(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】画像診断アセンブリの電気的接地並びに関連する腔内デバイス、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 8/12 20060101AFI20220722BHJP
【FI】
A61B8/12
(21)【出願番号】P 2019516612
(86)(22)【出願日】2017-09-25
(86)【国際出願番号】 EP2017074156
(87)【国際公開番号】W WO2018060107
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-09-24
(32)【優先日】2016-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ウォルスタッド デイビッド ケネス
【審査官】伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】特表平11-501245(JP,A)
【文献】米国特許第07226417(US,B1)
【文献】特表2016-501678(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0187960(US,A1)
【文献】特開平10-192281(JP,A)
【文献】米国特許第06618916(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0081657(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の脈管に挿入するための、近位側部分及び遠位側部分を含む可撓性の細長い部材と、
前記可撓性の細長い部材の前記遠位側部分に位置付けられ
、フレックス回路を含む、画像診断アセンブリと、
電気的に接地しており、前記画像診断アセンブリの少なくとも一部分と接触して、前記画像診断アセンブリの少なくとも一部分を電気的に接地させて維持するブリッジ部材とを含み、
前記ブリッジ部材は円筒状の状態で配設され
、
前記ブリッジ部材は、前記フレックス回路の長さに沿って延在し、前記長さの一部分に沿って前記フレックス回路から離間される、腔内画像診断デバイス。
【請求項2】
前記画像診断アセンブリ
は支持部材を含み、前記ブリッジ部材は前記フレックス回路の少なくとも一部分と接触している、請求項1に記載の腔内画像診断デバイス。
【請求項3】
前記支持部材は非導電性材料を含み、前記ブリッジ部材は導電性材料を含む、請求項2に記載の腔内画像診断デバイス。
【請求項4】
前記ブリッジ部材は前記支持部材の周りに巻き付けられる、請求項3に記載の腔内画像診断デバイス。
【請求項5】
前記フレックス回路は前記ブリッジ部材の周りに巻き付けられる、請求項3に記載の腔内画像診断デバイス。
【請求項6】
前記フレックス回路は、複数の撮像素子と通信している複数のコントローラを備え、前記ブリッジ部材は前記複数の撮像素子と接触している、請求項2に記載の腔内画像診断デバイス。
【請求項7】
前記フレックス回路及び前記ブリッジ部材の近位側領域及び遠位側領域は連結される、請求項2に記載の腔内画像診断デバイス。
【請求項8】
前記ブリッジ部材は、前記近位側部分と、前記遠位側部分と、前記近位側部分及び前記遠位側部分の間を延在する複数のリブとを含む、請求項1に記載の腔内画像診断デバイス。
【請求項9】
前記複数のリブは、前記画像診断アセンブリの少なくとも一部分と接触している、請求項8に記載の腔内画像診断デバイス。
【請求項10】
前記ブリッジ部材は、近位側領域と、遠位側領域と、中央領域とを含み、前記近位側領域及び前記遠位側領域は前記中央領域よりも大きい直径を含む、請求項1に記載の腔内画像診断デバイス。
【請求項11】
前記ブリッジ部材は、前記近位側領域と前記中央領域との間の第1の移行領域と、前記遠位側領域と前記中央領域との間の第2の移行領域とを備え、前記第1の移行領域及び前記第2の移行領域は、前記中央領域よりも大きい直径であって前記近位側領域及び前記遠位側領域よりも小さい直径を含む、請求項10に記載の腔内画像診断デバイス。
【請求項12】
前記ブリッジ部材は、平らな状態から円筒状の状態へと移行される、請求項1に記載の腔内画像診断デバイス。
【請求項13】
前記ブリッジ部材は、前記可撓性の細長い部材の長さに沿って延在する電線に連結される、請求項1に記載の腔内画像診断デバイス。
【請求項14】
腔内画像診断デバイスを組み立てる方法であって、前記方法は、
平らな状態のフレックス回路を備える画像診断アセンブリを獲得するステップと、
前記平らな状態のブリッジ部材を獲得するステップと、
前記ブリッジ部材が前記フレックス回路の長さに沿って延在し、前記長さの一部分に沿って前記フレックス回路から離間されるように、前記フレックス回路及び前記ブリッジ部材が前記平らな状態で前記ブリッジ部材を前記フレックス回路に連結するステップと、
前記フレックス回路及び前記ブリッジ部材を円筒状の状態へと移行させるステップとを含む、方法。
【請求項15】
前記画像診断アセンブリは、非導電性材料で作られた支持部材を含み、前記移行させるステップは、前記ブリッジ部材を前記支持部材の周りに巻き付けることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記移行させるステップは、前記フレックス回路を前記ブリッジ部材の周りに巻き付けることを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記連結するステップは、前記フレックス回路又は前記ブリッジ部材の少なくとも一方の近位側及び遠位側領域に接着剤を塗布することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記フレックス回路は、複数の撮像素子と通信している複数のコントローラを備え、前記連結するステップは、前記ブリッジ部材を前記複数の撮像素子に接触させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記ブリッジ部材は、近位側領域と、遠位側領域と、前記近位側領域及び前記遠位側領域の間を延在する複数のリブとを備え、前記接触させることは、前記複数のリブを前記複数の撮像素子に接触させることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
電気的に接地している電線を前記ブリッジ部材に連結するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項21】
前記フレックス回路は前記ブリッジ部材の周りに巻き付けられる、
請求項1に記載の腔内画像診断デバイス。
【請求項22】
前記フレックス回路及び前記ブリッジ部材を円筒状の状態へと移行させるステップ
は、前記フレックス回路を前記ブリッジ部材の周りに巻き付けることを含む、
請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、全体として、腔内画像診断に関し、特に、腔内画像診断デバイスの画像診断アセンブリに関する。例えば、画像診断アセンブリは、フレックス回路の1つ又は複数の構成要素に対する電気的接地を提供する、ブリッジ部材を含むことができる。
【背景技術】
【0002】
