(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】ツリー情報提供装置およびツリー情報提供用プログラム製品
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0482 20130101AFI20220725BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20220725BHJP
【FI】
G06F3/0482
G06F3/0488
(21)【出願番号】P 2020570342
(86)(22)【出願日】2019-02-08
(86)【国際出願番号】 JP2019004748
(87)【国際公開番号】W WO2020161918
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】502419269
【氏名又は名称】株式会社フォーラムエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】畑中 亜季
【審査官】星野 裕
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-243166(JP,A)
【文献】特開2012-226516(JP,A)
【文献】特開平5-189177(JP,A)
【文献】特開2004-30643(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力インターフェースからユーザ入力を受け付け、階層化された多数の要素の情報を含むツリー情報が格納されたメモリにアクセスし、また、ディスプレイの表示画面に関わる画面指令を発生するように構成されたコントロールユニットを備えるツリー情報提供装置であって、
前記コントロールユニットは、
要素表示のユーザ入力を受けて、前記ツリー情報に含まれる要素を前記ディスプレイに表示させるための処理と、
前記ディスプレイに表示されている要素について、展開操作のユーザ入力を受け付けるための処理と、
前記展開操作を受けて、当該展開操作の対象である要素を、前記ディスプレイの幅方向の特定位置に定められた、縦方向に延びる基準縦領域に表示するための処理と、
前記基準縦領域に表示されている要素が前記展開操作を受けており、かつ前記ツリー情報において当該要素の下層に一以上の子要素が従属している場合に、前記ディスプレイの当該要素の一段下の、前記幅方向に延びる幅方向領域に、前記子要素を展開するための処理と、
幅方向スライド操作のユーザ入力を受け付けるための処理と、
前記幅方向スライド操作を受けて、当該幅方向スライド操作の対象である前記幅方向領域に含まれる全ての要素を、前記幅方向に一括して横スライドさせるための処理と、
前記基準縦領域から幅方向に外れた要素に従属する子要素を、前記ディスプレイにおいて非表示とするための処理と、
を実行するように構成されていることを特徴とするツリー情報提供装置。
【請求項2】
前記コントロールユニットは、
前記ディスプレイに表示される各要素のサイズを既定サイズに維持し、当該ディスプレイへの表示が求められた全要素のうち、当該ディスプレイの表示領域に収まる範囲を表示するための処理を更に実行するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のツリー情報提供装置。
【請求項3】
前記コントロールユニットは、
縦方向スライド操作のユーザ入力を受け付けるための処理と、
前記縦方向スライド操作を受けて、前記ディスプレイへの表示が求められた全要素を、前記縦方向に一括して縦スライドさせるための処理と、
を更に実行するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載のツリー情報提供装置。
【請求項4】
前記コントロールユニットは、
前記展開操作を受けて新たに展開される子要素が表示されるべき幅方向領域が、前記ディスプレイの表示領域から前記縦方向に外れる場合には、当該幅方向領域が当該縦方向に収まるように、前記ディスプレイへの表示が求められた全要素を、前記縦方向に一括して縦スライドさせるための処理を更に実行するように構成されていることを特徴とする請求項2または3に記載のツリー情報提供装置。
【請求項5】
前記コントロールユニットは、
下層に前記子要素を有し、かつ当該子要素が未展開である要素を前記ディスプレイに表示する場合に、当該要素に、展開可能であることを表す展開可能表示を付するための処理を更に実行するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のツリー情報提供装置。
【請求項6】
前記コントロールユニットは、
前記展開可能表示の付された要素について、前記展開操作のユーザ入力を受け付けると、当該展開可能表示を展開済み表示に変更するための処理を更に実行するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のツリー情報提供装置。
【請求項7】
前記展開可能表示は、前記要素の表示に付加される展開可能マークであり、
前記コントロールユニットは、
前記展開可能マークを対象とするユーザ入力を前記展開操作として受け付けるための処理と、
前記要素の表示を対象とするユーザ入力を、当該要素の指定操作として受け付けるための処理と、
を更に実行するように構成されていることを特徴とする請求項5または6に記載のツリー情報提供装置。
【請求項8】
前記ツリー情報に含まれる前記要素は、階層化された技術スキルの項目に関し、
前記コントロールユニットは、
前記指定操作を受け付けると、当該指定操作の対象である要素について、習熟度のユーザ入力を受け付けるための処理と、
当該要素に関連付けて当該習熟度を登録するための処理と、
を更に実行するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載のツリー情報提供装置。
【請求項9】
前記コントロールユニットは、
前記子要素を前記ディスプレイに表示する場合に、各子要素と、当該各子要素の従属元の要素とを結ぶ線分を併せて前記ディスプレイに表示するための処理を更に実行するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のツリー情報提供装置。
【請求項10】
