IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スウィッツァリシェ バーデンスバーネン エスビービーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】通信方法及び通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 15/00 20060101AFI20220722BHJP
   H04M 3/00 20060101ALI20220722BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
H04M15/00 G
H04M3/00 B
H04M11/00 302
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020564313
(86)(22)【出願日】2018-12-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-24
(86)【国際出願番号】 EP2018083524
(87)【国際公開番号】W WO2019149407
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-11-09
(31)【優先権主張番号】18155030.2
(32)【優先日】2018-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520291869
【氏名又は名称】スウィッツァリシェ バーデンスバーネン エスビービー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】フォスター,マーカス
【審査官】山岸 登
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-505438(JP,A)
【文献】特開2007-214698(JP,A)
【文献】特開2001-111727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
15/00-15/38
H04W4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの少なくとも1つのモバイル端末(MT)用の通信方法であって、データ端末(DT)へのまたは音声端末(ST)への少なくとも1つのモバイル通信ネットワーク(PLMN)を介したデータ接続または呼接続をセットアップするのに適切であり、ホストのホストサーバ(HS)との無線通信に適切であり、
a)前記ホストサーバ(HS)と前記モバイル端末(MT)との間に、無線通信リンクが確立され、前記無線通信リンクを介して、識別データ(ID)は前記モバイル端末(MT)から前記ホストサーバ(HS)に移送されることと、
b)前記ホストサーバ(HS)はバウチャー(VR)を作成し、前記ホストサーバ(HS)では、少なくとも前記識別データ(ID)及び時間周期(tVR)及び好ましくは前記ホストサーバ(HS)の識別子が登録されることと、
c)前記バウチャー(VR)は、前記モバイル端末(MT)の請求明細書を準備する、前記モバイル通信ネットワーク(PLMN)のオペレータに、またはサービスプロバイダ(SP)に伝達されることと、
d)前記モバイル通信ネットワーク(PLMN)の前記オペレータまたは前記サービスプロバイダ(SP)は、前記バウチャー(VR)に基づいて、前記バウチャー(VR)に示される前記時間周期(tVR)の間に登録された前記モバイル端末(MT)のデータ接続または呼接続に関する通信費を、少なくとも部分的に、前記ホストサーバ(HS)の前記識別子に割り当てられるアカウントに記入することと、
前記モバイル端末(MT)によってキャプチャされるラジオビーコン識別(BID)を伝達するラジオビーコン(HB)が提供されること、及び/または
前記モバイル端末(MT)はGPS信号を受けることと、前記モバイル端末(MT)は、前記ラジオビーコン識別(BID)及び/またはGPSデータを前記ホストサーバ(HS)に伝達し、前記ホストサーバ(HS)は、前記モバイル端末(MT)の位置が前記ホストの既定のサービスエリア内にある場合、前記ラジオビーコン識別(BID)及び/またはGPSデータを場所データとして使用し、前記バウチャー(VR)を作成することと、
を特徴とする、方法。
【請求項2】
ホストアプリケーション(APP-H)が実装される固定ホストサーバまたはモバイルホストサーバ(HS)及びクライアントアプリケーション(APP-C)が実装される前記モバイル端末(MT)はWLANのアプリケーション層、移動無線ネットワークで通信すること、またはデータは光インターフェースを介して伝達されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ホストサーバ(HS)に伝達される前記識別データ(ID)は、
a)前記モバイル端末(MT)または前記ユーザに関連付けられる識別子(IMEI,IMSI)、及び/または、
b)場所データまたは/またはホスト識別子、及び/または、
c)前記サービスプロバイダ(SP)に割り当てられる識別子、及び/または、
d)タイムスタンプ
とを含み、前記識別データ(ID)の検証または登録の後に、前記バウチャー(VR)が作成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
a)前記ホストサーバ(HS)は、前記バウチャー(VR)を前記モバイル通信ネットワーク(PLMN)の前記オペレータにもしくは前記サービスプロバイダ(SP)に、個々にまたはバッチで伝達すること、または、
b)前記バウチャー(VR)は、前記ホストサーバ(HS)から前記モバイル端末(MT)に、及び前記モバイル端末(MT)から前記モバイル通信ネットワーク(PLMN)の前記オペレータに、もしくは前記サービスプロバイダ(SP)に伝達されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ホストサーバ(HS)は、前記モバイル端末(MT)に電子的に記憶される購入の電子証明書等の認定書の存在の検証後に、前記バウチャー(VR)を発行することを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ホストサーバ(HS)は、前記識別データ(ID)及び/または場所データの問い合わせの繰り返し後に、好ましくは、前記時間周期(tVR)の開始または終了に、及び/または前記ホストサーバ(HS)に割り当てられる部屋もしくはサービスエリアに入るとき及び出るとき、前記バウチャー(VR)を発行することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ホストサーバ(HS)は、
a)管理コンピュータ(VR)から読み出される時間周期等の提供されるサービスに関する時間周期に従って、または、
b)好ましくは前記ホストサーバ(HS)に割り当てられる部屋に入るときの前記モバイル端末(MT)のログインと、好ましくは前記ホストサーバ(HS)に割り当てられる前記部屋を出るときの前記モバイル端末(MT)のログオフとの間の時間周期に従って、または、
c)前記モバイル端末(MT)の前記ユーザに関して記憶された存在時間を考慮することによって、または、
