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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】ガイドワイヤ用の分割化翼型設計
(51)【国際特許分類】
   F03D 1/06 20060101AFI20220722BHJP
   F03D 7/04 20060101ALI20220722BHJP
   F03D 15/00 20160101ALI20220722BHJP
【FI】
F03D1/06 B
F03D7/04 E
F03D15/00
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2019562631
(86)(22)【出願日】2018-05-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-02
(86)【国際出願番号】 US2018031832
(87)【国際公開番号】W WO2018208938
(87)【国際公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-05-07
(31)【優先権主張番号】62/504,041
(32)【優先日】2017-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519397655
【氏名又は名称】バーバー,ジェラルド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】バーバー,ジェラルド
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04330714(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0266407(US,A1)
【文献】特表2000-506580(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0322013(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0020123(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0266412(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0134823(US,A1)
【文献】国際公開第2014/006542(WO,A2)
【文献】特開2009-074421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 1/06
F03D 7/04
F03D 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
改善された風力タービンであって、
ハブ、リム、及び前記ハブと前記リムとの間に延在するケーブルを有する風力タービンホイールと、
前記ケーブルによって回転可能に担持され、前記ハブと前記リムとの間に配設される翼型セットと、
前記ケーブルに取り付けられ、隣接する翼型同士の間に配設されるシンチ部と、を備え、
前記翼型は、対称的な凸状の頂面及び底面を有し、前記頂面は、前縁から後縁に延びる水平面に関して、前記翼型の前記頂面の後縁に沿って、表面の輪郭の上向き勾配により規定される先端上向き区間に移行し、前記先端上向き区間は、前記凸状の頂面の頂点により規定される平面の上に延在せず、各翼型は、隣接する翼型に対して異なる迎え角を有する、風力タービン。
【請求項2】
前記ハブの近位端と前記リムとの間に延在する内側ケーブルと、
前記内側ケーブルによって担持される内側翼型セットと、
を含む、請求項1に記載の改善された風力タービン。
【請求項3】
前記ハブの遠位端と前記リムとの間に延在する外側ケーブルと、
前記外側ケーブルによって担持される外側翼型セットと、
を含む、請求項2に記載の改善された風力タービン。
【請求項4】
第1の長さを有する前記ハブに隣接する第1の翼型と、
第2の長さを有する前記リムに隣接する第2の翼型と、を含み、
前記第1の長さは前記第2の長さよりも短い、
請求項1に記載の改善された風力タービン。
