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特許7108730トラックとドライビング道路建設車両との間で接触しない材料移送
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】トラックとドライビング道路建設車両との間で接触しない材料移送
(51)【国際特許分類】
   E01C 19/48 20060101AFI20220721BHJP
【FI】
E01C19/48 A
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021030002
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2021134657
(43)【公開日】2021-09-13
【審査請求日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】20159469.4
(32)【優先日】2020-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596068349
【氏名又は名称】ヨゼフ フェゲーレ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】イェンス・ホルフェルダー
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-190228(JP,A)
【文献】特開2002-173908(JP,A)
【文献】特開2020-023869(JP,A)
【文献】特開2019-203374(JP,A)
【文献】特開平10-207544(JP,A)
【文献】特開平03-199508(JP,A)
【文献】実開平04-122706(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2019/0377363(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0248265(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0170415(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0296867(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0060126(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01C 19/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラック(1)と舗装方向に沿って駆動中の道路建設車両との間で材料を移送する方法であって、
前記道路建設車両は、路面仕上げ機(3)、または路面仕上げ機用のフィーダ(43)であり、
距離制御システムの装置によって、前記舗装方向に沿って駆動中の道路建設車両と前記道路建設車両の前で運転するトラック(1)との間の距離は、前記道路建設車両と接触させずに、一定に維持され、
材料は前記トラック(1)の装填室(17)から前記道路建設車両の材料ホッパ(9、41)の中に投下され、その間、前記舗装方向に沿って駆動中の道路建設車両と前記トラック(1)との間の前記距離は一定に維持される、方法。
【請求項2】
前記トラック(1)は、材料移送中に、それ自体のトラベル駆動(19)によって駆動される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記距離制御システムは、前記舗装方向に沿って駆動中の道路建設車両と前記道路建設車両の前で運転する前記トラック(1)との間の前記距離を決定するセンサ装置を備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記センサ装置は、前記道路建設車両に設けられる距離センサ(15)を備える、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記センサ装置は、前記トラック(1)に設けられる距離センサ(15)を備える、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記距離制御システムは、前記トラック(1)の速度についての制御命令を生成する、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記距離制御システムは、前記舗装方向に沿って駆動中の道路建設車両と前記トラック(1)との間の前記距離を一定に維持するように前記トラック(1)のトラベル駆動(19)および/またはブレーキ(21)を自動制御する制御ユニット(27、33)を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
