IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社金澤製作所の特許一覧

特許7109136免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット
<>
  • 特許-免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット 図1
  • 特許-免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット 図2
  • 特許-免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット 図3
  • 特許-免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット 図4
  • 特許-免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット 図5
  • 特許-免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット 図6
  • 特許-免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット 図7
  • 特許-免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット 図8
  • 特許-免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット 図9
  • 特許-免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット 図10
  • 特許-免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット 図11
  • 特許-免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット 図12
  • 特許-免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット 図13
  • 特許-免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット 図14
  • 特許-免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット 図15
  • 特許-免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット 図16
  • 特許-免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット 図17
  • 特許-免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニット
(51)【国際特許分類】
   F16F 15/02 20060101AFI20220722BHJP
【FI】
F16F15/02 L
F16F15/02 E
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022079200
(22)【出願日】2022-05-13
【審査請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】P 2021177504
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390027661
【氏名又は名称】株式会社金澤製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100080768
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 実
(74)【代理人】
【識別番号】100166327
【弁理士】
【氏名又は名称】舟瀬 芳孝
(74)【代理人】
【識別番号】100106644
【弁理士】
【氏名又は名称】戸塚 清貴
(72)【発明者】
【氏名】金澤 光雄
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-185240(JP,A)
【文献】特開2000-046104(JP,A)
【文献】特開2018-119638(JP,A)
【文献】特開2003-082880(JP,A)
【文献】特開2007-271085(JP,A)
【文献】特開平11-303929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視円形であってその軸線方向を厚み方向としその厚み方向両側面間の厚みが周縁から径方向中央部に向かうに従って厚くなる摺動部材を間に挟むために一対が用意され、その各々について、前記摺動部材に対する摺動面として凹面が形成され、その凹面が、その開口周縁から径方向中央部に向かうに従って次第に深くなる曲面として形成されている免震ユニット用ガイド部材であって、
板状の板部を有する第1部材と、該第1部材の板部に対向した状態で配置される板状の板部を有すると共に該板部の周縁部から起立する周壁部を有する第2部材とが備えられ、
前記第2部材の周壁部の先端が、前記第1部材の板部周縁部に固定されて、該第1部材の板部と該第2部材の板部との間に内部空間が形成され、
前記第1部材の板部及び前記第2部材の板部のいずれか一方の板部に、該一方の板部を他方の板部に向けて膨出させることにより膨らみ部が形成され、
前記凹面が、前記膨らみ部の形成に伴って前記一方の板部の外面に形成される引っ込み面により形成され、
前記他方の板部に、前記膨らみ部の先端部と基端部との間において、該一方の板部に向けて突出する支持部が、該膨らみ部の周囲を囲むようにして設けられ、
前記支持部の先端が、前記膨らみ部に当接されている、
ことを特徴とする免震ユニット用ガイド部材。
【請求項2】
平面視円形であってその軸線方向を厚み方向としその厚み方向両側面間の厚みが周縁から径方向中央部に向かうに従って厚くなる摺動部材を間に挟むために一対が用意され、その各々について、前記摺動部材に対する摺動面として凹面が形成され、その凹面が、その開口周縁から径方向中央部に向かうに従って次第に深くなる曲面として形成されている免震ユニット用ガイド部材であって、
板状の板部を有する第1部材と、該第1部材の板部に対向した状態で配置される板状の板部を有すると共に該板部の周縁部から起立する周壁部を有する第2部材とが備えられ、
前記第2部材の周壁部の先端が、前記第1部材の板部周縁部に固定されて、該第1部材の板部と該第2部材の板部との間に内部空間が形成され、
前記第1部材の板部及び前記第2部材の板部のいずれか一方の板部に、該一方の板部を他方の板部に向けて膨出させることにより膨らみ部が形成され、
前記凹面が、前記膨らみ部の形成に伴って前記一方の板部の外面に形成される引っ込み面により形成され、
前記第2部材の周壁部先端と前記第1部材の板部周縁部とが、留め具をもって固定され、
前記膨らみ部の先端部が前記他方の板部の内面に当接され、
前記他方の板部に、前記膨らみ部の先端部と基端部との間において、該一方の板部に向けて突出する支持部が、該膨らみ部の周囲を囲むようにして設けられ、
前記支持部の先端が、前記膨らみ部に当接されている、
ことを特徴とする免震ユニット用ガイド部材。
【請求項3】
請求項2において、
前記支持部として、複数の支持部が設けられ、
前記複数の支持部が、前記膨らみ部の周囲を該膨らみ部に対する囲み径を異ならせた状態で囲んでいる、
ことを特徴とする免震ユニット用ガイド部材。
【請求項4】
請求項2において、
前記支持部が、前記他方の板部から突出する複数の支持構成部からなり、
前記複数の支持構成部は、3つ以上の数をもって、前記膨らみ部の周囲を囲むように配置されている、
ことを特徴とする免震ユニット用ガイド部材。
【請求項5】
請求項3において、
前記各支持部が、前記他方の板部から突出する複数の支持構成部によりそれぞれ構成されて、該各複数の支持構成部がグループ分けされ、
前記各グループにおける複数の支持構成部が、前記膨らみ部に対する囲み径を異ならせた状態で配置されている、
ことを特徴とする免震ユニット用ガイド部材。
【請求項6】
請求項2において、
前記支持部が、前記膨らみ部の周囲を全周に亘って連続的に囲む筒状の支持壁部をもって形成されている、
ことを特徴とする免震ユニット用ガイド部材。
【請求項7】
請求項2において、
