(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】サーバ装置、プログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20220722BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20220722BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/00 X
G06Q50/30
(21)【出願番号】P 2018136978
(22)【出願日】2018-07-20
【審査請求日】2021-06-11
(73)【特許権者】
【識別番号】598121606
【氏名又は名称】三菱地所パークス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】荻田 健之
(72)【発明者】
【氏名】磯部 俊哉
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-268098(JP,A)
【文献】特開2011-150391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-10/10、30/00-30/08、
50/00-50/20、50/26-99/00、
G08G 1/00-99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場の所定の区画毎に設置された
第1のコード読取装置から、少なくともチケットIDと復路日程を含むコードと、前記
第1のコード読取装置の装置IDを受信する第1通信部と、
前記第1通信部が受信した前記コードと前記装置IDをデータベースに登録するDB管理部と、
ターミナルの車寄せに設置され
た第2のコード読取装置から、前記コードと前記
第2のコード読取装置の装置IDを受信する第2通信部と、
前記データベースを検索して、前記第2通信部が受信した前記コードに対応する前記
第1のコード読取装置、および前記第2のコード読取装置の装置IDを出力するDBサーチ部と、
前記データベースに登録された前記復路日程およびこれに対応する前記
第1のコード読取装置の装置IDに基づいて、ターミナル-駐車場間を往復する自動運転車である送迎車両の長期配車計画を生成し、前記第2通信部が受信した前記コードに対応する前記
第1のコード読取装置、および前記第2のコード読取装置の装置IDに基づいて、前記送迎車両の短期配車計画を生成する配車計画部と、
前記長期配車計画と、前記短期配車計画を前記送迎車両に送信する第3通信部を含む
サーバ装置。
【請求項2】
駐車場の所定の区画毎に設置されたコード読取装置から、少なくともチケットIDと復路日程を含むコードと、前記コード読取装置の装置IDを受信する第1通信部と、
前記第1通信部が受信した前記コードと前記装置IDをデータベースに登録するDB管理部と
、
前記データベースに登録された前記復路日程およびこれに対応する前記装置IDに基づいて、ターミナル-駐車場間を往復する自動運転車である送迎車両の長期配車計画を生成する配車計画部と、
前記長期配車計画を前記送迎車両に送信する第3通信部を含む
サーバ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のサーバ装置であって、
前記配車計画部は、
前記第1通信部が受信した前記装置IDに基づいて前記送迎車両のオンデマンド配車計画を生成し、
前記第3通信部は、
前記オンデマンド配車計画を前記送迎車両に送信する
サーバ装置。
【請求項4】
ユーザの携帯端末から、少なくともチケットIDと復路日程を含むコードと、駐車位置情報を受信する第1通信部と、
前記第1通信部が受信した前記コードと前記駐車位置情報をデータベースに登録するDB管理部と、
前記携帯端末から前記コードを受信する第2通信部と、
前記データベースを検索して、前記第2通信部が受信した前記コードに対応する前記駐車位置情報を出力するDBサーチ部と、
前記データベースに登録された前記復路日程およびこれに対応する前記駐車位置情報に基づいて、ターミナル-駐車場間を往復する自動運転車である送迎車両の長期配車計画を生成し、前記第2通信部が受信した前記コードに対応する前記駐車位置情報に基づいて、前記送迎車両の短期配車計画を生成する配車計画部と、
前記長期配車計画と、前記短期配車計画を前記送迎車両に送信する第3通信部を含む
サーバ装置。
【請求項5】
ユーザの携帯端末から、少なくともチケットIDと復路日程を含むコードと、駐車位置情報を受信する第1通信部と、
前記第1通信部が受信した前記コードと前記駐車位置情報をデータベースに登録するDB管理部と
、
