(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】車両用電力生成システム及び方法
(51)【国際特許分類】
H02P 9/00 20060101AFI20220722BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20220722BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
H02P9/00 Z
H02J7/00 P
H02J7/00 303B
H02J7/35 K
(21)【出願番号】P 2021081109
(22)【出願日】2021-05-12
(62)【分割の表示】P 2018515581の分割
【原出願日】2016-09-17
【審査請求日】2021-06-08
(31)【優先権主張番号】3649/MUM/2015
(32)【優先日】2015-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】518008208
【氏名又は名称】ロエラ ヘマント カラムチャンド
【氏名又は名称原語表記】ROHERA, Hemant Karamchand
【住所又は居所原語表記】101 Flamingo, Raheja Gardens, Wanorie, Pune, Maharashtra 411040 India
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100132067
【氏名又は名称】岡田 喜雅
(74)【代理人】
【識別番号】100137903
【氏名又は名称】菅野 亨
(72)【発明者】
【氏名】ロエラ ヘマント カラムチャンド
【審査官】池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-41461(JP,A)
【文献】特開2014-184759(JP,A)
【文献】特開2012-100481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 9/00
H02J 7/00
H02J 7/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電力を発電する少なくとも1つの第1発電機と、
前記少なくとも1つの第1発電機と協業するように適合される電力処理装置と、を具備し、
前記電力処理装置は、
前記第1の電力を取得し、
定常的な第1の電力を前記第1の電力を基に
生成し、
第2の電力を前記電力処理装置と接続されている少なくとも1つの蓄電装置から取得し、
前記少なくとも1つの蓄電装置の充電状態(SOC)を読み取り、
前記少なくとも1つの蓄電装置の前記読み込まれたSOCが所定のSOC値未満の場合は前記第1の電力から定常的な第2の電力を
生成し、
前記少なくとも1つの蓄電装置の前記SOCが前記所定のSOC値以上の場合は前記第2の電力から又は前記第1の電力と前記第2の電力との組み合わせから定常的な第2の電力を
生成し、
前記定常的な第1の電力を前記少なくとも1つの蓄電装置に、また前記定常的な第2の電力を前記電力処理装置と接続されている車両のモーターに同時に送り、
前記電力処理装置は、少なくとも1つのDCACコンバーター、少なくとも1つのACDCコンバーター、少なくとも1つのブースター、少なくとも1つのDCDCコンバーター、少なくとも1つのACACコンバーター、少なくとも1つの制御装置、及びプロセッサを含み、
前記第1の電力はAC電力またはDC電力であり、前記第2の電力はDC電力である、
ことを特徴とする車両用
電力生成システム。
【請求項2】
前記定常的な第1の電力は定常的なDC電力であり、前記定常的な第2の電力は定常的なAC電力であることを特徴とする請求項1記載の車両用
電力生成システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの第1発電機が、ソーラーパネルサブシステム、再生型制動サブシステム、希薄空気イオン取得サブシステム、ガラスウィンドウペーンサブシステム、風力タービン駆動サブシステム、熱とサウンドサブシステム、DC発電機、及びAC発電機から構成されるグループの中から選択されることを特徴とする請求項1記載の車両用