前記支持部が、前記他方の板部から突出する複数の支持壁部からなり、
前記複数の支持壁部が、前記膨らみ部の先端部を中心として、その周囲に放射状に伸びると共に、該膨らみ部の先端部から離れるに従って突出高さが高くなるようにされ、
前記各支持壁部の先端が、前記膨らみ部に該膨らみ部の先端部から基端部にかけて沿うように当接されている、
ことを特徴とする免震ユニット用ガイド部材。
【請求項8】
請求項2において、
前記支持部が、前記他方の板部を前記一方の板部側に向けて膨出させることにより形成されている、
ことを特徴とする免震ユニット用ガイド部材。
【請求項9】
平面視円形であってその軸線方向を厚み方向としその厚み方向両側面間の厚みが周縁から径方向中央部に向かうに従って厚くなる摺動部材を間に挟むために一対が用意され、その各々について、前記摺動部材に対する摺動面として凹面が形成され、その凹面が、その開口周縁から径方向中央部に向かうに従って次第に深くなる曲面として形成されている免震ユニット用ガイド部材であって、
板状の板部を有する第1部材と、該第1部材の板部に対向した状態で配置される板状の板部を有すると共に該板部の周縁部から起立する周壁部を有する第2部材とが備えられ、
前記第2部材の周壁部の先端が、前記第1部材の板部周縁部に固定されて、該第1部材の板部と該第2部材の板部との間に内部空間が形成され、
前記第1部材の板部及び前記第2部材の板部のいずれか一方の板部に、該一方の板部を他方の板部に向けて膨出させることにより膨らみ部が形成され、
前記凹面が、前記膨らみ部の形成に伴って前記一方の板部の外面に形成される引っ込み面により形成され、
前記第1部材と第2部材との間に、複数の貫通孔が隣合うようにして形成される多孔構造体が介装されている、
ことを特徴とする免震ユニット用ガイド部材。
【請求項10】
平面視円形であってその軸線方向を厚み方向としその厚み方向両側面間の厚みが周縁から径方向中央部に向かうに従って厚くなる摺動部材を間に挟むために一対が用意され、その各々について、前記摺動部材に対する摺動面として凹面が形成され、その凹面が、その開口周縁から径方向中央部に向かうに従って次第に深くなる曲面として形成されている免震ユニット用ガイド部材であって、
板状の板部のみを有する第1部材と、該第1部材の板部に対向した状態で配置される第2部材とが備えられ、
前記第1部材の板部に、前記第2部材に向けて膨出させることにより膨らみ部が形成され、
前記凹面が、前記膨らみ部の形成に伴って該第1部材の板部の外面に形成される引っ込み面により形成され、
前記第2部材に、該第2部材を型成形可能なゴム材料を用いて形成することにより、前記第1部材との対向面において、該第1部材の膨らみ部に対応した膨らみ部受入れ用凹面が形成され、
前記第2部材は、前記第1部材との対向面において、前記第1部材の膨らみ部を前記膨らみ部受入れ用凹面に受け入れつつ該第1部材全体当接している
ことを特徴とする免震ユニット用ガイド部材。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に係る免震ユニット用ガイド部材が一対備えられ、
前記一対の免震ユニット用ガイド部材の間に摺動部材が介在されている、
ことを特徴とする免震ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免震ユニット用ガイド部材及び免震ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
地震から精密機器や美術品等の貴重品を保護するために、免震ユニットが用いられている。この免震ユニットの中には、特許文献1に示すように、基礎部材側に固定されて上面に摺動面として曲面状の凹面が形成された下側ガイド部材と、基礎部材の上方に配設される上部構造物に固定されて下面に摺動面として曲面状の凹面が形成された上側ガイド部材と、下側ガイド部材と上側ガイド部材との間に介在された摺動部材と、を有するものがある。この特許文献1に記載のものにおいては、地震によって下側ガイド部材と上側ガイド部材とが水平方向に相対変位されたときに、摺動部材が傾斜された状態をもって下側ガイド部材と上側ガイド部材とに対して摺動して、免震作用を行うものとなる(摺動抵抗を利用した免震作用)。そして地震が収まったときには、上下の各ガイド部材における曲面状の凹面(摺動面)に基づき、摺動部材は所定位置へ自動復帰することになる。
【0003】
ところで、上記免震ユニットに用いられる各ガイド部材については、一つの素材を準備し、その素材に、摺動部材に対向する比較的大きな面を形成した上で、その面に、摺動部材が摺動する摺動面として、曲面状の凹面が加工される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-119638
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ガイド部材は、免震ユニットの構成部品の中でも最も大きなものであり、そのような大きな構成部品において、一つの素材を加工することにより曲面状の凹面を形成することは、比較的長い作業時間を要し、その製作負担は軽くない。
【0006】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その第1の目的は、既存の形態を維持しつつ、極力製作負担を軽減できる免震ユニット用ガイド部材を提供することにある。第2の目的は、上記免震ユニット用ガイド部材を利用した免震ユニットを提供することにある。
【0007】
前記第1の目的を達成するため本発明にあっては、次の(1)~(10)の構成とされ
ている。
【0008】
(1)平面視円形であってその軸線方向を厚み方向としその厚み方向両側面間の厚みが周縁から径方向中央部に向かうに従って厚くなる摺動部材を間に挟むために一対が用意され、その各々について、前記摺動部材に対する摺動面として凹面が形成され、その凹面が、その開口周縁から径方向中央部に向かうに従って次第に深くなる曲面として形成されている免震ユニット用ガイド部材であって、
板状の板部を有する第1部材と、該第1部材の板部に対向した状態で配置される板状の板部を有すると共に該板部の周縁部から起立する周壁部を有する第2部材とが備えられ、
前記第2部材の周壁部の先端が、前記第1部材の板部周縁部に固定されて、該第1部材の板部と該第2部材の板部との間に内部空間が形成され、
前記第1部材の板部及び前記第2部材の板部のいずれか一方の板部に、該一方の板部を他方の板部に向けて膨出させることにより膨らみ部が形成され、
前記凹面が、前記膨らみ部の形成に伴って前記一方の板部の外面に形成される引っ込み面により形成され、
前記他方の板部に、前記膨らみ部の先端部と基端部との間において、該一方の板部に向けて突出する支持部が、該膨らみ部の周囲を囲むようにして設けられ、
前記支持部の先端が、前記膨らみ部に当接されている構成とされている。
【0009】
この構成によれば、第1、第2部材が板部を有している形態を利用して、そのいずれか一方の板部に、プレス成形により、膨らみ部が形成される一方で、その一方の板部の外面に膨らみ部の相当領域において曲面状の引っ込み面が形成され、その引っ込み面を摺動面としての凹面とすることができる。このように、素材に板部を有するようにすることによりプレス成形が行えるようにし、曲面状の凹面を簡単に形成(製作負担軽減)することができる。その一方で、第1、第2部材のうち、膨らみ部(凹面)を有する部材と、他方の部材(第1、第2部材のうち他方)とを、上記凹面を外部に臨ませた状態で組立てれば、第1部材の板部と第2部材の板部との間の内部空間に膨らみ部を収容させることができ、組立時における当該ガイド部材の形状を、既存の形態である安定な扁平形状に維持することができる。
また、一方の板部における膨らみ部をその膨らみ部先端部と基端部との間において支持部が支えており、一方の板部を有する部材(第1部材又は第2部材の一方)の肉厚に基づく強度に加えて、支持部によっても、凹面に作用する荷重に抗する能力を高めることができる。このため、地震が生じて上下のガイド部材が相対変位し、凹面(一方の板部)にその凹面中央部とその開口周縁部との間(膨らみ部先端部と基端部との間)において摺動部材の傾斜に基づく局部荷重が作用しても、その局部荷重に対して十分に抗することができる。この結果、凹面が変形しないことを限度として、一方の板部を有する部材(第1部材又は第2部材の一方)の肉厚をこれまで以上に薄くすることができる。
【0010】
(2)平面視円形であってその軸線方向を厚み方向としその厚み方向両側面間の厚みが周縁から径方向中央部に向かうに従って厚くなる摺動部材を間に挟むために一対が用意され、その各々について、前記摺動部材に対する摺動面として凹面が形成され、その凹面が、その開口周縁から径方向中央部に向かうに従って次第に深くなる曲面として形成されている免震ユニット用ガイド部材であって、