前記データベースに登録された前記復路日程およびこれに対応する前記駐車位置情報に基づいて、ターミナル-駐車場間を往復する自動運転車である送迎車両の長期配車計画を生成する配車計画部と、
前記長期配車計画を前記送迎車両に送信する第3通信部を含む
サーバ装置。
【請求項6】
ターミナル-駐車場間を往復する自動運転車である送迎車両内に設置されたコード読取装置から、少なくともチケットIDと復路日程を含むコードと、ユーザをピックアップした場所の情報であるピックアップ座標を受信する第1通信部と、
前記第1通信部が受信した前記コードと前記ピックアップ座標をデータベースに登録するDB管理部と、
ターミナルの車寄せに待機する前記送迎車両内に設置されたコード読取装置から、前記コードを受信する第2通信部と、
前記データベースを検索して、前記第2通信部が受信した前記コードに対応する前記ピックアップ座標を出力するDBサーチ部と、
前記データベースに登録された前記復路日程およびこれに対応する前記ピックアップ座標に基づいて、前記送迎車両の長期配車計画を生成し、前記第2通信部が受信した前記コードに対応する前記ピックアップ座標に基づいて、前記送迎車両の短期配車計画を生成する配車計画部と、
前記長期配車計画と、前記短期配車計画を前記送迎車両に送信する第3通信部を含む
サーバ装置。
【請求項7】
請求項6に記載のサーバ装置であって、
駐車場の各車室に設置された車室センサからセンサIDを受信する第4通信部を含み、
前記配車計画部は、
前記センサIDに基づいて前記送迎車両のオンデマンド配車計画を生成し、
前記第3通信部は、
前記オンデマンド配車計画を前記送迎車両に送信する
サーバ装置。
【請求項8】
請求項6に記載のサーバ装置であって、
駐車場の所定のエリアに設置されたセンサからセンサIDを受信する第4通信部を含み、
前記配車計画部は、
前記センサIDに基づいて前記送迎車両のオンデマンド配車計画を生成し、
前記第3通信部は、
前記オンデマンド配車計画を前記送迎車両に送信する
サーバ装置。
【請求項9】
コンピュータを請求項1から8の何れかに記載のサーバ装置として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ターミナル-駐車場間を往復する送迎車両(自動運転車)を制御するサーバ装置、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1は、空港における自動運転バスの導入に向けた取り組みを開示している。
【0003】
同文献には、空港における自動運転バスの導入によって、利用者の安全性・利便性を担保したうえで、決められたルートを走行する定型業務における省力・省人化の実現を目指すことなどが開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】全日本空輸株式会社、SBドライブ株式会社、“空港における自動運転バスの導入に向けた取り組みを開始”、[online]、[平成 30年 7月 11日検索]、インターネット〈URL:https://www.ana.co.jp/group/pr/pdf/20180225.pdf〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術において、ターミナル-駐車場間を往復する送迎車両(自動運転車)を制御する具体的な方法は知られていなかった。特に、省力・省人化によってもサービスの質が低下しないような工夫が必要であるものの、どのような工夫がなされるべきかは明らかでなかった。
【0006】
そこで本発明では、ターミナル-駐車場間を往復する送迎車両(自動運転車)を制御することができるサーバ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のサーバ装置は、第1通信部と、DB管理部と、第2通信部と、DBサーチ部と、配車計画部と、第3通信部を含む。
【0008】
第1通信部は、駐車場の所定の区画毎に設置されたコード読取装置から、少なくともチケットIDと復路日程を含むコードと、コード読取装置の装置IDを受信する。DB管理部は、第1通信部が受信したコードと装置IDをデータベースに登録する。第2通信部は、ターミナルの車寄せに設置されたコード読取装置から、コードと装置IDを受信する。DBサーチ部は、データベースを検索して、第2通信部が受信したコードに対応する装置IDを出力する。配車計画部は、データベースに登録された復路日程およびこれに対応する装置IDに基づいて、ターミナル-駐車場間を往復する自動運転車である送迎車両の長期配車計画を生成し、第2通信部が受信したコードに対応する装置IDに基づいて、送迎車両の短期配車計画を生成する。第3通信部は、長期配車計画と、短期配車計画を送迎車両に送信する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のサーバ装置によれば、ターミナル-駐車場間を往復する送迎車両(自動運転車)を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1に登場するターミナル、駐車場、送迎車両(バス)を説明する図。