[0002] 脈管内超音波(IVUS)画像診断は、治療の必要性の判断、処置のガイド、及び/又はその有効性の評価を行うのに、人体内の動脈などの患部脈管を評価する診断ツールとして、介入性心臓学において広く使用されている。1つ以上の超音波変換器を含むIVUSデバイスが、脈管に通され、撮像すべき区域へとガイドされる。変換器は、関心脈管の画像を作成するために、超音波エネルギーを放射する。超音波は、組織構造(脈管壁の様々な層など)、赤血球、及び他の関心特徴によって生じる不連続によって部分的に反射される。反射波からのエコーは、変換器によって受信され、IVUS画像診断システムに送られる。画像診断システムは、受信した超音波エコーを処理して、デバイスが配置されている脈管の断面画像を生成する。
【0003】
[0003] 固体(合成アパーチャとしても知られている)IVUSカテーテルは、今日一般に使用されている2つのタイプのIVUSデバイスのうちの1つであり、もう1つのタイプは回転IVUSカテーテルである。固体IVUSカテーテルは、円周の周りに分配された超音波変換器のアレイと、変換器アレイに隣接して搭載された1つ以上の集積回路コントローラチップとを含む、スキャナアセンブリを保持している。コントローラは、超音波パルスを送信し、超音波エコー信号を受信する、個々の変換器素子(又は素子群)を選択する。送受信の組み合わせのシーケンスを通ることによって、固体IVUSシステムは、機械的にスキャンされた超音波変換器の効果を合成することができるが、可動部品は有さない(したがって固体指定(solid-state designation)である)。回転する機械要素がないので、変換器アレイを、最小限の脈管外傷リスクで、血液及び脈管組織と直接接触させて配置することができる。更に、回転要素がないので、電気的インターフェースが単純化される。固体スキャナは、回転IVUSデバイスに求められる複雑な回転電気インターフェースではなく、単純な電気ケーブル及び標準の取外し可能な電気コネクタを用いて、画像診断システムに直接配線することができる。
【0004】
[0004] 電気信号は、画像診断アセンブリの使用中、画像診断アセンブリの様々な構成要素に送信される。画像診断アセンブリを適切に動作させるには、1つ又は複数の構成要素を電気的に接地させて維持することが必要なことがある。いくつかの実在のデバイスは、画像診断アセンブリの一部である金属支持部材に依存している。しかしながら、金属支持部材は、蛇行する脈管系をより簡単に横断することができる、より可撓性の高いデバイスを製造する能力を制限してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
[0005] 本発明は、電気的接地を要する1つ又は複数の構成要素を有する画像診断アセンブリの制限を克服する、画像診断デバイス、システム、及び関連する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006] 本開示の実施形態は、血管の画像を生成する改善された腔内画像診断システムを提供する。画像診断アセンブリは、電気的に接地して維持される金属ブリッジ部材を含む。ブリッジ部材は、ブリッジ部材が電気的に接地させて保持する必要がある1つ又は複数の構成要素に接触している状態で、画像診断アセンブリ内に配設される。例えば、ブリッジ部材は1つ又は複数の撮像素子に接触してもよい。有利には、電気的接地のためのブリッジ部材を設けることによって、画像診断アセンブリの構成要素を単純化することができる。例えば、より可撓性が高くよりコスト効率が良く、幾何学形状がより単純な支持部材が、画像診断アセンブリに組み込まれてもよい。
【0007】
[0007] 一実施形態では、腔内画像診断デバイスが提供される。腔内画像診断デバイスは、患者の脈管に挿入するように構成された、近位側部分及び遠位側部分を含む可撓性の細長い部材と、可撓性の細長い部材の遠位側部分に位置付けられた画像診断アセンブリと、電気的に接地しており、画像診断アセンブリの少なくとも一部分と接触して、画像診断アセンブリの少なくとも一部分を電気的に接地させて維持するブリッジ部材とを含み、ブリッジ部材は円筒状の状態で配設される。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、画像診断アセンブリはフレックス回路と支持部材とを含み、ブリッジ部材はフレックス回路の少なくとも一部分と接触している。いくつかの実施形態では、支持部材は非導電性材料を含み、ブリッジ部材は導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、ブリッジ部材は支持部材の周りに巻き付けられる。いくつかの実施形態では、フレックス回路はブリッジ部材の周りに巻き付けられる。いくつかの実施形態では、フレックス回路は、複数の撮像素子と通信している複数のコントローラを備え、ブリッジ部材は複数の撮像素子と接触している。いくつかの実施形態では、フレックス回路及びブリッジ部材の近位側領域及び遠位側領域は連結される。いくつかの実施形態では、ブリッジ部材は、近位側部分と、遠位側部分と、近位側部分及び遠位側部分の間を延在する複数のリブとを含む。いくつかの実施形態では、複数のリブは、画像診断アセンブリの少なくとも一部分と接触している。いくつかの実施形態では、ブリッジ部材は、近位側領域と、遠位側領域と、中央領域とを含み、近位側及び遠位側領域は中央領域よりも大きい直径を含む。いくつかの実施形態では、ブリッジ部材は、近位側領域と中央領域との間の第1の移行領域と、遠位側領域と中央領域との間の第2の移行領域とを備え、第1及び第2の移行領域は、中央領域よりも大きい直径であって近位側及び遠位側領域よりも小さい直径を含む。いくつかの実施形態では、ブリッジ部材は、平らな状態から円筒状の状態へと移行されるように構成される。いくつかの実施形態では、ブリッジ部材は、可撓性の細長い部材の長さに沿って延在する電線に連結される。
【0009】
[0009] 一実施形態では、腔内画像診断デバイスを組み立てる方法が提供される。方法は、平らな状態のフレックス回路を備える画像診断アセンブリを獲得するステップと、平らな状態のブリッジ部材を獲得するステップと、フレックス回路及びブリッジ部材が平らな状態でブリッジ部材をフレックス回路に連結するステップと、フレックス回路及びブリッジ部材を円筒状の状態へと移行させるステップとを含む。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態では、画像診断アセンブリは、非導電性材料で作られた支持部材を含み、移行させるステップは、ブリッジ部材を支持部材の周りに巻き付けることを含む。いくつかの実施形態では、移行させるステップは、フレックス回路をブリッジ部材の周りに巻き付けることを含む。いくつかの実施形態では、連結するステップは、フレックス回路又はブリッジ部材の少なくとも一方の近位側及び遠位側領域に接着剤を塗布することを含む。いくつかの実施形態では、フレックス回路は、複数の撮像素子と通信している複数のコントローラを備え、連結するステップは、ブリッジ部材を複数の撮像素子に接触させることを含む。いくつかの実施形態では、ブリッジ部材は、近位側領域と、遠位側領域と、近位側領域及び遠位側領域の間を延在する複数のリブとを備え、接触させることは、複数のリブを複数の撮像素子に接触させることを含む。いくつかの実施形態では、方法は、電気的に接地している電線をブリッジ部材に連結するステップを含む。
【0011】
[0011] 本開示の更なる態様、特徴、及び利点は、以下の詳細な説明によって明白となるであろう。
【0012】