d)前記モバイル端末(MT)の位置が前記ホストのサービスエリア内に位置する時間周期に従って、前記時間周期(tVR)を定義することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記モバイル端末(MT)の前記ユーザは、前記ユーザの前記モバイル端末(MT)に、クライアントアプリケーション(APP-C)をダウンロード及び実装し、前記ホストサーバ(HS)のホストアプリケーション(APP-H)への接続を確立した後、前記モバイル端末(MT)に割り当てられる、または前記ユーザに割り当てられる識別子(IMEI,IMSI)等の前記識別データ(ID)を転送するとともに、前記ホストサーバ(HS)において最初のログインを行い、前記ホストサーバ(HS)は、前記ユーザまたは前記モバイル端末(MT)を登録し、登録された前記ユーザまたは登録された前記モバイル端末(MT)だけのための前記バウチャー(VR)を発行することを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記サービスプロバイダ(SP)または前記モバイル通信ネットワーク(PLMN)の前記オペレータは、前記バウチャー(VR)を前記モバイル端末(MT)から受信されるメッセージからを抽出することを可能にするアプリケーション(APP-SP;APP-O)を使用することを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記サービスプロバイダ(SP)または前記モバイル通信ネットワーク(PLMN)の前記オペレータは、前記バウチャー(VR)を受信した後、集中型ホストサーバ(HSC)の識別子または前記ホストサーバ(HS)の前記識別子によって、前記バウチャー(VR)に示される前記時間周期(tVR)の間に登録された前記モバイル端末(MT)のデータ接続または呼接続の前記通信費に関する請求書の受領者の識別情報を交換することを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記モバイル端末(MT)の前記ユーザに割り当てられる識別子(IMSI MT)は、前記バウチャー(VR)に示される前記時間周期(tVR)に、集中型ホストサーバ(HSC)の識別子(IMSI H)または前記ホストサーバ(HS)の前記識別子に変換されることを特徴とする、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の通信方法を実行する通信システム
【請求項13】
データ端末(DT)へのまたは音声端末(ST)への少なくとも1つのモバイル通信ネットワーク(PLMN)を介したデータ接続または呼接続をセットアップするのに適切であり、クライアントアプリケーション(APP-C)が実装される、ユーザの少なくとも1つのモバイル端末(MT)と、ホストアプリケーション(APP-H)が実装される少なくとも1つのローカルホストサーバ(HS)とが提供されることと、
前記ホストアプリケーション(APP-H)を用いて、
a)識別データ(ID)は、前記クライアントアプリケーション(APP-C)を介して、前記モバイル端末(MT)から前記ホストサーバ(HS)に伝達でき、
b)バウチャー(VR)を発行でき、前記ホストサーバ(HS)では、少なくとも前記識別データ(ID)及び時間周期(tVR)及び好ましくは前記ホストサーバ(HS)の識別子が登録され、
c)発行済の前記バウチャー(VR)は、前記モバイル端末(MT)の請求明細書を準備する、前記モバイル通信ネットワーク(PLMN)のオペレータに、またはサービスプロバイダ(SP)に移送可能であり、
d)前記モバイル通信ネットワーク(PLMN)の前記オペレータの機器または前記サービスプロバイダ(SP)の機器は、前記バウチャー(VR)に基づいて、前記バウチャー(VR)に示される前記時間周期(tVR)の間に登録された前記モバイル端末(MT)のデータ接続または呼接続に関する通信費を、少なくとも部分的に、前記ホストサーバ(HS)の前記識別子に割り当てられるアカウントに記入するように設計されていることを特徴とする、請求項12に記載の通信システム。
【請求項14】
前記モバイル端末(MT)によって検出されるビーコン識別書を発するWLANビーコン(HB)(具体的には、Bluetooth(登録商標)ビーコン)が提供されること、及び/または、前記モバイル端末(MT)は、GPS信号を受信するために設計されていることと、前記ビーコン識別書及び/またはGPSデータは、前記モバイル端末(MT)から前記ホストサーバ(HS)に移送可能であり、前記ホストサーバ(HS)では、前記ビーコン識別書及び/または前記GPSデータの場所データに基づいて、前記モバイル端末(MT)に関する場所データを判定でき、判定された前記場所データに基づいて、バウチャー(VR)を発行できることとを特徴とする、請求項12または13に記載の通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信サービスがモバイル端末のユーザに提供される通信方法及び通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最新の通信ネットワークは、加入者またはユーザが、いずれかの場所におけるそのモバイル端末から、移動無線ネットワーク(例えば、GSM(登録商標)規格またはそれに関連するまたは拡張規格に従って動作する移動無線ネットワーク)を介して、移動無線ネットワークに直接的または間接的に接続される他の端末への呼接続またはデータ接続を確立することを可能にする。
【0003】
ファクトシートGSM(登録商標)(連邦通信局(BAKOM)、2015年6月、ベルン)に従って、GSM(登録商標)システムは、元々、モバイル音声電話サービスのために設計されたものである。後で、GSM(登録商標)規格は、新しい機能等のHSCSD(高速回路交換データ)、GPRS(汎用パケット無線サービス)(登録商標)及びEDGE(GSM(登録商標)エボリューションの強化データ転送速度)(登録商標)またはLTE(ロングタームエボリューション)(登録商標)によって拡張されたものである。
【0004】
欧州特許出願公開第2023674号明細書は、移動無線ネットワークにおけるモバイル端末の移動性管理の手順を説明しており、それによって、車両内に運ばれたモバイル端末に関するハンドオーバーに関する問題を回避できる。したがって、モバイル端末は、混乱のリスクを生じることなく、多くの車両で効率的に使用できる。欧州特許出願公開第2631152号明細書は、移動無線ネットワークでモバイル端末を特定するための及び鉄道網の全車両を管理するための方法を説明している。
【0005】
公共建物または公共場所では、モバイル端末は、多くの場合、インターネット無線ネットワーク(WLAN無線ローカルエリアネットワーク)を介して無料で接続できる。
【0006】
ファクトシートWLAN(連邦通信局(BAKOM)、2017年3月、ベルン)は、WLANの技術及び規格を説明している。一般的に、IEEE(登録商標)802.11規格を使用する。短距離及びアドホックネットワークの設定に関して、Bluetooth(登録商標)規格IEEE802.15.1は、また、定期的に施行される。
【0007】
公共建物及び車両では、訪問客、ゲスト、及び顧客は、多くの場合、ホストによって通信サービスへのフリーアクセスが許可される。用語「ホスト」は、例えば、政府機関、公共輸送機関のオペレータ、商業用建物のオーナー、レストラン、スポーツ施設、またはオフィスビル等を含む。
【0008】
係るWLANネットワークの動作は、オペレータ及びユーザの利点及び不利点をもたらす。安いコストのWLAN技術及び安いコストのコストインターネットアクセスは、オペレータに利用可能である。パスワードの受領後、ユーザは、無料でWLANオファーを使用できる。
【0009】
不利点は、通信サービスのオペレータまたはプロバイダは、ユーザがユーザの滞在の全期間中に、ラウンジ全体で、WLANにアクセスできることを確実にする必要があることである。大部屋または部屋設備及び複合ビルでは、特に、列車では、したがって、オペレータは、対応して、複雑な導入及びメンテナンスを実行する必要がある。ユーザの視点から、これは、多くの場合、ユーザが自身のサービスプロバイダから使用される接続品質をもたらさない。データ転送レートはあまりに遅くなり得る、またはネットワーク範囲は不十分であり得る。データ伝達レートは、一般的に、WLANに接続されるモバイル端末の数によって減少する。
【0010】