電力生成システム。
【請求項4】
前記モーターが、ACブラシレスモーター、誘電モーター、永久磁石モーター、及びスイッチドリラクタンスモーターから構成されるグループの中から選択されることを特徴とする請求項1記載の車両用
電力生成システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの蓄電装置が、コンデンサーバンク、フローバッテリー、バナジウム還元バッテリー、亜鉛臭素電池、燃料電池、鉛酸蓄電池、VRLAバッテリー、リチウムイオンバッテリー、AGMバッテリー、ゲルバッテリー、リチウムイオンポリマーバッテリー、溶融塩バッテリー、ニッケルカドミウムバッテリー、ナトリウムイオンバッテリー、スーパー鉄バッテリー、銀亜鉛バッテリー、塩化亜鉛バッテリー、グラフェンバッテリー、ナトリウム金属ハロゲン化物バッテリー、ケイ素バッテリー、ハイブリッドバッテリー、及び亜鉛炭素バッテリーから構成されるグループの中から選択されることを特徴とする請求項1記載の車両用
電力生成システム。
【請求項6】
前記AC発電機が車両の前輪、車両のサスペンション又は車両の駆動車輪のうち少なくとも1箇所に固定されていることを特徴とする請求項3記載の車両用
電力生成システム。
【請求項7】
前記ソーラーパネルサブシステム、前記再生型制動サブシステム、前記希薄空気イオン取得サブシステム、前記ガラスウィンドウペーンサブシステム、前記風力タービン駆動サブシステム、前記熱とサウンドサブシステム、前記DC発電機、及び前記AC発電機が前記第1の電力を前記電力処理装置へ並列的に送り、その結果前記定常的な第1の電力と前記定常的な第2の電力がそれぞれ前記少なくとも1つの蓄電装置と前記モーターに送られることを特徴とする請求項3記載の車両用
電力生成システム。
【請求項8】
前記熱とサウンドサブシステムが、振動と音圧による外部からの機械的エネルギーを前記第1の電力に変換する熱電素子を含むことを特徴とする請求項3記載の車両用
電力生成システム。
【請求項9】
少なくとも1つの第1発電機を使用して第1の電力を発電し、
前記第1の電力を電力処理装置で取得し、
前記電力処理装置が、
定常的な第1の電力を前記第1の電力を基に
生成し、
第2の電力を前記電力処理装置と接続されている少なくとも1つの蓄電装置から取得し、
前記少なくとも1つの蓄電装置の充電状態(SOC)を読み取り、
前記少なくとも1つの蓄電装置の前記読み込まれたSOCが所定のSOC値未満の場合は前記第1の電力から定常的な第2の電力を
生成し、
前記少なくとも1つの蓄電装置の前記SOCが前記所定のSOC値以上の場合は前記第2の電力から又は前記第1の電力と前記第2の電力との組み合わせから定常的な第2の電力を
生成し、
前記定常的な第1の電力を前記少なくとも1つの蓄電装置に、また前記定常的な第2の電力を前記電力処理装置と接続されている車両のモーターに同時に送り、
前記電力処理装置は、少なくとも1つのDCACコンバーター、少なくとも1つのACDCコンバーター、少なくとも1つのブースター、少なくとも1つのDCDCコンバーター、少なくとも1つのACACコンバーター、少なくとも1つの制御装置、及びプロセッサを含み、
前記第1の電力はAC電力またはDC電力であり、前記第2の電力はDC電力である、
ことを特徴とする車両用
電力生成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパワーエレクトロニクス分野に関する。
【0002】
(用語の定義)
本発明で使用される以下の用語は一般的に次の定義の意味を持つものとして意図されている。ただし、文脈上別段の意味を示す場合を除く。
本明細書に使用する用語「蓄電装置」は限定することなくバッテリーセル、コンデンサー等の蓄電部品を意味する。
本明細書に使用する用語「超コンデンサー」は限定することなく容量1000ファラデーを超す高容量電気化学式コンデンサーを意味する。
本明細書に使用する用語「SOC」(充電状態)は限定することなく蓄電部品の中に蓄えられている最大可能な電荷/エネルギーの百分率を意味する。
