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特許7109380産業施設において改善措置を自動的に生成する方法およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】産業施設において改善措置を自動的に生成する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20220722BHJP
   G05B 19/418 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
G05B23/02 Z
G05B19/418 Z
【請求項の数】 39
(21)【出願番号】P 2018563170
(86)(22)【出願日】2017-06-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-12
(86)【国際出願番号】 US2017036013
(87)【国際公開番号】W WO2017210698
(87)【国際公開日】2017-12-07
【審査請求日】2020-06-04
(31)【優先権主張番号】62/345,717
(32)【優先日】2016-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513028038
【氏名又は名称】サンコーク テクノロジー アンド ディベロップメント リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン フランシス クアンチ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレ ブイ.カリーニン
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-135422(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0106310(US,A1)
【文献】国際公開第2014/043667(WO,A1)
【文献】特表平07-501746(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0026193(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
産業施設における望ましくないイベント発生の影響を緩和する方法であって、
第1のセンサから第1の入力を受け取るステップと、
少なくとも前記第1の入力に基づいて、初期動作を自動的に生成するステップと、
前記初期動作に応答して、第2のセンサから第2の入力を受け取るステップと、
それぞれが所定の範囲外にある少なくとも前記受け取られた第1および第2の入力に基づいて、望ましくないイベント発生の尤度を決定するステップと、
少なくとも前記決定された前記イベント発生の尤度に基づいて、前記イベント発生の影響を緩和するための改善措置を自動的に生成するステップであって、前記改善措置を生成することは、周囲の環境条件に一部は基づく、該ステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
改善措置を自動的に生成するステップは、産業施設内の運転プロセスのプロセスパラメータを変更するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プロセスパラメータを変更するステップは、運転プロセスを維持するステップ、または運転プロセスをシャットダウンするステップのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記改善措置を生成するステップは、リアルタイムで行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のセンサは第1のセンサセットを含み、前記第2のセンサは第2のセンサセットを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
改善措置を自動的に生成するステップは、第3の入力を生成するように構成された第3のセンサを作動させるステップを含み、前記方法はさらに、
前記第3のセンサから前記第3の入力を受け取るステップと、
前記以前に決定された前記イベント発生の尤度を更新するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記改善措置は第1の改善措置であり、前記方法はさらに、
少なくとも前記イベント発生の前記更新された尤度に基づいて、前記イベント発生の前記影響を緩和するために第2の改善措置を自動的に生成するステップを含むことを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
初期動作を自動的に生成するステップは、前記第2のセンサを作動させるステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
イベント発生の尤度を決定するステップは、前記イベント発生の前記影響を推定する視覚的表現を生成するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第1の入力を受け取るステップは、二酸化硫黄(SO2)、三酸化硫黄(SO3)、有機硫黄、硫酸(H2SO4)、硫化水素(H2S)、チオール、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、スモッグ、オゾン、揮発性有機化合物(VOC)、全炭化水素、アンモニア(NH3)、および/または塩酸(HCl)のうちの少なくとも1つの濃度の前記第1の入力を受け取るステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1または第2のセンサのうちの少なくとも1つが粒子状物質センサであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第1の入力を受け取るステップは、可聴ノイズを含むニューサンスの前記第1の入力を受け取るステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の入力は、臭気測定値を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
第2の入力を受け取るステップは、環境パラメータまたはプロセスパラメータのうちの少なくとも1つの前記第2の入力を受け取るステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記環境パラメータは、風向、風力、周囲温度、気圧、湿度、雨量指数、または熱指数のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記プロセスパラメータは、プロセス温度、機器スキン温度、プロセス圧力、不透明度測定値、機器動作状態、または酸素濃度のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第2の入力が、レーザ、分光法、または赤外線分析のうちの少なくとも1つを使用してカメラシステムから受け取られたプロセスパラメータのものであることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項18】
産業施設の外部にある二次発生源の第3の入力を受け取るステップと、
前記イベント発生の前記尤度に対する前記二次発生源の影響を決定するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のセンサおよび第2のセンサは互いに通信することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
イベント発生の尤度を決定するステップは、以前のイベント発生の情報と対応する第1および第2の入力とを有するデータベースにアクセスするステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記イベント発生の前記尤度は、少なくとも第1の尤度と第2の尤度とを含み、前記改善措置は、少なくとも第1の改善措置と前記第1の改善措置とは異なる第2の改善措置とを含み、前記第1の尤度は前記第1の改善措置を生成し、前記第2の尤度は前記第2の改善措置を生成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項22】
産業施設内の第1のセンサと、
前記産業施設内の第2のセンサと、
前記第1および第2のセンサと通信し、命令を有するコンピュータ可読媒体を有するプログラマとを備え、前記命令は実行されると、