したがって、ユーザは、通常、コストに関して最適化され、品質に関して最適化されない、オペレータまたはホストの解決策に依存せざるを得ない。技術的問題の発生は、両面で不満足である。ホストは、サービスの全パッケージに影響を及ぼすエラーメッセージ及びクレームを受信することを予想する必要がある。通信サービスを必要とするユーザは、ユーザの仕事及び商取引を効率的に実行することが可能ではない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】欧州特許出願公開第2023674号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2631152号明細書
【文献】欧州特許出願公開第1862593号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明は、改善された通信方法及び改善された通信システムを作成する目的に基づくものである。
【0013】
通信方法及び通信システムは、ホストが、モバイル端末を有するゲストまたはユーザに、上述の不利点がなく、通信サービスへのフリーアクセスまたはディスカウントアクセスを許可することを可能にするであろう。通信システムの動作中、ホストは、技術的質問及びエラーメッセージに直面しないであろう。ユーザは、ユーザが慣れている品質において制限がなく、他のアクティブなモバイル端末の数に関係なく、通信サービスを使用することが可能であろう。通信システムの動作中、ホストは、技術的問い合わせ及びエラーメッセージに直面しないはずである。
【0014】
本発明に関する通信システムは単純構成を有するであろう、少ない労力で実装されるであろう。複雑な導入を回避するであろう。さらに、公衆通信システム及びそのプロトコルの変更において利点をもたらすように考慮され得る改善を提案するであろう。
【課題を解決するための手段】
【0015】
このタスクは、請求項1及び13に規定される特徴を有する通信方法及び通信システムによって解決される。本発明の利点をもたらす実施形態は、さらなる請求項に示される。
【0016】
通信方法は、少なくとも1つのモバイル通信ネットワークを介したデータ端末へのまたは音声端末へのデータ接続または呼接続をセットアップするのに適切であり、ホストのホストサーバとの無線通信に適切である、ユーザの少なくとも1つのモバイル端末のために提供される。例として1つのモバイル端末を使用する本発明に関する通信システムの使用が下記に説明されているが、通信システムは、スマートフォン、タブレット、ノートパソコン等の異なる種類の任意の数のモバイル端末によって使用できる。
【0017】
例えば、列車の乗客のモバイル端末、レストランへの訪問客のモバイル端末、展示会、オフィスビル、スポーツイベント、または公共建物は、制限なしで、本発明に関する通信システムを使用できる。
【0018】
本発明に従って、
a)無線通信リンクはホストサーバとモバイル端末との間に確立され、無線通信リンクを介して、識別データはモバイル端末からホストサーバに移送され、
b)バウチャーはホストサーバによって作成され、ホストサーバでは、少なくとも識別データ及び時間周期及び好ましくはホストサーバの識別子は登録され、
c)バウチャーは、モバイル端末の請求明細書を準備する、モバイル通信ネットワークのオペレータに、またはサービスプロバイダに伝達され、
d)モバイル通信ネットワークのオペレータまたはサービスプロバイダは、バウチャーに基づいて、バウチャーに示される時間周期中に登録されたモバイル端末のデータ接続または呼接続に関する通信費を、少なくとも部分的に、ホストサーバの識別子に割り当てられるアカウントに記入する。
【0019】
したがって、本発明に関する通信システムは、ホストが、モバイル端末の任意のユーザ(例えば、ゲスト、特に、乗客、ビジネスパートナー、顧客、スタッフまたは訪問客)が無料のまたは少ないコストの通信サービスへのアクセスを提供することを可能にする。通信費は、十分にまたは部分的に、サービスプロバイダによる好都合な条件を交渉するホストによって負担される。
【0020】
ユーザは、そのプロバイダの通信サービスを使用することを継続できる一方、コストはホストによって負担される。本発明の様々な構成では、ホストに関するハードウェアのコストは安くなる。本発明の特に利点をもたらす実施形態では、無線ネットワークの導入は完全になくすことができる。代わりに、識別子を送るだけで、モバイル端末と双方向に通信しないラジオビーコンを導入する。したがって、ホストは、ホストの建物、エリアにおいて、または輸送の手段で、最小コストで必要な数のラジオビーコンを導入でき、その後、さらなるハードウェア費用は必要ではない。
【0021】
ユーザは、少ない労力でホストにログオンでき、次に、そのモバイル端末を介して、いつものように通信できる一方、コストはホストに請求される。識別データの伝達によるログインはユーザによって、または好ましくは自動的に初期化され、これにより、ユーザが必要な作業がなくなる。ホストサーバにインストールされるアプリケーションとデータを交換するアプリケーションまたはアプリケーション(ソフトウェアアプリ)のインストールが1回だけ必要である。モバイル端末のアプリケーションとホストサーバのアプリケーションとの間の短い通信は、いずれかの無線通信ネットワーク、WLANまたは公衆移動無線ネットワークを介して行うことができる。
【0022】
ユーザは、例えば、移動無線ネットワークを介して、ホストのインターネットページから、アプリケーションをダウンロードし、アプリケーションをユーザのモバイル端末にインストールできる。次に、ユーザは、インストールされたアプリケーションを介して、ホストサーバと通信できる。ユーザは第1の接点でホストに登録し、IMSI等のユーザの識別データをホストに移送するのが好ましい。通信サービスの後の使用において、ホストは、そのオファーから利点をもたらすユーザを制御している。このプロセスは、ユーザが既に別のアプリケーションまたはホストのアプリケーションを使用しており、ユーザの識別データがそのアプリケーションに既に入力されている場合に特に容易である。
【0023】
様々な利点をもたらす実施形態で実現できる本発明は、多くの他の利点をもたらす。
【0024】
モバイル端末にホストによって提供されるアプリケーションを実装することによって、バウチャーの安全な作成のために、または他の目的のために使用できるホストとユーザとの間のデータ交換の拡張を行うことができる。
【0025】
ホストは、現在のオファー及び情報をアプリケーションに提示できる。電車の乗客は、遅延の予想またはオファー(例えば、食堂車のオファー、または目的地のサービスプロバイダからのオファー)等の現在の旅行情報が提供されることができる。デパートでは、特別なアクションは、アプリケーションに伝達できる。スポーツアリーナでは、現在のスポーツ結果及び見込みの交通機関のバックグランド情報は、イベントの終了後に通信できる。
【0026】
ホストとユーザとの間の対話を促進でき、結果的に顧客忠誠心をより強くする。例えば、アプリケーションはバウチャーの割り当てまたは時間周期の計算において考慮され得る購入品を登録するために使用できる一方、モバイル端末は無料で使用できる。輸送機関ネットワークのオペレータは、バウチャーの延長を輸送サービスの常連のユーザに割り当てることができる。
【0027】
本発明に従ったモバイル端末にインストールされるアプリケーションは、バウチャーを発行するために使用される、またはユーザに追加の有益性をもたらす他のアプリケーションと、データを交換できる利点をもたらす。好ましい実施形態では、電子チケット発行は、本発明に従ったモバイル端末にインストールされるアプリケーションと結び付けられる。これは、ホストサーバが乗客の乗車する権利を確認した後、バウチャーが乗客または乗客のモバイル端末だけに発行されることを意味する。したがって、乗客は、通信サービスへのフリーアクセスを得るために、旅行中に、その旅行の権利を電子的に確認させることが動機付けられる。したがって、電子チケットの提示は、義務ではないが、望ましいプロセスである。これは、鉄道運営会社によって、確認プロセスを容易にするであろう。
【0028】
