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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】カメラを具備する水泳及び潜水補助装置
(51)【国際特許分類】
   B63C 11/46 20060101AFI20220722BHJP
   B63C 11/48 20060101ALI20220722BHJP
   B63B 34/10 20200101ALI20220722BHJP
   B63H 11/08 20060101ALI20220722BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20220722BHJP
   G03B 17/08 20210101ALI20220722BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20220722BHJP
   B63G 8/33 20060101ALI20220722BHJP
   B63G 8/00 20060101ALI20220722BHJP
   B63C 11/00 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
B63C11/46
B63C11/48 D
B63B34/10
B63H11/08 A
G03B15/00 U
G03B17/08
G03B17/18 Z
B63G8/33
B63G8/00 J
B63G8/00 H
B63C11/00 B
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019539997
(86)(22)【出願日】2018-01-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 EP2018050213
(87)【国際公開番号】W WO2018134060
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2020-09-28
(31)【優先権主張番号】102017101146.3
(32)【優先日】2017-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519261493
【氏名又は名称】カヤゴ テック ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】CAYAGO TEC GMBH
【住所又は居所原語表記】Benzstrasse 10, 32108 Bad Salzuflen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】ハンス-ペーター ヴァルプルギス
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102015100497(DE,A1)
【文献】特開2013-106082(JP,A)
【文献】米国特許第2918889(US,A)
【文献】中国特許出願公開第104960639(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0119065(US,A1)
【文献】中国実用新案第201878251(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第1955069(CN,A)
【文献】中国実用新案第2690289(CN,Y)
【文献】カナダ国特許出願公開第2973631(CA,A1)
【文献】“SEABOB Price List”,CAYAGO AG,2017年01月19日
【文献】“SEABOB F5 S User manual”,CAYAGO AG,2014年,p.6-68
【文献】“SEABOB”,CAYAGO AG,2017年01月,p.4-50
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63C 11/46-11/48,11/00,
B63B 34/00-34/10
B63H 11/08,
B63G 8/33, 8/00,
G03B 15/00,17/08,17/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水泳及び潜水補助装置(10)であって、
流路(34)を備える、又は流路(34)が関連付けられた船体(11)であって、モータ駆動の水加速装置流路(18)に関連付けられている船体(11)を有し
前記船体(11)の上側に上半身用の支持面(11.3)を有し
前記水泳及び潜水補助装置(10)に取り付けられたグリップ(16)であって、関連するモータ制御装置によって前記水加速装置を制御するための制御要素(16.1)が配置された複数のグリップ(16)を有し
及び、前記水泳及び潜水補助装置(10)の動作パラメータを表示するための、前記支持面(11.3)に面するディスプレイ(20)を有し、
前方に向けられた前方カメラ(65)が、移動方向において前記支持面(11.3)の前で前記船体(11)に一体化され、電子制御システム(70)に接続され、
前記電子制御システム(70)が前記前方カメラ(65)に制御を適用するように、かつ、カメラ信号を受信するように具体化され、かつ、
ビデオキャプチャを開始及び終了するためのスイッチング要素(16.2)が少なくとも1つの前記グリップ(16)に配置され
前記前方カメラ(65)が防水カメラ筐体(64)に配置され、
前記防水カメラ筐体(64)が前記船体(11)内部の前方カメラ受容部(83)に受け入れられ、前記水泳及び潜水補助装置(10)の前記船体(11)に固定され、
前記船体の外皮が、前記前方カメラ(65)の視線方向に、透明窓(61)が配置されたカメラ開口部(81)を備え、
前記透明窓(61)が前記防水カメラ筐体(64)をその前方で閉鎖している、
水泳及び潜水補助装置(10)。
【請求項2】
後方に向けられた後方カメラ(50)が前記支持面(11.3)の前に配置され、前記電子制御システム(70)に接続される、
請求項1に記載の水泳及び潜水補助装置(10)。
【請求項3】
ビデオキャプチャがそれぞれ行われる2台のカメラ(50、65)を切り替えるためのスイッチオーバー要素(16.3)が少なくとも1つのグリップ(16)に配置される、請求項に記載の水泳及び潜水補助装置(10)。
【請求項4】
前記ディスプレイ(20)が前記カメラ(50、65)の前記電子制御システム(70)に接続され、それぞれ選択されたカメラ(50、65)を使用して取得中の画像を表示するように設計される、
請求項2又は3に記載の水泳及び潜水補助装置(10)。
【請求項5】
前記ディスプレイ(20)のLCDディスプレイ要素(22)、前記後方カメラ(50)、及び前記電子制御システム(70)が、防水仕様であるように具体化された1又は2のハウジング内に配置される、
請求項~4のいずれか一項に記載の水泳及び潜水補助装置(10)。
【請求項6】
防水仕様であるように具体化された前記ハウジングが、少なくとも前記LCDディスプレイ要素(22)の領域において、又は前記LCDディスプレイ要素(22)及び前記後方カメラ(50)の領域において透明ディスプレイカバー(21)によって覆われる、
請求項5に記載の水泳及び潜水補助装置(10)。
【請求項7】
前記電子制御システム(70)がデータバスを介して前記モータ制御装置に接続され、前記スイッチング要素(16.2)及び/又は前記スイッチオーバー要素(16.3)のスイッチング信号が前記モータ制御装置に送達され、及び、前記電子制御システム(70)は前記モータ制御装置から前記スイッチング要素(16.2)及び/又は前記スイッチオーバー要素(16.3)のスイッチング信号を取得するように具体化される、
請求項に記載の水泳及び潜水補助装置(10)。
【請求項8】
前記電子制御システム(70)は、前記水加速装置の電気モータ(30)に電圧が印加されている場合にビデオキャプチャを可能にするように、及び、前記水加速装置の前記電気モータ(30)に電圧が印加されていない場合はビデオキャプチャを可能にしないように具体化される、
請求項1~7のいずれか一項に記載の水泳及び潜水補助装置(10)。
【請求項9】
前記電子制御システム(70)は、ビデオキャプチャ用のメモリの空きメモリ容量が所定の制限値に一致するかそれを超える場合に、ビデオキャプチャを可能にするように、及びビデオキャプチャ用のメモリの空きメモリ容量が所定の制限値を下回った場合、ビデオキャプチャを可能にしないように具体化され、及び/又は、前記電子制御システム(70)は、ビデオキャプチャ用のメモリの空きメモリ容量が所定の第2の制限値を下回る場合、ビデオキャプチャを中断するように具体化される、
