用いられた場合の第2例において、第1送出処理部94の制御によって第1スプロケット311が実行する第1導入動作は、第1送出動作と、待機動作と、第2送出動作とを含む。
【0192】
第1送出動作において、第1スプロケット311は、先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過したときに、後続テープ100T2を第2テープ送出部32の第2スプロケット321に向けて連続的に送出する第1導入動作を開始する(
図20A(2)参照)。第1スプロケット311による第1送出動作によって、後続テープ100T2は、テープ走行路5に導入され、導入検出部25を通過して第2スプロケット321に向けて送出される。このため、導入検出部25は、後続テープ100T2を検出することになる。なお、テープ走行路5に導入された後続テープ100T2は、前述の先行テープ100T1と同様に、部品露出部6によって部品露出処理が施される。
【0193】
ここで、第1検出部26は、部品取り出し位置21から上流側に、部品収納テープの後端部に設定されたトレーラ部の基準長さL離れた位置に配置されている。このため、先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過したときに後続テープ100T2を送出するという第1スプロケット311による第1送出動作が開始されたときには、基準長さLのトレーラ部を有する先行テープ100T1は部品切れとなる。先行テープ100T1が部品切れとなったことは、部品切れ判定部19により判定され、その判定結果が通信部91を介して部品供給装置1に入力される。なお、部品切れ判定部19は、前述したように、ヘッドユニット14による部品E2の取り出しが複数回連続して不成立であった場合に先行テープ100T1が部品切れであると判定する。このため、先行テープ100T1の後端縁100Bの第1検出部26の通過に基づき第1スプロケット311による後続テープ100T2の送出が開始される時点と、部品切れ判定部19からの部品切れの判定結果が通信部91を介して部品供給装置1に入力される時点との間に、時間差が生じる。この時間差の間に、第1スプロケット311による後続テープ100T2の送出は進行している。
【0194】
また、先行テープ100T1が、基準長さLよりも短いトレーラ部を有するテープであった場合、先行テープ100T1の後端縁100Bの第1検出部26の通過に基づき第1スプロケット311による後続テープ100T2の送出が開始されたときには、先行テープ100T1は部品切れとはなっていない。この場合にも、部品切れ判定部19からの部品切れの判定結果が通信部91を介して部品供給装置1に入力されるまでに、第1スプロケット311による後続テープ100T2の送出は進行している。なお、基準長さLよりも短いトレーラ部を有する先行テープ100T1では、部品取り出し位置21から上流側にトレーラ部の長さ分離れた位置であって、第1検出部26よりも下流側の位置を、先行テープ100T1の後端縁100Bが通過したときに、部品切れとなる。
【0195】
基準長さLの範囲内のトレーラ部を有する先行テープ100T1を用い、当該先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過した後に部品切れとなった場合、第2送出処理部95は、第2サーボモーター324の回転駆動を制御することにより、第2スプロケット321及び第3スプロケット331を連動して回転させ、先行テープ100T1に対する排出準備動作を第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作によって実行させる。排出準備動作は、第3スプロケット331が先行テープ100T1に対して実行する後述の排出動作に先立って行われる。排出準備動作において第2スプロケット321及び第3スプロケット331は、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過するまで当該先行テープ100T1を連続的に送出する。この連続的な送出によって、後端縁100Bが可及的に速く第2検出部27を通過するように、部品切れとなった先行テープ100T1を送出することができる。先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過したことは、第2検出部27がテープあり状態からテープなし状態に移行したことにより検出する。また、第2検出部27の検出結果を用いる代わりに、先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過したことに基づく第2サーボモーター324の第2エンコーダー327から出力されるエンコーダー信号に基づいて、先行テープ100T1の後端縁100Bの位置が第2スプロケット321に嵌合しなくなった位置となったことを検出するようにしてもよい。
【0196】
なお、第2スプロケット321及び第3スプロケット331の排出準備動作による先行テープ100T1の走行距離は、第2エンコーダー327から出力された、第2サーボモーター324のロータの回転角度の検出結果としてのエンコーダー信号に基づくテープ走行距離演算部92の演算結果が参照されたものである。第2サーボモーター324のエンコーダー信号による先行テープ100T1の走行距離は、例えば先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26に検出されてから第2検出部27に検出されるまでの走行距離として演算することができる。
【0197】
第1送出動作に続く待機動作において、第1スプロケット311は、後続テープ100T2の先端縁100Fが第1検出部26よりもテープ送出方向H1上流側の所定位置PPに到達したときに第1サーボモーター314の回転駆動が停止されることにより、回転を停止する。これにより、第1スプロケット311は、後続テープ100T2の送出を一旦停止して、当該後続テープ100T2の先端縁100Fが所定位置PPに位置した状態で待機させる(
図20A(3)参照)。第1スプロケット311の待機動作による、一旦停止させるまでの後続テープ100T2の走行距離は、第1のエンコーダー317から出力されたエンコーダー信号に基づくテープ走行距離演算部92の演算結果が参照されたものである。第1スプロケット311が待機動作を実行することによって、第2スプロケット321及び第3スプロケット331による排出準備動作の実行中において、後続テープ100T2の先端縁100Fと先行テープ100T1の後端縁100Bとの間の離間距離が可及的に短くなるように、後続テープ100T2を待機させることができる。このため、部品取り出し位置21における部品供給の、先行テープ100T1から後続テープ100T2への切替時間を、先行テープ100T1の排出完了後に後続テープ100T2の部品取り出し位置21へのローディングが開始される場合に比べて、可及的に短くすることができる。
【0198】
第2スプロケット321及び第3スプロケット331の排出準備動作による先行テープ100T1の連続的な送出が継続すると、やがて、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過するようになる(
図20B(4)参照)。この状態では、第2検出部27は、先行テープ100T1を検出しなくなる。
【0199】
先行テープ100T1が部品切れとなっており、待機動作に続く第2送出動作において、第1スプロケット311は、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過したことに基づいて第1サーボモーター314の回転駆動が開始されることにより、停止状態から回転を開始する。これにより、第1スプロケット311は、先端縁100Fが所定位置PPに位置した状態で待機していた後続テープ100T2を、その先端縁100Fが第1検出部26を通過して第2スプロケット321に到達するまで送出する(