前記第1のセンサからの第1の入力を受け取り、
少なくとも前記第1の入力に基づいて、イベント発生の尤度を決定するのを容易にする初期動作を自動的に生成し、
第2のセンサからかつ前記生成された初期動作に応答して、第2の入力を受け取り、前記第2の入力は、前記イベント発生の尤度の決定を容易にし、
それぞれが所定の範囲外にある前記受け取られた第1および第2の入力に基づいて、望ましくないイベント発生の尤度を決定し、
前記決定された尤度に基づいて、前記イベント発生の影響を緩和する改善措置を自動的に生成することであって、前記改善措置を生成することは、周囲の環境条件に一部は基づく、ように構成されたことを特徴とするシステム。
【請求項23】
改善措置を自動的に生成することは、リアルタイムで実施されることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記第1のセンサは第1のセンサセットを含み、前記第2のセンサは、前記第1のセンサセットと通信する第2のセンサセットを含むことを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
初期動作を自動的に生成することは、前記第2のセンサを作動させることを含むことを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項26】
前記第1の入力は、二酸化硫黄(SO2)、三酸化硫黄(SO3)、有機硫黄、硫酸(H2SO4)、硫化水素(H2S)、チオール、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、スモッグ、オゾン、揮発性有機化合物(VOC)、全炭化水素、アンモニア(NH3)、および/または塩酸(HCl)のうちの少なくとも1つの濃度を含むことを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項27】
前記第2の入力は、風向、風力、周囲温度、気圧、湿度、雨量指数、または熱指数のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項28】
前記第1または第2の入力のうちの少なくとも1つは、臭気の手動入力であることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項29】
前記第2の入力は視覚的指示の入力であることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項30】
前記第2の入力は聴覚的指示の入力であることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項31】
前記改善措置を生成するために使用される前記第1および/または第2の入力は、値を複数回平均化または超過した結果であることを特徴とする請求項22に記載のシステム。
【請求項32】
産業施設における望ましくないイベント発生を抑制する方法であって、
1つまたは複数の運転パラメータを使用して産業施設を運転するステップと、
所定の閾値を超える第1の入力を受け取るステップと、
少なくとも前記第1の入力を受け取るステップに基づいて、初期動作を自動的に生成するステップと、
前記初期動作の生成に応答して、第2の入力を受け取るステップと、
それぞれが所定の範囲外にある少なくとも前記受け取られた第1および第2の入力に基づいて、望ましくないイベント発生の尤度を決定するステップと、
前記望ましくないイベント発生の尤度を決定した後、前記産業施設における前記イベント発生を抑制するために、1つまたは複数のプロセスパラメータを更新させることを含む改善措置を自動的に生成するステップであって、前記改善措置を生成することは、周囲の環境条件に一部は基づく、該ステップ
を含むことを特徴とする方法。
【請求項33】
1つまたは複数のプロセスパラメータを更新するステップは、運転プロセスを現在の状態に維持するステップ、または運転プロセスのシャットダウンを開始するステップのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
1つまたは複数のプロセスパラメータを更新するステップは、リアルタイムで実施されることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の入力は第1のセンサを介して受け取られ、前記第2の入力は第2のセンサを介して受け取られ、前記方法は、
第3の入力を生成するように構成された第3のセンサを作動させるステップと、
前記第3のセンサを介して、前記第3の入力を受け取るステップと、
前記イベント発生の前記以前に決定された尤度を更新するステップと
をさらに含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項36】
少なくとも前記イベント発生の前記更新された尤度に基づいて、前記イベント発生の前記影響を緩和するために改善措置を自動的に生成するステップをさらに含むことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
初期動作を自動的に生成するステップは、前記第2のセンサを作動させるステップを含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項38】
前記第2の入力が、レーザ、分光法、または赤外線分析のうちの少なくとも1つを使用してカメラシステムから受け取られたプロセス条件のものであることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項39】
前記プロセスパラメータは、プロセス温度、機器スキン温度、プロセス圧力、不透明度の測定値、機器の動作状態、または酸素濃度のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の参照]
本出願は、2016年6月3日に出願された米国仮特許出願第62/345,717号の優先権の利益を主張し、その開示の全体は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本技術は、一般に、センサを使用して望ましくないイベントの発生の尤度を予測し、改善措置を自動的に生成することを対象とする。
【背景技術】
【0003】
コークスは、鋼の製造において鉄鉱石を溶融および還元するのに使用される固体炭素燃料および炭素源である。「トンプソンコークス化法」として知られる処理では、コークスは厳密に制御された大気条件下で約48時間密閉されそして非常に高い温度に加熱されたオーブンに微粉炭をバッチ供給することによって製造される。コークスオーブンは、石炭を冶金用コークスに変換するために長年使用されてきた。コーキング処理中に、微粉砕石炭を制御された温度条件下で加熱して石炭を脱揮し、所定の多孔率および強度を有する溶融コークス塊を形成する。ホットコークスは次にオーブンから冷却対象のコークスを急冷塔に搬送するホットカー内に押し出される。急冷されたコークスは傾斜コークス埠頭に排出され、そこで粉砕され、ふるいにかけられ、製品として現場外に輸送される。コークス製造工程全体を通して、様々な材料の排出物が一般的に生成される。例えば、急冷工程中に水蒸気が発生され、コークス押し出し工程中に粒子状物質が発生される。
【0004】
コーキング施設は一般に、鋼鉄、工業用ガス、蒸気、および様々な化学物質を製造するものを含む他の産業施設の近くの工業地域に配置されている。近隣の産業施設の産業的性質を考えると、これらの産業施設からの排出物は分散し、近くに位置する他の産業施設に移動することができる。例えば、産業施設の多くは天然ガスを燃焼させて、異なるプロセス流を加熱するために使用される排煙を形成する。天然ガス中に存在する硫黄は、排煙中に残ることができ、排煙スタック(stacks)を介して放出されることが多い。硫黄はまた、例えば急冷運転または埠頭運転のような他の処理段階の間に放出することができる。ある産業施設から放出された硫黄は、さまざまな形態で、別の産業施設に向かって、そして最終的には周辺の公共コミュニティに拡散することができる。不快な臭気特徴を有することがある分散は、公共コミュニティの個人によって知覚され、結果的にその地域の規制機関に対する苦情をもたらすことができる。当然のことながら、苦情を報告する個人は分散の原因を認識していないため、苦情は個人が最も認識している会社または施設が対象となる。そのような苦情はいかなるものでも発生するのを防ぐために、施設がイベントの実際の発生を防止するかまたはイベントの発生の影響を緩和することができるために、望ましくないイベントの発生の尤度をよりよく予測する必要がある。さらに、排出源を特定し、排出が特定の施設からのものではないことを一般市民に積極的に通知する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