【請求項5】
前記第1の長さと前記第2の長さとの間の長さを有する中間翼型を含む、請求項4に記載の改善された風力タービン。
【請求項6】
隣接する翼型同士の間に配設されるスペーサアセンブリを含む、請求項1に記載の改善された風力タービン。
【請求項7】
前記スペーサアセンブリ内に含まれる弾性部材を含む、請求項6に記載の改善された風力タービン。
【請求項8】
前記スペーサアセンブリ内に含まれるワッシャを含む、請求項6に記載の改善された風力タービン。
【請求項9】
前記翼型セット内の翼型が、2フィート~12フィートの範囲の長さを有する、請求項1に記載の改善された風力タービン。
【請求項10】
前記リムの外部から延在する前記リムに取り付けられる帆を含む、請求項1に記載の改善された風力タービン。
【請求項11】
前記帆は可変ピッチを含むことができる、請求項10に記載の改善された風力タービン。
【請求項12】
前記翼型セット内の少なくとも1つの翼型に取り付けられるベーンを含む、請求項1に記載の改善された風力タービン。
【請求項13】
前記翼型は、高性能ビニルエステル樹脂、40%一方向ガラス繊維強化材、17%連続ガラス繊維マット、樹脂混合物、UV抑制剤、顔料、表面コーティング、又はこれらの組み合わせから構成される群から選択される材料を含む、請求項1に記載の改善された風力タービン。
【請求項14】
前記ケーブルを受けるための前記翼型セット内の各翼型に画成されるケーブル開口部を含む、請求項1に記載の改善された風力タービン。
【請求項15】
前記リムと係合するよう構成され、前記リムの下に配設される発電機ホイールを有する発電機を含む、請求項1に記載の改善された風力タービン。
【請求項16】
改善された風力タービンであって、
リムを有する風力タービンホイールと、
近位端及び遠位端を有する風力タービンホイール内に含まれるハブと、
前記ハブの前記近位端と前記リムとの間に延在するケーブルの内側セットと、
前記ケーブルの内側セットに回転可能に取り付けられる内側翼型セットと、
前記ハブの前記遠位端と前記リムとの間に延在するケーブルの外側セットと、
前記ケーブルの外側セットに回転可能に取り付けられる外側翼型セットと、を備
前記翼型は、対称的な凸状の頂面及び底面を有し、前記頂面は、前縁から後縁に延びる水平面に関して、前記翼型の前記頂面の後縁に沿って、表面の輪郭の上向き勾配により規定される先端上向き区間に移行し、前記先端上向き区間は、前記凸状の頂面の頂点により規定される平面の上に延在しない、風力タービン。
【請求項17】
隣接する翼型同士の間に配設されるスペーサアセンブリを含む、請求項16に記載の改善された風力タービン。
【請求項18】
前記スペーサアセンブリ内に含まれるシンチ部を含む、請求項17に記載の改善された風力タービン。
【請求項19】
改善された風力タービンであって、
リム及びハブを有する風力タービンホイールと、
前記ハブと前記リムとの間に延在するケーブルセットと、
前記ケーブルセットに独立して回転可能に取り付けられ、前記リムと前記ハブとの間に延在する翼型セットと、を備
前記翼型は、対称的な凸状の頂面及び底面を有し、前記頂面は、前縁から後縁に延びる水平面に関して、前記翼型の前記頂面の後縁に沿って、表面の輪郭の上向き勾配により規定される先端上向き区間に移行し、前記先端上向き区間は、前記凸状の頂面の頂点により規定される平面の上に延在しない、風力タービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 1)発明の分野
[0002] 本発明は、大気風の動きに応じて電気を生成するための自己位置決め翼型を有する改良された分割化自己位置決め風力タービンアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
[0003] 2)関連技術の説明