板状の板部を有する第1部材と、該第1部材の板部に対向した状態で配置される板状の板部を有すると共に該板部の周縁部から起立する周壁部を有する第2部材とが備えられ、
前記第2部材の周壁部の先端が、前記第1部材の板部周縁部に固定されて、該第1部材の板部と該第2部材の板部との間に内部空間が形成され、
前記第1部材の板部及び前記第2部材の板部のいずれか一方の板部に、該一方の板部を他方の板部に向けて膨出させることにより膨らみ部が形成され、
前記凹面が、前記膨らみ部の形成に伴って前記一方の板部の外面に形成される引っ込み面により形成され、
前記第2部材の周壁部先端と前記第1部材の板部周縁部とが、留め具をもって固定され、
前記膨らみ部の先端部が前記他方の板部の内面に当接され、
前記他方の板部に、前記膨らみ部の先端部と基端部との間において、該一方の板部に向けて突出する支持部が、該膨らみ部の周囲を囲むようにして設けられ、
前記支持部の先端が、前記膨らみ部に当接されている構成とされている。
【0011】
この構成によれば、摺動部材による荷重が凹面中央部(膨らみ部先端部)に作用するとき(地震が生ぜず上下のガイド部材が相対変位しないとき)には、膨らみ部先端部が他方の板部(第1部材の板部及び第2部材の板部のうちの他方)に当接して、その膨らみ部先端部に作用する摺動部材に基づく力を一方の板部及び他方の板部の両肉厚強度、他方の板部を支持する基礎部材(床等)によって支えることができる。また、一方の板部における膨らみ部をその膨らみ部先端部と基端部との間において支持部が支えており、一方の板部を有する部材(第1部材又は第2部材の一方)の肉厚に基づく強度に加えて、支持部によっても、凹面に作用する荷重に抗する能力を高めることができる。このため、地震が生じて上下のガイド部材が相対変位し、凹面(一方の板部)にその凹面中央部とその開口周縁部との間(膨らみ部先端部と基端部との間)において摺動部材の傾斜に基づく局部荷重が作用しても、その局部荷重に対して十分に抗することができる。この結果、凹面が変形しないことを限度として、一方の板部を有する部材(第1部材又は第2部材の一方)の肉厚をこれまで以上に薄くすることができる。
【0012】
また、地震によって当該一対のガイド部材(下側ガイド部材及び上側ガイド部材)が水平方向に相対変位するとき、摺動部材が傾斜しつつ一方の板部における凹面(摺動面)を摺動することに基づき、第1部材と第2部材とには、横方向に相対移動しようとする力が働くが、そのときの力(相対移動力)は、留め具だけでなく、支持部によっても受止められることになり、留め具の強度負担(必要せん断応力)を低減できる。これにより、留め具としてその軸径を短くしたもの(せん断応力を低めたもの)を用いること、留め具の必要本数を減らすこと等が可能となる。さらには、留め具の必要本数を減らすことができるときには、それに伴い、その取付け作業の負担を軽減することができる。
【0013】
(3)前記(2)の構成の下で、
前記支持部として、複数の支持部が設けられ、
前記複数の支持部が、前記膨らみ部の周囲を該膨らみ部に対する囲み径を異ならせた状態で囲んでいる構成とされている。
【0014】
この構成によれば、複数の支持部が膨らみ部を囲み径を異ならせた状態で支えることになり、凹面の変形防止を高めて、その凹面を有する部材(第1部材又は第2部材)の肉厚を一層薄くできると共に、第1部材と第2部材との相対移動の防止を高めて留め具の強度負担を一層低減できる。
【0015】
(4)前記(2)の構成の下で、
前記支持部が、前記他方の板部から突出する複数の支持構成部からなり、
前記複数の支持構成部は、3つ以上の数をもって、前記膨らみ部の周囲を囲むように配置されている構成とされている。
【0016】
この構成によれば、できるだけ少ない支持構成部をもって、凹面の変形を防止しつつ、その凹面を有する部材の肉厚を極力薄くできると共に、留め具の強度負担を低減することができ、その両効果を簡素な構成をもって実現できる。
【0017】
(5)前記(3)の構成の下で、
前記各支持部が、前記他方の板部から突出する複数の支持構成部によりそれぞれ構成されて、該各複数の支持構成部がグループ分けされ、
前記各グループにおける複数の支持構成部が、前記膨らみ部に対する囲み径を異ならせた状態で配置されている構成とされている。
【0018】
この構成によれば、各グループにおける複数の支持構成部という極力簡素な構成をもって、前述の(3)と同様の作用効果を実現できる。
【0019】
(6)前記(2)の構成の下で、
前記支持部が、前記膨らみ部の周囲を全周に亘って連続的に囲む筒状の支持壁部をもって形成されている構成とされている。
【0020】
この構成によれば、地震によって摺動部材がどの方向に摺動しても、その際に発生する力を筒状の支持壁部が的確に受け止めることになり、凹面の変形を防止しつつその凹面を有する部材の肉厚を極力薄くすることと、留め具の強度負担を低減することとを確実に実現できる。
【0021】
(7)前記(2)の構成の下で、
前記支持部が、前記他方の板部から突出する複数の支持壁部からなり、
前記複数の支持壁部が、前記膨らみ部の先端部を中心として、その周囲に放射状に伸びると共に、該膨らみ部の先端部から離れるに従って突出高さが高くなるようにされ、
前記各支持壁部の先端が、前記膨らみ部に該膨らみ部の先端部から基端部にかけて沿うように当接されている構成とされている。
【0022】
この構成によれば、各支持壁部が膨らみ部外面に、その先端部から基端部にかけて沿うように当接することから、その形状に基づく高い断面係数をもって膨らみ部を上下方向及び横方向において支えることができる。このため、凹面の変形を防止しつつその凹面を有する部材の肉厚を極力薄くすることと、留め具の強度負担を低減することとを、著しく向上させることができる。また、複数の支持壁部が他方の板部に放射状に設けられて、その他方の板部の曲げ剛性が高められることになり、その他方の板部を用いることにより当該ガイド部材の強度を高めることができる。
【0023】
(8)前記(2)の構成の下で、
前記支持部が、前記他方の板部を前記一方の板部側に向けて膨出させることにより形成されている構成とされている。
【0024】
この構成によれば、支持部を他方の板部に一体的に成形することができ、部品点数の低減を図って当該ガイド部材の組立作業の負担を軽減することができる。
【0025】
(9)平面視円形であってその軸線方向を厚み方向としその厚み方向両側面間の厚みが周縁から径方向中央部に向かうに従って厚くなる摺動部材を間に挟むために一対が用意され、その各々について、前記摺動部材に対する摺動面として凹面が形成され、その凹面が、その開口周縁から径方向中央部に向かうに従って次第に深くなる曲面として形成されている免震ユニット用ガイド部材であって、
板状の板部を有する第1部材と、該第1部材の板部に対向した状態で配置される板状の板部を有すると共に該板部の周縁部から起立する周壁部を有する第2部材とが備えられ、
前記第2部材の周壁部の先端が、前記第1部材の板部周縁部に固定されて、該第1部材の板部と該第2部材の板部との間に内部空間が形成され、
前記第1部材の板部及び前記第2部材の板部のいずれか一方の板部に、該一方の板部を他方の板部に向けて膨出させることにより膨らみ部が形成され、
前記凹面が、前記膨らみ部の形成に伴って前記一方の板部の外面に形成される引っ込み面により形成され、
前記第1部材と第2部材との間に、複数の貫通孔が隣合うようにして形成される多孔構造体が介装されている構成とされている。
【0026】
この構成によれば、強度部材としての多孔構造体が、膨らみ部を含む一方の板部を支えることになり、一方の板部を有する部材(第1部材又は第2部材の一方)の肉厚に基づく強度に加えて、多孔構造体によっても、凹面に作用する荷重に抗する能力を高めることができる。このため、地震が生じて上下のガイド部材が相対変位し、凹面(一方の板部)において摺動部材に基づく荷重が作用しても、その荷重に対して十分に抗することができる。この結果、凹面が変形しないことを限度として、一方の板部を有する部材(第1部材又は第2部材の一方)の肉厚をこれまで以上に薄くすることができる。
【0027】
(10)平面視円形であってその軸線方向を厚み方向としその厚み方向両側面間の厚みが周縁から径方向中央部に向かうに従って厚くなる摺動部材を間に挟むために一対が用意され、その各々について、前記摺動部材に対する摺動面として凹面が形成され、その凹面が、その開口周縁から径方向中央部に向かうに従って次第に深くなる曲面として形成されている免震ユニット用ガイド部材であって、
