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<図1>
  • 特許-閉鎖装置の駆動装置 図1
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  • 特許-閉鎖装置の駆動装置 図3
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  • 特許-閉鎖装置の駆動装置 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】閉鎖装置の駆動装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/622 20150101AFI20220722BHJP
   B60J 5/10 20060101ALI20220722BHJP
   E05F 5/00 20170101ALI20220722BHJP
   E05F 15/41 20150101ALI20220722BHJP
   E05F 15/655 20150101ALI20220722BHJP
   F16D 55/28 20060101ALI20220722BHJP
   F16D 65/22 20060101ALI20220722BHJP
   F16D 121/26 20120101ALN20220722BHJP
   F16D 125/36 20120101ALN20220722BHJP
【FI】
E05F15/622
B60J5/10 M
E05F5/00 A
E05F15/41
E05F15/655
F16D55/28 B
F16D65/22
F16D121:26
F16D125:36
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019502614
(86)(22)【出願日】2017-07-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 EP2017068266
(87)【国際公開番号】W WO2018015452
(87)【国際公開日】2018-01-25
【審査請求日】2020-07-13
(31)【優先権主張番号】102016113353.1
(32)【優先日】2016-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508072408
【氏名又は名称】ブローゼ ファールツォイクタイレ エスエー ウント コンパニ コマンディートゲゼルシャフト バンベルク
【氏名又は名称原語表記】BROSE FAHRZEUGTEILE SE & CO.KG,BAMBERG
【住所又は居所原語表記】Berliner Ring 1, 96052 Bamberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ヴィッテルスビュアガー
(72)【発明者】
【氏名】ハラルト クリューガー
(72)【発明者】
【氏名】マティアス フィッシャー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル ブーフハイム
(72)【発明者】
【氏名】ゼバスティアン シェーデル
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-080848(JP,A)
【文献】特表2009-531571(JP,A)
【文献】実公昭46-017849(JP,Y1)
【文献】特公昭61-7537(JP,B2)
【文献】特公昭55-14270(JP,B2)
【文献】実開昭51-041055(JP,U)
【文献】特開2009-209989(JP,A)
【文献】特表2017-533361(JP,A)
【文献】特開2007-009683(JP,A)
【文献】特開2007-285326(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第1840311(EP,A1)
【文献】米国特許第04049098(US,A)
【文献】国際公開第2016/055460(WO,A1)
【文献】中国実用新案第205206576(CN,U)
【文献】独国特許出願公開第102008061120(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第102014100125(DE,A1)
【文献】米国特許第03667578(US,A)
【文献】米国特許第03656320(US,A)
【文献】米国特許第02834443(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/00-17/00
B60J 5/00- 5/14
F16D 49/00-71/04
F16H 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(3)の閉鎖装置(2)の駆動装置であって、