請求項1~8のいずれか一項に記載の水泳及び潜水補助装置(10)。
【請求項10】
前記電子制御システム(70)が無線インターフェース備え、前記電子制御システム(70)が、前記無線インターフェースを介して、ビデオデータを転送するように、及び/又は前記水泳及び潜水補助装置の個々の又はいくつかのハードウェアコンポーネント、例えばカメラシステム及び/又はディスプレイ制御システム及び/又は前記モータ制御装置及び/又は充電式バッテリ管理システム(充電式バッテリ制御装置)のソフトウェア更新を受信するように具体化される、
請求項1~9のいずれか一項に記載の水泳及び潜水補助装置(10)。
【請求項11】
マイクロホンが前記前方カメラ(65)及び/又は前記後方カメラ(50)に関連付けられ、キャプチャされた音声信号が前記電子制御システム(70)に送達される、
請求項2~7のいずれか一項に記載の水泳及び潜水補助装置(10)。
【請求項12】
前記前方カメラ(65)がデジタルインターフェース及びデータケーブルを介して前記電子制御システム(70)に接続される、
請求項1~11のいずれか一項に記載の水泳及び潜水補助装置(10)。
【請求項13】
前記後方カメラ(50)がデジタルインターフェース介して前記電子制御システム(70)に接続される、
請求項2~7、11のいずれか一項に記載の水泳及び潜水補助装置(10)。
【請求項14】
前記前方カメラ受容部(83)が前記水泳及び潜水補助装置(10)の浸水室(19)と物理的に連通する、
請求項1~13のいずれか1項に記載の水泳及び潜水補助装置(10)。
【請求項15】
前記透明窓(61)、又は前記透明窓(61)が保持される窓ハウジング(63)が前記カメラ開口部(81)に対してシールされる、又は、
前記透明窓(61)、又は前記透明窓(61)が保持される前記窓ハウジング(63)と前記カメラ開口部(81)との間に水を運ぶ隙間が構成される、
請求項1~14のいずれか1項に記載の水泳及び潜水補助装置(10)。
【請求項16】
前記透明窓(61)、及び/又は前記透明窓(61)が保持される前記窓ハウジング(63)の窓ベゼル(63.1)が楕円形の構成である、
請求項15に記載の水泳及び潜水補助装置(10)。
【請求項17】
前記窓ハウジング(63)が前記カメラ筐体(64)にシールされた状態で接続され、
前記窓ハウジング(63)及び前記カメラ筐体が、前記カメラ筐体(64)に対する前記窓ハウジング(63)の明確な向きを軸方向及び円周方向の両方で定めるロック手段を備える、
請求項15又は16に記載の水泳及び潜水補助装置(10)。
【請求項18】
前記カメラ筐体(64)が、防水式に前記カメラ筐体(64)に配置できるハウジングクロージャ(66)によって後方で閉鎖され、
ビデオデータを前記電子制御システム(70)に転送するためのデータケーブルが、前記ハウジングクロージャ(66)を介して防水式に案内される、
請求項1~17のいずれか一項に記載の水泳及び潜水補助装置(10)。
【請求項19】
前記船体(11)が前記前方カメラ受容部(83)の領域で補強された態様で具体化される、
請求項1~18のいずれか一項に記載の水泳及び潜水補助装置(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水泳及び潜水補助装置であって、流路を含むか、又は流路が関連付けられた船体であって、モータ駆動の水加速装置、特にプロペラが流路に関連付けられている船体を有し;船体の上側に上半身用の支持面を有し;水泳及び潜水補助装置に取り付けられたグリップであって、関連するモータ制御装置によって水加速装置を制御するための制御要素が設けられたグリップを有し;及び、水泳及び潜水補助装置の動作パラメータを表示するための、支持面に面するディスプレイを有する、水泳及び潜水補助装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特にレクリエーションとして「水域スクータ」として使用されるこの種の水域乗物は、独国特許出願公開第10 2004 049 615 A1号明細書から知られている。これは、ユーザが水域乗物の船体の上に上半身の一部によって載っている間に握ることができるグリップ構成を含む。プロペラが収容される流路は船体の内側に配置される。プロペラは、充電式バッテリを介して電気が供給される電気モータによって駆動される。
【0003】
既知の水域乗物では、水中と水上両方での操作を可能にするために、正確な風袋重量計測が必要である。したがって、水域乗物は、十分に浮くことができ、結果として沈むことのない十分な浮力を生み出す必要がある。それにもかかわらず、浮力は過度であってはならず、それにより水面操作から潜水操作への速やかな切り替えが可能である。内部電気器具の自重のため、水域乗物は船体内に十分なサイズの浮力体を備えなければならず、これは水域乗物の全体のサイズ、したがって動作ダイナミクスに影響を及ぼす。水で満たされ、操作中に最適な風袋重量計測を保証する浸水室を、船体の内部にさらに設けることができる。水域外で輸送される際には、水域乗物の自重が低くなるように、浸水室が排水される。
【0004】
水域乗物のさまざまな構成要素の配置は、ユーザが上にいる場合といない場合の両方で、水域乗物がその上側を上に向けて安定した状態で水の中に存在するように選択される。質量分布は、水域乗物が横に傾くことなく水の中に直立して存在するようなものである。質量は、好ましくは、水域乗物の機首から機尾へと進む対称面に関して水域乗物の右舷側と左舷側との間で対称的に分布される。
【0005】
水域乗物は、水域乗物のエネルギー消費を最小限に抑えるために、低い流れ抵抗を保証する外側形状を有する。水域乗物の重量は、運搬できるように設計される。
【0006】
米国特許第6,115,060号明細書は、ビデオカメラ用の受入れスリーブを有する保持システムを開示している。受入れスリーブは、透明なカバー又は光学素子によって、カメラの視線方向で閉じられる。取付具が固定される開口部が艇殻に導入される。そのために、取付具は、雄ねじを有し、端部に位置する包囲フランジを有するスリーブを有する。それは、艇殻の開口部を通して挿入され、その結果、包囲フランジが艇殻に対して外側から当接する。艇殻の内側から、雌ねじを有するフランジ要素がスリーブの雄ねじにねじ込まれ、それにより開口部のリムが外部フランジと内部に当接するフランジとの間でシールされた状態で締め付けられる。カメラを備えた受入れスリーブが取付具のスリーブに挿入され、Oリングで環状にシールされる。受入れスリーブを軸方向に固定するカバーキャップが、端部でスリーブの雄ねじにねじ込まれる。
【0007】
不都合なことに、米国特許第6,115,060号明細書に示される方法でビデオカメラを艇殻に固定すると、カメラは、提供される開口部の領域で艇殻の表面法線の方向にしか向けることができない。異なる方向の視界を可能にするには、プリズムなどの追加の光学要素が必要である、又は、例えば複雑に回転可能に取り付けられたハウジングを介して、カメラを受入れスリーブに移動可能に配置する必要がある。移動方向に向けられた艇殻の表面領域は通常、特に水域乗物の機首の領域には存在しないため、このようなコストのかかる光学要素又は可動ハウジング構成要素を使用することによってのみ、前方を向いたビデオ画像の取得が可能になる。ぶれのないビデオ撮像を可能にするには、艇殻が通過口の領域で振動を防ぐのに十分な曲げ剛性を示すことがさらに必要である。これは、特に、艇殻の壁の厚さが薄く、高レベルの推進力を持つ、持ち運び可能であるように具体化された水域乗物では保証されない。別の欠点は、フランジ及びボルト締めされたフランジ要素による保持システムの防水型取り付けを可能にするために、艇殻が開口部の領域で平らになるように具体化されなければならないという事実から生じる。流体力学の観点から最適化され、潜水操作用にも設計された水域乗物では、そのような平らな表面領域は特に水域乗物の機首の領域には存在しないため、ビデオカメラの前端部取り付けは不可能である。
【0008】
国際公開第2015/034382 A1号パンフレットは、特に海上救助のための自走式水域乗物を開示している。水域乗物はU字型に設計されており、電気駆動式の推進タービンがフロートとして具体化された各脚部に配置されている。タービンは回動可能に取り付けられている。その結果、水域乗物は、水面に面する水入口開口部に向かってタービンが回転し、そこから水を引き込み、脚部の端でそれを再び放出するように、任意の方法でその2つの面で水上に置くことができる。人が握ることができるグリップが、脚部の横方向に配置されている。水域乗物は、遠隔制御システムを介して制御することができる。中央制御装置に信号を送信するカメラ(さらに詳細には記載しない)を、水域乗物に関連付けることができる。