板状の板部のみを有する第1部材と、該第1部材の板部に対向した状態で配置される第2部材とが備えられ、
前記第1部材の板部に、前記第2部材に向けて膨出させることにより膨らみ部が形成され、
前記凹面が、前記膨らみ部の形成に伴って該第1部材の板部の外面に形成される引っ込み面により形成され、
前記第2部材に、該第2部材を型成形可能なゴム材料を用いて形成することにより、前記第1部材との対向面において、該第1部材の膨らみ部に対応した膨らみ部受入れ用凹面が形成され、
前記第2部材は、前記第1部材との対向面において、前記第1部材の膨らみ部を前記膨らみ部受入れ用凹面に受け入れつつ該第1部材全体当接している構成とされている。
【0028】
この構成によれば、第1部材が板部を有している形態を利用して、その板部に、プレス成形により、膨らみ部が形成される一方で、その一方の板部の外面に膨らみ部の相当領域において曲面状の引っ込み面が形成され、その引っ込み面を摺動面としての凹面とすることができる。このように、素材に板部を有するようにすることによりプレス成形が行えるようにし、曲面状の凹面を簡単に形成(製作負担軽減)することができる。その一方で、第1部材の膨らみ部を第2部材の膨らみ部受入れ用凹面に受け入れさせつつ、第2部材を第1部材全体に当接させること(積層状態にすること)ができ、当該ガイド部材の形状を、既存の形態である安定な扁平形状に維持しつつ、摺動面(第1部材の凹面)を、摺動部材が的確に摺動する的確なものにすることができる。しかもこの場合、第2部材の形成に当たり、膨らみ部受入れ用凹面を含め第2部材を成形材料の型成形により簡単に成形できることから、上記第1部材についてのプレス成形による製作負担の軽減と相まって、当該ガイド部材の製作負担を軽減することができる。
【0029】
また、当該ガイド部材においては、型成形により成形される第2部材が、第1部材の膨らみ部を膨らみ部受入れ用凹面に受け入れつつ第1部材全体に当接されていることから、第1部材の板部の肉厚に基づく強度に加えて、第2部材によっても、凹面に作用する荷重に抗する能力を高めることができる。このため、地震が生じて上下のガイド部材が相対変位し、摺動面としての凹面にその凹面中央部とその開口周縁部との間(膨らみ部先端部と基端部との間)において摺動部材の傾斜に基づく局部荷重が作用しても、その局部荷重に対して十分に抗することができる。
【0030】
【0031】
さらにこの構成によれば、ゴム成形品からなる第2部材が、地震時に、横揺れについては、摺動部材とガイド部材(第1部材)との摺動抵抗によるだけでなく、第2部材(ゴム材料)の減衰機能によっても減衰させることができ、縦揺れについては、第2部材(ゴム材料)の減衰機能によって減衰させることができる。このため、横揺れ及び縦揺れに対する免震性を効果的に高めることができる。
【0032】
前記第2の目的を達成するため本発明にあっては、次の(11)の構成とされている。
【0033】
(11)前記(1)~(10)のいずれかに係る免震ユニット用ガイド部材が一対備えられ、
前記一対の免震ユニット用ガイド部材の間に摺動部材が介在されている、
ことを特徴とする免震ユニットとされている。
【0034】
この構成によれば、(1)~(10)に係るガイド部材のいずれかを利用して、免振作用が確保できる免震ユニットを提供できるばかりか、そのガイド部材の特有の構成に基づき、前記(1)~(10)と同様の作用効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、既存の形態を維持しつつ、極力製作負担を軽減できる免震ユニット用
ガイド部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】第1実施形態に係る免震ユニットを示す斜視図。
図2】第1実施形態に係る免震ユニットを示す縦断面図。
図3図2からの動作様態を示す動作状態図。
図4】第1実施形態に係る免震ユニットに用いられる上下のガイド部材を示す斜視図。
図5】複数の支持構成部(支持部)が果たす役割を説明する説明図。
図6】第2実施形態に係る免震ユニットに用いられるガイド部材を示す平面図。
図7】第3実施形態に係る免震ユニットに用いられるガイド部材を示す平面図。
図8】第3実施形態に係る免震ユニットを示す縦断面図。
図9】第4実施形態に係る免震ユニットに用いられるガイド部材を示す平面図。
図10図9のX10-X10線断面図。
図11】第4実施形態に用いられるガイド部材のストッパ作用を説明する説明図。
図12】第5実施形態に係る免震ユニットに用いられるガイド部材を示す平面図。
図13図12のX13-X13線断面図。
図14】第6実施形態に係る免震ユニットに用いられるガイド部材を示す平面図。
図15図14のX15-X15線断面図。
図16】第7実施形態に係る免震ユニットに用いられるガイド部材(下側ガイド部材)を示す縦断面図。
図17】第8実施形態に係る免震ユニットに用いられるガイド部材(下側ガイド部材)を示す縦断面図。
図18】第8実施形態に係る免震ユニットに用いられる摺動部材を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1において、符号1は、本実施形態に係る免震ユニットを示す。この免震ユニット1は、その複数をもって免振装置を構成することになり、その使用に当たっては、図2に示すように、基礎部材(例えば、床、建築の基礎部)2上に複数の免震ユニット1が点在させた状態で固定され、その複数の免震ユニット1上に上部構造物(例えば、コンピュータサーバ、多機能コピー機、美術品収納ケース等の物品)3が固定される。また別の態様としては、複数の免震ユニット1を上下の板状部材間に介在させた構成とし、その上下の板状部材により比較的広い面の免震床(上部構造物の載置面)を形成することが行われる。この場合、各免震ユニット1と上側板状部材とが固定され、その上側板状部材上に上部構造物3が固定される。また、各免震ユニット1と下側板状部材とが固定され、その下側板状部材は基礎部材2に固定される。
【0038】
上記免震ユニット1について、具体的に説明する。免震ユニット1は、図1図2に示すように、下側ガイド部材4と、該下側ガイド部材4の上方に配置される上側ガイド部材5と、該上下のガイド部材4,5間に介在される摺動部材6とを備える構造とされている。尚、図2、後述の図3図8において、理解を容易にするため、上下のガイド部材4,5については断面をもって示し、摺動部材6については側面をもって示している。
【0039】
下側ガイド部材4は、図2に示すように、その下面が前記基礎部材2に固定され、その上面4Aには、摺動面として平面視円形状の凹面4aが形成されている。この凹面4aの形状は、全体として周縁から中央部にかけて窪みが深くなる形状とされており、本実施形態においては、凹面4aは、全体が湾曲面とされて、その凹面4aの軸線を中心に対称な面を構成している(部分球面を形成)。
【0040】
上側ガイド部材5は、図2に示すように、その上面が前記上部構造物3に固定され、その下面5Aには、摺動面として平面視円形状の凹面5aが形成されている。この凹面5aは、前記下側ガイド部材4の場合同様、全体として周縁から中央部にかけて窪みが深くなる湾曲面とされて、その凹面5aの軸線を中心に対称な面を構成している(部分球面形成)。
【0041】
摺動部材6は、図2に示すように、平面視円形の外周形状とされた下側部位7と、同じく平面視円形の外周形状とされた上側部位8と、この上下の部位7と8とをそれらの中心部同士で連結する円柱状の連結部位9とを備えている。この摺動部材6は、下側部位7の下側面7Aと上側部位8の上側面8Aとの間の厚みが周縁から径方向中央部に向かうに従って厚くなる円盤状に形成されており、下側部位7の下側面7Aは、下側ガイド部材4の凹面4aに対する当接面として、下方に向けて凸状となる曲面に形成され、上側部位8の上側面8Aは、上側ガイド部材5の凹面5aに対する当接面として、上方へ向けて凸状となる曲面に形成されている。この上側面7A及び下側面8Aを構成する曲面は、ある1つの曲率半径を有する部分球面状として形成されており、この場合、摺動部材6における下側面7Aの曲率半径は、摺動面としての前記凹面4aの曲率半径よりも小さいことが好ましく、摺動部材6における上側面8Aの曲率半径は、摺動面としての前記凹面5aの曲率半径よりも小さいことが好ましい。このように摺動部材6は、その中心軸線回りにおいて対称形状に形成され、側面視において上下対称かつ左右対称形状とされている。このような摺動部材6は、全体的に金属(例えば鉄系金属)や硬質の合成樹脂等によって一体成形品として形成される。
【0042】
