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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】植物栽培システム及び植物栽培方法
(51)【国際特許分類】
   A01G 9/00 20180101AFI20220722BHJP
【FI】
A01G9/00 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020154025
(22)【出願日】2020-09-14
(65)【公開番号】P2022047955
(43)【公開日】2022-03-25
【審査請求日】2020-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】特許業務法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 龍志
(72)【発明者】
【氏名】城本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】水品 晃彦
(72)【発明者】
【氏名】益田 栄治
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-180371(JP,A)
【文献】特開2015-223082(JP,A)
【文献】特表2017-521100(JP,A)
【文献】特開平08-266174(JP,A)
【文献】国際公開第2017/042891(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/00- 9/28
A01G 31/00-31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を栽培する植物栽培システムであって、
前記植物を1株ずつ保持する保持具と、
複数の前記保持具が配置され、前記保持具が配置される複数の溝が前記植物の第1の生育段階に対応した第1の間隔で形成された第1のプレートと、複数の前記溝が前記第1の間隔よりも広く前記第1の生育段階の次の生育段階である第2の生育段階に対応した第2の間隔で形成された第2のプレートと、を含む複数のプレートと、
記第1の生育段階に対応した第1の区画と、前記第2の生育段階に対応し前記第1の区画よりもスペースの広い第2の区画と、が予め設定されており、複数の前記プレートが載置される栽培棚と、
前記栽培棚の外部に設置され、前記保持具を前記第1のプレートから前記第2のプレートに移し替えることで、前記保持具の配置パターンを前記第1の生育段階に対応した配置パターンから前記第2の生育段階に対応した配置パターンに変更する自動機と、
前記第1のプレートを前記栽培棚の前記第1の区画から搬出し、前記自動機により前記保持具の配置パターンを変更された前記第2のプレートを前記栽培棚の前記第2の区画に搬入するプレート搬送装置と、
を有することを特徴とする植物栽培システム。
【請求項2】
前記栽培棚の長手方向における一方側に配置され、前記第2のプレートから前記植物を収穫するための収穫エリア又は当該収穫エリアに運搬するための運搬エリアをさらに有し、
前記自動機は、
前記栽培棚の前記長手方向における他方側に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の植物栽培システム。
【請求項3】
前記プレート搬送装置は、
前記栽培棚に載置された前記第1のプレートを前記栽培棚の短手方向に移動させて前記栽培棚から搬出し、当該搬出した第1のプレートを前記栽培棚の前記長手方向における前記他方側の前記自動機に向けて搬送する
ことを特徴とする請求項2に記載の植物栽培システム。
【請求項4】
前記プレート搬送装置は、
前記自動機により前記配置パターンの変更が行われた前記第2のプレートを前記栽培棚の前記長手方向における前記一方側に向けて搬送し、当該搬送した第2のプレートを前記栽培棚の短手方向に移動させて前記栽培棚に搬入する
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の植物栽培システム。
【請求項5】
前記栽培棚の前記長手方向における前記一方側に配置され、前記第2のプレートを積載して前記栽培棚と前記収穫エリアとの間を移動する移動体をさらに有する
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の植物栽培システム。
【請求項6】
前記プレート搬送装置は、
前記栽培棚に載置された前記第2のプレートを前記栽培棚の短手方向に移動させて前記栽培棚から搬出し、当該搬出した第2のプレートを前記長手方向における前記一方側に向けて搬送して前記移動体に積載する
ことを特徴とする請求項5に記載の植物栽培システム。
【請求項7】
前記栽培棚は、
前記プレート搬送装置を間に挟むように配置されており、
前記植物栽培システムは、
前記プレート搬送装置を間に挟むように配置された2つの前記栽培棚を1組として、少なくとも1組の前記栽培棚を有する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の植物栽培システム。
