(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】システムリソース要求機能を備えたコンテンツ修正システム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/241 20110101AFI20220721BHJP
H04N 21/24 20110101ALI20220721BHJP
H04N 21/235 20110101ALI20220721BHJP
【FI】
H04N21/241
H04N21/24
H04N21/235
(21)【出願番号】P 2021572679
(86)(22)【出願日】2020-06-08
(86)【国際出願番号】 US2020036633
(87)【国際公開番号】W WO2020247922
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-12-07
(32)【優先日】2019-06-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521212432
【氏名又は名称】ロク インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】グローバー マシュー ジョージ
【審査官】富樫 明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0182494(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0312644(US,A1)
【文献】特開2017-78981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバコンピュータシステムが、チャネル上の次回のコンテンツ修正機会を識別することと、
前記サーバコンピュータシステムが、前記チャネル上の前記次回のコンテンツ修正機会を識別したことに応答して、前記チャネルに同調している複数のコンテンツ提示装置のグループを識別することと、
前記サーバコンピュータシステムが、前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置の量を、該識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の少なくとも一部がそれぞれのコンテンツ修正動作を実行するのを容易にする動作を実行する上で使用するために要求すべき、1つよりも多くのシステムリソースを含むシステムリソースの量を決定する基礎として少なくとも部分的に使用することであって、前記要求すべきシステムリソースの量を決定するために、複数のコンテンツ提示装置の量の各々をそれぞれの対応するシステムリソースの量にマッピングするマッピングデータを少なくとも部分的に使用することを含む、ことと、
前記サーバコンピュータシステムが、前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置の少なくとも前記一部がそれぞれのコンテンツ修正動作を実行するのを容易にする前記動作であって、前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置の少なくとも前記一部の各コンテンツ提示装置について、該コンテンツ提示装置が前記チャネル上の前記次回のコンテンツ修正機会に関連してそれぞれのコンテンツ修正動作を実行する上で使用するそれぞれの補助コンテンツを選択することを含む前記動作を実行する上で使用できるように、前記決定された量のシステムリソースを要求することと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置の量を、前記要求すべきシステムリソースの量を決定する基礎として少なくとも部分的に使用することは、前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置の量、及び前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置に関連する過去のコンテンツ消費データを、前記要求すべきシステムリソースの量を決定する基礎として少なくとも部分的に使用することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記過去のコンテンツ消費データは、前記識別されたグループ内のコンテンツ提示装置がチャネルを変更する傾向に関連する、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記決定された量のシステムリソースを要求することは、特定のソフトウェアアプリケーションを実行しているサーバの新たなインスタンスの起動を要求することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記決定された量のシステムリソースを要求することは、特定のソフトウェアアプリケーションを実行しているサーバのための追加処理サイクルを要求することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記動作は、前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置の少なくとも前記一部の各コンテンツ提示装置について、該コンテンツ提示装置にそれぞれの補助コンテンツが送信されるようにすることをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記動作は、前記識別されたグループ内のどのコンテンツ提示装置がコンテンツ修正動作を完了したかを決定し、各決定されたコンテンツ提示装置について、完了したコンテンツ修正動作のそれぞれの事例をログ記録することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記決定された量のシステムリソースを要求することは、前記コンテンツ提示装置の少なくとも前記一部に供給すべきターゲット補助コンテンツを選択するためのロジックを有する特定のソフトウェアアプリケーションを実行しているシステムリソースを要求することを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
プログラム命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラム命令は、プロセッサによる実行時に、
サーバコンピュータシステムが、チャネル上の次回のコンテンツ修正機会を識別することと、
前記サーバコンピュータシステムが、前記チャネル上の前記次回のコンテンツ修正機会を識別したことに応答して、前記チャネルに同調している複数のコンテンツ提示装置のグループを識別することと、
前記サーバコンピュータシステムが、前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置の量を、該識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の少なくとも一部がそれぞれのコンテンツ修正動作を実行するのを容易にする動作を実行する上で使用するために要求すべき、1つよりも多くのシステムリソースを含むシステムリソースの量を決定する基礎として少なくとも部分的に使用することであって、前記要求すべきシステムリソースの量を決定するために、複数のコンテンツ提示装置の量の各々をそれぞれの対応するシステムリソースの量にマッピングするマッピングデータを少なくとも部分的に使用することを含む、ことと、
前記サーバコンピュータシステムが、前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置の少なくとも前記一部がそれぞれのコンテンツ修正動作を実行するのを容易にする前記動作であって、前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置の少なくとも前記一部の各コンテンツ提示装置について、該コンテンツ提示装置が前記チャネル上の前記次回のコンテンツ修正機会に関連してそれぞれのコンテンツ修正動作を実行する上で使用するそれぞれの補助コンテンツを選択することを含む前記動作を実行する上で使用できるように、前記決定された量のシステムリソースを要求することと、
を含む一連の動作を実行させる、ことを特徴とする非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置の量を、前記要求すべきシステムリソースの量を決定する基礎として少なくとも部分的に使用することは、前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置の量、及び前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置に関連する過去のコンテンツ消費データを、前記要求すべきシステムリソースの量を決定する基礎として少なくとも部分的に使用することをさらに含む、
請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
前記過去のコンテンツ消費データは、前記識別されたグループ内のコンテンツ提示装置がチャネルを変更する傾向に関連する、
請求項10に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
前記決定された量のシステムリソースを要求することは、特定のソフトウェアアプリケーションを実行しているサーバの新たなインスタンスの起動を要求することを含む、
請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
前記決定された量のシステムリソースを要求することは、特定のソフトウェアアプリケーションを実行しているサーバのための追加処理サイクルを要求することを含む、
請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項14】
前記動作は、前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置の少なくとも前記一部の各コンテンツ提示装置について、該コンテンツ提示装置に前記それぞれの補助コンテンツが送信されるようにすることをさらに含む、
請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
前記動作は、前記識別されたグループ内のどのコンテンツ提示装置がコンテンツ修正動作を完了したかを決定し、各決定されたコンテンツ提示装置について、完了したコンテンツ修正動作のそれぞれの事例をログ記録することをさらに含む、
請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
プロセッサと、
プログラム命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体と、
を備えたサーバコンピュータシステムであって、前記プログラム命令は、前記プロセッサによる実行時に、
チャネル上の次回のコンテンツ修正機会を識別することと、
前記チャネル上の前記次回のコンテンツ修正機会を識別したことに応答して、前記チャネルに同調している複数のコンテンツ提示装置のグループを識別することと、
前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置の量を、該識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の少なくとも一部がそれぞれのコンテンツ修正動作を実行するのを容易にする動作を実行する上で使用するために要求すべき、1つよりも多くのシステムリソースを含むシステムリソースの量を決定する基礎として少なくとも部分的に使用することであって、前記要求すべきシステムリソースの量を決定するために、複数のコンテンツ提示装置の量の各々をそれぞれの対応するシステムリソースの量にマッピングするマッピングデータを少なくとも部分的に使用することを含む、ことと、
前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置の少なくとも前記一部がそれぞれのコンテンツ修正動作を実行するのを容易にする前記動作であって、前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置の少なくとも前記一部の各コンテンツ提示装置について、該コンテンツ提示装置が前記チャネル上の前記次回のコンテンツ修正機会に関連してそれぞれのコンテンツ修正動作を実行する上で使用するそれぞれの補助コンテンツを選択することを含む前記動作を実行する上で使用できるように、前記決定された量のシステムリソースを要求することと、
を含む一連の動作を実行させる、
ことを特徴とするコンピュータシステム。
【請求項17】
前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置の量を、前記要求すべきシステムリソースの量を決定する基礎として少なくとも部分的に使用することは、前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置の量、及び前記識別されたグループ内の前記コンテンツ提示装置に関連する過去のコンテンツ消費データを、前記要求すべきシステムリソースの量を決定する基礎として少なくとも部分的に使用することをさらに含む、
請求項16に記載のコンピュータシステム。
【請求項18】
前記過去のコンテンツ消費データは、前記識別されたグループ内のコンテンツ提示装置がチャネルを変更する傾向に関連する、
請求項17に記載のコンピュータシステム。
【請求項19】
前記決定された量のシステムリソースを要求することは、特定のソフトウェアアプリケーションを実行しているサーバの新たなインスタンスの起動を要求すること、又は前記特定のソフトウェアアプリケーションを実行しているサーバのための追加処理サイクルを要求することを含む、
請求項16に記載のコンピュータシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連する開示〕
本開示は、2019年6月7日に出願された米国仮特許出願第62/858,856号に対する優先権を主張するものであり、この文献はその全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0002】
〔慣用法及び用語〕
本開示では、別途指定していない限り、及び/又は特定の文脈によって明確に決定付けられない限り、「a又はan(英文不定冠詞)」という用語は少なくとも1つを意味し、「the(英文定冠詞)」という用語も少なくとも1つを意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第9,495,451号明細書
【文献】米国特許第9,146,990号明細書
