(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】自律車両のための状況認識停車
(51)【国際特許分類】
G08G 1/133 20060101AFI20220722BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20220722BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20220722BHJP
B60W 30/10 20060101ALI20220722BHJP
B60W 30/06 20060101ALI20220722BHJP
B60W 50/10 20120101ALI20220722BHJP
【FI】
G08G1/133
G08G1/00 X
G01C21/34
B60W30/10
B60W30/06
B60W50/10
(21)【出願番号】P 2020504003
(86)(22)【出願日】2018-08-21
(86)【国際出願番号】 US2018047219
(87)【国際公開番号】W WO2019040431
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2020-03-09
(32)【優先日】2017-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ダイアー,ジョン ウェスリー
(72)【発明者】
【氏名】トーレス,ルイス
(72)【発明者】
【氏名】エプスタイン,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】デュプレ,ギヨーム
(72)【発明者】
【氏名】ハーバック,ジョシュア セス
【審査官】久保田 創
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-312439(JP,A)
【文献】特開2003-217096(JP,A)
【文献】中国実用新案第206231471(CN,U)
【文献】中国実用新案第206231467(CN,U)
【文献】特開平01-092900(JP,A)
【文献】特開2018-030499(JP,A)
【文献】特開2006-209574(JP,A)
【文献】中国実用新案第212750054(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/133
G08G 1/00
G01C 21/34
B60W 30/10
B60W 30/06
B60W 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバを有さない車両を停車させる方法であって、前記方法は、
乗客が前記車両に乗車した後、1つ以上のプロセッサによって、ルートに沿って行き先場所に向かって自律運転モードで前記車両を操縦することであって、前記ルートが、2つ以上のステージに分割されている、操縦することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記乗客が前記車両の停車または脇寄せをリクエストしていることを示す信号を受信することと、
前記信号を受信することに応答して、前記1つ以上のプロセッサによって、(1)前記乗客が前記車両に乗車するピックアップ場所からの前記車両の時間または空間上の現在の距離、または(2)前記行き先場所からの前記車両の時間または空間上の現在の距離、に基づいて、前記ルートの現在のステージを判定することと、
前記1つ以上のプロセッサによって、前記判定された現在のステージに応じて前記車両を停車させること
であって、(1)前記判定された現在のステージが、前記乗客が前記車両に乗車した駐車場から時間または空間上の所定の閾値距離以内である場合は、前記信号が受信されたときに前記車両の現在の場所において前記車両を停車させること、及び(2)前記判定された現在のステージが、前記行き先場所から時間または空間上の所定の閾値距離以内であり、前記車両が、停車するためにすでに操縦している場合は、前記停車に向けて前記操縦することを継続して前記信号を無視すること、を含むことと、を含む、方法。
【請求項2】
前記車両が停車されている間、前記乗客が前記車両を退出し、再乗車するのを待つことをさらに含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
前記判定された現在のステージは、前記ピックアップ場所から時間または空間上の所定の閾値距離以内であり、前記車両を停車させることは、前記信号が受信されたとき、前記車両を前記車両の現在の場所において停車させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記車両が停車されている間、前記乗客が前記車両を退出し、再乗車するのを待つことをさらに含む、請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記判定された現在のステージは、前記行き先場所から時間または空間上の所定の閾値距離を超えており、前記車両を停車させることは、
前記車両が、停車し、乗客が前記車両を退出することを可能にすることができる脇寄せ地点を識別する地図情報にアクセスすることと、
前記脇寄せ地点のうちの利用可能である1つを識別することと、
前記脇寄せ地点のうちの前記利用可能である1つに前記車両を停車させることと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記判定された現在のステージは、前記行き先場所から時間または空間上の所定の閾値距離を超えており、前記方法が、
前記行き先に向かって前記車両を操縦する前に、前記行き先場所を前記車両の行き先ゴールとして設定することと、
前記信号が受信されたとき、前記車両の現在の場所を前記車両の新規行き先ゴールとして設定することと、をさらに含み、前記車両を停車させることが、前記新規行き先ゴールにさらに基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記車両を停車させることは、
前記判定された現在のステージが、前記行き先場所から時間または空間上の所定の閾値距離以内であり、前記車両が、停車するためにまだ操縦していない場合は、前記信号が受信されたとき、前記車両の現在の場所において前記車両を停車させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ドライバを有さない車両を停車させるためのシステムであって、前記システムは、
乗客が前記車両に乗車した後、ルートに沿って行き先場所に向かって自律運転モードで前記車両を操縦することであって、前記ルートが、2つ以上のステージに分割されている、縦することと、
前記乗客が、前記車両の停車または脇寄せをリクエストしていることを示す信号を受信することと、
前記信号を受信することに応答して、(1)前記乗客が前記車両に乗車するピックアップ場所からの前記車両の時間または空間上の現在の距離、または(2)前記行き先場所からの前記車両の時間または空間上の現在の距離、に基づいて、前記ルートの現在のステージを判定することと、
前記判定された現在のステージに応じて前記車両を停車させること
であって、(1)前記判定された現在のステージが、前記乗客が前記車両に乗車した駐車場から時間または空間上の所定の閾値距離以内である場合は、前記信号が受信されたときに前記車両の現在の場所において前記車両を停車させること、及び(2)前記判定された現在のステージが、前記行き先場所から時間または空間上の所定の閾値距離以内であり、前記車両が、停車するためにすでに操縦している場合は、前記停車に向けて前記操縦することを継続して前記信号を無視すること、を含むことと、を行うように構成された1つ以上のプロセッサを有する1つ以上のコンピューティングデバイスを備える、システム。
【請求項9】
前記1つ以上のプロセッサは、前記車両が停車されている間、前記乗客が前記車両を退出し、再乗車するのを待つようにさらに構成されている、請求項
8に記載のシステム。
【請求項10】
前記判定された現在のステージは、前記ピックアップ場所から時間または空間上の所定の閾値距離以内であり、前記1つ以上のプロセッサは、前記信号が受信されたときに、前記車両の現在の場所において前記車両を停車させることによって、前記車両を停車させるようにさらに構成されている、請求項
8に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上のプロセッサは、前記車両が停車されている間、前記乗客が前記車両を退出し、再乗車するのを待つようにさらに構成されている、請求項
10に記載のシステム。
【請求項12】
前記判定された現在のステージは、前記行き先場所から時間または空間上の所定の閾値距離を超えており、前記1つ以上のプロセッサは、
前記車両が、停車し、乗客が前記車両を退出するのを可能にすることができる脇寄せ地点を識別する地図情報にアクセスすることと、
前記脇寄せ地点のうちの利用可能である1つを識別することと、
前記脇寄せ地点のうちの前記利用可能である1つに前記車両を停車させることと、によって、前記車両を停車させるようにさらに構成されている、請求項
8に記載のシステム。
【請求項13】
前記判定された現在のステージは、前記行き先場所から時間または空間上の所定の閾値距離を超えており、前記1つ以上のプロセッサが、
前記行き先に向かって前記車両を操縦する前に、前記行き先場所を前記車両のための行き先ゴールとして設定することと、
前記信号が受信されたとき、前記車両の現在の場所を前記車両の新規行き先ゴールとして設定することと、を行うようにさらに構成されており、前記車両を停車させることが、前記新規行き先ゴールにさらに基づいている、請求項
8に記載のシステム。
【請求項14】
前記判定された現在のステージは、前記行き先場所から時間または空間上の所定の閾値距離以内であり、前記1つ以上のプロセッサは、
前記車両が、停車するためにまだ操縦していない場合は、前記信号が受信されたとき、前記車両の現在の場所において前記車両を停車させることによって、前記車両を停車させるようにさらに構成されている、請求項
8に記載のシステム。
【請求項15】
前記車両をさらに備える、請求項
8に記載のシステム。
【請求項16】
命令が格納されている非一過性コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、前記1つ以上のプロセッサに、ドライバを有さない車両を停車させる方法を実行させ、前記方法は、
乗客が前記車両に乗車した後、ルートに沿って行き先場所に向かって自律運転モードで前記車両を操縦することであって、前記ルートが、2つ以上のステージに分割されている、操縦することと、
前記乗客が前記車両の停車または脇寄せをリクエストしていることを示す信号を受信することと、