前記駆動装置(1)は、駆動モータ(5)と、前記駆動モータ(5)に後置接続されかつ幾何学的な駆動軸線(7)に沿った直線的な駆動運動を形成する送り伝動装置(6)とを有しており
前記駆動モータ(5)および前記送り伝動装置(6)は、前記駆動装置(1)の動力伝達機構(8)に配置されており、前記動力伝達機構(8)が、駆動運動を導出する2つの機械式の駆動接続部(9、10)間に延在しており、
前記駆動装置(1)が、前記動力伝達機構(8)の少なくとも一部分を制動するブレーキ(11)を有する、自動車(3)の閉鎖装置(2)の駆動装置において、
前記閉鎖装置(2)を開放するためのモータによる駆動運動の際に、かつ/または前記閉鎖装置(2)を閉鎖するための手動による駆動運動の際に、前記動力伝達機構(8)における負荷の増大に伴って、前記ブレーキ(11)の制動作用が減少され、および/または
前記閉鎖装置(2)を閉鎖するためのモータによる駆動運動の際に、かつ/または前記閉鎖装置(2)を開放するための手動による駆動運動の際に、前記動力伝達機構(8)における負荷の増大に伴って、前記ブレーキ(11)の制動作用が減少される、ことを特徴とする、自動車(3)の閉鎖装置(2)の駆動装置。
【請求項2】
前記負荷は、前記動力伝達機構(8)から伝達されるトルクおよび/または前記動力伝達機構(8)に作用する力である、ことを特徴とする、請求項1記載の駆動装置。
【請求項3】
前記ブレーキ(11)の前記制動作用が、負荷の増大に伴って、連続して、減少される、ことを特徴とする、請求項1または2記載の駆動装置。
【請求項4】
あらかじめ定められた下側の限界負荷が設定されており、前記限界負荷以上では、負荷の増大に伴って前記ブレーキ(11)の前記制動作用が減少される、ことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の駆動装置。
【請求項5】
あらかじめ定められた上側の限界負荷が設定されており、前記上側の限界負荷以上では、前記ブレーキ(11)の前記制動作用がさらに減少されず、かつ/またはその際に前記動力伝達機構が分断される、ことを特徴とする、請求項4記載の駆動装置。
【請求項6】
前記ブレーキ(11)は、前記制動作用を発生させる少なくとも1つの摩擦面対(12)を有し、
前記摩擦面対(12)には、前記制動作用を得るため、ばね装置(14)により、互いに予荷重が加えられている、ことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の駆動装置。
【請求項7】
前記制動力を減少させるため、前記ばね装置(14)の前記予荷重力が減少させられるようになっている、ことを特徴とする、請求項6記載の駆動装置。
【請求項8】
前記駆動装置(1)は、前記動力伝達機構(8)における過負荷の際に前記動力伝達機構(8)を分断する過負荷連結部(13)を有する、ことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の駆動装置。
【請求項9】
前記過負荷連結部(13)は、前記ブレーキ(11)に組み込まれている、ことを特徴とする、請求項8記載の駆動装置。
【請求項10】
前記動力伝達機構(8)を分断した後、前記過負荷連結部(13)により、前記ブレーキ(11)は、前記動力伝達機構(8)の一部分だけに作用し、かつ/または
前記動力伝達機構(8)の分断の後、前記過負荷連結部(13)により、前記ブレーキ(11)が、前記動力伝達機構(8)の2つの部分に作用する、ことを特徴とする、請求項8または9記載の駆動装置。
【請求項11】
前記駆動装置(8)は、ケーシング(1a)を有しており、
前記摩擦面対(12)の摩擦面(12b)は、前記ケーシング(1a)に配置されているかまたは前記ケーシング(1a)によって形成される、ことを特徴とする、請求項6または請求項6を引用する請求項7から10までのいずれか1項記載の駆動装置。
【請求項12】
前記制動作用が、負荷の増大の結果としての、前記動力伝達機構(8)における前記ブレーキ(11)の2つの構成部材(16,17)の相対的な摺動により、減少させられる、ことを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の駆動装置。
【請求項13】
前記構成部材(16、17)の前記相対的な摺動は、ばね装置(14、18)のばね予荷重に抗して相対摺動輪郭(15)に沿って行われる、ことを特徴とする、請求項12記載の駆動装置。
【請求項14】
前記相対摺動輪郭(15)の幾何学形状に起因して、前記動力伝達機構(8)における負荷変化に対する、前記ブレーキ(11)の制動作用の変化の比の値が、前記動力伝達機構(8)におけるより大きな負荷の際には、より小さな負荷の際よりも大きくなっている、ことを特徴とする、請求項13記載の駆動装置。
【請求項15】
前記送り伝動装置(6)は、スピンドル・スピンドルナット伝動装置である、ことを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項記載の駆動装置。