図20B(4)参照)。なお、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過したことは、第2検出部27がテープあり状態からテープなし状態に移行したことにより検出する。また、第2検出部27の検出結果を用いる代わりに、先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過したことに基づく第2サーボモーター324の第2エンコーダー327から出力されるエンコーダー信号に基づいて、先行テープ100T1の後端縁100Bの位置が第2スプロケット321に嵌合しなくなった位置となったことを検出するようにしてもよい。
【0200】
先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過したときには、当該先行テープ100T1の後端縁100Bは第2スプロケット321を通過し、先行テープ100T1の第2スプロケット321に対する嵌合が解除されている。このように、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2スプロケット321を通過して嵌合が解除された後に、第1スプロケット311の第2送出動作によって後続テープ100T2の先端縁100Fが第2スプロケット321に到達することになる。先端縁100Fが第2スプロケット321に到達した後続テープ100T2は、第2スプロケット321と嵌合し、第2送出処理部95により制御された第2スプロケット321の第2導入動作によって部品取り出し位置21への送出が可能となる。
【0201】
なお、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過したときに、後続テープ100T2の先端縁100Fが所定位置PPに到達していない場合には、第1スプロケット311による前記待機動作は省略される。
【0202】
第2送出処理部95は、先行テープ100T1が部品切れとなっており、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過したことに基づいて、第1スプロケット311による後続テープ100T2に対する第1導入動作(第2送出動作)の実行と同時に、第2サーボモーター324の回転駆動を制御することにより、第2スプロケット321及び第3スプロケット331を連動して回転させ、第3スプロケット331による先行テープ100T1に対する排出動作を実行させる。また、第2送出処理部95は、第3スプロケット331による先行テープ100T1に対する排出動作の実行中において、第1スプロケット311の第1導入動作(第2送出動作)によって後続テープ100T2の先端縁100Fが第2スプロケット321に到達した場合には、第2スプロケット321による後続テープ100T2に対する第2導入動作を、第3スプロケット331による先行テープ100T1に対する排出動作と同時に実行させる。先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過した後においては、第2スプロケット321による後続テープ100T2に対する第2導入動作を実行しさえすれば、同時に、第3スプロケット331による先行テープ100T1に対する排出動作も実行される。
【0203】
第2サーボモーター324の回転駆動に基づく第3スプロケット331によって排出動作が実行されると、先行テープ100T1は、部品取り出し位置21よりもテープ送出方向H1下流側へ送出されて部品供給装置1から排出される(
図20B(5)参照)。一方、第2サーボモーター324の回転駆動に基づく第2スプロケット321によって第2導入動作が実行されると、後続テープ100T2は、部品E2が収納された先頭の部品収納部101aが部品取り出し位置21に到達するように送出される(
図20B(5)参照)。これにより、後続テープ100T2を用いた部品取り出し位置21への部品E2の供給が可能となる。
【0204】
先行テープ100T1の部品切れ後において、第2スプロケット321に向かう後続テープ100T2の送出(第1導入動作)と同時に先行テープ100T1の排出が実行されるので、先行テープ100T1にて最後に部品供給が行われてから後続テープ100T2からの部品供給が可能となるまでの時間待ちを可及的に短くすることができる。つまり、部品取り出し位置21における部品供給の、先行テープ100T1から後続テープ100T2への切替時間を可及的に短くすることができる。このため、部品供給装置1による部品E2の供給効率の低下を抑制することができる。また、先行テープ100T1の排出中に、第1導入動作によって送出された後続テープ100T2の先端縁100Fが第2スプロケット321に到達した場合には、部品取り出し位置21への後続テープ100T2の送出(第2導入動作)が先行テープ100T1の排出と同時に実行される。この場合には、先行テープ100T1にて最後に部品供給が行われてから後続テープ100T2からの部品供給が可能となるまでの時間待ちを、より短くすることができる。
【0205】
第3スプロケット331による排出動作によって部品取り出し位置21よりもテープ送出方向H1下流側へ送出された先行テープ100T1は、テープ排出ガイド部8を介して部品供給装置1から排出され、更には筒体17を通過してテープ切断装置18に導かれて、当該テープ切断装置18により短冊状に切断される。テープ切断装置18によって切断された切断片は、所定の回収経路内を落下して回収ボックスにて回収される。
【0206】
第3スプロケット331による排出動作が進行し、第3スプロケット331の歯部331aが先行テープ100T1における後端の孔部101bから外れると、当該先行テープ100T1を送出する送出力がなくなる。この場合、先行テープ100T1は、全体が部品供給装置1から排出されていない状態であり、後端が内側に残った状態で留まっている。その後、後続テープ100T2が第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作により送出されると、先行テープ100T1は後続テープ100T2に押されて、部品供給装置1から排出される。
【0207】
部品取り出し位置21において後続テープ100T2を用いた部品供給が行われるようになると、この後続テープ100T2が先行テープとなる。次の新しい部品収納テープ100が後続テープとなり、前述と同様にしてテープ導入送出機構200内にセットされると同様の動作が継続される。
【0208】
<テープ送出制御の第3例について>
図21A及び
図21Bを参照して、部品供給装置1におけるテープ送出制御の第3例を説明する。
図21A及び
図21Bに示すテープ送出制御の第3例は、
図5Cに示す部品収納テープ100が用いられた場合の例である。つまり、第3例は、後端縁100Bから所定の基準長さLの範囲を超えて部品E2が収納されていない空の部品収納部101aが配置されたトレーラ部(すなわち、基準長さLよりも長いトレーラ部)を有する部品収納テープ100が用いられた場合のテープ送出制御を示す。なお、
図21A及び
図21Bでは、先行テープが「100T1」で示され、後続テープが「100T2」で示されている。
【0209】
保持姿勢を取った一対のテープ保持部202に保持された先行テープ100T1が第1スプロケット311によってテープ走行路5に導入される。テープ走行路5に導入された先行テープ100T1は、前述と同様に、部品露出部6によって部品露出処理が施される。部品露出部6によって部品露出処理が施された先行テープ100T1の先端部が第2スプロケット321と嵌合されると、部品供給装置1の先行テープ100T1を用いた部品供給動作が開始される。すなわち、第2サーボモーター324の駆動力によって第2スプロケット321及び第3スプロケット331が連動して回転し、先行テープ100T1の各部品収納部101aが順次部品取り出し位置21を通過するように、先行テープ100T1が間欠的に送出される(