【
図2】実施例1に登場するターミナル、駐車場、送迎車両(カート)を説明する図。
【
図3】実施例1の送迎車両制御システムの構成を示すブロック図。
【
図4】実施例1の送迎車両制御システムのDB登録動作を示すシーケンス図。
【
図5】実施例1の送迎車両制御システムの長期配車動作を示すシーケンス図。
【
図6】実施例1の送迎車両制御システムの短期配車動作を示すシーケンス図。
【
図7】変形例1の送迎車両制御システムの情報呈示動作を示すシーケンス図。
【
図8】実施例2の送迎車両制御システムの構成を示すブロック図。
【
図9】実施例3の送迎車両制御システムの構成を示すブロック図。
【
図10】実施例3の送迎車両制御システムのオンデマンド動作を示すシーケンス図。
【
図11】実施例3の送迎車両制御システムのDB登録動作を示すシーケンス図。
【
図12】実施例3の送迎車両制御システムの短期配車動作を示すシーケンス図。
【
図13】実施例4の送迎車両制御システムの構成を示すブロック図。
【
図14】実施例5の送迎車両制御システムの構成を示すブロック図。
【
図15】実施例5の送迎車両制御システムのDB登録動作+オンデマンド動作を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【0012】
以下、各実施例に登場するターミナル、駐車場、送迎車両、コード読取装置、表示装置、サーバ装置について説明する。
【0013】
≪ターミナル≫
この明細書においてターミナルとは、空港、鉄道の駅、船着場など、公共交通機関における乗降のための施設全般を指す。以下の実施例では、ターミナルの具体例として空港が登場する。
【0014】
≪駐車場≫
この明細書において駐車場とは、ターミナルの利用に適した駐車場全般を指す。駐車場として、ターミナルが所有する駐車場、ターミナルが所有しない駐車場(例えば他の駐車場事業者が管理・運営する駐車場)などが考えられる。以下の実施例では、駐車場の具体例としてターミナルが所有する駐車場とターミナルが所有しない駐車場の双方が登場する。
【0015】
≪送迎車両≫
この明細書において送迎車両とは、バス、カート、路面電車、モノレールなど、ターミナル-駐車場間を往復することにより、ユーザを駐車場からターミナル、またはターミナルから駐車場に送迎する自動運転車を指す。以下の実施例では、送迎車両の具体例としてバスとカートが登場する。
【0016】
≪コード読取装置≫
この明細書においてコード読取装置とは、ユーザが所持する航空券、乗船券、乗車券、その他のチケット、クレジットカードなどから、情報を読み取る装置のことである。コード読取装置は、QRコード(登録商標)、バーコード、磁気コード、ICチップなど、情報が記録された媒体を読み取ることができる装置である。コード読取装置は、読み取ったコードとコード読取装置自身のID(装置ID)を対にして、後述するサーバ装置に送信する機能を有する。コード読取装置は、駐車場の所定の区画毎に設置されているものとする。例えばコード読取装置は各車室に一台ずつ設置されてもよい。またコード読取装置は駐車場の所定の区画ごとに一台ずつ設置されてもよい。あるいはコード読取装置は各駐車場に一台ずつ設置されてもよい。
【0017】
≪表示装置≫
この明細書において表示装置とは、後述するサーバ装置から受信した情報を表示し、ユーザに呈示する装置である。表示装置はユーザの自動車の駐車場所を知らせるための装置であるため、ターミナルの車寄せなどに設置すれば好適である。
【0018】
≪サーバ装置≫
この明細書においてサーバ装置とは、ユーザの車両の駐車場所をデータベース上で管理し、データベースの情報に基づいて送迎車両の配車計画を生成し、送迎車両に配車計画を送信することによって送迎車両を制御する装置である。
【実施例1】
【0019】
以下、
図1を参照して、実施例1に登場するターミナル、駐車場、送迎車両(バス)を説明する。
