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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】リッドロック装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/05 20060101AFI20220722BHJP
【FI】
B60K15/05 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018096394
(22)【出願日】2018-05-18
(65)【公開番号】P2019199237
(43)【公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】谷 幸央
(72)【発明者】
【氏名】鳥山 賢
【審査官】田中 成彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-108695(JP,A)
【文献】特開2015-209689(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106150230(CN,A)
【文献】特開2019-078070(JP,A)
【文献】特開2007-153155(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0224872(US,A1)
【文献】国際公開第2005/021900(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0027505(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0049080(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/05
E05C 19/00
E05B 83/34
E05B 81/00 - 81/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リッドが開閉可能に軸支された基体に取り付けられるケースと、
筒状に形成されて前記ケースに支持されると共に内側にプッシュロッドが挿入されたロック軸を有し、前記ケースに収容された駆動源の駆動力で前記ロック軸を正逆回転させ、前記ロック軸の先端部に形成されたロック部によって前記リッドを施錠及び解錠するロック機構と、
前記プッシュロッドが軸方向にプッシュ操作される度に前記ロック軸の内側を軸方向に移動して突出と退避とを交互に繰り返すと共に、突出によって前記ロック軸から突出した前記プッシュロッドの先端部が前記リッドを押し開くプッシュリフタと、
を備えたリッドロック装置。
【請求項2】
前記ロック軸と前記プッシュロッドとが同軸上に配置されている請求項1に記載のリッドロック装置。
【請求項3】
前記ロック軸と前記プッシュロッドとが同心円状に配置されている請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載のリッドロック装置。
【請求項4】
前記ロック機構は、前記駆動源によって回転される平歯車と、当該平歯車に噛合されると共に前記ロック軸と一体に回転される扇形の平歯車と、を有する請求項1~請求項3の何れか1項に記載のリッドロック装置。
【請求項5】
前記プッシュロッドの突出状態では、前記プッシュロッドに形成された凸部が前記ロック軸の内側に形成された第1溝部に入り込むことで、前記ロック軸の回転が規制される請求項1~請求項4の何れか1項に記載のリッドロック装置。
【請求項6】
前記リッドが閉じられて前記ロック軸により施錠されている状態では、前記プッシュロッドに形成された凸部が、前記ロック軸の内側に形成された第2溝部に入り込むことで、前記プッシュロッドがプッシュ操作不能となる請求項1~請求項5の何れか1項に記載のリッドロック装置。
【請求項7】
前記駆動源はモータによって構成され、前記モータは、前記モータの軸方向が前記ロック軸及び前記プッシュロッドの軸方向に対して平行に配置されている請求項1~請求項6の何れか1項に記載のリッドロック装置。
【請求項8】
前記ロック機構は、前記ケースの外側へ突出した回転操作部を有し、当該回転操作部の回転操作によって前記ロック軸を解錠位置へ回転可能とされている請求項1~請求項7の何れか1項に記載のリッドロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば車両のフューエルリッド等のリッドのロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載された車両の燃料供給部構造は、車体の給油開口を開閉可能なフューエルリッドと、給油開口から燃料供給口に連なるフューエルアダプタ(基体)と、を備えている。フューエルアダプタには、フューエルリッドを施錠するロック機構と、プッシュ操作によってフューエルリッドを押し開くプッシュ-プッシュ式(ノックカム式)のプッシュリフタと、が別々に取り付けられている。
【0003】