【0009】
国際公開第2012/089951号パンフレットは、回動可能なフレームを介して潜水補助装置に固定された(デジタル)カメラを有する潜水補助装置について記載している。カメラは水域の底に向けられており、そこで生息環境を撮像する働きをする。底までの距離を決定するために、フレームにレーザが設置される。所定の時間又は一定の時間間隔で自動撮影を可能にするトリガユニットも記載されている。カメラが設置されたフレームは、潜水補助装置の流れ抵抗を大幅に増加させ、それは水中をゆっくりと移動する場合にのみ適している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、水泳及び潜水補助装置の低い流れ抵抗及び簡単な操作の状況において、移動方向のビデオ画像のキャプチャを可能にする、最初に述べた種類の水泳及び潜水補助装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、前方に向けられた前方カメラが、移動方向において支持面の前で船体に組み込まれ、電子制御システムに接続されること;電子制御システムは、前方カメラに制御を適用し、カメラ信号を受信するように具体化されること;及び、ビデオキャプチャを開始及び終了するためのスイッチング要素が少なくとも1つのグリップに配置されることにおいて達成される。前方カメラは、水泳及び潜水補助装置の移動方向でのビデオキャプチャの作成を可能にする。それは、水泳及び潜水補助装置のオペレータの注視方向に向けられているので、オペレータが水泳及び潜水補助装置とともに向いている画像部分を有利にキャプチャする。前方カメラを水泳及び潜水補助装置の船体に組み込むことにより、移動方向及びオペレータの支持面の前での前方カメラの方向付けが可能になる。一体化は、前方カメラの領域の船体の外部形状が少なくとも非常に大きく保持されるように達成される。前方カメラは、水泳及び潜水補助装置の流体力学的に最適化された機首領域に主に存在するものなど、小さな外側船体輪郭半径を有する船体領域に配置することができる。前方カメラのカメラパーツもホルダも船体の外側に配置されない。したがって、水泳及び潜水補助装置の流れ抵抗は、前方カメラによって損なわれない。ビデオキャプチャを開始及び終了するためのグリップに取り付けられたスイッチング要素により、激しいライディング中でも前方カメラの単純で信頼性の高い直感的な操作が可能になる。
【0012】
(主にレクリエーション分野で使用される)水泳及び潜水補助装置のオペレータの画像(自分撮り)は、後方に向けられた後方カメラが支持面の前に配置され、電子制御システムに接続されるという事実によって可能にすることができる。有利には、後方カメラへの制御の適用、及び後方カメラによって送信されるビデオ信号の取得は、前方カメラも接続されている同じ電子制御システムによって達成される。これにより、2つの異なる向きのカメラで構築されたビデオシステムの単純で費用対効果の高い設計が可能になる。
【0013】
作動させるカメラの単純で簡単に操作される選択は、ビデオキャプチャがそれぞれ行われる2台のカメラを切り替えるためのスイッチオーバー要素を少なくとも1つのグリップに配置するという事実によって可能にすることができる。スイッチオーバー要素は、スイッチング要素と同様に、水泳及び潜水補助装置のグリップに配置されているため、オペレータは簡単に手が届くことができる。有利には、スイッチング要素は、水泳及び潜水補助装置の一方のグリップに取り付けられ、スイッチオーバー要素は他方のグリップに取り付けられる。
【0014】
現在取得中のビデオキャプチャの監視を可能にするために、ディスプレイをカメラの電子制御システムに接続し、それぞれ選択したカメラを使用して取得中の画像を表示するように設計することを提供することができる。有利には、電子制御システム及びディスプレイは、すでにキャプチャされたビデオシーケンスの再生も可能にするため、例えば、さらなるビデオキャプチャのためのメモリスペースを解放するためにそれらを評価及び削除することができる。
【0015】
ディスプレイのLCDディスプレイ要素、後方カメラ、及び電子制御システムが、防水仕様であるように具体化された1部型又は2部型ハウジングに配置されることが提供される場合、構成要素は正しい方向に向けられて及び耐振式に配置することができる。2部型構成では、ハウジングパーツは、好ましくは、防水仕様で互いに接合され得る。防水構成の結果、外部からの水も、水泳及び潜水補助装置の浸水室からの水も、1つ又は複数のハウジングに浸水しない。構成要素を1部型又は2部型ハウジングに一体化すると、構成要素への短い、したがって低干渉の電気的接続が可能になる。
【0016】
防水仕様であるように具体化されたハウジングが、少なくともLCDディスプレイ要素の領域、又はLCDディスプレイ要素及び後方カメラの領域において透明ディスプレイカバーによって覆われるという事実により、ビデオキャプチャを表示すること及び後方カメラでビデオをキャプチャすることが可能になる。ディスプレイカバーは、LCDディスプレイ要素及び後方カメラを機械的に保護し、さらに水がハウジングに侵入するのを防止する。
【0017】
本発明の好ましい変形実施形態によれば、電子制御システムがデータバスを介してモータ制御装置に接続されること;スイッチング要素及び/又はスイッチオーバー要素のスイッチング信号がモータ制御装置に送達されること;及び、電子制御システムはモータ制御装置からスイッチング要素及び/又はスイッチオーバー要素のスイッチング信号を取得するように具体化されることを提供することができる。したがって、それぞれのメニュー選択に応じて、例えば、推進モータの制御又はビデオキャプチャの制御用の動作パラメータを設定するためにそれらが使用されるという事実によって、スイッチオーバー要素とスイッチング要素に二重機能を割り当てることができる。ビデオシステムの電子制御システムに障害が発生した場合でも、スイッチング要素又はスイッチオーバー要素を介してモータ制御装置に制御を適用できるため、優れたフェイルセーフ性能が実現される。
【0018】
ビデオキャプチャの意図しない開始を回避するために、例えば水泳及び潜水補助装置が水域外で輸送又は格納されている場合、電圧が水加速装置の電気モータに印加された場合にビデオキャプチャを可能にするように、及び電圧が水加速装置の電気モータに印加されていない場合はビデオキャプチャを可能にしないように制御ユニットを具体化することを提供することができる。例えば、モータ制御装置に設定された出力レベルを取得して、電気モータに電圧が印加されているかどうかを判断することができる。有利には、水泳及び潜水補助装置は、電気モータが作動しているときでも水泳及び潜水補助装置の推進が回避される装置を備える。これは、例えば、電気モータをプロペラから機械的に切り離すことにより実現することができる。
【0019】
メモリ空間の問題によるビデオキャプチャの短縮を防ぐために、ビデオキャプチャ用のメモリの空きメモリ容量が所定の制限値に一致するかそれを超える場合に、ビデオキャプチャを可能にするように、及びビデオキャプチャ用のメモリの空きメモリ容量が所定の制限値を下回った場合、ビデオキャプチャを可能ににしないように、制御ユニットを具体化することを提供することができる、及び/又は、ビデオキャプチャ用のメモリの空きメモリ容量が所定の第2の制限値を下回る場合、ビデオキャプチャを中断するように制御ユニットを具体化することができる。2つの制限値は、同一になるように選択することができる。有利には、制限値は第2の制限値が対応するメモリ容量よりも大きなメモリ容量に対応することを提供することができる。ビデオキャプチャの開始は、メモリ容量が十分に長いキャプチャ時間を可能にする場合にのみ可能になる。メモリ容量がビデオシステムの動作に必要な下限に達した場合、進行中のビデオキャプチャは終了され得る。
【0020】
