(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】作業車両
(51)【国際特許分類】
B62D 25/10 20060101AFI20220722BHJP
【FI】
B62D25/10 H
(21)【出願番号】P 2018151150
(22)【出願日】2018-08-10
【審査請求日】2021-02-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱マヒンドラ農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081673
【氏名又は名称】河野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100141483
【氏名又は名称】河野 生吾
(74)【代理人】
【識別番号】100166659
【氏名又は名称】楠 和也
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 利宣
(72)【発明者】
【氏名】森高 好行
(72)【発明者】
【氏名】中島 浩嗣
(72)【発明者】
【氏名】田村 智志
(72)【発明者】
【氏名】西本 遼
【審査官】長谷井 雅昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-095186(JP,A)
【文献】特開2014-101099(JP,A)
【文献】特開2010-280333(JP,A)
【文献】特開2017-171217(JP,A)
【文献】特開2013-006513(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0075370(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボンネットを備えた作業車両において、
前記ボンネットは、エンジンルームの前方をカバーするフロントカバーと、エンジンルームの上方及び両側方をそれぞれカバーするメインカバーとを有し、
前記フロントカバーは、前記ボンネットの前部側を覆うように湾曲形成されるとともに、ヘッドライトが着脱可能に取付けられるライト支持部及び開口部が一体成形された樹脂製のカバー本体と、該カバー本体の開口部を塞ぎ且つ強度を向上させるように設置された金属板とを含み、
前記金属板は、網目又は複数の通気孔を有
し、
前記金属板は、左右両側が前記開口部に沿って後方に曲げ形成されるとともに、周縁側が前記カバー本体側に取付固定されるように構成され、
前記金属板の周縁側には配線を固定する配線固定部を設け、
前記配線固定部は、前記金属板の後面側の曲げ部分に沿って配線するように取付けられた
作業車両。
【請求項2】
前記金属板は、平面視でV字状、U字状又はコの字状に曲げ形成された
請求項1に記載の作業車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂製のカバー体を含むボンネットを備えた作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
ボンネットを備えた作業車両において、前記ボンネットは、樹脂製のフロントグリルと、エンジンルームの上方及び両側方をそれぞれカバーするとともに前面側にフロントグリルが取付けられる開口部が形成された金属製のカバー体とにより形成された特許文献1に記載の作業車両が従来公知である。
【0003】
上記特許文献1の作業車両によれば、通気孔等が形成されるボンネット前面側のフロントグリルを樹脂製としたことにより、ボンネットをより低コストで構成できるとともに、ボンネットをより軽量化することができるものである。
【0004】
