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特許7109371磁気共鳴撮像システムにおいて光ファイバを操作する装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】磁気共鳴撮像システムにおいて光ファイバを操作する装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20220722BHJP
【FI】
A61B5/055 390
A61B5/055 355
A61B5/055 366
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018548325
(86)(22)【出願日】2017-03-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-05-16
(86)【国際出願番号】 EP2017056805
(87)【国際公開番号】W WO2017162729
(87)【国際公開日】2017-09-28
【審査請求日】2020-03-13
(31)【優先権主張番号】62/311,452
(32)【優先日】2016-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】デューンシング ジョージ ランダール
(72)【発明者】
【氏名】フリマン オリ タピオ
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-534104(JP,A)
【文献】特表2010-508079(JP,A)
【文献】特表2008-534204(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気共鳴撮像ボアの遠端に配置され、光ファイバをリリースし、前記光ファイバを後退させる巻き取りスプールと、
前記光ファイバの終端に接続されるドングルと、
を有し、
前記ドングルは、
前記ドングルが電気的にかつ機械的に接続される装置に直流(DC)電力を提供するバッテリであって、取り外され、他のバッテリと交換されるように構成される当該バッテリと、
前記バッテリにより生成された熱を散逸するヒートシンクであって、取り外され、他のヒートシンクと交換されるように構成される当該ヒートシンクと、
を有する、装置。
【請求項2】
前記ドングルが、前記ボア内に移動すると、前記巻き取りスプールが、前記光ファイバを後退させ、前記光ファイバに対する損傷を防ぐのに十分に大きい半径を持つ円形構成で前記光ファイバを格納する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ドングルが、前記ボアの近端の外側である場合、前記光ファイバが、最大長までリリースされる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ドングルが、前記ボアの近端から最大の距離に、前記ボア内に延在する場合、前記光ファイバが、最小長に後退される、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記ドングルが、患者上に配置された無線周波数(RF)コイルに接続する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ドングルが、前記RFコイルからデータを受信し、前記ドングルから前記光ファイバを通って前記データを送信する送受信器を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ドングルが、メモリ装置を有し、前記メモリ装置が、前記ドングルから取り外され、他のメモリ装置と交換されるように構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記巻き取りスプールに接続され、前記光ファイバを後退させるように一方向に、及び前記光ファイバをリリースするように他の方向に前記巻き取りスプールを回転させるアクチュエータを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記アクチュエータが、サーボモータを有する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記磁気共鳴撮像ボアの内外への台の移動と協調して前記巻き取りスプールからの前記光ファイバのリリース及び後退を調整するように制御コマンドを提供するコントローラ、