【請求項8】
前記栽培棚は、
前記第1の区画及び前記第2の区画を含む複数の区画に区分けされており、
前記プレート搬送装置は、
前記植物の生育段階に基づいて設定された搬送ルートに沿って前記プレートを前記区画から別の前記区画に移動する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の植物栽培システム。
【請求項9】
前記プレートの下部に設置され、培養液を貯留するトレイをさらに有する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の植物栽培システム。
【請求項10】
植物を栽培する植物栽培方法であって、
前記植物を1株ずつ保持する複数の保持具を、当該保持具が配置される複数の溝が前記植物の第1の生育段階に対応した第1の間隔で形成された第1のプレートと、複数の前記溝が前記第1の間隔よりも広く前記第1の生育段階の次の生育段階である第2の生育段階に対応した第2の間隔で形成された第2のプレートと、を含む複数のプレートの前記第1のプレートに配置することと、
複数の前記第1のプレートを、前記第1の生育段階に対応した第1の区画と、前記第2の生育段階に対応し前記第1の区画よりもスペースの広い第2の区画と、が予め設定された栽培棚の前記第1の区画に載置することと、
前記第1のプレートを前記栽培棚の前記第1の区画から搬出し、前記栽培棚の外部において前記保持具を前記第1のプレートから前記第2のプレートに移し替えることで、前記保持具の配置パターンを前記第1の生育段階に対応した配置パターンから前記第2の生育段階に対応した配置パターンに変更し、当該配置パターンを変更した前記第2のプレートを前記栽培棚の前記第2の区画に搬入することと、
を有することを特徴とする植物栽培方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、植物栽培システム及び植物栽培方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、植物栽培システムが記載されている。この植物栽培システムは、栽培対象の植物を1株ごとに保持する保持具と、複数の保持具を長手方向に沿って移動可能に支持し、保持具が長手方向における一方側から供給されるごとに複数の保持具が長手方向における他方側に向けて供給された保持具に応じて移動するように構成されたレールを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/042891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の植物栽培システムにおいて、衛生面の更なる向上が要望されていた。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、衛生面を向上することが可能な植物栽培システム及び植物栽培方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、植物を栽培する植物栽培システムであって、前記植物を1株ずつ保持する保持具と、複数の前記保持具が配置されるプレートと、複数の前記プレートが載置される栽培棚と、前記栽培棚の外部に設置され、前記プレートにおける前記保持具の配置パターンを変更する自動機と、前記プレートを前記栽培棚から搬出し、前記自動機により前記保持具の配置パターンを変更された前記プレートを前記栽培棚に搬入するプレート搬送装置と、を有する植物栽培システムが適用される。
【0007】
また、本発明の別の観点によれば、植物を栽培する植物栽培方法であって、前記植物を1株ずつ保持する複数の保持具をプレートに配置することと、複数の前記プレートを栽培棚に載置することと、前記プレートを前記栽培棚から搬出し、前記栽培棚の外部において前記プレートにおける前記保持具の配置パターンを変更し、当該配置パターンを変更した前記プレートを前記栽培棚に搬入することと、を有する植物栽培方法が適用される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の植物栽培システム等によれば、衛生面を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る植物栽培システムの全体構成の一例を表す説明図である。
図2】プレート搬送装置の構成の一例を表す斜視図である。
図3】栽培棚の構成の一例を表す短手方向から見た側面図である。
図4】栽培棚における生育段階のステージの一例を表す説明図である。
図5】栽培棚におけるプレートの搬送ルートの一例を表す説明図である。
図6】収穫作業室の構成の一例を表す説明図である。
図7】植替えロボットの構成及び植替え動作の一例を表す説明図である。
図8】栽培棚の「育苗」ステージの1つの区画に対応する部分を上方から見た平面図である。
図9】栽培棚の「生育1」ステージの1つの区画に対応する部分を上方から見た平面図である。