[0004] 風車は、地面から水を汲み出し、電気を生成する目的で、多くの世代にわたって用いられている。風車の基本的な利点は、大気風の力を用いて径方向に延在するブレードを有するホイールを回転させることである。この回転運動は、様々に有用な目的に変換されてもよい。例えば、塔に取り付けられるプロペラ形式の風力タービンは、安定した風が多く見られる地域に設置されており、風力タービンは発電に用いられる。発電機は、通常、プロペラの回転軸の近傍に位置決めされ、発電機の重量をアセンブリの支柱の上部に追加している。従来の大型風力タービンのブレードは大きく、高価な剛性材料からできており、ブレードが中央ハブから径方向に延在するように構成されており、ブレードの外側先端に余分な支持を有していない。従来の風力タービンブレードは、高回転率で回転し、かつ、ブレードの高速回転によって生成される遠心力と、風によってブレードに印加される片持ち曲げ力との両方に耐えなければならない。ブレードの外側部分は、通常、極めて高速で移動し、強風に曝されるため、ブレードが大きくなるほど強度を増さなければならず、費用がかかる。従って、ブレードの長さ及び幅に関して実用上の制限が存在する。
【0003】
[0005] 別の風力タービンのタイプは、米国特許第1,233,232号及び米国特許第6,064,123号に示されているように、プロペラの外側端部を支持する円周リムに堅固に取り付けられているように見える剛性プロペラを有している。ゴム製タイヤ又は他の回転物体は、ゴム製タイヤを回転させるように外側リムに係合する位置に配置され、駆動タイヤが発電機のロータを回転させる。従って、風力タービンの回転は、電気を生成するために用いられる。剛性プロペラ設計の欠点は、ブレードの先端又は外周に近づくほど、ブレードが空中を高速で移動しているため、見かけの風の角度が大きくなるという事実を処理するその能力である。従って、ブレードは、その長さに沿って捻れが存在するように、ハブよりも先端において更に回転する必要がある。ブレードの最適な迎え角は、見かけの風向によって決まる。均一な風速が風力タービンの受風面積にわたって存在する場合でも、見かけの風向は、ブレードの速度が増加するにつれて変化する。捻れを有するブレードは作製するのにより高価である。従来の風力タービンのブレード自体も、保守及び交換が極めて高価である。
【0004】
[0006] 外周リムを有するタービンホイールの利点の1つは、発電機が支柱の上部から発電機の重量を除去するよう地面又は他の低い支持面に近い場合に、発電機がリムの回転のより低い弧におけるリムに位置決めされてもよいという点である。また、タービンホイールのリムにおける発電機の位置は、発電機の設置、保守、修理、及び交換のためのより多くのアクセスを提供する。しかし、風力タービンの外周リムが動作中にぐらつくと、発電機をリムと適切に位置合わせするのが難しくなる可能性があり、発電機とタービンホイールとの間に応力が発生する可能性がある。また、複数の発電機がタービンのリムの弧の周囲の動作位置に配置されている場合、ぐらつくリムによって引き起こされる潜在的な問題はより広く行きわたると思われる。
【0005】
[0007] 更に、振動を低減し、発電機との一貫した接触を維持するために、可能な限りリムが円形であることが有利である。円形リムの維持を支援するために、ガイドワイヤを、リムの外周からハブまで延在してリムを支持するよう含めることができる。しかし、ガイドワイヤは抵抗を生じ、風力タービンの出力を低下させる可能性がある。ガイドワイヤによって引き起こされるこの抗力を減らすことは有利であろう。
【0006】
[0008] 従って、本発明の目的は、風力タービンの回転エネルギーの最適化を最上に追求する迎え角を調整する風力タービンを提供することにある。
【0007】
[0009] 本発明の別の目的は、発電機を外周の下部に沿って位置決めすることを可能にする外周を有する風力タービンを作成することにある。
【0008】
[0010] 本発明の別の目的は、風向及び速度に応じて最適化を追求するための自動調整捻れを有する風力タービンを提供することにある。
【0009】
[0011] 本発明の別の目的は、一実施形態において複雑なブレードピッチ制御システム及びベーンの必要性を低減又は排除することにある。
【発明の概要】
【0010】
[0012] 上記の目的は、1以上のケーブルによって担持され、ハブとリムとの間に配置される複数の翼型を備え、各翼は前縁及び後縁を含み、前縁から後縁までの二等分線に沿って対称であり、翼型が10°~12°の範囲の迎え角を有するように、シャフト及びフィンを有する各翼に取り付けられるベーンを備え、各翼型はケーブル上の隣接する翼型に対して僅かに異なる迎え角を有する、支柱、ハブ、ケーブル、及びリムを有する風力タービンを提供することによって、本発明に従って達成される。一実施形態において、キャンバー線及び翼弦線は重ね合わされる。弦の長さは、実施形態において5インチ~10インチの範囲であり、一実施形態において約7インチであってもよい。