好ましい実施形態を含む本発明の非限定的かつ非網羅的な実施形態は、以下の図面を参照しながら説明されるが、参照符号は、別段特定されない限り、様々な図を通して同様の部分を指す。
【0006】
図1】本技術の実施形態による、内部に複数の独立した産業施設を有する工業団地の図である。
図2】本技術の実施形態による、図1に示した産業施設の等角図である。
図3】本技術の実施形態による、産業施設におけるイベント発生の決定された尤度に基づいて改善措置を自動的に生成する処理を示すブロック図である。
図4A】本技術の実施形態による、産業施設におけるイベント発生の決定された尤度に基づいて改善措置を自動的に生成するための詳細を示すフローチャートである。
図4B】本技術の実施形態による、産業施設におけるイベント発生の決定された尤度に基づいて改善措置を自動的に生成するための詳細を示すフローチャートである。
図5】本技術の実施形態による、産業施設を運転するために使用される運転パラメータを自動的に更新するための詳細を示すフローチャートである。
図6】本技術の実施形態による、施設監視システムのスクリーンショットである。
図7】本技術の実施形態による、オペレータに表示される警告のスクリーンショットである。
図8】本技術の実施形態による、工業団地および二次発生源からの分散の予測モデルの図である。
図9】本技術の実施形態による、風速および風向に基づいて材料の分散を予測する概略図である。
図10】本技術の実施形態による、コークス処理施設のオーブンサイクル性能のスクリーンショットである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本技術は一般に、産業施設における1つまたは複数の望ましくないイベントの発生の影響を緩和することを容易にするために改善措置を自動的に生成する方法およびシステムを対象とする。本技術の一態様は、複数の入力を使用して、イベント発生の尤度を決定し、その尤度に基づいて改善措置を生成する。複数の入力が産業施設全体の様々な箇所に配置された複数のセンサを介して得られることができる。複数のセンサのうちの1つまたは複数は、互いに通信することができ、他のセンサからの入力に基づいて自動的に起動されることができる。起動しているおよび起動されたセンサの入力は、制御システムを介して受け取られ、望ましくないイベント発生の尤度を決定するために使用してよい。イベント発生の尤度に基づいて、制御システムは改善措置を自動的に生成することができ、この自動生成は望ましくないイベント発生の任意の原因を対象とすることができる。例えば、改善措置は、二次的発生源、環境的発生源、および/またはプロセス源を対象とすることができる。
【0008】
以下の表は、潜在的な臭気参照の説明および出所を提供する。本明細書の説明によれば、その他の工業的、環境的、化学的などの臭気の説明および出所は、本開示の範囲内であることを当業者は理解するであろう。
【0009】
【表1】

【0010】
本技術のいくつかの実施形態の具体的な詳細は、図面を参照して以下に説明される。本技術の様々な実施形態の説明を不必要に不明瞭にすることを避けるために、プッシャーシステム、装入システム、およびコークス炉に関連することが多い周知の構造およびシステムを説明する他の詳細は以下の開示に記載されていない。図面に示されている詳細、寸法、角度、空間的配向および他の特徴の多くは、単に本技術の特定の実施形態の例示にすぎない。したがって、他の実施形態は、本技術の精神または範囲から逸脱することなく他の細部、寸法、角度、空間的配向および特徴を有することができる。したがって、当業者は、本技術が追加の要素を有する他の実施形態を有してもよく、または図面を参照して以下に示され説明される特徴のいくつかを持たない他の実施形態を有してもよいことを理解するであろう。
【0011】
図1は、工業団地102、および工業団地に隣接する近隣の公共コミュニティ101の図である。工業団地102は、産業施設100と、施設100の近くに位置する二次工業施設104とを含む。本明細書で使用される用語「産業施設」は、広く解釈され、原料が使用可能な商品に変換される処理を行う任意の施設を含むことを意味する。例えば、産業施設は、コークス処理(例えば、熱回収および/または副生成物)、コークス在庫処理、鋼鉄処理、熱回収、化学処理、および/または同様の運転を行うプラントを含むことができる。産業施設はまた、工業用オーブン、炉、改質器、乾燥機、スタッカー、埠頭運転、急冷塔および同様の関連装置を有する任意のプラントを含むことができる。
【0012】
施設100は、施設100全体に配置され、施設100および/または二次産業施設104から生成される様々な物質を検出するように構成された複数のセンサを含むことができる。図2を参照して以下に詳細に説明されるように、センサは、検出された入力源が施設100または二次施設104から来たと思われるかを決定するために使用されることができる。それにより、入力源の決定は、望ましくないイベント発生の尤度を決定し、そのような事態を防ぐために改善措置を自動的に生成するために使用されることができる。
【0013】
図2は、本技術の実施形態による施設100の等角図である。施設100は、施設100全体の様々な点に配置された複数のセンサ202(202a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、l、m、nとして個々に識別される)を含む。各個々のセンサ202aから202nは、単一の場所にある単一のセンサまたは複数の異なるセンサを表すことができる。例えば、個々のセンサ202aは、総還元性硫黄(TRS)を検出することができる単一のセンサ、またはそれぞれ異なる化学物質および/または材料を検出することができる複数のセンサに対応することができる。いくつかの実施形態では、センサ202は施設100の周囲に戦略的に配置され、関心対象の材料ガスまたは化学物質を一般的に生成する施設100の特定の領域に隣接して配置してよい。例えば、図2に示す実施形態はコークス製造設備に対応し、ホットカーローディング204、急冷塔206、埠頭208、およびコークス炉装填/押し出し210などの領域を含む。このような実施形態において、センサ202は、これらの区域から発生する材料ガスまたは化学物質が確実に検出されるように、施設100のこれらの区域に隣接して配置してよい。センサ202は、それぞれ位置構成要素を含むことができ、したがって特定の材料の発生源を決定する手助けをすることができる。例えば、1つまたは複数のセンサが関心材料を検出すると、オペレータは、検出を報告しているセンサと検出を報告していない1つまたは複数のセンサとに基づいてその材料のありそうな発生源を識別できる。同様に、第2のセンサ上で材料が検出される時間に対する第1のセンサ上で材料が検出される時間は、材料の発生源および材料の分散パターンを示すことができる。また、センサ202は、関心材料の発生源が施設100内にあるのか、施設100の外部にあるか、および二次発生源(例えば、二次施設104)から得るのかを決定するために、施設100の周囲に戦略的に配置することができる。
【0014】
センサ202は、施設100の管理に関連する任意のパラメータを検出するために使用されることができる。例えば、センサ202は、プロセスパラメータ(例えば、プロセス温度、プロセス圧力、機器スキン温度、機器動作状態、不透明度、微粒子など)および/または環境パラメータ(風向、風力、周囲温度、大気圧、湿度、雨量指数、熱指数など)を検出することができる。センサ202はまた、分析器を含み、特定の材料またはTRS、有機硫黄、二酸化硫黄(SO2)、三酸化硫黄(SO3)、硫化水素(H2S)、硫酸(H2SO4)、チオール、一酸化窒素(NOX)、スモッグ、オゾン、揮発性有機化合物(VOC)、全炭化水素、鉛、アンモニア(NH3)、塩酸(HCl)および/または粒子状物質(PM2.5および/またはPM10)の化学物質濃度(ppb)を測定するように構成されることができる。センサ202はまた、雑音レベル(例えば、デシベル)および/または臭気などのニューサンスを検出するように構成されることができる。センサはまた、レーザ、分光法、および/または赤外線分析を使用し、例えば、不透明度またはスキン温度を検出するように構成された回転可能なカメラ212を含むことができる。カメラ212は、例えば、パルスレーザ光(例えば、LIDAR)および/または差分吸収分光法(DOAS)を使用することができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、センサ202の一部は、比較的恒久的に固定された静止センサとすることができ、他のセンサ202は可動とすることができる。例えば、可動センサ202は、ホットカーまたはオペレータ自身などの可動源に取り付けられることができる。他の実施形態では、施設は、センサ(例えば、センサ202n)が取り付けられた1つまたは複数の無人航空機(例えば、ドローン)214を含むことができる。図3および図4を参照して以下により詳細に説明するように、ドローン214および/またはセンサ202nは、経路216に沿って施設100を周回して追加の入力を提供するように起動し、構成されることができる。