しかし、前記ボンネットは、通気孔も形成されるフロントグリル全体を樹脂製としたことによって強度が十分でない場合があるという課題があるとともに、該フロントグリルは、通気孔の他、ヘッドライトの配線支持部等も樹脂成形され、金属製の前記カバー体をフロントグリルが嵌合可能な形状に成形することによってボンネット全体の製造コストが高くなるという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ボンネットを備えた作業車両において、該ボンネットの前面側に配置支持されるヘッドライトをよりボンネット側に簡易且つスムーズに取付けることができるとともに、該ボンネットをより安価且つ強固に成形することのできる作業車両を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、第1に、ボンネットを備えた作業車両において、 前記ボンネットは、エンジンルームの前方をカバーするフロントカバーと、エンジンルームの上方及び両側方をそれぞれカバーするメインカバーとを有し、前記フロントカバーは、前記ボンネットの前部側を覆うように湾曲形成されるとともに、ヘッドライトが着脱可能に取付けられるライト支持部及び開口部が一体成形された樹脂製のカバー本体と、該カバー本体の開口部を塞ぎ且つ強度を向上させるように設置された金属板とを含み、前記金属板は、網目又は複数の通気孔を有し、前記金属板は、左右両側が前記開口部に沿って後方に曲げ形成されるとともに、周縁側が前記カバー本体側に取付固定されるように構成され、前記金属板の周縁側には配線を固定する配線固定部を設け、前記配線固定部は、前記金属板の後面側の曲げ部分に沿って配線するように取付けられたことを特徴としている。
【0008】
第2に、前記金属板は、平面視でV字状、U字状又はコの字状に曲げ形成されたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
前記フロントカバーは、ヘッドライトが着脱可能なライト支持部と前面側の開口部とが成形されるカバー本体と、該開口部に設置される通気孔が形成された金属板とによって構成したことにより、樹脂製の前記カバー本体と、該カバー本体が接続されるメインカバーの形状をよりシンプルに構成することができるため、ボンネット全体の製造コストを低く抑えつつ、強度も高く保つことができる。
【0010】
また、前記金属板は、平面視でV字状、U字状又はコの字状に曲げ形成されたものによれば、前記カバー本体に形成される前記開口部を大きく形成した場合であっても、カバー本体の強度を高く保つことができる。
【0011】
なお、前記金属板の周縁側には配線を固定する配線固定部を設けたものによれば、樹脂製のカバー本体側に配線固定部を形成する必要がなくなるため、カバー本体の成形が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の作業車両を適用した農業用トラクタの側面図である。
【
図2】ボンネットの閉状態を示した要部斜視図である。
【
図3】ボンネットの開状態を示した要部斜視図である。
【
図4】(A)及び(B)は、ボンネットの構成を示した前方斜視図及び後方斜視図である。
【
図6】(A)は、ボンネットの接続構成を示した図であり、(B)は、フロントカバーの構成を示した背面斜視図である。
【
図7】(A)乃至(C)は、フロントカバーを示した背面図、側面図、底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図示する例に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の作業車両を適用した農業用トラクタの側面図であり、
図2及び
図3は、ボンネットの開閉状態を示した要部斜視図である。本トラクタは、左右一対の前輪1,1及び後輪2,2によって支持される機体フレーム3と、該機体フレーム3の前側にエンジン10等が設置されるエンジンルーム覆うボンネット4と、該ボンネット4の後方に配置されてオペレータが操縦等を行う操縦部6とを備えることにより走行機体7を構成し、該走行機体7の後方に昇降リンク8を介してロータリ耕運装置等の作業機(図示しない)を昇降可能に連結している。
【0014】
前記操縦部6は、オペレータが着座する座席9と、座席9の前方に配置された操向操作具であるステアリングハンドル11と、座席9とステアリングハンドル11の間に設けられた床面であるフロアステップ12と、フロアステップ12の左右両側に配置されてオペレータが操縦部6へ乗込むのを補助する補助ステップ13とを備えている。
【0015】
上記座席9の後方側には、正面視逆U字状に屈曲形成された安全フレーム14が設置されており、この安全フレーム14は、操縦部6の後端部を左右に跨ぐように走行機体7の左右一方側から他方側に架設された状態で、走行機体7側に取付固定されている。
【0016】