本実施形態においては、摺動抵抗を高めるべく、摺動部材6の下側面7Aには、その頂部において部分球面状の中央突起部7Aaが形成されていると共にその中央突起部7Aaの周縁部から下側面7Aの周縁に向けて複数本(例えば8本)の凸条部7Abが放射状に形成されている。同様に、上側面8Aには、その頂部において部分球面状の中央突起部8Aaが形成されていると共にその中央突起部8Aaの周縁部から上側面8Aの周縁に向けて複数本(例えば8本)の凸条部8Abが放射状に形成されている。
【0043】
これにより、地震の発生により下側ガイド部材4と上側ガイド部材5とが水平方向に相対変位され、摺動部材6にころがり運動が生じると、図3に示すように、摺動部材6は、中央突起部7Aa(8Aa)と上側ガイド部材5(下側ガイド部材4)との当接点を起点として起立動(傾斜動)し、直ちに、その下側面7Aが下側ガイド部材4に当接すると共に上側面8Aが上側ガイド部材5に当接する。この結果、摺動部材6は、下側ガイド部材4及び上側ガイド部材5に対してそれらを押し開くように傾斜しつつ摺動することになる(摺動抵抗確保)。またこのとき、摺動部材6における下側面7A及び上側面8A上に複数の凸条部7Ab(8Ab)がそれぞれ設けられていることから、その各凸条部7Ab(8Ab)の頂面及び側面は下側ガイド部材4(上側ガイド部材5)の摺動面に対して若干、傾斜して食い込む姿勢をとることになり、このことと、各凸条部7Ab(8Ab)の放射状配置とが相まって、下側ガイド部材4(上側ガイド部材5)と摺動部材6との間でブレーキ作用が効果的に生じる。この場合、下側ガイド部材4と上側ガイド部材5との相対変位(揺れ)により、下側ガイド部材4と上側ガイド部材5との位置関係がずれるが、その場合であっても、それら下側ガイド部材4と上側ガイド部材5とには、摺動部材6により元の状態に復帰させる動きが生じる。
【0044】
前記免震ユニット1においては、前記上下の各ガイド部材4,5が、その製作を容易にすべく、図1図4に示すように、第1部材としての蓋体11と、その蓋体11を受止める第2部材としての箱体12とにより組立てられている。蓋体11は、一定厚みの平面視正方形状の金属板を用いることにより一方の板部としての板部11aを有することになっており、その蓋体11には、板部11aをプレス成形することにより、その中心部を中心としてその肉厚方向一方側外方に膨らむ膨らみ部4B(5B)が形成されている。この膨らみ部4B(5B)は、蓋体11の肉厚方向一方側面において、比較的広い範囲を占めるように形成されており、これにより、蓋体11の肉厚方向他方側面には、膨らみ部4B(5B)の相当領域において曲面状の引っ込み面が形成され、その引っ込み面が前記曲面状の凹面4a(5a)とされている。この場合、図4において、凹面4a(5a)内に同心状の円が示されているが、これは、本実施形態においては、凹面4a(5a)が、曲面であるものの、複数の異なる曲率半径をなす曲面をもって形成されていることを示している。
【0045】
箱体12は、前記蓋体11の板部11a(一方の板部)の大きさに対応した他方の板部としての平面視正方形状の底板部13と、この底板部13の各辺部からそれぞれ起立して周壁部を構成する側壁部14と、その各側壁部14先端から内方に向けてそれぞれ折曲されるフランジ部15と、を備えている。この箱体12は、金属板をプレス成形すること等により形成されており、箱体12の各要素13~15は、上方に開口する内部空間16を区画している。
【0046】
この箱体12の底板部13には、図2図5に示すように、支持部として複数の支持構成部17が箱体12の開口に向けて突設されている。この複数の各支持構成部17は、底板部13において、その辺部毎にその各辺部中間位置から一定距離内方に位置されており、複数の支持構成部17は、4つの支持構成部17をもって、底板部13の中央部を中心とした周方向に等間隔毎に配置されている。この各支持構成部17は、本実施形態においては、製作の容易化、部品点数の低減化を図る観点から底板部13に一体成形すべく、底板部13を箱体12の開口側に向けて膨出させることにより形成されており、その各支持構成部17には、底板部13の外方に向けて開口する内部空間が形成されている。
【0047】
前記蓋体11と前記箱体12とは、ガイド部材4(5)の組立に当たり、図2図5に示すように、箱体12の開口を蓋体12が覆うようにした状態で固定されている。具体的には、蓋体11の膨らみ部4B(5B)の先端部4Bt(5Bt)を箱体12の底板部13内面に当接させた状態としつつ、蓋体11の各辺部(周縁部)を箱体12の各フランジ部15上に載せ、その上で、その蓋体11の各辺部と各フランジ部15とが留め具20により留められている。このとき、複数の各支持構成部17の先端は、膨らみ部4B(5B)にその先端部4Bt(5Bt)と基端部4Bb(5Bb)との間において当接することになり、その複数の支持構成部17は、その内部に膨らみ部4B(5B)の先端部4Bt(5Bt)を進入させた状態でその膨らみ部4B(5B)の周囲を囲むことになる。この場合、各支持構成部17の先端が膨らみ部4B(5B)の先端部4Bt(5Bt)と基端部4Bb(5Bb)との中間部位に当接させることが好ましい。
【0048】
したがって、このようなガイド部材4(5)においては、蓋体11が板部11aを有する形態とされていることを利用して、プレス成形により簡単に曲面状の凹面4a(5a)を形成できる一方、凹面4a(5a)の形成に伴い形成される膨らみ部4B(5B)については、蓋体11の板部11aと箱体12の底板部13との間の内部空間16に収容することができ、組立時におけるガイド部材4(5)の形状を、既存の形態である安定な扁平形状に維持できる。このため、ガイド部材4(5)を製作するに当たり、既存の形態を維持しつつ、製作負担を軽減できる。
【0049】
また、上記ガイド部材4(5)が免震ユニット1に用いられた場合には、次のような作用効果を生じる。
【0050】
図2に示すように、摺動部材6による荷重が凹面4a(5a)中央部(膨らみ部先端部4Bt(5Bt))に作用するとき(地震が生ぜず上下のガイド部材4(5)が相対変位しないとき)には、膨らみ部先端部4Bt(5Bt)が箱体底板部13内面に当接して、その膨らみ部先端部4Bt(5Bt)に作用する摺動部材6に基づく力に対して蓋体11及び箱体底板部13の両肉厚強度、箱体底板部13を支持する基礎部材(床等)2が十分に抗することになる。
【0051】
また、地震が生じて下側ガイド部材4と上側ガイド部材5とがいずれかの方向に相対変位したときには、図5に示すように(図5においては、下側ガイド部材4での作用を示し、上側ガイド部材5での作用は図示を略す)、摺動部材6が上下のガイド部材4(5)の凹面4a(5a)を傾斜(起立動)しつつ摺動することになり、凹面4a(5a)にその最深中央部と開口周縁部との間において摺動部材6の局部荷重F1が作用することになる。この凹面4a(5a)を形成する蓋体11は、その凹面4a(5a)の最深中央部から開口周縁部(周縁)に向かうに従って(膨らみ部先端部4Bt(5Bt)から基端部4Bb(5Bb)に向かうに従って)底板部13から離間して、その蓋体11と底板部13との間に内部空間16が形成されることになり、その蓋体11部分における強度は、底板部13に支えられる膨らみ部先端部4Bt(5Bt)における強度に比べて低くなる。このため、板材の肉厚を所定厚み以上にして強度を確保する必要があるが、本実施形態においては、膨らみ部4B(5B)にその先端部4Bt(5Bt)と基端部4Bb(5Bb)との間において複数の支持構成部17が当接して、その膨らみ部4B(5B)を支えている。
【0052】
これにより、その膨らみ部4B(5B)に相当する凹面4a(5a)に摺動部材6の局部荷重F1が作用しても、その局部荷重F1に基づく変形に対して抗する能力が高められることになり、局部荷重F1に対して、蓋体11の肉厚に基づく強度だけで抗する必要がなくなる。この結果、局部荷重F1に基づく凹面4a(5a)変形に対して抗する能力が高められ分だけ蓋体11の肉厚を薄くできることになり、そのような肉厚の蓋体11をガイド部材4(5)に用いることができることになる。
【0053】
