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特許7109383少なくとも部分的に結晶化されたガラスで製造された結合、例えば金属-ガラス結合、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合の金属-ガラス結合、ならびに、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合のこのような結合の製造方法
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  • 特許-少なくとも部分的に結晶化されたガラスで製造された結合、例えば金属-ガラス結合、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合の金属-ガラス結合、ならびに、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合のこのような結合の製造方法 図1
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  • 特許-少なくとも部分的に結晶化されたガラスで製造された結合、例えば金属-ガラス結合、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合の金属-ガラス結合、ならびに、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合のこのような結合の製造方法 図6
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  • 特許-少なくとも部分的に結晶化されたガラスで製造された結合、例えば金属-ガラス結合、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合の金属-ガラス結合、ならびに、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合のこのような結合の製造方法 図8
  • 特許-少なくとも部分的に結晶化されたガラスで製造された結合、例えば金属-ガラス結合、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合の金属-ガラス結合、ならびに、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合のこのような結合の製造方法 図9
  • 特許-少なくとも部分的に結晶化されたガラスで製造された結合、例えば金属-ガラス結合、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合の金属-ガラス結合、ならびに、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合のこのような結合の製造方法 図10
  • 特許-少なくとも部分的に結晶化されたガラスで製造された結合、例えば金属-ガラス結合、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合の金属-ガラス結合、ならびに、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合のこのような結合の製造方法 図11
  • 特許-少なくとも部分的に結晶化されたガラスで製造された結合、例えば金属-ガラス結合、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合の金属-ガラス結合、ならびに、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合のこのような結合の製造方法 図12
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】少なくとも部分的に結晶化されたガラスで製造された結合、例えば金属-ガラス結合、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合の金属-ガラス結合、ならびに、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合のこのような結合の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/02 20060101AFI20220722BHJP
   C03C 10/04 20060101ALI20220722BHJP
   C03B 19/06 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
C03C27/02 Z
C03C10/04
C03B19/06 D
【請求項の数】 35
(21)【出願番号】P 2018566872
(86)(22)【出願日】2017-06-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-15
(86)【国際出願番号】 EP2017065321
(87)【国際公開番号】W WO2017220700
(87)【国際公開日】2017-12-28
【審査請求日】2020-03-26
(31)【優先権主張番号】102016111390.5
(32)【優先日】2016-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】504299782
【氏名又は名称】ショット アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SCHOTT AG
【住所又は居所原語表記】Hattenbergstr. 10, 55122 Mainz, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン ミクス
(72)【発明者】
【氏名】イーナ ミトラ
(72)【発明者】
【氏名】ウルフ ダールマン
(72)【発明者】
【氏名】イェンス ズフナー
(72)【発明者】
【氏名】マルトゥン ホヴハニスヤン
(72)【発明者】
【氏名】ビェアン ラムドーア
【審査官】大塚 晴彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-127602(JP,A)
【文献】特開2014-047123(JP,A)
【文献】特開2013-220990(JP,A)
【文献】特開昭62-087467(JP,A)
【文献】特開2015-063456(JP,A)
【文献】特開平02-175629(JP,A)
【文献】特開2014-231469(JP,A)
【文献】特開2011-033715(JP,A)
【文献】特開2013-126937(JP,A)
【文献】I.W. Donald,Preparation, properties and chemistry of glass- and glass-ceramic-to-metal seals and coatings,Journal of Materials Science,Springer,1993年06月01日,Vol.28, No.11,p2841-2886
【文献】I.W. Donald et al.,Recent developments in the preparation, characterization and applications of glass- and glass-ceramic-to-metal seals and coatings,Journal of Materials Science,Springer,2011年04月01日,Vol.46, No.7,p1975-2000
【文献】Oana Bretcanu et al.,Simple methods to fabricate Bioglass -derived glass-ceramic scaffolds exhibiting porosity gradient,Journal of Materials Science,Springer,2008年04月03日,Vol.43, No.12,p4127-4134
【文献】I.W. Donald,Preparation, properties and chemistry of glass- and glass-ceramic-to-metal seals and coatings,Journal of Materials Science,Springer,1993年06月01日,Vol.28, No.11,p2841-2886
【文献】I.W. Donald et al.,Recent developments in the preparation, characterization and applications of glass- and glass-ceramic-to-metal seals and coatings,Journal of Materials Science,Springer,2011年04月01日,Vol.46, No.7,p1975-2000
【文献】Oana Bretcanu et al.,Simple methods to fabricate Bioglass -derived glass-ceramic scaffolds exhibiting porosity gradient,Journal of Materials Science,Springer,2008年04月03日,Vol.43, No.12,p4127-4134
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03C 27/02
C03C 1/00 -14/00
C03C 17/02
C03B 19/06
INTERGLAD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に結晶化されたガラスと少なくとも1つの接合相手との、前記少なくとも部分的に結晶化されたガラスと前記少なくとも1つの接合相手との間に界面を有する結合体において、少なくとも部分的に結晶化されたガラスは、前記少なくとも部分的に結晶化されたガラスの前記接合相手との界面に向かって低下する気孔率を有することを特徴とする、結合体。
【請求項2】
請求項1記載の、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと少なくとも1つの接合相手との、前記少なくとも部分的に結晶化されたガラスと前記少なくとも1つの接合相手との間に界面を有する結合体において、前記少なくとも部分的に結晶化されたガラスは、少なくとも1つの結晶相と細孔とを含み、前記細孔が前記少なくとも部分的に結晶化されたガラス中に構造化され分配されて配置されていることを特徴とする、結合体。
【請求項3】
前記気孔率は勾配を有し、かつ前記気孔率は、前記少なくとも部分的に結晶化されたガラスの界面に対して10μm未満の距離で、10%未満であり、前記気孔率は、前記少なくとも部分的に結晶化されたガラスと前記接合相手との界面に向かって低下する、請求項1または2記載の結合体。
【請求項4】
前記少なくとも部分的に結晶化されたガラスと前記接合相手との間の界面には、わずかな数の細孔が存在するかまたは細孔が存在せず、前記気孔率は、前記少なくとも部分的に結晶化されたガラスの、前記接合相手に対する界面から1μmを下回る距離で、5%未満の値に低下する、請求項1、2または3記載の結合体。
【請求項5】
前記気孔率は勾配を有し、かつ前記少なくとも部分的に結晶化されたガラスの界面および/または表面の気孔率は、その内部に向かって増大する、請求項1から4までのいずれか1項記載の結合体。
【請求項6】
細孔のサイズが2μm~30μmである少なくとも部分的に結晶化されたガラスを含む、請求項1から5までのいずれか1項記載の結合体。
【請求項7】
結晶子が0.1μm~50μmのサイズを有する少なくとも部分的に結晶化されたガラスを含む、請求項1から6までのいずれか1項記載の結合体。
【請求項8】
細孔が少なくとも部分的に結晶の近傍に配置されている少なくとも部分的に結晶化されたガラスを含む、請求項1から7までのいずれか1項記載の結合体。
【請求項9】
結晶含有率が、前記少なくとも部分的に結晶化されたガラスの全体積を基準として少なくとも25%である少なくとも部分的に結晶化されたガラスを含む、請求項1から8までのいずれか1項記載の結合体。
【請求項10】
前記気孔率は、体積を基準として少なくとも3%である少なくとも部分的に結晶化されたガラスを含む、請求項1から9までのいずれか1項記載の結合体。
【請求項11】
前記結合体は、流体密に形成されている、請求項1から10までのいずれか1項記載の結合体。
【請求項12】
前記接合相手の材料として、金属または高温安定性のセラミック化合物を含む、請求項1から11までのいずれか1項記載の結合体。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項記載の結合体を含む、フィードスルーエレメントまたは結合エレメント。
【請求項14】
少なくとも1つの材料を有する接合相手を含む請求項13記載のフィードスルーエレメントまたは結合エレメントであって、前記少なくとも部分的に結晶化されたガラスと、前記接合相手の材料との間の熱膨張係数の相違は、3・10-6/K未満である、フィードスルーエレメントまたは結合エレメント。
【請求項15】
前記接合相手の材料は、温度安定性の材料として、温度安定性の金属及び温度安定性のセラミックからなる群より選ばれるものとして形成されている、請求項13または14記載のフィードスルーエレメントまたは結合エレメント。
【請求項16】
少なくとも1つの結晶相と細孔とを含み、前記細孔は、少なくとも部分的に結晶化されたガラス中で構造化され分配されて配置されている、請求項1から12までのいずれか1項記載の結合体のための、ならびに請求項13から15までのいずれか1項記載のフィードスルーエレメントまたは結合エレメントのための、少なくとも部分的に結晶化されたガラス。
【請求項17】
前記少なくとも部分的に結晶化されたガラスの前記細孔は、前記少なくとも部分的に結晶化されたガラスを生じている焼結体中にすでに存在していない、請求項16記載の少なくとも部分的に結晶化されたガラス。
【請求項18】
質量%で表して、次の酸化物:
SiO2:20~60
Al23:0.5~20
CaO:10~50
MgO:0.5~50
23:0.1~20
ZrO2:0.1~25
23:1~15
HfO2:0~0.25
を含む、請求項16または17記載の少なくとも部分的に結晶化されたガラス。
【請求項19】
質量%で表して、次の酸化物:
SiO2:36~54
Al23:8~16
CaO:0~35
MgO:0~17
RO:8~39
ZrO2:0~25
23:0~3
を含み、
ここで、ROの割合は、その都度単独で、または全体で、または混合物の形で、酸化物のBaO、SrO、MgO、ZnOを表す、請求項16または17記載の少なくとも部分的に結晶化されたガラス。
【請求項20】
前記少なくとも1つの結晶相は、0.50Å~0.90Åのイオン半径を有する中程度サイズのカチオンを有する金属酸化物、および/または鎖状ケイ酸塩を含む、請求項16から19までのいずれか1項記載の少なくとも部分的に結晶化されたガラス。
【請求項21】
金属酸化物は、ZrO2を含むか、又は、ZrO2及び付加的にイットリウムを含む、請求項20記載の少なくとも部分的に結晶化されたガラス。
【請求項22】
前記結晶相は、Y23不含および/またはZrO2不含である、請求項19または20記載の少なくとも部分的に結晶化されたガラス。
【請求項23】
少なくとも1つの鎖状ケイ酸塩は、ケイ酸塩構造単位としてSiO3 2-を含む、請求項20に記載の少なくとも部分的に結晶化されたガラス。
【請求項24】
前記鎖状ケイ酸塩はアルカリ土類酸化物を含み、かつアルカリ土類酸化物はCaOである、請求項20記載の少なくとも部分的に結晶化されたガラス。
【請求項25】
前記鎖状ケイ酸塩は、輝石構造を有しかつアルカリ土類酸化物を含むケイ酸塩として形成されている、請求項20または24記載の少なくとも部分的に結晶化されたガラス。
【請求項26】
少なくとも部分的に結晶化されたガラスと、温度安定性の筐体材料またはシールエレメントを含む接合相手、筐体材料またはシールエレメントとの結合体であって、請求項16から25までのいずれか1項記載の少なくとも部分的に結晶化されたガラスを含む、結合体。
【請求項27】
請求項16から25までのいずれか1項記載の少なくとも部分的に結晶化されたガラス、および請求項1から12までのいずれか1項記載の結合体を含む、フィードスルーエレメントまたは結合エレメント。
【請求項28】
少なくとも部分的に結晶化可能なガラスを含む焼結体または成形体において、前記焼結体は、構造化され分配された気孔率の形成を可能にし、かつ理論密度の少なくとも90%に相当する密度を有し、質量%で表して、次の組成:
SiO2:20~60
Al23:0.5~20
CaO:10~50
MgO:0.5~50
23:0.1~20
ZrO2:0.1~25
23:1~15
HfO2:0~0.25
を有する、焼結体または成形体。
【請求項29】
少なくとも部分的に結晶化可能なガラスを含む焼結体または成形体において、前記焼結体は、構造化され分配された気孔率の形成を可能にし、かつ理論密度の少なくとも90%に相当する密度を有し、質量%で表して、次の組成:
SiO2:36~54
Al23:8~16
CaO:0~35
MgO:0~17
RO:8~39