図1に示すように、図の左上に斜線ハッチングで示した建物がターミナルであるものとする。同図の右にターミナルが所有する駐車場を開示した。この駐車場は、区画A1、区画A2、区画A3、区画A4、…などに区分されているものとする。また同図の左下にターミナルが所有しない駐車場を開示した。この駐車場は、駐車場X1、駐車場X2、…などと呼称する。同図の例では、ターミナルが所有する駐車場の各区画(区画A1、区画A2、区画A3、区画A4、…)に対して、コード読取装置9-A1、9-A2、9-A3、9-A4、…が設置されているものとする。また、ターミナルが所有しない駐車場X1、X2、…に対してコード読取装置9-X1、9-X2、…が設置されているものとする。一方、ターミナルの車寄せにはコード読取装置9-TERM、表示装置8-TERMが設置されているものとする。同図の例においてバス7は送迎車両(自動運転車)である。バス7は、ターミナルの車寄せから出発し、ターミナルが所有する駐車場の各区画(区画A1、区画A2、区画A3、区画A4、…)やターミナルが所有しない各駐車場X1、X2、…を経由してターミナルの車寄せに戻る周回コースを走行し続けているものとする。例えばバス7は、各コード読取装置9-A1、9-A2、9-A3、9-A4、…、9-X1、9-X2、…を停留所とみなし、各停留所においてユーザを乗降させる。
【0020】
以下、
図2を参照して、実施例1に登場するターミナル、駐車場、送迎車両(カート)を説明する。
図1との違いは、送迎車両(自動運転車)をカート6としたことのみである。カート6は例えば4~6人乗り程度とし、ユーザとユーザの同行者のみをピックアップする想定でもよい。カート6は、
図1におけるバス7と同様に、各コード読取装置9-A1、9-A2、9-A3、9-A4、…、9-X1、9-X2、…を停留所とみなし、各停留所を周回してもよい。また停留所という概念を用いずに、ユーザが駐車した車室までオンデマンドにユーザを迎えに行く構成としてもよい(詳細は後述)。
【0021】
以下、
図3を参照して実施例1の送迎車両制御システムの構成を説明する。同図に示すように本実施例の送迎車両制御システム1000は、前述したコード読取装置9-A1、9-A2、9-A3、9-A4、…、9-X1、9-X2、…と、コード読取装置9-TERMと、表示装置8-TERM(場合により省略可能)と、バス7およびカート6(何れか一方のみとしてもよいし、併用してもよい)と、サーバ装置1aを含む。
【0022】
同図に示すように、サーバ装置1aは、通信部11と、DB(データベース)管理部12と、DB(データベース)13と、DB(データベース)サーチ部14と、配車計画部15を含み、通信部11は、第1通信部111と、第2通信部112と、第3通信部113を含む。
【0023】
<DB登録動作>
以下、
図4を参照して本実施例の送迎車両制御システム1000のDB登録動作を説明する。まず、ユーザがターミナルに向かう目的で、
図1(
図2)に示す何れかの車室に駐車したものとする。例えば、ユーザは、ターミナルが所有する駐車場の区画A3内の車室に駐車したものとする。次にユーザは、最も近いコード読取装置(この例の場合はコード読取装置9-A3)に、自分のチケット(または自分のクレジットカードなど)を読み込ませる。
【0024】
コード読取装置(この例の場合はコード読取装置9-A3)は、コードを読み取る(S9A)。コード読取装置(この例の場合はコード読取装置9-A3)は読み取ったコードとコード読取装置の装置IDをサーバ装置1aに送信する(S9B)。
【0025】
サーバ装置1aの第1通信部111は、コード読取装置(この例の場合はコード読取装置9-A3)から、少なくともチケットIDと復路日程を含むコードと装置IDを受信する(S111A)。DB管理部12は、第1通信部111が受信したコードと装置IDをDB13に登録する(S12)。DB13への登録例を以下に示す。
【0026】
【0027】
なお、帰りの日程が未定で帰りのチケットが存在しないなどの理由で、復路日程が存在しない場合、後述する長期配車動作が実行不能になるが、チケットIDを用いれば、後述する短期配車動作は実行可能である。以上がDB登録動作である。なお、装置IDと装置の座標は予め対応付けられているものとする。
【0028】
<長期配車動作>
以下、
図5を参照して本実施例の送迎車両制御システム1000の長期配車動作を説明する。サーバ装置1aの配車計画部15は、データベースに登録された復路日程およびこれに対応する装置IDに基づいて、ターミナル-駐車場間を往復する自動運転車である送迎車両(バス7、カート6)の長期配車計画を生成する(S15A)。例えば表1の例において、復路日程(到着時刻)である2018/07/12/14:15を経過してしばらくすると、該当のユーザは、装置ID:9-A3近傍に戻ろうとする。ユーザは自分の車に乗って次の目的地(例えば、ユーザの自宅)に移動しようとするからである。上述の表1のデータが大量に集まった場合、各日付の各時刻毎に、ターミナルが所有する駐車場の各区画、あるいはターミナルが所有しない各駐車場への需要がどの程度あるかを予測することができる。配車計画部15は、ステップS15Aにおいて、各区画、各駐車場への日付、時刻毎の需要に基づいて長期配車計画を作成する。例えばある日付のある時間帯においてある区画(駐車場)に対する需要が多かった場合、該当の区画(駐車場)に向かう送迎車両(バス7、カート6)を当該日付の当該時間帯において増発するような長期配車計画を作成することができる。一方、ある日付のある時間帯においてある区画(駐車場)に対する需要が少なかった場合、当該日付の当該時間帯において該当の区画(駐車場)に向かう送迎車両(バス7、カート6)を減らすように長期配車計画を作成することができる。あるいは、ある日付のある時間帯においてある区画(駐車場)にのみ需要があった場合には、当該日付の当該時間帯において他の区画の停留場に停車しないように長期配車計画を作成することもできる。