本発明の好ましい変形実施形態は、制御ユニットが無線インターフェース、特にWiFiインターフェース又はWLANインターフェース及び/又はBluetooth(登録商標)インターフェースを備えること、及び、制御ユニットが、無線インターフェースを介して、ビデオデータを転送するように、及び/又は水泳及び潜水補助装置のすべてのハードウェアコンポーネント、例えばカメラ制御システム及び/又はディスプレイ制御システム及び/又はモータ制御装置及び/又は充電式バッテリ管理システム(充電式バッテリ制御装置)のソフトウェア更新を受信するように具体化されることを提供する。これにより、ビデオデータを簡単な方法で外部メモリ、例えばスマートフォン、ラップトップ、又はパーソナルコンピュータに転送することができる。ビデオシステムのソフトウェアを新しい開発に適応させることができる。モータ制御装置のソフトウェア更新の転送により、水泳及び潜水補助装置の追加機能が有効になる。例えば、水泳及び潜水補助装置の動作特性をオペレータの好みに合わせて適合又は個別に調整することができる、又はモータ制御装置用に新しく開発されたソフトウェアシーケンスを転送することができる。
【0021】
音声キャプチャも可能にするために、マイクロホンを前方カメラ及び/又は後方カメラに関連付けることを提供することができる、及び、キャプチャされた音声信号を制御ユニットに送達することができる。したがって、音声信号は、アクティブな特定のカメラのビデオ信号とともに記録される。コスト効率よく、マイクロホンは、1台のカメラのみに関連付けられ、例えば、どのカメラが現在アクティブになっているかに関係なく、音声信号をキャプチャすることができる。
【0022】
前方カメラがデジタルインターフェース、特にUSBインターフェース及びデータケーブルを介して制御ユニットに接続されているという事実により、前方カメラから電子制御システムへのエラーのないデータ転送を保証することができる。
【0023】
後方カメラから制御ユニットへのエラーのないデータ転送を可能にするために、後方カメラをデジタルインターフェース、特にMIPIインターフェースを介して制御ユニットに接続することを提供することができる。
【0024】
水泳及び潜水補助装置の移動方向に対して前方に向けられた視野角の前方カメラの簡単で安全な固定を、以下の事実によって可能にすることができる:前方カメラが防水カメラ筐体に配置されている;防水カメラ筐体が船体内部の前方カメラ受容部に受け入れられ、水泳及び潜水補助装置の船体に固定される;船体の外皮が、前方カメラの視線方向に、透明窓が配置されたカメラ開口部を備える;及び透明窓が防水カメラ筐体をその前方で閉鎖している。
【0025】
特に好ましくは、前方カメラ受容部が水泳及び潜水補助装置の浸水室と物理的に連通することを提供することができる。水泳及び潜水補助装置の浸水室は、水入口開口部及び水出口開口部を介して周囲の水と連通している。水泳及び潜水補助装置の動作中に水が前記浸水室を通って溢れ、それにより水泳及び潜水補助装置の浮力を正確に調整する。水泳及び潜水補助装置の電気部品、例えば電気モータ、必要な充電式バッテリ、又はモータ制御装置を浸水室に配置することができ、この際それぞれは対応して密封される。これにより、電気部品からの廃熱が効果的に放散される。陸上では、水が水入口開口部及び水出口開口部を介して洪水室から流出するため、水泳及び潜水補助装置の重量はかなり減少する。カメラ筐体の防水実施形態のおかげで、それは浸水室に接続された前方カメラ受容部に配置でき、水泳及び潜水動作中は水に囲まれることができる。したがって、前方カメラ受容部を、浸水室に対して外側と内側の両方で別々にシールする必要はない。これにより、水泳及び潜水補助装置の船体の単純な構成が可能になる。
【0026】
有利には、透明窓、又は透明窓が保持される窓ハウジングがカメラの開口部に対してシールされること、又は、透明窓、又は透明窓が保持されている窓ハウジングとカメラの開口部との間に水を運ぶ隙間が構成されていることを提供することができる。シールは、カメラの開口部の領域で水が船体に流れ込むのを防止する。さらに、透明窓又は窓ハウジングは、シールを介して船体にしっかりと接続でき、それによりカメラホルダの安定性が向上する。透明窓又は窓ハウジングがカメラ開口部に非防水仕様で接続されている場合、その結果は簡単にインストールできる構成である。この種の配置は、前方カメラが防水カメラ筐体に囲まれている場合、及びカメラ筐体が配置されている前方カメラ受容部が水泳及び潜水補助装置の浸水室に接続されている場合に特に有用である。したがって、透明窓又は窓ハウジングとカメラ開口部のリムとの間で船体に流入する水は、いずれの場合も水で満たされた浸水室に移動する。有利なことに、シールされていない状態で設置された透明窓、又はシールされていない状態で設置された透明窓ハウジングは、保守状況において簡単に取り外し又は交換できる。
【0027】
透明窓、及び/又は透明窓が保持されている窓ハウジングの窓ベゼルが楕円形の構成であるという事実により、透明窓又は窓ハウジングを船体に対して円周方向に単純に位置合わせすることができる。
【0028】
円周方向と軸方向の両方におけるカメラ筐体に対する窓ハウジングの正確な位置合わせは、窓ハウジングがカメラ筐体にシールされた状態で接続されるという事実によって、及び、窓ハウジング及びカメラ筐体が、カメラ筐体に対する窓ハウジングの明確な向きを軸方向及び円周方向の両方で規定するロック手段を備えるという事実によって達成することができる。例えば、透明窓又は窓ベゼルの楕円形の構成によって、船体に対する円周方向の窓ハウジングの向きがさらに予め定められている場合、水泳及び潜水補助装置の船体に対するカメラ筐体内に配置された前方カメラの正確な位置合わせを達成することができる。
【0029】
前方カメラと電子制御システムとの間のケーブルベース接続は、防水式にカメラ筐体に配置できるハウジングクロージャによってカメラ筐体が後方で閉鎖されるという事実によって、及び、ビデオデータを制御ユニットに転送するためのデータケーブルが、ハウジングクロージャを介して防水式に案内されるという事実によって達成することができる。
【0030】
本発明の特に好ましい変形実施形態によれば、船体が前方カメラ受容部の領域で補強された態様で具体化されることを提供することができる。これにより、前方カメラ受容部の領域での船体の、したがって前方カメラの振動を回避することができる。
【0031】
本発明は、図面に示される例示的な実施形態を参照して、以下でさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】水泳及び潜水補助装置の後方からの斜視図である。
図2図1に示す水泳及び潜水補助装置の前方からの斜視図である。
図3図1に示す水泳及び潜水補助装置のディスプレイの領域における一部の後方からの斜視側面図である。
図4図1に示す水泳及び潜水補助装置の前方領域の側方からの断面図である。
図5】前方カメラサブアセンブリの分解図である。
図6図5に示す前方カメラサブアセンブリの領域における水泳及び潜水補助装置の図4に示される一部の拡大断面図である。
図7】後方カメラの領域における図4に示される一部の拡大断面図である。
図8】カメラを制御するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1は、水泳及び潜水補助装置10の背後からの斜視的側面図である。図2は、図1に示される水泳及び潜水補助装置10の正面からの斜視的側面図である。
【0034】
水泳及び潜水補助装置10は船体11を備える。船体11は、上部11.6及び下部11.4(図2に示される)から構成される。上部11.6には、船体11の両側に配置された2つのグリップ16が装備される。ユーザはこれらのグリップ16を握り、グリップ16に取り付けられた制御要素16.1を使用して水泳及び潜水補助装置10を制御することができる。特に、水泳及び潜水補助装置10のモータ出力はここで変えることができる。さらに、スイッチング要素16.2がグリップ16の一方に配置され、スイッチオーバー要素16.3が反対側のグリップ16に配置される。グリップ16を握っているユーザは、上部11.6上のディスプレイ20の後ろの領域の支持面11.3上に上半身を横たえる。この姿勢で、ユーザは容易にディスプレイ20を読み取り、制御要素16.1、スイッチング要素16.2、及びスイッチオーバー要素16.3を操作することができる。支持面11.3に取り付けられているのは、ユーザを水泳及び潜水補助装置10にベルトで巻き付けることができるベルトシステムを固定するためのホルダ11.7である。支持面11.3の前に配置されているのは、その後ろに配置され図4に示される充電用ソケット12用の密閉装置12.1である。船体11内に含まれた充電可能なバッテリは、充電用ソケット12を介して充電することができる。
【0035】
水中以外で水泳及び潜水補助装置10を持ち運ぶことができる持ち運びグリップ11.2が船体11の横方向に配置される。
【0036】
