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特許7109377光経皮酸素モニタリングのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】光経皮酸素モニタリングのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1455 20060101AFI20220722BHJP
   G01N 21/76 20060101ALI20220722BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20220722BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20220722BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
A61B5/1455
G01N21/76
G01N21/64 Z
A61B5/00 M
A61B10/00 E
【請求項の数】 47
(21)【出願番号】P 2018559727
(86)(22)【出願日】2017-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-18
(86)【国際出願番号】 US2017032650
(87)【国際公開番号】W WO2017197385
(87)【国際公開日】2017-11-16
【審査請求日】2020-04-28
(31)【優先権主張番号】62/335,961
(32)【優先日】2016-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592017633
【氏名又は名称】ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】エヴァンス コナー
(72)【発明者】
【氏名】ノウエル ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ルーサキス エマヌイル
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0182166(US,A1)
【文献】国際公開第2015/163957(WO,A2)
【文献】特開平04-218140(JP,A)
【文献】特表2015-530888(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0190080(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/1455-5/1464
A61B 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ルミネセンス酸素感知プローブと、
前記プローブに光子を向けるように構成された光子源と、
前記光子源が前記光子を前記プローブに向けたときに前記プローブから発光される光を検出するように構成された光検出器と、
前記光子源及び前記光検出器と電気通信し、前記光検出器から受信した電気信号から前記プローブに隣接する酸素のレベルを計算するようにその内部に記憶されたプログラムを実行するように構成されたコントローラと、
酸素不透過性膜を介して前記光ルミネセンス酸素感知プローブの表面に取り付けられる回路基板を備える支持構造体と、を備え、
前記光子源、前記光検出器、及び前記コントローラは、前記支持構造内又は上に配置されている
酸素化モニタ。
【請求項2】
前記光ルミネセンス酸素感知プローブがポルフィリンを含んでいる、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項3】
前記光ルミネセンス酸素感知プローブは、ポルフィリンが含浸されたポリマ材料を含む、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項4】
前記光ルミネセンス酸素感知プローブは、燐光性メソ非置換ポルフィリンが含浸されたポリマを含む、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項5】
前記光ルミネセンス酸素感知プローブは、正確なpO測定のための参照標準として働く緑色発光色素を含む、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項6】
前記光ルミネセンス酸素感知プローブは、光子源からの青色光によって励起されると赤色燐光を発光する、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項7】
前記光子源は青色発光ダイオードを含む、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項8】
前記光子源はオレンジ色の発光ダイオードを含む、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項9】
前記光検出器は、1つ又は複数の赤色感度フォトダイオード検出器を含む、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項10】
前記光検出器は、1つ又は複数の赤色感知光電子増倍管を含む、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項11】
前記光検出器は、1つ又は複数の赤色感知アバランシェフォトダイオード検出器を含む、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項12】
前記光検出器は、1つ又は複数の赤色感知電荷結合素子(CCD)を含む、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項13】
前記光検出器は、1つ又は複数の赤色感知相補型金属酸化物半導体(CMOS)デバイスを含む、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項14】
前記光検出器は、1つ又は複数の緑色感知フォトダイオード検出器を含む、請求項に記載の酸素化モニタ。
【請求項15】
前記光検出器は、1つ又は複数の緑色感知光電子増倍管を含む、請求項に記載の酸素化モニタ。
【請求項16】
前記光検出器は、1つ又は複数の緑色感知アバランシェフォトダイオード検出器を含む、請求項に記載の酸素化モニタ。
【請求項17】
前記光検出器は、1つ又は複数の緑色感知電荷結合素子(CCD)を含む、請求項に記載の酸素化モニタ。
【請求項18】
前記光検出器は、1つ又は複数の緑色感知相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイスを含む、請求項に記載の酸素化モニタ。
【請求項19】
前記回路基板はフレキシブルである、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項20】
前記光検出器によって検出される燐光強度は、患者の組織のpOに反比例する、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項21】
燐光寿命における酸素依存性変化が前記1つ又は複数の光検出器によって捕捉され、燐光寿命における前記酸素依存性変化が分析されて、患者の組織の経皮酸素測定が提供される、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項22】