「電気自動車」、「ハイブリッド車」や「車両」と本明細書でいう場合、乗用車、バッテリー駆動車、道路交通用車両、重量貨物車両(HGV)、バス、二輪車、電動機付き自転車、電気スクーター、電気オートバイ、三輪車、電動車椅子、軍事車両、列車、鉱山抽出用車両等を指す。
「DCDCコンバーター」と本明細書でいう場合、1つのDC電圧ないし電流を異なる強さのDC電圧ないし電流に変換する電力コンバーターを意味する。
「ACACコンバーター」と本明細書でいう場合、1つのAC電圧ないし電流を異なる強さのAC電圧ないし電流に変換する電力コンバーターを意味する。
「DCACコンバーター」と本明細書でいう場合、DC信号をAC信号に変換する電力コンバーターを意味する。
「ACDCコンバーター」と本明細書でいう場合、AC信号をDC信号に変換する電力コンバーターを意味する。
「ブースター」と本明細書でいう場合、AC信号かDC信号を増幅する電子装置を意味する。
以上の定義は本分野での表現に追加される。
【背景技術】
【0003】
従来は、電気自動車/ハイブリッド車のシステムにおいて蓄電装置を使用して電力を車両駆動モーターに送っていた。ここでは電力が蓄電装置から引き出されて車両の電気部品を駆動していた。電気自動車に電力を供給する代替電源がないので、蓄電装置は連続的に放電し、このため蓄電装置の連続充電が必要であった。また、蓄電装置の連続充電・放電は蓄電装置の耐用期間を短くする。蓄電装置の連続充電は蓄電装置の充電設備が限られているので課題でもある。
【0004】
従って、車両を駆動し、車両の蓄電装置依存度が下がるようにもできるように使用できる蓄電装置の代替充電システムに対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的の一部は少なくとも1つの実施例を本明細書において取り上げることで十分であるが、以下のものである。
【0006】
先行技術の持つ一つまたは複数の課題を改善するかまたは少なくとも有用な代替手段を提供することが本発明の目的である。
本発明の一つの目的は車載蓄電装置の、耐用期間を延ばす車両用電力生成システムを提供することである。
本発明のさらに一つの目的は車載蓄電装置の過放電を防止する車両用電力生成システムを提供することである。
本発明のさらに一つの目的はメンテナンス頻度が低く費用対効果の高い車両用電力生成システムを提供することである。
本発明のさらに一つの目的は安全でセキュアな車両用電力生成システムを提供することである。
【0007】
本発明のその他の目的と優位性は本発明の範囲をこれに限定することは意図されていない次の説明によってさらに明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は車両用電力生成システムを提供する。このシステムは少なくとも1つの第1発電機、電力処理装置、少なくとも1つの蓄電装置から成る。本発明の実施形態に従い、少なくとも1つの第1発電機はAC電力を生産する。電力処理装置は少なくとも1つの第1発電機と協業しAC電力を取得する。電力処理装置は定常的なDC電力をAC電力から生成し、電力処理装置と接続されている少なくとも1つの蓄電装置からDC電力を取得し、AC電力とDC電力のうち少なくとも1つを基に定常的なAC電力を生成する。さらに、電力処理装置は、少なくとも1つの蓄電装置に定常的なDC電力を提供し、それと同時に、電力処理装置と接続されている車両モーターに定常的なAC電力を提供する。
【0009】
本発明の実施形態に従い、少なくとも1つの第1発電機はDC電力を発電する。電力処理装置は少なくとも1つの第1発電機と協業する。電力処理装置は発電されたDC電力を取得し、発電されたDC電力をもとに定常的なDC電力を生成し、電力処理装置と接続されている少なくとも1つの蓄電装置からDC電力を取得し、発電されたDC電力とDC電力のうち少なくとも1つをもとに定常的なAC電力を生成する。さらに、電力処理装置は、定常的なDC電力を少なくとも1つの蓄電装置に提供し、それと同時に、電力処理装置と接続されている車両モーターに定常的なAC電力を提供する。
【0010】
もう一つの実施例に従い、少なくとも1つの第1発電機は、ソーラーパネルサブシステム、再生型制動サブシステム、希薄空気イオン取得サブシステム、ガラスウィンドウペーンサブシステム、風力タービン駆動サブシステム、熱とサウンドサブシステム、DC発電機、及び、AC発電機から構成されるグループから選択される。