距離制御のための情報は、前記道路建設車両から前記トラック(1)へ無線で送信される、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記トラック(1)の操縦は、前記トラック(1)の運転手によって行われる、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記距離制御システムは、前記舗装方向に沿って駆動中の道路建設車両と前記道路建設車両の前で運転する前記トラック(1)との間の前記距離を、前記トラック(1)のタイプおよび/または前記道路建設車両のタイプに基づいてルックアップテーブルから選択される値に制御する、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記トラック(1)の前記装填室(17)の傾斜機能は、前記道路建設車両から遠隔制御される、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記トラック(1)の前記装填室(17)の前記傾斜機能は、前記道路建設車両の運転手によって手動で遠隔制御される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記材料ホッパ(9、41)の充填レベルを決定する充填レベルセンサ(31)は、前記道路建設車両に設けられ、前記トラック(1)の前記装填室(17)の前記傾斜機能は、前記充填レベルセンサ(31)の出力に基づいて自動で遠隔制御される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
舗装方向に沿って駆動中の道路建設車両と前記道路建設車両の前で運転するトラック(1)との間の距離を、前記トラック(1)と前記道路建設車両との間の材料移送中に前記道路建設車両と接触させずに、一定に維持する距離制御システムの使用であって、前記道路建設車両は、路面仕上げ機(3)または路面仕上げ機用のフィーダ(43)である、使用。
【請求項15】
前記距離制御システムは、前記舗装方向に沿って駆動中の道路建設車両と前記道路建設車両の前で運転する前記トラック(1)との間の前記距離を決定するセンサ装置を備える、請求項14に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックとこのトラックの背後で駆動する路面仕上げ機、またはトラックの背後で駆動する路面仕上げ機のためのフィーダとの間で材料を移送することに関する。
【背景技術】
【0002】
均一で良好な舗装成果を実現するために、路面仕上げ機は、道路表面の舗装中に停止されるべきではない。好ましくは、道路表面は、1回の作業で舗装されるべきである。しかしながら、路面仕上げ機の材料ホッパは、舗装材料を受け入れる限られた能力をわずかに有するだけなので、舗装作業中に、路面仕上げ機に追加の舗装材料を与えることが通常必要である。トラックによって混合プラントから舗装材料を供給し、舗装作業中にトラックから路面仕上げ機の材料ホッパの中に投下させることも一般的に実施される。現在用いられている路面仕上げ機は、舗装方向に対してその前領域に、トラックの後ろのタイヤに係合するプッシュローラを備える。トラックは、後向きに路面仕上げ機に近づき、プッシュローラとトラックの後ろのタイヤの接触によって路面仕上げ機の前で路面仕上げ機によってそれ自体押されている。トラックが路面仕上げ機の前に押されている間に、トラックは、その装填室(loading cavity)を持ち上げることによって、移動の方向に見られる路面仕上げ機の前部に設けられた材料ホッパの中に舗装材料を投下する。トラックと路面仕上げ機との間のドッキング中、および材料ホッパの中への材料の投下中、仕上げ機の運転手とトラックの運転手との間の良好なやりとりが必須である。トラックは、トラックが路面仕上げ機によって押され得るように、適切な時点で後方駆動を停止し、適合されたブレーキ力で1つまたは複数のブレーキを解除しなければならない。好ましくは、ドッキングは、舗装成果を損なわないためにジャークを用いずに行われるべきである。路面仕上げ機の前でトラックを押すための路面仕上げ機の追加の動力の要求が生じる。トラックの装填室の適切な傾斜角を設定するために、トラックの運転手は材料ホッパにおける状況を見ることができないか、あるいは適切に見ることができないので、仕上げ機の運転手または信号係の指示に従う。
【0003】
EP0667415A1から、舗装材料を送るのに適している路面仕上げ機の動作パラメータを監視および表示する機器を備えた路面仕上げ機が知られている。この機器は、移動方向に前方を向いている距離センサを備え、トラックの後端までの距離を決定することもできる。機器は。材料ホッパ内の充填の程度または充填レベルを決定することができるセンサをさらに備える。路面仕上げ機の運転室の運転領域において、電子ディスプレイパネルが、トラックの運転手によって簡単に見ることができるように配置されている。データ処理システムは、ディスプレイパネルに接続され、センサからの信号を受信し、それらをピクトグラフまたはアナログ表示の形態でディスプレイパネル上に現れるコマンドに変換する。ディスプレイパネル上の情報を用いると、路面仕上げ機のプッシュローラに対するトラックのドッキング作業、およびトラックと路面仕上げ機との間の材料移送が、容易にされ得る。