【文献】米国特許第9,992,533号明細書
【文献】米国特許第10,506,275号明細書
【文献】米国特許出願公開第2020/0029108号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの態様では、方法が、チャネル上の次回のコンテンツ修正機会を識別することを含む。方法は、チャネル上の次回のコンテンツ修正機会を識別したことに応答して、そのチャネルに同調している複数のコンテンツ提示装置のグループを識別することも含む。方法は、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の量を、要求すべきシステムリソースの量を決定する基礎として少なくとも部分的に使用することも含む。方法は、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の少なくとも一部がそれぞれのコンテンツ修正動作を実行するのを容易にする動作を実行する上で使用できるように、決定された量のシステムリソースを要求することも含む。
【0005】
別の態様では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が、プロセッサによる実行時に一連の動作を実行させるプログラム命令を記憶している。一連の動作は、チャネル上の次回のコンテンツ修正機会を識別することを含む。一連の動作は、チャネル上の次回のコンテンツ修正機会を識別したことに応答して、そのチャネルに同調している複数のコンテンツ提示装置のグループを識別することも含む。一連の動作は、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の量を、要求すべきシステムリソースの量を決定する基礎として少なくとも部分的に使用することも含む。一連の動作は、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の少なくとも一部がそれぞれのコンテンツ修正動作を実行するのを容易にする動作を実行する上で使用できるように、決定された量のシステムリソースを要求することも含む。
【0006】
別の態様では、コンピュータシステムが、プロセッサと、プロセッサによる実行時に一連の動作を実行させるプログラム命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体とを含む。一連の動作は、チャネル上の次回のコンテンツ修正機会を識別することを含む。一連の動作は、チャネル上の次回のコンテンツ修正機会を識別したことに応答して、そのチャネルに同調している複数のコンテンツ提示装置のグループを識別することも含む。一連の動作は、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の量を、要求すべきシステムリソースの量を決定する基礎として少なくとも部分的に使用することも含む。一連の動作は、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の少なくとも一部がそれぞれのコンテンツ修正動作を実行するのを容易にする動作を実行する上で使用できるように、決定された量のシステムリソースを要求することも含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】説明する様々な原理を実装できるコンテンツ修正システム例の簡略ブロック図である。
【
図2】説明する様々な原理を実装できるコンピュータシステム例の簡略ブロック図である。
【
図3】コンテンツのリニアシーケンス例及び関連する概念の図である。
【
図4A】コンテンツ修正システム例に関連して実行できる期間及び対応する動作例を示すテーブルを集合的に構成する図である。
【
図4B】コンテンツ修正システム例に関連して実行できる期間及び対応する動作例を示すテーブルを集合的に構成する図である。
【
図4C】コンテンツ修正システム例に関連して実行できる期間及び対応する動作例を示すテーブルを集合的に構成する図である。
【
図4D】コンテンツ修正システム例に関連して実行できる期間及び対応する動作例を示すテーブルを集合的に構成する図である。
【
図4E】コンテンツ修正システム例に関連して実行できる期間及び対応する動作例を示すテーブルを集合的に構成する図である。
【
図4F】コンテンツ修正システム例に関連して実行できる期間及び対応する動作例を示すテーブルを集合的に構成する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
I.概要
エンドユーザにコンテンツを供給して提示するには、コンテンツプロバイダが1又は2以上のコンテンツ配信システムにコンテンツを送信し、さらにこれらのコンテンツ配信システムの各々が1又は2以上のそれぞれのコンテンツ提示装置にコンテンツを送信して出力され、それぞれのエンドユーザに提示することができる。このような階層的構成は、便利で大規模なコンテンツの配信を容易にすることができる。
【0009】
一例として、ビデオコンテンツプロバイダは、米国全域のエンドユーザにビデオコンテンツを供給するために、米国内のそれぞれの指定マーケットエリア(DMA)にサービスを提供するコンテンツ配信システムに衛星又は別の媒体によってビデオコンテンツを送信することができる。従って、このような各コンテンツ配信システムは、ビデオコンテンツを伝える国内衛星フィードを受信して、コンテンツ配信システムのDMA内のテレビ受像機及び/又はセットトップボックスにビデオコンテンツを送信することができ、これによりビデオコンテンツが出力されてそのDMA内のそれぞれのエンドユーザに提示することができる。実際には、これらのコンテンツ配信システム及びそのコンテンツ提示装置への送信手段は様々な形態を取ることができる。例えば、コンテンツ配信システムはケーブルテレビプロバイダに関連することができ、ケーブルテレビ加入者であるエンドユーザのコンテンツ提示装置にハイブリッドファイバ/同軸ケーブル接続を通じてビデオコンテンツを送信することができる。
【0010】
従って、様々なシナリオでは、コンテンツ配信システムがコンテンツ提示装置にコンテンツを送信し、コンテンツ提示装置がコンテンツの受信及び出力を行ってエンドユーザに提示することができる。いくつかの状況では、コンテンツ提示装置が、たとえコンテンツ配信システムからコンテンツを受信した場合でも、その受信コンテンツの少なくとも一部の代わりに代替コンテンツを出力して提示できるようにコンテンツ修正動作を実行することが望ましい場合がある。
【0011】
例えば、コンテンツ提示装置は、シーケンス内のどこかに配置された所与の広告セグメントを含むコンテンツセグメントのリニアシーケンスを受信した場合、所与の広告セグメントを、場合によってはエンドユーザに対してさらに的を絞った(例えば、よりエンドユーザの興味、人口統計などに対して的を絞った)異なる広告セグメントに置き換えることが望ましい場合がある。別の例として、コンテンツ提示装置は、所与の広告セグメント上に、やはり場合によってはエンドユーザに対してさらに的を絞った方法で所与の広告セグメントを強化するオーバーレイコンテンツをオーバーレイ表示することが望ましい場合がある。説明するコンテンツ修正システムは、これらの及びその他の関連する機能の提供を容易にすることができる。
【0012】
実際には、コンテンツ提示装置がコンテンツ修正動作の実行に関連して補助コンテンツ(例えば、置換用広告セグメント)を使用できるように、コンテンツ修正システムの複数のコンポーネントが連動してコンテンツ提示装置に補助コンテンツを供給することができる。例えば、コンテンツ提示装置は、次回のコンテンツ修正機会の開始時刻及び終了時刻を決定すると、コンテンツ修正システムのコンテンツ管理システムに補助コンテンツを求める要求を送信することができる。すると、コンテンツ管理システムは、この要求と、場合によってはそのコンテンツ提示装置の過去のコンテンツ消費又は人口統計データなどの追加データとを使用して、複数の利用可能な補助コンテンツアイテムの中から補助コンテンツを選択することができる。コンテンツ管理システムは、補助コンテンツを選択し終えると、選択された補助コンテンツがコンテンツ提示装置に送信されるようにすることができる。例えば、コンテンツ管理システムは、選択された補助コンテンツをホストしている補助コンテンツ供給システムに補助コンテンツへのリンクを要求することができる。コンテンツ管理システムは、このリンクを受け取ると、コンテンツ提示装置が補助コンテンツ供給システムから補助コンテンツを検索するために使用できるようにコンテンツ提示装置にリンクを送信することができる。
【0013】
コンテンツ管理システム及び補助コンテンツ供給システムは、補助コンテンツをホストする及び/又は所望の補助コンテンツを選択してコンテンツ提示装置に供給するために必要な処理を別様に支援する他のコンピュータシステム(例えば、サーバ、データベース)を含み、又はこのような他のコンピュータシステムと通信することができる。これらの他のコンピュータシステムは、コンテンツ修正システムの一部とすることも、或いはコンテンツ修正システムが1又は2以上のアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)などを介して通信して相互作用できる外部のサードパーティコンピュータシステムとすることもできる。より具体的な例として、コンテンツ管理システムは、コンテンツ提示装置が補助コンテンツを選択するのに役立つように、補助コンテンツ選択ロジックを有するソフトウェアアプリケーションを実行する物理又は仮想サーバの1又は2以上のインスタンスを起動することができ、或いは起動するようにサードパーティコンピュータシステムに要求することができる。別の例として、補助コンテンツ供給システムは、補助コンテンツへのリンクを求める要求を受け取ってこれに応答するロジック、及び/又はコンテンツ提示装置の補助コンテンツを検索するロジックを有するソフトウェアアプリケーションを実行する物理又は仮想サーバの1又は2以上のインスタンスを起動することもでき、或いは起動するようにサードパーティコンピュータシステムに要求することができる。他の例も同様に可能である。さらに、これらの及びその他の例では、各インスタンスがそれぞれの動作を実行する際に使用できるように、一定量の利用可能なメモリ、コンピュータ処理装置(CPU)の使用量、帯域幅、及び/又は処理サイクルを割り当てることができる。
【0014】
いくつかの状況では、コンテンツ修正システムが、数多く(例えば、数百台又は数千台)のコンテンツ提示装置のグループに、各コンテンツ提示装置が同調しているチャネル上の次回のコンテンツ修正機会に関してコンテンツ修正動作を実行するように要求することが望ましいと考えられる。例えば、コンテンツ修正システムは、特定の層の数百人又は数千人のエンドユーザに的を絞った置換用広告セグメントを選択することができる。従って、コンテンツ提示装置は、置換用広告セグメントを検索して、所与の広告セグメントを置換用広告セグメントにタイムリーに置き換えることが理想的である。
【0015】
しかしながら、このような状況は、補助コンテンツをタイムリーに選択して数多くのコンテンツ提示装置のグループに供給するために、コンテンツ管理システム及び/又は補助コンテンツ供給システムに(従って、これらに関連する他のコンピュータシステムに)大量の時間、処理能力及び/又はその他のリソースを要求する可能性がある。従って、利用可能なリソースが十分でない場合、コンテンツ管理システム又は補助コンテンツ供給システムは、コンテンツ提示装置が次の機会にそれぞれのコンテンツ修正動作を実行するのに間に合うように全てのコンテンツ提示装置に対して所望の補助コンテンツを選択又は供給できないことがある。この結果、数多くのコンテンツ提示装置の少なくとも一部は、エンドユーザに的を絞ったコンテンツを提供する機会を逃してしまう恐れがある。
【0016】
本開示は、あるチャネルに同調したコンテンツ提示装置の量を、これらのコンテンツ提示装置がそのチャネル上の次回のコンテンツ修正機会に関連してそれぞれのコンテンツ修正動作を実行するのに役立つ動作をコンテンツ修正システムが実行する上で使用される特定の量のリソース(以下、「システムリソース」と呼ぶ)を要求する基礎として使用する改善されたコンテンツ修正システムを提供する。例えば、コンテンツ修正システムは、次回のコンテンツ修正機会が識別されているチャネルに同調している500台のコンテンツ提示装置のグループを識別した場合、このコンテンツ提示装置の量を、補助コンテンツを選択して500台のコンテンツ提示装置のグループの少なくとも一部に供給する上で使用されるサーバインスタンス、処理サイクル及び/又はその他のシステムリソースをどれだけ要求すべきであるかを決定する基礎として使用することができる。この結果、識別されたコンテンツ提示装置のグループの少なくとも一部がそれぞれのコンテンツ修正動作を正常かつタイムリーに実行する可能性を高めることができ、従ってコンテンツ修正システムのユーザ体験及び信頼度を向上させることができる。
【0017】
要求すべきシステムリソースの量は、コンテンツ提示装置がチャネル上に留まる可能性がどれほどであるかを示す履歴データなどの追加因子に基づいて決定することもできる。例えば、コンテンツ修正システムは、500台のコンテンツ提示装置のうちの100台がチャネルを変更する可能性が高いと判定した場合、残りの400台のコンテンツ提示装置がそれぞれのコンテンツ修正動作を実行するのを容易にするのに適した量のシステムリソースを要求することができる。従って、必要量を上回るシステムリソースを要求することなく、これらの400台のコンテンツ提示装置がそれぞれのコンテンツ修正動作を正常かつタイムリーに実行する可能性を高めることができる。他の例も同様に可能である。
【0018】
II.アーキテクチャ
A.コンテンツ修正システム
図1は、コンテンツ修正システム例100の簡略ブロック図である。コンテンツ修正システム100は、コンテンツ配信システム102、コンテンツ提示装置104、フィンガープリント照合サーバ106、コンテンツ管理システム108、データ管理システム110、及び/又は補助コンテンツ供給システム112などの様々なコンポーネントを含むことができる。
【0019】
コンテンツ修正システム100は、コンテンツ修正システム100内の様々なコンポーネントを接続する1又は2以上の接続機構を含むこともできる。例えば、コンテンツ修正システム100は、
図1に示すようなコンテンツ修正システム100のコンポーネントを接続する線によって表される接続機構を含むことができる。
【0020】
