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特許7108785回転シャフト及び該回転シャフトを有する電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】回転シャフト及び該回転シャフトを有する電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20220721BHJP
【FI】
G06F1/16 312F
G06F1/16 312G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021510659
(86)(22)【出願日】2019-08-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-12-16
(86)【国際出願番号】 CN2019099233
(87)【国際公開番号】W WO2020042872
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-02-26
(31)【優先権主張番号】201810995662.5
(32)【優先日】2018-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100204386
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 啓
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 新富
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第107831836(CN,A)
【文献】特開2013-243588(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0115701(US,A1)
【文献】特開2018-116467(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0002360(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/00
G06F 1/16- 1/18
B65D 35/44-35/54
B65D 39/00-55/16
F16C 11/00-11/12
H04M 1/02- 1/23
H05K 5/00- 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み可能な電子機器に適用される回転シャフトであって、少なくとも1つの回転シャフトアセンブリを含み、前記回転シャフトアセンブリは、
回転軸と、
前記回転軸に外嵌される歯車と、
一端が前記歯車に固定的に接続される第1回転アームと、
第1端には、前記歯車に噛み合わされるラックが設置される第2回転アームとを含み、
前記第1回転アームが前記歯車を前記回転軸の周りに回転するように駆動することにより、前記第2回転アームの第2端は、前記回転軸から離れる方向又は近づく方向に移動し、
前記ラックは、フレキシブルラックであり、前記歯車に噛み合わされる前記ラックの部分は、前記歯車の周縁に巻回される、回転シャフト。
【請求項2】
前記少なくとも1つの回転シャフトアセンブリは、第1回転シャフトアセンブリ及び第2回転シャフトアセンブリを含み、
前記第1回転シャフトアセンブリのラックは、第1方向に沿って前記第1回転シャフトアセンブリの歯車に巻回され、前記第2回転シャフトアセンブリのラックは、前記第1方向とは反対の方向に沿って前記第2回転シャフトアセンブリの歯車に巻回される、請求項1に記載の回転シャフト。
【請求項3】
前記少なくとも1つの回転シャフトアセンブリは、第3回転シャフトアセンブリ及び第4回転シャフトアセンブリを含み、
前記第3回転シャフトアセンブリのラックと前記第4回転シャフトアセンブリのラックは、同一の方向に沿ってそれぞれ対応する歯車に巻回される、請求項1に記載の回転シャフト。
【請求項4】
前記回転軸に設置され、かつ前記第1回転シャフトアセンブリと前記第2回転シャフトアセンブリとの間に介設された仕切りホイールをさらに含む、請求項2に記載の回転シャフト。
【請求項5】
第1開口が設置されるスリーブをさらに含み、前記ラックは、前記スリーブと前記歯車との間に少なくとも部分的に介設され、前記第2回転アームは、前記第1開口を貫通し、かつ前記スリーブの外に延びる、請求項1~3のいずれか1項に記載の回転シャフト。
【請求項6】