前記ボンネット4は、エンジン10の前面、上方及び左右側方側を覆うように形成され、該ボンネット4の後端上面側に設けられた左右方向の支点軸15を支点に上下揺動自在な構成で、走行機体7のインテークカバー16側に支持されている。該ボンネット4の上下揺動によって、前記エンジン10が支持された機体フレーム3の前部側のエンジンルームが開閉される(
図2乃至
図4参照)。
【0017】
該エンジンルームには、機体フレーム3上に固設された前記エンジン10の他、該エンジン10の前方に、ラジエータ17や、エアクリーナ18や、バッテリ19等が配置されており、ボンネット4の前方側からエアが流入することによって、エンジン10等の冷却が行われるように構成されている。
【0018】
該構成によれば、ボンネット4の上方揺動によって、エンジンルームの前方、前方斜め上方及び左右側方側が一度に開放されるため、エンジンルーム内のエンジン10等のメンテナンスをスムーズに行うことができる。ボンネット4の具体的な構成については後述する。
【0019】
次に、
図2乃至7に基づいて、前記ボンネットについて具体的に説明する。
図4(A)及び(B)は、ボンネットの構成を示した前方斜視図及び後方斜視図であり、
図5は、フロントカバーの背面斜視図であり、
図6(A)は、ボンネットの接続構成を示した図であり、
図6(B)は、フロントカバーの構成を示した背面斜視図であり、
図7(A)乃至(C)は、フロントカバーを示した背面図、側面図、底面図である。
【0020】
前記ボンネット4は、図示する例より、前記エンジンルーム内のエンジン10の上方及び左右側方側を覆うように逆U字状に形成されたメインカバー21と、該メインカバー21の前方側に取付けられて前記エンジン10の前方側のスペースを覆うフロントカバー22とから構成されている。
【0021】
前記メインカバー21は、方形板状の鉄板を逆U字状に屈曲形成することによって成形されており、その前端側(及び後端側)が側面視で直線状に形成されている。また、該メインカバー21の前端側は、その下端側から前方に向かって突設されたU字状の支持フレーム23が設けられており、該支持フレーム23に、前記フロントカバー22の下端側が嵌合するようにして取付支持されている。
【0022】
これにより、該メインカバー21は、前記ボンネット4前部側の湾曲形状以外の部分を構成し、メインカバー21の前後端が直線状のシンプルな形状となるため、高い強度のメインカバーを低コスト且つ容易に成形することができる。
【0023】
また、前記メインカバー21は、その前端周縁側に沿って内側に立上げ形成されたリブ20と、該リブ20側に設けられて前記フロントカバー22側に挿通される取付ピン24と、後述するヘッドライト20に接続される配線25が支持される配線支持部26とが設けられている(
図4乃至
図6等参照)。ちなみに、該リブ20上には、メインカバー21に沿って延設された補強部材が設けられている。
【0024】
前記フロントカバー22は、前記メインカバー21の前端側に取付けられて、ラジエータ17等が配置されたエンジンルーム前部側を覆うように皿状に湾曲形成された樹脂製のカバー体(カバー本体)31と、該カバー体31の正面下部側を開口形成された開口部32と、該開口部32に取付けられたパンチングメタル(金属板)33とから構成されている。
【0025】
上記カバー体31は、エンジンルーム内における前記メインカバー21前側の前方、左右側方及び上面を覆うように湾曲形成されるとともに、前記開口部32と、開口部32の上方側に設けられるヘッドライト20が着脱可能なライト支持部34と、開口部32の周縁内側に配置されて前記パンチングメタル33を取付固定するための取付部36とが一体成形されている。これにより、前記ボンネット4のうち、湾曲形成されたボンネット4の前部側の比較的複雑な形状は、樹脂成型によって一体成型されるため、製造コストをより低く抑えることができる。該フロントカバー22の各構成について詳述する。
【0026】
上記開口部32は、フロントカバー22の前面下部側全体に亘って大きく形成されており、該開口部32の左右両端側は、該フロントカバー22の左右側方側まで延設されている。また、該開口部32は、正面視で左右対称に形成されるとともに、側面視で後方に向かって凹設されるように形成されている(
図7(A)乃至(D)参照)。
【0027】