【0016】
施設100はまた、各センサ202と通信する制御システム250を含む。いくつかある特徴の中で特に、制御システム250はセンサ202から入力を受け取るために使用され、オペレータが遠隔地からセンサ202を制御および/または起動することを可能にする。以下に説明される制御システム250および/または技術の多くの実施形態は、プログラマまたはプログラム可能なコンピュータによって実行されるルーチンを含むコンピュータ実行可能命令の形態をとってよい。制御システム250は、例えば、監視制御およびデータ取得(SCADA)システム、分散制御システム(DCS)、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、制御デバイス、およびコンピュータ実行可能命令を処理するように構成されたプロセッサの組合せも含んでよい。当業者は、本技術が本明細書に記載されたもの以外のコンピュータシステム上で実施できることを理解するであろう。この技術は、以下で説明される1つまたは複数のコンピュータ実行可能命令を実行するように特にプログラムされ、構成され、または構築された特殊用途のコンピュータまたはデータプロセッサで具現化することができる。したがって、本明細書で一般的に使用される「制御システム」および「コンピュータ」という用語は、任意のデータプロセッサを指す。これらのコンピュータによって取り扱われる情報は、CRTディスプレイまたはLCDを含む任意の適切なディスプレイ媒体に提示されることができる。
【0017】
図3は、産業施設におけるイベント発生の決定された尤度に基づいて自動的に改善措置を生成するための全体的なプロセス300を示すブロック図である。全体プロセス300は、第1のセンサから第1の入力を受け取ることを含む(ブロック302)。第1のセンサは、図2を参照して前述したセンサ202aから202nのうちの1つまたは複数を含むことができる。第1の入力は、プロセスパラメータ、環境パラメータ、化学薬品濃度および/またはニューサンスを含む、図2を参照して上述したパラメータのうちの任意のものを含むことができる。第1の入力を受け取ることは、制御システム250を介して実行してよい。さらに、後続の動作を実行するために(例えば、初期動作を生成し、イベント発生の尤度を決定し、改善動作を生成するためになど)制御システム250によって使用される第1の入力は、1つまたは複数の入力の平均化またはモード選択(即ち、3回の投票選択のうちの2回)の結果であってよい。さらに、制御システム250は、入力が複数回値を超過した後にのみ入力を使用するようにプログラムされてもよい。例えば、10ppbを超過するH2S濃度は、10ppbを超過する読み取り値が複数回受け取られない限り、実際には制御システムによって使用されないこともある。
【0018】
プロセス300は、第1の入力に基づいて初期動作を自動的に生成することをさらに含む(ブロック304)。初期動作は、1つまたは複数の第2のセンサ(例えば、個別センサ202aから202nのうちの1つまたは複数のセンサおよび/またはカメラ212)を作動させることを含むことができる。本明細書で使用される1つまたは複数の第2のセンサを作動させることは、それらのセンサからの入力が制御システム250によって受けとられて使用され始めることを意味すると解釈されるべきである。センサがまだ起動される前に、制御システム250は第2の入力を受け取り、第2の入力の値をキャプチャすることができる。しかしながら、センサが起動されるまで、制御システム250は、例えば、以下でさらに詳細に説明されるように、イベント発生の尤度を決定するために第2の入力を使用しなくてもよい。初期動作はまた、1つまたは複数の第2のセンサに取り付けられている別個の機器(例えば、ドローン214)を作動させることを含むことができる。初期動作はまた、臭気、視覚、または聴覚の指示を含む手動読み取りを実施するようにオペレータに通知することも含むことができる。例えば、所定の範囲外の検出されたH2S濃度の第1の入力に対して、初期動作は、近くの区域で臭気試験を実施するようにオペレータに通知することを含むことができる。別の例では、方法9認定(視覚的不透明度)の訓練を受けたオペレータは、視覚的不透明度チェックを実行し、その結果を手動で制御システム250に入力するように通知されることができる。
【0019】
プロセス300はさらに、初期動作に応答して第2のセンサから第2の入力を受け取ることを含む(ブロック306)。第2のセンサは、図2を参照して前述したセンサ202のうちの1つまたは複数を含むことができる。第2の入力のタイプおよび処理(例えば、平均化、モード選択、値の超過など)は、プロセスパラメータ、環境パラメータ、化学物質濃度および/またはニューサンスを含む、図2を参照して上述したパラメータのいずれかを含むことができる。第2の入力を受け取ることは、制御システム250を介して行うことができる。
【0020】
プロセス300はさらに、受け取られた第1および第2の入力に基づいて望ましくないイベントが発生する尤度を決定することを含む(ブロック308)。以下でさらに詳細に説明されるように、イベント発生の尤度は、コンピュータ生成確率および/またはオペレータに提示される警告レベルとすることができる。例えば、尤度は、改善措置を取るべきか否かを決定するのに役立つ2つ以上のレベル(例えば、低レベルの尤度、中レベルの尤度、および高レベルの発生の尤度)を含むことができる。イベント発生は、パブリックコミュニティに対する苦情、および/または苦情の原因である任意のプロセス条件(例えば、機器のシャットダウンまたはプロセスのシャットダウン)、ニューサンス、または環境条件(例えば、臭気知覚)とすることができる。
【0021】
決定されたイベント発生の尤度に基づいて、制御システム250はまた自動的に改善措置を生成することができる(ブロック310)。このように、第1の決定された尤度は第1の改善措置をもたらし、第1の決定された尤度とは異なる第2の決定された尤度は第1の改善措置とは異なる第2の改善措置をもたらすことができる。図4Aおよび図4Bを参照して以下にさらに詳細に説明されるように、改善措置は、イベント発生の尤度を減少すること、イベント発生の1つまたは複数の影響を緩和すること、またはイベント発生の尤度をさらに理解することが対象とされることができる。例えば、改善措置は、イベント発生の尤度をより正確に決定するために第3のセンサを作動させて第3の入力を生成することを含んでよい。そのような実施形態では、イベント発生の更新された尤度が次に決定され、別の改善措置が自動的に生成してよい。改善措置はまたリアルタイムでも生成される。本明細書で使用される「リアルタイム」という用語は、即座にと解釈されるべきではない。むしろ、「リアルタイム」という用語は「著しい遅延なしに」を意味すると解釈されるべきである。上記で使用されている状況では、リアルタイムで生成される改善措置は、イベント発生の尤度が大幅に変更され、生成された改善措置が古くて使用されなくなる前に改善措置が生成されることを意味する。特に、あるシナリオでの改善措置は、別のシナリオでのイベント発生と同じになる可能性がある。例えば、あるシナリオでの改善措置は、TRSの放出を停止し、パブリックコミュニティからの苦情が発生しないようにするためにプロセスを停止することであってもよい。別のシナリオでは、改善措置は、シャットダウン(shutdown)のイベント発生を防ぐためのターンダウン(turndown)動作であってよい。改善措置には、プロセスを現在の動作状態に維持することも含まれる。例えば、第1の入力が、特定のオーブンのスキン温度(例えば、冠頂温度)が通常よりも高温であることを示す場合、制御システム250は、オーブンを押圧して通常手順通りに進行する代わりに、オーブンをその現在の動作状態に保持してよい。
【0022】