また、地震によって当該一対のガイド部材4,5が水平方向に相対変位するとき、図5に示すように、摺動部材6が傾斜しつつ蓋体11における摺動面としての凹面4a(5a)を摺動することになり、その摺動抵抗(動摩擦力)F2に基づき、蓋体11と箱体12とには、横方向に相対移動しようとする力F2’が働く。この力F2’は、留め具20だけでなく、膨らみ部先端部4Bt(5Bt)の周囲を囲む各支持構成部17によっても受止められることになり、留め具20の負担(必要せん断応力)は低減される。しかもこのとき、支持構成部17を膨出させてその内部に内部空間が形成されていることから、各支持構成部17の断面係数を中実の場合(特に断面積を一定とする場合)に比して高めること(各支持構成部17の曲げ剛性を高めること)ができる。このため、このことも、箱体12に対する蓋体11の相対移動防止に効果的に働くことになり、留め具20の強度負担が低減される。これにより、留め具20の軸径の小径化、或いは留め具20の必要本数の低減化を図ることができることになる。勿論この場合、留め具20の必要本数を減らすことができるときには、それに伴い、その取付け作業の負担を軽減することができる。本実施形態においては、上記事情に加え、地震によって上下のガイド部材4,5が免震ユニット1を中心としてどの方向に相対変位するかがわからないため、留め具20として、所定軸径のものが、4つの各フランジ部15において1本ずつ用いられている(図4参照)。
【0054】
図6は第2実施形態、図7図8は第3実施形態、図9図11は第4実施形態、図12図13は第5実施形態、図14図15は第6実施形態、図16は第7実施形態、図17図18は第8実施形態を示す。この各実施形態において、前記第1実施形態及びそれに続く実施形態と同一構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0055】
図6に示す第2実施形態においては、支持部として、前記第1実施形態に係る複数の支持構成部17に代えて、支持壁部21が設けられている。この支持壁部21は、前記膨らみ部4B(5B)の周囲を全周に亘って連続的に囲むように円筒状(筒状)に形成され、その支持壁部21の先端全周が、第1実施形態同様、膨らみ部4B(5B)にその先端部4Bt(5Bt)と基端部4Bb(5Bb)との間で当接されている(図3図5参照)。
【0056】
これにより、下側ガイド部材4と上側ガイド部材5の相対変位が免震ユニット1を中心としてどの方向で生じようとも、円筒状の支持壁部21によって、前記第1実施形態と同様の作用効果を的確に得ることができる。
【0057】
図7図8に示す第3実施形態は、前記第1実施形態の変形例を示す。この第3実施形態においては、支持部を2つ(複数)を設けるため、グループ毎に複数の支持構成部17を設けた2つのグループG1,G2を作り、その2つのグループG1,G2により構成したものを示す。第1のグループG1における複数の支持構成部17a(17)は、膨らみ部4B(5B)に対する囲み径がD1とされ、第2のグループG2における複数の支持構成部17b(17)は、膨らみ部4B(5B)に対する囲み径がD1よりも大きいD2とされており、両グループG1,G2における複数の支持構成部17a,17bが形成する囲み径Dは、異なったものとなっている。これに伴い、第1、第2のグループG1,G2におけるいずれの支持構成部17a,17bの先端をも膨らみ部4B(5B)に当接すべく、第2のグループG2における複数の各支持構成部17bの突出高さは、第1のグループG1における複数の各支持構成部17aの突出高さよりも高くなっている。この各グループG1(G2)には、本実施形態においては、4つの支持構成部17a(17b)がそれぞれ設けられ、その各支持構成部17a(17b)は、膨らみ部先端部4Bt(5Bt)を中心とした周方向に等間隔(等角度)毎に配置されている。そして、第2のグループG2における複数の各支持構成部17bは、第1のグループG1における複数の各支持構成部17aに対して、膨らみ部先端部4Bt(5Bt)を中心とした周方向にずらされて、第1のグループG1の周方向に隣合う支持構成部17a間の中央に臨んでいる。
【0058】
これにより、第1、第2のグループG1,G2における複数の支持構成部17a,17bが広い範囲で膨らみ部4B(5B)を支えることになり、第1、第2のうちの一方のグループにおける複数の支持構成部だけの場合よりも、摺動部材6による凹面4a(5a)の変形に対する強度を高めて、その変形防止効果を向上させることができる。これに伴い、その高めた強度分だけを蓋体11の肉厚を薄くできることになる。また、第1、第2のグループG1,G2における複数の支持構成部17a,17bの方が、そのうちの一方のグループの複数の支持構成部だけの場合よりも、膨らみ部先端部4Bt(5Bt)を中心とした周方向に狭めた角度毎をもって多くを配置でき、箱体12に対して蓋体11を相対移動させようとする力(図5のF2’)がいずれの方向に生じても、その力F2’を的確且つ確実に受け止めることができる。これにより、留め具20の強度負担(必要せん断応力)を一層低減でき、これに伴い、留め具20の必要本数の低減、留め具20の軸径の小径化(せん断応力が低い留め具の使用)を図ることができる。
【0059】
図9図11に示す第4実施形態においては、支持部として、底板部13から突出する複数の支持壁部22が設けられている。この複数の支持壁部22は、膨らみ部4B(5B)の先端部4Bt(5Bt)を中心とした周方向に等間隔(等角度)毎に配置された状態の下で、膨らみ部先端部4Bt(5Bt)を中心として、その周囲に放射状に伸びている。そして、複数の支持壁部22は、膨らみ部先端部4Bt(5Bt)から離れるに従って突出高さが高くなるようにされ、各支持壁部22の先端は、膨らみ部4B(5B)にその先端部4Bt(5Bt)から基端部4Bb(5Bb)にかけて沿うように当接されている。しかも、この各支持壁部22は、本実施形態においては、底板部13を蓋体11に向けて膨出させることにより形成され、その各内部には、底板部13外方に開口する内部空間が形成されている。
【0060】
また、この第4実施形態においては、凹面4a(5a)が、その開口周縁4af(5af)から径方向内方に向かうに従って深さが深くなる曲面(部分球面)を形成するに当たり、その開口周縁4af(5af)から、一旦径方向外方に引っ込む引っ込み部24が形成されている。この引っ込み部24は、摺動部材6の下側部位7(上側部位8)の周縁部を受け入れる程度の凹所25を区画している。
【0061】
これにより、各支持壁部22が、上下に細長い断面形状をもって、膨らみ部4B(5B)外面にその先端部4Bt(5Bt)から基端部4Bb(5Bb)にかけて全体的に沿うように当接することから、高い断面係数を示す断面形状(曲げ剛性の高い形状)からなる各支持壁部22が、上下方向にも、横方向にも膨らみ部4B(5B)を効果的に支えることになる。このため、蓋体11における摺動面としての凹面4a(5a)の変形防止と留め具20の強度の負担低減を一層向上させることができる。また、その曲げ剛性が高められた複数の支持壁部22が、底板部13に対角線状に設けられることから、その底板部13の曲げ強度を高めることができ、これに伴い、ガイド部材4(5)の曲げ強度を向上させることができる。
【0062】
また、このガイド部材4(5)が免震ユニット1に用いられた場合において、地震によって当該一対のガイド部材4,5が水平方向に相対変位することに伴い、仮に、摺動部材6が傾斜した状態で凹面4a(5a)の開口周縁4af(5af)にまで摺動したとしても、図11に示すように、その摺動部材6における下側部位7の周縁部は下側ガイド部材4の凹所25に入って引っ込み部24に係合し、上側部位7の周縁部は上側ガイド部材の凹所25に入って引っ込み部24に係合する。これにより、摺動部材6は上下のガイド部材4、5間から脱落することが防止される。
【0063】
図12図13に示す第5実施形態は、前記第1実施形態の変形例を示す。この第5実施形態においては、第2部材としての箱体12の底板部13が一方の板部とされ、第1部材としての蓋体11の板部11aが他方の板部とされている。このため、底板部13には、その外面において凹面4a(5a)が形成され、その底板部13の内面側(蓋体11側)に膨らみ部4B(5B)が設けられている。他方、蓋体11の板部11aには、支持部としての複数の支持構成部17が形成され、その複数の支持構成部17は、その各先端を膨らみ部4B(5B)に当接させつつその膨らみ部4B(5B)を囲んでいる。また、本実施形態においては、基板となる蓋体11に対して箱体12を取付けるべく、箱体12における各フランジ部15は各側壁部14先端から外方に向けて張り出されている。この各フランジ部15は、蓋体11の各辺部に合わせた状態で載置され、その箱体12の各フランジ部15と蓋体11の各辺部とは留め具20により留められる。
【0064】
したがって、この第5実施形態に係るガイド部材4(5)においても、前記第1実施形態と同様の作用効果を生じる。また、蓋体11と箱体12とを一体化するとき、基板となる平坦な蓋体11を基面上に載置し、その蓋体11上に箱体12を載置した上で両者11,12を固定することができ、基面上に箱体12を載置しその箱体12上に蓋体11を載置した上で両者11,12を固定する場合に比べて、組付け作業性を高めることができる。前者の場合には、後者の場合とは異なり、凹所がない平坦な蓋体11上において箱体12をスライドさせることができ、位置合わせを容易にできるからである。