入力インターフェースからユーザ入力を受け付け、階層化された多数の要素の情報を含むツリー情報が格納されたメモリにアクセスし、また、ディスプレイの表示画面に関わる画面指令を発生するように構成されたコントロールユニットに実行させるプログラム製品であって、
前記コントロールユニットに、
要素表示のユーザ入力を受けて、前記ツリー情報に含まれる要素を前記ディスプレイに表示させるための処理と、
前記ディスプレイに表示されている要素について、展開操作のユーザ入力を受け付けるための処理と、
前記展開操作を受けて、当該展開操作の対象である要素を、前記ディスプレイの幅方向の特定位置に定められた、縦方向に延びる基準縦領域に表示するための処理と、
前記基準縦領域に表示されている要素が、前記展開操作を受けており、かつ前記ツリー情報において当該要素の下層に一以上の子要素が従属している場合に、前記ディスプレイの当該要素の一段下の、前記幅方向に延びる幅方向領域に、前記子要素を展開して表示するための処理と、
幅方向スライド操作のユーザ入力を受け付けるための処理と、
前記幅方向スライド操作を受けて、当該幅方向スライド操作の対象である前記幅方向領域に含まれる全ての要素を、前記幅方向に一括して横スライドさせるための処理と、
前記基準縦領域から幅方向に外れた要素に従属する子要素を、前記ディスプレイにおいて非表示とするための処理と、
を実現させるためのプログラムを含むことを特徴とするツリー情報提供用プログラム製品。
【請求項11】
前記コントロールユニットに、
前記ディスプレイに表示される各要素のサイズを既定サイズに維持し、当該ディスプレイへの表示が求められた全要素のうち、当該ディスプレイの表示領域に収まる範囲を表示するための処理を実現させるためのプログラムを更に含むことを特徴とする請求項10に記載のツリー情報提供用プログラム製品。
【請求項12】
前記コントロールユニットに、
縦方向スライド操作のユーザ入力を受け付けるための処理と、
前記縦方向スライド操作を受けて、前記ディスプレイへの表示が求められた全要素を、前記縦方向に一括して縦スライドさせるための処理と、
を実現させるためのプログラムを更に含むことを特徴とする請求項11に記載のツリー情報提供用プログラム製品。
【請求項13】
前記コントロールユニットに、
前記展開操作を受けて新たに展開される子要素が表示されるべき幅方向領域が、前記ディスプレイの表示領域から前記縦方向に外れる場合には、当該幅方向領域が当該縦方向に収まるように、前記ディスプレイへの表示が求められた全要素を、前記縦方向に一括して縦スライドさせるための処理を実現させるためのプログラムを更に含むことを特徴とする請求項11または12に記載のツリー情報提供用プログラム製品。
【請求項14】
前記コントロールユニットに、
下層に前記子要素を有し、かつ当該子要素が未展開である要素を前記ディスプレイに表示する場合に、当該要素に、展開可能であることを表す展開可能表示を付するための処理を実現させるためのプログラムを更に含むことを特徴とする請求項10乃至13の何れか1項に記載のツリー情報提供用プログラム製品。
【請求項15】
前記コントロールユニットに、
前記展開可能表示の付された要素について、前記展開操作のユーザ入力を受け付けると、当該展開可能表示を展開済み表示に変更するための処理を実現させるためのプログラムを更に含むことを特徴とする請求項14に記載のツリー情報提供用プログラム製品。
【請求項16】
前記展開可能表示は、前記要素の表示に付加される展開可能マークであり、
前記コントロールユニットに、
前記展開可能マークを対象とするユーザ入力を前記展開操作として受け付けさせるための処理と、
前記要素の表示を対象とするユーザ入力を当該要素の指定操作として受け付けさせるための処理とを、
実行させるためのプログラムを更に含むことを特徴とする請求項14または15に記載のツリー情報提供用プログラム製品。
【請求項17】
前記ツリー情報に含まれる前記要素は、階層化された技術スキルの項目に関し、
前記コントロールユニットに、
前記指定操作を受け付けた後に、当該指定操作の対象である要素について、習熟度のユーザ入力を受け付けさせるための処理と、
当該要素に関連付けて当該習熟度を登録するための処理と、
を実現させるためのプログラムを更に含むことを特徴とする請求項16に記載のツリー情報提供用プログラム製品。
【請求項18】
前記コントロールユニットに、
前記子要素を前記ディスプレイに表示する場合に、各子要素と、当該各子要素の従属元の要素とを結ぶ線分を併せて前記ディスプレイに表示するための処理を実現させるためのプログラムを更に含むことを特徴とする請求項10乃至17の何れか1項に記載のツリー情報提供用プログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ツリー情報提供装置およびツリー情報提供用プログラム製品に係り、特に、階層化された多数の要素の情報を含むツリー情報をディスプレイ上に提供するためのツリー情報提供装置およびツリー情報提供用プログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ツリー状に系列化された多階層画面情報(以下、「ツリー情報」と称す)をディスプレイに表示するための装置が開示されている。ツリー情報には、多くの情報が含まれているため、その全てを一画面中に表示することが困難な場合がある。
【0003】
上記従来の装置では、ツリー情報内で階層化されている画面情報の夫々にタイトル名と番号が付与される。また、この装置では、それらのタイトル名と番号名とのセットを、ツリー情報の関係と同様に階層化して表示する援助画面情報が準備されている。
【0004】
上記従来の装置は、ユーザに情報を提供する際に、先ず援助画面情報をディスプレイに表示することができる。この表示の提供を受けたユーザは、その表示に含まれているタイトルまたは番号の中から、所望のタイトルまたは番号を指定することで、そのタイトルまたは番号に対応する画面情報を呼び出すことができる。このように、上記従来の装置によれば、ユーザは、膨大な情報量を持つことがあるツリー情報の中から、所望の情報を効率的に呼び出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の装置では、タイトルが割り振られている画面の単位ごとにしか、ユーザは表示情報を選択することができない。このため、ユーザは、画面内に所望の情報が見つけられなければ、再び援助画面に戻って、新たな画面を選択しなければならない。また、表示される画面中には、ユーザにとって無用な情報が多大に含まれることもある。これらの点から、上記従来の装置は、ツリー情報へのアクセスを欲するユーザにとって、必ずしも利便性に優れたものではなかった。