【0029】
車寄せに待機させる送迎車両(バス7、カート6)についても同様である。例えば、ある日付のある時間帯においてある車寄せに対する需要が多かった場合に、該当の車寄せ、または該当の車寄せ近傍に位置する車庫に待機させる送迎車両(バス7、カート6)を当該日付の当該時間帯において増やすような長期配車計画を作成することができる。
【0030】
サーバ装置1aの第3通信部113は、長期配車計画を送迎車両(バス7、カート6)に送信する(S113A)。送迎車両(バス7、カート6)は、長期配車計画を受信する(S6A、S7A)。送迎車両(バス7、カート6)は、長期配車計画に従った自動運転制御を実行する(S6B、S7B)。以上が長期配車動作である。
【0031】
<短期配車動作>
以下、
図6を参照して本実施例の送迎車両制御システム1000の短期配車動作を説明する。まず、ユーザは復路日程通りにターミナルに戻ってきて、ターミナルから自分の車に戻る目的で、
図1(
図2)に示すターミナルの車寄せに出てきたものとする。この場合ユーザは、車寄せに設置されたコード読取装置9-TERMに、自分のチケット(または自分のクレジットカードなど)を読み込ませる。コード読取装置9-TERMは、コードを読み取る(S9A)。コード読取装置9-TERMは読み取ったコードとコード読取装置9-TERMの装置IDをサーバ装置1aに送信する(S9B)。
【0032】
サーバ装置1aの第2通信部112は、コード読取装置9-TERMから、コードと装置IDを受信する(S112A)。ステップS112Aにおける受信データの例を以下に示す。
【0033】
【0034】
サーバ装置1aのDBサーチ部14は、DB13を検索して、第2通信部112が受信したコードに対応する装置IDを出力する(S14)。上述の表1、表2の例で考えた場合、DBサーチ部14は、表2に示すコードに対応する装置IDとして、表1の装置ID:9-A3、表2の装置ID:9-TERMを出力する。
【0035】
サーバ装置1aの配車計画部15は、第2通信部112が受信したコードに対応する装置IDに基づいて、送迎車両(バス7、カート6)の短期配車計画を生成する(S15B)。上述の表1、表2の例で考えた場合、配車計画部15は、第2通信部112が受信したコード(021546413846, 2018/07/12/14:15)に対応する装置ID(9-TERM, 9-A3)に基づいて、送迎車両(バス7、カート6)の短期配車計画を生成する(S15B)。上述の表1、表2の例で考えた場合、短期配車計画は、コード読取装置9-TERMの前に停車中、あるいはコード読取装置9-TERMの最も近くに停車中、あるいは走行中の送迎車両(バス7、カート6)に対して、コード読取装置9-TERMの前でユーザをピックアップし、当該ユーザをコード読取装置9-A3まで送迎する内容とすれば好適である。サーバ装置1aの第3通信部113は、短期配車計画を送迎車両(バス7、カート6)に送信する(S113B)。送迎車両(バス7、カート6)は、短期配車計画を受信する(S6A、S7A)。送迎車両(バス7、カート6)は、短期配車計画に従った自動運転制御を実行する(S6B、S7B)。なおピックアップするユーザを取り違えることが無いように、送迎車両(バス7、カート6)内にもコード読取装置を設置し、ユーザに自分のチケット(または自分のクレジットカードなど)を読み込ませてもよい。
【0036】
また公共交通機関に遅延や運休が生じるケースに備え、サーバ装置1aは、ターミナルが管理する装置から所定時間毎に運行スケジュールを受信し、運行スケジュールに変更(遅延、振替)が生じた場合には、変更に応じてDB13の復路日程の欄を更新してもよい。以上が短期配車動作である。
【0037】
<変形例1>
以下、
図7を参照して、実施例1における短期配車動作を行わず、情報呈示動作に代替した変形例1の送迎車両制御システムについて説明する。本変形例では、
図4、
図5の動作、および
図6におけるステップS9A、S9B、S112A、S14は上記実施例1と同様に実行される。
【0038】
ステップS14実行後、第2通信部112は、ターミナルの車寄せに設置されたコード読取装置9-TERMに、受信したコードに対応する装置IDを送信する(S112B)。上述の表1、表2の例で考えた場合、受信したコードに対応する装置IDは9-TERM, 9-A3である。