前記スリーブ上に第2開口がさらに設置され、前記第1回転アームは、前記第2開口を貫通し、かつ前記スリーブの外に延び、前記スリーブは、筒状であり、前記スリーブの周縁の回転軸に対して反対側となる位置に前記第1開口と第2開口がそれぞれ設けられる請求項5に記載の回転シャフト。
【請求項7】
前記第1回転アームは、前記歯車の一端に固定される、請求項5に記載の回転シャフト。
【請求項8】
前記回転シャフトの端部に覆設されるキャップをさらに含み、前記キャップは、
前記スリーブの端部に合わせ、かつ内部に前記スリーブの一端が係止される係合溝と、
前記回転軸から離れる方向に向かって凹んで形成され、かつ内部に前記歯車に接続された前記第1回転アームの一端が係止される係止部と、を含む、請求項7に記載の回転シャフト。
【請求項9】
第1ケースと、第2ケースと、前記第1ケース及び前記第2ケースに設置されるフレキシブルスクリーンと、を含む電子機器であって、請求項1~8のいずれか1項に記載の回転シャフトをさらに含み、前記第1回転アームの他端は、前記第1ケース又は第2ケースの一方に接続され、前記第2回転アームの第2端は、前記第1ケース又は第2ケースの他方に接続される、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2018年8月29日に提出された中国特許出願第201810995662.5号の優先権を主張するものであり、その全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、電子機器の技術分野に関し、特に回転シャフト及び該回転シャフトを有する電子機器に関する。
【背景技術】
【0003】
携帯電話、コンピュータなどの電子機器が広く普及して発展するにつれて、電子機器のスクリーンのサイズに対するユーザの要求がますます高くなっている。電子機器のスクリーンを大きくしやすくするとともに、電子機器が大き過ぎることにより、携帯しにくく、占有スペースが大きいなどの課題を回避するために、折り畳み可能なフレキシブルスクリーンが生まれている。
【0004】
図1a、図1b、図2a及び図2bに示すように、従来技術において、フレキシブルスクリーン101の一側に第1筐体102及び第2筐体103が設置され、第1筐体102と第2筐体103が回転シャフト104を介して接続され、ビデオ、電子書籍などを見るために電子機器のスクリーンを展開する必要がある場合に、第1筐体102及び第2筐体103は、回転シャフト104の周りに回転し、フレキシブルスクリーン101を展開して図2a及び図2bに示すような展開状態となるように駆動する。携帯、収納などのために電子機器のスクリーンを小さくする必要がある場合に、第1筐体102及び第2筐体103は、前記回転シャフト104の周りに回転し、フレキシブルスクリーン101を折り曲げさせて図1a及び図1bに示すような折り畳み状態となるように駆動する。折り畳み状態で、電子機器の第1筐体102及び第2筐体103が折り畳まれることにより、折り畳み状態で前記電子機器のサイズを小さくし、携帯しやすいという効果を達成する。
【0005】
しかしながら、図2aに示すように、展開状態で、第1筐体102と第2筐体103の、前記回転シャフト104の軸方向に垂直な方向に沿う長さの和が折り畳み状態でのものよりも小さくなるため、前記フレキシブルスクリーン101は展開状態でシワが発生することにより、前記フレキシブルスクリーン101の見栄えが低下し、かつ前記フレキシブルスクリーン101の耐用年数が低下する。
【0006】
これから分かるように、従来技術における回転シャフトは、フレキシブルスクリーンの耐用年数が低下するという課題が存在することが分かる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本開示の実施例は、従来技術における回転シャフトによるフレキシブルスクリーンの耐用年数が低下するという課題を解決するために、回転シャフト及び該回転シャフトを有する電子機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術的課題を解決するために、本開示は、以下の技術手段を採用する。
【0009】
第1の態様では、本開示の実施例に係る、第1ケース及び第2ケースを有する折り畳み可能な電子機器に適用される回転シャフトは、少なくとも1つの回転シャフトアセンブリを含み、前記回転シャフトアセンブリは、回転軸と、前記回転軸に外嵌される歯車と、一端が前記歯車に固定的に接続される第1回転アームと、第1端には、前記歯車に噛み合わされるラックが設置される第2回転アームとを含み、前記第1回転アームが前記歯車を前記回転軸の周りに回転するように駆動することにより、前記第2回転アームの第2端が前記回転軸から離れる方向又は近づく方向に移動する。
【0010】