【0011】
もう一つの実施例に従い、電力処理装置は少なくとも1つのDCACコンバーター、少なくとも1つのACDCコンバーター、少なくとも1つのブースター、少なくとも1つのDCDCコンバーター、少なくとも1つのACACコンバーター、少なくとも1つの制御装置、プロセッサから成る。
【0012】
本発明の一実施例に従い、モーターはACブラシレスモーター、誘電モーター、永久磁石モーター、スイッチドリラクタンスモーターから構成されるグループから選択される。
【0013】
本発明の実施形態に従い、少なくとも1つの蓄電装置は、コンデンサーバンク、フローバッテリー、バナジウム還元バッテリー、亜鉛臭素電池、燃料電池、鉛酸蓄電池、VRLAバッテリー、リチウムイオンバッテリー、AGMバッテリー、ゲルバッテリー、リチウムイオンポリマーバッテリー、溶融塩バッテリー、ニッケルカドミウムバッテリー、ナトリウムイオンバッテリー、スーパー鉄バッテリー、銀亜鉛バッテリー、塩化亜鉛バッテリー、グラフェンバッテリー、ナトリウム金属ハロゲン化物バッテリー、ケイ素バッテリー、ハイブリッドバッテリー、亜鉛炭素バッテリーから構成されるグループから選択される。
【0014】
もう一つの実施例に従い、AC発電機を車両の前輪、車両のサスペンション、車両の駆動車輪のうち少なくとも1箇所に設置する。
【0015】
もう一つの実施例に従い、ソーラーパネルサブシステム、再生型制動サブシステム、希薄空気イオン取得サブシステム、ガラスウィンドウペーンサブシステム、風力タービン駆動サブシステム、熱とサウンドサブシステム、DC発電機、及びAC発電機が同時に第1の電力を電力処理装置に供給し、これを用いて定常的な第1の電力と定常的な第2の電力を少なくとも1つの蓄電装置とモーターへとそれぞれ供給する。
【0016】
本発明の実施形態に従い、熱とサウンドサブシステムは振動と音圧による外部からの機械的エネルギーを前記第1の電力に変換する熱電素子を含む。
【0017】
本発明はさらに車両用電力生成方法をも提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の車両用
電力生成システム及び方法を、付帯図面を用いて説明する。図面は以下の通りである。
【
図1】本発明の実施形態に従う車両用
電力生成システムを表す図である。
【
図2】
図1の
車両用電力生成システムに関して、本発明の一実施形態によるバッテリー管理システムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
従来は、電気自動車/ハイブリッド車のシステムにおいて蓄電装置を使用して電力を車両駆動モーターに送っていた。ここでは電力が蓄電装置から引き出されて車両の電気部品を駆動していた。電気自動車に電力を供給する代替電源がないので、蓄電装置は連続的に放電し、このため蓄電装置の連続充電が必要であった。また、蓄電装置の連続充電・放電は蓄電装置の耐用期間を短くする。本発明は車両用電力生成システム及び方法を提供する。本発明は車両を駆動し、車両の蓄電装置依存度が下がるようにもできるように使用できる蓄電装置の代替充電システムを提供する。
【0020】
図1は本発明の実施形態に従う車両用
電力生成システムを表す図である。
電力生成システム100は少なくとも1つの第1発電機102、電力処理装置104、少なくとも1つの蓄電装置106を含む。少なくとも1つの第1発電機102は第1の電力を生産する。第1の電力はAC電力かDC電力のどちらでもよい。第1の電力は概して少なくとも1つの第1発電機102が発電する代替電力である。少なくとも1つの第1発電機102は発電サブシステムか発電サブシステムまたは発電サブシステムの組み合わせを含む。発電サブシステムはソーラーパネルサブシステム102a、再生型制動サブシステム102b、希薄空気イオン取得サブシステム102c、ガラスウィンドウペーンサブシステム102d、風力タービン駆動サブシステム102e、熱とサウンドサブシステム102f、DC発電機102g、及びAC発電機102hを含む。
【0021】