取り外し可能なカバーフード14が、移動方向においてディスプレイ20の前で、及び2つのグリップ16の間で、船体11に結合される。図2に示すように、排水開口部15.1がカバーフード15の横方向に設けられ、船体11内に設けられ図4に示される浸水室19に接続されている。
【0037】
図2から明らかなように、機首11.1の領域に水入口開口部15.2が設けられ、それを介して水は浸水室19に流入することができる。そのため浸水室19はカバーフード14の排水開口部15.1を介して排水することができる。水で満たされる浸水室19を介して水泳及び潜水補助装置10の浮力が調整されて、水泳及び潜水動作の両方が可能であるように所定の浮力を維持する。羽根によって覆われ、同じく浸水室19と連通する水出口開口部15.3が、水泳及び潜水補助装置10の機尾11.5(図1に示される)に取り付けられる。水泳及び潜水補助装置10が水中に配置されるとすぐに、浸水室19は、水入口開口部15.2及び水出口開口部15.3を通って浸入する水で浸水される。水泳及び潜水補助装置10が移動動作に移行するとすぐに、流れが浸水室19内で生成され、その結果、水が水入口開口部15.2を通って浸水室19に入る。水は浸水室19を通って流れ、浸水室19内に含まれる電気部品、例えば水泳及び潜水補助装置10を推進するための電気モータ30(図4に示される)、又は関連する充電式バッテリの周囲を流れる。この状況において、水は電気部品の廃熱を吸収し、それらを冷却する。浸水室19を通って流れた後、水は水出口開口部15.3を通ってそこを離れる。水出口開口部15.3は流路18の噴流出口17の両側に対称的に配置される。流路18内に配置されているのは、水泳及び潜水補助装置10のプロペラであり、これは水を引き込み、噴流出口17から放出し、それにより、水泳及び潜水補助装置10を推進する。
【0038】
流路18を通って流れる水の回転に対抗する流れ固定子18.2が流路18の端部に配置され、それにより水はできるだけ少ない回転で流路18から流出し、水の回転エネルギーは線形運動エネルギーに変換され、したがって水泳及び潜水補助装置10を推進する働きをする。
【0039】
水泳及び潜水補助装置10の船体11は、プラスチック又は複合材料から製造される。その結果、水泳及び潜水補助装置10の重量が軽くなり、水中にないときに一人で持ち運ぶことができる。機首11.1の前部領域を構成する機首先端11.8は、弾性材料、例えばゴム又はシリコーンから製造され、それにより、機首11.1の領域における水泳及び潜水補助装置10の耐衝撃性を高める。機首先端11.8の上方には、前方カメラサブアセンブリ60(図5及び6にさらに詳細に示す)の透明窓61が水泳及び潜水補助装置10の船体11に埋め込まれている。透明窓61は中心で及び移動方向に面して船体11に固定される。
【0040】
図3は、ディスプレイ20の領域における、図1に示す水泳及び潜水補助装置10の一部の後方からの斜視的側面図である。ディスプレイ20は、とりわけ、水泳及び潜水補助装置10の動作パラメータ、例えば、制御要素16.1を介してオペレータによって設定される推進ユニットの現在の出力設定、移動速度、又は浸水深さを表示する働きをする。透明ディスプレイカバー21が、部分的に開いているように描かれている。透明ディスプレイカバー21は、この場合、透明アクリルから製造される。LCDディスプレイ要素22が、透明ディスプレイカバー21の後ろに配置される。LCDディスプレイ要素22は、ディスプレイハウジング23のLCDディスプレイ要素受容部23.1に挿入される。後方カメラ50が、LCDディスプレイ要素22の下に配置される。後方カメラ50は、ディスプレイハウジング23の後方カメラ受容部23.2内に保持される。後方カメラ50は、透明ディスプレイカバー21を通して支持面11.3を向いている。動作中、それは、支持面11.3に横たわっている水泳及び潜水補助装置10のオペレータの顔を特に撮像する。
【0041】
図4は、図1に示す水泳及び潜水補助装置10の前部領域の横断面図である。同一の構成要素には同一の参照文字が使用される。
【0042】
船体11の内部には、水中推進ユニットが配置されている。本例示的実施形態では、水中推進ユニットは、それに関連付けられた電気モータ30、電子機器ハウジング40、この場合、炭素繊維強化プラスチックから製造され周囲外側チューブ34.1を有するモータシャフト34、及びプロペラ(図示せず)を有する。
【0043】
モータ制御装置(図示せず)が電子機器ハウジング40に配置され、電子機器ハウジング40によって防水式に密閉される。電子機器ハウジング40は、2つのハウジング半部によって形成され、1つのハウジング半部を取り外すことによって開くことができる。選択された断面図では、1つのハウジング半部のみが示されている。第2のハウジング半部(図示せず)は、取り囲む第2の閉鎖面によって、第1のハウジング半部の閉鎖面に防水式に載る。そのため、2つの閉鎖面の間にシール(図示せず)が設けられる。電子機器ハウジング40は、開口部41を介して電気モータ30と機械的に接続される。そのため、開口部41に隣接するシール部分41.1が、電気モータ40のモータハウジング33の端部に配置される。シール部分41.1とモータハウジング33との間に形成された間隙は、シール要素42によってシールされる。電子機器ハウジング40は、それによって電気モータ30のモータハウジング33に防水式に接続される。モータ制御装置と電気モータ30との間の電気接続は開口部41を介して配線することができる。
【0044】
電子機器ハウジング40は、結合要素によって浸水室19内に保持される。浸水室19は、浸水開口部19.1を備え、それを介して水は浸水室19に流れ込むことができる。また、電動モータ30も、浸水室19内に配置される。電気モータ30は船体11に結合される。
【0045】
モータシャフト50は、電気モータ30から水泳及び潜水補助装置10の流路18の中へと外管34.1内を案内される。流路18は、図2に示すように、水泳及び潜水補助装置10の下側の流入開口部18.4から、その機尾11.5の噴流出口17まで延びる。それは船体11内で1つの部品で構成することができる。この例示的な実施形態において、流路18は、適切な結合手段によって互いに接続された上部シェル及び下部シェルによって構成される。水がそれを越えて流れ、水泳及び潜水補助装置10の下部支持体を形成する方向付け要素18.1が、流入開口部18.4の領域に設けられている。
【0046】
完全に封入された水中推進ユニットが、電子機器ハウジング40のモータハウジング33へのシールされた挿入可能な接続、モータハウジング30への外管34.1のシールされた取り付け、及び外管34.1とモータシャフト40との間の推進側のシール(図示せず)のおかげで構成される。そのユニットは、水泳及び潜水補助装置10の船体10内の浸水可能な領域に配置することができる。本例示的実施形態では、電気モータ30及び電子機器ハウジング40内に配置されたモータ制御装置は、浸水室19に配置されるが、外管34.4はモータシャフト34と一緒に流路18内に配置される。水泳及び潜水補助装置10が水につけられると、浸水室19は、水開口部19.1及び水入口及び出口開口部15.2、15.3を介して浸水され、置換えられた空気は図2に示されるような排出開口部15.1を介して逃げる。水泳及び潜水補助装置10が水の中を移動するとき、浸水室19に流れが生じ、水は機首11.1に配置された水入口開口部15.2に流れ込み、機尾11.5に配置された水出口開口部15.3を介して流れ出る。電気モータ30及びモータ制御装置は、したがって、水がそばを流れることによって効率的に冷却される。廃熱をすぐに放散できるため、電気モータ30及び非常に高い出力レベルを有する関連のモータ制御装置を導入することができる。
【0047】
電気モータ30は、モータシャフト34を介してプロペラを駆動する。プロペラは流入開口部18.4から噴流出口17へ流路18内で水の流れを生成し、これにより、水泳及び潜水補助装置10を推進する。電気モータ30の回転子32がモータシャフト34の回転子部分に配置され接着接合される。電気モータ30の固定子31は回転子32の周囲を取り囲むように設けられる。固定子31は、封入部品を用いてモータハウジング33内に封入され、それによりモータハウジング33と熱的に結合される。それにより、電気モータ30からの廃熱は、モータハウジング33に、及びそこからそばを流れる水に効果的に放散することができる。
【0048】
前方カメラサブアセンブリ60が、「VI」で示された領域に関して図6に拡大して示されるように、水泳及び潜水補助装置10の機首11.1の領域において前方カメラ受入れ領域80に配置される。