本開示における「接続機構」という用語は、2又は3以上のコンポーネント、装置、システム又はその他のエンティティを接続してこれらの間の通信を容易にする機構を意味する。接続機構は、ケーブル又はシステムバスなどの比較的単純な機構、及び/又はパケットベースの通信ネットワーク(例えば、インターネット)などの比較的複雑な機構とすることができ、或いはこのような機構を含むことができる。接続が少なくとも部分的に無線である場合などのいくつかの事例では、接続機構を非有形媒体とすることができ、又は接続機構が非有形媒体を含むことができる。本開示では、接続を直接接続又は間接接続とすることができ、後者は、ルータ、スイッチャ又はその他のネットワーク装置などの1又は2以上のエンティティを通過及び/又は横断する接続である。同様に、本開示では、通信(例えば、データの送信又は受信)も直接又は間接通信とすることができる。
【0021】
コンテンツ修正システム100及び/又はそのコンポーネントはコンピュータシステムの形態を取ることができ、その例については後述する。
【0022】
なお、実際には、コンテンツ修正システム100は、説明するコンポーネントの少なくとも一部の多くのコンポーネントを含む可能性が高い。例えば、コンテンツ修正100は、多くのコンテンツ配信システム及び多くのコンテンツ提示装置を含む可能性が高い。
【0023】
B.コンピュータシステム
図2は、コンピュータシステム例200の簡略ブロック図である。コンピュータシステム200は、本開示で説明する動作などの1又は2以上の動作を実行するように構成することができ、及び/又は実行することができる。コンピュータシステム200は、プロセッサ202、データストレージユニット204、通信インターフェイス206、及び/又はユーザインターフェイス208などの様々なコンポーネントを含むことができる。
【0024】
プロセッサ202は、汎用プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ)及び/又は専用プロセッサ(例えば、デジタルシグナルプロセッサ)とすることができ、或いはこのようなプロセッサを含むことができる。後述するように、プロセッサ202は、データストレージユニット204に含まれるプログラム命令を実行することができる。
【0025】
データストレージユニット204は、磁気、光学及び/又はフラッシュストレージなどの1又は2以上の揮発性、不揮発性、取り外し可能、及び/又は取り外し不能ストレージコンポーネントとすることができ、或いはこのようなストレージコンポーネントを含むことができ、及び/又は全体的又は部分的にプロセッサ202に統合することもできる。さらに、データストレージユニット204は、プロセッサ202による実行時にコンピュータシステム200及び/又は別のコンピュータシステムに本開示で説明する動作などの1又は2以上の動作を実行させるプログラム命令(例えば、コンパイラ型又は非コンパイラ型プログラムロジック及び/又は機械コード)を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体とすることができ、或いはこのような非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。これらのプログラム命令は、離散ソフトウェアアプリケーションを規定することができ、及び/又はその一部とすることができる。
【0026】
いくつかの事例では、コンピュータシステム200が、通信インターフェイス206及び/又はユーザインターフェイス208を介して受け取られた入力などの入力を受け取ったことに応答してプログラム命令を実行することができる。データストレージユニット204は、本開示で説明するデータのうちのいずれかなどの他のデータを記憶することもできる。
【0027】
通信インターフェイス206は、コンピュータシステム200が1又は2以上のプロトコルに従って別のエンティティと接続及び/又は通信することを可能にすることができる。従って、コンピュータシステム200は、1又は2以上のプロトコルに従って1又は2以上の他のエンティティとの間でデータを送信及び/又は受信することができる。1つの例では、通信インターフェイス206をイーサネットインターフェイス又は高精細マルチメディアインターフェイス(HDMI(登録商標))などの有線インターフェイスとすることができ、或いは通信インターフェイス206がこのような有線インターフェイスを含むことができる。別の例では、通信インターフェイス206をセルラー又はWI-FIインターフェイスなどの無線インターフェイスとすることができ、或いは通信インターフェイス206がこのような無線インターフェイスを含むことができる。
【0028】
ユーザインターフェイス208は、コンピュータシステム200とコンピュータシステム200のユーザとの間の相互作用を可能にすることができる。従って、ユーザインターフェイス208は、キーボード、マウス、リモコン装置、マイク及び/又はタッチ感知式パネルなどの入力コンポーネントとすることができ、或いはこのような入力コンポーネントを含むことができる。ユーザインターフェイス208は、(例えば、タッチ感知式パネルと組み合わせることができる)ディスプレイ装置及び/又は音響スピーカなどの出力コンポーネントとすることもでき、或いはこのような出力コンポーネントを含むこともできる。
【0029】
コンピュータシステム200は、コンピュータシステム200内の様々なコンポーネントを接続する1又は2以上の接続機構を含むこともできる。例えば、コンピュータシステム200は、
図2に示すようなコンピュータシステム200のコンポーネントを接続する線によって表される接続機構を含むことができる。
【0030】
コンピュータシステム200は、上述したコンポーネントのうちの1つ又は2つ以上を含むことができ、様々な方法で構成又は配置することができる。例えば、コンピュータシステム200は、例えば1又は2以上のサーバ-クライアント型構成で動作するサーバ及び/又はクライアント(又は場合によってはサーバのクラスタ及び/又はクライアントのクラスタ)として構成することができる。
【0031】
上述したように、コンテンツ修正システム100及び/又はそのコンポーネントは、コンピュータシステム200などのコンピュータシステムの形態を取ることができる。いくつかの事例では、これらのエンティティの一部又は全部が、より特異的なタイプのコンピュータシステムの形態を取ることができる。例えば、コンテンツ提示装置104の場合には、コンテンツ提示装置104が、数ある可能性の中でもとりわけ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレット、携帯電話機、テレビ受像機、セットトップボックス、統合型セットトップボックスを含むテレビ受像機、メディアドングル、又はメディアドングルが接続されたテレビ受像機の形態を取ることができる。
【0032】
III.動作例
コンテンツ修正システム100及び/又はそのコンポーネントは、1又は2以上の動作を実行するように構成することができ、及び/又は実行することができる。以下、これらの動作及び関連機能の例について説明する。
【0033】
上述したように、実際には、コンテンツ修正システム100は、説明するコンポーネントの少なくとも一部の多くのコンポーネントを含む可能性が高い。同様に、実際には、説明する動作の少なくとも一部が(場合によっては定期的に、及び/又は説明するコンポーネントの追加コンポーネントに関連して)何回も実行される可能性が高い。
【0034】
A.コンテンツ配信システムがコンテンツを送信し、コンテンツ提示装置がコンテンツを受信して出力することに関連する動作
以下、背景として、コンテンツ配信システム102がコンテンツを送信し、コンテンツ提示装置104がコンテンツを受信して出力することに関連する一般的動作及び例について説明する。
【0035】
そもそも、コンテンツ配信システム102は、コンテンツ提示装置104などの1又は2以上のエンティティに(例えば、コンテンツプロバイダから受け取られた)コンテンツを送信することができる。コンテンツは、例えばオーディオコンテンツ及び/又はビデオコンテンツとすることができ、或いはオーディオコンテンツ及び/又はビデオコンテンツを含むことができる。いくつかの例では、コンテンツが、コンテンツセグメント(例えば、番組セグメント及び広告セグメント)のリニアシーケンス又はその一部の形態を取ることができる。例えば、ビデオコンテンツの場合には、ビデオコンテンツの一部を1又は2以上のフレームとすることができる。
【0036】
コンテンツ配信システム102は、(局又はフィードと呼ばれることもある)1又は2以上のチャネルでコンテンツを送信することができる。従って、コンテンツ配信システム102は、シングルチャネルコンテンツ配信業者、又はマルチチャネルビデオ番組配信業者(MVPD)などのマルチチャネルコンテンツ配信業者に関連することができる。
【0037】
コンテンツ配信システム102、及びチャネル上でコンテンツ提示装置104にコンテンツを送信する手段は、様々な形態を取ることができる。一例として、コンテンツ配信システム102は、ケーブルテレビプロバイダに関連してそのチャネル上でハイブリッドファイバ/同軸ケーブル接続を通じてコンテンツ提示装置104にコンテンツを送信するケーブルテレビヘッドエンドとすることができ、或いはこのようなケーブルテレビヘッドエンドを含むことができる。別の例として、コンテンツ配信システム102は、衛星テレビプロバイダに関連してそのチャネル上で衛星送信を通じてコンテンツ提示装置104にコンテンツを送信する衛星テレビヘッドエンドとすることができ、或いはこのような衛星テレビヘッドエンドを含むことができる。さらに別の例として、コンテンツ配信システム102は、テレビ放送プロバイダに関連してそのチャネル上で地上オーバージエアインターフェイスを通じてコンテンツ提示装置104にコンテンツを送信するテレビ放送局とすることができ、或いはこのようなテレビ放送局を含むことができる。これらの及びその他の例では、コンテンツ配信システム102が、コンテンツを表すアナログ又はデジタル放送ストリームの形態でコンテンツを送信することができる。
【0038】
コンテンツ提示装置104は、コンテンツ配信システム102などの1又は2以上のエンティティからコンテンツを受信することができる。1つの例では、コンテンツ提示装置104が、選択されたチャネルでコンテンツを受信できるように、場合によってはユーザインターフェイスを介して受け取られた入力に基づいて複数の利用可能なチャネルの中から(例えば、チャネルに同調することによって)チャネルを選択することができる。
【0039】
いくつかの例では、コンテンツ配信システム102がコンテンツ提示装置104にコンテンツを送信して、これをコンテンツ提示装置104が受信することができ、従って送信されたコンテンツと受信されたコンテンツとが同じものであることができる。しかしながら、コンテンツ配信システム102がコンテンツ提示装置104にコンテンツを送信するが、コンテンツ提示装置104がこのコンテンツを受信せず、代わりに異なるコンテンツ配信システムから異なるコンテンツを受信するような他の例では、これらのコンテンツが異なることができる。
【0040】
コンテンツ提示装置104は、コンテンツを出力して提示することもできる。上述したように、コンテンツ提示装置104は様々な形態を取ることができる。1つの例では、コンテンツ提示装置104が(場合によってはセットトップボックス及び/又はメディアドングルに統合された)テレビ受像機である場合には、コンテンツを出力して提示することが、エンドユーザにコンテンツを提示できるようにテレビ受像機がユーザインターフェイス(例えば、ディスプレイ装置及び/又は音響スピーカ)を介してコンテンツを出力することを伴うことができる。別の例として、コンテンツ提示装置104がセットトップボックス又はメディアドングルである場合には、コンテンツを出力して提示することが、テレビ受像機がコンテンツを受信し、さらにテレビ受像機が出力してエンドユーザに提示できるように、セットトップボックス又はメディアドングルが通信インターフェイス(例えば、HDMI(登録商標)インターフェイス)を介してコンテンツを出力することを伴うことができる。
【0041】
従って、様々なシナリオでは、コンテンツ配信システム102がコンテンツ提示装置104にコンテンツを送信し、コンテンツ提示装置104がコンテンツの受信及び出力を行ってエンドユーザに提示することができる。いくつかの状況では、コンテンツ提示装置104が、たとえコンテンツ配信システム102からコンテンツを受信した場合でも、その受信コンテンツの少なくとも一部の代わりに代替コンテンツを出力して提示できるようにコンテンツ修正動作を実行することが望ましい場合がある。
【0042】
例えば、コンテンツ提示装置104は、シーケンス内のどこかに配置された所与の広告セグメントを含むコンテンツセグメントのリニアシーケンスを受信した場合、所与の広告セグメントを、場合によってはエンドユーザに対してさらに的を絞った(すなわち、よりエンドユーザの興味、人口統計などに対して的を絞った)異なる広告セグメントに置き換えることが望ましい場合がある。別の例として、コンテンツ提示装置104は、所与の広告セグメント上に、やはり場合によってはエンドユーザに対してさらに的を絞った方法で所与の広告セグメントを強化するオーバーレイコンテンツをオーバーレイ表示することが望ましい場合がある。説明するコンテンツ修正システム100は、これらの及びその他の関連する機能の提供を容易にすることができる。
【0043】
上述したように、1つの例では、コンテンツがコンテンツセグメントのリニアシーケンスの形態を取ることができる。従って、1つの例では、コンテンツ配信システム102が、コンテンツセグメントのリニアシーケンスを送信することができる。本明細書では、このシーケンスを「送信シーケンス」と呼ぶ。同様に、コンテンツ提示装置104は、コンテンツセグメントのリニアシーケンスを受信することができる。本明細書では、このシーケンスを「受信シーケンス」と呼ぶ。上記の説明によれば、送信シーケンス及び受信シーケンスは同じ場合も又は異なる場合もある。
【0044】
図3に、これらの概念のいくつかの例を示す。1つの例では、送信シーケンスが、
図3に示す送信シーケンス302である。図示のように、送信シーケンス302は、番組セグメントAと、その後のADセグメントBと、その後のADセグメントCとを含む。
【0045】
同様に、1つの例では、受信シーケンスが、
図3に示す受信シーケンス304である。この例では、コンテンツ配信システム102がコンテンツ提示装置104に送信シーケンス302を送信し、コンテンツ提示装置104がこれを受信シーケンス304として受信し、従って送信シーケンス302及び受信シーケンス304は同じものである。従って、図示のように、受信シーケンス304も、番組セグメントAと、その後のADセグメントBと、その後のADセグメントCとを含む。
【0046】
図3では、送信シーケンス302の送信時刻及び受信シーケンス304の受信時刻をその関係性としてタイムライン350に示す。なお、これらの送信時刻及び受信時刻はコンテンツ送信遅延によって互いにオフセットされており、これについては以下でさらに詳細に説明する。
【0047】