好ましくは、前記ラックは、フレキシブルラックであり、前記歯車に噛み合わされる前記ラックの部分は、前記歯車の周縁に巻回される。
【0011】
好ましくは、前記少なくとも1つの回転シャフトアセンブリは、第1回転シャフトアセンブリ及び第2回転シャフトアセンブリを含み、前記第1回転シャフトアセンブリのラックは、第1方向に沿って前記第1回転シャフトアセンブリの歯車に巻回され、前記第2回転シャフトアセンブリのラックは、前記第1方向とは反対の方向に沿って前記第2回転シャフトアセンブリの歯車に巻回される。
【0012】
好ましくは、前記少なくとも1つの回転シャフトアセンブリは、第3回転シャフトアセンブリ及び第4回転シャフトアセンブリを含み、前記第3回転シャフトアセンブリのラックと前記第4回転シャフトアセンブリのラックは、同一の方向に沿ってそれぞれ対応する歯車に巻回される。
【0013】
好ましくは、前記回転シャフトは、前記回転軸に設置され、かつ前記第1回転シャフトアセンブリと前記第2回転シャフトアセンブリとの間に介設された仕切りホイールをさらに含む。
【0014】
好ましくは、前記回転シャフトは、第1開口が設置されるスリーブをさらに含み、前記ラックは、前記スリーブと前記歯車との間に少なくとも部分的に介設され、前記第2回転アームは、前記第1開口を貫通し、かつ前記スリーブの外に延びる。
【0015】
好ましくは、前記スリーブ上に第2開口がさらに設置され、前記第1回転アームは、前記第2開口を貫通し、かつ前記スリーブの外に延び、前記第2開口の開口方向は、前記第1開口の開口方向とは反対である。
【0016】
好ましくは、前記第1回転アームは、前記歯車の一端に固定される。
【0017】
好ましくは、前記回転シャフトは、前記回転シャフトの端部に覆設されるキャップをさらに含み、前記キャップは、前記スリーブの端部に合わせ、かつ内部に前記スリーブの一端が係止される係合溝と、前記回転軸から離れる方向に向かって凹んで形成され、かつ内部に前記歯車に接続された前記第1回転アームの一端が係止される係止部と、を含む。
【0018】
第2の態様では、本開示の実施例に係る電子機器は、第1ケースと、第2ケースと、前記第1ケース及び前記第2ケースに設置されるフレキシブルスクリーンと、前記回転シャフトとを含み、前記第1回転アームの他端は、前記第1ケース又は第2ケースの一方に接続され、前記第2回転アームの第2端は、前記第1ケース又は第2ケースの他方に接続される。
【0019】
本開示の実施例では、第2回転アームにラックを設置することにより、歯車の回転に伴って第2回転アームの延びる長さを長くしたり短くしたりすることができるため、ケースを回転軸から離れる方向又は近づく方向に移動させることができる。このように、電子機器の展開又は折り畳み過程において、ケースとケースとの間の距離が調整可能となることにより、フレキシブルスクリーンが展開するときに常に伸張状態を保持し、フレキシブルスクリーンの展開時にシワが発生するという課題を回避することができる。
【0020】
本開示の実施例の技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本開示のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1a】従来技術における折り畳みスクリーンが折り畳み状態にある正面図である。
図1b】従来技術における折り畳みスクリーンが折り畳み状態にある上面図である。
図2a】従来技術における折り畳みスクリーンが展開状態にある正面図である。
図2b】従来技術における折り畳みスクリーンが展開状態にある上面図である。
図3a】回転シャフトアセンブリが折り畳み状態にある構成図である。
図3b】回転シャフトアセンブリが展開状態にある構成図である。
図4】別の回転シャフトアセンブリが展開状態にある構成図である。
図5】本開示の実施例に係る回転シャフトが折り畳み状態にある構成図である。
図6図5における回転シャフトの分解図である。
図7】本開示の実施例に係る回転シャフトが展開状態にある構成図である。
図8図7における回転シャフトが展開状態にある分解図である。
図9】本開示の実施例に係る回転シャフトが折り畳み状態にある上面図である。
図10図9におけるA-A方向に沿った断面図である。
図11】本開示の実施例に係る回転シャフトが展開状態にある上面図である。
図12図11におけるB-B方向に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示の実施例における図面を参照しながら、本開示の実施例における技術手段を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本開示の実施例の一部であり、全てではない。本開示の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる他の全ての実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属するものである。
