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  • 特許-電子デバイス切断 図1A
  • 特許-電子デバイス切断 図1B
  • 特許-電子デバイス切断 図2A
  • 特許-電子デバイス切断 図2B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】電子デバイス切断
(51)【国際特許分類】
   H01H 9/16 20060101AFI20220722BHJP
   G05B 19/05 20060101ALI20220722BHJP
   H01H 21/56 20060101ALN20220722BHJP
【FI】
H01H9/16 A
G05B19/05 L
H01H21/56 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018558150
(86)(22)【出願日】2017-05-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-29
(86)【国際出願番号】 GB2017051315
(87)【国際公開番号】W WO2017199004
(87)【国際公開日】2017-11-23
【審査請求日】2020-05-08
(31)【優先権主張番号】1608823.9
(32)【優先日】2016-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518042280
【氏名又は名称】イートン インテリジェント パワー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Eaton Intelligent Power Limited
【住所又は居所原語表記】30 Pembroke Road, Dublin 4 D04 Y0C2, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】110001999
【氏名又は名称】特許業務法人はなぶさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック・ウラジミール・エスポジート・デ・ラ・トレッラ
【審査官】松永 謙一
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-210400(JP,A)
【文献】特開2004-240497(JP,A)
【文献】特開2007-295751(JP,A)
【文献】特開2004-122246(JP,A)
【文献】実開昭60-62154(JP,U)
【文献】特開昭58-43615(JP,A)
【文献】中国実用新案第202285347(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 9/16
G05B 19/05
H01H 21/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフィールドデバイスへの入力/出力プロセス接続のためのユニバーサルアイソレータデバイスであって、前記ユニバーサルアイソレータデバイスは、絶縁機能を提供するアイソレータ及び一体型切断要素を含み、該切断要素は、フィールドデバイスと前記ユニバーサルアイソレータデバイスとの間の切断機能を提供するために、フィールドデバイス配線が前記ユニバーサルアイソレータデバイスに接続する場所に直接配置され、前記切断要素は、前記切断要素に関連付けられた前記フィールドデバイスの視覚的表示を提供する役割を果たすナイフ切断要素を含む、デバイス。
【請求項2】
フィールドデバイス接続システムであって、該システムの前記接続の少なくとも一部は、請求項1に記載の複数のデバイスを備える構成によるものである、フィールドデバイス接続システム。
【請求項3】
機能デバイスキャビネットであって、請求項1~2のいずれか1項以上に記載の複数のユニバーサルアイソレータデバイスを内部に搭載する、機能デバイスキャビネット。
【請求項4】
入力/出力プロセス配線及びプロセス電子機器への複数のフィールドデバイスの前記接続に使用するためのユニバーサルアイソレータキャビネットである、請求項3に記載の機能デバイスキャビネット。
【請求項5】
前記機能デバイスキャビネットに入るフィールドデバイスラインに対して切断要素が設けられている、請求項3または4に記載の機能デバイスキャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
