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特許7109570ゴーグルとフェイスマスクとの組み合わせ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】ゴーグルとフェイスマスクとの組み合わせ
(51)【国際特許分類】
   A61F 9/06 20060101AFI20220722BHJP
【FI】
A61F9/06 360
A61F9/06 370Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020552369
(86)(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-08
(86)【国際出願番号】 CN2019109313
(87)【国際公開番号】W WO2020083010
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2020-09-28
(31)【優先権主張番号】201811239716.1
(32)【優先日】2018-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201821720908.X
(32)【優先日】2018-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517030712
【氏名又は名称】テックメン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】特許業務法人池内アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ウー、ジキアン
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03298031(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0014316(US,A1)
【文献】実開平06-077716(JP,U)
【文献】米国特許第05692522(US,A)
【文献】中国実用新案第205358329(CN,U)
【文献】特表2009-532116(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107348574(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 9/00 - 9/08
A41D 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴーグルフレーム(201)と該ゴーグルフレーム(201)に取り付けられた保護レンズ(202)とを含むゴーグル(200)と、
前記ゴーグル(200)に着脱可能に連結されたフェイスマスク(300)と、
前記ゴーグルフレーム(201)及び前記フェイスマスク(300)の両横側部間に設けられ、前記ゴーグルフレーム(201)の横方向と略平行な回動軸を含む、分離可能なピボット連結構造と、
前記ゴーグルフレーム(201)と前記フェイスマスク(300)との間に設けられ、前記分離可能なピボット連結構造と協働して前記ゴーグルフレーム(201)の下側と前記フェイスマスク(300)の上側とを選択的に係止させるように構成された、分離可能な係止構造と、を含み、
前記分離可能な係止構造が、
前記ゴーグル(200)に形成されたねじ穴(206)と、
前記フェイスマスク(300)に着脱可能に連結され、前記ねじ穴(206)に螺合されるように構成された締結ボルト(400)と、を含み、
前記締結ボルト(400)は、前記ねじ穴に螺合されていないときに前記フェイスマスクから外れないように離脱防止設計されている、装置(100、1000)。
【請求項2】
前記分離可能なピボット連結構造が、
前記ゴーグルフレーム(201)の両横側部に形成された受け具(205)と、
前記フェイスマスク(300)の両横側部に形成され、前記受け具(205)に対して相対的に回動可能なように前記受け具(205)に着脱可能に受け入れられるように構成された回動部(302)と、を含む、請求項1に記載の装置(100、1000)。
【請求項3】
前記受け具(205)の断面が略C字形状であり、
前記回動部(302)が、前記C字形状における切込みに弾性変形によって挿入されるように構成されたピン状に構成された、請求項2に記載の装置(100、1000)。
【請求項4】
前記分離可能な係止構造が、前記フェイスマスク(300)に回動自在に連結された着脱可能なスナップ篏合部品(500)と、前記ゴーグル(200)に形成された突起(220)とを含み、