ZrO2:0~25
23:0~3
を含み、
ここで、ROの割合は、その都度単独で、または全体で、または混合物の形で、酸化物のBaO、SrO、MgO、ZnOを表す、焼結体または成形体。
【請求項30】
少なくとも部分的に結晶化可能なガラスを有する焼結体の製造方法において、
1. 請求項18または19記載の少なくとも部分的に結晶化されたガラスの組成を有し、しかしながら結晶化されていないガラスを含む、原料ガラスの溶融、
2. 溶融装置からの液状ガラスの取り出し、その結果、帯状ガラス体が得られ、
3. 工程2で得られたガラス体の粉砕、その結果、ガラス粉末が得られ、
4. 前記ガラス粉末の造粒、
5. 圧縮、
6. 理論密度の90%の焼結体の密度を特徴とする高い焼結度の達成下での焼結を含む、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスを有する焼結体の製造方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法により、焼結体を得る工程、
前記焼結体を、さらなる材料加工により成形して、成形体に変換する工程を含む、
少なくとも部分的に結晶化可能なガラスを有する成形体の製造方法。
【請求項32】
請求項1から12までのいずれか1項または26記載の結合体または請求項13から15までのいずれか1項または27記載のフィードスルーエレメント又は結合エレメントの筐体材料との結合体の製造方法において、次の工程:
1. 焼結された原料ガラス体または焼結体を、少なくとも1つの接合相手の結合されるべき材料の間にまたはその材料に接するようにもたらし、
2. 焼結された原料ガラス体もしくは焼結体の材料と、前記結合されるべき材料とを、温度T1へ加熱することで、前記結合されるべき材料が原料ガラスにより濡らされるという結果と共に、焼結された原料ガラス体又は焼結体の流動化を引き起こし、かつ前記原料ガラス体又は焼結体の材料と、前記接合相手の材料との形状結合による結合を生じさせ、
3. 形状結合により結合した材料を、T1よりも高い温度T2に加熱することで、前記原料ガラスの少なくとも部分的な結晶化が生じるので、細孔を含む少なくとも部分的に結晶化されたガラスが生じ、ここで、前記細孔は、構造化された分配を有する
を含む、結合体の製造方法。
【請求項33】
請求項1から12までのいずれか1項または26記載の結合体、又は、請求項13から15までのいずれか1項または27記載のフィードスルーエレメント又は結合エレメントの筐体材料との結合体の製造方法において、
少なくとも部分的に結晶化可能なガラスを有する焼結プリフォームまたは焼結体を、シールエレメントまたはフィードスルーエレメントまたはシールエレメントの筐体の中にまたはそれに接するようにもたらす方法工程、
900℃超のTmaxの温度の到達下でガラス封着する方法工程が実施され、ここで、保持温度は、
- 請求項18記載の少なくとも部分的に結晶化されたガラスの組成を有する、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスまたは原料ガラス体または焼結体の組成の場合に、900℃~1050℃であり、かつ
- 請求項19記載の部分的に結晶化されたガラスの組成を有する、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスまたは原料ガラスまたは焼結体の組成の場合に、少なくとも950℃でかつ最大で1200℃であり、ここで、
保持時間は、20分~70分である、
結合体の製造方法。
【請求項34】
請求項1から12までのいずれか1項または26記載の結合体の、自動車の排ガス装置における使用。
【請求項35】
請求項13から15までのいずれか1項または27記載のフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの、自動車の排ガス装置における使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
明細書
本発明は、少なくとも部分的に結晶化されたガラスで製造された結合、例えば金属-ガラス結合、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合の金属-ガラス結合、ならびにことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合のこのような結合の製造方法に関する。
【0002】
先行技術
導電体用のフィードスルーの製造のために、金属支持体構造内に例えばセラミック材料が配置され、このセラミック材料によって導体が保持されていることは公知である。
【0003】
独国特許出願公開第10016416号明細書(DE 100 16 416 A1)は、センターボルトが絶縁体とガラスセラミック燃焼抵抗部とにより取り囲まれている点火プラグおよびその製造方法を開示している。ガラスセラミック燃焼抵抗部は、抵抗溶封部の形であり、点火プラグの隣接する金属部材とガラスセラミックはんだを介して結合されている。
【0004】
米国特許第5,820,989号明細書(US 5,820,989)は、例えばガスセンサー用に使用される、金属との密閉的な結合用のガラスセラミック組成物を記載している。使用されたガラスセラミック材料は、65質量%超のSiO2含有率を有し、かつさらに、規則的にガラスセラミック材料の高いガラス質割合を引き起こすアルカリを有し、かつ高温での絶縁材料として限られた利用性を有するにすぎない。
【0005】
米国特許出願公開第2014/0360729号明細書(US 2014/0360729)は、ガラスまたはガラスセラミック材料でモーター装置への電気供給が周囲の影響に対して密でかつ抵抗性に保持されている潜水装置のフィードスルーを記載している。
【0006】
独国特許出願公開第102014218983号明細書(DE 10 2014 218 983 A1)は、結晶化可能なガラスであってよい電気絶縁性の固定材料が取り囲む、過酷な動作条件用のフィードスルーエレメントを記載している。この出願に記載されているガラスは、公知のように、結晶子が望ましくない非晶質材料である。しかしながら、この出願においては、非晶質ガラス材料は、ガラスセラミック材料と同様に良好に適していて、かつ260℃ならびに350℃の使用温度範囲が挙げられることが明確に述べられている。結晶化可能なガラスの細孔または気孔率は、この文献中では開示されていない。
【0007】
独国特許発明第102012206266号明細書(DE 10 2012 206 266 B3)は、バリウムおよびストロンチウム不含のガラス質またはガラスセラミックの接合材料およびその使用を記載している。細孔も構造化されて配置された細孔も、この材料中に存在するものとして言及されていない。
【0008】
米国特許第3825468号明細書(US 3 825 468 B)は、焼結過程の後に残留する細孔を有してよい焼結ガラスセラミック、およびその製造方法を示す。この焼結ガラスセラミックは、多様な融点を有する結晶を有し、かつ焼結時に、表面近傍の結晶が部分的に溶融し、それにより閉鎖した多孔率を達成するとされる温度が使用される。しかしながら、この温度処理の際に、焼結セラミック体の基本的な結晶構造が保持されるとされている。それにより、焼結過程自体から生じた細孔を有する部分的に溶融した焼結体が生じる。しかしながら、この場合、焼結複合体において完全に溶融したガラス相の機械的安定性を有しない、結晶質粒界のガラス相の、焼結体にとって典型的な溶融が問題となる。さらに、セラミック相の形成のために、二段階の熱的方法において最初に結晶核を生じさせる核生成温度が使用され、かつ引き続いて高めた温度でこの結晶核に基づく結晶成長を生じさせる。
【0009】
独国特許出願公開第102006027307号明細書(DE 10 2006 027 307 A1)は、焼結セラミック、およびその製造方法を開示している。細孔または気孔率は、この焼結ガラスセラミックについて開示されていない。例えば過酷なまたは圧力負荷および温度負荷がかかる環境中での多くの使用分野にとって、例えば接合材料の破壊をできる限り確実に排除するために、機械強度は極めて重要である。さらに、結合の、ことにセラミックまたは金属-ガラス結合の温度耐久性が本質的に重要である用途が存在する。この場合、使用目的に応じて、1000℃超の、および多くの場合にそれどころか1200℃までのまたはそれ以上の温度耐久性を必要とする温度が生じることがある。
【0010】
本発明の課題
本発明の課題は、結晶化可能なもしくは結晶化されたガラス、このようなガラスと筐体材料との結合、例えば金属-ガラス結合の形の結合、ならびにフィードスルー、例えば金属-ガラス結合を有するフィードスルーの機械的特性、および好ましくは熱的特性を改善することである。
【0011】
この課題は、極めて意外にも、独立請求項の主題により解決される。さらなる好ましい実施態様は、独立請求項にも定義されている。
【0012】
発明者は、極めて意外にも、部分結晶化されたガラス中に、細孔の出現により、その機械的特性、例えばその破断強さおよび曲げ強さの改善を達成することができることを突きとめた。
【0013】
例えば、請求項1は、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと少なくとも1つの接合相手との、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと少なくとも1つの接合相手との間に界面を有する結合において、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスが、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと接合相手との界面に向かって低下する気孔率を有する結合を定義し、ならびに請求項2および請求項16は、少なくとも1つの結晶相と細孔とを含む少なくとも部分的に結晶化されたガラスを含む。
【0014】
少なくとも部分的に結晶化されたガラスの以下の説明は、その特性において少なくとも部分的に結晶化されたガラス自体についても、接合相手との結合の一部としての、またはフィードスルーエレメントもしくは結合エレメントの一部としての少なくとも部分的に結晶化されたガラスについても当てはまる、というのも少なくとも部分的に結晶化されたガラスの特性は、ことに結合の一部または結合エレメントもしくはフィードスルーエレメントの一部として特に好ましいことが判明しているためである。
【0015】
細孔は、少なくとも部分的に結晶化されたガラス中で構造化され分配されて配置されている。本発明の好ましい実施態様の場合に該当するように、この場合に好ましくは少なくとも部分的に結晶化されたガラスの細孔が、すでに焼結体中に完全には作製されていないかまたは存在しておらず、むしろ大部分は結晶化と共にまたは結晶化の間に同時に生じる場合に、ガラス相の完全なまたはほぼ完全な溶融が生じてよく、この溶融は、ガラス相からなる複合体の比較的均質でかつ比較的強固な形態を生じ、かつことに後に結晶化する部分および引き続き結晶化された部分を生じ、これらはことに強度に関して、ことに圧縮強度に関して焼結ガラスセラミックを凌駕する。「焼結品中に作製されたまたは存在する細孔」の表現、または「焼結体中に作製されたまたは存在する細孔」の表現は、この開示の範囲内で、その都度、焼結の際に形成された細孔を表し、この細孔は、ことに焼結品または焼結体の圧縮の機械的過程により生じるが、結晶化によっては生じるものではない。ここで開示された方法の場合に、細孔の比較的均質な分配が生じ、かつこの比較的均質な分配が、改めて改善された機械的耐久性ならびに改めて高められた熱衝撃耐性を生じさせる。
【0016】
好ましい少なくとも部分的に結晶化可能なガラスの場合には、このガラスを、核生成期と高めた温度での結晶成長期とを含む二段階の熱的方法にかける必要がないことも有利である、というのもこのガラスはすでに一段階の熱的方法において、いわゆる自己結晶化ガラスとして、すでにガラスセラミック材料またはセラミック材料に変換することができるためである。この場合、有利に例えば、定義された、ことにほぼ一定の加熱速度で、一定の温度上昇を行うことができる。この種の温度-時間プロフィールは、プロセス技術的に利点を提供する、というのもこのプロフィールは比較的容易に制御することができ、かつ比較的大きな熱的公差で使用することができるためである。
【0017】
異種粉末のような添加された結晶核による結晶化、またはバルク結晶化とは異なり、自己結晶化ガラスの場合の結晶化は、部分的に結晶化可能なガラスの粉末の表面上に核生成する。これは、本発明による自己結晶化ガラスの場合に、述べられた加熱速度でさらなる加熱時間なしで起こる。それにより、効果的な生産が可能となる。この核生成は、時間的にずらされて、かつ実際の結晶化プロセスよりも低い温度で行われる。密閉的なガラス封着のために必要な、接合相手の濡れは、この核生成の後であるが、本来の結晶化プロセスの前に生じる。それにより、密閉的な、高温安定性のガラス封着を達成することができる。
【0018】
まず、ガラスセラミック結合の弱体化(ここでは、細孔内での低減された材料による)が、それにもかかわらず極めて良好な機械的強度値を得ることはあまり容易に想到されないと思われる。これは、先行技術において、高い機械的および熱的安定性を達成するために、特に気泡のない結合材料が目指されることからもなおさら意外である。
【0019】
発明者は、本発明による気孔率が、機械的熱衝撃耐性に決定的に寄与することを見出した。この場合、無欠陥でかつ気泡のない濡れを保証するガラス封入された材料のために、界面方向に向かって細孔密度の勾配が生じる。気孔率分布と均質な結晶化との組合せは、900℃までの温度で、所定の好ましい実施形態の場合には、ことに第二の好ましい実施形態の場合に、それどころか1200℃の温度までの、またはそれどころか1200℃超の、ことに1270℃の温度までの、極めて高い機械的耐久性を生じさせる。
【0020】
気孔率は、少なくとも部分的に結晶化されたガラス中で構造化され分配されて、好ましくは制御された気孔率の形で生じる。制御された気孔率は、この場合、気孔率、ことに細孔が、成形された焼結体または成形された焼結品である該当する成形体の体積中の至る所で同じ形態で形成されて存在していないことを特徴とする。ことに、制御された気孔率は、本発明の意味で、成形体の境界領域において気孔率が、例えば最大で3%の極めて低い値をとる場合にもたらされる。ことに、制御された気孔率を有する少なくとも部分的に結晶化されたガラスの表面は、実質的に開放細孔、つまり界面を取り囲む媒体、例えば空気に向かって開かれた細孔を有することはなく、これは高い密閉性または流体密性を改めて支援する。
【0021】
それとは反対に、制御された気孔率を有しないガラス、例えば結晶化されたガラスは、細孔を構造化され分配されて有しないで、界面での細孔、ことに開放細孔によっても特徴付けられる。これは、高いガラス封着温度で、原則としてガラスは極めて低い粘度を有するので、焼結品ともいわれる焼結体中に作製された細孔または存在する細孔は、焼結体の界面に移行することができ、ここでこの細孔は開口することによる。
【0022】
これとは反対に、本発明の意味で、制御された気孔率の場合、ちょうど境界領域は、極めて低い気孔率により特徴付けられる。むしろ、気孔率が、例えば最大で3%の極めて低い値から、例えば20%のまたはより高くてもよく、例えば50%までまたはそれ以上の最大値までの勾配が存在する。この場合、制御された気孔率では、この勾配は、極めて低い気孔率により特徴付けられる境界領域の厚みと同様に調節可能である。この場合、低い気孔率を有する領域の厚みは、温度処理の高めた温度で、より低い温度よりも大きく形成され、それによりこの厚みは適切に影響されるかまたは調節される。しかしながら、気孔率が低い値から最大値まで上昇する勾配は、高めた温度では、より低い温度よりも低い広がりを有し、それにより、この勾配は適切に影響されるかまたは調節される。
【0023】
制御された気孔率および気孔率の勾配は、ことに、焼結体または焼結品の実際の密度が、ガラスまたは少なくとも部分的に結晶化する(しかしながらまだ結晶化されていない)ガラスの理論密度よりも、最大で10%低い、好ましくは最大で5%低い場合に達成可能である。焼結度は、この場合に、少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%である。この場合、焼結品または焼結体により導入される細孔は、原則としてわずかな数であり、かつ結晶化可能なまたは少なくとも部分的に結晶化されたガラスから頻繁に消失することができるので、結晶化の際に生じる細孔によりこの細孔の構造化された配置が生じる。焼結体、焼結品または成形体中にすでに作製されたまたは存在する細孔の、本発明により生じた細孔に対する比率は、例えば、約99%の焼結度で、ここで説明された好ましい実施形態の場合に、少なくとも約1.8またはそれより高いことができる。これは、焼結体中に残った各細孔に対して、付加的に少なくとも部分的に結晶化されたガラス中に存在する少なくとも1.8個の細孔が生じることを意味する。この値は、発明者の極めて慎重な記述である、というのも、この場合、焼結体、焼結品または成形品中にすでに存在する細孔は、熱処理の間にもすでに消失していることがあることを無視しているためである。この場合、さらに、結晶化の間にまたは結晶化と同時に生じるこれらの細孔は、依然として強く広がり、したがって、このことから生じる気孔率の値は、この比率の値に相応する値よりも改めて明らかに著しく高まることが生じる。
【0024】