【0039】
コード読取装置9-TERMは、対応する装置ID(例えば9-TERM, 9-A3)を受信する(S9C)。コード読取装置9-TERMは、対応する装置ID(例えば9-TERM, 9-A3)を、表示装置8-TERMに送信する(S9D)。表示装置8-TERMは、対応する装置ID(例えば9-TERM, 9-A3)を受信する(S8A)。表示装置8-TERMは、対応する装置ID(例えば9-TERM, 9-A3)を表示する(S8B)。なお、ステップS112Bにおいて、データの送付先をコード読取装置9-TERMでなく、表示装置8-TERMにしてもよい。この場合、ステップS9C、S9Dは不要である。
【0040】
ユーザは表示装置8-TERMの表示を確認する。上述の表1、表2の例で考えた場合、ユーザは、「9-TERM→9-A3」あるいは単に「9-A3」という表示を確認することになる。この場合ユーザは、コード読取装置9-A3に向かうバス7(あるいはカート6)に乗車し、コード読取装置9-A3においてバス7あるいはカート6から降車することで、自分の車の近くまで簡単に到達することができる。
【実施例2】
【0041】
以下、
図8を参照して実施例2の送迎車両制御システムの構成を説明する。同図に示すように本実施例の送迎車両制御システム2000は、駐車場内に設置され、位置情報を記録するコード4-1、4-2、…と、ユーザの所有物である携帯端末5と、バス7およびカート6(何れか一方のみとしてもよいし、併用してもよい)と、サーバ装置1bを含む。サーバ装置1bの内部構成は、実施例1のサーバ装置1aと同様である。本実施例では、実施例1に登場したコード読取装置9-A1、…9-X1、…、9-TERMの役割と、表示装置8-TERMの役割を携帯端末5が担うことを特徴とする。以下、携帯端末5とサーバ装置1bの動作を説明する。
【0042】
<DB登録動作>
携帯端末5は、少なくともチケットIDと復路日程を含むコードを事前に取得しているものとする。取得の方法は、ユーザによる手入力でも良いし、専用アプリケーションによる自動取得でも良い。また、携帯端末5は、駐車場内に設置されたコード(コード4-1、4-2、…のいずれか、ここではコード4-1とする)から位置情報を事前に読み取り、これを駐車位置情報として保持しているものとする。
【0043】
サーバ装置1bの第1通信部111は、ユーザの携帯端末5から、少なくともチケットIDと復路日程を含むコードと、駐車位置情報を受信する。DB管理部12は、第1通信部111が受信したコードと駐車位置情報をDB13に登録する。以上がDB登録動作である。
【0044】
<長期配車動作>
サーバ装置1bの配車計画部15は、DB13に登録された復路日程およびこれに対応する駐車位置情報に基づいて、ターミナル-駐車場間を往復する自動運転車である送迎車両(バス7、カート6)の長期配車計画を生成する。第3通信部113は、長期配車計画を送迎車両(バス7、カート6)に送信する。以上が長期配車動作であり、これらの動作は実施例1と同様である。
【0045】
<短期配車動作>
ユーザは復路日程通りにターミナルに戻ってきて、ターミナルから自分の車に戻る目的で、
図1(
図2)に示すターミナルの車寄せに出てきたものとする。この場合ユーザは、携帯端末5を操作し、少なくともチケットIDと復路日程を含むコードをサーバ装置1bに送信する。サーバ装置1bの第2通信部112は、携帯端末5からコードを受信する。サーバ装置1bのDBサーチ部14は、DB13を検索して、第2通信部112が受信したコードに対応する駐車位置情報を出力する。サーバ装置1bの配車計画部15は、第2通信部112が受信したコードに対応する駐車位置情報に基づいて、送迎車両(バス7、カート6)の短期配車計画を生成する。サーバ装置1bの第3通信部113は、短期配車計画を送迎車両(バス7、カート6)に送信する。以上が短期配車動作である。
【0046】
<変形例2>
以下、実施例2における短期配車動作を行わず、情報呈示動作に代替した変形例2の送迎車両制御システムについて説明する。この変形例において、サーバ装置1bの第2通信部112は、携帯端末5からコードを受信し、受信したコードに対応する駐車位置情報を携帯端末5に送信する。携帯端末5は駐車位置情報を受信し、これを表示する。
【0047】
ユーザは携帯端末5の表示を確認する。ユーザは、表示された駐車位置情報に向かうバス7(あるいはカート6)に乗車し、表示された駐車位置情報においてバス7あるいはカート6から降車することで、自分の車の近くまで簡単に到達することができる。
【実施例3】
【0048】
以下、