種々の形態の電子デバイスは、様々なプロセス産業において幅広い用途を見出している。特に、センサやアクチュエータなどのフィールドデバイスは、一般に、プロセス環境内のフィールド場所に配備される。
【0002】
そのような配備の性質を、潜在的に複雑で時間がかかりコストのかかるプロセス制御システムの一部として考慮すると、そのようなフィールドデバイスの動作の精度及び信頼性が最も重要である。このようなデバイスは、一般に、試運転中、及びその後の作業寿命中の両方で、幅広い試験シナリオの対象となる。
【0003】
このようなデバイス試験では、一般に、デバイスを電源/データラインから切断する必要がある。潜在的に危ない危険要因を表すデバイスが試験員に接触するのを防止し、かつデバイスの損傷を防止するために、デバイスを切断するための安全かつ確実な手段が必要であり、それは、有利には、明らかに見える切断の表示を提供し得ることも必要である。
【0004】
このような切断は、フィールドデバイスの保護、I/Oデバイスの保護、試験目的、構成目的及びデバイス無効化目的のためなどの様々な理由で必要となり得る。
【0005】
そのような信頼性があり、容易に目に見える切断を提供するために、いわゆるナイフ切断スイッチが一般に採用されている。
【0006】
限定されるものではないが、接続要素が、バリア、絶縁または他の機能デバイスなどの適切な電気機能を提供する機能キャビネットによって、特定のプロセス環境に関連する適切なプロセス回路に一般に接続するフィールドデバイスなどの電子デバイスが、単独であろうがまたは組み合わせであろうが、提供され得る。フィールドデバイスがキャビネットのフィールド側に接続されると、次いでプロセス側の入力/出力配線が適切なプロセス回路への接続を提供する。
【0007】
一例として、危険なプロセス環境内の複数のフィールドデバイスなど、複数の電子デバイスが特定の環境内に設けられている場合、動作中接続をプロセス回路につながる正しい入力/出力配線とするために、機能キャビネット内で、フィールドデバイスから適切なそれぞれのバリア、絶縁または他の機能デバイスへ適切な接続を行うことが必要になる。
【0008】
複数のフィールドデバイスとバリア及び/またはアイソレータデバイスなどの機能デバイスとの間のこのような接続は、適切に構成されたマーシャルリング交換配線を備える、いわゆるマーシャリングキャビネットによって一般的に提供される。この配線は、適切なフィールドデバイスを適切なアイソレータタイプ及び/またはバリアタイプに接続し、そのためプロセス回路への適切な入力/出力配線への前方接続に使用される。
【0009】
既知の切断手段、例えば既知のナイフ切断スイッチは、マーシャリングキャビネット内の端子ブロックの一部として搭載され、それによりフィールドデバイスの配線がマーシャリングキャビネットに入る点での切断のための、並びにどの配線接続及びスイッチフィールドデバイスが切断されているかに関する既定表示のための既定手段としての役割を果たす。
【0010】
上述したように、切断は、例えば、そのような装置がまだ完全にコミッションされていない場合に、フィールドデバイスの保護、I/Oデバイスの保護、試験目的、構成目的、及びデバイス無効化目的などの様々な理由で必要とされ得る。
【0011】
したがって、このような既知のナイフ切断スイッチは、マーシャリングキャビネット内の機能の一体要素を備え、それにより、例えば、上述の複数のフィールドデバイスを採用するプロセス制御システム内のマーシャリングキャビネットの潜在的重要性及び包含の必要性を高める。
【0012】
代わりの既知の切断構成は、ソケットからのアイソレータの切断を含むが、これは、その目的のためにデバイスが設計されているまれな装置において有用であることを証明するだけである。このソリューションはまだ、同じフィールドデバイスのライン間の完全な絶縁を提供しない。
【0013】
本発明の目的は、既知のこのような装置に勝る利点を有する複数の電子デバイスのための切断装置を提供することである。
【0014】
特に、本発明は、本質的に安全なプロセス環境内で一般的に使用される複数の電子フィールドデバイスの接続の簡素化を可能にする切断装置を提供することを求める。
【0015】
本発明の第1の態様によれば、複数のフィールドデバイスへの入力/出力プロセス接続のための電子機能デバイスが提供され、機能デバイスは、それと関連付けられ、かつフィールドデバイスと機能デバイスとの間の切断機能を提供するように切断要素を含み、機能デバイスの切断要素は、切断要素に関連付けられたフィールドデバイスの視覚的表示を提供する役割をさらに果たす。