【請求項16】
前記ブレーキ(11)は、前記動力伝達機構(8)において前記駆動モータ(5)と前記送り伝動装置(6)との間に配置されている、ことを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項記載の駆動装置。
【請求項17】
前記自動車(3)のボディに位置調整可能に連結された閉鎖部材(4)と、請求項1から16までのいずれか1項記載の、少なくとも1つの駆動装置(1)を備えた、自動車(3)の閉鎖装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念の構成を有する、自動車の閉鎖装置の駆動装置と、請求項14に記載された自動車の閉鎖装置とに関する。
【0002】
話題にしている駆動装置は、自動車のどの閉鎖部材をモータによって位置調整する場合においても使用される。このような閉鎖部材は、例えば、自動車のテールゲート、トランクリッド、エンジンフード、荷室底板、またドア、特にスライドドアであってよい。その点において「閉鎖部材」という概念は、本発明では、広義に捉えるものとする。
【0003】
本発明が起点としている公知の駆動装置(独国特許出願公開第102014100125号明細書(DE 10 2014 100 125 A1)は、駆動モータと、この駆動モータに後置接続されたスピンドル・スピンドルナット伝動装置とから形成されている。この駆動装置は、さらに、開放位置における閉鎖部材の静止を可能にする、動力伝達機構を制動するブレーキを有する。この動力伝達機構には、さらに、過負荷状態にこの動力伝達機構を分断する、2つのかぎ爪状の連結部材を備えた過負荷連結部が設けられている。過負荷状態との境界領域では、2つのかぎ爪状の連結部材同士の相対的な摺動が発生する。これらの連結部材が協働することにより、これらの連結部材は、ブレーキの制動作用が増大するような仕方でブレーキに作用する。したがってここでは、動力伝達機構における負荷の増大に伴って、ブレーキの制動作用が増大する。
【0004】
この駆動装置の欠点は、すでにいずれにせよ高い負荷を克服しなればならない状況において、この駆動装置が、さらに強くなる制動力により、付加的にさらに、負荷の増大を被ってしまうことである。これにより、過負荷状態の発生および動力伝達機構の分断の確率がさらに高まる。この原理は、結果的に、閉鎖部材に高い負荷がかかっているときであっても駆動装置がより確実に動作できるようにするために、比較的強力であり、ひいては高価でもあるモータを使用しなければならないことになる。というのは、すでにいずれにせよ高い負荷に加えて、例えば、閉鎖部材に積もっている雪に起因して、付加的にはさらに増大した制動作用も克服しなければならないからである。
【0005】
したがって本発明の根底にある問題は、公知の駆動装置を形成かつ発展させ、閉鎖部材に付加的な負荷が加わるときであっても確実に動作する、コスト的に有利に製造可能な駆動装置を作り出すことである。
【0006】
上記の問題は、請求項1の上位概念に記載された駆動装置において、請求項1の特徴部分の特徴的構成によって解決される。
【0007】
実質的に考察されたのは、動力伝達機構における負荷の増大に伴い、ブレーキの制動作用を減少させるようにブレーキを構成することである。これにより、過負荷との境界領域では、駆動モータは、より小さなトルクだけを工面すればよいはずであり、これにより、この駆動モータを全体としてより小型に、ひいてはコスト的に有利に設計可能である。
【0008】
この考察の根底にあるのは、閉鎖部材を開放位置に静止させる静止機能が、閉鎖部材の開放角の丁度、上3分の1において保証されなければならないことが多いことが確認されることである。閉鎖装置のてこ比に起因して、このことから結論付けられるのは、開放位置に閉鎖部材を静止するために動力伝達機構に作用する負荷は、一般に、自動車ロックから閉鎖部材を開放する際に動力伝達機構に発生する負荷よりも格段に小さいことである。このことは、例えば雪荷重のように付加的な負荷が閉鎖部材に加わる場合に対してはなお一層当てはまる。
【0009】
このことから、負荷に依存して、ブレーキを形成するという本発明の基本原理が導き出される。静止機能を実現するための負荷が小さいときには、特に、負荷が、モータ側またはスピンドル側に導入されるか否かに依存せずに、ここでは、この場合、好適には、フルの制動作用を作用させる。伝達トルクが増大したとき、例えば自動車ロックから閉鎖部材を開放するときには、ブレーキは、制動作用を減少させる。比較的大きな負荷が駆動装置に作用する、閉鎖部材の移動区間において制動作用が減少されることにより、より小型の、ひいてはコスト的により有利な駆動部を実現のために利用することができ、かつ/またはより重量のある閉鎖部材を駆動装置によって開放および/または閉鎖することができる。
【0010】
