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特許7109038車両用バッテリーユニットの劣化判定装置および車両用バッテリーユニットの劣化判定システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】車両用バッテリーユニットの劣化判定装置および車両用バッテリーユニットの劣化判定システム
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/02 20060101AFI20220722BHJP
【FI】
G01N27/02 Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022071794
(22)【出願日】2022-04-25
【審査請求日】2022-04-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505040545
【氏名又は名称】株式会社ユーパーツ
(73)【特許権者】
【識別番号】721007641
【氏名又は名称】株式会社電知
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】清水 道悦
(72)【発明者】
【氏名】清水 利憲
(72)【発明者】
【氏名】向山 大吉
(72)【発明者】
【氏名】向山 公一
【審査官】清水 靖記
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-329512(JP,A)
【文献】特開2005-310432(JP,A)
【文献】特開2013-72838(JP,A)
【文献】特開2019-174118(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2021/0141043(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第110261807(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/00 - 27/92
G01R 31/327 - 31/44
G01R 35/00 - 35/02
H01M 10/42 - 10/48
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用済の車両用バッテリーユニットに対する劣化判定を行う車両用バッテリーユニットの劣化判定装置であって、
被判定対象の前記車両用バッテリーユニットの種別を判定する種別判定部と、
前記被判定対象の車両用バッテリーユニットに対する劣化判定を実行する劣化判定部と、
前記種別判定部において判定された前記被判定対象の前記車両用バッテリーユニットの種別に基づいて、前記劣化判定部と前記車両用バッテリーユニットとの接続形態を切り替える切替部と、
前記劣化判定部の判定結果をユーザに通知する通知部と、
を含むことを特徴とする車両用バッテリーユニットの劣化判定装置。
【請求項2】
前記種別判定部は、撮像装置を含み、前記車両用バッテリーユニットに貼付されたバーコード情報の撮像画像を解析して、前記被判定対象の前記車両用バッテリーユニットの種別を判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用バッテリーユニットの劣化判定装置。
【請求項3】
前記種別判定部は、撮像装置を含み、前記車両用バッテリーユニットあるいは、前記車両用バッテリーユニットの一部をなすバッテリーモジュールの外形形状の撮像画像を解析して、前記被判定対象の前記車両用バッテリーユニットの種別を判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用バッテリーユニットの劣化判定装置。
【請求項4】
前記切替部は、マルチプレクサであって、前記種別判定部が判定した前記被判定対象の車両用バッテリーユニットの種別情報に基づいて、前記劣化判定部と前記車両用バッテリーユニットとの接続形態を切り替えることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の車両用バッテリーユニットの劣化判定装置。
【請求項5】
使用済の車両用バッテリーユニットに対する劣化判定を行う劣化判定装置と、前記劣化判定装置と前記車両用バッテリーユニットとの接続形態を切り替える切替装置と、含む車両用バッテリーユニットの劣化判定システムであって、
前記劣化判定装置は、
被判定対象の車両用バッテリーユニットに対する劣化判定を実行する劣化判定部と、
前記劣化判定部の判定結果をユーザに通知する通知部と、
を含み、
前記切替装置は、
前記車両用バッテリーユニットに貼付されたバーコード情報を撮像する撮像部と、
学習モデルを記憶する記憶部と、
該撮像部において取得された画像情報を入力データとして、該記憶部に記憶された学習モデルを用いて、前記被判定対象の前記車両用バッテリーユニットの種別を判定する種別判定部と、
前記種別判定部において判定された前記被判定対象の前記車両用バッテリーユニットの種別に基づいて、前記劣化判定装置と前記車両用バッテリーユニットとの接続形態を切り替える切替部と、
屋内作業場所周辺の環境情報を取得するセンサと、
を含むことを特徴とする車両用バッテリーユニットの劣化判定システム。
【請求項6】
使用済の車両用バッテリーユニットに対する劣化判定を行う劣化判定装置と、前記劣化判定装置と前記車両用バッテリーユニットとの接続形態を切り替える切替装置と、含む車両用バッテリーユニットの劣化判定システムであって、
前記劣化判定装置は、
被判定対象の車両用バッテリーユニットに対する劣化判定を実行する劣化判定部と、
前記劣化判定部の判定結果をユーザに通知する通知部と、
を含み、
前記切替装置は、
前記車両用バッテリーユニットあるいは、前記車両用バッテリーユニットの一部をなすバッテリーモジュールの外形形状を撮像する撮像部と、
学習モデルを記憶する記憶部と、
前記撮像部において取得された前記車両用バッテリーユニットあるいは、前記車両用バッテリーユニットの一部をなすバッテリーモジュールの外形形状の画像情報を入力データとして、該記憶部に記憶された学習モデルを用いて、前記被判定対象の前記車両用バッテリーユニットの種別を判定する種別判定部と、
前記種別判定部において判定された前記被判定対象の前記車両用バッテリーユニットの種別に基づいて、前記劣化判定装置と前記車両用バッテリーユニットとの接続形態を切り替える切替部と、
屋内作業場所周辺の環境情報を取得するセンサと、
を含むことを特徴とする車両用バッテリーユニットの劣化判定システム。
【請求項7】
