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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】歩行杖
(51)【国際特許分類】
   A45B 9/00 20060101AFI20220722BHJP
   A61H 3/02 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
A45B9/00 B
A61H3/02 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022024273
(22)【出願日】2022-02-01
【審査請求日】2022-02-01
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522065060
【氏名又は名称】森 達雄
(72)【発明者】
【氏名】森 達雄
【審査官】東 勝之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0029662(US,A1)
【文献】特開2018-038463(JP,A)
【文献】特開2010-184107(JP,A)
【文献】登録実用新案第3185908(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45B 9/00
A61H 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項6】
直立部と傾斜部のいずれか、または両方に緩衝機構を備えた、請求項1から5に記載の歩行杖。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行を補助するのに好適な歩行杖に関する。
【背景技術】
【0002】
歩行杖を保持する場合、グリップの角度でその杖の荷重負担免除力や使い方などが決まってくる。グリップの種類はその角度から大きく3つに分けられる。グリップが地面に対して「平行」「斜め」「垂直」の3種類である。
【0003】
グリップが地面に対して平行な杖の代表として松葉杖がある。脇に挟むことによって体重を支えるので、荷重負担免除力が高い。T字杖は松葉杖の脇に挟む部分をなくした形状に近い。また、ロフストランドクラッチの様に腕に固定する杖や、多脚杖の様に杖の接地面の安定性を高めた杖も、グリップ部分は地面に対して平行な物が多い。特許文献1では脇に挟んで使用する荷重負担免除力を高めた杖が開示されている。また、特許文献2では斜めに突いても安定して使える、安全性を高めた多脚杖が開示されている。
【0004】
グリップが傾斜している杖は手首への負担を軽減する目的で設計されたものが多い。特許文献3では、グリップの角度を変更できるようにした歩行補助具が開示されている。特許文献4では、上部シャフト部に対してグリップ部と下部シャフト部を屈曲させ、下部シャフト部の先端が、グリップ部の先端より前方にあるような構成にしたウォーキング用の杖が開示されている。
【0005】
グリップが地面に対して垂直な杖として、一本杖やウォーキングポール、トレッキングポールなどがある。グリップ部分に長さの調節が可能なストラップを取り付けて、荷重をかけやすくしたものや、素材を工夫して軽量化を図るとともに、ポールを分割して携帯性を高めた製品も提供されている。
【0006】
使用時の衝撃を緩衝する機構はそれぞれのグリップ形状の杖において提案されている。例えば、特許文献5ではロフストランドクラッチの先端に板バネが取り付けられている。特許文献6ではポールの先端に板バネを取り付けて、衝撃緩和と推進力を与える歩行補助具が開示されている。特許文献7では先端バネ機構を有するポールが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2021-112548 脇に挟む杖
【文献】特開2020-092773 斜めでも使える多脚杖
【文献】特表平5-501964 グリップの角度が可変な歩行補助具