この比率は、最大の焼結温度および粉砕により、ことに粉砕されたガラス、ことに原料ガラスの粉砕度により、広い範囲で調節可能であり、かつ例えば少なくとも1.5~約5の範囲にあることができる。
【0025】
意外にも、少なくとも部分的に結晶化されたガラスの細孔は、少なくとも部分的に結晶化されたガラスを生じている焼結品または焼結体中ですでに完全には作製されていないかまたはすでに存在しておらず、むしろ大部分は焼結の間にまたは焼結と同時に生じるかまたは増加し、かつ気孔率の体積基準の増大が生じることが判明した。
【0026】
好ましい実施形態の場合に、少なくとも部分的に結晶化されたガラスの結晶割合は、50体積%超、好ましくは60体積%超である。この高い結晶相割合はさらに粘度の増大に寄与し、かつそれにより高温での高められた機械的安定性を生じさせる。さらに、高い結晶化およびそれにより結晶子の部分的に生じる噛み合いが、細孔の局在化を引き起こし、それにより制御された気孔率を決定的に可能にする。
【0027】
したがって、本発明による少なくとも部分的に結晶化されたガラスは、少なくとも1つの結晶相と細孔とを含み、これらの細孔は少なくとも部分的に結晶化されたガラス中で構造化され分配されて配置されていて、ここで、好ましくは少なくとも部分的に結晶化されたガラスの細孔は、少なくとも部分的に結晶化されたガラスを生じている焼結体中にすでに完全には作製されていないかまたはすでに存在しておらず、ことにむしろ大部分は結晶化と同時にまたは結晶化の間に生じる。焼結体または焼結品とは、引き続いて筐体材料またはシールエレメントであってよい本体と結合を行うために適していてかつそのために指定されている結晶化可能なガラスを有する形状安定性の焼結体をいう。
【0028】
本発明の詳細な説明
より良好な理解のために、本発明の次の詳細な説明の際に、ここで使用された概念のいくつかの定義も述べられる。
【0029】
本発明の意味で、ガラス、例えば部分的に結晶化されたガラスと、筐体材料、例えば金属または好ましくは高温安定性セラミックとの間の結合とは、その都度の筐体材料とその都度のガラスとが少なくとも機械的に、好ましくは流体密に互いに接するように保持されている機械的結合であると解釈される。この結合の維持のために、例えば圧縮応力により引き起こされるような力が存在してもよい。この結合の概念により化学結合が定義されるべきではないが、化学結合は、筐体材料のガラスとの接触領域においてこの概念により排除されるものではない。
【0030】
ここで考慮された結合の特別な実施形態は、ガラス-金属結合である。このガラス-金属結合は、本発明の場合に、一般に、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスと、好ましくは筐体材料またはシールエレメントであってよい本体とで生じる。
【0031】
流体密とは、結合が密封的であり、つまりこの場合、流体媒体の流出または流入に対して密であり、かつ好ましくはほぼ完全に(密閉的に)密である場合の結合、例えば金属-ガラス結合をいう。密封性は、この場合、漏れ試験により、通常はヘリウム漏れ試験を用いて決定されてよい。室温で1.0・10-8cm3/s(1秒当たりの立方センチメートル)または室温で1.69・10-10mbar・l/sでのヘリウム漏れ率は、ほぼ完全な密閉的なシールが存在することを示す。
【0032】
細孔とは、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスおよび/または少なくとも部分的に結晶化されたガラスにより完全に取り囲まれていて、かつそれ自体の中に少なくとも部分的に結晶化可能なガラスまたは少なくとも部分的に結晶化されたガラスが配置されていない閉じた容積要素をいう。
【0033】
結晶化により、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスから、少なくとも部分的に結晶化されたガラスが生じ、ここで、この少なくとも部分的に結晶化されたガラスは、ガラス相と、少なくとも1つの、結晶化可能なガラスから生じた結晶相とを含む。ガラス相は、結晶化可能または結晶化不可能に仕上げられて存在してよい残留ガラス相ともいわれる。
【0034】
この意味において、少なくとも部分的に結晶化されたガラス中に存在する細孔は、残留ガラス相により少なくとも部分的に、かつ結晶相により少なくとも部分的に取り囲まれていてよく、ここで、細孔自体の中に残留ガラス相または結晶化可能なガラスから生じた結晶相は配置されていない。
【0035】
少なくとも部分的に結晶化されたガラスの気孔率Φとは、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスまたは少なくとも部分的に結晶化されたガラス中に存在する細孔の体積Vpの、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスまたは少なくとも部分的に結晶化されたガラスまたはその原料ガラスの細孔なしの体積Voに対する比率をいい、したがってΦ=Vp/(Vo+Vp)が当てはまる。この値が百分率で記述される限り、この記述は、細孔の、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスまたは少なくとも部分的に結晶化されたガラスの全体の体積に対する百分率の体積値に関する。
【0036】
構造化され分配された細孔とは、この細孔が完全に均一には分配されて配置されているのではなく、かつことに局所的細孔密度または局所的気孔率が、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスまたは少なくとも部分的に結晶化されたガラスの全体の体積中で一定ではない場合をいう。
【0037】
好ましくは、細孔または気孔率は、この場合、少なくとも部分的に結晶化されたガラスの境界領域内で、少なくとも部分的に結晶化されたガラスの界面および/または表面からその中心に向かって細孔密度が増大するような形で気孔率の勾配が存在するように分配されている。境界領域は、この場合、好ましくはその広がりに関して、少なくとも5μm~最大で200μmの厚み、好ましくは20μm~50μmの厚みの間で変化する。
【0038】
先行技術の場合に、焼結体、ことに高度に圧縮されていない焼結体の使用により、接合材料中に気孔率が生じる限り、この気孔率は、原則として均質であり、したがって、本定義の意味で構造化されておらず、ことに制御されて構造化され分配されて配置されていない。
【0039】
原料ガラスとは、本質的に未だに結晶化されていないガラス、ここでは少なくとも部分的に結晶化可能なガラスをいい、これは、0.1%未満の体積基準の結晶割合または結晶相の割合を意味する。
【0040】
本発明の範囲内で、結晶化可能なガラスとは、結晶化、好ましくは制御可能な、特に好ましくは制御された結晶化が可能であり、その結果、同じ結晶相に分類されている結晶または結晶子の空間的な広がりの有利な狭い分配が生じる構造が得られるガラスであると解釈される。好ましくは、結晶または結晶子は、この場合、最大で50μmまでの範囲内にある空間的寸法を有する。さらに好ましくは、同じ結晶相に分類されているこの結晶子サイズは、結晶子サイズの平均値から互いに最大で±95%相違する。
【0041】
本発明の意味で、この場合、同じ結晶相に分類されている結晶の概念とは、この結晶が同じように結晶化され、つまりこの結晶の結晶構造が、この結晶の格子定数が互いに20%より大きく相違しないという意味で同じであることであると解釈される。このような相違は、例えば局所的に生じる組成変動により生じることがある。例えば、結晶は、混晶として存在してよい。例えば、少なくとも部分的に結晶化されたガラスは、結晶相としてウォラストナイトCaSiO3を含んでよく、この場合、この結晶相とは、本発明の意味で、この化学量論的組成が純粋なウォラストナイトの組成とは、他の成分を含むという意味で相違する結晶も分類されていて、例えばこれは、第一の好ましい実施形態の場合には、イットリウムでドープされたCaSiO3である。したがって、「同じ結晶相」の概念とは、本発明の意味で、ことに次のものを含む:
- ウォラストナイト:ウォラストナイト結晶、ならびに格子定数、ことに単位格子の空間的寸法が、互いに20%より大きく相違しないという意味でのウォラストナイト様結晶、
- 透輝石、CaMgSi26:透輝石、ならびに格子定数、ことに単位格子の空間的寸法が、互いに20%より大きく相違しないという意味で透輝石様結晶、
- ZrO2:ZrO2は、正方晶および立方晶ZrO2、ならびにことに、正方晶または立方晶変態の形のY安定化ZrO2も含む。好ましくは、ZrO2は、立方晶変態の形のY安定化ZrO2として存在する。
【0042】
例えば、第二の好ましい実施形態の場合に、結晶化する相として、MgまたはCa安定化二酸化ジルコニウム(ZrO2)、エンスタタイト(MgSiO3)、フォルステライト(Mg2SiO4)、ケイ酸カルシウムジルコニウム(Ca2ZrSi412)、灰長石(CaAl2Si28)および/または透輝石(CaMgSi26)が存在してもよい。
【0043】
結晶化により、結晶化可能なガラスから、少なくとも部分的に結晶化されたガラス、つまり結晶相割合が体積を基準として0.1%を超えるガラスが生じる。少なくとも1つの結晶相およびガラス相、例えば少なくとも部分的に結晶化可能なガラスまたは残留ガラス相を含む少なくとも部分的に結晶化されたガラスは、本発明の範囲内で、ガラスセラミックともいわれる。ガラスセラミックは、結晶化された相を99体積%を超えて、例えば99.9体積%まで含むという意味で、完全に結晶化されて存在することも可能である。一般に、残留ガラス相またはガラス相は、少なくとも部分的に結晶化されたガラスの場合に、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスの全質量に対する割合で、0.1~99質量%含まれてよい。
【0044】
好ましくは、残留ガラス相の割合は、未だに、筐体材料の良好な濡れが付与されているほど高い。有利には、このために、少なくとも部分的に結晶化されたガラスに対する残留ガラス相の割合は、少なくとも5体積%、好ましくは少なくとも10体積%である。
【0045】
結晶化は、この場合、例えば少なくとも1つの結晶相のためのプリフォーム相の形成、例えばいわゆる核生成のために適切な温度処理が実施されるという意味で、制御されて進行してよい。しかしながら、結晶化は、これがその他の方法段階の間に生じるという形態で、例えば、適切な結晶化のためのさらなる方法段階を行わずに、材料、例えば筐体の材料と、少なくとも部分的に結晶化されたガラスとの間に密閉的に密な結合が作製される熱処理の範囲内で生じるという形態で、制御されずに行われることも可能である。
【0046】
結晶とは、本発明の範囲内で、三次元的な秩序構造を有する固体をいう。部分的に結晶化されたガラス中で、結晶は、原則として約0.1μm~最大で20μmの小さなサイズを有するにすぎない。このような小さなサイズの結晶は、結晶子ともいわれる。したがって、本発明の範囲内で、明確に他のことが説明されていない限り、結晶および結晶子の概念は同義に使用される。
【0047】
さらに、フィードスルーの概念は、本発明の意味で、電気絶縁性材料により取り囲まれておりかつフィードスルー開口部内に固定されている導電体を含む。本発明の範囲内で、「フィードスルー」および「フィードスルーエレメント」の概念は、明確に他のことが述べられていない限り、同義に使用される。
【0048】
結合とは、本開示の範囲内で、少なくとも2つの材料の間の結合、例えば少なくとも部分的に結晶化されたガラスと接合相手との結合であると解釈される。
【0049】
これら2つの材料は、他の材料により互いに結合されてよいかまたは結合されていてよい。例えば、このような結合は、ことに1つより多い結合が存在する場合にフィードスルーとして形成されていてよい。しかしながら、結合が、例えば、線状に形成された結合継ぎ目の様式で、2つのワークピースの間の機械的な結合として形成されていることも可能であり、この場合、機械的結束は、両方のワークピースを相互に結合する他の材料によって保証されてもよい。したがって、一般に、材料が別の材料により取り囲まれていてかつこの別の材料がフィードスルー開口部内で第三の材料中に固定されているフィードスルーも、結合の概念に含まれる。
【0050】
本発明の範囲内で、結合および結合エレメントの概念は、広範囲に同義に使用される。結合エレメントの好ましい形態は、少なくとも部分的に結晶化されたガラスに対して密閉的にかつことに流体密の結合を提供するシールエレメントである。
【0051】
本発明の意味で、中程度サイズのカチオンを有する金属酸化物とは、好ましくは、Strunz、第9版による鉱物分類の意味で中程度サイズのカチオンを有する金属酸化物であると解釈される。中程度サイズの金属カチオンは、この場合、好ましくは0.50Å~0.90Åの間のイオン半径を有する。ことに、中程度サイズのカチオンの概念には、この場合、Zr4+が含まれる。
【0052】
したがって、中程度サイズのカチオンを有する金属酸化物とは、本発明において、例えばZrO2、ならびに酸化物中に含まれる金属イオンの少なくとも50%が中程度サイズの金属イオンとして存在する金属酸化物であると解釈される。したがって、ことに、例えば1つ以上の金属イオンの部分的な置き換えが生じることにより、本発明の意味で「中程度サイズのカチオン」よりも大きいかまたは小さい金属イオンが結晶構造中に存在してもよい。この点で、本発明の意味で、金属酸化物の該当する構造に合わせられる。例えば、第一の好ましい実施形態の場合には、ZrO2内のジルコニウムの一部がイットリウムまたはその酸化物に置き換えられていることが可能である。
【0053】
本発明の他の実施形態の場合に、少なくとも部分的に結晶化されたガラスは、細孔が少なくとも部分的に結晶の近傍に配置されているように形成されている。
【0054】
一実施形態による少なくとも部分的に結晶化されたガラスのこの特別な表現形態は、細孔が結晶化の間に、特に結晶化の結果として生じることに起因する。
【0055】
本発明の他の実施形態の場合に、少なくとも部分的に結晶化されたガラスの結晶含有率は、少なくとも部分的に結晶化されたガラスの全体積を基準として少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも60%である。
【0056】
好ましくは、気孔率は、少なくとも部分的に結晶化されたガラスの全体積を基準として少なくとも3%、好ましくは少なくとも5%、特に好ましくは少なくとも10%またはそれどころか20%である。
【0057】
本発明の第一の好ましい実施形態の場合に、少なくとも部分的に結晶化されたガラスは、質量%で表して、次の酸化物を含む:
SiO2:20~60、好ましくは25~50
Al23:0.5~20、好ましくは0.5~10
CaO:10~50
MgO:0.5~50、好ましくは0.5~10
23:0.1~20、好ましくは3~20
ZrO2:0.1~25、好ましくは3~20
23:1~15、好ましくは3~12
ここで、さらにHfO2は、任意に0.25質量%まで含まれていてよい。
【0058】
本発明の第二の好ましい実施形態の場合に、少なくとも部分的に結晶化されたガラスは、質量%で表して、次の酸化物を含む:
SiO2:36~54、好ましくは40~54
Al23:8~16、好ましくは8~13
CaO:0~35、好ましくは5~25
MgO:0~17、好ましくは3~14
RO:8~39、好ましくは8~35
ZrO2:0~25、好ましくは0~17
23:0~3、好ましくは0~2、特に好ましくは0
ここで、ROの割合は、その都度単独で、または全体で、または任意の混合物の形で、酸化物のBaO、SrO、MgO、ZnOを表す。
【0059】
好ましくは、ROは、単独でまたはそれぞれ任意の組合せで、質量%で表して、
BaO 0~36
MgO 0~22
CaO 0~25
である。
【0060】
同様に好ましくは、Y23=0である。これは、例えばZrO2結晶相の安定化において、Y23をMgOおよび/またはCaOに置き換えることにより達成できた。
【0061】
好ましい実施形態の場合には、全ての実施形態において少なくとも部分的に結晶化されたガラスの結晶割合は、50体積%より大きく、好ましくは60体積%より大きい。この高い結晶割合は、付加的に粘度の上昇に寄与し、したがって、高温で高められた機械的安定性を引き起こす。さらに、高い結晶化およびそれにより結晶子の部分的に生じる噛み合いが、細孔の局在化を引き起こし、それにより制御された気孔率を決定的に可能にする。
【0062】
この少なくとも部分的に結晶化可能なガラスは、ことに残留ガラス相の比較的高い粘度によっても高い温度耐久性を達成する。
【0063】
少なくとも部分的に結晶化可能なガラスの重要な結晶相は、ZrO2>0の値の場合であり、例えばCaまたはMg安定化ZrO2である。
【0064】
これは、Y23安定化ZrO2より熱的により安定性の相である。
【0065】
しかしながら、一般に、ZrO2は熱的に安定化することは困難である、というのも比較的低い温度に低下する際に、より低く配位した相への、例えば正方晶から単斜晶への相転移が、この場合に体積低下を伴って生じる体積変化を引き起こすことがあり、これにより亀裂が生じることがあるためである。
【0066】
したがって、第二の好ましい実施形態の場合に、少なくとも部分的に結晶化可能なガラス中にZrO2を基礎とする結晶相とは異なる結晶相が使用される。
【0067】