を有する、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記リリース及び後退の調整が、前記台に向けて下降することを防ぐのに十分であるが、前記光ファイバの破壊が生じるほど強く張りすぎない張力に維持する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
磁気共鳴撮像ボアの遠端に配置された巻き取りスプールであって、前記巻き取りスプールは、光ファイバをリリースし、光ファイバを引っ込めるよう構成される、巻き取りスプールと、
前記光ファイバの終端に接続されるドングルと、
を有し、前記ドングルは、患者の上に配されるRFコイルからデータを受信し及び前記ドングルからのデータを前記光ファイバを通して送信する送受信器を有
前記ドングルは、
前記ドングルが電気的及び機械的に接続される装置に直流(DC)電力を提供するバッテリであって、取り外され、他のバッテリと交換されるように構成される当該バッテリと、
前記バッテリにより生成された熱を散逸するヒートシンクであって、取り外され、他のヒートシンクと交換されるように構成される当該ヒートシンクと、
を有する、
装置。
【請求項13】
前記磁気共鳴撮像ボアの内外への台の移動と協調して、前記巻き取りスプールからの前記光ファイバのリリース及び後退を調整する制御コマンドを提供するコントローラを更に有する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記リリース及び後退の調整が、前記台に向けて下降することを防ぐのに十分な張力を維持するが、前記光ファイバの破壊が生じるほど強く張りすぎない張力に維持する、請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴撮像システムにおいて光ファイバを操作する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴撮像(MRI)システムは、しばしば、検査されるべき全身を撮像するためのMR撮像システムの患者検査空間上に配置されたボディコイルと、検査されるべき局所的ゾーン又は領域上に直接的に配置されたRF/MR又は局所コイルとを使用する。
【0003】
無線周波数(RF)コイルは、サンプリング及びデジタル化されるアナログ信号を取得する。一部の現代のコイルにおいて、デジタル化は、局所的に、例えばコイルハウジング内で、生じる。
【0004】
既知のシステムにおいて、電気(DC)パワー、及びしばしば信号は、前記システムに接続される電気ケーブルにより前記局所コイルに及びから提供される。前記ケーブルは、しばしば、前記局所コイルからのデータの送信のために同軸ケーブルのような信号伝送ラインを含む。これらのケーブルは、扱いにくく、MRI装置のボア内に挿入される場合にかなりの遮蔽を要求する。更に、RFケーブルは、過剰に熱くなり、火傷を引き起こす可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、必要とされるのは、少なくとも上記の欠点を克服する装置である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
代表的な実施例によると、装置は、磁気共鳴撮像ボアの遠端に配置された巻き取りスプールを有する。前記巻き取りスプールは、光ファイバをリリースする、及び前記光ファイバを後退させるように構成される。前記装置は、前記光ファイバの終端に接続されるように構成されるドングルをも有する。
【0007】
前記代表的な実施例は、添付の図面とともに読まれる場合に以下の詳細な記載から最良に理解される。様々なフィーチャが必ずしも正しい縮尺で描かれていないことが、強調される。実際に、寸法は、議論の明確性のために任意に増減されうる。適用可能かつ実際的であれば、同様の参照番号は、同様の要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】代表的な実施例によるMRIシステムの側面図である。
図2】代表的な実施例による装置の前面図である。
図3A】代表的な実施例によるMRIシステムの側面図である。
図3B図3Aに示されるMRIシステムの斜視図である。
図4】代表的な実施例による接続されたドングルを持つRFコイルの上面図である。
