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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】相助作用的な交通交差点
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/576 20160101AFI20220722BHJP
   G08G 1/07 20060101ALI20220722BHJP
   G08G 1/095 20060101ALI20220722BHJP
   E01F 9/00 20160101ALI20220722BHJP
【FI】
E01F9/576
G08G1/07 R
G08G1/095 A
E01F9/00
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2019513096
(86)(22)【出願日】2017-05-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-20
(86)【国際出願番号】 AU2017050465
(87)【国際公開番号】W WO2017197460
(87)【国際公開日】2017-11-23
【審査請求日】2020-05-11
(31)【優先権主張番号】2016901871
(32)【優先日】2016-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】518409601
【氏名又は名称】ヴァリアント・ユク・ユエン・レオン
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴァリアント・ユク・ユエン・レオン
【審査官】石川 信也
(56)【参考文献】
【文献】特表平06-506549(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0063859(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第1542225(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103295405(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/00-11/00
G08G 1/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに隣接して隔置された複数の走行車線を各道路が備える、2つの多車線道路の交差点に位置する交通交差点であって、
a.前記交差点において、前記多車線道路の表面エリアが重なり合う、交差点領域と、
b.複数の車線を画定する前記交差点に少なくとも1つの道路が接近する近接領域であって、
i.1つ以上の直進車線と、1つ以上の左折車線と、1つ以上の左折及び直進併合車線と、から選択される一つ以上の車線と、
ii.車両を前記交差点のところで交差道路上に右折するように案内するための、少なくとも1つの右折車線と、
iii.前記交差点からの車両を受け入れるための、少なくとも一つの受入車線と、
を含む、近接領域と
を備え、
c.前記右折車線が、前記交差点に近づく前記少なくとも1つの道路において、車両が交差できるように、前記交差点領域から距離をとって離間した遠位クロスオーバ帯を通り抜けることによって、前記近接領域内で前記直進車線から分離するように構成され、それによって、同一道路沿いに逆方向に前記交差点から受け入れられる車両が、前記右折車線と、1つ以上の直進車線と、1つ以上の左折車線と、1つ以上の左折及び直進併合車線と、から選択される前記一つ以上の車線と、との間で、前記少なくとも一つの受入車線に入るように案内され、
d.前記交通交差点が、歩行者を前記交差道路のうちの少なくとも一方の向こう側に案内するように構成された、歩行者横断路を画定し、1つ以上の受入車線と、前記左折車線と、1つ以上の直進車線、1つ以上の左折車線、および左折及び直進併合車線とから選択される1つ以上の車線と、が、前記交差点領域に隣接して位置ずれ配置の形で終端して、前記直進車線の前記終端の前方に近位クロスオーバ帯を画定し、前記近位クロスオーバ帯が、右折車線から曲折して交差道路に入る車両に、前記近位クロスオーバ帯がその中にある道路を横断している歩行者を通り過ぎる多様な経路指定ルートを与えるように、構成される、
交通交差点。
【請求項2】
前記直進車線が、車両を、前記交差点を越えて、直線の形で、前記少なくとも1つまたは複数の直進受入車線に案内するように構成される、請求項1に記載の交通交差点。
【請求項3】
前記近接領域が、少なくとも1つの左折車線をさらに備え、前記少なくとも1つの左折車線が、車両を、前記交差点のところで交差道路上に左折するように案内するように構成される、請求項1または2に記載の交通交差点。
【請求項4】
前記左折車線が、車両を、前記交差道路のうちの一方の前記左折車線から曲折して、前記交差道路のうちの他方上の直進受入車線に入るように案内するように構成される、請求項3に記載の交通交差点。
【請求項5】
前記左折車線および前記直進車線が、前記交差点領域に隣接して位置ずれ配置の形で終端し、それにより、前記近位クロスオーバ帯のためのスペースがとれるように構成される、請求項3に記載の交通交差点。
【請求項6】
前記近接領域が、左折および直進併合車線を含み、前記近位クロスオーバ帯が、前記左折および直進併合車線に隣接して配設されるとともに、前記交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている車両を受け入れるように構成され、それにより、前記交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている前記車両が、前記左折および直進併合車線から左折しようとしている車両を追い越すことが可能になっている、請求項5に記載の交通交差点。
【請求項7】
前記近位クロスオーバ帯のある多車線道路が、4車線道路である、請求項5に記載の交通交差点。
【請求項8】
前記4車線道路の前記近接領域内で、前記道路が左折および直進併合車線、直進受入車線、ならびに右折車線を画定し、前記右折車線が、前記左折および直進併合車線から2車線幅離れて配設され、前記近位クロスオーバ帯が、前記左折および直進併合車線に隣接して配設されるとともに、前記交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている車両を受け入れるように構成され、それにより、前記交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている前記車両が、前記左折および直進併合車線から左折しようとしている車両を追い越すことが可能になっている、請求項7に記載の交通交差点。
【請求項9】
少なくとも1つの交差道路が、前記遠位クロスオーバ帯の遠位にあるとともに、車両を、少なくとも1つまたは複数の直進受入車線から前記遠位クロスオーバ帯をクロスオーバする車両に対して道を譲るように案内するように構成される、右折車線を画定する、請求項1に記載の交通交差点。
【請求項10】
互いに隣接して隔置された複数の走行車線を各道路が備える、2つの多車線道路の交差点に位置する交通交差点であって、
a.前記交差点において、前記多車線道路の表面エリアが重なり合う、交差点領域と、
b.複数の車線を画定する前記交差点に少なくとも1つの道路が接近する近接領域であって、
i.1つ以上の直進車線と、1つ以上の左折車線と、1つ以上の左折及び直進併合車線と、から選択される一つ以上の車線と、
ii.車両を前記交差点のところで交差道路上に右折するように案内するための、少なくとも1つの右折車線と、
iii.前記交差点からの車両を受け入れるための、少なくとも一つの受入車線と、
を含む近接領域と
を備え、
c.前記少なくとも1つの右折車線が、前記交差点に近づく前記少なくとも1つの道路において、車両が交差できるように、前記交差点領域から距離をとって離間した遠位クロスオーバ帯を通り抜けることによって、前記近接領域内で、1つ以上の直進車線、1つ以上の左折車線、1つ以上のさせる及び直進併合車線と、から選択される前記一つ以上の車線から分離するように構成され、それによって、同一道路沿いに逆方向に前記交差点から受け入れられる車両が、前記少なくとも1つの右折車線と、1つ以上の直進車線、1つ以上の左折車線、および1つ以上の直進および左折併合車線と、から選択される前記一つ以上の車線と、の間で前記少なくとも一つの受入車線に入るように案内され、
d.前記交通交差点が、下記いずれかから選択される1以上の車線に隣接して配設される近位クロスオーバ帯を画定する:
i.前記左折および直進併合車線であって、前記近位クロスオーバ帯は、前記左折および直進併合車線から前記交差点に向かって移動している車両であって、前記交差点を通ってまっすぐ移動して、前記左折および直進併合車線から左折しようとしている車両を追い越す車両を受け入れ可能に構成されている、前記左折及び直進併合車線;