モバイル端末に実装されるアプリケーションは、また、移動無線ネットワークとの接続を確立するために使用できるモバイル端末のパラメータにアクセスできるのが好ましい。例えば、要求される接続品質(QoS)は、ホストによって規定される値に設定できる。このように、ホストはそのコストを制限できる。
【0029】
好ましくは通信サービスへのアクセスが無料で提供される時間周期の開始に及び終了に、識別データの問い合わせの繰り返しが行われるが好ましい。この問い合わせまたは確認は、ホストサーバに割り当てられるスペースに入る及び出るときに、例えば、列車に入るとき、及び列車から出るときに目的地に到達した後に、利点をもたらし得る。ラジオビーコンを使用するとき、その識別は、ホストサーバに定期的に伝達できる。ラジオビーコンの識別は、また、ホストサーバに既知の方法で切り替わることができ、これにより、異なる識別は、問い合わせ毎に、ホストサーバに伝達できる。このように、ユーザが実際にホストのサービスを使用する及び/またはユーザが通信サービスへのフリーアクセスを受信する時間周期中、ホストのサービスエリア内に存在することが確実になる。
【0030】
したがって、通信サービスへのフリーアクセスを許可する時間周期は、好ましくはホストサーバに割り当てられる部屋に入るときのモバイル端末のログインと、好ましくはホストサーバに割り当てられる部屋を出るときのモバイル端末のログアウトとの間の時間周期に従って定義できることで利点をもたらす。
【0031】
代替として、通信サービスへのアクセスが無料で提供される時間周期は、ユーザによって使用されるサービスの時間周期に従って定義できる。この時間周期は、例えば、電子カレンダーまたは建物の営業時間に関する規則のセットから取得できる。ホテルの訪問客が数日間の滞在を予約する場合、通信サービスへのアクセスに関するこの時間周期は、それに応じて、引き継がれることができる。バス会社または鉄道会社の輸送会社のホストサーバは、電子時刻表から時間周期を取得できる、または必要に応じて遅延を考慮する時刻表コンピュータから時間周期を読み出すことができる。
【0032】
時間周期は、また、モバイル端末のユーザに関して記憶された存在時間を考慮して定義できる。雇用主は、従業員の作業時間の時間周期に関する通信費を想定できる。
【0033】
通信システムは、移動無線ネットワークにアクセスできるホストサーバ及び登録されたモバイル端末を含む。ホストサーバは、ホストの全ての必要性を範囲に含み得る。いくつかの拠点がある大企業または車両を扱う輸送会社は、セントラルホストサーバと通信する各場所で及び各車両に、少なくとも1つのホストサーバを使用するのが好ましい。セントラルホストサーバは、バウチャー発行のコーディネーションを制御し、監視し、及び安全にできる。発行されたバウチャーまたは対応する報告は、ホストサーバから、直接またはセントラルホストサーバを介して、サービスプロバイダに伝達できる。異なるサービスプロバイダは、通常、モバイル端末に割り当てられることに留意されたい。ホストは、サービスプロバイダとの契約を結び、多い通信量を考慮して、好都合な料金を交渉する。
【0034】
セントラルホストサーバは、参照番号のリストをホストサーバと、サービスプロバイダまたはネットワークオペレータとに短時間の間隔で伝達するのが好ましい。これらのリストは、バウチャーが発行されるときに、バウチャーに個々に割り当てられ、バウチャーが課金されるとき、サービスプロバイダまたはネットワークオペレータによって確認される。このように、通信システムを安全にできる。例えば、ホストサーバが不正利用された場合、新しい参照番号はホストサーバに送信されなく、割り当てられた参照番号は無効であると宣言される。しかしながら、サービスプロバイダに届く無効な参照番号を伴うバウチャーは、ホストサーバを不正利用している人を識別するために使用され得る。
【0035】
同様に、ホストサーバまたは必要に応じてセントラルホストサーバは、ラジオビーコンを監視できる。ラジオビーコンが不正利用された場合、その識別は無効であると宣言される。
【0036】
サービスプロバイダまたはネットワークオペレータによってバウチャーを処理することは、比較的単純な手段で実行できる。唯一の前提条件として、サービスプロバイダまたはネットワークオペレータが、本発明に関するプロセスフローをそのプロセスフローに(具体的には、課金プロセスに)統合することが挙げられる。基本的に、課金アドレスの交換は必要である。加えて、確認を実行でき、確認書が送信される。
【0037】
GSM(登録商標)移動無線ネットワークにおける請求及び会計は、[4]Michel Mouly,Marie-Bernadette Pautet,「The GSM(登録商標) System for Mobile Communications」,Cell&Sys Verlag,1992,9.1.2章,572~577ページで説明されている。それに、国際移動電話加入者識別番号(IMSI)が通信サービスの課金に基づくものであることが説明されている。
【0038】
請求情報は料金センターのユーザのホームネットワークで収集され、通信費を加入者またはユーザに請求する課金センターを有するサービスプロバイダに配信される。
【0039】
バウチャーの伝達によって、サービスプロバイダまたはネットワークオペレータは、課金アドレスを変更することがホストによって認定され、これにより、少なくとも、課金プロセスで、ユーザの識別子(例えば、IMSI)は、ホストの識別子またはIMSIに交換される。
【0040】
したがって、サービスプロバイダまたはネットワークオペレータは、バウチャーと、バウチャーの有効性を確認するホストからの確認書とを必要する。バウチャー自体は、ホストの確認書を含み得、これにより、ホストは、バウチャーを後で拒否できない。バウチャーはホストのプライベートキーでサインまたはエンコードされ、公開キーを使用するサービスプロバイダによってデコードされるのが好ましい。公開キーインフラストラクチャを使用することによって、手順は単純な方法で安全にできる([6]EP1263164B1、またはhttps://de.wikipedia.org/wiki/Public-Key-Infrastruktur参照)。
【0041】
ホストによって、直接、または利益を受けるユーザを介して、もしくはユーザのモバイル端末を介して、サービスプロバイダに、またはネットワークオペレータに、バウチャーを伝達できる。ホストまたは適切に安全にされるバウチャーの確認書を要求し、通信サービスへのフリーアクセスの時間周期を固定するため、バウチャーは、ホストによって、サービスプロバイダまたはネットワークオペレータに直接送信されるのが好ましい。通常、通信費はサービスプロバイダによって請求されるため、バウチャーの処理は、サービスプロバイダによって直接とても容易に行われることができる。このプロセスは、ホストとサービスプロバイダとの間の通信のタイプ及びコンテンツを定義し、ネットワークのプロトコルと無関係である、単純なプロトコルに従って、ホストとサービスプロバイダとの間で対処できる。また、異なるサービスプロバイダが、この目的のために、異なるプロトコルを使用することが可能である。
【0042】
バウチャーが移動無線ネットワーク内で処理される場合、料金センターの周辺機器の介在は最も容易なオプションである。かさねて、ホストによるバウチャーの直接移送は好ましい。ユーザまたはモバイル端末によるバウチャーの移送は、移動無線ネットワークのプロトコルの拡張によって調整できる。例えば、移動無線ネットワークにおけるモバイル端末の登録において、バウチャーの譲渡または検証を行うことができる。[4]1.3.1.7章,71ページ「Security Functions」では、ユーザの認証は、未登録のサードパーティによるアクセスを防止するために行われることが説明される。認証の拡張の範囲内で、バウチャーを提示でき、続いて確認される。ネットワークオペレータの視点から、これは、オペレータが無効なバウチャーの責任を契約により除外できるために、リスクなしで行われることができる。いったんバウチャーを受けると、請求及び会計に関するネットワークのプロセスにおけるユーザの識別子の代わりに、ホストの識別子を使用できる。
【0043】