[0012] 本発明の例示的な実施形態について添付図面を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】[0013] 本開示の態様による画像診断システムの概略図である。
【
図2】[0014] 本開示の態様による平らな状態のスキャナアセンブリの概略上面図である。
【
図3】[0015] 本開示の態様による、支持部材の周りで丸められた状態のスキャナアセンブリの概略側面図である。
【
図4】[0016] 本開示の態様による腔内デバイスの遠位側部分の概略横断面図である。
【
図5】[0017] 本開示の態様による、ブリッジ部材を含む画像診断アセンブリを示す概略斜視図である。
【
図6】[0018] 本開示の態様による、ブリッジ部材を含む画像診断アセンブリを示す概略横断面図である。
【
図7】[0019] 本開示の態様による、平らな状態のブリッジ部材を示す概略斜視図である。
【
図8】[0020] 本開示の態様による、丸められた状態のブリッジ部材を示す概略斜視図である。
【
図9】[0021] 平らな状態のフレックス回路を示す概略斜視図である。
【
図10】[0022] 平らな状態の支持部材及びフレックス回路を示す概略斜視図である。
【
図11】[0023] 平らな状態の支持部材及びフレックス回路を示す概略斜視図である。
【
図12】[0024] 平らな状態の支持部材及びフレックス回路を示す横断面図である。
【
図13】[0025]
図6の横断線13-13に沿った画像診断アセンブリを示す概略端面図である。
【
図14】[0026]
図6の横断線14-14に沿った画像診断アセンブリを示す概略端面図である。
【
図15】[0027] 本開示の態様による、腔内画像診断デバイスの組立て方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0028] 本開示の原理の理解を促進する目的で、以下、図面に例証される実施形態を参照し、それらを説明するのに特定の用語を使用する。それにもかかわらず、本開示の範囲は限定されないものとすることが理解される。記載するデバイス、システム、及び方法、並びに本開示の原理の更なる任意の適用に対する、あらゆる変更及び更なる修正は、本開示が関連する分野の当業者が通常想起するであろうものとして、十分に想到され本開示に含まれる。特に、ある実施形態に関して記載される特徴、構成要素、及び/又はステップは、他の実施形態に関して記載される特徴、構成要素、及び/又はステップと組み合わされてもよいことが十分に想到される。しかしながら、簡潔にするため、これらの組み合わせの多数の反復については別々に記載しない。
【0015】
[0029] 本開示は、腔内画像診断デバイスのための画像診断アセンブリについて記載する。画像診断アセンブリは、可撓性の細長い部材の遠位側部分に位置付けられたフレックス回路を含む。フレックス回路の1つ又は複数の構成要素はブリッジ部材と接触している。例えば、撮像素子及び/又はコントローラはブリッジ部材に接触することができる。ブリッジ部材は、接触している構成要素を電気的に接地した状態で維持する。ブリッジ部材は、フレックス回路のように、平らな状態から丸められた/円筒状の状態へと移行させることができる。
【0016】
[0030] 本明細書に記載する腔内画像診断デバイスは、多数の利点を達成する。例えば、ブリッジ部材を提供して電気的接地をもたらすことによって、支持部材が電気的接地をもたらす負担が緩和される。実在のデバイスは、比較的複雑な幾何学形状を有する金属支持部材に依存していたが、本発明は、比較的単純な幾何学形状を有する非金属支持部材が可能である。非金属支持部材はまた、より可撓性が高くてもよく、そのことが、画像診断アセンブリが蛇行する脈管を通って容易に移動するための可撓性の全体的な改善に寄与する。本発明はまた、よりコスト効率が良いガイド部材を可能にしてもよい。フレックス回路を形成するプロセスにブリッジ部材を組み込むことができるので、ブリッジ部材をフレックス回路と共に組み立てることで、製造効率は低減されない。
【0017】
[0031]
図1は、本開示の態様による、脈管内超音波(IVUS)画像診断システム100の概略図である。IVUS画像診断システム100は、カテーテル、ガイドワイヤ、又はガイドカテーテルなどの固体IVUSデバイス102と、患者インターフェースモジュール(PIM)104と、IVUS処理システム又はコンソール106と、モニタ108とを含む。
【0018】
[0032] 高次では、IVUSデバイス102は、カテーテルデバイスの遠位端付近に搭載されたスキャナアセンブリ110に含まれる変換器アレイ124から、超音波エネルギーを放射する。超音波エネルギーは、スキャナアセンブリ110を取り囲む脈管120などの媒質中の組織構造によって反射され、超音波エコー信号が変換器アレイ124によって受信される。PIM 104は、受信したエコー信号をコンソール又はコンピュータ106に転送し、そこで超音波画像(フロー情報を含む)が再構築され、モニタ108に表示される。コンソール又はコンピュータ106は、プロセッサ及びメモリを含むことができる。コンピュータ又はコンピューティングデバイス106は、本明細書に記載するIVUS画像診断システム100の特徴を促進するように動作可能であり得る。例えば、プロセッサは、非一時的な有形コンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータ可読命令を実行することができる。
【0019】
[0033] PIM 104は、IVUSコンソール106とIVUSデバイス102に含まれるスキャナアセンブリ110との間での信号の通信を容易にする。この通信は次のステップ、(1)送信及び受信に使用される特定の変換器アレイ素子を選択するのに、スキャナアセンブリ110に含まれる、
図2に示される集積回路コントローラチップ206A、206Bに対してコマンドを提供するステップ、(2)送信器回路を活性化し、選択された変換器アレイ素子を励起する電気パルスを発生させるのに、スキャナアセンブリ110に含まれる集積回路コントローラチップ206A、206Bに対して送信トリガ信号を提供するステップ、並びに/或いは(3)スキャナアセンブリ110の集積回路コントローラチップ126上に含まれる増幅器を介して、選択された変換器アレイ素子から受信される増幅エコー信号を受理するステップを含む。いくつかの実施形態では、PIM 104は、データをコンソール106に中継する前に、エコーデータの予備処理を実施する。かかる実施形態の例では、PIM 104は、データの増幅、フィルタ処理、及び/又は集約を実施する。一実施形態では、PIM 104はまた、スキャナアセンブリ110内に回路構成を含むデバイス102の動作を支援する、高電圧及び低電圧DC電力を供給する。
【0020】
[0034] IVUSコンソール106は、PIM 104を用いてエコーデータをスキャナアセンブリ110から受信し、データを処理して、スキャナアセンブリ110を取り囲む媒質中の組織構造の画像を再構築する。コンソール106は画像データを出力し、それによって、脈管120の断面画像など、脈管120の画像がモニタ108に表示される。脈管120は、天然及び人造両方の流体が満たされた、又は流体で取り囲まれた構造を表す。脈管120は患者の体内にある。脈管120は、心臓脈管系、末梢脈管系、神経脈管系、腎臓脈管系、及び/又は体内の他の任意の適切な内腔を含む、患者の脈管系の動脈又は静脈としての血管である。例えば、デバイス102は、非限定的に、器官(肝臓、心臓、腎臓、胆嚢、膵臓、肺など)、導管、腸、神経系構造(脳、硬膜嚢、脊髄、末梢神経など)、泌尿器系、並びに心臓の血液、心室、又は他の部分内の弁、並びに/或いは身体の他の系を含む、あらゆる解剖学的位置及び組織タイプを検査するのに使用される。天然構造に加えて、デバイス102は、非限定的に、心臓弁、ステント、シャント、フィルタ、及び他のデバイスなど、人造構造を検査するのに使用される。
