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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】長尺の物品を被覆するためのカバー
(51)【国際特許分類】
   B32B 7/14 20060101AFI20220722BHJP
   B32B 7/022 20190101ALI20220722BHJP
   C09J 7/21 20180101ALI20220722BHJP
   C09J 7/35 20180101ALI20220722BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
B32B7/14
B32B7/022
C09J7/21
C09J7/35
H02G3/04
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020529502
(86)(22)【出願日】2018-11-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-25
(86)【国際出願番号】 EP2018080973
(87)【国際公開番号】W WO2019120752
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2021-05-19
(31)【優先権主張番号】202017107748.9
(32)【優先日】2017-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】517007312
【氏名又は名称】サートプラスト・テヒニシェ・クレーベベンダー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】certoplast Technische Klebebaender GmbH
【住所又は居所原語表記】Muengstener Strasse 10, 42285 Wuppertal, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ティーモ レーアマン
(72)【発明者】
【氏名】ペーター ランブッシュ
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02497805(EP,A1)
【文献】特開2017-017938(JP,A)
【文献】特開2009-102636(JP,A)
【文献】特開2010-047759(JP,A)
【文献】特開2017-122220(JP,A)
【文献】特表2004-505426(JP,A)
【文献】特開2011-063801(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0231192(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
C09J 1/00-201/10
H02G 3/00-3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺の物品(1)を被覆するためのカバーであって、支持体(3)と、該支持体(3)の上面および/または下面に配置された、接着材料から成る少なくとも2つの閉鎖ストリップ(4)とを備え、該閉鎖ストリップ(4)が、前記支持体(3)のそれぞれの長手方向エッジに沿って延び、かつ該閉鎖ストリップ(4)同士の間に、かつ/または該閉鎖ストリップ(4)の隣で自由領域(6)を規定する、カバーにおいて、
前記支持体(3)が単層に構成されており、少なくともLV312-1(2009)によるクラスDの耐摩耗性を有し
前記両方の閉鎖ストリップ(4)に対して付加的に、別の第3の接着ストリップが位置固定ストリップ(5)として設けられていることを特徴とする、カバー。
【請求項2】
前記支持体(3)が、30g/m~300g/mの面積当り重量を有する布製の支持体として構成されている、請求項1記載のカバー。
【請求項3】
前記布製の支持体(3)が、織布、不織布または編み布として構成されている、請求項2記載のカバー。
【請求項4】
前記布製の支持体(3)が、ポリエステル繊維および/またはポリアミド繊維から構成されている、請求項2または3記載のカバー。