赤色発光燐光強度の酸素依存性変化が、前記光検出器の1つ又は複数の赤色感度フォトダイオード検出器によって捕捉され、前記赤色発光燐光強度の酸素依存性変化が、前記光検出器の1つ又は複数の緑色感度フォトダイオード検出器で補捉された緑色発光に対して参照され、前記コントローラの回路が用いられて患者の組織の経皮酸素測定値が提供される、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項23】
前記コントローラは、その内部に記憶されたプログラムを実行して、スターン・ヴォルマ関係を用いて患者の組織の事前較正された経皮的酸素張力測定値を提供するように構成される、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項24】
前記プローブに隣接する酸素のレベルは、1つ又は複数のフルオロフォアプローブ及び1つ又は複数の燐光プローブを利用することによって報告され、
前記1つ又は複数のフルオロフォアプローブの1つ又は複数の発光特性は酸素に対して非感応であり、前記1つ又は複数の燐光プローブの発光特性が分子酸素濃度の影響を受ける、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項25】
前記酸素化モニタは光学的経皮酸素化モニタである、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項26】
前記光ルミネセンス酸素感知プローブは、前記支持構造体に取り外し可能に取り付けられる、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項27】
前記コントローラと電気通信するディスプレイをさらに備え、
前記コントローラは、その内部に記憶された前記プログラムを実行して、前記ディスプレイ上に前記酸素のレベルを表示するように構成される、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項28】
前記コントローラは、その内部に記憶されたプログラムを実行して、ある期間に亘って複数の時刻における前記酸素のレベルの値を記憶するように構成される、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項29】
前記コントローラと電気通信するディスプレイをさらに備え、
前記コントローラは、その内部に記憶された前記プログラムを実行して、ある期間に亘って複数の時刻の前記酸素のレベルの値を表示するように構成されている、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項30】
前記酸素化モニタは患者の身体部分に埋め込み可能である、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項31】
前記光子源から光子を前記プローブに向ける光ガイドをさらに備える、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項32】
前記光ガイドは光ファイバである、請求項3に記載の酸素化モニタ。
【請求項33】
前記プローブから発光された光を前記光検出器に向ける光ガイドをさらに備える、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項34】
前記光ガイドは光ファイバである、請求項3に記載の酸素化モニタ。
【請求項35】
前記光ルミネセンス酸素感知プローブは、赤色発光酸素感知製剤と緑色発光基準色素との両方を含むことができ、前記赤色発光酸素感知製剤と前記緑色発光基準色素の両方が光子源からの青色光によって同時に励起される、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項36】
前記支持構造体は、不透過性膜として機能する酸素不透過性材料によって作られる、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項37】
前記光ルミネセンス酸素感知プローブは前記支持構造と接触している、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項38】
前記酸素化モニタは、前記支持構造体を患者の身体の部分に固定するように構成されたバンドを含む、請求項1に記載の酸素化モニタ。
【請求項39】
酸素化をモニタリングするためのキットであって、
請求項1に記載の酸素化モニタと、
1つ又は複数の光ルミネセンス酸素感知プローブと、を備え、
各光ルミネセンス酸素感知プローブは、前記支持構造体に取り外し可能に取り付けられるように構成されている
酸素化をモニタリングするためのキット。
【請求項40】
前記酸素化モニタは、前記支持構造体を患者の身体部分に固定するように構成されたバンドを含む、請求項39に記載のキット。
【請求項41】
各光ルミネセンス酸素感知プローブは、ポルフィリンが含浸されたポリマ材料を含む、請求項39に記載のキット。
【請求項42】
各光ルミネセンス酸素感知プローブは、燐光性メソ非置換ポルフィリンが含浸されたポリマを含む、請求項39に記載のキット。
【請求項43】
各光ルミネセンス酸素感知プローブは、プローブによって光の発光を引き起こす波長の光子を透過しないパッケージ内に設けられる、請求項39に記載のキット
【請求項44】
前記パッケージには、前記光ルミネセンス酸素感知プローブの有効寿命のインジケータが含まれている、請求項4に記載のキット。
【請求項45】
医療器具と、
前記医療器具に取り付けられている請求項1に記載の酸素化モニタと、を備えたデバイス。
【請求項46】
前記医療器具はカテーテルとされる、請求項4に記載のデバイス。
【請求項47】
前記酸素化モニタの前記コントローラと電気的に連絡するディスプレイをさらに備え、
前記コントローラは、その内部に記憶された前記プログラムを実行して、前記ディスプレイ上の前記酸素のレベルを表示するように構成される、請求項4に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2016年5月13日に出願された米国特許出願第62/335,961号の優先権を主張する。
【0002】
[連邦支援研究に関する声明]
適用しない。
【0003】
本発明は、酸素化モニタリング、特に光学的経皮酸素化モニタリングのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0004】
酸素は、創傷治癒にとって重要であり、上皮細胞の移動、コラーゲン合成、線維芽細胞の増殖、及び感染を防ぐための好中球の流入を含む多数のプロセスの創傷修復の間に必要とされる。分子酸素は、好気性呼吸の最終的な最も基本的な成分であり、すべてのヒト組織におけるエネルギー生成の主要な手段である。組織の生存に関する重要性を考慮すると、組織の酸素化を決定する迅速かつ非侵襲的手段は臨床評価及び意思決定に非常に有用である。
【0005】
