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  • 特許-バルーン型開創装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】バルーン型開創装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/02 20060101AFI20220721BHJP
   A61M 25/10 20130101ALI20220721BHJP
【FI】
A61B17/02
A61M25/10 520
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020545625
(86)(22)【出願日】2018-08-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-17
(86)【国際出願番号】 CN2018103279
(87)【国際公開番号】W WO2019165772
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2020-10-23
(31)【優先権主張番号】201810165074.9
(32)【優先日】2018-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520327995
【氏名又は名称】上海科▲賜▼医▲療▼技▲術▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI KECI MEDICAL TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】3rd Floor, Building 3, No. 55 Rongyang Rd, Songjiang District Shanghai 201613 (CN)
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100217412
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 亜子
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼智超
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼▲伝▼海
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/160589(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0135799(US,A1)
【文献】国際公開第2014/096370(WO,A2)
【文献】中国特許出願公開第105208972(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/02
A61M 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コアチューブと、コアチューブにより流体を充填/排出可能なバルーンとを含むバルーン型開創装置であって、バルーンは、流体が充填された後にバルーンの他の部分よりも大きくなることによりバルーン全体が湾曲を形成するいくつかの膨張セクションを含み、前記コアチューブの両端は、展延性の低い糸状材料を介して接続され、糸状材料の一端がコアチューブの遠位端付近に固定され、他端がコアチューブの近位端付近に固定されることを特徴とする、バルーン型開創装置。
【請求項2】
前記コアチューブは、湾曲可能で、その中にいくつかの空洞を有する長尺物であることを特徴とする、請求項1に記載のバルーン型開創装置。
【請求項3】
前記コアチューブの表面は、少なくとも1つの孔を有するか、又は各膨張セクションに対して対応する孔を有することを特徴とする、請求項1に記載のバルーン型開創装置。
【請求項4】
前記バルーンは、コアチューブに巻き付けられるか又は付着することを特徴とする、請求項1に記載のバルーン型開創装置。
【請求項5】
前記バルーンの軸心は、いずれもコアチューブの軸心の一側にあることを特徴とする、請求項1に記載のバルーン型開創装置。
【請求項6】
前記コアチューブは、それぞれがいくつかの膨張セクションに対する流体の充填/排出を個別に制御するいくつかの独立したコアチューブであってもよく、各ルーメンがいくつかの膨張セクションに対する流体の充填/排出を個別に制御する1つのマルチルーメンチューブであってもよいことを特徴とする、請求項1に記載のバルーン型開創装置。
【請求項7】
前記コアチューブには、それぞれが複数の膨張セクションを有することにより、個別に湾曲することができるいくつかのバルーンがあることを特徴とする、請求項1に記載のバルーン型開創装置。