図21A(1)参照)。この状態では、セット検出部24、導入検出部25、第1検出部26及び第2検出部27はそれぞれ、先行テープ100T1を検出している。
【0210】
先行テープ100T1が第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作によって送出されている状態で、オペレーターは、操作レバー203の操作領域部2031を押し下げて、操作レバー203を回動させる。これにより、一対のテープ保持部202は送出可能位置から送出解除位置へと下方側に変位して保持解除姿勢を取り、先行テープ100T1の第1スプロケット311との嵌合が解除される。この状態では、セット検出部24は、先行テープ100T1を検出しなくなる。
【0211】
一対のテープ保持部202が保持解除姿勢を取り、先行テープ100T1が第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作により送出されている状態で、オペレーターは、操作レバー203の操作領域部2031を上方側へ押し上げて、操作レバー203を回動させる。これにより、一対のテープ保持部202は、保持解除姿勢から保持姿勢へと姿勢変更する。この状態で、オペレーターは、後続テープ100T2が保持姿勢を取った一対のテープ保持部202に保持されるようにしつつ、当該後続テープ100T2の先端部を第1スプロケット311と嵌合された状態とする。これにより、第1スプロケット311による後続テープ100T2の送出が可能な状態となる(
図21A(1)参照)。この状態では、セット検出部24は後続テープ100T2を検出し、導入検出部25、第1検出部26及び第2検出部27はそれぞれ、先行テープ100T1を検出している。
【0212】
第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作による先行テープ100T1の間欠的な送出が継続し、部品取り出し位置21への部品E2の供給が継続されると、やがて、先行テープ100T1が部品切れとなる。ここで、第1検出部26は、部品取り出し位置21から上流側に、部品収納テープの後端部に設定されたトレーラ部の基準長さL離れた位置に配置されている。このため、基準長さLよりも長いトレーラ部を有する先行テープ100T1を用いた場合、先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過する前に、先行テープ100T1は部品切れとなる(
図21A(2)参照)。先行テープ100T1が部品切れとなったことは、部品切れ判定部19により判定され、その判定結果が通信部91を介して部品供給装置1に入力される。
【0213】
基準長さLよりも長いトレーラ部を有する先行テープ100T1を用い、当該先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過する前に部品切れとなった場合、第2送出処理部95は、第2サーボモーター324の回転駆動を制御することにより、第2スプロケット321及び第3スプロケット331を連動して回転させ、先行テープ100T1に対する排出準備動作を第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作によって実行させる。排出準備動作は、第3スプロケット331が先行テープ100T1に対して実行する後述の排出動作に先立って行われる。排出準備動作において第2スプロケット321及び第3スプロケット331は、先行テープ100T1を基準長さL毎に間欠的に送出する。この第2スプロケット321及び第3スプロケット331による排出準備動作は、テープ切断装置18の切断動作と連動している。
【0214】
第2スプロケット321及び第3スプロケット331の排出準備動作によって部品取り出し位置21よりもテープ送出方向H1下流側へ排出された先行テープ100T1の先端部分は、筒体17を通過してテープ切断装置18に導かれて、当該テープ切断装置18により短冊状に切断される。テープ切断装置18によって切断された切断片は、所定の回収経路内を落下して回収ボックスにて回収される。先行テープ100T1のトレーラ部に設定された前記基準長さLは、テープ切断装置18により短冊状に切断された切断片が回収経路内を正常に落下できる所定の許容長さであり、この許容長さよりも長い切断片は、前記回収経路内を正常に落下せず、途中で引っ掛かりが発生し、前記回収経路を塞ぐ原因となり得る。
【0215】
そこで、第2スプロケット321及び第3スプロケット331により実行される排出準備動作と、その排出準備動作と連動してテープ切断装置18により実行される切断動作とにおいて、所定の許容長さに相当する基準長さLに対して切断片が長くならないように、先行テープ100T1を基準長さLの分だけ送る毎に停止させて切断する必要がある。テープ切断装置18による先行テープ100T1の切断は、第2スプロケット321及び第3スプロケット331による先行テープ100T1の送出が停止された状態で行うのがよい。テープ送出制御の第3例では、
図21A(2)に示すように、先行テープ100T1が部品切れとなったときに、排出準備動作において第2スプロケット321及び第3スプロケット331が送出する先行テープ100T1のトレーラ部は基準長さLよりも長いため、送出途中で少なくとも1回は停止させて切断することになる。
【0216】
先行テープ100T1の部品切れが判定されたときにテープ切断装置18による切断動作が実行された場合、それから基準長さLの分だけ送出されたときに切断動作が実行される。先行テープ100T1の部品切れが判定されたときにテープ切断装置18による切断動作が実行されない場合には、それ以前に切断動作が実行された個所から基準長さLの分だけ送出されたときに切断動作が実行されるため、トレーラ部が基準長さLよりも短い場合でも部品切れ後のテープ送出時に途中で切断動作が実行されることはある。また、後述の第1スプロケット311による第1導入動作が実行されて後続テープ100T2が第2スプロケット321に嵌合された後は、原則的には第2スプロケット321による後続テープ100T2に対する第2導入動作が実行されれば先行テープ100T1の排出動作は実行されるのであるが、先行テープ100T1に対する切断動作のタイミングとなった場合には、後続テープ100T2の第2導入動作中であっても先行テープ100T1の切断のため第2スプロケット321及び第3スプロケット331が停止するように第2サーボモーター324が停止される。
【0217】
上記のような、第2スプロケット321及び第3スプロケット331による排出準備動作と、その排出準備動作と連動したテープ切断装置18による切断動作とが実行されることにより、テープ切断装置18によって切断された切断片の長さが、所定の許容長さに相当する基準長さLよりも長くことを防止することができる。このため、切断片は前記回収経路内を正常に落下し、途中で引っ掛かりが発生することを可及的に防止することができる。
【0218】
なお、第1検出部26が部品取り出し位置21から上流側に所定の許容長さに相当する基準長さL離れた位置に配置されているので、部品切れ時に先行テープ100T1の切断が行われており、部品切れ時に先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過している場合には、先行テープ100T1の排出時にテープの切断は必要ないことが判断できる。一方、部品切れ時に先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過していない場合には、先行テープ100T1の排出時にテープの切断が必要であることが判断できる。更には、部品切れ時に先行テープ100T1の切断を実施すれば、先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過したことが検出される毎にテープの切断を行うようにすることができる。勿論、第1検出部26の検出結果を用いる代わりに、先行テープ100T1の後端縁100Bが導入検出部25を通過したことに基づく第2サーボモーター324の第2エンコーダー327から出力されるエンコーダー信号に基づいて、先行テープ100T1のテープ走行距離を算出し、そのテープ走行距離に基づきテープの切断が行われてもよい。