前記信号を受信することに応答して、(1)前記乗客が前記車両に乗車するピックアップ場所からの前記車両の時間または空間上の現在の距離、または(2)前記行き先場所からの前記車両の時間または空間上の現在の距離、に基づいて、前記ルートの現在のステージを判定することと、
前記判定された現在のステージに応じて、前記車両を停車させること
であって、(1)前記判定された現在のステージが、前記乗客が前記車両に乗車した駐車場から時間または空間上の所定の閾値距離以内である場合は、前記信号が受信されたときに前記車両の現在の場所において前記車両を停車させること、及び(2)前記判定された現在のステージが、前記行き先場所から時間または空間上の所定の閾値距離以内であり、前記車両が、停車するためにすでに操縦している場合は、前記停車に向けて前記操縦することを継続して前記信号を無視すること、を含むことと、を含む、非一過性コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
再乗車するのを待つことは、前記乗客が前記車両のドアを開けたままにした場合、前記乗客が前記車両に再乗車するのを待つことを含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項18】
再乗車するのを待つことは、前記車両のドアが乗客によって閉められるまで、前記乗客が前記車両に再乗車するのを待つことを含む、請求項
2に記載の方法。
【請求項19】
再乗車するのを待つことは、再乗車のための追加時間を希望するかどうかを尋ねる通知を前記乗客のクライアントコンピューティングデバイスに送信することを含む、請求項
2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年8月22日に出願された米国特許出願第15/683,028号の継続であり、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
人間のドライバを必要としない車両などの自律車両を使用して、1つの場所から別の場所に乗客または品物を輸送するために役立たせることができる。このような車両は、乗客が行き先などのいくつかの初期入力を与え得る完全自律モードで動作することができ、車両自体が当該行き先まで操縦する。
【0003】
一般的なタクシーサービスの場合、乗客および車両(ならびに/またはドライバ)は、互いに割り当てられ、車両は、停車して乗客が乗車することを可能にし、一旦安全に内部に乗車すると、車両は、行き先場所に操縦され、おそらくその乗客によって選別される。人間のドライバが居る場合、乗客は、乗客の希望を伝え、車両の環境に関する乗客の評価に基づいて、かなり容易に特定の場所で降車することができる。次いで、ドライバは、停車して乗客を降ろすことが安全であるかどうかについての判断を行うことができる。しかしながら、ドライバを有さない車両の場合、特定の場所(特に、その特定の場所が、行き先場所でない場合)において車両から降りたいという乗客の希望を伝達することは、極めて込み入ったことである。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、ドライバを有さない車両を停車する方法であって、この方法は、乗客が車両に乗車した後、1つ以上のプロセッサによって、ルートに沿って行き先場所に向かって自律運転モードで車両を操縦することであって、ルートが、2つ以上のステージに分割されている、操縦することと、1つ以上のプロセッサによって、乗客が車両の停車または脇寄せをリクエストしていることを示す信号を受信することと、信号を受信することに応答して、1つ以上のプロセッサによって、(1)乗客が車両に乗車するピックアップ場所からの車両の現行距離、または(2)行き先場所からの車両の現行距離、に基づいて、ルートの現行ステージを判定することと、1つ以上のプロセッサによって、判定された現行ステージに応じて車両を停車させることと、を含む。
【0005】
一例では、判定された現行ステージは、乗客が車両に乗車した駐車場にある車両に対応し、車両を停車することは、信号が受信されたときに車両の現行場所において車両を停車させることを含む。この例では、その方法はまた、車両が停車されている間、乗客が車両を退出し、再乗車するのを待つことをも含む。別の例では、判定された現行ステージは、車両がピックアップ場所から所定の閾値以内にあることに対応し、車両を停車させることは、信号が受信されたとき、車両を車両の現行場所において停車させることを含む。この例では、車両が停車されている間、乗客が車両を退出し、再乗車するのを待つことをさらに含む。別の例では、判定された現行ステージは、車両が行き先場所から所定の閾値を超えていることに対応し、車両を停車させることが、車両が停車し、乗客が車両を退出することを可能にすることができる脇寄せ地点を識別するマップ情報にアクセスすることと、脇寄せ地点のうちの利用可能である1つを識別することと、脇寄せ地点のうちの利用可能である1つに車両を停車させることと、を含む。別の例では、判定された現行ステージは、車両が行き先場所から所定の閾値を超えていることに対応し、方法はまた、行き先に向かって車両を操縦する前に、行き先場所を車両の行き先ゴールとして設定することと、信号が受信されたとき、車両の現行場所を車両の新規行き先ゴールとして設定することと、をさらに含み、車両を停車させることは、新規行き先ゴールにさらに基づいている。別の例では、判定された現行ステージは、車両が行き先場所から所定の閾値以内にあることに対応し、車両を停車させることは、信号が受信されたとき、車両の現行場所において車両を停車させることを含む。別の例では、判定された現行ステージは、車両が行き先場所から所定の閾値以内にあることに対応し、車両を停車させることは、車両が、停車するためにすでに操縦しているかどうかを判定することと、車両が、停車するためにすでに操縦していると判定された場合に、停車に向けて操縦することを継続すること、および信号を無視することと、を含む。
【0006】
本開示の別の態様は、ドライバを有さない車両を停車させるためのシステムを提供する。このシステムは、乗客が車両に乗車した後、ルートに沿って行き先場所に向かって自動運転モードで車両を操縦することであって、前記ルートが、2つ以上のステージに分割されている、操縦することと、乗客が、車両の停車または脇寄せをリクエストしていることを示す信号を受信することと、信号を受信することに応答して、(1)乗客が車両に乗車するピックアップ場所からの車両の現行距離、または(2)行き先場所からの車両の現行距離、に基づいて、ルートの現行ステージを判定することと、判定された現行ステージに応じて車両を停車させることと、を行うように構成された1つ以上のプロセッサを有する1つ以上のコンピューティングデバイスを備える。
【0007】
一例では、判定された現行ステージは、車両が、乗客が車両に乗車した駐車場にあることに対応し、1つ以上のプロセッサは、信号が受信されたときに、車両の現行場所において車両を停車させることによって、車両を停車させるようにさらに構成されている。この例では、1つ以上のプロセッサは、車両が停車されている間、乗客が車両を退出し、再乗車するのを待つようにさらに構成されている。別の例では、判定された現行ステージは、車両がピックアップ場所から所定の閾値以内にあることに対応し、1つ以上のプロセッサは、信号が受信されたときに、車両の現行場所において車両を停車させることによって、車両を停車させるようにさらに構成されている。別の例では、1つ以上のプロセッサは、車両が停車されている間、乗客が車両を退出し、再乗車するのを待つようにさらに構成されている。別の例では、判定された現行ステージは、車両が行き先場所から所定の閾値を超えていることに対応し、1つ以上のプロセッサは、車両が停車し、乗客が車両を退出するのを可能にすることができる脇寄せ地点を識別する地図情報にアクセスすることと、脇寄せ地点のうちの利用可能である1つを識別することと、脇寄せ地点のうちの利用可能である1つに車両を停車させること、によって、車両を停車させるように構成されている。別の例では、判定された現行ステージは、車両が行き先場所から所定の閾値を超えていることに対応し、1つ以上のプロセッサが、行き先に向かって車両を操縦する前に、行き先場所を車両のための行き先ゴールとして設定することと、信号が受信されたときに、車両の現行場所を車両のための新規行き先ゴールとして設定することと、を行うようにさらに構成されており、車両を停車させることが、新規行き先ゴールにさらに基づいている。別の例では、判定された現行ステージは、車両が行き先場所から所定の閾値以内にあることに対応し、1つ以上のプロセッサは、信号が受信されたときに、車両の現行場所において車両を停車させることによって、車両を停車させるようにさらに構成されている。別の例では、判定された現行ステージは、車両が行き先場所から所定の閾値以内にあることに対応し、車両を停車させることは、車両が、停車するためにすでに操縦しているかどうかを判定することと、車両が、停車するためにすでに操縦していると判定された場合に、停車に向けて操縦することを継続すること、および信号を無視することと、を含む。別の例では、システムはまた、車両をも備える。
【0008】
本開示のさらなる態様は、命令が格納されている非一過性コンピュータ可読媒体を提供する。これらの命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されたときに、1つ以上のプロセッサに、ドライバを有さない車両を停車させる方法を実行させる。この方法は、乗客が車両に乗車した後、ルートに沿って行き先に向かって自律運転モードで車両を操縦することであって、ルートが、2つ以上のステージに分割されている、操縦することと、乗客が車両の停車または脇寄せをリクエストしていることを示す信号を受信することと、信号を受信することに応答して、(1)乗客が車両に乗車するピックアップ場所からの車両の現行距離、または(2)行き先場所からの車両の現行距離、に基づいて、ルートの現行ステージを判定することと、判定された現行ステージに応じて車両を停車させることと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】典型的な実施形態に係る例示的な車両の機能図である。
【
図2】典型的な実施形態に係る例示的なシステムの機能図である。
【
図3】本開示の態様に係る
図2のシステムの絵図である。
【
図4A】本開示の態様に係る車両の例示的な外観図である。
【
図4B】本開示の態様に係る車両の例示的な外観図である。
【
図4C】本開示の態様に係る車両の例示的な外観図である。
【
図4D】本開示の態様に係る車両の例示的な外観図である。
【
図5】本開示の態様に係る車両の例示的な内装図である。
【
図6】本開示の態様に係る車両のコンソールの例である。
【
図7】本開示の態様に係るボタンの状態の例である。
【
図8】本開示の態様に係る車両の別のコンソールの例である。
【
図10】本開示の態様に係る地理上のエリアの例示的な鳥瞰図である。
【