ii.少なくとも1つ以上の受入車線であって、前記近位クロスオーバ帯は、前記少なくとも1つの受入車線に合流する前に前記交差点からの車両を受け入れ可能に構成されている、少なくとも1つ以上の受入車線;
交通交差点。
【請求項11】
前記近接領域の車線は、4車線である、請求項10に記載の交通交差点。
【請求項12】
前記交差点は、歩行者を交差道路のうちの少なくとも1つの向こう側に案内するように構成された歩行者横断路を画定し、
直進車線、左折車線、および左折及び直進併合車線から選択される1つ以上の車線は、前記交差点領域に隣接して位置ずれ配置の形で終端し、それにより、前記近位クロスオーバ帯が前記位置ずれ配置の前で画定され、
前記近位クロスオーバ帯は、前記交差道路から曲折する車両が、近位クロスオーバ帯がその中にある道路を横断している歩行者をよけるために多様なルートを取ることを可能にするように構成される、請求項10もしくは請求項11に記載の交通交差点。
【請求項13】
請求項10から請求項12のいずれか一項に記載の交通交差点であって、
前記近接領域において、道路は、左折及び直進併合車線、直進受入車線、及び少なくとも1つの右折車線を画定し、
前記少なくとも1つの右折車線は、前記左折及び直進併合車線から2車線幅離れて配設され、
前記近位クロスオーバ帯が、前記左折及び直進併合車線に隣接して配設されている
交通交差点。
【請求項14】
請求項10から請求項13のいずれか一項に記載の交通交差点であって、
前記近接領域において、道路は、左折及び直進併合車線、直進受入車線、及び少なくとも1つの右折車線を画定し、
前記少なくとも1つの右折車線は、前記左折及び直進併合車線から2車線幅離れて配設され、
前記近位クロスオーバ帯が、前記受入車線に隣接して配設されている
交通交差点。
【請求項15】
請求項10から請求項14のいずれか一項に記載の交通交差点であって、
前記近接領域において、道路は、左折及び直進併合車線、直進受入車線、及び少なくとも1つの右折車線を画定し、
前記少なくとも1つの受入車線は、前記左折及び直進併合車線から1車線幅離れて配設され、
前記近位クロスオーバ帯が、前記左折及び直進併合車線に隣接して配設されている
交通交差点。
【請求項16】
請求項10から請求項15のいずれか一項に記載の交通交差点であって、
前記近接領域において、道路は、左折及び直進併合車線、直進受入車線、及び少なくとも1つの右折車線を画定し、
前記少なくとも1つの受入車線は、前記左折及び直進併合車線から1車線幅離れて配設され、
前記近位クロスオーバ帯が、前記受入車線に隣接して配設されている
交通交差点。
【請求項17】
請求項10から請求項16のいずれか一項に記載の交通交差点であって、
左折車線、および直進車線から選択される1つ以上の車線は、前記交差点領域に隣接して位置ずれ配置の形で終端し、それにより、前記近位クロスオーバ帯のためのスペースがとれるように構成される
交通交差点。
【請求項18】
請求項10から請求項17のいずれか一項に記載の交通交差点であって、
前記少なくとも1つの交差道路は、前記交差点領域に隣接して位置ずれ配置の形で終端する複数の直進車線を含み、それにより、前記近位クロスオーバ帯のためのスペースがとれるように構成され、
前記近位クロスオーバ帯は、交差道路内の右折車線から曲折する車両が、近位クロスオーバ帯がその中にある道路を横断している歩行者をよけるために多様なルートを取ることを可能にするように構成される、
交通交差点。
【請求項19】
請求項10から請求項18のいずれか一項に記載の交通交差点であって、
前記近接領域は、交差道路の交差点のところで交差道路上に右折するように車両を案内するための少なくとも1つの右折車線を画定し、
前記右折車線は、車両を、前記交差道路のうちの1つ右折折車線から曲折して、前記交差道路のうちの1つの受入直線車線に入るように案内する様に構成される
交通交差点。
【請求項20】
請求項10から請求項19のいずれか一項に記載の交通交差点であって、
前記右折車線は、前記近接領域において、最左車線を構成する
交通交差点。
【請求項21】
2つの多車線道路の交差点に位置する交通交差点であって、前記多車線道路のうちの少なくとも1つは3車線道路であり、前記3車線道路は、
a.前記交差点において、前記多車線道路の表面エリアが重なり合う、交差点領域と、
b.複数の車線を画定する前記交差点に少なくとも1つの道路が接近する近接領域であって、
i.車両を交差点のところで交差道路上に右折する案内するように構成された右折車線と、
ii.車両を、交差点をまっすぐ移動するように、また交差点のところで左折するように案内する様に構成された、少なくとも1つの直進および左折併合車線と、
iii.前記交差点領域からの車両を受け入れるように構成された受入車線と、
を備える近接領域と
を備え、
c.前記右折車線が、前記交差点に近づく前記少なくとも1つの道路において、車両が交差できるように、前記交差点領域から距離をとって離間した遠位クロスオーバ帯を通り抜けることによって、前記近接領域内で直進車線から分離するように構成され、それによって、前記交差点から受け入れられる車両が、前記受入車線において、前記右折車線と前記直進および左折併合車線との間を反対方向に移動するように案内される、
交通交差点。
【請求項22】
請求項21に記載の交通交差点であって、
前記右折車線は、前記近接領域において、最右車線を構成する
交通交差点。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通交差点、交通を誘導するためのシステム、およびそのための方法に関する。
【0002】
本発明は、主として交通交差点、および渋滞した道路上の交通流において/に関して使用するために開発されたものであり、本発明については以下に、この応用に即して説明する。しかし、本発明はこの特定の使用分野に限定されないということが理解されよう。
【背景技術】
【0003】
世界中のますます多くの大都市が、交通渋滞の増加を招いている。ますますより多くの車両数に対処するために、より多くの車線を有するより大型の道路が、設計され、作り出されつつある。
【0004】
しかし、それぞれに多くの車線を有するそのようなより大型の道路が交差するところで、交通流は、交通信号灯における長い待ち時間によって遮断されることがある。これは典型的には、異なる側から接近する車、およびさまざまな異なる方向に曲折する、またはまっすぐ進行する車のために処理すべき信号の、さまざまな組合せおよび順列全てに対して、車が待たなければならないことによって生じる。
【0005】
これらの長い待ち時間が、混雑した道路上にさらなる渋滞を生み出すことがある。
【0006】
さらに、歩行者交通が交差点をクロスオーバする必要のある大型交差点において、大量の歩行者交通が渋滞を生み出すことがある。
【0007】
本明細書において任意の従来技術情報に言及する場合、そのような言及は、その情報がオーストラリアまたは他の任意の国において当技術分野に共通の一般知識の部分を成す、ということを認めることにはならないことを理解されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来技術の欠点の少なくとも一部を克服し、もしくは実質的に改善する、交通交差点、交通を誘導するためのシステム、およびそのための方法を提供しようとし、または一代替手段を少なくとも提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(左側運転道路の場合)本発明の第1の態様によれば、本発明は、大まかに、互いに隣接して隔置された複数の走行車線を各道路が備える、2つの多車線道路の交差点に位置する交通交差点であって、
a)交差道路同士の表面エリアが重なり合う、交差点領域と、
b)近接領域であって、その中で、交差点に接近する各道路が、
i)車両を交差点のところで交差道路上に右折するように案内するための、少なくとも1つの右折車線、
ii)車両を交差点を通って同一道路上をまっすぐ移動するように案内するための、少なくとも1つの直進車線、および
iii)交差点を通ってまっすぐ移動する車両を受け入れるための、少なくとも1つの直進受入車線
を画定する、近接領域と
を備え、
c)右折車線が、遠位クロスオーバ帯を通り抜けることによって、近接領域内で直進車線から分離するように構成され、それによって、同一道路沿いに逆方向に交差点を通ってまっすぐ進行する車両が、右折車線と直進車線との間で直進受入車線に入るように案内され、
d)直進車線が、車両を、交差点を越えて、交差点の反対側にある少なくとも1つまたは複数の直進受入車線に案内するように構成され、
e)右折車線が、車両を、交差道路のうちの一方の右折車線から曲折して、交差道路のうちの他方上の受入直線車線に入るように案内するように構成される、
交通交差点にある、と述べることができる。
【0010】
一実施形態では、直進車線が、車両を、交差点を越えて、直線の形で、前記少なくとも1つまたは複数の直進受入車線に案内するように構成される。
【0011】
一実施形態では、近接領域が、車両を交差点のところで交差道路上に左折するように案内するように構成された、少なくとも1つまたは複数の左折車線をさらに備える。