少なくとも1つの蓄電装置106は電力処理装置104と接続されている。少なくとも1つの蓄電装置106はコンデンサーバンク、フローバッテリー、バナジウム還元バッテリー、亜鉛臭素電池、燃料電池、鉛酸蓄電池、VRLAバッテリー、リチウムイオンバッテリー、AGMバッテリー、ゲルバッテリー、リチウムイオンポリマーバッテリー、溶融塩バッテリー、ニッケルカドミウムバッテリー、ナトリウムイオンバッテリー、スーパー鉄バッテリー、銀亜鉛バッテリー、塩化亜鉛バッテリー、グラフェンバッテリー、ナトリウム金属ハロゲン化物バッテリー、ケイ素バッテリー、ハイブリッドバッテリー、亜鉛炭素バッテリーから構成されるグループから選択される。コンデンサーバンクには超コンデンサーかスーパーコンデンサーを含むことができる。
【0022】
ある実施形態においては、車両のモーター108はACモーターである。モーター108はACブラシレスモーター、誘電モーター、永久磁石モーター、スイッチドリラクタンスモーターから構成されるグループから選択される。
【0023】
図2は
図1の
電力生成システムに関して、本発明の一実施形態に従う電力処理装置のブロック図を示す。電力処理装置104は典型的に混合信号専用集積回路(ASIC)である。ある実施形態においては、電力処理装置104は強電コンバーターである。電力処理装置104は少なくとも1つのDCACコンバーター202、少なくとも1つのACDCコンバーター204、少なくとも1つのブースター206、少なくとも1つのDCDCコンバーター208、少なくとも1つのACACコンバーター210、少なくとも1つの制御装置212、プロセッサ214を含む。電力処理装置104は第1の電力を少なくとも1つの第1発電機102から取得する。プロセッサ214は混合信号(アナログとデジタル)プロセッサである。プロセッサ214は第1の電力を解析する。
【0024】
ある実施形態においては、少なくとも1つのブースター206はACブースターとDCブースターである。
【0025】
別の実施形態において、第1の電力はAC電力である。プロセッサ214はAC電力のAC電流成分とAC電圧成分を検出する。プロセッサ214はさらに、AC電流成分とAC電圧成分(通常のAC成分)の強度を計算する。AC電圧成分がプロセッサ214のメモリー(図示されていない)に保存されている初期設定のAC電圧しきい値より低い場合、プロセッサ214はAC電圧成分をブースター206に送る。ブースター206はAC電圧成分を上げ、高くなったAC電圧成分を生成する。プロセッサ214は高められたAC電圧成分を取得する。プロセッサ214はAC電流成分についても同様の演算を、214のメモリー(図示されていない)に保存されている初期設定のAC電流しきい値を使い処理し、プロセッサとブースター206は高められたAC電流成分を生成する。高められたAC電圧成分と高められたAC電流成分を高められたAC成分と表記する。プロセッサ214は少なくとも1つの蓄電装置106の充電レベル(SOC)を読み取る。少なくとも1つの蓄電装置106のSOCがプロセッサ214のメモリー(図示されていない)に保存されている初期設定のSOC値より低い場合、プロセッサ214は高められたAC成分か通常のAC成分またはこれらの組み合わせを利用して定常的な第2の電力(定常的なAC電力)を生成する。プロセッサ214は定常的な第2の電力をモーター108に送る。定常的な第2の電力(定常的なAC電力)をモーター108に送ることによって少なくとも1つの蓄電装置106が連続的に放電しなくなるので、少なくとも1つの蓄電装置106の耐用期間が延び、車両の少なくとも1つの蓄電装置106への依存度が下がる。これと並行してプロセッサ214はACDCコンバーター204を使い、さらに高められたAC成分か通常のAC成分またはこれらの組み合わせを利用して定常的な第1の電力(定常的なDC電力)も生成し、定常的な第1の電力を少なくとも1つの蓄電装置106に送る。少なくとも1つの蓄電装置106のSOCが初期設定のSOC値以上であれば、プロセッサ214はDCACコンバーター202を使用して、少なくとも1つの蓄電装置106で生産される第2の電力を利用して定常的な第2の電力を生成する。
【0026】
