(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】隣接するメモリセルの干渉緩和
(51)【国際特許分類】
G11C 16/34 20060101AFI20220721BHJP
G11C 5/04 20060101ALI20220721BHJP
G11C 11/56 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
G11C16/34 116
G11C5/04 210
G11C11/56 220
(21)【出願番号】P 2021097435
(22)【出願日】2021-06-10
【審査請求日】2021-06-10
(32)【優先日】2020-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504056130
【氏名又は名称】ウェスタン デジタル テクノロジーズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・バザラスキー
(72)【発明者】
【氏名】エラン・シャロン
(72)【発明者】
【氏名】アイダン・アルロッド
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-519162(JP,A)
【文献】特表2017-523587(JP,A)
【文献】特表2010-541119(JP,A)
【文献】特開2009-064440(JP,A)
【文献】特開2004-326866(JP,A)
【文献】特開2020-047312(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0158949(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/34
G11C 11/56
G11C 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
記憶装置と、
前記記憶装置に接続された制御回路と、を備え、前記制御回路は、ブロック内の第1のワード線に接続された第1の不揮発性メモリセルと、前記第1のワード線に隣接する前記ブロック内の第2のワード線に接続された第2の不揮発性メモリセルと、を含む、メモリダイに接続するように構成され、前記制御回路は、
前記第1のメモリセルを感知し、
前記第1のメモリセルを感知することに基づいて、前記第1のメモリセルの各々に関するデータ状態情報を前記記憶装置に記憶し、前記記憶は、前記ブロック内のワード線の読み出しの組において前記第2のメモリセルを感知する前に行われ、
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、前記第2の不揮発性メモリセルの条件を判定する、ように構成さ
れ、
前記制御回路は、
前記記憶されたデータ状態情報を使用して、前記第2のメモリセルの各々に関するハードビットを判定し、
前記記憶されたデータ状態情報を使用して、前記第2のメモリセルの前記ハードビットに対する復号エラーに応じて、前記第2のメモリセルの各々に関するソフトビットを判定する、ように更に構成される、装置。
【請求項2】
前記記憶装置はデータラッチを備え、前記制御回路は、
前記第1のメモリセルを感知することによる第1の感知情報を前記データラッチに記憶し、
前記第2のメモリセルを感知することによる第2の感知情報を前記データラッチに記憶し、それによって前記第1の感知情報を上書きし、
前記第1のメモリセルに関する前記記憶されたデータ状態情報を使用して、前記第1の感知情報を上書きした後の前記第2の不揮発性メモリセルの前記条件を判定する、ように更に構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記制御回路及び前記記憶装置は、前記メモリダイに接合された制御ダイ上に存在し、
前記メモリダイは、前記第1のメモリセル及び前記第2のメモリセルに関連付けられたビット線を含み、
前記制御回路は、前記ビット線を感知することによって前記第1のメモリセル及び前記第2のメモリセルを感知するように更に構成される、請求項
2に記載の装置。
【請求項4】
前記制御回路は、
前記第2のワード線に接続された選択されたメモリセルに印加された基準電圧に基づいて、前記選択されたメモリセルの前記条件を判定し、前記基準電圧は、前記選択されたメモリセルに隣接するメモリセルの前記記憶されたデータ状態情報に対応する、前記選択されたメモリセルに対する干渉の補償を行う、ように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記制御回路及び前記記憶装置は、前記メモリダイに固着された制御ダイ上に存在し、前記制御回路は、
前記第2のワード線に接続された前記第2のメモリセルを感知し、
前記第2のメモリセルを前記メモリダイから感知することによる感知情報を前記記憶装置に転送し、
前記記憶されたデータ状態情報を使用して前記記憶装置内の前記感知情報の等化を実行し、前記等化は、前記第2のメモリセルに対する前記第1のメモリセルの干渉を補償し、
前記等化に基づいて、前記第2のメモリセルのデータ状態を判定する、ように更に構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記制御回路は、
前記第2のメモリセルに記憶されたコードワードの復号の失敗前に、前記第1のメモリセルの各々に関する前記データ状態情報を前記記憶装置に記憶し、
前記第2のメモリセルに記憶された前記コードワードの復号の前記失敗に応じて、前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、前記第2の不揮発性メモリセルの前記条件を判定する、ように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記制御回路は、前記ブロック内の前記ワード線の前記読み出しにおいて前記第2のワード線を読み出す直前に前記第1のワード線を読み出すように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
装置であって、
記憶装置と、
前記記憶装置に接続された制御回路と、を備え、前記制御回路は、ブロック内の第1のワード線に接続された第1の不揮発性メモリセルと、前記第1のワード線に隣接する前記ブロック内の第2のワード線に接続された第2の不揮発性メモリセルと、を含む、メモリダイに接続するように構成され、前記制御回路は、
前記第1のメモリセルを感知し、
前記第1のメモリセルを感知することに基づいて、前記第1のメモリセルの各々に関するデータ状態情報を前記記憶装置に記憶し、前記記憶は、前記ブロック内のワード線の読み出しの組において前記第2のメモリセルを感知する前に行われ、
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、前記第2の不揮発性メモリセルの条件を判定する、ように構成さ
れ、
前記制御回路は、
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、前記第2のメモリセルの各々に関するハードビットを判定し、
各第2のメモリセルに関する前記ハードビットをメモリコントローラに転送し、
前記メモリコントローラからのソフトビットの要求に応じて、前記ソフトビットを前記メモリコントローラに提供し、これは、
ソフトビット読み出し基準電圧を前記第2のワード線に印加し、
前記ソフトビット読み出し基準電圧の印加に応じて、各第2の不揮発性メモリセルを感知し、前記ソフトビット読み出し基準電圧の各々について、各第2のメモリセルに関するソフトビット感知データが生成され、
それぞれの第2のメモリセルに隣接する第1のメモリセルに関する前記記憶されたデータ状態情報を使用して、各それぞれの第2のメモリセルに使用するためのソフトビット感知データを選択し、
各それぞれの第2のメモリセルの前記選択されたソフトビット感知データに基づいて、前記第2のメモリセルの各々に関する前記ソフトビットを判定する、ことを含む、ように更に構成される、装置。
【請求項9】
方法であって、
第1のワード線に接続された第1の不揮発性メモリセルを感知することであって、前記第1の不揮発性メモリセル及び前記第1のワード線は、制御ダイに固着されたメモリダイ上に存在し、前記感知することは、前記制御ダイ上の制御回路によって制御される、感知することと、
前記第1のメモリセルを感知することに基づいて、各それぞれの第1のメモリセルに関する第1の感知情報を前記制御ダイ上のデータラッチに記憶することと、
前記第1及び第2のワード線の逐次読み出しにおいて前記第1のワード線に隣接する第2のワード線に接続された第2の不揮発性メモリセルを感知する前に、前記データラッチ内の前記第1の感知情報に基づいて、前記制御ダイ上に、各それぞれの第1のメモリセルに関するデータ状態情報を記憶することであって、各それぞれの第1のメモリセルに関する前記データ状態情報は、前記それぞれの第1のメモリセルが存在する1つ以上のデータ状態の組を指定する、記憶することと、
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、前記第2のメモリセルに対する前記第1のメモリセルの干渉を補償することと、
前記補償の結果として前記第2のメモリセルのデータ状態を判定することと、を含
み、
前記補償の結果として前記第2のメモリセルのデータ状態を判定することは、
前記記憶されたデータ状態情報を使用して、前記第2のメモリセルの各々に関するハードビットを判定することと、
前記記憶されたデータ状態情報を使用して、前記第2のメモリセルの前記ハードビットに対する復号エラーに応じて、前記第2のメモリセルの各々に関するソフトビットを判定することと、を含む、方法。
【請求項10】
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、前記第2のメモリセルに対する前記第1のメモリセルの干渉を補償することは、
前記データラッチに前記第1の感知情報を、前記第2のメモリセルの第2の感知情報で上書きした後で、前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、前記第2のメモリセルに対する前記第1のメモリセルの干渉を補償することを含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、前記第2のメモリセルに対する前記第1のメモリセルの干渉を補償することは、
異なるハードビット読み出し基準電圧を前記第2のワード線に印加して、それぞれの第2のメモリセルがハードビット基準レベルを上回る閾値電圧を有するか、又はハードビット基準レベルを下回る閾値電圧を有するかを試験することであって、前記異なるハードビット読み出し基準電圧の各々が異なる補償量を適用する、試験することと、
前記記憶されたデータ状態情報に基づく前記異なるハードビット読み出し基準電圧のうちの1つの各それぞれの第2のメモリセルを感知することと、
前記第2のメモリセルを感知することに基づいて、各それぞれの第2のメモリセルに関する第2の感知情報を前記制御ダイ上の前記データラッチに記憶することであって、前記第2の感知情報は前記第1の感知情報を上書きし、前記記憶された第2の感知情報は、隣接する第1のメモリセルによって引き起こされる前記それぞれの第2のメモリセルへの前記干渉に対応する補償量を提供する、ハードビット読み出し基準電圧に対応する、記憶することと、を含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、前記第2のメモリセルに対する前記第1のメモリセルの干渉を補償することは、
異なるソフトビット読み出し基準電圧を前記第2のワード線に印加して、それぞれの第2のメモリセルがソフトビット基準レベルを上回る閾値電圧を有するか、又はソフトビット基準レベルを下回る閾値電圧を有するかを試験することであって、前記異なるソフトビット読み出し基準電圧の各々が異なる補償量を適用する、試験することと、
前記記憶されたデータ状態情報に基づく前記異なるソフトビット読み出し基準電圧のサブセットの各それぞれの第2のメモリセルを感知することと、
前記第2のメモリセルを感知することに基づいて、各それぞれの第2のメモリセルの第3の感知情報を前記制御ダイ上の前記データラッチに記憶することであって、前記第3の感知情報は前記第2の感知情報を上書きし、前記記憶された第3の感知情報は、前記隣接する第1のメモリセルによって引き起こされる前記それぞれの第2のメモリセルへの前記干渉に対応する補償量を提供する、ソフトビット読み出し基準電圧のサブセットに対応する、記憶することと、を含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、第2のメモリセルに対する前記第1のメモリセルの干渉を補償することは、
前記データラッチ内の前記第1の感知情報を、前記第2のメモリセルの第2の感知情報で上書きすることと、
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、隣接する第1のメモリセルによって引き起こされる前記それぞれの第2のメモリセルに対する前記干渉に対応する各それぞれの第2のメモリセルに対する補償量を提供する前記第2の感知情報に対して、等化を実行することと、を含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項14】
不揮発性記憶システムであって、
不揮発性メモリセルと、前記メモリセルに接続された複数のワード線と、前記メモリセルに関連付けられたビット線と、を含む、メモリダイと、
ボンドパッドによって前記メモリダイに接合された制御ダイであって、前記制御ダイは、
前記ボンドパッドによってビット線を感知するための感知手段であって、前記ビット線は、前記複数のワード線のうちの第1のワード線に接続された第1の不揮発性メモリセルと関連付けられる、感知手段と、
前記第1のワード線に隣接する第2のワード線に接続された第2のメモリセルに記憶されたコードワードの復号の失敗前に、前記第1のメモリセルの各々に関するデータ状態情報を記憶するデータ状態記憶手段であって、前記データ状態情報は、前記感知することに基づき、前記それぞれの第1のメモリセルが存在する1つ以上のデータ状態の範囲を指定する、データ状態記憶手段と、
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、データ状態依存補償を前記第2のメモリセルに適用する補償手段と、を備
え、
前記補償手段は、
前記記憶されたデータ状態情報を使用して、前記第2のメモリセルの各々のハードビットを判定し、前記第2のメモリセルに関する前記ハードビットは、前記コードワードを形成し、
前記記憶されたデータ状態情報を使用して、前記コードワードの正常な復号の失敗に応じて、前記第2のメモリセルの各々に関するソフトビットを判定する、ように構成される、不揮発性記憶システム。
【請求項15】
前記データ状態記憶手段は、
前記第1のメモリセルの第1のデータ状態を前記制御ダイ上のデータラッチに記憶し、
前記記憶されたデータ状態情報を使用して、前記第2のメモリセルの各々に関するハードビットを判定するときに、前記データラッチ内の前記第1のメモリセルの前記第1のデータ状態を、前記第2のメモリセルの第2のデータ状態で上書きする、ように構成される、請求項
14に記載の不揮発性記憶システム。
【請求項16】
前記補償手段は、異なるハードビット読み出し基準電圧を前記第2のメモリセルに印加するように構成され、前記異なるハードビット読み出し基準電圧の各々は、異なる量のデータ状態依存補償を適用し、
前記感知手段は、隣接する第1のメモリセルから前記それぞれの第2のメモリセルへの干渉の補償を提供する、少なくとも1つのハードビット読み出し基準電圧について、各それぞれの第2のメモリセルに関する感知情報を提供するように構成され、
前記補償手段は、前記隣接する第1のメモリセルから前記それぞれの第2のメモリセルへの干渉の補償を提供する、前記感知情報を使用して、前記それぞれの第2のメモリセルの条件を判定する、ように構成される、請求項
14に記載の不揮発性記憶システム。
【請求項17】
前記補償手段は、異なるソフトビット基準電圧を前記第2のメモリセルに印加するように更に構成され、
前記感知手段は、隣接する第1のメモリセルから前記それぞれの第2のメモリセルへの干渉の補償を提供する、少なくとも1つの前記ソフトビット基準電圧の組について、各それぞれの第2のメモリセルに関する感知情報を生成するように構成され、
前記補償手段は、前記隣接する第1のメモリセルから前記それぞれの第2のメモリセルへの干渉の補償を提供する、前記ソフトビット基準電圧の前記組に関する前記感知情報を使用して、前記それぞれの第2のメモリセルの条件を判定する、ように構成される、請求項
14に記載の不揮発性記憶システム。
【請求項18】
前記データ状態記憶手段は、前記第1のメモリセルの第1のデータ状態を前記制御ダイ上のデータラッチに記憶し、前記データラッチ内の前記第1のメモリセルの前記第1のデータ状態を、前記第2のメモリセルの第2のデータ状態で上書きするように構成され、
状態依存補償を前記第1のメモリセルに適用する前記補償手段は、前記データラッチ内の前記第1のメモリセルの前記第1のデータ状態を、前記第2のメモリセルの第2のデータ状態で上書きした後、前記それぞれの第2のメモリセルに隣接する第1のメモリセルのデータ状態に対応する各それぞれの第2のメモリセルの状態依存補償の量を提供する前記第2のデータ状態に対して、等化を実行するように構成される、請求項
14に記載の不揮発性記憶システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2020年10月26日に出願されたBazarskyらによる「ADJACENT MEMORY CELL INTERFERENCE MITIGATION」という名称の米国仮特許出願第63/105,696号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
ポータブル消費者向け電子デバイスに対する需要の大きな高まりは、高容量記憶デバイスの必要性を推進している。フラッシュメモリなどの不揮発性半導体メモリデバイス(本明細書では、「不揮発性記憶システム」又は「不揮発性メモリシステム」とも呼ばれる)は、デジタル情報記憶及び交換に対するますます成長する需要を満たすために広く使用されている。それらの携帯性、汎用性、及び頑丈な設計は、それらの高い信頼性及び大きな能力と共に、このようなメモリデバイスを、例えば、デジタルカメラ、デジタル音楽プレーヤ、ビデオゲームコンソール、PDA、携帯電話、並びにデスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、及びノートパッドコンピュータを含む、多種多様なホスト電子デバイスにおける使用に理想的なものにしてきた。典型的には、ホスト電子デバイスは、不揮発性記憶システムに電力を提供する。