【0065】
図14図15に示す第6実施形態は前記第5実施形態の変形例を示す。この第6実施形態においては、蓋体11の板部11aと箱体12の底板部13との間に支持部として多孔構造体30が介装されている。この多孔構造体30は、複数の貫通孔31が隣合うようにして形成された構造とされており、本実施形態においては、その多孔構造体30として格子状構造体(以下、符号30を用いる。)が用いられている。この格子状構造体30は、スリット状の切欠きを所定間隔毎に入れた帯板材32(例えば帯板状の金属板)を複数用意し、その各帯板材32の切欠きを利用することにより各帯板材2が互いに交差した状態で組付けられる。この格子状構造体30は、板状に形成され、その厚み方向一方側面が蓋体板部11aに固着されている一方、その厚み方向一方側面から厚み方向他方側面までの厚みは、前記膨らみ部4B(5B)の形状に対応して、外周縁を最大厚みとし、そこから内方に向かうに従って薄くなっている。そして、その格子状構造体30の中央部分には、膨らみ部先端部4Bt(5Bt)と蓋体板部11aとが当接することを考慮して、平面視円状の空間33が形成されている。このため、蓋体板部11aと箱体12とが留め具20を用いて固定されたときには、格子状構造体30の厚み方向他方側面が、蓋体板部11aに当接する膨らみ部先端部4Bt(5Bt)部分を除き、箱体底板部13全体に亘って当接する(支える)。
【0066】
したがって、この第6実施形態においては、前記第5実施形態の作用効果に加えて、強度部材としての格子状構造体30を用いることにより、特に、凹面4a(5a)に作用する荷重に抗する能力を、その凹面4a(5a)全体に亘って格段に向上させることができる。
【0067】
図16に示す第7実施形態は前記第6実施形態の変形例を示す。この第7実施形態においては、蓋体板部11aに膨らみ部4B(5B)が形成され、その蓋体板部11aを支える格子状構造体30が箱体12内に嵌合されている。これにより、格子状構造体30は、箱体12の側壁部14により移動が規制されることになり(相対変位不能に保持)、格子状構造体30を箱体底板部13に固着する作業を不要にすることができる。この場合、箱体12のフランジ部15は、格子状構造体30を箱体12内に円滑に嵌合するため、外に向けて拡張することが好ましい。
【0068】
図17に示す第8実施形態に係る各ガイド部材4(5)においては、第2部材42を、複雑な形状を簡単に成形できる成形品として形成し、その第2部材42を用いることにより、膨らみ部4B(5B)が形成される第1部材41と第2部材42との積層構造を実現している。尚、図17においては、下側ガイド部材4と上側ガイド部材5とが上下対称構造となっていることから、下側ガイド部材4を代表部材として説明し、上側ガイド部材5の図示を省略する。
【0069】
第1部材41には、平面視正方形状の金属板が用いられ、その周縁部がフランジ部41fとされている一方、第1部材41の板部41aには、フランジ部41fの内方側おいて膨らみ部4Bがプレス成形により形成されている。これにより、この膨らみ部4Bの形成に伴って第1部材41の板部41aの外面には、前記実施形態同様、引っ込み面が形成されることなり、その引っ込み面は、摺動面として部分球面状の凹面4aとなる。他方、第2部材42は、型成形可能な成形材料を用いて成形品として形成されている。その成形品としての第2部材42には、第1部材41の対向面において、その第1部材41の膨らみ部4Bに対応した膨らみ部受入れ用凹面42aが形成され、その凹面42aよりも外側において、第1部材41のフランジ部41fを載置するための載置面42bが形成されている。この第1部材41と第2部材42とは積層構造とされており、このとき、第2部材42は、第1部材41の膨らみ部4Bを凹面42aに受け入れつつその第1部材41全体に当接されることになり、その状態は、留め具20と、第2部材42内に埋め込まれて留め具20が螺合されるインサートナット43とにより保持される。勿論、当該下側ガイド部材4が設置されるときには、第2部材42は床面(例えばコンクリート床面)に固定される。
【0070】
本実施形態においては、摺動部材6として、図17図18に示すように、円盤状本体部51と球体52とを組み合わせることにより構成したものが用いられている。円盤状本体部51においては、基本的に前記第1実施形態同様、下側部位7,上側部位8及びそれらを連結する連結部位9が備えられている。この円盤状本体部51には、それら三者7,8,9を貫通する貫通孔53が形成されており、下側部位7の下側面7Aと上側部位8の上側面8Aとの間の厚みは、周縁から径方向内方側の貫通孔53に至るまで厚くなっている。球体52は、円盤状本体部51の貫通孔53内に収納保持されており、その球体52の一部は、貫通孔53の両端開口からはみ出されている。このため、円盤状本体部51の径方向中央部においては、球体52の一部が、下側部位7の下側面7A及び上側部位8の上側面8Aから突出されることになり、摺動部材6は、円盤状であってその肉厚方向両側面間の厚みが周縁から径方向中央部に向かうに従って厚くなるものとなっている。
【0071】
上記第2部材42を成形する成形材料としては、コンクリート材料、モルタル材料、ゴム材料等のいずれかが用いられる。本実施形態においては、第1部材41の支持だけでなく、横揺れ及び縦揺れの吸収を考慮して、ゴム材料が用いられている。このゴム材料の選択に当たっては、荷重を支持する硬さ及び強度性、振動の吸収、成形の容易性等の観点が考慮される。勿論、型成形により成形されるゴム成形品に関しては、基本的に切削加工も容易であることから、成形により一定形状とされたゴムの素材を用いる場合には、そのゴム素材を切削加工して第2部材42を得てもよい。
【0072】
したがって、第8実施形態においては、第1部材41をプレス成形により得ると共に、第2部材42を型成形により得て、それらを用いて積層構造としていることから、摺動部材6が的確に摺動するガイド部材4(5)を簡単に作り上げることができる。また、第2部材42が、第1部材1の膨らみ部4Bを膨らみ部受入れ用凹面42aに受け入れて第1部材41全体に当接されていることから、第1部材41の板部41aの肉厚に基づく強度に加えて、第2部材42によっても、摺動面としての凹面4aに作用する荷重に抗する能力を高めることができる。このため、地震が生じて上下のガイド部材4(5)が相対変位し、摺動面としての凹面4aにその凹面4a中央部とその開口周縁部との間(膨らみ部先端部4Btと基端部4Bbとの間)において摺動部材6の傾斜に基づく局部荷重が作用しても、その局部荷重に対して十分に抗することができる。
【0073】
さらに本実施形態においては、第2部材42がゴム成形品からなることから、地震時に、横揺れについては、摺動部材6と第1部材41(ガイド部材4,5)との摺動抵抗によるだけでなく、第2部材42(ゴム成形品)の減衰機能によっても減衰させることができ、縦揺れについては、第2部材42(ゴム成形品)の減衰機能によって減衰させることができる。このため、横揺れ及び縦揺れに対する免震性を効果的に高めることができる。
【0074】
第2部材42の成形材料として、コンクリート材料又はモルタル材料を用いる場合も、上記ゴム材料を用いてゴム成形品を成形する場合と基本的に変わらないが、特に第2部材42をコンクリート成形品とした場合には、そのコンクリートの性質から、免震ユニットの耐荷重性を高めることができる。この場合、コンクリート材料としては、無収縮コンクリート材料を用いることが好ましい。
【0075】
以上形態について説明したが本発明においては、次の態様を包含する。
(1)第1実施形態において、各支持構成部17を、凹面4a(5a)開口の径方向において、膨らみ部4B(5B)の先端部4Bt(5Bt)と基端部4Bb(5Bb)との中間位置に配置すること。
(2)支持部としての複数の支持構成部が3つ以上あればよいこと。
(3)支持部(支持構成部17,支持壁部21,22)を、蓋体11の膨出により中空のものに形成せず、中実のものとすること。
(4)支持部(支持構成部17,支持壁部21,22)の突出構成を、ルーバー型(突出部の一方側が開口されている形状)、ビード出し型、切起し(L曲げ)型等、種々のタイプに成形加工すること。
(5)支持構成部17を、ボルト等のねじ具を底板部13にねじ込んでその軸部を底板部13の内面側に突出させることにより構成すること。
