(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/028 20060101AFI20220722BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
H04N1/028 G
H01L27/146 A
(21)【出願番号】P 2021035141
(22)【出願日】2021-03-05
【審査請求日】2021-03-05
(32)【優先日】2020-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】とこしえ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】王 唯科
(72)【発明者】
【氏名】蕭 佩怡
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-098853(JP,A)
【文献】特開2020-027884(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/024- 1/207
G06T 1/00
H01L 27/146-27/148
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1の光電変換素子および複数の第2の光電変換素子を有する基板と、
前記基板上に配置された光調整構造とを備え、
前記光調整構造は、前記複数の第1の光電変換素子に対応する複数のトレンチを有するパターン化されたマルチフィルムを含み、
前記複数の第1の光電変換素子は近赤外光を感知するように用いられ、前記複数の第2の光電変換素子は可視光を感知するように用いられる、半導体装置。
【請求項2】
前記複数の第1の光電変換素子は、700nm~1100nmの波長を有する電磁スペクトルの帯域を感知するように用いられ、所定の期間中の複数の第1の光電変換素子の感知時間は、前記所定の期間中の複数の第2の光電変換素子の感知時間よりも短い、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記光調整構造は、前記パターン化されたマルチフィルム上に配置された光コリメート層をさらに含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記光調整構造は、前記複数のトレンチ内に配置された複数の光フィルタ部をさらに含み、
前記光コリメート層は、
前記複数の第1の光電変換素子に対応する複数の第1の開口部、および、前記複数の第2の光電変換素子に対応する複数の第2の開口部を有する第1の遮光層と、
前記複数の第1の開口部内および前記複数の第2の開口部内に配置された複数の光透過部とを含
み、
前記複数の光フィルタ部は、特定の波長の可視光をカットし、特定の波長の赤外光を通過させる、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記光コリメート層は、
前記複数の第1の光電変換素子に対応する複数の第1の開口部、および、前記複数の第2の光電変換素子に対応する複数の第2の開口部を有する第1の遮光層と、
前記複数のトレンチ内および前記複数の第2の開口部内に配置された複数の光透過部とを含み、
前記光調整構造は、前記複数の第1の開口部に配置された複数の光フィルタ部をさらに含
み、
前記複数の光フィルタ部は、特定の波長の可視光をカットし、特定の波長の赤外光を通過させる、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記光コリメート層上に配置された集光構造をさらに備え、
前記集光構造は、
前記複数の第1の光電変換素子および前記複数の第2の光電変換素子に対応する複数の第3の開口部を有する第2の遮光層と、
前記複数の第3の開口部に配置された複数のマイクロレンズと、
前記光コリメート層と前記第2の遮光層との間に配置された透明層とを含む、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記光調整構造は、前記基板と前記パターン化されたマルチフィルムとの間に配置された光コリメート層をさらに含む、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記光調整構造は、前記複数のトレンチ内に配置された複数の光フィルタ部をさらに含み、
前記光コリメート層は、
前記複数の第1の光電変換素子に対応する複数の第1の開口部、および、前記複数の第2の光電変換素子に対応する複数の第2の開口部とを有する第1の遮光層と、
前記複数の第1の開口部および前記複数の第2の開口部に配置された複数の光透過部とを含
み、
前記複数の光フィルタ部は、特定の波長の可視光をカットし、特定の波長の赤外光を通過させる、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記光コリメート層は、
前記複数の第1の光電変換素子に対応する複数の第1の開口部、および、前記複数の第2の光電変換素子に対応する複数の第2の開口部とを有する第1の遮光層と、
前記複数のトレンチおよび前記複数の第2の開口部に配置された複数の光透過部とを含み、
前記光調整構造は、前記複数の第1の開口部内に配置された複数の光フィルタ部をさらに含
み、
前記複数の光フィルタ部は、特定の波長の可視光をカットし、特定の波長の赤外光を通過させる、請求項7に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記パターン化されたマルチフィルム上に配置された集光構造をさらに備え、