【0003】
不揮発性半導体メモリデバイスは、データを記憶するようにプログラムされ得る不揮発性メモリセルを含む。典型的には、メモリセルは、多数のデータ状態にプログラムされる。より多くのデータ状態を使用することにより、メモリセル毎により多くのビットが記憶されることが可能になる。例えば、メモリセル毎に2ビットを記憶するために4つのデータ状態が使用されてもよく、メモリセル毎に3ビットを記憶するために8つのデータ状態が使用されてもよく、メモリセル毎に4ビットを記憶するために16個のデータ状態が使用されてもよい。メモリセルからデータを読み戻すためには、読み出し基準電圧を使用して、メモリセルが現時点でどのデータ状態にあるかを判定することが典型的である。
【0004】
多重状態メモリアーキテクチャから得られる容量の増加に加えて、メモリセルの物理的寸法を徐々に縮小させてきた歴史の結果として、消費者は、顕著な利点を見てきた。より小さいメモリセルを所与のダイエリア上により高密度に詰めることができ、ユーザは、古いメモリ技術と同じ価格でより多くのメモリ容量にアクセスすることが可能になる。固定されたダイサイズでより高いメモリ容量の利点を達成するために、これらのより小さいメモリセルは、より密接に一緒に詰め込まれなければならない。しかしながら、そうすることにより、より多くの動作エラーが生じ得る。エラーは、データを回復するための処理時間の増加、又は場合によっては、記憶されたデータの破損をもたらし得る。
【0005】
メモリセルがプログラムされると、そのプログラミング状態を高度の信頼性で読み戻すことができることが重要である。しかしながら、感知されたプログラミング状態は、時々、隣接するメモリセルからの干渉を含む要因により、意図されたプログラミング状態から変動し得る。隣接するメモリセルからのこの干渉は、より小さいメモリセルがより密接に一緒に詰め込まれている場合に増加する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
同様に番号付けされた要素は、異なる図で共通の構成要素を指す。
【0007】
【
図1A】ホストに接続された記憶システムの一実施形態のブロック図である。
【0008】
【
図1B】フロントエンドプロセッサ回路の一実施形態のブロック図である。
【0009】
【
図2A】バックエンドプロセッサ回路の一実施形態のブロック図である。
【0010】
【
図2B】メモリパッケージの一実施形態のブロック図である。
【0011】
【
図3A】集積メモリアセンブリの一実施形態の機能ブロック図である。
【0012】
【
図3B】集積メモリアセンブリの読み出し/書き込み回路及びECCの一実施形態のブロック図である。
【0013】
【
図4】感知ブロックの一実施形態を示すブロック図である。
【0014】
【
図5A】基板上に積層された集積メモリアセンブリの一実施形態の側面図を示す。
【0015】
【
図5B】基板上に積層された集積メモリアセンブリの一実施形態の側面図を示す。
【0016】
【
図6】メモリ構造を含み得るモノリシック3次元メモリアレイの例示的な一実施形態の一部の斜視図である。
【0017】
【
図6A】メモリ構造の1つの例示的な構成を説明するブロック図である。
【0018】
【
図6B】メモリ構造からの1つのブロックの一部の上面図を示すブロック図である。
【0019】
【
図6C】
図6Bの線AAに沿った断面図を示す3次元メモリ構造の一実施形態の一部を示す。
【0020】
【
図6D】垂直列632の一部を含む、
図6Cの領域629の断面図を示す。
【0021】
【
図7】各メモリセルが4ビットのデータを記憶するときのメモリアレイの例示的な閾値電圧分布を示す。
【0022】
【
図8】標的セルに対する隣接するセルの干渉の概念を図で説明する。
【0023】
【
図9】隣接するワード線からの記憶された状態情報を使用して、標的ワード線上のメモリセルの条件を判定するプロセスのフローチャートの一実施形態を示す。
【0024】
【
図10】記憶されたデータ状態情報を使用して、各標的メモリセルに関するハードビット及びソフトビットの両方を判定するプロセスの一実施形態のフローチャートである。
【0025】
【
図11】読み出し基準電圧が記憶されたデータ状態情報に基づく、メモリセルを読み出すプロセスの一実施形態のフローチャートである。
【0026】
【
図12】ソフトビット基準電圧が記憶されたデータ状態情報に基づく、メモリセルからソフトビットを読み出すプロセスの一実施形態のフローチャートである。
【0027】
【
図13A】隣接するメモリセルに関するデータ状態情報を記憶するプロセスの一実施形態を示すフローチャートである。
【0028】
【
図13B】データ状態情報を使用して、標的メモリセルに補償を提供するプロセスの一実施形態を示すフローチャートである。
【0029】
【
図14】標的メモリセルから読み出されたデータの等化を適用するプロセスの一実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここで、本技術が、図面を参照して説明され、それは実施形態において、不揮発性記憶システムにおける隣接するワード線の干渉の緩和に関する。不揮発性記憶システムにおける記憶装置の基本ユニットは、メモリセルである。標的メモリセル内の電荷トラップ層などの電荷蓄積領域によって蓄積された見かけ電荷のシフトは、1つ以上の隣接するメモリセルによって蓄積された電荷に基づく干渉を理由にして生じ得る。シフトを考慮するために、隣接するセルの異なる可能な条件に基づいて、異なる補償が適用されてもよい。
【0031】
一実施形態では、不揮発性記憶システムは、不揮発性メモリセルを含むメモリダイと、メモリセルのメモリ動作(例えば、読み出し、書き込み、消去)を介してチップレベル制御を提供する制御回路を含む制御ダイと、を有する。チップレベル制御回路を、メモリセルから別個のダイ上に配置することは、多数の利点を提供する。メモリセル及びチップレベル制御回路が同じダイ上に存在する代替設計における基本的なトレードオフは、メモリセルに充てられるエリアの量、及びチップレベル制御回路に充てられるエリアの量である。このようなトレードオフは、チップレベル制御回路の機能を制限する必要性をもたらすことが多い。また、トレードオフは、多くの場合、感知メモリセルから情報を一時的に記憶するために使用されるデータラッチなどの、非常に限られた量の記憶装置をもたらすことである。
【0032】
メモリセルから別個のダイ上にチップレベル制御回路を配置する別の利点は、異なる処理技術が使用され得ることである。例えば、NANDなどのいくつかのメモリセルは、NMOS構造を使用するのに対し、チップレベル制御回路は、多くの場合、CMOSベースである。例えば、ステートマシン内のセンスアンプ回路、電荷ポンプ、及び論理素子などのチップレベル制御回路は、多くの場合、PMOSデバイスを採用する。CMOSダイを製造するための処理動作は、NMOS NANDメモリセル技術又は他のNMOSメモリセル技術に関して最適化された処理動作とは多くの態様で異なる。メモリダイは、NMOSベースのメモリアレイ構造のために最適化することができ、制御ダイは、CMOS素子及びCMOS処理のために最適化される。更に、別個の制御ダイを有することにより、チップレベル制御回路のためのより多くのスペースが可能になる。このことにより、メモリセルを保持する同じダイに制限されている場合に容易には組み込むことができなかった追加機能を組み込むことができる。
【0033】
一実施形態では、補償は、メモリダイ上の不揮発性メモリセルに接続するように構成された制御ダイ上の制御回路によって適用される。一実施形態では、制御回路は、隣接するメモリセルによって引き起こされる標的メモリセルに対する干渉を補償する。いくつかの実施形態では、補償は、隣接するメモリセルのデータ状態に基づく。この補償は、標的メモリセルを読み出す前に隣接するメモリセルが読み出される逐次読み出し中に行われてもよい。いくつかの実施形態では、データラッチは、メモリセルのデータ状態を記憶するために使用される。しかしながら、標的メモリセルを読み出すことは、データラッチ内の隣接するメモリセルのデータ状態情報を上書きし得る。
【0034】
制御ダイは、メモリダイ内の標的ワード線に隣接するワード線に接続された隣接するメモリセルを感知する制御回路を有する。制御回路は、それらのメモリセルを感知することに基づいて、隣接するメモリセルに関するデータ状態情報を記憶する。制御回路は、記憶されたデータ状態情報に基づいて、標的ワード線に接続された標的不揮発性メモリセルの条件を判定する。一実施形態では、制御回路は、記憶されたデータ状態情報を使用して、隣接するメモリセルダイによって引き起こされる干渉の補償を適用する。いくつかの実施形態では、データ状態情報は、標的メモリセル内のデータが正常に復号されなかった回復プロセス中に使用される。
【0035】
制御ダイ上に隣接するメモリセルからのデータ状態情報を保存することにより、例えば、標的メモリセル内のデータが正常に復号されなかった場合、隣接するメモリセルを再度感知する必要性を軽減する。したがって、標的メモリセルからデータを回復するプロセスの時間が節約される。しかしながら、保存されたデータ状態情報は、標的メモリセルの第1の感知中に使用されてもよいことに留意されたい。すなわち、保存されたデータ状態情報を使用して、標的セル内のデータの復号の事前の失敗なしに、標的セルを読み出すことができる。
【0036】
同じダイ上にメモリセル及びチップレベル制御回路の両方を有するアーキテクチャ内の隣接するメモリセルからのデータ状態情報を保存することは非実用的であり得る。上述したように、このようなアーキテクチャでは、典型的には、データラッチなどの記憶装置のためのメモリダイ上のスペースの量が非常に限られている。しかしながら、チップレベル制御回路を別個の制御ダイ上に配置することにより、制御ダイ上にデータラッチなどの記憶装置のためのより多くの空間が存在し得る。したがって、制御ダイ上のそのような記憶装置は、隣接するメモリセルのデータ状態情報を記憶するために使用され得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、データラッチは、隣接するメモリセルを感知することによる感知情報を記憶するために使用される。次いで、隣接するメモリセルに関する状態情報は、標的メモリセルの前に隣接するメモリセルを感知する逐次読み出しで標的メモリセルを感知する前に、制御ダイ上に保存される。標的メモリセルが感知されると、標的メモリセルからの感知情報は、データラッチ内の隣接するメモリセルからの感知情報を上書きすることができる。しかしながら、保存された状態情報は、例えばエラー回復プロセス中に標的メモリセルを感知する際に補償を適用するために使用されてもよい。隣接するメモリセルに関する状態情報が保存されていない場合、時間(及び電力)を使用して、隣接するメモリセルを再読み出しして、標的メモリセルを感知する際に補償を適用することができる状態情報を得る。
【0038】
制御ダイは、標的メモリセル内のデータの読み出しに関連して補償を適用するために、隣接するメモリセルの状態情報を様々な方法で使用することができる。一実施形態では、補償は、標的メモリセルに接続されたワード線に異なる読み出し基準電圧を印加することと、次いで、各読み出し基準電圧に関して各標的メモリセルを感知することと、を含む。したがって、各基準電圧の感知データは、最初に、各標的メモリセルに対して生成される。制御ダイは、隣接するメモリセルの状態に基づいて、各標的メモリセルに使用するための感知データを選択する。したがって、読み出し基準電圧は、隣接するメモリセルからの干渉を補償するように選択されてもよい。
【0039】
一実施形態では、制御ダイは、標的メモリセルから感知されるデータに等化を適用し、等化は、隣接するメモリセルの状態に基づく。等化は、隣接するメモリセルからの干渉を補償するように使用されてもよい。なお、制御ダイは、感知されたデータ又は状態情報を、例えば、等化を実行するメモリコントローラに送信する必要はないことに留意されたい。
【0040】
本発明は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではないことが理解される。むしろ、これらの実施形態は、本開示が完璧かつ完全であり、本発明を当業者に十分に伝えるように提供される。実際、本発明は、添付の「特許請求の範囲」によって定義される本発明の範囲及び趣旨内に含まれる、これらの実施形態の代替物、修正、及び均等物を網羅することが意図される。更に、本発明の以下の詳細な説明において、本発明の完璧な理解を提供するために、数多くの具体的な詳細が記載される。しかしながら、本発明が、そのような具体的な詳細を伴わずに実施され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0041】
図1A~
図6Dは、本明細書で開示する技術を実装するために使用することができる記憶システムの一例を説明する。
【0042】
図1Aは、ホスト120に接続された記憶システム100の一実施形態のブロック図である。記憶システム100は、本明細書に開示される技術を実装することができる。多くの異なる種類の記憶システムを、本明細書に開示される技術と共に使用することができる。1つの例示的な記憶システムは、ソリッドステートドライブ(「SSD」)である。しかしながら、他の種類の記憶システムも使用することができる。記憶システム100は、メモリコントローラ102と、データを記憶するためのメモリパッケージ104と、ローカルメモリ(例えば、DRAM/ReRAM)106と、を備える。メモリコントローラ102は、フロントエンドプロセッサ回路(FEP)110と、1つ以上のバックエンドプロセッサ回路(BEP)112と、を備える。一実施形態では、FEP110回路は、ASIC上に実装される。一実施形態では、各BEP回路112は、別個のASIC上に実装される。BEP回路112及びFEP回路110の各々のASICは、メモリコントローラ102がSystem on a Chip(「SoC」)として製造されるように、同じ半導体上に実装される。FEP110及びBEP112は両方とも、それら自体のプロセッサを含む。一実施形態では、FEP110及びBEP112は、FEP110がマスターであり、各BEP112がスレーブであるマスタースレーブ構成として機能する。例えば、FEP回路110は、メモリ管理(例えば、ガベージコレクション、ウェアレベリングなど)、論理アドレスから物理アドレスへの変換、ホストとの通信、DRAM(ローカル揮発性メモリ)の管理、及びSSD(又は他の不揮発性記憶システム)の全体動作の管理を実行するフラッシュ変換層を実装する。BEP回路112は、FEP回路110の要求において、集積メモリアセンブリ/ダイ内のメモリ動作を管理する。いくつかの実施形態では、集積メモリアセンブリは、メモリパッケージと呼ばれる。例えば、BEP回路112は、読み出しプロセス、消去プロセス、及びプログラミングプロセスを実行することができる。加えて、BEP回路112は、バッファ管理を実行し、FEP回路110によって要求される特定の電圧レベルを設定し、エラー訂正(ECC)を実行し、メモリパッケージへのトグルモードインターフェースを制御するなどを行うことができる。一実施形態では、各BEP回路112は、それ自体のメモリパッケージの組に関与する。メモリコントローラ102は、制御回路の一例である。
【0043】
一実施形態では、複数のメモリパッケージ104が存在する。各メモリパッケージ104は、1つ以上のメモリダイを含んでもよい。一実施形態では、メモリパッケージ104内の各メモリダイは、NANDフラッシュメモリ(2次元NANDフラッシュメモリ及び/又は3次元NANDフラッシュメモリを含む)を利用する。他の実施形態では、メモリパッケージ104は、他の種類のメモリを含むことができる。例えば、メモリパッケージは、相変化メモリ(Phase change memory、PCM)メモリを含むことができる。
【0044】
メモリコントローラ102は、PCI Express(PCIe)を介したNVM Express(NVMe)を実装するインターフェース130を使用してホスト120と通信する。記憶システム100を用いた作業の場合、ホスト120は、ホストプロセッサ122と、ホストメモリ124と、PCIeインターフェース126と、を含み、これらは、バス128を介して通信する。ホストメモリ124は、ホストの物理メモリであり、DRAM、SRAM、不揮発性メモリ、又は別の種類の記憶装置であり得る。ホスト120は、記憶システム100の外部にあり、記憶システム100とは別個である。一実施形態では、記憶システム100はホスト120内に埋め込まれる。
【0045】
図1Bは、FEP回路110の一実施形態のブロック図である。
図1Bは、ホスト120と通信するPCIeインターフェース150と、そのPCIeインターフェースと通信するホストプロセッサ152と、を示す。ホストプロセッサ152は、この実装形態に好適な、当該技術分野において既知の任意の種類のプロセッサであり得る。ホストプロセッサ152は、ネットワークオンチップ(NOC)154と通信する。NOCは、典型的には、SoC内のコア間の集積回路上の通信サブシステムである。NOCは、同期クロックドメイン及び非同期クロックドメインにまたがるか、又はクロックなしの非同期論理を使用することができる。NOC技術は、ネットワーキング理論及び方法をオンチップ通信に適用し、従来のバス及びクロスバー相互接続に顕著な改善をもたらす。NOCは、他の設計と比較して、SoCの拡張性、及び複雑なSoCの電力効率を向上させる。NOCのワイヤ及びリンクは、多くの信号によって共有される。NOC内の全てのリンクが異なるデータパケット上で同時に動作することができるため、高レベルの並列性が達成される。したがって、統合サブシステムの複雑性が増大し続けると、NOCは、以前の通信アーキテクチャ(例えば、専用のポイントツーポイント信号ワイヤ、共有バス、又はブリッジを有するセグメント化バス)と比較して、向上した性能(スループットなど)及び拡張性をもたらす。メモリプロセッサ156、SRAM160、及びDRAMコントローラ162は、NOC154に接続され、これと通信している。DRAMコントローラ162は、DRAM(例えば、DRAM106)を動作及び通信するために使用される。SRAM160は、メモリプロセッサ156によって使用されるローカルRAMメモリである。メモリプロセッサ156は、FEP回路を実行し、様々なメモリ動作を実行するために使用される。また、NOCと通信しているのは、2つのPCIeインターフェース164及び166である。