【請求項8】
記膨張セクションの長さは、その未膨張状態での外径よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載のバルーン型開創装置。
【請求項9】
記膨張セクション間の隣接間隔は、膨張セクションの長さの0.2倍よりも小さいことを特徴とする、請求項1に記載のバルーン型開創装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器の分野に関し、特にバルーン型開創装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
開創器(retractors)は、牽引フックとも呼ばれ、探査及び操作を容易に行うように組織を開創して手術範囲を露出させるためのものであり、手持ち式牽引フックと自動牽引フックという2種類に分けられる。様々な異なる形状及び大きさの仕様があり、手術の必要に応じて適切な牽引フックを選択することができる。
【0003】
従来の開創器は、大きな操作スペースを必要とするため、大きな手術創を必要とするようになる。また、従来の開創器は、金属で製造される場合が多いとともに、鋭い端があるため、患者の二次損傷を引き起こしやすく、重要な臓器組織を損傷しやすい。
【0004】
カテーテル型開創器は、手術中の組織開創に用いられ、上記製品は、自然開口部介入又は開放手術介入により開創操作を完了する。手術は、様々な腹腔鏡手術、心血管手術、脳部手術、消化管手術、泌尿器疾患手術などを含むが、これらに限定されず、開創される組織は、胃腸、食道、気道、尿道、膣、膀胱などを含むが、これらに限定されない。開創の目的は、特定の組織を保護し、特定の組織を移動して手術操作を容易にすることを含むが、これらに限定されない。
【0005】
図1に示すバルーンカテーテル型開創器は、一端にガスバルブを有するカテーテル5と、カテーテル5の外周に設けられたバルーン4とを含み、カテーテル内に1つまたは複数の空洞が設けられ、バルーン内のカテーテル部でガス充填又はガス排出を行い、該バルーン4は、ガスが充填されると、一側に向かって湾曲する。該バルーン4の材料は非順応性であり、両端3はレーザ溶接によりカテーテル5に封止される。
【0006】
しかし、図1に示す湾曲バルーンは、単一のバルーンを用い、このため、バルーンの材料及び湾曲度に対して高い要件がなされており、バルーンの材料を正確に計算して試験してこそ特定の手術の開創距離要件を満たすことができる。これにより、このような湾曲バルーンの製造が困難になり、高い技術的要件がなされている。幾つかの特定の手術では、単一のバルーンの湾曲度は手術に必要な開創距離を実現できない可能性がある。
【0007】
したがって、膨張して自然に湾曲する湾曲バルーンをどのように製造するかは、該発明を実現するポイントである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題に基づいて、自然開口部介入又は開放手術介入の開創操作のために湾曲バルーンを提供して、従来のカテーテル型開創器の構造が複雑で操作しにくく、製品の直径が大きく、狭くて構造が複雑な空洞を通過することができず、かつ開創強度を正確に制御することができず、信頼性が高くないなどの問題を解決することを目的とし、本発明は、簡単で確実であり、大きい距離の開創を実現するとともに正確に調整することができるバルーン型開創装置を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係るバルーン型開創装置は、コアチューブと、コアチューブにより流体を充填/排出可能なバルーンとを含むバルーン型開創装置であって、バルーンは、流体が充填された後にバルーンの他の部分よりも大きくなることによりバルーン全体が湾曲を形成するいくつかの膨張セクションを含むことを特徴とする。
【0010】
前記コアチューブは、湾曲可能で、その中にいくつかの空洞を有する長尺物である。コアチューブの表面は、少なくとも1つの孔を有するか、又は各膨張セクションに対して対応する孔を有する。バルーンは、コアチューブに巻き付けられるか又は付着する。バルーンの軸心は、いずれもコアチューブの軸心の一側にある。コアチューブは、それぞれがいくつかのバルーン膨張セクションに対する流体の充填/排出を個別に制御するいくつかの独立したコアチューブであってもよく、各ルーメンがいくつかのバルーン膨張セクションに対する流体の充填/排出を個別に制御する1つのマルチルーメンチューブであってもよい。
【0011】
コアチューブには、それぞれが複数の膨張セクションを有することにより、個別に湾曲することができるいくつかのバルーンがあってもよい。バルーンの両端は、展延性の小さい糸状材料を介して接続される。
【0012】
