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特許7109654超音波振動子、超音波内視鏡及び超音波振動子の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】超音波振動子、超音波内視鏡及び超音波振動子の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/00 20060101AFI20220722BHJP
   A61B 8/12 20060101ALI20220722BHJP
   H04R 17/00 20060101ALI20220722BHJP
   H04R 1/06 20060101ALI20220722BHJP
   H04R 31/00 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
A61B8/00
A61B8/12
H04R17/00 332Y
H04R1/06 330
H04R31/00 330
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021511732
(86)(22)【出願日】2019-03-29
(86)【国際出願番号】 JP2019014268
(87)【国際公開番号】W WO2020202358
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】熊田 祐也
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/199861(WO,A1)
【文献】特開2010-272178(JP,A)
【文献】実開昭62-135959(JP,U)
【文献】特開2013-211074(JP,A)
【文献】特開2005-167066(JP,A)
【文献】特開昭57-005386(JP,A)
【文献】特開2012-150872(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00
A61B 8/12
H04R 17/00
H04R 1/06
H04R 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号線を介して電気信号を入出力するフレキシブルな基板と、
前記基板に電気的に接続され、列状に配列された、超音波を送受信する複数の圧電素子と、
前記信号線を延出させて前記基板の端部から突出させ、湾曲させた形態で複数の前記圧電素子それぞれに電気的に接続される複数のリード線と、
複数の前記リード線各々に設けられ、前記圧電素子の配列方向において、複数の前記リード線どうしの間に配置された、絶縁性を有する複数のシート部材と、
を備えることを特徴とする超音波振動子。
【請求項2】
前記リード線は平板状であり、
前記シート部材は、前記リード線と前記圧電素子とが対向する面に対して交差した面のうち、前記圧電素子の配列方向に交差する面に位置することを特徴とする請求項に記載の超音波振動子。
【請求項3】
前記基板は円弧部を有し、前記リード線は前記円弧部の先端から突出して設けられ、前記圧電素子は、前記円弧部に沿って配列されており、
前記シート部材のうち隣接する少なくとも2つのシート部材は、前記圧電素子と前記基板とが電気的に接続された状態において、前記圧電素子の配列方向に交差する面によって接触していることを特徴とする請求項に記載の超音波振動子。
【請求項4】
前記リード線は平板状であり、
前記シート部材は、前記リード線の前記圧電素子と対向する面に設けられた、シート状の絶縁部材からなり、
前記絶縁部材が、隣接する前記圧電素子の間に位置することを特徴とする請求項に記載の超音波振動子。
【請求項5】
前記リード線は平板状であり、
前記シート部材は、前記リード線の、前記圧電素子と対向する一部の面、及び、前記圧電素子と対向する面とは反対側の一部の面に設けられた、シート状の絶縁部材からなり、
前記絶縁部材が、隣接する前記圧電素子の間に位置することを特徴とする請求項に記載の超音波振動子。
【請求項6】
被検体内に挿入される挿入部を備え、該挿入部の先端に、請求項1に記載の超音波振動子を備えることを特徴とする超音波内視鏡。
【請求項7】
超音波を送受信する超音波振動子の製造方法であって、
所定間隔をあけて配列された複数の圧電素子に、基板の先端から突出し、一部分にシート部材が設けられた複数のリード線それぞれの先端部を押し付けて前記複数のリード線を湾曲させ、前記複数の圧電素子と前記複数のリード線とを電気的に接続する工程と、
複数の前記リード線それぞれの先端部と複数の前記圧電素子それぞれとを接合部材によって接合する工程と、
を有し、
前記シート部材は、前記圧電素子の配列方向において、複数の前記リード線どうしの間に配置されていることを特徴とする超音波振動子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波振動子、超音波内視鏡及び超音波振動子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検体内に挿入される挿入部を備えた超音波内視鏡においては、観測対象である生体組織または材料の特性を観測するために、前記挿入部の先端に設けられた超音波振動子から送受信される超音波が用いられる。具体的には、超音波内視鏡を構成する超音波観測装置が、超音波振動子から受信した超音波エコーに対して所定の信号処理を施すことにより、観測対象の特性に関する情報を取得することができる。