図1Bの実施形態では、メモリコントローラ102は、2つのBEP回路112を含む。したがって、2つのPCIeインターフェース164/166が存在する。各PCIeインターフェースは、BEP回路112のうちの1つと通信する。他の実施形態では、2つより多い又は少ないBEP回路112が存在し得る。したがって、3つ以上のPCIeインターフェースが存在し得る。
【0046】
図2Aは、BEP回路112の一実施形態のブロック図である。
図2Aは、FEP回路110と通信するためのPCIeインターフェース200を示す(例えば、
図1BのPCIeインターフェース164及び166のうちの1つと通信する)。PCIeインターフェース200は、2つのNOC202及び204と通信する。一実施形態では、2つのNOCを、1つの大きなNOCと組み合わせることができる。各NOC(202/204)は、XORエンジン(224/254)、ECCエンジン(226/256)を介して、SRAM(230/260)、バッファ(232/262)、プロセッサ(220/250)、及びデータ経路コントローラ(222/252)に接続される。
【0047】
ECCエンジン226/256は、当該技術分野において既知のように、エラー訂正を実行するために使用される。本明細書では、ECCエンジン226/256は、コントローラECCエンジンと呼ばれることがある。XORエンジン224/254は、データをXOR演算するために使用され、その結果、データは、プログラミングエラーがある場合に回復され得る様式で組み合わされ、記憶され得る。一実施形態では、XORエンジン224/254は、ECCエンジン226/256を使用して復号できないデータを回復することができる。
【0048】
データ経路コントローラ222は、集積メモリアセンブリを有する4つのチャネルを介して通信するためのメモリインターフェース228に接続される。したがって、上部NOC202は、集積メモリアセンブリと通信するための4つのチャネルのためのメモリインターフェース228に関連付けられ、底部NOC204は、集積メモリアセンブリと通信するための4つの追加のチャネルのためのメモリインターフェース258と関連付けられる。一実施形態では、各メモリインターフェース228/258は、4つのトグルモードインターフェース(TMインターフェース)、4つのバッファ、及び4つのスケジューラを含む。チャネルの各々について、1つのスケジューラ、バッファ、及びTMインターフェースが存在する。プロセッサは、当該技術分野において既知の任意の標準的なプロセッサであり得る。データ経路コントローラ222/252は、プロセッサ、FPGA、マイクロプロセッサ、又は他の種類のコントローラであり得る。XORエンジン224/254及びECCエンジン226/256は、ハードウェアアクセレレータとして知られる専用ハードウェア回路である。他の実施形態では、XORエンジン224/254、ECCエンジン226/256は、ソフトウェアで実装され得る。スケジューラ、バッファ、及びTMインターフェースは、ハードウェア回路である。他の実施形態では、メモリインターフェース(メモリダイと通信するための電気回路)は、
図2Aに示されるものとは異なる構造であり得る。加えて、
図1B及び
図2Aとは異なる構造を有するコントローラもまた、本明細書に記載される技術と共に使用することができる。
【0049】
図2Bは、メモリバス(データ線及びチップイネイブル線)322に接続された複数の集積メモリアセンブリ306を含むメモリパッケージ104の一実施形態のブロック図である。各集積メモリアセンブリは、制御ダイ及び1つ以上のメモリダイを有する。メモリダイは、メモリセルを含む。制御ダイは、メモリ構造に対してチップレベル制御を実行するための制御回路を含む。データバス322は、BEP回路112のTMインターフェースと通信するためのトグルモードインターフェース228に接続する(例えば、
図2Aを参照)。いくつかの実施形態では、メモリパッケージは、メモリバス及びTMインターフェースに接続された小型コントローラを含むことができる。メモリパッケージは、1つ以上の集積メモリアセンブリ306を有することができる。合計で、メモリパッケージ104は、8個又は16個のメモリダイを有してもよい。しかしながら、他の数のメモリダイもまた実装することができる。本明細書に記載する技術は、任意の特定の数のメモリダイに限定されない。
【0050】
図3Aは、集積メモリアセンブリ306の一実施形態の機能ブロック図を示す。集積メモリアセンブリ306は、記憶システム100内のメモリパッケージ104に使用されてもよい。一実施形態では、集積メモリアセンブリ306は、2種類の半導体ダイ(又はより簡潔に「ダイ」)を含む。メモリダイ302は、メモリ構造326を含む。メモリ構造326は、不揮発性メモリセルを含んでもよい。メモリ構造326は、行デコーダ(
図3Aには図示せず)を介してワード線によって、及び列デコーダ(
図3Aには図示せず)を介してビット線によってアドレス可能である。デコーダは、メモリダイ302又は制御ダイ304のいずれかに存在してもよい。
【0051】
制御ダイ304は、制御回路310を含む。制御回路310内の構成要素は、電気回路である。制御回路310は、メモリダイのチップレベル制御を実行するように構成される。いくつかの実施形態では、制御ダイ304は、メモリダイ302内のメモリ構造326に接続するように構成される。例えば、制御回路310は、メモリダイ302内のメモリ構造326内の不揮発性メモリセルに接続されるように構成される。いくつかの実施形態では、制御回路310は、本明細書に開示されるように、標的メモリセルに対する隣接するメモリセルの干渉を補償するように構成される。いくつかの実施形態では、メモリダイ302及び制御ダイ304は一緒に固着される(例えば、接合される)。制御回路310は、ステートマシン312、アドレスデコーダ314、電力制御回路316、メモリコントローラインターフェース315、記憶領域318、及びECCエンジン330を含む。記憶領域318は、読み出し基準電圧などのパラメータを記憶してもよい。いくつかの実施形態では、記憶領域318は、隣接するメモリセルに関する状態情報を記憶するために使用される。この状態情報は、本明細書に開示されるように、標的メモリセルに対する隣接するメモリセルのインターフェースを補償するために使用され得る。
【0052】
制御回路310はまた、読み出し/書き込み回路328を含む。別の実施形態では、読み出し/書き込み回路328の一部は、制御ダイ304上に位置し、読み出し/書き込み回路328の一部は、メモリダイ302上に位置する。読み出し/書き込み回路328は、複数の感知ブロックを含み得、複数のメモリセル内のデータのページ(又は複数のページ)が並列に読み出し又はプログラムされることを可能にし得る。一実施形態では、各感知ブロックは、センスアンプと、ビット線に接続された1組のラッチと、を含む。ラッチは、読み書きされたデータを記憶する。感知ブロックは、ビット線ドライバを含む。いくつかの実施形態では、ラッチの一部は、隣接するメモリセルから状態情報を記憶するために使用され、これは、標的メモリセルに対する隣接するメモリセルの干渉を補償するために使用され得る。
【0053】
コマンド及びデータは、メモリコントローラインターフェース315(「通信インターフェース」とも呼ばれる)を介してコントローラ102と制御ダイ304との間で転送される。メモリコントローラインターフェース315は、メモリコントローラ102と通信するための電気インターフェースである。メモリコントローラインターフェース315の例としては、トグルモードインターフェース及びオープンNANDフラッシュインターフェース(ONFI)が挙げられる。他のI/Oインターフェースも使用され得る。例えば、メモリコントローラインターフェース315は、メモリコントローラ102用のメモリインターフェース228/258のトグルモードインターフェースに接続するトグルモードインターフェースを実装してもよい。一実施形態では、メモリコントローラインターフェース315は、チャネル322(データバスとも呼ばれる)と通信するために接続する1組の入力及び/又は出力(input and/or output、I/O)ピンを含む。一実施形態では、通信チャネル322は、トグルモードインターフェースの一部としてメモリコントローラ102に接続する。
【0054】
制御回路310は、読み出し/書き込み回路328と協働して、メモリ構造326上でメモリ動作(例えば、書き込み、読み出し、消去、及びその他)を実行する。一実施形態では、制御回路310は、ステートマシン312と、オンチップアドレスデコーダ314と、電力制御モジュール316と、メモリコントローラインターフェース315と、記憶領域318と、を含む。ステートマシン312は、メモリ動作のチップレベル制御を提供する。一実施形態では、ステートマシン312は、ソフトウェアによってプログラム可能である。他の実施形態では、ステートマシン312は、ソフトウェアを使用せず、ハードウェア(例えば電気回路)内に完全に実装される。いくつかの実施形態では、ステートマシン312をマイクロコントローラ又はマイクロプロセッサに置き換えることができる。
【0055】
オンチップアドレスデコーダ314は、コントローラ102によって使用されるアドレスと、デコーダによって使用されるハードウェアアドレスとのアドレスインターフェースを提供する。電力制御モジュール316は、メモリ動作中にワード線及びビット線に供給される電力及び電圧を制御する。電力制御モジュール316は、電圧を生成するための電荷ポンプを含み得る。
【0056】
記憶領域318は、メモリ構造326を動作させるためのパラメータを記憶するために使用されてもよい。記憶領域318は、揮発性メモリ又は不揮発性メモリを含んでもよい。いくつかの実施形態では、パラメータは、読み出し基準電圧を含む。メモリ構造326は、記憶領域326aを有し、記憶領域326aはまた、メモリ構造326を動作させるためのパラメータのコピーを含んでもよい。いくつかの実施形態では、メモリダイ302が電源オンされると、パラメータは記憶領域326aから記憶領域318にコピーされる。
【0057】
エラー訂正コード(error correction code、ECC)エンジン330は、正しいコードワードを復号及びエラーするように構成されている。本明細書では、ECCエンジン330は、オンダイECCエンジンと呼ばれることがある。一実施形態では、オンダイのECCエンジン330は、メモリコントローラ102からのデータビットを、データビット及びパリティビットを含むコードワードに符号化するように構成される。制御回路は、メモリ構造326内にコードワードを記憶する。一実施形態では、オンダイのECCエンジン330は、メモリ構造326から読み戻されるコードワードを復号するように構成される。いくつかの実施形態では、オンダイのECCエンジン330は、本明細書に開示されるように、等化を実行することによって、標的メモリセルに対する隣接するメモリセルの干渉を補償するように構成される。
【0058】
経路352は、制御回路310内の1つ以上の構成要素とメモリダイ302上のメモリ構造との間の経路である。経路は、信号(例えば、電圧、電流)を提供又は受信するために使用され得る。経路は、導電性経路を含む。経路は、ボンドパッド、金属相互接続、ビア、トランジスタ、導電性材料、及び電気信号を転送又は搬送し得る他の材料のうちの1つ以上を含み得るが、これらに限定されない。経路は、電力制御モジュール316からの読み出し基準電圧を、メモリ構造326内で読み取られるメモリセルに接続された選択されたワード線に提供するために使用されてもよい。経路は、読み出し動作中に、電力制御モジュール316からの読み出しパス電圧を、選択されていないワード線に提供するために使用されてもよい。経路は、メモリ構造内のビット線に接続して、ビット線が読み出し/書き込み回路328によって感知されることを可能にし得る。
【0059】
本明細書で使用するとき、装置という用語としては、制御ダイ304、集積メモリアセンブリ306、メモリパッケージ104、記憶システム100、又は記憶システム100を含むホストシステム120を含み得るが、これらに限定されない。制御ダイ304の制御回路310内の構成要素の任意のサブセットは、制御回路と見なすことができる。別の代替例では、制御回路は、コントローラ102と、フローチャートにおいて以下に記載される機能を実行する制御ダイ304の制御回路310と、を含む。制御回路は、ハードウェアのみ、又はハードウェアとソフトウェア(ファームウェアを含む)との組み合わせを含むことができる。例えば、ファームウェアによってプログラムされたコントローラは、制御回路の一例である。制御回路は、プロセッサ、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、集積回路、又は他の種類の回路を含むことができる。
【0060】
一実施形態では、メモリ構造326は、ウェハなど単一基板上に複数のメモリレベルが形成される不揮発性メモリセルのモノリシック3次元メモリアレイを備える。メモリ構造は、シリコン(又は他の種類の)基板上に配置された活性領域を有する、1つ以上の物理レベルのメモリセルアレイにモノリシックに形成される、任意の種類の不揮発性メモリを備え得る。一例では、メモリ構造326の不揮発性メモリセルは、例えば米国特許第9,721,662号に記載されているような電荷トラップ材料を有する垂直NANDストリングを備え、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。別の実施形態では、メモリ構造326は、不揮発性メモリセルの2次元メモリアレイを備える。一例では、不揮発性メモリセルは、例えば米国特許第9,082,502号に記載されているような浮動ゲートを利用するNANDフラッシュメモリセルであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。他の種類のメモリセル(例えば、NOR型フラッシュメモリ)も使用することができる。
【0061】
メモリ構造326に含まれるメモリアレイアーキテクチャ又はメモリセルの正確な種類は、上記の例に限定されない。多くの異なる種類のメモリアレイアーキテクチャ又はメモリセル技術を使用して、メモリ構造326を形成することができる。本明細書で提案された新たに特許請求される実施形態の目的には、特定の不揮発性メモリ技術は必要とされない。メモリ構造326のメモリセルに適した技術の他の例として、ReRAMメモリ、磁気抵抗メモリ(例えば、MRAM、スピントランスファートルクMRAM、スピン軌道トルクMRAM)、相変化メモリ(例えばPCM)などが挙げられる。メモリ構造326のアーキテクチャに好適な技術の例として、2次元アレイ、3次元アレイ、クロスポイントアレイ、積層型2次元アレイ、垂直ビット線アレイなどが挙げられる。
【0062】
ReRAM又はPCMRAM、クロスポイントメモリの一例として、X線及びY線(例えば、ワード線及びビット線)によってアクセスされるクロスポイントアレイに配置された可逆抵抗スイッチング素子が挙げられる。別の実施形態では、メモリセルは、導電性ブリッジメモリ素子を含み得る。導電性ブリッジメモリ素子はまた、プログラム可能なメタライゼーションセルと呼ばれ得る。導電性ブリッジメモリ素子は、固体電解質内のイオンの物理的再配置に基づく状態変化素子として使用され得る。場合によっては、導電性ブリッジメモリ素子は、2つの電極間に固体電解質薄膜を有する、2つの固体金属電極を含んでもよく、一方は、比較的不活性であり(例えば、タングステン)、他方は、他の電気化学的に活性である(例えば、銀又は銅)。温度が上昇すると、イオンの移動度も増加し、導電性ブリッジメモリセルのプログラミング閾値が低下する。したがって、導電性ブリッジメモリ素子は、温度に対して広範囲のプログラミング閾値を有し得る。
【0063】
磁気抵抗メモリ(Magnetoresistive memory、MRAM)は、磁気記憶素子によってデータを記憶する。素子は、各々が薄い絶縁層によって分離された磁化を保持することができる、2つの強磁性プレートから形成される。2つのプレートのうちの1つは、特定の極性に設定された永久磁石である。他方のプレートの磁化は、メモリを記憶するために外場の磁化と一致するように変更することができる。記憶デバイスは、このようなメモリセルのグリッドから構築される。プログラミングのための一実施形態では、各メモリセルは、互いに直角に、セルに平行に、セルの1つ上及び1つ下に配置された一対の書き込み線の間にある。電流がそれらを通過すると、誘導磁場が生成される。
【0064】
相変化メモリ(PCM)は、カルコゲナイドガラス特有の挙動を利用する。一実施形態は、Ge2Sb2Te5合金を使用して、位相変化材料を電気加熱することによって相変化を達成する。複数回のプログラミングは、異なる振幅及び/又は長さの電気パルスであって、異なる抵抗値の相変化材料をもたらす。
【0065】
当業者であれば、本明細書に記載されるこの技術は単一の特定のメモリ構造に限定されず、本明細書に記載され、当業者によって理解されるように、技術の趣旨及び範囲内で、多くの関連するメモリ構造をカバーすることを、理解するであろう。
【0066】
図3Bは、制御ダイ304の読み出し/書き込み回路328及びECCエンジン330の一実施形態のブロック図である。読み出し/書き込み回路328は、センスアンプ350及び管理回路480を含む。管理回路480は、ラッチ360及びデータ状態情報記憶装置392を有する。ラッチ360は、データラッチ360a及びパリティラッチ360bを含んでもよい。一実施形態では、データラッチ360aは、コードワードのデータビットを記憶し、パリティラッチは、コードワードのパリティビットを記憶する。
図3Bは、4組のデータラッチ360(1)、360(2)、360(3)、360(4)を示す。各組は、異なるページのコードワードを記憶するために使用されてもよい。4ビットがメモリセル毎に記憶される実施形態では、4つのページが、1組のメモリセルに記憶される。4つのページは、下部ページ(LP)、下部中央ページ(LMP)、上部中央ページ(UMP)、及び上部ページ(UP)と呼ばれることがある。別の実施形態では、センスアンプ350はメモリダイ302上にあるが、ラッチ360は制御ダイ304上にある。
【0067】
