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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】建築用材料調製供給機
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/02 20060101AFI20220721BHJP
【FI】
E04G21/02 103B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022072929
(22)【出願日】2022-04-27
【審査請求日】2022-04-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522106606
【氏名又は名称】モノリスホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141829
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 牧人
(74)【代理人】
【識別番号】100123663
【弁理士】
【氏名又は名称】広川 浩司
(72)【発明者】
【氏名】川村 剛
【審査官】荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-261721(JP,A)
【文献】特開2016-022719(JP,A)
【文献】特開平07-009431(JP,A)
【文献】特開平06-063951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/00-21/10
E04F 21/00-21/32
B28C 1/00- 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築用材料を収容する材料収容部と、
前記材料収容部内で複数の材料を混合して前記建築用材料とする撹拌部と、
前記材料収容部から前記建築用材料を送出する送出部と、
を備えた可搬性の台車と、
前記送出部と連通するように接続される接続部と、
前記接続部と連通するホース部と、
前記ホース部の先端部に設けられて前記建築用材料を吐出するヘッド部と、
を備えたノズル部材と、
を有し、
前記台車は、水を収容するタンクと、前記タンクからの水と前記送出部から送出された前記建築用材料とを混合させて調製するミキシングノズルと、をさらに備え、
前記ミキシングノズルで調製された前記建築用材料が前記ノズル部材に供給される建築用材料調製供給機。
【請求項2】
前記タンクと前記ミキシングノズルとの間には、前記ミキシングノズルに供給する水の量を調整する調整弁が設けられ、
前記台車は、前記送出部から送出される前記建築用材料の量と、前記調整弁により調整される水の量と、を操作する操作部を有する請求項に記載の建築用材料調製供給機。
【請求項3】
前記ノズル部材は、少なくとも前記ヘッド部の形状が異なる複数種類が用意されており、いずれかの種類の前記ノズル部材を前記台車に接続できる請求項に記載の建築用材料調製供給機。
【請求項4】
前記ノズル部材のうち少なくとも1つは、平面状の塗布面部と、該塗布面部に設けられて前記ホースの内部と連通する吐出口と、を前記ヘッド部に有する請求項に記載の建築用材料調製供給機。
【請求項5】
前記ノズル部材のうち少なくとも1つは、前記ヘッド部からの前記建築用材料の吐出および停止を切り替える吐出操作部を有する請求項に記載の建築用材料調製供給機。
【請求項6】
前記撹拌部は、前記複数の材料を混合する羽根部と、該羽根部を支持して回転駆動部により回転される軸部と、を有し、
前記撹拌部は、少なくとも前記羽根部の形状が異なる複数種類が用意されており、いずれかの種類の前記撹拌部が前記材料収容部内に取付けられる請求項1~のいずれか1項に記載の建築用材料調製供給機。
【請求項7】
前記撹拌部のうち少なくとも1つは、前記軸部を中心軸とした周方向に沿って延びる前記羽根部を有する請求項に記載の建築用材料調製供給機。
【請求項8】
前記撹拌部のうち少なくとも1つは、前記周方向に沿って延びる前記羽根部が複数の孔部を有する請求項に記載の建築用材料調製供給機。
【請求項9】
前記撹拌部のうち少なくとも1つは、前記周方向に沿って延びる前記羽根部が前記軸部の長さ方向に沿ってらせん状に配置される請求項に記載の建築用材料調製供給機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の材料を混合してモルタル等の建築用材料として調製し、これを塗布等のために供給することのできる建築用材料調製供給機に関する。
