(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】吸音ユニット及び遮音構造体用組立キット
(51)【国際特許分類】
G10K 11/16 20060101AFI20220722BHJP
E04B 1/86 20060101ALI20220722BHJP
E04B 1/82 20060101ALI20220722BHJP
E04B 2/74 20060101ALI20220722BHJP
H02K 5/24 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
G10K11/16 150
E04B1/86 M
E04B1/82 Z
E04B1/86 K
E04B2/74 551
E04B2/74 561H
H02K5/24 Z
G10K11/16 120
(21)【出願番号】P 2018133211
(22)【出願日】2018-07-13
【審査請求日】2021-06-07
(31)【優先権主張番号】P 2018007291
(32)【優先日】2018-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 将典
【審査官】殿川 雅也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-078702(JP,U)
【文献】特開2013-216380(JP,A)
【文献】特開2017-065026(JP,A)
【文献】実開昭63-078999(JP,U)
【文献】特開平02-230197(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第19652871(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 11/16
E04B 1/86
E04B 1/82
E04B 2/74
H02K 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の吸音パネルが互いに連結されてなるとともに騒音源の収容空間を区画する側壁部を備えた遮音構造体を組み立てるための吸音ユニットであって、
上下方向に延びる一対の側辺を有する前記吸音パネルと、前記吸音パネルの前記一対の側辺の少なくとも一方に取り付けられた連結部材を備え、
前記連結部材は、前記吸音パネルに取り付けられた第1支持部と、当該吸音ユニットとは別の吸音ユニットの前記吸音パネルを支持するための第2支持部と、前記第1支持部と前記第2支持部を回動可能に連結する連結部を備えて
おり、
前記第1支持部は、前記吸音パネルの一対の主面のそれぞれを支持する一対の第1主面支持部と、当該吸音パネルの端面を支持する第1端面支持部とを有する長尺状の断面コ字状に形成され、
前記第2支持部は、前記第1支持部が取り付けられた前記吸音パネルとは別の吸音ユニットの前記吸音パネルの一対の主面のそれぞれを支持するための一対の第2主面支持部と、当該吸音パネルの端面を支持するための第2端面支持部とを有する長尺状の断面コ字状に形成され、
前記第1端面支持部の外面及び前記第2端面支持部の外面のいずれか一方には、凸部が形成されているとともに、他方には、前記第1端面支持部と前記第2端面支持部とが対向した状態で前記凸部が収容される凹部が形成されており、
前記凸部は、前記外面における短手方向の2箇所で長手方向に延びるように形成されている
ことを特徴とする吸音ユニット。
【請求項2】
複数の吸音パネルが互いに連結されてなるとともに騒音源の収容空間を区画する側壁部を備えた遮音構造体を組み立てるための吸音ユニットであって、
上下方向に延びる一対の側辺を有する前記吸音パネルと、前記吸音パネルの前記一対の側辺の少なくとも一方に取り付けられた連結部材を備え、
前記連結部材は、前記吸音パネルに取り付けられた第1支持部と、当該吸音ユニットとは別の吸音ユニットの前記吸音パネルを支持するための第2支持部と、前記第1支持部と前記第2支持部を回動可能に連結する連結部を備えて
おり、
前記第1支持部は、前記吸音パネルの一対の主面のそれぞれを支持する一対の第1主面支持部と、当該吸音パネルの端面を支持する第1端面支持部とを有する長尺状の断面コ字状に形成され、
前記第2支持部は、前記第1支持部が取り付けられた前記吸音パネルとは別の吸音ユニットの前記吸音パネルの一対の主面のそれぞれを支持するための一対の第2主面支持部と、当該吸音パネルの端面を支持するための第2端面支持部とを有する長尺状の断面コ字状に形成され、
前記第1主面支持部及び前記第2主面支持部の外側面には、長手方向に延びる第1凹部が形成され、前記第1凹部の短手方向中央部分には、長手方向に延びるとともに前記第1凹部より幅狭の第2凹部が形成されている
ことを特徴とする吸音ユニット。
【請求項3】
前記吸音パネルは、複数の柱形状のセルを区画するコア層と、前記コア層の厚み方向両側の面に接合された一対のスキン層を備え、
前記吸音パネルにおける一対の前記スキン層のうち前記収容空間側のスキン層には、前記セルの内外を連通させる連通孔が設けられており、
前記吸音パネルの前記収容空間側には、多孔質性の材料で形成された吸音材が設けられている、
ことを特徴とする請求項
1又は2に記載の吸音ユニット。
【請求項4】
複数の吸音パネルが互いに連結されてなるとともに騒音源の収容空間を区画する側壁部を備えた遮音構造体を組み立てるための吸音ユニットであって、
上下方向に延びる一対の側辺を有する前記吸音パネルと、前記吸音パネルの前記一対の側辺の少なくとも一方に取り付けられた連結部材を備え、
前記連結部材は、前記吸音パネルに取り付けられた第1支持部と、当該吸音ユニットとは別の吸音ユニットの前記吸音パネルを支持するための第2支持部と、前記第1支持部と前記第2支持部を回動可能に連結する連結部を備えて
おり、
前記第1支持部は、前記吸音パネルの一対の主面のそれぞれを支持する一対の第1主面支持部と、当該吸音パネルの端面を支持する第1端面支持部とを有する長尺状の断面コ字状に形成され、
前記第2支持部は、前記第1支持部が取り付けられた前記吸音パネルとは別の吸音ユニットの前記吸音パネルの一対の主面のそれぞれを支持するための一対の第2主面支持部と、当該吸音パネルの端面を支持するための第2端面支持部とを有する長尺状の断面コ字状に形成され、
前記吸音パネルは、複数の柱形状のセルを区画するコア層と、前記コア層の厚み方向両側の面に接合された一対のスキン層を備え、
前記吸音パネルにおける一対の前記スキン層のうち前記収容空間側のスキン層には、前記セルの内外を連通させる連通孔が設けられており、
前記吸音パネルの前記収容空間側には、多孔質性の材料で形成された吸音材が設けられており、、
前記吸音材は、前記第1主面支持部及び前記第2主面支持部を覆うような位置にまで設けられていることにより、前記吸音材と前記吸音パネルとの間には、前記第1主面支持部又は前記第2主面支持部の厚み分の隙間が形成されている
ことを特徴とする吸音ユニット。
【請求項5】
複数の吸音パネルが互いに連結されてなるとともに騒音源の収容空間を区画する側壁部を備えた遮音構造体を組み立てるための遮音構造体用組立キットであって、
請求項1~4のいずれか一項に記載の吸音ユニットを複数備えている、
ことを特徴とする遮音構造体用組立キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸音ユニット及び遮音構造体用組立キットに関する。より詳しくは、複数の吸音パネルが互いに連結されてなる側壁部を備えた遮音構造体を組み立てるための吸音ユニット、及び当該遮音構造体を組み立てるための遮音構造体用組立キットに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の吸音パネルが互いに連結されてなる側壁部を備え、騒音源の周囲に設けて不快な騒音が外部に漏れるのを抑制する遮音構造体が知られている。
特許文献1には、発電機等のエンジン式の機械を覆って周囲へ騒音が漏れるのを抑制する遮音構造体に係る発明が記載されている。特許文献1に記載される遮音構造体は、四角形に形成された4枚の吸音板がアルミニウム製の枠を介して互いに連結されてなる側壁部を有している。また、側壁部の上端には排気口を形成するための蓋板が回動可能に設けられた上面部材が、アルミニウム製の枠を介して連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
こうした遮音構造体を発電機の周囲に配置するために、特許文献1では、台車上に載せた発電機のエンジンを作動させた後に、発電機の上方から覆うように遮音構造体を被せている。
【0005】
しかし、こうした設置方法では、重量のある遮音構造体を発電機の高さ以上に持ち上げる必要があるため、設置作業に携わる作業者が1人しかいない場合や、非力である場合等には、設置作業に困難を伴うものであった。
【0006】
また、従来の遮音構造体は、4枚の吸音板が予め連結されてなるものであるため、発電機等の大きさが変わると対応することができず。機械の大きさに合うような遮音構造体を準備して設置する必要があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、設置作業がし易く汎用性の高い遮音構造体を提供することであり、設置作業がし易く汎用性の高い遮音構造体用の吸音ユニット及び遮音構造体用組立キットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の吸音ユニットは、複数の吸音パネルが互いに連結されてなるとともに騒音源の収容空間を区画する側壁部を備えた遮音構造体を組み立てるための吸音ユニットであって、上下方向に延びる一対の側辺を有する前記吸音パネルと、前記吸音パネルの前記一対の側辺の少なくとも一方に取り付けられた連結部材を備え、前記連結部材は、前記吸音パネルに取り付けられた第1支持部と、当該吸音ユニットとは別の吸音ユニットの前記吸音パネルを支持するための第2支持部と、前記第1支持部と前記第2支持部を回動可能に連結する連結部を備えていることを特徴とする。
【0009】
上記の構成によれば、遮音構造体を組み立てるための吸音ユニットは、上下方向に延びる一対の側辺を有する吸音パネルの少なくとも一方の側辺に、連結部材の第1支持部が取り付けられている。連結部材は、連結部を介して第1支持部に連結された第2支持部を備えており、第2支持部は、第1支持部が取り付けられた吸音ユニットとは別の吸音ユニットの吸音パネルを支持するように構成されている。そのため、第1支持部が取り付けられた吸音ユニットの第2支持部に別の吸音ユニットの吸音パネルを取り付けると、2枚の吸音パネルを連結することができる。
【0010】
また、連結部材の連結部は、第1支持部と第2支持部を回動可能に連結している。そのため、連結部材を介して連結された2枚の吸音パネルは、互いに交差する方向に延びるような状態とすることができる。複数の吸音パネルによって、騒音源を収容するための収容空間を区画することができる。
【0011】
このように、吸音パネルに連結部材が取り付けられた吸音ユニットを一つずつ連結していくことで、騒音源の収容空間を区画する側壁部を備えた遮音構造体を組み立てることができる。遮音構造体の設置作業時に、遮音構造体を持ち上げることなく、騒音源の収容空間を遮音構造体で区画することができる。設置作業がし易い遮音構造体用の吸音ユニットを得ることができ、設置作業がし易い遮音構造体を得ることができる。
【0012】
また、遮音構造体は、複数枚の吸音ユニットを連結して組み立てることができるため、連結する吸音ユニットの枚数を変更することにより、大きさの異なる遮音構造体とすることができる。さらに、連結部を介して連結される第1支持部と第2支持部を所定角度とすれば、適宜の多角形状の遮音構造体とすることができる。汎用性の高い遮音構造体を得ることができる。
【0013】
上記の吸音ユニットにおいて、前記第1支持部は、前記吸音パネルの一対の主面のそれぞれを支持する一対の第1主面支持部と、当該吸音パネルの端面を支持する第1端面支持部とを有する断面コ字状に形成され、前記第2支持部は、前記第1支持部が取り付けられた前記吸音パネルとは別の吸音ユニットの前記吸音パネルの一対の主面のそれぞれを支持するための一対の第2主面支持部と、当該吸音パネルの端面を支持するための第2端面支持部とを有する断面コ字状に形成されていることが好ましい。
【0014】
上記の吸音ユニットにおいて、前記第1端面支持部の外面及び前記第2端面支持部の外面のいずれか一方には、凸部が形成されているとともに、他方には、前記第1端面支持部と前記第2端面支持部とが対向した状態で前記凸部が収容される凹部が形成されていることが好ましい。
【0015】
上記の吸音ユニットにおいて、前記吸音パネルは、複数の柱形状のセルを区画するコア層と、前記コア層の厚み方向両側の面に接合された一対のスキン層を備え、前記吸音パネルにおける一対の前記スキン層のうち前記収容空間側のスキン層には、前記セルの内外を連通させる連通孔が設けられており、前記吸音パネルの前記収容空間側には、多孔質性の材料で形成された吸音材が設けられていることが好ましい。
【0016】
上記課題を解決するため、本発明の遮音構造体用組立キットは、複数の吸音パネルが互いに連結されてなるとともに騒音源の収容空間を区画する側壁部を備えた遮音構造体を組み立てるための遮音構造体用組立キットであって、上記の吸音ユニットを複数備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、設置作業がし易く汎用性の高い遮音構造体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】(a)は中空板材の斜視図、(b)は(a)におけるβ-β線断面図、(c)は(a)におけるγ-γ線断面図。
【
図3】(a)は中空板材のコア層を構成するシート材の斜視図、(b)は同シート材の折り畳み途中の状態を示す斜視図、(c)は同シート材を折り畳んだ状態を示す斜視図、(d)は中空板材の連通孔の形成態様を示す断面図。
【
図4】第1実施形態の遮音構造体を構成する吸音ユニットについて説明する図。(a)は吸音ユニットの斜視図、(b)は吸音ユニットの部分拡大図。
【