【0049】
後方カメラ50の周囲の領域は、「VII」で示され、図7に拡大して示されている。
【0050】
図5は、前方カメラサブアセンブリ60の分解図である。
【0051】
透明窓61は、楕円形の外周面61.1を有し、これは2つの窓シール要素61.3に接続される。同じく、2つの鎌型ブロック要素が、楕円形透明窓61.2に接続される。これらの要素は、外側輪郭を有する透明窓61.2の外側輪郭に従い、透明窓61.2の中心で円形の透明領域61.2を開けた状態で残すように成形される。
【0052】
窓ハウジング63が、透明窓61に面するように配置される。窓ハウジング63は、窓ベゼル63.1、後続のロック部分63.2、及び最終的な円筒状延長部63.6を備える。窓ベゼル63.1は、窓シール要素61.3によってシールされた透明窓61が導入され得る楕円形の開口部を取り囲む。代替的又は追加的に、透明窓61を、封入面61.1に沿って、窓ベゼル63.1の楕円形開口部に接着接合することが考えられる。窓ベゼル63.1は、前方カメラサブアセンブリ60が導入されるとブロック要素62が透明窓61に対して当接する位置に保持されるように具体化される。
【0053】
カメラ筐体64も前方カメラサブアセンブリ60に関連付けられる。カメラ筐体64は、窓ハウジング63の延長部63.6に面する円筒形の第1のハウジング部分64.1を備える。第1のハウジング部分64.1に隣接するのは、第1のハウジング部分64.1と比較してその外径がより広い第2のハウジング部分64.2である。第2のハウジング部分64.2のあとには、この例では実質的に矩形の外側及び内側輪郭を有する第3のハウジング部分64.3が続く。第3のハウジング部分64.3上には、円筒形の第4のハウジング部分64.4が成形され、これは、第2のハウジング部分64.2に対して再び拡大された外径を有する。窓ハウジング63に面する2つのロックスタッド64.5が、第1のハウジング部分64.1の側面上に角度的にオフセットされて配置される。選択された図では、ロックスタッド64.5の1つのみを見ることができるが、他方のロックスタッド64.5は、第1のハウジング部分64.1によって隠されるように配置されている。さらに、ボルト延長部64.6が、窓ハウジング63に面する第1のハウジング部分64.1上に横方向に配置される。この例では、ボルト延長部64.6は、2つのロックスタッド64.5間に形成された角度の半分の角度で配置され、カメラ筐体64の中心軸を参照する。ボルト延長部64.6及びロックスタッド64.5は、それらの端部において第2のハウジング部分64.2上に、横方向において第1のハウジング部分64.1上に成形されている。ボルト延長部64.6及びロックスタッド64.5は、カメラ筐体64の第1のハウジング部分64.1の端面終端を越えて窓ハウジング63に向かって突出している。
【0054】
第1のハウジング部分64.1は、その長手方向の中心軸に沿って、窓ハウジング63の延長部63.6がスライドすることができる円筒形の開口部を含む。カメラ筐体64と窓ハウジング63との間の防水接続を可能にするために、2つのOリング溝63.5が窓ハウジング63の延長部63.6に円周方向に凹設される。それぞれの窓ハウジングシール要素63.7をこれらのOリング溝63.5のそれぞれに挿入することができる。設置された状態で、窓ハウジングシール要素63.7は、延長部63.6のOリング溝63.5と第1のハウジング部分64.1の内面との間に位置し、それにより移行ギャップをシールする。
【0055】
ロック部分63.2は、延長部63.6に対して偏心して具体化され、延長部63.6を越えて半径方向に取り囲んで突出する。したがって、ロック部分63.2は、カメラ筐体64の第1のハウジング部分64.1に対するストッパを構成する。したがって、窓ハウジング63が第1のハウジング部分64.1内にどれだけスライドできるかを制限する。ロック部分63.2は、ロックスタッド64.5に面するラッチステップ63.3を含む。延長部63.6をカメラ筐体64の第1のハウジング部64.1に挿入すると、ロックスタッド64.5がロック部分63.2のラッチステップ63.3に係合する。その結果、窓ハウジング63もカメラ筐体64に対して円周方向に正確に整列する。カメラ筐体64のボルト延長部64.6は、ロック部分63.2の外側リム上のボルト開口部63.4上に整列する。前方カメラサブアセンブリ60が設置されると、固定ボルト60.1が、ボルト開口部63.4を通って案内され、そのボルトヘッドがロック部分63.2に当接するまでボルト延長部64.6にねじ込まれることができる。それにより、窓ハウジング63はカメラ筐体64に対して軸方向に保持される。
【0056】
2つのカメラハウジングフランジ64.7は、カメラ筐体64の第4のハウジング部分64.4上に、反対側及び横方向に突出する形状である。カメラハウジングフランジ64.7はそれぞれ、前方カメラサブアセンブリ60を水泳及び潜水補助装置10の船体11に結合する働きをするオリフィスを有し、この状況では、ボルトはそれに応じてオリフィスを通して案内され、船体11にねじ接合される。
【0057】
前方カメラ65は、カメラ筐体64の第4のハウジング部分64.4の反対側に配置される。カメラ回路基板65.3は、カメラレンズ65.1及びカメラハウジング65.2を有する前方カメラ65に関連付けられる。カメラレンズ65.1の直径は、ステップ65.4の形でカメラハウジング65.2に向かって増大する。カメラ筐体64に前方カメラ65を結合するためのボルト開口部65.5は、カメラ回路基板65.3の角に設けられる。
【0058】
ハウジングクロージャ66は、前方カメラ65から間隔を空けて配置される。ハウジングクロージャ66は、中空円筒の形態のシール部分66.1を備え、その中に2つの包囲する溝形状のOリング受入れ部66.2が成形される。カメラ筐体64とは反対側でハウジングクロージャ66は、円形のクロージャカバー66.3によって閉じられる。クロージャカバー66.3は、シール部分66.1よりも大きな直径を有する。ケーブル開口部66.4は、その中心軸に沿ってクロージャカバー66.3に成形される。ケーブル開口部66.4は、環状フランジ66.6で囲まれる。
【0059】
2つのハウジングOリング66.5が、ハウジングクロージャ66と前方カメラ65との間に描かれている。ハウジングOリング66.5は、ハウジングクロージャ66のOリング受入れ部66.2に配置することができる。前方カメラ65がカメラ筐体64内に設置されると、ハウジングクロージャ66は、そのクロージャカバー66.3がカメラ筐体64に当接するまで、そのシール部分66.1でカメラ筐体64の第4のハウジング部分64.4に滑り込むことができる。前方カメラ65のコネクタケーブルはケーブル開口部66.4を介してカメラ筐体64の外へ案内することができる。
【0060】
最後に、前方カメラサブアセンブリ60の保持クランプ67が示されている。保持クランプ67は、突出するクランプストラット67.2によって保持領域67.3に接続された、横方向に反対側に配置されたクランプフランジ67.1を備える。ハウジングクロージャ支持部67.4は、保持領域67.3に成形される。ハウジングクロージャ66をカメラ筐体64に滑り込ませると、クランプフランジ67.1がカメラ筐体64のカメラハウジングフランジ64.7に当接するように、保持クランプ67をその保持領域67.3でハウジングクロージャ66のクロージャカバー66.3に押し付けることができる。カメラ筐体64の設置に関してすでに記載したように、それぞれの結合ボルトが、クランプフランジ67.1及びカメラハウジングフランジ64.7に導入され、水泳及び潜水補助装置10の船体11にねじ接合された相互に整列したオリフィスを通して案内することができる。これにより、前方カメラサブアセンブリ60は船体11に固定接続され、ハウジングクロージャ66は、保持クランプ67の保持領域67.3により軸方向に保持される。したがって、保持クランプ67は、ハウジングクロージャ66が不用意に開くことを防止する。設置された状態では、環状フランジ66.6は、保持クランプ67のハウジングクロージャ支持体67.4によって案内される。
【0061】
図6は、図5に示す前方カメラサブアセンブリ60の領域における、水泳及び潜水補助装置10の、図4に示されている部分の拡大断面図である。描かれた領域は、「VI」で示された部分として図4中でマークされている。
【0062】