さらにもう一つの実施例に従い、第1の電力はDC電力である。プロセッサ214はDC電力のDC電流成分とDC電圧成分を検出する。プロセッサ214はさらにDC電流成分とDC電圧成分(通常のDC成分)の強さを計算する。DC電圧成分がプロセッサ214のメモリー(図示されていない)に保存されている初期設定のDC電圧しきい値より低い場合、プロセッサ214はDC電圧成分をブースター206に送る。ブースターはDC電圧成分を上げ高められたDC電圧成分を生成する。プロセッサ214は高められたDC電圧成分を取得する。プロセッサ214はDC電流成分についても同様の演算を、214のメモリー(図示されていない)に保存されている初期設定のDC電流しきい値を使い処理し、プロセッサとブースター206は高められたDC電流成分を生成する。高められたDC電圧成分と高められたDC電流成分を高められたDC成分と表記する。プロセッサ214は少なくとも1つの蓄電装置106の充電レベル(SOC)を読み取る。少なくとも1つの蓄電装置106のSOCがプロセッサ214のメモリー(図示されていない)に保存されている初期設定のSOC値より小さいと、プロセッサ214は制御装置212と高められたDC成分か通常のDC成分またはこれらの組み合わせを使用して定常的な第1の電力を生成する。プロセッサ214は定常的な第1の電力を少なくとも1つの蓄電装置106に送る。これと並行して、プロセッサ214はDCACコンバーター204を利用し高められたDC成分か通常のDC成分またはこれらの組み合わせを使用して定常的な第2の電力も生成し、を定常的な第2の電力をモーター108に送る。定常的な第2の電力をモーター108に送ることによって少なくとも1つの蓄電装置106が連続的に放電しなくなるので、少なくとも1つの蓄電装置106の耐用期間が延び、車両の少なくとも1つの蓄電装置106への依存度が下がる。少なくとも1つの蓄電装置106のSOCが初期設定のSOC値以上であれば、プロセッサ214はDCACコンバーター202を使用して、少なくとも1つの蓄電装置106で生産される第2の電力を利用して定常的な第2の電力を生成する。さらに別の実施形態において、少なくとも1つの蓄電装置106のSOCが初期設定のSOC値以上あれば、プロセッサ214はDCACコンバーター202を利用して高められたDC成分の組み合わせ、または通常のDC成分さらに少なくとも1つの蓄電装置106によって生成される第2の電力定常的な第2の電力を生成する。
【0027】
本発明の実施形態に従い、ソーラーパネルサブシステム102a、再生型制動サブシステム102b、希薄空気イオン取得サブシステム102c、ガラスウィンドウペーンサブシステム102d、風力タービン駆動サブシステム102e、熱とサウンドサブシステム102f、DC発電機102g、AC発電機102hは第1の電力を電力処理装置104に並列的に送り、これによって定常的な第1の電力と定常的な第2の電力をそれぞれ少なくとも1つの蓄電装置106とモーター108に送る。上記すべてのサブシステムを車両に搭載する。上記サブシステムを並べる任意の順序や組み合わせにより第1の電力を発電できる。
【0028】
本発明の別の実施形態に従い、ソーラーパネルサブシステム102aは少なくとも1つのソーラーパネル(図示されていない)を含む。太陽光のエネルギーを車両の任意の位置に搭載する少なくとも1つのソーラーパネルによって取得する。少なくとも1つのソーラーパネルはDC電力を生成する。発電されたDC電力は第1の電力であるかまたは第1の電力の一部をなす。電力処理装置104は発電されたDC電力を取得し、定常的な第1の電力と定常的な第2の電力をそれぞれ少なくとも1つの蓄電装置106とモーター108に送ることによって車両を駆動する。
【0029】
本発明のさらに別の実施形態に従い、風力タービン駆動サブシステム102eは少なくとも2つの風力タービン(図示されていない)を含む。少なくとも2つの風力タービンは車両の側面か上に配置される。少なくとも2つの風力タービンは風によって駆動されるように構成され、車両の移動中にAC電力を発電する。発電されたAC電力は第1の電力であるかまたは第1の電力の一部をなす。電力処理装置104は発電されたDC電力を取得し、定常的な第1の電力と定常的な第2の電力をそれぞれ少なくとも1つの蓄電装置106とモーター108に送ることによって車両を駆動する。
【0030】