灌流及び組織の酸素化を間接的に評価するための多くの技術が開発されている。例えば、インドシアニングリーン血管造影法及びキセノン133血管造影法は、ほんの数分しか要さず、所与の領域における灌流の非常に明確な評価を提供する。しかしながら、血管造影法は、検出デバイスが嵩張るのは言うまでもなく、血流と外因性物質の注入を必要とする。酸素検知の至適基準であるクラーク電極は、ポイント測定のみを提供し且つむしろ侵襲的である。近赤外分光法(NIRS)は、再建手術中及び手術後に移植片及びフラップの破損を予測するうえで素晴らしい成功を収めたが、法外に高価であり、天井照明、皮膚への配置及び麻酔の変化に敏感である。局所血中酸素飽和度(StO2)を測定するデバイスは、創傷及び移植片の健康状態に関する洞察を提供したが、組織酸素化ではなくヘムに対する酸素の結合を測定するだけである。下肢の慢性創傷では、内側の石灰化症、末梢血管疾患、糖尿病、及び慢性腎不全のような共通の合併症が血圧、色、温度及び毛細血管の再充填などの何れの灌流の有用性の従来の測定基準を超えて混乱する。要するに、灌流又は酸素化を監視するための多くの技術が存在するが、現在の臨床ワークフローと完全に効果的で互換性があるとは思われない。酸素感知への多くの進歩にもかかわらず、組織酸素化を効率的に決定するための使い易いツールに対し臨床医の間に未だ満たされていないニーズがある。
【0006】
経皮的酸素測定(TCOM)は、局所的なpO2(酸素分圧)を定量するための電極ベースの技術であり、特に創傷ケアに焦点を当てた広範囲の臨床設定における広範な多用途ツールとなるのに最も有望である。TCOMは数十年に亘って創傷治癒、より一般的には組織酸素化の予測のための有効なツールであることが証明されている。慢性創傷では、TCOMはおそらく最も頻繁に使用され、創傷が単独で切断されるか切断が必要かを決定する上で、ならびに傷が高圧酸素療法(HBO)に応答するかどうかを決定する際に優れた予測力を示している。TCOMは、重大な介入なしに治癒するかどうかを予測し、治療決定を導くために慢性創傷のリスクスコアを作成するのに使用することができる。同様に、新生児は酸素分泌の変化に敏感であることが知られているためTCOMは新生児のモニタリングに適用されて、若干の成功を収めている。しばしば、主要な外科的決定はTCOM測定の結果に依存し、慢性創傷クリニックでは足部医師はTCOMデータを解釈して組織切断の程度を決定しようとする。HBOの場合、創傷近くの経皮のpO2が特定の閾値、典型的には10mmHgを上回る場合又は補充酸素投与及び再測定時に顕著に増加する場合、創傷は通常HBOに応答する。否定的な反応が見られる場合、臨床医はさらに壊死組織切除、抗生物質、又は切断のようなより重要な介入を探索する必要がある。
【0007】
現在の電極ベースのTCOMデバイスは、文献ではそれらの潜在的かつ有望であるにも関わらず、現実の現在の臨床診療では使用量が少なく使用が減少している。TCOMの主な欠点は、臨床医とのディスカッションや文献のレビューから、広範囲で時間のかかるベッドサイドキャリブレーション、組織の43~45℃への加熱(患者の不快感)、訓練された操作者、及び1回の測定で15~45分の時間を要する長時間の使用である。技術者、臨床医、病院などが複雑な技術を避けているので、過去10年間でTCOMデバイスを使用するための所有及び運営費用が高価になった。これらの制限はすべて、TCOMデバイスが動作する数十年前の中核となる酸素電極技術から生じるものである。
【0008】
組織代謝における酸素の重要な重要性にもかかわらず、患者モニタリングで現在使用されているデバイスは、SpO2又はStO2、即ち、動脈血中のヘモグロビンの酸素飽和度又は組織の下の毛細血管における酸素飽和度、をそれぞれ測定する。全身的な酸素供給を測定するのに適しているが、これらの測定基準は、組織の特定領域の酸素化に関する間接的な情報のみを提供する。経皮酸素測定(TCOM、又はTcpO2)は、皮膚表面での酸素濃度又は酸素分圧(pO2)を記録する創傷ケア及び外科手術で使用される非侵襲的技術である。しかし、現行のTCOMデバイスは約20分のベッドサイドキャリブレーション、約45℃(熱傷や不快感の原因となることが知られている)の組織の加熱、及び十分に訓練された操作者を必要とする。これらの制限により、TCOMは幅広く多目的なマルチプラットフォームの組織酸素センサーではなく無力で扱いにくい技術になってしまった。創傷ケア及び小児医学の主な市場調査によると、臨床医は、TCOMによって提供される情報(組織の酸素化、全体的な組織生存率の優れた測定)を必要とするが、診療所内の既存の厄介なTCOMデバイスを使用しない。
【0009】
従って、酸素化モニタリング、特に光学的経皮酸素化モニタリングのシステム及び方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、酸素化モニタリング、特に光学的経皮酸素化モニタリングのシステム及び方法に関する。
【0011】
組織分析のための光学的方法は、研究及び臨床実践にかなりの利益をもたらすと共に、非侵襲的かつ無痛の組織特性評価を行い、最小限から準備時間の無く、組織からのデータを迅速に取得し、小型化、ウェアラブルなツールキットを作る能力を有している。
【0012】
いくつかの実施形態では、光励起酸素感知プローブと共に使用するための酸素化モニタが提供される。酸素化モニタは、光子をプローブに向けるように構成された光子源と、光子源が光子をプローブに向けるときにプローブから発光された光を検出するように構成された光検出器と、記憶されたプログラムを実行して光検出器から受信した電気信号からプローブに隣接する酸素のレベルを計算するように構成された、光子源及び光検出器と電気通信するコントローラと、支持構造と、を含む。光子源、光検出器、及びコントローラは、支持構造内又は上に配置される。支持構造は基板とすることができ、光子源、光検出器、及びコントローラは基板に埋め込むことができる。
【0013】
酸素化モニタは、光ルミネセンス酸素感知プローブを含むことができる。いくつかの実施形態では、光ルミネセンス酸素感知プローブは、組織のpO2に発光を提供する製剤であり得る。光ルミネセンス酸素感知プローブは、ポルフィリンを含浸させた高分子材料を含むことができる。光ルミネセンス酸素感知プローブは、燐光性メソ非置換ポルフィリンが含浸されたポリマを含むことができる。光ルミネセンス酸素感知プローブは、正確なpO2測定のための参照標準として役立ち得る緑色発光色素を含むことができる。光ルミネセンス酸素感知プローブは、光子源からの青色光によって励起されると赤色燐光を発することができる。光検出器によって検出される燐光強度は、患者の組織のpO2に反比例する。
【0014】
いくつかの実施形態では、光ルミネセンス酸素感知プローブは、赤色発光酸素感知プローブ及び緑色発光性基準色素の両方を含むことができ、赤色発光酸素感知プローブ及び緑色発光基準色素は、光子源からの青色光によって同時に励起される。
【0015】
いくつかの実施形態では、光子源は青色発光ダイオードであってもよい。他の実施形態では、光子源はオレンジ色の発光ダイオードであってもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、検出器は、フォトダイオード、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)素子又は類似の光検出器の組み合わせであってもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、光検出器は、1つ又は複数の赤色感度フォトダイオード検出器であってもよい。光検出器は、1つ又は複数の赤色感知光電子増倍管を含むことができる。光検出器は、1つ又は複数の赤色感知アバランシェフォトダイオード検出器を含むことができる。光検出器は、赤色感知電荷結合素子(CCD)を1つ又は複数含むことができる。光検出器は、1つ又は複数の赤色完成相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイスを含むことができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、光検出器は、1つ又は複数の緑色感度フォトダイオード検出器であってもよい。