前記集光構造は、
前記複数の第1の光電変換素子および前記複数の第2の光電変換素子に対応する複数の第3の開口部を有する第2の遮光層と、
前記複数の第3の開口部に配置された複数のマイクロレンズと、
前記パターン化されたマルチフィルムと前記第2の遮光層との間に配置された透明層とを含む、請求項7に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関するものであり、特に、近赤外光を感知するように用いられる光電変換素子を含む半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、光電変換素子を搭載した半導体装置が生体認証装置として多用されており、これらの生体認証装置は、さまざまな分野で広く適用されている。生体認証装置は、人固有の身体的特性(例えば、指紋、顔、虹彩など)を用いて本人を認証することができる。例えば、生体認証装置は、携帯機器(例えば、携帯電話、タブレット、ノートパソコンなど)で用いられる指紋認証装置、顔認証装置、または虹彩認証などの生体認証装置として用いられることができる。この生体認証装置のアプリケーションは、ユーザにとって安全で利便性がある。
【0003】
しかしながら、科学技術の進歩に伴い、生体認証技術の安全性が徐々に問われている。即ち、人工材料から偽造の人間の特性が製作される可能性があることである。例えば、偽造指は3D印刷で製造されることができるため、既存の生体認証装置(例えば、指紋認証装置)が、偽造指の指紋と実指の指紋とを区別できなくなる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生体認証の安全性を向上させる半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一般に、生体認証装置は、可視光のみで人間の特徴の画像を撮像する。偽造の人間の特徴と実際の人間の特徴とを可視光で区別することは困難である。
【0006】
本開示の実施形態による半導体装置は、近赤外光を感知するように用いられる光電変換素子、および、可視光を感知するように用いられるもう1つの光電変換素子を含む。即ち、本開示の実施形態による半導体装置は、近赤外光と可視光とによって人間の特徴の画像を撮像することができ、それにより、偽造された人間の特徴から取得される画像がより容易に区別されることができ、よって半導体装置を使用した生体認証の安全性を効果的に向上させることができる。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態は、半導体装置を含む。半導体装置は、複数の第1の光電変換素子および複数の第2の光電変換素子を有する基板を含む。半導体装置は、基板上に配置された光調整構造も含む。光調整構造は、第1の光電変換素子に対応する複数のトレンチを有するパターン化されたマルチフィルムを含む。第1の光電変換素子は近赤外光を感知するように用いられ、第2の光電変換素子は可視光を感知するように用いられる。
【0008】
いくつかの実施形態では、所定の期間中の第1の光電変換素子の感知時間は、所定の期間中の第2の光電変換素子の感知時間よりも短い。
【0009】
いくつかの実施形態では、光調整構造は、パターン化されたマルチフィルム上に配置された光コリメート層をさらに含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、光コリメート層は、第1の光電変換素子に対応する複数の第1の開口部、および、第2の光電変換素子に対応する複数の第2の開口部を有する第1の遮光層を含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、光調整構造は、トレンチ内に配置された複数の光フィルタ部をさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、光コリメート層は、第1の開口部および第2の開口部に配置された複数の光透過部をさらに含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、光調整構造は、第1の開口部に配置された複数の光フィルタ部をさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、光コリメート層は、トレンチ内および第2の開口部内に配置された複数の光透過部をさらに含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、半導体装置は、光コリメート層上に配置された集光構造をさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、集光構造は、第1の光電変換素子および第2の光電変換素子に対応する複数の第3の開口部を有する第2の遮光層を含み、集光構造は、第3の開口部に配置された複数のマイクロレンズも含み、集光構造は、光コリメート層と第2の遮光層との間に配置された透明層をさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、光調整構造は、基板とパターン化されたマルチフィルムとの間に配置された光コリメート層をさらに含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、半導体装置は、パターン化されたマルチフィルム上に配置された集光構造をさらに含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、集光構造