図4Aおよび図4Bは、産業施設におけるイベント発生の決定された尤度に基づいて自動的に改善措置を生成するための追加の詳細を含むプロセス400を示す。プロセス400は、プロセス300と多くの同一の特徴およびステップを含む。例えば、プロセス400は、第1の入力402を受け取り、第1の入力が所定の範囲外であるか否かを決定することによって開始する(ブロック404)。第1の入力が所定の範囲外でない場合、制御システム250は異常状態が存在しないと仮定することができ、プロセス400は追加の第1の入力を受け取ることに戻る。第1の入力が所定の範囲外である場合、制御システム250は次に、第1の入力が望ましくないイベントの発生につながることができるか否かを決定する(ブロック406)。第1の入力が望ましくないイベントの発生につながることができるか否かを決定することは、第1の入力がイベントの発生にどれほど密接に関連しているかに基づいてもよい。例えば、イベントの発生が硫黄の臭気知覚であり、第1の入力が所定の範囲外のH2Sの濃度である場合、第1の入力は、臭気知覚につながることができる入力として分類される可能性が高い。しかし、第1の入力が所定の範囲外の風力である場合、第1の入力は、硫黄臭知覚のイベント発生につながる入力として分類されないことが高い。そのため、入力が特定の望ましくないイベントの発生につながることができるか否かの決定は、各入力に対して定義される。さらに、入力は潜在的に異なるイベント発生をもたらす可能性があるため、各入力に対するこの決定は、各イベント発生に対して定義されるべきである。
【0023】
第1の入力が問題のイベント発生に至らないと制御システム250が決定した場合、プロセス400は追加の第1の入力を受け取ることに戻る。制御システム250が、第1の入力が問題のイベント発生につながることができると決定した場合、プロセスは先に進んで自動的に初期アクションを生成する(ブロック406)。例えば、第1の入力が所定の範囲外である場合、施設内に異常状態が存在し得、制御システム250は、なぜ第1の入力が所定の範囲外であるのかをよりよく理解するために初期動作を自動的に生成してよい。このように、初期動作により、制御システムは第2の入力を受け取る(ブロック410)。第2のセンサからの第2の入力は、第1のセンサからの第1の入力が所定の範囲外になった理由についての施設の理解を深めることができます。制御システム250は、一組の予めプログラムされた規則に基づいて、どの第2のセンサが第2の入力を提供するかを決定する。例えば、所定の範囲外の検出されたH2S濃度の第1の入力に対して、制御システム250は、いくつかの実施形態では、異常な検出H2S濃度の原因の特定を容易にする第2の入力を受け取る命令を有してよい。そのような実施形態では、受け取られた第2の入力は、断続的に動作する1つまたは複数の機器(例えば、炉、オーブン、急冷塔、埠頭運転など)の動作状態であってよい。他の実施形態では、制御システム250は、第1の入力が所定の範囲外にあることによって引き起こされる他の潜在的な問題につながることがあるか否かを決定することを容易にする第2の入力を受け取る命令を有してよい。そのような実施形態では、受け取られた第2の入力は、例えば、第1の入力を施設の他の領域または施設の外部の領域に分散させることができる風向または風速であってよい。
【0024】
受け取った第1および第2の入力に基づいて、制御システム250は次にイベント発生の尤度を決定する(ブロック412)。前述のように、イベント発生の尤度は、オペレータに提示される警告レベルとすることができる。尤度レベルの決定は、制御システム250に手動でプログラムされた規則のセットに基づくことができる。例えば、第1および第2の入力がそれぞれの所定の範囲外にあり、以前にイベント発生をもたらしていた場合、制御システム250は、イベント発生のより高い尤度レベルを推奨する命令を有してよい。そのような実施形態では、制御システム250は、特定の第1の入力、第2の入力、およびイベント発生を互いに相関させる履歴結果を有するデータベースにアクセスしてよい。このデータベースは、特定のイベントが発生した後または発生しなかった後に、制御システムによって自動的に更新することができる。例えば、特定の第1の入力および第2の入力がイベント発生につながらない場合、このイベント発生の欠如を捉えるデータポイントはデータベースに格納され、将来の同様のシナリオにおいてイベント発生の尤度をより正確に決定するために使用することができる。
【0025】
イベント発生の尤度が一度決定されると、制御システム250は次に尤度が所定のレベル未満であるか否かを決定する(ブロック414)。所定のレベルは、イベント発生ごとに手動で設定されることができ、イベント発生の影響に基づいてもよい。イベント発生の影響が、結果としてかなりの量のダウンタイムにつながりるプロセス停止である場合は、イベント発生を防止するため、またはイベント発生の影響を緩和するための措置を講じるために所定のレベルが比較的低くなる。しかし、イベント発生の影響が比較的小さい場合、所定のレベルは比較的高くなるので、不必要な改善措置は回避される。イベント発生の尤度が所定のレベル未満の場合、プロセス400は追加の第2の入力を受け取ることに戻る。イベント発生の尤度が所定のレベル未満ではない場合、プロセス400は次に尤度の原因を決定する。
【0026】
プロセス400は次に、イベント発生の尤度が二次発生源によって引き起こされるか否かを決定する。二次発生源は、施設100によって生成されない任意の化学物質、材料または状態を含む。図1に戻って参照すると、二次発生源104から生成される任意の材料は、二次発生源とみなされる。例えば、近隣の石油精製所や、製品を輸送している列車やトラックが二次発生源になることがある。そのような例では、二次発生源からの入力を検出するセンサは、その入力を生成することができる施設100内の任意の発生源が実際に動作しているか否かなど、他の入力に基づいて検出された入力の発生源が二次であるか否かを直ちに決定できる。イベント発生の決定された尤度が少なくとも部分的に二次発生源によって引き起こされる場合、二次発生源を対象とする改善措置が生成される。一例として、この種の改善措置は、二次施設104から生成された材料が検出されたことを二次施設104に自動的に通知することを含むことができる。別の例では、改善措置は、材料が検出されたが施設100はその材料の発生源ではないことを地域の規制機関またはパブリックコミュニティ101に自動的に通知することを含むことができる。
【0027】
改善措置が一度生成されると、またはイベント発生の尤度が二次発生源に起因しないと制御システム250が決定する場合、プロセス400は、イベント発生の尤度が環境条件に起因するか否かを決定する(ブロック420)。環境条件は、例えば危険な化学流出物または危険物質の放出などの、施設100内および非プロセス条件によって引き起こされる任意の条件を含むことができる。イベント発生の尤度が少なくとも部分的に環境条件に起因すると制御システム250が決定する場合、制御システム250は、イベント発生の尤度を減少させるかまたは環境条件によって引き起こされるイベント発生の影響を緩和することを目的とした改善措置を自動的に生成することができる。例えば、第1の入力がH2S濃度で、第2の入力が強い風力であり、環境条件が危険な化学物質の流出である場合、流出物が人体に害を及ぼさないようにするために、化学物質の流出を制限し、流出を阻止し、またできるだけ早急に化学流出物を安全に清掃することにより化学物質の流出の影響が緩和されることができる。このように、改善措置は、すべての人員にその特定の区域を避けて、流出物を安全に片付けるために会社のプロトコルに従って詳細な指示を提供するように知らせることができる。特に、改善措置は自動であるため、リアルタイムで生成されることができる。
【0028】
改善措置が生成されるか、またはイベント発生の尤度が環境条件によって引き起こされたものではないと制御システム250が決定する場合、プロセス400は、イベント発生の尤度がプロセス条件によって引き起こされるか否かを決定する(ブロック424)。プロセス条件は、製造および最終製品を製造するために使用される使用済み原料の製造、流通または処理に関する任意の条件を含むことができる。例えば、コーキング施設では、プロセス条件は、例えば、急冷、鉄道車両によるコークス輸送、埠頭運転などを含むことができる。制御システム250が、尤度がプロセス条件によって少なくとも部分的に引き起こされていると決定する場合、制御システム250は、プロセス条件によって引き起こされるイベント発生の尤度を減少させること、および/またはプロセス条件の影響を緩和することを目的とした改善措置を自動的に生成することができる。例えば、第1の入力がH2S濃度であり、第2の入力が強い風力であり、かつプロセス条件が急冷を含む場合、制御システム250は、改善策を生成することによってイベント発生(例えば、臭気知覚)の尤度を急冷対象とする改善措置(例えば、急冷運転を中断する)を発生することによって減少することができる。
【0029】