下記に、本発明は、図面を参照して、より詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】地理的エリアを範囲に含むセルラー移動無線ネットワークPLMNを伴う本発明に関する通信システムであり、電車THはモバイル端末MTを使用する乗客と走行し、モバイル端末MT毎に、バウチャーVRは、通信費を請求するときにネットワークオペレータまたはサービスプロバイダによって考慮される鉄道運営会社のホストサーバHSによって提供される。
図2a図1に従った通信システムであり、例えば、バウチャーVRはホストサーバHSからサービスプロバイダSPに直接伝達され、必要に応じて、ネットワークオペレータの料金センターCHCに伝達される。
図2b】バウチャーVRを発行し、図2aに示される通信システムにおけるモバイル端末MTによって使用される通信サービスに関する通信費を請求するための手順である。
図3a】建物HHに位置する本発明に関する通信システムであり、バウチャーVRは、ホストサーバHSからモバイル端末MTに伝達され、モバイル端末MTから、サービスプロバイダSPにまたはネットワークオペレータの料金センターCHCに伝達される。
図3b】バウチャーVRを発行し、図3aに示される通信システムにおけるモバイル端末MTによって使用される通信サービスに関する通信費を請求するための手順である。
図4a】例えば、上記の図の1つに示されるような通信システムであり、ラジオビーコンHBが提供され、ラジオビーコンHBを用いて、ホストサーバHSにログオンするモバイル端末MTの場所を判定できる。
図4b】バウチャーVRを発行し、図4aに示される通信システムにおけるモバイル端末MTによって使用される通信サービスに関する通信費を請求するための手順である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
図1は、それぞれが少なくとも1つのセルLA~Zを有するいくつかの場所エリアLA1,…,LA8,…,を有する本発明に関するセルラーモバイルネットワークPLMNの区分を示す。示される区分内で、多くの乗客がいる列車THが走行している、いくつかの交通路(具体的には、鉄道線路)が続いている。図1は、また、移動無線ネットワークPLMNの個々のユニット(すなわち、移動交換局MSC、ホーム位置レジスタHLR、訪問客位置レジスタVLR、送受信ステーションBTSならびに関連の制御ユニットBSC、及び料金センターCHC)を示す。
【0046】
請求情報またはいわゆる配信される通信サービスの通信料は、料金センターCHCで収集され、通常、通信費を加入者またはユーザに請求する課金センターを有する関連のサービスプロバイダSPに請求される([4]575ページ参照)。
【0047】
さらに、図1は、鉄道運営会社が乗客のモバイル端末MTと無線で通信する列車TH内で少なくとも1つのホストサーバHSを使用して、モバイル端末MTが無料の通信サービスを使用することを可能にするバウチャーVRを乗客に提供することを示す。これらのバウチャーVRは、ホストサーバHSから直接的にまたはモバイル端末MTを介して間接的に、モバイルネットワークPLMNのインスタンス(好ましくは、料金センターCHC)に、またはサービスプロバイダSPに伝達される。乗客またはユーザに関して登録された(例えば、ユーザの国際移動電話加入者識別番号(IMSI)に割り当てた)コストは、続いて、鉄道運営会社またはホストに請求され、セントラルホストサーバHSCに記録されるのが好ましい。
【0048】
ホストサーバHSに関して、モバイル端末MSの位置確認は特に重要である。この位置確認は、通信システムの構成から自動的にもたらし得る。ホストサーバがローカルネットワークに統合され、データをモバイル端末MTと交換する場合、モバイル端末は必ずローカルネットワークのエリアにある。しかしながら、ホストサーバHSが移動無線ネットワークを介してデータをモバイル端末MTと交換する場合、モバイル端末MTの場所を判定する手段が行われるのが好ましい。この目的のために、図4aの通信システムはラジオビーコンを使用し、ラジオビーコンは、モバイル端末MTによって受信され、ホストサーバHSがモバイル端末MTの場所を各々のラジオビーコンに割り当てることを可能にする識別子を定期的に伝達する。したがって、ホストサーバHS及びモバイル端末MTは、異なる場所に位置し得る。
【0049】
図1は、バウチャーVRの処理が、会計処理の目的のために通常使用されるユーザのIMSIを鉄道運営会社の識別子と交換することによって、プロセスチェーン全体の範囲内の異なる場所で行うことができることを示す。続いて、未収の通信費はこの識別子を使用する鉄道運営会社に請求される。鉄道運営会社の識別子は、また、プロセスチェーン内のいずれかの他のIMSIと同じ方法で扱われる国際移動電話加入者識別番号IMSI(IMSI-H)であり得る。したがって、最小の労力で、通信システムにおいて変更を実施できる。異なる方法で及び異なる媒体を介して、バウチャーの伝達を行うことができる。
【0050】
バウチャーを発行及び使用するための手順は4つの基本的ステップを含む(図2b、図3b、または図4bも参照されたい)。
a)無線通信リンクはホストサーバHSとモバイル端末MTとの間に確立され、無線通信リンクを介して、識別データIDはモバイル端末MTからホストサーバHSに伝達される。
b)識別データIDの評価及び/または検証の後に、ホストサーバHSはバウチャーVRを作成し、ホストサーバHSでは、少なくともモバイル端末MTの識別データID及びバウチャーVRの有効性を判定する時間周期tVRは登録される。ホストサーバHSの識別子も記録されるのが好ましい。
c)作成されたバウチャー(VR)は、モバイル端末MTの請求明細書を作成する、モバイル通信ネットワークPLMNのオペレータに、またはサービスプロバイダ(SP)に直接的または間接的に伝達される。
d)最終的に、モバイル通信ネットワークPLMNのオペレータまたはサービスプロバイダSPは、バウチャーVRに示される時間周期tVRの間に登録されたモバイル端末MTのデータ接続または呼接続に関するコストを、少なくとも部分的に、ホストサーバHSの識別子に割り当てられるアカウントに請求する。
【0051】
この手順は、異なる例を参照して、下記に詳細に説明される。
【0052】
図2aは、第1の好ましい実施形態では、バウチャーVRがホストサーバHSからサービスプロバイダSPに直接伝達され、場合により、ネットワークオペレータの料金センターCHCに伝達される図1の通信システムを示す。
【0053】
図2aは、[5]Bernhard Walke,Mobilfunknetze and ihre Protokolle「Band 1, B.G. Teubner Verlag」(Stuttgart 2000,3.17章,339~341ページ)に説明されるEDGEアーキテクチャを伴う移動無線ネットワークPLMを示す。EDGE(GSM(登録商標)エボリューションの強化データ転送速度)アーキテクチャは、多くの場合、GPRSアーキテクチャに対応するが、異なる変調方式を使用して、より速いデータ転送速度を達成する。GSM(登録商標)パケットデータサービスGPRS(汎用パケット無線サービス)は、[5](294~321ページ)に説明される。ネットワーク移行機能は次の322~325ページに説明される。GPRSのインターフェース及び基準点は、[5](304ページ)に説明される。十分に既知であるGSM(登録商標)ネットワークアーキテクチャ(上記を参照)は、パケットデータサービスに関する3つのネットワーク要素によって拡張される。ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)は、外部ネットワーク(IPネットワーク/インターネット)に対するインターフェースとしての役割を果たす。サービングGPRSサポートノード(SGSN)はモバイル端末MTの機能サポートのために使用される。全てのGPRS関連データは、GSM(登録商標)-HLRのサブセットであるGPRSレジスタGRに記憶される。無線インターフェースUmを介して、モバイル端末MTは、移動無線ネットワークにアクセスできる。GPRSの実際のデータトラフィックはSGSNを介して対処され、MSCは信号送信だけのために使用される。