図11】本開示の態様に係る地理上のエリアおよびデータの例示的な鳥瞰図である。
【
図12】本開示の態様に係る地理上のエリアおよびデータの別の例示的な鳥瞰図である。
【
図13】本開示の態様に係る道程のステージに関する例示的な概要図である。
【
図14】本開示の態様に係る地理上のエリアおよびデータのさらなる例示的な鳥瞰図である。
【
図15】本開示の態様に係る地理上の区域およびデータのさらなる例示的な鳥瞰図である。
【
図16】本開示の態様に係る地理上のエリアおよびデータのさらなる例示的な鳥瞰図である。
【
図17】本開示の態様に係る例示的なフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
概要
本技術の態様は、人間のドライバを有さない車両、例えば、自律車両において、乗客を降車させるための状況認識停車に関する。上述したように、これは、人間のドライバの不在、および内包する安全性リスクに起因して、極めて難しいことであり得る。
【0011】
一例では、乗客は、車両内、および/または乗客のクライアントデバイス上の「脇寄せ」または「停車」ボタンを押下することによって、意思を表すことができる。これにより、車両のコンピューティングデバイスに信号を送信することができる。これに応答して、コンピューティングデバイスは、現行のルートに沿って第1の使用可能である脇寄せ地点において脇寄せすることを試みることができる。場合によっては、これらの脇寄せ地点は、コンピューティングデバイスにより使用される地図情報内に脇寄せ地点として予め指定されて、車両を操縦することができる。いずれにしても、この応答は、特により高い速度制限を伴う道路上で地点を見つけるには、ある程度の時間がかかる可能性があるため、問題となり得る。当然のことながら、コンピューティングデバイスが、5分程度などの短期間の内に車両を脇寄せすることができない場合、そのとき、コンピューティングデバイスは、車線(この車線は、左側運転席の国では、右側に対して最も遠い位置にあると仮定する)内、または可能であれば、路肩内に車両を停車させることができる。
【0012】
前述のボタンを使用することによって、コンピューティングデバイスが行き先場所を変更または更新することを可能にするように動作し得る。例えば、一旦、乗客がボタンを使用すると、コンピューティングデバイスは、行き先場所を車両の現行場所に更新することができる。このような例では、コンピューティングデバイスが車両を速やかに脇寄せすることができる場合、それらのコンピューティングデバイスは、脇寄せすることができる。これが不可能である場合、コンピューティングデバイスは、更新された行き先場所に向かって車両を戻すように経由させることができる。
【0013】
車両が行き先場所までのルートに沿ってどの程度まで進行しているのか、または車両が行き先場所からどの程度離れているのかに応じて、この情報は、コンピューティングデバイスによって使用されて、車両をどこでかつどのように停車させ、ならびに乗客を車両から降ろすかを判定することができる。この点において、道程またはルートは、各ステージ、すなわち、初期ステージ、中期ステージ、および後期ステージに分割され得る。
【0014】
初期ステージでは、コンピューティングデバイスは、ボタンを使用した乗客に応答して、車両の現行位置において直ちに停車させることができる。例えば、ボタンからの信号に応答して、コンピューティングデバイスは、ある程度の時間を乗客に与えて、必要ならば、車両を退出または再乗車させることができる。いくつかの状況では、コンピューティングデバイスは、乗客が車両のドアを開けたままにした場合、乗客が車両に再乗車することを単に待つだけでよい。また、これにより、往来の流れを乱すことなく、車両から降り、品物を取り出し、車両の中に戻る乗客の時間を与えることができる。別の方法として、ドアが閉められている場合、または乗客が長期間居ない場合、その乗客は、道程をキャンセルしたとみなされてもよい。
【0015】
車両が、往来の車線中に完全に同化しているが、行き先場所から第2の閾値距離を超えて離れている場合、車両は、道程の中期ステージ内にあり得る。信号に応答して、コンピューティングデバイスは、最も近くの脇寄せ地点を見つけることを試み得る。一例として、この第2の閾値距離は、100メートルまたは1分程度であってもよい。また、上述したように、最も近くの脇寄せ地点は、地図情報から識別される最も近くの利用可能な地点であってもよい。一旦脇寄せされると、コンピューティングデバイスは、車両を退出する時間であることを乗客に示し、そして乗客が車両を退出することを可能にすることができる。
【0016】
車両が、行き先場所から第2の閾値距離以内にある場合、車両は、ルートの後期ステージ内にあり得る。このステージにおいてボタンを使用した乗客に対するコンピューティングデバイスの応答は、コンピューティングデバイスが、既に脇寄せ地点を識別し、車両を当該脇寄せ地点に操縦することを試みているかどうかに依存し得る。そのような場合、コンピューティングデバイスは、ボタンからの信号を「無視」し、車両を脇寄せ地点に脇寄せし続けることができる。そうでない場合、コンピューティングデバイスは、上述したように、行き先を車両の現行場所に変更し、最も近くの利用可能な場所に車両を停車させて、その状況下で停車を実行することができる。場合によっては、これにより、コンピューティングデバイスが、さらに往来の現行状況および車道の速度制限に応じて、車両を直ちに停車させることを可能にすることができる。
【0017】
本明細書に記載された特徴は、自律車両の状況認識停車を提供するのだが、行き先に到着する前に、乗客が車両から外に安全かつ利便性よく降りることができることを可能にすることができる。これらの特徴はまた、乗客が車両から降りることを希望する正確な場所を識別しているコンピューティングデバイスの負担を、ある程度軽減することもできる。最終的には、ユーザが、車両、ならびにユーザのクライアントコンピューティングデバイス内のボタンを使用して乗車を終了させることを可能にする機能性は、ユーザが、このような車両内で移動している間に抱く制御感覚を高めることができる。
例示的システム
【0018】
図1に示すように、本開示の一態様に係る車両100は、様々な構成要素を含む。本開示の特定の態様は、特に車両の具体的な種類と関連して有効である一方、車両は、乗用車、トラック、バス、レジャー用車両等を含む任意の種類の車両であってもよく、ただし、これらに限定されない。車両は、1つ以上のプロセッサ120、メモリ130、および汎用コンピューティングデバイスに典型的に存在する他の構成要素を搭載するコンピューティングデバイス110などの1つ以上のコンピューティングデバイスを有し得る。
【0019】
メモリ130は、1つ以上のプロセッサ120によってアクセス可能な情報を格納し、その情報には、プロセッサ120によって実行ないし使用され得る命令134およびデータ132が含まれる。メモリ130は、プロセッサによってアクセス可能な情報を格納することができる任意の種類のものであってもよく、コンピューティングデバイス可読媒体、またはハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、もしくは他の光ディスクなどの電子デバイスを用いて読み出され得るデータを格納する他の媒体、ならびに書き込み可能および読み出し専用メモリが含まれる。システムおよび方法は、前述の様々な組み合わせを含んでもよく、その組み合わせによって、命令およびデータの異なる部分が、異なる種類の媒体上に格納される。
【0020】
命令134は、プロセッサによって直接的(マシンコードなど)または間接的(スクリプトなど)に実行される任意の命令セットであってもよい。例えば、命令は、コンピューティングデバイス可読媒体上にコンピューティングデバイスコードとして格納されてもよい。その点において、用語「命令」および「プログラム」は、本明細書では、区別なく使用され得る。命令は、プロセッサによる直接処理のためのオブジェクトコードフォーマット内に、または要求時にインタープリットされるか、またはあらかじめコンパイルされている独立ソースコードモジュールのスクリプトもしくはコレクションを含む任意の他のコンピューティングデバイス言語内に格納されてもよい。命令の機能、方法、およびルーティンについては、以下にさらに詳細に説明される。
【0021】
データ132は、命令134に基づいて、プロセッサ120によって検索、格納、または修正されてもよい。例えば、特許請求の範囲の主題は、任意の特定のデータ構造によって限定されないが、データは、コンピューティングデバイスレジスタ内に、複数の異なるフィールドおよびレコード、XML文書、もしくはフラットファイルを有する表としてのリレーショナルデータベース内に格納されてもよい。データはまた、任意のコンピューティングデバイス可読フォーマットでフォーマットされてもよい。
【0022】
1つ以上のプロセッサ120は、市販のCPUなどの従来の任意のプロセッサであってもよい。別の方法として、1つ以上のプロセッサは、ASICまたは他のハードウェアベースのプロセッサなどの専用デバイスであってもよい。
図1は、同じブロック内に存在するように、プロセッサ、メモリ、およびコンピューティングデバイス110の他の要素を機能的に例示しているが、プロセッサ、コンピューティングデバイス、もしくはメモリは、実際には、同じ物理的なハウジング内に格納されても、または格納されていなくてもよい複数のプロセッサ、コンピューティングデバイス、もしくはメモリを含んでもよいことは、当業者であれば、理解されるであろう。例えば、メモリは、コンピューティングデバイス110のハウジングとは異なるハウジング内に搭載されたハードドライブまたは他の記憶媒体であってもよい。したがって、プロセッサまたはコンピューティングデバイスへの言及は、並列に動作してもしなくてもよい、プロセッサもしくはコンピューティングデバイス、またはメモリの集合体への言及を含むものと理解されたい。
【0023】
コンピューティングデバイス110は、上述のプロセッサおよびメモリなどのコンピューティングデバイス、ならびにユーザ入力150(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーン、および/またはマイクロフホン)、および様々な電子ディスプレイ(例えば、情報を表示するように動作可能であるスクリーンもしくは任意の他の電気デバイスを有するモニタ)と接続して通常使用されるすべての構成要素を含んでもよい。この例では、車両は、内部電子ディスプレイ152、ならびに1つ以上のスピーカー154を備えて、情報または音響映像体験を提供する。この点において、内部電子ディスプレイ152は、車両100の客室内に設置されてもよく、コンピューティングデバイス110によって使用されて車両100内の乗客に情報を提供してもよい。
【0024】