【0007】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、階層化された多数の要素の情報を含むツリー情報に含まれる情報のうち、ユーザが求める情報を、効率的にディスプレイに表示させるためのツリー情報提供装置を提供することを目的とする。
また、この発明は、コントロールユニットで実行されることで、上記のツリー情報提供装置の機能を実現するツリー情報提供プログラム製品を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、上記の目的を達成するため、入力インターフェースからユーザ入力を受け付け、階層化された多数の要素の情報を含むツリー情報が格納されたメモリにアクセスし、また、ディスプレイの表示画面に関わる画面指令を発生するように構成されたコントロールユニットを備えるツリー情報提供装置であって、
前記コントロールユニットは、
要素表示のユーザ入力を受けて、前記ツリー情報に含まれる要素を前記ディスプレイに表示させるための処理と、
前記ディスプレイに表示されている要素について、展開操作のユーザ入力を受け付けるための処理と、
前記展開操作を受けて、当該展開操作の対象である要素を、前記ディスプレイの幅方向の特定位置に定められた、縦方向に延びる基準縦領域に表示するための処理と、
前記基準縦領域に表示されている要素が前記展開操作を受けており、かつ前記ツリー情報において当該要素の下層に一以上の子要素が従属している場合に、前記ディスプレイの当該要素の一段下の、前記幅方向に延びる幅方向領域に、前記子要素を展開するための処理と、
幅方向スライド操作のユーザ入力を受け付けるための処理と、
前記幅方向スライド操作を受けて、当該幅方向スライド操作の対象である前記幅方向領域に含まれる全ての要素を、前記幅方向に一括して横スライドさせるための処理と、
前記基準縦領域から幅方向に外れた要素に従属する子要素を、前記ディスプレイにおいて非表示とするための処理と、
を実行するように構成されていることを特徴とする。
【0009】
前記コントロールユニットは、
前記ディスプレイに表示される各要素のサイズを既定サイズに維持し、当該ディスプレイへの表示が求められた全要素のうち、当該ディスプレイの表示領域に収まる範囲を表示するための処理を更に実行するように構成されていてもよい。
【0010】
前記コントロールユニットは、
縦方向スライド操作のユーザ入力を受け付けるための処理と、
前記縦方向スライド操作を受けて、前記ディスプレイへの表示が求められた全要素を、前記縦方向に一括して縦スライドさせるための処理と、
を更に実行するように構成されていてもよい。
【0011】
前記コントロールユニットは、
前記展開操作を受けて新たに展開される子要素が表示されるべき幅方向領域が、前記ディスプレイの表示領域から前記縦方向に外れる場合には、当該幅方向領域が当該縦方向に収まるように、前記ディスプレイへの表示が求められた全要素を、前記縦方向に一括して縦スライドさせるための処理を更に実行するように構成されていてもよい。
【0012】
前記コントロールユニットは、
下層に前記子要素を有し、かつ当該子要素が未展開である要素を前記ディスプレイに表示する場合に、当該要素に、展開可能であることを表す展開可能表示を付するための処理を更に実行するように構成されていてもよい。
【0013】
前記コントロールユニットは、
前記展開可能表示の付された要素について、前記展開操作のユーザ入力を受け付けると、当該展開可能表示を展開済み表示に変更するための処理を更に実行するように構成されていてもよい。
【0014】
前記展開可能表示は、前記要素の表示に付加される展開可能マークであり、
前記コントロールユニットは、
前記展開可能マークを対象とするユーザ入力を前記展開操作として受け付けるための処理と、
前記要素の表示を対象とするユーザ入力を、当該要素の指定操作として受け付けるための処理と、
を更に実行するように構成されていてもよい。
【0015】
前記ツリー情報に含まれる前記要素は、階層化された技術スキルの項目に関し、
前記コントロールユニットは、
前記指定操作を受け付けると、当該指定操作の対象である要素について、習熟度のユーザ入力を受け付けるための処理と、
当該要素に関連付けて当該習熟度を登録するための処理と、
を更に実行するように構成されていてもよい。
【0016】
前記コントロールユニットは、
前記子要素を前記ディスプレイに表示する場合に、各子要素と、当該各子要素の従属元の要素とを結ぶ線分を併せて前記ディスプレイに表示するための処理を更に実行するように構成されていてもよい。
【0017】
また、第2の発明は、上記の目的を達成するため、入力インターフェースからユーザ入力を受け付け、階層化された多数の要素の情報を含むツリー情報が格納されたメモリにアクセスし、また、ディスプレイの表示画面に関わる画面指令を発生するように構成されたコントロールユニットに実行させるプログラム製品であって、
前記コントロールユニットに、
要素表示のユーザ入力を受けて、前記ツリー情報に含まれる要素を前記ディスプレイに表示させるための処理と、
前記ディスプレイに表示されている要素について、展開操作のユーザ入力を受け付けるための処理と、
前記展開操作を受けて、当該展開操作の対象である要素を、前記ディスプレイの幅方向の特定位置に定められた、縦方向に延びる基準縦領域に表示するための処理と、
前記基準縦領域に表示されている要素が、前記展開操作を受けており、かつ前記ツリー情報において当該要素の下層に一以上の子要素が従属している場合に、前記ディスプレイの当該要素の一段下の、前記幅方向に延びる幅方向領域に、前記子要素を展開して表示するための処理と、
幅方向スライド操作のユーザ入力を受け付けるための処理と、
前記幅方向スライド操作を受けて、当該幅方向スライド操作の対象である前記幅方向領域に含まれる全ての要素を、前記幅方向に一括して横スライドさせるための処理と、
前記基準縦領域から幅方向に外れた要素に従属する子要素を、前記ディスプレイにおいて非表示とするための処理と、
を実現させるためのプログラムを含むことを特徴とする。
【0018】
前記ツリー情報提供用プログラム製品は、
前記コントロールユニットに、
前記ディスプレイに表示される各要素のサイズを既定サイズに維持し、当該ディスプレイへの表示が求められた全要素のうち、当該ディスプレイの表示領域に収まる範囲を表示するための処理を実現させるためのプログラムを更に含んでいてもよい。