請求項2によって提案されるのは、閉鎖装置を開放するためのモータによる駆動運動の際に、かつ/または閉鎖装置を閉鎖するための手動による駆動運動の際に、動力伝達機構における負荷の増大に伴って、ブレーキの制動作用が減少されることである。特にこの使用事例では、制動作用を減少させることが特に有利である。というのは、これらの2つの使用事例は、すなわち閉鎖部材のモータによる開放および手動による閉鎖は、過負荷状態になる典型的な使用事例だからである。
【0011】
請求項3によれば、付加的または択一的に、閉鎖装置を閉鎖するためのモータによる駆動運動の際に、かつ/または閉鎖装置を開放するための手動による駆動運動の際に、動力伝達機構における負荷の増大に伴い、ブレーキの制動作用を減少させることが可能である。
【0012】
請求項4によれば、特に好ましくは、負荷は、動力伝達機構から伝達されるトルク、および/または外部から駆動接続部に作用する力、特に駆動軸線に対する軸線方向の力である。伝達されるトルクの負荷の場合についても、力の負荷の場合についても共に、特に容易に機械式にブレーキを実現することができる。これらの負荷のケースの組み合わせも可能である。
【0013】
請求項5によって提案されるのは、ブレーキの制動作用が、負荷の増大に伴って、連続して、特に反比例して減少されることである。これにより、駆動装置を用いた閉鎖部材の均一な開放運動および/または閉鎖運動が可能になる。
【0014】
請求項6によれば、あらかじめ定められた限界負荷が提案され、この限界負荷以上では、ブレーキにより、負荷の増大に伴って制動作用が減少される。
【0015】
請求項8によれば、駆動装置は、動力伝達機構における過負荷の際にこの動力伝達機構を分断する過負荷連結部を有する。これにより、効果的な仕方で過負荷から駆動装置を保護することができる。過負荷連結部は、好適にはブレーキに組み込まれている。
【0016】
請求項9によれば、動力伝達機構を分断した後、過負荷連結部により、ブレーキは、動力伝達機構の一部分だけに作用し、かつ/または動力伝達機構の2つの部分に作用する。
【0017】
請求項9および請求項10には、ブレーキの好ましい実施形態が記載されている。これらにより、駆動装置の特に簡単な取り付けが可能になる。
【0018】
請求項11によって提案されるのは、制動作用が、動力伝達機構における2つの構成部材の、特に動力伝達機構におけるブレーキの2つの構成部材の相対的な摺動、特に相対的な回転により、負荷の増大の結果として減少されることである。ここで、構成部材の相対的な摺動は、好適には、ばね装置のばね予荷重に抗して、特に相対摺動輪郭に沿って行われる。これにより、制動作用の減少を、機械式に特に極めて容易に実現することができる。
【0019】
請求項12に記載した本発明の一発展形態では、送り伝動装置をスピンドル・スピンドルナット伝動装置として形成することが可能である。請求項13によれば、ブレーキは、好適には、動力伝達機構において駆動モータと、送り伝動装置との間に配置される。
【0020】
さらに、上で説明した課題は、請求項14に記載した、自動車の閉鎖装置によって解決される。
【0021】
この別の教示には、独自の意味がある。提案される閉鎖装置では、駆動装置に関連して上述したのと同じ利点が得られる。ここでは、提案される駆動装置についてのすべての実施形態を参照してよい。
【0022】
請求項15による、閉鎖装置の好ましい発展形態には、その他の点において、ブレーキおよび閉鎖装置の好ましい調整が記載されている。
【0023】
以下では、単に実施例として示した図面に基づき、本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】提案される駆動装置を備えた、自動車のリア領域を極めて概略的に示す図である。
図2】提案される駆動装置の第1実施例の部分長手方向断面図である。
図3】提案されるブレーキを有する、図2の実施例の部分IIIを、a)負荷が小さいとき、およびb)負荷が大きいときに示す図である。
図4】提案されるブレーキの第2実施例を、a)負荷が小さいとき、およびb)負荷が大きいときに示す図である。
図5】提案されるブレーキの第3実施例を、a)負荷が小さいとき、およびb)負荷が大きいときに示す図である。
図6】提案されるブレーキの第4実施例を、a)押圧負荷が大きいとき、b)負荷が小さいとき、およびc)引張負荷が大きいときに示す図である。
【0025】
図1に示した駆動装置1は、自動車3の閉鎖装置2に対応付けられている。閉鎖装置2は、テールゲートとして形成された閉鎖部材4を有しており、この閉鎖部材4は、駆動装置1により、特に開放位置と閉鎖位置との間で位置調整可能である。
【0026】
ここで基本的に規定することができるのは、駆動装置1が、閉鎖部材4の全体位置調整領域の一部分だけにおいて、閉鎖部材4を位置調整することである。しかしながら好適には、閉鎖部材4は、開放位置から閉鎖位置への、かつ/または閉鎖位置から開放位置への位置調整経路の少なくとも80%以上、好適には少なくとも90%以上、さらに好適に95%以上で位置調整される。しかしながら、例えば、閉鎖部材4は、最後の経路部分において、自動車ロックを介し、かつ特に駆動装置1を介さずに、閉鎖補助駆動部および/または開放補助駆動部により、閉鎖部材4をロックする閉鎖位置に位置調整可能であり、かつ/またはこの閉鎖位置から位置調整可能である。