また、該開口部32は、左右中央下端側と、該開口部32の左右中央上端側とには、側面視で前方下側に向かって嘴状に延設されるとともに、前方に向かって突設された下部把持部38と、上部把持部39が上下に並べて形成されている。これにより、作業者は、ボンネットの開閉操作時に上下の把持部38,39を掴むことができるように構成されている。
【0028】
該構成によれば、作業者は、ボンネット4の開閉状態に応じて、ボンネット4正面に配置された前記下部把持部38又は上部把持部39の何れか一方のうち持ち易い方(力の入り易い方)に持ち替えながら、前記ボンネット3の開閉操作を行うことができるため、前記ボンネット3の開閉操作をよりスムーズ且つ容易に行うことができる。
【0029】
また、ボンネット4の開閉操作時に下部把持部38及び上部把持部39を用いることにより、ボンネット4の下端側を持つ必要がなくなるため、ボンネット4の閉操作時に作業者が手を挟む恐れもない。
【0030】
上記パンチングメタル33は、前記カバー体31に形成された開口部32全体を覆うことができるように、該開口部32よりも一回り大きい1枚の金属製の板状部材を平面視でU字状に屈曲することにより形成されている。すなわち、該パンチングメタル33を、カバー体31側に大きく形成した前記開口部32の全体を覆うように取付固定したことにより、樹脂製のカバー体31(フロントカバー22)の強度を高く保つことができるとともに、デザイン性も良好に保つことができる。
【0031】
具体的に説明すると、該パンチングメタル33は、左右方向中央を浅めのV字状に屈曲形成するとともに、左右両側が開口部32の側面側に回り込むように後方に向けてR状に屈曲形成することにより、全体で開口部32を覆うU字状に形成している。このとき、該パンチメタル33の左右中央には、鉛直方向の折り目33aが形成されている。
【0032】
また、該パンチングメタル33は、全体に無数の通気孔(図示しない)が穿設されているため、パンチングメタル33が取付けられた開口部32全体(ボンネット4の前面側)からエンジンルーム内にエアを効率良く供給することができる。
【0033】
該構成によれば、上記パンチングメタル33は、特に、左右方向の中央をV字状に尖らせるように屈曲形成したことによって強度が向上するため、外力によって金属板が湾曲し難くなり、パンチングメタル33の中央部分等に補強部材を設ける必要もなくなる。これにより、パンチングメタル33の全体に形成した通気孔から前記開口部32を介してエンジンルーム内にエアを効率良く供給することができるため、エンジン10の冷却効率も大きく向上する。
【0034】
さらに、上記パンチングメタル33は、周縁側の左右端側には、位置決め用のインサート41がネジ固定され、周縁側の正面上下端側には、取付孔を介して前記カバー体31側にパンチングメタル33を取付固定するための固定ボルト43が設けられている(
図5(A)及び(B))。以下、カバー体31側に一体形成された前記取付部36について説明する。
【0035】
上記取付部36は、樹脂製の前記カバー体31の内周面側の前記開口部32の周縁側に沿ってそれぞれ一体成型されており、開口部32の左右端側近傍に設けられたスリット部36Aと、開口部32の上下端側近傍に設けられた固定部36Bとを有し、該固定部36Bは、カバー体31に一体成形された筒状部内にインサートナット(図示しない)を圧入・熱圧入することによって構成されている。
【0036】
なお、該固定部36Bは、前記インサートナットが樹脂製の筒状部の端部側よりも少し内側に設けるとともに、前記パンチングメタル33と固定部36(筒状部の端部)との間に大型のワッシャ42を設けることにより、該固定部36と前記パンチングメタル33(ワッシャ42)とを、隙間なく密着させることができるように構成されている(
図6(A)参照)。
【0037】
該構成によれば、前記パンチングメタル33を、前記カバー体31の背面(裏面)側から前記開口部32を塞ぐように取付けるにあたり、前記パンチングメタル33の左右端側に設けられて左右外側に突出するように設けられた前記インサート41を、前記カバー体31側のスリット部36Aに差込むことによって、パンチングメタル33を容易に取付位置に位置決めすることができる(
図5及び
図6等)。
【0038】
次に、取付位置に位置決めされたパンチングメタル33は、前記固定ボルト43をカバー体31側の固定部36B(インサートナット)に締付固定することによって、カバー体31側に締付固定することができる。これにより、該パンチングメタル33は、開口部32を塞いだ状態でガタつくことなく強固にカバー体31側に取付固定される。