コンピューティングデバイス110はまた、以下に詳細に説明されるクライアントコンピューティングデバイスおよびサーバコンピューティングデバイスなどの他のコンピューティングデバイスとの通信を容易にするための1つ以上の無線ネットワーク接続156を含んでもよい。無線ネットワーク接続は、Bluetooth、Bluetooth低エネルギー(LE)、移動通信接続、ならびにインターネット、World Wide Web、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルネットワーク、1つ以上の会社に対して通信プロトコル所有権を使用したプライベートネットワーク、イーサネット、WiFiおよびHTTP、ならびに上記の様々な組み合わせなどの狭域通信プロトコルを含んでもよい。
【0025】
一例では、コンピューティングデバイス110は、車両100の中に組み込まれた自律運転コンピューティングシステムであってもよい。自律運転コンピューティングシステムは、車両の様々な構成要素と通信することが可能であり得る。例えば、
図1に戻ると、コンピューティングデバイス110は、減速システム160、加速システム162、ステアリングシステム164、信号システム166、ナビゲーションシステム168、測位システム170、および知覚システム172などの車両100の様々なシステムと通信して、メモリ130の命令134に基づいて車両100の移動、速度等を制御することができる。また、これらのシステムは、コンピューティングデバイス110の外部にあるように示されているが、現実には、これらのシステムもまた、車両100を制御するための自律運転コンピューティングとしても、コンピューティングデバイス110の中にさらに組み込まれてもよい。
【0026】
一例として、コンピューティングデバイス110は、車両の速度を制御するために、減速システム160および加速システム162とやりとりすることができる。同様に、ステアリングシステム164は、車両100の方向を制御するために、コンピュータ110によって使用されてもよい。例えば、車両100が、乗用車またはトラックなど、道路上で使用するために構成されている場合、ステアリングシステムは、車両の向きを変えるための車輪の角度を制御するための構成要素を含んでもよい。信号システム166は、コンピューティングデバイス110によって使用され、例えば、必要なときに方向指示器またはブレーキライトを点灯することによって、車両の意図を他のドライバまたは車両に合図することができる。
【0027】
ナビゲーションシステム168は、コンピューティングデバイス110によって使用され、ある場所へのルートを判定および追従することができる。この点において、ナビゲーションシステム168および/またはデータ132は、詳細な地図情報、例えば、車道の形状および標高、車線ライン、交差点、横断歩道、速度制限、交通信号、建造物、標識、リアルタイム交通情報、脇寄せ地点の植生、または他のそのような対象物および情報を識別する極めて詳細な地図を格納することができる。以下にさらに説明されているように、これらの脇寄せ地点は、車両が、ある期間の間、路肩、駐車地点、駐車場、緊急脇寄せ地点等に合法的に停車および駐車することができる、「手動」選択または識別されるエリアであってもよい。
【0028】
図9は、車道の区間に対する地図情報900の一例である。地図情報900は、形状、場所、および他の様々な道路特徴の特性を識別する情報を含む。この例では、地図情報は、縁石920、車線ライン922、924、926、および縁石928によって境界が付けられた3つの車線912、914、916を含む。車線912および914は、往来の流れと同じ方向(東に向かう方向)を有し、これに対して、車線916は、往来の流れと異なる方向(西に向かう方向)を有する。さらに、車線912は、車線914よりもはるかに広く、例えば、車両が縁石920の近くに駐車することができる。この点において、地図情報900はまた、地図情報内で識別される複数の脇寄せ地点930~940をも含む。地図情報の例は、いくつかの道路特徴、例えば、地図情報900の車道の特質として与えられた縁石、車線ライン、および車線のみを含むが、地図情報はまた、交通信号灯、交差点、歩道、一時停止標識、先方優先通行標識、速度制限標識、道路標識などの様々な他の道路特徴をも識別することができる。図示されていないが、詳細な地図情報はまた、速度制限、および他の法定交通要件を識別する情報、ならびに様々な日付および時間における典型的および履歴上の交通状態を識別する履歴情報をも含んでもよい。
【0029】
測位システム170は、地図上または地球上の車両の相対的または絶対的な位置を判定するために、コンピューティングデバイス110によって使用され得る。例えば、測位システム170は、デバイスの緯度、経度、および/または高度位置を判定するためのGPS受信機を含んでもよい。レーザーを使った位置決めシステム、慣性支援システム、またはカメラを使った位置決めなどの他の位置測定システムもまた、車両の場所を識別するために使用されてもよい。車両の場所は、緯度、経度、および高度などの絶対的な地理上の場所、ならびに多くの場合において、より少ないノイズで当該絶対的な地理上の場所であると判定され得る、車両の周りを刻々走る他の自動車に対する場所などの相対的な場所情報を含んでもよい。
【0030】
測位システム170はまた、加速度計、ジャイロスコープ、または車両の方向および速度、もしくはそれらの変化を判定するための別の方向/速度検出デバイスなどの、コンピューティングデバイス110と通信する他のデバイスをも含んでもよい。単なる例として、加速デバイスは、重力の方向、または重力に関して垂直な平面に対して、その加速デバイスのピッチ、ヨー、またはロール(またはそれらの変化)を判定することができる。そのデバイスはまた、そのような変化の、速度および方向における増減を追跡することもできる。本明細書に記載されているように、場所および配向データに関するデバイスの提供は、コンピューティングデバイス110、他のコンピューティングデバイス、および上記の組み合わせに自動的に提供され得る。
【0031】
知覚システム172はまた、他の車両、車道内の障害物、交通信号、標識、植生等の、車両の外部の対象物を検出するための1つ以上の構成要素をも含む。例えば、知覚システム172は、レーザー、ソナー、レーダー、カメラ、および/またはコンピューティングデバイス110によって処理され得るデータを記録する任意の他の検出デバイスを含んでもよい。車両が、乗用車などの小型乗客車両である場合には、乗用車は、レーザー、または屋根もしくは他の都合のよい場所の上に搭載される他のセンサを含んでもよい。
【0032】
コンピューティングデバイス110は、様々な構成要素を制御することによって、車両の方向および速度を制御することができる。例として、コンピューティングデバイス110は、詳細な地図情報およびナビゲーションシステム168からのデータを使用して、車両を行き先場所まで完全に自律的にナビゲートすることができる。コンピューティングデバイス110は、測位システム170を使用して車両の場所を判定し、その場所に安全に到着する必要がある場合には、知覚システム172を使用して対象物を検出および応答することができる。そのようにするため、コンピューティングデバイス110は、車両が加速すること(例えば、加速システム162によってエンジンに供給される燃料または他のエネルギーを増やすことによって)、減速すること(例えば、エンジンに供給される燃料を減らすこと、ギアを変更することによって、および/または減速システム160によるブレーキをかけることによって)、方向を変えること(例えば、ステアリングシステム164により車両100の前部または後部車輪の方向を変えることによって)、およびそのような変更を信号で伝えること(例えば、信号システム166の方向指示器を点灯することによって)を可能にすることができる。このため、加速システム162および減速システム160は、車両のエンジンと車両の車輪との間に様々な構成要素を含む動力伝達系の一部であってもよい。さらに、これらのシステムを制御することによって、コンピューティングデバイス110はまた、自律走行で車両を操縦するために、車両の動力伝達系を制御することもできる。
【0033】
車両100のコンピューティングデバイス110はまた、他のコンピューティングデバイスに、および他のコンピューティングデバイスから情報を受信または転送することもできる。
図2および3は、複数のコンピューティングデバイス210、220、230、240、およびネットワーク260を介して接続された記憶システム250を含む例示的なシステム200の、それぞれ、絵図および機能図である。システム200はまた、車両100、および車両100と同様に構成され得る車両100Aをも含む。いくつかの車両およびコンピューティングデバイスのみが、説明を単純にするために図示してあるが、典型的なシステムは、極めてより多くのものを含んでもよい。
【0034】
図3に示すように、コンピューティングデバイス210、220、230、240の各々は、1つ以上のプロセッサ、メモリ、データ、および命令を含むことができる。このようなプロセッサ、メモリ、データ、および命令は、同様に、コンピューティングデバイス110の1つ以上のプロセッサ120、メモリ130、データ132、および命令134に構成され得る。
【0035】
ネットワーク260、および中間にあるノードは、BLUETOOTH、BluetoothLE、インターネット、World Wide Web、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルネットワーク、1つ以上の会社に対して通信専用プロトコルを用いたプライベートネットワーク、イーサネット、WiFiおよびHTTP、ならびに上記の様々な組み合わせなどの狭域通信プロトコルを含む各種の構成およびプロトコルを含んでもよい。このような通信は、モデムおよび無線インターフェースなどの他のコンピューティングデバイスに、および他のコンピューティングデバイスから、データを送信することができる任意のデバイスによって促進され得る。
【0036】
一例では、1つ以上のコンピューティングデバイス110は、複数のコンピューティングデバイスを有するサーバ、例えば、負荷分散サーバファームを含んでもよく、その負荷分散サーバファームは、他のコンピューティングデバイスに、および他のコンピューティングデバイスから、データを受信、処理、および送信することを目的として、ネットワークの異なるノードを使用して情報を交換する。例えば、1つ以上のコンピューティングデバイス210は、1つ以上のサーバコンピューティングデバイスを含んでもよく、その1つ以上のサーバコンピューティングデバイスは、車両100のコンピューティングデバイス110、または車両100Aの同様のコンピューティングデバイス、ならびにネットワーク260を介したコンピューティングデバイス220、230、240と通信することができる。例えば、車両100および100Aは、サーバコンピューティングデバイスによって様々な場所に派遣され得る全車両の一部であってもよい。この点において、全車両は、車両のそれぞれの測位システムにより提供されたサーバコンピューティングデバイス場所情報を定期的に送信してもよく、1つ以上のサーバコンピューティングデバイスは、車両の場所を追跡してもよい。