【請求項5】
前記ポリエステル繊維および/または前記ポリアミド繊維から製造された糸がテクスチャード加工されている、請求項4記載のカバー。
【請求項6】
前記糸が交絡されている、請求項5記載のカバー。
【請求項7】
前記支持体(3)が、化学的かつ/または物理的に固化されている、請求項1から6までのいずれか1項記載のカバー。
【請求項8】
前記閉鎖ストリップ(4)のための前記接着材料が、ホットメルト接着材および/または粘弾性接着材から製造されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のカバー。
【請求項9】
前記両方の閉鎖ストリップ(4)が、同じ幅を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載のカバー。
【請求項10】
前記閉鎖ストリップ(4)の幅が、前記支持体(3)の幅の10%~30%である、請求項1から9までのいずれか1項記載のカバー。
【請求項11】
前記閉鎖ストリップ(4)が、50g/m~150g/mのストリップ塗布重量を有している、請求項1から10までのいずれか1項記載のカバー。
【請求項12】
前記位置固定ストリップ(5)が、横断面で、前記両方の閉鎖ストリップ(4)の間に、かつ/または前記両方の閉鎖ストリップ(4)の隣で前記自由領域(6)に配置されている、請求項1から11までのいずれか1項記載のカバー。
【請求項13】
前記位置固定ストリップ(5)が、前記支持体(3)の中心軸線(Z)に対して鏡像対称的に配置されている、請求項12記載のカバー。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか1項記載のカバーにより被覆された長尺の物品(1)であって、前記カバーが、軸方向で、一方の閉鎖ストリップ(4)により、前記長尺の物品(2)に位置固定されており、他方の閉鎖ストリップ(4)により、包絡部を形成しながら、支持体(3)の一方の面に固定されている、物品(1)。
【請求項15】
請求項1から13までのいずれか1項記載のカバーにより被覆された長尺の物品(2)であって、前記カバーが、軸方向で、位置固定ストリップ(5)により、前記長尺の物品(2)に固定されており、両方の閉鎖ストリップ(4)が、閉鎖部ならびに包絡部を形成しながら、互いに接着されている、長尺の物品(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長尺の物品を被覆するための、特に自動車におけるケーブル用の長手方向ジャケットを製造するためのカバーであって、支持体と、支持体の上面および/または下面上に配置された、接着材料から成る少なくとも2つの閉鎖ストリップとを備え、閉鎖ストリップが、支持体のそれぞれの長手方向エッジに沿って延び、かつ閉鎖ストリップ同士の間にかつ/または閉鎖ストリップの隣に自由領域を規定する、カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
長尺の物品を被覆するためのカバーは、たとえば、特に自動車におけるケーブル、線路ならびに場合によってはコネクタを取り囲み、かつたとえば擦切れ負荷から保護するために、使用されかつ実現される。実際に、このようなカバーによって、かつカバーにより形成される被覆部または長手方向被覆部によって、電気ケーブルだけではなく、一般にチューブまたは管を巻くことができる。同様に、場合によっては端末機器も被覆帯によって保護され、纏められる。
【0003】
先行技術では、このような被覆部または長手方向被覆部の製造時にかなり異なる手順がふまれる。したがって、たとえば欧州特許第1875573号明細書では、ジャケットが2つの接着テープから構成されており、ジャケット上に第3の接着テープが被着されるように、行われる。その結果として、このようにして実現されたカバーは、比較的複雑に構成され、製造も困難である。
【0004】
独国特許出願公開第10149071号明細書に対応する、長尺の物品を被覆する方法では、カバーが自己接着式に加工された接着テープを備えている。接着テープは、この接着テープがカバーの長手方向エッジを越えて延びているように、カバー上に接着されている。さらに、布製のカバーおよび接着テープは、延在方向に対してほぼ直角に配置された1つまたは複数の弱化ラインを有しているので、被覆部は容易に手で裂くことが可能であるように構成されている。
