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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】検査用調光システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/10 20200101AFI20220725BHJP
【FI】
H05B47/10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018105665
(22)【出願日】2018-05-31
(65)【公開番号】P2019212402
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】300074101
【氏名又は名称】株式会社レイマック
(74)【代理人】
【識別番号】100121337
【弁理士】
【氏名又は名称】藤河 恒生
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 正幸
(72)【発明者】
【氏名】椎原 貴幸
(72)【発明者】
【氏名】九谷 剛
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 一義
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-224784(JP,A)
【文献】特開2008-117566(JP,A)
【文献】特表2013-540333(JP,A)
【文献】特開2018-037424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象である物品に光を照射する光源と、
第1のポート、第2のポート、第3のポートを少なくとも有するハブ装置と、
該ハブ装置の前記第1のポートに接続され、外部から設定される調光設定値を調光設定値記憶部に記憶し、検査開始準備期間に該調光設定値を読み出して調光値記憶部に調光値として記憶し、検査期間にトリガー信号が入力されると、前記調光値記憶部の調光値に応じて前記光源を調光する調光装置と、
前記ハブ装置の前記第2のポートに接続され、前記ハブ装置を介して前記調光装置の前記調光設定値を少なくとも設定する調光設定装置と、
前記ハブ装置の前記第3のポートに接続され、前記検査開始準備期間に前記調光装置の前記調光設定値を読み出して調光調整値記憶部に調光調整値として記憶し、検査期間に、前記光源からの光の一部を入力して照度を計測し、その照度に応じて前記調光調整値記憶部の調光調整値を書き換え、該調光調整値を調光値として前記調光装置の前記調光値記憶部に前記ハブ装置を介して書き込む調光調整装置と、
を備えることを特徴とする検査用調光システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検査用の光源を調光する検査用調光システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、工場の生産ラインで生産された物品(製品)を検査ラインで検査するとき、欠陥や異物付着などの見落としがないように、物品に応じた光源及び光源を調光する調光装置により物品を照明しカメラで撮影することが行われている。ここで、光源の輝度は、検査開始から時間の経過ともに温度変化などが原因で比較的大きく低下するので、検査期間において検査対象である物品における照度を補正できる検査用調光システムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、LEDを有し輝度調整可能な照明部と、そのLEDを駆動し輝度調整可能に点灯させる照明駆動部と、LEDの輝度情報などの通信信号を照明部から照明駆動部へ通信する通信手段と、を備え、温度変化などによってLEDの輝度が低下しても自動的に補正するLED照明装置が開示されている。また、一般の照明器具のための照明制御システムではあるが、特許文献2には、調光端末器と該調光端末器との間で無線通信を行う照度センサ端末器とを備え、照度センサ端末器の照度センサにより検出した周囲の測定照度の値を調光端末器へ送信し、調光端末器がその測定照度の値を所定の目標照度の値となるように照明器具の調光率を制御する照明制御システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-118194公報
【文献】特開2008-204897公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、検査用調光システムにおいて、特許文献1及び特許文献2に開示のもののように、調光装置(照明駆動部、調光端末器)が輝度(又は照度)の計測値の信号を直接受信し調光の調整を行う回路を有するようにすると、調光装置が複雑化し、また、汎用性がないために既存の調光装置を使用することができず、新規の調光装置に置き換えることになってしまう。
【0006】