【0019】
前記ツリー情報提供用プログラム製品は、
前記コントロールユニットに、
縦方向スライド操作のユーザ入力を受け付けるための処理と、
前記縦方向スライド操作を受けて、前記ディスプレイへの表示が求められた全要素を、前記縦方向に一括して縦スライドさせるための処理と、
を実現させるためのプログラムを更に含んでいてもよい。
【0020】
前記ツリー情報提供用プログラム製品は、
前記コントロールユニットに、
前記展開操作を受けて新たに展開される子要素が表示されるべき幅方向領域が、前記ディスプレイの表示領域から前記縦方向に外れる場合には、当該幅方向領域が当該縦方向に収まるように、前記ディスプレイへの表示が求められた全要素を、前記縦方向に一括して縦スライドさせるための処理を実現させるためのプログラムを更に含んでいてもよい。
【0021】
前記ツリー情報提供用プログラム製品は、
前記コントロールユニットに、
下層に前記子要素を有し、かつ当該子要素が未展開である要素を前記ディスプレイに表示する場合に、当該要素に、展開可能であることを表す展開可能表示を付するための処理を実現させるためのプログラムを更に含んでいてもよい。
【0022】
前記ツリー情報提供用プログラム製品は、
前記コントロールユニットに、
前記展開可能表示の付された要素について、前記展開操作のユーザ入力を受け付けると、当該展開可能表示を展開済み表示に変更するための処理を実現させるためのプログラムを更に含んでいてもよい。
【0023】
前記展開可能表示は、前記要素の表示に付加される展開可能マークであり、
前記ツリー情報提供用プログラム製品は、
前記コントロールユニットに、
前記展開可能マークを対象とするユーザ入力を前記展開操作として受け付けさせるための処理と、
前記要素の表示を対象とするユーザ入力を当該要素の指定操作として受け付けさせるための処理とを、
実行させるためのプログラムを更に含んでいてもよい。
【0024】
前記ツリー情報に含まれる前記要素は、階層化された技術スキルの項目に関し、
前記ツリー情報提供用プログラム製品は、
前記コントロールユニットに、
前記指定操作を受け付けた後に、当該指定操作の対象である要素について、習熟度のユーザ入力を受け付けさせるための処理と、
当該要素に関連付けて当該習熟度を登録するための処理と、
を実現させるためのプログラムを更に含んでいてもよい。
【0025】
前記ツリー情報提供用プログラム製品は、
前記コントロールユニットに、
前記子要素を前記ディスプレイに表示する場合に、各子要素と、当該各子要素の従属元の要素とを結ぶ線分を併せて前記ディスプレイに表示するための処理を実現させるためのプログラムを更に含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0026】
第1または第2の発明によれば、ユーザによって展開操作を受けた要素は、ディスプレイの基準縦領域に表示される。更に、その要素に従属する子要素は、その要素の一段下の幅方向領域に表示される。このような表示によれば、ツリー情報に含まれる要素のうち、ユーザが欲する要素を、上下の関係を明らかにした状態でディスプレイに提供することができる。また、本発明によれば、ディスプレイに表示されている子要素の従属基である要素が、横方向スライド操作によって基準縦領域から外れると、それらの子要素の表示がディスプレイから消滅する。そして、新たに基準縦領域に収まった要素について展開操作がなされれば、或いはなされていれば、その新たな要素に従属する子要素がディスプレイに表示される。このような表示によれば、ユーザが注目している要素を優先してディスプレイに表示することができ、常に無駄の無い情報をユーザに提供することができる。
【0027】
各要素のサイズを維持して、ディスプレイの表示領域に収まる範囲で要素を表示することとすれば、ユーザは、表示の拡大縮小操作をすることなく、注目の要素群を視認することができる。また、表示領域から幅方向に外れてしまっている要素は、幅方向スライド操作によって適宜表示領域に収めることができる。
【0028】
縦方向スライド操作によって要素が縦方向にスライドすれば、ユーザは、表示の拡大縮小操作をすることなく、表示領域から縦方向に外れてしまっている要素を、適宜表示領域に収めることができる。
【0029】
ディスプレイの表示領域の下端付近に位置する要素の一段下に位置する幅方向領域は、表示領域から縦方向に外れることがある。この要素に展開操作がなされた場合に、その幅方向領域が表示領域に収まるように全要素が縦スライドすれば、ユーザは、改めて縦方向スライド操作を行うことなく、新たに展開された子要素を視認することができる。
【0030】
未展開の子要素を持つ要素に展開可能表示が付されれば、ユーザは、展開操作を試行することなく、個々の要素が展開可能なものなのか否かを認識することができる。
【0031】
本発明によれば、展開操作の施された要素が基準縦領域から外れると、その要素に従属している子要素は非表示の状態となる。展開操作が施されることで、その要素の展開可能表示が展開表示に変更されれば、ユーザは、基準縦領域から外れた位置に表示されている要素が、既に展開操作のなされたものであるかどうかを認識することができる。
【0032】
展開可能表示が、要素の表示に付加された展開マークであると、ユーザは、要素それ自身を指定するための指定操作の対象部位と、展開操作の対象部位とを明確に区別して認識することができる。
【0033】
ツリー情報が技術スキルに関するものであり、指定操作を受けた要素について習熟度の登録が可能であれば、ユーザは、自らが有する技術スキルの全容を、容易に登録することができる。
【0034】
子要素と、その従属元である要素とが、両者を結ぶ線分と共に表示されれば、ユーザは、その要素に幾つくらいの子要素が従属しているのか、また、視認中の子要素が子要素全体の中でどの辺りに位置しているものなのか、を直感的に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明の実施の形態1のツリー情報提供装置を含むネットワークの概要を説明するための図である。
【
図2】
図1に示す管理サーバのハードウェア構成を説明するための図である。
【
図3】技術スキルに関する多数の要素の情報を階層化して表したツリー情報の一例を示す図である。
【
図4】
図1に示す端末のディスプレイに一の要素が表示された状態を示す図である。
【
図5】