プロセス400はさらに、イベント発生を緩和またはその影響をさらに緩和するために追加改善措置を講じることができるか否かを決定することを含む(ブロック428)。例えば、制御システム250が、イベント発生の1つまたは複数の影響をさらに緩和することができる、既に講じられた措置以外の改善措置を識別すると、制御システム250はそれらの追加改善措置を生成することができる(ブロック430)。追加改善措置を識別するこのプロセスループは、イベント発生の影響を緩和するためにいかなる追加改善措置も講じることができないと制御システム250が決定するまで継続する。
【0030】
使用時には、プロセス400は、様々な動作時間およびパラメータから施設100全体の入力を経時的に収集し、入力と望ましくないイベント発生(例えば、パブリックコミュニティからの苦情)との間の相関関係を作成することができる。例えば、制御システム250は、施設を数ヶ月または数年稼動させた後で、風向と苦情との間に強い相関があると決定し得、したがって、設備100が特定の風向の間に作動する速度に影響を及ぼしてイベント発生を減少させてよい。同様の相関関係は、例えば埠頭イベントと苦情との間で決定してよい。より具体的には、ホットスポット(hot spots)、煙および/または炎の場合などの、苦情と埠頭イベントの特定の側面との間の相関関係もまた決定してよい。他の実施形態では、より多くの人々が窓の外にいるかまたは窓が開いているために、苦情と周囲温度との間に正の相関関係(即ち、温度が上昇するにつれてより多くの苦情)が存在してよい。この間、施設100は、運転を停止するか、または所定の範囲外にある入力に対してより敏感になるように選択してよい。これらの相関関係は、施設の場所、施設内の機器の場所(例えば、パブリックコミュニティに対する)、運転パラメータ(例えば、プロセス温度)、および環境パラメータ(例えば、風向および風速)に応じて施設ごとに異なる。したがって、本技術の特徴は、様々な入力と望ましくないイベント発生との間の相関関係を識別して、特定の施設100がイベントの発生前にイベント発生の尤度をより良く予測するのを手助けすることである。
【0031】
本技術の態様は、所定の範囲外にある第1および第2の入力に反応し、それらの第1および第2の入力に基づいて、実際に発生する前に望ましくないイベントの尤度を自動的に予測することである。次に図5を参照すると、プロセス500は、プラントを運転するために使用される運転パラメータのうちの1つまたは複数を自動的に更新することによってイベント発生の尤度を予防的に減少させる方法を示す。プロセス500は、1つまたは複数の運転パラメータを使用して施設(例えば、施設100)を運転させることによって開始される(ブロック502)。施設100およびプロセスが一般的な定常状態にあると仮定すると、プロセス500は所定の範囲外の第1の入力を受け取る(ブロック504)。制御システム250が1つまたは複数の運転パラメータを更新するためには、第1の入力を所定の範囲外にする原因となった発生源を理解することが有益である。ソースが既に知られている場合、制御システム250は、第1の入力を所定の範囲外にさせる原因となった既知の発生源を対象とする改善措置を生成することができる。発生源が未知である場合、制御システム250は、第1の入力を所定の範囲外にさせる原因となった発生源を特定するための初期動作を生成することができる(ブロック510)。前述のように、この初期動作は第2のセンサを作動させることを含むことができ、この結果制御システムによって受け取られる別の入力(例えば第2の入力)を生成することができる(ブロック512)。受け取られた第1および第2の入力に基づいて、制御システム250は、第1の入力を所定の範囲外にさせた原因が分かっているか否かを再び決定する(ブロック514)。発生源が分かっている場合、制御システム250はイベント発生の尤度を決定することができる(ブロック516)。図4を参照して上述したプロセス400と同様に、制御システム250は次に、イベント発生の尤度が所定のレベルを下回るか否かを決定する。尤度が所定のレベルを下回る場合、制御ループは終了し、1つまたは複数の運転パラメータは更新される必要がない。尤度が所定のレベルを下回っていない場合、1つまたは複数の運転パラメータが更新され(ブロック520)、プロセス500は、1つまたは複数の更新されている運転パラメータに応答して変化したイベント発生の尤度の再決定に戻る。
【0032】
図6は、本技術の実施形態による施設監視システム600のスクリーンショットである。施設監視システム600は、制御システム250によって受け取られた様々な入力を例えばオペレータに表示する。施設監視システム600は、TRS、PM、VOC、NH3の入力、および施設機器の運転状態(例えば、急冷塔北(ops状態)610および急冷塔南(ops状態)612)を含むことができる。これらの入力のそれぞれは、その分野の1つまたは複数のセンサに対応し、1つまたは複数の入力が所定の範囲外になったときに作動する所定の警報限界(例えば、TRS警報622、PM警報624およびVOC警報626)を含む。施設監視システム600はまた、風向、風速、日射温度、大気圧、降雨量指数、および相対湿度などのパラメータを含む気象データチャート616を含む。所定の範囲外の値を有するこれらのパラメータは、表示617でフラグが立てられる。いくつかの実施形態において、これらの表示は、第1の入力が受け取られた後に所定の範囲外である場合にのみ存在する。図6に示す実施形態では、監視システム600は、時間単位の平均、TRSの最大値および最小値、ならびに設定時間内に所定の限界を超えた回数を含む入力を有する臭気出力テーブル614も含むことができる。時間単位の平均および所定の限度を超えた回数を監視することが、制御システム250およびオペレータがイベント発生の尤度を予測するために使用するためのより信頼性の高いデータポイントを作成する。施設監視システム600はまた、センサ入力の概略図を介してデータを管理すること含むことができる。例えば、図6に示す実施形態は、TRS入力602に対応するTRS管理図618を含む。いくつかの実施形態では、オペレータは異なる入力ボックスをクリックすることができ、制御システム250は選択入力に関する管理データを表示する。図6に示す実施形態はまた、気象データ616に概ね対応する気象概略図620も含む。例えば、概略図は、矢印628の方向によって表される風向と、風向の長さによって表される風速とを含む。矢印628(矢印628の長さは風速が減少するにつれて減少し、風速が増加するにつれて増加する)。概略図は、所定の範囲外の入力を有する1つまたは複数のセンサ630の位置表示も含むことができる。図6に示す実施形態では、1つまたは複数のセンサ630の位置表現は、施設100の北東領域にある。
【0033】
図7は、施設監視システム上でオペレータに表示される異なるレベルの警告のスクリーンショットである。図3を参照して前述したように、イベント発生の尤度は、コンピュータ生成確率および/またはオペレータに提示される警告レベルとすることができる。図7に示す実施形態は、イベント発生の異なる尤度を表す複数レベル(即ち、度合い)の警報レベルを示す。例えば、異なるレベルは、「注意-レベル1」警告702、「注意-レベル2」警告706、「警報-レベル3」警告714、および「危険-レベル4」警告720を含むことができる。各警告702、708、714、720は、警告レベル(即ち、704、710、716、722)の視覚的表示と、イベント発生の尤度(即ち、706a、712a、718a、724a)を含む記述と、尤度が生成された理由を説明する入力の詳細(即ち、706b、712b、718b、724b)とを含む。例えば、風向が130~170°の間であり、ベースラインより上の1~2ppbの測定されたTRS濃度があったので、警告レベル1 702の低尤度706aが生成された。別の例として、風向が180~240°であり、20ppbを超える測定されたTRS濃度があったため、警告レベル4 720の高い尤度724aが生成された。この実施形態では、パブリックコミュニティ(即ち、パブリックコミュニティ101)がこの方向に位置しているため、180~240°の間の風向は重要であってよい。
【0034】