【0023】
本開示の実施例に係る回転シャフトは、折り畳み可能な電子機器に取り付けられて、従来技術における、電子機器に装着されたフレキシブルスクリーンの展開によりシワが発生することを解決することにより、電子機器及びフレキシブルスクリーンの耐用年数を延長することができる。
【0024】
図3a及び図3bを参照すると、本開示の実施例に係る、折り畳み可能な電子機器に適用される回転シャフトは、少なくとも1つの回転シャフトアセンブリ31を含み、回転シャフトアセンブリ31は、回転軸311と、回転軸311に外嵌される歯車312と、一端が歯車312に固定的に接続される第1回転アーム313と、第1端には、歯車312に噛み合わされるラック3141が設置される第2回転アーム314とを含み、第1回転アーム313が歯車312を回転軸311の周りに回転するように駆動することにより、第2回転アーム314の第2端は、回転軸311から離れる方向又は近づく方向に移動する。
【0025】
第2回転アーム314は、回転軸311に垂直な方向に延びる。
【0026】
具体的な適用過程において、上記回転シャフトは、電子機器の第1ケースと第2ケースとの間に取り付けられ、例えば、第1ケースが第1回転アーム313に固定され、第2ケースが第2回転アーム314に固定され、図3aに示すような折り畳み状態(第1ケース及び第2ケースを図示せず)で、第1回転アーム313と第2回転アーム314とが同一の方向に延びることにより、第1ケース及び第2ケースが折り畳まれて、電子機器の面積を縮小する。展開状態で、第1回転アーム313と第2回転アーム314とが回転シャフトアセンブリ31の作用によって反対方向に延びることにより、第1ケースと第2ケースとが同一の水平面に位置して、電子機器の面積を増大させる。
【0027】
折り畳み状態から展開状態へ移行する過程において、第1回転アーム313は、第1ケースの作用により、歯車312を回転軸311の周りに90度回転するように駆動することにより、歯車312に噛み合わされるラック3141を第2回転アーム314の第2端の位置する方向に移動するように駆動して(すなわち、ラック3141と歯車312の噛み合い面積を減少させ)、第2回転アーム314の長さを延長し、第2ケースを第1ケースから離れる方向に移動するように押し動かし、第1ケース及び第2ケースに装着されるフレキシブルスクリーンの展開によりシワが発生することを回避するという効果を達成することができる。
【0028】
好ましくは、ラック3141は、フレキシブルラックであり、ラック3141の歯車312に近い端は、歯車312の周縁に巻回され、かつ歯車312に噛み合わされ、歯車312の周縁に巻回されないラック3141の部分と第2回転アーム314とは、同一の方向に延びる。
【0029】
このように、フレキシブルラックは、歯車に巻回することができ、直線に沿って延びる剛性ラックに比べて、巻回方式でラックの長さを短くすることにより、ラックの占有スペースを低減し、回転シャフトの占有スペースを低減するという効果を達成することができる。
【0030】
もちろん、ラック3141は、図4に示すような剛性構造であってもよく、従来技術では、回転シャフト104の外径及びケースの厚さに起因して、フレキシブルスクリーン101が折り畳み状態から展開状態へ移行する過程において、フレキシブルスクリーン101の回転シャフト104に垂直な方向に沿う長さが電子機器の回転シャフト104に垂直な方向に沿う幅よりも大きくなり、このためシワが形成される。
【0031】
図4に示すように、ラック3141が剛性ラックである場合に、電子機器の展開時に、剛性ラックが十分な余裕を持つことで第2回転アーム314の第2端により一方のケースを、他方のケースから離れる方向に移動するように押し動かすことができるために、折り畳み状態で、剛性ラックの第2回転アーム314から離れた端は、回転軸311に垂直な方向に突出端を有してよく、歯車312は、ラック3141の突出端と第2回転アーム314に近い端との間に噛み合わされ、回転シャフト300が展開して展開状態となる過程において、歯車312は、回転し、かつラック3141に対して突出端の位置する方向に移動することにより、剛性ラックを第2回転アーム314の第2端の位置する方向に移動するように駆動して、第2回転アーム314の第2端により電子機器のケースを押し引きすることでフレキシブルスクリーンにシワが発生することを防止するという効果を達成する。
【0032】