は、第1の光電変換素子および第2の光電変換素子に対応する複数の第3の開口部を有する第2の遮光層を含み、集光構造は、第3の開口部に配置された複数のマイクロレンズも含み、集光構造は、パターン化されたマルチフィルムと第2の遮光層との間に配置された透明層をさらに含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1の光電変換素子は、700nm~1100nmの波長を有する電磁スペクトルの帯域を感知するように用いられる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、半導体装置の光電変換素子によって近赤外光を感知することができるため、生体認証の安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態による半導体装置を示す部分断面図である。
【
図3】
図3は、本開示のもう1つの実施形態による半導体装置を示す部分断面図である。
【
図4】
図4は、本開示の一実施形態による半導体装置を示す部分断面図である。
【
図5】
図5は、本開示のもう1つの実施形態による半導体装置を示す部分断面図である。
【
図6】
図6は、本開示の一実施形態による半導体装置を示す部分断面図である。
【
図7】
図7は、本開示のもう1つの実施形態による、半導体装置を示す部分断面図である。
【
図8】
図8は、本開示の一実施形態による半導体装置を示す部分断面図である。
【
図9】
図9は、本開示のもう1つの実施形態による半導体装置を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下の開示では、本開示の異なる特徴を実施するために、多くの異なる実施形態または実施例を提供する。本開示を簡潔に説明するために、複数の構成および配列の複数の具体例を説明する。これらはもちろん単に例示するためであり、それに限定するという意図はない。例えば、第1の特徴において、下記の開示の第2の特徴の上に形成されるということは、第1と第2の特徴が直接接触して形成される複数の実施形態を含むことができ、且つ第1と第2の特徴が直接接触しないように、付加的な特徴が第1と第2の特徴間に形成された複数の実施形態を含むこともできる。また、本開示は、複数の例において同じ構成要素の符号または文字を繰り返し用いる可能性がある。繰り返し用いる目的は、簡易化した、明確な説明を提供するためのもので、複数の以下に討論する実施形態および/または配置の関係を限定するものではない。
【0024】
例示された方法の前、間、または後に追加のステップを実施することができ、例示された方法の他の実施形態では、いくつかのステップが置き換えられるかまたは省略されてもよい。
【0025】
更に(以下の詳細な説明において)、「下の方」、「下方」、「下部」、「上の方」、「上方」、「上部」およびこれらに類する語のような、空間的に相対的な用語は、図において1つの要素または特徴と別の(複数の)要素と(複数の)特徴との関係を簡潔に説明するために用いられる。空間的に相対的な用語は、図に記載された方向に加えて、使用または操作する装置の異なる方向を包含することを意図している。装置は、他に方向づけされてもよく(90度回転、または他の方向に)、ここで用いられる空間的に相対的な記述は、同様にそれに応じて解釈され得る。
【0026】
本開示では、「約」、「およそ」、および「実質的に」という用語は、一般的に、所定値の+/-20%を意味し、より一般的に、所定値の+/-10%を意味し、より一般的に、所定値の+/-5%を意味し、より一般的に、所定値の+/-3%を意味し、より一般的に、所定値の+/-2%を意味し、より一般的に、所定値の+/-1%を意味し、さらにより一般的に、所定値の+/-0.5%を意味する。本開示の所定値は、近似値である。即ち、「約」、「およそ」、および「実質的に」という用語の具体的な説明がないとき、所定値は、「約」、「およそ」、および「実質的に」の意味を含む。
【0027】
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本開示が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。さらに、一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈における意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想化された又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0028】
本開示は、以下の例において同じ構成要素の符号または文字を繰り返し用いる可能性がある。繰り返し用いる目的は、簡易化した、明確な説明を提供するためのもので、複数の以下に説明する実施形態および/または配置の関係を限定するものではない。
【0029】
本開示の実施形態の半導体装置は、指紋認証装置などの生体認証装置として用いられることができるが、本開示はそれに限定されない。本開示の実施形態に示される半導体装置は、要件に応じて、他の適切な装置に適用されることもできる。
【0030】
図1は、本開示の一実施形態による半導体装置100を示す部分断面図である。簡潔にするために、
図1では、いくつかの構成要素が省略されている。
【0031】