一方、下記特許文献2に記載されたリッド装置では、ノックカム式のプッシュリフタが有するプッシュロッドによってフューエルリッドの施錠及び解錠を行う構成になっている。このリッド装置では、プッシュリフタと一緒に開口部ハウジング(基体)に固定される電動ロック機構によってプッシュロッドがロックされる。このプッシュロッドは、フューエルリッドを押し開く際に没入位置から突出位置へと変位しつつ軸線回りに90°正回転する。これにより、プッシュロッドの先端部に設けられた係止片とフューエルリッドとの係合が解除され、フューエルリッドが解錠される。また、プッシュロッドは、フューエルリッドが閉じられる際に突出位置から没入位置へと変位しつつ軸線回りに90°逆回転される。これにより、上記の係止片がフューエルリッドを施錠する。そして、この状態で電動ロック機構がプッシュロッドをロックすることにより、プッシュロッドが施錠状態に保持される構成になっている。
【0004】
下記特許文献3に記載されたリッド開閉装置では、下記特許文献2に記載されたリッド装置と同様に、プッシュリフタのプッシュロッドによってフューエルリッドの施錠及び解錠を行うと共に、プッシュリフタと一体化された電動ロック機構によってプッシュロッドをロックする構成になっている。このリッド開閉装置では、プッシュリフタがハートカム式とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-6114号公報
【文献】特開2014-91841号公報
【文献】米国特許出願公開第2010/0045049号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載された先行技術では、ロック機構とプッシュリフタとが別々にフューエルアダプタ(基体)に取り付けられるため、取付構造が複雑になる。この点、上記特許文献2、3に記載された先行技術では、プッシュリフタとロック機構とが一緒に基体に取り付けられるので、取付構造が簡素になる。
【0007】
しかしながら、上記特許文献2、3に記載された先行技術では、給油時すなわちフューエルリッドが開かれているときに、誤ってプッシュロッドが没入位置へ押し込まれると、プッシュロッドが逆回転して施錠時の姿勢となる。この状態では、プッシュロッドの係止片がフューエルリッドに対して不適切に係合することで、フューエルリッドを閉じることができなくなるので、プッシュリフタを押し戻す手間が生じる。また、フューエルリッドが閉じた状態でプッシュリフタが故障した場合、フューエルリッドがプッシュロッドによって施錠されたままとなるので、フューエルリッド(リッド)を開くことができなくなる。
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、誤って押し込まれたプッシュロッドを押し戻さなくてもリッドを閉じることができると共に、リッドの閉状態でプッシュリフタが故障した場合でもリッドを開くことができ、しかも基体への取付構造が簡素になるリッドロック装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載のリッドロック装置は、リッドが開閉可能に軸支された基体に取り付けられるケースと、筒状に形成されて前記ケースに支持されると共に内側にプッシュロッドが挿入されたロック軸を有し、前記ケースに収容された駆動源の駆動力で前記ロック軸を正逆回転させ、前記ロック軸の先端部に形成されたロック部によって前記リッドを施錠及び解錠するロック機構と、前記プッシュロッドが軸方向にプッシュ操作される度に前記ロック軸の内側を軸方向に移動して突出と退避とを交互に繰り返すと共に、突出によって前記ロック軸から突出した前記プッシュロッドの先端部が前記リッドを押し開くプッシュリフタと、を備えている。
【0010】
なお、請求項1に記載の「筒状」には、軸方向から見た断面がC字状やU字状のものなど、開断面状のものが含まれるものとする。つまり、請求項1に記載の「プッシュロッド」は、内側にロック軸を挿入可能な略筒状のものであればよい。
【0011】
請求項1に記載の発明では、リッドが開閉可能に軸支された基体にケースが取り付けられる。このケースには、ロック機構の駆動源が収容されると共に、筒状に形成されたロック軸が支持されている。上記のロック機構は、駆動源の駆動力でロック軸を正逆回転させ、ロック軸の先端部に形成されたロック部によってリッドを施錠及び解錠する。プッシュロッドは、上記のロック軸の内側に挿入されており、軸方向にプッシュ操作される度に突出と退避とを交互に繰り返す。このプッシュロッドの突出によってリッドが押し開かれる。
【0012】
この発明では、ロック軸は、プッシュロッドのプッシュ操作とは無関係に、駆動源の駆動力で回転されるので、リッドの開状態でプッシュロッドが誤って退避位置へ押し込まれた場合でも、ロック軸が施錠時の位置へ回転されることがない。このため、プッシュロッドを突出位置へ押し戻さなくても、リッドを閉じることができる。また、上記のようにロック軸がプッシュロッドのプッシュ操作とは無関係に回転されるので、リッドの閉状態でプッシュリフタが故障した場合でもリッドを開けることができる。しかも、ロック機構とプッシュリフタとが別々に基体に取り付けられる構成ではないため、基体への取付構造が簡素になる。
【0013】