光検出器は、1つ又は複数の緑色感知光電子増倍管を含むことができる。光検出器は、1つ又は複数の緑色感知アバランシェフォトダイオード検出器を含むことができる。光検出器は、1つ又は複数の緑色感知電荷結合素子(CCD)を含むことができる。光検出器は、1つ又は複数の緑色完成相補型金属酸化膜半導体(CMOS)デバイスを含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、支持構造は、酸素不透過性膜を介して光ルミネセンス酸素感知プローブの表面に取り付けられたフレキシブル回路基板であってもよい。他の実施形態では、支持構造体は、光ルミネセンス酸素感知プローブの表面に取り付けられたフレキシブル回路基板であってもよい。支持構造体は、不透過性膜として機能する酸素不透過性材料によって作製することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、赤色燐光強度の酸素依存性変化は、1つ又は複数の赤色感度フォトダイオード検出器によって捕捉することができる。赤色燐光強度における酸素依存性の変化は、コントローラのアナログ又はデジタル処理を用いて、1つ又は複数の緑色感知フォトダイオード検出器によって捕捉された緑色発光強度に対して参照されて、患者の組織の経皮酸素測定値を提供することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、燐光寿命の酸素依存性の変化が1つ又は複数の光センサによって捕捉され、寿命がアナログ又はデジタル回路又はコントローラのアナログ又はデジタル分析を使用して処理され、患者の組織の経皮酸素測定値が提供される。
【0022】
いくつかの実施形態では、コントローラは、スターン・ヴォルマ(Stern-Volmer)関係を使用して事前較正された患者の組織の経皮的な酸素張力測定値を提供するアナログ回路を備えることができる。プローブに隣接する酸素のレベルは1つ又は複数のフルオロフォアプローブ及び1つ又は複数の燐光プローブを利用することによって報告され、フルオロフォアプローブの発光特性は酸素に対して非感応であり、燐光プローブの発光特性は分子酸素濃度によって影響され得る。酸素化モニタは光学経皮酸素化モニタとすることができる。酸素化モニタは患者の身体部分に埋め込み可能であり得る。移植可能なモニタはポルフィリンセンサを含む移植可能な基板を備えることができ、移植可能なセンサの発光が移植可能なセンサとは別個に配置された光センサによって検出される。
【0023】
いくつかの実施形態では、光ルミネセンスの酸素感知プローブは、支持構造体に取り外し可能に取り付けられる。酸素化モニタは、コントローラに電気的に接続されたディスプレイをさらに備えることができ、コントローラは、それに記憶されたプログラムを実行してディスプレイ上の酸素レベルを表示するように構成される。コントローラは、それに記憶されたプログラムを実行してある期間に亘って複数の時刻における酸素レベルの値を記憶するように構成することができる。コントローラは、それに記憶されたプログラムを実行してある期間に亘って複数の時刻における酸素レベルの値を表示するように構成することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、支持構造は、光子源、光検出器、及びコントローラを収容する容器であってもよく、励起光及び発光光は、光ファイバなど光ガイドを介してプローブと光子源及び光検出器との間で伝送され得る。光子源は、光ファイバを介してプローブに光子を向けることができ、光検出器は、光ファイバを介してプローブから発光された光を検出することができる。
【0025】
いくつかの実施形態では、酸素供給をモニタリングするためのキットが提供される。キットは、本開示の実施形態の何れかの酸素化モニタと、光ルミネセント酸素感知プローブが支持構造体に取り外し可能に取り付けられるように構成された1つ又は複数の光ルミネセンス酸素感知プローブとを含む。酸素化モニタは、支持構造体を患者の身体部分に固定するように構成されたバンドを含むことができる。各光ルミネセンス酸素感知プローブは、ポルフィリンが含浸されたポリマ材料を含むことができる。各光ルミネセンス酸素感知プローブはポリマを含むことができ、非限定的な例は、燐光性メソ非置換ポルフィリンが含浸されたシリコーン、ニトロセルロース、又はポリメチルメタクリレートを含む。各光ルミネセンス酸素感知プローブは、プローブによって光の発光を引き起こす波長の光子を透過しないパッケージ内に提供することができる。パッケージは、光ルミネセンス酸素感知プローブの有用な寿命の指標を含むことができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、医療器具及び本開示の何れかの実施形態の酸素化モニタを備えるデバイスが提供される。酸素化モニタは、医療器具に取り付けることができる。医療器具はカテーテルであってもよい。デバイスは、酸素化モニタのコントローラと電気通信するディスプレイを備えることができ、コントローラは、コントローラに記憶されたプログラムを実行してディスプレイ上の酸素レベルを表示するように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、商業界でTCOMを置き換える光学ベースの酸素センサが提供される。加熱、ベッドサイドキャリブレーション、又はトレーニングを必要としないこの劇的に安価な製品は、既存の臨床ワークフローに速やかに適応でき、早期プロトタイプはすでに炎症、虚血再灌流傷害、火傷及び移植の動物モデルにおいて有効性が確認されている。この製品は、創傷壊死組織切除、移植片及び切断を含む組織灌流を改善又は回復することを目的とする手術中での手術前後の評価及び術後モニタリングに利用することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、これらの障害を克服し、TCOMの完全な見込みを達成するために、酸素感知包帯技術を構築する光学経皮酸素モニタリング手法が提供される。このTCOMシステムは、発光が組織のpO2を提供する光ベースの酸素検知製剤の小さなパッチ上に載置することができるLED及び検出器を備えたパッド状のセンサを含むことができる。このアプローチは、血流又は酸素に結合するヘモグロビンではなくpO2を直接測定するので、潅流又はその下にある血管を必要とせず、よってNIRS又はドップラーベースの検出システムよりも故障しにくい。全ての検出成分は、非侵襲的光学TCOMシステム内に安全に保持することができ、そのため、外因性色素、注射剤、及び針は必要とされない。基本的に準備時間を必要とせず、光TCOMデバイスの読み出しは本質的に瞬時に行うことができる。ベッドサイドキャリブレーションや加熱、血流の必要性の無いこと、読出しが単純で機器が扱い易いこと、結果を得るまでの平衡時間が最小化されるなどにより、光TCOMシステムは全体として、TCOM及び臨床的酸素検知に悩まされる問題に対処するのにユニークに位置付けされ得る。
【0029】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明、図面、及び添付の特許請求の範囲を考慮することにより、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本開示の一実施形態による酸素化センサの斜視図である。
図2】本開示の酸素化モニタのプローブとして使用することができる例示的な構造の金属化ポルフィリン-デンドリマの図である。