図9を参照して実施例3の送迎車両制御システムの構成を説明する。同図に示すように本実施例の送迎車両制御システム3000は、駐車場の各車室に設置される車室センサ3と、送迎車両(バス7、カート6)内に設置されたコード読取装置9-CARと、バス7およびカート6(何れか一方のみとしてもよいし、併用してもよい)と、サーバ装置1cを含む。サーバ装置1cは、通信部11と、DB(データベース)管理部12と、DB(データベース)13と、DB(データベース)サーチ部14と、配車計画部15を含み、通信部11は、第1通信部111と、第2通信部112と、第3通信部113、第4通信部114を含み、第4通信部114以外の各構成要件は実施例1と同じである。
【0049】
<オンデマンド動作>
以下、
図10を参照して本実施例の送迎車両制御システム3000のオンデマンド動作を説明する。ユーザは、車室センサ3が検知する車室に駐車を行ったものとする。この場合、車室センサ3は、満車を検知する(S3A)。満車を検知した車室センサ3は、サーバ装置1cにセンサIDを送信する(S3B)。サーバ装置1cの第4通信部114は、車室センサ3からセンサIDを受信する(S114)。サーバ装置1cの配車計画部15は、センサIDに基づいて送迎車両(バス7、カート6)のオンデマンド配車計画を生成する(S15C)。サーバ装置1cの第3通信部113は、オンデマンド配車計画を送迎車両(バス7、カート6)に送信する(S113C)。送迎車両(バス7、カート6)は、オンデマンド配車計画を受信する(S6A、S7A)。送迎車両(バス7、カート6)は、オンデマンド配車計画に従った自動運転制御を実行する(S6B、S7B)。以上がオンデマンド動作である。
【0050】
<DB登録動作>
以下、
図11を参照して本実施例の送迎車両制御システム3000のDB登録動作を説明する。ユーザは、送迎車両(バス7、カート6)内に設置されたコード読取装置9-CARに、自分のチケット(または自分のクレジットカードなど)を読み込ませる。
【0051】
コード読取装置9-CARは、少なくともチケットIDと復路日程を含むコードを読み取る(S9A)。コード読取装置9-CARは読み取ったコードとユーザをピックアップした場所の情報であるピックアップ座標をサーバ装置1cに送信する(S9B)。
【0052】
サーバ装置1cの第1通信部111は、コード読取装置9-CARから、コードと、ピックアップ座標を受信する(S111B)。サーバ装置1cのDB管理部12は、第1通信部111が受信したコードとピックアップ座標をDB13に登録する(S12)。以上がDB登録動作である。
【0053】
<長期配車動作>
サーバ装置1cの配車計画部15は、DB13に登録された復路日程およびこれに対応するピックアップ座標に基づいて、送迎車両(バス7、カート6)の長期配車計画を生成する。第3通信部113は、長期配車計画を送迎車両(バス7、カート6)に送信する。以上が長期配車動作であり、これらの動作は実施例1と同様である。
【0054】
<短期配車動作>
以下、
図12を参照して本実施例の送迎車両制御システム3000の短期配車動作を説明する。まず、ユーザは復路日程通りにターミナルに戻ってきて、ターミナルから自分の車に戻る目的で、
図1(
図2)に示すターミナルの車寄せに出て、ターミナルの車寄せに待機する送迎車両(バス7、カート6)に乗り込んだものとする。
【0055】
この場合ユーザは、送迎車両(バス7、カート6)内に設置されたコード読取装置9-CARに、自分のチケット(または自分のクレジットカードなど)を読み込ませる。コード読取装置9-CARは、コードを読み取る(S9A)。コード読取装置9-CARは読み取ったコードをサーバ装置1cに送信する(S9B)。
【0056】
サーバ装置1cの第2通信部112は、コード読取装置9-CARから、コードを受信する(S112B)。サーバ装置1cのDBサーチ部14は、DB13を検索して、第2通信部112が受信したコードに対応するピックアップ座標を出力する(S14)。サーバ装置1cの配車計画部15は、第2通信部112が受信したコードに対応するピックアップ座標に基づいて、送迎車両(バス7、カート6)の短期配車計画を生成する(S15D)。サーバ装置1cの第3通信部113は、短期配車計画を送迎車両(バス7、カート6)に送信する(S113D)。
【0057】
送迎車両(バス7、カート6)は、短期配車計画を受信する(S6A、S7A)。送迎車両(バス7、カート6)は、短期配車計画に従った自動運転制御を実行する(S6B、S7B)。以上が短期配車動作である。
【実施例4】
【0058】
実施例3では各車室に車室センサ3を設けたが、これに限らず、駐車場の所定のエリアにセンサを設置してもよい。例えば、センサを入場ゲートのみに設置してもよい。例えば、
図13に示すように、実施例3における車室センサ3を入場ゲートに設置される入場ゲートセンサ3Aに代替してもよい。実施例3と実施例4の動作はほとんど同じである。実施例3におけるオンデマンド配車計画は、ユーザが駐車した車室からターミナルまでの送迎を意味するものであったが、この実施例では、オンデマンド配車計画は、入場ゲートからターミナルまでの送迎を意味する。