請求項2に記載のリッドロック装置は、請求項1に記載のリッドロック装置において、前記ロック軸と前記プッシュロッドとが同軸上に配置されている。
【0014】
請求項2に記載の発明では、筒状に形成されるロック軸と、ロック軸の内側に挿入されるプッシュロッドとが同軸上に配置されるので、ロック軸及びプッシュロッドの配設スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【0015】
請求項3に記載のリッドロック装置は、請求項1又は請求項2に記載のリッドロック装置において、前記ロック軸と前記プッシュロッドとが同心円状に配置されている。
【0016】
請求項3に記載の発明では、筒状に形成されるロック軸と、ロック軸の内側に挿入されるプッシュロッドとが同心円状に配置されるので、ロック軸とプッシュロッドの間に殆ど隙間が生じない。これにより、ロック軸及びプッシュロッドの配設スペースの省スペース化が更に促進される。また、ロック軸とプッシュロッドとの間に水が入り込むことが抑制されるため、ロック軸の内側で水が凍結してプッシュリフタが作動しなくなることが防止される。
【0017】
請求項4に記載のリッドロック装置は、請求項1~請求項3の何れか1項に記載のリッドロック装置において、前記ロック機構は、前記駆動源によって回転される平歯車と、当該平歯車に噛合されると共に前記ロック軸と一体に回転される扇形の平歯車と、を有している。
【0018】
請求項4に記載の発明では、駆動源によって平歯車が回転されると、当該平歯車に噛合された扇形の平歯車がロック軸と一体に回転される。このように、平歯車と扇形の平歯車とを用いることで、ロック機構を簡素で小型な構成にすることができる。また、ロック機構を、駆動源によって回転されるウォームとウォームに噛合されたホイールとによって構成する場合に比べて、金型費用を低減させることができ、部品コストが軽減される。
【0019】
請求項5に記載のリッドロック装置は、請求項1~請求項4の何れか1項に記載のリッドロック装置において、前記プッシュロッドの突出状態では、前記プッシュロッドに形成された凸部が前記ロック軸の内側に形成された第1溝部に入り込むことで、前記ロック軸の回転が規制される。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、プッシュロッドの突出状態すなわちリッドの開状態では、プッシュロッドに形成された凸部がロック軸の内側に形成された第1溝部に入り込むことで、ロック軸の回転が規制される。これにより、プッシュロッドの突出状態で駆動源が誤って作動された場合でも、ロック軸が不用意に回転されることを防止できる。
【0021】
請求項6に記載のリッドロック装置は、請求項1~請求項5の何れか1項に記載のリッドロック装置において、前記リッドが閉じられて前記ロック軸により施錠されている状態では、前記プッシュロッドに形成された凸部が、前記ロック軸の内側に形成された第2溝部に入り込むことで、前記プッシュロッドがプッシュ操作不能となる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、リッドが閉じられてロック軸により施錠されている状態では、プッシュリフタのプッシュロッドがプッシュ操作不能となるので、プッシュリフタの誤作動を防止することができる。
【0023】
請求項7に記載のリッドロック装置は、請求項1~請求項6の何れか1項に記載のリッドロック装置において、前記駆動源はモータによって構成され、前記モータは、前記モータの軸方向が前記ロック軸及び前記プッシュロッドの軸方向に対して平行に配置されている。
【0024】
請求項7に記載の発明によれば、駆動源を構成するモータの軸方向がロック軸及びプッシュロッドの軸方向に対して平行に配置されている。これにより、ロック機構、プッシュリフタ、駆動源の配設スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【0025】
請求項8に記載のリッドロック装置は、請求項1~請求項7の何れか1項に記載のリッドロック装置において、前記ケースの外側へ突出した回転操作部を有し、当該回転操作部の回転操作によって前記ロック軸を解錠位置へ回転可能とされている。
【0026】
請求項8に記載の発明によれば、ケースの外側へ突出した回転操作部を回転操作することで、ロック軸を解錠位置へ回転可能とされている。これにより、例えばリッドが閉じられてロック軸により施錠されている状態のときに、電気系統のトラブルによってロック機構の駆動源が作動しなくなった場合でも、リッドの解錠を行うことができる。
【発明の効果】
【0027】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、誤って押し込まれたプッシュロッドを押し戻さなくてもリッドを閉じることができると共に、リッドの閉状態でプッシュリフタが故障した場合でもリッドを開くことができ、しかも基体への取付構造が簡素になる。
【0028】
請求項2に係る発明によれば、ロック軸及びプッシュロッドの配設スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【0029】