【文献】特開2010-184107 グリップと下部シャフトが傾斜しているウォーキング杖
【文献】特開2019-195392 先端に板バネを付けているロフストランドクラッチ
【文献】特開2019-98178 先端に板バネを備えた歩行補助具
【文献】特表2018-511357 先端バネ機構を有するポール
【0008】
【文献】株式会社SINANO ホームページ 杖のつき方
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
高齢化社会が進むにつれて、自分の足で歩きたいという希望を持ちながらも、歩くのがつらいという現実の中で、家に閉じこもりがちな人たちが増えている。そんな人たちを少しでも外へと導きたい。そんな思いを抱いている人もまた数多くいると思う。そんな、外で歩きたい、歩かせたいと思う人々にとって希望が湧くような歩行杖を提供したい。
【0010】
そのためには次の3点を同時に満たす杖を生み出す必要がある。「安心して使える杖」「長時間使える杖」「推進力を生む杖」の3点である。
【0011】
例えば、松葉杖は安心して使えるかもしれないが、長時間使うことは難しい。松葉杖を使うことによって推進力を得て、軽快に動くことをのぞむ人もいない。T字杖は松葉杖よりも使いやすいが、荷重負担免除力は低い。また、筋力の弱い人たちにとって、適切な位置に杖の先端を置くことは決して簡単ではない。ロフストランドクラッチや多脚杖はT字杖より安心して使えるかもしれないが、長時間使うのには向いていない。また、ウォーキングポールやトレッキングポールは長時間使えるように作られているが、推進力は腕が地面を押す力に頼っている。本発明は、これらの問題点を同時に解決するためになされたものである。
【0012】
従来からある歩行杖を例にとって、その動きを見てみる。図4は歩行杖と体の動きを模式的に表したもので、図5図4の動きをした時の足と杖の接地点を上から見た図である。使用者は杖を右手に持ち、図に向かって右から左に移動している。動き始める時は、まず右手を動かして、杖の接地点をP0からP1に移動させなければならない。続いてP1の左のL1の位置に左足を移動させる。その際、杖はP1を支点としてグリップ部が円弧状に移動するので、手首の角度をそれに合わせて変化させるとともに上腕や肩を動かす必要がある。続いて右足を、左足と杖の間を通らせてR1に移動させるとともに、杖の先端を地面から離して、P2へ移動させる。その後、P2の横のL2に左足を持っていくとともに、その動きを繰り返す。
【0013】
最初のP1に杖の先を置くという動作については、適切な位置に置くことに対する不安を持つ使用者もいる。そして、杖の動きに合わせて手首や腕、肩を動かすという動作は高齢者や筋力の弱った人々にとっては決してやさしいものではない。また、推進力が必要な場合は、杖を使って地面を後方へ押すという動作も必要となる。
【0014】
本発明は、このような構成が有していた問題を同時に解決しようとするものであり、安心して、長時間使用でき、かつ、推進力を与えてくれる歩行杖を実現することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上記の目的を達成するために、歩行杖に直立部と傾斜部を設け、歩行杖を弾性の範囲内で変形させて使うようにしたものである。そして、傾斜部の地面と接する点と、直立部の延長線が地面と交わる点との距離が1足長で、かつ、直立部の手で持つ位置と、直立部と傾斜部の接続点との距離が1足長となる構成としたことである。
【0016】
なお、1足長とは使用者の足のサイズのことで、25cmを基準とし、使用者の身体的特徴や使用状況に応じて15cmから35cm程度の長さとする。また、地面とは使用者が歩行している面を意味し、土地の表面に限定されない。
【0017】
上記の課題解決手段による作用は次の通りである。すなわち、直立部を持って地面を突いた場合、直立部の延長線上に地面と接する点がないため、杖本体には圧縮力の他に、せん断力や曲げモーメントが働き、弾性の範囲内で弾性体としての作用をさせることが出来る。
【0018】