【0003】
超音波振動子は、電気的なパルス信号を超音波パルスに変換して観測対象へ照射するとともに、観測対象にて反射された超音波エコーを電気的なエコー信号に変換してから出力する複数の圧電素子を備える。例えば、複数の圧電素子を所定方向に沿って並べて、送受信にかかわる圧電素子を電子的に切り替えることによって、観測対象から超音波エコーを取得する。
【0004】
超音波振動子の種別として、コンベックス型、リニア型、ラジアル型等、超音波ビームの送受信方向が異なる複数のタイプが知られている。このうち、コンベックス型の超音波振動子は、複数の圧電素子が曲面に沿って配列され、各々が超音波ビームを曲面の径方向に向けて出射する。
【0005】
特許文献1には、平面上に複数の圧電素子を配列して圧電素子アレイを形成し、圧電素子アレイを弧状に曲げた後、フレキシブル基板が有する円弧部の先端から突出した複数の配線と、圧電素子アレイを形成する各圧電素子とを電気的に接続して、コンベックス型の超音波振動子を製造することが開示されている。
【0006】
また、特許文献1には、複数の配線と複数の圧電素子とを電気的に接続する作業中に配線同士の接触を防止するため、複数の圧電素子の配列間隔以下の間隔をあけて各配線を保持する保持部材を、各配線におけるフレキシブル基板と圧電素子との間の中途位置に横断的に設けることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2016/080119号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
圧電素子と接続される配線にリード線を用いた場合には、リード線は細くて柔らかい。そのため、複数のリード線と複数の圧電素子とを電気的に接続する際に、各リード線の先端部を各圧電素子に押し付けて湾曲させると、一部のリード線が狙いの湾曲方向とは異なる方向に湾曲する可能性がある。その結果、他方のリード線が接触している圧電素子に接触してしまい、圧電素子を経由してリード線が短絡するおそれがある。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、圧電素子を経由してリード線が短絡するのを防止することができる超音波振動子、超音波内視鏡及び超音波振動子の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る超音波振動子は、信号線を介して電気信号を入出力するフレキシブルな基板と、前記基板に電気的に接続され、列状に配列された、超音波を送受信する複数の圧電素子と、前記信号線を延出させて前記基板の端部から突出させ、湾曲させた形態で複数の記圧電素子それぞれに電気的に接続される複数のリード線と、複数の記リード線各に設けられ、複数の前記リード線が互いに接触することを防ぐように配置された、絶縁性を有する複数のシート部材と、を備えることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明に係る超音波振動子は、上記の発明において、前記シート部材は、前記圧電素子の配列方向において、複数の前記リード線どうしの間に配置されることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明に係る超音波振動子は、上記の発明において、前記リード線は平板状であり、前記シート部材は、前記リード線と前記圧電素子とが対向する面に対して交差した面のうち、前記圧電素子の配列方向に交差する面に位置することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明に係る超音波振動子は、上記の発明において、前記基板は円弧部を有し、前記リード線は前記円弧部の先端から突出して設けられ、前記圧電素子は、前記円弧部に沿って配列されており、前記シート部材のうち隣接する少なくとも2つのシート部材は、前記圧電素子と前記基板とが電気的に接続された状態において、前記圧電素子の配列方向に交差する面によって接触していることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明に係る超音波振動子は、上記の発明において、前記リード線は平板状であり、前記シート部材は、前記リード線の前記圧電素子と対向する面に設けられた、シート状の絶縁部材からなり、前記絶縁部材が、隣接する前記圧電素子の間に位置することを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明に係る超音波振動子は、上記の発明において、前記リード線は平板状であり、前記シート部材は、前記リード線の、前記圧電素子と対向する一部の面、及び、前記圧電素子と対向する面とは反対側の一部の面に設けられた、シート状の絶縁部材からなり、前記絶縁部材が、隣接する前記圧電素子の間に位置することを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明に係る超音波内視鏡は、被検体内に挿入される挿入部を備え、該挿入部の先端に、上記の発明の超音波振動子を備えることを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明に係る超音波振動子の製造方法は、超音波を送受信する超音波振動子の製造方法であって、所定間隔をあけて配列された複数の圧電素子に、基板の先端から突出し、一部分にシート部材が設けられた複数のリード線それぞれの先端部を押し付けて前記複数のリード線を湾曲させ、前記複数の圧電素子と前記複数のリード線とを電気的に接続する工程と、複数の記リード線それぞれの先端部と複数の記圧電素子それぞれを接合部材によって接合する工程と、を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る超音波振動子、超音波内視鏡及び超音波振動子の製造方法は、圧電素子を経由してリード線が短絡するのを防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、実施の形態1に係る内視鏡システムを模式的に示す図である。
図2図2は、実施の形態1に係る超音波内視鏡の挿入部の先端構成を模式的に示す斜視図である。
図3図3は、実施の形態1に係る超音波振動子モジュールの構成を模式的に示す斜視図である。
図4図4は、図3に示す超音波振動子モジュールの領域Rの構成を説明する図である。
図5図5は、実施の形態1におけるフライングリードへの絶縁部材の設置位置について示した図である。
図6図6は、フライングリードと圧電素子とを電気的に接続する前の状態における斜視図である。
図7図7は、フライングリードと圧電素子とを電気的に接続する前の状態における、超音波振動子モジュールの圧電素子の配列方向と直交し、かつフライングリードを通過する平面を切断面とする部分断面図である。
図8図8は、フライングリードと圧電素子とを電気的に接続した状態における斜視図である。
図9図9は、フライングリードと圧電素子とを電気的に接続した状態における、超音波振動子モジュールの圧電素子の配列方向と直交し、かつフライングリードを通過する平面を切断面とする部分断面図である。
図10図10は、変形例1におけるフライングリードへの絶縁部材の設置位置を示した図である。
図11図11は、実施の形態2におけるフライングリードへの絶縁部材の設置位置を示した図である。
図12図12は、変形例2におけるフライングリードへの絶縁部材の設置位置を示した図である。
図13図13は、変形例2のフライングリードを湾曲させる前の状態を示した斜視図である。
図14図14は、変形例2のフライングリードを湾曲させた後の状態を示した斜視図である。
図15図15は、実施の形態3におけるフライングリードへの絶縁部材の設置位置を示した図である。
図16図16は、実施の形態4におけるフライングリードへの第1の絶縁部材及び第2の絶縁部材の設置位置を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一の部分には同一の符号を付している。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る内視鏡システムを模式的に示す図である。内視鏡システム1は、超音波内視鏡を用いて人等の被検体内の超音波診断を行うシステムである。この内視鏡システム1は、図1に示すように、超音波内視鏡2と、超音波観測装置3と、内視鏡観察装置4と、表示装置5と、光源装置6とを備える。
【0022】
超音波内視鏡2は、その先端部に設けられた超音波振動子によって、超音波観測装置3から受信した電気的なパルス信号を超音波パルスに変換して被検体へ照射するとともに、被検体にて反射された超音波エコーを電圧変化によって表現する電気的なエコー信号に変換してから出力する。
【0023】
超音波内視鏡2は、通常は撮像光学系及び撮像素子を有しており、被検体の消化管(食道、胃、十二指腸、大腸)、または呼吸器(気管、気管支)へ挿入され、消化管や、呼吸器のいずれかの撮像を行うことが可能である。また、その周囲臓器(膵臓、胆嚢、胆管、胆道、リンパ節、縦隔臓器、血管等)を、超音波を用いて撮像することが可能である。また、超音波内視鏡2は、光学撮像時に被検体へ照射する照明光を導くライトガイドを有する。このライトガイドは、先端部が超音波内視鏡2の被検体への挿入部の先端まで達している一方、基端部が照明光を発生する光源装置6に接続されている。
【0024】
超音波内視鏡2は、図1に示すように、挿入部21と、操作部22と、ユニバーサルコード23と、コネクタ24とを備える。挿入部21は、被検体内に挿入される部分である。この挿入部21は、図1に示すように、先端側に設けられ、コンベックス型の超音波振動子7を保持する硬性の先端部211と、先端部211の基端側に連結され湾曲可能とする湾曲部212と、湾曲部212の基端側に連結され可撓性を有する可撓管部213とを備える。ここで、挿入部21の内部には、具体的な図示は省略したが、光源装置6から供給された照明光を伝送するライトガイド、各種信号を伝送する複数の信号ケーブルが引き回されているとともに、処置具を挿通するための処置具用挿通路などが形成されている。
【0025】
操作部22は、挿入部21の基端側に連結され、医師等のユーザからの各種操作を受け付ける部分である。この操作部22は、図1に示すように、湾曲部212を湾曲操作するための湾曲ノブ221と、各種操作を行うための複数の操作部材222とを備える。また、操作部22には、処置具用挿通路に連通し、当該処置具用挿通路に処置具を挿通するための処置具挿入口223が形成されている。