また、ラック3141の材質を弾性材料にすることにより、歯車312に噛み合わされるラック3141の部分が自体の弾性力によって歯車312に巻回することができ、該弾性材料で製造されたラック3141の、歯車312の周縁に巻回される長さが少なくとも歯車312の周長の1/2倍よりも大きくなるため、弾性ラック自体の弾性力によって歯車312との噛み合いを保持することができる。
【0033】
もちろん、さらに、ラック3141の外側にスリーブを設置することによりフレキシブルラック3141を歯車312の周縁に押し当てて、歯車312との噛み合いを達成することができる。
【0034】
また、図3a及び図3bに示すように、第1回転アーム313は、歯車312の一端に固定的に接続される。
【0035】
もちろん、第1回転アーム313は、歯車312の周縁に固定されてもよく、ここでは具体的に限定されるものではない。
【0036】
本開示の実施例では、第2回転アームにラックを設置することにより、歯車の回転に伴って第2回転アームの延びる長さを長くしたり短くしたりすることができるため、ケースを回転軸から離れる方向又は近づく方向に移動させることができる。このように、電子機器の展開又は折り畳み過程において、ケースとケースとの間の距離が調整可能となることにより、フレキシブルスクリーンが展開するときに常に伸張状態を保持し、フレキシブルスクリーンの展開時にシワが発生するという課題を回避することができる。
【0037】
図5図8を参照すると、本開示の実施例に係る回転シャフト500は、第1回転シャフトアセンブリ51及び第2回転シャフトアセンブリ52を含む。
【0038】
図6及び図7に示すように、第1回転シャフトアセンブリ51及び第2回転シャフトアセンブリ52は、前の実施例に係る回転シャフトアセンブリ31の構造と同じであり、かつ第1回転シャフトアセンブリ51と第2回転シャフトアセンブリ52の回転軸は、同一の回転軸53である。
【0039】
具体的には、図6及び7に示すように、第1回転シャフトアセンブリ51は、第1歯車511と、第1歯車511の軸方向に垂直に延び、第1歯車511に接続される第1回転アーム512と、第1端には第1ラック514が設置される第2回転アーム513とを含み、第1ラック514の少なくとも一部が第1歯車511に噛み合わされ、かつ第1歯車511に噛み合わされる第1ラック514の部分が該第1歯車511に巻回される。
【0040】
図6及び図7に示すように、第2回転シャフトアセンブリ52は、第2歯車521と、第2歯車521の軸方向に垂直であり、第2歯車521に接続される第3回転アーム522と、第1端には第2ラック524が設置される第4回転アーム523とを含み、第2ラック524の少なくとも一部が第2歯車521に噛み合わされ、かつ第2歯車521に噛み合わされる第2ラック524の部分が該第2歯車521に巻回される。
【0041】
また、上記回転シャフト500に含まれる回転シャフトアセンブリは、2つに限定されるものではなく、回転シャフトアセンブリの数は、1つ、3つ又は4つなどの、任意の数であってもよく、かつ同一又は類似の有益な効果を達成することができ、ここでは具体的に限定しない。
【0042】
また、回転シャフト500は、図9及び図10に示すような折り畳み状態と、図11及び図12に示すような展開状態とを含む。
【0043】
図9及び図10に示すような折り畳み状態で、第1回転アーム512、第2回転アーム513、第3回転アーム522及び第4回転アーム523が同一の方向に延びる。
【0044】
このように、折り畳み状態で、回転シャフトが取り付けられた電子機器の占有スペースを低減して、携帯、収納などを便利にすることができる。
【0045】
図11及び図12に示すような展開状態で、第1回転アーム512と第4回転アーム523が同一の方向に延び、第2回転アーム513と第3回転アーム522が同一の方向に延び、かつ、第1回転アーム512及び第4回転アーム523の延びる方向は、第2回転アーム513及び第3回転アーム522の延びる方向と反対である。
【0046】
なお、第1ラック514が第1歯車513に巻回される方向は、第2ラック524が第2歯車521に巻回される方向と反対である。
【0047】
折り畳み状態から展開状態へ展開する過程において、第1回転アーム512が図10に示す第1方向Cに沿って90度回転し、第2回転アーム513が第2方向Dに沿って90度回転することにより、第1歯車511は、該第1歯車511に噛み合わされる第1ラック514を第2回転アーム513の位置する方向に延びるように駆動して、第2回転アーム513の長さを延長し、第1方向Cと第2方向Dとが互いに反対の方向である。
【0048】