【0219】
また、上記では、部品収納テープ100のトレーラ部に設定された基準長さLが、切断片が回収経路内を正常に落下できる所定の許容長さと一致する例について説明したが、トレーラ部の基準長さLと許容長さとが一致しない場合もある。このような場合には、第2スプロケット321及び第3スプロケット331により実行される排出準備動作と、その排出準備動作と連動してテープ切断装置18により実行される切断動作とにおいて、所定の許容長さに対して切断片が長くならないように、先行テープ100T1を所定の許容長さの分だけ送る毎に停止させて切断するようにすればよい。更に、この場合には、第1検出部26を、部品取り出し位置21から上流側に所定の許容長さ離れた位置に配置するようにする。これにより、部品切れ時に先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過している場合には、先行テープ100T1の排出時にテープの切断は必要ないことが判断でき、後端縁100Bが第1検出部26を通過していない場合には、先行テープ100T1の排出時にテープの切断が必要であることが判断できる。
【0220】
第2スプロケット321及び第3スプロケット331の排出準備動作による先行テープ100T1の送出が継続すると、やがて、先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過するようになる(
図21A(3)参照)。この状態では、第1検出部26は、先行テープ100T1を検出しなくなる。なお、セット検出部24は後続テープ100T2を検出し、第2検出部27は先行テープ100T1を検出している。
【0221】
先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過したとき、すなわち、第1検出部26による先行テープ100T1の検出が解除されたときに、第1送出処理部94は、第1テープ送出部31の第1スプロケット311による後続テープ100T2に対する第1導入動作を開始させる。
図5Cに示す基準長さLよりも長いトレーラ部を有する先行テープ100T1が用いられた場合の第3例において、第1送出処理部94の制御によって第1スプロケット311が実行する第1導入動作は、待機動作が省略されて第1送出動作と第2送出動作とが連続した動作である。第1スプロケット311が実行する第1導入動作において待機動作が省略されるのは、後続テープ100T2の先端縁100Fが所定位置PPに到達する前に、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過する場合である。なお、先行テープ100T1の後端縁100Bが導入検出部25を通過したことが検出された後に、この検出に基づいて、第1スプロケット311による後続テープ100T2に対する第1導入動作が実行されてもよい。
【0222】
第1送出動作において、第1スプロケット311は、先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過したときに後続テープ100T2を第2テープ送出部32の第2スプロケット321に向けて連続的に送出する第1導入動作を開始する(
図21A(3)参照)。第1スプロケット311による第1送出動作によって、後続テープ100T2は、テープ走行路5に導入され、導入検出部25を通過して第2スプロケット321に向けて送出される。このため、導入検出部25は、後続テープ100T2を検出することになる。なお、テープ走行路5に導入された後続テープ100T2は、前述の先行テープ100T1と同様に、部品露出部6によって部品露出処理が施される。
【0223】
基準長さLよりも長いトレーラ部を有する先行テープ100T1を用いた場合には、第1スプロケット311による第1送出動作が開始されたときには、先行テープ100T1は、第2スプロケット321及び第3スプロケット331の排出準備動作によって送出されている状態であり、既に部品切れとなっている。このため、第1スプロケット311が後続テープ100T2を送出するときに、一旦待機させる必要はなく、待機動作を省略し、第1送出動作から第2送出動作へ連続的に移行する。
【0224】
第2スプロケット321及び第3スプロケット331の排出準備動作による先行テープ100T1の送出が継続すると、やがて、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過するようになる(
図21B(4)参照)。この状態では、第2検出部27は、先行テープ100T1を検出しなくなる。
【0225】
第1送出動作に続く第2送出動作において、第1スプロケット311は、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過したことに基づいて、後続テープ100T2の先端縁100Fが第1検出部26を通過して第2スプロケット321に到達するまで当該後続テープ100T2を送出する(
図21B(4)参照)。なお、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過したことは、第2検出部27がテープあり状態からテープなし状態に移行したことにより検出する。また、第2検出部27の検出結果を用いる代わりに、先行テープ100T1の後端縁100Bが第1検出部26を通過したことに基づく第2サーボモーター324の第2エンコーダー327から出力されるエンコーダー信号に基づいて、先行テープ100T1の後端縁100Bの位置が第2スプロケット321に嵌合しなくなった位置となったことを検出するようにしてもよい。
【0226】
先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過したときには、当該先行テープ100T1の後端縁100Bは第2スプロケット321を通過し、先行テープ100T1の第2スプロケット321に対する嵌合が解除されている。このように、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2スプロケット321を通過して嵌合が解除された後に、第1スプロケット311の第2送出動作によって後続テープ100T2の先端縁100Fが第2スプロケット321に到達することになる。先端縁100Fが第2スプロケット321に到達した後続テープ100T2は、第2スプロケット321と嵌合し、第2送出処理部95により制御された第2スプロケット321の第2導入動作によって部品取り出し位置21への送出が可能となる。
【0227】
第2送出処理部95は、先行テープ100T1が部品切れとなっており、先行テープ100T1の後端縁100Bが第2検出部27を通過したことに基づいて、第1スプロケット311による後続テープ100T2に対する第1導入動作(第2送出動作)の実行と同時に、第2サーボモーター324の回転駆動を制御することにより、第2スプロケット321及び第3スプロケット331を連動して回転させ、第3スプロケット331による先行テープ100T1に対する排出動作を実行させる。また、第2送出処理部95は、第3スプロケット331による先行テープ100T1に対する排出動作の実行中において、第1スプロケット311の第1導入動作(第2送出動作)によって後続テープ100T2の先端縁100Fが第2スプロケット321に到達した場合には、第2スプロケット321による後続テープ100T2に対する第2導入動作を、第3スプロケット331による先行テープ100T1に対する排出動作と同時に実行させる。