【0027】
ここでは、「閉鎖部材」という用語は、広義に理解するものとする。この点においては、明細書の導入部を参照してよい。これに対応して「閉鎖部材」という用語は、特に、自動車3の閉鎖装置2に対応付けられる構成部材に関係する。
【0028】
図2に示したように、駆動装置1は、駆動モータ5と、幾何学的な駆動軸線7に沿って直線的な駆動運動を形成する、駆動モータ5に後置接続された送り伝動装置6とを有する。駆動モータ5および送り伝動装置6は、駆動装置1に対応付けられている動力伝達機構8に配置されており、この動力伝達機構8は、2つの機械式の駆動接続部9、10の間に延在している。駆動接続部9、10は、ここでは、閉鎖部材4および自動車3のボディに駆動運動を導出するのに使用される。
【0029】
動力伝達機構8には、モータによるかつ/または手動による位置調整中に、力の伝達を形成する、すべての力の作用連鎖機構が含まれている。これには、駆動運動を伝達するすべての構成部材が含まれるだけでなく、支持の構成部材も含まれる。
【0030】
さらに駆動装置1は、ここでは、ブレーキ11を有する。ブレーキ11は、この実施例においてかつ好適には、駆動モータ5と送り伝動装置6との間に配置されている。複数の実施例において、駆動モータ5、送り伝動装置6およびブレーキ11は、駆動装置1のケーシング1aに収容される。
【0031】
提案によれば、ブレーキ11は、動力伝達機構8における負荷の増大に伴って、ブレーキ11の制動作用が減少されるように構成されている。ブレーキ11のこのような設計は特に有利である。というのは、閉鎖装置2の特徴的なてこの腕の比の関係に起因して、駆動装置1の静止力は、自動車ロックから閉鎖部材4を開放するために必要な力よりも、すなわち特に閉鎖位置から第1の位置調整部分において必要な力よりも格段に小さいことが多いからである。まさにこのケースでは、閉鎖部材4に加えて閉鎖部材4に積もった雪の負荷も一緒に位置調整しなければならないというときには、必要な力は特に大きくなる。
【0032】
ここから、本発明の実質的な利点が得られる。動力伝達機構8における負荷の増大に伴って、ブレーキ11の制動作用が減少されるような仕方で、ブレーキ11が、負荷に依存して動力伝達機構8を制動するように構成することにより、ブレーキ11は、開放位置に閉鎖部材4を静止するため、好適にはフルの制動作用で制動することができ、負荷が増大したとき、特に伝達モーメントおよび/または軸線方向の力が増大するとき、特に閉鎖部材4を閉鎖位置から開放するときには、減少された制動作用で制動する。これにより、より小型の駆動モータを使用することができ、ひいては駆動装置1に対する製作コストおよび製造コストを低減することができる。
【0033】
この制動作用は、提案によるブレーキ11では、好適には、機械式に、特に摩擦面12a、12bが互いに摺動することによって得られる。ブレーキ11は、このために、制動作用を生じさせる摩擦面12a、12bを備えた少なくとも1つの摩擦面対12を有する。
【0034】
複数の実施例においてかつ好適には、閉鎖装置2を開放するためのモータによる駆動運動の際に、かつ/または閉鎖装置2を閉鎖するための手動による駆動運動の際に、動力伝達機構8における負荷の増大に伴って、ブレーキ11の制動作用が減少される。
【0035】
付加的または択一的には、閉鎖装置2を閉鎖するためのモータよる駆動運動の際に、かつ/または閉鎖装置2を開放するための手動による駆動運動の際に、動力伝達機構8における負荷の増大に伴い、ブレーキ11の制動作用が減少されるように規定することが可能である。
【0036】
好適には負荷は、動力伝達機構8から伝達されるトルクおよび/または動力伝達機構8に作用する力、特に外部から駆動接続部9、10に作用する力、特に駆動軸線7上で軸線方向に作用する力である。
【0037】
ここではかつ好適には、ブレーキ11の制動作用は、負荷の増大に伴って、連続して、特に反比例して減少される。負荷の増大と制動作用の減少との間のこのような好ましい線形の変化の代わりに、負荷の増大と制動作用の減少との間の非線形の変化を設定することも可能である。
【0038】
好適には、あらかじめ定められた限界負荷、特に下側の限界負荷が設けられており、この限界負荷以上では、ブレーキ11により、負荷の増大に伴って制動作用が減少される。これによって可能になるのは、閉鎖部材4がブレーキ11によって確実に静止される、あらかじめ定めた負荷領域において閉鎖部材4を静止する最小制動作用を設けることである。付加的には、あらかじめ定められた上側の限界負荷を設けることができ、この上側の限界負荷以上では、ブレーキ11により、制動作用はさらに減少されず、かつ/またはその際に動力伝達機構8が分断される。
【0039】