【0021】
[0035] いくつかの実施形態では、IVUSデバイスは、Volcano Corporationから入手可能なEagleEye(登録商標)カテーテル、及び全体を参照により本明細書に援用する米国特許第7,846,101号に開示されているものなど、従来の固体IVUSカテーテルに類似したいくつかの特徴を含む。例えば、IVUSデバイス102は、デバイス102の遠位端付近のスキャナアセンブリ110と、デバイス102の長手方向本体に沿って延在する送信線束112とを含む。送信線束又はケーブル112は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、又はそれ以上の導体218(
図2)を含む、複数の導体を含むことができる。任意の適切なゲージワイヤを導体218に使用できることが理解される。一実施形態では、ケーブル112は、例えば41AWGゲージワイヤを用いた、4導体送信線構成を含むことができる。一実施形態では、ケーブル112は、例えば44AWGゲージワイヤを利用する、7導体送信線構成を含むことができる。いくつかの実施形態では、43AWGゲージワイヤを使用することができる。
【0022】
[0036] 送信線束112は、デバイス102の近位端にあるPIMコネクタ114内で終端する。PIMコネクタ114は、送信線束112をPIM 104に電気的に連結し、IVUSデバイス102をPIM 104に物理的に連結する。一実施形態では、IVUSデバイス102は、ガイドワイヤ出口ポート116を更に含む。したがって、いくつかの例では、IVUSデバイスはラピッドエクスチェンジ型カテーテルである。ガイドワイヤ出口ポート116によって、脈管120を通してデバイス102を方向付けるために、ガイドワイヤ118を遠位端に向かって挿入することが可能になる。
【0023】
[0037] IVUSデバイス102は、近位側部分及び遠位側部分を有する可撓性の細長い部材115を含む。スキャナアセンブリ110は、可撓性の細長い部材115の遠位側部分に位置付けられる。可撓性の細長い部材115は長手方向軸線LAを含む。長手方向軸線LAは、IVUSデバイス102及び/又は画像診断アセンブリ110と関連付けられてもよい。
【0024】
[0038]
図2は、本開示の一実施形態による超音波スキャナアセンブリ110の一部分の上面図である。アセンブリ110は、変換器領域204に形成された変換器アレイ124と、制御領域208に形成された変換器制御論理ダイ206(ダイ206A及び206Bを含む)とを含み、それらの間に移行領域210が配設される。変換器制御論理ダイ206及び変換器212は、
図2に平らな状態で示されているフレックス回路214の上に搭載される。
図3は、フレックス回路214の丸められた状態を示している。変換器アレイ202は、医用センサ素子及び/又は医用センサ素子アレイの非限定例である。変換器制御論理ダイ206は制御回路の非限定例である。変換器領域204は、フレックス回路214の遠位部分221に隣接して配設される。制御領域208は、フレックス回路214の近位側部分222に隣接して配設される。移行領域210は、制御領域208と変換器領域204との間に配設される。変換器領域204、制御領域208、及び移行領域210の寸法(例えば、長さ225、227、229)は、異なる実施形態では異なる場合がある。いくつかの実施形態では、長さ225、227、229は実質的に同様であることができ、又は移行領域210の長さ227は、変換器領域及びコントローラ領域それぞれの長さ225、229よりも長い長さであることができる。画像診断アセンブリ110はフレックス回路を含むものとして記載しているが、変換器及び/又はコントローラは、フレックス回路を省略したものを含む他の構成で画像診断アセンブリ110を形成するように構成されてもよいことが理解される。
【0025】
[0039] 変換器アレイ124は任意の数及びタイプの超音波変換器212を含むが、明瞭にするため、限定された数の超音波変換器のみを
図2に示している。一実施形態では、変換器アレイ124は64個の個々の超音波変換器212を含む。更なる実施形態では、変換器アレイ124は32個の超音波変換器212を含む。他の数が想到され、また提供される。変換器のタイプに関して、一実施形態では、超音波変換器212は、例えば、全体を参照により本明細書に援用する米国特許第6,641,540号に開示されているような、ポリマー圧電材料を使用して微小電気機械システム(MEMS)基板上に作製された圧電型微細加工超音波変換器(PMUT)である。代替実施形態では、変換器アレイは、バルクPZT変換器などの圧電性ジルコン酸チタン酸塩(PZT)変換器、容量性微細加工超音波変換器(cMUT)、単結晶圧電材料、他の適切な超音波送信器及び受信器、並びに/或いはそれらの組み合わせを含む。
【0026】
[0040] スキャナアセンブリ110は、図示される実施形態では別個の制御論理ダイ206に分割されている、様々な変換器制御論理を含む。様々な例では、スキャナアセンブリ110の制御論理は、PIM 104によってケーブル112を通して送られる制御信号を復号し、超音波信号を放射する1つ以上の変換器212を駆動し、超音波信号の反射したエコーを受信する1つ以上の変換器212を選択し、受信したエコーを表す信号を増幅し、並びに/或いはケーブル112を通して信号をPIMに送信する。図示される実施形態では、64個の超音波変換器212を有するスキャナアセンブリ110は、9つの制御論理ダイ206(そのうち5つが
図2に示されている)にわたって制御論理を分割する。8つ、9つ、16個、17個、又はそれ以上を含む、他の数の制御論理ダイ206を組み込んだ設計が、他の実施形態で利用される。一般に、制御論理ダイ206は、駆動が可能な変換器の数によって特徴付けられ、例示の制御論理ダイ206は、4つ、8つ、及び/又は16個の変換器を駆動する。
【0027】
[0041] 制御論理ダイは必ずしも均質でなくてもよい。いくつかの実施形態では、単一のコントローラが主制御論理ダイ206Aとして指定され、ケーブル112に対する通信インターフェースを含む。したがって、主制御回路は、ケーブル112を通じて受信した制御信号を復号し、ケーブル112を通じて制御応答を送信し、エコー信号を増幅し、並びに/或いはケーブル112を通じてエコー信号を送信する制御論理を含む。残りのコントローラは従属コントローラ206Bである。従属コントローラ206Bは、変換器212を駆動して超音波信号を放射し、エコーを受信する変換器212を選択する、制御論理を含む。図示される実施形態では、主コントローラ206Aはいずれの変換器212も直接制御しない。他の実施形態では、主コントローラ206Aは、従属コントローラ206Bと同じ数の変換器212を駆動するか、又は従属コントローラ206Bと比べて低減された数の変換器212を駆動する。例示的な実施形態では、単一の主コントローラ206A及び8つの従属コントローラ206Bが、各従属コントローラ206Bに割り当てられた8つの変換器を備える。
【0028】