図1に示すように、半導体装置100は、基板10を有する。いくつかの実施形態では、基板10の材料は、元素半導体(例えば、シリコン、ゲルマニウム)、化合物半導体(例えば、炭化タンタル(TaC)、ヒ化ガリウム(GaAs)、ヒ化インジウム(InAs)、またはリン化インジウム(InP))、合金半導体(例えば、シリコンゲルマニウム(SiGe)、シリコンゲルマニウムカーバイド(SiGeC)、ヒ化ガリウムリン化物(GaAsP)、またはリン化インジウムリン化物(GaInP))、その他の任意の半導体、またはそれらの組み合わせを用いることができるが、本開示はこれらに限定されるものではない。
【0032】
いくつかの実施形態では、基板10は、シリコンオンインシュレータ(SOI)基板を適用することができる。例えば、基板10は、シリコンオンインシュレータ基板を用いることができるが、本開示はこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、基板10は、半導体ウェハ(例えば、シリコンウェハ、または任意の他の適用可能な半導体ウェハ)を用いることができる。いくつかの実施形態では、基板10は、様々な導電的構成(例えば、導電線(conductive lines)またはビア)を用いることができる。例えば、導電的構成は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、タングステン(W)、それらの合金、他の適用可能な導電性材料、またはそれらの組み合わせを用いることができるが、本開示はこれらに限定されない。
【0033】
図1に示されるように、基板10は、複数の第1の光電変換素子12(
図1では、1つの第1の光電変換素子12のみが示されている)および複数の第2の光電変換素子14を有する。いくつかの実施形態では、第1の光電変換素子12および第2の光電変換素子14は、イオン注入プロセスおよび/または拡散プロセスなどよって形成される。例えば、第1の光電変換素子12および第2の光電変換素子14は、トランジスタ、フォトダイオード、PINダイオード、および/または発光ダイオードを形成するように構成されてもよいが、本開示はこれらに限定されない。
【0034】
本開示の実施形態では、第1の光電変換素子12と第2の光電変換素子14は異なる。より詳細には、第1の光電変換要素12は、近赤外光(例えば、700nm~1100nmの波長を有する電磁スペクトルの帯域)を感知するように用いられ、第2の光電変換素子は、可視光(例えば、400nm~700nmの波長を有する電磁スペクトルの帯域)を感知するように用いられるが、本開示はこれらに限定されない。
【0035】
いくつかの実施形態では、第1の光電変換素子12および第2の光電変換素子14は、アレイ構造を形成することができ、第1の光電変換素子12の数および第2の光電変換素子14の数は異なってもよい。例えば、第1の光電変換素子12の数と第2の光電変換素子14の数との比は、1/3~1/9999であってもよいが、本開示はそれに限定されない。
【0036】
図1に示されるように、半導体装置100は、基板10上に配置された光調整構造20を含む。
図1に示されるように、光調整構造20は、パターン化されたマルチフィルム21および複数のフィルタ部23(第1の図では1つのフィルタ部23のみが示されている)を含み得る。より詳細には、パターン化されたマルチフィルム21は、基板10上に配置され、光フィルタ部23は、第1の光電変換素子12に対応するように配置され得る。
【0037】
本開示の実施形態では、パターン化されたマルチフィルム21と光フィルタ部23とは、異なるフィルタである。より詳細には、パターン化されたマルチフィルム21は、特定の波長(例えば、約700nm~約1100nm)の赤外(IR)光をカットし、特定の波長(例えば、約400nm~約700nm)の可視光を通過させることができるハイブリッドフィルタであってもよい。その代わりに、光フィルタ部23は、特定の波長(例えば、約400nm~約700nm)の可視光をカットし、特定の波長(例えば、約700nm~約1100nm)の赤外(IR)光を通過させることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、パターン化されたマルチフィルム21は、化学蒸着(CVD)、原子層蒸着(ALD)、分子線エピタキシー(MBE)、液相エピタキシー(LPE)、またはそれらの組み合わせなどの蒸着プロセスによって形成されてもよいが、本開示はこれに限定されるものではない。同様に、光フィルタ部23も、蒸着プロセスによって形成されてもよい。
【0039】
図1に示されるように、パターン化されたマルチフィルム21は、複数のトレンチ21Tを有してもよく(
図1では1つのトレンチ21のみが示されている)、光フィルタ部23は、トレンチ21T内に配置されているが、本開示はそれに限定されない。いくつかの実施形態では、パターン化プロセスがマルチフィルム上で実行され、パターン化されたマルチフィルム21が形成されてもよい。例えば、マスク層(図示せず)がマルチフィルム上に配置され、次いで、エッチングプロセスが実行され、このマスク層をエッチングマスクとして用いて、マルチフィルムをエッチングし、トレンチ21Tを形成(およびパターン化されたマルチフィルム21を形成)されてもよく、次いで、光フィルタ部23がトレンチ21Tに被着されてもよいが、本開示はそれらに限定されない。
【0040】