請求項3に係る発明によれば、ロック軸及びプッシュロッドの配設スペースの省スペース化が更に促進されると共に、ロック軸とプッシュロッドとの間に水が入り込むことが抑制されるため、ロック軸の内側で水が凍結してプッシュリフタが作動しなくなることが防止される。
【0030】
請求項4に係る発明によれば、ロック機構を簡素で小型な構成にすることができると共に、駆動源によって回転されるウォームとウォームに噛合されたホイールとを用いる場合に比べて、金型費用を低減させることができ、部品コストが軽減される。
【0031】
請求項5に係る発明によれば、プッシュロッドの開状態で駆動源が誤って作動された場合でも、ロック軸が不用意に作動されることが防止される。
【0032】
請求項6に係る発明によれば、リッドが閉じられてロック軸に施錠されている状態では、プッシュロッドのプッシュ操作が不能となるため、プッシュリフタの誤作動が防止される。
【0033】
請求項7に係る発明によれば、ロック機構、プッシュリフタ、駆動源の配設スペースの省スペース化を図ることが可能となる。
【0034】
請求項8に係る発明によれば、例えば電気系統のトラブルによってロック機構の駆動源が作動しなくなった場合でも、リッドの施錠をおこなうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の実施形態に係るリッドロック装置を含んで構成されたフューエルリッドアッセンブリを示す斜視図であり、フューエルリッドの開状態を示す図である。
図2図1に示されるフューエルリッドアッセンブリを図1とは異なる角度から見た斜視図である。
図3】フューエルリッドの閉状態を示す図2に対応した斜視図である。
図4図3に示される構成の一部を図3の矢印A方向から見た平面図であり、フューエルリッドの解錠状態を示す図である。
図5】フューエルリッドの施錠状態を示す図4に対応した平面図である。
図6】本発明の実施形態に係るリッドロック装置を示す斜視図であり、プッシュロッドが突出位置に位置し、ロック軸が解錠位置に位置する状態を示す図である。
図7図6に示されるリッドロック装置を図6とは異なる角度から見た斜視図であり、プッシュロッドが退避位置に位置し、ロック軸が施錠位置に位置する状態を示す図である。
図8】プッシュロッドが突出位置に位置し、ロック軸が解錠位置に位置する状態を示す図7に対応した斜視図である。
図9図6に示すリッドロック装置を示す分解斜視図である。
図10図6に示されるプッシュリフタのプッシュロッドが突出位置に位置し、ロック軸が解錠位置に位置する状態を示す図6の一部に対応した要部拡大斜視図である。
図11図6に示されるプッシュリフタのプッシュロッドが退避位置に位置し、ロック軸が解錠位置に位置する状態を示す図6の一部に対応した要部拡大斜視図である。
図12図6に示されるプッシュリフタのプッシュロッドが退避位置に位置し、ロック軸が施錠位置に位置する状態を示す図6の一部に対応した要部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図1図12を用いて、本発明の実施形態に係るリッドロック装置10について説明する。なお説明の都合上、図6図8図10図12に適宜記す矢印FR、UPを、それぞれリッドロック装置10の前方向、上方向とする。以下、単に前後上下の方向を用いて説明する場合、リッドロック装置10に対する方向を示すものとする。これらの方向は、リッドロック装置10の使用状態での方向とは無関係である。また、各図においては、図面を見易くする関係から、一部の符号を省略している場合がある。
【0037】
(構成)
図1図5に示されるように、本実施形態に係るリッドロック装置10は、フューエルリッドアッセンブリ12の構成要素とされている。このフューエルリッドアッセンブリ12は、自動車等の車両の車体に取り付けられ、燃料供給部の一部を構成するものである。構造的には、基体としての開口部ハウジング14と、開口部ハウジング14に開閉可能に軸支されたリッドとしてのフューエルリッド16と、フューエルリッド16の外側に配置され、フューエルリッドアッセンブリ12の意匠面を構成するリッドアウタパネル18とを備えている。なお、図4図5では、説明の便宜上、リッドアウタパネル18の図示を省略している。
【0038】
開口部ハウジング14は、例えば樹脂によって長尺な箱状に形成されており、長手方向と直交する方向の一方側に開口部14Aを有している。この開口部ハウジング14の底壁14Bには、燃料供給口15が形成されている。この燃料供給口15には、図示しない燃料供給パイプが接続される構成になっている。
【0039】
フューエルリッド16は、例えば樹脂によって長尺な板状に形成されており、長手方向一端部が開口部ハウジング14の長手方向一端部に軸支されている。このフューエルリッド16は、開口部14Aを開放する開位置(図1及び図2に示される位置)と、開口部14Aを閉塞する閉位置(図3図5に示される位置)との間で、開口部ハウジング14に対して回転可能とされている。フューエルリッド16の長手方向他端部には、ロック孔20が形成されており、開口部ハウジング14の長手方向他端部には、リッドロック装置10が取り付けられている。このリッドロック装置10は、フューエルリッド16が閉位置に位置する状態(閉状態)において、上記のロック孔20と対向する位置に配置されている。
