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特許7109748アジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩含有固形製剤及び固形製剤の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】アジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩含有固形製剤及び固形製剤の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4422 20060101AFI20220725BHJP
   A61K 9/24 20060101ALI20220725BHJP
   A61K 31/4245 20060101ALI20220725BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20220725BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20220725BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20220725BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
A61K31/4422
A61K9/24
A61K31/4245
A61K47/10
A61K47/26
A61K47/36
A61K47/38
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018246107
(22)【出願日】2018-12-11
(65)【公開番号】P2020094025
(43)【公開日】2020-06-18
【審査請求日】2021-12-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306020438
【氏名又は名称】日本ジェネリック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】松永 沙織
(72)【発明者】
【氏名】吉田 勇介
【審査官】梅田 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-001782(JP,A)
【文献】特開2020-026431(JP,A)
【文献】特表2013-508370(JP,A)
【文献】特表2012-510447(JP,A)
【文献】特表2006-511520(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第102225203(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106668016(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/4422
A61K 9/24
A61K 31/4245
A61K 47/10
A61K 47/26
A61K 47/36
A61K 47/38
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アジルサルタンを含有する造粒物及び部分アルファ化デンプンを含む層とアムロジピンベシル酸塩を含有する造粒物及び部分アルファ化デンプンを含む層とを含み、前記アジルサルタンを含有する造粒物及び前記アムロジピンベシル酸塩を含有する造粒物には部分アルファ化デンプンを含まない、固形製剤。
【請求項2】
部分アルファ化デンプンが、1固形製剤あたり3.0~15.0重量%含まれる請求項1記載の固形製剤。
【請求項3】
賦形剤がD-マンニトール、結晶セルロース、乳糖及びトウモロコシデンプンからなる群から選択されるとともに、結合剤がヒドロキシプロピルセルロース及びヒプロメロースから選択される、請求項1又は2記載の固形製剤。
【請求項4】
アジルサルタンを賦形剤と混合後、混合物に、ポリエチレングリコールと結合剤を含む添加剤とを溶媒に溶解した液を噴霧しながら造粒する工程を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の固形製剤の製造方法。
【請求項5】
アジルサルタンを含有する混合末とアムロジピンベシル酸塩を含有する混合末とを層状に積み重ねて圧縮成形する工程を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の固形製剤の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩を安定に含有し、適切な溶出性を示す固形製剤及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アンジオテンシンII拮抗作用を有する化合物とカルシウム拮抗作用を有する化合物を組み合わせることによって、顕著な臨床効果を発揮させ、副作用を軽減させることを目的とした配合剤が多数上市されている。
【0003】