図5において拡大図で示される前方カメラサブアセンブリ60は、設置された状態で図6に描かれている。楕円形の透明窓61は、窓ハウジング63の窓ベゼル63.1に挿入される。透明窓61は、窓シール要素61.3 3により窓ハウジング6に対してシールされる。既に述べたように、透明窓61は、窓シール要素61.3に追加して又はその代わりに、窓ハウジング64に接着接合することができる。カメラ筐体64の第1のハウジング部分64.1は、窓ハウジング63の延長部63.6上で摺動され、それにより前記部分が窓ハウジング63のロック部分63.2に対してその端面で当接するようにする。延長部63.6から第1のハウジング部分64.1への移行部は、延長部63.6のOリング溝63.5内に配置される窓ハウジングシール要素63.7によってシールされる。固定ボルト60.1は、窓ハウジング63のロック部分63.2のボルト開口部63.4を通してカメラ筐体64のボルト延長部64.6まで案内され、そこにねじ込まれる。その結果、固定ボルト60.1のボルト頭部は、ロック部63.2に対して一部が当接し、それにより窓ハウジング63はカメラ筐体64に対して軸方向に保持される。円周方向において、窓ハウジング63は、(図5に示される)ロックスタッド64.5のロック部分63.2のラッチステップ63.3への係合によってカメラ筐体64に対して正確に位置合わせされる。その結果、カメラ筐体に設置された前方カメラ65が窓ハウジング63に対して、したがって楕円形の透明窓61に対して、軸方向及び円周方向の両方で正確に位置合わせされる。
【0063】
前方カメラ65は、そのカメラレンズ65.1の前部終端が第1のハウジング部分64.1の外端と同一平面になるように十分に遠くまでカメラ筐体64に導入される。したがって、カメラレンズ65.1は、ブロック要素62の直前で終了する。カメラレンズ65.1は、窓ハウジング63の延長部63.6の外側端面終端部を取り囲むように取り付けられた対応する具体化された内側ステップに対してステップ65.4で当接する。これにより、前方カメラ65は、軸方向に正確に配置される。カメラハウジング65.2は、第1のハウジング部分64.1と比較して階段状に広がる第2のハウジング部分64.2に配置される一方、矩形のカメラ回路基板65.3は、対応して矩形に具体化された第3のハウジング部分64.3に導入される。カメラ筐体64は、ハウジングクロージャ66により端部が閉じられる。ハウジングクロージャ66は、それがカメラ筐体64の第4のハウジング部分64.4においてクロージャカバー66.3に対するストッパになるまで、そのシール部分66.1で摺動される。データケーブル、本例ではUSBケーブル(図示せず)が、クロージャカバー66.3のケーブル開口部66.4を通して案内される。これにより、前方カメラ65は、図7に示される電子制御システム70に接続することができる。
【0064】
前方カメラサブアセンブリ60は、船体11の前方カメラ受容部83に固定される。前方カメラ受容部83は、そのために、内側領域において船体11に成形されている。機首先端11.8に向かって、前方カメラ受容部83は、船体11の外皮のカメラ開口部81を通して開いている。カメラ開口部81は楕円形であり、窓ハウジング63の楕円窓ベゼル63.1はカメラ開口部81に滑り込む。カメラ開口部81に関して取り囲むように、船体11は、窓ハウジング63がそのロック部分63.2に当接するカメラストッパ82を形成する。また、固定ボルト60.1は、そのボルト頭部でカメラストッパ82に当接する。これにより、固定ボルト60.1の不注意による緩みが防止される。前方カメラサブアセンブリ60の軸方向位置は、ロック部分63.2がカメラ開口部81の周りを取り囲むカメラストッパ82に対するストッパになるという事実によって正確に定められる。透明窓61及び窓ハウジング63の窓ベゼル63.1の楕円形状のため、後者は、船体11の(同様に楕円形の)カメラ開口部81に対して円周方向に明確に位置合わせされる。カメラ筐体64のロックスタッド64.5と窓ハウジング63のラッチステップ63.3との間の上述の動作可能な接続の結果として、カメラ筐体64(したがって、そこに設置された前方カメラ65)は、窓ハウジング63に対して、したがって水泳及び潜水補助装置10の船体11に対して円周方向に正確に位置合わせされる。
【0065】
前方カメラサブアセンブリ60の防水実施形態のおかげで、カメラ開口部81の領域では、窓ハウジング63と船体11との間のシールは不要である。図4からよりはっきりと明白なように、前方カメラ受入れ領域の内部、したがって前方カメラ受容部83は、浸水室19に物理的に接続される。したがって、窓ハウジング63を横方向に流れる水は、浸水室19に移動し、それを介して動作中、水はいずれの場合においても流れる。しかしながら、カメラ開口部81の領域で窓ハウジング63と船体11との間に形成された隙間を、接着剤、シーラント、又はシール要素によってシールすることも考えられる。前方カメラサブアセンブリ60に通じる前方カメラアクセス領域87は、浸水室19によって構成され、それにより、例えば保守又は修理のために、前方カメラ65へのアクセスが可能になる。
【0066】
図5を参照して既に記載したように(ただし、図6の選択された断面図では見えない)、前方カメラサブアセンブリ60は、カメラハウジングフランジ64.7及びクランプフランジ67.1のオリフィスを通して案内されるボルトによって船体11に接続される。
【0067】
前方カメラサブアセンブリ60に向かって、船体11は内方に階段状の船体部分84を有する。その部分は、その輪郭に関して、前方カメラサブアセンブリ60の外部形状及び/又はカメラ筐体64のハウジング部分64.1、64.2、64.3、64.4の階段状シーケンスに適合する。船体11は、前方カメラ受入れ領域80において補強された態様でさらに具体化される。この例では、例えば、垂直に配置された補強ウェブ85及び水平に配置された補強ストラット86が、前方カメラ受入れ領域80に案内される。補強ウェブは、前方カメラサブアセンブリ60を少なくとも部分的に円周方向に囲むベゼル88を担持する。これらの補強特徴部は、例えば水泳モードにおいて高速時に、船体11に激しい機械的負荷がかかる場合でさえ、前方カメラ受入れ領域80で船体が変形又は振動するのを防止する。これにより、不十分に補強された船体11の高周波振動によって引き起こされ得る前方カメラ65のビデオ画像のぼやけが回避される。
【0068】
図7は、図4に示されそこで「VII」で示された後方カメラ50の領域の一部の拡大断面図である。後方カメラ50は、水泳及び潜水補助装置10の支持面11.3に向かう方向、したがって支持されるオペレータに向かう方向に向けられたディスプレイ20内に配置される。
【0069】
ディスプレイ20は、透明なディスプレイカバー21によって覆われている。ディスプレイカバー21の外周において、ディスプレイハウジング23は、ディスプレイハウジングフレーム23.5でディスプレイカバー21に当接している。水の浸入を防ぐために、第1のシール要素23.3が配置される溝23.4が、ディスプレイカバー21に対するディスプレイハウジングフレーム23.5の当接面に成形される。背面カメラ受容部23.2は、ディスプレイハウジングフレーム23.5に成形される。後方カメラ50は、その後方カメラハウジング51とともに後方カメラ受容部23.2に挿入される。LCDディスプレイ要素22が、後方カメラ50から横方向に間隔を空けて、ディスプレイハウジング23のLCDディスプレイ要素受容部23.1に挿入され、その中に保持される。ヒューマン-マシンインターフェイス(HMI)ハウジング24が、ディスプレイハウジング23にフランジによって取り付けられる。HMIハウジング24は、ディスプレイハウジング23のディスプレイハウジングフレーム23.5にそのリムで当接する。正確な位置決めのために、HMIハウジングウェブ24.3が、HMIハウジング24のリム上に環状に成形され、それはディスプレイハウジングフレーム23.5を外側で囲む。HMIハウジング溝24.1が、ディスプレイハウジング23に対するHMIハウジング24の当接面に成形される。前記溝には、ディスプレイハウジング23に対してHMIハウジング24がシールされる第2のシール要素24.2が挿入される。ボルト21.1が、ディスプレイカバー21、ディスプレイハウジングフレーム23.5、及びHMIハウジング24のリムを通して案内され、後部でそれぞれのナット21.2にねじ込まれる。これにより、ディスプレイカバー21、ディスプレイハウジング23、及びHMIハウジング24は互いに接続される。
【0070】