図5】第1連結部材について説明する図。(a)は第1連結部材を収容空間側から見た部分斜視図、(b)は第1連結部材を収容空間とは反対側から見た部分斜視図。
【
図6】第1連結部材について説明する図。(a)、(b)は第1連結部材の断面図。
【
図7】吸音パネルに吸音材が設けられた状態について説明する図。
【
図8】(a)~(d)は第1実施形態の遮音構造体の設置工程について説明する図。
【
図9】第1実施形態の吸音ユニットを保管する状態について説明する図。
【
図11】第2実施形態の遮音構造体を構成する吸音ユニットについて説明する図。(a)は吸音ユニットの斜視図、(b)、(c)は吸音ユニットの部分拡大図。
【
図12】第2連結部材について説明する図。(a)は第2連結部材の部分斜視図、(b)は第2連結部材の端面図、(c)は第2連結部材の断面図。
【
図13】(a)~(d)は第2実施形態の遮音構造体の設置工程について説明する図。
【
図14】第2実施形態の吸音ユニットを保管する状態について説明する図。
【
図16】第3実施形態の遮音構造体を構成する吸音ユニットについて説明する図。(a)は吸音ユニットの斜視図、(b)は吸音ユニットの部分拡大図。
【
図17】吸音ユニットの変更例について説明する図。(a)は変更例の吸音ユニットの上面図、(b)は変更例の吸音ユニットを連結してなる遮音構造体の上面図。
【
図18】(a)、(b)は第3実施形態の吸音ユニットの変更例の部分斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態の遮音構造体1Aについて説明する。
図1に示すように、本実施形態の遮音構造体1Aは、四角筒形状をなす側壁部2Aを備えている。側壁部2Aで区画された内部の空間は、例えば、小型電動機や粉砕機等の騒音源を収容可能な収容空間Cとなる。
【0020】
側壁部2Aは、複数の吸音パネル20が、連結部材(第1連結部材)40を介して互いに連結されて形成されている。本実施形態の吸音パネル20は、約1000mm×750mmの長方形板状であり、長手方向が上下方向となるように配置されている。また、吸音パネル20の収容空間C側の主面20aには、長方形板状の吸音材30が脱着可能に貼着されている。
【0021】
図2に示すように、吸音パネル20は、内部に複数のセルSが並設された板状の中空構造体である中空板材3により形成されている。また、吸音材30は、内部に複数の孔を有する多孔質性の材料で形成されており、本実施形態では、グラスウールにより形成されている。
【0022】
まず、吸音パネル20を形成する中空板材3の構造について説明する。
図2(a)に示すように、中空板材3は、内部に複数のセルSが並設されたコア層4と、コア層4の厚み方向両面(
図2(a)において上下両面)に接合されたシート状のスキン層5、6とで構成されている。
図2(b)及び
図2(c)に示すように、コア層4は、所定形状に成形された1枚の熱可塑性樹脂製のシート材を折り畳んで形成されている。コア層4は、上方壁部4aと、下方壁部4bと、上方壁部4a及び下方壁部4bの間に立設されてセルSを六角柱形状に区画する側方壁部4cとで構成されている。
【0023】
図2(b)及び
図2(c)に示すように、コア層4の内部に区画形成されるセルSには、構成の異なる第1セルS1及び第2セルS2が存在する。
図2(b)に示すように、第1セルS1においては、側方壁部4cの上部に2層構造の上方壁部4aが設けられている。この2層構造の上方壁部4aの各層は互いに接合されている。また、第1セルS1においては、側方壁部4cの下部に1層構造の下方壁部4bが設けられている。一方、
図2(c)に示すように、第2セルS2においては、側方壁部4cの上部に1層構造の上方壁部4aが設けられている。また、第2セルS2においては、側方壁部4cの下部に2層構造の下方壁部4bが設けられている。この2層構造の下方壁部4bの各層は互いに接合されている。また、
図2(b)及び
図2(c)に示すように、隣接する第1セルS1同士の間、及び隣接する第2セルS2同士の間は、それぞれ2層構造の側方壁部4cによって区画されている。
【0024】
図2(a)に示すように、第1セルS1はX方向に沿って列を成すように並設されていて、上面視した場合に、隣り合う2つの第1セルS1が六角形の1辺を共有している。同様に、第2セルS2はX方向に沿って列を成すように並設されていて、上面視した場合に、隣り合う2つの第2セルS2が六角形の1辺を共有している。第1セルS1の列及び第2セルS2の列は、X方向に直交するY方向において交互に配列されている。そして、これら第1セルS1及び第2セルS2により、コア層4は、全体としてハニカム構造をなしている。
【0025】
図2(a)~(c)に示すように、上記のように構成されたコア層4の上面には熱可塑性樹脂製のシート材であるスキン層5が接合されている。また、コア層4の下面には、熱可塑性樹脂製のシート材であるスキン層6が接合されている。この実施形態では、コア層4における側方壁部4cの上部が、コア層4の上方壁部4a及びスキン層5で閉塞されている。すなわち、上方壁部4a及びスキン層5が、セルSを上側から区画する上部閉塞壁3aを構成している。同様に、コア層4における側方壁部4cの下部が、コア層4の下方壁部4b及びスキン層6で閉塞されている。すなわち、下方壁部4b及びスキン層6が、セルSを下側から区画する下部閉塞壁3bを構成している。
【0026】
図2(b)及び
図2(c)に示すように、中空板材3の上部閉塞壁3aには、セルSの内外を連通させる連通孔7が設けられている。具体的には、
図2(b)に示すように、第1セルS1において連通孔7は、上面側のスキン層5及び2層構造の上方壁部4aを貫通している。また、
図2(c)に示すように、第2セルS2において連通孔7は、上面側のスキン層5及び1層構造の上方壁部4aを貫通している。
【0027】
図2(a)に示すように、連通孔7は、1つのセルSに対して1箇所ずつ設けられている。この実施形態では、連通孔7は、中空板材3を上面視した場合に、各セルSの六角形状の中央に位置している。
図2(b)及び
図2(c)に示すように、各連通孔7の開口の直径は、セルSを上面視した場合の六角形の一辺の長さ以下に設定されている。具体的には、各連通孔7の開口の直径は、X方向に隣り合うセルSの中心同士の間隔P1の数分の1(例えば、0.5~3.0mm程度)に設定されている。
【0028】
次に、中空板材3の製造方法について
図3に従って説明する。
図3(a)に示すように、第1シート材100は、1枚の熱可塑性樹脂製のシートを所定の形状に成形することにより形成される。第1シート材100には、帯状をなす平面領域110及び膨出領域120が、第1シート材100の長手方向(X方向)に交互に配置されている。膨出領域120には、上面と一対の側面とからなる断面下向溝状をなす第1膨出部121が膨出領域120の延びる方向(Y方向)の全体に亘って形成されている。なお、第1膨出部121の上面と側面とのなす角は90度であることが好ましく、その結果として、第1膨出部121の断面形状は下向コ字状となる。また、第1膨出部121の幅(上面の短手方向の長さ)は平面領域110の幅と等しく、かつ第1膨出部121の膨出高さ(側面の短手方向の長さ)の2倍の長さとなるように設定されている。
【0029】
また、膨出領域120には、その断面形状が正六角形を最も長い対角線で二分して得られる台形状をなす複数の第2膨出部122が、第1膨出部121に直交するように形成されている。第2膨出部122の膨出高さは第1膨出部121の膨出高さと等しくなるように設定されている。また、隣り合う第2膨出部122間の間隔は、第2膨出部122の上面の幅と等しくなっている。
【0030】
なお、こうした第1膨出部121及び第2膨出部122は、シートの塑性を利用してシートを部分的に上方に膨出させることにより形成されている。また、第1シート材100は、真空成形法や圧縮成形法等の周知の成形方法によって1枚のシートから成形することができる。
【0031】
図3(a)及び
図3(b)に示すように、上述のように構成された第1シート材100を、境界線P、Qに沿って折り畳むことでコア層4が形成される。具体的には、第1シート材100を、平面領域110と膨出領域120との境界線Pにて谷折りするとともに、第1膨出部121の上面と側面との境界線Qにて山折りしてX方向に圧縮する。そして、
図3(b)及び
図3(c)に示すように、第1膨出部121の上面と側面とが折り重なるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なることによって、一つの膨出領域120に対して一つのY方向に延びる角柱状の区画体130が形成される。こうした区画体130がX方向に連続して形成されていくことにより中空板状のコア層4が形成される。なお、この実施形態では、第1シート材100を折り畳むために圧縮する方向が、セルSが並設される方向(X方向)である。
【0032】
上記のように第1シート材100を圧縮するとき、第1膨出部121の上面と側面とによってコア層4の上方壁部4aが形成されるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とによってコア層4の下方壁部4bが形成される。なお、
図2(c)に示すように、上方壁部4aにおける第1膨出部121の上面と側面とが折り重なって2層構造を形成する部分、及び下方壁部4bにおける第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なって2層構造を形成する部分がそれぞれ重ね合わせ部131となる。
【0033】
また、第2膨出部122が折り畳まれて区画形成される六角柱形状の領域が第2セルS2となるとともに、隣り合う一対の区画体130間に区画形成される六角柱形状の領域が第1セルS1となる。本実施形態では、第2膨出部122の上面及び側面が第2セルS2の側方壁部4cを構成するとともに、第2膨出部122の側面と、膨出領域120における第2膨出部122間に位置する平面部分とが第1セルS1の側方壁部4cを構成する。そして、第2膨出部122の上面同士の当接部位、及び膨出領域120における上記平面部分同士の当接部位が2層構造をなす側方壁部4cとなる。また、第1セルS1では、一対の重ね合わせ部131によってその上部が区画され、第2セルS2では、一対の重ね合わせ部131によってその下部が区画されている。なお、こうした折り畳み工程を実施するに際して、第1シート材100を加熱処理して軟化させた状態としておくことが好ましい。
【0034】
このようにして得られたコア層4の上面及び下面には、それぞれ熱可塑性樹脂製の第2シート材が熱溶着により接合される。コア層4の上面に接合された第2シート材はスキン層5となり、コア層4の上方壁部4aと共にセルSを上側から閉塞する上部閉塞壁3aを構成する。コア層4の下面に接合された第2シート材は、スキン層6となり、コア層4の下方壁部4bと共にセルSを下側から閉塞する下部閉塞壁3bを構成する。
【0035】
なお、第2シート材(スキン層5、6)をコア層4に熱溶着する際には、第1セルS1における2層構造の上方壁部4a(重ね合せ部131)が互いに熱溶着される。同様に、第2セルS2における2層構造の下方壁部4b(重ね合せ部131)が互いに熱溶着される。
【0036】
上記各工程により、X方向に第1セルS1又は第2セルS2がそれぞれ列を成すように多数並設され、Y方向に第1セルS1及び第2セルS2が交互に多数並設された中空板材3が得られる。
【0037】
その後、中空板材3のスキン層5及びコア層4の上方壁部4a(上部閉塞壁3a)に多数の連通孔7を形成する。連通孔7は、ドリル、針、パンチ等の貫通冶具Tを、中空板材3のスキン層5及びコア層4の上方壁部4aに貫通させることにより形成される。
図3(d)に示すように、貫通冶具Tは、隣り合うセルSの中心同士の各間隔と略同一の間隔で複数配列された構成となっている。複数の貫通冶具Tの下方側に中空板材3を配置して固定し、貫通冶具Tを下降移動させる。このようにして、中空板材3のスキン層5及びコア層4の上方壁部4aには、各セルSの略中央部分に各1箇所ずつの連通孔7が形成される。以上の工程を経て、複数の連通孔7が形成された中空板材3が製造される。なお、本実施形態の中空板材3の板厚は約20mmである。
【0038】
次に、
図1、
図4~
図7に従って、上記の中空板材3を吸音パネル20として使用した遮音構造体1Aの構成について説明する。
図1及び
図4(a)に示すように、本実施形態の遮音構造体1Aは、吸音パネル20の一方の主面20aに吸音材30が貼着され、吸音パネル20の一方の側端縁20cに第1連結部材40が取り付けられた吸音ユニット10Aを一つの単位として形成されている。吸音パネル20の主面20aは、中空板材3のスキン層5側、つまり、連通孔7が形成されている側であり、吸音材30は、当該主面20aに脱着可能に貼着されている。また、第1連結部材40は、吸音ユニット10Aを吸音材30が貼着されていない側から見た場合に、吸音パネル20の右側の側端縁20cの全長に亘って取り付けられている。本実施形態の遮音構造体1Aは、このような吸音ユニット10Aを4枚連結することによって、四角筒形状をなす側壁部2Aが形成されている。
【0039】
なお、本実施形態の遮音構造体1Aでは、吸音パネル20、吸音材30、及び第1連結部材40からなる吸音ユニット10Aを一つの単位としているが、脱着可能な吸音材30を省略してもよい。この場合、吸音パネル20、及び第1連結部材40からなる吸音ユニット10Aを一つの単位として側壁部2Aが形成されることになる。
【0040】
吸音パネル20は、板厚約20mmの中空板材3を、約1000mm×750mmの長方形板状に切断して形成されている。吸音パネル20は、中空板材3を構成する第1セルS1及び第2セルS2の列が延びる方向に直交する方向(
図2及び
図3においてY方向)が上下方向となるように配置されている。
【0041】
吸音パネル20の収容空間C側の面には、図示しない透湿防水シートが、その全面に亘って貼り付けられている。すなわち、吸音パネル20におけるスキン層5の外面(連通孔7が形成されている主面20a側の外面)には、透湿防水シートが貼り付けられている。透湿防水シートは、例えば、面ファスナー、両面テープ、接着剤などで吸音パネル20に貼り付けられている。そのため、吸音パネル20の連通孔7を介して、中空板材3のセルS内に水が浸入することが抑制される。その結果、吸音パネルのセルS内に水が浸入することに起因して吸音パネルの吸音特性が変化することが抑制される。