特許文献1には、アジルサルタンとカルシウム拮抗作用を有する化合物との組み合わせが有用であることが記載されている。一方で、特許文献2には、カルシウム拮抗作用を有する化合物であるアムロジピンとその他の有効成分を含有する製剤において、各々の有効成分が分離していない形態で配合変化等を誘発しない製剤を開発するには技術的に困難であるとの記載がされており、また、特許文献3には、アジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩の配合適性を良好にする手段として、アジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩とが接しないように該製剤中に独立して存在させ、賦形剤としてD-マンニトール、微結晶セルロース、乳糖及びトウモロコシデンプンからなる群から選択し、結合剤としてヒドロキシプロピルセルロース及びヒプロメロースから選択し、崩壊剤としてクロスカルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースからなる群から選択することなどが記載されている。
【0004】
しかしながら、いずれの特許文献にも、アジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩の安定化に部分アルファ化デンプンが有効であることについては、開示も示唆もされていない。
【0005】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第3057471号公報
【文献】特許第6404886号公報
【文献】特許第5666471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、アジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩の安定性を向上させる新たな手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、驚くべきことに、崩壊剤としての部分アルファ化デンプンが、アジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩の類縁物質を著しく抑制することを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は<1>アジルサルタンを含有する部分とアムロジピンベシル酸塩を含有する部分とを配合してなる固形製剤であって、アジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩とが接しないように該製剤中に独立して存在するとともに、崩壊剤として部分アルファ化デンプンが配合されていることを特徴とする固形製剤を提供する。
【0010】
<2>部分アルファ化デンプンが、1固形製剤あたり3.0~15.0重量%含まれるの前記<1>の固形製剤を提供する。
【0011】
<3>賦形剤がD-マンニトール、結晶セルロース、乳糖及びトウモロコシデンプンからなる群から選択されるとともに、結合剤がヒドロキシプロピルセルロース及びヒプロメロースから選択される、前記<1>~<2>の固形製剤を提供する。
【0012】
<4>アジルサルタンを賦形剤と混合後、混合物に、ポリエチレングリコールと結合剤を含む添加剤とを溶媒に溶解した液を噴霧しながら造粒する工程を含む、前記<1>~<3>記載の固形製剤の製造方法を提供する。
【0013】
<5>アジルサルタンを含有する混合末とアムロジピンベシル酸塩を含有する混合末とを層状に積み重ねて圧縮成形する工程を含む、前記<1>~<3>記載の固形製剤の製造方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明のアジルサルタン及びアムロジピンベシル酸塩含有固形製剤は、有効成分であるアジルサルタン及びアムロジピンベシル酸塩の類縁物質生成が抑制されているため、アジルサルタン及びアムロジピンベシル酸塩の安定性が良好な医薬品として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明において、アジルサルタン(2-Ethoxy-1-{[2´-(5-oxo-4,5-dihydro-1,2,4-oxadiazol-3-yl)biphenyl-4-yl]methyl}
-1H-benzo[d]imidazole-7-carboxylic acid)は、以下の化学式により表される化合物である。アジルサルタンは、例えば、特開平5-271228号公報に記載の方法によって製造されうる。アジルサルタンの含有量は、1固形製剤あたり1~20重量%が好ましく、5~10重量%がより好ましい。
【化1】
【0016】
本発明において、アムロジピンベシル酸塩(3-Ethyl 5-methyl(4RS)-2-[(2-aminoethoxy)methyl]-4-(2-chlorophenyl)-6-methyl-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate monobenzenesulfonate)は、以下の化学式により表される化合物である。アムロジピンベシル酸塩は、例えば、特開昭62-240660号公報に記載の方法によって製造されうる。アムロジピンベシル酸塩の含有量は、1固形製剤あたり0.1~10重量%が好ましく、0.5~5重量%がより好ましい。
【化2】
【0017】
本発明において、固形製剤とは、アジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩を含有する形態であればいずれでもよく、例えば、素錠、チュアブル錠、フィルムコーティング錠、口腔内崩壊錠などの錠剤などが挙げられる。
【0018】