【背景技術】
【0002】
建築用材料の一つとして、モルタルが広く用いられている。モルタルは、セメントと骨材および水とを混合して調製される。モルタルは、建物の外壁や天井面などの表面の仕上材として用いられる他、レンガやサッシ外枠などの目地材としても用いられる。
【0003】
モルタルは、バケツ等の容器に複数の材料を投入し、これを混合して調製され、それを職人がコテ板などに乗せて左官鏝で塗布する、あるいは充填するなどの作業を行っている。しかしこれは重労働であり、また、熟練した技量も必要になる。このため、モルタルの混合と吹き付けとを機械で行う装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2000-220287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の装置は、モルタルを据置式のホッパに収容し、ホッパから供給されるモルタルは、可搬式の圧送ポンプに送出され、圧送ポンプに接続されたノズル体からモルタルが吐出されるようになっている。しかし、ホッパは据置式であるため、圧送ポンプは一定の範囲でしか移動することができない。このため、より移動の自由度の高い装置が望まれる。
【0006】
また、モルタル等の建築用材料を用いる作業としては、例えば壁面や天井面のひび割れなどに対して塗布することで補修する作業や、サッシ外枠の回りをモルタルで充填する作業などがある。建築用材料を塗布する場合と充填する場合とでは、最適な配合や粘度が異なるため、建築用材料の調製においても、柔軟に対応できる装置が望まれる。
【0007】
本発明は前記課題を鑑みてなされたものであり、移動の自由度が高く、また、建築用材料を柔軟に調製できる建築用材料調製供給機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係る建築用材料調製供給機は、建築用材料を収容する材料収容部と、前記材料収容部内で複数の材料を混合して前記建築用材料とする撹拌部と、前記材料収容部から前記建築用材料を送出する送出部と、を備えた可搬性の台車と、前記送出部と連通するように接続される接続部と、前記接続部と連通するホース部と、前記ホース部の先端部に設けられて前記建築用材料を吐出するヘッド部と、を備えたノズル部材と、を有し、前記台車は、水を収容するタンクと、前記タンクからの水と前記送出部から送出された前記建築用材料とを混合させて調製するミキシングノズルと、をさらに備え、前記ミキシングノズルで調製された前記建築用材料が前記ノズル部材に供給される
【0010】
また、本発明に係る建築用材料調製供給機は、前記タンクと前記ミキシングノズルとの間には、前記ミキシングノズルに供給する水の量を調整する調整弁が設けられ、前記台車は、前記送出部から送出される前記建築用材料の量と、前記調整弁により調整される水の量と、を操作する操作部を有する。
【0011】
また、本発明に係る建築用材料調製供給機は、前記ノズル部材は、少なくとも前記ヘッド部の形状が異なる複数種類が用意されており、いずれかの種類の前記ノズル部材を前記台車に接続できる。
【0012】
また、本発明に係る建築用材料調製供給機は、前記ノズル部材のうち少なくとも1つは、平面状の塗布面部と、該塗布面部に設けられて前記ホースの内部と連通する吐出口と、を前記ヘッド部に有する。
【0013】
また、本発明に係る建築用材料調製供給機は、前記ノズル部材のうち少なくとも1つは、前記ヘッド部からの前記建築用材料の吐出および停止を切り替える吐出操作部を有する。
【0014】
また、本発明に係る建築用材料調製供給機は、前記撹拌部は、前記複数の材料を混合する羽根部と、該羽根部を支持して回転駆動部により回転される軸部と、を有し、前記撹拌部は、少なくとも前記羽根部の形状が異なる複数種類が用意されており、いずれかの種類の前記撹拌部が前記材料収容部内に取付けられる。
【0015】
また、本発明に係る建築用材料調製供給機は、前記撹拌部のうち少なくとも1つは、前記軸部を中心軸とした周方向に沿って延びる前記羽根部を有する。
【0016】
また、本発明に係る建築用材料調製供給機は、前記撹拌部のうち少なくとも1つは、前記周方向に沿って延びる前記羽根部が複数の孔部を有する。
【0017】