【0004】
DE102015009699A1から、近づいているトラックを様々な方向から検出できるように好ましくは少なくとも2つのセンサを備え、こうしてトラックのドッキング作業の3次元画像が生成される路面仕上げ機が知られている。センサ数の増加により、路面仕上げ機の貯蔵容器へのトラックのドッキング作業は、とても正確に制御されることになる。道路建築材料で貯蔵容器を充填する作業中、トラックは、トラックがその充填位置から離れるように動いているときを決定するために、少なくとも2つのセンサによって検出されることになる。また、トラックの決定された位置データに基づいて、トラックのための操縦命令が生成されることになる。
【0005】
米国出願公開第2019/02481265A1号は、路面仕上げ機の前ローラに接触して路面仕上げ機の材料ホッパを充填するために路面仕上げ機と一緒に移動するトラックの装填室のための遠隔制御システムを説明する。遠隔制御システムは、路面仕上げ機の運転手または別の人がトラックの装填室を昇降させることを許可する。路面仕上げ機の運転手は、このプロセスにおいて材料ホッパおよびトラックの装填室を直接見ることができる。
【0006】
また、トラックから路面仕上げ機の材料ホッパの中に舗装材料を投下することによって路面仕上げ機を直接充填せず、むしろ舗装材料をトラックから路面仕上げ機の前で運転するフィーダ上へ移送することが実務から知られている。フィーダは、材料ホッパを備え、トラックはこの中に舗装材料を投下する。移動の方向に対して後ろで、フィーダは搬送装置を備え、これによって次いで、舗装材料は、フィーダの背後で駆動する路面仕上げ機の中に搬送される。フィーダは、例えば、DE29715467U1から、またはEP0834620A1から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】EP0667415A1
【文献】DE102015009699A1
【文献】米国出願公開第2019/02481265A1号
【文献】DE29715467U1
【文献】EP0834620A1
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、単純な性能に関するトラックとドライビング道路建設車両(driving road construction vehicle)との間の材料移送を、舗装成果の損傷をできるだけ少なくするように改善することである。
【0009】
この目的は、請求項1に記載の方法によって、または請求項14に記載の使用によって実現される。従属請求項は、本発明の有利な実施形態を示す。
【0010】
本発明は、トラックとドライビング道路建設車両との間で材料を移送する方法を提供する。道路建設車両は、路面仕上げ機、または路面仕上げ機用のフィーダである。距離制御システムによって、ドライビング道路建設車両とこの道路建設車両の前で運転するトラックとの間の距離は、道路建設車両と何ら接触させずに、一定に維持される。ドライビング道路建設車両とトラックとの間の距離が一定に維持されている間、材料は、トラックの装填室から道路建設車両の材料ホッパの中に投下される。
【0011】
距離制御システムは、材料移送中のドライビング道路建設車両とトラックとの間の距離は、トラックの装填室から材料ホッパの中への材料の投下を可能にし、その上、トラックと道路建設車両との間の接触が防がれることを可能にすることができる。トラックが道路建設車両に物理的に接触することによるトラックと道路建設車両との間のドッキングは、必要ない。トラックと道路建設車両との間の物理的接触でドッキング中に現れる衝撃が防がれる。したがって、舗装成果に対する材料移送の悪影響が防がれる。トラックと道路建設車両との間に接触がないことは、詳細には、トラックが道路建設車両によって部分的または完全に押されるように接触しないことを意味し得る。しかしながら、トラックの構成要素と道路建設車両の構成要素との間にはまだ接触があり得る。例えば、トラックの装填室の投下フラップ、またはトラックの装填室の別の部品は、材料の投下中に道路建設車両の材料ホッパに触れ得る。
【0012】
トラックは材料移送中に道路建設車両によって押されないので、道路建設車両の必要な駆動動力が減少させられる。その上、これは道路建設車両へのトラックの物理的なドッキングを必要とするときに材料移送のための道路建設車両の駆動動力を適合させる必要がない。トラックと道路建設車両との間の物理的接触を用いる材料移送と比較して、トラックの運転手および道路建設車両の運転手の技能および経験に対する要求が減少する。
【0013】