【0012】
一実施形態では、左折車線が、車両を、交差道路のうちの一方の左折車線から曲折して、交差道路のうちの他方上の直進受入車線に入るように案内するように構成される。
【0013】
一実施形態では、左折車線および直進車線から選択される少なくとも1つまたは複数のものが、交差点領域に隣接して位置ずれ配置の形で終端し、それにより、近位クロスオーバ帯のためのスペースがとれるように構成される。
【0014】
一実施形態では、交差道路のうちの少なくとも一方が複数の直進車線を備え、それらが、交差点領域に隣接して位置ずれ配置の形で終端し、それにより、近位クロスオーバ帯のためのスペースがとれるようになっており、近位クロスオーバ帯が、交差道路内の右折車線から曲折する車両が、近位クロスオーバ帯がその中にある道路を横断している歩行者をよけるために多様な経路指定ルートをとることを可能にするように、構成される。
【0015】
一実施形態では、近接領域が、左折および直進併合車線を画定し、近位クロスオーバ帯が、左折および直進併合車線に隣接して配設されるとともに、交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている車両を受け入れるように構成され、それにより、交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている車両が、左折および直進併合車線から左折しようとしている車両を追い越すことが可能になっている。
【0016】
一実施形態では、近位クロスオーバ帯のある道路が、4車線道路である。
【0017】
一実施形態では、4車線道路の近接領域内で、道路が左折および直進併合車線、直進受入車線、ならびに右折車線を画定し、右折車線が、左折および直進併合車線から2車線幅離れて配設され、近位クロスオーバ帯が、左折および直進併合車線に隣接して配設されるとともに、交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている車両を受け入れるように構成され、それにより、交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている車両が、左折および直進併合車線から左折しようとしている車両を追い越すことが可能になっている。
【0018】
一実施形態では、遠位クロスオーバ帯が、車両をUターンするように案内するように構成される。
【0019】
一実施形態では、少なくとも1つの交差道路が、遠位クロスオーバ帯の遠位にあるとともに、車両を、少なくとも1つまたは複数の直進受入車線から遠位クロスオーバ帯をクロスオーバする車両に対して道を譲るように案内するように構成される、右折車線を画定する。
【0020】
一実施形態では、左折車線および直進車線から選択される少なくとも1つまたは複数のものが、交差点領域に隣接して位置ずれ配置の形で終端し、それにより、近位クロスオーバ帯のためのスペースがとれるように構成される。
【0021】
一実施形態では、近位クロスオーバ帯が実質的に三角形に構成される。
【0022】
一実施形態では、近位クロスオーバ帯が、交差道路内の右折車線から曲折する車両が、近位クロスオーバ帯がその中にある道路を横断している歩行者をよけるために多様な経路指定ルートをとることを可能にするように、構成される。
【0023】
一実施形態では、交差点領域を通ってまっすぐ移動する車両が遠位クロスオーバ帯を横断できるようにするために、直進受入車線の各々が、車両を遠位クロスオーバ帯に案内するように構成される。
【0024】
一実施形態では、近接領域内の直進車線が、車両を交差点領域のところで交差道路上に左折するように案内するための、左折車線としても構成される。
【0025】
一実施形態では、交通交差点が、道路上の車両を交差点領域を通って安全に誘導するように構成された、視覚的信号伝達デバイスを備える。
【0026】
一実施形態では、視覚的信号伝達デバイスが、2つの動作モードのうちの一方において動作可能である。
【0027】
一実施形態では、視覚的信号伝達デバイスが、進め状態、および止まれ状態において動作可能である。
【0028】
一実施形態では、視覚的信号伝達デバイスが、進め状態、止まれ状態、および徐行状態において動作可能である。
【0029】
一実施形態では、交差点全体の視覚的信号伝達デバイスが、2つの構成において動作可能である。
【0030】
一実施形態では、交差点全体の視覚的信号伝達デバイスが、3つの構成において動作可能である。
【0031】
一実施形態では、視覚的信号伝達デバイスが、歩行者を、近接領域のところで道路のうちの少なくとも一方の向こう側に安全に誘導するように構成される。
【0032】
一実施形態では、近接領域が、
f)交差道路から右折する車両、および
g)交差道路から左折する車両
から選択される一方または両方のものを受け入れ、案内するように構成された、少なくとも1つの曲折受入車線をさらに備える。
【0033】
一実施形態では、近接領域が複数の曲折受入車線を備える。
【0034】
一実施形態では、右折車線が、遠位クロスオーバ帯を通り抜けることによって、近接領域内で残りの車線から分岐するように構成され、それによって、反対側から交差点を横切ってまっすぐ移動する車両を案内するための直進受入車線が、右折車線と直進車線との間に延在する。
【0035】
一実施形態では、交通交差点が、遠位クロスオーバ帯に接近する近接領域内の車両および自転車から選択される1つまたは複数のものに視覚的に信号伝達するように構成された、中間視覚的信号伝達設備を備える。
【0036】
一実施形態では、中間視覚的信号伝達設備が、道路標示および信号伝達デバイスから選択される1つまたは複数のものである。
【0037】
一実施形態では、信号伝達デバイスが交通信号灯である。
【0038】
一実施形態では、交通交差点が複数の自転車レーンを備える。
【0039】
一実施形態では、自転車レーンが、道路のうちの少なくとも一方に沿って、道路の脇に隣接して延在するように構成される。
【0040】
一実施形態では、交通交差点が、歩行者を交差道路のうちの少なくとも一方の向こう側に案内するように構成された、歩行者横断路を画定する。
【0041】
一実施形態では、交通交差点が、自転車を交差道路のうちの少なくとも一方の向こう側に案内するように構成された、自転車横断路を画定する。
【0042】
一実施形態では、自転車横断路が、歩行者横断路に隣接して位置していた。
【0043】
一実施形態では、交通交差点が、自転車横断路のところで横断する自転車に信号伝達するように構成された、視覚的信号伝達設備を備える。
【0044】
一実施形態では、遠位クロスオーバ帯が、交差点領域の遠位にあり、近位クロスオーバ帯が、交差点領域により近接している。
【0045】
一実施形態では、交通交差点が、遠位クロスオーバ帯と近位クロスオーバ帯との間に延在する、少なくとも1つまたは複数の中間車線を備える。
【0046】
一実施形態では、視覚的信号伝達設備がデバイスである。
【0047】
一実施形態では、視覚的信号伝達設備が交通信号灯である。
【0048】
一実施形態では、交通交差点が、遠位クロスオーバ帯に隣接して位置する1つまたは複数のバスストップベイ(bus stop bay)を備える。
【0049】
別の態様によれば、本発明は、大まかに、互いに隣接して隔置された複数の走行車線を各道路が備える、2つの多車線道路の交差点に位置する交通交差点であって、
a.交差道路同士の表面エリアが重なり合う、交差点領域と、
b.近接領域であって、その中で、交差点に接近する道路のうちの少なくとも1つが、
i.車両を交差点のところで交差道路上に右折するように案内するための、少なくとも1つの右折車線、
ii.車両を、交差点を通ってまっすぐ移動するように、また交差点のところで左折するように案内するための、少なくとも1つの直進および左折併合車線
を画定する、近接領域と
を備え、
c.右折車線が、遠位クロスオーバ帯を通り抜けることによって、近接領域内で直進車線から分離するように構成され、それによって、同一道路沿いに逆方向に交差点を通ってまっすぐ進行する車両が、右折車線と直進および左折併合車線との間で反対方向に直進受入車線に入るように案内され、
d.交通交差点が、左折および直進併合車線に隣接して配設されるとともに、交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている車両を受け入れるように構成される、近位クロスオーバ帯を画定し、それにより、交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている車両が、左折および直進併合車線から左折しようとしている車両を追い越すことが可能になっている、
交通交差点にある、と述べることができる。
【0050】
一実施形態では、近位クロスオーバ帯のある道路が、4車線道路である。
【0051】