【0228】
第2サーボモーター324の回転駆動に基づく第3スプロケット331によって排出動作が実行されると、先行テープ100T1は、部品取り出し位置21よりもテープ送出方向H1下流側へ送出されて部品供給装置1から排出される(
図21B(5)参照)。一方、第2サーボモーター324の回転駆動に基づく第2スプロケット321によって第2導入動作が実行されると、後続テープ100T2は、部品E2が収納された先頭の部品収納部101aが部品取り出し位置21に到達するように送出される(
図21B(5)参照)。これにより、後続テープ100T2を用いた部品取り出し位置21への部品E2の供給が可能となる。
【0229】
先行テープ100T1の部品切れ後において、第2スプロケット321に向かう後続テープ100T2の送出(第1導入動作)と同時に先行テープ100T1の排出が実行されるので、部品取り出し位置21における部品供給の、先行テープ100T1から後続テープ100T2への切替時間を可及的に短くすることができる。このため、部品供給装置1による部品E2の供給効率の低下を抑制することができる。また、先行テープ100T1の排出中に、第1導入動作によって送出された後続テープ100T2の先端縁100Fが第2スプロケット321に到達した場合には、部品取り出し位置21への後続テープ100T2の送出(第2導入動作)が先行テープ100T1の排出と同時に実行される。この場合には、先行テープ100T1にて最後に部品供給が行われてから後続テープ100T2からの部品供給が可能となるまでの時間待ちを、より短くすることができる。
【0230】
第3スプロケット331による排出動作によって部品取り出し位置21よりもテープ送出方向H1下流側へ送出された先行テープ100T1は、テープ排出ガイド部8を介して部品供給装置1から排出され、更には筒体17を通過してテープ切断装置18に導かれて、当該テープ切断装置18により短冊状に切断される。テープ切断装置18によって切断された切断片は、所定の回収経路内を落下して回収ボックスにて回収される。
【0231】
第3スプロケット331による排出動作が進行し、第3スプロケット331の歯部331aが先行テープ100T1における後端の孔部101bから外れると、当該先行テープ100T1を送出する送出力がなくなる。この場合、先行テープ100T1は、全体が部品供給装置1から排出されていない状態であり、後端が内側に残った状態で留まっている。その後、後続テープ100T2が第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作により送出されると、先行テープ100T1は後続テープ100T2に押されて、部品供給装置1から排出される。
【0232】
部品取り出し位置21において後続テープ100T2を用いた部品供給が行われるようになると、この後続テープ100T2が先行テープとなる。次の新しい部品収納テープ100が後続テープとなり、前述と同様にしてテープ導入送出機構200内にセットされると同様の動作が継続される。
【0233】
[報知部の動作について]
前述したように、保持姿勢を取った一対のテープ保持部202により保持された先行テープ100T1が第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作によって送出されている状態で、オペレーターは、操作レバー203の操作領域部2031を操作することにより、一対のテープ保持部202による保持を先行テープ100T1から後続テープ100T2に切り替えることができる。
【0234】
この一対のテープ保持部202による保持を先行テープ100T1から後続テープ100T2に切り替えるときの操作レバー203の操作タイミングは、テープ切り替えを確実に行うために非常に重要である。すなわち、先行テープ100T1が第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作によって送出可能な状態であるときに、操作レバー203が操作されなければならない。例えば、先行テープ100T1の先端縁100Fが第2スプロケット321に到達していないタイミングで操作レバー203の操作領域部2031が押し下げられて、一対のテープ保持部202による先行テープ100T1の保持が解除されると、先行テープ100T1は、第1~第3スプロケット311,321,331の何れにも嵌合していない状態となる。この場合には、先行テープ100T1のテープ走行路5に導入された部分を引き出して、先行テープ100T1の装着作業をやり直す必要がある。このようなことが生じないように、報知部23は、操作レバー203の操作領域部2031に対する操作に関する情報を報知する。報知部23が報知する情報は、レバー操作監視部96によって生成される。この報知部23の動作について、
図22を参照して説明する。
【0235】
図22(1)に示すように、一対のテープ保持部202が保持姿勢を取って部品収納テープ(
図22(1)では先行テープ100T1)を保持している状態において、導入検出部25、第1検出部26及び第2検出部27がテープを検出しているときには、一対のテープ保持部202に保持された先行テープ100T1は、第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作による送出が可能である。つまり、この状態では、先行テープ100T1は、第1スプロケット311のみならず、少なくとも第2スプロケット321と嵌合した状態である。
【0236】
この場合には、操作レバー203の操作領域部2031が操作されて一対のテープ保持部202の姿勢が保持姿勢から保持解除姿勢へ変更され、第1スプロケット311による送出力が付加されなくなったとしても、その先行テープ100T1に対する送出力は第2スプロケット321及び第3スプロケット331の連動動作によって付加される。そこで、レバー操作監視部96は、導入検出部25、第1検出部26及び第2検出部27によってテープが検出されている場合には、操作レバー203の操作を許可する操作許可情報を生成する。このレバー操作監視部96によって生成された操作許可情報は、報知部23に入力される。これにより、報知部23は、操作許可情報を報知する。オペレーターは、報知部23により報知された操作許可情報に基づいて、操作レバー203の操作が許可されている状態であることを認識することができる。
【0237】
一方、
図22(2)に示すように、一対のテープ保持部202が保持姿勢を取って部品収納テープ(
図22(2)では後続テープ100T2)を保持している状態において、少なくとも第1検出部26がテープを検出していないときには、一対のテープ保持部202に保持された後続テープ100T2は、第2スプロケット321に到達していないことになる。つまり、この状態では、後続テープ100T2は、第2スプロケット321と嵌合していない状態である。
【0238】
この場合には、操作レバー203の操作領域部2031が操作されて一対のテープ保持部202の姿勢が保持姿勢から保持解除姿勢へ変更され、第1スプロケット311による送出力が付加されなくなると、その後続テープ100T2に対して送出力を付加するスプロケットがなくなってしまう。そこで、レバー操作監視部96は、少なくとも第1検出部26によってテープが検出されていない場合には、操作レバー203の操作を不許可とする操作不許可情報を生成する。このレバー操作監視部96によって生成された操作不許可情報は、報知部23に入力される。これにより、報知部23は、操作不許可情報を報知する。オペレーターは、報知部23により報知された操作不許可情報に基づいて、操作レバー203の操作が許可されていない状態であることを認識することができる。
【0239】