図5】代表的な実施例によるMRIシステムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な記載において、限定ではなく説明の目的で、特定の細部を開示する代表的な実施例が、本教示の徹底的な理解を提供するために記載される。しかしながら、個々に開示された細部から逸脱する本教示による他の実施例が、添付の請求項の範囲内にとどまることは、本開示の利益を得る当業者に明らかであろう。更に、周知の装置及び方法の記載は、代表的な実施例の記載を曖昧にしないように省略されうる。このような方法及び装置は、明らかに本教示の範囲内である。
【0010】
ここで使用される用語は、特定の実施例を記載する目的のみであり、限定することを意図されないと理解されるべきである。いかなる規定された用語も、規定された用語の技術的及び科学的な意味に加えて、本教示の技術分野において一般的に理解及び受容される。
【0011】
明細書及び添付の請求項において使用されるように、用語「a」、「an」及び「the」は、他の形で文脈が明確に指示しない限り、単数及び複数の両方の指示対象を含む。したがって、例えば、「装置」は、1つの装置及び複数の装置を含む。
【0012】
ここで使用されるように、2以上の部分又は部品が「接続」されるという提示は、前記部分が、直接的に又は間接的に、すなわち、リンクが生じる限り、1以上の中間部分又は部品を介して、のいずれかで接合される又は一緒に動作することを意味すべきである。
【0013】
方向の用語/語句及び相対的な用語/語句は、添付の図面に示されるように、様々な要素の互いに対する関係を記述するのに使用されうる。これらの用語/語句は、図面に描かれた向きに加えて装置及び/又は要素の異なる向きを包含することを意図される。
【0014】
「上」、「下」、「上部」、「底部」、「上側」及び「下側」のような相対的な用語は、添付の図面に示されるように、様々な要素の互いに対する関係を記述するのに使用されうる。これらの相対的な用語は、図面に描かれた向きに加えて装置及び/又は要素の異なる向きを包含することを意図される。例えば、装置が、図面における図に対して反転された場合、例えば、他の要素の「上」と記述される要素は、当該要素の「下」である。同様に、装置が、図面における図に対して90°だけ回転された場合、他の要素の「上」又は「下」と記述された要素は、他の要素に「隣接」しており、ここで「隣接」は、他の要素の隣にあるか、又は前記要素間に1以上の層、材料、構造等を持つかのいずれかを意味する。
【0015】
明細書及び添付の請求項において使用されるように、通常の意味に加えて、用語「実質的」又は「実質的に」は、許容可能な制限又は度合を持つことを意味する。例えば、「実質的に相殺される」は、当業者が、相殺を許容可能であると見なすことを意味する。
【0016】
図1は、代表的な実施例によるMRIシステム100の側面図である。MRIシステム100は、患者105を受けるように中を通って延在するボアを持つ磁気構造101を有する。ボア102は、近端103及び遠端104を持つ。当業者の視野内の様々な電気及び電子コンポーネントを含む、MR構造の他のコンポーネントは、本教示により考えられるが、しばしば、本教示を曖昧にすることを避けるために記載されない。
【0017】
ドングル106は、装置108に接続されているのが図示され、これは、磁気構造101の外側表面109に取り付けられる。以下に更に完全に記載されるように、前記ドングルが前記装置に接続される場合、使用済みバッテリ(図1Aに図示されない)又は使用済みヒートシンク(図1Aに図示されない)は、それぞれ新しいバッテリ及びヒートシンクと交換されることができる。
【0018】
光ファイバ110は、一端においてドングル106に接続され、ボア102を通って延在し、巻き取りスプール111の周りに配置される。以下に更に完全に記載されるように、巻き取りスプール111は、ドングル106が患者105とともに移動し、ボア102内に延ばされるので、ドングル106まで必要とされる長さまで延ばすように、光ファイバ110をリリースし、後退する。特に、巻き取りスプール111は、MRIシステム100のコンポーネントとの光ファイバ110の絡まりを避けるために光ファイバ110において実質的に一定の張力を維持する。最終的に、及び以下に更に完全に記載されるように、ドングル106が近端103の外側にある場合(例えば、ドングル106が以下に記載されるように前記患者上に配置される場合)、前記光ファイバは、最大長まで延ばされる。これに反して、前記患者が、遠端104に向かって最大の程度までボア102に入る場合、光ファイバ110は、巻き取りスプール111により後退され、最小長に延ばされる。
【0019】