また、本発明に係る建築用材料調製供給機は、前記撹拌部のうち少なくとも1つは、前記周方向に沿って延びる前記羽根部が前記軸部の長さ方向に沿ってらせん状に配置される。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る建築用材料調製供給機によれば、可搬性の台車にノズル部材を取付けることで、建築用材料の混合から送出、吐出までを移動しながら行うことができるので、作業の自由度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係る建築用材料調製供給機の斜視図である。
図2】第1ノズル部材のヘッド部付近底面図である。
図3】第1撹拌部を取付けた材料収容部の断面図である。
図4】材料収容部とタンク及びミキシングノズルの断面図である。
図5】台車に第2ノズル部材を取付けた建築用材料調製供給機の斜視図である。
図6】第2撹拌部を取付けた材料収容部の断面図である。
図7】第3撹拌部を取付けた材料収容部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態の建築用材料調製供給機10は、移動可能な台車20において建築用材料を混合して調製し、台車20に接続されたノズル部材30から建築用材料を吐出するものであり、ノズル部材を適宜選択することで、壁面や天井面などの左官薄塗りや、モルタルのサッシ枠埋めなどの作業に用いることができる。
【0021】
図1に示すように、建築用材料調製供給機10は、車輪10aを有して移動可能な台車20と、台車20に接続される第1ノズル部材30とを有している。台車20は、建築用材料を収容する材料収容部21を備えている。材料収容部21は、上方開放状の箱状に形成されており、上部は蓋21aで閉塞することができる。材料収容部21の内部には、複数の材料を混合して建築用材料とするための第1撹拌部50が2つ取付けられている。
【0022】
台車20は、材料収容部21から斜め上方に延びる持ち手部28を有している。持ち手部28を持って押す、あるいは引くことにより、作業者は台車20を任意の場所に移動させることができる。
【0023】
台車20は、材料収容部21の前方に水を収容するタンク25を有している。タンク25内の水は、材料収容部21で混合された建築用材料の粘土を調製するために用いられる。
【0024】
図1では、ノズル部材として第1ノズル部材30が取付けられている。建築用材料調製供給機10に取付け可能なノズル部材は複数種類が用意されており、そのうち1つを台車20に取付けることができる。
【0025】
第1ノズル部材30は、台車20に接続される接続部31と、接続部31と連通する長尺なホース部32と、ホース部32の先端部に設けられるヘッド部33とを有している。第1ノズル部材30は、壁面や天井面のような表面の補修作業に用いることができる。この場合、供給される建築用材料には、粘度の低いモルタルが用いられる。モルタルを構成する材料は、セメントと骨材および水である。
【0026】
ヘッド部33は、ホース部32に対して角度可変に支持されている。図2に示すように、ヘッド部33は、ホース部32が接続されている側と反対側に平面状の塗布面部33aを有している。塗布面部33aには、複数の吐出口33bが設けられている。吐出口33bは、ホース部32を通じて台車20の材料収容部21と連通しており、材料収容部21からの建築用材料を吐出することができる。
【0027】
図3に示すように、台車20は、材料収容部21の内部に第1撹拌部50を有し、材料収容部21の下部には、第1撹拌部50を回転駆動する回転駆動部29が設けられている。回転駆動部29は、例えばモーターで構成することができる。
【0028】
第1撹拌部50は、回転駆動部29に連結されて回転することのできる軸部51と、軸部51に連結された2つの羽根部53とを有している。羽根部53は、軸部51から径方向に延びる支持部52によって支持されている。羽根部53は、周方向に4枚が設けられており、それぞれ軸部51が回転する周方向に沿って延びる面状に形成されている。軸部51は、下端が回転駆動部29に連結されており、上端は蓋21aが有する軸受け部21bに回転可能に支持されている。回転駆動部29により羽根部53が回転することで、材料収容部21に収容された複数の材料が混合されて、建築用材料が調製される。
【0029】
図4に示すように、材料収容部21の中央下部には、送出部23が設けられている。材料収容部21の下面には貫通孔21cが形成されており、貫通孔21cから送出部23に建築用材料が供給される。すなわち、貫通孔21cが送出部23に対する建築用材料の入口となる。送出部23の貫通孔21cとは反対側の端部には、送出部23から建築用材料が排出される連通孔23cが形成されている。すなわち、連通孔23cが送出部23からの建築用材料の出口となる。