述べたように、道路建設車両は、路面仕上げ機、または路面仕上げ機用のフィーダである。本発明は、トラックと路面仕上げ機の物理的なドッキングを防ぐことにより、舗装成果に対する直接の好影響を有するので、路面仕上げ機と共に使用されることが特に有利である。詳細には、トラックと路面仕上げ機の物理的なドッキング中に生じ得るとともに欠陥の続く対処を必要とし得る設置表面の窪みおよび凸凹が防がれる。本発明がトラックとフィーダとの間の材料移送に使用される場合でも、運転手にとってこの方法の実行可能性を容易にすること、およびフィーダの駆動動力を減少させることに関して利点となる。
【0014】
材料移送のために前方で運転するトラックによって簡単にアクセス可能であるために、材料ホッパは、舗装方向に対して道路建設車両の前部に設けられ得る。
【0015】
好ましくは、トラックは、材料移送中にそれ自体のトラベル駆動(travel drive)によって駆動される。トラックが材料移送中にそれ自体のトラベル駆動によって駆動している場合、(例えば、道路建設車両において)材料移送中にトラックを移動させる能力を別の方法で与える必要はない。
【0016】
距離制御システムは、ドライビング道路建設車両とこの道路建設車両の前で運転するトラックとの間の距離を決定するセンサ装置を備えることができる。センサ装置の出力は、距離制御のための測定量として使用することができる。
【0017】
センサ装置は、道路建設車両に設けられる距離センサを備えることができる。距離センサが道路建設車両に設けられる場合、複数の異なるトラックから道路建設車両に材料が供給される場合でも、道路建設車両に1つ(またはいくつかの)距離センサを与えるのに十分であり得る。
【0018】
センサ装置は、トラックに設けられる距離センサを備えてもよい。距離センサは、さらなる機能のためにトラックで適宜使用され得る。例えば、距離センサは、トラックの運転支援システムの一部であり得る。距離センサがトラックに設けられる場合、距離制御のために道路建設車両からトラックへ送信されるデータの量は、減少し得る。
【0019】
距離制御システムは、トラックの速度についての制御命令を生成することができる。例えば、ドライビング道路建設車両とトラックの間の距離が所定の値にまたは所定の範囲に制御されるように、トラックの速度についての制御命令が生成され得る。距離制御は、変化の設定点からドライビング道路建設車両とトラックとの間の距離のいくらかの変化を許容することができる。許容可能な変化は、変化によって決定される限界内で、トラックの装填室からの材料の投下によって道路建設車両の材料ホッパをしっかりと充填することがさらに可能であるように決定され得る。
【0020】
距離制御システムは、ドライビング道路建設車両とトラックとの間の距離を一定に維持するようにトラックのトラベル駆動および/またはブレーキを自動制御する制御ユニットを備えることができる。制御ユニットは、ドライビング道路建設車両とこの道路建設車両の前で運転するトラックとの間の距離を測定する距離センサの出力に特に基づいて、トラックのトラベル駆動および/またはブレーキを制御することができる。材料移送中のトラックのトラベル駆動および/またはブレーキの自動制御は、道路建設車両とトラックとの間の距離が確実に一定に維持され、材料移送は、信頼できるしっかりしたやり方で行われ得ることを確実にする。トラックのトラベル駆動および/またはブレーキの自動制御は、トラックの運転手が他の作業、例えばトラックの操縦に集中することを可能にする。
【0021】
距離制御システムは、道路建設車両に設けられた構成要素、およびトラックに設けられた構成要素を備えてもよい。距離制御システムがトラックに完全に設けられることも考えられる。距離制御システムの制御ユニットは、路面仕上げ機またはトラックに設けられてもよい。制御ユニットは、1つまたはいくつかのものが路面仕上げ機に設けられるとともに、1つまたはいくつかのものがトラックに設けられる、いくつかの構成要素を備えることも考えられる。
【0022】
距離制御のための情報は、道路建設車両からトラックへ無線で送信することができる。適切な通信プロトコルを用いて、無線伝送が現場で何ら大きなインストレーションの努力をせずに高速で確立され得る。情報の無線伝送は、例えば、モバイル通信によって、WIFIによって、ラジオ通信によって、ZigBeeによって、Bluetoothによって、または他の適切な伝送方式によって達成され得る。無線伝送は、道路建設車両とトラックとの間で直接、またはサーバもしくは任意の他の迂回路を介して間接的にもたらされ得る。道路建設車両とトラックとの間の無線伝送の確立では、識別情報が交換されてもよい。
【0023】
材料移送の開始前に、トラックは、道路建設車両においてログインすることができる。これは、例えば、道路建設車両とトラックとの間の無線通信によって行われ得る。トラックの識別に基づいて、距離制御のパラメータ、特に、制御される距離の設定点が、データベースから選択され得る。
【0024】