【0054】
加えて、本発明に関する通信システムは、ホストサーバHSと、同様に、ソフトウェアアプリケーションと、アプリケーションまたはホストサーバHSに実装されるアプリケーションAPP-Hと、モバイル端末MTにインストールされるアプリケーションAPP-Cとを含む。バウチャーVRを受信及び使用するために、アプリケーションAPP-SPは、サービスプロバイダSPにおいて、好ましくは、課金センターにおいて実装される。バウチャーVRがネットワークオペレータによって受信され、例えば、料金センターCHCで使用される場合、アプリケーションAPP-CHCはそこで提供される。
【0055】
MTモバイル端末は、電車THの乗客によって、または駅のレストランで使用できる。したがって、ユーザのラウンジは移動式または固定式であり得る。したがって、(固定式または移動式)ホストサーバHSは、ホストまたは鉄道運営会社の部屋ユニットHEに位置する。部屋ユニットHE内に位置するモバイル端末MTは、アプリケーションAPP-C及びAPP-Hを介して、例えば、WLANまたはBluetooth(登録商標)を介して、ホストサーバHSと無線で連絡及び通信できる。
【0056】
最初に、移動無線ネットワークにおけるモバイル端末の位置を特定するための手順は、欧州特許出願公開第2631152号明細書から既知であることを言及した。
【0057】
鉄道運営会社が時刻表及び購入チケットを読み出すために使用できるアプリケーションまたはモバイル端末MTのためのアプリケーションを既に提供していることは十分に既知である。したがって、本発明に関するアプリケーションAPP-Cは、係る既知のアプリケーションの追加モジュールであるのが好ましい。チケットを購入するために、ユーザは既に鉄道運営会社に登録されている。したがって、ユーザの識別データは、移動無線ネットワークPLMNのホーム位置レジスタHLR及び鉄道運営会社のデータベースに登録される。以下の例に関して、ホーム位置レジスタHLRに登録される識別情報(すなわち、IMSI)を使用されるが好ましい。代替として、鉄道運営会社に登録される識別情報を使用し得る。
【0058】
ホストサーバHSは、移動式または固定式及び集中式または非集中式であり得る。加えて、いくつかのホストサーバは、建物または列車で提供でき、例えば、本発明に関する手順に従って個々に動く。
【0059】
ホストサーバは、例えば、制御デバイスに統合でき、制御デバイスを用いて、電車乗組員はチケットを確認する。チケットを確認するとき、モバイル端末から識別データを読み取ることができ、バウチャーを作成できる。チケット制御によって、通信サービスの無料使用の割当は同時に行うことができる。これは、付加的な労力なしで、鉄道運営会社及び乗客に特別な利点をもたらす。
【0060】
ホストサーバHSとモバイル端末MTとの通信中に、有効な識別情報は読み出され、バウチャーVRに含まれる。加えて、バウチャーVRが有効である時間周期tVRを判定する。この時間周期tVRを判定するための方法は、上記に説明されている。
【0061】
上記に説明した実施形態では、HSホストサーバは、MTモバイル端末が鉄道車両の内側に位置し、ひいては、無料の通信サービスを受信する権利があることを認知する。モバイル端末MTの場所が非集中様式で位置し得るホストサーバに既知ではない場合、例えば、下記に説明される手順に従って判定される。また、移動無線ネットワーク内の位置特定は、それが十分に正確である場合に可能である。
【0062】
作成されたバウチャーVRまたは作成されたバウチャーVRのリストは、公開キーインフラストラクチャのプライベートキーを使用する鉄道運営会社によってサインされるのが好ましい(図2b参照)。プライベートキーを使用するバウチャーVRをデコードすることによって、サービスプロバイダSPまたは料金センターCHCは、続いて、バウチャーVRが有効であるかどうかを判定できる。
【0063】
この例では、バウチャーVRは、移動無線ネットワークPLMNの料金センターCHCまたは好ましくはサービスプロバイダSPの課金センターのいずれかに伝達される。バウチャーVRの確認コピーは、モバイル端末MTに伝達され、そこで記憶される。したがって、ユーザは、請求が実際に時間周期tVRに行われたことを後で確認できる。サービスプロバイダSPの料金センターCHCまたは課金センター内では、モバイル端末MTに関する時間周期tVR以内に登録された、登録済の通信費に関する課金アドレスは、ホストまたは鉄道運営会社のアカウントに変更される。
【0064】
図2aは、対応するインボイス<billHSC>がセントラルホストサーバHSCに伝達されることを示す。随意のセントラルホストサーバHSCは、バウチャーVRの割り当て、移送、及び課金を管理するのが好ましい。ホストサーバHSによって発行されたバウチャーVRは、セントラルホストサーバHSCに伝達できる。次に、セントラルホストサーバHSCは、移動無線ネットワークPLMNの料金センターCHCに適切な場合、全てのバウチャーVRを収集し、随意にプライベートキーでサインされたバウチャーVRを規則正しい様式でサービスプロバイダSPにバウチャーVRを伝達する。
【0065】
配信されたバウチャーVRを検証するために、セントラルホストサーバHSCは、ホストサーバHSが個々にバウチャーVRに入力する連続番号VRrを発行するのが好ましい。したがって、これらの連続番号VRrも伝達するセントラルホストサーバHSCまたはサービスプロバイダSPは、バウチャーVRが有効であるかどうかを確認できる。セントラルホストサーバHSCと、ホストサーバHSと、さらには、サービスプロバイダSPとの間の通信は、いずれかの通信ネットワークを介して、携帯電話ネットワークGSM(登録商標)/GSM(登録商標)-Rを介して、またはインターネットを介して行うことができる。
【0066】
バウチャーVRまたは対応する確認VRの受領後、モバイル端末MTのユーザは、通信ネットワークPLMNの通信サービスを使用して、サードパーティDT,STに対するデータ接続または音声接続を確立できる。
【0067】
対応する使用料TTは、交換局(G)MSCから料金センターCHCに移送され、料金センターCHCによって、サービスプロバイダSPに、またはセントラルホストサーバHSCに直接、インボイス<charge SP>が伝達される。料金センターCHCでは、またはサービスプロバイダSPでは、課金アドレスは上記に説明したように変更される。続いて、サービスプロバイダSPは、インボイス<bill HSC>をセントラルホストサーバHSCに送信する。
【0068】
図2bは、バウチャーVRを発行し、図2aに示される通信システムにおけるモバイル端末MTによって使用される通信サービスに関する通信費を請求するための手順を示す。
【0069】
随意に、セントラルホストサーバHSCは、まず、バウチャーVRの連続番号VRrをホストサーバHSに伝達し、検証のためにサービスプロバイダSPに伝達する。
【0070】
続いて、モバイル端末MTは、例えば、Bluetooth(登録商標)プロトコルに従って、または移動無線ネットワークを介して、ホストサーバHSに登録される。次に、データはモバイル端末MTからホストサーバHSに伝達され、識別データIDは、IMSI(随意に、IMEI)と、使用されるサービスプロバイダの識別証明とを含むのが好ましい。さらに、電子チケット<eTicket>の存在等の認定書はクエリできる。さらに、場所データは伝達または判定できる。
【0071】
データの検証及び許可の後、バウチャーVRは時間周期tVRに発行され、プライベートPKIキーにサインされるのが好ましく、サービスプロバイダSPに伝達される。時間周期tVRは、乗客がチューリッヒからジュネーブに旅行していることを示す電子チケット<eTicket>によって判定される。時刻表または時刻表コンピュータFPRから、旅行時間が午後15:03~17:45であることが判定される。したがって、乗客は、旅行時間中に無料の通信サービスにアクセスできる。旅行時間は、遅延する場合、それに応じて、バウチャーVRを適応させるために、例えば、ホストサーバHSによって、またはセントラルホストサーバHSCによって確認できる。