また、本発明の歩行杖の先端は、停止時に1足長前方の地面を支持しているので、安心して1歩目を踏み出すことが出来る。さらには、歩行杖が荷重によって変形するので、腕や肩を大きく動かす必要がない状態で移動することが可能となる。そして、歩行杖が地面から離れる時に、歩行杖は弾性エネルギーを持っているので、使用者は歩行杖の持つ弾性エネルギーを推進力として活用できるという効果を発揮する。
【0019】
この歩行杖を使用した場合の杖と体の動きを図2図3を使って説明する。図2は本発明の歩行杖と体の動きを模式的に表したもので、図3はその時の足と杖の接地点を上から見た図である。使用者は杖を右手に持ち、図に向かって右から左に移動している。本発明の歩行杖は停止時に1足長前方の地面を支持しているので、左足をL1の位置に進めることから始められる。左足を前方に移動させると上体も前方へ移動する。それとともに、杖はP1を支点として起立し始めるが、直立部への下方向の荷重と、傾斜部への地面からの反力でポールが変形するので、手首を一定の高さに保つことが出来る。右足を、左足と杖の間を通らせてR1へ進めると、曲げられたポールがもとの形に戻ろうとする復元力が推進力となり、前腕のわずかな挙上動作で杖の先端をP2の位置へ移動させることが可能となる。それに続いて左足をL2の位置へ進めるとともに、その動きを繰り返すこととなる。
【0020】
次に図6でシャフトを曲げる最適な位置について説明する。図6はポールを曲げる位置と、ポールの先端が地面から離れる位置との関係を示したものである。Aのあとの数字の0、25、50、75は、直立部において、手で保持するところを示すグリップの小指のかかる位置1aからの距離をcmで表している。したがって、A0はグリップのすぐ下で曲げた歩行杖、A25はグリップの25cm下で曲げた歩行杖ということを模式的に表している。また、杖の先端が地面から離れるときは、杖の傾斜部が地面に対して垂直になった時と考えられるので、傾斜部が地面に対して垂直になった時のグリップの上端の位置をそれぞれ、G0、G25、G50とした。つまり、G0はA0の位置で曲げた歩行杖の傾斜部が、地面に対して垂直になった時のグリップの上端の位置を示している。同様にA25、A50の位置で曲げた歩行杖の傾斜部が地面に垂直になった時のグリップの上端の位置をG25、G50で表している。
【0021】
続いて、停止時のグリップの上端の点Gを通り、地面に平行な線BLを引くと、G0、G25はBLの線よりも上に出ていることが分かる。このことは、G0、G25の点をBLの位置まで下げるならば、歩行杖が地面から離れる時に、歩行杖は弾性エネルギーを持っていることを意味する。それに対して、G50の点はBLの線よりも下なので、腕を下に押し下げるという動作をしない限り、歩行杖は弾性エネルギーを持つことはない。A75の位置で曲げた歩行杖は、地面から離れる時のグリップの位置がかなり前方になるため、この使用方法には適さないことが分かる。
【0022】
続いて、図7によって、A0とA25の位置で曲げられた歩行杖が地面から離れる前の変形量をみる。
【0023】
変形量は、グリップの頂点G、接地点P、直立部と傾斜部の接続点Aの3点が作る三角形の変形量で見ることが出来る。A0の位置で曲げられた歩行杖は、地面から離れる時には△G0・P・A0に移動しているので、グリップへの荷重によって、G0の点がG0Lの点まで下げられると、A0はA0Hまで移動する。ここではシャフトの湾曲分については考慮しないものとすると、△G0・P・A0は△G0L・P・AOHの形に変形することとなる。同様にA25の位置で曲げた歩行杖は、地面から離れる前には、グリップへの荷重によって、△G25・P・A25から、△G25L・P・A25Hの形に変形する。
【0024】
A0の位置とA25の位置で曲げた歩行杖をベンディング部の角度で比較した場合、A0の位置で曲げた歩行杖が作るベンディング部の∠G0・A0・Pは∠G0L・A0H・Pに変化する。また、A25で曲げた歩行杖が作るベンディング部の∠G25・A25・Pは∠G25L・A25H・Pに変化する。ベンディング部の変形はA25の位置で曲げた歩行杖の方がA0で曲げた歩行杖よりも小さいことがわかる。ベンディング部が弾性域を超えて、塑性域に入る可能性を減らすためにも、A0よりも、A25周辺で曲げた方がよいことがわかる。図1はA25で曲げた歩行杖をモデルとしたものである。