バルーンの推奨パラメータは、以下のいずれか一組又は複数組であってもよい。バルーン膨張セクションの長さは、その未膨張状態での外径よりも大きい。バルーン膨張セクション間の隣接間隔は、膨張セクションの長さの0.2倍よりも小さい。
【0013】
膨張して自然に湾曲する湾曲バルーンをどのように製造するかは、バルーンの開創を実現する肝心な問題である。この目的を達成するために、本発明に係るバルーン型開創装置の製造方法は、接合金型により材料をバルーン成形機でバルーンに成形するステップと、冷却後に脱型してバルーンを取り出すステップと、空洞コアチューブを形成し、かつコアチューブに穿孔するステップと、バルーンを所定の位置に配置し、溶接又は接着方法を用いてコアチューブに固定するステップとを含む。
【0014】
金型は、2つの部分に分けられ、2つの金型が接合した後に、内部空洞の形状がバルーンの最終的な外側輪郭と一致する。冷却は、環境温度と一致するまでの外部水冷による冷却である。コアチューブは、押出機により押し出されて、シングルルーメンチューブ又はマルチルーメンチューブを形成する。
【0015】
該製造方法は、バルーンをコアチューブに固定した後、展延性の小さい糸状材料の一端をコアチューブの遠位端付近に固定し、他端をコアチューブの近位端付近に固定して、糸状材料とコアチューブを接着することをさらに含む。
【0016】
糸状材料は、展延しにくい金属、即ちモジュラスの大きい金属であってよい。好ましくは、金属線の両端は、コアチューブの遠位端付近、即ちバルーンの遠位端と、コアチューブの近位端付近、即ちバルーンの近位端とに固定される。
【0017】
コアチューブに固定されたバルーンは1つまたは複数であり、複数のバルーンの場合、コアチューブは、マルチルーメンチューブ又は複数のシングルルーメンチューブの組み合わせであり、各バルーンは、コアチューブの対応する位置に、コアチューブに流体を充填/排出するための少なくとも1つの孔を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、簡単で確実であり、大きい距離の開創を実現するとともに正確に調整することができるバルーン型開創装置を実現する。
【0019】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確かつ分かりやすくするために、以下、好ましい実施例を挙げて図面を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の具体的な実施形態又は従来技術における技術手段をより明確に説明するために、以下、具体的な実施形態又は従来技術の記載に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下に説明される図面は、本発明のいくつかの実施形態であり、当業者であれば、創造的な労力を行わない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0021】
図1】従来のバルーン型開創装置の概略図である。
図2】本発明に係るバルーン型開創装置の概略図である。
図3】本発明に係る、流体が充填されているバルーン型開創装置の概略図である。
図4】本発明に係るバルーン型開創装置の断面図である。
図5】本発明に係るバルーン型開創装置の断面の一部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術手段を明確かつ完全的に説明する。明らかに、説明される実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、全てではない。一般的には、本明細書に説明され示される本発明の実施例の構成要素は、様々な構成で配置され設計されてよい。したがって、以下に図面に提供される本発明の実施例の詳細な説明は、特許請求される本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の選択された実施例のみを表すものである。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を行わない前提で得られる他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0023】
従来技術に存在する、バルーンの湾曲度が十分ではなく、かつ様々な手術における開創変位を満たすために正確に湾曲することができないという問題に対して、本発明は、直列に接続され、各々に流体が充填された後に膨張し、押圧して湾曲する複数の膨張セクションをバルーンに形成するという考え方を提案する。1つのバルーンの場合、全体が満たされた後、膨張セクションと非膨張セクションの両方が膨張する。膨張セクションと非膨張セクションが互いに押圧され、また、偏心のため、バルーンが所在する軸線全体が伸び、コアチューブが所在する軸線が小さく伸びることにより、湾曲が生じる。