[0042] 変換器制御論理ダイ206及び変換器212が搭載されたフレックス回路214は、構造的支持と電気的連結のための相互接続を提供する。フレックス回路214は、KAPTON(商標)(DuPontの商標)などの可撓性ポリイミド材料のフィルム層を含むように構築される。他の適切な材料としては、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、又はポリエチルイミドフィルム、他の可撓性プリント半導体基板、並びにUpilex(登録商標)(Ube Industriesの登録商標)及びTEFLON(登録商標)(E.I.du Pontの登録商標)などの製品が挙げられる。
図2に示される平らな状態では、フレックス回路214はほぼ長方形の形状を有する。本明細書に図示し記載するように、フレックス回路214は、支持部材230(
図3)に巻き付けられて、いくつかの例では円環体を形成するように構成される。したがって、フレックス回路214のフィルム層の厚さは、一般に、最終的な組立て済みのスキャナアセンブリ110における湾曲度に関連する。いくつかの実施形態では、フィルム層は5μm~100μmであり、いくつかの特定の実施形態の場合は12.7μm~25.1μmである。
【0029】
[0043] 制御論理ダイ206及び変換器212を電気的に相互接続するため、一実施形態では、フレックス回路214は、制御論理ダイ206と変換器212との間で信号を搬送する、フィルム層上に形成された導電性トレース216を更に含む。特に、制御論理ダイ206と変換器212との間に通信をもたらす導電性トレース216は、移行領域210内のフレックス回路214に沿って延在する。いくつかの例では、導電性トレース216はまた、主コントローラ206Aと従属コントローラ206Bとの間の電気的通信を容易にすることができる。導電性トレース216はまた、ケーブル112の導体218がフレックス回路214に機械的及び電気的に連結されたとき、ケーブル112の導体218に接触する、一組の導電性パッドを提供することができる。導電性トレース216に適した材料としては、銅、金、アルミニウム、銀、タンタル、ニッケル、及びスズが挙げられ、スパッタリング、めっき、及びエッチングなどのプロセスによって、フレックス回路214上に堆積される。一実施形態では、フレックス回路214はクロム接着層を含む。導電性トレース216の幅及び厚さは、フレックス回路214が丸められたときに、適切な導電性及び弾力性をもたらすように選択される。その点に関して、導電性トレース216及び/又は導電性パッドの厚さの例示的範囲は10~50μmである。例えば、一実施形態では、20μmの導電性トレース216は20μmの空間によって分離される。フレックス回路214上における導電性トレース216の幅は、トレース/パッドに連結される導体218の幅によって更に決定される。
【0030】
[0044] フレックス回路214は、いくつかの実施形態では、導体インターフェース220を含むことができる。導体インターフェース220は、ケーブル112の導体218がフレックス回路214に連結される、フレックス回路214上の場所であり得る。例えば、ケーブル112の裸導体は、導体インターフェース220でフレックス回路214に電気的に連結される。導体インターフェース220は、フレックス回路214の主本体から延在するタブであり得る。その点に関して、フレックス回路214の主本体は、変換器領域204、コントローラ領域208、及び移行領域210と集合的に呼ぶことができる。図示される実施形態では、導体インターフェース220はフレックス回路214の近位側部分222から延在する。他の実施形態では、導体インターフェース220は、遠位側部分221など、フレックス回路214の他の部分に位置付けられ、又はフレックス回路214は導体インターフェース220を省略する。幅224など、タブ又は導体インターフェース220の寸法値は、幅226など、フレックス回路214の主本体の寸法値よりも小さい値であることができる。いくつかの実施形態では、導体インターフェース220を形成する基板は、フレックス回路214と同じ材料で作られ、並びに/或いは同様に可撓性である。他の実施形態では、導体インターフェース220は、フレックス回路214とは異なる材料で作られ、並びに/或いはそれよりも比較的剛性が高い。例えば、導体インターフェース220は、ポリオキシメチレン(例えば、DELRIN(登録商標))、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ナイロン、及び/又は他の適切な材料を含む、プラスチック、サーモプラスチック、ポリマー、硬質ポリマーなどで作ることができる。本明細書に更に詳細に記載するように、支持部材230、フレックス回路214、導体インターフェース220、及び/又は導体218は、スキャナアセンブリ110の効率的な製造及び操作を容易にするように、様々に構成することができる。
【0031】
[0045] いくつかの例では、スキャナアセンブリ110は、平らな状態(
図2)から丸められた又はより円筒状の状態(
図3及び
図4)へと移行させられる。例えば、いくつかの実施形態では、それぞれ全体を参照により本明細書に援用する「ULTRASONIC TRANSDUCER ARRAY AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME」という名称の米国特許第6,776,763号、及び「HIGH RESOLUTION INTRAVASCULAR ULTRASOUND TRANSDUCER ASSEMBLY HAVING A FLEXIBLE SUBSTRATE」という名称の米国特許第7,226,417号の1つ以上に開示されているような技術が利用される。
【0032】
[0046]
図3及び
図4に示されるように、フレックス回路214は、丸められた状態では支持部材230の周りに位置付けられる。
図3は、本開示の態様による、支持部材230の周りで丸められた状態のフレックス回路214を含む概略側面図である。
図4は、本開示の態様による、フレックス回路214及び支持部材230を含む腔内デバイス102の遠位側部分の概略横断面図である。
【0033】
[0047] 支持部材230は、いくつかの例ではユニボディとして参照することができる。支持部材230は、ステンレス鋼などの金属材料、又は全体を参照により本明細書に援用する、2014年4月28日付けの米国仮出願第61/985,220号、「Pre-Doped Solid Substrate for Intravascular Devices」に記載されているような、プラスチック又はポリマーなどの非金属材料で構成することができる。支持部材230は、遠位側部分262及び近位側部分264を有するフェルールであり得る。支持部材230は、長手方向で中を通って延在する管腔236を規定することができる。管腔236は、出口ポート116と通信しており、ガイドワイヤ118(
図1)を受け入れるようにサイズ及び形状が決められる。支持部材230は、任意の適切なプロセスにしたがって製造することができる。例えば、支持部材230は、材料をブランクから取り除いて支持部材230を形作ることなどによって加工するか、又は射出成形プロセスなどによって成型することができる。いくつかの実施形態では、支持部材230は単体構造として一体的に形成されるが、他の実施形態では、支持部材230は、互いに固定的に連結されるフェルール及びスタンド242、244などの異なる構成要素で形成される。
【0034】