【0030】
送出部23は、貫通孔21c側から連通孔23c側に向かって延びる送出スクリュー23aと、送出スクリュー23aを回転駆動する送出駆動部23bとを有している。送出駆動部23bは、例えばモーターで構成することができる。送出駆動部23bにより送出スクリュー23aが回転することで、送出部23内の建築用材料が、材料収容部21側から第1ノズル部材30側に送出される。
【0031】
台車20は、水を収容するタンク25と、タンク25からの水と送出部23から送出された建築用材料とを混合させて調製するミキシングノズル24とを備えている。ミキシングノズル24は、送出部23の連通孔23cと連通する材料入口24aと、タンク25と連通する水入口24bと、建築用材料と水とを混合させる混合羽根24cと、調製された建築用材料を吐出する排出口24dとを有している。タンク25の下面には出口25aが形成され、出口25aとミキシングノズル24の水入口24bとの間には、水の流量を調整する調整弁26が設けられる。排出口24dには、第1ノズル部材30の接続部31が連通する。
【0032】
ミキシングノズル24により、材料収容部21からの建築用材料の粘度を調節することができる。第1ノズル部材30を使用する場合は、水を多めに供給することで、前述のように粘度の低いモルタルを調製することができる。ミキシングノズル24で建築用材料の粘度を低くするように調節できるので、材料収容部21には混合した建築用材料の粘度がやや高めとなるように材料を投入しておき、より詳細な粘度調節はミキシングノズル24で行うようにすることで、使用するノズル部材や現場の状況などに応じて、建築用材料の粘度を柔軟に設定することが可能となる。
【0033】
台車20には、複数のスイッチやボタンを有する操作部27が設けられる。操作部27により、第1撹拌部50のオン・オフ、送出部23のオン・オフと送出量の調節、ミキシングノズル24に注入する水の量などを操作することができる。操作部27により、作業者は、建築用材料の吐出や調製をコントロールすることができる。操作部27は、第1ノズル部材30のヘッド部33付近に設けられてもよい。これにより、作業者が手元で建築用材料の吐出や調製をコントロールすることができる。
【0034】
建築用材料調製供給機10を使用する際には、建築用材料を構成する複数の材料を材料収容部21に投入しておく。このとき、投入する水の量は、建築用材料がやや高めの粘度となるように調整しておくことが望ましい。次に、操作部27を操作して、第1撹拌部50を一定時間に渡って動作させる。これにより、材料収容部21内において建築用材料を調製する。続いて、操作部27を操作して、送出部23を動作させる。これにより、材料収容部21から建築用材料が送出される。このとき、操作部27を操作してタンク25からミキシングノズル24に注入される水の量を調整する。ミキシングノズル24には、送出部23からの建築用材料とタンク25からの水が流入し、両者が混合されて建築用材料の粘度が調節される。ミキシングノズル24内の建築用材料は、送出部23からの圧力により第1ノズル部材30側に送出される。粘度が調節された建築用材料は、第1ノズル部材30に送出され、ヘッド部33から吐出される。
【0035】
本実施形態の建築用材料調製供給機10は、可搬性の台車20に第1ノズル部材30を取付けることで、建築用材料の混合から送出、吐出までを移動しながら行うことができるので、作業の自由度を高くすることができる。
【0036】
次に、別のノズル部材を台車20に取付けた場合について説明する。図5に示すように、台車20には第1ノズル部材30に代えて第2ノズル部材40を取付けることができる。第2ノズル部材40は、台車20に接続される接続部41と接続部41と連通する長尺なホース部材42と、ホース部42の先端部に設けられるヘッド部43とを有している。第2ノズル部材40は、サッシ枠埋めの作業に用いることができる。この場合、供給される建築用材料には、粘度が高く、防水性を有する防水モルタルが用いられる。防水モルタルは、セメントと骨材および水の他、防水性を持たせるための添加物が混合される。また、骨材も、表面補修用のモルタルに比べて粒径がやや大きいものが用いられる。
【0037】