一実施形態では、4車線道路の近接領域内で、道路が左折および直進併合車線、直進受入車線、ならびに右折車線を画定し、右折車線が、左折および直進併合車線から2車線幅離れて配設され、近位クロスオーバ帯が、左折および直進併合車線に隣接して配設されるとともに、交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている車両を受け入れるように構成され、それにより、交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている車両が、左折および直進併合車線から左折しようとしている車両を追い越すことが可能になっている。
【0052】
一実施形態では、左折車線および直進車線から選択される少なくとも1つまたは複数のものが、交差点領域に隣接して位置ずれ配置の形で終端し、それにより、近位クロスオーバ帯のためのスペースがとれるように構成される。
【0053】
一実施形態では、交差道路のうちの少なくとも一方が複数の直進車線を備え、それらが、交差点領域に隣接して位置ずれ配置の形で終端し、それにより、近位クロスオーバ帯のためのスペースがとれるようになっており、近位クロスオーバ帯が、交差道路内の右折車線から曲折する車両が、近位クロスオーバ帯がその中にある道路を横断している歩行者をよけるために多様な経路指定ルートをとることを可能にするように、構成される。
【0054】
一実施形態では、近接領域が、車両を交差点のところで交差道路上に右折するように案内するための、少なくとも1つの右折車線を画定し、右折車線が、車両を、交差道路のうちの一方の右折車線から曲折して、交差道路のうちの他方上の受入直線車線に入るように案内するように構成される。
【0055】
一実施形態では、交通交差点が、遠位クロスオーバ帯に隣接して位置する1つまたは複数のバスストップベイを備える。
【0056】
別の態様によれば、本発明は、互いに隣接して隔置された複数の走行車線を各道路が備える、2つの多車線道路の交差点に位置する交通交差点であって、
a.交差道路同士の表面エリアが重なり合う、交差点領域と、
b.近接領域であって、その中で、交差点に接近する各道路が、
i.車両を交差点のところで交差道路上に右折するように案内するための、少なくとも1つの右折車線、
ii.車両を交差点のところで交差道路上に左折するように案内するように構成された、少なくとも1つの左折車線、
iii.車両を交差点を通って同一道路上をまっすぐ移動するように案内するための、複数の直進車線
を画定する、近接領域と、
を備え、
c.右折車線が、遠位クロスオーバ帯を通り抜けることによって、近接領域内で直進車線から分離するように構成され、それによって、同一道路沿いに逆方向に交差点を通ってまっすぐ進行する車両が、右折車線と直進車線との間を移動するように案内され、
d.複数の直進車線が、交差点領域に隣接して位置ずれ配置の形で終端し、それにより、近位クロスオーバ帯のためのスペースがとれるようになっており、近位クロスオーバ帯が、交差道路内の右折車線から曲折する車両が、近位クロスオーバ帯がその中にある道路を横断している歩行者をよけるために多様な経路指定ルートをとることを可能にするように、構成される、
交通交差点にある、と述べることができる。
【0057】
一実施形態では、右折車線が、車両を、交差道路のうちの一方の右折車線から曲折して、交差道路のうちの他方上の受入直線車線に入るように案内するように構成される。
【0058】
一実施形態では、右折車線が、遠位クロスオーバ帯を通り抜けることによって、近接領域内で直進車線から分離するように構成され、それによって、同一道路沿いに逆方向に交差点を通ってまっすぐ進行する車両が、右折車線と直進車線との間を移動するように案内される。
【0059】
一実施形態では、近位クロスオーバ帯が、交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている車両を、左折車線から受け入れるように構成され、それにより、交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている車両が、左折および直進併合車線から左折しようとしている車両を追い越すことが可能になっている。
【0060】
一実施形態では、交通交差点が、左折および直進併合車線に隣接して配設されるとともに、交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている車両を受け入れるように構成される、近位クロスオーバ帯を画定し、それにより、交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている車両が、左折および直進併合車線から左折しようとしている車両を追い越すことが可能になっている。
【0061】
一実施形態では、近位クロスオーバ帯のある道路が、4車線道路である。
【0062】
一実施形態では、4車線道路の近接領域内で、道路が左折および直進併合車線、直進受入車線、ならびに右折車線を画定し、右折車線が、左折および直進併合車線から2車線幅離れて配設され、近位クロスオーバ帯が、左折および直進併合車線に隣接して配設されるとともに、交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている車両を受け入れるように構成され、それにより、交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている車両が、左折および直進併合車線から左折しようとしている車両を追い越すことが可能になっている。
【0063】
一実施形態では、交通交差点が、遠位クロスオーバ帯に隣接して位置する1つまたは複数のバスストップベイを備える。
【0064】
別の態様によれば、本発明は、大まかに、上で説明した交通交差点に配備するための交通案内システムであって、
a.対向交通流を横切って曲折する車両に案内信号を表示することを含めて、両交差道路上の車両に案内信号を表示するように構成された、少なくとも1つまたは複数の視覚的信号伝達デバイスと、
b.視覚的信号伝達デバイスの動作を2つの構成のうちの1つにおいて制御し、それにより、車両を交差点を横切って安全に移動するように案内するように構成された、制御システムと
を備える、交通案内システムにある、と述べることができる。
【0065】
一実施形態では、制御システムが、視覚的信号伝達デバイスの動作を2つの構成のうちの一方において制御するように構成される。
【0066】
一実施形態では、2つの構成が、
a.交差道路のうちの一方に沿った全ての車両に、交差点を横切ってまっすぐ移動するように、またそれらがいる道路から交差道路上に曲折するように信号伝達される構成、
b.両交差道路に沿って移動する全ての車両が止められ、歩行者および自転車から選択される1つまたは複数のものに、交差道路を横断するように信号伝達される構成
から選択される1つまたは複数のものである。
【0067】
一実施形態では、交通交差点が、遠位クロスオーバ帯に隣接して位置する1つまたは複数のバスストップベイを備える。
【0068】
本発明の他の態様も開示される。
【0069】
本発明の範囲に含まれ得る他のどんな形態があるとしても、本発明の好ましい実施形態について次に、ほんの一例として、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
図1】車両が各道路上を両方向に移動し、視覚的信号伝達デバイスが第1の構成にある、6車線道路と6車線道路との交通交差点の概略図である。
図2】車両が各道路上を両方向に移動し、視覚的信号伝達デバイスが第2の構成にある、6車線道路と6車線道路との交通交差点の第1の実施形態の概略図である。
図3】車両が各道路上を両方向に移動し、視覚的信号伝達デバイスが第1の構成にある、4車線道路と4車線道路との交通交差点の第2の実施形態の概略図である。
図4】車両が各道路上を両方向に移動し、視覚的信号伝達デバイスが、歩行者が横断するための第2の構成にある、4車線道路と4車線道路との交通交差点の第2の実施形態の概略図である。
図5】車両が各道路上を両方向に移動し、視覚的信号伝達デバイスが第1の構成にある、6車線道路と4車線道路との交通交差点の第3の実施形態の概略図である。
図6】車両が各道路上を両方向に移動し、視覚的信号伝達デバイスが第1の構成にある、4車線道路と2車線道路との交通交差点の第4の実施形態の概略図である。
図7】車両が各道路上を両方向に移動し、視覚的信号伝達デバイスが第1の構成にある、4車線道路と3車線道路との交通交差点の第5の実施形態の概略図である。
図8】車両が各道路上を両方向に移動し、視覚的信号伝達デバイスが第1の構成にある、6車線道路と3車線道路との交通交差点の第6の実施形態の概略図である。
図9】車両が各道路上を両方向に移動し、視覚的信号伝達デバイスが第1の構成にある、6車線道路と2車線道路との交通交差点の第7の実施形態の概略図である。
図10】車両が各道路上を両方向に移動し、視覚的信号伝達デバイスが第1の構成にある、10車線道路と6車線道路との交通交差点の第8の実施形態の概略図である。
図11】交差道路に入る車両が歩行者を通り過ぎて移動するために有するさまざまな経路指定オプションを例示する、図10の交通交差点の第8の実施形態のクローズアップ概略図である。
図12】自転車通路および自転車横断路を含む、6車線道路と3車線道路との交通交差点の第9の実施形態の概略図である。