データ状態情報記憶装置392は、メモリセルに関するデータ状態情報を記憶するために使用される。一実施形態では、記憶装置392はラッチを含み、ラッチは、ラッチ360に構造が類似していてもよい。しかしながら、記憶装置392は、例えば、SRAM又はDRAMなどのラッチ以外のメモリの種類であってもよい。一実施形態では、データ状態情報は、ラッチ360内の情報に基づく。一例として、データ状態情報は、ラッチ360内の情報のコピーである。例えば、
図3Bでは、ラッチ360内のセル毎に4ビットが存在する。したがって、記憶装置392は、セル毎にこれらの4ビットのコピーを含んでもよい。しかしながら、しかしながら、データ状態情報は、ラッチ360内の情報よりもメモリセル当たりのビット数を少なくすることができる。例えば、記憶装置392は、メモリセル毎に単一ビットを含んでもよく、これは、2組のデータ状態のうちのどちらがセルに存在しているかを示す。典型的には、各組は、データ状態の連続する組である。例えば、データ状態S0~S15に関して(
図7を参照)、「0」のビット値はS0~S7を指定することができ、「1」のビット値はS8~S15を指定することができる。別の例として、「0」のビット値はS0~S11を指定することができ、「1」のビット値はS12~S15を指定することができる。したがって、組は同じサイズである必要はない。これらの実施例では、「0」のデータ状態情報値は補償なしに対応し得、一方、「1」のデータ状態情報値は何らかのレベルの補償に対応し得る。データ状態情報は、この実施例では、16個のデータ状態が存在する1ビット、2ビット、3ビット、又は4ビットを含むことができる。したがって、2ビットでは、「00」は補償なしに対応し得、一方、「01」、「10」、及び「11」は3つの異なる補償レベルに対応し得る。本明細書では、「補償なし」を提供することは、あるレベルの補償(例えば、ゼロ補償)と見なすことができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、次のメモリセルの組が感知されると、ラッチ360内の情報が上書きされてもよいことに留意されたい。しかしながら、記憶装置392内の保存された状態情報は、標的メモリセルに補償を適用するために使用されてもよい。したがって、隣接するメモリセルを再感知する必要なく、補償を標的メモリセルに適用することができる。(
図3Aの集積メモリアセンブリ306とは対照的に)メモリセル及びチップレベル制御回路が同じダイ上に存在する代替アーキテクチャにおける非常に限られた量のスペースを考えると、代替アーキテクチャに関する状態情報を節約することは非実用的であり得る。
【0069】
オンダイのECCエンジン330は、メモリコントローラ102から受信したデータビットを符号化することができる。一実施形態では、オンダイのECCエンジン330は、データビット及びパリティビットを各々が含むコードワードを形成する。一実施形態では、メモリコントローラ102は、コードワードを制御ダイ304に提供する。制御回路310は、メモリ構造326内の不揮発性メモリセルにコードワードを記憶する。メモリコントローラ102からのデータを読み出す要求に応じて、制御回路310は、メモリ構造326からコードワードを読み出す。オンダイのECCエンジン330はまた、メモリ構造326から読み出されたコードワードを復号及びエラー訂正することもできる。いくつかの実施形態では、オンダイのECCエンジン330は、記憶されているデータの各ユニット(例えば、ページ)のパリティビットを計算する。パリティビット(エラー訂正コードとも呼ばれる)は、データのユニット(例えば、ページ)と共に記憶され得る。データのユニットとその関連パリティビットとの組み合わせは、コードワードと呼ばれる。一実施形態において、パリティビットは、データのユニット(例えば、ページ)から遠隔に記憶される。
【0070】
オンダイのECCエンジン330は、エンコーダ380、デコーダ390、及び等化385を含む。エンコーダ380は、リードソロモンエンコーダ、Bose-Chaudhuri-Hocquenghem(BCH)エンコーダ、低密度パリティチェック(LDPC)エンコーダ、ターボコードエンコーダ、1つ以上の他のECC符号化スキームを符号化するように構成されたエンコーダ、又はそれらの任意の組み合わせなどのECCスキームを使用してデータを符号化するように構成される。エンコーダ380は、データビット382及びパリティビット384を含むコードワードを形成してもよい。データビットは、メモリコントローラ102によって提供され得る。
【0071】
デコーダ390は、メモリダイ302に記憶されたコードワードを復号するように構成される。一実施形態では、センスアンプ350は、コードワードを読み出すためにメモリ構造326内のビット線を感知する。センスアンプ350は、ビット線を管理回路480に感知する結果を提供することができる。次いで、管理回路480は、センスアンプ350からの情報に基づいて、生の(まだエラー訂正されていない)コードワードを判定し、ラッチ360内に記憶することができる。
【0072】
デコーダ390は、生のコードワード内のエラーを検出し、訂正することができる。一実施形態では、デコーダ390は、ハードビットデコーダを実装する。一実施形態では、デコーダ390は、ソフトビットデコーダを実装する。デコーダ390は、ハードビットデコーダ及びソフトビットデコーダの両方を実装してもよい。例えば、制御ダイ304は、最初に、ハードビットデコーダを用いてコードワードを復号することを試みることができる。失敗した場合、次いで、制御ダイ304は、ソフトビットデコーダを使用して復号を試みることができる。
【0073】
等化385は、一実施形態では、標的メモリセルに対する隣接するメモリセルからの干渉を補償するために使用される。等化385は、記憶装置392内の情報に基づいてもよい。一実施形態では、等化は線形最小平均二乗誤差(LMMSE)クロスカップリング推定及び等化を使用する。等化技術は、隣接するセル(又は隣接する複数のセル)が、妨害の線形モデル(LMMSEなど)に基づいて、標的セルの読み出しを妨害する程度を判定することを含む。次いで、実際の感知及び隣接するセル(単数又は複数)が標的セルの読み出しを妨害する程度に基づいて、標的セル内に実際に記憶されたデータから推定を行うことができる。
【0074】
図4は、感知ブロック340の一実施形態を示すブロック図である。感知ブロックは、読み出し/書き込み回路328の一部である。個別の感知ブロック340は、感知回路又はセンスアンプ350(1)~350(4)と呼ばれる1つ以上のコア部分と、管理回路480と呼ばれる共通部分とに区画化されてもよい。一実施形態では、各ビット線に結合された別個の感知回路と、1組の複数(例えば、4個又は8個)の感知回路のための1つの共通の管理回路480とが存在する。グループ内の各感知回路は、データバス454を介して関連する管理回路と通信する。したがって、1組の記憶素子(メモリセル)の感知回路と通信する1つ以上の管理回路が存在する。
【0075】
一例として、センスアンプ350(1)は、接続されたビット線における伝導電流が所定の閾値レベルを上回るか下回るかを判定することによって感知を行う感知回路460を備える。感知は、読み出し動作又は検証動作において発生し得る。感知回路はまた、プログラム動作におけるプログラム電圧の印加中にビット線電圧を供給する。他の回路(例えば、ステートマシン312の制御下の電力制御316)は、読み出し又はプログラム中にワード線への電圧の印加を制御し得ることに留意されたい。したがって、ステートマシン312は、読み出し基準電圧(並びに他の電圧)のワード線へのタイミングを制御するために、電力制御316を制御してもよい。
【0076】
感知回路460は、Vblセレクタ462、感知ノード464、比較回路466、及びトリップラッチ468を含み得る。プログラム電圧の印加中、Vblセレクタ462は、プログラムイネーブル電圧(例えば、V_pgm_enable)又はプログラム禁止電圧(例えば、Vbl_inh)を、メモリセルに接続されたビット線に渡すことができる。
【0077】
トランジスタ470(例えば、nMOS)は、トランジスタの制御ゲート電圧を十分に高く、例えば、Vblセレクタから渡されたVblよりも高く設定することによって、Vblセレクタ462からVblを渡すためのパスゲートとして構成され得る。例えば、セレクタ472は、電源電圧Vdd、例えば、3~4Vをトランジスタ470の制御ゲートに渡すことができる。
【0078】
センスアンプ350(1)は、ビット線に電圧が印加されるタイミングを制御するように構成されている。読み出し動作及び検証動作などの感知動作中、ビット線電圧は、セレクタ472が渡された電圧に基づいてトランジスタ470によって設定される。ビット線電圧は、トランジスタの制御ゲート電圧からそのVt(例えば、3V)を引いたものとほぼ等しい。例えば、Vbl+Vtがセレクタ472によって渡される場合、ビット線電圧はVblとなる。これは、ソース線が0Vにあると仮定する。トランジスタ470は、制御ゲート電圧に従ってビット線電圧をクランプし、パスゲートではなくソースフォロワとして作用する。Vblセレクタ462は、トランジスタ470上の制御ゲート電圧よりも高いVddなどの比較的高い電圧を渡して、ソースフォロワモードを提供することができる。感知中、トランジスタ470は、ビット線を充電する。
【0079】
1つのアプローチでは、各センスアンプのセレクタ472は、Vbl又はVddを渡すために、他のセンスアンプのセレクタとは別個に制御することができる。各センスアンプのVblセレクタ462はまた、他のセンスアンプのVblセレクタとは別個に制御することができる。
【0080】
感知中、感知ノード464は、Vsense_init=3Vなどの初期電圧まで充電される。感知ノードは次に、トランジスタ470を介してビット線に接続され、感知ノードの減衰量は、メモリセルが導電性状態にあるか、又は非導電性状態にあるかを判定するために使用される。一実施形態では、ビット線内を流れる電流が感知ノード(例えば、感知コンデンサ)を放電する。感知ノードが減衰することができる時間の長さは、本明細書では「積分時間」と呼ばれることがある。比較回路466は、感知ノード電圧を感知時間でトリップ電圧と比較するために使用される。感知ノード電圧がトリップ電圧Vtripを下回って減衰する場合、メモリセルは導電性状態となり、そのVtは検証信号の電圧以下である。感知ノード電圧がVtripを下回って減衰しない場合、メモリセルは非導電性状態となり、そのVtは検証信号の電圧を上回る。センスアンプ350(1)は、メモリセルが導電性又は非導電性状態であるかどうかに基づいて比較回路466によって設定されるトリップラッチ468を含む。トリップラッチ内のデータは、プロセッサ482によって読み出されるビットであり得る。
【0081】
管理回路480は、プロセッサ482、4組の例示的なデータラッチ484、485、486、487、及びデータラッチの組とデータバス322(データバスは、メモリコントローラ102に接続され得る)との間に結合されたI/Oインターフェース488を備える。例えば、個々のラッチLDL、LMDL、UMDL、及びUDLを含む1組のデータラッチが、各センスアンプのために提供され得る。場合によっては、より少ない又は追加のデータラッチが使用されてもよい。LDLは、データの下部ページのビットを記憶し、LMDLは、データの下部中央ページのビットを記憶し、UMDLは、データの上部中央ページのビットを記憶し、UDLは、データの上部ページのビットを記憶する。これは、メモリセルメモリデバイス毎に16レベル又は4ビットである。一実施形態では、メモリセル毎に8レベル又は3ビットが存在する。
【0082】
プロセッサ482は、感知されたメモリセルに記憶されたデータを判定し、データラッチの組内に判定されたデータを記憶するように、計算を実施する。例えば、プロセッサ482は、生のコードワード内のビットを判定し、ラッチ484~487内に生コードワードのビットを記憶してもよい。データラッチ484~487の各組は、読み出し動作中にプロセッサ482によって判定されたデータビットを記憶し、メモリにプログラムされることを意味する書き込みデータを表すプログラム動作中にデータバス322からインポートされたデータビットを記憶するために使用される。I/Oインターフェース488は、データラッチ484~487とデータバス322との間のインターフェースを提供する。
【0083】
プロセッサ482はまた、ラッチ484~487内の情報に基づいて、それぞれのメモリセルに関するデータ状態情報を判定してもよい。データ状態情報は、記憶装置392に保存されてもよい。
【0084】
読み出し中、システムの動作は、アドレス指定されたメモリセルへの異なる制御ゲート電圧の供給を制御するステートマシン312の制御下にある。メモリによってサポートされる様々なメモリ状態に対応する様々な所定の制御ゲート電圧をステップ実行すると、感知回路はこれらの電圧のうちの1つでトリップすることができ、対応する出力は、データバス454を介してプロセッサ482に感知回路から提供されることになる。その時点で、プロセッサ482は、感知回路のトリップイベント(単数又は複数)及び入力線490を介したステートマシンからの印加された制御ゲート電圧に関する情報を考慮することによって、結果として得られるメモリ状態を判定する。次いで、メモリ状態のバイナリ符号化を計算し、結果として得られるデータビットをデータラッチ484~487に記憶する。
【0085】
いくつかの実装形態は、複数のプロセッサ482を含むことができる。一実施形態では、各プロセッサ482は、出力線の各々が一緒に有線OR接続されるように、出力線(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、出力線は、有線OR線に接続される前に反転される。この構成により、有線ORを受信するステートマシンは、プログラムされている全てのビットが所望のレベルに到達したことを判定することができるため、プログラミングプロセスが完了したときのプログラム検証テスト中に迅速に判定できる。例えば、各ビットがその所望のレベルに到達したとき、そのビットの論理ゼロは、有線OR線(又は、データ1が反転)に送信される。全てのビットがデータ0(又は、データ1が反転)を出力すると、ステートマシンはプログラミングプロセスを終了することを知る。各プロセッサは4つのセンスアンプと通信するため、ステートマシンは有線OR線を4回読み出す必要があり、又は、論理は、関連するビット線の結果を蓄積するためにプロセッサ482に追加されて、ステートマシンが有線OR線を一度に読み出す必要がある。同様に、論理レベルを正しく選択することによって、グローバルステートマシンは、第1のビットがその状態を変更し、それに応答してアルゴリズムを変更するときを検出することができる。
【0086】
メモリセルの動作をプログラム又は検証する間、プログラムされるデータ(書き込みデータ)は、メモリセル実装当たり4ビットで、LDL、LMDL、UMDL、及びUDLラッチ内のデータバス322からデータラッチ484~487の組内に記憶される。
【0087】
データラッチ484~487の各組は、各センスアンプのデータラッチのスタックとして実装されてもよい。いくつかの実装形態では、データラッチはシフトレジスタとして実装されているため、そこに記憶されたパラレルデータはデータバス322のシリアルデータに変換され、逆もまた同様である。メモリセルの読み出し/書き込みブロックに対応する全てのデータラッチを一緒にリンクして、データのブロックがシリアル転送によって入力又は出力され得るように、ブロックシフトレジスタを形成することができる。具体的には、読み出し/書き込み回路のバンクは、データラッチの組の各々が、読み出し/書き込みブロック全体のシフトレジスタの一部であるかのように、データバスの中又は外のデータをシーケンス内でシフトさせるように適合される。
【0088】
いくつかの実施形態では、集積メモリアセンブリ306内に、2つ以上の制御ダイ304及び2つ以上のメモリダイ302が存在する。いくつかの実施形態では、集積メモリアセンブリ306は、複数の制御ダイ304及び複数のメモリダイ302のスタックを含む。
図5Aは、基板502上に積層された集積メモリアセンブリ306(例えば、制御ダイ304及びメモリダイ302を含むスタック)の一実施形態の側面図を示す。集積メモリアセンブリ306は、3つの制御ダイ304及び3つのメモリダイ302を有する。いくつかの実施形態では、4つ以上のメモリダイ302及び4つ以上の制御ダイ304が存在する。
【0089】
各制御ダイ304は、メモリダイ302のうちの少なくとも1つに固着(例えば、接合)される。ボンドパッド570、574のうちの一部が示されている。更に多くのボンドパッドが存在し得る。一緒に接合される2つのダイ302と304との間の空間は、エポキシ又は他の樹脂若しくはポリマーから形成され得る固体層548で充填される。この固体層548は、ダイ302と304と間の電気的接続を保護し、ダイを一緒に更に固定する。様々な材料を固体層548として使用し得るが、実施形態では、米国カリフォルニア州にオフィスを構える、Henkel社のHysolエポキシ樹脂であってもよい。
【0090】
集積メモリアセンブリ306は、例えば、ステップ状にオフセットして積層されてもよく、各レベルのボンドパッドは、被覆されておらず、上からアクセス可能である。ボンドパッドに接続されたワイヤボンド506は、制御ダイ304を基板502に接続した。多数のこのようなワイヤボンドは、各制御ダイ304の幅にわたって(すなわち、
図5Aのページ内に)形成されてもよい。
【0091】
メモリダイ貫通シリコンビア(TSV)512を使用して、メモリダイ302を介して信号をルーティングすることができる。制御ダイ貫通シリコンビア(TSV)514を使用して、制御ダイ304を介して信号をルーティングすることができる。TSV512、514は、半導体ダイ302、304内の集積回路の形成前、形成中、又は形成後に形成されてもよい。TSVは、ウェハを貫通する孔をエッチングすることによって形成されてもよい。次いで、孔は、金属拡散に対するバリアで裏打ちされてもよい。バリア層は、次にシード層で裏打ちされてもよく、シード層は、銅などの導電体でめっきされてもよいが、アルミニウム、スズ、ニッケル、金、ドープポリシリコン、及びこれらの合金又は組み合わせなどの他の好適な材料を使用することができる。
【0092】
はんだボール508は、任意選択的に、基板502の下面上のコンタクトパッド510に固着されてもよい。はんだボール508は、集積メモリアセンブリ306をプリント回路基板などのホストデバイスに電気的かつ機械的に結合するために使用されてもよい。集積メモリアセンブリ306がLGAパッケージとして使用される場合、はんだボール508は省略されてもよい。はんだボール508は、集積メモリアセンブリ306とメモリコントローラ102との間のインターフェースの一部を形成してもよい。