図10】栽培棚の「生育2」ステージの1つの区画に対応する部分を上方から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0011】
<1.植物栽培システムの全体構成>
まず、図1を参照しつつ、本実施形態に係る植物栽培システム1の全体構成の一例について説明する。
【0012】
植物栽培システム1は、栽培対象である植物3を1株ずつ保持具5(後述の図7参照)で保持し、複数の保持具5を配置したプレート7を所定の期間栽培棚に載置することにより、植物を生育させるシステムである。植物3は、例えば葉物野菜である。図1に示すように、植物栽培システム1は、複数(この例では6つ)の栽培棚9,10,11,12,13,14と、植替えロボット15と、複数(この例では3つ)のプレート搬送装置17,19,21と、複数の無人搬送車23と、コントローラ24等を有する。
【0013】
栽培棚9~14は、生産室25内に配置されており、それぞれに複数のプレート7が載置されている。栽培棚9,10は、プレート搬送装置17を間に挟むように配置されている。プレート搬送装置17は、両側の栽培棚9,10に対してプレート7の搬出及び搬入を行う。栽培棚11,12は、プレート搬送装置19を間に挟むように配置されている。プレート搬送装置19は、両側の栽培棚11,12に対してプレート7の搬出及び搬入を行う。栽培棚13,14は、プレート搬送装置21を間に挟むように配置されている。プレート搬送装置21は、両側の栽培棚13,14に対してプレート7の搬出及び搬入を行う。このように、植物栽培システム1は、各プレート搬送装置17,19,21を間に挟むように配置された2つの栽培棚をそれぞれ1組として、3組の栽培棚(栽培棚9,10、栽培棚11,12、栽培棚13,14)を有する。プレート搬送装置17,19,21の動作は、コントローラ24により制御される。
【0014】
生産室25内の栽培棚9,11,13の長手方向における一方側(図1における左側)には、運搬エリア27が配置されている。運搬エリア27は、栽培棚9,11,13から搬出されたプレート7を植物3を収穫するための収穫作業室29に運搬するためのエリアである。運搬エリア27では、無人搬送車23(移動体の一例)がプレート7を積載して栽培棚9,11,13と収穫作業室29との間を移動する。無人搬送車23の走行は、コントローラ24により制御される。
【0015】
生産室25内の栽培棚9,11,13の長手方向における他方側(図1における右側)には、植替エリア31が配置されている。植替エリア31には、植替えロボット15が配置されている。すなわち、植替えロボット15は栽培棚9,11,13の外部に設置されている。植替えロボット15(自動機の一例)は、プレート7における保持具5の配置パターンを変更する。植替えロボット15の動作は、コントローラ24により制御される。植替エリア31では、無人搬送車23がプレート7を積載して栽培棚9,11,13と植替えロボット15との間を移動する。無人搬送車23の走行は、コントローラ24により制御される。
【0016】
生産室25の運搬エリア27側の隣には、収穫作業室29(収穫エリアの一例)が隣接して配置されている。収穫作業室29には、収穫作業を行うための作業テーブル33が設置されている。作業者35は、作業テーブル33で無人搬送車23により搬送されたプレート7から植物3を収穫し、容器37に収容する。容器37は、無人搬送車23により例えば保管室(図示省略)に運搬される。なお、生産室25と収穫作業室29は、壁や扉等により区画された空間としてもよいし、連通された空間としてもよい。
【0017】
コントローラ24は、プレート搬送装置17,19,21の動作、植替えロボット15の動作、無人搬送車23の動作を連携して制御することにより、植物栽培システム1の全体を制御する。コントローラ24は、例えばパーソナルコンピュータ(PC)、モーションコントローラ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)等により構成される。コントローラ24は、生産室25の内部に配置されてもよいし、外部に配置されてもよい。また、コントローラ24は1つの制御装置で構成されてもよいし、複数の制御装置で構成されてもよい。
【0018】
なお、上述した植物栽培システム1の構成は一例であり、上述の内容に限定されるものではない。例えば、栽培棚の数は3組に限定されるものではなく、1組又は2組でもよいし、4組以上としてもよい。また、必ずしもプレート搬送装置を間に挟むように2つの栽培棚を配置する必要はなく、プレート搬送装置の片側にのみ栽培棚を配置してもよい。また、植替エリア31において無人搬送車23による搬送を行わずに、プレート搬送装置17,19,21から植替えロボット15にプレート7を直接受け渡してもよい。
【0019】
<2.プレート搬送装置の構成、動作>
次に、図2を参照しつつ、プレート搬送装置17,19,21の構成及び動作の一例について説明する。なお、プレート搬送装置17,19,21はそれぞれ同様の構成及び動作を行うため、ここではプレート搬送装置19を例にとって説明し、プレート搬送装置17,21については説明を省略する。