いくつかの実施形態では、マスク層は、ハードマスクを含むことができ、酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(SiN)、酸窒化ケイ素(SiON)、炭化ケイ素(SiC)、炭窒化ケイ素(SiCN)など、またはそれらの組み合わせを含んでもよいが、本開示はそれらに限定されない。マスク層は、単層構造または多層構造であってもよい。マスク層は、蒸着プロセス、フォトリソグラフィプロセス、他の適切なプロセス、またはそれらの組み合わせによって形成されてもよいが、本開示はそれらに限定されない。例えば、フォトリソグラフィプロセスは、フォトレジストコーティング(例えば、スピンコーティング)、ソフトベーク、マスク位置合わせ、露光、露光後ベーク(PEB)、現像、リンス、乾燥(例えば、ハードベーク)、任意の他の適用可能なプロセス、またはこれらの組み合わせを含んでもよいが、本開示はそれらに限定されない。
【0041】
いくつかの実施形態では、エッチングプロセスは、ドライエッチングプロセス、ウエットエッチングプロセス、またはそれらの組み合わせを含んでもよい。例えば、ドライエッチングプロセスは、反応性イオンエッチング(RIE)、誘導結合プラズマ(ICP)エッチング、中性ビームエッチング(NBE)、電子サイクロトロン共鳴(ERC)エッチングなど、またはそれらの組み合わせを含んでもよいが、本開示はそれらに限定されない。例えば、ウエットエッチングプロセスは、例えば、フッ化水素酸(HF)、水酸化アンモニウム(NH4OH)、または任意の適切なエッチャントを用いてもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、ユーザの特性(例えば、指紋)は、可視光および赤外線(IR)光を反射し得る。次いで、反射された赤外光は、第1の光電変換素子12によって感知されて、赤外光画像を生成し、反射された可視光は、第2の光電変換素子14によって感知されて可視光画像を生成することができる。ここでは、赤外光および可視光は、半導体装置100が適用された装置からの光であっても、外部(例えば、周囲光または太陽光)からの光であってもよいが、本開示はそれらに限定されない。
【0043】
図2A~
図2Cは、露光時間の異なる状態を示す例である。
図2Aに示すように、第2の光電変換素子14は可視光を感知するように用いられるため、それらは高品質(即ち、良好な信号)の画像を得るために長い露光時間を必要とする。しかしながら、所定の期間中、第1の光電変換素子12の感知時間が第2の光電変換素子14の感知時間と同じである(即ち、第1の光電変換素子12および第2の光電変換素子14の両方が長い感知時間を有する)場合、第1の光電変換素子12は、信号飽和により、低品質の画像を得ることになる。
【0044】
さらに、
図2Bに示すように、第1の光電変換素子12は、近赤外光を感知するように用いられるため、それらは高品質(即ち、良好な信号)の画像を得るために短い露光時間を必要とする。しかしながら、所定の期間中、第2の光電変換素子14の感知時間が第1の光電変換素子12の感知時間と同じである(即ち、第1の光電変換素子12および第2の光電変換素子14の両方が短い感知時間を有する)場合、第2の光電変換素子14は、低感度信号により、低品質の画像を得ることになる。
【0045】
従って、
図2Cに示すように、本開示の実施形態では、所定の期間中の第1の光電変換素子12の感知時間は、所定の期間中の第2の光電変換素子14の感知時間よりも短く、それにより、第1の光電変換素子12および第2の光電変換素子14の両方が高品質(即ち、良好な信号)の画像を得ることになる。
【0046】
さらに、偽造の人間の特性が人工材料から作製されることが可能であっても、近赤外光による偽造の人間の特性から取得される画像は、近赤外光による実際の人間の特性から取得される画像と同じではない可能性がある。従って、本開示の実施形態による半導体装置100は、偽造の人間の特徴と実際の人間の特徴とを区別することができ、それにより、本開示の実施形態による半導体装置100を使用した生体認証の安全性を効果的に向上させることができる。
【0047】
図1に示すように、光調整構造20は、パターン化されたマルチフィルム21(および光フィルタ部23)上に配置された光コリメート層25を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、光コリメート層25は、第1の遮光層27および複数の光透過部29を含んでもよい。
図1に示すように、第1の遮光層27は、第1の光電変換素子12に対応する複数の第1の開口部27C1(
図1では1つの第1の開口部27C1のみが示されている)と、第2の光電変換素子14に対応する複数の第2の開口部27C2とを有していてもよく、光透過部29は、第1の開口部27C1および第2の開口部27C2に配置されてもよいが、本開示はそれらに限定されない。
【0048】
いくつかの他の実施形態では、第1の遮光層27の材料は、フォトレジスト(例えば、黒色のフォトレジスト、または透明でない他の適用可能なフォトレジスト)、インク(例えば、黒色のインク、または透明でない他の適用可能なインク)、成形化合物(例えば、黒色の成形化合物、または透明でない他の適用可能な成形化合物)、はんだマスク(例えば、黒色のはんだマスク、または透明でない他の適用可能なはんだマスク)、エポキシ樹脂、任意の他の適用可能な材料、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよいが、本開示はそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、第1の遮光層27の材料は、光硬化材料、熱硬化材料、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、パターン化プロセスは、