【0040】
リッドアウタパネル18は、例えばアルミニウム合金によって長尺な板状に形成されており、リッドアウタパネル18の内側面の周縁部が、フューエルリッド16の外側面の周縁部に接合されている。これにより、リッドアウタパネル18は、フューエルリッドアッセンブリ12の意匠面を構成している。また、この状態では、フューエルリッド16とリッドアウタパネル18によって、閉断面が形成されている。なお、リッドアウタパネル18を他の金属で形成してもよく、例えば鋼板で形成してもよい。
【0041】
図6図9に示されるように、リッドロック装置10は、ケース30と、ロック機構40と、プッシュリフタ60とを備えている。ケース30は、上下に分割されて互いに結合されたアッパケース32とロアケース34とによって構成されている。アッパケース32とロアケース34とは、例えば爪嵌合によって結合されている。なお、図7及び図8では、説明の便宜上、アッパケース32の図示を省略している。また、図9では、説明の便宜上、ベルト36及びワイヤー38の図示を省略している。
【0042】
アッパケース32の前部には、軸方向の寸歩が短い筒状をなす筒状部32Aが形成されている。この筒状部32Aは、リッドロック装置10の上下方向を軸方向として形成されている。
【0043】
また、ロアケース34の前端部には、固定部34Aが形成されている、また、ロアケース34の後端部には、後方側へ延びる固定部34Bが形成されている。これらの固定部34A、34Bは、例えばビス止め等の手段で開口部ハウジング14に固定される。これにより、リッドロック装置10が開口部ハウジング14に取り付けられる構成になっている。
【0044】
ロック機構40は、ケース30内に収容された駆動部42と、駆動部42によって回転されるロック軸46とを備えている。駆動部42は、駆動源としてのモータ48と、モータ48の回転軸(図示省略)と一体に回転される第1平歯車50と、第1平歯車50に噛合された扇形の第2平歯車52とによって構成されている。第1平歯車50、第2平歯車52及びロック軸46は、例えば樹脂によって形成されている。なお、第1平歯車50が本発明における「平歯車」に相当し、第2平歯車52が本発明における「扇形の平歯車」に相当する。
【0045】
モータ48は、図示しない回転軸の軸方向がリッドロック装置10の上下方向に沿う姿勢でケース30内の後部に収容されている。このモータ48は、例えば車両の運転席周辺に設けられる集中ドアロックボタン(図示省略)の操作によって、正逆回転される構成になっている。
【0046】
第1平歯車50は、ケース30内の後部に収容されており、モータ48の回転軸に同軸的に固定されている。
【0047】
第2平歯車52は、ケース30内の前部に収容されており、リッドロック装置10の上下方向を軸方向とする姿勢で第1平歯車50に噛合されている。この第2平歯車52は、アッパケース32の筒状部32Aの下方において当該筒状部32Aと同軸的に配置されている。また、第2平歯車52は、外周部がロアケース34の上端部に形成された扇形の台座部34Cに下方側から回転可能に支持されている。そして、第2平歯車52は、モータ48が正逆回転されることにより、90°の回転範囲で正逆回転される構成になっている。
【0048】
また、図7及び図8に示されるように、第2平歯車(セクタギヤ)52には、第1平歯車50と噛合される部位とは反対側の部位に、第2平歯車52の径方向外側に延びる円柱状の回転操作部52Aが一体に設けられている。この回転操作部52Aは、台座部34Cの周縁部に第2平歯車52の周方向に沿って形成された切欠き部34D上を通過してケース30の外側へ突出されている。また、回転操作部52Aには、長尺な帯状に形成されたベルト36の一端が係止されている。具体的には、ベルト36にはその一端から他端にかけて長孔37Aが形成されており、更に他端には円孔37Bが形成されている。この長孔37Aの一端には回転操作部52Aが係止されており、円孔37Bにはワイヤー38が係止されている。なお、ベルト36は、大部分が第2平歯車52の周方向に沿ってケース30の外周縁部(ここでは切欠き部34D)の内側に配置されており、ワイヤー38と接続された端部のみがケース30の外側に突出されている。そして、ワイヤー38を図7に示される矢印B方向に引っ張ると、ベルト36がケース30の外側に引き出されると共に回転操作部52Aが第2平歯車52の軸回りに旋回される。回転操作部52Aは、この回転操作によって、図7に示されるベルト引込位置から図8に示されるベルト引出位置まで回転可能とされている。
【0049】
ロック軸46は、円筒状に形成されており、モータ48の軸方向に平行な方向(リッドロック装置10の軸方向)を軸方向とする姿勢でアッパケース32の筒状部32Aを貫通するように配置されている。これにより、ロック軸46は、ケース30から上方側へ立設されている。また、ロック軸46の下端部は、第2平歯車52に同軸的に固定されている。換言すると、ロック軸46は、第2平歯車52を介してケース30に支持されている。これにより、ロック軸46は、第2平歯車52と一体で回転されて、第2平歯車52が90°の回転範囲で正逆回転されることにより、図4図6図8図10図11に示される解錠位置と、図5図7図12に示される施錠位置との間で正逆回転される構成になっている。また、このロック軸46は、前述した回転操作部52Aの回転操作によって、図7に示される施錠位置から図8に示される解錠位置へ回転可能とされている。