【0020】
図2に示すように、プレート搬送装置19は、門型の支持枠39と、ビーム41と、スライダ43と、ハンド45とを有する。
【0021】
支持枠39は、Z軸方向に沿って立設されY軸方向に対向して配置された一対の支柱39aと、一対の支柱39aの上端にY軸方向に沿って架け渡された略水平な梁39bとを有する。ビーム41は、一対の支柱39a間にZ軸方向に移動可能に架け渡されており、Z軸アクチュエータ(図示省略)によりZ軸方向に移動する。スライダ43は、ビーム41上にY軸方向に移動可能に設けられており、Y軸アクチュエータ(図示省略)によりY軸方向に移動する。ハンド45は、スライダ43上にX軸方向に移動可能に設けられており、X軸アクチュエータ47によりX軸方向に移動する。ハンド45は、例えば2本の棒状の部材で構成されており、例えばプレート7のY軸方向両端の縁部を下方から支持することによりプレート7を保持する。
【0022】
上記構成であるプレート搬送装置19は、栽培棚11,12に載置されたプレート7を栽培棚11,12の短手方向(X軸方向)に移動させて栽培棚11,12から搬出し、当該搬出したプレート7を栽培棚11,12の長手方向(Y軸方向)における他方側(植替エリア31側)の植替えロボット15に向けて搬送し、無人搬送車23に積載する。また、プレート搬送装置19は、植替えロボット15により配置パターンの変更が行われたプレート7を無人搬送車23から受け取り、栽培棚11,12の長手方向(Y軸方向)における一方側(運搬エリア27側)に向けて搬送し、当該搬送したプレート7を栽培棚11,12の短手方向(X軸方向)に移動させて栽培棚11,12に搬入する。また、プレート搬送装置19は、栽培棚11,12から搬出したプレート7を長手方向(Y軸方向)における一方側(運搬エリア27側)に向けて搬送して無人搬送車23に積載する。
【0023】
また、栽培棚11,12は複数の区画に区分けされている(図2では図示省略。後述の図3参照)。プレート搬送装置19は、植物3の生育段階に基づいて設定された搬送ルートに沿って、プレート7を栽培棚11,12の所定の区画から別の区画に移動する。
【0024】
なお、栽培棚9の外側、栽培棚10,11の間、栽培棚12,13の間、及び栽培棚14の外側には、適宜の高さに作業台49が設置されている。これにより、作業者は作業台49を利用して、栽培棚9~14のそれぞれに対して安全に高所作業を行うことができる。また、各栽培棚9~14の短手方向(X軸方向)の寸法は、作業者が片側から全域にアクセス可能な程度の寸法となっている(例えば700mm程度)。これにより、作業者は各栽培棚9~14に対し、プレート搬送装置17,19,21が設置された側とは反対側のスペース(作業台49が設置された側のスペース)からメンテナンスを行うことができる。
【0025】
<3.栽培棚の構成、プレートの搬送ルート>
次に、図3図5を参照しつつ、各栽培棚9~14の構成及びプレート7の搬送ルートの一例について説明する。
【0026】
図3に、各栽培棚9~14を短手方向から見た構成の一例を示す。なお、図3では各栽培棚9~14の長手方向の一部を抽出して示している。
【0027】
図3に示すように、各栽培棚9~14は長手方向(図3における左右方向)及び高さ方向(図3における上下方向)において複数の区画51に区分けされている。各区画51には、長手方向に2つのプレート7がそれぞれ並べて配置されている。なお、各栽培棚9~14の短手方向(図3における紙面奥行方向)の寸法(例えば700mm程度)とプレート7の寸法(例えば600mm程度)は同程度であり、プレート7は各区画51において短手方向には1列のみ配置されている。また、各区画51には、植物3の葉に光を当てるための光源53が設置されている。光源53の種類は特に限定されるものではないが、例えばLEDや蛍光灯等が使用される。各プレート7の下部には、培養液を貯留するトレイ55がそれぞれ設置されており、プレート7に配置された保持具5(後述の図7参照)に保持された植物3の根が培養液に浸るようになっている。
【0028】
プレート7は、植物3の生育段階に応じて予め設定された区画51に載置される。図3に示す例では、各栽培棚9~14の下から1段目の各区画51は「育苗」ステージ、下から2段目の各区画51は「生育1」ステージ、下から3段目~10段目の各区画51は「生育2」ステージとして設定されている。「育苗」ステージは、植物3が保持具5に播種された後、発芽して所定の大きさとなるまでの生育段階である。「生育1」ステージは、「育苗」ステージにおいてある程度成長した植物3が、それよりも大きな所定の大きさとなるまでの生育段階である。「生育2」ステージは、「生育1」ステージにおいてある程度成長した植物3が、収穫段階の大きさとなるまでの生育段階である。本実施形態では、例えば「育苗」ステージが16日間、「生育1」ステージが8日間、「生育2」ステージが16日間に設定される。なお、上記生育段階や日数は一例であり、更に少ない数又は更に細分化された生育段階としてもよい。また、各生育段階の日数は上記以外としてもよい。
【0029】