【0042】
図4(a)に示すように、吸音パネル20の上端面及び下端面には、それぞれ帯板状の封止部材21が取り付けられている。封止部材21の幅方向の寸法は、吸音パネル20の厚み寸法、すなわち中空板材3の厚み寸法と同じになっている。また、封止部材21の長さ方向の寸法は、吸音パネル20の幅方向の寸法と同じになっている。そのため、この封止部材21によって、吸音パネル20の上端面及び下端面において中空板材3の内部空間(セルS)が露出しないようになっており、中空板材3の内部空間に塵、埃、水等が入ることが抑制される。
【0043】
図4(a)に示すように、吸音パネル20の他方の主面20b、すなわち、吸音材30が貼着されていない側の面には、側端縁20c寄りの上下2箇所にそれぞれ雄型面ファスナー22が取り付けられている。雄型面ファスナー22は、吸音パネル20の幅方向に延びる帯状になっていて、その長手方向の一端が吸音パネル20の主面20bに固定されている。また、雄型面ファスナー22の長手方向の他端は、吸音ユニット10Aの外側、すなわち、吸音パネル20に取り付けられた第1連結部材40の外側へと飛び出している。
【0044】
吸音パネル20の主面20bには、吸音パネル20の他方の側端縁20d寄りの上下2箇所にそれぞれ雌型面ファスナー23が取り付けられている。雌型面ファスナー23の上下方向の位置は、雄型面ファスナー22の上下方向の位置と同じになっている。
【0045】
図4(a)に示すように、第1連結部材40は、吸音パネル20の上端縁近傍から下端縁に至るまでの長さを有する長尺状の部材として形成されている。
図4(b)に示すように、第1連結部材40は、断面コ字状の第1支持部41と、断面コ字状の第2支持部42と、第1支持部41と第2支持部42を回動可能に連結する連結部としての軟質部43とで構成されている。第1支持部41は、吸音ユニット10Aを構成する吸音パネル20の側端縁20cに取り付けられている部分であり、第2支持部42は、当該吸音ユニット10Aとは別の吸音ユニット10Aを構成する吸音パネル20の側端縁20dを支持するための部分である。
【0046】
図4(b)及び
図5(a)に示すように、第1支持部41は、吸音パネル20の一対の主面20a、20bを支持する一対の第1主面支持部41a、41aと、吸音パネル20の側端縁20c側の端面を支持する第1端面支持部41bとを有している。一対の第1主面支持部41a、41aの間には、吸音パネル20が挿入される溝41cが形成されている。
【0047】
図6(a)に示すように、第1支持部41における溝41cの幅、すなわち、一対の第1主面支持部41a、41aの内側面間の幅L1は、吸音パネル20の板厚より少し大きく形成されている。具体的には、吸音パネル20の厚みより3~12%大きく形成されていることが好ましく、6~9%大きく形成されていることがより好ましい。第1主面支持部41aの内側面の幅方向の寸法M1は、吸音材30の厚み方向の寸法とほぼ同じとなるように形成されている。また、一対の第1主面支持部41a、41aは、それぞれ約2,5mmの厚みに形成されている。
【0048】
図4(b)及び
図5(b)に示すように、第1支持部41における吸音パネル20の主面20b側の第1主面支持部41aの外側面には、凹部41fが長手方向に延びるように形成されている。凹部41fの短手方向中央部分には、凹部41fからさらに凹む凹部41gが長手方向に延びるように形成されている。凹部41gは、凹部41fより深く、かつ幅狭に形成されている。
【0049】
図5(a)及び
図5(b)に示すように、第1支持部41の第1端面支持部41bの外側面には、端縁寄りの2箇所に、長手方向に延びるように凸部41dが形成されている。そのため、第1端面支持部41bの外側面における凸部41dの間の部分は、凸部41dと比べて相対的に凹んだ凹部41eが、長手方向に延びるように形成されている。
【0050】
図4(b)及び
図5(a)に示すように、第2支持部42は、吸音パネル20の一対の主面20a、20bを支持する一対の第2主面支持部42a、42aと、吸音パネル20の側端縁20d側の端面を支持する第2端面支持部42bとを有している。一対の第2主面支持部42a、42aの間には、吸音パネル20が挿入される溝42cが形成されている。
【0051】
図6(a)に示すように、第2支持部42における溝42cの幅、すなわち、一対の第2主面支持部42a、42aの内側面間の幅L2は、吸音パネル20の板厚より少し大きく形成されている。溝42cの幅L2は、第1支持部41における溝41cの幅L1と同じであり、第2主面支持部42aの内側面の幅方向の寸法M2は、第1支持部41における第1主面支持部41aの内側面の幅方向の寸法M1と同じである。また、一対の第2主面支持部42a、42aは、それぞれ約2,5mmの厚みに形成されている。
【0052】
図4(b)及び
図5(b)に示すように、第2支持部42の第2主面支持部42aの外側面には、第1支持部41の第1主面支持部41aと同様に、凹部42fと凹部42gが長手方向に延びるように形成されている。凹部42gは、凹部42fより深く、かつ幅狭に形成されている。
【0053】
図5(a)及び
図5(b)に示すように、第2支持部42の第2端面支持部42bの外側面には、中央寄りの2箇所に、長手方向に延びるように凸部42dが形成されている。そのため、第2端面支持部42bの外側面における凸部42dの端縁寄りの部分は、凸部42dと比べて相対的に凹んだ凹部42eが、長手方向に延びるように形成されている。
【0054】
図4(b)及び
図5(a)に示すように、第1支持部41と第2支持部42の収容空間C側の外側面には、第1支持部41と第2支持部42を連結する連結部としての軟質部43が設けられている。軟質部43は、第1主面支持部41aの外側面の一部から第2主面支持部42aの外側面の一部に亘る部分に、第1連結部材40の全長に延びるように設けられている。
【0055】
第1支持部41及び第2支持部42は、硬質の合成樹脂材料である従来公知の熱可塑性樹脂材料で形成されており、軟質部43は、従来公知の熱可塑性エラストマーで形成されている。第1支持部41及び第2支持部42を形成する熱可塑性樹脂材料は特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、アクリルニトリル‐ブタジエン‐スチレン等が挙げられる。また、軟質部43を形成する熱可塑性エラストマーも特に限定されないが、例えば、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー等が挙げられる。第1連結部材40は、押出し成形によって第1支持部41、第2支持部42、及び軟質部43が一体成形されている。
【0056】
図6(a)及び
図6(b)に示すように、第1連結部材40は、第1支持部41と第2支持部42とが熱可塑性エラストマー製の軟質部43を介して連結されているため、第1支持部41と第2支持部42は、第1支持部41及び第2支持部42の間に位置する軟質部43を回動軸43aとして、所定角度に回動可能とされている。第1主面支持部41aと第2主面支持部42aが当接した状態を最小角度とし、第1端面支持部41bと第2端面支持部42bが対向した状態を最大角度として、0゜~180゜の間の所定角度に回動可能とされている。
【0057】
図6(a)に示すように、第1端面支持部41bと第2端面支持部42bが対向した状態、すなわち第1支持部41と第2支持部42が180゜の角度とされている状態では、第1端面支持部41bの凹部41e内に第2端面支持部42bの凸部42dが収容される。また、第2端面支持部42bの凹部42e内に第1端面支持部41bの凸部41dが収容される。そのため、第1支持部41と第2支持部42の厚み方向の移動が規制され、軟質部43に捩り等の負荷が掛かることが抑制される。その結果、軟質部43に亀裂や破損が生じにくく、軟質部43の寿命を延ばすことができる。また、第1支持部41と第2支持部42との位置合わせがし易くなる。
【0058】
図4(a)及び
図4(b)に示すように、第1連結部材40は、第1支持部41の溝41c内に吸音パネル20の一方の側端縁20cが挿入された状態で、第1支持部41における収容空間Cとは反対側の第1主面支持部41aの外側面側から、ビス90により固定することによって、吸音パネル20に取り付けられている。ビス90による固定箇所は特に限定されないが、第1連結部材40の上下端部及び中間部分の最低3箇所にビス止めされていることが好ましい。このとき、第1主面支持部41aの外側面には、凹部41f、41gが形成されているため、
図6(b)に示すように、ビス90の先端90bが凹部41gの位置に合わせてビス止めされると、ビス90の頭部90aの端縁が、凹部41f内に収まっている。そのため、ビス止め作業時のビス90の位置合わせがし易い。また、ビス90に対する他の物体の引っ掛かりが抑制されて、ビス90が位置ずれしたり抜けたりすることが抑制される。
【0059】
吸音材30は、吸音パネル20と同様、板厚約20mmの長方形板状に形成されている。吸音材30の材質は、内部に複数の孔を有する多孔質性の材料であれば特に限定されず、例えば、グラスウールやウレタンフォーム材等が挙げられる。本実施形態では、グラスウールを吸音材30としている。グラスウールは、ガラス繊維を圧縮しつつ接着することにより形成されており、ガラス繊維同士の間に無数の隙間が存在している。
【0060】
吸音材30の高さ方向の寸法は、吸音パネル20の高さ方向の寸法とほぼ同じになっている。また、吸音材30の幅方向の寸法は、吸音パネル20の幅方向の寸法より少し短くなっている。具体的には、
図4(a)に示すように、吸音パネル20の幅方向の寸法より吸音材30の厚み方向の寸法分短くなっている。吸音材30の側端縁は、連結部材40が取り付けられた側では、吸音パネル20の側端縁20cとほぼ同じ位置に設けられている。また、連結部材40が取り付けられていない側では、吸音パネル20の側端縁20dより吸音材30の厚み方向の寸法分内方の位置に設けられている。
【0061】
図4(a)及び
図7に示すように、吸音パネル20の収容空間C側の主面20aには、吸音パネル20の側端縁20c、20d寄りの2箇所に、上下方向に延びるように雌型面ファスナー24が取り付けられている。また、吸音材30の吸音パネル20側の面には、吸音材30の側端縁寄りの2箇所に、上下方向に延びるように雄型面ファスナー25が取り付けられている。雄型面ファスナー25の取り付けられた位置は、吸音ユニット10Aにおいて、雌型面ファスナー24が取り付けられた位置と同じである。そのため、吸音材30は、雌型面ファスナー24と雄型面ファスナー25によって吸音パネル20に対して脱着可能に貼着されている。なお、雌型面ファスナー24及び雄型面ファスナー25の取付け位置は特に限定されない。吸音ユニット10Aにおける4隅でもよく、左右方向に延びる上下2箇所でもよい。
【0062】
図7に示すように、吸音材30が吸音パネル20に貼着された状態での、雌型面ファスナー24及び雄型面ファスナー25の厚みの合計は約3mmとされている。また、吸音パネル20に吸音材30を取り付けるための雌型面ファスナー24及び雄型面ファスナー25は、吸音パネル20の側端縁20c、20d寄りの2箇所に、上下方向に延びるように取り付けられている。そのため、雌型面ファスナー24及び雄型面ファスナー25が取り付けられている部分以外では、吸音パネル20と吸音材30との間に約3mmの隙間が形成されている。
【0063】
一方、第1連結部材40は、第1主面支持部41a及び第2主面支持部42aの板厚が約2,5mmである。そのため、吸音パネル20に取り付けられた吸音材30は、第1主面支持部41a及び第2主面支持部42aを覆うような位置にまで設けることができる。
【0064】
次に、
図8に従って、吸音ユニット10Aを連結して遮音構造体1Aを組み立てるための遮音構造体1Aの設置方法について、吸音パネル20の作用とともに説明する。
図8は、吸音ユニット10Aを上面視した模式図として示しており、吸音パネル20、吸音材30、及び第1連結部材40の寸法形状は実際のものとは異なっている。
【0065】
図8(a)に示すように、1枚の吸音ユニット10Aを準備して、騒音源の近傍で、吸音ユニット10Aを垂直に立てた状態で支持する。吸音ユニット10Aは、遮音構造体1Aの側壁部2Aの一面を形成する大きさであるため、重量はそれほど重くない。そのため、設置作業に携わる作業者が1人しかいない場合であっても、作業者が比較的非力である場合であっても吸音ユニット10Aの設置、支持が容易である。
【0066】
吸音ユニット10Aは、第1連結部材40の第1支持部41の溝41c内に吸音パネル20の側端縁20cが挿入されてビス止めされている一方、第2支持部42の溝42cは開放されている。
【0067】
図8(b)に示すように、2枚目の吸音ユニット10Aを準備して、2枚目の吸音ユニット10Aの吸音パネル20の側端縁20dを、先の吸音ユニット10Aに取り付けられた第1連結部材40の第2支持部42の溝42c内に挿入して支持する。第2支持部42の溝42cは、吸音パネル20の板厚より少し大きく形成されているため、2枚目の吸音ユニット10Aの吸音パネル20の側端縁20dの挿入が容易である。2枚目の吸音ユニット10Aの吸音パネル20の側端縁20dを、溝42c内に挿入した状態では、ビス90によるビス止めは行わない。第1連結部材40の第2支持部42の溝42cは、断面コ字状に形成されているため、ビス止めを行わなくても、吸音ユニット10Aは安定して支持される。
【0068】
第1連結部材40は、第1支持部41及び第2支持部42が、軟質部43の回動軸43aを中心として回動可能に構成されている。そのため、2枚目の吸音ユニット10Aを連結する時に、先の吸音ユニット10Aの第1連結部材40の第1支持部41及び第2支持部42が、交差する方向に延びるように回動させておくと、2枚目の吸音ユニット10Aの吸音パネル20を1枚目の吸音ユニット10Aの第1連結部材40に連結させた状態で、それぞれが自立状態となる。作業者が2枚の吸音ユニット10Aを支持していなくても安定した自立状態となっている。