【0037】
さらに、サーバコンピューティングデバイス210は、ネットワーク260を使用して、コンピューティングデバイス220、230、240のディスプレイ224、234、244などのディスプレイ上のユーザ222、232、242などのユーザに情報を送信および提示してもよい。この点において、コンピューティングデバイス220、230、240は、クライアントコンピューティングデバイスと見なされてもよい。
【0038】
図3に示すように、各クライアントコンピューティングデバイス220、230、240は、ユーザ222、232、242が使用することを意図されたパーソナルコンピューティングデバイスであってもよく、1つ以上のプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))、データおよび命令を格納するメモリ(例えば、RAMおよび内蔵ハードドライブ)、ディスプレイ224、234、244などのディスプレイ(例えば、情報を表示するように動作可能であるスクリーン、タッチスクリーン、プロジェクタ、テレビ、または他のデバイスを有するモニタ)、およびユーザ入力デバイス226、236、246(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーン、またはマイクロフホン)を含むパーソナルコンピューティングデバイスと接続して通常使用されるすべての構成要素を有してもよい。クライアントコンピューティングデバイスはまた、ビデオストリームを記録するためのカメラ、スピーカー、ネットワークインターフェースデバイス、およびこれらの要素を互いに接続するために使用されるすべての構成要素をも含んでもよい。
【0039】
さらに、クライアントコンピューティングデバイス220および230はまた、クライアントコンピューティングデバイスの位置および配向を判定するための構成要素228および238をも含んでよい。例えば、これらの構成要素は、デバイスの緯度、経度、および/または高度を判定するためのGPS受信機、ならびに車両100の測位システム170に関連して上述した加速度計、ジャイロスコープ、または別の方向/速度検出デバイスを含んでもよい。
【0040】
クライアントコンピューティングデバイス220、230、および240は、それぞれ、フルサイズのパーソナルコンピューティングデバイスを備え得るが、それらは、別の選択肢として、インターネットなどのネットワーク上のサーバを使用してデータを無線交換することができるモバイルコンピューティングデバイスを備えてもよい。単なる例として、クライアントコンピューティングデバイス220は、無線機器対応のPDA、タブレットPC、ウェアラブルコンピューティングデバイス、もしくはシステム、またはインターネットもしくは他のネットワークを介して情報を取得することができるネットブックなどのモバイルフォンまたはデバイスであってもよい。別の例では、クライアントコンピューティングデバイス230は、
図2に腕時計として示されているウェアラブルコンピューティングシステムであってもよい。一例として、ユーザは、小型のキーボード、キーパッド、マイクロフホンを使用して、カメラを用いた映像信号、またはタッチスクリーンを使用して情報を入力してもよい。
【0041】
いくつかの例では、クライアントコンピューティングデバイス240は、管理者によって使用される受付係ワークステーションであって、ユーザ222および232などのユーザに受付係サービスを提供してもよい。例えば、受付係242は、受付係ワークステーション240を使用して、ユーザのそれぞれのクライアントコンピューティングデバイス、または車両100もしくは100Aを通じてユーザとの電話の呼び出しまたは音声接続を介して通信し得、その結果、車両100および100Aの安全な動作、ならびに以下にさらに詳細に説明するように、ユーザの安全を促進することができる。単一の受付係ワークステーション240が、
図2および3に示されているが、このような数多くのワークステーションが、典型的なシステムに含まれてもよい。
【0042】
記憶システム250は、以下にさらに詳細に説明されるように、様々な種類の情報を格納することができる。この情報は、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス210などのサーバコンピューティングデバイスによって検索ないしアクセスされ得、その結果、本明細書に記載された特徴のいくつかまたはすべてを実行することができる。例えば、情報は、1つ以上のサーバコンピューティングデバイスに対するユーザを識別するために使用され得る資格情報(例えば、従来の単一因子認証の場合におけるようなユーザネームおよびパスワード、ならびにランダム識別子、バイオメトリックスなどの多因子認証で典型的に使用される他の種類の資格情報)などのユーザアカウント情報を含んでもよい。このユーザアカウント情報はまた、ユーザのクライアントコンピューティングデバイス(または複数のデバイスが同じユーザアカウントを使って使用される場合には、それらのデバイス)の情報、ならびにユーザの1つ以上の固有信号を識別する、ユーザネーム、連絡先情報などの個人情報をも含み得る。
【0043】
記憶システム250はまた、各場所間のルートを生成および評価するためのルーティングデータをも格納することができる。例えば、ルーティング情報を使用して、第1の場所にある車両が第2の場所に到着するのにどのくらいの時間がかかるかを推定することができる。この点において、ルーティング情報は、必ずしも上述した詳細な地図情報と同程度に具体的である必要のない地図情報を含み得るが、道路、ならびに方向(一方通行、双方向通行等)、配向(北、南等)、速度制限などのそれらの道路に関する情報、ならびに予想交通状態を識別する交通情報等を含み得る。
【0044】
メモリ130と同様に、記憶システム250は、ハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、CD-ROM、書き込み可能および読み出し専用メモリなどの、サーバコンピューティングデバイス210によってアクセス可能である情報を格納することができる任意の種類のコンピュータ化された記憶装置であってもよい。さらに、記憶システム250は、データが同じかまたは異なる地理的な場所に物理的に設置され得る複数の記憶デバイスに格納されている分散型記憶システムを含んでもよい。記憶システム250は、
図2に示すように、ネットワーク260を介してコンピューティングデバイスに接続されてもよく、かつ/またはコンピューティングデバイス110、210、220、230、240等のいずれにも直接接続されるか、もしくは組み込まれてもよい。
【0045】
図4A~4Dは、車両100の外観図の例である。図を見てわかるように、車両100は、ヘッドライト402、フロントガラス403、尾灯/方向指示器灯404、後部フロントガラス405、ドア406、側面ミラー408、タイヤおよび車輪410、ならびに方向指示器/駐車灯412などの、典型的な車両の多くの特徴を含む。ヘッドライト402、尾灯/方向指示器灯404、および方向指示器/駐車灯412は、信号システム166と関係付けられてもよい。ライトバー407もまた、信号システム166と関係付けられてもよい。
【0046】
車両100はまた、知覚システム172のセンサをも含む。例えば、ハウジング414は、360度またはより狭い視界を有する1つ以上のレーザーデバイス、および1つ以上のカメラデバイスを含んでもよい。ハウジング416および418は、例えば、1つ以上のレーダーおよび/またはソナーデバイスを含んでもよい。知覚システムの各デバイスはまた、尾灯/方向指示器灯404、および/または側面ミラー408などの典型的な車両構成要素の中に組み込まれてもよい。これらのレーダー、カメラ、およびレーザーデバイスの各々は、これらのデバイスからのデータを知覚システム172の一部として処理する処理構成要素と関連付けられ得、センサデータをコンピューティングデバイス110に提供することができる。
【0047】
図5は、ドア406の開口部を通して見た車両100の例示的な内装図である。この例では、乗客のための2つの座席502があり、それらの座席の間にコンソール504を有する。座席502の真正面には、保管収納エリア508および内部電子ディスプレイ152を有するダッシュボード構成506がある。図を見て直ちにわかるように、車両100は、乗客が、動力伝達系を介して、車両のステアリング、加速、および/または減速を直接制御していた半自律またはマニュアル運転モードを可能にしていた丸ハンドル、アクセル(加速)ペダル、またはブレーキ(減速)ペダルを含まない。逆に、以下にさらに詳細に説明されているように、ユーザ入力は、ユーザ入力150のマイクロフホン(図示せず)、コンソール504の装備、および無線ネットワーク接続156に限定されている。この点において、内部電子ディスプレイ152は、単に乗客に情報を提供するのみであり、ユーザ入力のためのタッチスクリーンまたは他のインターフェースを備える必要がない。他の実施形態では、内部電子ディスプレイ152は、行き先等の、乗客による情報を入力するためのタッチスクリーンまたは他のユーザ入力デバイスを含んでもよい。
【0048】
図6は、コンソール504の上から見た図である。コンソール504は、車両100の機能を制御するための様々なボタンを含む。例えば、コンソール504は、ドア406をロックおよびロック解除するためのボタン602、ドア406の窓を昇降させるためのボタン604、車両の内部照明の点灯するためのボタン606、座席502の加温機能を制御するためのボタン608、ならびにスピーカー154の音量を制御するためのボタン610などの、典型的な車両内で見出せ得るボタンを含む。
【0049】
さらに、コンソール504はまた、無線ネットワーク接続156のうちの1つを介して受付係242と通信し始めるためのボタン611を含んでもよい。一旦、受付係ワークステーションが車両に接続されると、受付係は、スピーカー154および/または内部電子ディスプレイ152を介して乗客と通信することができる。さらに、マイクロフホンは、乗客が受付係に直接話しかけることを可能にする。場合によっては、車両100は、受付係が乗客の状態を見て乗客の安全を確認することを可能にする内部のスチルカメラまたはビデオカメラを含んでもよい。
【0050】
ボタン612および614はまた、ユーザ入力150の一部であってもよく、この点において、乗客がコンピューティングデバイス110と通信して、例えば、車両内で道程を始動または終了することを可能にすることができる。この点において、ボタン612は、押下されたとき、車両100が短期間で停車することを可能にする緊急停車ボタンとしての役割を果たすことができる。乗客は、アクセルまたはブレーキペダルを介して、車両100の加速または減速を直接制御しないため、ボタン612は、乗客が安全性を感じ、即刻の緊急の場合には迅速に行動することを可能にすることに対して不可欠な緊急停車ボタンであり得る。さらに、緊急停車ボタン612によって始動された停車の潜在的な突発性のために、緊急停車ボタン612は、ボタン612を作動状態にするために取り除かれ、または跳ね上げられる必要があり得るカバー(例えば、透明なプラスチックカバー)を備えてもよい。