前記スナップ篏合部品(500)が、前記ゴーグル(200)と前記フェイスマスク(300)とが互いに係止されるように、回動により前記突起(200)に連結されるように構成された、請求項2に記載の装置(100、1000)。
【請求項5】
前記保護レンズ(202)が、自動遮光フィルタを含む、請求項1および4のうちのいずれか一項に記載の装置(100、1000)。
【請求項6】
前記分離可能なピボット連結構造が、
前記フェイスマスク(300)の両横側部に形成された受け具と、
前記ゴーグル(201)の両横側部に形成され、前記受け具(205)に対して相対的に回動可能なように前記受け具(205)に着脱可能に受け入れられるように構成された回動部(302)と、を含む、請求項1に記載の装置(100、1000)。
【請求項7】
前記C字形状における開口部が、上向きまたは斜め上向きに形成された、請求項に記載の装置(100、1000)。
【請求項8】
第1の接触壁(210)が、前記ゴーグルフレーム(201)の前記下側に形成され、
前記ねじ穴(206)が、前記第1の接触壁(210)に形成され、
前記フェイスマスク(300)が、貫通穴(305)を有する第2の接触壁(303)を含み、
前記締結ボルト(400)が、前記ゴーグルフレーム(201)を前記フェイスマスク(300)に対して相対的に回動させると前記第1の接触壁(210)が前記第2の接触壁(303)に接近するように、前記貫通穴に挿入可能である、請求項に記載の装置(100、1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般に、ゴーグルとフェイスマスクとを含む装置、特に、溶接用の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴーグルは、目を保護するために様々な応用分野において広く使用されている。例えば、溶接現場では、溶接作業中に有害な光線や飛沫から作業者の目を保護するために、自動遮光フィルタを備えたゴーグルが用いられ得る。また、例えば、作業現場に有害ガスが存在する場合は、作業者の目を損傷から守るために、透明なゴーグルが用いられ得る。
【0003】
目に加えて、作業者の顔面を保護することが必要な場合もある。しかしながら、特殊な作業現場においては、作業者が保護ヘルメットを装備するのは非常に面倒なことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、ゴーグルとフェイスマスクとを含む装置であって、ゴーグルを単独で装着および使用することができ、所望の場合には、使用者の顔面を保護できるようにゴーグルにフェイスマスクを確実且つ便利に組み付けることができるようになっている装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の一態様によると、ゴーグルとフェイスマスクとを含む装置であって、
ゴーグルフレームと該ゴーグルフレームに取り付けられた保護レンズとを有するゴーグルと、
ゴーグルに着脱可能に連結されたフェイスマスクと、を含み、
分離可能なピボット連結構造が、ゴーグルフレームの両横側部とフェイスマスクの両横側部との間に設けられ、ゴーグルフレームの横方向と略平行な回動軸を有し、分離可能な係止構造が、ゴーグルフレームとフェイスマスクとの間に設けられ、上記分離可能なピボット連結構造と協働してゴーグルフレームとフェイスマスクとを選択的に係止させる、装置が提供される。
【0006】
上記分離可能なピボット連結構造が、ゴーグルフレームの両横側部に形成された受け具と、フェイスマスクの両横側部に形成された回動部とを含み、回動部は、受け具に対して相対的に回動可能なように受け具に着脱可能に受け入れ可能となっていてもよい。
【0007】
上記分離可能な係止構造が、フェイスマスクに着脱可能に連結された締結ボルトと、ゴーグルに形成されたねじ穴とを含み、締結ボルトがねじ穴に螺合可能となっていてもよい。
【0008】
上記受け具が、略C字状の断面形状を有し、上記回動部が、該C字形状における切込みに弾性変形によって挿入可能であるように、概ねピン状に構成されていてもよい。
【0009】
上記受け具が、ねじ穴に螺合されていない場合にフェイスマスクから外れないように、離脱防止されるように設計されていてもよい。
【0010】
上記分離可能な係止構造が、フェイスマスクに回動自在に連結された着脱可能なスナップ篏合部品と、ゴーグルに形成された突起とを含み、当該スナップ篏合は、ゴーグルとフェイスマスクとが互いに係止されるように、回動により突起にスナップ篏合可能であってもよい。
【0011】
上記保護レンズが、自動遮光フィルタを含んでいてもよい。
【0012】
上記分離可能なピボット連結構造が、フェイスマスクの両横側部に形成された受け具と、ゴーグルの両横側部に形成された回動部とを含み、回動部は、受け具に対して相対的に回動可能なように受け具に着脱可能に受け入れ可能となっていてもよい。