【0026】
ユニバーサルコード23は、操作部22から延在し、各種信号を伝送する複数の信号ケーブル、及び光源装置6から供給された照明光を伝送する光ファイバ等が配設されたケーブルである。
【0027】
コネクタ24は、ユニバーサルコード23の先端に設けられている。そして、コネクタ24は、超音波ケーブル31が接続される第1コネクタ部241、ビデオケーブル41が接続される第2コネクタ部242、及び、光ファイバケーブル61が接続される第3コネクタ部243を備える。
【0028】
超音波観測装置3は、超音波ケーブル31(図1参照)を経由して超音波内視鏡2に電気的に接続し、超音波ケーブル31を経由して超音波内視鏡2にパルス信号を出力するとともに超音波内視鏡2からエコー信号が入力される。そして、超音波観測装置3は、当該エコー信号に所定の処理を施して超音波画像を生成する。
【0029】
内視鏡観察装置4は、ビデオケーブル41(図1参照)を経由して超音波内視鏡2に電気的に接続し、ビデオケーブル41を経由して超音波内視鏡2からの画像信号を入力する。そして、内視鏡観察装置4は、当該画像信号に所定の処理を施して内視鏡画像を生成する。
【0030】
表示装置5は、液晶または有機EL(Electro Luminescence)、プロジェクタ、CRT(Cathode Ray Tube)などを用いて構成され、超音波観測装置3にて生成された超音波画像や、内視鏡観察装置4にて生成された内視鏡画像等を表示する。
【0031】
光源装置6は、光ファイバケーブル61(図1参照)を経由して超音波内視鏡2に接続し、光ファイバケーブル61を経由して被検体内を照明する照明光を超音波内視鏡2に供給する。
【0032】
図2は、実施の形態1に係る超音波内視鏡の挿入部の先端構成を模式的に示す斜視図である。図2に示すように、先端部211は、超音波振動子7を保持する超音波振動子モジュール214と、撮像光学系の一部をなし、外部からの光を取り込む対物レンズ215a、及び、照明光を集光して外部に出射する照明レンズ215bを有する内視鏡モジュール215と、を備える。内視鏡モジュール215には、挿入部21内に形成された処置具用挿通路に連通し、挿入部21の先端から処置具を突出させる処置具突出口215cが形成されている。処置具用挿通路は、処置具突出口215cに連なる端部近傍が、挿入部21の長手軸に対して傾斜し、処置具が処置具突出口215cから長手軸に対して傾斜した方向に突出する目的にて設けられている。ここでいう長手軸とは、挿入部21の長手方向に沿った軸である。湾曲部212や可撓管部213では各位置によって軸方向が変化するが、硬性の先端部211では、長手軸は、一定した直線をなす軸である。
【0033】
続いて、挿入部21の先端に設けられた超音波振動子7の構成を説明する。図3は、実施の形態1に係る超音波振動子モジュール214の構成を模式的に示す斜視図である。図4は、図3に示す超音波振動子モジュール214の領域Rの構成を説明する図である。
【0034】
図3に示すように、超音波振動子7では、超音波振動子7の曲面をなす外表面に沿って湾曲して、一列に所定間隔をあけて複数の圧電素子71が配列された圧電素子アレイを形成している。そして、超音波振動子7は、送受信にかかわる圧電素子71を電子的に切り替えたり、各圧電素子71の送受信に遅延をかけたりすることによって、電子的に走査させるコンベックス型の超音波振動子である。
【0035】
超音波振動子7は、長手方向を揃えて並べられた複数の圧電素子71と、複数の圧電素子71に対し、超音波振動子7の外表面側に設けられた第1音響整合層72と、第1音響整合層72の複数の圧電素子71と接する側とは反対側に設けられた第2音響整合層73と、第2音響整合層73の第1音響整合層72と接する側とは反対側に設けられた音響レンズ74とを有する。複数の圧電素子71の第1音響整合層72と接する側とは反対側には、図示しないバッキング材が設けられている。バッキング材は、減衰率の大きい材料、例えば、アルミナやジルコニア等のフィラーを分散させたエポキシ樹脂や、上述したフィラーを分散したゴムを用いて形成されており、圧電素子71の動作によって生じる不要な超音波振動を減衰させる。
【0036】
圧電素子71は、電気的なパルス信号を音響パルスに変換して被検体へ照射するとともに、被検体にて反射された超音波エコーを電圧変化によって表現する電気的なエコー信号に変換してから出力する。圧電素子71には、例えば、バッキング材側の面に不図示の信号入出力用電極が設けられているとともに、圧電素子71の第1音響整合層72側の面にグラウンド接地用の不図示の第1グラウンド用電極が設けられている。各電極は、導電性を有する金属材料または樹脂材料を用いて形成される。
【0037】
第1音響整合層72及び第2音響整合層73は、圧電素子71と観測対象との間にて超音波を効率よく透過させるために、圧電素子71の音響インピーダンスと観測対象の音響インピーダンスとをマッチングさせる。第1音響整合層72には、圧電素子71の第1グラウンド用電極と電気的に接続する不図示の第2グラウンド用電極が設けられている。圧電素子71は、第1グラウンド用電極及び第2グラウンド用電極を経由して外部に接地される。
【0038】