なお、報知部23による情報の報知方式は、特に限定されるものではなく、多種多様の方式を採用することができる。例えば、報知方式としては、操作許可情報及び操作不許可情報の何れの情報であるかに応じて表示灯の点灯状況を切り替える(例えば、操作許可情報:点灯、操作不許可情報:消灯)方式、操作許可情報及び操作不許可情報を文字列として表示する方式、操作許可情報及び操作不許可情報を音声データとする方式などを採用することができる。
【0240】
以上、本発明の実施形態に係る部品供給装置及び部品実装機について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採ることができる。
【0241】
上記の実施形態においては、部品供給装置1の部品露出部6が、部品収納テープ100のカバーテープ102を切断するカバーテープ前処理部62を含む、カバーテープ切断方式の構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。部品供給装置1は、カバーテープ剥離方式の部品露出部を備えた構成であってもよい。カバーテープ剥離方式の部品露出部は、テープ走行路5上を走行する部品収納テープ100のカバーテープ102を、テープ幅方向一方側の接合部103を剥離して他方側の接合部103を起点として立ち上げ、テープ幅方向の外側へ広げるとともに下方側へ屈曲させて、部品収納部101a内において部品E2を露出させる。
【0242】
また、上記の実施形態においては、テープ幅が32mm以上の幅広の部品収納テープ100を用いて部品を供給する部品供給装置の構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。部品供給装置は、テープ幅が32mm未満の幅狭の部品収納テープを用いて部品を供給するように構成されていてもよい。
【0243】
幅狭の部品収納テープは、幅広の部品収納テープ100と同様に、キャリアテープとカバーテープとを含み、キャリアテープは部品を収納する部品収納部が所定の間隔をおいて複数配列されたテープである。また、キャリアテープには、その幅方向の一方側の端部のみに孔部が所定の間隔をおいて配列されている。
【0244】
幅広の部品収納テープ100を用いる上記の部品供給装置1に備えられるテープ送出機構3において、第1テープ送出部31、第2テープ送出部32及び第3テープ送出部33の各々は、一対のスプロケットを含んで構成される。これに対し、幅狭の部品収納テープを用いる部品供給装置に備えられるテープ送出機構において、第1テープ送出部、第2テープ送出部及び第3テープ送出部の各々は、部品収納テープに形成された孔部に対応する側のみに配置されたスプロケットを含んで構成される。部品供給装置に備えられる第1テープ送出部、第2テープ送出部及び第3テープ送出部の各々のスプロケットは、部品収納テープの孔部に歯部が嵌り込んだ状態で回転することにより、部品収納テープを送出する。
【0245】
また、上記の実施形態においては、部品供給装置1の部品露出部6が、第1スプロケット311と第2スプロケット321との間に配置される構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。部品露出部6は、第2スプロケット321と第3スプロケット331との間に配置されていてもよい。このような部品露出部6の配置構成であっても、上述の、第1スプロケット311による導入動作に関する制御と、第2,3スプロケット321,331による部品供給動作及び排出動作に関する制御とを実行することができる。
【0246】
また、上記の実施形態においては、第1検出部26が、部品取り出し位置21から上流側に、部品収納テープのトレーラ部に設定された基準長さL離れた位置に配置される構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。第1検出部26は、部品取り出し位置21から上流側に、切断片が回収経路内を正常に落下できる所定の許容長さ離れた位置に配置されていてもよい。
【0247】
また、上記の実施形態においては、部品収納テープ100の先端縁や後端縁を第1検出部26及び第2検出部27により検出し、その検出結果に基づいて、第1スプロケット311による第1導入動作に関する制御と、第2,3スプロケット321,331による第2導入動作及び排出動作に関する制御とを実行する構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。導入検出部25の通過後に第1エンコーダー317や第2エンコーダー327から出力されるエンコーダー信号に基づいて、部品収納テープ100の先端縁や後端縁の位置を検出し、その検出結果に基づき第1導入動作、第2導入動作及び排出動作に関する制御を実行するようにしてもよい。
【0248】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
【0249】
本発明の一の局面に係る部品供給装置は、部品を収納可能な部品収納部が所定の間隔をおいて複数配列された部品収納テープを用いて、前記部品を部品取り出し位置に供給する装置である。この部品供給装置は、前記部品収納テープの前記部品取り出し位置に至る通路であるテープ走行路と、前記部品収納テープを前記テープ走行路に導入し、前記部品取り出し位置へ向かうテープ送出方向に前記部品収納テープを送出するテープ導入送出機構と、前記テープ走行路上に配置され、前記テープ導入送出機構により前記テープ走行路に導入された前記部品収納テープを受け入れて、前記各部品収納部が順次前記部品取り出し位置を通過するように、前記テープ走行路に沿って前記部品収納テープを送出するテープ受入送出機構と、前記テープ導入送出機構及び前記テープ受入送出機構を制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記テープ受入送出機構によって送出されつつ前記部品取り出し位置にて部品の供給を先行して行う部品収納テープである先行テープの後端縁が、前記テープ受入送出機構よりも前記テープ送出方向上流側の第1位置を通過したときに、前記テープ導入送出機構による、前記先行テープに対して後続する部品収納テープである後続テープを前記テープ走行路に導入して前記テープ受入送出機構に向けて送出する第1導入動作を開始させ、前記先行テープの部品収納部内に収納されていた最後の部品が取り出されて前記先行テープが部品切れとなったことを判断した場合、前記先行テープの後端縁が前記第1位置と前記部品取り出し位置との間の第2位置を通過したことに基づいて、前記テープ導入送出機構による前記後続テープに対する前記第1導入動作の実行と同時に、前記テープ受入送出機構による、前記部品取り出し位置よりも前記テープ送出方向下流側へ前記先行テープを送出して排出する排出動作を実行させる。
【0250】
この部品供給装置によれば、テープ受入送出機構によって送出される先行テープの後端縁がテープ受入送出機構よりも上流側の所定の第1位置を通過したときに、テープ導入送出機構は、後続テープをテープ走行路に導入して送出する第1導入動作を開始する。そして、先行テープの後端縁が前記第1位置と部品取り出し位置との間の第2位置を通過したときに、テープ受入送出機構は、テープ導入送出機構による後続テープに対する第1導入動作と同時に、先行テープに対する排出動作を実行する。
【0251】
先行テープの部品切れ後において、テープ受入送出機構に向かう後続テープの送出と同時に先行テープの排出が実行されるので、先行テープの排出完了後に後続テープの部品取り出し位置へのローディングが開始される従来技術に比べて、先行テープにて最後に部品供給が行われてから後続テープからの部品供給が可能となるまでの時間待ちを可及的に短くすることができる。つまり、部品取り出し位置における部品供給の、先行テープから後続テープへの切替時間を可及的に短くすることができる。このため、部品供給装置による部品の供給効率の低下を抑制することができる。
【0252】