【0005】
このようなカバーおよびこのカバーから製造される被覆部または長手方向被覆部は、上述の理由から、第1には、擦切れ負荷に対する保護を提供することが重要である。この理由から、支持体には、その耐摩耗性に関して特別な要求が課される。このために、独国実用新案第202012103975号明細書による先行技術は、たとえば、耐摩耗性の高い技術的な接着テープを使用している。この接着テープは、テープ状の二層の支持体を備えている。二層の支持体は、2つの布製の層から構成されている。これらの布製の層は、それぞれ織布として構成されている。両方の織布は、接着結合層により互いに結合され、全体として1つの積層体を成す。これにより、全体的に耐摩耗性が高まるが、この場合も製造手間は相当なものである。
【0006】
独国実用新案公開第202010014239号明細書に対応する冒頭で述べたカバーは、接着テープならびにこの接着テープから製造されるチューブ被覆部である。接着テープは、支持体と、支持体上に被着された1つまたは複数の接着材ストリップを備えている。接着材ストリップは、対応する支持体面の面積の約20%~50%を覆う。これにより、たしかに、纏められた対象物および特に複数のケーブルへの特にフレキシブルな巻き付きを提供する接着テープが提供される。しかし、耐摩耗性に関する記述が欠けており、または耐摩耗性に関してはまだ改善が可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の根底を成す技術的な問題は、長尺の物品を被覆するためのこのようなカバーを改良して、高い耐摩耗性を低い製造コストと同時に達成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この技術的な問題提起の解決のために、冒頭で述べた形式のカバーは、本発明の枠内において、支持体が単層に構成されており、少なくともLV312-1(2009)によるクラスDの耐摩耗性を有していることを特徴とする。
【0009】
既に説明したように、本発明に係るカバーは、長尺の物品の被覆または長手方向被覆のために役立つ。好適には、これにより自動車のケーブル用の長手方向ジャケットが提供される。たとえばエンジンルームの内部においてこの箇所で観察される擦切れおよび摩耗負荷を抑制できるようにするために、本発明は、一方では単層に形成された支持体を使用し、他方ではLV312-1(2009)によるクラスDの耐摩耗性を有している支持体を使用する。
【0010】
実際に、上述した2009年のLV312-1の規格は、試験規定であり、この規定により、耐摩耗性がDIN ISO 622に依拠して規定される。このために、検査すべきカバーまたはカバーのテープ状の支持体が、まず5mmの直径を有する心棒または金属ロッド上に被着される。次いで、0.45mmのニードル直径を有する削り工具を用いて、7Nの重力を考慮しながら、接着テープまたは支持体をすり切れさせるために必要となるストロークの回数が規定される。ストロークの回数が多ければ多いほど、接着テープは高い耐摩耗性を有している。
【0011】
実際には、ストロークの回数が100よりも少ないので、摩耗防止性を提供しない摩耗クラスAから、高い摩耗防止性を提供するクラスEまでが区別される。この高い摩耗防止性には、5000回以上のストロークの回数が対応する。
【0012】
本発明によれば、いまや、少なくとも上述の規格による摩耗クラスDを満たす支持体、つまり、1000~4999回のストローク回数を考慮しても(まだ)擦り切れない支持体が要求される。摩耗クラスEが達成されるのであれば、5000~14999回のストローク回数すらも擦り切れなしに受け止められる。摩耗クラスDには、「高い摩耗防止性」が対応する一方で、クラスEは、「極めて高い摩耗防止性」を有している。
【0013】
この高いまたは極めて高い耐摩耗性は、本発明によれば、明らかに単層に構成されている、つまり独国実用新案第202012103975号明細書に記載の先行技術のように2つの層から構成されていない支持体により達成され、かつ提供される。実際には、本発明によれば、単層の支持体として、通常は布製の支持体が使用される。この布製の支持体は、30g/m~300g/mの面積当り重量を有している。通常は、要求される摩耗防止性を提供するために、少なくとも100g/mの面積当り重量が定められる。