【0011】
[0013] 本発明は、一実施形態において、4フィート~12フィートの間のケーブルの方向に沿った長さを有する翼型を含むことができる。帆は、リムの外側から6フィート~12フィートの間で延在することができるリムに取り付けることができ、ここで帆は固定ピッチ又は可変ピッチであってもよい。スペーサを、翼型が隣接する翼型と干渉することを防ぐよう、各翼型の間に含めることができる。各翼型は端部キャップを含むことができる。ピン等の止め具を各翼型に含めて、翼型が90°未満等の所定量に回転することを防ぐことができる。翼型は、高性能ビニルエステル樹脂、40%一方向ガラス繊維強化材、17%連続ガラス繊維マット、独自バランスの樹脂混合物、UV抑制剤、選択色、及び表面保護ベールから作成することができる。
【0012】
[0014] 本発明は、ハブ、リム、及びハブとリムとの間に延在するケーブルを有する風力タービンホイールと、ケーブルによって回転可能に担持され、ハブとリムとの間に配置される翼型セットと、ケーブルに取り付けられ、隣接する翼型同士の間に配置されるシンチ部と、翼型セット内の少なくとも1つの翼型内に含まれ、翼型の後縁に配置される先端上向き区間とを含むことができ、各翼型は隣接する翼型に対して異なる迎え角を有する。内側ケーブルはハブの遠位端とリムとの間に延在することができ、内側翼型セットは内側ケーブルによって担持されてもよい。外側ケーブルはハブの遠位端とリムとの間に延在することができ、外側翼型セットは外側ケーブルによって担持されてもよい。
【0013】
[0015] 風力タービンは、第1長さを有するハブに隣接する第1翼型と、第2長さを有するリムに隣接する第2翼型と、を含むことができ、第1長さは第2長さよりも短い。中間翼型は、第1長さと第2長さとの間の長さを有することができる。スペーサアセンブリは、隣接する翼型同士の間に配置することができる。弾性部材をスペーサアセンブリ内に含めることができる。ワッシャをスペーサアセンブリ内に含めることができる。翼型セット内の翼型は、2フィート~12フィートの範囲の長さを有することができる。翼型セット内の翼型は、約2フィートの長さを有する最短翼型を有し、残りの翼型はより長い長さを有することができる。ベーンは、翼型セット内の少なくとも1つの翼型に取り付けることができる。
【0014】
[0016] 翼型は、高性能ビニルエステル樹脂、40%一方向ガラス繊維強化材、17%連続ガラス繊維マット、樹脂混合物、UV抑制剤、顔料、表面コーティング、又は任意の組み合わせから構成される群から選択される材料を含むことができる。風力タービンは、リムと係合するように構成され、リムの下に配置される発電機ホイールを有する発電機を含むことができる。
【0015】
[0017] 本発明を実施するように設計された構造は、その他の特徴と共に以下に説明される。発明は、以下の明細書を通読し、その一部を形成する添付図面を参照することによって、より容易に理解され、ここで発明の一実施例を示す。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】発明の態様の背面図を示す。
図2】発明の態様の立面図である。
図3】翼型の態様の側面斜視図である。
図4】翼型の態様の斜視図である。
図5】発明の態様の側面図を示す。
図6】発明の態様の側面図を示す。
図7A】発明の態様の平面図である。
図7B】発明の態様の平面図である。
図8A】発明の態様の上方斜視図である。
図8B】発明の態様の下方斜視図である。
図9】発明の態様の側面図である。
【0017】