有利に、少なくとも部分的に結晶化可能なガラス中のBaOの割合は、36質量%未満である。これにより、ことに、界面が結合または結合エレメントおよびフィードスルーエレメントの一部である場合に、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスのCr含有鋼、例えば特殊鋼との界面での比較的低いクロマート相が形成される。
【0068】
少なくとも部分的に結晶化可能なガラスは、第二の好ましい実施形態の特に好ましい形態の場合、B23不含である。
【0069】
第一の好ましい実施形態の場合の可能なB23含有率は、多くの用途および温度範囲での利用にとって有利である。例えば、このB23含有率は、適度な温度で結晶化の前に接合相手に関して極めて良好な濡れを引き起こす。この濡れは、多くの用途で必要な、密閉的に密な結合のために必須である。それに対して、1000℃を超えて複合体の使用を意図する場合には、このB23含有率は必ずしも有利ではない、というのもこれは、この温度で残留ガラス相の比較的低い粘度を引き起こすことがあり、このことが著しく低下された機械的安定性を引き起こしかねないためである。
【0070】
したがって、第二の好ましい実施形態の場合に、少なくとも部分的に結晶化可能なまたは結晶化されたガラスの組成内でのB23の使用は広範囲に省かれ、それにより1000℃を超える温度で高い粘度を有しかつそれにより1200℃までのまたは部分的にそれどころか1200℃超の、ことに1270℃までの機械的安定性を有する残留ガラス相が可能となる。
【0071】
さらに、意外にも、第二の実施形態の場合に、MgOおよびCaOを用いた置き換えにより、それどころかY23を省くことができ、これは適用において著しい費用の節約を引き起こすことがある。
【0072】
通常では、B23は、金属とガラスとの濡れのために必要とされる。少なくとも第二の好ましい実施形態のここに開示された少なくとも部分的に結晶化可能なガラスは、比較的高い温度で金属に融着(これはガラス融着またはガラス封着ともいわれる)することができるので、意外にも、第二の好ましい実施形態の好ましい形態の場合に、B23を全く省くことさえもできる。少なくとも部分的に結晶化可能なガラスが、筐体とガラス接着するフィードスルーエレメントもしくは結合エレメントに接してもしくはその中で、金属に融着する温度は、半球温度ともいわれる。
【0073】
少なくとも部分的に結晶化されたガラスは、好ましい第一のおよび第二の実施形態のまた別の実施形態の場合に、少なくとも1つの結晶相が、中程度サイズのカチオンを有する金属酸化物および/または好ましくは鎖状ケイ酸塩を含むように形成されている。中程度サイズのカチオンとは、本発明の意味で、この場合、0.5Å~0.9Åのイオン半径を有しかつ好ましくは酸素による六倍の、例えば八面体配位で存在するカチオンであると解釈される。ことに、中程度サイズのカチオンの概念は、この場合、四価のジルコニウムイオンZr4+を含む。
【0074】
鎖状ケイ酸塩とは、SiO4 4-四面体が頂点結合してエンドレスな帯状または鎖状の形態で存在するケイ酸塩であると解釈される。このような鎖状ケイ酸塩の例は、例えば輝石の鉱物を含む。鎖状ケイ酸塩の他の例は、ウォラストナイトである。
【0075】
第一の好ましい実施形態の好ましい実施形態の場合に、金属酸化物はZrO2および好ましくは付加的にイットリウムを含む。全く特に好ましくは、金属酸化物はイットリウム安定化ZrO2を含み、これは最も好ましくは正方晶変態で存在する。
【0076】
好ましい第一のおよび第二の実施形態のまた他の実施形態の場合に、鎖状ケイ酸塩は、ケイ酸塩構造単位としてSiO3 2-を含み、好ましくはアルカリ土類酸化物を含む鎖状ケイ酸塩として形成されている。
【0077】
この場合、他の好ましい実施態様の場合に、アルカリ土類酸化物はCaOであり、かつこの鎖状ケイ酸塩の場合に好ましくはさらにイットリウムを含む。例えば、鎖状ケイ酸塩は、ウォラストナイト、好ましくはイットリウム含有ウォラストナイトとして形成されていてよい。
【0078】
本発明の好ましい第一のおよび第二の実施形態のまた他の実施形態の場合に、鎖状ケイ酸塩は、輝石構造を有しかつアルカリ土類酸化物を含む鎖状ケイ酸塩として形成され、ここで、アルカリ土類酸化物は、好ましくはCaOおよびMgOを含む。例えば、鎖状ケイ酸塩は透輝石として形成されていてよい。
【0079】
さらに、本発明の一実施態様によると、2つの異なる鎖状ケイ酸塩が、少なくとも部分的に結晶化されたガラス中に含まれていることも可能である。例えば、少なくとも部分的に結晶化されたガラスは、ウォラストナイトまたはY含有ウォラストナイト、および透輝石を含んでよい。同様に、1つまたは2つの鎖状ケイ酸塩は、中程度サイズのカチオンを有する金属酸化物、例えばZrO2、好ましくはYドープZrO2と一緒になって存在することも可能である。
【0080】
好ましくは、好ましい第一のおよび第二の実施形態の少なくとも部分的に結晶化されたガラスは、ことに少なくとも部分的に結晶化されたガラスと接合相手との結合の場合でもまたはその結合の一部としても、細孔のサイズが2μm~30μm、好ましくは5μm~25μmであるように形成されている。
【0081】
本発明の好ましい第一のおよび第二の実施形態の特に好ましい実施形態の場合に、少なくとも部分的に結晶化されたガラスは、ことに少なくとも部分的に結晶化されたガラスと接合相手との結合でもまたはその結合の一部としても、気孔率が勾配を有し、かつ気孔率は、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと接合相手との界面に対して10μm未満、好ましくは20μm未満の距離で、10%未満、好ましくは5%未満、最も好ましくは3%未満であり、気孔率は少なくとも部分的に結晶化されたガラスの界面または表面に向かって低下するように形成されている。
【0082】
好ましい第一のおよび第二の実施形態の一実施形態の場合に、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスの気孔率は、ことに少なくとも部分的に結晶化されたガラスと接合相手との結合でもまたはその結合の一部としても、勾配を有し、気孔率は、少なくとも部分的に結晶化されたガラスの界面および/または表面からそのガラスの内部に向かって増大し、ことに20%以上であってよい最大値にまで増大する。
【0083】
好ましい第一のおよび第二の実施形態のまた他の実施形態の場合に、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスの結晶子は、ことに少なくとも部分的に結晶化されたガラスと接合相手との結合でもまたはその結合の一部としても、0.1μm~50μmのサイズを有する。
【0084】
有利な特性は、結合が、ここに開示されているような、ことに特許請求の範囲にも該当するような少なくとも部分的に結晶化されたガラスを含む場合に、結合について、ことに金属に対する結合について、またはフィードスルーエレメントもしくは結合エレメントについての全ての説明された実施態様の場合に生じる。
【0085】
少なくとも部分的に結晶化されたガラスの重要な特性は、その電気特性にも関する。好ましくは、少なくとも部分的に結晶化されたガラスは、電気絶縁性に形成され、これは、ことに、2つの導電性材料、例えば金属が互いに結合され、これらの材料は互いに電気絶縁されたままであるべきフィードスルーにとって重要である。
【0086】
さらに、少なくとも部分的に結晶化されたガラスにより相互に結合された両方の材料の間で測定されるべき電気抵抗は、電気絶縁性に形成された少なくとも部分的に結晶化されたガラスの体積抵抗率の他に、フィードスルーエレメントまたは結合エレメントの実現された形状にも依存する。
【0087】
本発明の好ましい第一のおよび第二の実施形態の一実施態様の場合に、少なくとも部分的に結晶化されたガラスは、350℃まで、好ましくは600℃まで、特に好ましくは900℃まで高い電気絶縁性を有する。高い電気絶縁性とは、この場合、350℃の温度で108~1014オームcmの値であると解釈される。
【0088】
例えば、少なくとも部分的に結晶化されたガラスに含まれる結晶相の熱膨張係数も、原料ガラスおよび残留ガラス相の熱膨張係数とは、最大で±4・10-6/Kだけ異なる。特に好ましくは、少なくとも部分的に結晶化されたガラスに含まれている結晶相の熱膨張係数は、5・10-6/K~12・10-6/Kにある。改善された機械的安定性は、熱膨張係数のこの関係によっても支援されることが推測される。これは、ISO 7991による線熱膨張係数である。
【0089】
さらに、少なくとも部分的に結晶化されたガラスの細孔は、原料ガラスから形成されかつ少なくとも部分的に結晶化されたガラスを生じている焼結体中ではすでに、完全には作製されていないかまたはすでに存在していないことが明らかとなった。むしろ、焼結品、つまり焼結体は、高い焼結度で達成される。焼結度は、この場合、実際の密度、つまり例えば焼結体の測定により算定された密度と、焼結体の理論密度との比率によって決定されてよい。好ましくは、焼結体または焼結品の実際の密度は、少なくとも部分的に結晶化可能な、しかしながらまだ結晶化されていない、いかなる細孔も有していないガラスの理論密度よりも、最大で10%低い、有利にかつ好ましくは最大で5%低い。焼結度は、この場合、少なくとも95%、好ましくは少なくとも97%または98%、最も好ましくは少なくとも99%である。
【0090】
理論密度は、この場合、細孔なしで存在する、同じ化学量論的組成の成形体に対して得られるであろう値として生じる。例えば、ガラス粉末から、例えば少なくとも部分的に結晶化可能なガラス粉末からなる焼結品もしくは焼結体である場合、理論密度は、溶融プロセスから得られた緻密なガラスの密度に相当する。焼結体は、ガラス粉末から、圧縮および熱的緻密化工程により得られるため、この焼結体は、原則として、技術的な理由からより低い密度を有し、これは焼結度に対する尺度として用いることができる。理論密度と実際の密度との間の相違は、この場合、できる限り小さいことが好ましい。
【0091】
意外にも、導入部でもすでに述べたように、少なくとも部分的に結晶化されたガラスの細孔は、焼結品または焼結体中にすでに完全には作製されていないかまたはすでに完全には存在しておらず、むしろ大部分が結晶化と同時にまたは結晶化の間に生じることが明らかとなった。少なくとも部分的に結晶化されるガラスの細孔は、焼結品、つまり焼結体中ですでに、焼結の経過によって作製されていないかまたはすでに存在していないという言及は、本開示の意味で、少なくとも部分的に結晶化可能なガラス中で、焼結の経過を通して生じ、かつ結晶化の間に結晶化と同時に生じるのではない細孔が比較的わずかに残留するだけであることを意味する。
【0092】
焼結体、焼結品または成形体中にすでに作製されたかまたは存在する細孔の、本発明により生じた細孔に対する比率は、例えば約99%の焼結度で、ここに記載された好ましい実施形態の場合に、少なくとも約1.8であるか、またはそれどころかそれより大きい。
【0093】
この場合、ことに、熱処理の間の温度をより高く選択すればそれだけ、気孔率Φはより大きな値をとることが意外である。ことに、温度上昇と共に、細孔の平均サイズも細孔の体積も増大する。それにより、温度の選択および所定の温度での保持時間の選択により、気孔率を適切に制御することができる。通常では、当業者は、熱処理の温度をより高く選択すればそれだけ、結合の密封性が高まることを期待するであろう。それにもかかわらず、制御された気孔率の出現により、意外にも、結合の密封性は損なわれていない。むしろ、さらに、流体密の、好ましくはほぼ密閉的に密の結合は、ことに構造化され配置されたまたは構造化され分配された細孔によっても可能である。
【0094】
同様に、意外にも、少なくとも部分的に結晶化されたガラスの構造化され分配された気孔率により、結合の同時の密閉性で、フィードスルーエレメントまたは結合エレメントの特に高い機械的安定性も達成することが明らかとなった。例えば、細孔は、細孔内に至る亀裂がその細孔からさらに生長しないような形で、亀裂生長を抑制することが明らかとなった。
【0095】
ことに、少なくとも部分的な結晶化が行われた後に、得られた組織は、結晶化温度の範囲内にある温度負荷でも、この結晶化度に関して組織の重大な変化を引き起こさないほど安定であることが明らかとなった。したがって、例えば、この種の得られた少なくとも部分的に結晶化されたガラスの使用温度は、結晶化温度にあるかまたはそれどころかそれを超えることが可能である。ことに、それにより、このように少なくとも部分的に結晶化されたガラスを含む、例えば結晶化温度の範囲内にある極めて高い使用温度を有するフィードスルーエレメントまたは結合エレメントも製造可能である。
【0096】
少なくとも部分的に結晶化可能なガラスから成形された焼結品または成形された焼結体を意味する成形体は、少なくとも次の工程を含む方法により製造可能である:
1. 原料ガラスの溶融。原料ガラスの溶融は、通常のように、出発材料、いわゆる混合物を、耐熱容器、いわゆる溶融装置内で互いに混合し、この混合物が完全に溶融する温度にもたらすことにより行われる。これは、原則として、例えば少なくとも1200℃であり、好ましくは迅速な冷却と一緒に、水冷式の、室温を有するロールによって、ことに次に説明されたように行うことができる。さらに、溶融プロセスを最適化するために用いられる添加物を、例えば清澄剤の形で、混合物に添加することも可能である。通常では、この溶融は、槽内でまたはるつぼ内で行われてよい。溶融過程の間に、例えば溶融物の均質化のために他の工程を行ってよい。この場合、原料ガラスは、少なくとも部分的に結晶化されたガラスの組成を有するガラスを含むが、しかしながら好ましくは結晶化されていない。
【0097】
2. 溶融装置からの液状ガラスの取り出し。工程1において得られた溶融物は、場合により、例えば溶融液の均質化のための他の方法工程を実施した後に、溶融装置から取り出される。例えば、これは、装置的に溶融槽に接続されている圧延プロセスによって行われてよい。しかしながら、溶融装置がるつぼとして形成されていて、かつ液状ガラスの取り出しを、好ましくは注ぎ出すことにより行うことも可能である。特に好ましくは、取り出しは、ことに少なくとも2つの水冷式ロールの間への注ぎ出しにより行われるので、帯状のガラス体が得られる。
帯状のガラス体とは、この場合、例えば少なくとも2つのロールの間の間隙の幅により画定される厚みがスリット方向に延びる空間的広がりよりも小さく、かつさらに好ましくは、注ぎ出し方向でのこの空間的広がりがスリット方向に対して平行に延びる空間的広がりよりも大きく、その結果、平坦な、長く延びたガラス体が得られる場合の物体であると解釈される。
【0098】
3. 工程2で得られたガラス体の粉砕、その結果、ガラス粉末が得られる。粉末の粉砕は、通常の装置内で、例えばボールミル内で行われてよく、この場合、粉砕は、湿式で、つまり液状媒体、例えば水、または他の液体、例えば有機液体、例えばアルコールが添加された水の使用下でも、または有機液体、例えばアルコールの使用下でも行われてよい。
【0099】
4. ガラス粉末の造粒。さらなる工程において、工程3で得られたガラス粉末は造粒され、つまり、当業者に公知の他の物質、例えば有機ベースの調節剤が添加される。さらに、この工程において、例えば細孔の発生を促進することができる他の物質を、例えば熱エネルギーの作用下で分解して、少なくとも1つの流体相、例えばガスを遊離する物質の形で添加することも可能である。例えば、このような他の物質は、CO2の形成下で分解する炭酸塩含有物質、または水の形成下で分解する水を含む物質、例えば水酸化物または水和物を含む。しかしながら、発明者は、これらの他の物質の添加なしでも細孔が形成されることを確認した。これらの物質が添加される限り、これらの他の物質は単に細孔の形成にさらに適切な影響を及ぼすために用いられるが、基本的には本発明の実施のために必要ではない。
【0100】
5. 圧縮。さらなる工程において、続いて、造粒された粉末の圧縮が行われ、この場合、この圧縮は、通常の圧縮方法で、例えば、静水圧の付与または熱間静水圧(HIP)により行われる。さらに、押出または射出成形による付形が生じてもよい。
【0101】
6. 焼結。次いで、圧縮された、押し出された、または射出成形により成形された物体を焼結する。この焼結過程は、焼結された物体の実際の密度、例えば測定により決定された密度の、理論密度(これは原料ガラスの密度から生じる)に対する比率のデータにより算出されてよい。好ましくは、焼結された物体の実際の密度が、理論密度よりも最大で10%低い焼結度が達成される。したがって、好ましくは、焼結は、高い焼結度を達成しながら行われる。この焼結は、この場合、圧縮された物体を温度Tsに加熱することにより行われる。
【0102】
焼結品または焼結体が上述に説明された方法で未だに所望の形状を有しない限り、これらを任意にさらなる材料加工によりこの形状にされ、成形体に変換されてよい。
【0103】
少なくとも部分的に結晶化されたガラスと筐体材料またはシールエレメント、好ましくは温度安定性の筐体材料またはシールエレメントとの結合を製造するために、好ましくは引き続く他の方法工程が実施されてよい。
【0104】