【0025】
歩行杖の製作にあたっては、荷重を除いた際に0.2%の永久ひずみを生じるような応力が降伏応力と定義されるので、そのことを考慮して、シャフトの材料や最大耐荷重の設定を行う必要がある。また、バウシンガー効果によって、塑性変形を開始する荷重が低下する可能性もあるので、耐用年数等についても、使用者への注意喚起が必要である。
【発明の効果】
【0026】
従来の歩行杖は動き始める時に、最初に杖を動かさなければならなかった。本発明の歩行杖は、停止状態であらかじめ1足長先の地面を支持しているので、安心して1歩目を踏み出すことが出来る。
【0027】
また、本発明の歩行杖は使用者が腕を曲げた状態で持ち、かつ、持つ位置が肩関節に近いため荷重をかけやすい。さらには、歩行杖が弾性の範囲内で変形するので、移動時に腕や肩を必要以上に動かすことがないので身体への負担も少なく、長時間の使用が可能である。
【0028】
従来の歩行杖では、推進力を生むために腕で地面を押す動きが必要であった。本発明の歩行杖は使用者が与えた荷重によって歩行杖に弾性エネルギーが蓄えられるとともに、そのエネルギーを推進力として利用できる。
【0029】
本発明の歩行杖は全体がたわむことによって衝撃を吸収するので、部品点数を増やすことなく、使用時の衝撃を緩和することができる。
【0030】
本発明の歩行杖はシャフトの弾性特性を変えたり、直立部と傾斜部の間に入れる連結部の弾性特性等を変えたりすることによって、高齢や病気の障害などで歩行が不自由になった人などから、スポーツとして利用する人まで、使用者の幅広い要望に応えることが可能となる。
【0031】
また、階段を下りる時などには、本発明の歩行杖の前後の向きを反転させてからグリップの上端を持ち、傾斜部の先端を使用者が立っているところから2つ下の踏み面に垂直に置くにより、より安全により早く、階段を下りることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の歩行杖の側面図である。
図2】本発明の歩行杖を使用して歩行した時の腕及び杖の動きの側面図である。
図3図2の歩行時の足の位置と、杖の接地点を表した平面図である。
図4】従来の歩行杖を使用して歩行した時の腕及び杖の動きの側面図である。
図5図4の歩行時の足の位置と、杖の接地点を表した平面図である。
図6】杖を曲げる位置と、杖の先端が地面から離れる位置との関係を表した図である。
図7】杖の先端が地面から離れる時点での杖の変形量を表した模式図である。
図8】傾斜部の先端を接地面に対して垂直な方向に曲げた歩行杖の側面図である。
図9】直立部と傾斜部を連結部で接続した歩行杖の側面図である。
図10】階段を下りる時の使用例である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態を図1図8図9図10に基づいて説明する。なお、これは本発明の一例であって本発明をこれに限定するものではない。
【0034】
図1に示すように、衝撃や汗などを吸収できるように適宜素材にて形成されたグリップ部1を上段シャフトa2と一体化させて、直立部を形成する。グリップ部1には握った時に小指がかかる位置を示す小指がかかる位置1aと階段などの時に使用するアンダーグリップ1b、および長さの調節が可能なストラップ9を備える。傾斜部の先端のポールエンドキャップ8が地面と接する点と、直立部の延長線が地面と交わる点との距離L1が1足長であり、かつ、小指がかかる位置1aと、直立部と傾斜部の接続点Aとの距離が1足長となるような位置にベンディング部3を設けてある。また、傾斜部は長さの調整が可能な中段シャフトa4、下段シャフトa5を備え、使用者の身体状況や使用状況の変化に対応する。
【0035】
次に持ち方の一例を示しておく。ストラップ9の輪の中に下から手を通し、ストラップ9とグリップ部1を一緒に握る。そうすることにより、荷重をグリップにかけやすくなる。脇を軽く締め、前腕が地面と平行か、少し下向きになるようにシャフトを調整する。