上述したように、いくつかの状況では、コンテンツ提示装置104が、たとえコンテンツ配信システム102からコンテンツを受信した場合でも、その受信コンテンツの少なくとも一部の代わりに代替コンテンツを出力して提示できるようにコンテンツ修正動作を実行することが望ましい場合がある。例えば、コンテンツ提示装置104は、受信シーケンスを受信した場合、その受信シーケンスを出力して提示するのではなく、代わりに受信シーケンスの修正版を出力して提示することができる。本明細書では、このシーケンスを「修正シーケンス」と呼ぶ。
【0048】
例えば、受信シーケンスがシーケンス内のどこかに配置された所与の広告セグメントを含んでいる場合、コンテンツ提示装置104は、所与の広告セグメントを、場合によってはエンドユーザに対してさらに的を絞った(すなわち、よりエンドユーザの興味、人口統計などに対して的を絞った)異なる広告セグメントに置き換え、これによって修正シーケンスを出力して提示できることが望ましい場合がある。
【0049】
これを図示すると、1つの例では、この修正シーケンスが、
図3に示す第1の修正シーケンス306である。図示のように、第1の修正シーケンス306は、番組セグメントAと、(ADセグメントBに取って代わった)その後のADセグメントDと、その後のADセグメントCとを含む。
【0050】
別の例として、コンテンツ提示装置104は、所与の広告セグメント上に、やはり場合によってはエンドユーザに対してさらに的を絞った方法で所与の広告セグメントを強化するオーバーレイコンテンツをオーバーレイ表示し、これによって修正シーケンスを出力して提示できることが望ましい場合がある。
【0051】
これを図示すると、別の例では、この修正シーケンスが、
図3に示す第2の修正シーケンス308である。図示のように、第2の修正シーケンス308は、番組セグメントAと、(ADセグメントBをオーバーレイコンテンツで修正したものである)その後のADセグメントB’と、その後のADセグメントCとを含む。
【0052】
図3の他の部分については、本開示の後半で関連する概念を紹介して説明する際に説明する。
【0053】
上述した背景を考慮して先へ進むと、
図4A、
図4B、
図4C、
図4D、
図4E及び
図4Fは、コンテンツ修正システム100に関連して実行できる期間及び対応する動作例を示すテーブルを集合的に構成する図である。以下、これらの及びその他の関連動作について説明する。
【0054】
B.コンテンツ配信システムがチャネル上で第1のコンテンツを送信することに関連する動作
期間T1中に、コンテンツ配信システム102は、あるチャネル上でコンテンツ提示装置104にコンテンツを送信することができる。本明細書では、このコンテンツを「第1のコンテンツ」と呼ぶ。1つの例では、第1のコンテンツが、
図3に示す第1のコンテンツ310である。
【0055】
期間T2中に、コンテンツ配信システム102は、第1のコンテンツを表すフィンガープリントデータを生成することができる。本明細書では、このフィンガープリントデータを「第1のフィンガープリントデータ」と呼ぶ。コンテンツ配信システム102は、現在知られている又は今後開発されるいずれかのコンテンツフィンガープリント法を使用して第1のフィンガープリントデータを生成することができる。フィンガープリント生成法の例は、2016年11月15日に取得された米国特許第9,495,451号に記載されており、この文献は全体が引用により本明細書に組み入れられる。コンテンツ配信システム102は、第1のコンテンツのフレーム当たり1つのフィンガープリントというレートなどの所与のレートで第1のフィンガープリントデータを生成することができる。第1のフィンガープリントデータは、これらの生成されたフィンガープリントの一部又は全部とすることができ、或いはこのようなフィンガープリントの一部又は全部を含むことができる。
【0056】
コンテンツ配信システム102は、コンテンツ配信システム102内の様々な時点で第1のコンテンツにアクセスすることができる。一例として、コンテンツ配信システム102は、コンテンツ配信システム102内の分配増幅器によって第1のコンテンツが出力された後に第1のコンテンツにアクセスすることができる。
【0057】
同じく期間T2中に、コンテンツ配信システム102は、第1のコンテンツ及び/又は第1のフィンガープリントデータに関連するメタデータを生成することができる。本明細書では、このメタデータを「第1のメタデータ」と呼ぶ。1つの例では、第1のメタデータを、コンテンツ配信システム102が第1のコンテンツを送信した時点を表す送信タイムスタンプとすることができ、又は第1のメタデータがこのような送信タイムスタンプを含むことができる。コンテンツ配信システム102は、基準クロックに同期したタイムクロックなどに基づく様々な方法で送信タイムスタンプを決定することができる。
【0058】
別の例として、第1のメタデータは、コンテンツ配信システム102が第1のコンテンツを送信しているチャネルを識別するチャネル識別子とすることができ、又はこのようなチャネル識別子を含むことができる。コンテンツ配信システム102は、コンテンツ配信システム102及び/又はコンテンツ配信システム102内の物理的入力及び/又は出力をそれぞれのチャネル識別子にマッピングするマッピングデータなどに基づく様々な方法でチャネル識別子を決定することができる。1つの例では、コンテンツ配信システム102がチャネルAでコンテンツAを送信し、チャネルBでコンテンツBを送信し、チャネルCでコンテンツCを送信する場合、マッピングデータは、コンテンツ配信システム102が所与のチャネルのコンテンツの適切なチャネル識別子を決定できるように、(場合によっては3つの異なる分配増幅器上の)3つの異なる出力のうちのどれがどのチャネル識別子に対応するかを指定することができる。
【0059】
別の例として、第1のメタデータは、SCTE-104データ、透かし又は同様のタイプのメタデータとすることができ、或いはこのようなメタデータを含むことができ、これらはいずれも、それ自体が例えば番組識別子、広告識別子(例えば、業界標準符号化識別(industry standard coding identification:ISCI)キー)、番組ジャンル、或いは別のタイプのテキスト又は数字メタデータなどの他のメタデータを符号化することができる。
【0060】
コンテンツ配信システム102は、様々な方法で第1のフィンガープリントデータを第1のメタデータに関連付けることができる。例えば、第1のフィンガープリントデータが複数のフィンガープリントを含み、各フィンガープリントが第1のコンテンツの対応するフレームを表す場合、コンテンツ配信システム102は、各フィンガープリントを対応する送信タイムスタンプ及び/又は他の対応する第1のメタデータに関連付けることができる。
【0061】
期間T3中に、コンテンツ配信システム102は、第1のフィンガープリントデータ及び第1のメタデータをフィンガープリント照合サーバ106に送信することができる。コンテンツ配信システム102は、第1のフィンガープリントデータ及び第1のメタデータを所与の間隔で送信することができる。例えば、コンテンツ配信システム102は、第1のフィンガープリントデータと、直近の2秒の期間中に生成した第1のメタデータとを2秒毎に送信することができる。
【0062】
C.コンテンツ提示装置が第2のコンテンツを受信することに関連する動作
期間T4中に、コンテンツ提示装置104は、コンテンツ配信システム102からコンテンツを受け取ることができる。本明細書では、このコンテンツを「第2のコンテンツ」と呼ぶ。1つの例では、第2のコンテンツが、
図3に示す第2のコンテンツ312である。
【0063】
期間T5中に、コンテンツ提示装置104は、第2のコンテンツを表すフィンガープリントデータを生成することができる。本明細書では、このフィンガープリントデータを「第2のフィンガープリントデータ」と呼ぶ。コンテンツ提示装置104は、現在知られている又は今後開発されるいずれかのコンテンツフィンガープリント法を使用して第2のフィンガープリントデータを生成することができる。コンテンツ提示装置10は、第2のコンテンツのフレーム当たり1つのフィンガープリントというレートなどの様々なレートで第2のフィンガープリントデータを生成することができる。第2のフィンガープリントデータは、これらの生成されたフィンガープリントの一部又は全部とすることができ、或いはこのようなフィンガープリントの一部又は全部を含むことができる。
【0064】
コンテンツ提示装置104は、コンテンツ提示装置104内の様々な時点で第2のコンテンツにアクセスすることができる。一例として、コンテンツ提示装置104は、第2のコンテンツがコンテンツ提示装置104の入力バッファ(例えば、HDMI(登録商標)バッファ)によって受け取られている時に第2のコンテンツにアクセスすることができる。別の構成では、コンテンツ提示装置104が、第2のコンテンツがコンテンツ提示装置104のディスプレイバッファによって受け取られている時に第2のコンテンツにアクセスすることができる。従って、この構成では、第2のコンテンツを、コンテンツ提示装置104が受信するだけでなく出力して提示もするコンテンツとすることができる。
【0065】
同じく期間T5に、コンテンツ提示装置104は、第2のコンテンツ及び/又は第2のフィンガープリントデータに関連するメタデータを生成することができる。本明細書では、このメタデータを「第2のメタデータ」と呼ぶ。一例として、第2のメタデータは、コンテンツ提示装置104が第2のコンテンツを受け取った時点を表す受信タイムスタンプとすることができ、又はこのような受信タイムスタンプを含むことができる。コンテンツ提示装置104、基準クロックに同期したタイムクロックなどに基づく様々な方法で受信タイムスタンプを決定することができる。上述したように、コンテンツ提示装置104は、コンテンツ提示装置104内の様々な時点で第2のコンテンツにアクセスすることができる。1つの例では、受信タイムスタンプを決定する目的で、第2のコンテンツがアクセスされた時点を「受信」時点とみなすことができる。
【0066】
実際には、第1のメタデータは、チャネル識別子である又はチャネル識別子を含む可能性が高く、第2のメタデータは、チャネル識別子であることもチャネル識別子を含むこともない可能性が高い。
【0067】
コンテンツ提示装置104は、様々な方法で第2のフィンガープリントデータを第2のメタデータに関連付けることができる。例えば、第2のフィンガープリントデータが複数のフィンガープリントを含み、各フィンガープリントが第2のコンテンツの対応するフレームを表す場合、コンテンツ提示装置104は、各第2のフィンガープリントを対応する受信タイムスタンプ及び/又は他の対応するメタデータに関連付けることができる。
【0068】
期間T6中に、コンテンツ提示装置104は、第2のフィンガープリントデータ及び第2のメタデータをフィンガープリント照合サーバ106に送信することができる。コンテンツ提示装置104は、第2のフィンガープリントデータ及び第2のメタデータを所与の間隔で送信することができる。例えば、コンテンツ提示装置104は、第2のフィンガープリントデータと、直近の2秒の期間中に生成した第2のメタデータとを2秒毎に送信することができる。
【0069】
D.コンテンツ提示装置が第2のコンテンツを受信しているチャネルを識別することに関連する動作
期間T7中に、フィンガープリント照合サーバ106は、コンテンツ配信システム102から第1のフィンガープリントデータ及び第1のメタデータを受け取ることができる。上述したように、第1のフィンガープリントデータは、コンテンツ配信システム102によってチャネル上で送信された第1のコンテンツを表す。上述したように、第1のメタデータはこのチャネルを識別することができ、この説明例ではこのチャネルを識別する。このように、第1のコンテンツは、識別されたチャネルで送信されているコンテンツとみなすことができる。
【0070】
期間T8中に、フィンガープリント照合サーバ106は、コンテンツ提示装置104から第2のフィンガープリントデータ及び第2のメタデータを受け取ることができる。上述したように、第2のフィンガープリントデータは、コンテンツ提示装置104によって受け取られた第2のコンテンツを表す。しかしながら、上述したように、関連するメタデータはチャネルを識別しないことがあり、この説明例ではチャネルを識別しない。このように、第2のコンテンツは、識別されていないチャネルで受信されているコンテンツとみなすことができる。
【0071】
期間T9中に、フィンガープリント照合サーバ106は、第1のフィンガープリントデータと第2のフィンガープリントデータとを比較して一致が存在するかどうかを判定することができる。本開示では、この種の照合の試み、すなわち(i)識別されたチャネルで送信されているコンテンツを表す基準フィンガープリントデータと、(ii)識別されていないチャネルで受信されているコンテンツを表す問い合わせフィンガープリントデータとの間の照合の試みを「コールドマッチ試行(cold match attempt)」と呼ぶ。
【0072】
期間T10に、フィンガープリント照合サーバ106は、この比較に基づいて第1のフィンガープリントデータと第2のフィンガープリントデータとの間の一致を検出することができる。フィンガープリント照合サーバ106は、現在知られている又は今後開発されるいずれかのコンテンツフィンガープリント比較法及び照合法を使用してフィンガープリントデータ間の比較及び/又は一致の検出を行うことができる。コンテンツフィンガープリント比較法及び照合法の例は、2015年9月29日に取得された米国特許第9,146,990号に記載されており、この文献は全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0073】
フィンガープリント照合サーバ106は、第1のフィンガープリントデータと第2のフィンガープリントデータとを効果的に比較するために、コンテンツ送信遅延を考慮することが必要になり得る。背景として、コンテンツ配信システム102が時点Aにコンテンツの所与のフレームを所与のチャネルで送信した場合、コンテンツ提示装置104は、様々な理由で時点Aよりも後の(例えば、10秒後の)時点Bまでこのフレームを受信しないことがある。本明細書では、この種の遅延を「コンテンツ送信遅延」と呼ぶ。
【0074】
1つの例では、時点A、時点B、及びコンテンツ送信遅延を、それぞれ
図3に示す時点A314、時点B316、及びコンテンツ送信遅延318とすることができる。なお、
図3は例示を目的とするものであり、少なくとも時間に関しては必ずしも縮尺通りではない。実際には、現実のコンテンツ送信遅延量が図示の量と異なる場合もある。
【0075】