【0024】
複数のバルーンがある態様では、膨張したバルーン同士が互いに押圧されて、全体が湾曲するが、このような湾曲態様では、バルーン間の窪みの剛性が低いため、外部干渉の影響を受けて容易にまっすぐになる。このような複数のバルーンを用いて、より大きな湾曲を実現したり、異なる形状の湾曲を実現したりすることもできる。
【0025】
以下、本発明をさらに詳細に説明することにより、当業者であれば、明細書の文字を参照して実施することができる。
【0026】
まず、図2を参照すると、図2は、本発明に係るバルーン型開創装置の概略図である。
【0027】
図2に示すバルーン型開創装置は、主に、コアチューブ11とコアチューブ11に巻き付けられるバルーン12という2つの部分で構成される。バルーン12は、いくつかの膨張セクション13を含み、これらの膨張セクション13の間には、複数の非膨張部がある。バルーン12は、コアチューブ11の中後端に位置する。コアチューブ11は、中空ルーメンを有するチューブである。患者の体内に挿入され、バルーン12により開創される必要があるため、コアチューブ11は、一般的には、生体適合性に優れ、湾曲しやすい長尺状のプラスチック又はプラスチックチューブである。コアチューブ11は、バルーン12に対して流体を充填/排出することができる。図2は、流体が充填されていない状態を示し、該状態では、膨張セクション13は、まだ膨張しておらず、非膨張セクションよりも僅かに大きい。
【0028】
膨張セクション13は、流体が充填された後にバルーン12の他の部分よりも大きくなり、各膨張セクション13は、流体が充填された後に非膨張セクションと互いに押圧されることによりバルーン12全体が湾曲を形成する。図3を参照すると、図3は、本発明に係る、流体が充填されているバルーン型開創装置の概略図である。図3において、バルーン12の各膨張セクション13は、流体が充填されて膨張して、互いに押圧されて湾曲した輪郭を形成する。バルーン12の軸心とコアチューブ11の軸心が重ならず、各膨張セクション13の軸心がいずれもコアチューブ11の一側に位置するため、各膨張セクション13は、流体が充填された後に湾曲度を累積し、即ち膨張セクション13が多く、長く、コアチューブ11の軸心から遠く離れるほど、累積された湾曲度が大きくなり、開創距離も大きくなる。したがって、膨張セクション13の長さ、個数、偏心度を制御することにより、開創程度を推定して模擬することができて、大きい開創距離範囲を実現するとともに、開創部位及び距離を正確に微調整することができる。
【0029】
別のいくつかの実施例では、コアチューブ11には、複数のバルーン12があってもよく、各バルーン12は、複数の膨張セクション13を有するため、一部のコアチューブ11の湾曲形状を個別に制御することができる。
【0030】
次に、図4及び図5を参照すると、図4は、本発明に係るバルーン型開創装置の断面図であり、図5は、本発明に係るバルーン型開創装置の断面の一部拡大図である。図4及び図5から分かるように、コアチューブ11の、表面がバルーン12により巻き付けられる部分に孔14があるか、又は各膨張セクション13に対して対応する孔14がある。コアチューブ11は、それぞれが単一のバルーン12の膨張セクション13に対する流体の充填/排出を個別に制御する複数の独立したコアチューブ11であってもよく、各ルーメンが単一のバルーン12の膨張セクション13に対する流体の充填/排出を個別に制御する1つのマルチルーメンチューブであってもよい。ここでのバルーン12の膨張セクション13は、非膨張セクションを介して互いに連通してもよく、複数の独立した小さい膨張バルーンで構成されたり、各非膨張部を締めたりする、それぞれが独立して互いに連通しない膨張部であってもよい。バルーンの両端は、展延性の小さい糸状材料15を介して接続される。糸状材料15は、図5のようにコアチューブ11のルーメン内に設けられてもよく、コアチューブの外面に設けられてもよい。糸状材料15は、バルーン12の膨張時に、対応する部分のコアチューブを引き延ばして湾曲度を低減し、コアチューブを変形させることがないように、モジュラスの大きい金属材料、例えば金属で構成される。
【0031】
バルーン12の膨張セクション13の長さは、その未膨張状態での外径よりも大きい。バルーン12の膨張セクション13間の隣接間隔は、膨張セクション13の長さの0.2倍よりも小さい。
【0032】
実際の使用において、満たされていない状態では、バルーン型開創装置が患者の開口部(低侵襲性開口部又は自然開口部)内に進入し、先に一部の流体を充填し(好ましくは、内部圧力を1~4気圧の間にする)、遠位端のバルーン12に視認可能な湾曲が発生し、現像装置により定位し、装置の角度及び位置が所望の状態になるようにハンドルを回転しながら押す。そして、液体を継続的に充填し(好ましくは、装置の内部圧力を4~6気圧の間にする)、バルーン12の最大限の湾曲を維持することにより、標的組織を開創するという目的を達成する。