【0051】
ボタン614は、多機能ボタンであってもよい。例えば、
図7は、3つの異なる状態の同じボタン、ここではボタン614の各例を示している。第1の状態702では、ボタン614は、非作動状態であり、すなわち、押下されても、コンピュータデバイス110は、車両の移動を制御することに関する任意の特定の動作を行うことによっては、決して応答しない。しかしながら、このような非作動状態であっても、コンピューティングデバイス110は、ボタンが押下されたことを示すための何らかの視覚的または可聴的なフィードバックを乗客に提供してもよい。一例として、このフィードバックにより、コンピュータは、ボタンが押下され、ないし作動状態にされているが、当該ボタンは、現在非作動状態であり、車両は、どんな特定の方法で車両を操縦することによっても応答しない(例えば、道程または脇寄せを開始しない)ことを認識していることを示してもよい。
【0052】
第2の状態704では、車両が道程を開始する準備をしたときに、ボタン614は、乗客が、行き先または降車場所までの道程を始動させるために使用する「発車」ボタンに変更することができる。一旦、車両100が移動すると、ボタン614は、第3の状態706に変更することができ、そこでは、ボタン614は、乗客が非緊急停車を始動するために使用する「PULL OVER」ボタンとなる。この点において、コンピュータ110は、緊急停車ボタン612と同様な、より突然の停車になることではなく、車両を脇寄せするための合理的な場所を判定することによって、応答することができる。矢印712、714、および716は、それらの状態が、必ずしも第1、第2、および第3の順番で表示される必要はないことを示しているが、コンピュータ110の必要性によって規定されるように、第2から第1に、第3から第1に、第3から第2に等と切り替えることができる。
【0053】
さらにまたは別の方法として、ボタン614などの単一の多目的ボタンを有するのではなく、異なる作動状態を有する2つのボタンが、使用されてもよい。この点において、第1のボタンは、非作動状態、および乗客が行き先または降車場所までの道程を始動することを可能にする作動または「発車」状態を有してもよい。第2のボタンは、非作動状態、および乗客が非緊急停車を始動させることを可能にする作動または「脇寄せ」状態を有してもよい。場合によっては、第1のボタンが作動状態にあるときに、第2のボタンは、非作動状態にある。同様に、第2のボタンが作動状態にあるときに、第1のボタンは、非作動状態にあってもよい。場合によっては、車両が降車場所への道程を開始する準備をする前には、第1および第2のボタンの両方は、非作動状態にあってもよい。いずれにしても、車両が行き先場所に向かって移動しているとき、コンピューティングデバイス110は、緊急停車ボタン612と同様のより突然の停車になることではなく、車両を脇寄せするための安全な場所を判定することによって、ボタン614からの信号に応答することができる。
【0054】
別の方法として、2つのボタン、すなわち「GO」状態を有する一方のボタン、および「PULL OVER」状態を有する他方のボタンが、使用されてもよい。例えば、
図8は、ユーザ入力150の一部であってもよいボタンセットを有するコンソール804の側面斜視図である。この例でのボタンセットは、道程を始動、または車両を脇寄せさせることができる2つのボタンを含む。コンソール804は、天井材エリア(車両の屋根の内側表面)における車両100の内側の上に配置されてもよい。コンソール804は、コンソール504の別の選択肢として、またはコンソール504に追加して使用されてもよい。この例では、コンソール804は、ボタン806、808、810、および812を含む。これらの各々のボタンは、信号をコンピューティングデバイス110に送信するように動作する。ボタン806からの信号に応答して、コンピューティングデバイス110は、乗客を受付係と接続することができる。ボタン808からの信号により、コンピューティングデバイス110が、ドアをロックまたはロック解除することを可能にすることができる(ドアの現行状態に応じて)。ボタン810からの信号により、コンピューティングデバイスが、「PULL OVER」状態にあるときのボタン614の動作と同様に、車両を脇寄せすることを可能にすることができる。ボタン812からの信号により、コンピューティングデバイスが、「GO」状態にあるときのボタン614の動作と同様に、行き先までの道程を始動することを可能にすることができる。
【0055】
このため、ナビゲーションを目的とする、乗客のコンピューティングデバイス110との通信は、ボタン614および緊急停車ボタン612、ならびに/またはボタンなどの各ボタン、乗客のクライアントコンピューティングデバイスを使った、かつ乗客のクライアントコンピューティングデバイスからの情報を、次に当該情報を車両のコンピューティングデバイスに中継するサーバコンピューティングデバイス210に送信することによる無線ネットワーク接続156(BluetoothLEなど)に限定されてもよい。いくつかの例では、上述したように、乗客が、マイクロフホンによる音声命令を介して、情報を車両のコンピューティングデバイス110に与えてもよい。ただし、さらには、乗客は、電話の呼び出し、乗客のクライアントコンピューティングデバイス、マイクロフホン、および/またはボタン611上のアプリケーションを介して受付係と通信してもよく、逆に受付係は、受付係ワークステーションを介して車両の特定の態様を制御するための命令を与えてもよい。
【0056】
上述した、および図に例示された動作に加えて、ここでは、様々な動作について説明されるであろう。以降の動作は、必ずしも以下に説明された正確な順番で実行される必要はないことを理解されたい。逆に、様々なステップが、異なる順序で、または同時に処理され得、ステップはまた、追加もしくは省略されてもよい。
【0057】
一態様では、ユーザは、車両にリクエストするためのアプリケーションをクライアントコンピューティングデバイスにダウンロードすることができる。例えば、ユーザ222および232は、電子メール内のリンクを介して、ウェブサイトから直接、またはクライアントコンピューティングデバイス220および230に対してアプリケーションストアをダウンロードしてもよい。例えば、クライアントコンピューティングデバイスは、ネットワーク上、例えば、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス210にアプリケーションに対するリクエストを送信し、それに応じてアプリケーションを受信してもよい。アプリケーションは、クライアントコンピューティングデバイスにおいてローカルにインストールされてもよい。
【0058】
次いで、ユーザは、ユーザのクライアントコンピューティングデバイスを使用して、アプリケーションにアクセスし、そして車両をリクエストする。一例として、ユーザ232などのユーザは、クライアントコンピューティングデバイス230を使用して、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス210への車両のリクエストを送信してもよい。リクエストは、ピックアップ場所もしくはエリア、および/または行き先場所もしくはエリアを識別する情報を含むことができる。一例として、そのような場所は、家の住所、場所の座標、注目点等によって識別されてもよい。これに応じて、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス210は、例えば、利便性および場所に基づいて、車両100などの車両を識別し、かつピックアップ場所に派遣することができる。この派遣は、ユーザ(および/またはユーザのクライアントデバイス)、ピックアップ場所、および行き先場所もしくはエリアを識別する車両に情報を送信することを必要し得る。
【0059】
コンピューティングデバイス110は、サーバコンピューティングデバイスからの情報を使用して、割り当てられた乗客のピックアップ場所および行き先場所を識別することができる。次いで、コンピューティングデバイス110は、上述したように、ピックアップ場所に向かって車両を操縦することができる。一旦、車両がピックアップ場所からいくらかの所定の距離にあると、コンピューティングデバイス110は、乗客を乗車させるため、ピックアップ場所の近くの場所に車両を停車させようと試みることができる。一旦、乗客が車両に乗車すると、乗客は、割り当てられた乗客の作業として、座席ベルトを締め、ドアを閉め、乗客の行き先を確認するなどのいくつかの作業を実行し、そして乗客の行き先場所に向けた道程を始動するように求められ得る。この始動は、例えば、ボタン614(「発車」状態にある場合)またはボタン812を使用することによって、実行されてもよい。これらのボタンのうちの1つからの信号に応答して、コンピューティングデバイス110は、乗客の行き先場所に向かって車両100の操縦を開始することができる。
【0060】
図10は、
図9の地図情報900に対応する車道1000に沿って運転する車両100の例示的な図である。その点において、車線1012、1014、1016は、車線912、914、916の形状および場所に対応し、縁石1020、1028は、縁石920の形状および場所に対応し、車線ライン1022、1024、1026は、車線ライン922、924、926、および縁石928の形状および場所に対応する。この例では、車両100は、車線1012を進行している。車両1040、1042、および1044は、縁石1020に沿って車線1012内に駐車されており、これに対して車両1046は、車線1016内を移動し、車両100は、車線1011内を移動している。脇寄せ地点930、932、934、936、938、940は、単に、車両100が、いくらかの期間の間、合法的に駐車することができる路肩エリアに対応しているに過ぎないため、
図10に含まれる「現実世界」の特徴には、一致していない。
【0061】
車両が車線1012に沿って移動するとき、知覚システム172は、縁石1020、1028、車線ライン1022、1024、1026、ならびに車両1040、1042、1044、1046などの対象物の形状および場所に関するセンサデータをコンピューティングデバイスに提供する。
図11は、車両100がコンピューティングデバイス110に利用可能である他の情報と組み合わせて
図10に図示した状況にあるときの、知覚システム172の様々なセンサにより知覚されたセンサデータを図示している。この例では、車両1040、1042、1044、1046は、知覚システム172によってコンピューティングデバイス110に提供された対象物1140、1142、1144、1146の境界ボックスによって表されている。当然のことながら、これらの境界ボックスは、対象物に対応するデータポイントが少なくとも内部においておおよそ境界となる空間体積を単に表しているに過ぎない。さらに、