[0048] 垂直に延在するスタンド242、244は、支持部材230の遠位側部分262及び近位側部分264に設けられる。スタンド242、244は、フレックス回路214の遠位側及び近位側部分を持ち上げて支持する。その点に関して、変換器部分204など、フレックス回路214の部分を、スタンド242、244の間に延在する支持部材230の中央本体部分から離間させることができる。スタンド242、244は、同じ外径又は異なる外径を有することができる。例えば、遠位側スタンド242は近位側スタンド244よりも大きい又は小さい外径を有することができる。音響性能を改善するため、フレックス回路214と支持部材230の表面との間のあらゆるキャビティがバッキング材料246で満たされる。液状バッキング材料246を、スタンド242、244の通路235を介して、フレックス回路214と支持部材230との間に導入することができる。いくつかの実施形態では、スタンド242、244のうち一方の通路235を介して吸引を適用する一方で、スタンド242、244のうち他方の通路235を介して、フレックス回路214と支持部材230との間に液状バッキング材料246を供給することができる。バッキング材料を硬化させて、凝固し固化するようにすることができる。様々な実施形態では、支持部材230は、2つを超えるスタンド242、244を含むか、スタンド242、244のうち1つのみを含むか、又はどちらのスタンドも含まない。その点に関して、支持部材230は、フレックス回路214の遠位側及び/又は近位側部分を持ち上げて支持するようにサイズ及び形状が決められた、直径を大きくした遠位側部分262及び/又は直径を大きくした近位側部分264を有することができる。
【0035】
[0049] 支持部材230は、いくつかの実施形態では実質的に円筒状であることができる。幾何学的形状、非幾何学的形状、対称形状、非対称形状、断面形状を含む、支持部材230の他の形状も想到される。支持部材230の異なる部分は、他の実施形態では様々に形作ることができる。例えば、近位側部分264は、遠位側部分262、又は遠位側部分262と近位側部分264との間に延在する中央部分の外径よりも、大きい外径を有することができる。いくつかの実施形態では、支持部材230の内径(例えば、管腔236の直径)は、外径の変化に対応して増加又は減少することができる。他の実施形態では、外径の変動にかかわらず、支持部材230の内径は同じままである。
【0036】
[0050] 近位側内側部材256及び近位側外が側部材254は、支持部材230の近位側部分264に連結される。近位側内側部材256及び/又は近位側外側部材254は、近位側コネクタ114など、腔内デバイス102の近位側部分から、画像診断アセンブリ110まで延在する可撓性の細長い部材であることができる。例えば、近位側内側部材256は近位側フランジ234内に受け入れることができる。近位側外側部材254は、フレックス回路214に当接し接触する。遠位側部材252は、支持部材230の遠位側部分262に連結される。遠位側部材252は、腔内デバイス102の最遠位側部分を規定する可撓性構成要素であり得る。例えば、遠位側部材252は遠位側フランジ232の周りに位置付けられる。遠位側部材252は、フレックス回路214及びスタンド242に当接し接触することができる。遠位側部材252は、腔内デバイス102の最遠位側構成要素であり得る。
【0037】
[0051] 1つ又は複数の接着剤を、腔内デバイス102の遠位側部分にある様々な構成要素間に配設することができる。例えば、フレックス回路214、支持部材230、遠位側部材252、近位側内側部材256、及び/又は近位側外側部材254の1つ若しくは複数を、接着剤を介して互いに機械的に連結することができる。
【0038】
[0052]
図5は、画像診断アセンブリ110の例示的な実施形態の概略斜視図である。画像診断アセンブリは、フレックス回路214と、支持部材330と、ブリッジ部材400とを含む。ブリッジ部材400は、コントローラ206A、206B、及び/又は変換器素子212など、フレックス回路214の1つ又は複数の構成要素と接触している。例示的な実施形態では、ブリッジ部材400は変換器素子212と接触している。ブリッジ部材400は電気的に接地している。接触の結果として、ブリッジ部材400は、画像診断アセンブリ110の動作の間、フレックス回路214の1つ又は複数の構成要素を電気的に接地した状態で維持する。
図5では、フレックス回路214及びブリッジ部材400は、丸められた又は円筒状の状態で示されている。例えば、ブリッジ部材400は、円筒状の状態で支持部材330の周りに巻き付けることができる。フレックス回路314は、円筒状の状態でブリッジ部材400の周りに巻き付けることができる。
【0039】
[0053]
図6は、画像診断アセンブリ110を含む腔内デバイス102の遠位側部分の概略横断面図である。ブリッジ部材400、並びにフレックス回路214及び支持部材330は、長手方向軸線LAとほぼ平行する形で長手方向に延在する。ブリッジ部材400は、フレックス回路214と支持部材との間に位置付けることができる。フレックス回路214の少なくとも一部分はブリッジ部材400と電気的に通信している。その点に関して、ブリッジ部材400は、フレックス回路214の変換器領域204と接触している。ブリッジ部材400は、フレックス回路214のコントローラ領域208から離間している。ブリッジ部材400及び変換器領域204が接触している結果として、変換器素子212は電気的に接地した状態で維持され、正電圧及び/又は負電圧がコントローラ領域208のコントローラ206A、206Bに伝達される。電気信号は、電気ケーブル112のワイヤによってコントローラ206A、206Bに送信される(
図2)。
図6に示されるように、ブリッジ部材400は電線450と通信していることができる。電線450は電気的に接地して維持される。したがって、ブリッジ部材400及び変換器領域204の変換器素子212も電気的に接地している。電線450は、いくつかの実施形態では、電気ケーブル112の導体218の1つであることができる(
図2)。
【0040】
[0054] フレックス回路214はブリッジ部材400に機械的に連結される。例えば、接着剤がフレックス回路214及び/又はブリッジ部材400上に位置付けられて、構成要素を互いに固着してもよい。例えば、フレックス回路214の近位側部分222をブリッジ部材400の近位側領域410に結合することができる。フレックス回路214の遠位側部分221を、ブリッジ部材400の遠位側領域420に結合することができる。いくつかの実施形態では、ブリッジ部材400の他の部分をフレックス回路214の他の部分に結合することができる。
【0041】
[0055] ブリッジ部材400は、銅、金、アルミニウム、銀、タンタル、ニッケル、スズ、それらの組み合わせ、及び/又は他の適切な材料を含む、金属又は合金などの導電性材料で形成される。いくつかの実施形態では、ブリッジ部材400は単一の材料で形成される。いくつかの実施形態では、ブリッジ部材400はめっきすることができる。例えば、ブリッジ部材400を第1の材料で形成し、それを第1の材料よりも導電性が高い第2の材料でコーティングすることができる。例えば、ブリッジ部材400をニッケル又は銅で形成して、金めっきを施すことができる。
【0042】
[0056] 支持部材330の特徴は支持部材230と類似したものであることができる(
図4)。いくつかの例では、支持部材330の構造は支持部材230と実質的に類似したものであることができる。