【0036】
図8図1の傾斜部の先端のポールエンドキャップ8の部分を、地面に対して垂直な方向へ曲げた構成である。地面に垂直な方向に曲げることによって、接地点での摩擦力が高まるため、歩行者はより滑りにくくなる。
【0037】
図9の歩行杖は直立部と傾斜部の間に連結部17を入れた構成である。弾性特性の異なる連結部や、長さや角度の異なる連結部を用意することによって、幅広い調整が可能となり、使用者の使用状況に応じた歩行杖の提供が可能となる。
【0038】
また、直立部と傾斜部のいずれか、または両方に緩衝機構を備えたものは、その緩衝機構が得た弾性エネルギーを推進力としても利用することが出来る。
【0039】
図10は階段を下りる時の使用例である。使用者は本発明の歩行杖の前後の向きを反転させてグリップの上端を持ち、歩行杖の傾斜部の先端を、現在いるところから2つ下の踏み面に、傾斜部が垂直になるように置いている。こうすることで、1つ下の踏み面に安心して足を下ろすことが出来るようになり、より安全により早く、階段を下りることが可能となる。
【符号の説明】
【0040】
1 グリップ部
1a 小指がかかる位置
1b アンダーグリップ
2 上段シャフトa
3 ベンディング部
4 中段シャフトa
5 下段シャフトa
6 シャフトエンドプロテクターa
7 シャフトエンドプロテクターb
8 ポールエンドキャップ
9 ストラップ
A 接続点
L1 傾斜部の先端が地面と接する点と、直立部の延長線が地面と交わる点との距離
L2 直立部の小指がかかる位置1aと、直立部と傾斜部の接続点Aとの距離
S スタート位置
L1 左足1歩目
R1 右足1歩目
L2 左足2歩目
L 左足をついた時の肩や手首の位置。
R 右足をついた時の肩や手首の位置。
LS 左足とスタート時の足が同時についている時の肩や手首の位置
RL 左右の足がL1とR1の位置にある時の肩や手首の位置
LR 左右の足がR1とL2の位置にある時の肩や手首の位置
P0 従来の歩行杖を使用した時の、停止時の歩行杖の接地点
P1 左足で1歩目を踏み出す時の歩行杖の接地点
P2 左足で2歩目を踏み出す時の歩行杖の接地点
G 停止時のグリップの頂点
A0 グリップの小指がかかる位置から0cm鉛直下方の点
A25 グリップの小指がかかる位置から25cm鉛直下方の点
A50 グリップの小指がかかる位置から50cm鉛直下方の点
A75 グリップの小指がかかる位置から75cm鉛直下方の点
G0 A0の位置で曲げた歩行杖の傾斜部が地面に対して垂直になった時のグリップの頂点
G25 A25の位置で曲げた歩行杖の傾斜部が地面に対して垂直になった時のグリップの頂点
G50 A50の位置で曲げた歩行杖の傾斜部が地面に対して垂直になった時のグリップの頂点
BL グリップの頂点Gを通る地面と平行な線
G0L BL上にあるG0の鉛直下方の点
G25L BL上にあるG25の鉛直下方の点
10 上段シャフトb
11 中段シャフトb
12 下段シャフトb
13 固定レバーa
14 固定レバーb
15 上段シャフトc
16 中段シャフトc
17 連結部
【要約】
【課題】従来の杖は、停止時に足元付近を支持するものが多く、移動時には最初に杖を動かさなければならなかった。また、荷重負担免除力の高い杖を長時間使用することは困難であった。さらに、前方への推進力については腕が杖を押す力に頼っていた。その、3つの課題を同時に解決する杖を提供する。
【解決手段】歩行杖に直立部と傾斜部を設けることにより、歩行杖の素材が持つ弾性を有効活用できるようにする。さらに、傾斜部の地面と接する点と、直立部の延長線が地面と交わる点との距離L1を1足長、直立部の手で持つ位置と、直立部と傾斜部の接続点Aとの距離L2を1足長にする。そうすることにより、体への負担が少ない状態で歩行杖を使用できるようになるとともに、歩行杖が地面から離れる時に、歩行杖の持つ弾性エネルギーを有効活用できるようになる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10