【0016】
入力/出力プロセス接続をも提供する機能デバイスに複数の切断要素を搭載することにより、配線及び関連するキャビネットの複雑さ並びに程度を低減しつつ、信頼性があり、容易に目に見える切断装置を提供することができる。
【0017】
有利には、電子機能デバイスは、フィールドデバイス配線が機能デバイスに接続する場所に直接一体化される。
【0018】
一実施形態では、電子機能デバイスは、ツェナーバリア機能を提示することができる。
別の実施形態では、電子機能デバイスは、絶縁機能、及び特にほぼあらゆるタイプのフィールドデバイスに接続できるユニバーサルアイソレータ機能を提示することができる。
【0019】
有利なことに、本発明は、複数のそのような電子機能デバイス及び関連する複数の切断要素を備える電子システム要素を提供する。
【0020】
特に、本発明は、その中に前記複数の電子機能デバイス及び関連する切断要素が搭載された機能デバイスキャビネットを提供することができる。
【0021】
特定の一態様では、本発明は、複数のフィールドデバイスを入力/出力プロセス配線及びプロセス電子機器への接続に使用するアイソレータ及び/またはバリアキャビネットを備える。
【0022】
有利には、機能デバイスキャビネットに入る各フィールドデバイスラインに、切断要素を設けることができる。
【0023】
一例として、切断要素はナイフ切断要素を備えることができる。
【0024】
特に、複数の切断要素を機能デバイス、特にユニバーサルアイソレータに搭載する構成は、例えばマーシャリングキャビネットによって提供される機能を低減することができ、したがって、有利には、マーシャリングキャビネットのような追加のシステム要素の必要性を低減する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明は、添付の図面を参照して、単なる例として以下に更に説明される。
【0026】
図1A】フィールドデバイスを電子処理回路に接続する一般的な既知の接続シナリオで使用するためのバリア/アイソレータキャビネットとマーシャリングキャビネットとの間の接続の概略図を含む。
図1B図1Aのキャビネットのようなキャビネットの一部内の構成及び接続の拡大詳細図である。
図2A】本発明の一実施形態によるバリア/アイソレータキャビネットの概略図である。
図2B図2Aのキャビネットの一部内の構成及び接続を示す拡大詳細図である。
【0027】
最初に図1Aを参照すると、複数のフィールドデバイス(図示せず)とプロセス電子機器(やはり図示せず)との間の接続が概略的に図示されている。本構成は、例えばバリア及び/またはアイソレータキャビネットなどの機能キャビネット1を備える。この図解のキャビネット1は、複数のアイソレータ4を備えている。マーシャリングキャビネット3は、マーシャリング~アイソレータ配線11によってアイソレータキャビネット1に接続されている。マーシャリングキャビネット3は、フィールドデバイス配線14によって複数のフィールドデバイスに接続されており、フィールドデバイス配線14による様々なフィールドデバイスへの所定の必要な接続は、マーシャルリング~アイソレータ端子6とマーシャルリング~フィールドデバイス端子7との間に接続されたマーシャルリング交換配線13によって達成される。マーシャルリング~フィールドデバイス端子7はまた、ここでは閉じられた状態の8と開かれた状態の9とで図示されたナイフ切断スイッチ8、9を含む。これらのナイフ切断スイッチ8、9は、必要に応じてフィールドデバイスの試験/取外し/交換を可能にするために、マーシャリングキャビネットから、かつアイソレータを介する前方接続からプロセス電子機器へのフィールドデバイスへの選択的切断を提供する。
【0028】
内部接続における、アイソレータキャビネット1及びマーシャリングキャビネット3のさらなる詳細は、図1Bを参照して説明される。
【0029】
ここでは、複数のアイソレータ4及びそれらのプロセス回路へのそれぞれ対の入力/出力ライン10が図示されており、同様にマーシャリングキャビネット3のマーシャルリング~アイソレータ端子6から導かれる対応する対のマーシャリング~アイソレータライン11が図示されている。
【0030】
フィールドデバイス配線14、したがってそれぞれのフィールドデバイスとマーシャリング~アイソレータ配線11に接続する端子6との間の接続の特定の選択された構成は、図1Bのマーシャリングキャビネット3内のマーシャルリング交換配線13を参照してさらに図示されている。