図6に示される実施形態では、支持部材300は管状又は円筒状の構成要素であり、その周りにブリッジ部材400が巻き付けられる。支持部材330は、プラスチック、サーモプラスチック、ポリマー、硬質ポリマーなどの非導電性材料で形成することができる。例えば、支持部材330は、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、及び/又は他の適切な材料で作ることができる。いくつかの実施形態では、音響バッキング材料246は、変換器領域204と支持部材330との間、及び/又は変換器領域204とブリッジ部材400との間など、フレックス回路214に隣接して位置付けられる。
【0043】
[0057]
図6の実施形態はまた、
図4に関して記載したのと類似の特徴を含み、外側部材254と、内側部材256と、支持部材の管腔236と、遠位側部材252とを含む。電気ケーブル112の導体218の1つ又は複数は、外側部材254内の可撓性の細長い部材115の長さに沿って、並びに/又は外側部材254と内側部材256との間を延在することができる。
【0044】
[0058]
図7及び
図8は、ブリッジ部材400の概略斜視図である。
図7は、平らな状態のブリッジ部材400を示し、
図8は、丸められた又は円筒状の状態のブリッジ部材400を示している。一般に、ブリッジ部材400は、フレックス回路214の1つ又は複数の構成要素と容易に接触するように、サイズ決めされ、形作られ、並びに/又は別の方法で構造化される。例えば、ブリッジ部材400は、変換器素子212に接触して、変換器212を電気的に接地させて維持するように配置することができる。いくつかの実施形態では、ブリッジ部材400は、コントローラ206A、206Bに接触して、コントローラ206A、206Bを電気的に接地させて維持するように配置することができる。いくつかの実施形態では、ブリッジ部材400の一部分は、変換器素子212に接触するように配置することができ、ブリッジ部材400の別の部分はコントローラ206A、206Bに接触するように配置される。ブリッジ部材400は、微細加工、3D印刷、ウェハ製造プロセスなどを含む、任意の適切なプロセスによって形成することができる。
【0045】
[0059]
図7の平らな状態では、ブリッジ部材400は、長手方向軸線LAに平行な方向の長さ452と、長手方向軸線LAに垂直な幅454とを有する。長さ452は、例えば約0.13~1.27cm(約0.05インチ~0.5インチ)を含む、任意の適切な値であってもよい。幅454は、例えば約0.19~1.27cm(約0.075インチ~0.5インチ)を含む、任意の適切な値であってもよい。いくつかの実施形態では、長さ452及び/又は幅454など、ブリッジ部材400の寸法は、画像診断アセンブリ110と噛合、隣接、接触、及び/又は別の形で連結する、腔内デバイス102の構成要素の1つ又は複数の寸法に基づいて選択されてもよい。例えば、ブリッジ部材400の寸法は、フレックス回路214、支持部材330、内側部材256、外側部材254、遠位側部材252、及び/又は他の構成要素の寸法に基づいて選択することができる。いくつかの実施形態では、幅454は、例えば、約2フレンチ~12フレンチであることができる、腔内デバイス102のサイズに基づいて選択することができる。いくつかの実施形態では、長さ452及び幅454は、フレックス回路214の長さ及び幅に実質的に等しくてもよい。
【0046】
[0060] ブリッジ部材400は、近位側領域410及び遠位側領域420を含む。平坦な構成要素412は近位側領域410に設けられ、平坦な構成要素422は遠位側領域420に設けられる。フレックス回路214に隣接した平坦な構成要素412、422それぞれの表面は、フレックス回路214に結合されて、ブリッジ部材400及びフレックス回路214を連結する。いくつかの実施形態では、平坦な構成要素412、422の表面積は実質的に等しい。いくつかの実施形態では、平坦な構成要素412又は平坦な構成要素422の表面積は他方よりも大きい面積であり得る。図示される実施形態では、例えば、平坦な構成要素412は平坦な構成要素422よりも大きい。平坦な構成要素412、422の一方の長さ及び/又は幅は他方よりも大きくてもよい。
【0047】
[0061] ブリッジ部材400の中央領域430は、近位側及び遠位側領域410、420の間に配設される。丸められた又は円筒状の状態では、ブリッジ部材400の直径は近位側領域410及び遠位側領域420の間で変化し得る。例えば、
図8に示されるように、中央領域430は、近位側及び遠位側領域410、420の直径456よりも小さい直径458を有し得る。近位側及び遠位側領域410、420の直径456は、例えば、約0.064cm~0.406cm(約0.025インチ~0.160インチ)を含む、任意の適切な値であることができる。中央区画430の直径458は、約0.0318cm~0.381cm(約0.0125インチ~0.150インチ)を含む、任意の適切な値であることができる。いくつかの実施形態では、直径456及び直径458は、腔内デバイス102、及び/又は腔内デバイスの1つ若しくは複数の構成要素のサイズに基づいて、選択することができる。例えば、直径456及び/又は直径458は幅454に基づくことができる。ブリッジ部材400はまた、移行領域440、442を含む。移行領域440、442は変化する直径を有する。移行領域440、442の直径は、近位側及び遠位側領域410、420それぞれの大きい方の直径456から、中央領域430の小さい方の直径458へと先細状になるか若しくは減少する。移行領域440、442の直径は、中央領域430の小さい方の直径458から近位側及び遠位側領域410、420それぞれの大きい方の直径456へと増加する。
【0048】
[0062] 複数のリブ432は、近位側領域410及び遠位側領域420の間で長手方向に延在する。ブリッジ部材400は任意の適切な数のリブを含む。いくつかの例では、リブ432の数は変換器素子212の数に関連する。例えば、ブリッジ部材400は、変換素子212と同じ数のリブ432を含んでもよい。例えば、64個の変換器素子212がある場合、64個のリブ432があり得る。かかる実施形態では、各変換器素子212は1つのリブ432とそれぞれ接触している。他の例では、単一のリブ432が2つ以上の変換器素子212と接触していてもよい。例えば、リブ432の総数は変換器素子212の総数の半分であってもよい。リブは、例えば、約0.003cm~0.051cm(約0.001インチ~0.020インチ)を含む、任意の適切な距離だけ互いから離間されてもよい。
【0049】
[0063]
図9、
図10、
図11、及び
図12は、腔内デバイス102などの腔内デバイスを組み立てる例示的な方法の様々な段階を示している。
図5、
図6、
図13、及び
図14は、画像診断アセンブリ110など、組み立てられた腔内デバイス102の少なくとも一部分を示している。
図13は、
図6の断面線13-13に沿った断面図である。
図14は、
図6の断面線14-14に沿った断面図である。
図15は、本明細書に記載するような、腔内画像診断デバイスを組み立てる方法500のフロー図である。方法500は、
図5、
図6、
図9、
図10、
図11、
図12、
図13、及び
図14を参照して記載される。方法500のステップは、
図15に示されるのとは異なる順序で実施されてもよく、ステップの前、途中、及び後に追加のステップを提供することができ、並びに/或いは他の実施形態では、記載するステップの一部を置換又は排除することができることが理解される。方法500のステップは、腔内画像診断デバイスのメーカーによって実施することができる。