図1に示されるように、上述の材料に実行されてもよく、これにより第1の開口部27C1および第2の開口部27C2を形成することができる。例えば、マスク層(図示せず)が上述の材料上に配置され、次いで、エッチングプロセスが実行されて、マスク層をエッチングマスクとして用いることにより、第1の開口部27C1および第2の開口部27C2が形成され、次いで、光透過部29は、第1の開口部27C1および第2の開口部27C2に被着されてもよいが、本開示はそれに限定されない。
【0050】
いくつかの実施形態では、光透過部29の材料は、透明フォトレジスト、ポリイミド、エポキシ樹脂、任意の他の適用可能な材料、またはそれらの組み合わせを含んでもよいが、本開示はこれに限定されない。本開示の実施形態では、光透過部29は、第1の光電変換素子12および第2の光電変換素子14に対応するように配置されてもよい。例えば、第1の開口部27C1および第2の開口部27C2は、第1の光電変換素子12および第2の光電変換素子14とそれぞれ位置合わせされてもよい。即ち、光透過部29は、第1の光電変換素子12および第2の光電変換素子14と位置合わせされてもよいが、本開示はそれに限定されない。
【0051】
本開示の実施形態では、光コリメート層25が光をコリメートして、光発散によるエネルギー損失を低減するように用いられてもよい。従って、光コリメート層25が半導体装置100(例えば、生体認証装置)に適用されて、認証の効率を向上させることができる。
【0052】
図3は、本開示のもう1つの実施形態による、半導体装置102を示す部分断面図である。簡潔にするために、
図3では、いくつかの構成要素が省略されている。
【0053】
図3に示すように、半導体装置102は、
図1に示された半導体装置100の構造と同様の構造を有する。
図1に示された半導体装置100と異なる点は、
図3に示された半導体装置102が、光調整構造20上に配置された集光構造30をさらに含むことができることである。より詳細には、集光構造30は、光コリメート層25上に配置されるが、本開示はそれに限定されない。
【0054】
いくつかの実施形態では、集光構造30は、第2の遮光層31、複数のマイクロレンズ33、および透明層35を含み得る。
図3に示されるように、第2の遮光層31は、第1の光電変換素子12および第2の光電変換素子14に対応する複数の第3の開口部31Cを有し、マイクロレンズ33は、第3の開口部31C内に配置され、透明層35は、光コリメート層25と第2の遮光層31との間に配置されてもよいが、本開示はそれらに限定されない。
【0055】
この実施形態では、マイクロレンズ33は、光透過部29に対応するように配置され得る。例えば、マイクロレンズ33(または第3の開口部31C)は、光透過部29(または第1の開口部27C1および第2の開口部27C2)、第1の光電変換素子12、および第2の光電変換素子14と位置合わせされてもよいが、本開示はそれに限定されない。
【0056】
いくつかの実施形態では、第2の遮光層31の材料は、第1の遮光層27の材料と同じ、または、類似していてもよい。例えば、第2の遮光層31の材料は、フォトレジスト(例えば、黒色のフォトレジスト、または透明でない他の適用可能なフォトレジスト)、インク(例えば、黒色のインク、または透明でない他の適用可能なインク)、成形化合物(例えば、黒色の成形化合物、または透明でない他の適用可能な成形化合物)、はんだマスク(例えば、黒色のはんだマスク、または透明でない他の適用可能なはんだマスク)、エポキシ樹脂、任意の他の適用可能な材料、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよいが、本開示はそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、第2の遮光層31の材料は、光硬化材料、熱硬化材料、またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0057】
同様に、パターン化プロセスは、
図3に示されるように、上述の材料に実行されてもよく、これにより第3の開口部31Cを形成することができる。例えば、マスク層(図示せず)が上述の材料上に配置され、次いで、エッチングプロセスが実行されて、マスク層をエッチングマスクとして用いることにより、第3の開口部31Cが形成され、次いで、マイクロレンズ33は、第3の開口部31Cに被着されてもよいが、本開示はそれに限定されない。
【0058】
いくつかの実施形態では、マイクロレンズ33の材料は、透明な材料であってもよい。例えば、マイクロレンズ33の材料は、ガラス、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン、任意の他の適用可能な材料、またはそれらの組み合わせを含んでもよいが、本開示はそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、マイクロレンズ33は、フォトレジストリフロー法、ホットエンボス法、任意の他の適用可能な方法、またはそれらの組み合わせによって形成されてもよい。いくつかの実施形態では、マイクロレンズ33を形成するステップは、スピンコーティングプロセス、リソグラフィプロセス、エッチングプロセス、任意の他の適用可能なプロセス、またはそれらの組み合わせを含んでもよいが、本開示はそれに限定されない。
【0059】
この実施形態では、マイクロレンズ33は、半凸レンズまたは凸レンズであってもよいが、本開示はそれらに限定されない。いくつかの実施形態では、マイクロレンズ33は、例えば、円錐、四角錐、平頂円錐(flat top cone)などの形状に形成されてもよいが、本開示はそれらに限定されない。光を集光することができる任意の他の構造が、