音響レンズ74は、第1音響整合層72及び第2音響整合層73の外表面を被覆しており、超音波振動子7の外表面をなしている。音響レンズ74は、シリコーン、ポリメチルペンテン、エポキシ樹脂、及び、ポリエーテルイミドなどを用いて形成され、一方の面が凸状または凹状をなして超音波を絞る機能を有し、第2音響整合層73を通過した超音波を外部に出射したり、外部からの超音波エコーを取り込んだりする。
【0039】
超音波振動子7は、パルス信号の入力によって圧電素子71が振動することにより、第1音響整合層72、第2音響整合層73及び音響レンズ74を経由して観測対象に超音波を照射する。この際、圧電素子71において、第1音響整合層72、第2音響整合層73及び音響レンズ74の配設側とは反対側は、バッキング材により、圧電素子71からの不要な超音波振動を減衰させている。また、観測対象から反射された超音波は、音響レンズ74、第2音響整合層73及び第1音響整合層72を経由して圧電素子71に伝えられる。伝達された超音波により圧電素子71が振動し、圧電素子71が振動を電気的なエコー信号に変換して、エコー信号として後述する配線であるフライングリード110(図4参照)を経由して超音波観測装置3に出力する。
【0040】
超音波振動子モジュール214は、超音波振動子7と、超音波振動子モジュール214と超音波観測装置3とを電気的に接続する経路の一部をなす複数の信号線200と、の間の電気的な接続を中継する中継基板100を備える。中継基板100は、超音波振動子7の側部において超音波振動子7に保持されるフレキシブル基板(Flexible Printed Circuits:FPC)である。中継基板100は、本発明における基板に相当し、中継基板201を経由して複数の信号線200と電気的に接続している。中継基板100は、ポリイミドを用いて形成される基材に配線パターンを設けてなる。また、中継基板100は、中継基板100の先端から突出した複数のフライングリード110によって、複数の圧電素子71と電気的に接続している。中継基板100は、フライングリード110が突出する先端が、複数の圧電素子71の配列に沿った弧状をなしている。
【0041】
図4において、フライングリード110は、銅、または、銅を主成分とする合金などの導電性材料を用いて形成されたリード線である。中継基板100の先端から突出した状態にて設けられた各フライングリード110は、圧電素子71側へ凸に湾曲した状態にて、各圧電素子71と電気的に接続されている。フライングリード110の圧電素子71と電気的に接続される側の端部である先端部110eと、圧電素子71とは、結合部材である半田120によって結合されている。また、各フライングリード110の一部分には、絶縁性を有する平面状のシート部材である絶縁部材130が設けられている。本実施形態においては、絶縁部材130が中継基板100と同じ材料によって作製されており、絶縁部材130を中継基板100と一体または別体のどちらで設けても良い。また、絶縁部材130を中継基板100とは別の材料によって作製してもよい。
【0042】
なお、以下の実施の形態1の説明においては、任意の隣り合うフライングリード110及び圧電素子71のうち、一方(第1のリード線及び第1の圧電素子)側を符号に添え字「A」を付して示し、他方(第2のリード線及び第2の圧電素子)側を符号に添え字「B」を付して示す場合もある。また、隣り合うフライングリード110及び圧電素子71の前記一方側と前記他方側とを区別しない場合には、添え字「A」,「B」を省略する。
【0043】
図5は、実施の形態1におけるフライングリード110への絶縁部材130の設置位置を示した図である。実施の形態1においては、フライングリード110が平板状であって、図5に示すように、圧電素子71と対向する側(圧電素子71と接触する側)の面である下面110aと、下面110aとは反対側の面である上面110bと、下面110a及び上面110bと交差した圧電素子配列方向に位置する2つの面である側面110c,110dとによって構成されている。また、フライングリード110の上面110bにおける圧電素子配列方向の両側の縁には、フライングリード長手方向全域に絶縁部材130がそれぞれ設けられている。また、絶縁部材130の圧電素子配列方向の一部分は、上面110bからはみ出している。なお、実施の形態1では、絶縁部材130に替えて絶縁性を有していないシート部材を用いてもよい。
【0044】
次に、超音波振動子モジュール214を製造する製造方法について説明する。図6は、フライングリード110と圧電素子71とを電気的に接続する前の状態における斜視図である。図7は、フライングリード110と圧電素子71とを電気的に接続する前の状態における、超音波振動子モジュール214の圧電素子71の配列方向と直交し、かつフライングリード110を通過する平面を切断面とする部分断面図である。図8は、フライングリード110と圧電素子71とを電気的に接続した状態における斜視図である。図9は、フライングリード110と圧電素子71とを電気的に接続した状態における、超音波振動子モジュール214の圧電素子71の配列方向と直交し、かつフライングリード110を通過する平面を切断面とする部分断面図である。
【0045】