図4に示す要素に展開操作が施されることで子要素が展開された状態を示す図である。
【
図6】
図5に示す子要素が幅方向にスライドすることで得られた状態を示す図である。
【
図7】
図6に示す子要素のうち、基準縦領域(幅方向の中央領域)に位置する「産業用機械」の子要素が展開された状態を示す図である。
【
図8】「産業用機械」の要素が横スライドにより基準縦領域から外れたことに伴い、
図7において表示されていた「産業用機械」の子要素が非表示となった状態を示す図である。
【
図9】
図8において新たに基準縦領域に収まった「家電・AV」の子要素が、ディスプレイの下端付近に展開された状態を示す図である。
【
図10】
図9においてディスプレイの下端付近に位置する「材料・技術(塑性加工)」に展開操作が施されることにより、その子要素が展開し、かつ、新たに展開した子要素がディスプレイの縦方向に収まるように、全要素が縦スライドした状態を示す図である。
【
図11】最下段中央に位置する「ハンドオーバ」の要素に指定操作が施された状態を示す図である。
【
図12】「ハンドオーバ」の左右に位置する要素にも指定操作が施された状態を示す図である。
【
図13】
図12に示す「習熟レベル選択へ進む」がタップされることで、習熟度入力表示が縮小状態でディスプレイに表示された状態を示す。
【
図14】拡張された習熟度入力表示において3スターが選択された状態を示す。
【
図15】習熟度として3スターを登録するために「発着信制御」の要素が指定された状態を示す。
【
図16】
図15に示す指定操作の結果、「発着信制御」の要素に3スターが登録された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1のツリー情報提供装置を含むネットワークの概要を説明するための図である。本実施形態のツリー情報提供装置は管理サーバ10を備えている。管理サーバ10はネットワークを介して、複数の端末14、15、16等と繋がっている。端末14、15、16は、夫々スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータを示している。尚、本実施形態には、これらの端末に限らず、ゲーム機や大型モニター等を含めて、表示機能、入力機能および演算機能を備えるあらゆる装置を端末として用いることができる。
【0037】
本実施形態のツリー情報提供装置は、端末14、15または16に対して、階層化された多数の要素の情報を含むツリー情報を提供するように構成されている。本実施形態では、特に、下記のような状況の下でツリー情報が端末14、15または16に提供される場合について説明する。
1.ユーザは技術系の求職者である。
2.ユーザは、端末14、15または16を通じて、自己の技術的スキルを、採用者への情報として管理サーバ10に登録したい。
3.管理サーバ10は、上記の登録を容易にするため、技術的スキルに関するツリー情報を端末14、15または16に提供する。
4.ユーザは、ツリー情報に含まれる多数の要素の中から自己のスキルに対応する要素を選び、習熟レベルと共にその要素を登録する。
【0038】
図2は、管理サーバ10のハードウェア構成を示す。管理サーバ10は、一般的なコンピュータシステムで構成されており、中央プロセッサ(CPU)18を備えている。CPU18には、通信バス20を介してROM22、RAM24、ストレージ26等のメモリ機構が接続されている。通信バス20には、更に、通信インターフェース28、入力インターフェース30及びディスプレイ32が接続されている。
【0039】
管理サーバ10のROM22には、CPU18で実行されるプログラムが格納されている。また、管理サーバ10のストレージ26には、技術的スキルに関するツリー情報が格納されている。本実施形態では、ROM22に格納されているプログラムがCPU18に実行されることで、ストレージ26に格納されているツリー情報に基づく画面指令が、端末14、15または16に提供される。
【0040】
端末14、15および16は、何れも管理サーバ10と同様に、
図2に示すようなハードウェア構成を有している。以下、端末14、15および16のハードウェア要素についても、
図2に示す符号を用いて、CPU18、入力インターフェース30、ディスプレイ32等と称す。
【0041】
図3は、管理サーバ10のストレージ26に記憶されているツリー情報36の一例を示す。ツリー情報36には、階層化された多数の要素38の情報が含まれている。
図3に示す例では、「製品・部品」の要素38の下層に、「自動車関連」、「産業用機械」、「情報通信」といった要素38が従属している。また、「情報通信」の要素38の下層には、「防犯・防災機器」、「情報通信機器用部品」などの要素38が従属している。
【0042】
本実施形態において、ツリー情報36には、数多くの要素38が含まれている。このため、個々の要素38を視認に適した大きさで表示しようとすれば、ツリー情報36の全てを端末14、15または16のディスプレイ32に収めることはできない。また、技術スキルの登録を欲するユーザにとって、自己の技術スキルと関連のある要素は、通常は、ツリー情報36に含まれる要素38の一部に過ぎない。このため、全ての要素38がディスプレイ32に表示されると、ユーザにとって無用な要素が数多く表示されることになり、ユーザは煩わしさを感じる。
【0043】
そこで、本実施形態では、端末14、15または16のディスプレイ32に、夫々のユーザにとって関連のある要素38を優先的に表示するため、管理サーバ10および端末14、15または16に下記の処理を実行させることとした。尚、下記の処理は、管理サーバ10のCPU18が単独で実行する場合があり、端末14、15または16のCPU18が単独で実行する場合があり、或いはそれら両者のCPU18が協働して実行する場合がある。
【0044】
[要素の表示に関する特徴]
以下、
図4乃至
図10を参照して、スマートフォンの形態を持つ端末14の場合を例にとって、そのディスプレイ32に、ユーザにとって有益な要素38を優先的に表示させるために実行される処理の内容を説明する。
【0045】
図4は、端末14のディスプレイ32に一の要素38が表示された状態を示す。
図4に示す画面は、端末14のユーザが、技術スキルの登録を求めて管理サーバ10にアクセスすることにより生ずる。管理サーバ10は、このようなアクセスを受けると、ストレージ26内のツリー情報から、ユーザの求める要素を読み出して、その要素に対応する画面指令を端末14に送信する。端末14は、その画面指令に従って、ディスプレイ32に