図11では、乗客の行き先場所は、マーカー1180によって表されている。
【0062】
マーカー1180によって表された行き先場所までの道に沿って、乗客は、上述したアプリケーションを使用して、車両内および/または乗客のクライアントデバイス上でボタン614または810などのボタンを押下することによって、コンピューティングデバイス110に車両を停車させる意思を表すことができる。必ずしも必要ではないが、単純にするために、クライアントコンピューティングデバイスのタッチセンシティブディスプレイ上に表示される仮想的なボタンのレイアウトは、各ボタンが何を意味するのかについてより多くの文脈を乗客に与えるために、車両のボタンのレイアウトとそっくりであってもよい。これにより、車両のコンピューティングデバイスに信号を送信することができる。これに応答して、コンピューティングデバイスは、現行のルートに沿って第1の使用可能な脇寄せ地点に脇寄せすることを試み得る。上述したように、これらの脇寄せ地点は、コンピューティングデバイスにより使用される地図情報内にそのようにあらかじめ指定されて、車両を操縦してもよい。いずれにしても、この応答は、地点を見つけるのにある程度の時間がかかる場合があり、またはいくつかのエリア、特に時速35マイルを超えるようなより高い速度制限を有する道路上のエリアに停車させることは、潜在的に危険であり得る。当然のことながら、コンピューティングデバイスが、5分程度などの短期間内に車両を脇寄せすることができない場合、そのとき、コンピューティングデバイスは、車線(この車線は、左側運転席の国では、右側に対して最も遠い位置にあると仮定する)内、または可能であれば、路肩内に車両を停車させ得る。
【0063】
ボタン614もしくは810のうちの一方を使用すること、または乗客のクライアントデバイスを使用して脇寄せをリクエストすることによって、コンピューティングデバイスに、行き先場所を変更または更新させることができる。例えば、一旦乗客が、ボタン614または810のうちの一方を使用すると、コンピューティングデバイスは、行き先場所を車両の現行場所に更新してもよい。このような例では、コンピューティングデバイスが車両を速やかに脇寄せすることができる場合、それらのコンピューティングデバイスは、脇寄せすることができる。例えば、
図12に戻ると、この図は、
図11の例を
図9の脇寄せ地点と組み合わせているのだが、車両100内の乗客は、ボタン614またはボタン810(または乗客のクライアントコンピューティングデバイス)を使用して、車両を脇寄せしたい希望を示してもよい。これに応じて、コンピューティングデバイスは、マーカー1180によって表せられた行き先場所を、マーカー1280によって表せられた車両の現行場所に置き換えてもよい。したがって、コンピューティングデバイス110は、直ちに利用可能な脇寄せ地点を探し始めることができる。
図12の例では、コンピューティングデバイス110は、最も近くの利用可能な脇寄せ停車として脇寄せ地点930を識別し、脇寄せ地点930内に停車するようにするために、車両を制御することができる。これが不可能である場合、例えば、脇寄せ地点が利用可能ではない場合、コンピューティングデバイスは、他の往来を妨げなければ、車線1012内に車両を停車させ得、近隣の通り上に車両を停車させるための別の地点を見つけ、または更新された行き先場所に向かって戻りながら車両を経由させることを試みる。当然のことながら、車両を妨げの周辺で経由させることによって、停車する適切な場所がない場合に、車両100が連続して探し回ることを可能にすることができる。
【0064】
しかしながら、乗客が車両を退出することを望み得る多くの理由が存在する。例えば、乗客は、早々に道程を終了させることを望む(すなわち、乗客が病気になり、または気分が悪くなる)場合があって、いくらかの新鮮な空気を得るために少しの間車両を停車させること、置き忘れたまたは失念した品物(すなわち、バッグを車両の外部に残したまま)を取り戻すために停車させること、誤って動き出した(すなわち、誰かが誤ってボタン614または810を押してしまった)乗車を停車させること、または車両が行き先場所に到着する直前に、乗客が降車しようとすることを望む場合がある。
【0065】
車両が行き先場所までのルートに沿ってどの程度まで進行しているか、または車両が行き先場所からどの程度離れているかに応じて、この情報は、コンピューティングデバイスによって使用されて、車両をどこでかつどのように停車させ、ならびに乗客を車両から降ろすかを判定することができる。この点において、ルートは、初期ステージ、中期ステージ、および後期ステージの各ステージに分割され得る。
【0066】
図13は、車両100(または車両100A)などの車両の状況認識停車を提供するこれらのステージに関する例示的な概要
図1300である。この点において、
図13には、ライン1330により表されたルートに沿った道程の間にピックアップおよび行き先場所を表すマーカー1310および1320が含まれている。このルートは、ピックアップ場所と、マーカー1340により表される、ピックアップ場所からの第1の閾値距離との間の初期ステージ、第1の閾値距離と、マーカー1350により表される、行き先場所からの第2の閾値距離との間の中期ステージ、および第2の閾値距離と行き先場所との間の後期ステージに分割される。後期ステージは、コンピューティングデバイス110が、乗客を車両から退出させるために、車両を脇寄せ地点に操縦し始める点を表すマーカー1360によってさらに細分化することができる。
【0067】
一例では、車両は、道程の初期ステージ内にあり得る。例えば、車両が駐車場内(すなわち、往来車線でなはい)に置かれている時間に対応し得る初期ステージは、乗客が車両に乗車する場所からの(時間または空間上の)第1の閾値距離(ピックアップ場所から数秒または数フィートなど)未満であり、または車両が駐車地点から完全に出発し、往来車線に合流する以前であって、往来の流れをまだ妨げていない(すなわち、往来車線内で停車されていない)ところなどである。信号に応答して、コンピューティングデバイスは、車両を直ちに停車させること、または車両の現行位置において乗客を脅かさないように、適切かつ快適なブレーキングパターンを実際に使用することによって応答することができる。例えば、
図14に示すように、乗客は、
図9の脇寄せ地点936に対応するピックアップ場所において車両100に乗車した可能性がある。この点において、乗客は、ボタン614またはボタン810(または乗客のクライアントコンピューティングデバイス)を使用して、車両を脇寄せする希望を示してもよい。これに応じて、車両が、脇寄せ地点936のエリア内、またはその少なくとも部分的なエリア内に依然として置かれている道程の初期ステージ内に現在依然としてあるため、コンピューティングデバイス110は、車両を適所に単純に停車させることによって、信号に応答することができる。
【0068】
この点において、次いで、コンピューティングデバイス110は、必要な場合には、乗客にいくらかの時間を与えて車両を退出および再乗車させることができる。いくつかの状況では、コンピューティングデバイスは、乗客が車両のドアを開けたままにした場合、乗客が車両に再乗車することを単に待ってもよい。また、これにより、往来の流れを乱すことなく、車両から降り、品物を取り出し、車両の中に戻る乗客の時間を可能にしてもよい。このプロセスの一例として、車両のドアが開いている場合、コンピューティングデバイス110は、ドアが乗客によって閉められるまで待ってもよい。これは、ドアのセンサを使用すること、およびセンサの状態をコンピューティングデバイスに中継することによって、達成され得る。車両のドアが閉められており、かつ車両が空である場合、コンピューティングデバイス110は、乗客が車両に再乗車しない場合、車両がいくらかの所定の期間(例えば、2分程度)、そのままの状態であり得ることを示す、乗客のクライアントコンピューティングデバイスに通知を送信してもよい。別の方法として、ドアが閉められている場合、または乗客が長期間居ない場合、その乗客は、道程をキャンセルしたとみなされてもよい。
【0069】
さらに、または別の方法として、乗客は、追加時間をリクエストするためのアプリケーションを使用してもよく、またはコンピューティングデバイス110は、乗客が追加時間のリクエストを希望するかどうかを尋ねる乗客クライアントコンピューティングデバイスへの通知を送信してもよい。例えば、その通知は、車両が停車されたときすぐに送信され得、車両が3分程度などのいくらかの所定の期間の間待つ予定であることを乗客に知らせることができる。これに応じて、乗客は、間違いないことを確認し、追加時間をリクエストし、または乗客が道程にもはや興味がないことを示すことができる(すなわち、乗客は、道程を実効的にキャンセルすることができる)。
【0070】
乗客が車両に再乗車する場合、コンピューティングデバイスは、行き先場所に向かって車両を操縦し続けることができる。乗客が、所定の期間の後に再乗車しない場合、受付係242などの受付係は、例えば、可聴的および/または視覚的接続(すなわち、スピーカー、マイクロフホン、および/またはカメラ)を使用して、乗客が車両内に何も残していないことを検査することができる。再乗車しない場合、コンピューティングデバイス110は、車両を新規の場所に移動させ、サーバコンピューティングデバイス210からの指示を待ち、かつ/または何らかの他の非乗客任務行動の初期値に移動する。再乗車する場合、コンピューティングデバイス110はまた、車両が、2分程度などのいくらかの第2の所定の期間の間そのまま残る予定であることを示す通知を乗客のクライアントコンピューティングデバイスに(直接か、またはサーバコンピューティングデバイス210を介してのいずれかで)送信してもよい。当該第2の所定の期間の後、受付係242は、再度検査してもよく、乗客が車両内に生き物をそのまま残さなかった場合に限り、上述のように、コンピューティングデバイス110に命令を送信して出発してもよい。
【0071】
この第1および第2の所定の期間は、車両が現行停車されている状況、ならびに乗客が車両にそのまま残った理由に基づいて、調整可能であってもよい。例えば、多くの交通渋滞、車両を派遣することに対する高い要求(すなわち、車両100が、別の道程にも必要とされる)が存在する場所において、または車両が、車両の現行位置に安全にまたは合法的にそのまま残ることができない場合に、より少ない時間が提供されてもよい。同様に、乗客が病気であった場合、乗客が車両の外に品物をそのまま残した場合と比較してより多くの時間必要とし得る。したがって、上述したように、乗客は、乗客のクライアントコンピューティングデバイスを使用して追加の時間をリクエストしてもよい。したがって、これらの所定の期間は、それに応じて調整されてもよい。