【0072】
続いて、通信費は、通信料チケット<TT>を用いて料金センターに報告され、次に、料金センターは、通信費をインボイス<charge SP>を用いてサービスプロバイダSPに請求し、公開PKIキーを用いてデコードされるのが好ましい使用料及びバウチャーVRを確認し、インボイス<bill HSC>をホストサーバHSに、随意に、セントラルホストサーバHSCに送信する。
【0073】
移動無線ネットワークPLMNのモバイル端末MTの登録及び接続の確立ならびに終了は、移動無線ネットワークのプロトコルに従って実行される。
【0074】
図3aは、建物HHに導入される図1の本発明に関する通信システムであり、バウチャーVRは、ホストサーバHSからモバイル端末MTに伝達され、モバイル端末MTから、サービスプロバイダSPにまたはネットワークオペレータの料金センターCHCに伝達される。次に、この伝達は、定義されたプロトコルに従って行われる。バウチャーVRは、移動無線ネットワークPLMNへのモバイル端末MTの登録中または接続の確立中に交換されるメッセージに統合されるのが好ましい。この場合、バウチャーVRは、ネットワーク側でモバイル端末MTのメッセージから抽出され、使用される。この目的のために、移動無線ネットワークPLMNのアーキテクチャは、料金センターCHCの課金アドレスの変更をもたらすアプリケーションAPP-CHCを有するのが好ましい。代替として、バウチャーVRは、モバイル端末MTからサービスプロバイダSPに伝達され、サービスプロバイダSPでは、アプリケーションAPP-SPが実装される。モバイル端末MTでは、アプリケーションAPP-CまたはAPP-Cnは、対応する通信ネットワークWLAN,PLMNを介して通信を可能にするプロトコルスタックのそれぞれ、WLANのプロトコルスタック、及びGSM(登録商標)プロトコルスタックに提供される。
【0075】
GPRSプロトコルスタックは、[5](308ページ)に示される。したがって、アプリケーションAPP-Cnはモバイル端末のアプリケーション層に実装され、アプリケーションAPP-CはSGSNの追加アプリケーション層に実装されるだろう。
【0076】
バウチャーVRは、また、別の方法で、モバイル端末MTからサービスプロバイダSPまたは料金センターCHCに伝達できる。例えば、バウチャーVRは、電子メールによって、またはショートメッセージを用いて伝達される。
【0077】
また、図3aは、ホストユニットHEが、建物HH(例えば、オフィスビル、公共建物、または公的建物)に導入されることが意図されることを示す。したがって、本発明は、全般に、任意の移動式または固定式のホストユニットHEに利用可能である。すなわち、図2a、図3a、及び図4aに示される通信システムの実施形態は、随意に、建物、輸送機関の手段、または公共の場所で使用できる。本発明は、具体的には、移動ホストユニットHEで使用するために利点をもたらし、無料のWLANアクセスは、多くの場合、不十分な品質を提供し、または複雑な導入を要求する。
【0078】
図3bは、バウチャーVRを発行し、図3aに示される通信システムにおけるモバイル端末MTによって使用される通信サービスに関する通信費を請求するための手順を示す。
【0079】
WLANまたは移動無線ネットワークは、モバイル端末MTとホストサーバHSとの間でデータを交換するために使用される。バウチャーVRに関する時間周期tVRは、例えば、ホテルの受付においてコンピュータRSから読み取られることができるホテル部屋の予約の期間に従って選択される。例えば、ホテルの予約の識別データ及び認定書<eReceipt>を確認した後、バウチャーVRが作成され、モバイル端末MTに伝達され、バイル端末MTから移動無線ネットワークPLMNに伝達される。時間周期tVRは、2018年1月25日~2018年1月30日の予約に従って選択される。したがって、ユーザは、ユーザの予約の期間中、ユーザのサービスプロバイダSPの通信サービスを無料で使用できる。対応するコストは、ホテルオペレータに請求される。
【0080】
バウチャーVRは、ホテルのプライベートPKIキーによってサインされるが好ましい。しかしながら、ユーザがホテルの一時的なゲストだけの場合、モバイル端末MTの場所は、図4aを参照すると、下記に説明される手段を用いて判定できる。図3aの例では、例えば、ホストサーバHSが、例えば、ホテルの予約に基づいて、別の方法で認定書を判定できる場合、場所データがあらゆる場合に判定される必要がないことを示される。しかしながら、この場合、バウチャーVRが予約及びモバイル端末MTの登録を考慮して作成できるように、モバイル端末MTの登録は利点をもたらす。
【0081】
図3aの通信システムの実施形態では、バウチャーVRは、ネットワークオペレータに、随意に、料金センターCHCに送信される。バウチャーVRは、アプリケーションAPP-CHCが実装される責任能力のあるインスタンス(G)MSCまたはSGSNによって抽出される。結果として、課金アドレスは、料金センターCHCにおいて通信料<TT>の作成中に既に変更されており、または後で変更される。ユーザのIMSI-MTは、ホストのIMSI-Hに交換されるのが好ましい。変更された課金アドレスを伴うインボイス<charge SP>は、サービスプロバイダSPに、またはホストサーバHSに直接送信される。言及されるように、バウチャーVRは、また、サービスプロバイダSPによって処理できる。
【0082】
図2a及び図4aに示されるように、バウチャーVRは、また、ホテルのホストサーバHSからサービスプロバイダSPに直接伝達できる。図4aを参照して説明されるように、時間周期tVRは、ラジオビーコンを用いて、予約によって、またはホテルにいるユーザの滞在時間によって判定できる。
【0083】
図4aは、具体的には、例えば、建物HH内、列車TH内、またはさらに公有地に非常に少ない労力で実装できる本発明に関する通信システムの利点をもたらす実施形態を示す。この場合、ホストサーバHSは、移動無線ネットワークPLMNを介して、インストールされたアプリケーションAPP-C及びAPP-Hのアプリケーション層のモバイル端末MTと通信する。
【0084】
したがって、ホストサーバHSは、例えば、鉄道運営会社の本部におけるいずれかの場所で導入できる。さらに、ユーザは建物HHの訪問客または電車THの乗客であり得ることが示される。下記に、アプリケーションAPP-Cのインストール後、ユーザはホストサーバHSに登録されるのが好ましいことが説明される。続いて、通信サービスを無料使用するためのアプリケーションは、APP-Cアプリケーションを介して、ホストサーバHSに送信される。再度、ホストサーバは、ユーザが無料の通信サービスを受信する権利があるかどうかを確認する。これは、例えば、電子チケットの認定書を提供することによって、または、ホストのサービスエリア(すなわち、建物HH内または列車TH内)におけるモバイル端末のMT場所を提供することによって行われることができる。
【0085】
モバイル端末MTが電子チケットまたは他の認定書を保持する場合、場所の判定をなくすことができる。他の認定書が存在しない場合、モバイル端末MTの場所は、建物HH内または列車TH内であると判定される。これは、GPSデータを判定及び伝達することによって、または、モバイル端末MTが登録される送受信ステーションBTSMTを確認することによって行われることができる。特に利点(すなわち、簡単及び正確になる)をもたらすモバイル端末MTの場所は、そのサービスエリア内(例えば、建物HH内または列車TH内)のホストによって導入されたラジオビーコンHBを用いて判定できる。ラジオビーコン(例えば、Bluetooth(登録商標)またはWLANラジオビーコン)は、モバイル端末MTによってキャプチャされ、ホストサーバHSに伝達される、識別情報または識別子BIDを連続的または定期的にブロードキャストする。例えば、ラジオビーコンHBはバッテリによって電力供給され、メンテナンスしないで、長期間にわたってそのサービスを自律的に行うことができる。ラジオビーコンHBは天井または壁の上に搭載でき、ほとんどが可視ではない。したがって、最小の労力及び安いコストで、建物または列車の据え付けを行うことができる。