【0050】
ロック軸46の上端部(先端部)には、互いにロック軸46の径方向の反対側へ突出したロック部としての一対の凸部46Aが形成されている。この一対の凸部46Aは、ロック軸46の軸方向の寸法が小さい略板状をなしている。これにより、ロック軸46の上端部は、軸方向から見て、ロック孔20と同様の略長尺矩形状(略長円形状)とされている。
【0051】
また、図9図12に示されるように、ロック軸46の内周部には、ガイド溝54が形成されている。ガイド溝54は、略L字形に形成されており、ロック軸46の軸方向に延びた第1溝部54Aと、第1溝部54Aの下端部からロック軸46の周方向に延びた第2溝部54Bと、から構成されている。また、このガイド溝には、後述するプッシュロッド64のガイド凸部64Bが嵌合されている。
【0052】
プッシュリフタ60は、外筒部62と、プッシュロッド(内筒部)64と、回転子66と、圧縮コイルスプリング(付勢部材)68とを備えている。外筒部62、プッシュロッド64、及び回転子66は、例えば樹脂によって形成されている。
【0053】
外筒部62は、リッドロック装置10の上下方向を軸方向とする円筒状に形成されており、ケース30の前部に収納されている。この外筒部62の下部は、ロアケース34の前部の内側に嵌合している。これにより、外筒部62がケース30に支持されている。
【0054】
プッシュロッド64は、リッドロック装置10の上下方向を軸方向とする長尺な円柱状に形成されており、上部側がロック軸46の内側に同軸的に挿入されている。また、プッシュロッド64の軸方向から見て、ロック軸46とプッシュロッド64とが同心円状に配置されている(図4参照)。すなわち、プッシュロッド64の外周面とロック軸46との間にはクリアランスが殆ど形成されない構成とされている。さらに、プッシュロッド64の上下方向中間部にはOリング70が装着されており、プッシュロッド64の外周面とロック軸46との間が、このOリング70によってシールされている。一方、プッシュロッド64の下部側は、外筒部62の内側に挿入(嵌入)されており、プッシュロッド64は、外筒部62に対して軸方向にスライド可能とされている。
【0055】
プッシュロッド64の下端部の外周部には、プッシュロッド64の径方向外側へ突出した複数(ここでは4つ)の突起部64Aが形成されている。複数の突起部64Aは、外筒部62の内周部に形成された図示しない複数(ここでは4つ)のスライド溝に嵌合している。複数のスライド溝は、外筒部62の軸方向に延びており、プッシュロッド64は、外筒部62に対する相対回転を規制されている。上記複数のガイド溝は、外筒部62の上端部までは形成されておらず、外筒部62に対するプッシュロッド64の軸方向のスライド範囲は、図1図2図6図8図10に示される突出位置と、図4図5図7図11図12に示される退避位置との間に制限されている。
【0056】
プッシュロッド64の下方で外筒部62内には、回転子66が配置されている。回転子66は、リング状に形成されており、プッシュロッド64と同軸上に配置されている。この回転子66の下方には、圧縮コイルスプリング68が配置されている。この圧縮コイルスプリング68は、ロアケース34の底壁と回転子66との間で圧縮されており、回転子66を上方へ付勢している。これにより、回転子66の上面がプッシュロッド64の下面に押し当てられている。回転子66の外周には、回転子66の径方向外側へ突出した複数(ここでは4つ)の突起部66Aが形成されている。複数の突起部66Aは、外筒部62の内周部に形成された図示しない複数(ここでは4つ)のカム溝に嵌合している。複数のカム溝は、外筒部62の軸方向に延びている。
【0057】
上記構成のプッシュリフタ60は、フューエルリッド16のオープナーとして機能するものであり、公知のノックカム機構を構成している。このプッシュリフタ60では、プッシュロッド64が軸方向にプッシュ操作されると、回転子66が軸方向に移動しつつ回転し、軸方向に上昇した位置と下降した位置とに交互に位置決めされる構成になっている。これにより、プッシュロッド64が軸方向にプッシュ操作される度に突出位置と退避位置との間で交互に移動される(突出と退避とを交互に繰り返す)構成になっている。このノックカム機構は、従前より多くのノック式筆記具等に適用されている公知のものであるため、詳細な説明は省略する。
【0058】
また、プッシュロッド64には、上述したOリング70の下方かつ突起部64Aの上方に、プッシュロッド64の径方向外側へ突出したガイド凸部64Bが形成されている。このガイド凸部64Bは、ロック軸46の内周部に形成されたガイド溝54に嵌合されている。
【0059】
図10に示されるように、プッシュロッド64が突出位置に位置する状態(突出状態)では、ガイド凸部64Bが、ガイド溝54を構成する第1溝部54Aの上端部に嵌合されている。これにより、ロック軸46の回転が規制される構成とされている。さらに、この状態から、プッシュロッド64を押し下げると、ガイド凸部64Bが第1溝部54Aに沿って下方側(図10に示される矢印C参照)にスライドされる。