本発明において、アジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩とが接しないように製剤中に独立して存在するとは、製剤中にアジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩が物理的に分離した状態であればよく、例えば、アジルサルタンを含有する顆粒とアムロジピンベシル酸塩を含有する顆粒を混合した製剤や、アジルサルタンを含有する層とアムロジピンベシル酸塩を含有する層を別々に有する製剤が挙げられる。
【0019】
本発明において、部分アルファ化デンプンとは、当技術分野で用いられているものであれば何でもよい。部分アルファ化デンプンの含有量は、1固形製剤あたり3.0~15.0重量%が好ましく、5.0~10.0重量%がより好ましい。また、アジルサルタンを含有する層とアムロジピンベシル酸塩を含有する層を別々に有する製剤とする場合には、アジルサルタンを含有する層とアムロジピンベシル酸塩を含有する層のいずれかも部分アルファ化デンプンが含まれていることが好ましい。
【0020】
本発明において、添加剤とは、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑択剤を言うが、特にこれらに制限されない。当該添加剤以外に、当技術分野で用いられる着色剤、抗酸化剤、増粘剤、緩衝化剤、甘味付与剤、フレーバー付与剤、又はパフューム剤などを本発明の錠剤に配合してもよい。甘味付与剤としては、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ステビア、マルチトール、グリセリン、ラクチトール、ガラクチトールなどが挙げられる。着色剤としては、例えば二酸化チタン、酸化第二鉄、黄色三二酸化鉄などが挙げられる。
【0021】
本発明において、賦形剤として、例えばD-マンニトール、乳糖(乳糖水和物、噴霧乾燥乳糖、流動層造粒乳糖、異性化乳糖、還元乳糖等)、トウモロコシデンプン、ショ糖、エリスリトール、ソルビトール、キシリトールなどが挙げられる。本発明においては、安定性の観点からD-マンニトール、トウモロコシデンプン、結晶セルロースが好ましい。
【0022】
本発明において、結合剤として、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。本発明においては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロースが好ましく、ヒドロキシプロピルセルロースがより好ましい。
【0023】
本発明において、ポリエチレングリコールとは、当技術分野で用いられているものであれば何でもよいが、本発明においては、ポリエチレングリコール4000~6000が好ましい。
【0024】
本発明において、崩壊剤としては、安定性の観点から、部分アルファ化デンプンがより好ましいが、その他に、例えば、クロスポビドン、カルメロースカルボキシプロピルスターチナトリウムなどを更に加えてもよい。
【0025】
本発明において、滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、タルクなどが挙げられる。
【0026】
本発明において、錠剤は、フィルムコーティングを施してもよく、素錠や口腔内崩壊錠にフィルムコーティングを施してもよい。フィルムコーティングには、当技術分野で用いられている添加剤であれば何れも加えてよい。例えば、ヒプロメロース、酸化チタン、タルク、黄色三二酸化鉄等を加えてもよい。
【0027】
本発明の錠剤は、通常の錠剤製造方法により製造することが可能であるが、安定性の観点から、二層錠に製造することが好ましい。
より具体的には、本発明のアジルサルタン、アムロジピンベシル酸塩含有錠剤は、例えば、アジルサルタンとD-マンニトール、トウモロコシデンプン、結晶セルロースから選ばれる1つあるいは2つ以上の賦形剤を混合し、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロースから選ばれる1つあるいは2つの結合剤を精製水に溶解した液を噴霧しながらから流動層造粒機で造粒、当該造粒物を篩により、整粒物とし、当該整粒物に、D-マンニトール、トウモロコシデンプン、結晶セルロースから選ばれる1つあるいは2つ以上の賦形剤、崩壊剤としての部分アルファ化デンプン、滑沢剤を混合し、アジルサルタン混合末を得る。同様に、アムロジピンベシル酸塩についても、混合、造粒、整粒、混合を行い、アムロジピンベシル酸塩混合末を得る。次に、当該アジルサルタン混合末とアムロジピンベシル酸塩混合末をロータリー打錠機で打錠し、アジルサルタンアムロジピンベシル酸塩含有二層素錠が得られる。
【0028】
更に、当該アジルサルタンアムロジピンベシル酸塩含有二層素錠に、ヒプロメロース、ポリエチレングリコールなどを含むフィルムコーティング液を噴霧することで、フィルムコーティングされたアジルサルタンアムロジピンベシル酸塩含有二層錠が得られる。
【0029】
以下に、実施例等により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例等に何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0030】
アジルサルタン60.00g、D-マンニトール236.40g、トウモロコシデンプン36.00g、結晶セルロース15.00gを混合し、ヒドロキシプロピルセルロース13.50g、ポリエチレングリコール6000(マクロゴール6000)13.50gを精製水243.00gに溶解した液を噴霧しながら流動層造粒機(MP-01、株式会社パウレック)で造粒後、ステンレス篩で整粒した。この整粒品に結晶セルロース36.00g、部分アルファ化デンプン36.00g、ステアリン酸マグネシウム3.60gを混合し、アジルサルタン混合末とした。
