(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20220722BHJP
H01L 31/0232 20140101ALI20220722BHJP
【FI】
H01L27/146 D
H01L31/02 D
(21)【出願番号】P 2020190334
(22)【出願日】2020-11-16
【審査請求日】2020-11-16
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】王 唯科
【審査官】西出 隆二
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-135792(JP,A)
【文献】特開2004-253630(JP,A)
【文献】国際公開第2018/189613(WO,A1)
【文献】特開2004-221532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H01L 31/0232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電変換素子を有する基板と、
前記基板上に配置され、前記光電変換素子に対応する第1の開口部を有する第1の遮光層と、
前記第1の遮光層上に配置された光透過層と、
前記光透過層に配置され、前記第1の開口部に対応する第2の開口部を有する少なくとも1つの第2の遮光層と、
前記光透過層上に配置され、前記第2の開口部に対応する集光構造とを含み、
前記基板の底面上の前記第2の開口部の正射影は、長軸対称軸と、長軸対称軸に垂直な短軸対称軸を有し、
前記短軸対称軸は、前記基板の底面上の前記第1の開口部の正射影の中心と、前記基板の底面上の前記集光構造の正射影の中心との接続線と平行である半導体装置。
【請求項2】
光電変換素子を有する基板と、
前記基板上に配置され、前記光電変換素子に対応する第1の開口部を有する第1の遮光層と、
前記第1の遮光層上に配置された光透過層と、
前記光透過層に配置され、前記第1の開口部に対応する第2の開口部を有する少なくとも1つの第2の遮光層と、
前記光透過層上に配置され、前記第2の開口部に対応する集光構造とを含み、
前記基板の底面上の前記第2の開口部の正射影は、長軸対称軸と、長軸対称軸に垂直な短軸対称軸を有し、
前記短軸対称軸は、前記基板の底面上の前記第1の開口部の正射影の中心と、前記基板の底面上の前記集光構造の正射影の中心との接続線と重なる半導体装置。
【請求項3】
前記基板の底面上の前記集光構造の正射影は円形であり、
前記基板の底面上の前記第2の開口部の正射影は楕円形であり、
前記長軸対称軸は、前記第2の開口部の正射影の長径であり、前記短軸対称軸は、前記第2の開口部の正射影の短径である請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記基板の底面上の前記集光構造の正射影は円形であり、
前記基板の底面上の前記第2の開口部の正射影は長方形である請求項2に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記基板の底面上の前記集光構造の正射影は正方形であり、
前記基板の底面上の前記第2の開口部の正射影は長方形である請求項2に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関するものであり、特に、傾斜光を受光又は集光する半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、様々な用途で用いることができる。例えば、近年、光電変換素子を搭載した半導体装置が指紋認証装置、顔認証装置、虹彩認証などの生体認証装置として多用されている。生体認証装置は、人固有の身体的特性(例えば、指紋、顔、虹彩など)を用いて本人を認証し、通常、携帯機器(例えば、携帯電話、タブレット、ノートパソコンなど)で用いられる。この生体認証装置のアプリケーションは、ユーザにとって安全で利便性がある。
【0003】
しかしながら、既存の生体認証装置は、あらゆる点で満足できるものではない。例えば、ユーザは、生体認証装置内の光電変換素子の反射を簡単に見ることができる。生体認証装置は、傾斜光を受光又は集光するように設計され、生体認証装置で用いられる傾斜システムは、前述の問題を解決することができるが、クロストークを引き起こす可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、傾斜光を受光又は集光し、クロストークを防止する半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のいくつかの実施形態では、半導体装置は、光透過層に配置され、開口部を有する少なくとも1つの遮光層を含む。開口部は長軸対称軸と長軸対称軸に垂直な短軸対称軸を有し、これは傾斜光を受光又は集光し、クロストークを防止するように用いられることができるため、半導体装置の光電変換素子からの画像信号の品質を向上させることができる。