【0014】
さらに有利には、布製の支持体は、織布、不織布または編み布である。通常は、単層の支持体は、織布から成る布製の単層の層として構成されている。
【0015】
要求された耐摩耗性を達成するために、有利に使用される布製の支持体は、ポリエステル繊維および/またはポリアミド繊維から構成されている。布製の支持体の、ポリエステル繊維もしくはポリアミド繊維または一般に適した繊維は、通常は、糸を製造するために使用される。糸自体は、特に経糸および緯糸として、支持体として有利に使用される織布において使用される。
【0016】
これに関連して耐摩耗性を高めるために、通常は、布製の支持体の糸はテクスチャード加工されている。テクスチャード加工とは一般に、糸が連続的に捲縮される工程を指している。捲縮によりループが形成され、ループは弾性的な伸張性と、耐摩耗性を高める。
【0017】
この際に、たとえば仮撚り法のような常用のテクスチャード法を使用することができる。吹き付けテクスチャード加工法(Blastexturierung)も基本的には可能である。さらに、使用される布製の支持体の糸は、交絡されていてよい。交絡またはインターレースは、空気による交絡により点状に絡ませられた糸の付加装備とも呼ばれる。
【0018】
しかし、耐摩耗性を高めるためのこの手段の他に、代替的または付加的には、支持体または布製の支持体が、化学的かつ/または物理的に固化されることも可能である。化学的な固化は、典型的にはバインダの導入により行われる。物理的な固化は、たとえば、使用された不織布において、不織布が付加的にニードルパンチされる(vernadelt)ことにより可能である。このような不織布における縫い糸の導入または被着も、これに含まれる。いずれの場合も、しかも支持体が単層に形成されているか、またはこの場合に単に1つの織布層または1つの不織布層が支持体として使用される場合でさえも、上述の支持体および特に布製の支持体に少なくともLV312-1によるクラスDの所要の耐摩耗性を備えるために、先行技術において幅広い方法および方法形式が存在する。
【0019】
たとえば、230g/mの面積当り重量を有する縫付け不織布支持体が実現される。この縫付け不織布支持体は、詳細には、独国実用新案第202014106246号明細書に記載されているように構成され、かつ摩耗クラスDを有している。たとえば出願人の独国実用新案第202016102701号明細書に記載されているような、摩耗クラスDの織布支持体も同様に良好に使用可能である。いずれの場合も、このような支持体を基本的に使用することができ、本発明により特別なカバーを実現するために使用され、かつ実施されることができる。
【0020】
それぞれの閉鎖ストリップは、通常は、ホットメルトベースの接着材料から構成されている。しかし、代替的または付加的には、粘弾性の接着材料も閉鎖ストリップの実現のために使用することができる。接着材料としてたとえばホットメルト接着材をベースとしたそれぞれの接着ストリップまたは閉鎖ストリップの製造は、特に簡単であり、接着材料は、ノズル塗布法において支持体上に被着される。これにより、両方の接着ストリップを有利にかつ特に簡単に同じ幅で備えることができる。
【0021】
閉鎖ストリップまたは接着ストリップの幅は、通常は支持体の幅の約10%~30%に決定される。さらに、閉鎖ストリップは、少なくとも50g/m~150g/mのストリップ塗布重量(Streifenauftragsgewicht)を有している。支持体の上面/下面上の両方の必須の閉鎖ストリップに対して付加的に、通常はさらに1つの別の第3の接着ストリップが設けられている。この第3の接着ストリップは、一般に位置固定ストリップとして働く。さらに、第3の接着ストリップは、支持体の横断面で見て、上述の両方の閉鎖ストリップもしくは接着ストリップの間に、かつ/または隣で自由領域に配置されている。さらに、このことは、一態様では、第3の接着ストリップが支持体の中心軸線に対して鏡像対称的に配置されている場合も、有効であることが証明されている。
【0022】
上述した構造のカバーにより被覆された長尺の物品も本発明の対象である。被覆部を製造するために、カバーは、軸方向で、閉鎖ストリップにより長尺の物品に位置固定される。他方の閉鎖ストリップは、閉鎖部を形成しながらたとえば支持体の外面に固定される。しかし、これに対して代替的には、カバーが軸方向でまず第3の接着ストリップまたは位置固定ストリップにより長尺の物品に固定されるように、実施することもできる。次いで、両方の閉鎖ストリップが、閉鎖部ならびに包絡部を形成しながら互いに接着される。