[0028] この発明の1つ以上の態様がある特定の目的を満たすことができる一方で、1つ以上の他の態様がある特定の他の目的を満たすことができることは、当業者によって理解されるであろう。各目的は、その全ての点において、この発明の全ての態様に等しく適用されない可能性がある。このため、前述の目的は、この発明の任意の1つの態様に関して代替案において見ることができる。発明のこれら及び他の目的及び特徴は、以下の詳細な説明を添付図面及び実施例と併せて通読する場合に、より完全に明らかとなるであろう。しかし、前述の発明の概要及び以下の詳細な説明は両方とも好ましい実施形態であり、発明又は発明の他の代替実施形態を限定するものではないことは、言うまでもない。特に、発明は幾つかの特定の実施形態を参照して本明細書中で説明されているが、説明は発明を例示するものであり、発明を限定するものとして構成されていないことは正しく認識されよう。様々な修正及び用途は、発明の精神及び適用範囲から逸脱することなく、添付特許請求の範囲によって説明されるように、当業者には思い浮かぶであろう。同様に、本発明の他の目的、特徴、利益、及び利点は、この概要及び以下に説明する特定の実施形態から明らかであり、当業者には容易に明らかとなるであろう。かかる目的、特徴、利益、及び利点は、添付実施例、データ、図、及びそれらから引き出される全ての合理的な推論と併せて、単独で、又は本明細書中に組み込まれる参考文献を考慮して、上記から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[0029] 図面を参照して、本発明をここでより詳細に説明する。別に定義しない限り、本明細書中で用いる全ての技術及び科学用語は、現在開示する主題が属する当該分野における当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書中で説明するものと類似又は同等の任意の方法、装置、及び材料は現在開示する主題の実施又は試験において用いることができるが、代表的な方法、装置、及び材料を本明細書中で説明する。
【0019】
[0030] 図1及び図2を参照すると、風力タービン10は支柱12を有して示されている。風力タービンは、リムからハブ18まで延在するケーブルを有するリム14を含んでいる。複数の翼型20は、ハブからリムまで延在するケーブルによって担持されることができる。一実施形態において、風力タービンは、長さ80フィート以上であり、3/4インチの鋼から作られてもよい80本のケーブルを含むことができる。複数の翼型は、ケーブルを受け入れ、翼型をケーブルに摺動自在に取り付け且つケーブルを中心として回転させることが可能な開口部を含むことができる。開口部は、円形、楕円形、又は他の形状であってもよい。ケーブル上の各翼型は、他の翼型とは独立して回転することができる。例えば、翼型22aは、翼型22bとは独立してケーブルを中心として回転することができる。翼型は、ケーブルに沿って異なる長さであってもよい。例えば、リムに隣接して配置される翼型は、リムに隣接して配置されるものよりも短い長さを有することができる。回転している場合、翼型は、1つの翼型の移動距離が異なる円周経路に沿っているという事実のために、異なる速度で空中を移動している。この移動距離は、移動距離=2πr2で表すことができ、ここで、rはハブから翼型の距離である。各翼型はケーブルを中心として独立して回転することができるため、各翼型の迎え角はハブからリムへ減少する可能性がある。更に、迎え角がハブからの距離(例えば、r)ほど大きく変化しないため、翼部はハブよりもリムで長くなる可能性がある。迎え角は相対的に同じまま推移することができる一方で、各翼型のピッチはハブからリムまで変化する可能性がある。
【0020】
[0031] 動作中、リムは、リムからの回転エネルギーが発電ホイールに伝達され、従って、発電機を回転させて電気を生成することができるように、発電機26の発電ホイール24と係合することができる。
【0021】
[0032] 図3を参照すると、翼型40の一区分の一実施例が示されている。翼型は、前縁28及び後縁30を含むことができる。ケーブル開口部32は、ケーブルを受け入れ、翼型がケーブルを中心として回転することを可能にするよう翼型に含まれ得る。前部開口部34は、含まれてもよく、かつ、略ピラミッド形の断面を有し、翼型の重量を低減する。後部開口部36は、涙滴断面を有して含まれ得る。一実施形態において、翼型は二等分線38に沿って対称である。一実施形態において、翼型の後縁は、風力タービンに対するより大きな回転速度を生じる高い揚力係数を結果として生じるキャンバー線を増加させることができる先端上向き区間39を含むことができる。この先端上向き区間により、迎え角は、作成された同じ量の回転力に対して小さくてもよい。一実施形態において、先端上向き区間は5度~15度の範囲にあってもよい。
【0022】