【0069】
図8(c)に示すように、2枚目の吸音ユニット10Aを回動させることにより、2つの吸音ユニット10Aが90゜をなすようにする。この状態で、先の吸音ユニット10Aに取り付けられた雄型面ファスナー22を、2枚目の吸音ユニット10Aに設けられた雌型面ファスナー23に貼り付けることにより、2枚の吸音ユニット10Aを連結された状態で固定する。雄型面ファスナー22と雌型面ファスナー23との貼着により、自立状態となっている2枚の吸音ユニット10Aがより安定する。
【0070】
図8(d)に示すように、さらに2枚の吸音ユニット10Aを連結して、騒音源を取り囲み、四角筒形状の側壁部2Aを有する遮音構造体1Aを形成する。それぞれの吸音ユニット10Aの吸音パネル20の側端縁20dは、第1連結部材40の第2支持部42の溝42c内でビス止めされることなく支持されている。また、各吸音ユニット10Aは、雄型面ファスナー22と雌型面ファスナー23の貼着により連結固定されて動きが規制されている。そのため、遮音構造体1Aは、四角形筒状に形成された側壁部2Aが安定した状態を維持する。
【0071】
形成された遮音構造体1Aでは、一つの単位である吸音ユニット10Aが、それぞれ吸音材として機能する吸音パネル20及び吸音材30を有している。吸音パネル20は、中空板材3の複数のセルSの内外を連通する連通孔7が形成されているため、空気が連通孔7の近傍で激しく振動することによって、その振動が熱エネルギーとして消費されて吸音する。一方、吸音材30は多孔質性の材料で形成されており、多孔質性材料の隙間を伝搬する空気の摩擦や粘性抵抗等によって、空気の振動が熱エネルギーに変換されて吸音する。このように、吸音パネル20と吸音材30は異なる原理によって吸音するため、広い周波数領域での吸音効果が得られる。また、吸音パネル20と吸音材30との間に約3mmの隙間が形成されているため、吸音パネル20の連通孔7を介しての吸音、吸音材30による吸音に加えて、吸音パネル20と吸音材30との間の隙間により、比較的低音域の音が吸音される。このように、本実施形態の吸音ユニット10Aでは、広い吸音域での吸音効果が得られる。
【0072】
本実施形態の遮音構造体1Aは、吸音ユニット10Aを一つの単位とし、4枚の吸音ユニット10Aを連結することにより形成されている。4枚の吸音ユニット10Aが、遮音構造体1Aを組み立てるための遮音構造体用組立キットを構成している。
【0073】
次に、
図9に従って、吸音ユニット10Aを保管する場合について説明する。
使用後の遮音構造体1Aは、それぞれの吸音ユニット10Aを固定している雄型面ファスナー22及び雌型面ファスナー23同士の貼着を解除する。続いて、各吸音ユニット10Aの吸音パネル20の側端縁20dを、隣接する吸音ユニット10Aの第1連結部材40の溝42cから抜き取る。こうして遮音構造体1Aを構成する4枚の吸音ユニット10Aを分離する。騒音源としての電動機等の作業によって吸音ユニット10Aの内面が汚れている場合には、必要に応じて吸音材30を剥がしつつ、各吸音ユニット10Aの汚れを拭き取る。
【0074】
図9に示すように、遮音構造体1Aを構成していた各吸音ユニット10Aは、吸音パネル20の主面20bを下側にして平積みする。このとき、吸音ユニット10Aに取り付けられている第1連結部材40は、第1支持部41と第2支持部42との成す角度が180゜となるようにする。そのため、吸音ユニット10Aの全体形状は平たい形状となり、第1連結部材40が取り付けられた状態であっても複数の吸音ユニット10Aを容易に積み上げることができる。
【0075】
上記実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)上記実施形態の遮音構造体1Aは、1枚の吸音ユニット10Aを一つの単位とし、4枚の吸音ユニット10Aを連結して構成されている。吸音ユニット10Aには、吸音パネル20の一方の側端縁20cに、予め第1連結部材40が取り付けられている。第1連結部材40は吸音パネル20を支持可能な溝41c、42cを有する第1支持部41及び第2支持部42を有しており、第1支持部41の溝41c内に吸音パネル20の一方の側端縁20cが挿入されて固定されている。別の吸音ユニット10Aの吸音パネル20の他方の側端縁20dを先の吸音ユニット10Aの第1連結部材40の溝42c内に挿入すれば、2枚の吸音ユニット10Aを連結することができる。そのため、騒音源が設置された現場で、吸音ユニット10Aを順次連結しながら、騒音源の収容空間Cを区画する遮音構造体1Aを形成することができる。従来の遮音構造体のように、立体状に形成されたものを騒音源の上方から被せるように設置する必要がなく、設置作業に携わる作業者が1人しかいない場合や、作業者が非力である場合等であっても、設置作業を容易に行うことができる。また、遮音構造体1Aの形で運搬する場合に比べて、吸音ユニット10Aで運搬する場合には、その負担が軽くなり、運搬作業の負担が軽減される。
【0076】
(2)上記実施形態の第1連結部材40は、第1支持部41と第2支持部42が軟質部43で連結された構造であり、第1支持部41及び第2支持部42は、軟質部43の回動軸43aを回動中心として、0~180゜の所定角度に回動可能である。そのため、遮音構造体1Aの設置作業時に、2枚の吸音ユニット10Aを、例えば90゜の角度で支持しながら作業を進めることができる。複数枚の吸音ユニット10Aを作業者が何人かで支持しなくても倒れにくく、設置作業の効率がよくなる。
【0077】
(3)第1支持部41及び第2支持部42は、0~180゜の所定角度に回動可能であり、隣り合う吸音ユニット10Aの吸音パネル20が所望の角度をなすようにすることができる。そのため、騒音源の大きさや種類によって、遮音構造体1Aを構成する吸音ユニット10Aの枚数を異ならせることができる。例えば、吸音ユニット10Aの枚数の違いにより、六角筒形状、八角筒形状等の四角筒形状以外の多角筒形状の側壁部2Aを容易に形成することができる。また、四角筒形状であっても、例えば8枚の吸音ユニット10Aを連結して側壁部2Aを形成すれば、大きな収容空間Cを有する遮音構造体1Aが得られる。騒音源の大きさに合わせて適宜の大きさの遮音構造体1Aを形成することができる。
【0078】
さらに、遮音構造体1Aの側壁部2Aによって騒音源の周囲を完全に囲繞する場合に限らず、例えば、3枚の吸音ユニット10Aを互いに直交するように連結して収容空間Cを区画することもできる。この場合、収容空間Cは、側壁部2Aによって完全に囲繞されていないため、例えば、グラインダー作業等の作業スペースとして使用することができる。
【0079】
このように、連結する吸音ユニット10Aの枚数や、連結する形状を適宜変更することにより、遮音構造体1Aとしての汎用性を向上させることができる。
(4)第1連結部材40の第1支持部41及び第2支持部42は、0~180゜の所定角度に回動可能であり、隣り合う吸音ユニット10Aの吸音パネル20が所望の角度をなすようにすることができる。また、吸音パネル20に貼着された吸音材30は、その幅方向の寸法は、吸音パネル20の幅方向の寸法より、吸音材30の厚み分小さく形成されている。そのため、第1支持部41及び第2支持部42を回動させて、例えば90゜の角度をなすようにしても、隣り合う吸音ユニット10Aで、吸音パネル20に貼着された吸音材30同士が干渉し合うことが抑制される。
【0080】
(5)吸音パネル20に貼着された吸音材30はグラスウールであって弾力性がある。そのため、隣り合う吸音ユニット10Aの吸音パネル20が、例えば90゜より小さい角度をなすようにしても、吸音材30の弾力性により、吸音材30は変形する。隣り合う吸音ユニット10Aを90゜より小さい所望の角度に保持することができる。
【0081】
(6)上記実施形態の遮音構造体1Aは、1枚の吸音ユニット10Aを一つの単位として構成されている。そのため、保管時には吸音ユニット10Aの単位に分解して保管することができる。また、吸音ユニット10Aに取り付けられている第1連結部材40は、第1支持部41及び第2支持部42が180゜をなす平板状になり得る。そのため、吸音ユニット10Aの全体形状が平板状となり、複数枚の吸音ユニット10Aを平積みし易い。遮音構造体1Aの保管スペースを省スペース化することができる。また、吸音ユニット10Aを平積みして保管する際に、第1連結部材40が破損することが抑制される。
【0082】
(7)上記実施形態の遮音構造体1Aは、1枚の吸音ユニット10Aを一つの単位として、同じ吸音ユニット10Aを4枚連結して形成されている。そのため、側壁部2Aを形成する部材を複数種類準備する必要がなく、吸音ユニット10Aの製造コストの低減、ひいては遮音構造体1Aの製造コストの低減に寄与することができる。
【0083】
(8)上記実施形態の第1連結部材40は、吸音パネル20を支持するための第1支持部41及び第2支持部42が断面コ字状に形成されている。そのため、第2支持部42で別の吸音ユニット10Aの吸音パネル20を支持する際、ビス止めによる固定をしなくても安定して支持することができる。
【0084】
(9)上記実施形態の遮音構造体1Aは、吸音ユニット10Aに取り付けられた第1連結部材40の第2支持部42の溝42cに、別の吸音ユニット10Aの吸音パネル20の側端縁20dが挿入された状態で、ビス止めされることなく支持されている。設置作業時に、吸音ユニット10A同士のビス止め作業が不要であり、設置作業が迅速かつ効率的に行える。また、連結された2枚の吸音ユニット10Aは、雄型面ファスナー22と雌型面ファスナー23により固定されている。そのため、第2支持部42で別の吸音ユニット10Aの吸音パネル20を支持する際、ビス止めによる固定をしなくても連結された吸音ユニット10A同士の連結状態が安定する。さらに、遮音構造体1Aの撤去させる際には、雄型面ファスナー22を雌型面ファスナー23から剥がせば、2枚の吸音ユニット10Aの連結状態を解除することができるため、撤去作業も迅速かつ効率的に行える。
【0085】
(10)第1連結部材40は、第1端面支持部41bと第2端面支持部42bが対向した状態、すなわち第1支持部41と第2支持部42が180゜の角度とされている状態では、第1端面支持部41bの凹部41e内に第2端面支持部42bの凸部42dが収容される。また、第2端面支持部42bの凹部42e内に第1端面支持部41bの凸部41dが収容される。そのため、第1支持部41と第2支持部42の厚み方向の移動が規制され、軟質部43に捩り等の負荷が掛かることが抑制される。その結果、軟質部43の寿命、ひいては第1連結部材40の寿命を延ばすことができる。
【0086】
(11)上記実施形態の吸音ユニット10Aには、吸音材30が脱着可能に貼着されている。そのため、遮音構造体1Aの使用後に、吸音材30を剥がして付着した汚れを拭き取りやすい。また、吸音材30が汚れたり傷んだりした場合に、吸音材30を取り換えることが容易である。吸音ユニット10Aの寿命を長くすることができる。
【0087】
(12)上記実施形態の第1連結部材40は、別の吸音ユニット10Aの吸音パネル20を挿入するための第2支持部42の溝42cの幅、すなわち、一対の第2主面支持部42a、42aの内側面間の幅L2は、吸音パネル20の厚み方向の寸法より少し大きく形成されている。そのため、2枚の吸音ユニット10Aを連結する際、吸音パネル20の側端縁20dの溝42c内への挿入がスムーズに行える。遮音構造体1Aの設置作業の効率が向上する。
【0088】
(13)第1連結部材40の第1主面支持部41a及び第2主面支持部42aの板厚は約2.5mmとされており、吸音パネル20に吸音材30を取り付けるための雌型面ファスナー24及び雄型面ファスナー25の厚みは約3mmとされている。そのため、吸音材30を第1連結部材40が取り付けられた位置まで設けることが容易である。
【0089】
(14)吸音パネル20に吸音材30を取り付けるための雌型面ファスナー24及び雄型面ファスナー25は、吸音パネル20の側端縁20c、20d寄りの2箇所に、上下方向に延びるように取り付けられており、その厚みは約3mmである。そのため、雌型面ファスナー24及び雄型面ファスナー25が取り付けられている部分以外では、吸音パネル20と吸音材30との間に約3mmの隙間が形成されている。遮音構造体1Aでは、吸音パネル20の連通孔7を介しての吸音、多孔質材料の吸音材30による吸音に加えて、吸音パネル20と吸音材30との間の隙間による吸音効果が得られる。それぞれ異なる原理での吸音効果であり、広い吸音域での吸音効果を実現することができる。
【0090】
(15)上記実施形態では、吸音パネル20の収容空間C側の面に透湿防水シートが貼り付けられている。そのため、吸音パネル20(中空板材3)の連通孔7を介して、吸音パネル20のセルS内に水が浸入することが抑制される。吸音パネル20のセルS内に水が浸入することに起因して吸音パネル20の吸音特性が変化することが抑制される。
【0091】
(16)上記実施形態では、吸音材30としてグラスウールを採用している。グラスウールはガラス繊維からなる難燃性の材料であるため、工場内や工事現場といった可燃性の燃料や電気を扱う現場においても、遮音構造体1Aを使用でき得る。
【0092】
(17)上記実施形態では、吸音パネル20としてハニカム構造をなす中空板材3を採用しており、吸音パネル20の曲げ剛性として相応に高い剛性が得られる。そのため、例えば、吸音ユニット10Aを遮音構造体1Aとして使用中に、自重によって吸音ユニット10Aを構成する吸音パネル20が曲がってしまうことが抑制される。
【0093】
また、屋外で使用する場合には屋内に比べて熱の影響を受け易く、中空構造体が変形し易くなるが、吸音パネル20の高い剛性により、熱変形が抑制される。そのため、取扱いがし易く、作業性のよい吸音ユニット10Aが得られる。
【0094】
(18)
図2(a)~(c)に示すように、中空板材3においては、コア層4の側方壁部4cがY方向に延びている。そのため、仮にコア層4のセルS内に水が浸入しても、その水が、側方壁部4cを貫通してX方向に広がっていくとは考えにくい。その一方で、中空板材3においては、コア層4の2層の側方壁部4cがX方向に重ね合わされており、これら2層の側方壁部4cが完全に接合されているとは限らない。そのため、仮にコア層4のセルS内に水が浸入すると、2層の側方壁部4cの間の隙間から、Y方向に水が広がっていくおそれがある。