MRIシステム100は、患者105が静止する台112をも有する。光ファイバガイド113は、台112に取り付けられ、台112の上の所望の高さに光ファイバ110を維持する。台112は、矢印により示されるように前記ボアの内外に移動するように構成される。以下に更に完全に記載されるように、代表的な実施例によると、台112は、光ファイバ110における所望の度合いの張力を維持するように巻き取りスプール111と協調して移動する。
【0020】
MRIシステム100は、プロセッサ116及びメモリ117を有するコントローラ115をも有する。以下に更に完全に記載されるように、コントローラ115は、一般に、光ファイバ110が、前記患者に向かって下降しすぎることを防ぐのに十分であるが、光ファイバ110の破壊が生じる可能性があるほど強く張りすぎない張力を維持するように、台112と協調して巻き取りスプール111からの光ファイバ110の移動(すなわち、リリース及び後退)を調整する1以上の制御コマンドを提供するように構成される。この調整は、特に前記巻き取りスプールからのリリース及び後退中に、適切な張力が前記光ファイバに加わることを保証する。
【0021】
図2は、代表的な実施例による装置108の前面図である。しばしば、図1に関連して記載された代表的な実施例に関連して上に記載された様々な要素の様々な態様及び細部は、図2に関連して記載される代表的な実施例のものと共通である。これらの共通の態様及び細部は、ここに記載される代表的な実施例の説明を曖昧にすることを防ぐために繰り返されなくてもよい。
【0022】
ドングル106は、装置108内に挿入される。ドングル106は、実例的にはバッテリ214であるDC電源を有する。以下に更に完全に記載されるように、バッテリ214は、取り外され、より完全に充電されたバッテリと交換されるように構成される。更に、以下に更に完全に記載されるように、ドングル106は、実例的には、スキャン中に受信されたデータを受信及び送信し、並びに必要であれば他の信号を送信及び受信するように構成された送受信器216を有する。ドングル106は、(図1Aに示されない)ヒートシンクを有してもよく、前記ヒートシンクは、前記バッテリと同様に取り外され、他のヒートシンクと交換されるように構成される。最終的に、ドングル106は、スキャン中に前記送受信器により受信されたデータを記憶するメモリ217を有してもよい。
【0023】
光ファイバ110は、オプションとして、ドングル106に接続される。光ファイバ110は、スキャン中に受信された局所コイル(図2に示されない)からデータを受信し、前記データに基づいて臨床医にMR画像を提供するコンピュータ(図示されない)に前記データを送信するように構成される。特に、光ファイバ110は、冗長性を提供するように他のデータ伝送方法(例えば、ドングル106内の送受信器)に加えて使用されることができる。
【0024】
装置108は、第1のカルーセル201、及びオプションとして第2のカルーセル202を有する。
【0025】
第1のカルーセル201は、複数のバッテリ203が配置される複数の充電サイト203'を有し、1つのバッテリ203が、充電サイト203'のそれぞれ1つの中に配置される。
【0026】
第2のカルーセル202は、複数のヒートシンクが配置される複数のヒートシンクサイト204'を有し、1つのヒートシンク204が、ヒートシンクサイト204'のそれぞれ1つの中に配置される。
【0027】
装置108は、バッテリチャージャ205をも有する。描かれるように、バッテリチャージャ205は、充電サイト203'の各々に選択的に接続され、以下に更に完全に記載されるように、バッテリ203を充電するように構成される。
【0028】
装置108は、オプションとして、モニタ206を有する。モニタ206は、バッテリチャージャ205から又はバッテリ203の各々から直接的に充電状態情報を受信するように構成される。ここで更に完全に記載されるように、充電状態情報は、バッテリがドングル106に提供されることができるように、最大の充電を持つ複数のバッテリ203の1つを選択するのに使用されることができる。
【0029】
図2において矢印により描かれるように、第1及び第2のカルーセル201、202は、一緒に又は独立して移動するように構成される。一般に、第1及び第2のカルーセル201、202は、実例的にはステッピングモータ又は比較的正確な運動及び停止を可能にする同様の装置であるアクチュエータ(図示されない)の作動により、それぞれバッテリ203及びヒートシンク204の1つの位置だけインクリメントするように構成される。第1のカルーセル201の移動は、バッテリ214をドングル106の外に移動し、空の充電サイト203'に移動する間に、ドングル106による受け取りに対する位置にバッテリ203をインクリメントする。このように、ドングル106からのバッテリ214の受け取りに対する1つの空の充電サイト203'が常に存在する。