図4に示す画面を表示する。
【0046】
図4に示す画面には、技術ツリーにおいて最上位に位置する「技術・ツール」の要素38が示されている。この要素38は、より詳細には、要素マーク40と展開可能マーク42で表されている。要素マーク40は、要素38の外枠を示すマークである。展開可能マーク42は、この要素38の下層に未だ展開されていない一以上の子要素が従属していることを表すマークである。本実施形態では、「+」を○で囲んだマークが展開可能マーク42として用いられる。
【0047】
尚、本実施形態において、下層に子要素が従属していない要素38は、展開可能マーク42を伴うことなく、要素マーク40だけで表示される。このため、端末14のユーザは、個々の要素38が展開可能マーク42を伴っているか否かにより、その要素38が、下層に更に子要素を備えるものであるのか、末端の最下層要素であるのかを区別することができる。
【0048】
端末14のディスプレイ32には、
図4に示すような基準縦領域44が定められている。基準縦領域44は、ディスプレイ32の幅方向における特定位置に、ディスプレイ32の縦方向に延びるように設定されている。本実施形態では、
図4中に2本の破線で示しているように、ディスプレイ32の幅方向における中央領域が、基準縦領域44として定められている。尚、
図4に示す2本の破線は、現実には表示されることのない仮想の線分である。
【0049】
管理サーバ10は、ユーザにより技術スキルの登録が求められた際には、先ず、ツリー情報に含まれる要素のうち、ユーザの所望する領域に属する最上位の要素38を、基準縦領域44に収まるように、端末14のディスプレイ32に表示させる。ユーザは、展開可能マーク42を伴って要素38がディスプレイ32に表示されると、その要素38には一つ以上の子要素が従属していると理解することができる。
【0050】
端末14のディスプレイ32は、タッチパネルにより構成されており、入力インターフェース30を兼ねている。ユーザは、ディスプレイ32へのタップ等により、所望の操作を意図するユーザ入力を端末14に与えることができる。
図4に示す手形マーク46は、現実には表示されない仮想的なものであり、「技術・ツール」の展開可能マーク42をタップする、展開操作のユーザ入力を表している。
【0051】
図5は、上記の展開操作の結果、「技術・ツール」の要素38の下段に、この要素38に従属する子要素が展開された状態を示す。要素38に従属する子要素が展開されると、その要素38に付けられていた展開可能マーク42は、展開済みマーク48に変化する。本実施形態では、「-」を○で囲んだマークが展開済みマーク48として用いられる。また、子要素として展開される要素38が複数存在する場合、それらは、従属元の要素38の一段下に定められる幅方向領域50の中に、幅方向に並んで展開される。
【0052】
本実施形態において、端末14のディスプレイ32に表示される要素38には、展開される要素の数に関わらず、ユーザによる視認に適した大きさが与えられる。このため、一の幅方向領域50の中に展開される子要素の数が多い場合は、その全てをディスプレイ32の幅方向に納めることができない事態が生ずる。この場合、展開された子要素は、ディスプレイ32の幅に収まる範囲で表示され、ディスプレイ32の幅からはみ出す子要素は表示されない状態となる。
【0053】
図5に示すように、親の要素38と、これに従属する子の要素38との間には、両者を結ぶ線分52が示される。この線分52は、ディスプレイ32の幅から外れてしまい、表示されていない子の要素38を含めて、展開された全ての要素38の夫々につき一本ずつ表示される。線分52がこのように表示されると、ユーザは、親の要素38に幾つ位の子要素が従属しているのかを認識することができ、更に、それらの子要素のうちディスプレイ32に表示されているものがどの辺りの要素38であるかも認識することができる。
【0054】
図5に示す2つの手形マーク54と、それらの間の矢印56は、幅方向スライド操作のユーザ入力を表している。これらは、
図4に示す手形マーク46と同様、仮想的なものであり、現実にディスプレイ32に表示されるものではない。幅方向スライド操作は、一の幅方向領域50を対象として行われている。この操作が行われると、操作の対象である幅方向領域50に含まれる全ての展開済み要素38は、一括して幅方向に移動することになる。
【0055】
図6は、
図5に示す幅方向スライド操作の結果、幅方向領域50に含まれる「自動車関連」および「産業用機械」の要素38と横並びの全要素が、一括して幅方向にスライドした状態を示している。その結果、
図6に示す画面では、「産業用機械」の要素38が基準縦領域に表示されている。
【0056】
図6に示す手形マーク46は、「産業用機械」の展開可能マーク42をタップする展開操作のユーザ入力を表している。「産業用機械」の要素38は、基準縦領域に表示されているため、その展開可能マーク42がタップされると、その下段の幅方向領域に、「産業用機械」に従属する全ての子要素が展開される。尚、
図6において、基準縦領域から外れた位置に表示されている要素38(例えば「家電・AV」)の要素38の展開可能マーク42がタップされた場合には、「家電・AV」の要素38を自動的に基準縦領域に移動させたうえで、この要素38に従属する子要素を展開させることとしてもよい。
【0057】
図7は、
図6に示す展開操作の結果、「産業用機械」の要素38の下段に、この要素38に従属する子要素が展開された状態を示す。また、
図7に示す2つの手形マーク54と、それらの間の矢印56は、「産業用機械」の要素38を含む幅方向領域を対象として行われた幅方向スライド操作のユーザ入力を表している。このように、本実施形態では、下層に子要素が展開されている要素38を含む幅方向領域も、幅方向スライド操作の対象とすることができる。
【0058】
図8は、
図7に示す幅方向スライド操作の結果、「産業用機械」の要素38が、基準縦位置領域から外れてディスプレイ32の左端まで移動した状態を示す。ここでは、「産業用機械」の下段に展開されていた全ての子要素が非表示とされている。つまり、本実施形態では、親の要素38が基準縦領域に表示されている場合に限り、その要素38の下に展開された子要素をディスプレイ32に表示される。そして、親の要素38が基準縦領域から外れると、その要素38に従属する子要素は、既に展開されていたとしても非表示とされる。
【0059】
但し、