図13】視覚的信号伝達デバイスが第3の構成にある、図1に示す交通交差点の第1の実施形態の概略図である。
図14】6車線道路上にある、バスストップがその両側に配設された遠位クロスオーバ帯の概略図である。
図15】相互に交通を案内するように構成された4つの交通交差点の概略図である。
図16】3車線道路上にある、バスストップがその両側に配設された遠位クロスオーバ帯の概略図である。
図17】近接領域と、4車線道路上にある、バスストップがその両側に配設された遠位クロスオーバ帯との概略図である。
図18】ストリート番号を表示するように印付けされた歩行者横断路を示す、交差点領域および近接領域のクローズアップ概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
以下の説明では、異なる実施形態における同様または同一の参照番号は、同一または類似の特徴を表すことに留意されたい。
【0072】
交通交差点
本発明について説明する目的で、本発明の交差点および交通案内システムについて、車両に道路の左手側を運転するように求める道路法に即して説明する。しかし、本発明は、「右」という語への言及があればそれを「左」という語と交換し、「左」という語への言及があればそれを「右」という語と交換すること、および示した図を鏡写しすることによって、車両が道路の右手側を運転する諸国で稼働可能な交差点に対しても、また車両が道路の右手側を運転する諸国で稼働可能な交通案内システムを使用しても、同様に効果的に遂行できることが理解されよう。
【0073】
ここで説明する一実施形態では、交通交差点1000が提供される。交通交差点1000は、2つの多車線道路1100の交差点に位置する。各道路は、下でより詳細に説明するように、複数の走行車線を備える。各走行車線は、場合によってはそれらの間に防護柵(safety barrier)および/または安全地帯(pedestrian island)をとって、互いに隣接して隔置される。
【0074】
交通交差点1000は、交差道路同士の表面エリアが実質的に重なり合う、交差点領域1200と、交差点領域1200に近接して位置する、近接領域1300とを備える。近接領域1300は、車両を交差点のところで交差道路1100上に右折するように案内するための、右折車線1310を含む。近接領域1300はさらに、車両を交差点を通って同一道路1100上をまっすぐ移動するように案内するための、直進車線1320を含む。これらの2つの車線だけが、車両を対向する方向に移動させる第1の道路と、車両を一方向だけに移動させる第2の道路との交差点に必要である。
【0075】
しかし、交差点が、それぞれが車両を対向する方向に移動させる2つの道路の交差点である場合、直進車線1320は、図3および図4に示すように、直進および左折併合車線1325として、車両を交差道路1100上に左折するように案内するように構成することができ、またはその代わりにかつ/もしくはそれに加えて、左折車線1330を特にその目的のために設けることもできる。
【0076】
好ましい一実施形態では、近接領域1300は、反対側から交差点領域1200を越えてまっすぐ移動する車両を受け入れるための、好ましくは、交差道路から左折または右折して近接領域1300に入る車両を受け入れるための、1つまたは複数の受入車線1340をさらに備える。
【0077】
近接領域1300がさらに、好ましくは、交差道路1100から左折した後に交差点領域1200の中を横切った車両を受け入れるための、少なくとも1つまたは複数の左折受入車線(図示せず)、ならびに交差道路1100を右折した後に交差点領域1200の中を横切った車両を受け入れるための、少なくとも1つまたは複数の右折受入車線(図示せず)を備えることができることが、企図される。しかし、そのような左折受入車線および右折受入車線は、交通交差点にさらなる車線要件を追加するので、好ましくない。
【0078】
重要なことには、車両を遠位クロスオーバ帯1400の中を案内することによって、右折車線1310は、近接領域1300内で直進車線1320から分離するように構成される。交差点領域1200を越えて進行してきた車両を案内するための受入車線1340が、交差点領域1200から遠ざかって遠位クロスオーバ帯1400に向かう車両を案内する。受入車線1340はまた、車両は反対方向に移動した状態ではあるが、右折車線1310と直進車線1320との間に延在する。
【0079】
交差点領域1200から離れて進行する車両は、受入車線1340によって遠位クロスオーバ帯1400に案内され、そこで、少なくとも1つまたは複数の車両スペースを左に移動することによって、遠位クロスオーバ帯1400をクロスオーバして、道路の左手側に戻る。
【0080】
個々の車線について、機能ごとに1つの車線が必要であるかのように説明しているが、必ずしもそうである必要はないことが理解されよう。1つの車線が、例えばまっすぐ移動することも左折することもしたい車を案内するための車線として、またはまっすぐ移動することも右折することもしたい車を案内するための車線として、論理的に機能することができる場合、単一の車線を使用することができる。これらの例が、図中に示されている。
【0081】
交差点領域1200に向かって遠位クロスオーバ帯1400に接近する、右折して交差道路に入りたい車両は、交通信号灯や道路標示などの視覚的信号伝達デバイス3100によって、交差点領域1200から到来する、受入車線内の車両に道を譲るように案内される。安全になった後、車両は遠位クロスオーバ帯1400をクロスオーバして、好ましくは多車線道路の右端の車線に移る。
【0082】
交通交差点1000が、好ましくは、歩行者を、交差道路の各々を交差点領域1200の両側で横切るように案内するように構成される、歩行者横断路2000を含むことが、さらに企図される。
【0083】
図12に示す実施形態では、交通交差点1000はさらに、好ましくは、各交差道路の脇に沿って延在する自転車通路4000を備える。さらに、交通交差点は、好ましくは、サイクリストを、交差道路の各々を横切るように案内するように構成される、自転車横断路4100を含む。
【0084】
交通交差点1000に交通案内システム3000が装備され、交通案内システム3000がコントローラ3200を備え、コントローラ3200が、好ましくは交通信号灯の形態をとる視覚的信号伝達デバイス3100に接続するとともにそれを制御するように構成されることが、企図される。コントローラが、遠位クロスオーバ帯1400および/または交差点領域1200および/または近位クロスオーバ帯1500の光景をコントロールセンタ(図示せず)に中継するように構成されたカメラ3300に接続できることが、さらに企図される。これらのエリア内の交通を観察および記録できることによって、万一事故または類似のことが発生した場合であっても交通流を確保すべく、確実にクロスオーバ帯が空いている状態に維持され、クロスオーバ帯に車両のないようにするために、警察車両および緊急車両がすばやく派遣され得る。
【0085】
好ましくは、少なくとも1つの視覚的信号伝達デバイス3100が、交差点領域1200の各側において、右折車線、直進車線、左折車線、ならびに直進および左折併合車線(該当する場合)の各々に設けられる。視覚的信号伝達デバイス3100は、車両に信号伝達するように構成されるのに加えて、歩行者横断路2000上の歩行者および自転車横断路4100上のサイクリストに信号伝達するようにも構成することができる。
【0086】
好ましい一実施形態では、これらの視覚的信号伝達デバイス3100が相互に、好ましくは、3つの構成のうちの1つにおいて動作可能である。
【0087】
第1の構成が図1に示されており、この場合、交差道路のうちの一方上の車両が、視覚的信号伝達デバイスによって進むように視覚的に信号伝達されるとともに、交差道路のうちの他方上の車両が、視覚的信号伝達デバイスによって止まるように視覚的に信号伝達される。
【0088】
それと同時に、車両が進むように信号伝達された交差道路を横切る歩行者横断路2000に信号伝達する視覚的信号伝達デバイス3100は、その道路を横断する歩行者に止まるように信号伝達する。同様に、車両が進むように信号伝達された交差道路を横切る自転車横断路4100に信号伝達する視覚的信号伝達デバイスは、自転車に止まるように信号伝達する。
【0089】
しかし、車両が止まるように信号伝達された交差道路を横切る歩行者横断路2000および自転車横断路4100に信号伝達する視覚的信号伝達デバイス3100は、歩行者および自転車それぞれに進むように信号伝達する。
【0090】
視覚的信号伝達デバイス相互の第2の構成は、上で説明した第1の構成とは全く逆であり、車両、歩行者、自転車がいずれも以前に止まるように信号伝達されていたなら、進むように信号伝達され、逆も同様である。
【0091】
第3の構成の例が図8に、自転車横断路の例示なく示されているが、当業者には、自転車横断路4100は、歩行者横断路2000のそれらを鏡写しすることが理解されよう。この構成では、視覚的信号伝達デバイスが、両交差道路内の全ての車両に止まるように信号伝達するとともに、両交差道路上の歩行者横断路2000(および自転車横断路4100)が、進むように信号伝達される。