この方法工程では、接合相手の材料、好ましくは筐体材料またはシールエレメントの材料、ならびにこの場合に得られた化合物は、好ましくは金属、ことに鋼の群からなる金属、例えば標準鋼、特殊鋼、ステンレス鋼、およびThermaxの商品名のもとで公知でもある高温安定性のフェライト鋼、例えばThermax4016、Thermax4742、またはThermax4762またはCrofer22 APUまたはCroFer22 HまたはNiFeを基礎とする材料、例えばNiFe45、NiFe 47またはニッケルメッキされたピン、またはInconelの商品名のもとで公知の、例えばInconel 718またはX-750、または例えば商品名CF25、Alloy 600、Alloy 625、Alloy 690、SUS310S、SUS430、SUH446またはSUS316のもとで公知の鋼、またはオーステナイト鋼、例えば1.4828または1.4841または高温安定性のセラミック化合物、例えば酸化アルミニウムを基礎とするセラミックまたは酸化ジルコニウムを基礎とするセラミック、例えばY安定化酸化ジルコニウムを含むセラミックを含む。
【0105】
7. 形状結合により結合した材料の、T1よりも高い温度T2への加熱、その結果、原料ガラスの少なくとも部分的な結晶化が生じるので、細孔を含む少なくとも部分的に結晶化されたガラスが生じ、この細孔は、構造化された分配を有する。
【0106】
8. 焼結された原料ガラス体または焼結品を、少なくとも1つの接合相手、ことに筐体またはシールエレメントおよびフィードスルーエレメントの材料の結合されるべき材料の間にまたはその材料に接するようにもたらす。工程6において、すでに少なくとも部分的に結晶化されたガラスからなる成形体の焼結プリフォームは得られる。これは、接合相手の材料、ことに筐体またはシールエレメントの材料の中にまたはその材料に接するようにもたらされる。少なくとも部分的に結晶化可能なガラスから成形された焼結品または成形された焼結体を意味する成形体は、これが、例えばフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの筐体内に収容されるために適していてかつそのために定められていて、これらと一緒にさらに加工される場合には、焼結プリフォームともいわれる。焼結プリフォームは、これが焼結過程によりすでに、成形体のために所望なこの形状にもたらされた場合に、すでに、本質的に成形体の最終形状を有していてよい。しかしながら、成形体は、焼結プリフォームまたは焼結品の付形する加工、ことに材料除去して付形する加工から得られてよく、このようにして、この成形体は所望の形状を得る。ここで、この種の、しかも可能な材料加工は、ことに、この場合、場合により焼結体または焼結品の中に未だに存在する多すぎる細孔が露出し、引き続き、この細孔が熱処理の間に消失されることができないかまたは吸収されることができずに、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと接合相手との間の界面が損なわれる場合には、不利であることもある。
【0107】
9. ガラス封着。
材料、ことに焼結された原料ガラス体もしくは焼結品の材料と、結合されるべき材料、ことに接合相手の材料、ことに筐体もしくはシールエレメントおよびフィードスルーエレメントの材料との温度T1への加熱は、結合されるべき材料、ことに接合相手の材料およびことに筐体またはシールエレメントおよびフィードスルーエレメントの材料が原料ガラスにより濡らされるという結果と共に、焼結された原料ガラス体の流動化を引き起こし、かつ原料ガラス体の材料と、接合相手の材料、ことに筐体またはシールエレメントおよびフィードスルーエレメントの材料との形状結合による結合を生じさせる。焼結プリフォームを、筐体またはシールエレメント中にまたはそれに接するようにもたらした後に、それにより引き続き、少なくとも接合相手、ことに筐体またはシールエレメントと、焼結プリフォームとを含む複合体を、温度T1に加熱することによりガラス封着が行われる。これは、Tsよりも高い。ガラス封着の際に、まず温度T1で、結合されるべき材料がガラスにより濡らされるという結果と共に、焼結された原料ガラス体の流動化が引き起こされ、材料の形状結合による結合が生じる。さらに、好ましくは、結合された材料の、T1よりも高い温度T2への加熱が行われるので、原料ガラスの少なくとも部分的な結晶化が引き起こされて、好ましくは構造化された分配を有する細孔を含む少なくとも部分的に結晶化されたガラスが生じる。ガラス封着により、少なくとも部分的に結晶化されたガラスからなる成形体の最大負荷温度Tmaxは、第一の好ましい実施態様の場合に、900℃超に達し、第二の好ましい実施形態の場合に、少なくとも部分的に結晶化されたガラスからなる成形体の最大負荷温度Tmaxは、好ましくは1100℃超、最も好ましくは1200℃に達する。
【0108】
この場合、時間的に連続的な温度上昇が実施されてよいか、または所定の温度で定義された保持時間を、これらの温度のその都度1つ以上、例えばT1またはT2で維持してよい。
【0109】
この場合、さらに温度-時間プロフィールは、全ての実施形態の場合に好ましくは、構造化され分配された、好ましくは制御された気孔率が生じるように選択され、ここでこの温度-時間プロフィールでは、10~200K/min、好ましくは20~180K/min、特に好ましくは50~150K/minの温度上昇速度または加熱速度が使用され、好ましい第一の実施形態の場合に、保持温度は、900℃~1050℃の間であり、保持時間は、20分~120分、好ましくは20分~60分、それどころか例外的な場合には150分までである。保持温度は、第二の好ましい実施形態の場合に、同じ保持時間で少なくとも950℃と最大で1200℃との間で選択されてよい。好ましくは、保持温度は、第二の好ましい実施形態の場合に、少なくとも1050℃でかつ最大で1150℃である。
【0110】
この場合、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと、筐体材料またはシールエレメント、好ましくは温度安定性の筐体材料またはシールエレメント、特に好ましくは金属との結合は、少なくとも部分的に結晶化されたガラスによって、上述に説明されたように得られる。
【0111】
この場合、結合は、流体密で、好ましくは密閉的に密に形成されている。
【0112】
発明者は、この場合、最も意外にも、所定の温度と、最大温度での保持時間との組合せにより、細孔を含む組織が得られ、ここで細孔はことに上述の説明により得られた成形体または焼結品の使用の際に構造化され分配されて配置されることを見出した。この意味で、制御された気孔率についても報告される。最大温度での保持時間は、20~120分、好ましくは30~60分であり、ここで保持温度は、第一の好ましい実施形態の場合に、少なくとも900℃と最大で1050℃との間で選択される。好ましくは、保持温度は、少なくとも950℃で、最大で1010℃である。
【0113】
保持温度は、第二の好ましい実施形態の場合に、少なくとも950℃と最大で1200℃との間で選択されてよい。好ましくは、保持温度は、第二の好ましい実施形態の場合に、少なくとも1050℃でかつ最大で1150℃である。
【0114】
例外的な場合には、保持時間は、全ての実施形態について、150分までであってよい。
【0115】
本発明の他の態様は、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと、筐体材料、好ましくは温度安定性の筐体材料、特に好ましくは金属との結合に関し、ここで、この結合は、本発明の実施形態による少なくとも部分的に結晶化されたガラスを含む。
【0116】
結合の他の実施形態の場合に、筐体材料は、ことに鋼の群からなる金属、例えば標準鋼、特殊鋼、ステンレス鋼、およびThermaxの商品名のもとで公知でもある高温安定性のフェライト鋼、例えばThermax4016、Thermax4742、またはThermax4762またはCrofer22 APUまたはCroFer22 HまたはNiFeを基礎とする材料、例えばNiFe45、NiFe 47またはニッケルメッキされたピン、またはInconelの商品名のもとで公知の、例えばInconel 718またはX-750、または例えば商品名CF25、Alloy 600、Alloy 625、Alloy 690、SUS310S、SUS430、SUH446またはSUS316のもとで公知の鋼、またはオーステナイト鋼、例えば1.4828または1.4841または高温安定性のセラミック化合物、例えば酸化アルミニウムを基礎とするセラミックまたは酸化ジルコニウムを基礎とするセラミック、例えばY安定化酸化ジルコニウムを含むセラミックを含む。
【0117】
好ましくは、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと筐体材料との結合は、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと筐体材料との間の接触領域内では、つまり少なくとも部分的に結晶化可能なガラスと接合相手との間の界面には、わずかな数の細孔が存在するかまたは細孔が存在しないように形成されている。
【0118】
気孔率は、好ましくは、少なくとも部分的に結晶化されたガラスの、筐体材料に対する界面および/または表面から1μmを下回る距離で、10%未満、好ましくは5%未満、特に好ましくは3%未満の値に低下する。
【0119】
特に好ましくは、この場合、筐体材料と少なくとも部分的に結晶化されたガラスとの間の界面は、この界面に欠陥がほとんど存在せず、むしろ筐体材料は少なくとも部分的に結晶化されたガラスにより均一に濡れているように形成される。これは、好ましくは、界面自体で障害となる副反応が起こらず、ことに界面での異種結晶化の意味での結晶化が行われないことにより達成される。むしろ、出発ガラスの結晶化は、ガラス自体内で行われ、かつ筐体材料に対する界面での界面反応をこれまでに見出すことができないように行われる。
【0120】
筐体材料と少なくとも部分的に結晶化されたガラスとの間の界面は、さらに本質的に気泡または封入物不含でもある。これは、同様に、特に良好な濡れにより達成される。
【0121】
本発明のまた他の態様は、上述に説明された実施形態による少なくとも部分的に結晶化されたガラスを含むフィードスルーエレメントまたは結合エレメントに関する。
【0122】
好ましくは、フィードスルーエレメントまたは結合エレメントは、少なくとも1つの他の材料を含み、ここで少なくとも部分的に結晶化されたガラスと少なくとも1つの他の材料との間の熱膨張係数の相違は、3・10-6/K未満である。
【0123】
このように、特に有利にフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの極めて高い安定性が可能となる。例えば、少なくとも部分的に結晶化されたガラスにより含まれる結晶相の熱膨張係数も、原料ガラスの熱膨張係数から単に最大で±4・10-6/K異なるだけである。特に好ましくは、少なくとも部分的に結晶化されたガラスにより含まれている結晶相の熱膨張係数は、5・10-6/K~12・10-6/Kである。
【0124】
有利に、好ましい実施形態の場合に、結合は流体密に、好ましくは密閉的に密に形成されている。
【0125】
本発明のまた他の態様の場合に、この際、少なくとも1つの他の材料は、温度安定性の材料として、好ましくは温度安定性の金属として、ことに温度安定性のセラミックとして、またことに筐体の材料としておよび/またはことにフィードスルーエレメントもしくは結合エレメントの筐体の材料として形成されている。
【0126】
本発明のまた他の態様は、例えば金属-ガラス結合の形の、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと筐体材料との間の結合、ことにフィードスルーエレメントもしくは結合エレメントの筐体材料との間の結合の製造方法に関する。この方法は、次の工程を含む:
1. 焼結された原料ガラス体または焼結体を、少なくとも1つの接合相手の、ことに筐体またはシールエレメントおよびフィードスルーエレメントの材料の結合されるべき材料の間にまたはその材料に接するようにもたらし、
2. 材料、ことに焼結された原料ガラス体もしくは焼結品の材料と、結合されるべき材料、ことに接合相手の材料、ことに筐体もしくはシールエレメントおよびフィードスルーエレメントの材料とを、温度T1へ加熱することで、結合されるべき材料、ことに接合相手の材料およびことに筐体またはシールエレメントおよびフィードスルーエレメントの材料が原料ガラスにより濡らされるという結果と共に、焼結された原料ガラス体の流動化を引き起こし、かつ原料ガラス体の材料と、接合相手の材料、ことに筐体またはシールエレメントおよびフィードスルーエレメントの材料との形状結合による結合を生じさせ、
3. 形状結合により結合した材料を、T1よりも高い温度T2に加熱することで、原料ガラスの少なくとも部分的な結晶化が生じるので、細孔を含む少なくとも部分的に結晶化されたガラスが生じ、ここで、この細孔は、構造化された分配を有する。
【0127】
本発明の他の態様は、構造化され分配された気孔率、有利にかつ好ましくは制御された気孔率の形成が可能である焼結体に関する。この焼結体は、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスを含み、ここでこの焼結体は、理論密度の少なくとも90%、好ましくは理論密度の少なくとも95%に相当する密度を有する。焼結体は、第一の好ましい実施形態の場合に、質量%で表して、次の組成を有する:
SiO2:20~60、好ましくは25~50
Al23:0.5~20、好ましくは0.5~10
CaO:10~50
MgO:0.5~50、好ましくは0.5~10
23:0.1~20、好ましくは3~20
ZrO2:0.1~25、好ましくは3~20
23:1~15、好ましくは3~12
ここで、さらにHfO2は、任意に0.25質量%まで含まれていてよい。
【0128】
第二の好ましい実施形態の焼結体は、好ましくは、質量%で表して、次の組成を含む:
SiO2:36~54、好ましくは40~54
Al23:8~16、好ましくは8~13
CaO:0~35、好ましくは5~25
MgO:0~17、好ましくは3~14
RO:8~39、好ましくは8~35
ZrO2:0~25、好ましくは0~17
23:0~3、好ましくは0~2、特に好ましくは0
ここで、ROの割合は、その都度単独で、または全体で、または任意の混合物の形で、酸化物のBaO、SrO、MgO、ZnOを表す。
【0129】
好ましくは、ROは、単独でまたはそれぞれ任意の組合せで、質量%で表して、
BaO 0~36
MgO 0~22
CaO 0~25
である。
【0130】
一般に、焼結体は、特に好ましい実施形態の場合に、上述に開示されかつことに特許請求の範囲に請求されているような少なくとも部分的に結晶化可能なガラスを含んでよい。
【0131】
実施例
次に、本発明を実施例に基づき説明する。
【0132】
本発明による少なくとも部分的に結晶化されたガラスを得ることができる例示的な少なくとも部分的に結晶化可能なガラスは、第一の好ましい実施形態の場合に、質量%で表して、次の組成により与えられる:
SiO2 35.8
23 8.6
Al23 2.4
CaO 30.3
MgO 3.8
23 11.7
ZrO2 7.4
【0133】
本発明の第二の好ましい実施形態による少なくとも部分的に結晶化されたガラスを得ることができる例示的な少なくとも部分的に結晶化可能なガラスは、第二の好ましい実施形態の第一の少なくとも部分的に結晶化可能なガラスG1および第二の好ましい実施形態の第二の少なくとも部分的に結晶化可能なガラスG2について、質量%で表して、次の組成により与えられる:
酸化物 G1、質量% G2、質量%
SiO2 40.8 45
Al23 12.7 11.3
MgO 11.5 7.5
CaO 10.5 18.7
ZrO2 24.5 17.5
【0134】
本発明の第二の好ましい実施形態による少なくとも部分的に結晶化されたガラスを得ることができる例示的な少なくとも部分的に結晶化可能なガラスは、それぞれ第二の好ましい実施形態の、第三の本発明による少なくとも部分的に結晶化可能なガラスG7および第四の本発明による少なくとも部分的に結晶化可能なガラスG8について、質量%で表して、次の組成により与えられる:
少なくとも部分的に結晶化可能なガラスG7
酸化物 質量%
SiO2 50.9
Al23 15.9
CaO 13.2
MgO 14.4
ZrO2 5.6
および
少なくとも部分的に結晶化可能なガラスG8
酸化物 質量%
SiO2 54
Al23 13.5
CaO 22.5
MgO 3.0
ZrO2 7.0
【0135】
次の確認事項は、本開示の一部であり、かつ本願のさらなる開示と本発明の実施例のその都度の独立した特性との組合せでもまた説明される。この場合、ことに、次の確認事項の各々は、例示的な実施例の特性を独立して反映してもよい。
【0136】
確認事項1、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと少なくとも1つの接合相手との、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと少なくとも1つの接合相手との間に界面を有する結合において、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスは、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと接合相手との界面に向かって低下する気孔率を有する結合が開示されている。
【0137】
確認事項2、ことに確認事項1の開示との組合せでの、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと少なくとも1つの接合相手との、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスと少なくとも1つの接合相手との間に界面を有する結合において、少なくとも部分的に結晶化されたガラスは、少なくとも1つの結晶相と細孔とを含み、この細孔は、少なくとも部分的に結晶化されたガラス中に構造化され分配されて配置されている結合が開示されている。