本発明は、係る事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、検査期間において検査対象である物品における照度を補正でき、かつ、汎用性の高い簡便な構成の検査用調光システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の検査用調光システムは、検査対象である物品に光を照射する光源と、第1のポート、第2のポート、第3のポートを少なくとも有するハブ装置と、該ハブ装置の前記第1のポートに接続され、外部から設定される調光設定値を調光設定値記憶部に記憶し、検査開始準備期間に該調光設定値を読み出して調光値記憶部に調光値として記憶し、検査期間にトリガー信号が入力されると、前記調光値記憶部の調光値に応じて前記光源を調光する調光装置と、前記ハブ装置の前記第2のポートに接続され、前記ハブ装置を介して前記調光装置の前記調光設定値を少なくとも設定する調光設定装置と、前記ハブ装置の前記第3のポートに接続され、前記検査開始準備期間に前記調光装置の前記調光設定値を読み出して調光調整値記憶部に調光調整値として記憶し、検査期間に、前記光源からの光の一部を入力して照度を計測し、その照度に応じて前記調光調整値記憶部の調光調整値を書き換え、該調光調整値を調光値として前記調光装置の前記調光値記憶部に前記ハブ装置を介して書き込む調光調整装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の検査用調光システムによれば、検査期間において検査対象である物品における照度を補正でき、かつ、汎用性の高い簡便な構成とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る検査用調光システムを示すブロック図である。
図2】同上の検査用調光システムの光源の詳細な例を示す回路図である。
図3】同上の検査用調光システムの調光装置に入力するトリガー信号及びそれが出力する電流を示す波形図である。
図4】同上の検査用調光システムのセンサ制御体を示すブロック図である。
図5】同上の検査用調光システムの実験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。本発明の実施形態に係る検査用調光システム1は、図1に示すように、光源2と、ハブ装置3と、調光装置4と、調光設定装置5と、調光調整装置6と、を備えている。検査用調光システム1では、検査期間に、光源2が検査ラインで検査する検査対象である物品Mに光(図1において矢印付き破線で示す)を照射し、照射された物品Mは、所要の照度のもとで、カメラCによって撮影される。検査用調光システム1では、検査期間の前に検査開始準備期間が有り、検査のための準備が行われる。検査開始準備期間は、通常は、調光装置4などの電源オン後の所定期間である。
【0011】
光源2は、物品Mに応じた様々な形態が可能である。光源2は、例えば、図2に示すように、複数個の発光素子(LEDなど)20が直列及び/又は並列に接続されたものである。なお、図2において、符号21で示すものは電流制限用の抵抗である。
【0012】
ハブ装置3は、第1のポート31、第2のポート32、第3のポート33を少なくとも有する(図1参照)。第1のポート31には、ネットワークケーブル4Aを介して後に詳述する調光装置4が接続され、第2のポート32には、ネットワークケーブル5Aを介して後に詳述する調光設定装置5が接続され、第3のポート33には、ネットワークケーブル6Aを介して後に詳述する調光調整装置6が接続される。ハブ装置3は、一般的なスイッチングハブなど汎用のものを用いることができる。
【0013】
調光装置4は、前述したようにハブ装置3の第1のポート31に接続され、後述する調光設定装置5から入力される調光設定値を調光設定値記憶部40aに記憶し、検査開始準備期間に調光設定値記憶部40aからその調光設定値を読み出して調光値記憶部40bに調光値として記憶する(図1参照)。そして、調光装置4は、調光値記憶部40bの調光値に応じて光源2を調光する。調光設定値記憶部40aの調光設定値と調光値記憶部40bの調光値はそれぞれ、外部から書き換え可能である。このような仕様は、従来からの調光装置に用いられている既知のものである。従って、調光装置4は、従来から用いられている既知の調光装置を用いることができる。
【0014】
調光装置4は、詳細には、以下のような構成にすることができる。すなわち、調光装置4は、例えば、光源駆動端子部4a、トリガー信号入力端子部4b、ネットワーク用端子部4c、電源入力端子部4dなどを有するようにできる(図1参照)。また、調光装置4は、例えば、CPU41、プログラム部42、不揮発性記憶部43、ワークメモリ部44、光源駆動部45、トリガー信号インターフェイス部46、ネットワークインターフェイス部47、電源部48を有するようにできる(図1参照)。調光装置4では、CPU41によって、プログラム部42に記憶されたプログラムに従って各部が後に詳述するように制御される。前述した調光設定値記憶部40aは不揮発性記憶部43に、調光値記憶部40bはワークメモリ部44に設けることができる(図1参照)。
【0015】
光源駆動端子部4aは、詳細には、1個又は複数個設けられた光源駆動端子部のうちの1個である。図1においては、光源駆動端子部は4個設けられており、そのうちの1個の光源駆動端子部4aが光源2への接続に用いられている。他の光源駆動端子部は、光源2と同様にして他の光源への接続に用いることができる。光源駆動端子部4aには、電気配線を介して光源2が接続される(図1参照)。詳細には、光源駆動端子部4aは2個の端子4aa、4abから構成され、端子4aa、4abはそれぞれ、光源2のアノード側端子2a、カソード側端子2b(図2参照)に接続される。後述するパルス電流Pは、光源駆動部45による駆動により、端子4aaから、光源2、端子4abに流れ、光源2は調光された状態で給電されることになる。
【0016】