図8に示すように、展開済みの子要素が非表示となっても、展開操作の履歴を持つ要素38には、展開済みマーク48が付され続ける。このため、一旦展開された子要素が非表示となっても、展開可能マーク42が付されているか、展開済みマーク48が付されているかを見ることで、ユーザは、展開履歴のある要素38とそうでない要素38を容易に区別することができる。
【0060】
図8に示す手形マーク46は、新たに基準縦領域に表示された「家電・AV」の展開可能マーク42をタップする展開操作のユーザ入力を表している。「家電・AV」の要素38は、基準縦領域に表示されているため、その展開可能マーク42がタップされると、その下段に、「家電・AV」に従属する全ての子要素が展開される。
【0061】
図9は、
図8に示す展開操作の結果、「家電・AV」の下に、この要素38に従属する子要素が展開された状態を示す。
図9に示す画面が表示される時点で、ユーザの興味は、「家電・AV」の要素38にどのような子要素が従属しているのかに注がれている。つまり、この時点では、「産業用機械」の要素38にどのような子要素が従属しているかは、ユーザの主たる興味ではなくなっている。このような状況の下で、「産業用機械」に従属する子要素を消して、「家電・AV」の子要素をディスプレイ32に表示すれば、表示のノイズが減少してユーザにとっての利便性を高めることができる。
【0062】
また、上記のルールによれば、親要素の下に子要素が展開され、更にその下に孫要素が展開される場合には、その孫要素の従属元である子要素と、更にその子要素の従属元である親要素が、何れも基準縦領域において、縦に並んだ関係となる。つまり、本実施形態では、最も下層に表示される要素の従属元である要素が、基準縦領域内に縦に並んで表示されることになる。このような表示によれば、ユーザは、表示されている個々の要素38の従属関係を多層に亘って直感的に理解することができる。
【0063】
図9に示す手形マーク46は、ディスプレイ32の下端付近で基準縦領域に展開された「材料・技術(塑性加工)」の展開可能マーク42をタップする展開操作のユーザ入力を表している。この要素38は基準縦領域にあるため、その展開可能マーク42がタップされれば、その下に子要素が展開される。但し、「材料・技術(塑性加工)」の要素38はディスプレイ32の下端に展開されているため、そのままの状態では、新たに展開される子要素は、ディスプレイ32の下端から外れてしまうことになる。
【0064】
図10は、
図9に示す展開操作を受けてディスプレイ32に表示される画面を示す。この図中、符号58を付して示す上向きの矢印は、ディスプレイ32に表示される全ての要素38が上向きにスライドしたことを示している。このように、本実施形態では、新たに展開される子要素が収まるべき幅方向領域60が、ディスプレイ32の表示範囲から縦方向に外れてしまう場合には、その幅方向領域60が、ディスプレイ32の縦方向に収まるように、表示中の全ての要素38に自動的な縦スライドが与えられる。
【0065】
図10に示す画面の表示を求める時点で、ユーザの興味は、新たに展開される子要素がどのようなものであるかに注がれている。そして、ディスプレイ32の上端付近に表示されている上層の要素38に対するユーザの興味はさほど大きなものではない。このような状況下で、表示中の全要素38を縦方向にスライドして新たに展開される「塑性加工」、「溶接」等の要素38を自動的に表示範囲に収めれば、それらの表示に一操作が必要な場合に比して、ユーザにとっての利便性を高めることができる。
【0066】
尚、本実施形態のツリー情報提供装置では、縦方向スライド操作のユーザ入力を端末14のディスプレイ32に与えることで、表示中の全要素38を一括して縦方向にスライドさせることができる。このため、
図10に示す画面が生成された後、ユーザは、縦方向スライド操作によって全要素38を下向きにスライドさせれば、ディスプレイ32の上側に外れてしまっていた要素38を再びディスプレイ32に呼び戻すことができる。
【0067】
以上説明した通り、本実施形態のツリー情報提供装置によれば、階層化された多数の要素の情報を含むツリー情報の中から、ユーザが所望する情報を、優先的に端末14のディスプレイ32に提供することができる。この際、個々の要素38の大きさが、視認に適した大きさに維持されるため、ユーザは、画面の拡大・縮小を行うことなく、膨大な情報を含むツリー情報の全体に、効率的にアクセスすることができる。
【0068】
特に、スマートフォンのようにタッチパネルを入力インターフェースとする端末では、画面の拡大・縮小に2本指の操作が要求されるのが通常である。本実施形態の装置によれば、そのような2本指の操作が必要なく、ユーザは、タップ操作、スライド操作等の1本指の操作のみでツリー情報の全体にアクセスすることができる。このため、この装置によれば、スマートフォン等のユーザに対して優れた操作性をも提供することができる。
【0069】
[要素の登録に関する特徴]
次に、
図11乃至
図16を参照して、ユーザが自己の技術的スキルを登録する際の処理について説明する。
図11は、端末14に表示された要素38の中から、ユーザが、自己の技術的スキルに当てはまる要素を指定する際の操作を説明するための図である。個々の要素38は、上記の通り要素マーク40を伴って表示される。
図11に示す手形マーク62は、その要素マーク40をタップする指定操作を表している。ここでは、最下層に位置する「ハンドオーバ」の要素38が、タップにより指定されている。
【0070】
図4等を参照して説明した通り、本実施形態では、要素38に付された展開可能マーク42へのタップは、子要素を展開させるための展開操作と認識される。そして、要素マーク40へのタップは、上記の通り要素38自体を指定する指定操作と認識される。このように、本実施形態では、タップの対象を代えることで、タップという単一操作で、二種類の指示入力を実現している。このため、ユーザは、操作を使い分ける煩わしさを感じることなく、要素38の展開と要素38の指定の両方を容易に行うことができる。
【0071】
本実施形態では、登録すべき全ての要素38の指定が、この段階でユーザに求められる。
図12は、「ハンドオーバ」の要素38に加えて、その左右に位置する「発着信制御」と「マルチチャンネルアクセス/ランダムアクセス制御」の要素38が指定された状態を示す。また、
図12に示す手形マーク66は、全ての要素38の選択を終えた後、「習熟レベル選択へ進む」の表示64をタップするユーザ入力を示す。
【0072】
図13は、