図4及び図5に、各栽培棚9~14における生育段階のステージの一例、及び、プレート7の搬送ルートの一例を示す。なお、図4における「育苗」ステージの各区画A~Pはそれぞれ1つの区画51に対応しており、「生育1」ステージの各区画A~Hはそれぞれ長手方向(Y方向)の2つの区画51に対応しており、「生育2」ステージの各区画A~Pはそれぞれ高さ方向(Z方向)の8つの区画51に対応している。
【0030】
図4及び図5において、例えば栽培棚にプレート7が載置されていない状態から、「育苗」ステージの各区画A~Pに1日毎にプレート7が順次搬入される。
【0031】
プレート7の搬入が「育苗」ステージの区画Pまで完了すると、「育苗」ステージの区画Aは16日間が経過する。そこで、当該「育苗」ステージの区画Aのプレート7が植替エリア31に搬送されて、植替えロボット15が保持具5を「育苗」ステージ用のプレート7から「生育1」ステージ用のプレート7に移し替える。「生育1」ステージ用のプレート7は、「育苗」ステージ用のプレート7よりも保持具5が配置される溝56(後述の図8及び図9参照)の間隔が広くなっている。また、保持具5の間に適宜スペーサ57(後述の図7及び図9参照)が挿入される。これにより、保持具5の配置パターンが、各保持具5の間隔が広くなるように変更される。保持具5の配置パターンを変更された「生育1」ステージ用のプレート7は、栽培棚に搬送されて「生育1」ステージの区画Aに搬入される。
【0032】
同様にして、「育苗」ステージの各区画B~Hについて、1日毎に保持具5が「育苗」ステージ用のプレート7から「生育1」ステージ用のプレート7に順次移し替えられ、「生育1」ステージの各区画B~Hにそれぞれ搬入される。このようにして、「育苗」ステージから「生育1」ステージへの植替えのタイミングで、プレート7及びトレイ55が培養液も含めて交換される。
【0033】
以上のようにして、「育苗」ステージから「生育1」ステージへのプレート7の移動が「生育1」ステージの区画Hまで完了すると、「生育1」ステージの区画Aは8日間が経過する。そこで、当該「生育1」ステージの区画Aのプレート7が植替エリア31に搬送されて、植替えロボット15が保持具5を「生育1」ステージ用のプレート7から「生育2」ステージ用のプレート7に移し替える。「生育2」ステージ用のプレート7は、「生育1」ステージ用のプレート7よりも保持具5が配置される溝56の間隔が広くなっている(後述の図9及び図10参照)。また、保持具5の間に適宜スペーサ59(後述の図7及び図10参照)が挿入される。これにより、保持具5の配置パターンが、各保持具5の間隔がさらに広くなるように変更される。保持具5の配置パターンを変更された「生育2」ステージ用のプレート7は、栽培棚に搬送されて「生育2」ステージの区画Aに搬入される。
【0034】
同様にして、「生育1」ステージの各区画B~Hについて、1日毎に保持具5が「生育1」ステージ用のプレート7から「生育2」ステージ用のプレート7に順次移し替えられ、「生育2」ステージの各区画B~Hにそれぞれ搬入される。このようにして、「生育1」ステージから「生育2」ステージへの植替えのタイミングで、プレート7及びトレイ55が培養液も含めて交換される。
【0035】
上記の「生育1」ステージの各区画A~Hから「生育2」ステージの各区画A~Hへのプレート7の移動と並行して、「育苗」ステージの残りの各区画I~Pについて、1日毎に保持具5が「育苗」ステージ用のプレート7から「生育1」ステージ用のプレート7に順次移し替えられ、「生育1」ステージの各区画A~Hにそれぞれ搬入される。このようにして、「育苗」ステージから「生育1」ステージへの植替えのタイミングで、プレート7及びトレイ55が培養液も含めて交換される。
【0036】
以上のようにして、「育苗」ステージから「生育1」ステージへのプレート7の移動が「生育1」ステージの区画Hまで完了すると、「生育1」ステージの区画Aは8日間が経過する。そこで、上記と同様に、保持具5が「生育1」ステージ用のプレート7から「生育2」ステージ用のプレート7に移し替えられ、「生育2」ステージの区画Iに搬入される。同様にして、「生育1」ステージの各区画B~Hについて、1日毎に保持具5が「生育1」ステージ用のプレート7から「生育2」ステージ用のプレート7に順次移し替えられ、「生育2」ステージの各区画J~Pにそれぞれ搬入される。このようにして、「生育1」ステージから「生育2」ステージへの植替えのタイミングで、プレート7及びトレイ55が培養液も含めて交換される。
【0037】
以上のようにして、「生育1」ステージから「生育2」ステージへのプレート7の移動が「生育2」ステージの区画Pまで完了すると、「生育2」ステージの区画Aは16日間が経過する。そこで、当該「生育2」ステージの区画Aのプレート7が収穫作業室29に搬送されて、プレート7から植物3が収穫される。同様にして、「生育2」ステージの各区画B~Pについて、1日毎にプレート7が収穫作業室29に搬送されて、プレート7から植物3が収穫される。
【0038】