【0031】
また図1Bのさらなる詳細において図示されているのは、それぞれ複数のナイフ切断スイッチ8、9であり、マーシャルリング~フィールドデバイス接続の端子ブロック上に、各フィールドライン14に対して設置されている。スイッチは、閉状態8または開状態9のいずれかで再び示されている。
【0032】
複数のナイフ切断スイッチ8、9は、各フィールドデバイスの切断を達成するための既定手段を提供し、それぞれのフィールドデバイスを確実に選択することができ、その切断が達成され、フィールドデバイス配線14のそれぞれの要素とのナイフ切断スイッチの関連を介して視覚的に明らかに表示される様態で提供する。
【0033】
しかしながら、図1A及び図1Bを参照して図示された構成は、別個のマーシャリングキャビネット及びマーシャルリング交換配線等の供給を必要とし、そのため、フィールドデバイスとプロセス電子機器との間に中間キャビネットの形態でそのシステム要素を保持するための要件を提供する。
【0034】
ここで図2Aを参照すると、アイソレータキャビネット101内に具体化された本発明の実施例の概略図が提供されている。
【0035】
図1Aの主構成と同様に、図2Aの構成は、入力/出力配線110によるプロセス電子機器(図示せず)への接続と、フィールドデバイス配線114による複数のフィールドデバイス(やはり図示せず)への接続を提供する。
【0036】
本発明のこの態様は、複数のアイソレータ104を含むアイソレータキャビネット101内に具体化されており、ナイフ切断要素108、109は、アイソレータ104の上に直接、この例ではアイソレータ104と有効に一体化されて、提供されており、好ましくはアイソレータ104へのフィールドデバイス配線114の接続点に設置される。ナイフ切断要素108はその閉状態で示され、ナイフ切断要素109はその開状態で示されている。
【0037】
図2Aのキャビネット101の一部のさらなる詳細が、図2Bの拡大図に示されている。
【0038】
ここで、図1Bと比較すると、これは、入力/出力配線110によるプロセス電子機器(図示せず)への接続、及びフィールドデバイス配線114による複数のフィールドデバイス(図示せず)への接続を提供する複数の一連のアイソレータ104を備えるアイソレータキャビネット101の一部を図示している。
【0039】
ナイフ切断スイッチ108、109は、1つ以上のフィールドデバイスに対して適切な切断を達成するように、必要に応じて閉鎖108と解放109の位置の間で容易に切り替えられ得る。
【0040】
しかしながら、図示された例では、ナイフ切断スイッチ108、109を備える切断要素を、アイソレータ104上に直接、またはアイソレータ104に対して設置することによって、信頼性があり、視覚的に容易に表示され、しかしマーシャリングキャビネットのような付加的なシステム要素を含めるための更なるインセンティブを提供しない様態でフィールドデバイスの切断の利点が保持され得る。図2Bに示す本発明の特定の切断装置は、フィールドデバイスとプロセス電子機器との間に、マーシャリングキャビネット省略の可能性に影響しない/悪影響しない様態で、効果的で信頼性のある開閉可能な接続の供給を可能にする。したがって、図1Bを参照して説明したのと同じ機能は、同様に、図2Bを参照して説明された、より簡単で、より空間効率の良い、コストがかからない接続構成の手段によって提供され得る。本質的に、図示された例では、先行技術に見られるようなマーシャリングキャビネット3なしで先行技術の同じ機能を達成することができ、特に有利な空間及びコストの節約、並びに配線/接続エラーに対して生得的にはるかに脆弱ではない全体的に概してより単純な接続構成につながり得る。
【0041】
当然のことながら、本発明は、例示された実施形態の詳細に制限されないことが理解されるべきである。特に、ナイフ切断スイッチのような切断要素の一体化場所は、バリアデバイス/キャビネット、バリア-アイソレータデバイス/キャビネットのような関連する機能キャビネット、及び任意の他の適切な機能デバイス並びに関連する機能デバイスキャビネット内に配置することができる任意の適切な機能要素に対して提供することができる。本発明はまた、プロセス電子機器への任意の適切な数の入力/出力配線接続で、並びに任意の適切な/必要な数及び選択のフィールドデバイスへの接続に対して提供することができる。
図1A
図1B
図2A
図2B