前記記憶部は、前記センサが取得する環境情報に対応付けられた複数の学習モデルを記憶することを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載の車両用バッテリーユニットの劣化判定システム。
【請求項8】
前記センサは、時刻情報、前記屋内作業場所周辺の照度情報の少なくともいずれか1つを含む前記環境情報を取得することを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載の車両用バッテリーユニットの劣化判定システム。
【請求項9】
前記種別判定部は、前記屋内作業場所周辺の環境情報に基づいて、使用する前記学習モデルを前記記憶部から選択することを特徴とする請求項7に記載の車両用バッテリーユニットの劣化判定システム。
【請求項10】
前記種別判定部は、前記センサから得られる前記屋内作業場所周辺の環境情報が複数ある場合には、深層学習の類似度に対するスコアが最も高い前記学習モデルを前記記憶部から選択することを特徴とする請求項9に記載の車両用バッテリーユニットの劣化判定システム。
【請求項11】
前記切替部は、マルチプレクサであって、前記種別判定部が判定した前記被判定対象の車両用バッテリーユニットの種別情報に基づいて、前記劣化判定装置と前記車両用バッテリーユニットとの接続形態を切り替えることを特徴とする請求項5または6のいずれかに記載の車両用バッテリーユニットの劣化判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用バッテリーユニットの劣化判定装置および車両用バッテリーユニットの劣化判定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の車両において、従来の鉛電池の代替品として、または動力源としてリチウムイオン電池等が採用され始めている。また、リチウムイオン電池等の信頼性を高めるために、様々な蓄電池の開発が進められている。
【0003】
このような蓄電池は、充放電を繰り返すことによって、容量の低下や内部抵抗の増加により、使用時間の短縮や出力の低下などをもたらすことが知られており、長期間の使用によって劣化した蓄電池は交換する必要がある。
【0004】
また、こうした蓄電池に用いられる一部の素材は、希少素材であるために、再利用を行う技術が多方面で検討されている。しかしながら、使用済の蓄電池では、過充電や過放電、メモリ効果等の影響により、新品の時点に比べて、電圧や蓄電容量に変化が生じるという問題がある。
【0005】
こうした問題に対して、装置起動後所定の時間の電池電圧及び電池電流を記録し、蓄電池が放電から充電に切り替わる前後の前記電池電圧及び前記電池電流の波形から直流誤差と微分容量を演算する。そして、前記電池電流に前記直流誤差を減算して電池電流の補正値を求め、前記蓄電池が放電から充電に切り替わる前後の前記電池電圧及び前記補正値の波形から直流内部抵抗を演算し、前記微分容量及び前記直流内部抵抗を用いて劣化診断を行う蓄電池の劣化を診断する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2020-169887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、車両の動力源等に用いられる蓄電池は、複数の蓄電池からなるバッテリーユニットの形態となっており、複数種類のバッテリーユニットが、既に実用化されている。
これらのバッテリーユニットは、それぞれ配線形態が異なるため、複数の種類のバッテリーユニットに対して、劣化判定を行う現場では、バッテリーユニットの種別が変わるごとに、診断装置との配線を組み替える必要があり、診断装置との配線の組み替えを誤ると、バッテリーユニットを破損させてしまう虞もあり、このことが、生産性悪化の1つの要因となっていた。
【0008】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、どのような種類のバッテリーユニットであっても、バッテリーユニットの種別を検知して、自動的に配線を組み替える車両用バッテリーユニットの劣化判定装置および車両用バッテリーユニットの劣化判定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
形態1;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、使用済の車両用バッテリーユニットに対する劣化判定を行う車両用バッテリーユニットの劣化判定装置であって、被判定対象の前記車両用バッテリーユニットの種別を判定する種別判定部と、前記被判定対象の車両用バッテリーユニットに対する劣化判定を実行する劣化判定部と、前記種別判定部において判定された前記被判定対象の前記車両用バッテリーユニットの種別に基づいて、前記劣化判定部と前記車両用バッテリーユニットとの接続形態を切り替える切替部と、前記劣化判定部の判定結果をユーザに通知する通知部と、を含むことを特徴とする車両用バッテリーユニットの劣化判定装置を提案している。
【0010】
形態2;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記種別判定部は、撮像装置を含み、前記車両用バッテリーユニットに貼付されたバーコード情報の撮像画像を解析して、前記被判定対象の前記車両用バッテリーユニットの種別を判定することを特徴とする車両用バッテリーユニットの劣化判定装置を提案している。
【0011】
形態3;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記種別判定部は、撮像装置を含み、前記車両用バッテリーユニットあるいは、前記車両用バッテリーユニットの一部をなすバッテリーモジュールの外形形状の撮像画像を解析して、前記被判定対象の前記車両用バッテリーユニットの種別を判定することを特徴とする車両用バッテリーユニットの劣化判定装置を提案している。
【0012】
形態4;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記切替部は、マルチプレクサであって、前記種別判定部が判定した前記被判定対象の車両用バッテリーユニットの種別情報に基づいて、前記劣化判定部と前記車両用バッテリーユニットとの接続形態を切り替えることを特徴とする車両用バッテリーユニットの劣化判定装置を提案している。
【0013】