【0013】
上記C字形状における開口部が、上向きまたは斜め上向きに形成されていてもよい。
【0014】
第1の接触壁が、上記ゴーグルフレームの下側に形成され、上記ねじ穴が、該第1の接触壁に形成され、上記フェイスマスクが、貫通穴が形成された第2の接触壁を有し、上記締結ボルトが、ゴーグルフレームをフェイスマスクに対して相対的に回動させているときに第1の接触壁が第2の接触壁に接近可能であるように、貫通穴に挿入可能であってもよい。
【0015】
本願の装置は、溶接現場において使用者が便利且つ柔軟に使用することができる。例えば、フェイスマスクを装着する必要がない場合は、ゴーグルのみを使用者の頭部に装着することができる。使用者の顔面全体を保護する必要がある場合は、フェイスマスクのゴーグルへの連結が迅速且つ確実に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本願の上記およびその他の態様は、以下の説明を添付の図面と併せて読むことによってよく理解されるであろう。図面は異なる比率で表示されている場合もあるが、本願の理解に影響を及ぼすものではないことを理解されたい。図面において、
図1は、本願に係る、ゴーグルとフェイスマスクとを含む装置の一実施形態を概略的に示す分解図であり、
図2Aおよび図2Bは、図1のゴーグルとフェイスマスクとがどのように組み付けられるかを概略的に示し、
図3は、図1のゴーグルとフェイスマスクとを含む装置を概略的に示す全体図であり、
図4は、図1の装置のフェイスマスクの一部分を概略的に示す断面図であり、
図5は、本願に係る、ゴーグルとフェイスマスクとを含む装置の別の実施形態を概略的に示す分解図であり、
図6は、図5のゴーグルとフェイスマスクとを含む装置の組み付け方法を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願の図面において、同様または同一の構成または機能を有する特徴は、それぞれ同じ参照符号で示されている。
【0018】
図1は、本願の一実施形態に係る、ゴーグルとフェイスマスクとの組み合わせを含む装置100を概略的に示す分解図である。装置100は、ゴーグル200とフェイスマスク300とを含む。ゴーグル200は、概ねプラスチック材料からなるゴーグルフレーム201を含む。ゴーグルレンズ202がゴーグルフレーム201に取り付けられる。本願において、ゴーグルレンズ202は、自動遮光フィルタまたは透明な保護シートであり得る。ゴーグル200を装着している使用者の目の周辺組織を保護することができる保護クッション203が、ゴーグルフレーム201上に設置され得る。保護クッション203は、任意の適切な可撓性材料からなり得る。
【0019】
ゴーグルフレーム201の横方向に対向する両側部には、ゴーグル200を使用者の頭部に容易に固定することができる弾性ベルトの両端に連結するための2つのフック部204がそれぞれ形成されている。2つの受け具205も、ゴーグルフレーム201の横方向に対向する両側部のそれぞれに、ゴーグル200の正中面に対して対称に配置されるように、形成されている。なお、本願の文脈において、ゴーグル200(またはフェイスマスク300)またはそれらの構成要素について用いられる「横(方向に)」という語は、ゴーグル(またはフェイスマスク)を装着している使用者の頭部を基準とした左右方向をいう。図1において、ゴーグルフレーム201の点線の円には、右側の受け具205を拡大して示している。
【0020】
本願において、フェイスマスク300は、半フェイスマスクであり得る。すなわち、このマスクは、使用者の目より下の顔面区域を隠す領域を有する。本願の文脈において、「上」という語は、使用者の身長(または頭高)を基準として定められる方向または向きをいう。例えば、1つの特徴が別の特徴の上にあるとは、使用者の身長(または頭高)に沿って、当該1つの特徴が当該別の特徴よりも高い位置にあることを意味する。「下」という語は、使用者の身長(または頭高)を基準として定められる方向または向きをいう。例えば、1つの特徴が別の特徴の下にあるとは、使用者の身長(または頭高)に沿って、当該1つの特徴が当該別の特徴よりも低い位置にあることを意味する。ゴーグル200のゴーグルフレーム201の下側に接触壁210が形成されている。接触壁は、使用者の鼻梁を部分的に受け入れられるように、中央部分がくぼんでいる。
【0021】
2つの回動部302が、フェイスマスク300の横方向に対向する側部のそれぞれに形成されている。回動部は、フェイスマスク300の正中面に対して対称である。図1において、フェイスマスク300の点線の円には、右側の回動部302を拡大して示している。回動部302は、フェイスマスク300の内壁から内側に延びるピン状である。本願の文脈において、「内/内側」という語は、一般に、使用者の身体または頭部側を向く方向または向きをいい、「外/外側」という語は、一般に、使用者の身体または頭部とは反対側を向く方向または向きをいう。