【0095】
この点、上記実施形態では、吸音パネル20は、第1セルS1及び第2セルS2の列が延びる方向に直交する方向(
図2及び
図3においてY方向)が上下方向となるように配置されている。すなわち、吸音パネル20は、幅方向よりも、上下方向に水が広がりやすい。そこで、上記実施形態では、吸音パネル20の上端面及び下端面に封止部材21が取り付けられている。そのため、吸音パネル20に対して上側又は下側から水がセルSの内部に浸入することが抑制される。
【0096】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の遮音構造体1Bについて説明する。第2実施形態の遮音構造体1Bについては、第1実施形態の遮音構造体1Aと異なる部分についてのみ説明する。
【0097】
図10及び
図11(a)に示すように、遮音構造体1Bの側壁部2Bを構成する吸音ユニット10Bは、一方の側端縁61dに第1実施形態の遮音構造体1Aと同じ第1連結部材40が取り付けられた第1吸音パネル61と、第1吸音パネル61より幅方向の寸法が小さい第2吸音パネル62とが、L字状に屈曲した第2連結部材70を介して連結された形状とされている。
【0098】
第1吸音パネル61は、約1000mm×700mmの長方形板状であり、第2吸音パネル62は、約1000mm×45mmの長方形板状であり、いずれも長手方向が上下方向となるように配置されている。また、第1吸音パネル61の収容空間C側の主面61aにのみ、長方形板状の吸音材30aが脱着可能に貼着されており、第2吸音パネル62には、吸音材30aは貼着されていない。吸音材30aの高さ方向の寸法は、第1吸音パネル61の高さ方向の寸法とほぼ同じとされ、吸音材30aの幅方向の寸法は、第1吸音パネル61の幅方向の寸法とほぼ同じとされている。また、吸音材30aの板厚は約20mmであり、第2吸音パネル62の幅方向の寸法(約45mm)は、吸音材30aの板厚の約2倍より少し大きい寸法とされている。
【0099】
図10及び
図11(a)に示すように、遮音構造体1Bを構成する一つの単位としての吸音ユニット10Bは、第1吸音パネル61、第2吸音パネル62、第1連結部材40、第2連結部材70、及び吸音材30aを備えて構成されている。
【0100】
図11(a)、
図11(b)及び
図11(c)に示すように、第1連結部材40は、吸音ユニット10Bを吸音材30aが貼着されていない側から見た場合に、第1吸音パネル61の左側の側端縁61dの全長に亘って取り付けられている。第1連結部材40は、第1実施形態の吸音ユニット10Aにおける第1連結部材40と同じである。また、第1吸音パネル61の右側の側端縁61cには、L字状に屈曲した第2連結部材70が取り付けられている。本実施形態の遮音構造体1Bは、このような吸音ユニット10Bを4枚連結することによって、四角筒形状をなす側壁部2Bが形成されている。
【0101】
ここで、第1実施形態の吸音ユニット10Aでは、吸音パネル20の側端縁20c(
図4の右側の側端縁)に第1連結部材40の第1支持部41が取り付けられていた。第2実施形態の吸音ユニット10Bでは、吸音パネル61の側端縁61d(
図11の左側の側端縁)に第1連結部材40が取り付けられている。したがって、この場合には、
図11(b)に示すように、第1連結部材40において、吸音パネル61の側端縁61dに取り付けられている側の支持部が第1支持部41であり、別の吸音ユニット10Bの第2吸音パネル62の側端縁62cを支持するための支持部が第2支持部42である。
【0102】
なお、本実施形態の遮音構造体1Bでは、第1吸音パネル61、第2吸音パネル62、第1連結部材40、第2連結部材70、及び吸音材30aからなる吸音ユニット10Bを一つの単位としているが、脱着可能な吸音材30aを省略してもよい。この場合、第1吸音パネル61、第2吸音パネル62、第1連結部材40、及び第2連結部材70からなる吸音ユニット10Bを一つの単位として側壁部2Bが形成されることになる。
【0103】
図11(a)に示すように、第1吸音パネル61の上端面及び下端面には、それぞれ帯板状の図示しない封止部材が取り付けられている。第2吸音パネル62も同様に、その上端面及び下端面に、それぞれ帯板状の図示しない封止部材が取り付けられている。封止部材によって、第1吸音パネル61及び第2吸音パネル62の上端面及び下端面において中空板材3の内部空間(セルS)が露出しないようになっている。また、第1吸音パネル61及び第2吸音パネル62の収容空間C側の面には、図示しない透湿防水シートが、その全面に亘って貼り付けられている。
【0104】
図11(a)に示すように、第1吸音パネル61の他方の主面61b、すなわち、吸音材30aが貼着されていない側の面には、側端縁61d寄りの上下2箇所にそれぞれ雄型面ファスナー22が取り付けられている。第1吸音パネル61の主面61bには、第1吸音パネル61の側端縁61c寄りの上下2箇所にそれぞれ雌型面ファスナー23が取り付けられている。
【0105】
図11(c)及び
図12(a)に示すように、第1吸音パネル61の側端縁61c及び第2吸音パネル62の側端縁62dには、L字状に屈曲した第2連結部材70が取り付けられている。第2連結部材70は、第1連結部材40の第1支持部41及び第2支持部42と同様、硬質の合成樹脂材料である従来公知の熱可塑性樹脂材料で形成されている。
【0106】
図11(a)、
図11(c)、
図12(a)及び
図12(b)に示すように、第2連結部材70は、互いに直交する方向に開口する断面コ字状の第1支持部71と第2支持部72を有している。第1支持部71は、第1吸音パネル61の側端縁61cに取り付けられる部分であり、第1吸音パネル61の一対の主面61a、61bを支持する一対の第1主面支持部71a、71aと、第1吸音パネル61の側端縁62c側の端面を支持する第1端面支持部71bを有している。一対の第1主面支持部71a、71aの間には、第1吸音パネル61が挿入される溝71cが形成されている。
【0107】
図12(b)に示すように、第1支持部71における溝71cの幅、すなわち、一対の第1主面支持部71a、71aの内側面間の幅L3は、第1吸音パネル61の板厚より少し大きく形成されている。また、一対の第1主面支持部71a、71aの内側面間の幅L3は、第1連結部材40における一対の第1主面支持部41a、41aの内側面間の幅L1、一対の第2主面支持部42a、42aの内側面間の幅L2と同じである。第1主面支持部71aの内側面の幅方向の寸法M3は、吸音材30aの厚み方向の寸法とほぼ同じとなるように形成されている。また、一対の第1主面支持部71a、71aは、それぞれ約2,5mmの厚みに形成されている。
【0108】
図12(a)に示すように、第1支持部71の外側の第1主面支持部71aの外側面には、ビス止め用の凹部71f及び凹部71gが長手方向に延びるように形成されている。凹部71gは、凹部71fより深く、かつ幅狭に形成されている。凹部71f、72gは、第1連結部材40の第1支持部41における凹部41f、41gと同様の構成とされている。ビス90による固定箇所は特に限定されないが、第1連結部材40と同様、上下端部及び中間部分の最低3箇所であることが好ましい。
【0109】
図11(c)及び
図12(a)に示すように、第2支持部72は、第2吸音パネル62の一対の主面62a、62bを支持する一対の第2主面支持部72a、72aと、第2吸音パネル62の側端縁62d側の端面を支持する第2端面支持部72bを有している。一対の第2主面支持部72a、72aの間には、第1吸音パネル61が挿入される溝72cが形成されている。
【0110】
図12(b)に示すように、第2支持部72における溝72cの幅、すなわち、一対の第2主面支持部72a、72aの内側面間の幅L4は、第2吸音パネル62の板厚より少し大きく形成されている。溝72cの幅L4は、第1支持部71における溝71cの幅L3と同じであり、第2主面支持部72aの内側面の幅方向の寸法M4は、第1支持部71における第1主面支持部71aの内側面の幅方向の寸法M3と同じである。また、一対の第2主面支持部72a、72aは、それぞれ約2,5mmの厚みに形成されている。
【0111】
図12(b)及び
図12(c)に示すように、第2支持部72の第2主面支持部72aの外側面には、第1支持部71の第1主面支持部71aと同様に、凹部72fと凹部72gが長手方向に延びるように形成されている。
【0112】
第1吸音パネル61の側端縁61c及び第2吸音パネル62の側端縁62dへの第2連結部材70の取付けは、いずれも第1実施形態の第1連結部材40と同様、ビス90による固定によってなされている。
図12(c)に示すように、ビス止めは、第1主面支持部71aの外側面に形成された凹部71g、第2主面支持部72aの外側面に形成された凹部72gにビス90の先端90bを位置合わせして行えばよい。ビス90の頭部90aの端縁が、凹部71f、72f内に収まり、ビス90への引っ掛かりが抑制される。
【0113】
次に、
図13に従って、吸音ユニット10Bを連結して遮音構造体1Bを組み立てるための設置方法について説明する。
図13は、吸音ユニット10Bを上面視した模式図として示しており、第1吸音パネル61、第2吸音パネル62、吸音材30a、第1連結部材40、及び第2連結部材70の寸法形状は実際のものとは異なっている。
【0114】
図13(a)に示すように、1枚の吸音ユニット10Bを準備して、騒音源の近傍で、吸音ユニット10Bを垂直に立てた状態で支持する。吸音ユニット10Bは、遮音構造体1Bの側壁部2Bの一面を形成する大きさにほぼ等しいため、重量はそれほど重くない。また、第1吸音パネル61と第2吸音パネル62とが、L字状に屈曲した第2連結部材70を介して直交するように連結されているため、自立し易い。そのため、設置作業に携わる作業者が1人しかいない場合であっても、作業者が比較的非力である場合であっても吸音ユニット10Bの設置、支持が容易である。
【0115】
図11(a)に示すように、吸音ユニット10Bは、第1連結部材40の第1支持部41の溝41c内に第1吸音パネル61の側端縁61dが挿入されてビス止めされている一方、第2支持部42の溝42cは開放されている。また、第2吸音パネル62の側端縁62cには連結部材は取り付けられていない。
【0116】
図13(b)に示すように、2枚目の吸音ユニット10Bを準備して、2枚目の吸音ユニット10Bの第2吸音パネル62の側端縁62cを、先の吸音ユニット10Bに取り付けられた第1連結部材40の第2支持部42の溝42c内に挿入する。第2支持部42の溝42cは、第2吸音パネル62の板厚より少し大きく形成されているため、2枚目の吸音ユニット10Bの第2吸音パネル62の側端縁62cの挿入が容易である。2枚目の吸音ユニット10Bの吸音パネル62の側端縁62cを、溝42c内に挿入した状態では、ビス90によるビス止めは行わない。第1連結部材40の第2支持部42の溝42cは、断面コ字状に形成されているため、ビス止めを行わなくても、吸音ユニット10Bは安定して支持される。
【0117】
図13(b)に示すように、1枚目の吸音ユニット10Bに取り付けられた第1連結部材40の第1支持部41及び第2支持部42が180゜をなすような状態に支持して、先の吸音ユニット10Bに取り付けられた雄型面ファスナー22を、2枚目の吸音ユニット10Bに設けられた雌型面ファスナー23に貼り付ける。吸音ユニット10Bは、第1吸音パネル61と第2吸音パネル62を連結する第2連結部材70がL字状に屈曲しているため、第1連結部材40を平面状にしておいても、先の吸音ユニット10Bと2枚目の吸音ユニット10Bとは90゜をなすように連結される。
【0118】
図13(c)及び
図13(d)に示すように、さらに2枚の吸音ユニット10Bを順次連結して、騒音源を取り囲み、四角筒形状の側壁部2Bを有する遮音構造体1Bを形成する。それぞれの吸音ユニット10Bの第1吸音パネル61及び第2吸音パネル62は、第1連結部材40の溝41c、42c及び第2連結部材70の溝71c、72c内で支持されている。また、各吸音ユニット10Bは、雄型面ファスナー22と雌型面ファスナー23の貼着により連結固定されて動きが規制されている。そのため、遮音構造体1Bは、四角形筒状に形成された側壁部2Bが安定した状態を維持する。
【0119】
本実施形態の遮音構造体1Bは、吸音ユニット10Bを一つの単位とし、4枚の吸音ユニット10Bを連結することにより形成されている。4枚の吸音ユニット10Bが、遮音構造体1Bを組み立てるための遮音構造体用組立キットを構成している。
【0120】
次に、
図14に従って、吸音ユニット10Bを保管する場合について説明する。
使用後の遮音構造体1Bは、それぞれの吸音ユニット10Bを固定している雄型面ファスナー22及び雌型面ファスナー23同士の貼着を解除する。続いて、各吸音ユニット10Bの第2吸音パネル62の側端縁62cを、隣接する吸音ユニット10Bの第1連結部材40の溝42cから抜き取る。こうして遮音構造体1Aを構成する4枚の吸音ユニット10Bを分離する。
【0121】
図14に示すように、遮音構造体1Bを構成していた各吸音ユニット10Bを平積みする場合、下から奇数枚目の吸音ユニット10Bは、第1吸音パネル61の主面61bを下側にして平積みする。一方、下から偶数枚目の吸音ユニット10Bは、吸音材30aを下側にして平積みする。つまり、基数枚目の吸音ユニット10Bと偶数枚目の吸音ユニット10Bとは、吸音材30a同士が当接し、第1吸音パネル61の主面61b同士が当接する状態となる。このとき、第1吸音パネル61に取り付けられている第1連結部材40は、第1支持部41と第2支持部42とのなす角度が180゜となるようにする。そのため、第1吸音パネル61と第1連結部材40は平板状となる。
【0122】
また、第1吸音パネル61に第2連結部材70を介して連結された第2吸音パネル62の幅方向の寸法は、吸音材30aの板厚の約2倍より少し大きい寸法となっている。そのため、下側の吸音ユニット10Bの第2吸音パネル62が、上側の吸音ユニット10Bの第1吸音パネル61に干渉することが抑制され、上側の吸音ユニット10Bの第2吸音パネル62が、下側の吸音ユニット10Bの第1吸音パネル61に干渉することが抑制される。