【0006】
本開示のいくつかの実施形態に従って、半導体装置が提供される。半導体装置は、光電変換素子を有する基板を含む。半導体装置は、基板上に配置され、光電変換素子に対応する第1の開口部を有する第1の遮光層も含む。半導体装置は、第1の遮光層上に配置された光透過層をさらに含む。半導体装置は、光透過層に配置され、第1の開口部に対応する第2の開口部を有する少なくとも1つの第2の遮光層を含む。半導体装置は、光透過層上に配置され、第2の開口部に対応する集光構造も含む。基板の底面上の第2の開口部の正射影は、長軸対称軸と、長軸対称軸に垂直な短軸対称軸を有する。
【0007】
いくつかの他の実施形態では、短軸対称軸は、基板の底面上の第1の開口部の正射影の中心と、基板の底面上の集光構造の正射影の中心との接続線と平行である。
【0008】
いくつかの他の実施形態では、短軸対称軸は、基板の底面上の第1の開口部の正射影の中心と、基板の底面上の集光構造の正射影の中心との接続線と重なる。
【0009】
いくつかの実施形態では、基板の底面上の集光構造の正射影は円形である。
【0010】
いくつかの実施形態では、基板の底面上の第2の開口部の正射影は楕円形である。
【0011】
いくつかの実施形態では、長軸対称軸は、第2の開口部の正射影の長径であり、短軸対称軸は、第2の開口部の正射影の短径である。
【0012】
いくつかの実施形態では、基板の底面上の第2の開口部の正射影は長方形である。
【0013】
いくつかの実施形態では、基板の底面上の集光構造の正射影は正方形である。
【0014】
いくつかの実施形態では、基板の底面上の集光構造の正射影は正方形であり、基板の底面上の第2の開口部の正射影は長方形である。
【0015】
いくつかの実施形態では、基板の底面上の第2の開口部の正射影は、多角形状である。
【0016】
いくつかの実施形態では、半導体装置は、光透過層上に配置され、第2の開口部に対応する第3の開口部を有する第3の遮光層をさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、集光構造は第3の開口部を覆う。
【0018】
いくつかの実施形態では、第3の開口部は、集光構造と同じ形状を有する。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1の遮光層と少なくとも1つの第2の遮光層との間の距離は、少なくとも1つの第2の遮光層と第3の遮光層との間の距離とは異なる。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1の遮光層の材料は、金属を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの第2の遮光層の材料は、フォトレジスト、インク、成形化合物、はんだマスク、エポキシ樹脂またはそれらの組み合わせを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、集光構造は、マイクロレンズ構造、マイクロピラミッド構造、マイクロ台形構造、または屈折率分布構造を含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本開示の実施形態の態様は、以下の詳細な説明および添付の図面を通じて明確に理解することができる。図面は、業界の標準的な慣行に従って、さまざまな特徴が縮尺通りに描かれておらず、説明の目的でのみ使用されている。実際、さまざまな特徴の寸法は、明確に説明できるようにするために、任意に拡大または縮小されることがある。
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態による、半導体装置を示す部分断面図である。
【
図2】
図2は、本開示の一実施形態による、基板の底面上の第1の開口部の正射影、第2の開口部の正射影、および集光構造の正射影を示す概略図である。
【
図3】
図3は、本開示のもう1つの実施形態による、基板の底面上の第1の開口部の正射影、第2の開口部の正射影、および集光構造の正射影を示す概略図である。
【
図4】
図4は、本開示のもう1つの実施形態による、基板の底面上の第1の開口部の正射影、第2の開口部の正射影、および集光構造の正射影を示す概略図である。
【
図5】
図5は、本開示の一実施形態による、基板の底面上の第2の開口部の正射影を示す概略図である。
【
図6】
図6は、本発明のもう1つの実施形態による、半導体装置を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の開示では、本開示の異なる特徴を実施するために、多くの異なる実施形態または実施例を提供する。本開示を簡潔に説明するために、複数の構成および配列の複数の具体例を説明する。これらはもちろん単に例示するためであり、それに限定するという意図はない。例えば、第1の特徴において、下記の開示の第2の特徴の上に形成されるということは、第1と第2の特徴が直接接触して形成される複数の実施形態を含むことができ、且つ第1と第2の特徴が直接接触しないように、付加的な特徴が第1と第2の特徴間に形成された複数の実施形態を含むこともできる。