形態5;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、使用済の車両用バッテリーユニットに対する劣化判定を行う劣化判定装置と、前記劣化判定装置と前記車両用バッテリーユニットとの接続形態を切り替える切替装置と、含む車両用バッテリーユニットの劣化判定システムであって、前記劣化判定装置は、被判定対象の車両用バッテリーユニットに対する劣化判定を実行する劣化判定部と、前記劣化判定部の判定結果をユーザに通知する通知部と、を含み、前記切替装置は、前記車両用バッテリーユニットに貼付されたバーコード情報を撮像する撮像部と、学習モデルを記憶する記憶部と、該撮像部において取得された画像情報を入力データとして、該記憶部に記憶された学習モデルを用いて、前記被判定対象の前記車両用バッテリーユニットの種別を判定する種別判定部と、前記種別判定部において判定された前記被判定対象の前記車両用バッテリーユニットの種別に基づいて、前記劣化判定装置と前記車両用バッテリーユニットとの接続形態を切り替える切替部と、屋内作業場所周辺の環境情報を取得するセンサと、を含むことを特徴とする車両用バッテリーユニットの劣化判定システムを提案している。
【0014】
形態6;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、使用済の車両用バッテリーユニットに対する劣化判定を行う劣化判定装置と、前記劣化判定装置と前記車両用バッテリーユニットとの接続形態を切り替える切替装置と、含む車両用バッテリーユニットの劣化判定システムであって、前記劣化判定装置は、被判定対象の車両用バッテリーユニットに対する劣化判定を実行する劣化判定部と、前記劣化判定部の判定結果をユーザに通知する通知部と、を含み、前記切替装置は、前記車両用バッテリーユニットに貼付されたバーコード情報を撮像する撮像部と、学習モデルを記憶する記憶部と、該撮像部において取得された画像情報を入力データとして、該記憶部に記憶された学習モデルを用いて、前記被判定対象の前記車両用バッテリーユニットの種別を判定する種別判定部と、前記種別判定部において判定された前記被判定対象の前記車両用バッテリーユニットの種別に基づいて、前記劣化判定装置と前記車両用バッテリーユニットとの接続形態を切り替える切替部と、屋内作業場所周辺の環境情報を取得するセンサと、を含むことを特徴とする車両用バッテリーユニットの劣化判定システムを提案している。
【0015】
形態7;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記記憶部は、前記センサが取得する環境情報に対応付けられた複数の学習モデルを記憶することを特徴とする車両用バッテリーユニットの劣化判定システムを提案している。
【0016】
形態8;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記センサは、時刻情報、前記屋内作業場所周辺の照度情報の少なくともいずれか1つを含む前記環境情報を取得することを特徴とする車両用バッテリーユニットの劣化判定システムを提案している。
【0017】
形態9;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記種別判定部は、前記屋内作業場所周辺の環境情報に基づいて、使用する前記学習モデルを前記記憶部から選択することを特徴とする車両用バッテリーユニットの劣化判定システムを提案している。
【0018】
形態10;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記種別判定部は、前記センサから得られる前記屋内作業場所周辺の環境情報が複数ある場合には、深層学習の類似度に対するスコアが最も高い前記学習モデルを前記記憶部から選択することを特徴とする車両用バッテリーユニットの劣化判定システムを提案している。
【0019】
形態11;本発明の1またはそれ以上の実施形態は、前記切替部は、マルチプレクサであって、前記種別判定部が判定した前記被判定対象の車両用バッテリーユニットの種別情報に基づいて、前記劣化判定装置と前記車両用バッテリーユニットとの接続形態を切り替えることを特徴とする車両用バッテリーユニットの劣化判定システムを提案している。
【発明の効果】
【0020】
本発明の1またはそれ以上の実施形態によれば、どのような種類のバッテリーユニットであっても、バッテリーユニットの種別を検知して、自動的に配線を組み替えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第1の実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定装置の構成を示した図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定装置の詳細な構成を示した図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定装置における劣化判定部の構成を示した図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定装置におけるバッテリーユニットの構成を示した図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定装置とバッテリーユニットとの配線パターンを例示する図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定装置の処理フロー図である。
図7】本発明の第2の実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定システムの構成を示した図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定システムにおける切替装置の構成を示した図である。
図9】本発明の第2の実施形態に係る切替装置の記憶部の構成を示した図である。
図10】本発明の第2の実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定システムの一部をなす切替装置の切替判定部の構成を示した図である。
図11】本発明の第2の実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定システムの一部をなす劣化判定装置の処理フロー図である。
図12】本発明の第2の実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定システムの一部をなす切替装置の処理フローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図1から図12を用いて、本発明の実施形態について説明する。
【0023】
<第1の実施形態>
図1から図6を用いて、本実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定装置1について説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る車両用バッテリーユニット200の劣化判定装置1は、劣化判定装置100と複数種存在する車両用バッテリーユニット200とを正確に結線して、車両用バッテリーユニット200に劣化状態を判定するものである。