【0093】
図5Bは、基板502上に積層された集積メモリアセンブリ306の一実施形態の側面図を示す。集積メモリアセンブリ306は、3つの制御ダイ304及び3つのメモリダイ302を有する。いくつかの実施形態では、3つよりもはるかに多くのメモリダイ302及び3つよりもはるかに多くの制御ダイ304が存在する。この実施例では、各制御ダイ304は、少なくとも1つのメモリダイ302に接合される。任意選択的に、制御ダイ304は、2つのメモリダイ302に接合されてもよい。
【0094】
ボンドパッド570、574のうちの一部が示されている。更に多くのボンドパッドが存在し得る。一緒に接合される2つのダイ302と304との間の空間は、エポキシ又は他の樹脂若しくはポリマーから形成され得る固体層548で充填される。
図5Aの例とは対照的に、
図5Bの集積メモリアセンブリ306は、ステップ状のオフセットを有さない。メモリダイ貫通シリコンビア(TSV)512を使用して、メモリダイ302を介して信号をルーティングすることができる。制御ダイ貫通シリコンビア(TSV)514を使用して、制御ダイ304を介して信号をルーティングすることができる。
【0095】
はんだボール508は、任意選択的に、基板502の下面上のコンタクトパッド510に固着されてもよい。はんだボール508は、集積メモリアセンブリ306をプリント回路基板などのホストデバイスに電気的かつ機械的に結合するために使用されてもよい。集積メモリアセンブリ306がLGAパッケージとして使用される場合、はんだボール508は省略されてもよい。
【0096】
上で簡単に述べたように、制御ダイ304及びメモリダイ302は、一緒に接合されてもよい。各ダイ302、304上のボンドパッドを使用して、2つのダイを一緒に接合することができる。一部の実施形態では、ボンドパッドは、はんだ又は他の追加材料なしで、いわゆるCu~Cu接合プロセスにおいて互いに直接接合される。Cu~Cu接合プロセスでは、ボンドパッドは、高度に平坦であるように制御され、周囲の微粒子がほとんどない高度に制御された環境で形成され、微粒子は、そうしないと、ボンドパッド上に沈降し、密接な接合を妨げる可能性がある。このような適切に制御された条件下で、ボンドパッドは、互いに位置合わせされ、互いに押し付けられて、表面張力に基づいて相互接合を形成する。このような接合は室温で形成されてもよいが、熱が適用されてもよい。Cu~Cu接合を使用する実施形態では、ボンドパッドは、約5μm平方であり得、5μm~5μmのピッチで互いに離間され得る。このプロセスは、本明細書ではCu~Cu接合と称されるが、この用語はまた、ボンドパッドがCu以外の材料で形成される場合にも適用され得る。
【0097】
ボンドパッドの面積が小さい場合、半導体ダイを一緒に接合することは困難であり得る。ボンドパッドのサイズ及びボンドパッド間ピッチは、ボンドパッドを含む半導体ダイの表面上にフィルム層を提供することによって、更に低減され得る。フィルム層は、ボンドパッドの周囲に設けられる。ダイが一緒になると、ボンドパッドは互いに接合し得、それぞれのダイ上のフィルム層が互いに接合し得る。このような接合技法は、ハイブリッド接合と呼ばれることがある。ハイブリッド接合を使用する実施形態では、ボンドパッドは、約5μm平方であり得、1μm~5μmのピッチで互いに離間され得る。いっそうより小さいサイズ及びピッチを有するボンドパッドを提供する接合技法が使用されてもよい。
【0098】
いくつかの実施形態は、ダイ302、304の表面上にフィルムを含み得る。このようなフィルムが最初に提供されない場合、ダイ間の空間は、エポキシ又は他の樹脂若しくはポリマーでアンダーフィルされてもよい。アンダーフィル材料は液体として塗布されてもよく、それはその後固体層に固化する。このアンダーフィルステップは、ダイ302と304と間の電気的接続を保護し、ダイを一緒に更に固定する。様々な材料をアンダーフィル材料として使用し得るが、実施形態では、米国カリフォルニア州にオフィスを構える、Henkel社のHysolエポキシ樹脂であってもよい。
【0099】
図6は、複数の不揮発性メモリセルを含む、メモリ構造326を備え得るモノリシック3次元メモリアレイの例示的な一実施形態の一部の斜視図である。例えば、
図6は、メモリを備える1つのブロックの一部を示す。図示された構造は、交互の誘電体層及び導電層のスタックの上方に位置決めされた1組のビット線BLを含み、誘電体層及び導電層を通って延在する垂直列の材料を備えている。例えば、誘電体層のうちの1つがDとしてマークされ、導電層(ワード線層とも呼ばれる)のうちの1つがWとしてマークされている。ワード線層は、メモリセルに接続された1つ以上のワード線を含む。例えば、ワード線は、メモリセルの制御ゲートに接続され得る。交互の誘電体層及び導電層の数は、特定の実装要件に基づいて変動し得る。1組の実施形態は、108~304個の交互の誘電体層及び導電層を含む。例示的な一実施形態は、96個のデータワード線層、8個の選択層、6個のダミーワード線層、及び110個の誘電体層を含む。108~304個よりも多くの又は少ない層を使用することもできる。実施形態では、交互の誘電体層及び導電層は、ローカルインターコネクトLIによって、4つの「フィンガ」又はサブブロックに分割される。
図6は、2つのフィンガ及び2つのローカルインターコネクトLIを示している。交互の誘電体層及びワード線層の下には、ソース線層SLがある。垂直列の材料(メモリホールとしても知られている)は、交互の誘電体層及び導電層のスタック内に形成される。例えば、垂直列/メモリホールのうちの1つがMHとしてマークされている。
図6では、誘電体層がシースルーとして描画されているので、読者は交互の誘電体層及び導電層のスタックに位置決めされたメモリホールを見ることができることに留意されたい。一実施形態では、メモリセルの垂直列を生成するために、垂直列/メモリホールを電荷トラップ材料を含む材料で充填することによって、NANDストリングが形成される。各メモリセルは、1つ以上のビットのデータを記憶することができる。3次元モノリシックメモリ構造326の更なる詳細は、
図6A~
図6Dに関して以下に提供される。
【0100】
図6Aは、2つの平面602及び604に分割されたメモリ構造326の1つの例示的な構成を説明するブロック図である。次いで、各平面はM個のブロックに分割される。一実施例では、各平面は、約2000個のブロックを有する。しかしながら、異なる数のブロック及び平面を使用することもできる。一実施形態では、2つの平面メモリに関して、ブロックIDは、通常、偶数ブロックが1つの平面に属し、奇数ブロックが別の平面に属するようになっている。したがって、平面602はブロック0、2、4、6、・・・を含み、平面604はブロック1、3、5、7、・・・を含む。一実施形態では、メモリセルのブロックは消去ユニットである。すなわち、ブロックの全てのメモリセルは、一緒に消去される。他の実施形態では、メモリ構造326を編成して信号化回路及び選択回路を有効にするなど、他の理由でメモリセルをブロックにグループ化することができる。
【0101】
図6B~
図6Dは、例示的な3D NAND構造を示す。
図6Bは、メモリ構造326からの1つのブロックの一部の上面図を示すブロック図である。
図6Bに示すブロックの一部は、
図6Aのブロック2の部分606に対応する。
図6Bに示すように、
図6Bに示すブロックは、633の方向に延在する。一実施形態では、メモリアレイは、60個の層を有する。他の実施形態は、60個よりも少ない又はそれよりも多い層を有する。しかしながら、
図6Bは、最上層のみを示している。
【0102】
図6Bは、垂直列を表す複数の円を示す。垂直列の各々は、複数の選択トランジスタ及び複数のメモリセルを含む。一実施形態では、各垂直列は、NANDストリングを実装する。例えば、
図6Bは、垂直列622、632、642、及び652を示す。垂直列622は、NANDストリング682を実装する。垂直列632は、NANDストリング684を実装する。垂直列642は、NANDストリング686を実装する。垂直列652は、NANDストリング688を実装する。垂直列の詳細は、以下に記載する。
図6Bに示すブロックは矢印633の方向及び矢印633の方向に延在するため、このブロックは、
図6Bに示すよりも多くの垂直列を含む。
【0103】
図6Bはまた、ビット線611、612、613、614、...619などビット線615の組を示す。
図6Bは、ブロックの一部のみを示すため、24本のビット線を示す。25本以上のビット線がブロックの垂直列に接続されていることが企図される。垂直列を表す円の各々は、1本のビット線への接続を示す「x」を有する。例えば、ビット線614は垂直列622、632、642、及び652に接続されている。
【0104】
図6Bに示すブロックは、様々な層を垂直列の下にあるソース線に接続する、ローカルインターコネクト(662、664、666、668、及び669)の組を含む。ローカルインターコネクト662、664、666、668、及び669はまた、ブロックの各層を4つの領域に分割する役割を果たす。例えば、
図6Bに示す最上層は、フィンガ又はサブブロックと呼ばれる領域620、630、640、及び650に分割される。メモリセルを実装するブロックの層において、4つの領域は、ローカルインターコネクトによって分離されるワード線サブブロックと呼ばれる。一実施形態では、共通のレベルのブロック上のワード線サブブロックは、ブロックの終端が互いに接続して単一のワード線を形成する。別の実施形態では、同じレベルのワード線サブブロックは、互いに接続していない。例示的な一実装形態では、ビット線は、領域620、630、640、及び650の各々で1つの垂直列にのみ接続する。当該実施形態では、各ブロックは16行の活性列を有し、各ビット線は、各ブロックで4行に接続する。一実施形態では、共通のビット線に接続された4行の全ては、同じワード線に(互いに接続されている同レベルの異なるワード線サブブロックを介して)接続される。したがって、システムは、ソース側選択線及びドレイン側選択線を使用して、メモリ動作(プログラム、検証、読み出し、及び/又は消去)に供される4つのうちの1つ(又は別のサブセット)を選択する。
【0105】
図6Bは、4行の垂直列を有する各領域、4領域、及びブロック内の16行の垂直列を示しているが、これらの正確な数字は例示的な実施形態である。他の実施形態は、1ブロック当たりより多くの領域又はより少ない領域、1領域当たりより多くの又はより少ない行の垂直列、及び1ブロック当たりより多くの又はより少ない行の垂直列を含むことができる。
【0106】
図6Bはまた、垂直列が千鳥状であることを示している。他の実施形態では、異なるパターンの千鳥配置を使用することができる。いくつかの実施形態では、垂直列は千鳥状ではない。
【0107】
図6Cは、
図6Bの線AAに沿った断面図を示す3次元メモリ構造326の一実施形態の一部を示す。この断面図は、垂直列632及び634及び領域630(
図6Bを参照)を切断する。
図6Cの構造は、4つのドレイン側選択層SGD0、SGD1、SGD2、及びSGD3と、4つのソース側選択層SGS0、SGS1、SGS2、及びSGS3と、4つのダミーワード線層DD0、DD1、DS0、及びDS1と、データメモリセルに接続するための48個のデータワード線層WLL0~WLL47と、を含む。他の実施形態は、4つよりも多くの又は少ないドレイン側選択層と、4つよりも多くの又は少ないソース側選択層と、4つよりも多くの又は少ないダミーワード線層と、48個よりも多くの又は少ないワード線層(例えば、96個のワード線層)と、を実装し得る。垂直列632及び634は、ドレイン側選択層、ソース側選択層、ダミーワード線層、及びワード線層を通って突出して示される。一実施形態では、各垂直列は、NANDストリングを含む。例えば、垂直列632は、NANDストリング684を備える。垂直列及び下に列挙される層の下には、基板101、基板上の絶縁膜654、及びソース線SLが存在する。垂直列632のNANDストリングは、スタックの底部にソース端を有し、スタックの上部にドレイン端を有する。
図6Bと一致するように、
図6Cは、コネクタ617を介してビット線614に接続された垂直列632を示す。ローカルインターコネクト664及び666も示す。
【0108】
参照を容易にするために、ドレイン側選択層SGD0、SGD1、SGD2、及びSGD3、ソース側選択層SGS0、SGS1、SGS2、及びSGS3、ダミーワード線層DD0、DD1、DS0、及びDS1、並びにワード線層WLL0~WLL47は、集合的に導電層と呼ばれる。一実施形態では、導電層は、スズとタングステンの組み合わせから作製される。他の実施形態では、ドープポリシリコン、タングステンなど金属、又は金属シリサイドなど他の材料を使用して、導電層を形成することができる。いくつかの実施形態では、異なる導電層は、異なる材料から形成され得る。導電層の間には、誘電体層DL0~DL59がある。例えば、誘電体層DL49はワード線層WLL43よりも上にあり、ワード線層WLL44よりも下にある。一実施形態では、誘電体層は、SiO2で作製される。他の実施形態では、他の誘電材料を使用して、誘電体層を形成することができる。
【0109】
不揮発性メモリセルは、スタック内で交互に存在する導電層及び誘電体層を通って延在する垂直列に沿って形成される。一実施形態では、メモリセルは、NANDストリング内に配置される。ワード線層WLL0~WLL47は、メモリセル(データメモリセルとも称す)に接続する。ダミーワード線層DD0、DD1、DS0、及びDS1は、ダミーメモリセルに接続される。ダミーメモリセルはユーザデータを記憶しないが、データメモリセルは、ユーザデータを記憶するのに適格である。ドレイン側選択層SGD0、SGD1、SGD2、及びSGD3は、ビット線からNANDストリングを電気的に接続し、切断するために使用される。ソース側選択層SGS0、SGS1、SGS2、及びSGS3は、ソース線SLからNANDストリングを電気的に接続し、切断するために使用される。
【0110】
いくつかの実施形態では、ワード線は逐次読み出され、これは、ワード線が低から高(例えば、WLL0からWLL47)又は高から低(例えば、WLL47からWLL0)のいずれかでから読み出されることを意味する。逐次読み出す場合、ワード線の組全体を読み出す必要はない。逐次読み出し中に隣接するメモリセルによって引き起こされる標的メモリセルに対する干渉の補償を提供するための技術が、本明細書で開示される。
【0111】
いくつかの実施形態では、個々のワード線の読み出しは、サブブロックの別個の読み出しに分解される。再び
図6Bを参照すると、ブロックは4つのサブブロック620、630、640、650に分割される。したがって、1つのワード線層上の4つのサブブロックは、隣接するワード線層上の4つのサブブロックを読み出す前に読み出されてもよい。いくつかの実施形態では、データ状態情報は、サブブロックベースで補償を提供するために使用される。例えば、WLL35におけるメモリセルに関するデータ状態情報は、4つのサブブロック620~650の各々について保持される。次に、WLL36でサブブロック620を読み出すとき、WLL35におけるサブブロック620のデータ状態情報を使用して、WLL35におけるサブブロック620内の隣接するメモリセルからの干渉を補償する。WLL36でサブブロック630を読み出すとき、WLL35におけるサブブロック630のデータ状態情報を使用して、WLL35におけるサブブロック620内の隣接するメモリセルからの干渉を補償する。
【0112】
図6Dは、垂直列632の一部を含む、
図6Cの領域629の断面図を示す。一実施形態では、垂直列は円形であり、4つの層を含む。しかしながら、他の実施形態では、4つより多い又は少ない層を含むことができ、他の形状を使用することができる。一実施形態では、垂直列632は、SiO
2など誘電体で作製された内側コア層670を含む。他の材料も使用され得る。内側コア670を取り囲むのは、ポリシリコンチャネル671である。ポリシリコン以外の材料も使用され得る。なお、ビット線には、チャネル671が接続することに留意されたい。チャネル671を取り囲むのは、トンネリング誘電体672である。一実施形態では、トンネリング誘電体672は、ONO構造を有する。トンネリング誘電体672を取り囲むのは、(例えば)窒化ケイ素など電荷トラップ層673である。他のメモリ材料及び構造も使用され得る。本明細書に記載する技術は、任意の特定の材料又は構造に限定されない。
【0113】
図6Dは、誘電体層DLL49、DLL50、DLL51、DLL52、及びDLL53、並びにワード線層WLL43、WLL44、WLL45、WLL46、及びWLL47を示す。ワード線層の各々は、酸化アルミニウム層677によって取り囲まれたワード線領域676を含み、酸化アルミニウム層677はブロック酸化物(SiO
2)層678によって取り囲まれる。ワード線層と垂直列との物理的相互作用によってメモリセルが形成される。したがって、一実施形態では、メモリセルは、チャネル671と、トンネリング誘電体672と、電荷トラップ層673と、ブロック酸化物層678と、酸化アルミニウム層677と、ワード線領域676と、を含む。例えば、ワード線層WLL47及び垂直列632の一部は、メモリセルMC1を備える。ワード線層WLL46及び垂直列632の一部は、メモリセルMC2を備える。ワード線層WLL45及び垂直列632の一部は、メモリセルMC3を備える。ワード線層WLL44及び垂直列632の一部は、メモリセルMC4を備える。ワード線層WLL43及び垂直列632の一部は、メモリセルMC5を備える。他のアーキテクチャでは、メモリセルは、異なる構造を有してもよい。しかしながら、メモリセルは、依然として記憶ユニットである。
【0114】
メモリセルがプログラムされるとき、電子は、メモリセルに関連する電荷トラップ層673の一部に蓄積される。これらの電子は、ワード線領域676上の適切な電圧に応答して、トンネリング誘電体672を通ってチャネル671から電荷トラップ層673に引き込まれる。メモリセルの閾値電圧(Vth)は、蓄積電荷量に比例して増加する。一実施形態では、プログラミングは、電荷トラップ層への電子のファウラーノルドハイムトンネリングによって達成される。消去動作中、チャネル又はホールに戻った電子は、電荷トラップ層に注入されて電子と再結合する。一実施形態では、消去は、ゲート誘起ドレイン漏れ(GIDL)など物理的機構を介して電荷トラップ層へのホール注入を使用して達成される。
【0115】
良好なプログラミングプロセスの最後に、必要に応じて、メモリセルの閾値電圧は、プログラムされたメモリセルの閾値電圧の1つ以上の分布内、又は消去されたメモリセルの閾値電圧の分布内にあるべきである。