電子制御システム70が、HMIハウジング24に挿入され、固定される。HMIハウジング64は、後部に、開口の形のケーブル開口部24.4を有する。プラグ24.5がケーブル開口部24.4に挿入される。プラグ24.5には、軸方向に間隔を空けた2つのプラグ溝24.6がある。プラグ24.5がHMIハウジング24に対してシールされるOリング24.7が、プラグ溝24.6に配置される。プラグ24.5には、ケーブルをシールされた状態で通過させるための中央オリフィスがある。前方カメラ65のデータケーブルは、前記オリフィスを通してHMIハウジング24に導入することができる。
【0071】
前方カメラ65及び後方カメラ50は、それぞれデータケーブルを介して電子制御システム70に接続される。この例では、前方カメラはUSB2.0インターフェースを介して、後方カメラ50はMIPIインターフェースを介して電子制御システム70に接続される。電子制御システム70は、バスシステムを介して電子機器ハウジング40に配置されたモータ制御装置にバスシステムを介して接続される。LCDディスプレイ要素22は、電子制御システム70にさらに接続される。グリップ16に配置されている制御要素16.1、スイッチング要素16.2、及びスイッチオーバー要素16.3は、モータ制御装置に接続される。制御要素16.1は、水泳及び潜水補助装置10の水加速装置を制御する働きをし、この状況において、特に電気モータ30の出力レベルを制御する働きをする。カメラ50、65の機能の少なくとも一部は、スイッチング要素16.2及びスイッチオーバー要素16.3によって制御することができる。そのために、電子制御システム70は、スイッチング要素16.2及びスイッチオーバー要素16.3のそれぞれのスイッチング状態を、短い周期でモータ制御装置から取得する。これにより、スイッチング要素16.2及びスイッチオーバー要素16.3の作動に応じて、前方カメラ65又は後方カメラ50のビデオ画像をディスプレイ20に表示することができる。ビデオキャプチャは、電子制御システム70に接続されたメモリによってさらに記録することができる。この例では、SDメモリカードがメモリとして提供される。電子制御システム70はさらに、ビデオデータを外部データ媒体、例えばスマートフォン又はコンピュータに転送することができるWiFiインターフェースを含む。さらに、WiFiインターフェースは、水泳及び潜水補助装置のすべてのハードウェアコンポーネントの、例えば、カメラ制御システム及び/又はディスプレイ制御システム及び/又はモータ制御装置及び/又は充電式バッテリ管理システム(バッテリ制御装置)のソフトウェア更新を受信するように設計される。次に、モータ制御装置のソフトウェア更新は、電子制御システム70からデータバス、この例ではCANデータバスを介してモータ制御装置に転送される。水泳及び潜水補助装置10の診断データを、WiFiインターフェースを介して外部デバイスに送信することも考えられる。そのような診断データは、例えば、充電式バッテリの状態又は推進システムの故障に関連し得る。WiFiインターフェースの代わりにWLANインターフェース又はBluetooth(登録商標)インターフェースを提供することも考えられる。モータ制御装置と電子制御システム70との間のデジタル接続により、水泳及び潜水補助装置10の現在の動作パラメータをディスプレイ20に表示することが可能になる。
【0072】
図8は、カメラ50、65を制御するためのフローチャートである。メインメニュー90から開始して、「SE」クエリ91.1が、スイッチング要素16.2が作動されたかどうかを照会する。そうである場合、次の「出力設定」クエリ91.2で、電気モータ30のモータ制御装置の現在の出力設定が照会される。0の出力設定が設定されている場合、すなわち電気モータ30に電圧が印加されていない場合、最初の「メッセージ出力」92.1で、少なくとも1の出力設定を確立するようにディスプレイ20に通知される。このクエリにより、水泳及び潜水補助装置10が操作されていないときにビデオキャプチャが不注意で開始されることが防止される。水泳及び潜水補助装置10は、好ましくは、プロペラへのエネルギー伝達を切り離すためのシステムを有し、それにより、水泳及び潜水補助装置10が静止している場合でもビデオキャプチャを有効にすることができる。最初の「メッセージ出力」92.1の後、実行はメインメニュー90に戻る。「出力設定」クエリ91.2に対する応答が、電圧が電気モータ30に印加されているということである場合、最初の「メモリ容量」クエリ91.3で、ビデオキャプチャ用のメモリの空きメモリ容量がチェックされる。メモリ容量が所定の制限値を下回っている場合、2回目の「メッセージ出力」92.2で、ビデオキャプチャに使用できるメモリ容量が不足している旨の通知が発行され、最初にファイルを削除する必要がある。その後、実行はメインメニュー90に戻る。しかしながら、最初の「メモリ容量」クエリ91.3の使用可能なメモリ容量が制限値に一致するか、それを超える場合、「フロントキャプチャ」ブロック93.1で前方カメラ65を介してビデオキャプチャが行われる。前方カメラ65によりキャプチャされたビデオデータは、ディスプレイ20に表示され、デジタルメモリにより記録される。ビデオ録画中に、スイッチング要素16.2のスイッチング状態が2番目の「SE」クエリ91.4で照会され、使用可能なメモリ容量は2番目の「メモリ容量」クエリ91.5で照会される。ビデオキャプチャ中にスイッチング要素16.2が作動すると、そのキャプチャは終了し、実行はメインメニュー90に分岐する。前方カメラ65を使用したビデオキャプチャ中にメモリのメモリ容量が第2制限値に達すると、ビデオキャプチャは終了し、ユーザ対話はメインメニュー90に向けられる。前方カメラ65を使用したビデオキャプチャ中、スイッチオーバー要素16.3のスイッチング状態が、最初の「US」クエリ91.6を介してさらに照会される。その要素が押された場合、前方カメラ65による現在のビデオキャプチャは終了し、後方を向く後方カメラ50を使用したビデオキャプチャが「リアキャプチャ」ブロック93.2で実行される。そのビデオキャプチャも保存され、ディスプレイ20に表示される。前方カメラ65を使用したキャプチャと同様に、後方カメラ50を使用したキャプチャ中に、スイッチング要素16.2のスイッチング状態が3番目の「SE」クエリ91.7で照会され、データメモリの空きメモリ容量が3番目の「メモリ容量」クエリ91.8で照会され、スイッチオーバー要素16.3のスイッチング状態は2番目の「US」クエリ91.9で照会される。スイッチング要素16.2の作動時、又はメモリ容量が第2の制限値を下回ると、ビデオキャプチャが終了し、ユーザ対話はメインメニュー90に向けられる。スイッチオーバー要素16.3の作動により、後方カメラ90を使用したビデオキャプチャも終了され、前方カメラ65を介した新しいビデオキャプチャが開始される。
【0073】
最初の「メモリ容量」クエリ91.3のコンテキストにおけるメモリ容量の制限値、例えば2GBは、第2の「メモリ容量」クエリ91.5のコンテキストにおける第2の制限値、例えば1GBよりも大きくなるように選択されることが好ましい。
【0074】
2つのカメラ50、65を設けることにより、進行方向とオペレータの両方のビデオキャプチャを取得することが可能になる。グリップ16.1に取り付けられたスイッチング要素16.2、及び同様にグリップ16.1に取り付けられたスイッチオーバー要素16.3により、激しいライディング中でもビデオシステムを簡単に操作することが可能になる。データは、提供されているWiFiインターフェースを使用して、外部デバイスと交換することができる。電子制御システム70とモータ制御装置との間のデジタル接続により、データを、WiFiインターフェースを介して、モータ制御装置又は水泳及び潜水補助装置の他のハードウェアコンポーネント、例えばカメラ制御システム及び/又はディスプレイ制御システム及び/又は充電式バッテリ管理システム(バッテリ制御装置)との間で送受信することも可能である。したがって、ビデオシステムは、例えばソフトウェアの更新をモータ制御装置及び/又は前述の他のハードウェアコンポーネントに転送できるという事実によって、追加の機能を可能にする。前方カメラ65は船体11に組み込まれているため、移動方向に向けられた画像を取得することが可能である。船体11への前方カメラ65の一体化により、振動が少なくなり、したがって干渉のないビデオキャプチャがもたらされる。ビデオ品質は、特に船体11の前方カメラ受入れ領域80のさらなる補強により、大幅に改善される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8