以上のようなプレート7の搬送が繰り返し並行して実行されることにより、各栽培棚9~14において各プレート7に配置された植物3が「育苗」ステージ、「生育1」ステージ、「生育2」ステージを経て育成、栽培される。
【0039】
<4.収穫作業室の構成>
次に、図6を参照しつつ、収穫作業室29の構成の一例について説明する。
【0040】
図6に示すように、収穫作業室29には、収穫作業を行うための作業テーブル33が設置されている。作業者35は、無人搬送車23により各栽培棚9~14から搬送されたプレート7及びトレイ55を作業テーブル33に載置する。そして作業者35は、はさみ61で植物3をカットし、トリミングを行って容器37に収容する。容器37は、例えば番重やパレット等である。容器37は、無人搬送車23上に多段に積載され、無人搬送車23により収穫作業室29の外部(例えば保管室等)に運搬される。
【0041】
なお、容器37の運搬は、例えば台車やコンベア等により行われてもよい。また、作業者35の代わりにロボットを配置して、収穫作業を自動化してもよい。
【0042】
<5.植替えロボットの構成及び植替え動作、プレートの構成>
次に、図7図10を参照しつつ、植替えロボット15及びプレート7について説明する。図7は、植替えロボット15の構成及び植替え動作の一例を表す説明図である。図8は、各栽培棚9~14の「育苗」ステージの1つの区画51に対応する部分を上方から見た平面図である。図9は、各栽培棚9~14の「生育1」ステージの1つの区画51に対応する部分を上方から見た平面図である。図10は、各栽培棚9~14の「生育2」ステージの1つの区画51に対応する部分を上方から見た平面図である。なお、図8図10では植物3の図示を省略している。
【0043】
植替えロボット15は、プレート7が「育苗」ステージから「生育1」ステージに移行する際と、プレート7が「生育1」ステージから「生育2」ステージに移行する際に、プレート7における保持具5の配置パターンを変更する。具体的には、植替えロボット15は、保持具5を「育苗」ステージ用のプレート7A(図8参照)から「生育1」ステージ用のプレート7B(図9参照)に移し替える。図8及び図9に示すように、「生育1」ステージ用のプレート7Bにおける保持具5が配置される溝56の間隔dBは、「育苗」ステージ用のプレート7Aにおける保持具5が配置される溝56の間隔dAよりも広くなっている。また、植替えロボット15は、保持具5の間に適宜の数のスペーサ57を挿入する。図9に示す例では、スペーサ57の長さ寸法は保持具5よりも小さくなっている。これにより、保持具5の配置パターンが、各保持具5の間隔が広くなるように変更される。なお、プレート7Bでは保持具5が栽培棚の短手方向(図9における上下方向)において互い違いとなるように配置されており、隣接する植物3の葉の干渉を抑制できるようになっている。
【0044】
同様に、植替えロボット15は、保持具5を「生育1」ステージ用のプレート7Bから「生育2」ステージ用のプレート7C(図10参照)に移し替える。図9及び図10に示すように、「生育2」ステージ用のプレート7Cにおける保持具5が配置される溝56の間隔dCは、「生育1」ステージ用のプレート7Bにおける保持具5が配置される溝56の間隔dBよりも広くなっている。また、植替えロボット15は、保持具5の間に適宜の数のスペーサ59を挿入する。図10に示す例では、スペーサ59の長さ寸法は保持具5と同等となっており、保持具5とスペーサ57とで同じ部品を共用できる。これにより、保持具5の配置パターンが、各保持具5の間隔がさらに広くなるように変更される。なお、プレート7Cでは保持具5が栽培棚の短手方向(図10における上下方向)において互い違いとなるように配置されており、隣接する植物3の葉の干渉を抑制できるようになっている。
【0045】
図7に示すように、植替えロボット15は、例えば6つの関節部を備えた垂直多関節型の6軸ロボットであり、その先端には、エンドエフェクタとしてハンド63が取り付けられている。植替えロボット15は、ハンド63により保持具5及びスペーサ57,59等を把持し、これらの移動を行う。
【0046】
植替えロボット15は、基台65と、旋回部67と、アーム69とを有する。基台65は、例えば床や架台、壁、天井等に固定される。
【0047】
旋回部67は、基台65の上端部に、上下方向に略平行な回転軸心Ax1まわりに旋回可能に支持されている。この旋回部67は、基台65との間の関節部に設けられたアクチュエータAc1の駆動により、基台65の上端部に対し、回転軸心Ax1まわりに旋回駆動される。
【0048】
アーム69は、旋回部67の例えば一方側の側部に支持されている。このアーム69は、下腕部71と、上腕部73と、手首部75と、フランジ部77とを有する。
【0049】
下腕部71は、旋回部67の一方側の側部に、回転軸心Ax1に略垂直な回転軸心Ax2まわりに旋回可能に支持されている。この下腕部71は、旋回部67との間の関節部に設けられたアクチュエータAc2の駆動により、旋回部67の一方側の側部に対し、回転軸心Ax2まわりに旋回駆動される。
【0050】