【0050】
[0064] ステップ505で、方法500は、平らな状態のフレックス回路を含む画像診断アセンブリを獲得することを含む。例えば、
図9に示されるように、画像診断アセンブリ110は、平らな状態で配置されたフレックス回路214を含む。フレックス回路214は、複数の変換器212と通信している複数のコントローラ206A、206Bを含む。ステップ505は、画像診断アセンブリ110を形成することを含むことができる。例えば、
図9は、ダイシングなどによって個別化されている変換器素子212を示していることがある。その点に関して、ブリッジ部材400は、フレックス回路214が形成されるのと同じ製造プロセス中に、フレックス回路に連結することができる。一般に、画像診断アセンブリ110、フレックス回路214、コントローラ206A、206B、及び変換器212は、任意の適切なプロセスにしたがって形成されてもよい。
【0051】
[0065]
図15を再び参照すると、ステップ510で、方法500は、平らな状態のブリッジ部材を獲得することを含む。いくつかの実施形態では、方法500は、微細加工、3D印刷、ウェハ製造プロセスなどを含む、任意の適切なプロセスによって、ブリッジ部材を形成することを含むことができる。
図10及び
図11に示されるように、ブリッジ部材400は平らな状態で配置される。いくつかの実施形態では、方法500は、ブリッジ部材400及び/又はフレックス回路214を互いに近接させて、それらが互いに隣接するようにすることを含む。
【0052】
[0066]
図15を再び参照すると、ステップ515で、方法500は、フレックス回路及びブリッジ部材が平らな状態のまま、ブリッジ部材をフレックス回路に連結することを含む。例えば、
図10、
図11、及び
図12に示されるように、フレックス回路214は、ブリッジ部材400に機械的及び/又は電気的に連結される。例えば、フレックス回路214及びブリッジ部材400それぞれの近位側部分222及び410を連結することができる。フレックス回路214及びブリッジ部材400それぞれの遠位側領域221及び420を結合することができる。いくつかの実施形態では、ステップ515は、フレックス回路214の近位側領域222、フレックス回路214の遠位側領域221、ブリッジ部材400の近位側領域410及び/又は遠位側領域420に、接着剤を塗布することを含む(ステップ520)。他の実施形態では、任意の適切な結合方法を使用して、フレックス回路214及びブリッジ部材400を機械的に連結することができる。
【0053】
[0067] いくつかの実施形態では、ステップ515は、ブリッジ部材400をフレックス回路の複数の撮像素子に接触させることを含むことができる(ステップ525)。
図12に示されるように、ブリッジ部材400がフレックス回路214に連結されると、ブリッジ部材400は変換器素子212に接触する。かかる実施形態では、ステップ515は、ブリッジ部材400がコントローラ206A、206Bに接触することなく変換器素子212に接触するように、ブリッジ部材400及び/又はフレックス回路214を位置付けることを含むことができる。ブリッジ部材400がコントローラ206A、206Bに対して電気的接地を提供するように構成されたものなど、いくつかの実施形態では、ブリッジ部材400及び/又はフレックス回路214は、ブリッジ部材400が変換器素子212に接触することなくコントローラ206A、206Bに接触するように位置付けられる。いくつかの実施形態では、ブリッジ部材400及び/又はフレックス回路214は、ブリッジ部材400の一部分がコントローラ206A、206Bに接触し、ブリッジ部材400の一部分が変換器素子212に接触するように位置付けられる。いくつかの実施形態では、ステップ515は、ブリッジ部材400が変換器212及び/又はコントローラ206A、206Bと接触したままであるように、ブリッジ部材400をフレックス回路214に結合することを含むことができる。
【0054】
[0068]
図15を再び参照すると、ステップ530で、方法500は、フレックス回路及びブリッジ部材を円筒状又は丸められた状態へと移行させることを含む。フレックス回路及びブリッジ部材は連結されているので(ステップ515)、フレックス回路及びブリッジ部材は同時に円筒状の状態へと移動される。ステップ810で、方法500は支持部材を獲得することを更に含む。支持部材は非導電性材料で形成されてもよい。支持部材は画像診断アセンブリの一部を形成することができる。いくつかの実施形態では、ステップ530は、ブリッジ部材を円筒状の状態で支持部材の周りに巻き付けることを含む(ステップ535)。いくつかの実施形態では、ステップ530は、フレックス回路を円筒状の状態でブリッジ部材の周りに巻き付けることを含む(ステップ540)。フレックス回路及びブリッジ部材の円筒状の状態は、
図5、
図6、
図13、及び
図14に示されている。例えば、
図13に示されるように、ブリッジ部材400は、フレックス回路214の変換器領域204と接触している。例えば、
図14に示されるように、ブリッジ部材400は、フレックス回路214のコントローラ領域208から離間している。
【0055】
[0069]
図15を再び参照すると、ステップ545で、方法500は、電線をブリッジ部材に連結することを含む。電線は、ブリッジ部材、並びにブリッジ部材と接触しているフレックス回路の1つ又は複数の構成要素も、電気的に接地しているように、電気的に接地していてもよい。ステップ545は、はんだ付け、溶接などを含む、電気的接触を確立する任意の適切な形態を含むことができる。
【0056】
[0070] ステップ590で、方法500は、画像診断アセンブリを可撓性の細長い部材の遠位側部分に連結することを含む。フレックス回路は、フレックス回路の内径が支持部材とフレックス回路との間に配設されるバッキング材料に接触するように、支持部材の周りに位置付けることができる。方法500は、1つ又は複数の接着剤を使用して、フレックス回路を支持部材に固定することを含んでもよい。方法500はまた、熱又は光などを使用して、バッキング材料を硬化することを含んでもよい。方法500は、画像診断アセンブリを1つ又は複数の遠位側部材及び1つ又は複数の近位側部材に連結して、腔内デバイスを形成することを含む。その点に関して、遠位側部材及び/又は近位側部材を、支持部材及び/又はフレックス回路に連結することができる。1つ又は複数の近位側部材は、腔内デバイスの長さを形成する可撓性の細長い部材(例えば、内側部材及び/又は外側部材)であってもよい。画像診断アセンブリは、脈管内デバイスの遠位側部分に位置付けることができる。遠位側部材は、腔内画像診断デバイスの最遠位端を規定する。方法500は、接着剤を導入して、フレックス回路と、腔内画像診断デバイスの支持部材及び/又は他の構成要素とを固着することを含むことができる。
【0057】
[0071] 当業者であれば、上述した装置、システム、及び方法を様々な形で修正できることを認識するであろう。したがって、当業者であれば、本開示に包含される実施形態は上述した特定の例示的実施形態に限定されないことを理解するであろう。その点に関して、例証となる実施形態を図示し記載してきたが、広範囲の修正、変更、及び置換が上述の開示において想到される。かかる変形は、本開示の範囲から逸脱することなく、上記に対して行われることが理解される。したがって、添付の特許請求の範囲は概括的に、また本開示と一貫した形で解釈されることが適切である。