なお、以下では、単位蓄電池を複数有するものをバッテリーモジュールとし、バッテリーモジュールを複数有するものをバッテリーユニットとして説明する。
【0024】
<劣化判定装置100の構成>
図2を用いて、本実施形態に係る劣化判定装置100の構成について説明する。
【0025】
図2に示すように、本実施形態に係る劣化判定装置100は、種別判定部110と、切替部120と、劣化判定部130と、を含んで構成されている。
【0026】
種別判定部110は、被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別を判定する。
具体的には、種別判定部110は、例えば、撮像装置を含み、車両用バッテリーユニット200に貼付されたバーコード情報の撮像画像を解析して、被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別を判定する。
また、種別判定部110は、撮像装置を含み、車両用バッテリーユニット200あるいは、車両用バッテリーユニット200の一部をなすバッテリーモジュールの外形形状の撮像画像を解析して、被判定対象の前記車両用バッテリーユニット200の種別を判定する。
なお、種別判定部110が、バーコードリーダーを含み、車両用バッテリーユニット200に貼付されたバーコードをバーコードリーダーによって読み取って、被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別を判定するようにしてもよい。
種別判定部110において判定された種別情報は、後述する切替部120に出力される。
【0027】
切替部120は、種別判定部110において判定された被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別情報に基づいて、後述する劣化判定部130と車両用バッテリーユニット200との接続形態を切り替える。
切替部120は、例えば、マルチプレクサで構成され、図5に示す種別情報に対応する車両用バッテリーユニット200の配線パターンに応じて、車両用バッテリーユニット200の配線を切り替えてマルチプレクサのチャンネルに接続する。
【0028】
劣化判定部130は、被判定対象の車両用バッテリーユニット200に対する劣化判定処理を実行する。
劣化判定部130は、例えば、電気化学インピーダンス法を用いて、車両用バッテリーユニット200に対する劣化判定処理を実行する。
ここで、電気化学インピーダンス法とは、蓄電池の劣化状態を各電極個別の抵抗の増加、容量の減少として把握することによって、蓄電池を破壊することなく、その内部状態を把握するものである。
【0029】
具体的には、劣化判定部130は、図3に示すように、電源部131と、電流・電圧測定部132と、温度測定部133と、解析部134と、データ保存部135と、通知部136と、制御部137と、を含んで構成されている。
【0030】
電源部131は、車両用バッテリーユニット200に印加される電流もしくは電圧を制御する。
【0031】
電流・電圧測定部132は、電源部131からの電流・電圧の印加に対して、車両用バッテリーユニット200から出力される電流および電圧を測定する。
なお、電流・電圧測定部132における測定結果は、後述する解析部140に出力される。
【0032】
温度測定部133は、車両用バッテリーユニット200の温度を測定する。
【0033】
解析部134は、例えば、電気化学インピーダンス法により、車両用バッテリーユニット200における抵抗の増加、容量の減少から、車両用バッテリーユニット200の劣化度合いを解析する。
なお、解析部134の解析結果は、後述するデータ保存部135に格納される。
【0034】
データ保存部135は、例えば、RAM(Random Access Memory)等により構成され、解析部140の解析結果を保存する。
【0035】
通知部136は、後述する制御部137からの制御信号により、解析部134の解析結果を音声やテキスト表示等により、作業者に通知する。
【0036】
制御部137は、例えば、図示しないROM(Read Only Memory)等に格納された制御プログラムに従って、劣化判定部130全体の動作を制御する。
制御部137は、本実施形態において、例えば、電源部131から車両用バッテリーユニット200に電流・電圧を印加させ、電流・電圧測定部132により、車両用バッテリーユニット200から出力される電流および電圧を測定させ、解析部134において、電気化学インピーダンス法により、車両用バッテリーユニット200の劣化度合いを解析させ、通知部136において、その解析結果を作業者に通知させる等の制御を実行する。
【0037】
<バッテリーユニットの構成>
本実施形態に係る車両用バッテリーユニット200は、図4(A)に示すように、複数(n個)のバッテリーモジュール201-1~201-nにより構成されている。
また、個々のバッテリーモジュールは、図4(B)に示されるように、複数の単位蓄電池(セル)で構成されている。
なお、以下では、バッテリーモジュールが6個の単位蓄電池(セル)で構成され、バッテリーユニット200が28個のバッテリーモジュールで構成される場合を例示して説明するが、バッテリーモジュールを構成する単位蓄電池(セル)数およびバッテリーユニット200を構成するバッテリーモジュール数は、これに限定されるものではない。
【0038】
個々のバッテリーモジュールは、正極端子201Pと負極端子201Nとを備え、個々のバッテリーモジュールが直列に接続されるように、接続帯202により、隣接するバッテリーモジュールの正極端子と負極端子とが接続されている。
これにより、個々のバッテリーモジュールが、直列に接続された状態で検査が実行される。
【0039】
<車両用バッテリーユニットの劣化判定装置100の処理>
図6を用いて、本実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定装置100の処理について説明する。
【0040】
図6に示すように、種別判定部110は、例えば、撮像装置を含み、車両用バッテリーユニット200に貼付されたバーコード情報の撮像画像を解析して、被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別を判定する。
または、種別判定部110は、撮像装置を含み、車両用バッテリーユニット200あるいは、車両用バッテリーユニット200の一部をなすバッテリーモジュールの外形形状の撮像画像を解析して、被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別を判定する(ステップS101)。
そして、種別判定部110は、判定された種別情報を切替部120に出力する。
【0041】