このように、第1回転シャフトアセンブリの第2回転アームと第2回転シャフトアセンブリの第4回転アームとが反対方向に延びて、電子機器に取り付けられたフレキシブルスクリーンを反対の両側に向かって対称的に伸ばさせることにより、フレキシブルスクリーンにシワが発生することを防止し、上記フレキシブルスクリーンの見栄え及び耐用年数を向上させるという効果を達成することができる。
【0049】
また、第2回転シャフトアセンブリ52が折り畳み状態から展開状態へ展開する過程において、第4回転アーム523が延び、その具体的な過程は、第1回転シャフトアセンブリ51の第2回転アーム513の延び過程と同じであり、かつ第1回転シャフトアセンブリ51と第2回転シャフトアセンブリ52とは、同期して展開と折り畳み状態を切り替える。
【0050】
具体的には、図7に示すように、展開状態で、第1回転アーム512と第4回転アーム523が同一の方向に延び、第2回転アーム513と第3回転アーム522が同一の方向に延び、かつ、第1回転アーム512及び第4回転アーム523の延びる方向は、第2回転アーム513及び第3回転アーム522の延びる方向と反対である。
【0051】
このように、展開状態で、第2回転アーム513と第4回転アーム523とが反対方向に延びることにより、回転シャフト500の延長長さは、電子機器のフレキシブルスクリーンの展開によって発生したシワを伸ばすために使用することができ、フレキシブルスクリーンを展開状態で常に平らに保持し、フレキシブルスクリーンの見栄え及び耐用年数を向上させることができる。
【0052】
もちろん、第1ラック514が第1歯車513に巻回される方向は、第2ラック524が第2歯車521に巻回される方向と同じであってよい。
【0053】
本実施例では、電子機器の第1ケースが同時に第2回転アーム513及び第4回転アーム523に固定的に接続され、第2ケースが第1回転アーム512及び第3回転アーム522に固定的に接続されることにより(図示せず)、回転シャフトが回転して展開状態に移行する過程において、第2回転アーム513と第4回転アーム523は、接続されて同一の方向に延びて、共同して電子機器の第1ケースを第2ケースから離れる方向に移動するように駆動し、第1ケース及び第2ケースに設置されたフレキシブルスクリーンの展開によりシワが発生することを防止する。
【0054】
このように、展開状態で、第2回転アームと第4回転アームとが同一の方向に延びることにより、電子機器の、第2回転アーム及び第4回転アームに接続された一方のケースが他方のケースから離れる方向に移動して、フレキシブルスクリーンにシワが発生することを防止するという効果を達成することができる。
【0055】
好ましくは、図6に示すように、上記回転シャフト500は、回転軸53に設置された仕切りホイール531をさらに含み、回転軸53の両端は、それぞれ第1歯車511と第2歯車521を貫通し、仕切りホイール531は、第1歯車511と第2歯車521との間に介設される。
【0056】
このように、第1歯車と第2歯車との逆回転による摩擦を低減し、また、第1ラックと第2ラックが仕切りホイールに近づく方向にずれることを制限することにより、回転シャフトの構造信頼性を向上させる。
【0057】
好ましくは、図6に示すように、回転シャフト500は、第1開口541が設置されるスリーブ54をさらに含み、第2ラック524は、スリーブ54と第2歯車521との間に少なくとも部分的に介設され、第4回転アーム523は、第1開口541を貫通し、かつスリーブ54の外に延びる。
【0058】
また、スリーブ54上に第2開口542がさらに設置され、第3回転アーム522は、第2開口542を貫通し、かつスリーブ54の外に延び、第2開口542の開口方向は、第1開口541の開口方向とは反対である。
【0059】
なお、第1開口541及び第2開口542の、スリーブ54の周縁の方向に沿う長さが少なくともスリーブの周長の1/4倍よりも大きいことにより、第3回転アーム522が第2方向Dに90°回転し、かつ第4回転アーム523が第1方向Cに90°回転することができる。
【0060】
このように、スリーブによって回転シャフトの構造をより強固にすると共に、回転シャフトの外観をより美しく滑らかにすることができる。
【0061】
なお、上記構造は、第1回転シャフトアセンブリ51に同様に適用し、ここでは、第2回転シャフトアセンブリ52のみを例にして具体的に説明し、分析する。
【0062】
好ましくは、第1回転アーム512は、第1歯車511の一端に固定される。
【0063】
図6に示すように、本実施例では、2つの回転シャフトアセンブリを含み、第1回転シャフトアセンブリ51と第2回転シャフトアセンブリ52との間に仕切りホイール531が介設されると、第1回転アーム512は、第1歯車511の仕切りホイール531から離れた端に固定される。
【0064】