【0022】
接触壁303が、フェイスマスク300の上周縁を部分的に囲んで延びており、各回動部302からは離間されている。上記2つの回動部302は、接触壁303の両端にそれぞれ隣接して位置している。支持壁304が、回動部302につながるように、接触壁303の端からフェイスマスク300の内壁と略平行に延びている。
【0023】
接触壁303は、ゴーグル200とフェイスマスク300とを組み付けた際に接触壁210と接触壁303とが少なくとも部分的に互いに接触できるように、ゴーグル200の接触壁210に沿う形状となっている。ゴーグル200の受け具205は、ゴーグルフレーム201から延出しており、切込みの入った管状である。すなわち、受け具205は、C字形状の断面を有する。特に、当該C字形状における切込みは、回動部302の直径よりもやや小さい寸法を有する。そのため、回動部302を受け具205に回動自在に受け入れることができるように、当該C字形状における切込みを拡開変形させることによって、上記切込みの入った管状の受け具205に回動部302を押し込むことができる。所望の場合には、回動部302を受け具から引き抜くことによって、両者を分離させ得る。このようにして、ゴーグル200の2つの受け具205とフェイスマスク300の回動部302とを、上記のように回動自在に係合できるように構成することができ、よって、受け具205と2つの回動部302のそれぞれとは、分離可能なピボット連結構造を構成する。この分離可能なピボット連結構造は、ゴーグル200、特にゴーグルフレーム201の横方向と略平行な回動軸を有する。代替的な実施形態において、分離可能なピボット連結構造の回動部と受け具とを交換してもよい。例えば、回動部をゴーグル200に設け、受け具をフェイスマスク300に設けてもよい。
【0024】
ゴーグル200の各受け具205のC字形状における切込みは、ゴーグル200のゴーグルレンズ202が地面に略垂直であって、回動部302が各C字形状における切込みに挿入されている場合に、フェイスマスク300が重力によってゴーグル200から脱落しないように、上向きまたは斜め上向きである。
【0025】
ゴーグル200の接触壁210には、2つのねじ穴206が、接触壁210の中央の凹部の両側に対称に位置するように、形成されている。これらに対応して、フェイスマスク300の接触壁303には、2つの貫通穴305が、接触壁210と接触壁303とを互いに位置合わせしたときに、ねじ穴206と貫通穴305とをそれぞれ互いに位置合わせすることができるように、形成されている。締結ボルト400を各貫通穴305に挿通することができる。
【0026】
さらに、図4に示すように、締結ボルト400は軸410を含む。例えば、軸410は、係止強度を高められるように、金属材料からなり得る。軸410は、対応するねじ穴206に螺合させることができるように、ねじ部420を一端に有して形成されている。軸は、軸410を回転させることができる頭部430を対向する他端に有して形成されている。ねじ部420は、貫通穴305の内径bよりもやや大きい外径aを有する。さらに、ねじ部420と頭部430との間の軸410に、径小部450が形成されている。径小部450は、軸410のねじ部420を貫通穴305に押し込んで通過させると、径小部450が貫通穴305内に位置し、それによって軸410が貫通穴305内で自由に回転可能となるように、貫通穴305の内径bよりもやや小さい直径を有する。したがって、締結ボルト400は、締結機能を有するだけでなく、離脱防止設計にもなっている。使用者が締結ボルト400を手動で回転させやすくする操作キャップ440を、頭部430にプラスチック材料でオーバーモールドしてもよい。所望の場合には、締結ボルト400の操作キャップ440を強く引っ張ることによって、ねじ部420を再び貫通穴305に押し込んで通過させて、締結ボルト400をフェイスマスク300から取り外すことができる。その後、回動部302を受け具205から引き抜くことによって、装置100が分解される。
【0027】
図4に示すように、接触壁303の頭部430側において、締結時に上記プラスチック材料からなる操作キャップ440が当接可能なフランジリング306が、貫通穴305の周囲に形成されている。
【0028】