【0092】
具体的には、車両を交差点のところで交差道路上に右折するように案内するための少なくとも1つの右折車線1310に信号伝達するために、視覚的信号伝達デバイス3100が設けられる。さらに、車両を交差点領域1200を越えて同一道路1100上をまっすぐ移動するように案内するための少なくとも1つの直進車線1320に信号伝達するために、視覚的信号伝達デバイス3120が設けられる。
【0093】
上で説明した交通交差点1000で使用するために、右折車線1310内の車両を案内するための視覚的信号伝達デバイス3100は、右折車線1310が直進車線1320から受入車線1340の少なくとも1車線だけ隔置されるので、好ましくは、直進車線1320に信号伝達する視覚的信号伝達デバイス3100から少なくとも2車両間隔だけ距離を置かれる。
【0094】
以前に論じたように、直進および左折併合車線1325が設けられる場合があることが予想される。したがって、関連する視覚的信号伝達デバイス3100は、車両に、交差道路1100上に左折するように、また交差点領域1200を横切って直進するように、信号伝達するように構成することができる。
【0095】
好ましい一実施形態では、コントローラが、視覚的信号伝達デバイス3100の動作を、それらの止まれ状態、進め状態、および徐行状態の間で切り替えるように制御するように構成される。
【0096】
コントローラは、好ましくは、デジタル記憶媒体3210から命令を受領するように構成されたプロセッサ(図示せず)、ならびにデジタル命令を記憶するように構成されたデジタル記憶媒体(図示せず)を備える。コントローラ(図示せず)は、好ましくは、ネットワーク3300によって視覚的信号伝達デバイス3100に接続され、またはそれに接続可能である。ネットワーク3300は、ワイヤレスネットワークまたはハードワイヤードネットワークとすることができる。
【0097】
一代替実施形態では、コントローラが遠隔に位置するとともに長距離ネットワークによって視覚的信号伝達デバイス3100に接続できることが、企図される。ネットワーク3300は、インターネットとすることができるが、これは好ましくはない。
【0098】
ハードディスク、サーバセンタ、またはクラウドベースの記憶サーバなど、1つまたは複数のデジタル記憶媒体(図示せず)上に記憶される、好ましくはソフトウェアの形態をとるデジタル命令。
【0099】
複数の交通案内システム3000を、集中型コントローラによって制御でき、それにより、交通が複数の交通交差点1000を通じてより最適なレベルで流れることが可能になることが、さらに企図される。一実施形態では、コントローラは、好ましくは視覚的信号伝達デバイス3100がそれに従って制御されるアルゴリズムの形態をとるデジタル命令を記憶するための、デジタル記憶媒体を備える。
【0100】
このようにして、車両同士が互いの経路を横断するエリアを交差点領域1200から離れた距離のところに移動させることによって、交通流を横切って曲折する(例えば右折車線内の)車両によって生じる交通渋滞が消失する。
【0101】
全ての視覚的信号伝達デバイス3100を2つ、または好ましくは3つの構成において動作させることによって、交通交差点のところで通常遭遇する多数の構成が繰り返す間、車両が交差点領域1200を通って移動するその機会を待って費やす時間が少なくなる。例えば、3つの構成だけが使用される場合、それは、3分のうち丸1分が、交差点を横切って移動する車両、歩行者、および自転車の各々によって費やされることを意味する。同等サイズの従来の交通交差点では、5つの異なる構成が可能となり得ることが予想される。これには、
・車両が交差点を越えてまっすぐ移動する構成(交差道路ごとに×2)、
・車両が交差点領域を横切って左折する構成(交差道路ごとに×2)、
・車両が交差点領域を横切って右折する構成(交差道路ごとに×2)、
・交差道路上の全ての車両が、歩行者横断のために止められた構成
が含まれ得る。
【0102】
例えば、5つの異なる構成の場合、異なる曲折要件を有する車両の各組は、交差点領域を通って移動するためにおよそ25秒(すなわち3分を5で割った商)しかもらえないことになる。したがって、本発明による交通交差点は、交差点を通るより多くの交通流を可能にする。さらに、3つの構成しか使用されないので、これにより、単一の道路に沿って隔置された視覚的信号伝達デバイス3100の組を同期しようと試みる際の計算が簡単になる。
【0103】
このようにして、交通流を横切って曲折する車両を案内するために呈示されるさまざまな曲折構成を待って費やされる時間遅延が短縮し、それによって、時間間隔の増加が可能になること(これは、車両が停止状態にあって、または止まった状態から加速して費やされる時間の割合がより低いということを意味する)、および道路に沿った交通流がそれほど渋滞しなくなることが予想される。
【0104】
図中に示す実施形態では、右折車線1310および左折車線1330は、好ましくは、車両を受入車線1340に受け入れられるように案内し、受入車線1340は、視覚的信号伝達デバイス3100が別の構成にあるときに、交差道路1100のうちの他方上で交差点を横切って直進する車両のための受入車線としても機能する。車両の通過は、図中に参照矢印Vとして概して示されている。
【0105】
さらに、左折車線1330は、車両を、交差道路のうちの一方の左折車線から曲折して、交差道路のうちの他方上の受入車線1340に入るように案内するようにも構成される。
【0106】
図1図2図5図8図9図10図11、および図12に示すように、左折車線1330および直進車線1320は、交差点領域1200に隣接して配設される三角形形状の近位クロスオーバ帯1500のためのスペースを空けて、交差点領域1200に隣接して位置ずれ配置の形で終端するように構成される。近位クロスオーバ帯は、交差道路内の右折車線1310または左折車線1330から曲折して他方の交差道路の受入車線1340に入る車両に、近位クロスオーバ帯1500がその中にある道路を横断している歩行者の周りを通過するために多様な経路を与えるように構成される。車両の通過は、図11に参照矢印Vによって示されており、道路を横断する歩行者は、黒点Pとして示されている。
【0107】
図3に示す実施形態では、4車線道路が別の道路と交差する場合、典型的には、直進および左折併合車線1325が、交差点領域1200に接近する最左車線として設けられる。この図中の近位クロスオーバ帯1500は、左折および直進併合車線に隣接して配設される。近位クロスオーバ帯1500は、交差点を通ってまっすぐ移動しようとし、かつ直進および左折併合車線1325から移ろうとしている車両を受け入れるように構成され、それにより、交差点を通ってまっすぐ移動しようとしている車両が、左折および直進併合車線から左折しようとしている車両を追い越すことが可能になっている。左折する車両は、受入用の最左受入車線1340に受け入れられ、一方、右折する車両は最右受入車線1340に受け入れられる。交差点を横切ってまっすぐ移動する車両は、近位クロスオーバ帯1500から移動して、最左受入車線(交差道路から曲折する車両の視覚的信号伝達デバイス3100がそれらの車両に止まるように信号伝達しているので、それらの車両によって使用中になっていないはずである)に受け入れられる。
【0108】
近位クロスオーバ帯1500が、4を上回る車線を有する多車線道路1100に使用できることが企図されるが、そのような場合、直進および左折用に別々のランドが設けられることになり、そのような要件は現実的意味のないものである。3車線を有する多車線道路1100では、説明した機能を近位クロスオーバ帯1500が有するのに十分なスペースがない。
【0109】
図中に示すように、遠位クロスオーバ帯1400は、好ましくは、例えば道路1100の幅一杯にわたって延在することによって、車両、特に大型車両をUターンするように案内するように構成される。車両はその場合、遠位クロスオーバ帯1400の遠位にある右折車線から遠位クロスオーバ帯1400に入って、Uターンすることができる。Uターンをキャリーしている車両の例が、図1図14図16、および図17に参照矢印Vによって示されている。遠位クロスオーバ帯の両側に1つまたは複数のバスストップベイ5000をオプションで設けることによって、車両、特により長い車両が道路1100上でUターンを遂行できるようにすることが、それにより容易になることが、さらに企図される。図16および図17に示すように、道路の少なくとも右手側のバスストップベイ5000が、それにより車両が右折車線からUターンを遂行できるようになるので、好ましい。
【0110】
例えば、交通事故または他の緊急が、交差点領域1200のところまたはその付近で発生した場合、交通交差点1000が、それでもなお車両が右折または左折できるようにし、それにより、交通の完全停止が防がれることが企図される。緊急事態または類似のことにより、交差点領域1200内で交通流が完全に停止になった場合、Uターンを遂行するための車両遠位クロスオーバ帯1400が近位ゾーンに向かう流れおよび近位ゾーンから離れる流れを可能にすることが、企図される。そのような交通流は、例えば、緊急時公共サービスによって、緊急時公共サービス車両が渋滞した交通交差点に近づくのを可能にするため、また交通交差点がより速く片付けられることを可能にするためにも、使用され得る。