ブレーキ11の制動作用の減少は、ここではかつ好適には、ベース値までの制動作用の減少である。この点において、ブレーキ11は、好適には、動力伝達機構の少なくとも一部分を絶え間なく制動するように構成される。しかしながら、択一的な実施形態では、この制動作用を完全に止めることも可能である。
【0040】
特に動力伝達機構8の分断は、ここでは、好適には、過負荷連結部13を介して行われる。この過負荷連結部13は、過負荷が発生した場合、動力伝達機構8を分断する。過負荷連結部13は、好適には、図3および図4の実施例がそうであるように、ブレーキ11に組み込まれている。しかしながらこのような過負荷連結部13は、図5および図6の実施例がそうであるように、ブレーキ11とは無関係に設けることも可能である。
【0041】
過負荷連結部13は、好適には、動力伝達機構8を2つの部分に分断する。動力伝達機構8を分断した後、ブレーキ11は、好適には、動力伝達機構8の一部分だけに作用する。しかしながらブレーキ11は、動力伝達機構8を分断した後も、動力伝達機構8の2つの部分に作用することが可能である。
【0042】
さらに、あらかじめ定められた上側の限界負荷を定めて、この上側の限界負荷以上では、ブレーキ11の制動作用が停止され、かつ/またはさらに減少されないようにすることができる。この限界負荷は、力および/またはトルクであってよい。
【0043】
複数の実施例においてかつ好適には、ブレーキ11は、制動作用を発生させる少なくとも1つの摩擦面対を有する。ここでは、摩擦面12aを、ブレーキ11の回転可能な構成部材16、17に配置し、この摩擦面12aに対応する摩擦面12bが、相対回動不能に、特に駆動装置1のケーシング1aに配置される。
【0044】
ここではかつ好適には、摩擦面対12には、ばね装置14により、互いに予荷重が加えられる。制動力を減少させるため、ここではかつ好適には、ばね装置14の予荷重力が減少される。
【0045】
以下では、まず図3の実施例を説明する。
【0046】
図3aには、負荷が小さいときのブレーキ11が示されている。ブレーキ11に組み込まれた過負荷連結部13は、この実施例においてかつ好適には、かぎ爪連結部として構成されている。過負荷連結部13のかぎ爪13aは、負荷が増大した際に、図3のようにかぎ爪13aの互いの摺動を可能にする複数の斜面を有する。この点において、これらの斜面は、複数の相対摺動輪郭15を形成する。図3bに示したように負荷が増大すると、この実施例ではかぎ爪部材13bである少なくとも1つの構成部材16が、この実施例では別のかぎ爪部材13cである別の構成部材17から相対的に離れるように移動する。これは、過負荷連結部13のばね装置18(連結ばね装置)の予荷重力に抗して行われる。構成部材16、17は、負荷が増大した際に、図3に寸法規定されているように、互いに離れるように移動する。これにより、ブレーキ11のばね装置14が弛緩する。ブレーキ11の摩擦面対12は、離れるように移動し、ばね装置14のばね予荷重が減少する。これに対応して、結果的に発生する制動作用も小さくなる。
【0047】
この実施例では、摩擦面対12の2つの摩擦面12bのうちの1つが、相対回動不能ではあるが、駆動軸線7に沿って摺動可能に支承されており、摩擦面対12の対応する摩擦面12aが、駆動軸線7に沿って、構成部材16と共に摺動可能であるかつ/または回転可能であることにより、ブレーキ11の摩擦面対12の互いに離れ合う運動が可能になる。
【0048】
図3の実施例において、相対摺動輪郭15が、互いに噛み合わなくなる時点には、過負荷連結部13が起動され、動力伝達機構8が分断される。分断されたのにもかかわらず、ブレーキ11により、引き続き、減少された制動作用がもたらされる。
【0049】
この実施例において、制動作用を減少させる負荷は、トルクである。構成部材の相対的な摺動は、この実施例においてかつ好適には、負荷の、特に負荷トルクの方向ベクトルの周りの回転かつ/または負荷の、特に負荷トルクの方向ベクトルに沿った軸線方向の摺動である。ここでは、構成部材16、17は、互いに離れるように移動する。
【0050】
図4の実施例は、図3の実施例にほぼ相当する。その点において、構造および機能の仕方については、図3の実施例の説明を参照されたい。
【0051】
しかしながら図4の実施例では、相対摺動輪郭15の構造が異なっている。ただ1つの直線部分の代わりに、この実施例においてかつ好適には、相対摺動輪郭15は、傾きの異なる2つの直線部分を有する。この場合に可能になるのは、相対摺動輪郭15の傾きが小さい方の第1部分15aでは、傾きが大きい方の第2部分15bよりも、ブレーキ11の制動作用の減少がより少なく、つまりより緩やかになることである。ここで傾きとは、駆動軸線7に対して直交する面に対する、相対摺動輪郭15の傾きのことである。
【0052】