上腕部73は、下腕部71の先端側に、回転軸心Ax2に略平行な回転軸心Ax3まわりに旋回可能且つ回転軸心Ax3に略垂直な回転軸心Ax4回りに回動可能に支持されている。この上腕部73は、下腕部71との間の関節部に設けられたアクチュエータAc3の駆動により、下腕部71の先端側に対し、回転軸心Ax3まわりに旋回駆動される。また上腕部73は、アクチュエータAc3との間に設けられたアクチュエータAc4の駆動により、下腕部71の先端側に対し、回転軸心Ax4まわりに回動駆動される。
【0051】
手首部75は、上腕部73の先端側に、回転軸心Ax4に略垂直な回転軸心Ax5まわりに旋回可能に支持されている。この手首部75は、上腕部73との間の関節部に設けられたアクチュエータAc5の駆動により、上腕部73の先端側に対し、回転軸心Ax5まわりに旋回駆動される。
【0052】
フランジ部77は、手首部75の先端側に、回転軸心Ax5に略垂直な回転軸心Ax6まわりに回動可能に支持されている。このフランジ部77は、手首部75との間の関節部に設けられたアクチュエータAc6の駆動により、手首部75の先端側に対し、回転軸心Ax6まわりに回動駆動される。
【0053】
ハンド63は、フランジ部77の先端に取り付けられており、フランジ部77の回転軸心Ax6まわりの回動と共に、回転軸心Ax6まわりに回動する。このハンド63は、互いに遠近する方向に動作可能な一対の把持部材63a,63aを備えており、保持具5及びスペーサ57,59等を把持することを初めとして、各種の操作や作業をすることが可能である。
【0054】
以上の構成である植替えロボット15は、6つのアクチュエータAc1~Ac6を備えた6つの関節部を有する6軸ロボットである。各関節部を駆動するアクチュエータAc1~Ac6は、例えばモータ、エンコーダ、減速機及びブレーキ等により構成されている。
【0055】
なお、上記では、アーム69の長手方向(あるいは延在方向)に沿った回転軸心まわりの回転を「回動」と呼び、アーム69の長手方向(あるいは延在方向)に略垂直な回転軸心まわりの回転を「旋回」と呼んで区別している。
【0056】
なお、植替えロボット15を6軸以外(例えば5軸や7軸等)のロボットとしてもよい。また、水平多関節型やパラレルリンクロボット等、植替えロボット15を垂直多関節型以外のロボットとしてもよい。さらに、汎用ロボット以外にも、例えば、XYZθ方向等に移動可能なアクチュエータを備えた植替え作業専用に設計された専用作業機等としてもよい。
【0057】
<6.実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の植物栽培システム1は、植物3を1株ずつ保持する保持具5と、複数の保持具5が配置されるプレート7と、複数のプレート7が載置される栽培棚9~14と、栽培棚9~14の外部に設置され、プレート7における保持具5の配置パターンを変更する植替えロボット15と、プレート7を栽培棚9~14から搬出し、植替えロボット15により保持具5の配置パターンを変更されたプレート7を栽培棚9~14に搬入するプレート搬送装置17,19,21と、を有する。
【0058】
植物栽培システム1では、植物3を1株ずつ保持する複数の保持具5がプレート7に配置され、当該プレート7が栽培棚9~14に載置されて植物3が栽培される。栽培棚9~14で所定期間が経過したプレート7は、プレート搬送装置17,19,21により栽培棚9~14から搬出され、植替えロボット15により保持具5の配置パターンを変更される。保持具5の配置パターンを変更されたプレート7は、プレート搬送装置17,19,21により栽培棚9~14に搬入される。このようにすることで、植物3の生育状況に応じて植物3の間隔(保持具5の間隔)を調整しながら植物3を栽培することができる。
【0059】
ここで、仮に栽培棚9~14に複数のレールを固定的に設置し、それらのレールに沿って保持具5を移動させながら栽培するシステムの場合には、レールが固定的に設置されているため清掃や洗浄が難しく、衛生上の課題が生じる。
【0060】
これに対し、本実施形態では、保持具5の配置パターンを変更するためにプレート7が定期的に栽培棚9~14から外部に搬出される。これにより、保持具5の配置パターンを変更するタイミングで、プレート7を新たなプレートに交換したり洗浄することが可能となる。したがって、衛生面を向上することができる。
【0061】
また、本実施形態では特に、植物栽培システム1は、栽培棚9~14の長手方向における一方側に配置され、プレート7から植物3を収穫するための収穫作業室29に運搬するための運搬エリア27をさらに有し、植替えロボット15は、栽培棚9~14の長手方向における他方側に配置されている。
【0062】
これにより、植替えロボット15による植替え作業が行われる植替エリア31と、運搬エリア27とを分離でき、両エリアが重複することを防止できる。したがって、植物3の植替えに関わる作業(栽培棚9~14と植替えロボット15との間のプレート7の運搬を含む)と、栽培棚9~14と収穫作業室29との間のプレート7の運搬作業とを、互いに干渉することなく円滑に行うことができる。
【0063】