【0111】
バスストップベイ5000が遠位クロスオーバ帯1400の隣に設けられる場合、バスには道路に出て行くためのスペースがもたらされることが、さらに企図される。
【0112】
このようにして、また図15を参照して、遠位クロスオーバ帯1400を、より大きな格子状の交通交差点1000において使用して、混乱した交差点領域1200から交通をそらすことができることが、当業者には理解されよう。
【0113】
交通交差点の任意の部分に、ストリート番号、ストリート番号の増減の方向、または道路のアライメントの方向から選択される1つまたは複数のものを表示するように印付けできることが、さらに企図される。図18に示す実施形態では、歩行者横断路が、歩行者がそれに向かって歩いているストリート番号を表示するように印付けされている。
【0114】
別の実施形態では、道路標示の方向矢印を、車両が向けられているコンパス方位に対応するように色分けできることが企図される。
【0115】
そのような標示の任意数の構成が可能であることが、当業者には理解されよう。
【0116】
解釈
~に従って:
本明細書において説明したように、:~に従っては、:~に応じてを意味することもあり、必ずしもそれに関して指定された整数に限定されるとは限らない。
【0117】
データベース:
本文書の文脈では、データベースという用語およびその派生語は、単一のデータベース、データベースのセット、データベースのシステム、または同様のものについて言い表すために使用されることがある。データベースのシステムは、データベースのセットを備えることがあり、その場合、データベースのセットは、単一のインプリメンテーション上に格納されてもよく、複数のインプリメンテーションにわたって及んでもよい。データベースという用語はまた、ある一定のデータベースフォーマットを指すことに限定されるのではなく、任意のデータベースフォーマットを指すことがある。例えば、データベースフォーマットには、MySQL、MySQLi、XML、または同様のものが含まれてよい。
【0118】
ワイヤレス:
本発明は、他のネットワーク標準規格に準拠するデバイスを使用して、例えば他のWLAN標準規格および他のワイヤレス標準規格を含む他の応用向けに具現化することができる。対応することの可能な応用には、IEEE802.11ワイヤレスLANおよびリンク、ならびにワイヤレスイーサネット(登録商標)が含まれる。
【0119】
本文書の文脈では、ワイヤレスという用語およびその派生語は、変調された電磁放射を使って非固体媒体を通じてデータを通信することのできる回路、デバイス、システム、方法、技法、通信チャネルなどを言い表すために使用されることがある。この用語は、関連するデバイスが、一部の実施形態ではそうかもしれないが、いかなるワイヤも含んでいない、ということを含意するものではない。本文書の文脈では、有線という用語およびその派生語は、変調された電磁放射を使って固体媒体を通じてデータを通信することのできる回路、デバイス、システム、方法、技法、通信チャネルなどを言い表すために使用されることがある。この用語は、関連するデバイスが導電性ワイヤによって結合される、ということを含意するものではない。
【0120】
プロセス:
特に別段の定めのない限り、以下の議論から明らかなように、本明細書全体を通して、処理する、コンピューティングする、計算する、決定する、解析する、または同様のものなどの用語を利用した議論は、電子量などの物理量として表現されるデータを操作し、かつ/またはそれを、物理量として同様に表現される他のデータに変換する、コンピュータもしくはコンピューティングシステム、または類似の電子コンピューティングデバイスの、アクションおよび/またはプロセスを指すことが理解されよう。
【0121】
プロセッサ:
同様に、プロセッサという用語は、例えばレジスタおよび/またはメモリからの電子データを処理して、その電子データを、例えばレジスタおよび/またはメモリ内に記憶されてよい他の電子データに変換する、任意のデバイスまたはデバイスの部分を指すことがある。コンピュータまたはコンピューティングデバイスまたはコンピューティングマシンまたはコンピューティングプラットフォームは、1つまたは複数のプロセッサを含んでよい。
【0122】
本明細書において説明した方法論は、一実施形態では、プロセッサのうちの1つまたは複数によって実行されると、本明細書において説明した方法のうちの少なくとも1つを遂行する命令のセットを含む、(マシン可読とも呼ばれる)コンピュータ可読コードを受け取る1つまたは複数のプロセッサによって実施可能である。とられるべきアクションを指定した命令のセット(順次のまたはその他の)を実行することの可能な任意のプロセッサが含まれる。したがって、一例は、1つまたは複数のプロセッサを含む典型的な処理システムである。処理システムは、メインRAMおよび/もしくはスタティックRAMならびに/またはROMを含むメモリサブシステムを、さらに含んでよい。
【0123】
コンピュータ可読媒体:
さらに、コンピュータ可読キャリア媒体は、コンピュータプログラム製品を成すか、またはそれに含まれてよい。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ使用可能キャリア媒体上に記憶させることができ、コンピュータプログラム製品は、本明細書において説明した方法をプロセッサに実施させるコンピュータ可読プログラム手段を備える。
【0124】
ネットワーク接続したプロセッサまたはマルチプロセッサ:
代替実施形態では、1つまたは複数のプロセッサが、スタンドアロンデバイスとして動作してもよく、ネットワーク型配備において他のプロセッサ(複数可)に接続、例えばネットワーク接続されてもよく、1つまたは複数のプロセッサは、サーバ-クライアントネットワーク環境においてサーバもしくはクライアントマシンとして、またはピア-ツーピアもしくは分散型ネットワーク環境においてピアマシンとして、動作してよい。1つまたは複数のプロセッサは、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、スイッチもしくはブリッジ、または任意のマシンであって、そのマシンによってとられるべきアクションを指定した命令のセット(順次のもしくはその他の)を実行することの可能な任意のマシンを成してよい。
【0125】
一部の図は、単一のプロセッサ、およびコンピュータ可読コードを保持する単一のメモリしか示していないが、上で説明した構成要素の多くが、含まれはするものの本発明の態様を曖昧にしないために明示的に示しまたは説明されないことを、当業者なら理解するであろうことに留意されたい。例えば、単一のマシンしか例示されていないとはいえ、`マシン_という用語は、本明細書において論じた方法論のうちのいずれか1つまたは複数を実施するために命令のセット(または複数セット)を個々にまたは一緒に実行するマシンの任意の集合も含むと解釈されるものとする。
【0126】
追加実施形態:
したがって、本明細書において説明した方法の各々の一実施形態は、命令のセット、例えば、1つまたは複数のプロセッサ上で実行するためのコンピュータプログラムを保持する、コンピュータ可読キャリア媒体の形態をとる。したがって、当業者には理解されるように、本発明の実施形態は、方法、特殊目的装置などの装置、データ処理システムなどの装置、またはコンピュータ可読キャリア媒体として具現化することができる。コンピュータ可読キャリア媒体は、1つまたは複数のプロセッサ上で実行されると1つまたは複数のプロセッサに方法を実装させる命令のセットを含む、コンピュータ可読コードを保持する。したがって、本発明の態様は、方法、全体がハードウェアの実施形態、全体がソフトウェアの実施形態、またはソフトウェアの態様とハードウェアの態様とを組み合わせた実施形態の形態をとることができる。さらに、本発明は、媒体内に具現化されたコンピュータ可読プログラムコードを保持するキャリア媒体(例えば、コンピュータ可読記憶媒体上のコンピュータプログラム製品)の形態をとることができる。
【0127】
キャリア媒体:
ソフトウェアはさらに、ネットワークインターフェースデバイスを介してネットワーク経由で送信または受信されることがある。キャリア媒体は、一実施形態例では、単一の媒体であると示されるが、キャリア媒体という用語は、命令の1つまたは複数のセットを記憶する、単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型もしくは分散型データベース、ならびに/または関連するキャッシュもしくはサーバ)を含むと解釈すべきである。`キャリア媒体_という用語はまた、プロセッサのうちの1つまたは複数によって実行するための、1つまたは複数のプロセッサに本発明の方法論のうちのいずれか1つまたは複数を実施させる命令のセットを、記憶、符号化、または保持することの可能な任意の媒体を含むと解釈されるものとする。キャリア媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含むがそれらに限定されない、多くの形態をとることができる。