2つの構成部材16、17の対応する相対摺動輪郭15は、実施例においてかつ好適には、同じ傾きの部分15a、15bを有する。これらは、図3に示したように長さが同じであってよいが、図4に示したように長さが異なっていてもよい。部分15a、部分15bの長さが異なる場合、好適には、少なくとも1つの部分15a、部分15bは、これらの部分15a、部分15bに対応する部分15a、部分15bよりも長い。特に好ましくは、少なくとも、傾きの小さい方の対応する2つの部分15aは、長さが異なる。部分15a、部分15bの長さが異なることにより、傾きを介し、負荷の増大に対する制動作用の減少を、特に簡単に設定することができる。好適には、負荷の増大に対する、相対摺動輪郭15の第1部分における制動作用は、相対摺動輪郭15の第2部分における制動作用よりも、少なく減少される、即ち緩やかに減少される。
【0053】
図5の別の実施例にも、類似の基本原理が示されている。ここでも、ブレーキ11の制動作用の減少をもたらす負荷は、トルクである。ここでも制動作用は、機械式に減少される。
【0054】
この実施例においても同様に、好適にはポットとして構成されている2つの構成部材16、17が、負荷に依存して互いに相対的に摺動され、これによって制動作用が減少される。この実施例では、2つの構成部材16、17おいて、相対摺動輪郭15は、凹部15cと、これに係合するノーズ15dの形態で構成されている。図3および図4の実施例と同様に、相対摺動輪郭15は、駆動軸線7に対して所定の角度で延在している。ここでは相対摺動輪郭15が駆動軸線7と交わることはない。好適には、相対摺動輪郭15と駆動軸線7との間の角度は、30°から60°の間にある。
【0055】
しかしながらこの実施例では、図3もしくは図4の構成とは異なり、組立状態において、負荷に基づいて2つの構成部材16、17が離間することはない。さらに、この実施例においてかつ好適には、2つの構成部材16、17は、負荷が増大すると、互いに向かって移動する。
【0056】
この実施例においてかつ好適には、制動作用を減少させる構成部材16、17の相対的な摺動は、負荷の、特に負荷トルクの方向ベクトルの周りの回転および/またはこの方向ベクトルに沿った軸方向の摺動である。ここでは、この実施例においてかつ好適には、ポット内に収容されるばね装置14は、より強く緊張され、回転する構成部材16、17の摩擦面12aは、ケーシング1aの特に位置固定の摩擦面12bから離れるように移動する。構成部材16、17のこの相対的な摺動は、図5に示されている。ここでは、2つの構成部材16、17は、互いに向かって移動する。
【0057】
図3もしくは図4の実施例と同様に、図5の実施例でも、ケーシング内で摩擦面12aはばね弾性的に支持されている。この場合に摩擦面12は、好適には相対回動不能に、しかしながら駆動軸線7に沿って摺動するように構成される。
【0058】
ここでは、好適には、図3および図4の実施例の実施形態と同様に規定されるのは、2つの構成部材16、17のうちの1つが、特に構成部材16、17が、あそびを伴って、駆動軸線7に沿って、駆動モータ側および/または送り伝動装置側のシャフト接続部において滑走できるようにすることである。この点においてブレーキ11は、好適には図6の実施例の場合もそうであるように、好適には浮遊して駆動モータ5と送り伝動装置6との間に支承される。
【0059】
図6の実施例では、負荷としてのトルクには依存せずに、負荷としての軸線方向の力に依存して駆動力が減少される。基本的には、制動作用を設定するための負荷が、軸線方向の力と、伝達されるトルクとから成る組み合わせになるように、複数の実施例に記載したブレーキ11の機構を組み合わせることも可能である。
【0060】
図6の実施例においても、駆動モータ5によって、回転可能に構成されている構成部材16、17が設けられている。ここでもこれらは、摩擦面12aを有する。対応する摩擦面12bは、ケーシング1aに形成されている。ここでも同様に、この実施例においてディスク状および/またはプレート状に形成された構成部材16、17の負荷が増大する結果、相対的な摺動により、制動作用が減少される。好適には、この実施例において、少なくとも1つの構成部材16、17は、ここでは軸線方向の引張力および/または軸線方向の押圧力である負荷の方向ベクトルに対して平行に摺動する。
【0061】
構成部材16、17は、前に説明した実施例と同様に、回転するように駆動モータ5に連結されている。構成部材16、17は、この実施例においてかつ好適には、シャフトに支承されており、軸線方向に摺動可能である。この支承のため、ここでは支承ばね装置20が使用される。択一的には、ばね弾性的なこの支承部の代わりに、構成部材16、17の軸線方向の摺動が、特に負荷のない位置(図6bを参照されたい)から、駆動軸線に沿った方向にのみ可能にする当接部も設けることができる。この実施例においてかつ好適には、構成部材16、17の移動は、互いに向かって行われる。
【0062】
摩擦面対12には、この実施例では、ばね装置14により、互いに予荷重が加えられる。ばね装置14は、ここでは、構成部材16、17と共に回転しかつ好適には軸線方向にかつ回転可能にケーシング1aに支承されている部材19に支えられている。
【0063】