切替部120は、種別判定部110において判定された被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別情報に基づいて、後述する劣化判定部130と車両用バッテリーユニット200との接続形態を切り替える(ステップS102)。
【0042】
劣化判定部130は、例えば、電気化学インピーダンス法を用いて、被判定対象の車両用バッテリーユニット200に対する劣化判定を実行する(ステップS103)。
【0043】
劣化判定部130の判定処理が終了すると、劣化判定部130内の通知部136は、劣化判定部130の判定結果を音声やテキスト表示等により、作業者に通知して、処理を終了する(ステップS104)。
【0044】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定装置100の種別判定部110は、撮像装置を含み、車両用バッテリーユニット200に貼付されたバーコード情報の撮像画像を解析して、被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別を判定する。
つまり、種別判定部110は、車両用バッテリーユニット200に貼付されたバーコード情報の撮像画像から被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別を特定する。
したがって、どのような種類の車両用バッテリーユニットであっても、車両用バッテリーユニット200の種別を検知することができる。
また、種別判定部110は、車両用バッテリーユニット200に貼付されたバーコード情報の撮像画像から被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別を特定することから、人手を介することなく、正確に、車両用バッテリーユニット200の種別を検知することができる。
【0045】
また、本実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定装置100の種別判定部110は、撮像装置を含み、車両用バッテリーユニット200あるいは、車両用バッテリーユニット200の一部をなすバッテリーモジュールの外形形状の撮像画像を解析して、被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別を判定する。
つまり、種別判定部110は、車両用バッテリーユニット200あるいは、車両用バッテリーユニット200の一部をなすバッテリーモジュールの外形形状の撮像画像から被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別を特定する。
したがって、どのような種類の車両用バッテリーユニットであっても、車両用バッテリーユニット200の種別を検知することができる。
また、種別判定部110は、車両用バッテリーユニット200あるいは、車両用バッテリーユニット200の一部をなすバッテリーモジュールの外形形状の撮像画像から被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別を特定することから、人手を介することなく、正確に、車両用バッテリーユニット200の種別を検知することができる。
【0046】
また、本実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定装置100の切替部120は、種別判定部110において判定された被判定対象の前記車両用バッテリーユニット200の種別に基づいて、劣化判定部130と車両用バッテリーユニット200との接続形態を自動的に切り替える。
つまり、切替部120は、種別判定部110において判定された被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別に基づいて、例えば、マルチプレクサにより、劣化判定部130と車両用バッテリーユニット200との接続形態を自動的に切り替える。
したがって、種別判定部110において判定された被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別に基づいて、劣化判定部130と車両用バッテリーユニット200との接続形態を自動的に切り替えることから、どのような種類の車両用バッテリーユニットであっても、誤配線を防止することができる。
また、誤配線を防止できることから、車両用バッテリーユニット200の破損を防止することができる。
【0047】
また、本実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定装置100の劣化判定部130は、例えば、電気化学インピーダンス法を用いて、被判定対象の車両用バッテリーユニット200に対する劣化判定を実行する。
そのため、被判定対象の車両用バッテリーユニット200を破壊することなく、その劣化状態を正確に判定することができる。
【0048】
<変形例>
本実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定装置100の種別判定部110は、撮像装置を含み、車両用バッテリーユニット200に貼付されたバーコード情報の撮像画像を解析して、被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別を判定することを説明した。
しかしながら、撮像装置に替えて、バーコードリーダーを用いて、車両用バッテリーユニット200に貼付されたバーコード情報を読み取るようにしてもよい。
【0049】
<第2の実施形態>
図7から図12を用いて、本実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定システム10について説明する。
車両用バッテリーユニットの劣化判定システム10は、劣化判定装置100Aと切替装置300と、を含んで構成されている。
なお、劣化判定装置100Aについては、第1の実施形態における劣化判定装置100から切替機能を除いたものであることから、その詳細な説明は、省略する。
【0050】
<切替装置300の構成>
本実施形態に係る切替装置300は、図8に示すように、撮像部310と、記憶部320と、種別判定部330と、センサ340と、切替部350とを含んで構成されている。
【0051】
撮像部310は、車両用バッテリーユニット200に貼付されたバーコード情報を撮像して撮像画像を取得する。
また、撮像部310は、車両用バッテリーユニット200あるいは、車両用バッテリーユニット200の一部をなすバッテリーモジュールの外形形状を撮像して撮像画像を取得する。
撮像部310は、例えば、屋内作業場所に載置された車両用バッテリーユニット200の上面および側面を撮影可能に配置されている。
撮像部310は、無線カメラであっても、有線カメラであってもよい。
また、撮像部310は、スチルカメラであってもムービーカメラであってもよい。