フィンガープリント照合サーバ106は、第1のフィンガープリントデータを第2のフィンガープリントデータと効果的に比較するのに役立つように、このようなコンテンツ送信遅延を考慮することが必要になり得る。1つの例では、フィンガープリント照合サーバ106が、受信時点に受信した第1のフィンガープリントデータと、開始時点及び終了時点によって定められる期間中に受信した第2のフィンガープリントデータとを比較することによってこれを行うことができる。開始時点は、受信時点+予想されるコンテンツ送信遅延(例えば、10秒)を表すオフセット-許容差期間(例えば、2秒)とすることができる。終了時点は、受信時点+オフセット(例えば、10秒)+許容差期間(例えば、2秒)とすることができる。従って、予想されるコンテンツ送信遅延が10秒である1つの例では、フィンガープリント照合サーバ106が、受信時点に受信した第1のフィンガープリントデータと、(i)受信時点+8秒~(ii)受信時点+12秒の期間中に受信した第2のフィンガープリントデータとを比較することができる。
【0076】
いくつかの事例では、フィンガープリント照合サーバ106が、上述したような開始時点及び終了時点を決定する際に使用される適切なオフセットを選択するために使用できるコンテンツ送信遅延を決定することができる。フィンガープリント照合サーバ106は、様々な方法でコンテンツ送信遅延を決定することができる。例えば、フィンガープリント照合サーバ106は、コールドマッチ試行に基づいて一致を検出した後に、例えば(第1のメタデータの)対応する送信タイムスタンプと(第2のメタデータの)対応する受信タイムスタンプとの間の差分としてコンテンツ送信遅延を決定することができる。なお、コンテンツ送信遅延はチャネル毎に異なることができる。
【0077】
期間T11中に、フィンガープリント照合サーバ106は、検出された一致に基づいて、コンテンツ提示装置104によって第2のコンテンツが受信されているチャネルを識別することができる。1つの例では、フィンガープリント照合サーバ106が、一致を検出するために使用される第1のフィンガープリントデータに関連するチャネル識別子メタデータに基づいてチャネルを識別することができる。
【0078】
なお、実際には、コンテンツ提示装置104が第2のコンテンツを受信していると考えられるチャネルは複数存在する可能性が高いので、フィンガープリント照合サーバ106は、第2のフィンガープリントデータを、(その各々が異なるそれぞれのチャネル上の異なるそれぞれの第1のコンテンツを表す)複数の第1のフィンガープリントデータと比較して、これらの複数の第1のフィンガープリントデータのうちのどれが第2のフィンガープリントデータと一致するかを判定する可能性が高い。
【0079】
また、いくつかの事例では、フィンガープリント照合サーバ106が、第2のフィンガープリントデータと、(その各々が異なるそれぞれのチャネル上の異なるそれぞれの第1のコンテンツを表す)複数の第1のフィンガープリントデータの各々との間の一致を検出することができる。本明細書では、このことを「マルチマッチシナリオ(multimatch scenario)」と呼び、このシナリオは様々な理由で発生することがある。例えば、このシナリオは、コンテンツ配信システム102が複数のチャネルで同じ時点又はその前後に同一又は同様のコンテンツを送信している時に発生することがある。このシナリオでは、フィンガープリント照合サーバ106が、マルチマッチシナリオに関連する複数のチャネルの中から、コンテンツ提示装置104がどの特定のチャネルで第2のコンテンツを受信しているかを識別する追加動作を実行することができる。フィンガープリント照合サーバ106は、現在知られている又は今後開発されるいずれかのチャネルマルチマッチ曖昧性解消法(channel multimatch disambiguation technique)を使用してこれを行うことができる。チャネルマルチマッチ曖昧性解消法の例は、2018年6月5日に取得された米国特許第9,992,533号に記載されており、この文献は全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0080】
E.過去のコンテンツ消費データを決定することに関連する動作
期間T12中に、フィンガープリント照合サーバ106は、識別されたチャネルに関連するメタデータを生成することができる。例えば、このメタデータは、チャネル識別タイムスタンプとすることができ、又はチャネル識別タイムスタンプを含むことができる。フィンガープリント照合サーバ106は、基準クロックに同期したタイムクロックなどに基づく様々な方法でチャネル識別タイムスタンプを決定することができる。別の例では、このメタデータを、識別されたチャネルでコンテンツを受信しているコンテンツ提示装置104を識別する装置識別子とすることができ、又はメタデータがこのような装置識別子を含むことができる。フィンガープリント照合サーバ106は、コンテンツ提示装置104から受け取ることなどによる様々な方法で装置識別子を決定することができる。別の例では、フィンガープリント照合サーバ106が、コンテンツ提示装置104からデータ(例えば、装置登録データ)を受信し、この受信データをマッピングするマッピングデータを使用して装置識別子を決定することができる。
【0081】
期間T13中に、フィンガープリント照合サーバ106は、識別されたチャネル及び関連するメタデータを示すものをデータ管理システム110に送信することができる。
【0082】
期間T14中に、データ管理システム110は、識別されたチャネル及び関連するメタデータを示すものをフィンガープリント照合サーバ106から受け取ることができる。
【0083】
データ管理システム110は、受け取った識別されたチャネル及び関連するメタデータを示すものを場合によっては他のデータと共に使用して、識別されたチャネル上でコンテンツ提示装置104がいつコンテンツを受信したか、コンテンツ提示装置104がどのような具体的なコンテンツを受信したかなどを決定することができる。本明細書では、この種のデータを「過去のコンテンツ消費データ」と呼ぶ。
【0084】
従って、期間T15中に、データ管理システム110は、コンテンツ提示装置104に関連する過去のコンテンツ消費データを決定することができる。
【0085】
F.コンテンツ配信システムが第3のコンテンツを送信することに関連する動作
上述したように、フィンガープリント照合サーバ106は、コンテンツ提示装置104が第2のコンテンツを受信しているチャネルを識別することができる。
【0086】
期間T16中に、コンテンツ配信システム102は、識別されたチャネルでコンテンツ提示装置104にコンテンツを送信することができる。本明細書では、このコンテンツを「第3のコンテンツ」と呼ぶ。1つの例では、第3のコンテンツが、
図3に示す第3のコンテンツ320である。実際には、コンテンツ配信システム102は、第1のコンテンツを送信して程なく(例えば、直後に、或いは数秒又は数分後に)第3のコンテンツを送信する可能性が高い。
【0087】
期間T17中に、コンテンツ配信システム102は、第3のコンテンツを表すフィンガープリントデータを生成することができる。本明細書では、このフィンガープリントデータを「第3のフィンガープリントデータ」と呼ぶ。
【0088】
同じく期間T17中に、コンテンツ配信システム102は、第3のコンテンツ及び/又は第3のフィンガープリントデータに関連するメタデータを生成することができる。本明細書では、このメタデータを「第3のメタデータ」と呼ぶ。コンテンツ配信システム102は、第3のフィンガープリントデータを第3のメタデータに関連付けることもできる。
【0089】
期間T18中に、コンテンツ配信システム102は、第3のフィンガープリントデータ及び第3のメタデータをフィンガープリント照合サーバ106に送信することができる。
【0090】
コンテンツ配信システム102は、第1のコンテンツを送信し、第1のフィンガープリントデータを生成し、第1のメタデータを生成し、第1のフィンガープリントデータを第1のメタデータに関連付け、第1のフィンガープリントデータ及び第1のメタデータを送信することに関連して上述した方法と同一又は同様の方法などの様々な方法で第3のコンテンツを送信し、第3のフィンガープリントデータを生成し、第3のメタデータを生成し、第3のフィンガープリントデータを第3のメタデータに関連付け、第3のフィンガープリントデータ及び第3のメタデータを送信することができる。
【0091】
G.コンテンツ管理システムが修正可能なコンテンツセグメントを受信することに関連する動作
期間T19中に、コンテンツ管理システム108は、修正される候補として識別されたコンテンツセグメントの形態のコンテンツを受信することができる。本明細書では、このコンテンツを「修正可能なコンテンツセグメント」又は「第4のコンテンツ」と呼ぶ。1つの例では、修正可能なコンテンツセグメントが、
図3に示す修正可能なコンテンツセグメントである。
【0092】
修正可能なコンテンツセグメントは、様々な形態を取ることができる。例えば、修正可能なコンテンツセグメントは、広告セグメント(例えば、コマーシャル)又は番組セグメントとすることができる。従って、1つの例では、修正可能なコンテンツセグメントを、場合によっては異なる広告セグメントに置き換えられることによって及び/又はコンテンツをオーバーレイ表示されることによって修正される候補として識別された広告セグメントとすることができる。
【0093】
1つの例では、場合によってはコンテンツ配信システム102に関連するユーザが修正可能なコンテンツセグメントをコンテンツ管理システム108にアップロードするように促すことにより、コンテンツ管理システム108が修正可能なコンテンツセグメントをこのような方法で受信できるようになる。
【0094】
期間T20中に、コンテンツ管理システム108は、修正可能なコンテンツセグメントを表すフィンガープリントデータを生成することができる。本明細書では、このフィンガープリントデータを「第4のフィンガープリントデータ」と呼ぶ。コンテンツ管理システム108は、現在知られている又は今後開発されるいずれかのフィンガープリント生成法を使用して第4のフィンガープリントデータを生成することができる。コンテンツ管理システム108は、第4のコンテンツのフレーム当たり1つのフィンガープリントというレートなどの所与のレートで第4のフィンガープリントデータを生成することができる。第4のフィンガープリントデータは、これらの生成されたフィンガープリントの一部又は全部とすることができ、或いはこれらの生成されたフィンガープリントの一部又は全部を含むことができる。
【0095】
同じく期間T20中に、コンテンツ管理システム108は、修正可能なコンテンツセグメント及び/又は第4のフィンガープリントデータに関連するメタデータを生成することができる。本明細書では、このメタデータを「第4のメタデータ」と呼ぶ。一例として、第4のメタデータは、修正可能なコンテンツセグメントの継続時間とすることができ、又はこのような継続時間を含むことができる。コンテンツ管理システム108は、フィンガープリント生成法などに基づく様々な方法で継続時間を決定することができる。例えば、第4のフィンガープリントデータを生成するコンテンツ管理システム108がフレーム当たり1つのフィンガープリントを生成し、修正可能なコンテンツセグメントが毎秒30フレームのフレームレートを有し、このフィンガープリント法によって300個のフィンガープリントが生成される場合、コンテンツ管理システム108は、修正可能なコンテンツセグメントが10秒の継続時間を有すると推測することができる。メタデータは、コンテンツセグメント識別子、タイトル、及び/又は修正可能なコンテンツセグメントを修正できる許容された方法に関する細目などの、修正可能なコンテンツセグメントに関する他の情報とすることもでき、又はこのような他の情報を含むこともできる。
【0096】
期間T21中に、コンテンツ管理システム108は、第4のフィンガープリントデータ及び第4のメタデータをフィンガープリント照合サーバ106に送信することができる。
【0097】
実際には、コンテンツ管理システム108は、多くの修正可能なコンテンツセグメントを受け取る可能性が高い。このような状況では、コンテンツ管理システム108が、多くの受け取られた修正可能なコンテンツセグメントの各々にふさわしい上述した動作のうちの1つ又は2つ以上を実行することができる。従って、コンテンツ管理システム108は、その各々が異なるそれぞれの修正可能なコンテンツセグメントに対応する多くの第4のフィンガープリントデータをフィンガープリント照合サーバ106に送信することができる。
【0098】
H.フィンガープリント照合サーバが識別されたチャネル上の次回のコンテンツ修正機会を識別することに関連する動作
期間T22中に、フィンガープリント照合サーバ106は、コンテンツ配信システム102から第3のフィンガープリントデータ及び第3のメタデータを受け取ることができる。上述したように、第3のフィンガープリントデータは、識別されたチャネル上でコンテンツ配信システム102によって送信された第3のコンテンツを表す。
【0099】
期間T23中に、フィンガープリント照合サーバ106は、コンテンツ管理システム108から第4のフィンガープリントデータ及び第4のメタデータを受け取ることができる。上述したように、第4のフィンガープリントデータは、修正可能なコンテンツセグメントを表す。
【0100】
期間T24中に、フィンガープリント照合サーバ106は、第3のフィンガープリントデータの少なくとも一部と第4のフィンガープリントデータの少なくとも一部とを比較して一致が存在するかどうかを判定することができる。
【0101】
期間T25中に、フィンガープリント照合サーバ106は、比較に基づいて第3のフィンガープリントデータの少なくとも一部と第4のフィンガープリントデータの少なくとも一部との間の一致を検出することができる。フィンガープリント照合サーバ106は、現在知られている又は今後開発されるいずれかのコンテンツフィンガープリント比較法及び照合法を使用してフィンガープリントデータ間の比較及び/又は一致の検出を行うことができる。
【0102】
期間T26中に、フィンガープリント照合サーバ106は、検出された一致に基づいて、修正可能なコンテンツセグメントの少なくとも一部が第3のコンテンツ内に含まれていると判定することができ、従って識別されたチャネル上の次回のコンテンツ修正機会を識別することができる。例えば、フィンガープリント照合サーバ106は、
図3に示すような第3のコンテンツ320内に修正可能なコンテンツセグメントの少なくとも開始部分が含まれていると判定することができ、従って次回のコンテンツ修正機会を識別することができる。
【0103】
上述したように、フィンガープリント照合サーバ106は、第1のメタデータと同一又は同様のものとすることができる第3のメタデータを生成することができる。従って、第3のメタデータは、例えば送信タイムスタンプ及び/又はチャネル識別子とすることができ、或いは送信タイムスタンプ及び/又はチャネル識別子を含むことができる。しかしながら、第3のメタデータは、第3のコンテンツ内の修正可能なコンテンツセグメントの少なくとも一部の位置とすることもでき、又はこのような位置を含むこともできる。1つの例では、メタデータが、それぞれが第3のコンテンツのそれぞれのフレームに対応する開始フレームマーカ及び終了フレームマーカを使用してこの位置を指定することができる。フィンガープリント照合サーバ106は、照合に基づいて開始フレームマーカ及び終了フレームマーカを決定することができる。