図7は、各メモリセルが4ビットのデータを記憶するときのメモリアレイの例示的な閾値電圧分布を示す。しかしながら、他の実施形態は、メモリセル当たり他のデータ容量(例えば、メモリセル当たり1、2、3、又は5ビットのデータなど)を使用し得る。
図7は、メモリセルからデータを読み出すための15個のハードビット(HB)読み出し基準電圧Vr1~Vr15を示す。メモリセルの組は、同じワード線に接続されてもよい。各HB読み出し基準レベルは、2つの隣接する閾値電圧分布を区別するために使用される。換言すれば、各HB読み出し基準レベルは、2つの隣接するデータ状態を区別するために使用される。例えば、HB読み出し基準レベルVr4は、データ状態S3とS4とを区別するために使用される。所与のメモリセルの閾値電圧がこの15個の読み出し基準電圧よりも高いか低いかを試験する(例えば、感知動作を実施する)ことによって、システムは、メモリセルがどのデータ状態(即ち、S0、S1、S2、S3、・・・)にあるのかを判定することができる。
【0116】
図7は、データ状態S0~S15間にいくらかの重なりが存在し得ることを示す。重複は、メモリセルが電荷を失う(したがって閾値電圧で低下する)ことなどの要因に起因して生じ得る。
図7は、4ビットがメモリセル毎に記憶されている例を示す。したがって、1組のメモリセルに4つのページが記憶されてもよい。メモリセルの組は、同じワード線に接続されてもよい。これらのページは、下部ページ、下部中央ページ、上部中央ページ、及び上部ページと呼ばれることがある。一実施形態では、下部ページを読み出すために、メモリセルは、4つの異なるHB読み出し基準電圧を使用して感知される。例えば、メモリセルは、Vr1、Vr4、Vr6、及びVr11で感知され得る。
【0117】
読み出し動作又は検証動作中にメモリセルの伝導電流を測定する多くの方法がある。一実施例では、メモリセルの伝導電流は、センスアンプ内の専用コンデンサを放電又は充電する速度によって測定される。別の実施例では、選択されたメモリセルの伝導電流は、メモリセルを含むNANDストリングが対応するビット線を放電することを可能にする(又は可能にしない)。ビット線の電圧は、それが放電されていたかどうかを調べるために一定時間後に測定される。本明細書に記載される技術は、検証/読み出しのための当該技術分野で既知の様々な方法と共に使用され得ることに留意されたい。当該技術分野で既知の他の読み出し及び検証技術も使用することができる。
【0118】
図7はまた、HB基準電圧の4つに関連付けられたソフトビット(SB)基準電圧を示す。Vr1、Vr4、Vr6、及びVr11の各々の周囲にグループ化された1組のSB基準電圧が存在する。例えば、SB基準電圧Vr1_s1、Vr1_s2、Vr1_s3、及びVr1_s4の組をHB基準電圧Vr1の周りにグループ化する。SB基準レベルVr4_s1、Vr4_s2、Vr4_s3、及びVr4_s4の組をHB基準電圧Vr4の周りにグループ化する。SB基準レベルVr6_s1、Vr6_s2、Vr6_s3、及びVr6_s4の組をHB基準電圧Vr6の周りにグループ化する。SB基準レベルVr11_s1、Vr11_s2、Vr11_s3、及びVr11_s4の組をHB基準電圧Vr11の周りにグループ化する。他のHB基準電圧に関連付けられたSB基準電圧が存在し得るが、これらは
図7には示されていない。
図7では、それぞれの対応するHB基準電圧に関連付けられた4つのSB基準電圧が存在するが、HB基準電圧に関連付けられたよりも多くの又はより少ないSB基準レベルが存在し得る。
【0119】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、状態がメモリセルの閾値電圧(Vt)によって表されるメモリセルを対象とするが、メモリセルの状態は、抵抗又はコンダクタンスを含むがこれらに限定されない別の物理的パラメータによって表され得ることに留意されたい。例えば、
図7では、データ状態はVt分布によって表される。しかしながら、他の種類のメモリセルでは、データ状態は、抵抗分布又はコンダクタンス分布によって表されてもよい。
【0120】
いくつかの実施形態では、ソフトビット基準電圧は、ECCエンジンが、ハードビット基準電圧を使用して感知されたデータを使用してメモリセルに記憶されたコードワードを復号できないときに、メモリセル内のデータを読み出すために使用される。典型的には、各ハードビット基準電圧に対するソフトビット基準電圧の組が存在する。ソフトビット基準電圧は、ハードビット基準電圧に対応するわずかに高い電圧及びわずかに低い電圧での基準電圧である。ソフトビット基準電圧の組は、デコーダの訂正能力を増大させる「ソフト」信頼性情報を生成するために使用される。ソフトビット基準電圧での感知は、「ソフトビット」を生成し、これは、ハードビット基準レベルに近いメモリセルの物理パラメータ(例えば、Vt、抵抗)が、そのメモリセルに関するハードビットの信頼性をより低くするか、又はハードビット基準レベルから離れたメモリセルの物理パラメータが、そのメモリセルのハードビットの信頼性をより高くするかを示す。換言すれば、ソフト信頼性情報が、メモリセルがハードビット基準レベルに近い物理パラメータ(例えば、Vt、抵抗)の値を有することを示す場合、これは、ソフト信頼性情報が、メモリセルがハードビット基準レベルから遠い物理パラメータ(例えば、Vt、抵抗)の値を有することを示す場合よりも信頼性が低いと考えられる。
【0121】
隣接するメモリセルの干渉は、連続電荷トラップ層、並びに電荷蓄積領域間の帯電カップリングに起因する寄生セル効果から生じ得る。隣接するメモリセルの干渉は、読み出し動作中にエラーを引き起こし得る。隣接するメモリセルが、電荷蓄積領域内のより多くの電子を伴うより高いレベルの状態にあるとき、選択されたワード線上のより低レベルのメモリセルは、寄生セルがより高いワード線干渉をもたらすようにオンになることがより困難であり得る。加えて、メモリセルの電荷蓄積領域に蓄積された電荷は、隣接するメモリセルの浮遊ゲート又は他の電荷蓄積領域(例えば、誘電体電荷蓄積領域)に蓄積された電荷に関連する電界カップリングのために、見かけのシフトを受けることができる。メモリアレイ内の任意のメモリセルの浮遊ゲート上の電荷による電界は、アレイ内の任意の他のメモリセルの浮遊ゲートに結合することができるが、効果は、最も明白であり、隣接するメモリセルで顕著である。隣接するメモリセルは、標的セルと同じビット線上にある隣接メモリセル、標的セルと同じワード線上の隣接メモリセル、又は(標的セルのBL及びWLへの)隣接するビット線及び隣接ワード線の両方の上にあり、したがって、対角線方向に互いに隣接している隣接メモリセルを含み得る。電荷の見かけのシフトは、標的メモリセルのメモリ状態を読み出す際にエラーを生じ得る。いくつかの実施形態では、補償は、既に読み出されたメモリセルのデータ状態に基づく。したがって、補償がベースとなる隣接するセルは、以前に読み出された隣接するセルに限定され得る。
【0122】
図8は、隣接するメモリセルからの標的メモリセルに対する干渉の概念を図で説明する。
図8は、例示的な隣接するワード線WLn-1及びWLnを有する
図6Dの簡略図を示す。いくつかの実施形態では、読み出しは、WLn-1が、WLnの前に読み出されるように逐次的である。標的メモリセル(MC)及び隣接するMCの位置が示されている。メモリホールMHは、内側コア層670、チャネル層671、トンネリング誘電体層672、電荷トラップ層673、及びブロッキング層678を含む。WLnの標的メモリセルは、隣接するメモリセルからの干渉rを受ける可能性がある。干渉rは、WLn-1で蓄積された電子と、WLnで蓄積された電子との間の静電カップリングを表す。WLn-1におけるメモリセルがより高い状態にあるとき、より多くの静電カップリングがもたらされる。一実施形態では、干渉rは、WLn-1及びWLnについて隣接する電荷蓄積領域に蓄積された電荷の間のカップリング比である。干渉rは、隣接する電荷蓄積領域の静電容量を、WLnの電荷蓄積領域とそれを取り囲む他の全ての電極との全ての容量カップリングの合計で割ったものに相当する。標的メモリセルはまた、他の隣接するセルからの干渉も受け得ることに留意されたい。例えば、標的メモリセルはまた、WLn+1上の隣接するセルからも受け得る。また、隣接するメモリホール上の隣接するセルは、標的セルに対する干渉を生じさせることができる。
【0123】
読み出し中のカップリング効果を訂正するための1つのスキームは、標的メモリセルをWLn上で読み出すときに、WLn-1上の隣接するメモリセルの条件(例えば、データ状態)を考慮する。一実施形態では、補償は、選択されたワード線WLnに印加される読み出し基準電圧の選択によって行われ、選択されたワード線WLnの読み出す間のエラーを低減又は排除する。一実施形態では、選択されたワード線WLnは、異なるレベルの補償を提供するために、複数の読み出し基準電圧でバイアスされる。これは、各メモリセルに対して複数の感知結果を生成することができる。次に、隣接するMCの状態に基づいて、感知結果のうちの1つが使用され、他は廃棄される。
【0124】
図9は、隣接するワード線からの記憶された状態情報を使用して、標的ワード線上のメモリセルの条件を判定するプロセス900のフローチャートの一実施形態を示す。一実施形態では、プロセス900は、制御ダイ304上の制御回路310によって実行される。プロセス900は、隣接するワード線(例えば、WLn-1)及び標的ワード線(例えば、WLn)と呼ばれるワード線のうちの2つに焦点を当てる。隣接するワード線に接続されたメモリセルは、隣接するメモリセルと呼ばれることがある。標的ワード線に接続されたメモリセルは、標的メモリセルと呼ばれることがある。プロセス900は、標的ワード線を読み出す前に隣接するワード線を読み出すことを含むブロック内のワード線の組を読み出すときに実行される。一実施形態では、プロセス900は、隣接するワード線が標的ワード線を読み出す直前に読み出される逐次読み出しで実行される。
【0125】
ステップ902は、制御ダイ304が、隣接するワード線に接続された隣接するメモリセルを感知することを含む。センスアンプ350を使用して、隣接するメモリセルに関連付けられたビット線を感知する。管理回路480は、各隣接するメモリセルのハードビットを判定し、それらのハードビットをラッチ360に記憶してもよい。
【0126】
ステップ904は、制御ダイ304が、制御ダイ上に、隣接するワード線に接続された各メモリセルに関するデータ状態情報を記憶することを含む。管理回路480は、記憶装置392内にデータ状態情報を記憶してもよい。一実施形態では、データ状態情報は、隣接するワード線及び標的ワード線を含むブロック内のワード線の読み出しの組内の標的ワード線を感知する前に記憶される。一実施形態では、データ状態情報は、標的ワード線を読み出す直前に隣接するワード線を読み出す逐次読み出しで標的ワード線を感知する前に記憶される。一実施形態では、データ状態情報は、第2のメモリセルに記憶されたコードワードの復号の失敗前に記憶される。
【0127】
ステップ906は、制御ダイ304が、隣接するメモリセルに関する記憶されたデータ状態情報に基づいて、標的メモリセルの条件を判定することを含む。一実施形態では、各それぞれの標的メモリセルの隣接するメモリセルは、同じNANDストリング上にある(
図8を参照)。いくつかの実施形態では、2つ以上の隣接するメモリセルに関するデータ状態情報は、特定の標的メモリセルと関連して使用されてもよい。
【0128】
条件としては、データ状態(例えば、
図7のS0~S15)、ハードビット、又はソフトビットを挙げることができるが、これらに限定されない。記憶されたデータ状態情報は、多数の方法で使用されてもよい。いくつかの実施形態では、記憶されたデータ状態情報は、標的メモリセルに対する隣接するメモリセルの干渉を補償するために使用される。いくつかの実施形態では、記憶されたデータ状態情報は、標的メモリセルを感知するためにどの読み出し基準電圧が使用されるかを選択するために使用される。いくつかの実施形態では、記憶されたデータ状態情報は、標的メモリセルから感知されたデータに等化を適用するために使用される。
【0129】
いくつかの実施形態では、記憶されたデータ状態情報は、各標的メモリセルに関するハードビット及びソフトビットの両方を判定するために使用される。これにより、データ状態情報を取得するために、隣接するメモリセルを複数回再感知しなければならない可能性が軽減される。
図10は、記憶されたデータ状態情報を使用して、各標的メモリセルに関するハードビット及びソフトビットの両方を判定するプロセス1000の一実施形態のフローチャートである。
【0130】
ステップ1002は、メモリコントローラ102が、制御ダイ304に、WLn(標的WL)の読み出しコマンドを発行することを含む。ステップ1004は、制御ダイ304が、WLnに接続された標的メモリセルを感知するときに、WLn-1(隣接するWL)からの記憶されたデータ状態情報を使用して、ハードビット読み出し基準電圧をオフセットすることを含む。記憶されたデータ状態を使用してハードビット読み出し基準電圧をオフセットする更なる詳細が、
図11に関連して論じられる。
【0131】
ステップ1006は、制御ダイが、WLnのハードビットをメモリコントローラ102に渡すことを含む。ハードビットは、1つ以上のコードワードを形成する。
【0132】
ステップ1008は、メモリコントローラ102が、WLnのコードワード(単数又は複数)を復号することを含む。ステップ1010は、条件付きであり、その結果は復号が成功したかどうかに依存する。WLnのコードワード(単数又は複数)の復号が成功した場合、ステップ1012で、メモリコントローラ102が、コードワード(単数又は複数)のデータをホスト120に送信する。WLnのコードワード(単数又は複数)の復号が成功しなかった場合、ステップ1014で、メモリコントローラ102は、制御ダイ304に、WLnに接続されたメモリセルに関するソフトビットを提供するように命令する。
【0133】
ステップ1016は、制御ダイ304が、WLnに接続された標的メモリセルを感知するときに、WLn-1からの記憶されたデータ情報を使用して、ソフトビット読み出し基準電圧をオフセットすることを含む。記憶されたデータ状態を使用してソフトビット読み出し基準電圧をオフセットする更なる詳細が、
図12に関連して論じられる。
【0134】
いくつかの実施形態では、記憶されたデータ状態情報に基づく補償は、隣接するメモリセルからの干渉を補償する標的メモリセルに、ハードビット読み出し基準電圧を印加することを含む。
図11は、HB読み出し基準電圧が記憶されたデータ状態情報に基づく、メモリセルを読み出すプロセス1100の一実施形態のフローチャートである。プロセス1100は、ハードビットを判定するために使用され、プロセス1000のステップ1004で使用されてもよい。プロセス1100は、プロセス900のステップ906で使用されてもよい。なお、プロセス1100におけるステップは、説明の便宜上、特定の順序で描写されることに留意されたい。場合によっては、ステップは異なる順序で生じ得る。
【0135】
ステップ1102は、制御ダイ304が、データ状態のためのHB基準電圧の組を形成することを含む。各HB基準電圧は、異なる量の隣接するデータ状態補償を提供する。例えば、各HB基準電圧は、標的セルに対する隣接するセルの干渉に対して異なる補償量を提供する。ハードビット基準電圧は、
図7に関して論じられる。各メモリセルに関するハードビットを判定するために、異なるデータ状態に関連付けられたHB読み出し基準電圧(例えば、Vr1、Vr4、Vr6、及びVr11)を適用することができる。しかしながら、ステップ1102は、1つのデータ状態のみを対象とする。ステップ1102における異なるHB読み出し基準電圧は、特定の状態に対するHB読み出し基準電圧への増加又は減少を含み得る(及び増加又は減少なし)。例えば、ステップ1102における電圧は、Vr1及びVr1+Vcompを含んでもよく、Vcompは正又は負の大きさを有してもよい。この実施例では、Vcompは、標的メモリセルに対する隣接するメモリセルの干渉の補償を提供する。ステップ1102では、3つ以上のHB基準電圧が存在してもよい。一実施形態では、データ状態情報は、隣接するメモリセル毎に2ビットを含み、その場合、追加の異なるレベルの補償を提供するために、Vr1、Vr1+Vcomp1、Vr1+Vcomp2、及びVr1+Vcomp3を使用することができる。データ状態情報は、隣接するメモリセル毎に2ビットを超えるビットを含むことができる。
【0136】
ステップ1104は、制御ダイ304が、HB読み出し基準電圧を標的ワード線に印加することを含む。ステップ1106は、このHB基準電圧がこの標的メモリセルに適用可能であるかどうかの判定である。この判定は、隣接するメモリセルに関するデータ状態情報に基づいて行われる。
図8は、WLn上の標的メモリセル及びWLn-1上の隣接するメモリセルの1つの例を示す。一実施形態では、制御ダイ304は、(標的メモリセルと同じNANDストリング上の)WLn-1上の隣接するメモリセルに関するデータ状態情報にアクセスし、これはHB基準電圧が適用可能であるかどうかを判定するために使用される。この判定は、標的メモリセルに隣接する2つ以上のメモリセルに基づくことができる。例えば、隣接メモリホールに関連付けられた(異なるNANDストリング上の)「対角」の隣接するセルからのデータ状態情報は、ステップ1106で考慮され得る。
【0137】
このHB基準電圧が適用可能である場合、ステップ1108で、標的メモリセルを感知する。また、感知の結果も記憶される。
図4の考察に記載されるように、センスアンプ350内のトリップラッチ468は、SB基準電圧の印加に応じてトリップしてもよい。プロセッサ482は、トリップラッチ468を読み出し、その結果を記憶してもよい。したがって、制御ダイ304は、隣接するメモリセルのデータ状態に基づいて、標的メモリセルに関する感知情報を記憶する。一実施形態では、プロセッサ482は、感知情報をラッチに記憶する。場合によっては、ラッチは、UDLラッチ、UMDLラッチ、LMDLラッチ、又はLDLラッチのうちの1つであり得る。しかしながら、感知情報は、作業ラッチ内に記憶されてもよい。任意選択的に、標的メモリは、全てのHB基準レベルに対して感知され得、感知情報のうちの一部は廃棄されることに留意されたい。例えば、センスアンプ350は、全てのHB読み出し基準電圧に対して動作することができるが、プロセッサ482は、所望の補償レベルに対応しない結果を無視することができる。
【0138】