さらに、撮像部310は、車両用バッテリーユニット200あるいは、車両用バッテリーユニット200の一部をなすバッテリーモジュールの外形形状を撮像する場合には、例えば、LIDARのようなセンサであってもよい。
【0052】
記憶部320は、複数の学習モデルに関する情報を記憶する。
記憶部320は、不揮発性メモリ等であってもよいし、ハードディスク等であってもよい。また、記憶部320は、ネットワークによって、後述する種別判定部330と接続されたサーバ等であってもよい。
【0053】
ここで、記憶部320に記憶される複数の学習モデルとしては、図9に示すように、午前用学習モデル320A、昼間用学習モデル320B、夜間用学習デル320C、晴天用学習モデル20D、曇天用学習モデル320E、雨天用学習モデル320F、荒天用学習モデル320G等を例示することができる。
【0054】
一般的な深層学習に用いられる学習モデルは、汎用性をもたせるために、人や車、動物、建造物、風景等の多種多様なデータから構築されていたが、本実施形態に係る切替装置300では、例えば、早朝から正午までの時間帯に屋内作業場に載置された車両用バッテリーユニット200の上面および側面を撮像した撮像画像を学習データとする午前用学習モデル320A、正午から夕方までの時間帯に屋内作業場に載置された車両用バッテリーユニット200の上面および側面を撮像した撮像画像を学習データとする昼間用学習モデル320B、日暮れ以降の時間帯に屋内作業場に載置された車両用バッテリーユニット200の上面および側面を撮像した撮像画像を学習データとする夜間用学習デル320C、晴天時に屋内作業場に載置された車両用バッテリーユニット200の上面および側面を撮像した撮像画像を学習データとする晴天用学習モデル20D、曇天時に屋内作業場に載置された車両用バッテリーユニット200の上面および側面を撮像した撮像画像を学習データとする曇天用学習モデル320E、雨天時に屋内作業場に載置された車両用バッテリーユニット200の上面および側面を撮像した撮像画像を学習データとする雨天用学習モデル320F、荒天時に屋内作業場に載置された車両用バッテリーユニット200の上面および側面を撮像した撮像画像を学習データとする荒天用学習モデル320G等が記憶部320に記憶されている。
なお、上記の学習モデルは、季節や時間帯等によって、さらに細分化したものであってもよい。
【0055】
上記の学習モデルは、予めある特定の学習データをニューラルネットワーク(NN)に入力し、深層学習を行うことにより生成される。例えば、午前用学習モデル320Aは、早朝から正午までの時間帯に屋内作業場に載置された車両用バッテリーユニット200の上面および側面を撮像した撮像画像のみからなる学習データをニューラルネットワーク(NN)に入力し、深層学習を行うことにより生成される。
なお、学習モデルは、例えば、事前に、撮像部310により撮像された撮像画像データから生成してもよいし、実際の作業時に撮像された撮像画像データを含めて学習モデルを生成してもよい。
【0056】
センサ340は、屋内作業場所周辺の環境情報を取得する。
センサ340は、例えば、時刻情報、照度情報、気象情報等を取得するセンサ等を例示することができる。
【0057】
切替部350は、種別判定部330において判定された被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別情報に基づいて、後述する劣化判定装置100Aと車両用バッテリーユニット200との接続形態を切り替える。
切替部350は、例えば、マルチプレクサで構成され、図5に示す種別情報に対応する車両用バッテリーユニット200の配線パターンに応じて、車両用バッテリーユニット200の配線を切り替えてマルチプレクサのチャンネルに接続する。
【0058】
<種別判定部330の構成>
本実施形態に係る切替装置300における種別判定部330は、図10に示すように、収集部331と、撮像画像データベース(DB)332と、機械学習制御部333と、検出対象データセット334と、学習モデルセット335と、検出部336と、検出結果データベース(DB)337と、を含んで構成されている。
【0059】
収集部331は、図示しない通信部を介し、撮像部310からの撮像画像を収集する。
ここで、収集された画像情報は、撮像画像データベース(DB)332に一時格納される。
【0060】
機械学習制御部333は、撮像画像データベース(DB)332から、深層学習に用いられる正例となる撮像画像を抽出し、検出対象データセット334へ格納する。
また、機械学習制御部333は、センサ340から得られる屋内作業場所周辺の環境情報を含む情報に基づいて、記憶部320に記憶された好適な学習モデルを選択して、当該学習モデルを学習モデルセット335に格納する。
【0061】
例えば、センサ40からの時刻情報あるいは気象情報により、現在が晴れの午前中である場合には、機械学習制御部333は、記憶部320から午前用学習モデル320Aあるいは晴天用学習モデル320Dを選択し、当該学習モデルを学習モデルセット335に格納する。
【0062】
検出部336は、撮像部310において取得された画像情報を入力データとして、機械学習制御部333により学習モデルセット335に格納された学習モデルを用いて、車両用バッテリーユニット200の種別を検出する。
より具体的には、検出部336は、検出対象データセット334と、学習モデルセット335(例えば、午前用学習モデル320A)との、例えば、類似度に対するスコアの乖離度を算出し、この乖離度が予め定めた値以下である場合には、検出結果を切替部350に出力するとともに、当該データを検出結果DB337に格納する。
【0063】
<車両用バッテリーユニットの劣化判定システム10の処理>
図11を用いて、本実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定システム10の処理について説明する。
【0064】
図11に示すように、切替装置300の種別判定部330は、撮像部310により撮像された車両用バッテリーユニット200に貼付されたバーコード情報の撮像画像を解析して、被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別を判定する。
または、切替装置300の種別判定部330は、撮像装置により撮像された車両用バッテリーユニット200あるいは、車両用バッテリーユニット200の一部をなすバッテリーモジュールの外形形状の撮像画像を解析して、被判定対象の前記車両用バッテリーユニット200の種別を判定する(ステップS200)。
そして、種別判定部330は、判定された種別情報を切替部350に出力する。
なお、切替部350の詳細な処理については、後述する。
【0065】