【0123】
上記実施形態によれば、第1実施形態の遮音構造体1A、吸音ユニット10Aに基づく(1)~(18)の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(19)上記実施形態の吸音ユニット10Bは、第1吸音パネル61と第2吸音パネル62がL字状に屈曲した第2連結部材70を介して連結されているものを一つの単位としている。4枚の吸音ユニット10Bを連結して形成された遮音構造体1Bの側壁部2Bは、四角筒形状の4つの角部が、第2連結部材70で構成されている。そのため、2つの支持部41、42が軟質部43で連結された第1連結部材40が4つの角部を構成する第1実施形態の遮音構造体1Aに比べ、角部の強度が強い。遮音構造体1Bの側壁部2Bの角部に負荷が掛かってもその影響が少ない。
【0124】
(20)吸音ユニット10Bの第2吸音パネル62は、その幅方向の寸法が、吸音材30aの板厚の約2倍より少し大きい寸法となっている。そのため、吸音ユニット10Bの保管状態では、下側の吸音ユニット10Bの第2吸音パネル62が、上側の吸音ユニット10Bの第1吸音パネル61に干渉することが抑制され、上側の吸音ユニット10Bの第2吸音パネル62が、下側の吸音ユニット10Bの第1吸音パネル61に干渉することが抑制される。複数枚の吸音ユニット10Bを、互いに干渉することなく平積みすることができる。保管スペースの省スペース化に貢献する。
【0125】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態の遮音構造体1Cについて説明する。第3実施形態の遮音構造体1Cについては、第1実施形態の遮音構造体1Aと異なる部分についてのみ説明する。
【0126】
図15及び
図16(a)に示すように、遮音構造体1Cの側壁部2Cを構成する吸音ユニット10Cは、一方の側端縁63cに第1実施形態の遮音構造体1Aと同じ第1連結部材40が取り付けられた長方形板状の第3吸音パネル63と、上方へ行くほど幅狭となる等脚台形板状の第4吸音パネル64とが、略L字状に屈曲した第3連結部材80を介して連結されて構成されている。遮音構造体1Cは、4枚の吸音ユニット10Cを連結して形成されている。これにより、遮音構造体1Cは、四角筒形状と四角錐台筒形状が連設された形状の側壁部2Cを有し、上方開口部の断面積が四角筒形状の部分の断面積より小さい上方窄まり状をなしている。
【0127】
第3吸音パネル63は、約1000mm×700mmの長方形板状であり、第1実施形態の吸音パネル20とほぼ同様の構成とされている。第3吸音パネル63は、第1連結部材40の上下方向の長さ及び取付け位置が吸音パネル20の第1連結部材40とは異なっている以外、吸音パネル20と同じである。第3吸音パネル63に取り付けられている第1連結部材40の上下方向の長さは、吸音パネル20に取り付けられている第1連結部材40の上下方向の長さより短い。具体的には、第3吸音パネル63の上端部に取り付けられた第3連結部材80の第1支持部81の幅方向の寸法分短く、同寸法分第3吸音パネル63の上端縁から下方の位置に設けられている。
【0128】
第4吸音パネル64は、下側底辺が約700mmで高さ寸法が約200mmで底角が約26.5゜の等脚台形板状であり、第3連結部材80を介して第3吸音パネル63に取り付けられている。第4吸音パネル64の収容空間C側の主面64aには、図示しない透湿防水シートが貼着されているとともに、主面64aと同形状で大きさがやや小さい吸音材30cが脱着可能に貼着されている。第4吸音パネル64の吸音材30cは、等脚台形状の主面64aの上下底辺及び左右側辺から、ほぼ吸音材30cの厚み方向の寸法分、内方の位置に設けられている。
【0129】
図16(a)に示すように、第4吸音パネル64の主面64bには、側端縁64c寄りの上下2箇所にそれぞれ雄型面ファスナー22が取り付けられているとともに、側端縁64d寄りの上下2箇所にそれぞれ雌型面ファスナー23が取り付けられている。また、第4吸音パネル64の主面64aには、第4吸音パネル64の側端縁64c、64d寄りの2箇所に、略上下方向に延びるように雌型面ファスナー24が取り付けられており、吸音材30cに取り付けられた雄型面ファスナー25により、吸音材30cを脱着可能としている。第4吸音パネル64の上端面及び下端面には、帯板状の封止部材(図示略)が取り付けられて封止されている。
【0130】
図15及び
図16(a)に示すように、遮音構造体1Cを構成する一つの単位としての吸音ユニット10Cは、第3吸音パネル63、第1連結部材40、吸音材30b、第4吸音パネル64、第3連結部材80、及び吸音材30cを備えて構成されている。なお、吸音材30b、30cは省略することが可能であり、この場合、第3吸音パネル63、第1連結部材40、第4吸音パネル64、及び第3連結部材80からなる吸音ユニット10Cを一つの単位として側壁部2Cが形成されることになる。
【0131】
図16(a)及び
図16(b)に示すように、第3吸音パネル63の上端縁及び第4吸音パネル64の下端縁には、略L字状に屈曲した第3連結部材80が取り付けられている。第3連結部材80は、互いに交差する方向に開口する断面コ字状の第1支持部81と第2支持部82を有しており、第1支持部81と第2支持部82を連結する連結部83が一体に形成されている。第3連結部材80は、第1連結部材40の第1支持部41及び第2支持部42、第2連結部材70と同様、硬質の合成樹脂材料である従来公知の熱可塑性樹脂材料で形成されている。
【0132】
第1支持部81及び第2支持部82の具体的な構成は、第1連結部材40の第1支持部41及び第2支持部42と同様である。そのため、ここでは、第3連結部材80の各構成を、第1連結部材の各構成に40を足した数字で表すものとする。例えば、第3連結部材80の第1支持部81の各構成は、第1連結部材40の第1支持部41の「41」に40を足した「81」に変えて表すものとする。
【0133】
図16(b)に示すように、第1支持部81は、第3吸音パネル63の上端縁に取り付けられる部分であり、第2支持部82は、第4吸音パネル64の下端縁に取り付けられる部分である。第3連結部材80では、取り付けられた状態で収容空間C側とは反対側に位置する第1主面支持部81a及び第2主面支持部82aは、連結部83を介して連結されており、収容空間C側に位置する第1主面支持部81a及び第2主面支持部82aは、直接連結されている。そのため、連結部83が形成されていることにより、第1支持部81の溝81cの開口方向と第2支持部82の溝82cの開口方向は約150゜をなしている。
【0134】
第3吸音パネル63の上端縁及び第4吸音パネル64の下端縁への第3連結部材80の取り付けは、いずれも第1実施形態の第1連結部材40や第2実施形態の第2連結部材70と同様、ビス90による固定によってなされている。
図16(b)に示すように、ビス止めは、第1主面支持部81aの外側面に形成された凹部81g、第2主面支持部82aの外側面に形成された凹部82gにビス90の先端90bを位置合わせして行う。
【0135】
本実施形態の遮音構造体1Cは、このような吸音ユニット10Cを4枚連結することによって形成されている。
吸音ユニット10Cを連結して遮音構造体1Cを組み立てるための設置方法は、基本的には第1実施形態の遮音構造体1Aと同様である。まず、1枚の吸音ユニット10Cを準備して、騒音源の近傍で、吸音ユニット10Cの第3吸音パネル63を垂直に立てた状態で支持する。このとき、第3連結部材80を介して第3吸音パネル63に取り付けられた第4吸音パネル64は、垂直方向に対して約30゜傾斜している。
【0136】
2枚目の吸音ユニット10Cを準備して、2枚目の吸音ユニット10Cの第3吸音パネル63の側端縁63dを、先の吸音ユニット10Cに取り付けられた第1連結部材40の第2支持部42の溝42c内に挿入する。第2支持部42の溝42cは、第2吸音パネル62の板厚より少し大きく形成されているため、2枚目の吸音ユニット10Cの第3吸音パネル63の側端縁63dの挿入が容易である。2枚目の吸音ユニット10Cの吸音パネル63の側端縁63dを、溝42c内に挿入した状態では、ビス90によるビス止めは行わない。第1連結部材40の第2支持部42の溝42cは、断面コ字状に形成されているため、ビス止めを行わなくても、吸音ユニット10Cは安定して支持される。
【0137】
続いて、2枚目の吸音ユニット10Cを回動させて2つの吸音ユニット10Cが90゜をなすようにする。そして、1枚目の吸音ユニット10Cの第3吸音パネル63に取り付けられた雄型面ファスナー22を、2枚目の吸音ユニット10Cの第3吸音パネル63に設けられた雌型面ファスナー23に貼り付ける。
【0138】
この状態で、1枚目の吸音ユニット10Cの第4吸音パネル64の側端縁64cに対して2枚目の吸音ユニット10Cの第4吸音パネル64の側端縁64dが当接する。つまり、第3吸音パネル63に対して約30゜傾斜するように取り付けられ、等脚台形板状に形成された第4吸音パネル64は、2枚の吸音ユニット10Cを組み付けて第3吸音パネル63同士が90゜をなすように支持された状態で、側端縁64c、64d同士が互いに当接する形状に形成されていることになる。そして、1枚目の吸音ユニット10Cの第4吸音パネル64に取り付けられた雄型面ファスナー22を、2枚目の吸音ユニット10Cの第4吸音パネル64に設けられた雌型面ファスナー23に貼り付ける。
【0139】
さらに2枚の吸音ユニット10Cを順次連結して、騒音源を取り囲み、上方の開口に向かって窄まった形状の遮音構造体1Cを形成する。それぞれの吸音ユニット10Cの第3吸音パネル63は、第1連結部材40の溝41c、42c内で支持されている。また、第4吸音パネル64は、側端縁64c、64d同士の当接により支持されている。さらに、各吸音ユニット10Cは、雄型面ファスナー22と雌型面ファスナー23の貼着により連結固定されて動きが規制されている。そのため、遮音構造体1Cは側壁部2Cが安定した状態を維持する。
【0140】
本実施形態の遮音構造体1Cは、吸音ユニット10Cを一つの単位とし、4枚の吸音ユニット10Cを連結することにより形成されている。4枚の吸音ユニット10Cが、遮音構造体1Cを組み立てるための遮音構造体用組立キットを構成している。
【0141】
また、吸音ユニット10Cを保管する場合には、それぞれの吸音ユニット10Cを固定している雄型面ファスナー22及び雌型面ファスナー23同士の貼着を解除する。続いて、各吸音ユニット10Cの第3吸音パネル63の側端縁63dを、隣接する吸音ユニット10Cの第1連結部材40の溝42cから抜き取る。こうして遮音構造体1Aを構成する4枚の吸音ユニット10Cを分離する。各吸音ユニット10Cは、第3吸音パネル63の主面63b側及び第4吸音パネル64の主面64b側を下に向け、第3吸音パネル63同士、第4吸音パネル64同士が積み重なるように平積みすればよい。
【0142】
上記実施形態によれば、第1実施形態の遮音構造体1A、吸音ユニット10Aに基づく(1)、(7)~(9)、(11)~(18)の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(21)上記実施形態の吸音ユニット10Cは、第3吸音パネル63と第4吸音パネル64が略L字状に屈曲した第3連結部材80を介して連結してなるものを一つの単位としている。4枚の吸音ユニット10Cを連結して形成された遮音構造体1Cの側壁部2Cは、四角筒形状と四角錐台筒形状が連設された形状で、上方開口部の断面積が四角筒形状の部分の断面積より小さい上方窄まり状をなしている。そのため、騒音源からの騒音をより好適に遮音することができる。また、第4吸音パネル64が連結されている分、遮音構造体1Cの高さが高くなって遮音効果が向上する。
【0143】
(22)第3吸音パネル63と第4吸音パネル64を連結する第3連結部材80は、硬質の構成樹脂材料で形成され、第1支持部81と第2支持部82が連結部83と一体形成されている。そのため、第3吸音パネル63と第4吸音パネル64の連結部分の強度が強い。
【0144】
(23)吸音ユニット10Cの上部は、第4吸音パネル64により上方窄まり状をなしており、上方には開口部が形成されている。そのため、小型電動機や粉砕機等の騒音源の駆動時に収容空間C内が酸欠状態となり難い。小型電動機や粉砕機等を使用しての作業効率を落とすことなく好適な遮音性を実現することができる。
【0145】
(24)4枚の吸音ユニット10Cを組み付けると、隣り合う第3吸音パネル63は、第1連結部材40により支持され、隣り合う第4吸音パネル64は、側端縁64c、64d同士の当接により支持され、それぞれが雄型面ファスナー22と雌型面ファスナー23の貼着により連結されている。そのため、吸音ユニット10Cの動きが規制され、遮音構造体1Cは側壁部2Cが安定した状態を維持することができる。
【0146】
(25)連結する吸音ユニット10Cの枚数を適宜変更することにより、遮音構造体1Cとしての汎用性を向上させることができる。遮音構造体1Cの側壁部2Cによって騒音源の周囲を完全に囲繞する場合に限らず、例えば、2枚あるいは3枚の吸音ユニット10Cを互いに直交するように連結して収容空間Cを区画することもできる。この場合、収容空間Cは、側壁部2Aによって完全に囲繞されていないため、例えば、グラインダー作業等の作業スペースとして使用することができる。
【0147】
(26)第4吸音パネル64に貼着された吸音材30cは、等脚台形状の主面64aと同形状で大きさがやや小さく、主面64aの上下底辺及び左右測辺から、ほぼ吸音材30bの厚み方向の寸法分、内方の位置に設けられている。そのため、第4吸音パネル64が傾斜した形状であっても、下側に連結された第3吸音パネル63の吸音材30bと干渉することが抑制され、また、隣り合う第4吸音パネル64の吸音材30c同士が干渉することが抑制される。
【0148】
(27)上記実施形態の遮音構造体1Cは、1枚の吸音ユニット10Cを一つの単位として構成されている。そのため、保管時には吸音ユニット10Cの単位に分解して保管することができる。
【0149】
上記各実施形態は、次のように変更することができる。なお、以下の変更例は、必要に応じて、適宜組み合わせて適用してもよい。