ステップ1110は、このデータ状態の別のHB基準電圧が存在するかどうかの判定である。そうである場合、ステップ1104で次のHB基準電圧を印加する。この他のHB基準電圧は、このデータ状態に対してこれまでに適用された他のものとは異なるレベルの補償を提供する。上述のように、ステップ1108では、このデータ状態のために、2つ以上のHB基準電圧に対して、標的メモリセルを感知することが可能である。しかしながら、HB基準電圧のうちの1つのみに関する感知情報は、記憶される必要がある。すなわち、ステップ1104におけるHB基準電圧のうちの1つは、この標的メモリセルに対する所望の補償を提供する。
【0139】
ステップ1112は、別のデータ状態のHB基準電圧が存在するかどうかの判定である。上述したように、プロセス1100は、ステップ1104の異なる反復でS1、S4、S6、及びS11に関連付けられたHB基準電圧を印加することができる。HBに対する全ての関連状態についてHB基準電圧のためのステップ1104~1112を実行した後、制御ダイ304は、ステップ1114において、各標的メモリセルに対するHBの判定を終了させることができる。各標的メモリセルのHBを判定するための手順は、実際には、各ビットの感知情報がステップ1108で判定されるときに実行され得ることに留意されたい。一実施形態では、プロセッサ482は、2つのラッチを使用して、感知情報を記憶する(ステップ1108で保持される)。感知情報の第1のビットは、例えば、UDLラッチ内に配置されてもよい。(次のデータ状態についての)感知情報の次のビットは、作業ラッチ内に配置されてもよい。次いで、XOR(又は他の論理動作)が、2つのラッチ内の感知情報に対して実行されてもよく、結果は、UDLラッチ内に配置される。(第3のデータ状態についての)感知情報の次のビットが、作業ラッチ内に配置され、別のXORが、2つのラッチの内容物上で実行される。この場合も、結果は、UDLラッチ内に配置される。プロセス1100の最後に、UDLラッチは、下部ページの標的メモリセルに関するハードビットを含む。このプロセス(又はHDLラッチ内の下部ページのHBを記憶する任意の他のプロセス)は、以前の読み出し動作のために、UDLラッチの内容物を上書きすることに留意されたい。しかしながら、例えば、記憶装置392内に状態情報を保存することにより、隣接するメモリセルに関する状態情報は、利用可能なままである。
【0140】
いくつかの実施形態では、記憶されたデータ状態情報に基づく補償は、隣接するメモリセルからの干渉を補償する標的メモリセルに、ソフトビット基準電圧を印加することを含む。
図12は、ソフトビット基準電圧が記憶されたデータ状態情報に基づく、メモリセルからソフトビットを読み出すプロセス1200の一実施形態のフローチャートである。プロセス1200は、標的メモリセルのソフトビットを判定するために使用され、プロセス1000のステップ1016で使用されてもよい。プロセス1200は、プロセス900のステップ906で使用されてもよい。このプロセスは、単一の標的メモリセルに関して説明されるが、標的ワード線に接続された全ての標的メモリセルに対して並列に実行されてもよい。なお、プロセス1200におけるステップは、説明の便宜上、特定の順序で描写されることに留意されたい。場合によっては、ステップは異なる順序で生じ得る。
【0141】
ステップ1202は、制御ダイ304が、SB基準電圧の組を形成することを含む。プロセス1200の考察は、Vr1に関連付けられたSB基準レベルの適用に焦点を当てている(
図7を参照)。補償が適用されなかった場合、組Vr1_s1、Vr1_s2、Vr1、Vr1_s3、及びVr1_s4を標的ワード線に適用してもよい。一実施形態では、この組は、これらの電圧の各々にVcompを加えることによって拡張される。Vcompの大きさに応じて、これは、いくつかの重複した大きさの電圧をもたらす場合がある。しかしながら、重複する大きさは、組に含まれない。SB基準電圧の組は、標的メモリセルに適用可能ないくつかの電圧、及び適用可能ではないいくつかの電圧を含む。
【0142】
ステップ1204は、制御ダイ304が、SB基準電圧のうちの1つを標的ワード線に印加することを含む。ステップ1206は、このSB基準電圧がこの標的メモリセルに適用可能であるかどうかの判定である。このSB基準電圧が適用可能である場合、ステップ1208で、標的メモリセルを感知する。
図4の考察に記載されるように、センスアンプ350内のトリップラッチ468は、SB基準電圧の印加に応じてトリップしてもよい。プロセッサ482は、トリップラッチ468を読み出し、その結果を記憶してもよい。
【0143】
ステップ1210は、標的ワード線に印加するためのより高いSB基準電圧が存在するかどうかの判定を含む。そうである場合、ステップ1204で次のSB基準電圧が標的ワード線に印加される。全てのSB基準電圧が印加された後(ステップ1210ではない)、次いで、制御ダイは1212、標的メモリセルのSBを判定する。
【0144】
本明細書に記載されるように、感知メモリセルからの結果は、データラッチ内に記憶され得る。以下では、隣接するメモリセルを感知し、隣接するメモリセルに関するデータ状態情報を記憶する一実施形態について説明し、データラッチを動作させるための更なる詳細を提供する。
図13Aは、隣接するメモリセルに関するデータ状態情報を記憶するプロセス1300の一実施形態を示すフローチャートである。プロセス1300は、プロセス900のステップ902及び904の一実施形態についての更なる詳細を提供する。いくつかの実施形態では、制御ダイ304は、ボンドパッド570、574によってメモリダイ302に接合される(
図5A、
図5Bを参照)。ボンドパッドのうちの一部は、メモリダイ302内のメモリ構造326内のビット線に接続される。
【0145】
ステップ1302は、制御ダイ304が、ボンドパッドによって、隣接するメモリセルに関連付けられたビット線を感知することを含む。例えば、経路352のうちの一部(
図3Aを参照)は、メモリ構造326内のビット線に接続して、ビット線が読み出し/書き込み回路328によって感知されることを可能にし得る。
【0146】
ステップ1304は、制御ダイ304が、隣接するメモリセルの感知情報を制御ダイ304上のラッチに記憶することを含む。一例として、管理回路480は、隣接するメモリセルのハードビットをラッチ360に記憶する(
図3Bを参照)。別の例として、プロセッサ482は、隣接するメモリセルのラッチ484のうちの1つのハードビットを記憶する。この実施例では、この例では、各メモリセル毎に、4つのハードビットが記憶される。UDLラッチは、下部ページに関するHBを記憶し、他のラッチは各々、異なるページに関するハードビットを記憶する。
【0147】
ステップ1306は、制御ダイ304が、隣接するメモリセルに関するデータ状態情報を記憶することを含む。データ状態情報は、記憶装置392に記憶されてもよい。一実施形態では、データ状態情報は、隣接するメモリセル毎に少なくとも1つのビットを含む。データ状態情報は、隣接するメモリセルがどのデータ状態にあるかに基づく。例えば、16データ状態(又は4HB)の例では、隣接するメモリセルは、S0~S15のうちの1つに存在する。1つの選択肢は、4つのハードビットを記録することであり、これにより、16データ状態のうちの1つを指定する。しかしながら、データ状態情報が正確なデータ状態を指定する必要はない。一実施形態では、データ状態情報は、単一ビットを含み、これは、2組のデータ状態のうちのどちらがセルに存在しているかを示す。典型的には、各組は、データ状態の連続する組である。例えば、「0」のビット値はS0~S7を指定することができ、「1」のビット値はS8~S15を指定することができる。別の例として、「0」のビット値はS0~S11を指定することができ、「1」のビット値はS12~S15を指定することができる。したがって、組は同じサイズである必要はない。これらの実施例では、「0」のデータ状態情報値は補償なしに対応し得、一方、「1」のデータ状態情報値は何らかのレベル補償に対応し得る。データ状態情報は、この実施例では、16個のデータ状態が存在する1ビット、2ビット、3ビット、又は4ビットを含むことができる。したがって、2ビットでは、「00」は補償なしに対応し得、一方、「01」、「10」、及び「11」は3つの異なる補償レベルに対応し得る。
【0148】
図13Aは、データ状態情報を使用して、標的メモリセルに補償を提供するプロセス1350の一実施形態を示すフローチャートである。プロセス1350は、プロセス900のステップ906の一実施形態についての更なる詳細を提供する。一実施形態では、プロセス1350は、逐次読み出し中にプロセス1300の後に実行される。
【0149】
ステップ1352は、ハードビットを判定するために標的メモリセルを感知する際に補償を使用するかどうかの判定を含む。補償を使用することにより、エラー率を低減するのに役立ち、コードワードが正常に復号される確率を増加させることができる。しかしながら、補償を使用しないことにより、感知動作を単純化することができる。補償が使用されない場合、感知動作をより速く、使用する電力をより少なくすることができる。補償を使用するかどうかの決定は、ブロック内又はメモリダイ上で既に読み取られたメモリセルのエラー率に基づいてもよい。
【0150】
ステップ1354は、制御ダイ304が、補償を適用することなく、標的メモリセルに関連付けられたビット線を感知することを含む。例えば、データ状態のために複数のHB読み出し基準電圧を印加するのではなく、1つのHB読み出し基準電圧のみがデータ状態に印加され、それによって時間及び電力が節約される。ステップ1302と同様に、感知はボンドパッドによってもよい。
【0151】
ステップ1356は、制御ダイ304が、標的メモリセルに関連付けられたビット線を感知することを含む。ステップ1302と同様に、感知はボンドパッドによってもよい。保存されたデータ状態情報は、プロセス1100に記載されるように使用されてもよい。したがって、異なるレベルの補償を提供する複数のHB基準電圧が、標的WLに印加される。
【0152】
ステップ1358は、ステップ1354又は1356のいずれかに続いて実行される。ステップ1358は、制御ダイ304が、標的メモリセルの感知情報を制御ダイ304上のラッチに記憶することを含む。このステップはステップ1304と同様であってもよい。標的メモリセルに関する感知情報は、プロセス1300中に隣接するメモリセルのラッチに記憶された感知情報を上書きすることができることに留意されたい。
【0153】
ステップ1360は、制御ダイ304が、隣接するメモリセルに関する記憶されたデータ状態情報を使用して、標的メモリセルを再感知することを含む。一実施形態では、ステップ1356は、ハードビットを感知し、ステップ1360は、復号の失敗に応答してソフトビットを感知する(プロセス1000を参照)。一実施形態では、ステップ1354は、ハードビットを感知し、ステップ1360はまた、復号の失敗に応答してハードソフトビットを感知する。ステップ1354又は1356のどちらが実行されたかにかかわらず、隣接するメモリセルからのデータラッチ内の情報が、ステップ1358で上書きされたことに留意されたい。しかしながら、隣接するメモリセルに関する保存された状態情報は、依然として利用可能である。本明細書に記載されるように、スペース制限により、そのような状態情報を保存することは、メモリセル及びチップレベル制御回路が同じダイ上にある設計において非実用的であり得る。
【0154】
隣接するメモリセルのデータ状態に基づいて標的メモリセルに提供され得る多くの異なる種類の補償が存在する。既に上述したのは、標的ワード線に印加された読み出し基準電圧(HB又はSB)の大きさの形態の補償である。一実施形態では、補償は、標的メモリセルから読み出されたデータの等化の形態である。等化は、標的メモリセルに対する隣接するメモリセルの干渉を補償するように使用されてもよい。
【0155】
図14は、標的メモリセルから読み出されたデータの等化を適用するプロセス1400の一実施形態のフローチャートである。プロセス1400は、プロセス900のステップ906で使用されてもよい。したがって、プロセス1400の前に、隣接するワード線上のメモリセルが読み出され、隣接するメモリセルに関するデータ状態情報が記憶されている。
【0156】
ステップ1402は、制御ダイ304が、標的ワード線に接続されたメモリセルを感知することを含む。ステップ1404は、制御ダイ304が、標的メモリセルに関する初期状態情報を判定することを含む。ステップ1404は、制御ダイ304が、標的メモリセル内に記憶されたデータの1つ以上の生のコードワードを判定することを含んでもよい。
【0157】
ステップ1406は、制御ダイ304が、記憶されたデータ状態情報に基づいて、等化を実行することを含む。一実施形態では、等化は線形最小平均二乗誤差(LMMSE)クロスカップリング推定及び等化を使用する。この技術は、標的セル及び隣接するセルの第2の順序統計、具体的には、隣接するセルの読み出し閾値電圧の共分散マトリックス、並びに標的セル及びそれらの隣接するセルの相互相関ベクトルに基づく。等化技術は、隣接するセル(又は隣接する複数のセル)が、妨害の線形モデル(LMMSEなど)に基づいて、標的セルの読み出しを妨害する程度を判定することを含む。次いで、実際の感知(例えば、ステップ1402~1404)及び隣接するセル(単数又は複数)が標的セルの読み出しを妨害する程度に基づいて、標的セル内に実際に記憶されたデータから推定を行うことができる。このような等化を実行する更なる詳細は、「Post-Facto Correction for Cross Coupling in Flash Memory」と題されたAlrodらの米国特許第7,751,237号に記載されており、これは、参照として本明細書に組み込まれている。ステップ1406における等化は、標的セル内のデータを感知した後に実行され、標的セルの感知を実行するために任意の補償が適用される必要はないことに留意されたい。
【0158】
上記を考慮すると、第1の実施形態は、記憶装置と、記憶装置に接続された制御回路と、を備える装置を含むことが分かり得る。制御回路は、ブロック内の第1のワード線に接続された第1の不揮発性メモリセルと、第1のワード線に隣接するブロック内の第2のワード線に接続された第2の不揮発性メモリセルと、を含む、メモリダイに接続するように構成される。制御回路は、第1のメモリセルを感知するように構成される。制御回路は、第1のメモリセルを感知することに基づいて、第1のメモリセルの各々に関するデータ状態情報を、記憶装置に記憶するように構成される。記憶は、ブロック内のワード線の読み出しの組内の第2のメモリセルを感知する前に行われる。制御回路は、記憶されたデータ状態情報に基づいて、第2の不揮発性メモリセルの条件を判定するように構成される。
【0159】
第2の実施形態では、第1の実施形態の増進のために、制御回路は、記憶されたデータ状態情報を使用して、第2メモリセルの各々に関するハードビットを判定するように更に構成されている。制御回路は、記憶されたデータ状態情報を使用して、第2のメモリセルのハードビットに対する復号エラーに応じて、第2のメモリセルの各々に関するソフトビットを判定するように更に構成される。
【0160】
第3の実施形態では、第1の実施形態又は第2の実施形態の増進のために、記憶装置はデータラッチを備える。制御回路は、第1のメモリセルを感知することによる第1の感知情報をデータラッチに記憶するように更に構成される。制御回路は、第2のメモリセルを感知することによる第2の感知情報をデータラッチに記憶し、それによって第1の感知情報を上書きするように更に構成される。制御回路は、第1のメモリセルに関する記憶されたデータ状態情報を使用して、第1の感知情報を上書きした後の第2の不揮発性メモリセルの条件を判定するように更に構成される。
【0161】
第4の実施形態では、第3の実施形態の増進のために、制御回路及び記憶装置は、メモリダイに接合された制御ダイ上に存在する。メモリダイは、第1のメモリセル及び第2のメモリセルに関連付けられたビット線を含む。制御回路は、ビット線を感知することによって第1のメモリセル及び第2のメモリセルを感知するように更に構成される。
【0162】
第5の実施形態では、第1~第4の実施形態のうちのいずれかの増進のために、制御回路は、第2のワード線に接続された選択されたメモリセルに印加された基準電圧に基づいて、選択されたメモリセルの条件を判定し、基準電圧は、選択されたメモリセルに隣接するメモリセルの記憶されたデータ状態情報に対応する、選択されたメモリセルに対する干渉の補償を行うように更に構成される。
【0163】
第6の実施形態では、第1~第5の実施形態のうちのいずれかの増進のために、制御回路及び記憶装置は、メモリダイに固着された制御ダイ上に存在する。制御回路は、第2のワード線に接続された第2のメモリセルを感知し、第2のメモリセルをメモリダイから感知することによる感知情報を記憶装置に転送するように更に構成される。制御回路は、記憶されたデータ状態情報を使用して、記憶装置内の感知情報の等化を実行するように更に構成される。等化は、第2のメモリセルに対する第1のメモリセルの干渉を補償する。制御回路は、等化に基づいて、第2のメモリセルのデータ状態を判定するように更に構成される。
【0164】
第7の実施形態では、第1~第6の実施形態のうちのいずれか1つの増進のために、制御回路は、記憶されたデータ状態情報に基づいて、第2のメモリセルの各々に関するハードビットを判定し、各第2のメモリセルに関するハードビットをメモリコントローラに転送するように更に構成される。制御回路は、メモリコントローラからのソフトビットの要求に応じて、ソフトビットをメモリコントローラに提供するように更に構成される。ソフトビットを提供するために、制御回路は、ソフトビット読み出し基準電圧を第2のワード線に印加し、ソフトビット読み出し基準電圧の印加に応じて、各第2の不揮発性メモリセルを感知し、ソフトビット読み出し基準電圧の各々について、各第2のメモリセルに関するソフトビット感知データが生成され、それぞれの第2のメモリセルに隣接する第1のメモリセルに関する記憶されたデータ状態情報を使用して、各それぞれの第2のメモリセルに使用するためのソフトビット感知データを選択し、各それぞれの第2のメモリセルの選択されたソフトビット感知データに基づいて、第2のメモリセルの各々に関するソフトビットを判定するように更に構成される。
【0165】
第8の実施形態では、第1~第7の実施形態のうちのいずれかの増進のために、制御回路は、第2のメモリセルに記憶されたコードワードの復号の失敗前に、第1のメモリセルの各々に関するデータ状態情報を記憶装置に記憶するように構成される。制御回路は、第2のメモリセルに記憶されたコードワードの復号の失敗に応じて、記憶されたデータ状態情報に基づいて、第2の不揮発性メモリセルの条件を判定するように構成される。