また、本実施形態では特に、プレート搬送装置17,19,21は、栽培棚9~14に載置されたプレート7を栽培棚9~14の短手方向に移動させて栽培棚9~14から搬出し、当該搬出したプレート7を栽培棚9~14の長手方向における他方側の植替えロボット15に向けて搬送する。
【0064】
これにより、プレート7の栽培棚9~14からの搬出と植替えロボット15側への搬送とを自動化することができる。
【0065】
また、本実施形態では特に、プレート搬送装置17,19,21は、植替えロボット15により配置パターンの変更が行われたプレート7を栽培棚9~14の長手方向における一方側に向けて搬送し、当該搬送したプレート7を栽培棚9~14の短手方向に移動させて栽培棚9~14に搬入する。
【0066】
これにより、植替えロボット15により配置パターンの変更が行われたプレート7を栽培棚9~14の所定の区画51に戻すための搬送と栽培棚9~14への搬入とを自動化することができる。
【0067】
また、本実施形態では特に、植物栽培システム1は、栽培棚9~14の長手方向における一方側に配置され、プレート7を積載して栽培棚9~14と収穫作業室29との間を移動する無人搬送車23をさらに有する。
【0068】
これにより、栽培棚9~14から搬出されたプレート7の収穫作業室29への移動を自動化することができる。また、プレート7を無人搬送車23により運搬することで、例えばコンベア等の搬送装置を設置する場合に比べて、植物栽培システム1を省スペース化できる。
【0069】
また、本実施形態では特に、プレート搬送装置17,19,21は、栽培棚9~14に載置されたプレート7を栽培棚9~14の短手方向に移動させて栽培棚9~14から搬出し、当該搬出したプレート7を長手方向における一方側に向けて搬送して無人搬送車23に積載する。
【0070】
これにより、プレート7の栽培棚9~14からの搬出と無人搬送車23への搬送及び積載を自動化することができる。
【0071】
また、本実施形態では特に、植物栽培システム1は、プレート搬送装置17,19,21をそれぞれ間に挟むように配置された2つの栽培棚を1組として、栽培棚9,10と栽培棚11,12と栽培棚13,14の3組の栽培棚を有する。
【0072】
これにより、1つのプレート搬送装置で両側の2つの栽培棚のプレート7を搬送することが可能となる。したがって、プレート搬送装置の設置数を削減でき、省スペース化及びコストを削減できる。
【0073】
また、本実施形態では特に、各栽培棚9~14は、複数の区画51に区分けされており、プレート搬送装置17,19,21は、植物3の生育段階に基づいて設定された搬送ルートに沿ってプレート7を所定の区画51から別の区画51に移動する。
【0074】
これにより、各栽培棚9~14における植物3の生育段階に応じたプレート7の区画から区画への移動を自動化することができる。
【0075】
また、本実施形態では特に、植物栽培システム1は、プレート7の下部に設置され、培養液を貯留するトレイ55をさらに有する。
【0076】
これにより、プレート7と培養液を貯留したトレイ55を1つのユニットとして、当該ユニット単位で植物3を移動、搬送することができる。また、保持具5の配置パターンを変更するためにプレート7とトレイ55を合わせて栽培棚から外部に搬出することで、保持具5の配置パターンを変更するタイミングで、プレート7とトレイ55を培養液ごと交換したり、洗浄することができる。したがって、衛生面を向上することができる。
【0077】
<7.変形例>
なお、開示の実施形態は、上記に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0078】
例えば以上では、植物3が葉物野菜である場合を一例として説明したが、植物3は、それ以外の食用植物や、花その他の観賞用植物等でもよい。
【0079】
なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」という意味である。
【0080】
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさ、形状、位置等が「同一」「同じ」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「同じ」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に同じ」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0081】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0082】
1 植物栽培システム
3 植物
5 保持具
7 プレート
9 栽培棚
10 栽培棚
11 栽培棚
12 栽培棚
13 栽培棚
14 栽培棚
15 植替えロボット(自動機)
17 プレート搬送装置
19 プレート搬送装置
21 プレート搬送装置
23 無人搬送車(移動体)
27 運搬エリア
29 収穫作業室(収穫エリア)
51 区画
55 トレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10