図12に示すタップ操作を受けてディスプレイ32に表示される画面を示す。ここには、縮小版の習熟度入力表示68が示される。
図13に示す手形マーク70は、この習熟度入力表示68を拡大させるためのユーザ入力を示す。
【0073】
図14は、拡大版の習熟度入力表示72を含む画面を示す。この習熟度入力表示72には、1スターから5スターまで、技術的スキルに関する習熟度に関する表示が含まれている。
図14に示す手形マーク74は、習熟度入力表示72において、3スターの表示を指定するユーザ入力を示す。
【0074】
図15は、
図14に示す指定操作を受けてディスプレイ32に表示される画面を示す。
図15において、ディスプレイ32の上端付近には、現時点で指定されている3スターの表示が示されている。この状態で、選択済みの要素38の要素マーク40をタップすると、その要素38が3スターの習熟度で登録される。
図15に示す手形マーク76は、「発着信制御」の要素38を3スターの習熟度で登録するためのユーザ入力を示す。
【0075】
図16は、上記の登録操作を受けてディスプレイ32に表示される画面を示す。この図において、「3スター」の表示78は、「発着信制御」の要素38が3スターの習熟度で登録されたことを表している。3スターの習熟度で登録するべき選択済み要素38が他にもある場合、ユーザには、その要素38のタップが求められる。また、選択済み要素38を他の習熟度で登録したい場合、ユーザは、拡大版の習熟度入力表示72(
図14)を再び開き、習熟度の選択から上記の処理を繰り返す。選択済み要素38の全てについて上記の処理が終わると、ユーザによる技術的スキルの登録が完了する。
【0076】
このようにして登録された情報は、例えば、技術的スキルに関するユーザの保有能力として、求人者が、採用者を選考する過程で利用することができる。
【0077】
[実施の形態1の変形例]
ところで、上記の実施形態1では、スマートフォンの形態を有する端末14が用いられる場合を想定して、タップ操作等を説明しているが、端末14が、タブレット形態の端末15、コンピュータ形態の端末16である場合には、それらの端末に応じた変更が加えられる。例えば、入力インターフェースはタッチパネルに限定されるものではなく、ユーザ入力もタップに限定されるものではない。ユーザ入力は、マウス、キーボード等を入力インターフェースとする操作や、マイクを入力インターフェースとする音声指示などであってもよい。
【0078】
また、上記の実施形態では、管理サーバ10が、端末14、15および16に対して画面指令を送信し、その指令を受けて端末14、15および16が、ディスプレイ32に所望の画面を表示することとしている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
【0079】
例えば、所望の画面を生成して表示するために必要なプログラムを端末14、15および16に記憶させておき、ツリー情報だけを管理サーバ10に格納させておいてもよい。この場合、端末14、15および16は、ツリー情報を得るために管理サーバ10にアクセスしてもよく、また管理サーバ10からダウンロードによってツリー情報を取得してもよい。更には、本実施形態のツリー情報提供装置は、ネットワークを用いることなく、単一のコンピュータ等において、スタンドアローン形式で実現することとしてもよい。
【0080】
また、上記の実施形態1では、要素38の下層に子要素が従属していることを表すために展開可能マーク42を用い、また子要素が展開済みであることを表すために展開済みマーク48を用いることとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、それらのマークに変えて、色、形、大きさなどにより、展開可能か否か、展開済みか否かを表すこととしてもよい。
【0081】
また、上記の実施形態1では、ディスプレイ32の幅方向における中央領域を基準縦領域44としているが、本発明はこれに限定されるものではない。基準縦領域44は、ディスプレイ32の幅方向における所定の位置に定められていればよく、その位置は幅方向の中央に限定されるものではない。
【0082】
また、上記の実施形態1では、ツリー情報を、技術スキルに関する情報とし、その一例として「技術・ツール」を最上位として階層化された情報を示しているが、本発明はこれに限定されるものではない。ツリー情報としては、階層化された多数の要素の情報を含むものであれば、如何なるものも本発明に用いることができる。また、技術スキルに関するツリー情報は、「技術・ツール」を最上位とするものの他、「職種・工程」、「製品・部品」、「学問(科目9)」の何れかを最上位の要素として階層化されたものであってもよい。
【0083】
また、上記の実施形態1では、ユーザの技術的スキルに関連する要素38に習熟レベルを結び付けることとしているが、要素38に結び付ける情報はこれに限定されるものではない。例えば、ユーザが選択した要素38の夫々には、その要素の重要度や、その要素のお気に入りレベルなどを結び付けることとしてもよい。
【0084】
尚、上記の実施の形態1では、端末14のディスプレイ32が前記第1の発明における「入力インターフェース」および「ディスプレイ」に、管理サーバ10のCPU18が前記第1の発明における「コントロールユニット」に、また管理サーバ10のストレージ26が前記第1の発明における「メモリ」に、夫々相当する。
【0085】
また、所望の画面を生成して表示するために必要なプログラムを端末14、15および16に記憶させておく実施形態では、端末14、15のディスプレイ32並びに端末16のキーボードおよびマウスが前記第2の発明における「入力インターフェース」に、端末14、15または16のディスプレイ32が前記第2の発明における「ディスプレイ」に、端末14、15または16のCPU18が前記第2の発明における「コントロールユニット」に、また管理サーバ10のストレージ26が前記第2の発明における「メモリ」に、夫々相当する。
【0086】
また、上記の実施形態1では、展開可能マーク42が本発明における「展開可能表示」に相当し、展開済みマーク48が本発明における「展開済みマーク」に相当する。
【符号の説明】
【0087】
10 管理サーバ
14 端末(スマートフォン)
15 端末(タブレット)
16 端末(コンピュータ)
18 CPU
30 入力インターフェース
32 ディスプレイ
38 要素
40 要素マーク
42 展開可能マーク
44 基準縦領域
48 展開済みマーク
50、60 幅方向領域
52 線分