切替装置300の切替部350は、切替装置300の種別判定部330において判定された被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別情報に基づいて、後述する劣化判定装置100Aと車両用バッテリーユニット200との接続形態を切り替える(ステップS102)。
【0066】
劣化判定装置100Aは、例えば、電気化学インピーダンス法を用いて、被判定対象の車両用バッテリーユニット200に対する劣化判定処理を実行する(ステップS103)。
【0067】
劣化判定装置100Aの判定処理が終了すると、劣化判定装置100A内の通知部136は、劣化判定装置100Aの判定結果を音声やテキスト表示等により、作業者に通知して、処理を終了する(ステップS104)。
【0068】
<種別判定部330の処理>
図12を用いて、本実施形態に係る種別判定部330の処理について説明する。
【0069】
収集部331は、図示しない通信部を介し、撮像部310から車両用バッテリーユニット200の撮像画像を収集する(ステップS210)。
そして、収集部331は、収集された画像情報を撮像画像データベース(DB)332に格納する(ステップS220)。
【0070】
機械学習制御部333は、センサ340から得られる屋内作業場所周辺の環境情報を含む情報に基づいて、記憶部320に記憶された好適な学習モデルを選択して、当該学習モデルを学習モデルセット335に格納する(ステップS230)。
【0071】
機械学習制御部333は、撮像画像データベース(DB)332から、深層学習に用いられる正例となる撮像画像を抽出し、検出対象データセット334へ格納する(ステップS240)。
【0072】
検出部336は、撮像部310において取得された画像情報を入力データとして、機械学習制御部333により学習モデルセット335に格納された学習モデルを用いて、車両用バッテリーユニット200の種別を検出する(ステップS250)。
【0073】
検出部336は、検出結果を切替部350に出力するとともに、当該データを検出結果データベース(DB)337に格納する(ステップS250)。
【0074】
ここで、切替装置300の制御部は、次の画像情報に対する処理に移行し(ステップS270)、処理すべき画像情報があるのか否かを確認する(ステップS280)。そして、切替装置300の制御部が、処理すべき画像情報がないと判断した場合(ステップS280の「Yes」)には、一連の処理を終了する。一方で、切替装置300の制御部が、処理すべき画像情報があると判断した場合(ステップS280の「No」)には、処理をステップS250に戻す。
【0075】
<作用・効果>
以上、説明したように、本実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定システム10における切替装置300は、車両用バッテリーユニット200に貼付されたバーコード情報を撮像する撮像部310と、学習モデルを記憶する記憶部320と、撮像部310において取得された画像情報を入力データとして、記憶部320に記憶された学習モデルを用いて、被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別を判定する種別判定部330と、種別判定部330において判定された被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別に基づいて、劣化判定装置100Aと車両用バッテリーユニット200との接続形態を切り替える切替部350と、屋内作業場所周辺の環境情報を取得するセンサ340と、を備えている。
つまり、種別判定部330は、撮像部310において取得されたバーコード情報の画像情報を入力データとして、記憶部320に記憶された学習モデルを用いて、被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別を判定し、切替部350は、種別判定部330において判定された被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別に基づいて、劣化判定装置100Aと車両用バッテリーユニット200との接続形態を切り替える。
そのため、種別判定部330において、バーコード情報の大きな欠落やバーコード情報の酷い汚れ等によって、バーコード情報の画像情報からバーコード情報を判読できないような極端な場合を除いて、どのような種類のバッテリーユニットであっても、バッテリーユニットの種別を検知して、自動的に配線を組み替えることができる。
【0076】
また、本実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定システム10における切替装置300は、車両用バッテリーユニット200あるいは、車両用バッテリーユニット200の一部をなすバッテリーモジュールの外形形状を撮像する撮像部310と、学習モデルを記憶する記憶部320と、撮像部310において取得された車両用バッテリーユニット200あるいは、車両用バッテリーユニット200の一部をなすバッテリーモジュールの外形形状の画像情報を入力データとして、記憶部320に記憶された学習モデルを用いて、被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別を判定する種別判定部330と、種別判定部330において判定された被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別に基づいて、劣化判定装置100Aと車両用バッテリーユニット200との接続形態を切り替える切替部350と、屋内作業場所周辺の環境情報を取得するセンサ340と、を備えている。
つまり、種別判定部330は、撮像部310において取得された車両用バッテリーユニット200あるいは、車両用バッテリーユニット200の一部をなすバッテリーモジュールの外形形状の画像情報を入力データとして、記憶部320に記憶された学習モデルを用いて、被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別を判定し、切替部350は、種別判定部330において判定された被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別に基づいて、劣化判定装置100Aと車両用バッテリーユニット200との接続形態を切り替える。
そのため、種別判定部330において、車両用バッテリーユニット200あるいは、車両用バッテリーユニット200の一部をなすバッテリーモジュールの外形形状が他の車両用バッテリーユニット200あるいは、車両用バッテリーユニット200の一部をなすバッテリーモジュールの外形形状と、が判別不能となるような形状変化をしているような極端な場合を除いて、どのような種類のバッテリーユニットであっても、バッテリーユニットの種別を検知して、自動的に配線を組み替えることができる。