このように、スリーブ54上の第1開口541と第2開口542とをスリーブ54の軸方向にずらして、スリーブ54の構造強度を高めることができる。
【0065】
なお、上記第1回転シャフトアセンブリ51の構造は、第2回転シャフトアセンブリ52に同様に適用し、重複を避けるために、ここでは第1回転シャフトアセンブリ51の構造のみを具体的に分析する。
【0066】
好ましくは、回転シャフト500は、回転シャフト500の端部に覆設される第1キャップ55をさらに含み、第1キャップ55は、スリーブ54の端部に合わせ、かつ内部にスリーブ54の一端が係止される係合溝551と、回転軸53から離れる方向に向かって凹んで形成され、かつ内部に第1歯車511に接続された第1回転アーム512の一端が係止される係止部552と、を含む。
【0067】
また、回転シャフト500の他端には、第1キャップ55と同じ構造を有する第2キャップ56が設置され、かつスリーブ54が第1キャップ55に接続される構造1は、第2キャップ56に同様に適用する。
【0068】
回転軸53の対向する両端がそれぞれ第1歯車511と第2歯車521を貫通することにより、第1歯車511及び第2歯車521は、回転軸53の周りに回転することができる。
【0069】
また、回転軸53の対向する両端がそれぞれ第1キャップ55と第2キャップ56の仕切りホイール531に近い側に当接することで、回転軸53の変位を第1キャップ55及び第2キャップ56により制限する。
【0070】
このように、スリーブの両端に第1キャップと第2キャップを接続して、スリーブが軸方向に沿って摺動することを防止すると共に、第1歯車及び第2歯車が軸方向に沿ってスリーブから外れることを制限することにより、回転シャフトの構造をより確実にすることができる。
【0071】
本開示の実施例に係る電子機器は、第1ケースと、第2ケースと、第1ケース及び第2ケースに設置されるフレキシブルスクリーンと、図3a~図12に示す任意の回転シャフトと、を含み、第1ケースと第2ケースとは、回転シャフトを介して接続される。
【0072】
具体的には、回転シャフトが図3a~図4に示すような1つの回転シャフトアセンブリのみを含む場合に、第1ケースと第2ケースをそれぞれ回転シャフトアセンブリの第1回転アームと第2回転アームに固定的に接続することができる。
【0073】
第1ケース及び第2ケースを開くときに、第1回転アームと第2回転アームとを同一の水平面に位置するように駆動し、かつ第2回転アームの長さを延長することにより、第1ケースと第2ケースとの間の距離を大きくし、フレキシブルスクリーンを伸ばし、フレキシブルスクリーンにシワが発生することを回避するという効果を達成することができる。
【0074】
回転シャフトが図5図12に示すような第1回転シャフトアセンブリ及び第2回転シャフトアセンブリを含み、かつ2つの回転シャフトアセンブリのラックがそれぞれ反対方向に沿ってそれぞれ対応する歯車に巻回された場合に、第1ケースを第4回転アームに接続させ、かつ第1回転アームに摺接させ、第2ケースを第2回転アームに接続させ、かつ第3回転アームに摺接させることができ、このように、固定長の第1回転アーム及び第3回転アームが第1ケース及び第2ケースの、上記回転軸から離れる方向又は近づく方向への移動を阻害することを防止することができる。
【0075】
第1ケース及び第2ケースを開いて電子機器を展開させるときに、第1回転アーム、第2回転アーム、第3回転アーム及び第4回転アームを同一の水平面に位置するように駆動し、かつ第2回転アームと第4回転アームの長さをそれぞれ反対又は同一の方向に延長することにより、第1ケースと第2ケースとの間の距離を大きくし、反対の両側に沿って対称的にフレキシブルスクリーンを伸ばし、フレキシブルスクリーン上で第1ケースと第2ケースとの間に形成されるシワを解消するという効果を達成することができる。
【0076】
本開示の実施例に係る電子機器は、第1ケースと第2ケースとの間には前の実施例に係る回転シャフトを設置することで、展開状態で第1ケース及び第2ケースに装着されたフレキシブルスクリーンにシワが発生するという欠陥を防止することにより、電子機器をより美しくし、かつ電子機器の耐用年数を延長するという効果を達成する。
【0077】
以上の内容は、本開示の具体的な実施形態に過ぎないが、本開示の保護範囲は、これに限定されるものではなく、当業者であれば本開示に開示された技術的範囲内に容易に想到し得る変化又は置換は、いずれも本開示の保護範囲に含まれるべきである。したがって、本開示の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲を基準とするべきである。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12