・第1実施形態では、2枚の吸音ユニット10Aを連結するとき、一方の吸音ユニット10Aに取り付けられている第1連結部材40の第2支持部42の溝42c内に、別の吸音ユニット10Aの吸音パネル20の側端縁20dを挿入して支持した。この場合、別の吸音ユニット10Aの吸音パネル20の側端縁20dは、第2支持部42とビス止めによる固定を行っていない。しかし、これに限らず、別の吸音ユニット10Aの吸音パネル20の側端縁20dを挿入した後、ビス止めにより2枚の吸音ユニット10Aを連結してもよい。2枚の吸音ユニット10Aの連結状態がより安定する。この場合も、ビス止めは、第1連結部材40の第1支持部41における収容空間Cとは反対側の第1主面支持部41aの上下端部及び中間部分の最低3箇所に行うことが好ましい。第2実施形態及び第3実施形態での第1連結部材40による連結についても同様である。
【0150】
・第1連結部材40は、断面コ字状の第1支持部41と断面コ字状の第2支持部42を備えているが、第1支持部41と第2支持部42の形状はこれに限定されない。例えば、吸音パネル20の主面20aを支持する平板状の1枚の第1主面支持部41aと、別の吸音パネル20の主面20aを支持する平板状の1枚の第2主面支持部42aが、軟質部43を介して連結されている形状であってもよい。また、平板状の1枚の第1主面支持部41aと第1端面支持部41bとからなる断面L字状の第1支持部41と、平板状の1枚の第2主面支持部42aと第2端面支持部42bとからなる断面L字状の第2支持部42が、軟質部43を介して連結されている形状であってもよい。さらに、平板状の第1端面支持部41bからなる第1支持部41と、平板状の第2端面支持部42bからなる第2支持部42が、軟質部43を介して連結されている形状であってもよい。第1連結部材40をこうした形状とする場合、設置作業では、2枚の吸音ユニット10Aを連結する際、ビス止めをしながら行うことが好ましい。このとき、主面支持部41a、42aを有する第1連結部材40では、主面支持部41a、42aにビス止めし、端面支持部41b、42bを有する第1連結部材40では、端面支持部41b、42bにビス止めすればよい。
【0151】
第2連結部材70の第1支持部71及び第2支持部72の形状、第3連結部材80の第1支持部81及び第2支持部82の形状についても同様である。
・第1実施形態の第1連結部材40は、第1支持部41の収容空間C側とは反対側の第1主面支持部41aにビス止めすることにより吸音パネル20に取り付けられているが、ビス止めの箇所はこれに限定されない。第1端面支持部41bにビス止めしてもよく、第1支持部41の収容空間C側の第1主面支持部41aにビス止めしてもよい。これは、第2実施形態の第1連結部材40、第2連結部材70、第3実施形態の第1連結部材40、第3連結部材80についても同様である。例えば、第2連結部材70の場合には、第1支持部71の収容空間Cの第1主面支持部71aや、第2支持部72の収容空間C側の第2主面支持部72aにビス止めしてもよい。
【0152】
また、設置作業のビス止めの際も、第2端面支持部42bにビス止めしてもよく、第2支持部42の収容空間C側の第2主面支持部42aにビス止めしてもよい。
・吸音ユニット10Aに取り付けられた第1連結部材40は、ビス90により固定されているが、固定部材はこれに限定されない。ボルトとナットによる固定やリベットによる固定であってもよい。これは、第2連結部材70、第3連結部材80についても同様であり、設置作業におけるビス止めについても同様である。
【0153】
・第1連結部材40の第1支持部41に形成された凸部41d(凹部41e)、第2支持部42に形成された凹部42e(凸部42d)を省略してもよい。また、第1支持部41と第2支持部42の幅方向の移動を規制する手段を、凸部41dと凹部42eの構成以外の手段によってもよい。例えば、第1支持部41が、第2支持部42に係合するための係合部材を設けてもよい。
【0154】
・第1連結部材40の第1支持部41に設けられた凹部41f、41g及び第2支持部42に設けられた凹部42f、42gを省略してもよい。また、第2連結部材70の第1支持部71に設けられた凹部71f、71g及び第2支持部72に設けられた凹部72f、72gを省略してもよい。第3連結部材80についても同様である。
【0155】
・第1連結部材40における第2支持部42の第2主面支持部42aの内側面の幅方向の寸法M2は、吸音材30の厚み方向の寸法とほぼ同じとなるように形成されているが、これに限定されない。吸音材30の厚み方向の寸法より長くてもよい。この場合、設置作業の際に、別の吸音ユニット10Aの吸音パネル20の側端縁20dを挿入したときに当該吸音ユニット10Aがより安定する。ビス止めを行わなくても、吸音パネル20が第2支持部42の溝42c内で安定して支持されるため、設置作業の効率がよくなる。
【0156】
また、第2主面支持部42aの内側面の幅方向の寸法M2を、吸音材30の厚み方向の寸法より短くしてもよい。第2連結部材70の第1支持部71及び第2支持部72、第3連結部材80の第1支持部81及び第2支持部82についても同様である。
【0157】
・吸音ユニット10Aに取り付けられた第1連結部材40、吸音ユニット10Bに取り付けられた第1連結部材40及び第2連結部材70は、各吸音パネル20、61、62の長手方向全長に亘る長さでなくてもよい。各吸音パネル20、61、62の長手方向の長さ寸法より短くてもよく、また、長手方向の長さ寸法より短いものが複数取り付けられていてもよい。吸音ユニット10Cに取り付けられた第1連結部材40も、長手方向の長さは特に限定されない。吸音ユニット10Cに取り付けられた第3連結部材80も同様である。
【0158】
・第1連結部材40の軟質部43は、第1主面支持部41aの外側面の一部から第2主面支持部42aの外側面の一部に亘る部分に、第1連結部材40の全長に延びるように設けられているが、これに限定されない。例えば、第1主面支持部41aの外側面と第2主面支持部42aの外側面の全体に設けられていてもよい。また、第1主面支持部41aの外側面と第2主面支持部42aの外側面の全長に亘って設けられていなくてもよい。
【0159】
・第1連結部材40は、軟質部43に替えて、第1支持部41及び第2支持部42とは別部材としてのヒンジ部材が取り付けられていてもよい。ヒンジ部材としては、例えば、従来公知の金属製や布製のヒンジ部材が挙げられる。こうしたヒンジ部材が、第1連結部材40の長手方向の複数箇所に取り付けられていてもよい。
【0160】
・第1連結部材40全体を硬質の合成樹脂で構成してもよい。この場合、第1支持部41と第2支持部42を連結する部分が薄肉となる薄肉ヒンジ部とすることにより、軟質部43と同様の作用効果を得ることができる。また、第1連結部材40全体を軟質の合成樹脂で構成してもよい。
【0161】
・第1実施形態の遮音構造体1Aは、吸音ユニット10Aを一つの単位とし、第2実施形態の遮音構造体1Bは、吸音ユニット10Bを一つの単位とし、第3実施形態の遮音構造体1Cは、吸音ユニット10Cを一つの単位としたが、遮音構造体を構成する単位の形状、大きさ、構成要素等は適宜変更することができる。例えば、
図17(a)に示すように、吸音ユニット10Dは、第2実施形態の遮音構造体1Bを構成する吸音ユニット10Bの第2吸音パネル62に、さらに、第1連結部材40を介して第5吸音パネル65が取り付けられた形状とされている。こうした吸音ユニット10Dを2単位組み合わせることで、
図17(b)に示すような遮音構造体が得られる。
【0162】
また、保管する時には、第2吸音パネル62と第5吸音パネル65を連結する第1連結部材40の部分で折り曲げ、第1吸音パネル61に貼着された吸音材30aと、第3吸音パネル63に貼着された吸音材30bを当接させるようにする。これにより、吸音ユニット10Dが平板状となり、複数枚の吸音ユニット10Dを平積みすることができる。
【0163】
・吸音ユニット10Aを構成する吸音パネル20は、約1000mm×750mmの長方形板状としたが、大きさはこれに限定されない。これより大きくてもよく、小さくてもよい。例えば、吸音パネル20を約2000mm×1000mmの長方形板状としてもよい。この場合、4枚の吸音ユニット10Aを連結することによって、粉砕機のような大型の機械の周囲に設置する遮音構造体1Aとして適用することができる。吸音ユニット10Bの吸音パネル61、62、吸音ユニット10Cの吸音パネル63、64についても同様である。また、
図17の変更例の吸音パネル61、62、65についても同様である。
【0164】
・第1実施形態の遮音構造体1Aを形成する遮音構造体用組立キットでは、4枚の同一の吸音ユニット10Aを組み合わせたもので構成したが、これに限定されない。例えば、吸音パネル20の2つの側端縁20c、20dの両方に第1連結部材40が取り付けられたものと、吸音パネル20の2つの側端縁20c、20dのいずれにも第1連結部材40が取り付けられていないものを組み合わせて遮音構造体用組立キットを構成してもよい。あるいは、吸音パネル20の2つの側端縁20c、20dの両方に第1連結部材40が取り付けられたものと、吸音パネル20の2つの側端縁20c、20dのいずれにも第1連結部材40が取り付けられていないものと。吸音パネル20の2つの側端縁20c、20dの一方にのみ第1連結部材40が取り付けられたものを組み合わせて遮音構造体用組立キットを構成してもよい。また、雄型面ファスナー22や雌型面ファスナー23を取り付ける吸音ユニット10Aをどの吸音ユニット10Aにするかについても適宜決定することができる。
【0165】
吸音ユニットの構成が異なるもので遮音構造体用組立キットを構成してもよいのは、遮音構造体1B、1C、1Dについても同様である。
・遮音構造体1Aは、吸音ユニット10A以外に、他の構成を備えていてもよい。例えば、側壁部2Aの四角筒形状の上側の開口を覆う蓋部材や、下側の開口を覆う底面部材を備えていてもよい。この蓋部材や底面部材は、上記中空板材3からなる吸音パネルで構成されていることが好ましい。遮音構造体1B、1C、1Dについても同様である。
【0166】
・吸音ユニット10Aを構成する吸音パネル20に、電動機等のケーブルを収容空間Cの外部に引き出すための切欠き、開口等を形成してもよい。また、換気用の開口を形成してもよい。これらの切欠き、開口等は、吸音パネル20の下端縁或いは下端縁隅部に設けることが好ましい。吸音ユニット10B、10C、10Dも同様である。
【0167】
・吸音ユニット10Aを構成する吸音パネル20の下端縁に、防振ゴムを取り付けてもよい。防振ゴムは、下端縁全体に取り付けてもよく、部分的に取り付けてもよい。防振ゴムを取り付けることにより、発電機等の駆動時の振動の影響を抑制することができる。吸音ユニット10B、10C、10Dも同様である。
【0168】
・吸音ユニット10Aに、発電機等と紐等で連結できるようなリングやフック等を取り付けてもよい。発電機等とリングやフック等をチェーン等で繋ぐことにより、発電機等の駆動時の振動によって遮音構造体1Aが位置ずれしたり、倒れたりすることを抑制することができる。また、リベット等でグラウンドフックを吸音ユニット10Cに取り付けてもよく、グラウンドフックにチェーン等を繋いで、チェーン等と発電機等を連結してもよい。こうすることで、遮音構造体1Aが風で飛ばないようにすることができる。吸音ユニット10B、10C、10Dも同様である。
【0169】
・遮音構造体1Aの収容空間C内に、発電機等を駆動するための空気を十分に取り込むために、吸音ユニット10Aの隅部に切欠きを形成してもよい。例えば、吸音パネル20の側端縁20d(第1連結部材40が取り付けられている側とは反対側の側端縁)の下方に三角形状の切欠きを形成し、その端面を封止部材で封止すればよい。遮音構造体1B、1C、1Dも同様である。
【0170】
・吸音ユニット10A、10B、10C、10Dの持ち運びを容易にするために、持ち手を設けてもよい。持ち手は、例えば、吸音ユニット10A、10B、10C、10Dの収容空間C側とは反対側の各吸音パネル20、61、62、63、64、65の主面20b、61b、62b、63b、64b、65bに設けることが好ましい。
【0171】
・吸音パネル20(中空板材3)の寸法やセルSの容積等は、遮音構造体1Aに求められる大きさや吸音性能等に合わせて適宜変更すればよい。例えば、吸音パネル20の厚みとしては、15~50mm、好ましくは20~30mmである。そして、セルSの容積としては、0.6~3.0立方センチメートル、特に1.0~2.5立方センチメートル程度が好ましい。吸音パネル20の厚み、セルSの容積を適宜変更することで、吸音周波数のピークを変更することができる。
【0172】
・中空板材3は、一枚の第1シート材100を折り畳み成形してコア層4を形成するのに限らず、複数枚のシート材を用いてコア層を形成してもよい。例えば、帯状のシート材を所定間隔毎に屈曲させ、これら複数のシート材を併設することでコア層を形成してもよい。この変更例の場合、各シート材において屈曲させた部分がセルの側壁部を構成する。
【0173】
・スキン層5、6を熱溶着でコア層4に接合するのに限らず、例えば、接着剤等でスキン層5、6をコア層4に貼り付けて接合してもよい。また、コア層4とスキン層5、6との間に、例えば熱可塑性樹脂製の接着層を介在させ、この接着層の接着力により、スキン層5、6をコア層4に接合してもよい。
【0174】
・中空板材3(吸音パネル20、61、62、63、64、65)におけるスキン層6側の外面に、他のシート材を接合してもよい。この外面側のシート材は、合成樹脂製のものに限らず、例えば、金属シート(金属箔)、鋼板、紙、布などであってもよい。また、スキン層6そのものを、金属シート(金属箔)、紙、布などで構成してもよい。
【0175】
・中空板材3(吸音パネル20、61、62、63、64、65)におけるセルSの形状は、六角柱形状に限らない。例えばセルSの形状は、四角柱形状であってもよいし円柱形状であってもよい。また、異なる形状のセルSが混在されていてもよい。さらに、中空板材3において、隣り合うセルSが接している場合に限らず、隣り合う2つのセルSの間に間隔が生じていてもよい。なお、セルSとセルSとの間に間隔が生じている場合、セルSの内外を連通させる連通孔7だけでなく、セルSとセルSとの間の空間の内外を連通させる連通孔を設けてもよい。