【0104】
なお、実際には、一部が第3のコンテンツ内に含まれている可能性があると考えられる修正可能なコンテンツセグメントは複数存在する可能性が高いので、フィンガープリント照合サーバ106は、第3のフィンガープリントデータの少なくとも一部を(それぞれが修正可能なコンテンツセグメントの異なるそれぞれのインスタンスを表す)第4のフィンガープリントデータの複数のインスタンスの少なくとも一部と比較して、これらの第4のフィンガープリントデータの複数のインスタンスのうちのどのインスタンスが第3のフィンガープリントデータの少なくとも一部と一致する部分を有しているかを判定する可能性が高い。
【0105】
I.識別された次回のコンテンツ修正機会に関連してコンテンツ提示装置がコンテンツ修正動作を実行する準備を行うことに関連する動作
期間T27中に、フィンガープリント照合サーバ106は、検出された一致に基づいて、識別された次回のコンテンツ修正機会に関連してコンテンツ提示装置104がコンテンツ修正動作を実行する準備を促すように、コンテンツ提示装置104に第3のフィンガープリントデータ及び第3のメタデータを送信することができる。
【0106】
期間T28中に、コンテンツ提示装置104は、フィンガープリント照合サーバ106から第3のフィンガープリントデータ及び第3のメタデータを受け取ることができる。
【0107】
期間T29中に、コンテンツ提示装置104は、識別されたチャネルでコンテンツを受信することができる。本明細書では、このコンテンツを「第5のコンテンツ」と呼ぶ。1つの例では、第5のコンテンツが、
図3に示す第5のコンテンツ324である。
【0108】
コンテンツ提示装置104は、様々な理由で(例えば、フィンガープリントデータ及びメタデータの送信に関連する送信遅延がコンテンツ送信遅延よりも短いことに起因して)、コンテンツ配信システム102から第5のコンテンツを受け取る前にフィンガープリント照合サーバ106から第3のフィンガープリントデータ及び第3のメタデータを受け取ることがある。このように、コンテンツ提示装置104は、コンテンツ提示装置104がその後間もなく受け取ると予想している、割り込みイベント(例えば、チャネル変更イベント)が発生しなければコンテンツ提示装置が実際にその後間もなく受け取るはずのコンテンツを表すフィンガープリントデータを受け取ることができる。
【0109】
実際には、コンテンツ配信システム102が第1のコンテンツを送信して程なく(例えば、直後に、或いは数秒又は数分後に)第3のコンテンツを送信する可能性が高いのと同様に、コンテンツ提示装置104も第2のコンテンツを受信して程なく(例えば、直後に、或いは数秒又は数分後に)第5のコンテンツを受信する可能性が高い。
【0110】
期間T30中に、コンテンツ提示装置104は、第5のコンテンツの少なくとも一部を出力して提示することができる。例えば、
図3を参照すると、コンテンツ提示装置は、番組セグメントAの終了部分である第5のコンテンツ324の一部を出力して提示することができる。
【0111】
上述したように、いくつかの状況では、コンテンツ提示装置104が、たとえコンテンツ配信システム102からコンテンツを受信した場合でも、その受信コンテンツの少なくとも一部の代わりに代替コンテンツを出力して提示できるようにコンテンツ修正動作を実行することが望ましい場合がある。
【0112】
従って、コンテンツ提示装置104は、たとえ第5のコンテンツを受信して第5のコンテンツの少なくとも一部を出力して提示する場合でも、第5のコンテンツの少なくとも別の部分(例えば、残り部分)の代わりに代替コンテンツを出力して提示できるようにコンテンツ修正動作を実行することが望ましい場合がある。例えば、
図3を参照すると、コンテンツ提示装置104は、ADセグメントBの少なくとも一部を、場合によってはエンドユーザに対してさらに的を絞った異なる広告セグメントの少なくとも一部に置き換えることが望ましい場合がある。別の例として、コンテンツ提示装置104は、ADセグメントBの少なくとも一部に、やはり場合によってはエンドユーザに対してさらに的を絞った方法でADセグメントBの少なくとも一部を強化するオーバーレイコンテンツをオーバーレイ表示することが望ましい場合がある。
【0113】
期間T31中に、コンテンツ提示装置104は、第5のコンテンツを表すフィンガープリントデータを生成することができる。本明細書では、このフィンガープリントデータを「第5のフィンガープリントデータ」と呼ぶ。コンテンツ配信システム102は、現在知られている又は今後開発されるいずれかのコンテンツフィンガープリント法を使用して第5のフィンガープリントデータを生成することができる。コンテンツ提示装置104は、第5のコンテンツのフレーム当たり1つのフィンガープリントというレートなどの様々なレートで第5のフィンガープリントデータを生成することができる。第5のフィンガープリントデータは、これらの生成されたフィンガープリントの一部又は全部とすることができ、或いはこのようなフィンガープリントの一部又は全部を含むことができる。
【0114】
同じく期間T31中に、コンテンツ提示装置104は、第5のコンテンツ及び/又は第5のフィンガープリントデータに関連するメタデータを生成することができる。本明細書では、このメタデータを「第5のメタデータ」と呼ぶ。
【0115】
コンテンツ提示装置104は、第2のコンテンツを受信し、第2のフィンガープリントデータを生成し、第2のメタデータを生成し、第2のフィンガープリントデータを第2のメタデータに関連付けることに関連して上述した方法と同一又は同様の方法などの様々な方法で第5のコンテンツを受信し、第5のフィンガープリントデータを生成し、第5のメタデータを生成し、第5のフィンガープリントデータを第5のメタデータに関連付けることができる。
【0116】
上述したように、コンテンツ提示装置104は、フィンガープリント照合サーバ106から第3のフィンガープリントデータを受け取ることができ、第5のフィンガープリントデータを生成することができる。
【0117】
期間T32中に、コンテンツ提示装置104は、第3のフィンガープリントデータを第5のフィンガープリントデータと比較して一致が存在するかどうかを判定することができる。
【0118】
期間T33中に、コンテンツ提示装置104は、この比較に基づいて第3のフィンガープリントデータと第5のフィンガープリントデータとの間の一致を検出することができる。本開示では、この種の照合の試み、すなわち(i)(少なくとも直近のチャネル識別分析に基づいて)識別されたチャネルでコンテンツ配信システム102によって送信されているコンテンツを表す基準フィンガープリントデータと、(ii)同じ識別されたチャネルでコンテンツ提示装置104によって受信されているコンテンツを表す問い合わせフィンガープリントデータとの間の照合の試みを「ホットマッチ試行」と呼ぶ。フィンガープリント照合サーバ106は、現在知られている又は今後開発されるいずれかのコンテンツフィンガープリント比較法及び照合法を使用してフィンガープリントデータ間の比較及び/又は一致の検出を行うことができる。
【0119】
期間T34中に、コンテンツ提示装置104は、検出された一致に基づいて、識別された次回の修正機会が開始する時点を決定することができる。本明細書では、この時点を「修正開始時刻」と呼ぶ。1つの例では、修正開始時刻が、
図3に示す修正開始時刻326である。
【0120】
1つの例では、コンテンツ提示装置104が、(上述したように第3のメタデータとすることができる又は第3のメタデータを含むことができる)開始フレームマーカに関連する送信タイムスタンプから開始し、この送信タイムスタンプにコンテンツ送信遅延を追加することによって修正開始時刻を決定して、修正開始時刻に達することができる。
【0121】
別の例として、コンテンツ提示装置104は、最初に一方では第3のコンテンツ、第3のフィンガープリントデータ及び/又は第3のメタデータ間の同期ロックを確立し、他方では第5のコンテンツ、第5のフィンガープリントデータ及び/又は第5のメタデータ間の同期ロックを確立することによって修正開始時刻を決定することができる。コンテンツ提示装置104は、現在知られている又は今後開発されるいずれかの同期ロック法を使用して同期ロックを確立することができる。同期ロック法の例は、2019年12月10日に取得された米国特許第10,506,275号に記載されており、この文献は全体が引用により本明細書に組み入れられる。別の同期ロック法の例は、2020年1月23日に公開された米国特許出願公開第2020/0029108号に記載されており、この文献は全体が引用により本明細書に組み入れられる。
【0122】
コンテンツ提示装置104は、(i)コンテンツ提示装置104が現在受信している第5のコンテンツの第1の部分に関連する現在の受信タイムスタンプと、(ii)修正可能なコンテンツセグメントの開始である第5のコンテンツの第2の部分に関連する、同期ロックに基づいて予想される受信タイムスタンプとの間の期間を決定し、決定された期間を現在の受信タイムスタンプに追加することによって修正開始時刻を決定して、修正開始時刻に達することができる。
【0123】
同じく期間T34中に、コンテンツ提示装置104は、検出された一致に基づいて、識別された次回の修正機会が終了する時点を決定することができる。本明細書では、この時点を「修正終了時刻」と呼ぶ。1つの例では、修正終了時刻が、
図3に示す修正終了時刻328である。
【0124】
1つの例では、コンテンツ提示装置104が、修正開始時刻から開始し、(上述したように第4のメタデータとすることができる又は第4のメタデータを含むことができる)修正可能なコンテンツセグメントの継続時間を修正開始時刻に追加することによって修正終了時刻を決定して、修正終了時刻に達することができる。
【0125】
なお、コンテンツ提示装置104は、ホットマッチ試行を実行して一致を検出しなかった場合、直近に識別されたチャネル上でこれ以上コンテンツを受信することはないと判定することができる。これに応答して、コンテンツ提示装置104は、フィンガープリント照合サーバ106が別のコールドマッチ試行を実行して再びチャネルを識別しようと試みることができるように、上述した動作のうちの1つ又は2つ以上を繰り返すことができる。
【0126】
期間T35中に、コンテンツ提示装置104は、コンテンツ修正動作の実行に関連して使用されるコンテンツを求める要求をコンテンツ管理システム108に送信することができる。本明細書では、このコンテンツを「補助コンテンツ」と呼ぶ。1つの例では、コンテンツ提示装置104が、この要求を修正開始時刻の前に(例えば、10秒前に)送信することができる。いくつかの事例では、この要求が、例えばコンテンツ提示装置104がフィンガープリント照合サーバ106から受け取った第3のメタデータに基づいて決定できる、補助コンテンツの選択基準を含むことができる。
【0127】
例えば、この選択基準は、要求されるコンテンツのタイプ(例えば、置換用コンテンツセグメント又はオーバーレイコンテンツ)、継続時間(例えば、15秒、30秒又は60秒)、アスペクト比(例えば、4:3又は16:9)、及び/又は解像度(例えば、720p又は1080p)を指定することができる。
【0128】
期間T36中に、コンテンツ管理システム108は、この要求を受け取り、選択に利用可能な複数の補助コンテンツアイテムの中から補助コンテンツを選択するための基準として使用することができる。いくつかの事例では、コンテンツ管理システム108が、どの補助コンテンツを選択すべきであるかを知らせるのに役立つように様々なデータを受け取って検討することができる。例えば、コンテンツ管理システム108は、データ管理システム110からコンテンツ提示装置104の過去のコンテンツ消費データを受け取ることができ、及び/又は人口統計データプロバイダから人口統計データを受け取ることができる。その後、コンテンツ管理システム108は、少なくとも受け取った過去のコンテンツ消費データ及び/又は受け取った人口統計データを、補助コンテンツを選択するための基準として使用することができる。
【0129】
コンテンツ管理システム108は、選択された補助コンテンツがコンテンツ提示装置104に送信されるようにすることができる。1つの例では、コンテンツ管理システム108が、補助コンテンツをホストすることができる補助コンテンツ供給システム112と通信することによってこれを行うことができる。補助コンテンツ供給システム112は様々な形態を取ることができ、コンテンツ配信ネットワーク(CDN)などの様々なコンポーネントを含むことができる。
【0130】
期間T37中に、コンテンツ管理システム108は、補助コンテンツ供給システム112に、ホストされている補助コンテンツを示すリンク(例えば、ユニフォームリソースアイデンティファイア(URI)又はユニフォームリソースロケータ(URL))を求める要求を送信することができる。
【0131】
期間T38中に、補助コンテンツ供給システム112は、リンクを求める要求を受け取り、要求されたリンクをコンテンツ管理システム108に送信することによってこれに応答することができる。
【0132】
期間T39中に、コンテンツ管理システム108は、このリンクをさらにコンテンツ提示装置104に送信することができる。
【0133】
期間T40中に、コンテンツ提示装置104はリンクを受け取り、これを使用して補助コンテンツ供給システム112から補助コンテンツを検索することにより、検索された補助コンテンツをコンテンツ修正動作の実行に関連して使用できるようになる。1つの例では、コンテンツ提示装置104が、補助コンテンツを検索してコンテンツ提示装置104のデータストレージユニットに記憶することができる。
【0134】
従って、いくつかの例では、コンテンツ提示装置104が、1つのソース(例えば、コンテンツ配信システム102)から修正可能なコンテンツセグメントを受け取り、別のソース(例えば、補助コンテンツ供給システム112)から補助コンテンツを受け取ることができる。これらのセグメントは異なる方法でコンテンツ提示装置104に送信することもでき、コンテンツ提示装置104は異なる方法でこれらのセグメントを受け取ることもできる。例えば、コンテンツ配信システム102が修正可能なコンテンツセグメントを放送ストリーム送信として送信して、コンテンツ提示装置104がこれを受け取ることができる一方で、補助コンテンツ供給システム112が補助コンテンツをオーバーザトップ(OTT)送信として送信して、コンテンツ提示装置104がこれを受け取ることもできる。この文脈における1つの例では、コンテンツ配信システム102が、1つの通信インターフェイス(例えば、HDMI(登録商標)インターフェイス)を介して修正可能なコンテンツセグメントを受け取ることができ、コンテンツ提示装置104が、異なる通信インターフェイス(例えば、イーサネット又はWI-FIインターフェイス)を介して補助コンテンツを受け取ることができる。