図8は、本技術の実施形態による、工業団地802および二次発生源からの材料分散の予測モデルの図である。工業団地802は、図1を参照して説明した工業団地102に対応することができる。工業団地802は、産業施設800、近隣のパブリックコミュニティ801、および産業施設800中には存在しない複数の発生源802、804、806、808、810を含む。発生源802、804、806、808、810のそれぞれは、産業施設800上を移動することができる放出物をそれぞれ生成することができる。図8の実施形態に示されるように、材料のプルーム804は、発生源(802、804、806、808、810)から形成することができ、例えば、風速および/または風向などの様々な要因に応じて、工業団地802の他の領域に向かってゆっくりと分散する。材料ガスの推定分散814のコンピュータベースの画像814は生成され、オペレータに対して表示されることができる。推定分散814は、近隣のコミュニティのメンバーからの苦情など、イベント発生の尤度を決定する手助けとなることができる。制御システム250は、推定分散814に関連するデータを使用して、もしあれば、とるべき改善措置を決定することができる。そのような例では、改善措置は、プルーム812が工業団地802内で解放されたことを近隣のコミュニティに通知することであってもよい。改善措置はまた、産業施設800がプルーム812の発生源ではないことを近隣のコミュニティ101に通知することを含んでもよい。したがって、制御システム250は、第1および第2の入力(即ち、検出されたH2S濃度、風速、風向など)に応答して自動的に改善措置を生成する(即ち、近隣のコミュニティ801に通知する)ことにより、イベント発生の尤度(即ち、近隣コミュニティからの苦情)を減少することができる。
【0035】
図9は、設定された期間(例えば、1ヶ月、1年など)にわたって風速902と風向904とを相関させるウィンドローズ900である。ウィンドローズ900は、前述のように、イベント発生の尤度の決定を容易にするために使用されることができる。ウィンドローズ900は、駅910で体感した風の約16%が直接北東方向であったことを示す風部分906を含む。より具体的には、風の約2~3%が風速0.5~2.1m/sで北東方向にあり、風の約9%が風速2.1~3.6m/sで北東方向にあったであり、風の約4%は3.6-5.7の風速で北東方向に向かっていた。このデータは、より正確な予測モデルを生成するために使用できる風速と風向に関する過去の結果を作成する。例えば、2017年6月、2016年6月、2015年6月のウィンドローズは、2018年6月の予測モデルを生成するために使用されることができる。使用に際し、これらの予測モデルをその後使用して、望ましくないイベント発生の尤度をよりよく予測し、イベント発生を防止するための改善措置を講じることができる。図9に示す予測モデルは風向および風速に関するものであるが、本明細書に記載の他の任意の環境またはプロセスパラメータについても同様の予測モデルが生成されることができる。
【0036】
図10は、本技術の実施形態による施設100のオーブンサイクル性能チャート1000のスクリーンショットである。オーブンサイクル性能チャート1000は、特定のオーブンバンク1009の個々のオーブン1008に対する、プロセスパラメータ1002および入力を含む。各オーブン1008に対する入力は、温度、サイクル時間、コークス時間、装填重量、平均通風量および平均酸素を含むことができる。チャート1000はまた、各プロセスパラメータ1002について目標値1004内のオーブンのパーセンテージを含む。チャート1000の各入力は、それが目標値を満たしているか、目標値を超過しているか、超過していないか、または「機器故障」を経験している否かに従って陰影を付けられる。例えば、「終了プッシャ側温度」プロセスパラメータの場合、第1の入力1010は1800°Fの目標値を満たし、第2の入力1012は1800°Fの目標値を満たしていない、または超過しており、第3の入力1014は「機器故障」を経験している。
【0037】
使用に際し、オーブンサイクル性能は、全体的なプロセスおよび個々のオーブンがどれほどうまく機能しているかの視覚的スナップショットをオペレータに提供する。オーブンサイクル性能チャート1000によって取り込まれた入力は、上述のように第1および第2の入力としても機能することができ、イベント発生および改善措置の尤度を生成するために使用することができる。例えば、目標値を満たさないかまたは目標値を超過していない入力(例えば、第2の入力1012)または失敗を経験している入力(例えば、第3の入力1014)は、しばしば臭気、煙(即ち、不透明度)、およびPMがすぐに問題になることの先行指標となる。したがって、これらの入力(例えば、第2の入力1012、第3の入力1014など)は、上述のプロセス300、プロセス400、および/またはプロセス500に対する第1の入力として機能してよい。これらの第1の入力に基づいて、制御システム250は、第2のセンサ(例えば、202a~202nのうちの1つまたは複数)を起動し、1つまたは複数の第2の入力を受け取ってイベント発生の尤度を決定し改善措置を生成することを促進してよい。
【0038】
本開示は、網羅的であること、または本技術を本明細書に開示された通りの形態に限定することを意図するものではない。本明細書では例示目的で特定の実施形態を開示しているが、当業者が理解するように、本技術から逸脱することなく様々な同等の変更ができる。場合によっては、本技術の実施形態の説明を不必要にあいまいにすることを避けるために、周知の構造および機能は、詳細に図示および/または説明されていない。本明細書では方法のステップを特定の順序で提示してよいが、代替の実施形態では、ステップは他の適切な順序を有してもよい。同様に、特定の実施形態の文脈において開示された本技術の特定の態様は、他の実施形態において組み合わされるかまたは排除してよい。さらに、特定の実施形態に関連する利点がそれらの実施形態の文脈で開示されているかもしれないが、他の実施形態もそのような利点を示すことができ、またすべての実施形態がそのような利点または本明細書に開示された他の利点が本技術の範囲の中にあることを示す必要はない。したがって、この開示および関連技術は、本明細書に明示的に図示および/または記載されていない他の実施形態を包含することができる。
【0039】
本開示を通して、単数形の言葉「ある」、「1つの」、「前記」は、文脈が明らかにそうでないと示さない限り、複数の指示対象を含む。同様に、単語「または」が、2つ以上の項目のリストに関して他の項目から排他的な単一の項目のみを意味するように明示的に限定されない限り、そのようなリストにおける「または」の使用は、(a)リスト内の単一の項目、(b)リスト内のすべての項目、または(c)リスト内の項目の任意の組み合わせを含むものとして解釈されるべきである。さらに、「含む」などの用語は、本開示全体を通して、任意のより多くの同じ特徴および/または1つまたは複数の追加の種類の特徴が除外されないように少なくとも列挙された特徴を含むことを意味するために使用される。本明細書では、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「垂直方向」、および「水平方向」などの方向に関する用語を使用して、様々な要素間の関係を表現および明確化してよい。そのような用語は絶対的な方向を意味するものではないことを理解されたい。本明細書における「一実施形態」、「実施形態」、または同様の明確な語句に対する言及は、実施形態に関して説明された特定の特徴、構造、動作、または特性が本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれることができることを意味する。したがって、本明細書におけるそのような句または語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を参照しているわけではない。さらに、様々な特定の特徴、構造、動作、または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせてよい。
【0040】
実施例
以下の実施例は本技術のいくつかの実施形態の例である。
【0041】
1.産業施設における望ましくないイベント発生の影響を緩和する方法であって、
第1のセンサから第1の入力を受け取るステップと、
第1の入力に少なくとも部分的に基づいて、初期動作を自動的に生成するステップと、
初期動作に応答して、第2のセンサから第2の入力を受け取るステップと、
受け取られた第1および第2の入力に少なくとも部分的に基づいて、望ましくないイベント発生の尤度を決定するステップと、
決定されたイベント発生の尤度に少なくとも部分的に基づいて、イベント発生の影響を緩和するための改善措置を自動的に生成するステップと
を含む方法。
【0042】
2.改善措置を自動的に生成するステップは、産業施設内の運転プロセスのプロセスパラメータを変更するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【0043】
3.プロセスパラメータを変更するステップは、運転プロセスを維持するステップ、または運転プロセスをシャットダウンするステップのうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【0044】