トラックの操縦は、トラックの運転手によって行うことができる。トラックと道路建設車両との間の物理的接触がないので、操縦時のトラックの小さな凸凹は、舗装成果に何ら影響を及ぼさない。代替例として、トラックの操縦を自動化することも考えられる。
【0025】
一実施形態によれば、距離制御システムは、ドライビング道路建設車両とこの道路建設車両の前で運転するトラックとの間の距離をトラックのタイプおよび/または道路建設車両のタイプに基づいてルックアップテーブルから選択される値(または範囲)に制御する。ルックアップテーブルは、道路建設車両とトラックとの間の距離がトラックと道路建設車両との間の円滑な材料移送に適していることを確実にすることができる。ルックアップテーブルにおける入力は、例えば、異なるタイプのトラックと異なるタイプの道路建設車両との間の特別の幾何学的形状の観点で確立されていることができる。
【0026】
トラックの装填室の傾斜機能は、特に道路建設車両から、遠隔制御されてもよい。傾斜機能の作動は、材料を投下するために、道路建設車両の材料ホッパの中に装填室を傾斜させることを含むことができる。道路建設車両からのトラックの装填室の傾斜機能の遠隔制御は、材料ホッパの装填状態が道路建設車両から特に簡単に見られ得るまたは監視され得るので、道路建設車両の材料ホッパのそれぞれの装填状態を検討するのを容易にする。例えば、操作者は、フロアからトラックの装填室の傾斜機能を遠隔で制御することも考えられる。
【0027】
道路建設車両の傾斜機能は、道路建設車両の運転手によって手動で、または別の人によって、手動で遠隔制御されてもよい。道路建設車両の運転手、または他の人は、目視によって材料ホッパの充填レベルおよび/または現在の材料移送状況をチェックし、それに基づいてトラックの装填室の傾斜機能を遠隔で制御することができる。道路建設車両の運転手または他の人がセンサ情報に基づいて、例えば、材料ホッパの充填レベルを決定する充填レベルセンサの出力に基づいてトラックの装填室の傾斜機能を制御することも考えられる。
【0028】
道路建設車両に、材料ホッパの充填レベルを決定する充填レベルセンサが設けられてもよい。道路建設車両の装填室の傾斜機能は、充填レベルセンサの出力に基づいて自動で遠隔制御することができる。例えば、材料ホッパの充填レベルが所定の値を下回る場合、トラックの装填室は、さらに傾斜されてもよい。材料ホッパの充填レベルについての所定の値が超過している場合、トラックの装填室は、材料ホッパの過度の充填を防ぐために下げられてもよい。
【0029】
本発明は、距離制御システムの使用も提供する。方法に関して説明される特徴および例示は、使用に変えられてもよく、逆も同じである。
【0030】
本発明の一態様によれば、距離制御システムは、トラックと道路建設車両との間の材料移送中に、道路建設車両に何ら接触させずに、ドライビング道路建設車両とこの道路建設車両の前で運転するトラックとの間の距離を一定に維持する。道路建設車両は、路面仕上げ機、または路面仕上げ機用のフィーダである。
【0031】
距離制御システムは、ドライビング道路建設車両とこの道路建設車両の前で運転するトラックとの間の距離を決定するセンサ装置を備えることができる。
【0032】
以下、本発明は、図面を参照して例示的な実施形態によってさらに例示される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】トラックと道路建設車両との間の材料移送を説明するための概略図であって、道路建設車両は、距離センサが道路建設車両に設けられている一実施形態による路面仕上げ機として具体化されている、概略図である。
図2図1のトラックおよび道路建設車両の構成要素を示す概略ブロック図である。
図3】トラックと道路建設車両との間の材料移送を説明するための概略図であって、この道路建設車両は、距離センサをトラックに設けた一実施形態による路面仕上げ機として具体化されている、概略図である。
図4図3のトラックおよび道路建設車両構成要素を示す概略ブロック図である。
図5】路面仕上げ機のためのフィーダの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明は、トラック1とドライビング道路建設車両との間で材料を移送することに関する。図1は、道路建設車両が路面仕上げ機3である一実施形態を示す。路面仕上げ機3は、舗装方向Fに沿った基礎にわたって駆動している間に、道路表面を舗装している。路面仕上げ機3は、機械の運転手のためにそこに制御プラットフォーム7を配置したトラクタ5を備える。路面仕上げ機3における前部に、舗装材料を受け入れる材料ホッパ9が設けられている。舗装材料は、横方向分配機スクリュ11によって路面仕上げ機3の幅方向に分散している輸送装置(図示せず)を介して材料ホッパ9から路面仕上げ機3の後部領域の中に輸送される。続いて、舗装材料は、トラクタ5の背後に沿って牽引される路面仕上げ機3のスクリード13によって突き固められる。高品質で均一な道路舗装を設けるために、路面仕上げ機3は、中断なしでできるだけ大きいセクションを舗装すべきである。しかしながら、材料ホッパ9は、限られた能力しか有さないので、路面仕上げ機3の舗装駆動中にさらなる舗装材料で材料ホッパ9を充填することが必要とされる。舗装材料は、トラック1によって供給され、駆動している路面仕上げ機3の材料ホッパ9の中に投下される。舗装材料がトラック1から路面仕上げ機3の材料ホッパ9の中に投下されている間、トラック1は、路面仕上げ機3の前で運転する。