図3に示されたマイクロレンズ33に置き換えられて用いられてもよい。
【0060】
さらに、
図3は、マイクロレンズ33が第3の開口部31Cに配置され得ることを示しているが、本開示はそれに限定されない。いくつかの他の実施形態では、マイクロレンズ33は、第3の開口部31Cの上または上方に配置され、第3の開口部31Cは、他の透明な材料で充填されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、透明層35の材料は、光透過部29の材料と同じ、または、類似してもよい。例えば、透明層35の材料は、透明フォトレジスト、ポリイミド、エポキシ樹脂、任意の他の適用可能な材料、またはそれらの組み合わせを含んでもよいが、本開示はそれらに限定されない。
【0062】
いくつかの実施形態では、集光構造30は、いくつかの実施形態では、集光構造30は、ユーザの特性によって反射された赤外光または可視光をさらに集光させてもよく、それにより、第1の光電変換素子12または第2の光電変換素子14がより良い画像を撮像することができる(即ち、半導体装置102の感知能力がさらに向上され得る)。
【0063】
図4は、本開示の一実施形態による、半導体装置104を示す部分断面図である。簡潔にするために、
図4では、いくつかの構成要素が省略されている。
【0064】
図4に示すように、半導体装置104は、
図1に示された半導体装置100の構造と同様の構造を有する。
図1に示された半導体装置100と異なる点は、
図4に示された半導体装置104の光フィルタ部23が、一部の光透過部29に置き換えられて、対応する第1の開口部27C1に配置されることである。即ち、光フィルタ部23は、第1の光電変換素子12に対応する第1の開口部27C1に配置されてもよい。
【0065】
図4に示されるように、光フィルタ部23は、パターン化されたマルチフィルム21のトレンチ21T上(の上方)に配置され得る(
図4では、1つの光フィルタ部23および1つのトレンチ21Tのみが示されている)。さらに、
図4に示されるように、いくつかの光透過部29は、トレンチ21T内に配置される。すなわち、光透過部29は、トレンチ21Tおよび第2の開口部27C2に配置されてもよいが、本開示はそれに限定されない。
【0066】
図5は、本開示のもう1つの実施形態による半導体装置106を示す部分断面図である。簡潔にするために、
図5では、いくつかの構成要素が省略されている。
【0067】
図5に示すように、半導体装置106は、
図4に示された半導体装置104の構造と同様の構造を有する。
図4に示された半導体装置104と異なる点は、
図5に示された半導体装置106が、光調整構造20上に配置された集光構造30をさらに含むことである。より詳細には、集光構造30は、光コリメート層25上に配置されるが、本開示はそれに限定されない。
【0068】
同様に、集光構造30は、第2の遮光層31、複数のマイクロレンズ33、および透明層35を含み得る。
図5に示されるように、第2の遮光層31は、複数の第3の開口部31Cを有し、マイクロレンズ33は、第3の開口部31C内に配置され、透明層35は、光コリメート層25と第2の遮光層31との間に配置されてもよいが、本開示はそれらに限定されない。
【0069】
図6は、本開示の一実施形態による、半導体装置108を示す部分断面図である。簡潔にするために、
図6では、いくつかの構成要素が省略されている。
【0070】
図6に示すように、半導体装置108は、
図1に示された半導体装置100の構造と同様の構造を有する。
図1に示された半導体装置100と異なる点は、
図6に示された半導体装置108の光コリメート層25が、基板10とパターン化されたマルチフィルム21との間に配置されることである。
【0071】
同様に、光コリメート層25は、第1の遮光層27および複数の光透過部29を含み得る。
図6に示されるように、第1の遮光層27は、第1の光電変換素子12に対応する複数の第1の開口部27C1、および第2の光電変換素子14に対応する複数の第2の開口部27C2を有し、光透過部29は、第1の開口部27C1および第2の開口部27C2に配置され得る。
図6に示された実施形態では、光フィルタ部23は、パターン化されたマルチフィルム21のトレンチ21T内に配置されてもよい(1つの光フィルタ部23および1つのトレンチ21Tのみが
図6に示される)が、本開示はそれに限定されない。
【0072】
この実施形態では、いくつかの光透過部29は、第1の光電変換素子12と光フィルタ部23との間に配置され、もう1つの光透過部29は、第2の光電変換素子14とパターン化されたマルチフィルム21との間に配置されてもよいが、本開示はそれに限定されない。
【0073】
図7は、本開示のもう1つの実施形態による半導体装置110を示す部分断面図である。簡潔にするために、
図7では、いくつかの構成要素が省略されている。
【0074】
図7に示すように、半導体装置110は、
図6に示された半導体装置108の構造と同様の構造を有する。
図6に示された半導体装置108と異なる点は、
図7に示された半導体装置110が、光調整構造20上に配置された集光構造30をさらに含むことである。より詳細には、集光構造30は、パターン化されたマルチフィルム21上に配置されるが、本開示はそれに限定されない。
【0075】
同様に、集光構造30は、第2の遮光層31、複数のマイクロレンズ33、および透明層35を含み得る。
図7に示されるように、第2の遮光層31は、複数の第3の開口部31Cを有し、マイクロレンズ33は、第3の開口部31Cに配置され、透明層35は、パターン化されたマルチフィルム21と第2の遮光層31との間に配置されてもよいが、本開示はそれらに限定されない。