【0128】
実装:
論じた方法のステップが、一実施形態では、処理(すなわちコンピュータ)システムの適切な1つのプロセッサ(または複数のプロセッサ)が記憶装置内に記憶された命令(コンピュータ可読コード)を実行することによって実施されることが理解されよう。本発明がどんな特定の実装またはプログラミング技法にも限定されないこと、および本発明が、本明細書において説明した機能を実装するのに適したどんな技法を使用して実装されてもよいことも理解されよう。本発明は、どんな特定のプログラミング言語またはオペレーティングシステムにも限定されない。
【0129】
方法または機能を遂行するための手段
さらに、実施形態の一部は、本明細書において、プロセッサデバイス、コンピュータシステムのプロセッサによって、または機能を遂行する他の手段によって実装され得る、方法または方法の要素の組合せとして説明される。したがって、そのような方法または方法の要素を遂行するのに必要な命令を備えたプロセッサは、方法または方法の要素を遂行するための手段を成す。さらに、装置実施形態の、本明細書において説明した要素は、本発明を遂行する目的でその要素によって実施される機能を遂行するための手段の一例である。
【0130】
接続された
同様に、接続された、という用語は、特許請求の範囲において使用されるとき、直接接続のみに限定するものと解釈すべきではないことに留意されたい。したがって、デバイスBに接続されたデバイスAという表現の範囲は、デバイスAの出力がデバイスBの入力に直接接続されているデバイスまたはシステムに限定すべきではない。それが意味するのは、Aの出力とBの入力との間に経路があり、それが他のデバイスまたは手段を含む経路であり得る、ということである。接続された、は、2つ以上の要素が直接物理的もしくは電気的接触状態にあるか、または2つ以上の要素が互いに直接接触状態にないが、それでもなお互いに協働または相互作用していることを意味することができる。
【0131】
実施形態:
本明細書全体を通して、一実施形態(one embodiment)または一実施形態(an embodiment)に言及する場合、その実施形態に関して説明した特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、一実施形態では(in one embodiment)または一実施形態では(in an embodiment)という句が、本明細書全体を通してさまざまな場所に現れる場合、必ずしも全てが同一実施形態に言及しているとは限らないが、同一実施形態に言及していることもある。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、当業者には本開示から明らかなように、1つまたは複数の実施形態においてどんな適切な様式で組み合わされてもよい。
【0132】
同様に、本発明の実施形態例についての上の説明では、本開示を合理化し、本発明のさまざまな態様のうちの1つまたは複数の理解を助けることを目的として、本発明のさまざまな特徴が、単一の実施形態、図、またはその説明にまとめられることがある、ということを理解されたい。しかし、この開示方法は、特許請求の範囲に記載の発明が、各請求項に明示的に記述されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映していると解釈すべきではない。そうではなく、添付の特許請求の範囲が反映するように、本発明の態様は、前述の開示した単一の実施形態の、一部の特徴にある。したがって、発明を実施するための形態(Detailed Description of Specific Embodiments)に続く特許請求の範囲はここで、各請求項が本発明の個別の実施形態としてそれ自体で成立した状態で、この発明を実施するための形態に明示的に組み込まれる。
【0133】
さらに、本明細書において説明した実施形態の中には、他の実施形態に含まれる一部の特徴は含むが他の特徴は含まないものがあるが、当業者には理解されるように、異なる実施形態の特徴の組合せは、本発明の範囲内にあること、および異なる実施形態を成すことが意図される。例えば、添付の特許請求の範囲では、特許請求の範囲に記載の実施形態のいずれも、どんな組合せでも使用することができる。
【0134】
具体的詳細
本明細書において行われる説明では、多くの具体的詳細が記載されている。しかし、本発明の実施形態は、これらの具体的詳細がなくても実践できることが理解されよう。他の場合には、本説明の理解を曖昧にしないために、よく知られた方法、構造、および技法については詳細に示されていない。
【0135】
専門用語
図面に例示した本発明の好ましい実施形態について説明する際に、明確にするために特定の専門用語が用いられる。しかし、本発明は、そのように選択された特定の用語に限定されるものではなく、特定の用語がそれぞれ、類似の技術的目的を達成するために同様に働くあらゆる技術的同義語を含むことを理解されたい。前方に、後方に、径方向に、周囲に、上方に、下方に、および同様のものなどの用語は、参照点を提供するのに好都合な語として使用されており、限定的な用語として解釈すべきではない。
【0136】
対象物の異なる実体
本明細書では、別段の指定のない限り、共通の対象物について説明するために第1の、第2の、第3のなどという序数を表す形容詞を使用することは、同様の対象物の異なる実体に言及しているということを意味するにすぎず、そのように説明された対象物が、時間的に、空間的に、序列として、または他の任意の様式で、所与の順番になっていなければならないことを含意するものではない。
【0137】
備えているおよび含んでいる
本発明の添付の特許請求の範囲および先の説明では、明示的な言語または必要な含意のため文脈上異なる解釈を必要とする場合を除き、備える(comprise)という語、または備える(comprises)もしくは備えている(comprising)などの変形が、包含的な意味において、すなわち述べられた特徴の存在を指定するが本発明のさまざまな実施形態におけるさらなる特徴の存在または追加を排除しないために、使用される。
【0138】
本明細書では、含んでいる(including)、または含む(which includes)、または含む(that includes)という用語のうちのいずれか1つも、やはりその用語に続く少なくとも要素/特徴を含んでいるが、他を除外しないことを意味する、オープンタームである。したがって、含んでいるは、備えていると同義であり、備えているを意味する。
【0139】
発明の範囲
したがって、本発明の好ましい実施形態であると考えられるものについて説明してきたが、本発明の趣旨から逸脱することなく他の修正およびさらなる修正をそれに加えることができることを、当業者なら認識し、かかる全ての変更および修正を、本発明の範囲に含まれるものとして特許請求することが意図される。例えば、上で与えられたどんな方式も、使用することのできる手順を表すにすぎない。機能が追加されてもよく、ブロック図から削除されてもよく、機能ブロックの間で動作が交換されてもよい。本発明の範囲内で、説明した方法にステップが追加されてもよく、削除されてもよい。
【0140】
本発明について、特定の例を参照して説明してきたが、本発明は他の多くの形態で具現化できることが、当業者には理解されよう。
【0141】
時系列
本明細書では、方法ステップが順番に説明される場合、その順番は必ずしも、順番を解釈する他の論理的様式がないという場合を除き、ステップがその順番に時系列に遂行されるべきであるということを意味するとは限らない。
【0142】
マーカッシュグループ
加えて、本発明の特徴または態様が、マーカッシュグループで表して説明される場合、本発明もそれにより、マーカッシュグループの任意の個々のメンバまたはメンバのサブグループで表して説明されることを、当業者なら認識されよう。
【産業上の利用可能性】
【0143】
上記から、説明した仕組みは交通管理産業に利用可能であることが明らかである。
【符号の説明】
【0144】
1000 交通交差点
1100 多車線道路、交差道路
1200 交差点領域
1300 近接領域
1310 右折車線
1320 直進車線
1325 直進および左折併合車線
1330 左折車線
1340 受入車線
1400 遠位クロスオーバ帯
1500 近位クロスオーバ帯
2000 歩行者横断路
3000 交通案内システム
3100 視覚的信号伝達デバイス
3120 視覚的信号伝達デバイス
3200 コントローラ
3210 デジタル記憶媒体
3300 カメラ、ネットワーク
4000 自転車通路
4100 自転車横断路
5000 バスストップベイ
P 黒点
V 参照矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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