図3】現行のスタンダードオブケアViOptixデバイスに対するポリマベースの酸素検知システムの検証を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
ここで、本明細書で開示されるデバイス及び方法の構造、機能、製造及び使用の原理の全体的な理解を提供するために、特定の例示的な実施形態を説明する。これらの実施形態の1つ又は複数の例が添付の図面に示されている。当業者であれば、本明細書に具体的に記載され添付の図面に示されているデバイス及び方法は非限定的な例示的な実施形態であり、本発明の範囲は特許請求の範囲によって定義されることを理解するであろう。1つの例示的な実施形態に関連して図示又は説明される特徴は他の実施形態の特徴と組み合わせられ得る。そのような改変及び変形は本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0032】
図1は、本開示の光学経皮酸素モニタリングシステム20(光学TCOMシステム20)の一実施形態を示す。光学式TCOMシステム20は、組織のpO2に発光を供給できる発光する光ベースの酸素検知製剤を有してよいプローブ24、光学式TCOMシステム20に取り付けることができる発光源28及び検出器32を組み込むことができる。光学式TCOMシステム20は、pO2を直接測定することができ、灌流又は下にある血管を必要としない。検知構成要素は、非侵襲性であり得る光学TCOMシステム20内に安全に保持することができ、そのため、外因性色素、注射剤、及び針は必要とされない。光TCOMシステム20は、準備時間を短くし、光TCOMシステム20の読み出しは本質的に瞬時に行うことができる。光学式TCOMシステム20では、ベッドサイドキャリブレーション及び加熱を必要とせず基礎となる血流を必ずしも必要とせず単純な読取りだけで結果を得る前の平衡の時間が最小なので、それによって全体的にTCOM及び臨床的酸素感知を悩ます問題への解決策が提供される。
【0033】
光学式TCOMシステム20は、光学式TCOMシステム20を患者の組織と接触させるように構成することができるインターフェース機構36を有することができる。いくつかの実施形態では、インタフェース機構36は、接着剤が用いられて光TCOMシステム20のインタフェース面36を患者の組織に接着させ、光学TCOMシステム20と患者の組織との間の接触を提供することができる。接着剤の形態のインターフェース機構36は、光TCOMシステム20を患者の組織に直接的かつ可逆的に接着することができる。他の実施形態では、インターフェース機構36は、ストラップ、バンド、弾性要素、ポケット、又は光TCOMシステム20を患者の組織と接触させることができる任意の他の適切なインターフェース機構36であってもよい。
【0034】
光学式TCOMシステム20は又、光ベースの光ルミネセンス酸素感知製剤を有するプローブ24を有することができ、該製剤は組織のpO2に発光を提供する。プローブ24は、酸素感知ポリマ又は酸素感知分子を含むポリマでよく、光学式TCOMシステム20のインターフェース面36と接触するか又は重なるように配置されてプローブ24が直接患者の組織と接触される。プローブ24は、酸素検知分子が注入された円筒状のシリコンパッドの形態であってもよい。円筒状シリコンパッドは、基準センサのような他のセンサを含むこともできる。基準センサは、酸素測定の基準又は酸素センサを較正するための基準を提供することができる。
【0035】
シリコーン、特にポリジメチルシロキサン(PDMS)は、極めて気体透過性であり、組織酸素動態の迅速な読み出しを可能にすることができる。プローブ24のシリコーンポリマには、明るく発光性のポルフィリンベースの酸素感知分子を含浸させることができる。プローブ24内に埋め込まれた酸素感知分子は、光ルミネセンス酸素感知分子であってもよい。例えば、酸素感知分子は、青色光によって励起されると赤色燐光を発することができ、燐光強度は、pO2に反比例することができる。緑色発光染料の形態の基準センサも正確なpO2測定のための参照標準として役立つようにプローブ24のシリコーンに組み込むことができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、プローブ24は、組織酸素化の測定のために極めて高い感度及び精度を提供するように設計されたポルフィリンベースの酸素感知分子を含むことができる。ポルフィリンベースの酸素感知分子はモジュラー合成経路を介して構築することができ、それにより酸素感知分子の酸素感知範囲及び酸素感知分子が埋め込まれ得るマトリックス材料との酸素感知分子の適合性の両方を調整することができる。マトリックス材料は、酸素感知分子の酸素感知範囲を調整するようにさらに構成することができる。酸素検知分子は、周囲光の下で見ることができる酸素化レベルの変化に対する視覚的応答を伴って、明るい赤色燐光発光を特徴とするように特別に設計することができる。これらの特性は、酸素依存発光の収集及び解釈を単純化し分析を単純で安価なデバイスで実施することを可能にする。
【0037】
いくつかの実施形態では、プローブ24は、米国特許出願公開第2016/0159842号に記載されているポルフィリンを含むことができ、当該の文献が参照により本明細書に組み込まれる。例えば、ポルフィリンは、その発光強度が酸素分圧に依存する酸素感知燐光体であってもよい。
【0038】
一実施形態では、プローブ24は、化(1)を有する燐光性のメソ置換されていないポルフィリンを含む。
【0039】
【化1】
【0040】
ここで、Mは金属であり、各Rは独立して原子又は原子群であり、少なくとも1つのRは‐OR1であり、R1は原子又は原子の群である。
【0041】
化(1)のポルフィリンにおいて、R1は、水素、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換アルキルカルボニル、置換又は非置換アルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のアリール、ヘテロアリール、ハロ、シアノ及びニトロからなる群から選択される。化(1)のポルフィリンの一例において、R1は水素である。化(1)のポルフィリンの別の例では、R1はアルキニル、例えば2‐プロピニル(プロパルギル)である。化(1)のポルフィリンにおいて、複数のRは‐OR1であってもよく、任意に、すべてのRは‐OR1であってもよい。
【0042】
化(1)のポルフィリンの一例において、R1はトリアゾリル基を含む。トリアゾリル基は、アルキル鎖を介してOに結合していてもよい。化(1)のポルフィリンの一例において、R1はアルキルグルタメート基を含む。R1は一対のアルキルグルタメート基で終結していてもよい。化(1)のポルフィリンの別の例では、R1はトリアゾリル基を含み、R1はエチルグルタメート基の末端で終結し、各Rは‐OR1である。化(1)のポルフィリンの一例において、金属は白金又はパラジウムである。
【0043】
化(1)のポルフィリンは、その発光強度が酸素分圧に依存する酸素感知燐光体であってもよい。化(1)のポルフィリンの一例では、ポルフィリンは、350~600ナノメートルの範囲の第1の波長で照射されたときに励起され、続いて600~700ナノメートルの範囲の第2の波長で燐光が発光される。第1の波長は532ナノメートルであり、第2の波長は644ナノメートルであり得る。第1の波長は546ナノメートルでもよく、第2の波長は674ナノメートルであってもよい。
【0044】
別の実施形態において、プローブ24は、化(2)を有する燐光性のメソ-非置換ポルフィリンを含む。