【0076】
図8は、本開示の実施形態による半導体装置112を示す部分断面図である。簡潔にするために、
図8では、いくつかの構成要素が省略されている。
【0077】
図8に示すように、半導体装置110は、
図6に示された半導体装置108の構造と同様の構造を有する。
図6に示された半導体装置108と異なる点は、
図8に示された半導体装置112の光フィルタ部23が、いくつかの光透過部29に置き換えられて、対応する第1の開口部27C1に配置されることである。即ち、光フィルタ部23は、第1の光電変換素子12に対応する第1の開口部27C1に配置されることができる。
【0078】
図8に示されるように、光フィルタ部23は、パターン化されたマルチフィルム21のトレンチ21Tの下方に配置され得る(
図8では、1つの光フィルタ部23および1つのトレンチ21Tのみが示されている)。さらに、
図8に示されるように、いくつかの光透過部29は、トレンチ21T内に配置される。即ち、光透過部29は、トレンチ21Tおよび第2の開口部27C2に配置されるが、本開示はそれに限定されない。
【0079】
図9は、本開示のもう1つの実施形態による半導体装置114を示す部分断面図である。簡潔にするために、
図9では、いくつかの構成要素が省略されている。
【0080】
図9に示すように、半導体装置114は、
図8に示された半導体装置112の構造と同様の構造を有する。
図8に示された半導体装置112と異なる点は、
図9に示された半導体装置114が、光調整構造20上に配置された集光構造30をさらに含むことである。より詳細には、集光構造30は、パターン化されたマルチフィルム21上に配置されるが、本開示はそれに限定されない。
【0081】
同様に、集光構造30は、第2の遮光層31、複数のマイクロレンズ33、および透明層35を含み得る。
図9に示されるように、第2の遮光層31は、複数の第3の開口部31Cを有し、マイクロレンズ33は、第3の開口部31C内に配置され、透明層35は、パターン化されたマルチフィルム21と第2の遮光層31との間に配置されてもよいが、本開示はそれらに限定されない。
【0082】
要約すると、本開示の実施形態による半導体装置は、近赤外光を感知するように用いられる光電変換素子(例えば、上述の第1の光電変換素子)、および可視光を感知するように用いられるもう1つの光電変換素子(例えば、上述の第2の光電変換素子)を含むため、偽造の人間の特性が人工材料から作製されることが可能であっても、近赤外光によって偽造の人間の特性から取得される画像は、近赤外光によって実際の人間の特性から取得される画像と同じではない可能性がある。
【0083】
従って、本開示の実施形態による半導体装置は、偽造の人間の特徴と実際の人間の特徴とを区別することができ、それにより、本開示の実施形態による半導体装置を使用した生体認証の安全性を効果的に向上させることができる。
【0084】
前述の内容は、当業者が本開示の態様をよりよく理解できるように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、同じ目的を実行するため、および/または本明細書に導入される実施形態の同じ利点を達成するための他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として本開示を容易に使用できることを理解できるであろう。当業者はまた、そのような同等の構造が本開示の精神および範囲から逸脱せず、且つそれらは、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書で様々な変更、置換、および代替を行うことができることを理解するべきである。従って、保護の範囲は請求項を通じて決定される必要がある。さらに、本開示のいくつかの実施形態が上記に開示されているが、それらは、本開示の範囲を限定することを意図していない。
【0085】
本明細書全体にわたる特徴、利点、または同様の用語への言及は、本開示で実現され得る全ての特徴および利点が、本開示の任意の単一の実施形態で実現されるべきまたは実現され得ることを意味するのではない。むしろ、特徴および利点に言及する用語は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、利点、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味すると理解される。従って、本明細書全体にわたる特徴および利点、ならびに類似の用語の議論は、必ずしもそうではないが、同じ実施形態を指すことがある。
【0086】
さらに、1つまたは複数の実施形態では、本開示の説明された特徴、利点、および特性は、任意の適切な方法で組み合わせてもよい。当業者は、本明細書の説明に基づいて、特定の実施形態の1つまたは複数の特定の特徴または利点なしに本開示を実施できることを認識するであろう。他の例では、本開示の全ての実施形態に存在しない可能性がある、追加の特徴および利点が特定の実施形態において認識され得る。
【符号の説明】
【0087】
100、102、104、106、108、110、112、114…半導体装置
10…基板
12…第1の光電変換素子
14…第2の光電変換素子
20…光調整構造
21…パターン化されたマルチフィルム
21T…トレンチ
23…光フィルタ部
25…光コリメート層
27…第1の遮光層
27C1…第1の開口部
27C2…第2の開口部
29…光透過部
30…集光構造
31…第2の遮光層
31C…第3の開口部
33…マイクロレンズ
35…透明層