[0033] 図4を参照すると、翼型の一実施形態は、上面60と、上面と下面との間に規定される空間内に配置されるケーブル開口部64を有する下面62とを含むことができる。支持リブ66は、上下面間に配置されて支持を提供し、翼型の形状を維持することができる。ケーブル開口部は1つ以上のリブを通って延在することができる。翼型の端部は端部キャップ68により閉じることができる。リブはリブ開口部を含むことができる。
【0023】
[0034] 図5を参照すると、翼型40の一実施形態は、翼型がケーブルを中心として回転することができるように、ケーブル16によって担持されて示されている。ベーン42は、後縁に向かって延在する翼型に取り付けられ、シャフト44及びフィン46を含むことができる。空気が48で示す方向に流れると、ベーンは前縁を風向に向けて、翼型を最適な迎え角に向けて回転させる。この構成は相対的な風向に反応するため、ケーブルに沿った各翼型は僅かに異なる迎え角を有して、ケーブルに沿った複数の翼型の有利な構成を提供してもよい。一実施形態において、達成される迎え角は9~13度の範囲にある。一実施形態において、翼型は、幅が5~10インチ、その最も厚い部分が1~2インチ、長さが8~12フィートの範囲にある。一実施形態において、シャフトは約2フィートである。ベーンは、端部キャップ内及び翼型の一方又は両方の端部に含まれてもよい。
【0024】
[0035] 図6を参照すると、複数の翼型がケーブル16によって担持されて示されており、各翼型はケーブル16を中心として独立して回転することができる。翼型は、ケーブルを受け入れ、翼型を風力タービンに取り付ける開口部32(図2)を含むことができる。各翼型が異なる迎え角を有することができると考えると、翼型アセンブリ50は捻れを有するブレードとして機能することができる。各翼型は互いに独立して回転することができるため、翼型アセンブリは、結果として真の風速に起因する捻れを生じる可能性があり、捻れは遷移する単一ブレードでは不可能である。従って、翼型は、ケーブル開口部32の位置が前縁と後縁との間に配置されると、風の相対位置の変化に対して自動的に調整されて、真の風又は見かけの風向に関係なく、翼型が最適な迎え角においてそれ自体を自動的に位置決めすることを可能にしている。
【0025】
[0036] 図7Aを参照すると、幾つかの翼型が示されており、翼型52aは翼型52bの上に位置決めされ、それは順に翼型52cの上に位置決めされている。ベーンが各翼型を異なる迎え角で位置決めすると考えると、アセンブリがケーブルの長さに沿って捻れを作成するように、αa≠αb≠αcであることがわかる。一実施形態において、αa、αb、及びαcは全て、水平線41に対して正であってもよい。図5Bは、ケーブルに沿っているように重ね合わせた複数の翼型を示している。
【0026】
[0037] 発明は、ブレードピッチ駆動システム又はソフトウェアなしで自動ブレードピッチ制御を提供することができる。翼型区分は、最適な80フィートのブレード捻れに自動的に調整することができる。自動ブレード捻れは、また、現在のブレードではできない真の風速に合わせてそれ自体を調整することもできる。保守は従来の設計で必要とされるものよりも大幅に少なくなる。翼型アセンブリを完全に交換することにかかる時間は、現在のブレード交換よりも大幅に短くなる。風力タービンの輸送は、従来のブレードシステムよりもはるかにコンパクトでシンプルな設計により簡素化されている。設置する場合、翼型アセンブリは、従来のブレード設計よりも強風に対応させることができる。風力タービンが設置される場合、翼型は、それらが90°しか回転できないように構成することができるため、風が支柱から風下にホイールを自動的に回転させることができるように、翼型アセンブリは揚力を供給しない。ベーンは翼型に固定することができるため、ブレードピッチ駆動を排除して常に翼型を理想的な迎え角に保つ。帆11(図2)は、リムの外側から6フィート~12フィートの間で延在することができるリムに取り付けることができ、ここで、帆は固定ピッチ又は可変ピッチであってもよい。当業者により理解されるように、発電機は、リムと係合するように構成された発電機ホイールを有するリムの下に配置される。発電機の容量が達成され、風速が増加すると、電気出力は、帆に垂直な偏揺れによって制限することができる。
【0027】