【0025】
例示された方法の前、間、または後に追加のステップを実施することができ、例示された方法の他の実施形態では、いくつかのステップが置き換えられるかまたは省略されてもよい。
【0026】
更に(以下の詳細な説明において)、「下の方」、「下方」、「下部」、「上の方」、「上方」、「上部」およびこれらに類する語のような、空間的に相対的な用語は、図において1つの要素または特徴と別の(複数の)要素と(複数の)特徴との関係を簡潔に説明するために用いられる。空間的に相対的な用語は、図に記載された方向に加えて、使用または操作する装置の異なる方向を包含することを意図している。装置は、他に方向づけされてもよく(90度回転、または他の方向に)、ここで用いられる空間的に相対的な記述は、同様にそれに応じて解釈され得る。
【0027】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本開示が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0028】
本開示は、以下の例において同じ構成要素の符号または文字を繰り返し用いる可能性がある。繰り返し用いる目的は、簡易化した、明確な説明を提供するためのもので、複数の以下に説明する実施形態および/または配置の関係を限定するものではない。
【0029】
本開示の実施形態の半導体装置は、指紋認証装置などの生体認証装置として用いられることができるが、本開示はそれに限定されない。本開示の実施形態に示される半導体装置は、要件に応じて、他の適切な装置に適用されることもできる。
【0030】
図1は、本開示の一実施形態による半導体装置100を示す部分断面図である。簡潔にするために、
図1では、半導体装置100のいくつかの構成要素が省略されている。
【0031】
図1に示すように、半導体装置100は、基板10を有する。いくつかの実施形態では、基板10の材料は、元素半導体(例えば、シリコン、ゲルマニウム)、化合物半導体(例えば、炭化タンタル(TaC)、ヒ化ガリウム(GaAs)、ヒ化インジウム(InAs)、またはリン化インジウム(InP))、合金半導体(例えば、シリコンゲルマニウム(SiGe)、シリコンゲルマニウムカーバイド(SiGeC)、ヒ化ガリウムリン化物(GaAsP)、またはインジウム化ガリウムリン化物(GaInP))、その他の任意の半導体、またはそれらの組み合わせを用いることができるが、本開示はこれらに限定されるものではない。
【0032】
いくつかの実施形態では、基板10は、シリコンオンインシュレータ(SOI)基板を適用することができる。例えば、基板10は、シリコンオンインシュレータ基板またはゲルマニウムオンインシュレータ基板を用いることができるが、本開示はこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、基板10は、半導体ウェハ(例えば、シリコンウェハ、または任意の他の適用可能な半導体ウェハ)を用いることができる。いくつかの実施形態では、基板10は、様々な導電的構成(例えば、導電線(conductive lines)またはビア)を用いることができる。例えば、導電的構成は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、タングステン(W)、それらの合金、他の適用可能な導電性材料、またはそれらの組み合わせを用いることができるが、本開示はこれらに限定されない。
【0033】
図1に示されるように、基板10は、複数の光電変換素子12を有する。いくつかの実施形態では、光電変換素子12は、イオン注入プロセスおよび/または拡散プロセスなどよって形成される。例えば、光電変換素子12は、トランジスタ、フォトダイオード、PINダイオード、および/または発光ダイオードを形成するように構成されることができるが、本開示はこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、光電変換素子12はアレイ構造を形成することができるが、本開示はこれに限定されない。
【0034】
図1に示されるように、半導体装置100は、基板10上に配置された第1の遮光層21を有する。
図1に示されるように、第1の遮光層21は、それぞれの光電変換素子12に対応する複数の第1の開口部21Aを有する。いくつかの他の実施形態では、第1の遮光層21の材料は、タングステン(W)、銅(Cu)、銀(Ag)などの金属を用いることができるが、本開示はこれらに限定されない。いくつかの他の実施形態では、第1の遮光層21の材料は、フォトレジスト(例えば、黒色のフォトレジスト、または透明でない他の適用可能なフォトレジスト)、インク(例えば、黒色のインク、または透明でない他の適用可能なインク)、成形化合物(例えば、黒色の成形化合物、または透明でない他の適用可能な成形化合物)、はんだマスク(例えば、黒色のはんだマスク、または透明でない他の適用可能なはんだマスク)、(黒色)エポキシ樹脂、任意の他の適用可能な材料、またはそれらの組み合わせを用いることができる。いくつかの実施形態では、第1の遮光層21の材料は、光硬化材料、熱硬化材料、またはそれらの組み合わせを用いることができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、第1の遮光層21の材料は、物理蒸着(PVD)、化学蒸着(CVD)、原子層蒸着(ALD)、分子線エピタキシー(MBE)、液相エピタキシー(LPE)、またはそれらの組み合わせなどの蒸着プロセスによって基板10上に堆積されてもよいが、本開示はこれに限定されるものではない。次に、