【0060】
図11に示されるように、プッシュロッド64が退避位置に位置する状態(退避状態)では、ガイド凸部64Bが、ガイド溝54を構成する第1溝部54Aの下端部に嵌合されている。この状態で、モータ48が作動されてロック軸46が解錠位置から施錠位置へと回転されると、ガイド凸部64Bが、第1溝部54Aの下端部から第2溝部54Bへと相対的にスライドされる(図11に示される矢印D参照)。これにより、ガイド凸部64Bが第2溝部54Bに嵌合された状態となる(図12参照)。この状態では、ロック軸46の第2溝部54Bによって、プッシュロッド64の上下方向(プッシュロッド64の軸方向)の移動が規制される構成とされている。
【0061】
上記構成のリッドロック装置10では、ロック軸46及びプッシュロッド64が、開口部ハウジング14の長手方向他端部を貫通した状態で開口部ハウジング14の長手方向他端部に取り付けられている(図1及び図2参照)。このリッドロック装置10は、フューエルリッド16が閉状態(図3図5参照)で、ロック軸46及びプッシュロッド64の軸方向と、フューエルリッド16の厚さ方向が一致するように配置されている。このフューエルリッド16が開状態(図1及び図2参照)では、通常は、ロック軸46が解錠位置に配置され、プッシュロッド64が突出位置に配置される構成になっている。
【0062】
プッシュロッド64は、フューエルリッド16が閉じられる際に、プッシュロッド64の上部がフューエルリッド16のロック孔20に挿入される。そして、ロック孔20と対向配置されたリッドアウタパネル18の長手方向他端部に押されてプッシュ操作される。
これにより、プッシュロッド64が突出位置から退避位置へと移動される。
【0063】
フューエルリッド16が閉じた状態(図3図5参照)では、ロック軸46の上端部がロック孔20に挿通される。この状態で、モータ48が作動されてロック軸46が解錠位置から施錠位置へと回転されると、図5に示されるように、一対の凸部46Aがロック孔20の縁部に係合する。これにより、フューエルリッド16が閉位置において施錠される構成になっている。一方、フューエルリッド16が開かれる際には、モータ48が作動されてロック軸46が施錠位置から解除位置へと回転される。次いで、リッドアウタパネル18の長手方向他端部が開口部ハウジング14側へ押圧されることにより、プッシュロッド64がプッシュ操作される。これにより、プッシュロッド64が退避位置から突出位置へと突出する。この突出によってリッドアウタパネル18が押し開かれると共に、フューエルリッド16が半開きになる。その後、半開きになったフューエルリッド16の開口部ハウジング14との間の隙間に指等がかけられて、フューエルリッド16が全開にされる構成になっている。
【0064】
(作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0065】
上記構成のリッドロック装置10では、フューエルリッド16が開閉可能に軸支された開口部ハウジング14にケース30が取り付けられる。このケース30には、ロック機構40のモータ48が収容されると共に、プッシュリフタ60のプッシュロッド64が支持されている。ロック機構40は、モータ48の駆動力でロック軸46を正逆回転させ、ロック軸46の先端部に形成された一対の凸部46Aによってフューエルリッド16を施錠及び解錠する。プッシュロッド64は、筒状に形成されたロック軸46の内側に挿入されており、軸方向にプッシュ操作される度に突出と退避とを交互に繰り返す。このプッシュロッド64の突出によってフューエルリッド16が押し開かれる。
【0066】
本実施形態では、ロック軸46は、プッシュロッド64のプッシュ操作とは無関係に、モータ48の駆動力で回転される。このため、フューエルリッド16の開状態でプッシュロッド64が誤って退避位置へ押し込まれた場合でも、ロック軸46が施錠時の位置へ回転されることがない。このため、プッシュロッド64を突出位置へ押し戻さなくても、フューエルリッド16を閉じることができる。また、上記のようにロック軸46がプッシュロッド64のプッシュ操作とは無関係に回転されるので、フューエルリッド16の閉状態でプッシュリフタ60が故障した場合でもフューエルリッド16を開けることができる。しかも、ロック機構40とプッシュリフタ60とが別々に基体に取り付けられる構成ではないため、開口部ハウジング14への取付構造が簡素になる。
【0067】
また、本実施形態では、筒状に形成されたロック軸46と、ロック軸46の内側に挿入されたプッシュロッド64とが同軸上に配置されている。これにより、ロック軸46及びプッシュロッド64の配設スペースの省スペース化を図ることができると共に、ロック軸46及びプッシュロッド64の設計が容易になる。
【0068】
さらに、本実施形態では、筒状に形成されたロック軸46と、ロック軸46の内側に挿入されたプッシュロッド64とが同心円状に配置されるので、ロック軸46とプッシュロッド64の間に殆どクリアランスが生じない。これにより、ロック軸46及びプッシュロッド64の配設スペースの省スペース化が更に促進される。また、ロック軸46とプッシュロッド64との間に水が入り込むことが抑制されるため、ロック軸46の内側で水が凍結してプッシュリフタ60が作動しなくなることが防止される。