【0077】
また、本実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定システム10における記憶部320は、センサ340が取得する環境情報に対応付けられた複数の学習モデルを記憶する。
つまり、撮像装置による画像は、明るさや光の入射方向により、同じ対象物であっても撮像された画像が異なる。
そのため、センサ340が取得する環境情報に対応付けられた複数の学習モデルを保持し、現在の環境と同じような環境で撮像された画像を学習データとして生成された学習モデルを用いることによって、機械学習の精度を向上させることができる。
【0078】
また、本実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定システム10におけるセンサ340は、時刻情報、屋内作業場所周辺の照度情報の少なくともいずれか1つを含む環境情報を取得する。
つまり、上記センサ340からの情報により、時間帯情報や照度情報を取得できる。
そのため、センサ340が取得する環境情報に対応付けられた複数の学習モデルを保持し、現在の環境と同じような環境で撮像された画像を学習データとして生成された学習モデルを用いることによって、機械学習の精度を向上させることができる。
【0079】
また、本実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定システム10における種別判定部330は、屋内作業場所周辺の環境情報に基づいて、使用する学習モデルを記憶部320から選択する。
つまり、撮像装置による画像は、明るさや光の入射方向により、同じ対象物であっても撮像された画像が異なる。
そのため、センサ340が取得する環境情報に対応付けられた複数の学習モデルを保持し、現在の環境と同じような環境で撮像された画像を学習データとして生成された学習モデルを用いることによって、機械学習の精度を向上させることができる。
【0080】
また、本実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定システム10における種別判定部330は、センサ340から得られる屋内作業場所周辺の環境情報が複数ある場合には、深層学習の類似度に対するスコアが最も高い学習モデルを記憶部320から選択する。
例えば、種別判定部330は、現在が午前中の雨天であった場合には、午前用学習モデル320Aと雨天用学習モデル320Fのうち、深層学習の類似度に対するスコアが最も高い学習モデルを記憶部320から選択する。
そのため、機械学習の精度を向上させることができる。
【0081】
また、本実施形態に係る車両用バッテリーユニットの劣化判定システム10における切替部350は、マルチプレクサであって、種別判定部330が判定した被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別情報に基づいて、劣化判定装置100Aと車両用バッテリーユニット200との接続形態を切り替える。
そのため、種別判定部330において判定された被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別に基づいて、劣化判定装置100Aと車両用バッテリーユニット200との接続形態を自動的に切り替えることから、どのような種類の車両用バッテリーユニット200であっても、誤配線を防止することができる。
また、誤配線を防止できることから、車両用バッテリーユニット200の破損を防止することができる。
【0082】
なお、車両用バッテリーユニットの劣化判定装置1および車両用バッテリーユニットの劣化判定システム10の処理をコンピュータシステムあるいはコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録し、この記録媒体に記録されたプログラムを車両用バッテリーユニットの劣化判定装置1および車両用バッテリーユニットの劣化判定システム10に読み込ませ、実行することによって本発明の車両用バッテリーユニットの劣化判定装置1および車両用バッテリーユニットの劣化判定システム10を実現することができる。ここでいうコンピュータシステムあるいはコンピュータとは、OSや周辺装置等のハードウェアを含む。
【0083】
また、「コンピュータシステムあるいはコンピュータ」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムあるいはコンピュータから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムあるいはコンピュータに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0084】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムあるいはコンピュータにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0085】
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0086】
1;車両用バッテリーユニットの劣化判定装置
10;車両用バッテリーユニットの劣化判定システム
100;劣化判定装置
100A;劣化判定装置
110;種別判定部
120;切替部
130;劣化判定部
131;電源部
132;電流・電圧測定部
133;温度測定部
134;解析部
135;データ保存部
136;通信部
137;制御部
200;バッテリーユニット
200-1~200-n;バッテリーモジュール
201P;正極端子
201N;負極端子
300;切替装置
310;撮像部
320;記憶部
330;種別判定部
331;収集部
332;撮像画像データベース
333;機械学習制御部
334;検出対象データセット
335;学習モデルセット
336;検出部
337;検出結果データベース
340;センサ
350;切替部
【要約】
【課題】どのような種類のバッテリーユニットであっても、バッテリーユニットの種別を検知して、自動的に配線を組み替える。
【解決手段】被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別を判定する種別判定部110と、被判定対象の車両用バッテリーユニット200に対する劣化判定を実行する劣化判定部130と、種別判定部110において判定された被判定対象の車両用バッテリーユニット200の種別に基づいて、劣化判定部130と車両用バッテリーユニット200との接続形態を切り替える切替部120と、劣化判定部130の判定結果をユーザに通知する通知部136と、を備える。
【選択図】図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12