本発明の実施形態に従い、再生型制動サブシステム102bはコントロールユニットを使用する(図示されていない)。再生型制動サブシステム102bは車両に搭載される。コントロールユニットにより車両モーター108が車両の制動中にその運動エネルギーを吸収して発電機として機能する。この運動エネルギーはDC電力に変換される。変換されたDC電力は第1の電力または一部の第1の電力をなす。電力処理装置104は発電されたDC電力を取得し、定常的な第1の電力と定常的な第2の電力をそれぞれ少なくとも1つの蓄電装置106とモーター108に送ることによって車両を駆動する。
【0031】
さらに、本発明の一実施形態に従い、希薄空気イオン取得サブシステム102cは無線信号とRF信号を取得する制御デバイス(図示されていない)を使用しており、取得した無線信号とRF信号を基にAC電力を生成する。希薄空気イオン取得サブシステム102cは車両の任意の部分に搭載される。発電されたAC電力は第1の電力であるかまたは第1の電力の一部をなす。電力処理装置104は発電されたDC電力を取得し、定常的な第1の電力と定常的な第2の電力をそれぞれ少なくとも1つの蓄電装置106とモーター108に送ることによって車両を駆動する。
【0032】
また、本発明の実施形態に従い、ガラスウィンドウペーンサブシステム102dは車両の進行中に少なくとも1つのガラスウィンドウペーンの中の少なくとも1つのガラスの発振を感知するように構成されている少なくとも1つのセンサー(図示されていない)を含み、このため振幅エネルギーを生成する。電力処理装置104は発電されたDC電力を取得し、定常的な第1の電力と定常的な第2の電力をそれぞれ少なくとも1つの蓄電装置106とモーター108に送ることによって車両を駆動する。
【0033】
本発明の別の実施形態に従い、熱とサウンドサブシステム102fは熱センサーとサウンドセンサーを含む。サウンドセンサーは振動と音圧の外部機械的エネルギーを第1の電力または一部の第1の電力に変換する熱電素子を含む。別の実施形態において、サウンドセンサーは電力変換用ファイバー本体を含む。熱センサーは熱か光を第1電力または第1電力の一部に変換する熱電子発電機を含む。
【0034】
本発明の実施形態に従い、AC発電機102hは車両の前輪、車両のシャーシ、車両の駆動ホイールのうち少なくとも1つに固定されている。AC発電機102hは以下のうち少なくとも1つの要素を基にAC電力を発電するように構成されている。
・車両前輪の動作(またはその他任意の車輪)
・車両シャーシの動作(車体の上下加速)
・車両の駆動ホールの動作
【0035】
本発明のさらに別の実施形態に従い、DC発電機102gは車両の前輪(単数も複数も含む)に固定されている。DC発電機102gはDC電力を発電するように構成されている。
【0036】
本発明はさらに車両用
電力生成方法をも提供する。方法300は、コンピュータで実行可能な命令の一般的コンテキストにおいて説明し得る。方法300は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらを組み合わせたものに実装することができる。付帯図面の
図3は車両用
電力生成方法を表す。
【0037】
ブロック302において、方法300は少なくとも1つの第1発電機による第1の電力の発電を含む。ブロック304において、方法300は第1の電力を電力処理装置で取得することを含む。ブロック306において、方法300は第1の電力を利用する定常的な第1の電力の生成を含む。ブロック308において、方法300は電力処理装置と接続されている少なくとも1つの蓄電装置からの第2の電力の取得を含む。ブロック310において、方法300は第1の電力と第2の電力のうち少なくとも1つに基づく定常的な第2の電力の生成を含む。ブロック312において、方法300は定常的な第1の電力を少なくとも1つの蓄電装置に、さらに電力処理装置と接続されている車両のモーターに定常的な第2の電力を同時に送ることを含む。
【0038】
(技術的優位性)
本発明の車両用電力生成システムには、限定することなく、以下のようないくつかの技術的優位性がある。
・車両の少なくとも1つの蓄電装置の寿命を長くする
・車両の少なくとも1つの蓄電装置の過放電防止
・メンテナンス頻度が低く費用対効果が高い