上記の部品供給装置において、前記制御部は、前記テープ受入送出機構による前記先行テープに対する前記排出動作の実行中において、前記テープ導入送出機構の前記第1導入動作によって前記後続テープの先端縁が前記テープ受入送出機構に到達した場合、前記後続テープにおいて部品が収納された先頭の部品収納部が前記部品取り出し位置に到達するように当該後続テープを送出する第2導入動作を、前記排出動作と同時に前記テープ受入送出機構に実行させる。
【0253】
この態様では、先行テープにて最後に部品供給が行われてから後続テープからの部品供給が可能となるまでの時間待ちを、より短くすることができる。
【0254】
上記の部品供給装置において、前記テープ導入送出機構は、前記部品収納テープを前記テープ走行路に導入して送出する第1テープ送出部を含む。前記テープ受入送出機構は、前記テープ走行路上において前記部品取り出し位置よりも前記テープ送出方向上流側に配置され、前記第1テープ送出部により送出された前記部品収納テープを受け入れて前記部品取り出し位置に向けて送出する第2テープ送出部と、前記第2テープ送出部の前記テープ送出方向下流側において前記部品取り出し位置に近設され、前記第2テープ送出部と連動して前記部品収納テープを送出する第3テープ送出部と、を含む。前記制御部は、前記第1テープ送出部の動作を制御することにより、前記後続テープに対する前記第1導入動作を前記第1テープ送出部に実行させ、前記第2テープ送出部及び前記第3テープ送出部の連動した動作を制御することにより、前記後続テープに対する前記第2導入動作を前記第2テープ送出部に実行させるとともに、前記先行テープに対する前記排出動作を前記第3テープ送出部に実行させる。
【0255】
また、上記の部品供給装置は、前記テープ走行路上に配置され、前記部品収納テープの有無を検出するテープ検出部であって、前記第2テープ送出部よりも前記テープ送出方向上流側の前記第1位置に配置される第1検出部と、前記第2テープ送出部と前記第3テープ送出部との間において前記第2位置に配置される第2検出部と、を更に備える構成であってもよい。そして、前記制御部は、前記第2テープ送出部及び前記第3テープ送出部の連動によって送出される前記先行テープの後端縁が前記第1検出部を通過したときに、前記第1テープ送出部による前記後続テープに対する前記第1導入動作を開始させ、前記先行テープの後端縁が前記第2検出部を通過したことに基づいて、前記第1テープ送出部による前記後続テープに対する前記第1導入動作の実行と同時に、前記第3テープ送出部による前記先行テープに対する前記排出動作を実行させる。また、前記制御部は、前記第3テープ送出部による前記先行テープに対する前記排出動作の実行中において、前記第1テープ送出部の前記第1導入動作によって前記後続テープの先端縁が前記第2テープ送出部に到達した場合、前記第2テープ送出部による前記後続テープに対する前記第2導入動作を、前記第3テープ送出部による前記先行テープに対する前記排出動作と同時に実行させる。
【0256】
この態様では、先行テープの後端縁が第1検出部を通過したときに、第1テープ送出部は、後続テープに対する前記第1導入動作を実行する。そして、先行テープの後端縁が第2検出部を通過したときに、第2テープ送出部が後続テープに対する前記第2導入動作を実行し、第3テープ送出部が先行テープに対する前記排出動作を実行する。ここで、第2テープ送出部と第3テープ送出部とは、テープ送出動作が連動しているので、後続テープに対する前記第2導入動作と先行テープに対する前記排出動作とを、より確実に同時に実行することができる。
【0257】
上記の部品供給装置において、前記部品収納テープは、後端縁から所定の基準長さの範囲内で部品が収納されていない空の部品収納部が配置されているか、又は前記空の部品収納部が配置されていない第1部品収納テープを含む。前記第1検出部は、前記部品取り出し位置から前記テープ送出方向の上流側に前記基準長さ離れた位置に配置される。前記第1テープ送出部が実行する前記第1導入動作は、前記先行テープが前記第1部品収納テープである場合には、前記先行テープの後端縁が前記第1検出部を通過したときに前記後続テープを前記第2テープ送出部に向けて送出する第1送出動作と、前記後続テープの先端縁が前記第1検出部よりも前記テープ送出方向上流側の所定位置に到達したときに当該後続テープの送出を一旦停止して待機させる待機動作と、前記先行テープの後端縁が前記第2検出部を通過したときに前記後続テープの先端縁が前記第1検出部を通過して前記第2テープ送出部に到達するまで当該後続テープを送出する第2送出動作と、を含む。
【0258】
第1テープ送出部による後続テープに対する前記第1導入動作は、先行テープの後端縁が第1検出部又は第2検出部を通過することに応じて制御され、先行テープとして、その後端部において空の部品収納部が配置された領域部分の長さが基準長さの範囲内となる比較的短い第1部品収納テープを用いた場合には、第1送出動作、待機動作及び第2送出動作を含む。第1送出動作において第1テープ送出部は、先行テープの後端縁が第1検出部を通過したときに後続テープを第2テープ送出部に向けて送出する。ここで、第1検出部は、部品取り出し位置から上流側に、部品収納テープの後端部に設定された前記基準長さ離れた位置に配置されている。このため、先行テープの後端縁が第1検出部を通過したときに後続テープを送出するという第1テープ送出部による第1送出動作が開始されたときには、先行テープの後端部における空の部品収納部が部品取り出し位置に到達しておらず、先行テープが部品切れとはなっていない。従って、この時点では、先行テープを用いた部品供給の可能な状態が継続されている。
【0259】
そこで、第1送出動作に続く待機動作において第1テープ送出部は、後続テープの先端縁が第1検出部よりも上流側の所定位置に到達したときに当該後続テープの送出を一旦停止して待機させる。これにより、先行テープを用いた部品取り出し位置への部品の供給が継続している間に、後続テープの先端縁と先行テープの後端縁との間の離間距離が可及的に短くなるように、後続テープを待機させることができる。このため、先行テープが部品切れとなったときに、部品取り出し位置における部品供給の、先行テープから後続テープへの切替時間を可及的に短くすることができる。
【0260】
そして、待機動作に続く第2送出動作において第1テープ送出部は、先行テープの後端縁が第2検出部を通過したときに、後続テープの先端縁が第1検出部を通過して第2テープ送出部に到達するまで当該後続テープを送出する。先行テープの後端縁が第2検出部を通過したときには、当該先行テープの後端縁は第2テープ送出部を通過している。このように、先行テープの後端縁が第2テープ送出部を通過した後に、第1テープ送出部の第2送出動作によって後続テープの先端縁が第2テープ送出部に到達することになる。先端縁が第2テープ送出部に到達した後続テープは、第2テープ送出部の第2導入動作によって部品取り出し位置への送出が可能となる。
【0261】
なお、第1テープ送出部の待機動作中において、後続テープは、その先端縁が第1検出部よりも上流側の所定位置に位置するように待機している。この状態では、第1検出部はテープを検出していない状態であり、第2検出部は先行テープを検出している状態である。これにより、第1テープ送出部による送出が可能な状態の後続テープと、第2テープ送出部及び第3テープ送出部による送出が可能な状態の先行テープとの、2種の部品収納テープがテープ走行路上に存在していることを、第1検出部及び第2検出部のテープ検出結果に基づき把握することができる。このように、先行テープと後続テープの双方のテープの存在を把握可能としているのは、第1テープ送出部の待機動作中において第1検出部がテープを検出していない状態とされているからである。
【0262】