超音波振動子モジュール214を製造する際には、まず、圧電素子71に第1音響整合層72及び第2音響整合層73を積層する。次に、図6及び図7に示すように、中継基板100の先端から真っ直ぐに延びて突出した複数のフライングリード110の先端部110eを、各フライングリード110に対応した複数の圧電素子71の端面71b上に位置させる。この際、圧電素子アレイの内径中心と同一中心である、各フライングリード110の先端を通る仮想円弧の曲率半径r2は、圧電素子アレイの内径r1よりも大きくなっている。そして、図8及び図9に示すように、フライングリード110の先端部110eにおける下面110aを圧電素子71の内面71aに押し付けつつ、中継基板100と共にフライングリード110を下げていき、フライングリード110を圧電素子71側へ凸に湾曲させる。この際、複数のフライングリード110それぞれの先端を通る仮想円弧の曲率半径r2は、圧電素子アレイの内径r1よりも小さくなっている。その後、フライングリード110の先端部110eにおける下面110aと圧電素子71の内面71aとが接触した状態にて、図4に示すように複数のフライングリード110と複数の圧電素子71とを半田120によって接合する。
【0046】
なお、フライングリード110の先端部110eにおける下面110aをテーパー形状にしても良い。これにより、フライングリード110を圧電素子71側へ凸に湾曲させて、フライングリード110の先端部110eにおける下面110aと圧電素子71の内面71aとを接触させたときの接触面積を、前記テーパー形状を設けない場合よりも大きくすることができる。前記接触面積が大きくなることによって、フライングリード110の先端部110eにおける下面110aと圧電素子71の内面71aとの接触部分に作用する摩擦力が大きくなり、圧電素子71に対してフライングリード110が位置ずれするのを抑制できる。また、前記接触面積が大きくなることによって、半田120によるフライングリード110と圧電素子71との接合領域を大きくすることができるため、接合強度を向上させることができる。
【0047】
複数のフライングリード110と複数の圧電素子71とを半田120によって接合した後は、圧電素子71の第1音響整合層72側とは反対側にバッキング材を充填し、音響レンズ74を取り付ける。これにより、超音波振動子モジュール214が作製される。
【0048】
実施の形態1においては、フライングリード110の上面110bにおける前記縁に絶縁部材130を設けたことによって、絶縁部材130を設けない場合よりも、フライングリード110の剛性を高めることができる。これにより、フライングリード110の先端部110eにおける下面110aを圧電素子71の内面71aに押し付けて、フライングリード110を圧電素子71側に凸となるような狙いの湾曲方向へ湾曲させたときに、フライングリード110が狙いの湾曲方向とは異なる方向に湾曲するのを抑制することができる。よって、フライングリード110が、狙いの湾曲方向とは異なる方向である圧電素子配列方向に湾曲して、別のフライングリード110が接触している圧電素子71に接触し、圧電素子71を経由してフライングリード110が短絡するのを抑制することができる。
【0049】
また、図5に示したような隣り合うフライングリード110A,110Bのうち、例えば、フライングリード110Aがフライングリード110B側に位置ずれしても、圧電素子配列方向にて隣り合った、フライングリード110Aの絶縁部材130Aと、フライングリード11Bの絶縁部材130Bとが接触する。これにより、フライングリード110Aとフライングリード110Bとが接触することによって短絡したり、圧電素子71Bを経由してフライングリード110A,110Bが短絡したりするのを抑制することができる。
【0050】
(変形例1)
図10は、変形例1におけるフライングリード110への絶縁部材130の設置位置を示した図である。変形例1においては、実施の形態1に対して、圧電素子配列方向にて隣り合う絶縁部材130を接触させて、複数のフライングリード110のそれぞれの上面110bにおける前記縁に絶縁部材130を設けている。
【0051】
例えば、図10に示すように、隣り合うフライングリード110A,110Bのうち、フライングリード110Aの上面110bに設けられた絶縁部材130Aと、フライングリード110Bの上面110bに設けられた絶縁部材130Bとが、圧電素子配列方向にて接触している。これにより、フライングリード110A,110Bが圧電素子配列方向に位置ずれするのを抑えられ、フライングリード110Aとフライングリード110Bとが接触することによって短絡したり、圧電素子71Aまたは圧電素子71Bを経由してフライングリード110A,110Bが短絡したりするのを抑制することができる。
【0052】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。以下の実施の形態2の説明では、上述した実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
【0053】
図11は、実施の形態2におけるフライングリード110への絶縁部材130の設置位置を示した図である。実施の形態2においては、図11に示すように、実施の形態1と同様、フライングリード110が平板状であって、圧電素子71と対向する側の面である下面110aと、下面110aとは反対側の面である上面110bと、下面110a及び上面110bと交差した圧電素子配列方向に位置する2つの面である側面110c,110dとによって構成されている。また、図11に示すように、フライングリード110の側面110c,110dには、フライングリード長手方向全域に絶縁部材130がそれぞれ設けられている。なお、実施の形態2においては、絶縁部材130に替えて絶縁性を有していないシート部材を用いてもよい。