【0045】
【化2】
【0046】
化(2)のポルフィリンにおいて、R1は、水素、置換又は非置換アルキル、置換又は非置換アルキルカルボニル、置換又は非置換アルケニル、置換又は非置換アルキニル、置換又は非置換シクロアルキル、置換又は非置換ヘテロシクロアルキル、置換又は非置換のアリール、ヘテロアリール、ハロ、シアノ及びニトロからなる群から選択される。化(2)のポルフィリンの一例において、R1は水素である。化(2)のポルフィリンの別の例では、R1はアルキニル、例えば2-プロピニル(プロパルギル)である。化(1)のポルフィリンにおいて、複数のRは‐OR1であってもよく、任意に、すべてのRは‐OR1であってもよい。
【0047】
化(2)のポルフィリンの一例において、R1はトリアゾリル基を含む。トリアゾリル基は、アルキル鎖を介してOに結合していてもよい。化(2)のポルフィリンの一例において、R1はアルキルグルタメート基を含む。R1は一対のアルキルグルタメート基で終結していてもよい。化(2)のポルフィリンの別の例では、R1はトリアゾリル基を含み、R1はエチルグルタメート基の末端で終結し、Rは全て‐OR1である。化(2)のポルフィリンの一例では、金属は白金又はパラジウムである。
【0048】
化(2)のポルフィリンは、その発光強度が酸素分圧に依存する酸素感知燐光体であってもよい。化(2)のポルフィリンの一例では、ポルフィリンは、350~650ナノメートルの範囲の第1の波長で照射されたときに励起され、続いて700~800ナノメートルの範囲の第2の波長で燐光が発光される。第1の波長は594ナノメートルであり、第2の波長は740ナノメートルであり得る。第1の波長は605ナノメートルであり、第2の波長は770ナノメートルであり得る。第1の波長は600~615ナノメートルでもよく、第2の波長は760~800ナノメートルであり得る。
【0049】
特定の非限定的な例として、プローブ24は、図2に示すように、第2世代のグルタミン酸デンドリマの内部に封入された明るく発光する特注のメソ-非置換白金-ポルフィリンを含む。図2の例示のポルフィリンでは、プローブ24は、532ナノメートルで照射された場合に励起され、続いて644ナノメートルで燐光が発光されて強度が酸素濃度の指標として使用される。
【0050】
発光源28及び検出器32を含む回路基板38をプローブ24に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、回路基板38は、プローブ24のインタフェース機構36の反対側のプローブ24にプローブ24の表面上に酸素不透過性膜を介して取り付けることができる。いくつかの実施形態では、回路基板は、光ファイバを介してプローブ24に連結することができる。回路基板38は可撓性で、基板を有することができ、発光源28及び検出器32を基板内又は基板上に埋め込むことができる。
【0051】
発光源28は、各発光源28がプローブ24に向けられた光子を発光するように配置されるように基板内又は基板上に配置することができる。例示的な非限定的な実施形態では、発光源28は、発光源28が光子をプローブ24に向けることができるように回路基板38の周りの4つの径方向の位置に配置される。いくつかの実施形態では、発光源28は青色発光ダイオードであってもよい。他の実施形態では、発光源28は、オレンジ色の発光ダイオードであってもよい。他の実施形態では、発光源28は、特定の色の光を送達する光ファイバーであってもよい。
【0052】
検出器32は、各検出器32がプローブ24から発光される光子を検出又は受信するように基板の中又は上に配置され得る。例示的な非限定的な実施形態では、検出器32は、検出器32がプローブ24から発光された光子を検出又は受信することができるように、回路基板38の周りの4つの径方向の位置に配置される。回路基板38上の検出器32は、1つ又は複数の緑色光検出器及び/又は1つ又は複数の赤色光検出器を含む。いくつかの実施形態では、検出器32はフォトダイオードであってもよい。1つ又は複数の緑色光検出器は緑色フォトダイオードであり、1つ又は複数の赤色光検出器は赤色フォトダイオードであり得る。他の実施形態では、検出器32は電荷結合素子(CCD)であってもよい。他の実施形態では、検出器32は、フォトダイオード及び電荷結合素子(CCD)を含む光検出器に発光光を結合する光ファイバであってもよい。他の実施形態では、光検出器は、緑色発光及び赤色発光の両方を検出することができる。
【0053】
回路基板38は又、発光源28及び検出器32と電気的に通信することができるコントローラ44を備えることもできる。コントローラ44は、マイクロコントローラ又はシステムオンチップであってよく、コントローラ44の中に実行可能なプログラムを記憶できる非一時的なメモリでよいメモリを備える。いくつかの実施形態では、コントローラ44は、検出器32から受信された1つ又は複数の電気信号からプローブ24に隣接する酸素のレベルを計算することができる酸素計算プログラムを記憶することができる。回路基板38は又、ワイヤ束とすることができる出力48を含むことができる。出力48は、外部インタフェースに接続することができ、光TCOMシステム20の実行可能プログラムの結果を表示、記憶、及び解析する少なくとも1つのために使用することができる。他の実施形態では、コントローラ44は、ワイヤレス出力を有するように構成でき、無線出力は無線通信を行うことができる。組み込まれ得る無線通信の非限定的な例は、Wi-Fi、Bluetooth(登録商標)、近距離通信、セルラーネットワーク、無線周波数などである。回路基板38は、例えば回路基板38に電力を供給するバッテリなどのオンボード電源を備え、発光源28、検出器32、及びコントローラ44に電力を供給することができる。他の実施形態では、回路基板38は、外部電源、例えば回路基板38に電力を供給するグリッド電力への電気接続を備えて、発光源28、検出器32、及びコントローラ44に電力を供給できる。
【0054】
光TCOMシステム20の構成要素について詳細に説明したので、光TCOMシステム20の構成要素の機能を理解することができる。いくつかの実施形態では、プローブ24は、インターフェース機構36を介して患者の組織と接触して配置することができる。いくつかの実施形態では、プローブ24は、酸素センサポリマであってもよく、プローブ24が患者の組織と直接接触することができるように、光TCOMシステム20のインターフェース面36に接触するか重なる。プローブ24と患者の組織との間の直接的接触は、プローブ24が、プローブ24の光ルミネセンス酸素感知製剤を介して組織のpO2を提供することを可能にする。プローブ24の光ルミネセンス酸素感知製剤は、組織のpO2を示し得る発光を有してよい。
【0055】
プローブ24の光ルミネセンス酸素感知配合物は、1つ以上の発光源28からの青色光によって励起されたとき赤色燐光を発し、燐光強度は1つ以上の検出器32によって検出される。燐光強度は、患者の組織のpO2に反比例する。緑色発光染料の形態であってもよい基準センサは、プローブ24に実装することもでき、正確なpO2測定のための参照標準として役立つことができる。燐光寿命が測定及び分析されて、正確なpO2測定を提供できる。回路基板38は可撓性であり、酸素不透過性の膜を介してプローブ24の表面に取り付けることができる。回路基板38は、発光源28及び検出器32を含むことができる。発光源28は、1つ又は複数の青色発光ダイオード(LED)であり得、検出器32は、緑色感受性フォトダイオード検出器の形態の1つ又は複数の緑色光検出器、及び赤感受性フォトダイオード検出器の形態の1つ又は複数の赤色光検出器を含む。いくつかの実施形態では、検出器は、フォトダイオード、光電子増倍管、アバランシェフォトダイオード、電荷結合素子(CCD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)素子又は類似の光検出器の組み合わせであってもよい。