図1に示されるように、パターン化プロセスが行なわれ、第1の遮光層21の材料をパターン化して第1の開口部21Aを形成する。より詳細には、第1の遮光層21の材料の一部が、パターン化プロセスにおいて除去され、第1の開口部21aを形成する。いくつかの実施形態では、パターン化プロセスは、ソフトベーク、マスク位置合わせ、露光、露光後ベーク、現像、リンス、乾燥、任意の他の適用可能なプロセス、またはこれらの組み合わせを用いることができるが、本開示はこれらに限定されるものではない。
【0036】
図1に示すように、半導体装置100は、第1の遮光層21の上に配置された光透過層30を有する。より詳細には、
図1に示されるように、光透過層30は、第1の遮光層21の第1の開口部21A内に充填され、光電変換素子12上に配置される。いくつかの実施形態では、光透過層30の材料は、透明フォトレジスト、ポリイミド、エポキシ樹脂、任意の他の適用可能な材料、またはそれらの組み合わせを用いることができるが、本開示はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、光透過層30の材料は、光硬化材料、熱硬化材料、またはそれらの組み合わせを用いることができる。例えば、スピンオンコーティングプロセスが行なわれ、光透過層30の材料を第1の遮光層21(第1の開口部21A内)および光電変換素子12上にコーティングして光透過層30を形成することができるが、本開示はこれに限定されるものではない。
【0037】
図1に示すように、半導体装置100は、光透過層30内に配置された少なくとも1つの第2の遮光層23を有する。
図1に示すように、第2の遮光層23は、第1の開口部21Aおよび光電変換素子12に対応する複数の第2の開口部23Aを有する。いくつかの実施形態では、第2の開口部23Aの断面積23Cは、第1の開口部21Aの断面積21Cとは異なる。例えば、第2の開口部23Aの断面積23Cは、第1の開口部21Aの断面積21Cよりも大きく形成することができるが、本開示はこれに限定されるものではない。
【0038】
いくつかの実施形態では、第2の遮光層23の材料は、フォトレジスト(例えば、黒色のフォトレジスト、または透明でない他の適用可能なフォトレジスト)、インク(例えば、黒色のインク、または透明でない他の適用可能なインク)、成形化合物(例えば、黒色の成形化合物、または透明でない他の適用可能な成形化合物)、はんだマスク(例えば、黒色のはんだマスク、または透明でない他の適用可能なはんだマスク)、(黒色)エポキシ樹脂、任意の他の適用可能な材料、またはそれらの組み合わせを用いることができる。いくつかの実施形態では、第2の遮光層23の材料は、光硬化材料、熱硬化材料、またはそれらの組み合わせを用いることができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、光透過層30の一部は、第2の遮光層23を形成する前に形成される。次に、第2の遮光層23の材料は、堆積プロセスおよびパターン化プロセスによって、光透過層30の一部に堆積されてパターン化されることができる。堆積プロセスおよびパターン化プロセスの例は、上述した第1の遮光層21と同様であり、ここでは説明を省略する。次いで、光透過層30のもう一部が第2の遮光層23上に形成されて、第2の開口部23Aに充填され、これにより、第2の遮光層23が光透過層30内に配置されるが、本開示はこれに限定されない。
【0040】
図1に示すように、半導体装置100は、光透過層30上に配置された複数の集光構造40を有する。
図1に示されるように、集光構造40は、第2の開口部23A、第1の開口部21A、および光電変換素子12に対応する。いくつかの実施形態では、集光構造40は、マイクロレンズ構造を用いることができるが、本開示はそれに限定されない。いくつかの他の実施形態では、集光構造40は、マイクロピラミッド(micro-pyramid)構造、マイクロ台形(micro-trapezoidal)構造、または屈折率分布(gradient-index)構造を用いることができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、半導体装置100は傾斜システムと呼ばれる。即ち、半導体装置100は、傾斜光(例えば、30~50度の入射角の光線)を受光又は集光するように用いられる。これにより、半導体装置(生体認証装置)100内の光電変換素子12の反射がユーザに見えにくくなる。