【0072】
車両が、往来の車線に完全に合流し、ただし、行き先場所から第2の閾値距離を超えて離れている(時間または距離上で)場合、車両は、ルートの中期ステージ内にあり得る。一例として、この第2の閾値距離は、100メートルまたは1分程度であってもよい。例えば、
図15において、
図14の例を
図15の例と比較すると、車両100は、脇寄せ地点936から車の流れに完全に出たところであり、ここでは、車線1012内の任意の往来と一緒に合流されている。さらに、車両100内の乗客の行き先場所は、第2の閾値距離よりも離れている(このため、行き先場所は、
図15には示されていない)。信号に応答して、コンピューティングデバイスは、最も近くの脇寄せ地点を見出すことを試み得る。この点において、コンピューティングデバイス110は、車両100を操縦して脇寄せ地点940の中に脇寄せしてもよい。また、上述したように、最も近くの脇寄せ地点は、地図情報から識別された最も近くの利用可能な地点であってもよい。一旦、脇寄せされると、コンピューティングデバイスは、車両を退出する時間であることを乗客に示し、そして乗客が車両を退出することを可能にすることができる。
【0073】
コンピューティングデバイスが車両を停車させることができる効率を高めるために、我々は、そのようにするためにルートからはずれることさえ許可されてもよく、それによって、必要である場合には、車両を脇道上に停車させることが可能となる。同様に、車両が、現在、高速道路、例えば、時速35マイル速度制限を超える速度を伴う高速道路または幹線道路の上に居る場合、コンピューティングデバイスは、第1の利用可能な機会に当該道路を退出し、その後に脇寄せ地点における停車を見出そうと試みる。
【0074】
道程のうちの中期ステージにおけるそのような停車は、乗客が車両に戻り、そして道程を再開するような短期間である可能性がより高いため、コンピューティングデバイスは、例えば、ボタン614、ボタン810、または乗客のクライアントコンピューティングデバイスを使用することによって、乗客が道程を再開した後、行き先に向かって車両を容易に継続させ得る脇寄せ地点を見出すことを試みてもよい。例えば、コンピューティングデバイスは、一方通行の通り、行き止まり道路、出口または進入ランプ、交差点での方向転換、1分程度以上まで行き先までの時間を増大させ得る、主要道路等に再接続していないかまたは主要道路等に再接続するにはあまりにも時間がかかる裏通りへの方向転換を採用することを避けてもよい。また、車両は、一旦停車されると、車両が出発する予定であるのか、または閾値期間内に出発しているはずなのかを乗客に警告する通知を提供する上記の例のように、動作してもよい。
【0075】
この中期ステージにある場合、コンピューティングデバイスが、3分程度の所定の時間内に車両を脇寄せすることができない場合には、リモートアシスタンスにリクエストを行うことができるコンピューティングデバイスは、前進する方法についてさらなる命令を提供する。
【0076】
車両が、行き先場所から第2の閾値距離未満またはそれ以内にある場合、車両は、ルートの後期ステージ内にあり得る。例えば、
図16に示すように、車両100は、行き先場所に近づいており、マーカー1680によって表された行き先場所から、ライン1690によって表された第2の閾値距離以内にある。このステージでは、ボタン614、ボタン810、または乗客のクライアントコンピューティングデバイスからの信号に対するコンピューティングデバイス110の応答は、コンピューティングデバイスが、脇寄せ地点を既に識別し、車両を当該脇寄せ地点の中に操縦することを試みているかどうかに依存し得る。そうである場合、コンピューティングデバイスは、信号を「無視」して、車両を脇寄せ地点の中に脇寄せし続けてもよい。そうでない場合、コンピューティングデバイスは、上述したように、行き先を車両の現行場所に変更し、最も近くの利用可能な場所に車両を停車させて、その状況下でそのように実行することができる。場合によっては、これにより、コンピューティングデバイスが車両を直ちに停車させることが可能となり得るが、当然のことながら、往来の現行状況、車両の現行位置および配向、ならびに車両が現在進行している車道の速度制限などの安全性の考慮に依存する。
【0077】
言い替えると、
図16の例に関するコンピューティングデバイス110の応答は、車両が
図16のマーカー1360に到着したかどうかに依存することになる。例えば、
図16における場合、コンピューティングデバイス110は、既に車両100を脇寄せ地点936の中に操縦し始めたところであり(例えば、車両100は、並行に駐車されている)、コンピューティングデバイスは、単純に車両100を脇寄せ地点936の中に操縦し続けることができる。
図16における場合、コンピューティングデバイス110は、まだ、車両100を脇寄せ地点の中に操縦しておらず、コンピューティングデバイス110は、車両を最も近くの利用可能な脇寄せ地点、ここでは脇寄せ地点940に操縦することによって応答してもよく、または車線1012の速度制限および現行の往来状態を仮定してそのようにすることが安全である場合に、車線1012内に停車させてもよい。
【0078】
場合によっては、後期ステージ中にわたって車両を脇寄せするために、ボタン614、ボタン810、または乗客のクライアントコンピューティングデバイスを使用した乗客からのデータは、コンピューティングデバイス110が、将来の乗客のピックアップまたは降車のためにどこに車両を停車させるべきかの脇寄せ場所をどのように識別するかを改善するために使用されてもよい。一例として、機械学習技術を使用して、ピックアップまたは行き先場所の近くのすべての利用可能な脇寄せ場所のうちで「最も良好な」脇寄せ場所を選択するために使用され得るモデルを生成することができる。
【0079】
前述した物理的な距離のすべては、ルート、またはピックアップ場所からの実際の距離(すなわち、直線ライン)に沿って測定されてもよい。例えば、閾値距離は、時間上または距離上で、直接に(カラスが飛ぶように)か、または車両が現在進行しているルートに沿ってのいずれかで定義されてもよい。
【0080】
場合によっては、乗客が、ボタン614または810のうちの一方を使用するが、次いで、乗客の気持ちを変更する場合、乗客は、二度目の同じボタンを押下することによって、または別の方法としてボタン812を打つことによって、脇寄せするためのリクエストをキャンセルすることができる。これを達成するためには、実際に車両を停車させる前に、コンピューティングデバイスは、1秒程度などの所定の猶予期間の間待ち受けてもよく、第2の信号に対しては、ルートからはずれる前に、かつ/または実際に車両を停車または減速する前である。これにより、乗客が、リクエストをキャンセルし、そしてコンピューティングデバイスが、中断せずに車両を行き先場所に操縦し続けることを可能にする。猶予期間は、車両が、ピックアップ場所から往来の車線の中にすでに合流するところなどの特定の状況でのみ実施されてもよい。
【0081】
乗客が、車両の脇寄せをリクエストするために乗客のモバイルデバイスを使用することを決定した場合、コンピューティングデバイスの応答は、ボタン614、810を使用したときと異なっても、または同じであってもよい。例えば、乗客が、乗客のクライアントコンピューティングデバイスから停車をリクエストする場合、乗客はまた、乗客が道程を早々に終了しているか、または正に一時的に停車するかどうかをも示すことができる。この点において、クライアントコンピューティングデバイスを使用して脇寄せするためのリクエストは、データ収集のために、停車する理由を尋ねるアプリケーションの取捨選択可能なダイアログを表面化させてもよい。このデータを使用して、追加の選択肢、または停車の理由を識別して、将来の道程のためのアプリケーションに入れることができる。さらに、乗客は、車両の脇寄せをリクエストするためにアプリケーション内のボタンを使用し、ボタンの画像は、「脇寄せリクエストをキャンセル」ボタンに変更して、このボタンを再度押下することにより、リクエストをキャンセルすることができることを明確にしてもよい。このような動作は、上述したように、物理的なボタンを用いて車両内で可能であってもなくてもよい。
【0082】
乗客はまた、ヘルプ(リモートアシスタンスからの)を求める、または他のフィードバックを提供するための選択肢を有してもよい。
【0083】
ボタン614、810からの信号に対するコンピューティングデバイス110の応答は、当然のことながら、降車が、賑やかな、または静かな通りで行われるのかどうか、特定の場所において停止する往来の流れが、どのくらい混乱を招くのか、停車し続けることが、規則または法律の違反となるかどうか等の安全性および法的考慮と共に重視される必要がある。
【0084】
ボタン614または810はまた、道程を「一時停止」し(すなわち、したがって、乗客は、コーヒーを素早く飲むことができる)、車両内で行き先を一度変更し、または緊急の場合に車両を停車させるために使用されてもよい。当然のことながら、これらの状況は、上述された状況よりも好ましくなく、これらのボタンの適切な使用ではない場合がある。
【0085】
図17は、1つ以上のプロセッサ、またはコンピューティングデバイス110などのコンピューティングデバイスによって実行され得る上記の態様のうちのいくつかに係る例示的なフロー
図1700である。例えば、ブロック1710において、乗客が車両に乗車した後、車両は、ルートに沿って行き先場所に向かって自律運転モードでコンピューティングデバイス110によって操縦される。ルートは、2つ以上のステージに分割される。ブロック1720において、乗客が車両の停車または脇寄せをリクエストしていることを示す信号が、コンピューティングデバイス110によって受信される。ブロック1730において、信号に応答して、コンピューティングデバイス110は、(1)乗客が車両に乗車したピックアップ場所からの車両の現行距離、または(2)行き先場所からの車両の現行距離、に基づいてルートの現行ステージを判定する。ブロック1740において、1つ以上のコンピューティングデバイスは、判定された現行ステージに従って車両を停車させる。
【0086】
特段の記述がない限り、上述の代替例は、相互に排他的ではないが、様々な組み合わせで実施されて特別な利点を達成することができる。これら、ならびに上述した特徴の他の変形および組み合わせが、特許請求の範囲によって定義された主題から逸脱することなく利用され得る場合、前述の実施形態の説明は、特許請求の範囲によって定義された主題の限定を意図せず、例示としてみなされるべきである。さらに、本明細書に記載された例の提供、ならびに「など」、「含む」などと表現された語句は、特許請求の範囲の主題を特定の例に限定するものとして解釈されるべきではなく、逆に、それらの例は、数多くの可能な実施形態のうちの単なる1つを例示することが意図されている。さらに、異なる図面中の同じ参照番号は、同じまたは同様の要素として特定することができる。