【0056】
赤色燐光強度における酸素依存性の変化は、コントローラ44のアナログ回路が用いられて、赤色光検出器の形態の赤色光検出器によって捕捉され、緑色光検出器によって捕捉された緑色発光に対して緑色感度フォトダイオード検出器の形態で参照されて、患者の組織の事前較正された強固な経皮的酸素張力測定値が提供される。
【0057】
コントローラ44のアナログ回路又はデジタル回路は、患者の組織の事前較正された強固な経皮的酸素張力測定値を提供することができる。いくつかの実施形態では、発光特性が分子酸素濃度によって影響される分子(例えば、燐光プローブ)と共に酸素に非感応な分子(例えばフルオロフォアプローブ)を利用することによって、酸素張力測定値を分析及び報告することができる。発光特性が酸素に対して非感応である分子は、基準センサであり得、分子酸素濃度によって発光特性が影響される分子は、燐光プローブであり得る。フルオロフォアプローブ及び燐光プローブからの発光は、生体系における酸素張力を高忠実度で可逆的に測定するために使用することができる。フルオロフォアプローブ及び燐光プローブは、フルオロフォアと蛍光物質発光との間のスペクトル比が患者の組織の酸素濃度と相関するように較正することができる。較正は、患者の組織内の酸素濃度のマップを読み出すために使用することができる。光学TCOMシステム20によってカバーされる領域の平均酸素濃度を読み取るために較正が使用される。フルオロフォアプローブ及び蛍光体プローブは、フルオロフォア及び蛍光体発光の寿命を分析できるように較正することができて、患者の組織の酸素濃度を提供する。光吸収に基づく比色測定のため、酸素のよ
うな検体の存在によって光吸収特性(吸収波長又は吸収断面など)を調節することができる染料などの分子を利用することもできる。
【0058】
一実施形態では、コントローラ44のアナログ回路又はデジタル回路は、スターン・ヴォルマ関係を使用して、患者の組織の事前に較正された強固な経皮酸素張力測定及び分析を提供することができる。スターン・ヴォルマ関係は、少なくとも1つの発光源28からの青色光によって励起されたときに赤色燐光を発光することができるプローブ24の光ルミネセンス酸素感知製剤に基づいて患者の組織の酸素化を特徴付けるために使用することができ、少なくとも1つの検出器32によって検出された燐光強度は、患者の組織のpO2に反比例する。酸素による動的(衝突)消光は、(光化学ではなく)光物理的プロセスである。それは完全に可逆的であり、光学プローブを変更しないのでその吸収スペクトルに影響を及ぼさない。むしろ、ルミネセンス強度及びルミネセンス寿命の低下となる。強度(又は減衰時間)と酸素濃度([O2])との間の関係は、最も単純な形式のスターン・ヴォルマ方程式に反映される。
【0059】
【数1】
【0060】
ここで、F0及びFはそれぞれ、酸素の非存在下及び存在下におけるプローブの発光強度であり、τ0及びτはそれぞれ、酸素の非存在及び存在下におけるプローブの発光寿命であり、KSVはスターン・ヴォルマ定数プローブ及びその環境(ポリママトリックス、溶媒など)の寿命の関数であり、[O2]は、サンプル中の酸素濃度である。[O2](濃度)は、酸素分圧であるpO2に置き換えてもよい。
【0061】
光学式TCOMシステム20のいくつかの実施形態では、F0/F(又はτ0/τ)と酸素濃度との間に線形関係があり得る。スターン・ヴォルマプロット(SVP)は、発光強度又は減衰時間の何れかを測定することによって確立することができる。しかし、発光強度データは、光源の安定性の悪さ、透過光学系の効率の変動、検出器感度の変動、プローブの浸出及び光分解、不均一なプローブ分布、バックグラウンドルミネセンス及び迷光によって悪影響を受ける虞がある。これらの影響を補正するために、基準センサ(例えば、異なる波長で発光する不活性基準フルオロフォア)を使用することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、コントローラ44は、緑色発光と比較して赤色発光の比率を内部で分析して、患者の組織の酸素濃度を決定することができる。他の実施形態では、光TCOMシステム20は、少なくとも1つの検出器32から取得した発光結果を外部に伝達して外部で解析することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、光TCOMシステム20はディスプレイを備えることもできる。ディスプレイは、光TCOMシステム20によって決定された患者の組織の酸化を示すように構成することができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイを光学TCOMシステム20に取り付けることができ、他の実施形態では、光TCOMシステム20の外部に置いてよい。
【0064】
いくつかの実施形態では、光学式TCOMシステム20は、患者の内部組織と接触することができる移植可能なデバイスであり得る。他の実施形態では、光TCOMシステムの一部は移植可能であり、他の部分は患者の外部に留まる。他の実施形態では、光TCOMシステムは、外科処置中の酸素レベルを決定するために医療器具上に配置することができる。医療器具の非限定的な例はカテーテルであってよく、カテーテルの先端が光学的TCOMシステムを含んで、カテーテルの先端と接触している組織の酸素化を決定する。
【0065】
いくつかの実施形態では、光学TCOMシステム20は、患者が一定期間患者の組織上に光学TCOMを装着できるような使い捨て可能でよい。非限定的な例で、1~7日間の期間である。一定の時間が経過した後、患者は光TCOMシステム20を廃棄することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、光TCOMシステム20は、患者の組織の酸素化を連続的に監視し報告することができる。他の実施形態では、光学式TCOMシステム20は、酸素供給の読み取りをいつ行うことができるかを決定することができるオン/オフスイッチを含むことができる。他の実施形態では、光学式TCOMシステム20は、光学式TCOMシステム20が所定の時間間隔で酸素測定値を供給できるスケジュールされたサンプリングレートを有することができる。
【0067】
従って、本開示の利点は、較正が最小か又は無く、ユーザ訓練が最小限で、測定部位の加熱が無く、外因性薬剤の必要がなく、適用直後に組織酸素飽和度の読取りを得られるオールインワンの接着光学TCOMシステム20であり得る。
【0068】
従って、本開示の別の利点は、光学式TCOMシステム20が正常な皮膚温度で動作することができ、患者の移動性に制限を加えることなく装着することができることである。その汎用性の結果として、光TCOMシステム20は、ICUから外来診療まですべての臨床設定において現在のTCOMツールを置き換えることができる。光学式TCOMシステム20のいくつかの標的集団に、移植、再建、及び血管手術などの組織灌流及び生理学的機能の維持又は回復を求める手術を受けている患者、並びに慢性的な発症のリスクの高い患者に対する介入が含まれる。圧力及び糖尿病性潰瘍を予防するための微弱な灌流の検出から、手術室での重要な四肢の救済決定を行う際に外科医を助けるに至るまで、特に慢性的な傷害に苦しむ患者にこの技術が必要とされている。既存のTCOMデバイスは堅牢ではなく使いにくく熟練した技術者を必要とし1回の測定で30分以上かかる。この解法は、TCOMを患者のケアを改善するためにこれらの制限を克服し単純、簡単、正確にする。