【0166】
第9の実施形態では、第1~第8の実施形態のうちのいずれかの増進のために、制御回路が、ブロック内のワード線の読み出しにおいて第2のワード線を読み出す直前に第1のワード線を読み出すように構成される。
【0167】
一実施形態は、第1のワード線に接続された第1の不揮発性メモリセルを感知することを含む方法を含む。第1の不揮発性メモリセル及び第1のワード線は、制御ダイに固着されたメモリダイ上に存在する。感知することは、制御ダイ上の制御回路によって制御される。本方法は、第1のメモリセルを感知することに基づいて、各それぞれの第1のメモリセルに関する第1の感知情報を制御ダイ上のデータラッチに記憶することを含む。本発明は、第1及び第2のワード線の逐次読み出しにおいて第1のワード線に隣接する第2のワード線に接続された第2の不揮発性メモリセルを感知する前に、データラッチ内の第1の感知情報に基づいて、制御ダイ上に、各それぞれの第1のメモリセルに関するデータ状態情報を記憶することを含む。各それぞれの第1のメモリセルに関するデータ状態情報は、それぞれの第1のメモリセルが存在する1つ以上のデータ状態の組を指定する。本発明は、記憶されたデータ状態情報に基づいて、第2の不揮発性メモリセルに対する第1のメモリセルの干渉を補償することを含む。本発明は、補償の結果として第2の不揮発性メモリセルのデータ状態を判定することを含む。
【0168】
一実施形態は、メモリダイと、ボンドパッドによってメモリダイに接合された制御ダイと、を含む不揮発性記憶システムを含む。メモリダイは、不揮発性メモリセルと、メモリセルに接続された複数のワード線と、メモリセルに関連付けられたビット線と、を含む。制御ダイは、ボンドパッドによって、第1の不揮発性メモリセルに関連付けられたビット線を感知するための感知手段を含む。第1の不揮発性メモリセルは、複数のワード線の第1のワード線に接続される。制御ダイは、第1のワード線に隣接する第2のワード線に接続された第2のメモリセルに記憶されたコードワードの復号の失敗前に、第1のメモリセルの各々に関するデータ状態情報を記憶するデータ状態記憶手段を含む。データ状態情報は、感知することに基づき、それぞれの第1のメモリセルが存在する1つ以上のデータ状態の範囲を指定する。制御ダイは、記憶されたデータ状態情報に基づいて、データ状態依存補償を第2のメモリセルに適用する補償手段を含む。
【0169】
実施形態では、感知手段は、ステートマシン312、アドレスデコーダ314、電力制御316、読み出し/書き込み回路328、感知ブロック340、センスアンプ350、感知回路460、感知ノード464、比較回路466、及び/又はトリップラッチのうちの1つ以上を含む。
【0170】
実施形態では、データ状態記憶手段は、管理回路480、プロセッサ482、記憶装置392、ステートマシン312、PGA(Programmable Gate Array)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、集積回路、又は他の種類の回路のうちの1つ以上を含む。
【0171】
実施形態では、記憶されたデータ状態情報に基づいて、データ状態依存補償を第2のメモリセルに適用する補償手段は、ステートマシン312、ECCエンジン330、電力制御316、読み出し/書き込み回路328、センスアンプ350、管理回路480、プロセッサ、PGA(Programmable Gate Array)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、集積回路、又は他の種類の回路のうちの1つ以上を含む。実施形態では、記憶されたデータ状態情報に基づいて、データ状態依存補償を第2のメモリセルに適用する補償手段は、プロセス1100を実行する。実施形態では、記憶されたデータ状態情報に基づいて、データ状態依存補償を第2のメモリセルに適用する補償手段は、プロセス1200を実行する。
【0172】
本発明の前述の詳細な説明は、例示及び説明の目的のために提示したものである。前述の詳細な説明は、網羅的であること、又は開示した正確な形態に本発明を限定することを意図したものではない。上記の教示に鑑みて多くの修正及び変形が可能である。説明した実施形態は、本発明の原理及びその実際の用途を最良に説明するために選択されたものであり、それによって、当業者が様々な実施形態で、企図される特定の使用法に適するように様々な修正を伴って、本発明を最良に利用することを可能にする。本発明の範囲は、本明細書に添付の請求項によって定義されることが意図されている。
以下に記載の事項は、出願当初の特許請求の範囲に記載されている。
(項目1)
装置であって、
記憶装置と、
前記記憶装置に接続された制御回路と、を備え、前記制御回路は、ブロック内の第1のワード線に接続された第1の不揮発性メモリセルと、前記第1のワード線に隣接する前記ブロック内の第2のワード線に接続された第2の不揮発性メモリセルと、を含む、メモリダイに接続するように構成され、前記制御回路は、
前記第1のメモリセルを感知し、
前記第1のメモリセルを感知することに基づいて、前記第1のメモリセルの各々に関するデータ状態情報を前記記憶装置に記憶し、前記記憶は、前記ブロック内のワード線の読み出しの組において前記第2のメモリセルを感知する前に行われ、
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、前記第2の不揮発性メモリセルの条件を判定する、ように構成される、装置。
(項目2)
前記制御回路は、
前記記憶されたデータ状態情報を使用して、前記第2のメモリセルの各々に関するハードビットを判定し、
前記記憶されたデータ状態情報を使用して、前記第2のメモリセルの前記ハードビットに対する復号エラーに応じて、前記第2のメモリセルの各々に関するソフトビットを判定する、ように更に構成される、項目1に記載の装置。
(項目3)
前記記憶装置はデータラッチを備え、前記制御回路は、
前記第1のメモリセルを感知することによる第1の感知情報を前記データラッチに記憶し、
前記第2のメモリセルを感知することによる第2の感知情報を前記データラッチに記憶し、それによって前記第1の感知情報を上書きし、
前記第1のメモリセルに関する前記記憶されたデータ状態情報を使用して、前記第1の感知情報を上書きした後の前記第2の不揮発性メモリセルの前記条件を判定する、ように更に構成される、項目1に記載の装置。
(項目4)
前記制御回路及び前記記憶装置は、前記メモリダイに接合された制御ダイ上に存在し、
前記メモリダイは、前記第1のメモリセル及び前記第2のメモリセルに関連付けられたビット線を含み、
前記制御回路は、前記ビット線を感知することによって前記第1のメモリセル及び前記第2のメモリセルを感知するように更に構成される、項目3に記載の装置。
(項目5)
前記制御回路は、
前記第2のワード線に接続された選択されたメモリセルに印加された基準電圧に基づいて、前記選択されたメモリセルの前記条件を判定し、前記基準電圧は、前記選択されたメモリセルに隣接するメモリセルの前記記憶されたデータ状態情報に対応する、前記選択されたメモリセルに対する干渉の補償を行う、ように構成される、項目1に記載の装置。
(項目6)
前記制御回路及び前記記憶装置は、前記メモリダイに固着された制御ダイ上に存在し、前記制御回路は、
前記第2のワード線に接続された前記第2のメモリセルを感知し、
前記第2のメモリセルを前記メモリダイから感知することによる感知情報を前記記憶装置に転送し、
前記記憶されたデータ状態情報を使用して前記記憶装置内の前記感知情報の等化を実行し、前記等化は、前記第2のメモリセルに対する前記第1のメモリセルの干渉を補償し、
前記等化に基づいて、前記第2のメモリセルのデータ状態を判定する、ように更に構成される、項目1に記載の装置。
(項目7)
前記制御回路は、
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、前記第2のメモリセルの各々に関するハードビットを判定し、
各第2のメモリセルに関する前記ハードビットをメモリコントローラに転送し、
前記メモリコントローラからのソフトビットの要求に応じて、前記ソフトビットを前記メモリコントローラに提供し、これは、
ソフトビット読み出し基準電圧を前記第2のワード線に印加し、
前記ソフトビット読み出し基準電圧の印加に応じて、各第2の不揮発性メモリセルを感知し、前記ソフトビット読み出し基準電圧の各々について、各第2のメモリセルに関するソフトビット感知データが生成され、
それぞれの第2のメモリセルに隣接する第1のメモリセルに関する前記記憶されたデータ状態情報を使用して、各それぞれの第2のメモリセルに使用するためのソフトビット感知データを選択し、
各それぞれの第2のメモリセルの前記選択されたソフトビット感知データに基づいて、前記第2のメモリセルの各々に関する前記ソフトビットを判定する、ことを含む、ように更に構成される、項目1に記載の装置。
(項目8)
前記制御回路は、
前記第2のメモリセルに記憶されたコードワードの復号の失敗前に、前記第1のメモリセルの各々に関する前記データ状態情報を前記記憶装置に記憶し、
前記第2のメモリセルに記憶された前記コードワードの復号の前記失敗に応じて、前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、前記第2の不揮発性メモリセルの前記条件を判定する、ように構成される、項目1に記載の装置。
(項目9)
前記制御回路は、前記ブロック内の前記ワード線の前記読み出しにおいて前記第2のワード線を読み出す直前に前記第1のワード線を読み出すように構成される、項目1に記載の装置。
(項目10)
方法であって、
第1のワード線に接続された第1の不揮発性メモリセルを感知することであって、前記第1の不揮発性メモリセル及び前記第1のワード線は、制御ダイに固着されたメモリダイ上に存在し、前記感知することは、前記制御ダイ上の制御回路によって制御される、感知することと、
前記第1のメモリセルを感知することに基づいて、各それぞれの第1のメモリセルに関する第1の感知情報を前記制御ダイ上のデータラッチに記憶することと、
前記第1及び第2のワード線の逐次読み出しにおいて前記第1のワード線に隣接する第2のワード線に接続された第2の不揮発性メモリセルを感知する前に、前記データラッチ内の前記第1の感知情報に基づいて、前記制御ダイ上に、各それぞれの第1のメモリセルに関するデータ状態情報を記憶することであって、各それぞれの第1のメモリセルに関する前記データ状態情報は、前記それぞれの第1のメモリセルが存在する1つ以上のデータ状態の組を指定する、記憶することと、
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、前記第2のメモリセルに対する前記第1のメモリセルの干渉を補償することと、
前記補償の結果として前記第2のメモリセルのデータ状態を判定することと、を含む、方法。
(項目11)
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、前記第2のメモリセルに対する前記第1のメモリセルの干渉を補償することは、
前記データラッチに前記第1の感知情報を、前記第2のメモリセルの第2の感知情報で上書きした後で、前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、前記第2のメモリセルに対する前記第1のメモリセルの干渉を補償することを含む、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、前記第2のメモリセルに対する前記第1のメモリセルの干渉を補償することは、
異なるハードビット読み出し基準電圧を前記第2のワード線に印加して、それぞれの第2のメモリセルがハードビット基準レベルを上回る閾値電圧を有するか、又はハードビット基準レベルを下回る閾値電圧を有するかを試験することであって、前記異なるハードビット読み出し基準電圧の各々が異なる補償量を適用する、試験することと、
前記記憶されたデータ状態情報に基づく前記異なるハードビット読み出し基準電圧のうちの1つの各それぞれの第2のメモリセルを感知することと、
前記第2のメモリセルを感知することに基づいて、各それぞれの第2のメモリセルに関する第2の感知情報を前記制御ダイ上の前記データラッチに記憶することであって、前記第2の感知情報は前記第1の感知情報を上書きし、前記記憶された第2の感知情報は、隣接する第1のメモリセルによって引き起こされる前記それぞれの第2のメモリセルへの前記干渉に対応する補償量を提供する、ハードビット読み出し基準電圧に対応する、記憶することと、を含む、項目10に記載の方法。
(項目13)
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、前記第2のメモリセルに対する前記第1のメモリセルの干渉を補償することは、
異なるソフトビット読み出し基準電圧を前記第2のワード線に印加して、それぞれの第2のメモリセルがソフトビット基準レベルを上回る閾値電圧を有するか、又はソフトビット基準レベルを下回る閾値電圧を有するかを試験することであって、前記異なるソフトビット読み出し基準電圧の各々が異なる補償量を適用する、試験することと、
前記記憶されたデータ状態情報に基づく前記異なるソフトビット読み出し基準電圧のサブセットの各それぞれの第2のメモリセルを感知することと、
前記第2のメモリセルを感知することに基づいて、各それぞれの第2のメモリセルの第3の感知情報を前記制御ダイ上の前記データラッチに記憶することであって、前記第3の感知情報は前記第2の感知情報を上書きし、前記記憶された第3の感知情報は、前記隣接する第1のメモリセルによって引き起こされる前記それぞれの第2のメモリセルへの前記干渉に対応する補償量を提供する、ソフトビット読み出し基準電圧のサブセットに対応する、記憶することと、を含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、第2のメモリセルに対する前記第1のメモリセルの干渉を補償することは、
前記データラッチ内の前記第1の感知情報を、前記第2のメモリセルの第2の感知情報で上書きすることと、
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、隣接する第1のメモリセルによって引き起こされる前記それぞれの第2のメモリセルに対する前記干渉に対応する各それぞれの第2のメモリセルに対する補償量を提供する前記第2の感知情報に対して、等化を実行することと、を含む、項目10に記載の方法。
(項目15)
不揮発性記憶システムであって、
不揮発性メモリセルと、前記メモリセルに接続された複数のワード線と、前記メモリセルに関連付けられたビット線と、を含む、メモリダイと、
ボンドパッドによって前記メモリダイに接合された制御ダイであって、前記制御ダイは、
前記ボンドパッドによってビット線を感知するための感知手段であって、前記ビット線は、前記複数のワード線のうちの第1のワード線に接続された第1の不揮発性メモリセルと関連付けられる、感知手段と、
前記第1のワード線に隣接する第2のワード線に接続された第2のメモリセルに記憶されたコードワードの復号の失敗前に、前記第1のメモリセルの各々に関するデータ状態情報を記憶するデータ状態記憶手段であって、前記データ状態情報は、前記感知することに基づき、前記それぞれの第1のメモリセルが存在する1つ以上のデータ状態の範囲を指定する、データ状態記憶手段と、
前記記憶されたデータ状態情報に基づいて、データ状態依存補償を前記第2のメモリセルに適用する補償手段と、を備える、不揮発性記憶システム。
(項目16)
前記補償手段は、
前記記憶されたデータ状態情報を使用して、前記第2のメモリセルの各々のハードビットを判定し、前記第2のメモリセルに関する前記ハードビットは、前記コードワードを形成し、
前記記憶されたデータ状態情報を使用して、前記コードワードの正常な復号の失敗に応じて、前記第2のメモリセルの各々に関するソフトビットを判定する、ように構成される、項目15に記載の不揮発性記憶システム。
(項目17)
前記データ状態記憶手段は、
前記第1のメモリセルの第1のデータ状態を前記制御ダイ上のデータラッチに記憶し、
前記記憶されたデータ状態情報を使用して、前記第2のメモリセルの各々に関するハードビットを判定するときに、前記データラッチ内の前記第1のメモリセルの前記第1のデータ状態を、前記第2のメモリセルの第2のデータ状態で上書きする、ように構成される、項目16に記載の不揮発性記憶システム。
(項目18)
前記補償手段は、異なるハードビット読み出し基準電圧を前記第2のメモリセルに印加するように構成され、前記異なるハードビット読み出し基準電圧の各々は、異なる量のデータ状態依存補償を適用し、
前記感知手段は、隣接する第1のメモリセルから前記それぞれの第2のメモリセルへの干渉の補償を提供する、少なくとも1つのハードビット読み出し基準電圧について、各それぞれの第2のメモリセルに関する感知情報を提供するように構成され、
前記補償手段は、前記隣接する第1のメモリセルから前記それぞれの第2のメモリセルへの干渉の補償を提供する、前記感知情報を使用して、前記それぞれの第2のメモリセルの条件を判定する、ように構成される、項目16に記載の不揮発性記憶システム。
(項目19)
前記補償手段は、異なるソフトビット基準電圧を前記第2のメモリセルに印加するように更に構成され、
前記感知手段は、隣接する第1のメモリセルから前記それぞれの第2のメモリセルへの干渉の補償を提供する、少なくとも1つの前記ソフトビット基準電圧の組について、各それぞれの第2のメモリセルに関する感知情報を生成するように構成され、
前記補償手段は、前記隣接する第1のメモリセルから前記それぞれの第2のメモリセルへの干渉の補償を提供する、前記ソフトビット基準電圧の前記組に関する前記感知情報を使用して、前記それぞれの第2のメモリセルの条件を判定する、ように構成される、項目15に記載の不揮発性記憶システム。
(項目20)
前記データ状態記憶手段は、前記第1のメモリセルの第1のデータ状態を前記制御ダイ上のデータラッチに記憶し、前記データラッチ内の前記第1のメモリセルの前記第1のデータ状態を、前記第2のメモリセルの第2のデータ状態で上書きするように構成され、
状態依存補償を前記第1のメモリセルに適用する前記補償手段は、前記データラッチ内の前記第1のメモリセルの前記第1のデータ状態を、前記第2のメモリセルの第2のデータ状態で上書きした後、前記それぞれの第2のメモリセルに隣接する第1のメモリセルのデータ状態に対応する各それぞれの第2のメモリセルの状態依存補償の量を提供する前記第2のデータ状態に対して、等化を実行するように構成される、項目15に記載の不揮発性記憶システム。