【0023】
以下に、単に実施例を図示した図面に基づき、本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1の実施形態における本発明に係るカバーを示す図である。
図2】代替的な形態の枠内におけるカバーを示す図である。
図3】カバーの別の代替的な構成を示す図である。
図4図1に示したカバーにより実現された、長尺の物品の被覆部を示す図である。
図5図2に示したカバーを使用した長尺の物品の被覆部を示す図である。
図6図3に図示したカバーによる被覆部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図面には、長尺の物品1の被覆のために使用されるカバーが図示されている。長尺の物品1は、通常は自動車の内部に延び、カバーにより纏められるべき、たとえばケーブル、線路、管または差込み結合部、端末機器等であるが、これらに制限されない。さらにカバーは、これに関連して、典型的には摩耗防止性を提供する。実際に、以下でより詳しく説明すべきカバーにより、長尺の物品1は、長手方向または軸方向で被覆され、これにより、この形式により全体として、図4図5および図6において断面で図示されているように、長尺の物品1の長手方向ジャケット2が提供される。
【0026】
これに対して、カバー自体は、図1図2および図3における断面で詳細に再現されている。実際にはカバーは、主に支持体3と、この支持体3上に被着された少なくとも2つの閉鎖ストリップまたは接着ストリップ4とから構成されている。閉鎖ストリップまたは接着ストリップ4は、接着材料から製造されている。
【0027】
閉鎖ストリップ4は、図1に示した実施例が示すように、一緒に支持体3の上面に位置決めすることができる。図2および図3に示した形態の枠内では、両方の閉鎖ストリップ4は、一方では支持体3の上面に、他方では下面に配置されている。支持体3は、テープ状の支持体3であり、図1図3では閉鎖ストリップ4と同様に横断面で図示されている。両方の閉鎖ストリップ4はそれぞれ、支持体3の各長手方向エッジに沿って、または長手方向エッジに対して予め規定された間隔で平行に延びている。図1および図2に示した実施例では、閉鎖ストリップ4は、それぞれ側面で面一に揃うように所属する支持体エッジに接続している。このことは、図3に示した形態における左側の閉鎖ストリップ4にも当てはまるが、これに対して右側の閉鎖ストリップ4は、この実施例の枠内では、支持体エッジに対して離間して、かつ支持体エッジに対して平行に延びている。さらに、両方の閉鎖ストリップ4は、形態1および形態2ではその間に自由領域6を規定している。図3に示した実施例は、それどころか、2つの自由領域6を、一方では両方の閉鎖ストリップ4の間に、他方では両方の閉鎖ストリップ4の隣に有している。
【0028】
図2に示した形態の枠内では、両方の閉鎖ストリップ4の間の自由領域6に、第3の接着ストリップ5が配置されている。この接着ストリップ5は、ここでは位置固定ストリップ5として構成されている。図3に示した実施例では、接着ストリップまたは位置固定ストリップ5が、両方の閉鎖ストリップ4の隣に、ここでは右側の閉鎖ストリップ4の隣でその自由領域6に位置している。これについては、以下でさらに詳しく言及する。両方の閉鎖ストリップ4は、それぞれ、テープ状の支持体3の長手方向エッジに沿って延びているだけではなく、それぞれ張り出すことなしに支持体3上に被着されている。つまり、両方の閉鎖ストリップ4は、支持体3のそれぞれの長手方向縁部または長手方向エッジに面一に揃って配置されているか、または長手方向縁部もしくは長手方向エッジに対して不変の間隔で平行に延びている。これは、この実施例の枠内では有効であるが、必ずしも必要ではない。第3の接着ストリップまたは位置固定ストリップ5も、張り出すことなしに支持体3上に被着されている。
【0029】
本発明によれば、テープ状の長尺の支持体3は、いまや単層に構成されている。さらに、支持体は、LV312-1(2009)によるクラスDの耐摩耗性を有している。支持体3は、ここでは布製の支持体であり、この支持体は、30g/m~300g/mの範囲の面積当り重量を有している。この実施例によれば、布製の支持体3は、織布として構成されている。