[0038] 図8A及び図8Bを参照すると、風力タービンを支持する支柱12がハブを支持している。ハブとリム14との間に延在するケーブルは、図示するように、複数の翼型を担持している。ケーブルの内側セットは、ハブ70の近位端からリム14まで延在することができる。ケーブルの外側セットは、ハブ72の遠位端からリム14まで延在することができる。複数のケーブルの内側セットのケーブルは、ハブからリムまで延在する内側翼型セット74を含むことができる。複数のケーブルの外側セット内の外側ケーブルは、ハブからリムまで延在する翼型の外側セット76を含むことができる。
【0028】
[0039] 図9を参照すると、翼型40は、ケーブル16によって担持されて回転可能に示されている。隣接する翼型80はハブにより近付いて配置されて示されており、翼型40はリムにより近付いて配置されている。回転する場合、タービンホイールの回転による慣性力は、強制的に翼型をハブから離れてリムに向かわせる。この力により、隣接する翼型を互いに結合させ、ケーブルを中心として回転する翼型の能力を制限して、迎え角を最適化する翼型の能力を妨げている。翼型は、スペーサアセンブリ84によって作成されるギャップ82により互いから分離させることができる。スペーサアセンブリはケーブルに固定し、スペーサアセンブリの内側に隣接する翼型が外側に隣接する翼型に圧力を印加することを防ぐことができる。スペーサアセンブリは、潤滑性、高温耐性、耐紫外線性、耐塩水性、及び耐破砕性を含むことができる内部ワッシャ87を含むことができる。一実施形態において、下部ワッシャはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から作成することができる。シンチ部85は、ケーブル上の固定位置に固定してシンチ部がケーブルに沿って摺動することを防ぐことができる。一実施形態において、シンチ部は、ケーブルの両側に配置され、シンチ開口部88を通って延在することができるネジ等によって共に固定される2つの構成要素を含むことができる。従って、下部隣接翼型80が強制的に上方隣接翼型に向けられる場合、シンチ部及びワッシャは、下部隣接翼型が上部隣接翼型と接触することを防ぎ、従って、翼型同士が結合することを防ぐことができる。スペーサアセンブリは、タービンホイールが静止している場合、上部翼型が上部ワッシャと接触し且つシンチ部とは接触しないように、シンチ部と上部隣接翼型との間に配置される上部ワッシャ86を含むことができる。一実施形態において、バネ又は他の張力部材等の弾性部材は、シンチ部と下部ワッシャ又は下部ワッシャと下部翼型との間に配置することができる。
【0029】
[0040] 特に明記しない限り、この文書内で用いる用語及び語句、並びにその変形例は、別段に明記しない限り、制限とは対照的な無制限と解釈するべきである。同様に、接続詞「及び」で連結された項目の群は、それら項目の一つ一つが群の中に存在することを必要とするものとして読み取るべきではなく、むしろ、別段に明記しない限り「及び/又は」として読み取るべきである。類似して、接続詞「又は」で連結された項目の群は、その群間で相互排他性を必要とするものとして読み取るべきではなく、むしろ、別段に明記しない限り「及び/又は」として読み取るべきである。
【0030】
[0041] 更に、開示の項目、要素、又は構成部品は単数形で説明又は請求される可能性があるが、単数形への限定が明記されない限り、複数形はその適用範囲内にあると考えられる。場合によっては、「1つ以上」、「少なくとも」、「ただしこれらに限定されない」、又は他の同様な語句等の広範な言葉及び語句の存在は、かかる広範な語句が存在しない可能性がある例において、狭義の場合が意図又は必要とされることを意味するものと読み取るべきではない。
【0031】
[0042] 本主題を特定の例示的な実施形態及びその方法に関して詳細に説明してきたが、当業者は、上記の理解を達成すると、かかる実施形態に対する変更、変形、及び均等を容易に生成できることは正しく認識されるであろう。従って、本開示の適用範囲は、制限としてではなく、一例としてのものであり、主題の開示は、本明細書中で開示される教示を用いて当業者に対して容易に明らかである本主題へのかかる修正、変形、及び/又は追加を包含することを排除しない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9