例えば、後続テープの先端縁が第1検出部を通過した状態で待機された場合において、停電等により部品供給装置の電源遮断及び再通電が行われたことを想定すると、第1検出部及び第2検出部の双方がテープを検出している状態となる。この状態が、先行テープのみを検出した状態であるのか、先行テープ及び後続テープの双方のテープを検出した状態であるのかを、区別することはできない。これに対し、第1テープ送出部の待機動作中において第1検出部がテープを検出していない状態とすることによって、停電等により部品供給装置の電源遮断及び再通電が行われたとしても、先行テープ及び後続テープの双方のテープがテープ走行路上に存在していることを把握することができる。
【0263】
上記の部品供給装置において、前記部品収納テープは、後端縁から前記基準長さの範囲を超えて前記空の部品収納部が配置された、前記第1部品収納テープとは異なる第2部品収納テープを含む。前記第1テープ送出部が実行する前記第1導入動作は、前記先行テープが前記第2部品収納テープである場合には、前記待機動作が省略されて前記第1送出動作と前記第2送出動作とが連続した動作である。
【0264】
第1テープ送出部による後続テープに対する前記第1導入動作は、先行テープとして、その後端部において空の部品収納部が配置された領域部分の長さが基準長さの範囲を超えて比較的長い第2部品収納テープを用いた場合には、待機動作が省略されて第1送出動作と第2送出動作とが連続した動作とされる。第1送出動作において第1テープ送出部は、先行テープの後端縁が第1検出部を通過したときに後続テープを第2テープ送出部に向けて送出する。第2部品収納テープを先行テープとして用いた場合には、第1テープ送出部による第1送出動作が開始されたときには、先行テープの後端部における空の部品収納部が部品取り出し位置に到達しており、先行テープが部品切れとなっている。このため、第1テープ送出部が後続テープを送出するときに、一旦待機させる必要はなく、待機動作を省略し、第1送出動作から第2送出動作へ連続的に移行する。第2送出動作において第1テープ送出部は、先行テープの後端縁が第2検出部を通過したときに、後続テープの先端縁が第2テープ送出部に到達するまで当該後続テープを送出する。先端縁が第2テープ送出部に到達した後続テープは、第2テープ送出部の第2導入動作によって部品取り出し位置への送出が可能となる。
【0265】
上記の部品供給装置において、前記制御部は、前記先行テープが部品切れとなったことを判断した場合に、前記排出動作に先立って、当該先行テープを所定の許容長さ毎に間欠的に送出する排出準備動作を、前記第3テープ送出部に実行させる。前記部品取り出し位置よりも前記テープ送出方向下流側へ排出された前記先行テープの先端部分は、前記部品供給装置の下方側に配置されたテープ切断装置の切断動作によって切断される。そして、前記第3テープ送出部の前記排出準備動作は、前記テープ切断装置の前記切断動作と連動している。
【0266】
部品取り出し位置よりも下流側へ排出された先行テープの先端部分は、部品供給装置の下方側に配置されたテープ切断装置によって短冊状に切断される。テープ切断装置によって切断された切断片は、所定の回収経路内を落下して回収ボックスにて回収される。このとき、切断片の長さが、所定の許容長さよりも長くなった場合、前記回収経路内を正常に落下せず、途中で引っ掛かりが発生し、前記回収経路を塞ぐ原因となり得る。
【0267】
そこで、第3テープ送出部は、先行テープに対する排出動作に先立って、排出準備動作を実行する。この排出準備動作において第3テープ送出部は、先行テープの後端縁が第2検出部を通過するまで当該先行テープを前記所定の許容長さ毎に間欠的に送出する。更に、第3テープ送出部によって実行される排出準備動作は、テープ切断装置の切断動作と連動している。これにより、テープ切断装置によって切断された切断片の長さが、前記所定の許容長さよりも長くなることを防止することができる。このため、切断片は前記回収経路内を正常に落下し、途中で引っ掛かりが発生することを可及的に防止することができる。
【0268】
上記の部品供給装置において、前記テープ導入送出機構は、前記第1テープ送出部による送出が可能となるように前記部品収納テープを保持する保持姿勢と、前記部品収納テープの保持を解除する保持解除姿勢との間での姿勢変更が可能なテープ保持部と、前記テープ保持部を姿勢変更させる操作力が付与される操作レバーと、前記テープ保持部が前記保持姿勢を取った状態において、前記テープ保持部を前記保持解除姿勢に姿勢変更させる前記操作レバーの操作を許可するか否かを表す情報を報知する報知部と、を更に含む。前記報知部は、前記第1検出部によって前記部品収納テープが検出されている場合には前記操作レバーの操作を許可する操作許可情報を報知し、前記第1検出部によって前記部品収納テープが検出されていない場合には前記操作レバーの操作を不許可とする操作不許可情報を報知する。
【0269】
テープ保持部が保持姿勢を取って部品収納テープを保持している状態において、第1検出部が部品収納テープを検出しているときには、当該テープ保持部に保持された部品収納テープは、第2テープ送出部及び第3テープ送出部の連動動作による送出が可能である。この場合には、操作レバーの操作によってテープ保持部の姿勢が保持姿勢から保持解除姿勢へ変更され、第1テープ送出部による送出力が付加されなくなったとしても、その部品収納テープに対する送出力は第2テープ送出部及び第3テープ送出部の連動動作によって付加される。そこで、報知部は、第1検出部によって部品収納テープが検出されている場合には操作レバーの操作を許可する操作許可情報を報知する。オペレーターは、報知部により報知された操作許可情報に基づいて、操作レバーの操作が許可されている状態であることを認識することができる。
【0270】
一方、テープ保持部が保持姿勢を取って部品収納テープを保持している状態において、第1検出部が部品収納テープを検出していないときには、当該テープ保持部に保持された部品収納テープは、第2テープ送出部に到達していないことになる。この場合には、操作レバーの操作によってテープ保持部の姿勢が保持姿勢から保持解除姿勢へ変更され、第1テープ送出部による送出力が付加されなくなると、その部品収納テープに対して送出力を付加する送出部がなくなってしまう。そこで、報知部は、第1検出部によって部品収納テープが検出されていない場合には操作レバーの操作を不許可とする操作不許可情報を報知する。オペレーターは、報知部により報知された操作不許可情報に基づいて、操作レバーの操作が許可されていない状態であることを認識することができる。
【0271】
本発明の他の局面に係る部品実装機は、上記の部品供給装置と、前記部品供給装置における前記テープ受入送出機構の送出によって部品の供給を先行して行う前記先行テープが、部品切れであるかを判定する部品切れ判定部と、前記部品供給装置によって前記部品取り出し位置に供給された部品を取り出すヘッドユニットと、を備える。
【0272】
この部品実装機によれば、部品収納テープに収納された部品を、部品取り出し位置に対して効率良く供給することが可能な部品供給装置を備えている。このため、部品実装機による部品搭載基板の生産効率の低下を可及的に抑止することができる。
【0273】
以上説明した通り、本発明によれば、部品収納テープに収納された部品を部品取り出し位置に供給する部品供給装置において、部品を効率良く供給することが可能な部品供給装置、及びこれを備えた部品実装機を提供することができる。
【符号の説明】
【0274】
1 部品供給装置
2 装置本体
21 部品取り出し位置
22 操作部
23 報知部
24 セット検出部
25 導入検出部
26 第1検出部
27 第2検出部
3 テープ送出機構
31 第1テープ送出部(テープ導入送出機構)
32 第2テープ送出部(テープ受入送出機構)
33 第3テープ送出部(テープ受入送出機構)
4 テープ走行路形成部
5 テープ走行路
9 制御部
91 通信部
94 第1送出処理部
95 第2送出処理部
10 部品実装機
14 ヘッドユニット
18 テープ切断装置
19 部品切れ判定部
100 部品収納テープ
200 テープ導入送出機構
202 テープ保持部
203 操作レバー