【0030】
実際には、これに関連して、ポリエステル糸および/またはポリアミド糸から成る織布が使用される。それぞれのポリエステル糸またはポリアミド糸は、それぞれポリエステル繊維またはポリアミド繊維から構成されている。織布の糸は、説明されたカバーまたはテープ状の支持体3の耐摩耗性を高めるために、冒頭で既に説明されているように、テクスチャード加工され、かつ/または交絡されていてよい。
【0031】
閉鎖ストリップ4または両方の接着ストリップ4、ならびに位置固定ストリップまたは第3の接着ストリップ5はそれぞれ、その接着材料がホットメルトベースの接着材を使用しながら製造される接着ストリップである。実際に、通常のUV硬化型アクリレート接着材を使用することができる。代替的または付加的には、両方の接着ストリップ4および第3の接着ストリップ5を実現するために粘弾性の接着材料を使用することも可能である。
【0032】
閉鎖ストリップ4および位置固定ストリップ5の製造は、通常は、ノズル法において溶融接着材の塗布により行われる。その結果として、接着ストリップ4,5全体は、典型的には同じ幅を有している。それぞれの接着ストリップ4,5の幅は、支持体の幅に関して、約10%~30%の範囲であってよい。それぞれの接着ストリップ4,5のために、本発明は、50g/m~150g/mのストリップ塗布重量を推奨する。
【0033】
既に説明したように、第3の接着ストリップまたは位置固定ストリップ5は、両方の閉鎖ストリップ4の間に、または両方の閉鎖ストリップ4の隣で自由領域6に配置されている。さらに、第3の接着ストリップまたは位置固定ストリップ5は、図2に示した実施例では、支持体3の、図2に破線で示唆された中心軸線Zに対して鏡像対称的に配置されかつ配向されている。
【0034】
上述のカバーにより、図4図6に詳細に図示されているように、長手方向ジャケット2が全体として実現される。図4に示した長手方向ジャケットを製造するために、図1に示したカバーが使用される。その際に、図1に示したカバー1は、まずは一旦、軸方向で、両方の閉鎖ストリップ4のうちの一方の閉鎖ストリップ4により、長尺の物品1に位置固定される。次いで、他方の閉鎖ストリップ4が、包絡部を形成しながら、この場合には支持体3の下面に固定される。なぜならば、図1に示したカバーは、2つの閉鎖ストリップ4を支持体3の上面に有しているからである。
【0035】
図4に示した長手方向ジャケットに対して代替的に、図5の図面に対応する長手方向ジャケットを実現し、実施することができる。この場合に、図2に図示されているようなカバーが使用される。この場合、カバーは、まず軸方向で、位置固定ストリップまたは第3の接着ストリップ5により長尺の物品1に固定される。次いで、支持体3が、両側で長尺の物品1に巻き付くように巻かれて、必要となる包絡部を提供する。支持体3の閉鎖は、閉鎖ストリップ4により、両方の閉鎖ストリップ4が互いに接着されるように、行われる。この構成は、当然ながら必ずしも必要ではなく、両方の閉鎖ストリップ4を、相並んでかつ互いに間隔を置いて、それぞれ支持体3の下面または上面に位置固定することができる。
【0036】
図6に示した長手方向ジャケットを製造するために、図5に示した長手方向ジャケットの場合と同様のことが行われる。しかしこの場合、図3に示したカバーが使用される。この実施例では、図3に示したカバーと同様のカバーが、まず、軸方向で、位置固定ストリップまたは第3の接着ストリップ5により、長尺の物品1に固定される。次いで、支持体3が両側で長尺の物品1に巻き付くように巻かれて、必要となる包絡部を提供する。この包絡部内で支持体3の閉鎖が、互いに接着される閉鎖ストリップ4により行われる。しかし基本的には、両方の閉鎖ストリップ4を、相並んでかつ互いに間隔を置いて、それぞれ支持体3の下面または上面に位置固定することもできる。この場合も、カバーは、まず軸方向で、位置固定ストリップまたは第3の接着ストリップ5により長尺の物品1に固定される。次いで、支持体3が両側で長尺の物品1に巻き付くように巻かれて、必要となる包絡部を提供し、この包絡部内で支持体3の閉鎖が、互いに接着される閉鎖ストリップ4により行われる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6