【0086】
ホストサーバHSは、ラジオビーコンHBの識別情報BIDが記録されるレジスタにアクセスできる。ラジオビーコンの識別情報BIDは、ラジオビーコンHBが導入される車両の車両数に従って選ばれるのが好ましい。したがって、モバイル端末MTは、ラジオビーコンの識別情報BIDと一緒に車両識別を伝達し、車両識別はホストサーバに既に既知である、または、ホストサーバは鉄道運営会社の全車両の在庫リストから車両識別を判定できる。ホストサーバは、例えば、鉄道網のサーバに定期的に連絡し、鉄道網の全車両を管理し、報告されたラジオビーコンの識別情報BIDによって、対応する鉄道車両の存在及び好ましくは場所を確認する。
【0087】
具体的には、GPSデータを用いた位置特定が利点をもたらす。欧州特許出願公開第1862593号明細書から、1mの誤差で鉄道車両の位置を判定することを可能にする方法及びデバイスが既知である。したがって、鉄道網で旅行するルートは、オンラインで正確に判定できる、及び/またはデータベースに記憶され、再度読み出されることができる。したがって、モバイル端末によって伝達されるGPSデータは、モバイル端末MTが係るルートに沿って移動しているかどうかを判定するために、現在の記録または登録された鉄道網の旅行ルートのGPSデータと相関関係があり得る。現在の旅行データまたは時刻表を使用して、モバイル端末MT及び列車HTの移動の対応関係も確認できる。このように、最小の労力の手順で、及びハードウェア費用がなく、及び確実に、ユーザがホストのサービスを使用して、無料で通信サービスを使用する権利があるかを判定できる。
【0088】
したがって、本発明に従って、モバイル端末MTは、1回または好ましくは数回、衛星データまたはGPSデータをホストサーバHSに伝達し、ホストサーバHSは、モバイル端末MTのこのGPSデータを、
a)電車の現在判定されている場所データ、及び/または
b)鉄道網の登録された場所データ
と比較して、モバイル端末MTのユーザが、鉄道網のルートに沿って移動する列車HTにあるかどうかを判定する。
【0089】
例えば、モバイル端末MTが実際ローカルエリアで移動中であるかどうかを判定でき、現在、鉄道網に走行している列車HTに対してほとんど一定に補正される。
【0090】
ユーザがユーザのアプリケーションAPP-Cのユーザの旅行の目的地を入力し、それに応じて、ホストサーバHSに知らせる場合、現在使用されているルートへの割り当てはさらに容易である。次に、開始点はGPSデータによって判定できる。したがって、旅行の出発地ならびに目的地及び現在の時間は、ホストサーバHSに既知である。このように、ユーザが、該当のルートを旅行していることだけではなく、また、ユーザがホストのサービス及び競合他社ではないサービスを使用していることを検証できる。例えば、2つの鉄道運営会社X,Yが異なる時間にAからBへの輸送を提供する場合、AからBへの旅行を判定でき、サービスプロバイダXまたはYは、また、旅行の時間データ及び対応する時刻表データに基づいて判定できる。本発明に関する方法に従って、ユーザによって使用される輸送の手段または旅行ルート及び/またはサービスプロバイダを判定できる。登録後にバックグランドで起動し続けるモバイル端末MTのアプリケーションAPP-Cは、規定のスキームに従って、またはホストサーバHSの要求に応じて、GPSデータを伝達でき、これにより、十分なGPSデータの判定を保証する。モバイル端末の場所が一定の時間周期中にサービスプロバイダのサービスエリア内で固定している場合、これは、GPSデータを用いて正確に判定できる。したがって、通信サービスの無料使用は、GPSデータに基づく対応する移動場所または固定場所、ひいては、対応する認定書が検証されているMTモバイル端末に許可できる。
【0091】
GPSデータを使用することによって、ラジオビーコンの使用を回避できる。
【0092】
図4bは、バウチャーVRを発行し、滞在期間中の図4aに示される通信システムにおけるモバイル端末MTによって無料で使用できる通信サービスに関する通信費を請求するための手順を示す。
【0093】
網目状の矢印によって、モバイル端末MT及びホストサーバHSが移動無線ネットワークPLMNを介して相互に通信することが示される。移動無線ネットワークPLMNを介して、モバイル端末MTは、ホストサーバHSに登録される。この目的のために、IMSI、IMEI、及び責任能力のあるサービスプロバイダSPの識別子を伝達するのが好ましい。
【0094】
ホストの建物HHまたは列車THでは、部屋全体を範囲に含み、その識別子BIDを伴う信号を定期的に送る、多くのラジオビーコンHBが導入されるのが好ましい。モバイル端末MTはこの識別子BIDまたは代わりにGPS信号を受信し、ラジオビーコンの識別子BID及び/またGPSデータと一緒にその識別データIDをホストサーバHSに伝達する。
【0095】
ホストサーバHSは、好ましくは数回、ラジオビーコンHBの伝達された識別子BIDに基づいて、またはGPSデータを用いて、モバイル端末MTの位置を検証し、指定エリアでの滞在の時間周期tVRに関するバウチャーVRを生成し、当該バウチャーVRは、サービスプロバイダSPに伝達され、好ましくはコピーでモバイル端末MTに伝達される。再度、時間周期tVRは、上記に説明した手段の1つに従って判定できる。例えば、時間周期tVRは、ラジオビーコンHBの識別子BIDがしばらくの間(例えば、数分)モバイル端末MTから伝達されなくなった後に終了する。加えて、プリ起動及び/またはポスト起動または許容範囲を提供できる。
【0096】
識別子BIDの伝達と一緒のモバイル端末MTの登録は15:03に行われ、ラジオビーコンHBの識別子BIDの伝達は17:45に終了することが示される。この例では、図2aの例に説明されるように、ユーザは、この時、チューリッヒからジュネーブまで旅行する。したがって、ユーザの認定書は、ラジオビーコンHBの信号を処理することによって、随意に、時刻表を考慮することによって、またはチューリッヒからジュネーブへの旅行の電子チケットを確認することによって、電車HTのユーザの存在に基づいて作られることができる。
【0097】
バッテリが装備されるラジオビーコンHBの導入は特に容易である。代替として、ラジオビーコンHBは、スイッチオンまたはスイッチオフであり得る電力供給ネットワークに接続できる。電車が待避線に停上し使用中ではない場合、ラジオビーコンHBはスイッチオフであるのが好ましい。しかしながら、ラジオビーコンHBがスイッチオフではない場合、ホストサーバHSは、対応する列車THが動いていなく、そのラジオビーコンHBのBIDは無料の通信サービスを受信する許可を示さないことが、全車両のプランニングから判定できる。他の好ましい実施形態では、ラジオビーコンHBは、無線インターフェースを介してプログラム可能であり、これにより、BID識別子は随意に変更できるのが好ましい。また、センサが装備され、センサ信号の存在に応じて異なるBIDコードを伝達できる、インテリジェントなラジオビーコンHBを使用することで利点をもたらす。例えば、光信号または音響信号が長期間感知されない場合、ラジオビーコンはスリープモードの状態になる。光信号または音響信号の存在は一定間隔で確認され、ラジオビーコンはアクティブ状態にリセットされる。このように、エネルギーを保存し、バッテリを節約することが可能である。
【0098】
ユーザがチューリッヒからジュネーブへのユーザの旅行中に使用されている通信サービスのための通信料TTの収集は、続いて、料金センターCHCで評価され、次に、モバイル端末MTによって使用される通信サービスをホストサーバHSに請求するサービスプロバイダSPに請求されるバウチャーVRを考慮する。
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b