【0135】
J.コンテンツ提示装置がコンテンツ修正動作を実行することに関連する動作
期間T41において、コンテンツ提示装置104は、コンテンツ修正動作を実行することができる。コンテンツ提示装置104は、場合によっては実行すべきコンテンツ修正動作のタイプに応じて様々な方法でこれを行うことができる。
【0136】
1つの例では、コンテンツ提示装置104がコンテンツ修正動作を実行することが、コンテンツ提示装置104が修正可能なコンテンツセグメントを補助コンテンツに置き換えることによって修正可能なコンテンツセグメントを修正することを伴うことができる。本明細書では、これを「コンテンツ置換動作」と呼ぶ。例えば、このシナリオでは、コンテンツ提示装置104が、修正可能なコンテンツセグメント及び関連するメタデータを含むコンテンツセグメントのリニアシーケンスを受け取ることも、上述したような補助コンテンツセグメントを受け取ることもできる。コンテンツ提示装置104は、(修正可能なコンテンツセグメントの開始に対応する)修正開始時刻までコンテンツセグメントのシーケンスを出力して提示し、この時点で代わりに補助コンテンツを出力して提示することに切り替えることができる。その後、コンテンツ提示装置104は、(修正可能なコンテンツセグメントの終了に対応する)修正終了時刻に、コンテンツセグメントのリニアシーケンス内の後続するコンテンツを出力して提示することに(又は、場合によっては別の修正可能なコンテンツセグメントに取って代わっている追加補助コンテンツなどの他のコンテンツに)再び切り替えることができる。
【0137】
1つの例では、コンテンツ提示装置104がコンテンツセグメントのシーケンスを出力することから補助コンテンツを出力することに切り替える動作が、コンテンツ提示装置104の様々なバッファを使用することを伴うことができる。例えば、この動作は、コンテンツ提示装置104が、ディスプレイバッファに追加するために、コンテンツセグメントのシーケンスが受け取られている第1の入力バッファ内の第1のデータを使用することから、補助コンテンツが受け取られている第2の入力バッファ内の第2のデータを使用することに切り替えることを伴うことができる。
【0138】
従って、
図3に示すような1つの例によれば、コンテンツ提示装置104は、コンテンツ置換動作を実行することによってADセグメントBをADセグメントDに置き換えることができる。この結果、コンテンツ提示装置は、受信シーケンス304を出力して提示するのではなく、代わりに第1の修正シーケンス306を出力して提示することができる。
【0139】
別の例では、コンテンツ提示装置104がコンテンツ修正動作を実行することが、コンテンツ提示装置104が修正可能なコンテンツセグメント上にオーバーレイコンテンツをオーバーレイ表示すること(本明細書では「コンテンツオーバーレイ動作」と呼ぶ)によって修正可能なコンテンツセグメントを修正することを伴うことができる。例えば、このシナリオでは、コンテンツ提示装置104が、修正可能なコンテンツセグメント及び関連するメタデータを含むコンテンツセグメントのリニアシーケンスを同様に受け取ることも、上述したような補助コンテンツを受け取ることもできる。
【0140】
その後、コンテンツ提示装置104は、修正開始時刻から開始して修正可能なコンテンツセグメント上に補助コンテンツをオーバーレイ表示し始めることができる点を除き、修正可能なコンテンツセグメントを通常通りに出力して提示することができる。コンテンツ提示装置104は、修正終了時刻まで補助コンテンツをオーバーレイ表示し続けることができる。このように、コンテンツ提示装置104は、修正可能なコンテンツセグメントの少なくとも何らかの時間的部分の最中に補助コンテンツをオーバーレイ表示することができる。
【0141】
1つの例では、コンテンツ提示装置104が修正可能なコンテンツセグメント上に補助コンテンツをオーバーレイ表示する動作が、コンテンツ提示装置104の様々なバッファを使用することを伴うことができる。例えば、この動作は、コンテンツ提示装置104が、ディスプレイバッファに追加するために、コンテンツセグメントのシーケンスが受け取られている第1の入力バッファ内の第1のデータを、補助コンテンツが受け取られている第2の入力バッファ内の第2のデータと共に使用することを伴うことができる。このように、コンテンツ提示装置は、所望の修正可能なコンテンツセグメントにオーバーレイ表示された補助コンテンツがプラスされたものを形成するために、修正可能なコンテンツセグメントの関連部分(すなわち、補助コンテンツをオーバーレイ表示すべき領域を表す部分を除く全ての部分)を、オーバーレイとして使用すべき補助コンテンツと組み合わせることができる。
【0142】
従って、
図3に示すような1つの例によれば、コンテンツ提示装置104は、コンテンツオーバーレイ動作を実行することによってADセグメントB上に補助コンテンツをオーバーレイ表示し、これによってADセグメントBをADセグメントB’に修正することができる。この結果、コンテンツ提示装置は、受信シーケンス304を出力して提示するのではなく、代わりに第2の修正シーケンス308を出力して提示することができる。
【0143】
K.動作関連データの追跡及びレポート
コンテンツ修正システム100及び/又はそのコンポーネントは、コンテンツ提示装置104がコンテンツ修正動作を実行することなどの様々な動作の実行を容易にするとともに、このような動作の追跡及びレポートを可能にするのに役立つように、様々な動作関連データを様々な時点で様々な方法で追跡してレポートすることができる。
【0144】
ほんのいくつかの説明例として、フィンガープリント照合サーバ106、コンテンツ提示装置104及び/又は別のエンティティは、本明細書で説明したようないくつかの動作が実行されたことに応答して、(i)修正可能なコンテンツセグメントが識別されたこと、(ii)(場合によってはコールドマッチ試行又はホットマッチ試行の結果として検出された一致に基づいて)チャネルが識別/確認されたこと、(iii)識別されたチャネル上の次回のコンテンツ修正機会が識別されたこと、(iv)補助コンテンツが要求されたこと、(v)補助コンテンツが受け取られたこと、(vi)コンテンツ修正動作が開始されたこと、(vii)コンテンツ修正動作が終了したこと、及び/又は(viii)予定されたコンテンツ修正動作がいずれかの所与の理由で中断され及び/又は実行されなかったこと、を示すメッセージを生成し、記憶し、及び/又は送信することができる。いくつかの事例では、これらのメッセージが、これらの動作に関連する他のメタデータを含むことができる。例えば、このメタデータは、関連するタイミング情報、装置識別子、チャネル識別子、コンテンツセグメント識別子などを指定することができる。
【0145】
L.透かしベースの方法
本開示では、フィンガープリントベースの技術を使用して様々な動作を実行して様々な機能を提供するコンテンツ修正システム100について説明したが、いくつかの例では、コンテンツ修正システム100が、フィンガープリントベースの方法に代えて又は加えて透かしベースの方法を使用してこれらの及びその他の動作を実行し、これらの及びその他の機能を提供することもできる。
【0146】
例えば、コンテンツ提示装置104によって第2のコンテンツが受け取られているチャネルをフィンガープリント照合サーバ106が識別する上述したフィンガープリントベースの方法の代案として、コンテンツ配信システム102又は別のエンティティが透かしの形態のチャネル識別子を第2のコンテンツに挿入し、フィンガープリント照合サーバ106、コンテンツ提示装置104又は別のエンティティがこのチャネル識別子を抽出して使用して、コンテンツ提示装置104によって第2のコンテンツが受け取られているチャネルを識別することができる。
【0147】
この文脈では、コンテンツ修正システム100が、現在知られている又は今後開発されるいずれかの透かし法を使用することができる。
【0148】
M.システムリソースを要求することに関連する動作
本開示の態様は、特に次回のコンテンツ修正機会が識別されたチャネルにコンテンツ提示装置のグループが同調している状況において、コンテンツ修正システム100がコンテンツ修正動作の実行を容易にする動作を実行する際に使用するシステムリソースを要求する動作にも関する。以下、これらの動作についてさらに詳細に説明する。本明細書では、以下の動作例を主にフィンガープリント照合サーバ106によって実行されるものとして説明するが、別の実施形態では、このような動作のうちの1つ又は2つ以上をコンテンツ修正システム100の他のエンティティが実行することもできる。
【0149】
フィンガープリント照合サーバ106は、あるチャネル上の次回のコンテンツ修正機会を識別することができる。これには、上述したコンテンツ修正機会を識別する動作のうちのいずれかの1つ又は2つ以上が伴うことができる。
【0150】
いくつかの例では、コンテンツ修正システム100のフィンガープリント照合サーバ106以外のコンポーネントが、チャネル上の次回のコンテンツ修正機会を識別することができる。例えば、コンテンツ管理システム108は、フィンガープリント照合サーバ106から次回のコンテンツ修正機会を示すものを受け取ることができる。
【0151】
フィンガープリント照合サーバ106は、チャネル上の次回のコンテンツ修正機会を識別したことに応答して、そのチャネルに同調している複数のコンテンツ提示装置のグループを識別することができる。
【0152】
グループの各コンテンツ提示装置は、1又は2以上の方法で識別することができる。1つの例では、コンテンツ提示装置を識別するために、フィンガープリント照合サーバ106が、複数のコンテンツ提示装置の各々のそれぞれの装置識別子を含むとともに各コンテンツ提示装置が同調したチャネルをリアルタイム又は近リアルタイムで示して更新する(例えば、データベースに記憶された)データを含むことができ、或いはこのようなデータに遠隔的にアクセスすることができる。
【0153】
別の例では、フィンガープリント照合サーバ106が、上述したフィンガープリント照合法のうちの1つ又は2つ以上を使用して、基準フィンガープリントデータとコンテンツ提示装置から受け取られた問い合わせフィンガープリントデータとの間の一致を検出し、検出された一致に基づいてチャネルを識別することができる。
【0154】
別の例では、フィンガープリント照合サーバ106が、コンテンツ提示装置自体からチャネルを識別するチャネル識別子メタデータを受信し、このチャネル識別子メタデータの受信を、コンテンツ提示装置が現在そのチャネルに同調していることを示すものとして解釈することができる。他の例も同様に可能である。
【0155】
いくつかの実装では、フィンガープリント照合サーバ106が、コンテンツ提示装置のグループの各コンテンツ提示装置の装置識別子をチャネルのチャネル識別子に関連付ける指示を記憶することができる。
【0156】
コンテンツ修正システム100(例えば、フィンガープリント照合サーバ106)は、チャネルに同調している複数のコンテンツ提示装置のグループを識別すると、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の量(例えば、物理量)を、要求すべきシステムリソースの量を決定する基礎として少なくとも部分的に使用することができる。
【0157】
いくつかの例では、フィンガープリント照合サーバ106が、要求すべきシステムリソースの量を決定することができる。これに加えて又はこれに代えて、フィンガープリント照合サーバ106は、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の量を示すものをコンテンツ管理システム108及び/又は補助コンテンツ供給システム112に送信することもできる。コンテンツ管理システム108及び/又は補助コンテンツ供給システム112は、この量を、要求すべきシステムリソースの量を決定する基礎として使用することができる。例えば、コンテンツ管理システム108及び補助コンテンツ供給システム112は、識別されたグループのコンテンツ提示装置の少なくとも一部がそれぞれのコンテンツ修正動作を実行するのを容易にする上でそれぞれの動作を実行するために必要とするシステムリソースのそれぞれの量をそれぞれ決定することができる。
【0158】
上述したように、決定されるシステムリソースの量は、以下に限定するわけではないが、考えられる数あるタイプのシステムリソースの中でもとりわけ、特定のソフトウェアアプリケーション(例えば、コンテンツ提示装置に供給すべきターゲット補助コンテンツを選択するためのロジックを含むソフトウェア)を実行するサーバのインスタンス、特定のソフトウェアアプリケーション(例えば、上述したロジックを選択するソフトウェア、又は補助コンテンツのホストを容易にするソフトウェアアプリケーションなどの異なるソフトウェアアプリケーション)を実行するサーバの処理サイクル、帯域幅、メモリ及び/又はCPU使用量を含む1又は2以上のタイプのシステムリソースを含むことができる。決定されるシステムリソースの量は、コンテンツ提示装置によるコンテンツ修正動作の実行を容易にする動作を実行する上で使用できるように、現在割り当てられているシステムリソースの量よりも多いか又は少ないものとすることができる。
【0159】
少なくとも識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の量を、要求すべきシステムリソースの量を決定する基礎として使用する動作は、様々な方法で行うことができる。1つの例では、フィンガープリント照合サーバ106が、異なる量のコンテンツ提示装置を対応する量のシステムリソースにマッピングするマッピングデータを記憶しておくことができる。例えば、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の量が500である場合、フィンガープリント照合サーバ106は、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の少なくとも一部のためのそれぞれの補助コンテンツを選択する負荷の増加に対処するのに役立つように、特定のソフトウェアアプリケーションを実行しているサーバの100のインスタンスを起動して同時に実行すべきであると決定することができる。これに加えて又はこれに代えて、識別されたグルー内のコンテンツ提示装置の量が500である場合、フィンガープリント照合サーバ106は、特定の数(例えば、200)の処理サイクルが、特定のソフトウェアアプリケーションを実行しているサーバの各インスタンスによる使用のために割り当てられるべきであると決定することができる。いくつかの実装では、システムリソースの量を決定するために他の方法、アルゴリズムなどが使用されない場合、マッピングデータに指定された対応する量のシステムリソースを、各コンテンツ提示装置の量に使用されるシステムリソースのデフォルト量とすることができる。さらに、いくつかの実装では、特定の量のコンテンツ提示装置のために決定されたシステムリソースの量がそのコンテンツ提示装置の量に比例するものとすることができるのに対し、他の実装ではシステムリソースの量が比例しないものとすることができる。