【実施例5】
【0059】
以下、
図14を参照して実施例5の送迎車両制御システムの構成を説明する。同図に示すように本実施例の送迎車両制御システム5000は、コード読取装置2-A1、2-A2、…と、コード読取装置2-TERMと、バス7およびカート6(何れか一方のみとしてもよいし、併用してもよい)と、サーバ装置1eを含む。同図に示すように、サーバ装置1eの構成は、実施例1のサーバ装置1aと同様である。
【0060】
本実施例のコード読取装置2-A1、2-A2、…、2-TERMは、実施例1のコード読取装置9-A1、9-A2、9-A3、9-A4、…、9-X1、9-X2、…、9-TERMに実施例3(実施例4)のオンデマンド機能を付与した装置である。実施例5の送迎車両制御システム5000は、
図4に示した実施例1の<DB登録動作>と、
図10に示した実施例3の<オンデマンド動作>を組み合わせた動作を実行する。
【0061】
すなわち、ユーザはターミナルに向かう目的で、
図1(
図2)に示す何れかの車室に駐車し、最も近いコード読取装置(2-A1、2-A2、…のいずれか)に、自分のチケット(または自分のクレジットカードなど)を読み込ませる。
【0062】
コード読取装置(2-A1、2-A2、…のいずれか)は、コードを読み取る(S2A)。コード読取装置(2-A1、2-A2、…のいずれか)は読み取ったコードと装置IDをサーバ装置1eに送信する(S2B)。
【0063】
サーバ装置1eの第1通信部111は、コード読取装置(2-A1、2-A2、…のいずれか)から、少なくともチケットIDと復路日程を含むコードと装置IDを受信する(S111C)。
【0064】
サーバ装置1eの配車計画部15は、第1通信部111が受信した装置IDに基づいて送迎車両(バス7、カート6)のオンデマンド配車計画を生成する(S15C)。例えば、利用する航空会社によって搭乗場所が異なり、それに応じて送迎する車寄せが異なる場合には、オンデマンド配車計画において送迎する車寄せが指定される。サーバ装置1eの第3通信部113は、オンデマンド配車計画を送迎車両(バス7、カート6)に送信する(S113C)。送迎車両(バス7、カート6)は、オンデマンド配車計画を受信する(S6A、S7A)。送迎車両(バス7、カート6)は、オンデマンド配車計画に従った自動運転制御を実行する(S6B、S7B)。上述したように、送迎する車寄せが複数のうちの何れかである場合に、送迎車両(バス7、カート6)は、これから送迎する車寄せについてユーザに自動音声によるアナウンス、画面表示によるアナウンスなどを行ってもよい。
【0065】
サーバ装置1eのDB管理部12は、第1通信部111が受信したコードと装置IDをDB13に登録する(S12)。
【0066】
<補記>
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD-ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
【0067】
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
【0068】
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
【0069】
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
【0070】
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本発明の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0071】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD-RAM(Random Access Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD-R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP-ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0072】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0073】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0074】
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。