図6bでは、負荷のない状態のブレーキ11の配置が示されている。軸線方向の押圧負荷によって動力伝達機構8に負荷が加えられると、送り伝動装置6は、図6aに示されているように駆動モータ5に向かって移動する。これにより、構成部材17は、構成部材16に向かって移動する。これに対し、構成部材16は、軸線方向に移動しない。というのは、ここでは、この構成部材16は、摩擦面対12を介してケーシング1aに当接しているからである。
【0064】
ここでは右側の摩擦面対12間の制動力は、摩擦面12aの押圧力が減少することによって減少される。これに対し、ここでは左側の別の摩擦面対12における押圧力は、好適には実質的に一定のままである。
【0065】
動力伝達機構8に押圧力が加えられることは、この実施例においてかつ好適には、閉鎖装置2を開放するためのモータによる駆動運動に起因するか、もしくは閉鎖装置2を閉鎖するための手動による駆動運動に起因している。
【0066】
動力伝達機構8に、引張力が加えられる場合、押圧力に関連して説明したのと同じ作用が、逆の仕方で発生する。ここでは、構成部材17が軸線方向に移動しないのに対し、別の構成部材16だけが、構成部材17に向かって移動される。この点については、上の説明を参照されたい。この負荷状況は、閉鎖装置を閉鎖するためのモータによる駆動運動に対応し、かつ/または閉鎖装置2を開放するための手動による駆動運動に対応する。この場合、図6cに示したように、ここでは左側の摩擦面対の制動作用が減少されるのに対し、この実施例においてかつ好適には、ここでは右側の別の摩擦面対12の制動力は、実質的に一定のままである。
【0067】
負荷のない状態(図6b)、押圧力が作用する際の状態(図6a)および引張力が作用する際の状態(図6c)の構成部材16、17の相対的な摺動は、図6に示されている。
【0068】
図に示していない別の複数の実施例では、図6に関連して上で説明した複数の摩擦面対のうちのそれぞれ1つだけを設けることも可能である。この場合、1つの負荷方向だけに対し、すなわち押圧力かまたは引張力のいずれかに対し、負荷の増大に伴い、制動作用が提案したように減少される。
【0069】
負荷に依存して制動作用を減少させる仕方は、4つのすべての実施例において、ばね装置14、18、20を設計することにより、特に連結ばね装置18または支承ばね装置20に対してばね装置14を設計することによって容易に行うことができる。
【0070】
4つの実施例の上の説明から明らかなように、これらに共通であるのは、相対的な摺動を用いて、特に少なくとも図3図4および図5の実施形態では、動力伝達機構8の2つの構成部材16、17の相対的な回転を用いて、特に動力伝達機構8のブレーキ11の2つの構成部材16、17を用いて、制動作用が、負荷の増大の結果として減少されることである。ここで、これは、それぞれまた好適には、ばね装置14、18のばね予荷重に抗して、構成部材16、17の相対的な摺動により、特に相対摺動輪郭15に沿って行われる。相対摺動輪郭15は、ここではかつ好適には、直線的に形成されている。相対摺動輪郭15は、複数の直線部分を有していてもよい。相対摺動輪郭15は、択一的には、インボリュートの輪郭を有していてよい。相対摺動輪郭15の考えられ得る実施形態については、図4の実施例に関連して、それについての説明を参照されたい。負荷の増大に比例して、制動作用の減少を設定するため、別の実施形態では、相対摺動輪郭15を相応に形成することができる。ここでは、好適には、相対摺動輪郭15の幾何学形状に起因して、動力伝達機構8における負荷変化に対する、ブレーキ11の制動作用変化の比の値は、動力伝達機構におけるより大きな負荷に対しては、より小さな負荷に対するよりも大きくなるようにされている。
【0071】
複数の実施例においてかつ好適には、送り伝動装置6は、スピンドル・スピンドルナット伝動装置として形成される。この送り伝動装置6により、特に容易に、回転運動を直線運動に、もしくは直線運動を回転運動に変換することができる。
【0072】
駆動モータ5と、送り伝動装置6との間に、特に駆動モータ5と、ブレーキ11および/または過負荷連結部13との間に、駆動モータ5の回転数をより遅い回転数に変換する減速装置21を配置することもできる。これは、ここではかつ好適には、遊星歯車機構として形成される。
【0073】
別の教示によれば、自動車3のボディに位置調整可能に連結される閉鎖部材4と、上で説明した形態の少なくとも1つの駆動装置1とを有する、自動車の閉鎖装置2が請求される。好適には、閉鎖部材2の側面毎に配置される、上で説明した形態の2つの駆動装置1が設けられる。
【0074】
特に有利であることが判明したのは、駆動装置1が、非セルフロック式に構成されており、かつ駆動モータ5を遮断した際には、ブレーキ11が、閉鎖部材4を中間位置に静止させる場合である。ここでは閉鎖部材4は、これを手動で位置調整するため、好適には駆動モータ5を遮断した際、ブレーキ11の制動作用に抗して位置調整可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6