【0160】
別の例では、フィンガープリント照合サーバ106が、コンテンツ提示装置の量を、要求すべきシステムリソースの量を出力する特定の1又は複数のアルゴリズムにおける入力として使用することができる。例えば、あるアルゴリズムは、特定のアプリケーションを実行しているサーバの1つのインスタンスを100台のコンテンツ提示装置毎に起動すべきであると決定することができる。従って、このアルゴリズムは、以下に示すような方程式1とすることができ、又はこのような方程式を含むことができ、ここでxは、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の量であり、yは、起動すべきインスタンスの量である。他のアルゴリズム例、並びに要求すべきシステムリソースの量を決定する他の方法も可能である。
y=x/100(方程式1)
【0161】
上述したように、要求すべきシステムリソースの量を決定する際には追加因子を考慮することができる。一例として、フィンガープリント照合サーバ106は、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の量、及び識別されたグループ内のコンテンツ提示装置に関連する過去のコンテンツ消費データを、要求すべきシステムリソースの量を決定する基礎として少なくとも部分的に使用することができる。
【0162】
フィンガープリント照合サーバ106は、過去のコンテンツ消費データを記憶することができ、或いは過去のコンテンツ消費データをデータ管理システム110などのコンテンツ修正システム100の別のコンポーネントから受け取ることができる。例えば、コンテンツ提示装置がチャネルへの同調、チャネルの変更、及びエンドユーザに対するコンテンツの表示を行うと、データ管理システム110は、以下に限定するわけではないが、数ある可能性の中でもとりわけ、コンテンツ提示装置が提示する番組のタイプ(例えば、ジャンル)、コンテンツ提示が提示する広告のタイプ、コンテンツ提示装置(すなわち、コンテンツ提示装置を使用するエンドユーザ)がチャネルを変更する頻度、及び/又はどの(単複の)チャネルが最も視聴されているかを含む、コンテンツ提示装置に関連する過去のコンテンツ消費データを決定することができる。従って、過去のコンテンツ消費データは、コンテンツ提示装置(すなわち、コンテンツ提示装置を使用するエンドユーザ)がチャネルを変更する傾向に少なくとも部分的に関連することができる。
【0163】
過去のコンテンツ消費データは、コンテンツ提示装置がチャネルを変更する傾向を示すことができるので、フィンガープリント照合サーバ106は、要求すべきシステムリソースの量を決定する際にこれらの傾向を考慮することが有用となり得る。例えば、識別されたグループが1000台のコンテンツ提示装置を有しており、過去のコンテンツ消費データが、これらのコンテンツ提示装置のうちの200台が次回のコンテンツ修正機会の前にチャネルを変更する可能性が高い閾値パーセント(例えば、50%)を上回ることを示す場合、フィンガープリント照合サーバ106は、残りの800台のコンテンツ提示装置にとって十分なシステムリソースの量を決定することができる。過去のコンテンツ消費データは、同様に他の方法で役立つこともできる。
【0164】
コンテンツ修正システム100は、過去のコンテンツ消費データ及び/又は識別されたグループの他の情報を考慮することによって、要求すべきシステムリソースの量に関して十分な情報に基づいてより良好な判断を行うことができる。例えば、コンテンツ修正システム100は、チャネルに同調したままである可能性が最も高いコンテンツ提示装置のためのシステムリソースのみを要求することによって必要量を上回るシステムリソースを要求することを避けることができ、従って残りのシステムリソースを他の動作を実行する上で使用できるように割り当てることができる。
【0165】
コンテンツ修正システム100は、要求すべきシステムリソースの量を決定し終えると、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の少なくとも一部がそれぞれのコンテンツ修正動作を実行するのを容易にする動作を実行する上で使用できるように、決定された量のシステムリソースを要求することができる。これを容易にするために、例えばコンテンツ修正システム100(例えば、フィンガープリント照合サーバ106、コンテンツ管理システム108又は補助コンテンツ供給システム112)は、1又は2以上のAPI又はその他のインターフェイスを使用してサービスプロバイダ(例えば、コンテンツ修正システム100を管理する同じエンティティによって管理されるサービスプロバイダ、又はサードパーティサービスプロバイダ)と通信し、このサービスプロバイダに決定された量のシステムリソースを要求することができる。他の例も同様に可能である。
【0166】
上記の説明によれば、決定されたシステムリソースのタイプは、何が要求されているかを決定付けることができる。例えば、決定された量のシステムリソースを要求する動作は、特定のソフトウェアアプリケーションを実行しているサーバの新たなインスタンスの起動を要求することを伴うことができる。別の例として、決定された量のシステムリソースを要求する動作は、特定のソフトウェアアプリケーションを実行しているサーバのための追加処理サイクルを要求することを伴うことができる。
【0167】
上述したように、決定された量のシステムリソースは、コンテンツ管理システム108及び補助コンテンツ供給システム112などのコンテンツ修正システム100の1又は2以上のコンポーネントが、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の少なくとも一部がそれぞれのコンテンツ修正動作を実行するのを容易にする様々な動作を実行するために使用することができる。
【0168】
1つの例では、これらの動作を、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の少なくとも一部の各コンテンツ提示装置(例えば、識別されたグループ内の1000台のコンテンツ提示装置のうちの800台のコンテンツ提示装置の各々)について、そのコンテンツ提示装置が次回のコンテンツ修正機会にコンテンツ修正動作を実行する際に使用するためのそれぞれの補助コンテンツ(例えば、置換用広告)を選択することとすることができ、又はこれらの動作がこのような選択を行うことを含むことができる。この選択は、例えばコンテンツ管理システム108によって実行することができる。
【0169】
別の例では、これらの動作を、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の少なくとも一部の各コンテンツ提示装置にそれぞれの補助コンテンツが送信されるようにすることとすることができ、又はこれらの動作がこのようにすることを含むことができる。各コンテンツ提示装置にそれぞれの補助コンテンツが送信されるようにする動作は、例えば(i)コンテンツ管理システム108がそれぞれの選択された補助コンテンツへのリンクを要求してこれらのリンクを各コンテンツ提示装置に送信すること、(ii)フィンガープリント照合サーバ106がコンテンツ管理システム108にこれらのリンクを要求して送信するように命令すること、(iii)補助コンテンツ供給システム112がそれぞれの補助コンテンツへのリンクを求める要求を受け取ってそれぞれのリンクをコンテンツ管理システム108又は各コンテンツ提示装置に送信すること、及び/又は(iv)補助コンテンツ供給システム112がそれぞれの補助コンテンツを求める要求(例えば、ダウンロード要求)を受け取ってそれぞれの補助コンテンツを各コンテンツ提示装置に送信することを伴うことができる。他の例も同様に可能である。
【0170】
別の例では、これらの動作を、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置によってコンテンツ修正動作が完了したかどうかを示す情報をログ記録(例えば、メモリに記憶)又はレポートする動作とすることができ、或いはこれらの動作がこのような動作を含むことができる。一例として、この動作は、識別されたグループ内のどのコンテンツ提示装置がコンテンツ修正動作を完了したかを判定し、このような各コンテンツ提示装置について、完了したコンテンツ修正動作のそれぞれの事例をログ記録することを伴うことができる。別の例として、この動作は、識別されたグループのコンテンツ修正動作を完了しなかった各コンテンツ提示装置にフラグを立てる(例えば、このような各コンテンツ提示装置の装置識別子に関連するフラグを記憶する)ことを伴うことができる。さらに別の例として、この動作は、識別されたグループのコンテンツ修正動作を完了しなかった各コンテンツ提示装置について、エラーコード又はコンテンツ修正動作がなぜ完了しなかったかについての別の示すものをログ記録することを伴うことができる。さらに別の例として、この動作は、要求すべきシステムリソースの量を決定する際にそのコンテンツ提示装置を考慮外とする、チャネルを変更する傾向を有するコンテンツ提示装置の各々にフラグを立てることを伴うことができる。フィンガープリント照合サーバ106又は他の装置は、このようなログ情報の一部又は全部をコンテンツ管理システム100の内部又は外部の他のいずれかの装置にレポートすることができる。この種の情報をログ記録してレポートすることは、コンテンツ管理システム100が未完了のコンテンツ修正動作の原因を特定し、場合によっては正常に実行されるコンテンツ修正動作の量を増やすための是正措置を取るのに役立つことができる。
【0171】
各コンテンツ提示装置は、上述した情報のいずれかのログ記録を容易にするために、数ある情報の中でもとりわけ、完了したコンテンツ修正動作の発生、未完了のコンテンツ修正動作の発生、及び場合によってはいずれかのコンテンツ修正動作が完了しなかった理由をレポートするように構成することができる。
【0172】
コンテンツ修正システム100は、識別されたグループ内に数多くのコンテンツ提示装置が存在する状況で上述した動作を使用して、コンテンツ提示装置がコンテンツ修正動作を実行するのをコンテンツ修正システム100が容易にするのに役立つ要求すべきシステムリソースの量を確実に素早く決定することができ、これによってコンテンツ修正システムのユーザ体験及び信頼度を向上させることができる。これらの動作は、コンテンツ提示装置によるコンテンツ修正動作の実行を容易にする動作を実行する上で使用するためのシステムリソースがどれほど多く割り当てられているかを効率的かつ動的に調整するために使用することもできる。さらに、これらの動作は、識別されたグループ内に少量の(例えば、5台の)コンテンツ提示装置が存在する状況においても、小規模グループに必要量を上回るシステムリソースを割り当てるのを避けること、及び他の目的でシステムリソースを節約することなどのために望む通りに使用することができる。
【0173】
図5は、方法例500のフローチャートである。ブロック502において、方法500は、チャネル上の次回のコンテンツ修正機会を識別することを含む。
【0174】
ブロック504において、方法500は、チャネル上の次回のコンテンツ修正機会を識別したことに応答して、そのチャネルに同調している複数のコンテンツ提示装置のグループを識別することを含む。
【0175】
ブロック506において、方法500は、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の量を、要求すべきシステムリソースの量を決定する基礎として少なくとも部分的に使用することを含む。
【0176】
ブロック508において、方法500は、識別されたグループ内のコンテンツ提示装置の少なくとも一部がそれぞれのコンテンツ修正動作を実行するのを容易にする動作を実行する上で使用できるように、決定された量のシステムリソースを要求することを含む。
【0177】
方法500及び関連する動作は、全体的又は部分的にフィンガープリント照合サーバ106、コンテンツ管理システム108及び/又は補助コンテンツ供給システム112によって実行することができる。いくつかの実装では、方法500及び関連する動作を、コンテンツ修正システム100内の別の装置によって少なくとも部分的に実行することができる。
【0178】
IV.変形例
上述した例及び機能は、特定のエンティティ及び特定の動作に関連して説明したものであるが、実際には多くのこれらのエンティティ及び多くのこれらの動作が場合によっては同時期に又は同時に大規模に実行される可能性が高い。当然ながら、実際には、コンテンツ修正システム100は、(それぞれが多くのチャネルでコンテンツを送信することができる)多くのコンテンツ配信システム及び多くのコンテンツ提示装置を含み、説明した動作の一部又は全部は、これらのエンティティの一部又は全部に関連して日常的に繰り返し実行される可能性が高い。
【0179】
また、本開示において説明した動作の一部は特定のエンティティによって実行されるものとして説明したが、これらの動作は、本開示で説明した他のエンティティなどのいずれかのエンティティによって実行することもできる。さらに、これらの動作については、特定の順序で及び/又は時間的言語例(example temporal language)に関連して記載しているが、これらの動作は記載した順序で実行する必要はなく、いずれかの特定の時間的制約に従って実行する必要もない。しかしながら、いくつかの事例では、これらの動作のうちの1つ又は2つ以上を記載した順序で、別の順序で、及び/又は動作の少なくとも一部が同時期/同時に実行されるように実行することが望ましい場合もある。同様に、いくつかの事例では、これらの動作のうちの1つ又は2つ以上を1又は2以上の記載した時間的制約又はその他のタイミング制約に従って実行することが望ましい場合もある。さらに、説明した動作の各々は、他の説明した動作のうちの1つ又は2つ以上の実行に応答して実行することもできる。また、本開示によってもたらされる恩恵のうちの1つ又は2つ以上を達成するためにこれらの動作を全て実行する必要はなく、従って全ての動作が必要なわけではない。
【0180】
本開示の1又は2以上の例に関連していくつかの変形例を説明したが、これらの変形例は、本開示の他の例の一部又は全部にも同様に当てはまることができ、従って本開示の態様は多くの方法で組み合わせ及び/又は構成することができる。本開示において説明した例は、説明した様々な機能の実用的応用の説明に役立つという理由で少なくとも部分的に選択したものである。
【0181】
また、本開示の選択例について説明したが、当業者にはこれらの例の変更及び置換が明らかであろう。以下の特許請求の範囲に記載する本発明の幅広い態様では、本発明から逸脱することなく他の変更、代用及び/又は変更も可能である。