第2ノズル部材40のヘッド部43は、筒状部43aの先端部に当該筒状部43aより狭まった開口を有する吐出ノズル部43bが形成されている。また、筒状部43aの根元部には、建築用材料の吐出をコントロールする吐出操作部43cが設けられる。作業者は、ヘッド部32を手で持って、吐出操作部43cを指で操作することで、建築用材料の吐出と停止をコントロールしつつ、サッシ枠の周りに建築用材料を充填していくことができる。
【0038】
第2ノズル部材40を取付けた場合も、ミキシングノズル24により建築用材料の粘度調整を行うことができる。
【0039】
本実施形態の建築用材料調製供給機10は、使用するノズル部材により、建築用材料の材料や配分が変更される。使用する建築用材料に適した撹拌部を用いることで、効率的に建築用材料の混合を行うことができる。
【0040】
図6に示すように、材料収容部21には、第1撹拌部50に代えて第2撹拌部60を取付けることができる。第2撹拌部60は、回転駆動部29に連結されて回転することのできる軸部61と、軸部61に連結された2つの羽根部63とを有している。羽根部63は、軸部61から径方向に延びる支持部62によって支持されている。羽根部63は、第1撹拌部50の羽根部53と同様、それぞれ軸部61が回転する周方向に沿って延びる面状に形成されている。また、羽根部63は、多数の孔部64を有している。羽根部63が孔部64を有していることで、材料の流動性を確保しつつ混合することができるので、流動性が低く混合しにくい材料や配合の場合に、効率よく建築用材料を混成することができる。
【0041】
図7に示すように、材料収容部21には、第1撹拌部50や第2撹拌部60に代えて第3撹拌部70を取付けることができる。第3撹拌部70は、回転駆動部29に連結されて回転することのできる軸部71と、軸部71に連結された羽根部73とを有している。羽根部73は、軸部71から延びる支持部72によって支持されている。羽根部73と支持部72は、軸部71の長さ方向に沿ってらせん状に配置される。また、羽根部73は、周方向に沿って延びる面に多数の孔部74を有している。このように、羽根部73がらせん状であることで、材料収容部21内の建築用材料を効率よく混合できる。また、羽根部73が孔部74を有していることで、材料の流動性を確保することもできる。
【0042】
第1撹拌部50と第2撹拌部60、および第3撹拌部70は、前述のように、必要とされる建築用材料の種類等に応じて、最適なものを選択して材料収容部21内に取付けることができる。
【0043】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。ノズル部材については、上述の実施形態では左官薄塗り作業に用いられる第1ノズル部材30と、サッシ枠埋め作業に用いられる第2ノズル部材40のいずれかを選択するものとしたが、それ以外の作業に用いられるノズル部材を用意して選択可能としてもよい。また、撹拌部についても、建築用材料を混合できるものであれば、他の形状の撹拌部を用意して選択可能としてもよい。また、建築用材料は、モルタル以外であってもよい。
【符号の説明】
【0044】
10 建築用材料調製供給機
20 台車
20a 車輪
21 材料収容部
21a 蓋
21b 軸受け部
21c 貫通孔
23 送出部
23a 送出スクリュー
23b 送出駆動部
23c 連通孔
24 ミキシングノズル
24a 材料入口
24b 水入口
24c 混合羽根
24d 排出口
25 タンク
25a 出口
26 調整弁
27 操作部
28 持ち手部
29 回転駆動部
30 第1ノズル部材
31 接続部
32 ホース部
33 ヘッド部
33a 塗布面部
33b 吐出口
34 角度可変部
40 第2ノズル部材
41 接続部
42 ホース部
43 ヘッド部
43a 筒状部
43b 吐出ノズル部
43c 吐出操作部
50 第1撹拌部
51 軸部
52 支持部
53 羽根部
60 第2撹拌部
61 軸部
62 支持部
63 羽根部
64 孔部
70 第3撹拌部
71 軸部
72 支持部
73 羽根部
74 孔部
【要約】
【課題】移動の自由度が高く、また、建築用材料を柔軟に調製できる建築用材料調製供給機を提供する。
【解決手段】建築用材料を収容する材料収容部21と、材料収容部21内で複数の材料を混合して建築用材料とする撹拌部50と、材料収容部21から建築用材料を送出する送出部23と、を備えた可搬性の台車20と、送出部23と連通するように接続される接続部31と、接続部31と連通するホース部32と、ホース部32の先端部に設けられて建築用材料を吐出するヘッド部33と、を備えたノズル部材30と、を有する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7