【0039】
以上より、前記フロントカバー22は、樹脂成型によってボンネット4の前部側を覆うように湾曲形成されるとともに、前面側に前記開口部32を形成した前記カバー体31に、金属製の板である前記パンチングメタル33を取付固定したことによって、通気性が良好で且つ高強度な前記フロントカバー22を低コストで構成することができる。
【0040】
ちなみに、上記パンチングメタル33は、前記固定ボルト43の近傍に、後述するヘッドライト20に接続される配線25を支持するリング状の配線支持具(配線固定部)46が取付固定できるように構成されている(
図4(B)及び
図5)。これにより、前記配線25を、強度の高いパンチングメタル33側に支持することができるため、前記配線25を簡易な構成で且つ安定的に支持することができる。
【0041】
上記ライト支持部34は、前記開口部の上側に、カバー体31の背面側から筒状のヘッドライト20が嵌合され、ライト部分のみがフロントカバー22の表面に露出した状態でヘッドライト20を保持できる係止孔47と、該係止孔47の周縁に設けられてヘッドライト20を固定ねじ等で取付固定するためのライト固定部48とを備え、フロントカバー22の左右にそれぞれ複数(図示する例では2つ)のヘッドライト20が取付支持できるように構成されている。
【0042】
ちなみに、図示する例では、該ヘッドライト20は、フロントカバー22正面の左右に2個づつ対称配置されており(計4個)、各ヘッドライト20は、外周に沿って前記ライト固定部48にネジ固定される固定ネジが4カ所設けられている。また、各ヘッドライト20同士は、電源が供給される配線25によって一体的に連結されている(
図5等)。
【0043】
なお、フロントカバー22の前面側の開口部32上側の左右中央には、ロゴ(エンブレム)を着脱可能に支持するロゴ支持機構49が設けられている。
【0044】
前記ロゴ支持機構49は、ロゴ(図示しない)と、樹脂製のカバー体21の前記開口部32上側に一体成形された上部開口部51と、該上部開口部51を塞ぐように取付けられる板状のロゴ支持板52と、該ロゴ支持板52を上部開口部51に取付固定する支持板固定部55と、前記ロゴをロゴ支持板52の裏側から支持固定するロゴ固定部53とから構成されている(
図5及び
図6等参照)。
【0045】
上記上部開口部51は、カバー体21側に左右対称配置された前記係止孔47の間、すなわち、カバー体21の左右中央側に開口形成された孔であって、図示する例では台形状に形成されている。
【0046】
上記ロゴ支持板52は、上部開口部51より一回り大きく形成された金属製の板状部材であって、中央に前記ロゴを支持するためのロゴ支持孔52aが設けられ、四隅に該ロゴ支持板52をカバー体21側の前記支持板固定部55に取付固定するための固定ボルト52bが設けられている。また、該ロゴ支持板52には、前記パンチングメタル33と同様に、全体に多数の通気孔(図示しない)が穿設されている(
図6(A)及び
図6(B))。
【0047】
上記ロゴ固定部53は、前記ロゴ支持板52の表面側に設ける前記ロゴを、ロゴ支持板52の裏面側から支持する支持具である。また、該ロゴ固定部53には、左右に並べるようにして隣接配置されるヘッドライト20に接続される配線25を支持するリング状の配線支持具54も有している(
図6(B))。これにより、フロントカバー22の正面に取付けられるヘッドライト20とロゴを支持するロゴ固定部53とが各ヘッドライト20に接続される配線25によって連結されるため、ヘッドライト20及びロゴのカバー体21側への取付作業をよりスムーズに行うことができる。
【0048】
該構成によれば、前記フロントカバー22の正面に取付固定されるロゴ(エンブレム)を着脱可能に支持することができるため、ロゴのデザイン変更を容易に行うことができる。また、上部開口部51側のロゴ回りには、通気孔が形成されるため、ボンネット4正面からエンジンルーム内に流入するエア流量がより増えて、エンジンルーム内の冷却効率がより向上する。
【符号の説明】
【0049】
4 ボンネット
20 ヘッドライト
21 メインカバー
22 フロントカバー
31 カバー体(カバー本体)
32 開口部
34 ライト支持部
33 パンチングメタル(金属板)