【0138】
確認事項3、ことに確認事項1または2の開示との組合せでの結合において、気孔率は勾配を有し、かつ気孔率は、少なくとも部分的に結晶化されたガラスの界面に対して10μm未満、好ましくは20μm未満の距離で、10%未満、好ましくは5%未満、最も好ましくは3%未満であり、気孔率は、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと接合相手との界面に向かって低下する結合が開示されている。
【0139】
確認事項4、ことに確認事項1、2または3の開示との組合せでの結合において、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと接合相手との間の界面には、わずかな数の細孔が存在するかまたは細孔が存在せず、気孔率は、少なくとも部分的に結晶化されたガラスの、接合相手に対する界面から1μm、好ましくは2μmを下回る距離で、5%未満の値に低下する結合が開示されている。
【0140】
確認事項5、ことに確認事項1から4までの開示との組合せでの結合において、気孔率は勾配を有し、かつ少なくとも部分的に結晶化されたガラスの界面および/または表面の気孔率は、その内部に向かって増大し、ことに20%以上の最大値まで上昇する結合が開示されている。
【0141】
確認事項6、ことに確認事項1から5までの開示との組合せでの、細孔のサイズが2μm~30μm、好ましくは5μm~25μmである少なくとも部分的に結晶化されたガラスを含む結合が開示されている。
【0142】
確認事項7、ことに確認事項1から6までの開示との組合せでの、結晶子が0.1μm~50μmのサイズを有する少なくとも部分的に結晶化されたガラスを含む結合が開示されている。
【0143】
確認事項8、ことに確認事項1から7までの開示との組合せでの、細孔が少なくとも部分的に結晶の近傍に配置されている少なくとも部分的に結晶化されたガラスを含む結合が開示されている。
【0144】
確認事項9、ことに確認事項1から8までの開示との組合せでの、結晶含有率が、少なくとも部分的に結晶化されたガラスの全体積を基準として少なくとも25%、好ましくは少なくとも50%、特に好ましくは少なくとも60%である少なくとも部分的に結晶化されたガラスを含む結合が開示されている。
【0145】
確認事項10、ことに確認事項1から9までの開示との組合せでの、気孔率が、体積を基準として少なくとも3%、好ましくは少なくとも5%、特に好ましくは少なくとも10%である少なくとも部分的に結晶化されたガラスを含む結合が開示されている。
【0146】
確認事項11、ことに確認事項1から10までの開示との組合せでの結合において、この結合は流体密、好ましくは密閉的に密に形成されている結合が開示されている。
【0147】
確認事項12、ことに確認事項1から11の開示との組合せでの結合において、接合相手の材料として、ことに鋼の群からなる金属、例えば標準鋼、特殊鋼、ステンレス鋼、およびThermaxの商品名のもとで公知でもある高温安定性のフェライト鋼、例えばThermax4016、Thermax4742、またはThermax4762またはCrofer22 APUまたはCroFer22 HまたはNiFeを基礎とする材料、例えばNiFe45、NiFe47またはニッケルメッキされたピン、またはInconelの商品名のもとで公知の、例えばInconel 718またはX-750、または例えば商品名CF25、Alloy 600、Alloy 625、Alloy 690、SUS310S、SUS430、SUH446またはSUS316のもとで公知の鋼、またはオーステナイト鋼、例えば1.4828または1.4841または高温安定性のセラミック化合物、例えば酸化アルミニウムを基礎とするセラミックまたは酸化ジルコニウムを基礎とするセラミック、例えばY安定化酸化ジルコニウムを含むセラミックを含む結合が開示されている。
【0148】
確認事項13、ことに確認事項1から12までの開示との組合せでの結合を含む、フィードスルーエレメントまたは結合エレメントが開示されている。
【0149】
確認事項14、ことに確認事項13の開示との組合せでのフィードスルーエレメントまたは結合エレメントにおいて、少なくとも1つの材料、ことに少なくとも1つの他の材料、ことに筐体の材料を有する接合相手を含み、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと接合相手の材料、ことに筐体の材料との間の熱膨張係数の相違は、3・10-6/K未満であるフィードスルーエレメントまたは結合エレメントが開示されている。
【0150】
確認事項15、ことに確認事項13または14の開示との組合せでのフィードスルーエレメントまたは結合エレメントにおいて、接合相手の材料、ことに筐体の材料は、温度安定性の材料として、好ましくは温度安定性の金属として、ことに温度安定性のセラミックとして形成されているフィードスルーエレメントまたは結合エレメントが開示されている。
【0151】
確認事項16、ことに確認事項1から12までの開示による結合のための、ならびに確認事項13から15までの開示によるフィードスルーエレメントまたは結合エレメントのための少なくとも部分的に結晶化されたガラスにおいて、少なくとも1つの結晶相と細孔とを含み、この細孔は、少なくとも部分的に結晶化されたガラス中で構造化され分配されて配置されている、少なくとも部分的に結晶化されたガラスが開示されている。
【0152】
確認事項17、ことに確認事項16の開示との組合せでの少なくとも部分的に結晶化されたガラスにおいて、少なくとも部分的に結晶化されたガラスの細孔は、少なくとも部分的に結晶化されたガラスを生じている焼結体中に、すでに完全には作製されていないかまたはすでに存在していない、少なくとも部分的に結晶化されたガラスが開示されている。
【0153】
確認事項18、ことに確認事項16または17の開示との組合せでの少なくとも部分的に結晶化されたガラスにおいて、細孔の大部分は結晶化と同時に生じている、少なくとも部分的に結晶化されたガラスが開示されている。
【0154】
確認事項19、ことに確認事項16、17または18の開示との組合せでの少なくとも部分的に結晶化されたガラスにおいて、好ましくは約99%の焼結度で、約1.5~5、好ましくは少なくとも1.8またはそれより高い、焼結体、焼結品または成形品中にすでに作製されたかまたは存在する細孔の、結晶化と同時に生じる細孔に対する比率を含む、少なくとも部分的に結晶化されたガラスが開示されている。
【0155】
確認事項20、ことに確認事項16から19までの開示との組合せでの少なくとも部分的に結晶化されたガラスにおいて、質量%で表して、次の酸化物を含み:
SiO2:20~60、好ましくは25~50
Al23:0.5~20、好ましくは0.5~10
CaO:10~50
MgO:0.5~50、好ましくは0.5~10
23:0.1~20、好ましくは3~20
ZrO2:0.1~25、好ましくは3~20
23:1~15、好ましくは3~12
ここで、さらにHfO2は、任意に0.25質量%まで含まれていてよい、少なくとも部分的に結晶化されたガラスが開示されている。
【0156】
確認事項21、ことに確認事項16から19までの開示との組合せでの少なくとも部分的に結晶化されたガラスにおいて、質量%で表して、次の酸化物を含み:
SiO2:36~54、好ましくは40~54
Al23:8~16、好ましくは8~13
CaO:0~35、好ましくは5~25
MgO:0~17、好ましくは3~14
RO:8~39、好ましくは8~35
ZrO2:0~25、好ましくは0~17
23:0~3、好ましくは0~2、特に好ましくは0
ここで、ROの割合は、その都度単独で、または全体で、または任意の混合物の形で、酸化物のBaO、SrO、MgO、ZnOを表し、
好ましくは、ROは、単独でまたはそれぞれ任意の組合せで、質量%で表して、
BaO 0~36
MgO 0~22
CaO 0
である、少なくとも部分的に結晶化されたガラスが開示されている。
【0157】
確認事項22、ことに確認事項16から21までの開示との組合せでの少なくとも部分的に結晶化されたガラスにおいて、少なくとも1つの結晶相は、0.50Å~0.90Åのイオン半径を有する中程度サイズのカチオンを有する金属酸化物、および/または好ましくは鎖状ケイ酸塩を含む、少なくとも部分的に結晶化されたガラスが開示されている。
【0158】
確認事項23、ことに確認事項20または22の開示との組合せでの少なくとも部分的に結晶化されたガラスにおいて、金属酸化物がZrO2を含み、かつ好ましくは付加的にイットリウムを含む、少なくとも部分的に結晶化されたガラスが開示されている。
【0159】
確認事項24、ことに確認事項21または22の開示との組合せでの少なくとも部分的に結晶化されたガラスにおいて、結晶相がY23不含および/またはZrO2不含である、少なくとも部分的に結晶化されたガラスが開示されている。
【0160】
確認事項25、ことに確認事項20から23までの開示との組合せでの少なくとも部分的に結晶化されたガラスにおいて、少なくとも1つの鎖状ケイ酸塩は、ケイ酸塩構造単位としてSiO3 2-を含み、かつ好ましくはアルカリ土類酸化物を含む鎖状ケイ酸塩として形成されている、少なくとも部分的に結晶化されたガラスが開示されている。
【0161】
確認事項26、ことに確認事項22の開示との組合せでの少なくとも部分的に結晶化されたガラスにおいて、アルカリ土類酸化物はCaOであり、かつ鎖状ケイ酸塩は、好ましくはさらにイットリウムを含む、少なくとも部分的に結晶化されたガラスが開示されている。
【0162】
確認事項27、ことに確認事項20から25までの開示との組合せでの少なくとも部分的に結晶化されたガラスにおいて、鎖状ケイ酸塩は、輝石構造を有しかつアルカリ土類酸化物を含む鎖状ケイ酸塩として形成されていて、アルカリ土類酸化物は、好ましくはCaOおよびMgOを含む、少なくとも部分的に結晶化されたガラスが開示されている。
【0163】
確認事項28、ことに確認事項16から27までの開示との組合せでの少なくとも部分的に結晶化されたガラスを含む、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと、接合相手、ことに筐体材料またはシールエレメント、好ましくは温度安定性の筐体材料またはシールエレメント、特に好ましくは金属との結合が開示されている。
【0164】
確認事項29、ことに確認事項16から27までの開示内容との組合せでの少なくとも部分的に結晶化されたガラス、および好ましくは、ことに確認事項1から12までの開示内容との組合せでの結合を含む、フィードスルーエレメントまたは結合エレメントが開示されている。
【0165】
確認事項30、ことに確認事項20の少なくとも部分的に結晶化されたガラスの組成を有する、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスを含む焼結体または成形体において、焼結体は、構造化され分配された気孔率、好ましくは制御された気孔率の形成を可能にし、かつ理論密度の少なくとも90%、好ましくは理論密度の少なくとも95%に相当する密度を有し、質量%で表して、次の組成を有し:
SiO2:20~60、好ましくは25~50
Al23:0.5~20、好ましくは0.5~10
CaO:10~50
MgO:0.5~50、好ましくは0.5~10
23:0.1~20、好ましくは3~20
ZrO2:0.1~25、好ましくは3~20
23:1~15、好ましくは3~12
ここで、さらにHfO2は、任意に0.25質量%まで含まれていてよい、焼結体または成形体が開示されている。
【0166】
確認事項31、ことに、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスを含む、確認事項21の少なくとも部分的に結晶化されたガラスの組成を有する焼結体または成形体において、焼結体は、構造化され分配された気孔率、好ましくは制御された気孔率の形成を可能にし、かつ理論密度の少なくとも90%、好ましくは理論密度の少なくとも95%に相当する密度を有し、質量%で表して、次の組成を含み:
SiO2:36~54、好ましくは40~54
Al23:8~16、好ましくは8~13
CaO:0~35、好ましくは5~25
MgO:0~17、好ましくは3~14
RO:8~39、好ましくは8~35
ZrO2:0~25、好ましくは0~17
23:0~3、好ましくは0~2、特に好ましくは0
ここで、ROの割合は、その都度単独で、または全体で、または任意の混合物の形で、酸化物のBaO、SrO、MgO、ZnOを表し、
好ましくは、ROは、単独でまたはそれぞれ任意の組合せで、質量%で表して、
BaO 0~36
MgO 0~22
CaO 0~25
である、焼結体または成形体が開示されている。
【0167】
確認事項32、
1. 好ましくは、確認事項20または21による少なくとも部分的に結晶化されたガラスの組成を有するガラス、しかしながら好ましくは結晶化されていないガラスを含む、原料ガラスの溶融、
2. 好ましくは注ぎ出し、特に好ましくは少なくとも2つの水冷式ロールの間への注ぎ出しによる、溶融装置からの液状ガラスの取り出し、その結果、帯状ガラス体が得られ、
3. 工程2で得られたガラス体の粉砕、その結果ガラス粉末が得られ、
4. ガラス粉末の造粒、
5. 圧縮、
6. 好ましくは、理論密度の90%、好ましくは理論密度の95%の成形体または焼結体の密度を特徴とする高い焼結度の達成下での焼結、ここで、任意に、焼結体は、さらなる材料加工により成形可能であり、かつ成形体に変換可能である、
を含む、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスを有する成形体または焼結体の製造方法が開示されている。
【0168】
確認事項33、ことに確認事項1から12までまたは28の開示との組合せでの、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと接合相手との間の結合、ことに筐体材料またはシールエレメント、ことに確認事項13から15までまたは29の開示との組合せでの、ことにフィードスルーエレメントおよび結合エレメントの筐体材料との間の結合の製造方法において、次の工程:
1.焼結された原料ガラス体または焼結体、ことに確認事項32の開示により製造された焼結体を、少なくとも1つの接合相手の、ことに筐体またはシールエレメントおよびフィードスルーエレメントの材料の結合されるべき材料の間にまたはその材料に接するようにもたらし、
2. 材料、ことに焼結された原料ガラス体もしくは焼結品の材料と、結合されるべき材料、ことに接合相手の材料、ことに筐体もしくはシールエレメントおよびフィードスルーエレメントの材料とを、温度T1へ加熱することで、結合されるべき材料、ことに接合相手の材料およびことに筐体もしくはシールエレメントおよびフィードスルーエレメントの材料が原料ガラスにより濡らされるという結果と共に、焼結された原料ガラス体の流動化を引き起こし、かつ原料ガラス体の材料と、接合相手の材料、ことに筐体もしくはシールエレメントおよびフィードスルーエレメントの材料との形状結合による結合を生じさせ、
3. 形状結合により結合した材料を、T1よりも高い温度T2に加熱することで、原料ガラスの少なくとも部分的な結晶化が生じるので、細孔を含む少なくとも部分的に結晶化されたガラスが生じ、ここで、この細孔は、構造化された分配を有する
を含む、結合の製造方法が開示されている。
【0169】
確認事項34、ことに確認事項1から12までまたは28の開示との組合せでの、ことに少なくとも部分的に結晶化可能なガラスと少なくとも1つの接合相手の材料との結合、ことに筐体材料またはシールエレメント、ことに確認事項13から15までまたは29の確認事項の内容との組合せで、ことにフィードスルーエレメントおよび結合エレメントの筐体材料との結合の製造方法において、
焼結プリフォームまたは焼結体を、シールエレメントまたは筐体、ことにフィードスルーエレメントまたはシールエレメントの筐体の中にまたはそれに接するようにもたらす方法工程、
900℃超のTmaxの温度の到達下でガラス封着する方法工程が実施され、ここで、保持温度は、
- 確認事項20の開示による少なくとも部分的に結晶化されたガラスの組成を有する、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスまたは原料ガラス体または焼結体の組成の場合に、900℃~1050℃であり、かつ
- 確認事項21の開示による少なくとも部分的に結晶化されたガラスの組成を有する、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスまたは原料ガラスまたは焼結体の組成の場合に、少なくとも950℃でかつ最大で1200℃であり、好ましくは保持温度は、少なくとも1000℃でかつ最大で1150℃であり、ここで、
保持時間は20分~70分であり、ここで、この場合、ことに温度-時間プロフィールは、構造化され分配された細孔が生じるように、つまり制御された気孔率が生じるように選択される、
結合の製造方法が開示されている。
【0170】
確認事項35、ことに確認事項1から12までまたは28の開示との組合せでの結合の、自動車の排ガス装置における使用が開示されている。
【0171】
確認事項36、ことに確認事項13から15までまたは29の開示との組合せでのフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの、自動車の排ガス装置における使用が開示されている。