【0030】
最も単純な動作において、ドングル106が、図1に描かれるように装置108内に挿入される場合、バッテリ214は、空の充電サイト203'に配置され、第1のカルーセル201は、充電されたバッテリ203がドングル106とアラインされるように前進し、充電されたバッテリ203は、ドングル106内に挿入される。ドングル106の取り外しは、したがって、空の充電サイト203'を残す。
【0031】
同様に、第2のカルーセル202の移動は、ヒートシンク215をドングル106の外に移動し、空のヒートシンクサイト204'内に移動する間に、ドングル106による受け取りに対する位置にヒートシンク204をインクリメントする。このように、ドングル106からのヒートシンク215の受け取りに対して1つの空のヒートシンクサイト204'が、常に存在する。
【0032】
ドングル106が、装置108内に挿入される場合、ヒートシンク215は、空のヒートシンクサイト204'内に配置され、第2のカルーセル202は、ヒートシンク204がドングル106とアラインされるように前進し、ヒートシンク204は、ドングル106内に挿入される。ドングル106の取り外しは、したがって、空のヒートシンクサイト204'を残す。
【0033】
図3A及び3Bは、代表的な実施例によるMRIシステム100のそれぞれ側面図及び斜視図である。再び、図1-2に関連して記載された代表的な実施例に関連して上に記載された様々な要素の様々な態様及び細部は、図3に関連して記載される代表的な実施例のものと共通である。これらの共通の態様及び細部は、ここに記載される代表的な実施例の記載を曖昧にすることを防ぐために繰り返されなくてもよい。
【0034】
図3A-3Bに描かれるように、ドングル106は、図4に関連して更に完全に記載される形で、装置108から取り外され、局所コイル301に接続される。
【0035】
光ファイバ110は、ドングル106に取り付けられ、光ファイバガイド113の位置に形成された開口又は隙間を通って、ボア102の近い開口を通って延在する。
【0036】
台112及び患者105が、矢印により描かれる移動方向に沿って移動されると、コントローラ115は、アクチュエータ(図示されない)にコマンドを送信し、巻き取りスプール111に光ファイバ110を後退させ、光ファイバ110の所望の張力を維持させる。特に、前記アクチュエータは、光ファイバ110をよりリリースする(すなわち、台112が近端103に向けて移動する)ように逆時計回りに、及び光ファイバ110をより後退させる(すなわち、台112が遠端104に向けて移動する)ように時計回りに巻き取りスプール111を回転させるように選択される、サーボモータのような既知の電気モータであることができる。
【0037】
歪ゲージ(図示されない)は、光ファイバ110上の歪のリアルタイムフィードバックをコントローラ115に提供するのに使用されることができる。コントローラ115は、次いで、所定の位置における光ファイバ110上の張力を所望のレベルに維持するように巻き取りスプール111に加えられるべき所要の力を計算することができる。更に、コントローラ115は、常に光ファイバ110上の張力を維持するように光ファイバ110のリリースの速度及び後退の速度に対して台112の移動を調整してもよい。このために、及び例として、電気モータ(図示されない)は、所望の速度で、及び所望の位置までボア102の内外に台112を移動するのに使用されることができる。プロセッサ116により行われた計算に基づいて、コントローラ115は、光ファイバ110上の張力を所望のレベルに維持する方向及び速度でそれぞれ移動及び回転するように台112に関連付けられた前記電気モータに、及び巻き取りスプール111に関連付けられた前記アクチュエータにコマンドを送信するように構成される。
【0038】
上に記載されたように、プロセッサ116は、前記歪ゲージ及び台112に関連付けられた運動検出器からの入力に基づいてデータを取得及び処理するように構成される。メモリ117は、プロセッサ116により実行されるように構成された機械可読命令(プログラム)を記憶する。当業者により理解されるように、メモリ117は、台112の移動と協調して、巻き取りスプール111における光ファイバ110のリリース及び後退を制御するような、様々な方法を実行するようにプロセッサ116により実行されるように構成されたこれらの機械可読命令を記憶した非一時的コンピュータ可読媒体である。
【0039】