別に、アムロジピンベシル酸塩41.58g、D-マンニトール278.82g、トウモロコシデンプン42.00g、結晶セルロース18.00gを混合し、ヒドロキシプロピルセルロース12.00gを精製水138.00gに溶解した液を噴霧しながら流動層造粒機で造粒後、ステンレス篩で整粒した。
この整粒品に結晶セルロース42.00g、部分アルファ化デンプン42.00g、ステアリン酸マグネシウム3.60gを混合し、アムロジピンベシル酸塩混合末とした。
アジルサルタン混合末とアムロジピンベシル酸塩混合末を、ロータリー打錠機(AQUARIUS-LD、菊水製作所)を用いて二層錠とした。
精製水1653.50gにヒプロメロース210.00g及びポリエチレングリコール6000(マクロゴール6000)42.00gを溶解してフィルムコーティング液Iとした。精製水1000.00gに酸化チタン21.00g、タルク73.50g、黄色三二酸化鉄1.73gを分散して分散液Iを調製した。フィルムコーティング液Iに分散液Iを混合し、フィルムコーティング液IIとした。フィルムコーティング機(DRC-300、株式会社パウレック)中で、裸錠120.00gにフィルムコーティング液IIを均一に噴霧することでフィルムコーティングを施しフィルムコーティング錠(1錠あたりの重量:239mg)を得た(表1)。
【0031】
【表1】
【0032】
また、市販されているザクラス配合錠HD(アジルサルタン、アムロジピンベシル酸塩配合錠、武田薬品工業株式会社)を比較例1として、実施例1とともに、保存安定性評価及び溶出試験を行なった。なお、実施例1と比較例1の組成は表2の通り。
【0033】
【表2】
【0034】
(試験例1)
実施例1及び比較例1の錠剤を40℃/75%RHにてPTP、アルミ袋包装の条件下で1ヶ月保存し、アジルサルタン及びアムロジピンベシル酸塩由来の類縁物質を測定することにより、保存安定性を評価した。
【0035】
<評価方法>
アジルサルタンが約1mg/mLとなるようにメタノール/水混液(4:1)で溶解し、メンブランフィルター(0.45μm)でろ過し、試料溶液とした。この液1mLを正確にとり、メタノール/水混液(4:1)を加えて正確に100mLとし標準溶液とした。試料溶液及び標準溶液10μLずつを正確にとり、次の条件で高速液体カラムクロマトグラフィー(HPLC)法により測定した。アジルサルタン類縁物質の含量%は次式により求めた。次式:
【数1】
【数2】
【0036】
Sa:標準溶液のアジルサルタンのピーク面積
Sb:標準溶液のアムロジピンのピーク面積
Ta:試料溶液のアジルサルタンに対する相対保持時間約0.41,約1.18,約1.40及び約1.77のピークの合計面積
Tb:試料溶液のアジルサルタン,アムロジピン,アムロジピンに対する相対保持時間約0.26のベンゼンスルホン酸及び上記以外のピークの合計面積
【0037】
<試験条件>
HPLC条件
検出器:紫外可視吸光光度計,測定波長237nm
カラム:YMC-Pack Pro C18,5μm,内径:4.6mm,長さ:250mm
カラム温度:35℃
移動相(A):0.02mol/Lリン酸緩衝液(pH3.0)
移動相(B):アセトニトリル
移動相(C):メタノール
流量:1mL/min
【0038】
その結果、表3に示す通り、比較例1においては開始時からアジルサルタン、アムロジピン各々の類縁物質が高値であったが、実施例1においては開始時からアジルサルタン、アムロジピン各々の類縁物質の生成が抑制されており、保存安定性に優れている錠剤であることが示された。
【0039】
【表3】
【0040】
(試験例2)
溶出試験
実施例1、比較例1について、アジルサルタン及びアムロジピンベシル酸塩の溶出性を溶出試験(日局溶出試験第2液、900mL、37℃、パドル法、回転数50rpm)により試験をした。
【0041】
<アジルサルタン>
◆実施例1 ●比較例1
【0042】
<アムロジピンベシル酸塩>
◆実施例1 ●比較例1
【0043】
溶出挙動の類似性
本明細書中で溶出挙動が類似とは、異なる2製剤の任意の時間におけるf2関数(similarityfactor)又は平均溶出率において行う。アジルサルタンではf2関数が42以上のときを類似としている。このf2関数の値が100に近づくほどその2製剤の溶出挙動は近似するとされている。アムロジピンベシル酸塩では、試験時間15分における平均溶出率が85%以上溶出するときを類似としている。なお、f2関数は、次式であらわされる。次式:
【数3】
【0044】
式中、Ti及びRiは、各製剤の平均溶出率、nは平均溶出率を比較する時点の数である。溶出率比較時点とは、基準となる製剤が15分~30分に平均85%以上溶出する場合は、15分、30分、45分とする。基準となる製剤が30分以降、規定された試験時間以内に平均85%以上溶出する場合は、基準となる製剤の平均溶出率が約85%となる適当な時点をTaとするとき、Ta/4、2Ta/4、3Ta/4、Taとする。規定された試験時間において基準となる製剤の平均溶出率が約85%に達しない場合は、規定された試験時間における基準となる製剤の平均溶出率の約85%となる適当な時点をTaとするとき、Ta/4、2Ta/4、3Ta/4、Taとする。
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】
上記グラフ並びに表4及び表5に示される通り、実施例1からの溶出挙動は、アジルサルタン及びアムロジピンベシル酸塩においても比較例1と類似であった。