【0176】
・中空板材3において、連通孔7は、一つのセルSに対して複数設けられていてもよい。また、連通孔7は、全てのセルSに対応して設けられていなくてもよく、一部のセルSに対応して設けられていてもよい。
【0177】
・吸音ユニット10Aにおいて、吸音パネル20と吸音材30との間に、透湿防水シート以外の他のシート材が介在していてもよい。ただし、介在するシート材として、吸音パネル20によって吸音される周波数を透過する材料や厚みであることが好ましい。吸音ユニット10B、10C、10Dについても同様である。
【0178】
・吸音ユニット10Aに遮熱材が取り付けられていてもよい。発電機等からの排気熱によって吸音パネル20が溶融することを抑制することができる。遮熱材はアルミニウム薄膜等からなる金属薄膜であり、吸音材30の厚み方向中間位置に挟み込まれていることが好ましい。こうすると、収容空間C側に加熱された金属薄膜が露出することがなく、また、加熱された金属薄膜が吸音パネル20に接触することがない。遮熱材の取付け位置は、例えば、吸音パネル20の上下方向の高さの約2/3~1/2程度の範囲であり、吸音パネルの幅方向全体に亘って取り付ける。また、遮熱材が取り付けられた吸音パネル20は、遮音構造体1Aを構成する複数の吸音ユニット10Aのうちの1枚の吸音ユニット10Aに使用することが好ましい。吸音ユニット10B、10C、10Dについても同様である。
【0179】
・吸音ユニット10Aを連結する雄型面ファスナー22及び雌型面ファスナー23に代えて、他の構成を採用してもよい。例えば、上記各面ファスナー22、23に代えて、複数の紐を取り付けてもよい。この変更例の場合、例えば、一方の吸音ユニット10Aから延びる紐と他方の吸音ユニット10Aから延びる紐とを結び付けることで、両者が連結された状態に保持される。さらに、雄型面ファスナー22及び雌型面ファスナー23を省略してもよい。吸音ユニット10B、10C、10Dについても同様である。
【0180】
・吸音パネル20に対する吸音材30の取り付け態様は、面ファスナー24、25に限らない。例えば、リベット(鋲)で、吸音パネル20に吸音材30が取り付けられていてもよい。通常、面ファスナー24、25は接着剤で接着されているが、リベット(鋲)で取り付けることにより、発電機等からの排気熱による面ファスナー24、25の剥がれを抑制することができる。また、吸音パネル20にリベットで直接吸音材30を取り付ける場合、吸音材30とリベットとの間に軟質のゴム板を挟むと、吸音材30に対する接触面積が増えて確実に固定することができる。吸音材30の破れを抑制して耐久性をよくするために、ゴム板の外周を円弧状にすることが好ましい。この変更例の場合、吸音材30は、吸音パネル20から取り外し不可あるいは取り外しが難しくなるが、吸音材30がグラスウールのような経時劣化しにくい材料で形成されていれば、問題は生じにくい。吸音パネル61、63、64、65についても同様である。
【0181】
・吸音パネル20、61、62、63、64、65を構成する中空板材3を、難燃性の合成樹脂材料で形成してもよい。こうすることで、難燃性の吸音ユニット10A、10B、10C、10D、及び難燃性の遮音構造体1A、1B、1C、1Dを得ることができる。
【0182】
・吸音パネル20は、第1セルS1及び第2セルS2の列が延びる方向に直交する方向(
図1及び
図2においてY方向)が上下方向となるように配置されていなくてもよい。例えば、吸音パネル20は、第1セルS1及び第2セルS2の列が延びる方向に直交する方向が幅方向となるように配置されていてもよい。吸音パネル61、62、63、64、65についても同様である。
【0183】
・吸音パネル20の上端面及び下端面に取付けられた封止部材21を省略してもよい。遮音構造体1Aに使用が想定される場所が雨等に晒されない場所で、遮音構造体1Aに水がかからないと想定されるのであれば、封止部材21を省略しても弊害はない。吸音パネル61、62、65についても同様である。
【0184】
・遮音構造体1Cでは、第3吸音パネル63の上端縁及び第4吸音パネル64の下端縁の封止部材を省略してもよい。第3連結部材80が取り付けられていることにより、第3吸音パネル63の上端面及び第4吸音パネル64の下端面から、中空板材3の内部空間へ塵、埃、水等が入ることが抑制される。また、第3吸音パネル63の上端部の側面及び第4吸音パネル64の下端部の側面を押し潰し、90゜曲げて溶着することで端面封止してもよい。この場合、収容空間C側の側面を押し潰して端面封止すると、端面が平坦となって汚れ等が付着しにくいことから好ましい。
【0185】
・吸音パネル20の上端面及び下端面に帯状の封止部材21を取り付けたが、吸音パネル20の上端面及び下端面を封止する方法はこれに限定されない。加熱冶具により、吸音パネル20の上端面及び下端面を押し潰して熱封止してもよい。また、上端面及び下端面に限らず、吸音パネル20の側端面に封止部材21を取り付けたり、加熱によって熱封止したりしてもよい。吸音パネル61、62、63、64、65についても同様である。
【0186】
・吸音パネル20に貼着された吸音材30の高さ方向の寸法は、吸音パネル20の高さ方向の寸法とほぼ同じであり、吸音材30は、吸音パネル20の高さ方向全長に亘って貼着されているが、これに限定されない。吸音材30の高さ方向の寸法を吸音パネル20の高さ方向の寸法より小さくしてもよい。つまり、吸音材30の上端縁が、吸音パネル20の上端縁より下方であり、吸音材30の下端縁が、吸音パネル20の下端縁より上方であってもよい。こうすると、吸音材30の上下端縁が汚れたり破損したりしにくく、吸音材30の寿命を長くすることができる。吸音パネル61、63、65についても同様である。
【0187】
・遮音構造体1Cの吸音ユニット10Cの第3連結部材80に代えて第1連結部材40を取り付けてもよい。この場合、第1連結部材40の第1支持部41と第2支持部42が軟質部43により0゜~180゜の間の所定角度に回動可能とされて、第3吸音パネル63を立設すると、第4吸音パネル64が第1連結部材40を介して下方に回動しようとする。組付作業の際には、1枚目の第4吸音パネル64の側端縁64cと2枚目の第4吸音パネル64の側端縁64d同士を当接させ、その状態で面ファスナー22、23を取り付ければよい。こうすれば、側端縁64c、64dが互いに支持しあい。隣り合う吸音ユニット10Cの立設状態が安定する。
【0188】
・第3実施形態の遮音構造体1Cでは、第3吸音パネル63に取り付けられた第1連結部材40の上下方向の長さを、第1実施形態の遮音構造体1Aの吸音パネル20に取り付けられた第1連結部材40の上下方向の長さより短くした。これに限定されず、第3吸音パネル63に取り付けられた第1連結部材40も吸音パネル20の第1連結部材40と同様、第3吸音パネル63の長手方向の長さと略同一として、第3吸音パネル63の上端縁近傍から下端縁に至る部分に取り付けてもよい。この場合、第3吸音パネル63と第4吸音パネル64を連結する第3連結部材80の長手方向の長さを、第3吸音パネル63の左右方向の長さより短くして、第3吸音パネル63の左右側辺より内方の位置から取り付ければよい。
【0189】
・吸音ユニット10Cの第3吸音パネル63及び第4吸音パネル64を連結する連結部材の形状は第3連結部材80のような形状に限定されない。第3連結部材80は、第1支持部81と第2支持部82が、収容空間C側で直接連結され、収容空間C側とは反対側で連結部83を介して連結されているが、いずれか一方を省略してもよい。例えば、第1支持部81と第2支持部82が収容空間C側のみで直接連結されていてもよい。または、第1支持部81と第2支持部82が収容空間C側とは反対側のみで連結部83を介して連結されていてもよい。この場合、第3連結部材80が硬質の合成樹脂材料の押出成形品や、アルミニウム材等の金属成形品とすることが好ましい。
【0190】
また、第1支持部81と第2支持部82の連結部分を軟質の合成樹脂材料で形成してもよい。この場合も、第1支持部81と第2支持部82の収容空間C側のみを軟質材で形成してもよく、第1支持部81と第2支持部82の収容空間C側とは反対側のみを軟質材で形成してもよい。
【0191】
・吸音ユニット10Cの第3吸音パネル63及び第4吸音パネル64を連結する連結部材の形状は第3連結部材80のような形状に限定されない。例えば、
図18(a)に示すように、第1支持部81と第2支持部82がそれぞれ断面コ字状ではなく、平板状の1枚の第1主面支持部81aと、平板状の1枚の第2主面支持部82aが連結された形状であってもよい。この場合も、平板上の1枚の第1主面支持部81aと平板状の1枚の第2主面支持部82aは、収容空間C側のみで連結されていてもよく、収容空間C側とは反対側のみで連結部83を介して連結されていてもよい。また、連結部材は硬質の合成樹脂材料の押出成形品や、アルミニウム材等の金属成形品としてもよく、連結部分のみを軟質の合成樹脂材料で形成してもよい。
【0192】
・吸音ユニット10Cは、第3吸音パネル63と第4吸音パネル64が連結部材を介して連結されたものではなく、1枚の吸音パネルで構成されていてもよい。例えば、
図18(b)に示すように、吸音パネルを構成するコア層4の一部を残して直線状に切り欠かれた形状のヒンジ部を形成し、ヒンジ部を介して第3吸音パネルの部分と第4吸音パネルの部分が連結されたものであってもよい。
図18(b)では、連通孔7が形成された側(収容空間C側)のスキン層5を残してコア層4が直線状に切り欠かれた形状のものを示している。これに限らず、連通孔7が形成されていない側のスキン層6を残してコア層4が収容空間C側から切り欠かれた形状のものであってもよい。また、ヒンジ部は、熱刃により吸音パネルを押し潰して形成した熱罫線であってもよい。
【0193】
・遮音構造体1Cは4枚の吸音ユニット10Cから形成したが、これに限定されない。例えば、側壁部2Cを構成する4つの側壁を、対向する一方の側壁はそれぞれ1枚の吸音ユニット10Cで構成し、対向する他方の側壁はそれぞれ2枚の吸音ユニット10Cで構成してもよい。また、側壁部2Cを構成する4つの側壁を、対向する一方の側壁はそれぞれ1枚の吸音ユニット10Cで構成し、対向する他方の側壁はそれぞれ3枚の吸音ユニット10Cで構成してもよい。さらに、側壁部2Cを構成する4つの側壁を、対向する一方の側壁はそれぞれ2枚の吸音ユニット10Cで構成し、対向する他方の側壁はそれぞれ2枚の吸音ユニット10Cで構成してもよい。このように、側壁を構成する吸音ユニット10Cの数を変えることにより、騒音源の大きさに合うように大型の遮音構造体1Cを組み立てることができる。
【0194】
この場合、吸音ユニット10Cの構成を適宜変更することで対応することができる。例えば、対向する側壁を2枚の吸音ユニット10Cで形成する場合、一方の吸音ユニット10Cの第4吸音パネル64は、側端縁64dが底辺に対して傾斜するとともに側端縁64cが底辺に対して垂直となるような形状とする。また、他方の吸音ユニット10Cの第4吸音パネル64は、側端縁64cが底辺に対して傾斜するとともに側端縁64dが底辺に対して垂直となるような形状とする。こうすることで、一つの側壁を形成する2枚の吸音ユニット10Cの第3吸音パネル63は、第1連結部材40を介して平面上に連結され、2枚の第4吸音パネル64は、側端縁63cと63dが当接する。側壁を3枚以上の吸音ユニット10Cで形成する場合も同様に、第4吸音パネル64の側端縁64c、64dの形状を適宜変更して、第3吸音パネル63が平面状に配置された場合でも、隣り合う側端縁64c、64d同士が当接して支持しあうような形状とすればよい。例えば、3枚以上の吸音ユニット10Cで形成する側壁の左右両端部以外の吸音ユニット10Cでは、第4吸音パネル64を矩形板状に形成すればよい。こうすることで、汎用性に優れた吸音ユニット10Cを組み立てることができる。
【0195】
・吸音ユニット10Aを複数枚連結してなる遮音構造体1Aに対して、吸音ユニット10Aの吸音パネル20に第3連結部材80及び第4吸音パネル64を取り付けて吸音ユニット10Cを形成するようにしてもよい。遮音構造体1Aとして使用中、遮音構造体1Aの高さを高くしたいとか上方の開口を小さくしたいという場合に、既存の遮音構造体1Aを利用して所望の遮音構造体を調整することが容易である。
【0196】
・遮音構造体1Aの吸音パネル20に貼着された吸音材30の高さ方向の寸法は、吸音パネル20の高さ方向の寸法とほぼ同じになっており、吸音材30は、吸音パネル20の高さ方向全体に貼着されている。しかし、吸音材30の高さ方向の寸法及び貼着位置はこれに限定されない。吸音材30の高さ方向の寸法がこれより短く、吸音パネルの下端より少し上側の位置から貼着されていてもよい。これにより、吸音材30の下端面が破損したり汚れたりすることを抑制することができる。遮音構造体1Bの第1吸音パネル61、遮音構造体1Cの第3吸音パネル63についても同様である。
【符号の説明】
【0197】
C…収容空間、S…セル、S1…第1セル、S2…第2セル、L1、L2、L3、L4…幅、1A、1B,1C…遮音構造体、2A、2B、2C…側壁部、3…中空板材、4…コア層、5、6…スキン層、7…連通孔、10A、10B、10C…吸音ユニット、20、61、62、63、64…吸音パネル、20a、20b、61a、61b、62a、62b、63a、63b、64a、64b…主面、20c、20d、61c、61d、62c、62d、63c、63d、64c、64d…側端縁(側辺)、30、30a、30b、30c…吸音材、40…第1連結部材(連結部材)、41…第1支持部、41a…第1主面支持部、41b…第1端面支持部、41d…凸部、42…第2支持部、42a…第2主面支持部、42b…第2端面支持部、42e…凹部、43…軟質部(連結部)、61a、61b…主面、61c、61d…側端縁、70…第2連結部材、71…第1支持部、71a…第1主面支持部、71b…第1端面支持部、71d…凸部、72…第2支持部、72a…第2主面支持部、72b…第2端面支持部、72e…凹部、80…第3連結部材、81…第1支持部、81a…第1主面支持部、81b…第1端面支持部、81d…凸部、82…第2支持部、82a…第2主面支持部、82b…第2端面支持部、82e…凹部。