【0172】
図面
次に、本発明を図面に基づき例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0173】
図1】金属を含む筐体と、その筐体中にことに焼結プリフォームとして配置され、その温度処理後の焼結体とを含み、この温度処理の際に、溶融した焼結体が、第二の好ましい実施形態の少なくとも部分的に結晶化可能なガラスを含み、かつこの温度処理により筐体にガラス融着されている、フィードスルーエレメントまたは結合エレメントの写真画像。
図2図1において示されたフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの、その対称軸または縦軸に対してほぼ平行に延び、かつこの場合、この対称軸または縦軸もある平面内に延在する切断面を示す断面の写真画像。
図3図2において示されたフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの断面の領域内の細部の、少なくとも部分的に結晶化するガラスと筐体の材料との間の界面を認識することができる、ほぼ千倍に拡大された電子顕微鏡画像。
図4図2において示されたフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの断面の領域内の細部の、少なくとも部分的に結晶化されたガラス中の細孔のサイズを認識することができる、ほぼ二千倍に拡大された電子顕微鏡画像。この画像は、1200℃で10分超の温度負荷後のガラスを示す。
図5】金属を含む筐体と、その筐体中にことに焼結プリフォームとして形成され、その温度処理後の焼結体とを含み、この温度処理の際に、溶融した焼結体が、第二の好ましい実施形態の少なくとも部分的に結晶化可能なガラスを含み、かつこの温度処理により筐体にガラス融着されている試験構造の写真画像。
図6】焼結の後の焼結体または焼結品の断面の、焼結体または焼結品中に残留する細孔または欠陥を認識することができる、ほぼ千倍に拡大した電子顕微鏡画像。
図7図6において示された焼結体または焼結品から同じように熱処理により、ことに少なくとも部分的な結晶化により生じている少なくとも部分的に結晶化されるガラスの断面の、焼結体または焼結品中に結晶化と同時に生じる細孔を認識することができる、千倍に拡大した電子顕微鏡画像。
図8】少なくとも部分的に結晶化可能なガラスからなる焼結体の電子顕微鏡画像。
図9】2つの筐体材料の間の少なくとも部分的に結晶化されたガラスの電子顕微鏡画像。
図10】同じ材料を有する一実施形態からの、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと筐体材料との間の界面の拡大図。
図11】異なる保持温度での少なくとも部分的に結晶化されたガラスの電子顕微鏡画像。
図12】異なる保持温度での少なくとも部分的に結晶化されたガラスの電子顕微鏡画像。
【0174】
好ましい実施形態の詳細な説明
次に、それらの特徴においてより詳細に説明される好ましい実施形態を引き合いに出す。
【0175】
本発明の目的は、少なくとも部分的に結晶化可能なまたは部分的に結晶化されたガラスと、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの金属または筐体材料との間の、密閉的に密でかつこの場合に機械的に安定な結合を提供することである。このフィードスルーエレメントまたは結合エレメントは、少なくとも第二の好ましい実施形態の場合に、有利に1000℃超まで、好ましくは1250℃までほぼ密閉的に密であり、かつことに機械的に安定であり、それにより自動車の排ガス装置中でも、ことにその排ガス浄化装置中でもほぼ連続運転に耐えて使用することができる。発明者は、それどころか、ここに記載された結合ならびにフィードスルーエレメントおよび結合エレメントが、ほぼ気密的に密でかつ機械的に安定で、連続運転に耐えて、1270℃までの温度に耐える第二の好ましい実施形態の実施例を得ることができる。
【0176】
これらの特性についての尺度は、例えば半球温度であり、この半球温度は、ここに開示された、第二の好ましい実施形態の少なくとも部分的に結晶化されたガラスの場合に、好ましくは少なくとも約1200℃であり、かつ好ましい第二の実施形態のいくつかの実例の場合には、それどころか遙かにより高い。
【0177】
第一の好ましい実施形態の材料は、約1050℃まで温度耐久性でかつ密閉的に密であるにすぎない。しかしながら、特別な用途のために、約1200℃またはそれどころかより高い温度が必要である。
【0178】
すでに上述で説明された利点の他に、改善された温度耐久性に寄与する、第一の好ましい実施形態に対する第二の好ましい実施形態の相違は、イットリウム不含の、ことにY23不含の結晶相に基づいている。さらに、この結晶相は、好ましくはジルコニウム不含、ことにZrO2不含であってよい。
【0179】
第二の好ましい実施形態の、ここに開示された少なくとも部分的に結晶化可能なガラスは、B23不含であってよいか、または好ましくは1質量%未満の極めてわずかなB23割合だけを有し、かつそれにより、第一の好ましい実施形態のガラスよりも化学的に耐久性である。
【0180】
次に、添付の図面を、またまず先に図1を引き合いに出す。これは、好ましくは金属を含む筐体4.1と、その筐体内に、ことに焼結プリフォームとして配置された焼結体1とを有し、この焼結体は、フィードスルーエレメントまたは結合エレメント10の製造のための上述に説明された温度処理後に、少なくとも部分的に結晶化されたガラス2を含むかまたはそのガラスからなる、フィードスルーエレメントまたは結合エレメント10の写真画像を示す。
【0181】
この温度処理の際に、溶融された焼結体1は、筐体4.1にガラス融着され、かつ結晶化と同時に細孔21が形成され、この細孔は、次に、他の図を参照しながらさらに詳細に説明される。
【0182】
さらに、例示的に導体を含んでもよい機能エレメント5を認識することができる。
【0183】
一般に、本開示の範囲内で、接合相手として、その都度好ましい機能エレメントおよび/または筐体、またはことにここで説明されたような筐体の材料、およびシールエレメントまたはシールエレメントの材料が挙げられる。
【0184】
図2からは、図1において示された、ほぼ円筒形および円筒対称形のフィードスルーエレメントまたは結合エレメント10の、その対称軸または縦軸13に対してほぼ平行に延び、かつこの場合、この対称軸または縦軸13もある平面内に延在する切断面を示す断面の写真画像を推知することができる。
【0185】
図2ならびに図3、4、5および6のこれらの画像は、その都度の試験体、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメント10または少なくとも部分的に結晶化可能なガラス2を、例えばその中央で細引き鋸を用いて鋸断し、引き続き研磨することにより分離した後に得られた。
フィードスルーエレメントまたは結合エレメント10は、この場合、少なくとも部分的に結晶化されたガラスと、機能エレメント5および筐体4.1の筐体材料4とのその都度の結合12を含む。
【0186】
この場合、機能エレメント5と筐体4.1の筐体材料4とは、少なくとも部分的に結晶化されたガラス2と、少なくとも1つの接合相手4、5との間でその都度1つの界面3を有するその都度の少なくとも1つの接合相手を提供する。
【0187】
本開示の範囲内で、筐体の材料または筐体材料について述べる限り、これらの両方の概念は同じ状況を開示する。
【0188】
次にさらにより詳細に説明されるように、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスは、少なくとも部分的に結晶化されたガラス2とその都度の接合相手4、5とのその都度の界面3に向かって低下する気孔率を有する。
【0189】
結合12は、少なくとも部分的に結晶化されたガラス2とその都度少なくとも1つの接合相手4、5との間のその都度1つの界面3を含み、ここで、少なくとも部分的に結晶化されたガラス2は、少なくとも1つの結晶相6と細孔21とを含み、この細孔は、少なくとも部分的に結晶化されたガラス2中で構造化され分配されて配置されていて、かつ例えば、結晶質領域としての結晶相6も、またその結晶状の構造も良好に認識することができる図3から推知することができる。
【0190】
この場合、少なくとも部分的に結晶化されたガラス2中でその都度の結晶子は、0.1μm~50μmのサイズを有することがことに測定により見られる。例えば、結晶子7および8は符号が付けられている。この場合、結晶子7、8の、任意の空間方向の最大の空間的広がりを、結晶子7、8のサイズという。例えば、針状の結晶子は、その最も長い主軸によってそのサイズが決定される。
【0191】
図3は、図2において示されたフィードスルーエレメントまたは結合エレメント10の断面の領域内の細部の、少なくとも部分的に結晶化するガラス2と筐体4.1の材料との間の界面3を良好に認識することができる、ほぼ千倍に拡大された電子顕微鏡画像を示す。
【0192】
同様に図3では細孔21の密度について、界面3の領域内の気孔率は著しく低下し、かつ界面3ではそれどころかほぼ細孔21が存在しないことを認識することができる。
【0193】
気孔率は、この場合、勾配を有し、かつ気孔率は、少なくとも部分的に結晶化されたガラス2の界面3に対して10μm未満の距離で、ことに20μm未満の距離で、10%未満であり、かつことに図3の表示では、それどころか5%未満、さらにそれどころか3%未満である。この場合、気孔率は、少なくとも部分的に結晶化されたガラス2と接合相手4.4、4との界面3に向かって低下することも良好に認識可能である。図3では、その凡例から、10μmの長さを有し、それにより10μmおよび20μmの長さを認識することができる縮尺を推知することができる。
【0194】
図3からは、結合12ならびにフィードスルーエレメントおよび結合エレメントの他の好ましい特性を、ことに少なくとも部分的に結晶化されたガラス2と接合相手4.1、4との間の界面3にはわずかな数の細孔21が存在するかまたは細孔21は存在せず、ここで、気孔率は、少なくとも部分的に結晶化されたガラス2のまたは少なくとも部分的に結晶化するガラス中の、接合相手4.1に対する界面3から1μm、および2μmを下回る距離で、5%未満の値に低下することを推知することができる。
【0195】
図3からは、気孔率が勾配を有し、かつ気孔率は、少なくとも部分的に結晶化されたガラス2の界面3および/または表面からその内部に向かって増大し、ことに最大値にまで増加するかまたは最大値に向かって進むことも推知することができる。この気孔率の最大値は、20%以上であってよい。
【0196】
次に、図2において示されたフィードスルーエレメントまたは結合エレメント10の断面の領域内の細部の、少なくとも部分的に結晶化されたガラス中の細孔21のサイズを認識することができる、ほぼ二千倍に拡大された電子顕微鏡画像を示す図4を引き合いに出す。さらに、図4でも、10μmの長さの尺度を反映する凡例を有する。
【0197】
少なくとも部分的に結晶化されたガラス中で細孔のサイズは、2μm~30μm、さらにまた5μm~25μmにあり、このサイズは、相応する測定によっても確認されることを認識することができる。
【0198】
細孔21のサイズとは、任意の空間方向のその都度のその最大の長さの広がりであると定義され、この長さの広がりはその都度の細孔21の直径にほぼ相当する、というのも細孔はほぼ球形の形状を有するためである。
【0199】
図4からは、細孔21が、少なくとも部分的に結晶または結晶子9の近傍に配置されていることを推知することもできる。この場合、結晶および結晶子の概念は、本開示の範囲内でその都度同義に用いられる。
【0200】
本図面において示された部分的に結晶化されたガラス2の場合に、結晶含有率は、少なくとも部分的に結晶化されたガラス2の全体積を基準として少なくとも25%であり、かつそれどころか所定の実施形態の場合には、少なくとも50%であり、かつ特に好ましい実施形態の場合には、それどころか少なくとも60%である。結晶含有率は、その都度開示された保持温度での保持時間により相応して調節することができる。
【0201】
少なくとも部分的に結晶化可能なガラスの体積、ことに全体積を基準として、気孔率は少なくとも3%である。保持時間も、その都度の保持温度での保持時間によって相応して調節することができる。好ましくは、この気孔率は、少なくとも部分的に結晶化可能なガラス2の全体積の少なくとも5%、特に好ましくは少なくとも10%である。
【0202】
ことに図2および3において示された、フィードスルーエレメントまたは結合エレメント10の結合12は、流体密であり、それどころかほぼ完全に密閉的に密に形成されている。
【0203】
フィードスルーエレメントまたは結合エレメント10の場合に、接合相手の材料、ことに筐体4.1の材料4は、温度安定性の材料として形成されていて、かつ好ましくは温度安定性の金属としてまたは温度安定性のセラミックとして形成されているか、またはこれらを含む。
【0204】
接合相手の材料、つまり筐体4.1の筐体材料4または機能エレメント5の材料は、ことに鋼の群からなる金属、例えば標準鋼、特殊鋼、ステンレス鋼、およびThermaxの商品名のもとで公知でもある高温安定性のフェライト鋼、例えばThermax4016、Thermax4742、またはThermax4762またはCrofer22 APUまたはCroFer22 HまたはNiFeを基礎とする材料、例えばNiFe45、NiFe47またはニッケルメッキされたピン、またはInconelの商品名のもとで公知の、例えばInconel 718またはX-750、または例えば商品名CF25、Alloy 600、Alloy 625、Alloy 690、SUS310S、SUS430、SUH446またはSUS316のもとで公知の鋼、またはオーステナイト鋼、例えば1.4828または1.4841または高温安定性のセラミック化合物、例えば酸化アルミニウムを基礎とするセラミックまたは酸化ジルコニウムを基礎とするセラミック、例えばY安定化酸化ジルコニウムを含むセラミックを含む。
【0205】
特に、少なくとも部分的に結晶化されたガラス2と接合相手4.4、5の材料との間の熱膨張係数の相違が3・10-6/K未満である、少なくとも1つの材料、例えば筐体4.1の筐体材料4および/またはことに少なくとも1つの他の材料、例えば機能エレメント5の材料を有する接合相手が有利である。
【0206】
第二の好ましい実施形態の少なくとも部分的に結晶化可能なガラス2のこの詳説された説明は、熱的プロセスのその都度記述された温度ならびに温度安定性および保持時間を除いて、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスの第一の好ましい実施形態についても同様に当てはまる。
【0207】
少なくとも部分的に結晶化されたガラス2の特に有利な特性は、このガラスが、少なくとも1つの結晶相6と、少なくとも部分的に結晶化されたガラス2中で構造化され分配されて配置されている細孔21とを含むことにある。
【0208】
少なくとも部分的に結晶化可能なガラス2の、およびこの少なくとも部分的に結晶化可能なガラス2を含む結合12の、またはフィードスルーエレメントもしくは結合エレメント10の改善された熱的特性は、例えば加熱顕微鏡法を用いて決定することができる。
【0209】
加熱顕微鏡検査の場合、加熱顕微鏡の視野内にある試料を定義された熱的条件に曝し、かつこの場合に温度に依存して観察し、かつ画像化して記録することができる。
【0210】
有利には、この方法の場合に、温度変化を、観察された試料が常に熱的平衡にあるようにゆっくりと行う。
【0211】
例えば少なくとも部分的に結晶化するガラスまたはすでに部分的に結晶化されたガラス2と、例えば金属との密閉的な結合は、通常では、このガラスのほぼいわゆる球形温度のレベルで選択されるか、または通常ではその温度から約±80ケルビン、好ましくは±20ケルビン(またはしたがって±20℃)だけ相違してよい。
【0212】
この球形温度は、加熱顕微鏡法において決定することができる。
これは、ここでは、典型的には、この構造において、これは、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメント10において結合12の製造のために決まっているため、焼結プリフォームまたは成形体ともいわれる、焼結体1または焼結品1の当初円筒形の試料が、球状の塊に融合する温度を表す。
【0213】
球形温度は、この場合、典型的には、約logη=5.4の粘度で見ることができる。
【0214】
次の表1中の記号は、次の意味を有する:
EWは、少なくとも部分的に結晶化するガラスの軟化点であり、この軟化点より、例えば結合の金属の、またはフィードスルーエレメントもしくは結合エレメントの筐体の材料の濡れが起きる。
【0215】
sphは、球形温度であり、この球形温度は、少なくとも部分的に結晶化するガラスと、結合の金属との、またはフィードスルーエレメントもしくは結合エレメントの筐体の材料との結合の密閉性ならびに機械的耐久性にとって上限温度を示す。
【0216】
hsphは、半球温度であり、この半球温度は、先にすでに述べたように、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスまたは少なくとも部分的に結晶されたガラスが、金属に融着する温度、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメントの場合にはその筐体にガラス融着する温度を示す。