【0033】
ガスが充填されたら自然に湾曲する湾曲バルーンをどのように製造するかは、バルーンの開創を実現する肝心な問題である。この目的を達成するために、本発明に係るバルーン型開創装置の製造方法は、以下のステップを含む。
【0034】
以下は、このようなバルーンの製造方法である。
【0035】
単一のバルーンの場合、熱可塑性高分子材料を選択し、溶融した後に材料チューブを押し出して成形する。バルーン成形金型をフライス削り、金型を2つの部分に分け、2つの金型が接合した後に、内部空洞の形状がバルーン12の最終的な外側輪郭と一致する。接合後の金型をバルーン成形機に配置し、材料チューブを空洞内に入れる。成形温度、成形用内部圧力及び引張速度を設定し、材料チューブを引っ張って膨張させて、材料チューブ外壁を最終的に金型の空洞内壁に貼り付け、材料チューブを金型の空洞内壁全体に完全に貼り付けた後、成形圧力を維持するとともに、環境温度と一致するまで外部水冷によって冷却し始める。その後、離型し、金型を取り外し、2つの金型を改めて分けて成形済のバルーン12を取り出す。このとき、バルーン12は、金型の形状に基づいて、膨張セクション13部分及び非膨張セクション部分を既に有する。膨張部と非膨張部が分けられなくてもよく、その後にバルーン12を所定の位置に配置した後、非膨張部を大幅に膨張させないように拘束する。コアチューブ11を押し出し、熱可塑性高分子材料を選択し、溶融した後に押し出して、シングルルーメンチューブ又はマルチルーメンチューブを形成する。バルーン12の所定の位置に従って、カテーテル穿孔機を用いてコアチューブ11に小さい孔14を開ける。バルーン12を所定の位置に配置し、溶接又は接着方法を用いてコアチューブ11に固定する。糸状材料15の使用が考えられる場合、糸状材料15は、展延性が小さい(モジュラスが大きい)金属線であるべきであり、一端をコアチューブ11の遠位端付近(好ましくは、バルーン12の遠位端)に固定し、他端をコアチューブ11の近位端付近(好ましくは、バルーン12の近位端)に固定し、接着剤を用いて糸状材料15とコアチューブ11を接着する。
【0036】
複数のバルーンの場合、製造方法は以下のとおりである。まず、同様に熱可塑性高分子材料を選択し、溶融した後に材料チューブを押し出して成形する。バルーン成形金型をフライス削り、金型を2つの部分に分け、2つの金型が接合した後に、内部空洞の形状が単一のバルーン12の最終的な外側輪郭と一致する。接合後の金型をバルーン成形機に配置し、材料チューブを空洞内に入れる。成形温度、成形用内部圧力及び引張速度を設定し、材料チューブを引っ張って膨張させて、材料チューブ外壁を最終的に金型の空洞内壁に貼り付け、材料チューブを金型の空洞内壁全体に完全に貼り付けた後、成形圧力を維持するとともに、環境温度と一致するまで外部水冷によって冷却し始める。その後、離型し、金型を取り外し、2つの金型を改めて分けて成形済のバルーン12を取り出す。このとき、バルーン12は、金型の形状に基づいて、膨張セクション13部分及び非膨張セクション部分を既に有する。膨張部と非膨張部が分けられなくてもよく、その後にバルーン12を所定の位置に配置した後、非膨張部を大幅に膨張させないように拘束する。コアチューブ11を押し出し、熱可塑性高分子材料を選択し、溶融した後に押し出して、マルチルーメンチューブを形成し、ルーメンの数が必要なバルーン12の数以上である。バルーン12の所定の位置に従って、カテーテル穿孔機を用いてマルチルーメンチューブに孔14を開け、孔14の数は、使用されるバルーンの数と一致し、隣接する2つの孔14の軸方向距離は、バルーン12の長さよりも僅かに大きくすべきであり、好ましくは、この距離は、バルーン12の長さと所定のバルーン12間の隙間との和よりも大きい。複数のバルーン12を所定の位置に配置し、それぞれ溶接又は接着方法を用いてコアチューブ11に固定する。
【0037】
該製造方法は、バルーンをコアチューブに固定した後、糸状材料15の一端をコアチューブ11の遠位端付近に固定し、他端をコアチューブ11の近位端付近に固定し、次に糸状材料15とコアチューブ11を接着することをさらに含む。
【0038】
本発明の実施形態は、以上に説明されたが、明細書及び実施形態に挙げられたものに限定されるものではない。それは、本発明に適する様々な分野に完全に適用することができる。当業者であれば、他の修正を容易に実現することができる。したがって、請求項及びその均等の範囲によって規定される一般的な概念から逸脱することなく、本発明は、特定の詳細及びここに示されて説明された示例に限定されるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5