【0054】
実施の形態2においては、フライングリード110の側面110c,110dに絶縁部材130をそれぞれ設けることによって、絶縁部材130を設けない場合よりも、フライングリード110の剛性を高めることができる。これにより、超音波振動子モジュール214を製造する際、フライングリード110の先端部110eにおける下面110aを圧電素子71の内面71aに押し付けて、フライングリード110を圧電素子71側に凸となるような狙いの湾曲方向へ湾曲させたときに、フライングリード110が狙いの湾曲方向とは異なる方向に湾曲するのを抑制することができる。よって、フライングリード110が、狙いの湾曲方向とは異なる方向である圧電素子配列方向に湾曲して、別のフライングリード110が接触している圧電素子71に接触し、圧電素子71を経由してフライングリード110が短絡するのを抑制することができる。
【0055】
また、図11に示したような隣り合うフライングリード110A,110Bのうち、例えば、フライングリード110Aがフライングリード110B側に位置ずれしても、圧電素子配列方向にて隣り合った、フライングリード110Aの絶縁部材130Aと、フライングリード11Bの絶縁部材130Bとが接触する。これにより、フライングリード110Aとフライングリード110Bとが接触することによって短絡したり、圧電素子71Bを経由してフライングリード110A,110Bが短絡したりするのを抑制することができる。
【0056】
(変形例2)
図12は、変形例2におけるフライングリード110への絶縁部材130の設置位置を示した図である。変形例2においては、実施の形態2に対して、圧電素子配列方向にて隣り合う絶縁部材130を接触させて、複数のフライングリード110の側面110c,110dに絶縁部材130を設けている。
【0057】
例えば、図12に示すように、隣り合うフライングリード110A,110Bのうち、フライングリード110Aの側面110dAに設けられた絶縁部材130Aと、フライングリード110Bの側面110cBに設けられた絶縁部材130Bとが、圧電素子配列方向にて接触している。これにより、フライングリード110A,110Bが圧電素子配列方向に位置ずれするのを抑えられ、フライングリード110Aとフライングリード110Bとが接触することによって短絡したり、圧電素子71Aまたは圧電素子71Bを経由してフライングリード110A,110Bが短絡したりするのを抑制することができる。
【0058】
また、図13に示すように、フライングリード110を圧電素子71側へ凸に湾曲させる前では、圧電素子配列方向にて隣り合う絶縁部材130間には隙間が形成されている。そして、図14に示すように、フライングリード110を圧電素子71側へ凸に湾曲させた後では、前記隣り合う絶縁部材130間の隙間の少なくとも一部が無くなって、前記隣り合う絶縁部材130が接触している。
【0059】
変形例2では、フライングリード110を湾曲させる前における前記隙間が、予め設定されたフライングリード110の湾曲度合に応じて、フライングリード110を圧電素子71側へ凸に湾曲させたときに、前記隙間の少なくとも一部が無くなるような形状や幅となっている。例えば、図13に示すように、前記隙間は、平面視にて三角形状であって、フライングリード長手方向にて中継基板100側からフライングリード110の先端部110e側にかけて幅が広がっている。
【0060】
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。以下の実施の形態3の説明では、上述した実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
【0061】
図15は、実施の形態3におけるフライングリード110への絶縁部材130の設置位置を示した図である。実施の形態3においては、図15に示すように、実施の形態1と同様、フライングリード110が平板状であって、圧電素子71と対向する側の面である下面110aと、下面110aとは反対側の面である上面110bと、下面110a及び上面110bと交差した圧電素子配列方向に位置する2つの面である側面110c,110dとによって構成されている。また、フライングリード110の下面110aにおける圧電素子配列方向の一方側の縁には、フライングリード長手方向全域に絶縁部材130が設けられている。また、絶縁部材130の圧電素子配列方向の一部分は、下面110aからはみ出している。
【0062】
また、実施の形態3においては、フライングリード110を圧電素子71側へ凸に湾曲させてフライングリード110と圧電素子71とを電気的に接続した際、隣り合う圧電素子71間の隙間に絶縁部材130が嵌っている。例えば、図15に示すように、隣り合う圧電素子71A,71B間の隙間に、フライングリード110Aの下面110aAにおける前記縁に設けられた絶縁部材130Aが嵌っている。これにより、フライングリード110Aの圧電素子配列方向への移動が、絶縁部材130Aと圧電素子71A,71Bとが接触することによって規制される。よって、フライングリード110Aが、圧電素子71Aに対して圧電素子配列方向に位置ずれするのを抑えられ、フライングリード110Aとフライングリード110Bとが接触することによって短絡したり、圧電素子71Bを経由してフライングリード110A,110Bが短絡したりするのを抑制することができる。