【0042】
また、半導体装置100内の第2の遮光層23の第2の開口部23Aの形状は、従来の半導体装置(生体認証装置)の一般的な開口部と比べ、異なる形状とされる。本開示のいくつかの実施形態では、第2の開口部23Aは、長軸対称軸と、長軸対称軸に垂直な短軸対称軸とを有する。これは
図2を参照してより詳細に後述する。
【0043】
図2は、本開示の一実施形態による基板10の底面10B上の第1の開口部21Aの正射影21P、第2の開口部23Aの正射影23P、および集光構造40の正射影40Pを示す概略図である。
図1および
図2に示すように、いくつかの実施形態では、基板10の底面10B上の第2の開口部23Aの正射影23Pは、長軸対称軸23Lと、長軸対称軸23Lに垂直な短軸対称軸23Sとを有する。基板10の底面10B上の第2の開口部23Aの正射影23Pは、
図2に示すように例えば楕円形であるが、本開示はこれに限定されない。
【0044】
さらに、いくつかの実施形態では、短軸対称軸23Sは、基板10の底面10B上の第1の開口部21Aの正射影21Pの中心と、基板10の底面10B上の集光構造40の正射影40Pの中心との接続線Lと平行である。より詳細には、基板10の底面10B上の第2の開口部23Aの正射影23Pの短軸対称軸23Sは、接続線Lと重なることができる。換言すれば、短軸対称軸23Sの延長線は、基板10の底面10B上の第1の開口部21Aの正射影21Pの中心と、基板10の底面10B上の集光構造40の正射影40Pの中心とを通過する。
【0045】
図2に示されるように、いくつかの実施形態では、基板10の底面10B上の集光構造40の正射影40Pは円形であり、基板10の底面10B上の第2の開口部23Aの正射影23Pは楕円形であり、基板10の底面10B上の第1の開口部21Aの正射影21Pは円形である。即ち、長軸対称軸23Lは、第2の開口部23Aの正射影23Pの長径(major axis)であり、短軸対称軸23Sは、第2の開口部23Aの正射影23Pの短径(minor axis)であるが、本開示はこれに限定されない。
【0046】
図3は、本開示のもう1つの実施形態による、基板10の底面10B上の第1の開口部21Aの正射影21’P、第2の開口部23Aの正射影23’P、および集光構造40の正射影40’Pを示す概略図である。同様に、
図1および
図3に示すように、いくつかの実施形態では、基板10の底面10B上の第2の開口部23Aの正射影23’Pは、長軸対称軸23’Lと、長軸対称軸23’Lに垂直な短軸対称軸23’Sとを有する。
【0047】
図3に示されるように、いくつかの実施形態では、基板10の底面10B上の集光構造40の正射影40’Pは正方形であり、基板10の底面10B上の第2の開口部23Aの正射影23’Pは長方形であり、基板10の底面10B上の第1の開口部21Aの正射影21’Pは正方形であるが、本開示はこれに限定されない。
【0048】
基板10の底面10B上の集光構造40の正射影は、前述の実施形態での基板10の底面10B上の第1の開口部21Aの正射影と同じ形状を有するが、本開示はこれに限定されない。
図4は、本開示のもう1つの実施形態による、基板10の底面10B上の第1の開口部21Aの正射影21’P、第2の開口部23Aの正射影23’P、および集光構造40の正射影40’Pを示す概略図である。
【0049】
図4に示されるように、いくつかの実施形態では、基板10の底面10B上の集光構造40の正射影40Pは円形であり、基板10の底面10B上の第2の開口部23Aの正射影23’Pは長方形であり、基板10の底面10B上の第1の開口部21Aの正射影21’Pは正方形であるが、本開示はこれに限定されない。
【0050】
本開示のいくつかの他の実施形態では、半導体装置100の第2の遮光層23の第2の開口部23Aは、他の形状を有する。
図5は、本開示の一実施形態による、基板10の底面10B上の第2の開口部23Aの正射影23”Pを示す概略図である。同様に、
図1および
図5に示すように、いくつかの実施形態では、基板10の底面10B上の第2の開口部23Aの正射影23”Pは、長軸対称軸23”Lと、長軸対称軸23”Lに垂直な短軸対称軸23”Sとを有する。
【0051】
図5に示されるように、基板10の底面10B上の第2の開口部23Aの正射影23”Pは多角形状であるが、本開示はこれに限定されない。
【0052】
本開示の実施形態における第2の遮光層23の第2の開口部23A(または基板10の底面10B上の第2の開口部23Aの正射影)は、長軸対称軸と、長軸対称軸に垂直な短軸対称軸とを有し、これは傾斜光を受光又は集光し、クロストークを防止するように用いられ。これにより、半導体装置100の光電変換素子12からの画像信号の品質を向上させることができる。
【0053】
図6は、本発明のもう1つの実施形態による半導体装置102を示す部分断面図である。簡潔にするために、
図6では、半導体装置102のいくつかの構成要素が省略されている。
【0054】
図6に示すように、半導体装置102は、