【0069】
さらに、本実施形態では、モータ48によって第1平歯車50が回転されると、当該第1平歯車50に噛合された扇形の第2平歯車52がロック軸46と一体に回転される。このように、第1平歯車50と第2平歯車52とを用いることで、ロック機構40を簡素で小型な構成にすることができる。また、ロック機構40を、駆動源によって回転されるウォームと、ウォームに噛合されたホイールと、によって構成する場合に比べて、金型費用を低減させることができ、部品コストが軽減される。
【0070】
さらに、本実施形態では、プッシュロッド64の突出状態すなわちフューエルリッド16の開状態では、プッシュロッド64に形成されたガイド凸部64Bがロック軸46の内周部に形成された第1溝部54Aに入り込むことで、ロック軸46の回転が規制される(図10参照)。これにより、プッシュロッド64の突出状態でモータ48が誤って作動された場合でも、ロック軸46が不用意に回転されることを防止できる。
【0071】
さらに、本実施形態では、フューエルリッド16が閉じられてロック軸46が施錠位置に位置する状態(図7図12参照)では、プッシュロッド64に形成されたガイド凸部64Bが、ロック軸46の内周部に形成された第2溝部54Bに入り込むことで、プッシュロッド64がプッシュ操作不能となる。これにより、ロック軸46が施錠位置に位置する状態でプッシュリフタが誤作動されることを防止できる。
【0072】
さらに、本実施形態では、モータ48の軸方向がロック軸46及びプッシュロッド64の軸方向に対して平行に配置されている。これにより、ロック機構40、プッシュリフタ60、及びモータ48の配設スペースの省スペース化を図ることができる。
【0073】
さらに、本実施形態では、ロック機構40は、ケース30の外側へ突出した回転操作部52Aを有しており、当該回転操作部52Aの回転操作によってロック軸46を解錠位置へ回転可能とされている。これにより、例えばフューエルリッド16が閉じられてロック軸46により施錠されている状態のときに、電気系統のトラブルによってロック機構40のモータ48が作動しなくなった場合でも、フューエルリッド16の解錠を行うことができる。
【0074】
<実施形態の補足説明>
上記実施形態では、ロック軸46とプッシュロッド64とが同軸上に配置された構成にしたが、これに限らず、ロック軸46の軸線とプッシュロッド64の軸線とがずれて配置された(平行に配置された)構成にしてもよい。
【0075】
また、上記実施形態では、ロック軸46が円筒状に形成された構成にしたが、これに限らず、ロック軸46は筒状又は略筒状であればよく、その断面形状は適宜変更可能である。すなわち、ロック軸46の断面形状は、例えば矩形や六角形でもよく、C字形やU字形であってもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、プッシュリフタ60がノックカム式とされた構成にしたが、これに限らず、プッシュリフタ60がハートカム式とされた構成にしてもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、モータ48が駆動源とされた構成にしたが、これに限るものではない。駆動源は、例えばソレノイド(電磁弁)であってもよい。また、駆動源としてのモータには、サーボモータが含まれる。
【0078】
また、上記辞し形態では、第2平歯車52に回転操作部52Aを設ける構成にしたが、これに限らず、第2平歯車52に回転操作部52Aを設けない構成としてもよい。この場合、電気系統のトラブル等によってロック機構40のモータ48が作動しなくなった場合でも、フューエルリッド16の解錠を行うことはできない。しかしながら、誤って押し込まれたプッシュロッド64を押し戻さなくてもフューエルリッド16を閉じることができると共に、フューエルリッド16の閉状態でプッシュリフタ60が故障した場合でもフューエルリッド16を開くことができるという本発明の課題を解決することができる。また、リッドロック装置10の開口部ハウジング14への取付構造が簡素になるという本発明の課題も解決することができる。
【0079】
また、上記実施形態では、リッドロック装置10が、フューエルリッドアッセンブリ12の構成要素とされた場合について説明したが、これに限るものではない。本発明に係るリッドロック装置は、例えば洗濯機等の電化製品に設けられたリッド(蓋体)をロックするためのロック装置としても適用可能である。
【0080】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは勿論である。
【符号の説明】
【0081】
10 リッドロック装置
14 開口部ハウジング(基体)
16 フューエルリッド(リッド)
30 ケース
40 ロック機構
46 ロック軸
46A 一対の凸部(ロック部)
48 モータ(駆動源)
50 第1平歯車(平歯車)
52 第2平歯車(扇形の平歯車)
54A 第1溝部
54B 第2溝部
60 プッシュリフタ
64 プッシュロッド
64B ガイド凸部64B(凸部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12