プロセッサ116は、ここで論じられる様々な機能を実行するようにソフトウェア(例えば、マイクロコード)を使用してプログラムされてもよい1以上のマイクロプロセッサを有してもよい。特に、プロセッサ116は、1より多いプロセッサ又は処理コアを有してもよい。プロセッサ116は、例えば、マルチコアプロセッサであってもよい。プロセッサ116は、単一のコンピュータシステム(図示されない)内の又はMRIシステム100に関連付けられた複数のコンピュータシステム(図示されない)に分散された一群のプロセッサを有してもよい。この記載が続行すると理解されるように、多くのプログラムが、同じ計算装置内であってもよい又は複数の計算装置にわたって分散されてもよいプロセッサ116により実行される機械可読命令を持つ。
【0040】
本開示の様々な実施例においてプロセッサ116として採用されうるコンポーネントの例は、従来のマイクロプロセッサ、マイクロ制御ユニット、特定用途向け集積回路(ASIC)及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含むが、これらに限定されない。
【0041】
メモリ117は、プロセッサ116に対して有用なソフトウェアを記憶するように構成され、スキャン中に患者105の移動中に集められた様々なタイプのデータを記憶するように構成されてもよい。
【0042】
更に、メモリ117は、巻き取りスプール111及びオプションとして台112を制御するようにプロセッサ116により実行されるように構成された機械可読命令を記憶する。これらの命令(プログラム)は、メモリ117において符号化され、プロセッサ116により実行される場合に、ここで論じられた機能の少なくとも一部を実行する。(用語「プログラム」又は「コンピュータプログラム」は、ここでは、プロセッサ116をプログラムするのに採用されることができる任意のタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指す一般的な意味で使用される。)例えば、上及び下に記載されるように、メモリ117に記憶された機械可読命令は、光ファイバ110が弛まない又は他の形でスキャン中に患者105の運動と干渉しないことを保証するように十分な張力で維持されることを保証するようにスキャン中に巻き取りスプール111及び台112を制御するようにプロセッサ116により実行されるように構成される。
【0043】
メモリ117は、限定的ではないが、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ハードディスクドライブ、半導体ハードディスク、フラッシュメモリ、USBサムドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、プログラム可能読取専用メモリ(PROM)、電子プログラム可能読取専用メモリ(EEPROM)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、光学ディスク、磁気テープ、スマートカード、デジタル多用途ディスク(DVD)、CD-ROM、半導体ハードドライブ、光ディスク、光磁気ディスク、及び前記プロセッサのレジスタファイルを含む、不揮発性コンピュータメモリ、又は揮発性コンピュータメモリ、又は両方を有してもよい。光ディスクの例は、コンパクトディスク(CD)及びデジタル多用途ディスク(DVD)、例えばCD-ROM、CD-RW、CD-R、DVD-ROM、DVD-RW又はDVD-Rディスクを含む。様々な記憶媒体が、プロセッサ116内に固定されてもよく、又はここで論じられた本教示の様々な態様を実施するように、記憶された1以上のプログラムがプロセッサ116内にロードされることができるように転送可能であってもよい。
【0044】
図4は、代表的な実施例による、接続されたドングル106を持つ局所コイル301の上面図である。
【0045】
局所コイル301は、実例的には、受信器411からデータを受信し、メモリ412内の記憶から前記データをデジタル化するように構成された電子素子410を有する。電子素子410は、実例的には、患者103のMRスキャンに基づいて画像を構成する際の更なる使用に対して前記データをデジタル化する電気及び電子コンポーネントを有する。
【0046】