図1に示される半導体装置100と同様の構造を有する。異なる点は、
図6に示された半導体装置102は、光透過層30上に配置された第3の遮光層25をさらに有することである。
図6に示されるように、第3の遮光層25は、第2の開口部23A、第1の開口部21A、および光電変換素子12に対応する複数の第3の開口部25Aを有する。
【0055】
いくつかの実施形態では、第3の遮光層25の材料は、第2の遮光層23の材料と同様であり、第3の遮光層25および第3の開口部25Aの形成方法は、上述の第2の遮光層23および第2の開口部23Aの形成方法と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0056】
図6に示されるように、いくつかの実施形態では、集光構造40は、第3の遮光層25の第3の開口部25Aを覆う。例えば、第3の開口部25Aは、例えば集光構造40と同じ形状に形成されるが、本開示はこれに限定されない。
【0057】
いくつかの実施形態では、第1の遮光層21と第2の遮光層23との間の距離D1は、第2の遮光層23と第3の遮光層25との間の距離D2とは異なるように形成されるが、本開示はこれに限定されない。いくつかの他の実施形態では、第1の遮光層21と第2の遮光層23との間の距離D1は、第2の遮光層23と第3の遮光層25との間の距離D2と同じであってもよく、これは、実際の必要性に応じて調整される。
【0058】
同様に、
図6の実施形態では、半導体装置102の第2の遮光層23の第2の開口部23Aは、長軸対称軸と、長軸対称軸に垂直な短軸対称軸とを有する。即ち、基板10の底面10B上の第2の開口部23Aの正射影は、
図2に示された正射影23P、
図3と
図4に示された正射影23’P、
図5に示された正射影23”Pのように示されることができるが、本開示はこれらに限定されない。
【0059】
要約すると、本発明の実施形態における半導体装置の中間遮光層(例えば、第2の遮光層23)の開口部(または基板の底面上の開口部の正射影)は、長軸対称軸と、長軸対称軸に垂直な短軸対称軸を有し、これは傾斜光を受光又は集光し、クロストークを防止するように用いられる。これにより、半導体装置の光電変換素子からの画像信号の品質を向上させることができる。
【0060】
前述の内容は、当業者が本開示の態様をよりよく理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、同じ目的を実行するため、および/または本明細書に導入される実施形態の同じ利点を達成するための他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として本開示を容易に使用できることを理解できるであろう。当業者はまた、そのような同等の構造が本開示の精神および範囲から逸脱せず、且つそれらは、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で様々な変更、置換、および代替を行うことができることを理解するべきである。従って、保護の範囲は請求項を通じて決定される必要がある。さらに、本開示のいくつかの実施形態が上記に開示されているが、それらは、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0061】
本明細書全体にわたる特徴、利点、または同様の用語への言及は、本開示で実現され得る全ての特徴および利点が、本開示の任意の単一の実施形態で実現されるべきまたは実現され得ることを意味するのではない。むしろ、特徴および利点に言及する用語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、利点、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味すると理解される。従って、本明細書全体にわたる特徴および利点、ならびに類似の用語の議論は、必ずしもそうではないが、同じ実施形態を指すことがある。
【0062】
さらに、1つまたは複数の実施形態では、本開示の説明された特徴、利点、および特性は、任意の適切な方法で組み合わせてもよい。当業者は、本明細書の説明に基づいて、特定の実施形態の1つまたは複数の特定の特徴または利点なしに本開示を実施できることを認識するであろう。他の例では、本開示の全ての実施形態に存在しない可能性がある、追加の特徴および利点が特定の実施形態において認識され得る。
【符号の説明】
【0063】
100、102 半導体装置
10 基板
10B 底面
12 光電変換素子
21 第1の遮光層
21A 第1の開口部
21C 第1の開口部の断面積
21P、21’P 正射影
23 第2の遮光層
23A 第2の開口部
23C 第2の開口部の断面積
23L、23’L、23”L 長軸対称軸
23P、23’P、23”P 正射影
23S、23’S、23”S 短軸対称軸
25 第3の遮光層
25A 第3の開口部
30 光透過層
40 集光構造
40P、40’P 正射影
D1 第1の遮光層と第2の遮光層の距離
D2 第2の遮光層と第3の遮光層の距離
L 接続線