【0035】
例示した実施形態では、距離センサ15が、路面仕上げ機3に設けられ、路面仕上げ機3とこの路面仕上げ機3の前で運転するトラック1との間の距離を測定する。距離センサ15は、特に、路面仕上げ機3における距離センサ15の取り付け点とトラック1の後ろのタイヤとの間の距離を測定することができる。しかしながら、距離センサ15は、路面仕上げ機3における距離センサ15の取り付け点とトラック1における別の位置との間の距離を測定することも考えられる。例えば、距離センサ15によって発せられる測定信号のための反射器表面が、トラック1の後部領域に設けられてもよい。距離センサ15は、例えば、超音波センサとしてまたはレーダーセンサとして具体化され得る。
【0036】
距離センサ15による距離測定に基づいて、駆動中路面仕上げ機3と路面仕上げ機3の前で運転するトラック1との間の距離は、一定に維持される。路面仕上げ機3とトラック1との間の距離は、所定の設定点または所定の設定範囲に制御され得る。好ましくは、距離制御は、トラック1の速度を適合させることによって行われる。
【0037】
路面仕上げ機3とトラック1との間の距離は、トラック1の装填室17から路面仕上げ機3の材料ホッパ9の中に舗装材料を投下することによって、トラック1と路面仕上げ機3との間の材料移送を可能にする値または範囲に制御される。距離制御は、装填室17の傾斜中に、材料の少なくとも主要な部分が路面仕上げ機3の材料ホッパ9に実際に到達することを確実にする。
【0038】
図2に表されるように、トラック1は、トラベル駆動19と、ブレーキ21と、操縦装置23と、傾斜装置25と、制御ユニット27と、アンテナ29とを備える。トラベル駆動19は、例えば、主動力プラント、特に、ディーゼルエンジンを備えることができる。傾斜装置25は、装填室17を昇降させるために具体化される。装填室17を上昇させるために傾斜装置25を作動させることによって、装填室17は、傾けられ、ダンプ材料を装填室17から後部へ投下することができる。トラック1の制御ユニット27は、トラック1の様々な機能を制御することができる。詳細には、制御ユニット27は、トラベル駆動19、ブレーキ21、および傾斜装置25を制御することができる。アンテナ29は、路面仕上げ機3との無線通信のために具体化される。
【0039】
路面仕上げ機3は、充填レベルセンサ31と、距離センサ15と、制御ユニット33と、アンテナ35とを備える。充填レベルセンサ31は、材料ホッパ9の充填レベルを決定するように構成される。例えば、充填レベルセンサ31は、充填レベルセンサ31の取り付け点までの材料ホッパ9中の舗装材料の距離を決定することができる。充填レベルセンサ31は、例えば、レーダーセンサまたは超音波センサを備えることができる。路面仕上げ機3の制御ユニット33は、路面仕上げ機3の様々な機能を制御することができる。アンテナ35は、トラック1との無線通信のために構成される。
【0040】
トラック1によって路面仕上げ機3に舗装材料が供給されることになる場合、トラック1の運転手は、初めに路面仕上げ機3の前にあるトラック1を路面仕上げ機3の運転経路の中に移動させる。トラック1のアンテナ29、および路面仕上げ機3のアンテナ35を介して、トラック1と路面仕上げ機3との間の無線通信が確立される。無線接続は、トラック1と路面仕上げ機3との間で直接確立することができる。しかしながら、無線接続は、1つまたはいくつかの中間ステーション、例えば、サーバを介して間接的に確立されることも考えられる。無線接続は、例えば、WIFI、Bluetooth、ZigBee、またはインターネットによって確立され得る。好ましくは、路面仕上げ機3および/またはトラック1の識別は、無線接続が確立されると行われる。路面仕上げ機3が背後から十分にトラック1に近づいた場合、トラック1のトラベル駆動19およびブレーキ21の制御は、距離センサ15によって測定された路面仕上げ機3とトラック1との間の距離に基づく距離制御により採用される。トラックの運転手は、距離制御のためにトラックのトラベル駆動19およびブレーキ21の制御を可能にすることができる。変形例によれば、路面仕上げ機3の制御ユニット33は、距離センサ15の出力に基づいてトラック1のトラベル駆動19およびブレーキ21のための制御命令を生成する。これらの制御命令は、無線接続を介してトラック1へ送信され得る。測定信号だけが無線接続を介して距離センサ15からトラック1へ送信され、トラック1の制御ユニット27がトラック1のトラベル駆動19およびブレーキ21のための制御命令を生成することも考えられる。好ましくは、トラック1の操縦装置は、距離制御中でも、トラック運転手の仕事のままである。距離制御中、トラック1は、路面仕上げ機3と何ら物理的接触することなく路面仕上げ機3の前で運転する。