核スピンにより局所コイル301のRFコイルにおいて誘導されたアナログ信号は、一般的に、低ノイズ増幅器で増幅され、例えば、局所コイル301内に設けられた1以上のアナログ・デジタル・コンバータ(A/D)(図示されない)を使用してデジタル化される。例として、帯域通過デルタシグマA/Dが、この能力に対して使用されてもよい。特に、可変利得又は圧縮は、可能な信号及びノイズの全体的なダイナミックレンジをカバーするのに使用されてもよい。デジタル化されたデータは、典型的には、ほとんど又は実質的に全く損失なしで圧縮され、エラー補正のために符号化され、送信のためにシリアル変換される。
【0047】
局所コイル301は、オプションとして、送信器413を有してもよい。特定の実施例において、送信器413は、RF送信器であり、前記患者スキャンからMR画像を再構成するのに前記データが使用されるコンピュータ又は他の装置にメモリ412からの前記データを有用に送信する。代わりに、下に示されるように、データの送信は、局所コイル301に接続された光学的導波管(例えば光ファイバ110)に沿っていてもよい。この場合、送信器413は、光学的送信器を有する。
【0048】
ドングル106は、バッテリ214、ヒートシンク215、及びオプションとして送受信器216、及びメモリ217を有する。
【0049】
送受信器216は、別々の送信器及び受信器を有してもよい。代わりに、送受信器216は、受信器のみで置き換えられる。上で述べたように、患者105のスキャン中に取得されたデータは、ドングル106により受信され、メモリ217に記憶されてもよい。これらのデータは、送受信器216によりコンピュータ又は他の装置に送信され、患者スキャンからMR画像を再構成するのに使用されうる。以下に記載される他の実施例において、メモリ217内のデータは、装置108にダウンロードされ、前記コンピュータ又は他の装置に送信されてもよい。更に他の実施例において、メモリ217は、前記ドングルから取り外し可能であり、他の使用に対して提供されてもよい。
【0050】
メモリ217は、限定的ではないが、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ハードディスクドライブ、半導体ハードディスク、フラッシュメモリ、USBサムドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、プログラム可能読取専用メモリ(PROM)、電子プログラム可能読取専用メモリ(EEPROM)、ユニバーサルシリアルバス(USB)ドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、光学ディスク、磁気テープ、スマートカード、デジタル多用途ディスク(DVD)、CD-ROM、半導体ハードドライブ、光ディスク、光磁気ディスク、及び前記プロセッサのレジスタファイルを含む、不揮発性コンピュータメモリ、又は揮発性コンピュータメモリ、又は両方を有してもよい。光ディスクの例は、コンパクトディスク(CD)及びデジタル多用途ディスク(DVD)、例えばCD-ROM、CD-RW、CD-R、DVD-ROM、DVD-RW又はDVD-Rディスクを含む。
【0051】
上に記載されたように、バッテリ214は、再充電可能であり、装置108内に挿入されるとバッテリ214が取り外され、装置108の前記バッテリチャージャにより再充電されうるようにドングル106内のポートに設けられる。この記載が続行するとより明らかになるように、代表的な実施例において、バッテリ214は、ドングル106において、バッテリ214の充電レベルより大きい充電レベルを持つバッテリにより置き換えられる。
【0052】
バッテリ214は、局所コイル301にDC電力を提供し、これにより、電源に対する接続の制約から前記局所コイルを解放する。上で暗示されたように、ケーブルを通る電源に対する接続を必要とする既知の局所コイルは、特に、扱いにくく、臨床医の仕事を妨げる。これに反して、前記バッテリは、ドングル106に不可欠であるので、このような臨床医に対する妨げは、存在しない。
【0053】
バッテリ214は、局所コイル301により決定される充電/電力要件を持つ再充電可能バッテリである。既知の乾電池再充電可能バッテリ(例えばリチウムイオンバッテリ)が、考えられるのに対して、他の既知の再充電可能携帯可能DC電源が、本教示により考えられる。これらは、半流動体リチウムイオン燃料電池、ニッケル水素(NiMH)燃料電池、カリウムイオン燃料電池、及び水素燃料電池を含むが、これらに限定されない。
【0054】