【0217】
fliessは、流動化温度であり、この流動化温度で、少なくとも部分的に結晶化するガラスの流動化が起こり、かつこのガラスは流動化し始め、例えば結合の金属との結合内で、密な接触、ことに密閉的に密な接触は失われ、これは、シール特性の不可逆的損失を引き起こす。
【0218】
次の表1は、第二の好ましい実施形態の本発明による2つの実施例の例示的組成(実施例1、これは表1および2において、G1として表されていて、実施例2、これは表1および2において、実施例G2として表されている)ならびにそれらの熱的特性についてのデータを示す。
【0219】
【表1】
上述の表中の第三欄には、第一の好ましい実施形態の熱的値が開示されている。
【0220】
実施例1および2
この場合、少なくとも部分的に結晶化可能なガラス2と結合12の金属、ことにフィードスルーエレメントまたは結合エレメント10の筐体4.1の金属との結合の製造(これは、ガラス封着プロセスともいわれる)のために、次の温度-時間プロフィールを、ことにその都度の温度処理の実施のための温度-時間プログラムとして使用する。
【0221】
温度-時間プロフィール
上記のように得られた焼結体1を、フィードスルーエレメントまたは結合エレメント10の筐体材料4内に焼結プリフォームとして嵌め込み、筐体材料と一緒に室温(RT)から1040℃の温度まで約10K/minで加熱した。
【0222】
例えば、このフィードスルーエレメントまたは結合エレメントは、金属を含む筐体4.1と、その筐体中にことに焼結プリフォームとして配置され、その温度処理後の焼結体1とを含み、この温度処理の際に、溶融した焼結体1が、第二の好ましい実施形態の少なくとも部分的に結晶化可能なガラス2を含み、かつこの温度処理により、筐体4.1にガラス融着されている試験構造の写真画像である図5から推知することができる。この場合、図5中に示された結合エレメントまたはフィードスルーエレメント10が機能エレメント5を有していないことは、この熱的測定または試験にとって本質的には取るに足らないことである。
【0223】
1040℃の温度の達成時に、この温度を15分~60分保持し、これがガラス封着のためのこの方法工程の保持時間を表した。
【0224】
その後、温度を1040℃から室温(RT)まで約10K/minで低下させた。室温とは、この場合、約20℃の温度をいう。
【0225】
この温度-時間プロフィールまたは温度-時間プログラムは、上述に記載されかつことに特許請求の範囲に考慮された結合の製造方法ならびにフィードスルーエレメントおよび結合エレメントの製造方法の場合であっても、ことに制御された気孔率の作製のために、同じように適用することができる。しかしながら、この場合、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスまたは少なくとも部分的に結晶化されたガラスが溶融し、それによりガラス融着する構成部材が、同じ温度推移または少なくともほぼ同じ温度推移に曝されている場合が有利である。
【0226】
温度耐久性の調査
温度耐久性の調査、ことに高温耐久性の調査は、上述の温度-時間プロフィールの実施により次のように行った。
【0227】
少なくとも部分的に結晶化可能なガラスまたは少なくとも部分的に結晶化されたガラス2を、室温、RTから1200℃まで、10K/minの温度上昇速度または加熱速度で加熱した。
【0228】
その後、1200℃で10分の保持時間を維持し、その後、室温、RTに戻す急冷を行った。この急冷は、付加的な冷却手段または加熱手段なしで室温での冷却により行った。
【0229】
この場合、上述の本発明による少なくとも部分的に結晶化可能なガラスについて、次の表2に示した結果が得られた。
【0230】
【表2】
○ - 合格
× - 不合格
【0231】
本発明による実施例1および2は、したがってこの温度耐久性試験の後でさえ依然として機械的に安定なシールおよび所望の高温耐久性を有する。
【0232】
発明者は、しかしながら要求される特性を示すことができなかった他のガラスを調査した。これは、表3の実施例G3~G6である。
【0233】
反例
【表3】
【0234】
温度-時間プロフィール
反例G3~G6についても上述のように得られた焼結体を、フィードスルーエレメントまたは結合エレメントの筐体材料中に、焼結プリフォームもしくは成形体として嵌め込み、筐体材料と一緒に室温(RT)から1040℃の温度にまで約10K/minで加熱した。
【0235】
1040℃の温度の達成時に、この温度を15分~60分保持し、これが方法工程の保持時間を表した。
【0236】
その後、温度を1040℃から室温(RT)まで約10K/minで低下させた。室温とは、この場合、約20℃の温度をいい、これは付加的な冷却手段または加熱手段なしでの室温での冷却に相当した。
【0237】
また温度耐久性の調査を、反例G3~G6の場合に上述のように実施し、ことに高温耐久性の調査を上述の温度-時間プロフィールの実施により次のように行った。
【0238】
反例G3~G6のガラスを、室温、RTから1200℃まで10K/minの温度上昇速度または加熱速度で加熱した。
【0239】
その後、1200℃で7分の保持時間を維持し、その後室温、RTに戻す急冷を行い、この急冷は、付加的冷却手段または加熱手段なしで室温での冷却に相当した。
【0240】
これは、次の結果を生じた。
【0241】
実施例G3およびG4は、濡れの前に結晶化し、したがって融着または融解は起こらず、したがって、ガラス封着は不可能であった。
【0242】
実施例G5およびG6は、金属を濡らすが、1200℃より高い温度までの温度耐久性の基準値を満たさず、表4中に示された結果を生じた。
【0243】
【表4】
○ - 合格
× - 不合格
【0244】
さらに、発明者は、上述の温度-時間プロフィールを、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスの第二の好ましい実施形態の2つの他の好ましい実施形態に適用し、その後に、温度耐久性試験、ことに高温耐久性試験を実施した。
【0245】
第一の他の、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスは、第三の本発明による実施例G7のガラスであり、かつ酸化物の質量パーセントで表して、次の組成を有していた:
【表5】
【0246】
第二の好ましい実施形態の、この第三の本発明による、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスG7は、次の熱的特性を示した:
【表6】
ここで、「焼結開始」は、焼結が開始される温度を表し、EWは、軟化温度を表す。
【0247】
第二の他の、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスは、第二の好ましい本発明による実施形態の第四の本発明による実施例G8のガラスであり、酸化物の質量パーセントで表して、次の組成を有していた:
【表7】
【0248】
第二の他の、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスG8は、次の熱的特性を示した:
【表8】
【0249】
次に、より良好な理解のために、当業者に自体公知の加熱顕微鏡法により得られた写真画像を示す図5を引き合いに出す。好ましい実施形態の次の記載において、符号が使用されている限り、その都度の符号を備えたアッセンブリ、構成部材または特徴は本質的に異なるものではない。その都度の少なくとも部分的に結晶化可能なガラスまたは結晶化されたガラスのその都度の異なる組成ならびにその都度のガラスにされるその特性を除いて、その他の点で、全ての実施形態ならびにその実施例または形態についてのその都度のアッセンブリについての記述は同じである。
【0250】
図5に示された試験構造は、焼結体または焼結品1、ならびに金属を含む筐体4.1を含み、この試験構造から、筐体材料4を良好に認識することができる。
【0251】
筐体材料4は、鋼の群からなる金属、例えば標準鋼、特殊鋼、ステンレス鋼、およびThermaxの商品名のもとで公知でもある高温安定性のフェライト鋼、例えばThermax4016、Thermax4742、またはThermax4762またはCrofer22 APUまたはCroFer22 HまたはNiFeを基礎とする材料、例えばNiFe45、NiFe47またはニッケルメッキされたピン、またはInconelの商品名のもとで公知の、例えばInconel 718またはX-750、または例えば商品名CF25、Alloy 600、Alloy 625、Alloy 690、SUS310S、SUS430、SUH446またはSUS316のもとで公知の鋼、またはオーステナイト鋼、例えば1.4828または1.4841または高温安定性のセラミック化合物、例えば酸化アルミニウムを基礎とするセラミックまたは酸化ジルコニウムを基礎とするセラミック、例えばY安定化酸化ジルコニウムを含むセラミックを含む。
【0252】
筐体4.1中に、焼結プリフォームともいわれる焼結体1が配置されていて、かつその温度処理後の、実施形態G7の少なくとも部分的に結晶化可能なガラス2を含む溶融した焼結体1が、この温度処理により筐体4.1にガラス融着されていることが示されている。
【0253】
温度-時間プロフィールは、この場合、少なくとも部分的に結晶化可能なガラスG7についてすでに上述したように実施された。
【0254】
この場合、焼結過程は、920℃で、15分の時間間隔の間に実施された。
【0255】
図3の画像は、走査型電子顕微鏡を用いて得られ、中央で細引き鋸を用いて鋸断し、引き続き研磨することにより分離された後に、この電子顕微鏡によって図3で示された構造が記録された。
【0256】
図4に示された実施形態は、1200℃で15分の時間の間で実施された温度耐久性試験に合格し、かつ促進された冷却、急冷の場合であっても、亀裂形成または機械的損傷を示さなかった。
【0257】
筐体4.1中で、実施形態G8の少なくとも部分的に結晶化可能なガラス2を含み、かつ温度処理により筐体4.1にガラス融着された焼結体1も試験した。
【0258】
この場合、焼結過程は、920℃で、15分の時間間隔の間に実施された。
【0259】
同様に、実施形態G8の少なくとも部分的に結晶化可能なガラス2が処理された。
【0260】
実施形態G7およびG8は、1200℃で15分間の時間の間で実施された温度耐久性試験に合格し、かつ促進された冷却、急冷の場合であっても、亀裂形成または機械的損傷を示さなかった。
【0261】
図中で亀裂が認識することができる場合には、この亀裂は、鋸断、およびこの場合に、予め存在するガラス封入圧力の放出される機械的応力に起因し、少なくとも部分的に結晶化されたガラス内に予め存在していたものではない。
【0262】
次に、焼結後の焼結体または焼結品1の断面の、焼結体または焼結品1中に残留する細孔11または欠陥11を認識することができるが、この全てには個別の符号が付与されていない、ほぼ千倍に拡大した電子顕微鏡画像を示す図6を引き合いに出す。
【0263】
図7からは、図6において示された焼結体または焼結品1から熱処理により、ことに少なくとも部分的な結晶化により生じている少なくとも部分的に結晶化するガラス2の断面の、焼結体または焼結品1中に結晶化と同時に生じる細孔21を認識することができる、千倍に拡大した電子顕微鏡画像を推知することができる。
【0264】
好ましくは複数の切断面中にもおよび焼結体または焼結品1の多数についても作製することができるこの種の画像から、すでに焼結体、焼結品または成形体中に作製されたまたは存在する細孔11の、結晶化と同時に生じた細孔21に対する比率を決定することができる。
【0265】
ここから、例えば約99%の焼結度で、すでに焼結体、焼結品または成形体1中に作製されたまたは存在する細孔11の、結晶化と同時に生じた細孔21に対する比率は、少なくとも約1.8またはそれより高いことが判明し、ここで、この比率は、最大焼結温度および粉砕、ことに粉砕されたガラスの、ことに原料ガラスの粉砕度によって、広い範囲で調節可能であり、かつ例えば少なくとも1.5~約5の範囲内にあることができる。
【0266】
ことに、高い焼結度は、先に述べられた比率を再現可能に得ることができることを保証する。
【0267】
図8には、第一の好ましい実施形態の少なくとも部分的に結晶化可能なガラスの焼結から得られた焼結体または焼結品1の電子顕微鏡画像を見ることができる。焼結品は細孔11を含み、この場合、この細孔は多様なサイズおよび形状を有する。これらは、焼結品の製造プロセスから生じかつ通常では焼結体中に生じる細孔である。図8および次の図9~12が、第一の好ましい実施形態の少なくとも部分的に結晶化するガラスに関しているにもかかわらず、これらの図中に開示され、かつこれについて説明された状況は、他の好ましい実施形態についてもほぼ当てはまる。
【0268】
例えば、図9において、電子顕微鏡画像の形で、方法により2つの筐体材料4の間に配置されている少なくとも部分的に結晶化されたガラスが示されている。筐体材料4と少なくとも部分的に結晶化されたガラス2との間の界面3には、すでに部分的に結晶化されたガラス2内にあるが、極めてわずかな気孔率を有する領域22が続いている。それに対して、さらに内側にある領域24内では明らかにより高い気孔率が形成されている。領域22と24との間で、例えば方法により加工された焼結品または焼結体23中に存在する界面を示唆する、異なる気孔率を有する領域を相互に画定する境界線を仮定することができる。
【0269】
図10において、図9において示された材料を有する一実施形態の電子顕微鏡画像の詳細図を見ることができる。少なくとも部分的に結晶化されたガラス2は、領域24内で細孔21を有し、ここで、より良好な明瞭性のために、全ての細孔には符号付けされていない。さらに、方法により加工された焼結品または焼結体23中に存在する界面を暗示し、低い気孔率を有する領域22を高い気孔率を有する領域24と隔てる境界線23が印されていて、ここで、この境界線23は、ここでは両方の異なる領域22と24とを明確化するために例示的に記入されただけである。少なくとも部分的に結晶化されたガラス2の領域22は、この場合、筐体材料4に対する界面3に接するように配置されている。図8において示された細孔と比べて、図10において示された細孔の遙かに優勢な数が、少なくとも部分的に結晶化されたガラスを生じている成形体中ですでに作製されていないかまたは存在しないことを、極めて良好に認識することができる。
【0270】
少なくとも部分的に結晶化されたガラス2は、結晶子を含み、この結晶子は、ここではとりわけ明るい縦長の構成要素として、部分的にいわゆる残留ガラス相またはガラス相を含む暗灰色のマトリックス内に示されている。
【0271】
図11は、保持温度が940℃±30℃でありかつこの温度を30分の期間にわたり適用した、筐体材料4と接触した少なくとも部分的に結晶化されたガラス2の電子顕微鏡画像を示す。細孔21は、この場合、黒色に表示されているため、相応する評価方法を用いて気孔率を決定することができる。この場合、この画像の黒色画素が評価された。それにより、図11において示された細孔についての気孔率Φは20%であり、この気孔率は、中央の均質領域で図式的に測定された。低い気孔率を有する境界領域22は、約40μmの広がりを有し、ここで、気孔率の勾配は、約140μmの幅にわたり形成されている。同様に、筐体材料4と少なくとも部分的に結晶化されたガラス2との間の界面3、ならびに高い気孔率を有する領域24が印されている。同様に、境界線23が印されていて、この境界線から出発して界面3の方向に、低い気孔率を有する領域23が延びる。
【0272】
図12中にも、筐体材料4と接触している、図11における少なくとも部分的に結晶化されたガラスと同じ出発組成を有する少なくとも部分的に結晶化されたガラス2の電子顕微鏡画像を見ることができる。この場合でも、図式的評価のために細孔21は黒色化された。保持温度は、同じ保持時間で約50℃高くされた。
【0273】
気孔率Φは、この実施例の場合に、図式的評価により、約38%であり、かつ図11において形成された細孔と比較してほぼ二倍である。平均細孔サイズも、認識可能に明らかに増大した。低い気孔率を有する領域22は、同様により顕著に際立っており、かつ約60μmの空間的広がりを有する。しかしながら、気孔率が低い値から最大値にまで上昇する勾配、つまり少なくとも部分的に結晶化されたガラス2の高い気孔率を有する領域24内の移行部は、あまり際立っておらず、約100μmの幅を有し、つまり図11中に形成された試料と比べて低下する。ここでも、境界線23が記入されていて、この境界線から出発して界面3の方向に、低い気孔率を有する領域23が延びる。同様に、界面3も印されている。
【符号の説明】
【0274】
1 焼結品または焼結体
2 少なくとも部分的に結晶化されたガラス
3 界面
4 筐体材料
4.1 筐体
5 機能エレメント
6 結晶相
7 結晶子
8 結晶子
9 結晶または結晶子
10 フィードスルーエレメントまたは結合エレメント
11 焼結品または焼結体の細孔
12 結合
13 フィードスルーエレメントまたは結合エレメントの対称軸または縦軸
21 少なくとも部分的に結晶化されたガラス内の細孔
22 極めて低い気孔率を有する領域
23 低い気孔率の領域と高い気孔率との領域との間の境界線
24 高められた気孔率を有する領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12