【0041】
距離制御中、トラック1は、装填室17を傾けることによって舗装材料を路面仕上げ機3の材料ホッパ9の中に投下している。好ましくは、トラック1の傾斜装置25は、遠隔制御される。詳細には、傾斜装置25は、路面仕上げ機3から遠隔制御されてもよい。単純な実施形態によれば、トラック1の傾斜装置25は、路面仕上げ機3の運転手の手動入力によって遠隔制御される。対応するコマンドが、トラック1と路面仕上げ機3との間で無線接続を介して送信され得る。代替例として、傾斜装置25の制御は、路面仕上げ機3の充填レベルセンサ31から受け取った情報に基づいて自動的に達成されてもよい。材料ホッパ9の現在の充填レベルに応じて、トラック1の装填室17は、より多くの材料を材料ホッパ9の中に投下するために、または材料ホッパ9の中への材料の流れを減速させるまたは停止させるために、必要に応じて昇降されてもよい。
【0042】
好ましくは、安全上の理由のため、トラック1の運転手は、いつでも、トラベル駆動19、ブレーキ21、および傾斜装置25の制御において介入する可能性を有する。材料移送が終わると、トラック1の運転手は、再びトラック1の制御を完全に引き継ぎ、次のトラック1に道を与えるために正面へ離れるように駆動することができる。
【0043】
図3および図4は、代替の実施形態を示す。図3および図4に示された実施形態は、図1および図2に示された実施形態にとても類似している。図1および図2に示された実施形態の差異だけを説明する。
【0044】
基本的に、図3および図4の実施形態は、距離センサ15が路面仕上げ機3に取り付けられておらず、トラック1に取り付けられているという点で図1および図2の実施形態とは異なる。図1および図2の実施形態に示されるように、トラックのトラベル駆動19およびブレーキ21のための制御信号の計算は、トラック1の制御ユニット27による距離センサ15の出力に基づいて達成され得る。しかしながら、図1および図2の実施形態にあるように、トラックのトラベル駆動19およびブレーキ21のための制御信号が路面仕上げ機3の制御ユニット33によって生成されることもここで可能である。このために、距離センサ15によって生成される測定信号は、無線接続を介して路面仕上げ機3へ送信されてもよく、路面仕上げ機3の制御ユニット33によって続いて生成される制御命令は、無線接続を介してトラック1へ戻されてもよい。
【0045】
上述した実施形態では、路面仕上げ機3の材料ホッパ9は、それぞれトラック1によって舗装材料が充填される。代替例として、しかしながら、路面仕上げ機のためのフィーダ43の材料ホッパ41にトラック1を用いて舗装材料を供給することが考えられる。そのようなフィーダ43の一例が、図5に示されている。フィーダ43は、路面仕上げ機3の材料ホッパ9に舗装材料を供給するために道路表面を設けている路面仕上げ機3の前で運転する車両である。フィーダ43は、舗装方向Fに対して前で舗装材料を受け入れる材料ホッパ41を備える。フィーダ43の材料ホッパ41は、路面仕上げ機3の材料ホッパ9の充填について上述したやり方でフィーダ43の駆動中にトラック1によって舗装材料が供給され得る。このために、距離センサ15は、(図1および図2の実施形態に類似する)フィーダ43に設けられ得る。(図3および図4の実施形態に類似する)代替として、距離センサ15は、トラック1に設けられてもよい。後部領域内の舗装方向Fに関して、フィーダ43は、舗装材料をフィーダ43の背後で駆動する路面仕上げ機3の材料ホッパ9に供給する搬送装置45を備える。舗装材料は、図示しない輸送装置を介してフィーダ43の材料ホッパ41から搬送装置45へもたらされる。
【0046】
路面仕上げ機3の材料ホッパ9に供給するための図1図4を参照して説明された装置および動作は、トラック1の装填室17からフィーダ43の材料ホッパ41の中へ舗装材料を投下することによって、トラック1とフィーダ43との間の材料移送に類似的に転換されてもよい。詳細には、図1図4を参照して説明されたトラック1と路面仕上げ機3との間の距離制御は、トラック1と背後で駆動するフィーダ43との間の対応する距離制御に類似的に転換されてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 トラック、路面仕上げ機
3 路面仕上げ機
5 トラクタ
7 制御プラットフォーム
9 材料ホッパ
11 横方向分配機スクリュ
13 スクリード
15 距離センサ
17 装填室
19 トラベル駆動
21 ブレーキ
23 操縦装置
25 傾斜装置
27 制御ユニット
29 アンテナ
31 充填レベルセンサ
33 制御ユニット
35 アンテナ
41 材料ホッパ
43 フィーダ
45 搬送装置
F 舗装方向
図1
図2
図3
図4
図5