ドングル106は、ヒートシンク215をも有する。理解されることができるように、動作中に、放電しているバッテリ214は、熱を作ることができる。バッテリ214は、局所コイル301内に配置されるドングル106内にあるので、この熱は、患者105に接触することができ、患者に対して危険でなくとも、不快である可能性がある。このような場合に、バッテリ214からの熱を散逸させるヒートシンクを設けることは、有用である。特定の実施例において、ヒートシンク215は、相変化装置である。相変化装置は、材料に対する熱伝達中に相の変化を受ける相変化材料(PCM)を有する。時々、高性能熱伝達材料と称される、これらの材料は、一般に、電子アプリケーションにおけるヒートシンクに使用され、当業者に周知である。代わりに、金属、金属合金及び特定のセラミック材料のような、比較的高い熱係数を持つ材料が、前記ヒートシンクに使用されてもよい。
【0055】
バッテリ214のように、ヒートシンク215も、ポート内に設けられ、取り外され、装置108により格納され、新しいヒートシンクと置き換えられるように構成される。
【0056】
ドングル106は、実例的には、局所コイル301のポート421内に挿入される。一度挿入されると、ドングル106は、ドングル106の入出力(I/O)回路120に電子的に接続される。I/O回路120は、接続される装置の要件に基づいて複雑さの点で異なる。例えば、ドングル106が、局所コイル301からデータを受信しないが、DC電力のみを提供するように構成される場合、前記I/O回路は、単純な電気接続のみを含むことができる。これに反して、ドングル106が、局所コイル301からデータを受信するように構成される場合、前記I/O回路は、間の通信を制御し、電子素子410への/からの入力及び出力信号又はデータを解釈するのに必要な論理を含むインタフェースとして動作するように構成されてもよい。I/O回路120は、前記スキャン中にRFデータを受信し、これを送受信器216に提供し、そこからデータを送信するように構成されてもよい。
【0057】
図5は、代表的な実施例によるMRIシステム100の側面図である。再び、図1-4に関連して記載された代表的な実施例に関連して上に記載された様々な要素の様々な態様及び細部は、図5に関連して記載される代表的な実施例のものと共通である。これらの共通の態様及び細部は、ここに記載される代表的な実施例の記載を曖昧にすることを防ぐために繰り返されなくてもよい。
【0058】
図5に描かれるように、台112及び患者105は、局所コイル301がボア102内の所望の位置に配置されるように、矢印により描かれる移動方向に沿って移動される。このように、図3に描かれた実施例と比較して、光ファイバ110の一部は、巻き取りスプール111内に後退されている。特に、前記台が近端103を通って遠端104に向けて、かつ描かれた位置までボア102内に移動されると、コントローラ115は、前記アクチュエータ(図示されない)にコマンドを送信し、巻き取りスプール111に光ファイバ110を後退させ、光ファイバ110において所望の張力を維持させる。
【0059】
前に示されたように、コントローラ115は、所定の位置における光ファイバ110上の張力を所望のレベルに維持するようにサーボ又は他の電気モータにより巻き取りスプール111に加えられるべき所要の力を計算する。更に、コントローラ115は、常に光ファイバ110上の張力を維持するように光ファイバ110のリリース速度及び後退速度に対して台112の移動を調整してもよい。プロセッサ116によりなされた計算に基づいて、コントローラ115は、光ファイバ110上の張力を所望のレベルに維持する方向及び速度で、それぞれ、移動及び回転するように、台112に関連付けられた前記電気モータに、及び巻き取りスプール111に関連付けられた前記アクチュエータにコマンドを送信するように構成される。
【0060】
最終的に、前記スキャンが完了した場合、台112は、近端103に向けて戻され、図1に描かれたような位置において静止する。再び、コントローラ115は、前記アクチュエータ(図示されない)にコマンドを送信し、巻き取りスプール111に光ファイバ110を後退させ、光ファイバ110上の所望の張力を維持させ、光ファイバ110上の張力を維持する速度で台112を移動するように台112に関連付けられた前記電気モータにコマンドを送信する。
【0061】
本開示を考慮して、様々なコンポーネントが、様々な要素及び様々な構造で実施されることができることに注意する。更に、様々な要素、構造及びパラメータが、例としてのみ、且つ限定的な意味ではなく、含まれる。本開示を考慮して、当業者は、添付の請求項の範囲内にとどまりながら、自身のアプリケーション、必要とされる材料及びこれらのアプリケーションを実施する機器を決定するときに本教示を実施することができる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5