(6)摺動部材6として、下側部位7と上側部位8とが分割され、その下側部位7と上側部位8との間に支持部材(例えば球)及び弾性体を介在させたもの(特許第6817851号参照)を用い、地震時に下側部位7と上側部位8の傾斜角度が異なる場合でも適用できること。
(7)膨らみ部4B(5B)の突出形状として種々の形状のものを用いることができ、例えば、膨らみ部先端部4Bt(5Bt)だけを部分的に扁平状態とすること(凹面4a,5aも対応)。
(8)ガイド部材4,5の平面視外形形状を、正方形形状(長方形形状)に限らず、平面視円形の凹面4a,5aに対応させて、円形とすること。
(9)第6,7実施形態において、多孔構造体として、ハニカム構造体を用いること。
(10)第6実施形態において、留め具20の強度負担を考慮せず、凹面4a(5a)の荷重に抗する能力だけを問題にするときには、格子状構造体30を蓋体板部11aに固着せずその蓋体板部11aと箱板底板部13との間に単に介装すること。
【0076】
(11)各実施形態における下側ガイド部材4、上側ガイド部材5の少なくとも一方に、他の実施形態の内容を適宜適用すること。また、各請求項の内容に他の請求項の内容を適宜適用すること。
【0077】
(12)円盤状であってその肉厚方向両側面間の厚みが周縁から径方向中央部に向かうに従って厚くなる摺動部材として、実施形態に示したものに限らず、上記形態を有する限り、適宜のものを用いること。例えば、特開2006-283959号公報、特開2006-84014、特開2014-25578号公報、特開2018-141491号公報、意匠登録第1553973号公報等の各図に示されるものを用いることができる。
【0078】
(13)ガイド部材として、以下のものを用いることができる。
(13-1)前記請求項2の構成の下で、
前記第1部材の板部外面が、前記一方の板部外面として、該第1部材の板部をもって前
記膨らみ部を形成することにより、前記凹面を有するようにされ、
前記第1部材における膨らみ部の先端部が前記他方の板部内面としての前記第2部材の
板部内面に当接され、
前記第2部材の板部に、前記膨らみ部の周囲を囲みつつ該膨らみ部に当接する前記支持
部が設けられている、
ことを特徴とする免震ユニット用ガイド部材。
【0079】
この構成によれば、第1部材の板部を一方の板部として、その第1部材の板部に凹面及び膨らみ部を形成すると共に、第2部材の板部を他方の板部として、その第2部材の板部に支持部を形成することから、前記請求項2係るガイド部材の具体的態様を得ることができる。
【0080】
(13-2)前記請求項2の構成の下で、
前記第2部材の板部外面が、前記一方の板部外面として、該第2部材の板部をもって前記膨らみ部を形成することにより、前記凹面を有するようにされ、
前記第2部材における膨らみ部の先端部が前記他方の板部内面としての前記第1部材の板部内面に当接され、
前記第1部材の板部に、前記膨らみ部の周囲を囲みつつ該膨らみ部に当接する前記支持部が設けられている、
ことを特徴とする免震ユニット用ガイド部材。
【0081】
この構成によれば、第2部材の板部を一方の板部として、その第1部材の板部に凹面及
び膨らみ部を形成すると共に、第1部材の板部を他方の板部として、その第2部材の板部
に支持部を形成することから、前記請求項2係るガイド部材の具体的態様を得ることができる。
【0082】
(13-3)前記請求項5の構成の下で、
前記各グループにおける複数の各支持構成部は、前記膨らみ部の先端部を中心とした周方向にずれた状態で配置されている、
ことを特徴とする免震ユニット用ガイド部材。
【0083】
この構成によれば、各グループにおける複数の支持構成部を、膨らみ部の先端部を中心とした周方向及び径方向において、できるだけ偏りなく増加配置した状態の下で、それら支持構成部を膨らみ部に当接させることができ、前述の請求項3、5の作用効果を一層向上させることができる。
【0084】
(13-4)前記請求項1,2,4,6,前記(12-1)、(12-2)のいずれかの構成の下で、
前記支持部が、前記膨らみ部先端部と該膨らみ部基端部との中間位置において、該膨らみ部に当接されている、
ことを特徴とする免震ユニット用ガイド部材。
【0085】
この構成によれば、最も撓み変形し易い膨らみ部分に支持部が予め当接することになり、その最適な支持部の配置位置により、凹面の変形(膨らみ部の撓み等の変形)を効果的に防止できる。
【0086】
(13-5)前記請求項9の構成の下で、
前記第2部材の周壁部先端と前記第1部材の板部周縁部とが、留め具をもって固定され、
前記膨らみ部の先端部が前記他方の板部の内面に当接され、
前記多孔構造体は、前記他方の板部に対して前記膨らみ部の周囲を囲むようにした状態で相対変位不能に保持されていると共に、前記膨らみ部に当接されている、
ことを特徴とする免震ユニット用ガイド部材。
【0087】
この構成によれば、摺動部材による荷重が凹面中央部(膨らみ部先端部)に作用するとき(地震が生ぜず上下のガイド部材が相対変位しないとき)には、膨らみ部先端部が他方の板部(第1部材の板部及び第2部材の板部のうちの他方)に当接して、その膨らみ部先端部に作用する摺動部材に基づく力を一方の板部及び他方の板部の両肉厚強度、他方の板部を支持する基礎部材(床等)によって支えることができる。また、一方の板部における膨らみ部を、その膨らみ部先端部と基端部との間において多孔構造体が支えており、一方の板部を有する部材(第1部材又は第2部材の一方)の肉厚に基づく強度に加えて、多孔構造体によっても、凹面に作用する荷重に抗する能力を高めることができる。このため、地震が生じて上下のガイド部材が相対変位し、凹面(一方の板部)にその凹面中央部とその開口周縁部との間(膨らみ部先端部と基端部との間)において摺動部材の傾斜に基づく局部荷重が作用しても、その局部荷重に対して十分に抗することができる。この結果、凹面が変形しないことを限度として、一方の板部を有する部材(第1部材又は第2部材の一方)の肉厚をこれまで以上に薄くすることができる。
【0088】
また、地震によって当該一対のガイド部材(下側ガイド部材及び上側ガイド部材)が水平方向に相対変位するとき、摺動部材が傾斜しつつ一方の板部における凹面(摺動面)を摺動することに基づき、第1部材と第2部材とには、横方向に相対移動しようとする力が働くが、そのときの力(相対移動力)は、留め具だけでなく、多孔構造体によっても受止められることになり、留め具の強度負担(必要せん断応力)を低減できる。これにより、留め具としてその軸径を短くしたもの(せん断応力を低めたもの)を用いること、留め具の必要本数を減らすこと等が可能となる。さらには、留め具の必要本数を減らすことができるときには、それに伴い、その取付け作業の負担を軽減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、免震ユニット用ガイド部材4(5)において、既存の形態を維持しつつ、極
力、製作負担を軽減することに利用できる。
【符号の説明】
【0090】
1 免震ユニット
4 下側ガイド部材
4a 凹面
4B 膨らみ部
4Bt 膨らみ部先端部
4Bb 膨らみ部基端部
5 上側ガイド部材
5a 凹面
5B 膨らみ部
5Bt 膨らみ部先端部
5Bb 膨らみ部基端部
6 摺動部材
11 蓋体(第1部材)
11a 蓋体11の板部(第1~第4実施形態では一方の板部、第5実施形態では他方
の板部)
12 箱体(第2部材)
13 底板部(第1~第4実施形態では他方の板部、第5実施形態では一方の板部)
14 側壁部(周壁部)
16 内部空間
17 支持構成部(支持部)
20 留め具
21 支持壁部(支持部)
22 支持壁部(支持部)
30 格子状構造体(多孔構造体)
31 貫通孔
41 第1部材
41a 板部
42 第2部材
42a 膨らみ部受け入れ用凹面
【要約】
【課題】既存の形態を維持しつつ、極力製作負担を軽減できる免震ユニット用ガイド部材を提供する。
【解決手段】当該免震ユニット用ガイド部材4(5)は、板部11aを有する蓋体11と、底板部13と底板部13の各辺部から起立する側壁部14とを有する箱体12とが備えられ、箱体12の各側壁部14先端が蓋体11の板部11aの各辺部に固定されて、蓋体11の板部11aと箱体12の底板部13との間に内部空間16が形成され、蓋体11の板部11aに、その板部11aを底板部13に向けて膨出させることにより膨らみ部4B(5B)が形成され、膨らみ部4B(5B)の形成に伴って蓋体板部11a外面に形成される引っ込み面が、摺動面としての曲面状の凹面4a(5a)とされる。
【選択図】 図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18