【0063】
(実施の形態4)
次に、本発明の実施の形態4について説明する。以下の実施の形態4の説明では、上述した実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
【0064】
図16は、実施の形態4におけるフライングリード110への第1の絶縁部材131及び第2の絶縁部材132の設置位置を示した図である。実施の形態4においては、図16に示すように、実施の形態1と同様、フライングリード110が平板状であって、圧電素子71と対向する側の面である下面110aと、下面110aとは反対側の面である上面110bと、下面110a及び上面110bと交差した圧電素子配列方向に位置する2つの面である側面110c,110dとによって構成されている。フライングリード110の下面110aにおける圧電素子配列方向の一方側の縁には、フライングリード長手方向全域に第1の絶縁部材131が設けられている。また、第1の絶縁部材131の圧電素子配列方向の一部分は、下面110aからはみ出している。さらに、フライングリード110の上面110bにおける圧電素子配列方向の一方側の縁には、フライングリード長手方向全域に第2の絶縁部材132が設けられている。また、第2の絶縁部材132の圧電素子配列方向の一部分は、上面110bからはみ出している。
【0065】
なお、実施の形態4においては、第1の絶縁部材131及び第2の絶縁部材132が中継基板100と同じ材料によって作製されており、第1の絶縁部材131及び第2の絶縁部材132を、それぞれ中継基板100と一体または別体のどちらで設けても良い。また、第1の絶縁部材131及び第2の絶縁部材132を、中継基板100とは別の材料によって作製してもよい。
【0066】
実施の形態4においては、フライングリード110を圧電素子71側へ凸に湾曲させてフライングリード110と圧電素子71とを電気的に接続した際、隣り合う圧電素子71間の隙間に第1の絶縁部材131が嵌っている。例えば、図16に示すように、隣り合う圧電素子71A,71B間の隙間に、フライングリード110Aの第1の絶縁部材131Aが嵌っている。これにより、フライングリード110Aが、圧電素子配列方向に位置ずれするのを抑えられ、フライングリード110Aとフライングリード110Bとが接触することによって短絡したり、圧電素子71Bを経由してフライングリード110A,110Bが短絡したりするのを抑制することができる。
【0067】
また、実施の形態4では、フライングリード110の上面110bにおける前記縁に第2の絶縁部材132を設けることによって、フライングリード110の先端部110eと圧電素子71とを半田によって接合する際に、第1の絶縁部材131によって溶融した半田の流れを堰き止めることができる。例えば、図16に示すように、隣り合うフライングリード110A,110Bにおいて、フライングリード110Aの先端部110eと圧電素子71Aとを半田によって接合する際に、フライングリード110Aの第2の絶縁部材132Aによって溶融した半田を堰き止めることにより、溶融した半田がフライングリード110B側に流れ込むのを抑制することができる。これにより、半田を経由してフライングリード110A,110Bが短絡するのを抑制することができる。
【0068】
上述した各実施の形態では、絶縁部材130、第1の絶縁部材131及び第2の絶縁部材132の形状が、平面状に限定されるものではなく、フライングリード110が狙いの湾曲方向とは異なる方向に湾曲するのを抑制できるように、フライングリード110の剛性を高めることができる形状であればよい。
【0069】
また、上述した各実施の形態では、フライングリード110を圧電素子71側とは反対側へ凸に湾曲させてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明に係る超音波振動子、超音波内視鏡及び超音波振動子の製造方法は、圧電素子を経由してリード線が短絡するのを防止することに有用である。
【符号の説明】
【0071】
1 内視鏡システム
2 超音波内視鏡
3 超音波観測装置
4 内視鏡観察装置
5 表示装置
6 光源装置
7 超音波振動子
21 挿入部
22 操作部
23 ユニバーサルコード
24 コネクタ
31 超音波ケーブル
41 ビデオケーブル
61 光ファイバケーブル
71 圧電素子
72 第1音響整合層
73 第2音響整合層
74 音響レンズ
100 中継基板
110 フライングリード
110a 下面
110b 上面
110c,110d 側面
110e 先端部
120 半田
130 絶縁部材
131 第1の絶縁部材
132 第2の絶縁部材
211 先端部
212 湾曲部
213 可撓管部
214 超音波振動子モジュール
215 内視鏡モジュール
221 湾曲ノブ
222 操作部材
223 処置具挿入口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16