4.改善措置を生成するステップは、リアルタイムで行われる、請求項1に記載の方法。
【0045】
5.第1のセンサは第1のセンサセットを含み、第2のセンサは第2のセンサセットを含む、請求項1に記載の方法。
【0046】
6.改善措置を自動的に生成するステップは、第3の入力を生成するように構成された第3のセンサを作動させるステップを含み、方法はさらに、
第3のセンサから第3の入力を受け取るステップと、
以前に決定されたイベント発生の尤度を更新するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【0047】
7.改善措置は第1の改善措置であり、方法はさらに、
イベント発生の更新された尤度に少なくとも部分的に基づいて、イベント発生の影響を緩和するために第2の改善措置を自動的に生成するステップを含む、請求項6に記載の方法。
【0048】
8.初期動作を自動的に生成するステップは、第2のセンサを作動させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
【0049】
9.イベント発生の尤度を決定するステップは、イベント発生の影響を推定する視覚的表現を生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【0050】
10.第1の入力を受け取るステップは、二酸化硫黄(SO2)、三酸化硫黄(SO3)、有機硫黄、硫酸(H2SO4)、硫化水素(H2S)、チオール、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、スモッグ、オゾン、揮発性有機化合物(VOC)、全炭化水素、アンモニア(NH3)、および/または塩酸(HCl)のうちの少なくとも1つの濃度の第1の入力を受け取るステップを含む、請求項1に記載の方法。
【0051】
11.第1または第2のセンサのうちの少なくとも1つが粒子状物質センサである、請求項1に記載の方法。
【0052】
12.第1の入力を受け取るステップは、可聴ノイズを含むニューサンスの第1の入力を受け取るステップを含む、請求項1に記載の方法。
【0053】
13.第2の入力は、臭気測定値を含む、請求項1に記載の方法。
【0054】
14.第2の入力を受け取るステップは、環境パラメータまたはプロセスパラメータのうちの少なくとも1つの第2の入力を受け取るステップを含む、請求項1に記載の方法。
【0055】
15.環境パラメータは、風向、風力、周囲温度、気圧、湿度、雨量指数、または熱指数のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【0056】
16.プロセスパラメータは、プロセス温度、機器スキン温度、プロセス圧力、不透明度測定値、機器動作状態、または酸素濃度のうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の方法。
【0057】
17.第2の入力が、レーザ、分光法、または赤外線分析のうちの少なくとも1つを使用してカメラシステムから受け取られたプロセスパラメータのものである、請求項13に記載の方法。
【0058】
18.請求項1に記載の方法であって、
産業施設の外部にある発生源の第3の入力を受け取るステップと、
イベント発生の尤度に対する二次発生源の影響を決定するステップと、
をさらに含む、方法。
【0059】
19.第1のセンサおよび第2のセンサは互いに通信している、請求項1に記載の方法。
【0060】
20.イベント発生の尤度を決定するステップは、以前のイベント発生の情報と対応する第1および第2の入力とを有するデータベースにアクセスするステップを含む、請求項1に記載の方法。
【0061】
21.イベント発生の尤度は、少なくとも第1の尤度と第2の尤度とを含み、改善措置は、少なくとも第1の改善措置と第1の改善措置とは異なる第2の改善措置とを含み、第1の尤度は第1の改善措置を生成し、第2の尤度は第2の改善措置を生成する、請求項1に記載の方法。
【0062】
22.システムであって、
産業施設内の第1のセンサと、
産業施設内の第2のセンサと、
第1および第2のセンサと通信し、命令を有するコンピュータ可読媒体を有するプログラマとを備え、命令は実行されると、
第1のセンサからの第1の入力を受け取り、
少なくとも第1の入力に基づいて、イベント発生の尤度を決定するのを容易にする初期動作を自動的に生成し、
第2のセンサからかつ生成された初期動作に応答して、第2の入力を受け取り、第2の入力は、イベント発生の尤度の決定を容易にし、
少なくとも第1および第2の入力に基づいて、イベント発生の影響を緩和する改善措置を自動的に生成するように構成された、システム。
【0063】
23.改善措置を自動的に生成することは、リアルタイムで実施される、請求項22に記載のシステム。
【0064】
24.第1のセンサは第1のセンサセットを含み、第2のセンサは、第1のセンサセットと通信する第2のセンサセットを含む、請求項22に記載のシステム。
【0065】
25.初期動作を自動的に生成することは、第2のセンサを作動させることを含む、請求項22に記載のシステム。
【0066】
26.第1の入力は、二酸化硫黄(SO2)、三酸化硫黄(SO3)、有機硫黄、硫酸(H2SO4)、硫化水素(H2S)、チオール、一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、スモッグ、オゾン、揮発性有機化合物(VOC)、全炭化水素、アンモニア(NH3)、および/または塩酸(HCl)のうちの少なくとも1つの濃度を含む、請求項22に記載のシステム。
【0067】
27.第2の入力は、風向、風力、周囲温度、気圧、湿度、雨量指数、または熱指数のうちの少なくとも1つを含む、請求項22に記載のシステム。
【0068】
28.第1または第2の入力のうちの少なくとも1つは、臭気の手動入力である、請求項22に記載のシステム。
【0069】
29.第2の入力は視覚的指示の入力である、請求項22に記載のシステム。
【0070】
30.第2の入力は聴覚的指示の入力である、請求項22に記載のシステム。
【0071】
31.改善措置を生成するために使用される第1および/または第2の入力は、値を複数回平均化または超過した結果である、請求項22に記載のシステム。
【0072】
32.産業施設における望ましくないイベント発生を抑制する方法であって、
1つまたは複数の運転パラメータを使用して産業施設を運転するステップと、
所定の閾値を超える第1の入力を受け取るステップと、
第1の入力を受け取るステップに少なくとも部分的に基づいて、初期動作を自動的に生成するステップと、
初期動作の生成に応答して、第2の入力を受け取るステップと、
受け取られた第1および第2の入力に少なくとも部分的に基づいて、望ましくないイベント発生の尤度を決定するステップと、
産業施設におけるイベント発生を抑制するために、1つまたは複数のプロセスパラメータを更新させるステップと
を含む方法。
【0073】
33.1つまたは複数のプロセスパラメータを更新するステップは、運転プロセスを現在の状態に維持するステップ、または運転プロセスのシャットダウンを開始するステップのうちの少なくとも1つを含む、請求項32に記載の方法。
【0074】
34.1つまたは複数のプロセスパラメータを更新するステップは、リアルタイムで実施される、請求項32に記載の方法。
【0075】
35.第1の入力は第1のセンサを介して受け取られ、第2の入力は第2のセンサを介して受け取られ、方法はさらに、
第3の入力を生成するように構成された第3のセンサを作動させるステップと、
第3のセンサを介して、第3の入力を受け取るステップと、
イベント発生の以前に決定された尤度を更新するステップと
を含む、請求項32に記載の方法。
【0076】
36.請求項35に記載の方法であって、
イベント発生の更新された尤度に少なくとも部分的に基づいて、イベント発生の影響を緩和するために改善措置を自動的に生成するステップをさらに含む、方法。
【0077】
37.初期動作を自動的に生成するステップは、第2のセンサを作動させるステップを含む、請求項32に記載の方法。
【0078】
38.第2の入力が、レーザ、分光法、または赤外線分析のうちの少なくとも1つを使用してカメラシステムから受け取られたプロセス条件のものである、請求項32に記載の方法。
【0079】
39.プロセスパラメータは、プロセス温度、機器スキン温度、プロセス圧力、不透明度の測定値、機器の動作状態、または酸素濃度のうちの少なくとも1つを含む、請求項32に記載の方法。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10