・安全でセキュア
【0039】
本明細書のこれまでの説明においては発明の範囲と目的を制限しない付帯実施形態を参照しつつ説明してきた。説明はあくまでも例示および図解のために行われる。
【0040】
本発明の実施例ならびに様々な特長および優位性の詳細を限定することのない実施例を参照することによって以下に説明する。確立している既存のコンポーネントならびに処理技術についての説明は省略し、本発明の実施例についての理解を不要に困難にしないようにした。本発明に使用されている例は単に本発明の実施例を実用化可能にする方法の理解を容易にし、この分野の技能を持つ者が本発明の実施例を実施することを可能にすることのみを目的としている。従って、例によって本発明の実施例の範囲を限定するものと解釈されてはならない。
【0041】
前記の具体的実施形態に関する記述は、本発明の実施形態が持つ一般的性質を十分に明らかにしているので、現状の知識を適用することにより、前記の一般的概念から乖離することなく前記の具体的実施形態を異なる用途のために変更および/または適合することができ、従って、適合や変更は本発明の実施形態と同等の物としての意味およびその範囲で理解されることが意図されるべきであり、意図されている。本明細書に使用されている句節の用法や用語は説明目的のためであって限定するために使用されてはいない。従って、本明細書に記載された実施例は優先的実施例に基いて説明されていると同時に、同分野の技能を有する者は本明細書に記載された実施例が本明細書で説明された実施例の意図および範囲で変更しても実践可能であることが認められる。
【0042】
本明細書全体において、用語「成す」「構成する」やその類語としての「組成する」または「なしている」、は記載されている要素、整数または手順または要素、整数または手順の群を含むがその他の要素、整数または手順またはその他の要素、整数または手順の群を除くことなくこれらを含むことを含意している。
【0043】
「少なくとも」または「少なくとも1つの」という表現の使用は、1つまたは複数の目的物質または結果を得るために本発明の実施例において使用される場合があることに従い、1つまたは複数の要素または成分または数量の使用を示唆している。
【0044】
本明細書に含まれている文書、行為、要素、素子、デバイス、商品または同類のものについての議論は本発明開示のための文脈を成す目的のためにのみ含まれている。任意のまたはすべての以上の事項が既知の発明技術の基礎の一部を構成するまたは本出願優先日以前に任意の場所に存在していた本発明関連分野における共有されている一般的知識であるという是認と解釈されてはならない。
【0045】
異なる物理的パラメータ、変数、寸法や数量を表す数値は概数であって、パラメータ、変数、寸法や数量に代入された数値より高い/低い値は本発明の範囲に含まれることが意図されている。但し、明細書に異なる記載がなされている場合はこの限りではない。
【0046】
優先実施形態の異なる構成要素及び構成要素の部分を相当強調してきたが、多くの実施形態が可能であって、発明の原理から乖離することなく優先実施形態には多くの変更も可能である。本発明または優先実施形態ならびにその他の実施形態の特質を修正できることは本発明分野の専門的技能を有する者には明らかであって、この際、以上の説明的事項が単に本発明を説明するためのものであり、限定的なものとして解釈されてはならないことを明確に理解する必要がある。
【符号の説明】
【0047】
100 電力生成システム
102 少なくとも1つの第1発電機
102a ソーラーパネルサブシステム
102b 再生型制動サブシステム
102c 希薄空気イオン取得サブシステム
102d ガラスウィンドウペーンサブシステム
102e 風力タービン駆動サブシステム
102f 熱とサウンドサブシステム
102g DC発電機
102h AC発電機
104 電力処理装置
106 少なくとも1つの蓄電装置
108 モーター
202 少なくとも1つのDCACコンバーター
204 少なくとも1つのACDCコンバーター
206 ブースター
208 少なくとも1つのDCDCコンバーター
210 少なくとも1つのACACコンバーター
212 少なくとも1つの制御装置
214 プロセッサ
300 電力生成方法