【0069】
上記の患者群は、複数の設定を介して長期モニタリングを必要とするので、本開示の別の利点は、光学式TCOMシステム20がモニタリングプロセスにおける複数のセンサアプリケーションの必要性を低減できることである。患者が位置を変えたり設定で移動した場合でも、センサパッチとすることができる単一の光学式TCOMシステム20を貼り付けて完全に機能させることができる。このことは、現在のTCOMデバイスでは患者を動かす前にセンサを取り外し新しい測定値を取得する前に再度較正を行い較正を繰り返す必要があるために実現できない。この開示のさらなる利点は、病院スタッフの訓練又は再訓練が最小限しか必要の無いこと、病院スタッフによる組織酸素化データの取得に要する時間及び労力が削減されること、及び術後モニタリング中の高度に熟練した医師の関与の必要性が限られることである。既存のTCOMデバイスの実用性及び臨床医の知識を保持しながらTCOM技術を改善し使い易い置換光学TCOMシステム20を提供することにより、これらの利点が医療システムのコストを大幅に削減する。
【0070】
従って、本開示の別の利点は、生理学的酸素張力と同じ感度及びダイナミックレンジを示すシリコーンプラスチックセンサを使用して組織酸素化を首尾よく測定することである。これらのPDMSベースの材料は、接着剤で容易に働き、簡単な酸素感知パッチを提供することができる。感知分子の輝度及び可視赤色発光は、埋め込まれた光ファイバを介して又はセンサに直接結合されたLED/フォトダイオードインターフェースを介して電子的に検出することによって達成される単純化された酸素読み出しを可能にする。
【0071】
従って、本開示の別の利点は、そのアプリケーションを初期の患者内フォーカス集団を超えて拡張できる光学TCOMシステム20の多用途性であり得る。関心のある領域に、TCOM技術がもともと対象としていたものである新生児ケアユニットにおける酸素化のモニタリングがある。この特定の用途の利点により、新生児の敏感な皮膚に火傷を引き起こす可能性がある現在のTCOMデバイスを使用する場合に必要とされる組織加熱工程がなくせる。光TCOMシステム20は又、人工器官、車椅子に限定されたもの、又は寝たきりのベッドなど、移動性の問題を有する患者のための無線光学式TCOM pO2モニタリングを可能にすることができる。無線光学式TCOMシステム20は、患者を動かすことによって現在しかアクセスできない組織領域の監視を可能にすることができ、光学式TCOMシステム20は、長期間に亘る不動によって引き起こされる慢性状態の発症につながる可能性のある異常な酸素供給の初期徴候の予後指標となり得る。
【0072】
この開示の別の利点は、医師又は看護師が、配置されたTCOMを注文する必要がなくなり、技術者がデバイスを設定し較正し結果のためにさらに30分待つ必要がなくなるので、その代わりに光TCOMシステム20を組織上に配置し専用デバイス又は汎用デバイス又はスマートフォンのような多目的デバイスの何れかに直ちに報告を開始することができる。光TCOMシステム20は、皮膚に接着することができ、従って運動及び患者の動きに非感応であり酸素測定を直接的かつ堅牢にすることができる。このアプローチにより、一般的な患者の併存疾患による干渉、デバイス配置による問題、又は酸素供給読み出しを混乱させる環境条件が最小限に抑えられる。改善されたTCOMデバイスにより、より正確な情報を臨床看護師に提供し、意思決定の改善、患者転帰の改善、再入院の減少がもたらされる。
【0073】
本開示の別の利点は、より良好でより迅速なケアをもたらす組織酸素化を評価するためのより良いメカニズムであり、それは四肢を保存することと失うことの間の差であり得る。特に、糖尿病患者は、手足の慢性的な灌流が乏しく切断が必要な場合が多い。患者と臨床医は、機能と可動性を保持するためにできるだけ多くの組織を救済したいと考えていても切断の不完全な切断と再縫合は非常に罹患率が高い。救済と切断の適切なバランスを見つけることは、四肢の灌流と酸素供給に全面的に依存し虚血状態と慢性創傷で評価することはその悪名が知れ渡るほど困難である。現在使用されている計量-パルス量記録、ドップラー流量及び圧力測定、血管造影、及び毛細血管再充填とは異なり、新しい光学TCOMシステム20は血流の存在に頼るものではなく、これらの治療が困難な患者の組織状態を評価する。
【0074】
本開示の別の利点は、光学式TCOMシステム20が、臨床的、歩行可能、現場、さらには産業上のニーズにも対応する多数のアプリケーションを有することができることである。新生児モニタリング(特にSIDS)、ダイビング薬、レイノー病、強皮症などの領域の灌流、生存率、酸素飽和度を介護者が迅速に評価したいと考えるシナリオが、それしか挙げないもののいくつかある。優れた光TCOMシステム20を構築することにより、当社の新技術は、現在のTCOMデバイスの人為的な制限を超えて、酸素添加が病原性又は診断的役割を果たしているところまで、単純、簡単で正確な酸素測定を可能にする。
【0075】
本発明は、例示のために提示されたものであって限定するものではない以下の例においてさらに例示される。
【0076】
[例]
現在のスタンダード・オブ・ケアViOptixデバイスに対するポリマベースの酸素感知ペイント・オン製剤のバリデーション研究が行われた。乳房切除術及び乳房再建術後48時間、移植された組織フラップをモニタした臨床研究で検証を行った。
【0077】
感知製剤を作成するのに使用される酸素感知燐光体は、図2に示されるポルフィリン-デンドリマのパラジウム(Pd)含有型であった。感知包帯に用いられる基準色素は、FDA承認の緑色発光色素フルオレセインであった。酸素に敏感な蛍光体、参照色素、及び液体包帯(溶媒及びニトロセルロースを含む)を混合することによって、ペイント・オン製剤混合物を処方した。呼吸可能な透明フィルムドレッシングを感知製剤を覆うバリア層として使用し、感知包帯と室内空気との間の酸素交換を減少させた。電子閃光デバイスを使用して、酸素感知燐光体及び参照色素の両方の青色励起光(λex=385nm;70nm帯域幅)の短いパルスを供給した。検出包帯から発光された光を収集するためにCMOSカメラを使用した。酸素に敏感な燐光体の燐光は、「赤色チャネル」画像として捕捉された。参照色素を「緑色チャネル」として画像化した。カメラレンズの前にある赤色(λem=660nm;40nm帯域幅)と緑色(λem=525nm;30nm帯域幅)フィルタを切り替えることで、2つのチャネルで画像を取得した。
【0078】
図3において、左縦軸はStO2(%)の単位であり、右縦軸は全発光(赤色燐光+基準緑色蛍光)に対する赤色燐光の比の逆数である。図3のプロットは、本実施例の光ルミネセンス酸素感知製剤が、現在の標準治療ViOptixデバイスによって測定されたフラップ酸素化の低下及び回復を正確に反映し得ることを示す。
【0079】
従って、本発明は、酸素化モニタリング、特に光学的経皮酸素化モニタリングのシステム及び方法を提供する。
【0080】
本発明は、特定の実施形態を参照して詳細に説明されてきたが、当業者であれば、本発明が、説明目的のためであって制限するものでなく提示された説明された実施形態以外で実施され得ることを理解するであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本明細書に含まれる実施形態に限定されるべきではない。
図1
図2
図3