ここで、本願に係る、ゴーグルとフェイスマスクとからなる装置100の組み付け方法について、図1図3を参照しながら以下に説明する。まず、例えば、矢印1で示すようにフェイスマスク300の回動部302をゴーグル200のC字形状の受け具205に挿入することによって、ゴーグル200をフェイスマスク300に回動自在に連結する。その前後いずれかにおいて、例えば締結ボルト400を貫通穴305に挿入することによって、締結ボルト400をフェイスマスク300に着脱可能に取り付けることも可能である。ゴーグル200の受け具205のC字形状における切込みが上向きまたは斜め上向きであるため、回動部302は、概してフェイスマスク300の接触壁303がゴーグル200の接触壁210から離れるような方法で、ゴーグル200のC字形状の受け具05に挿入される。次いで、図示するように、フェイスマスク300を、回動部302とC字形状の受け具205とによって形成されたピボット連結構造の回動軸周りにゴーグル200に向かって回動させ、図2Aに示すように、フェイスマスク300の接触壁303がゴーグル200の接触壁210に接近し、互いに接触するようにする。次いで、締結ボルト400の操作キャップ440を回転させることによって、締結ボルト400のねじ部420をゴーグル200のねじ穴206に螺合させ、操作キャップ440をフェイスマスク300の貫通穴305に隣接するフランジ306に当接させるようにする。最終的に、ねじ締結力により、ゴーグル200とフェイスマスク300とを互いに係止させることができる。このようにして、ゴーグルとフェイスマスクとを含む装置100を適切に組み付けることができる。所望の場合には、締結ボルト400をゆるめて、回動部302をC字形状の受け具205から取り外すことによって、ゴーグルとフェイスマスクとを含む装置100を分解することができる。
【0029】
本願の前述の実施形態では2つの締結ボルト400とゴーグル200の2つのねじ穴206とが分離可能な係止構造を構成しているが、締結ボルト400および/またはねじ穴206の個数は2つに限定されるものではないことが、当業者には理解されよう。例えば、その代わりに、締結ボルト400を1つだけ設けて、分離可能な係止構造を構成するようにゴーグル200の1つのねじ穴206に係合させてもよい。代替的な実施形態において、3つ以上の締結ボルト400を設けてもよく、3つ以上のねじ穴206をゴーグル200に設けてもよい。
【0030】
図5は、本願の別の実施形態に係る、ゴーグルとフェイスマスクとを含む装置1000を概略的に示す分解図である。装置1000と前述の装置100とで類似の内容に関しては、上記の説明を参照されたい。ここでは、相違点のみを以下に実質的に説明する。
【0031】
ゴーグルとフェイスマスクとを含む装置1000においては、装置100の締結ボルト400の代わりに、2つのスナップ篏合部品500が用いられる。さらに、装置1000のフェイスマスク300の接触壁303の下側に、2つのフック部310がそれぞれ形成されている。一方、2つの突起220が、装置1000のゴーグル200の接触壁210の縁に隣接して形成されている。2つのフック部310と2つの突起220とは、接触壁303と接触壁210とが互いに接触しているときに、フック部と突起とがそれぞれ互いに位置合わせされるように、位置決めされている。各スナップ篏合部品500は、概ねL字状の断面形状を有しており、当該L字形状の一方の腕には、フック部310に引っ掛けることができ、ひいては、スナップ篏合部品500をフック部310周りに回動させることができるように、開口部が形成されている。フェイスマスク300とゴーグル200とが図2Bに示すように回動自在に連結されると、スナップ篏合部品500を、それらの開口部を介してフック部310に引っ掛け、スナップ篏合部品500のL字形状の他方の腕が対応する突起220に係合するまでフック部310周りに回動させる(図6の矢印3で示すように)ことができる。このようにして、スナップ篏合部品500が突起220とフック部310との両方に作用させる接触力により、ゴーグル200とフェイスマスク300とを互いに係止させることができる。これにより、ゴーグルとフェイスマスクとを含む装置1000を組み付けることができる。
【0032】
所望の場合には、スナップ篏合部品500を引っ張って、スナップ篏合部品500を突起220から外し、スナップ篏合部品500をゴーグル200およびフェイスマスク300から取り外すことができるようにすることによって、ゴーグル200とフェイスマスク300との係止を解除することができる。次いで、回動部302を受け具205から引き抜くことによって、装置1000を分解することができる。
【0033】
本願の文脈において、様々な実施形態を任意に組み合わせることができる。いくつかの特定の実施形態について説明したが、これらの実施形態はあくまで例示のために提示したものに過ぎず、本願の範囲を制限するとみなされるべきではない。本願の趣旨および範囲から逸脱しない限り、種々の置換え、交代、および変形を考案可能である。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6