トリガー信号入力端子部4bには、光源2に対し後述するパルス電流Pを流すトリガーとなるトリガー信号Stが入力される。トリガー信号Stは、一般に、検査ラインのコントロール部から入力される。入力されたトリガー信号Stは、トリガー信号インターフェイス部46を介してCPU41によって検知される。
【0017】
ネットワーク用端子部4cには、ハブ装置3に接続される前述したネットワークケーブル4Aが接続される。前述したように不揮発性記憶部43の調光設定値記憶部40aの調光設定値とワークメモリ部44の調光値記憶部40bの調光値はそれぞれ、外部から書き換え可能である。書き換えは、ネットワーク用端子部4cとネットワークインターフェイス部47を通して行われる。詳細には、ネットワークインターフェイス部47は、CPU41、不揮発性記憶部43、ワークメモリ部44と内部バスを介して接続されており、調光設定値記憶部40aの調光設定値とワークメモリ部44の調光値記憶部40bの調光値の書き換えは内部バスを介して行われる。
【0018】
また、電源入力端子部4dには通常のAC電源(図1では符号ACで示す)が接続され、電力が電源入力端子部4dと電源部48を通って各部に供給される(図示は省略)。
【0019】
調光装置4は、検査期間において、トリガー信号Stが入力されると、それを検知し、調光値記憶部40bに記憶されている調光値に応じて、図3に例示するように、光源2にパルス電流Pを繰り返し流すことにより調光する。図3において例示するパルス電流Pは、PWM電流である。パルス電流Pの繰り返しの周期Tpに対するパルス幅Thの割合が調光の階調となる。特に限定されるものではないが、例えば、トリガー信号Stの間隔Ttは約20ms、パルス電流Pの繰り返しの周期Tpは約8μs、パルス電流Pが流れる期間(つまり、光源2の光の照射が継続する期間)Tcは最大約20ms、が可能である。また、図3においては、トリガー信号Stの3個ごとに光源2にパルス電流Pが流されるものを示しているが、トリガー信号Stの1個ごと、2個ごと、又は4個以上ごとなどが適宜可能である。なお、図3においては、パルス電流Pの周期Tp(及びパルス幅Th)は、理解し易いように、拡大して示している。
【0020】
調光値は、周期Tp、パルス幅Th、期間Tcなどの値である。調光値は、これらのうち特にパルス幅Thの値を調整することにより、物品Mにおける照度を補正するために光源2の輝度を補正することが可能である。
【0021】
次に、調光設定装置5を説明する。調光設定装置5は、前述したようにハブ装置3の第2のポート32に接続され、ハブ装置3を介して調光装置4の調光設定記憶部40aに記憶される調光設定値を少なくとも設定する。調光設定装置5は、調光設定装置本体51、表示装置52、入力装置53を有する構成とすることができる。
【0022】
調光設定装置本体51は、詳細には、以下のような構成にすることができる。すなわち、調光設定装置本体51は、例えば、表示装置用端子部51aと入力装置用端子部51bとネットワーク用端子部51cと電源入力端子部51dとを有するようにできる(図1参照)。また、調光設定装置本体51は、例えば、CPU511、プログラム部512、ワークメモリ部513、表示装置インターフェイス部514、入力装置インターフェイス部515、ネットワークインターフェイス部516、電源部517を有するようにできる(図1参照)。調光設定装置本体51では、CPU511によって、プログラム部512に記憶されたプログラムに従って各部が制御される。調光設定装置本体51は、ハードウェアとしては通常のパソコン本体を用いることができる。
【0023】
調光設定装置本体51の表示装置用端子部51aには、表示装置52が接続される。調光設定装置本体51は、表示装置インターフェイス部514及び表示装置用端子部51aを通して表示装置52に調光設定値の設定画面などを表示する。表示装置52は、通常のLCD等のディスプレイ装置を用いることができる。
【0024】
調光設定装置本体51の入力装置用端子部51bには、入力装置53が接続される。調光設定装置本体51には、操作者により入力装置53に入力される調光設定値などが、入力装置用端子部51b及び入力装置インターフェイス部515を通って入力される。入力装置53は、通常のキーボード、ポインティングデバイスなどの装置を用いることができる。
【0025】
調光設定装置本体51のネットワーク用端子部51cには、ハブ装置3の第2のポート32に接続される前述したネットワークケーブル5Aが接続される。調光設定装置本体51は、ネットワークインターフェイス部516、ネットワーク用端子部51c、ネットワークケーブル5A、ハブ装置3、ネットワークケーブル4Aを介して調光装置4の調光設定値記憶部40aの調光設定値を設定することができる。
【0026】
また、調光設定装置本体51の電源入力端子部51dには通常のAC電源(図1では符号ACで示す)が接続され、電力が電源入力端子部51dと電源部517を通って各部に供給される(図示は省略)。
【0027】
次に、調光調整装置6を説明する。調光調整装置6は、前述したようにハブ装置3の第3のポート33に接続され、検査開始準備期間に調光装置4の調光設定値を読み出して調光調整値記憶部60aに調光調整値として記憶し、検査期間に、光源2からの光の一部を入力して照度を計測し、その照度に応じて調光調整値記憶部60aの調光調整値を書き換え、書き換えた調光調整値を調光値として調光装置4の調光値記憶部40bにハブ装置3を介して書き込む。それにより、調光装置4により調光される光源2の輝度を補正して物品Mにおける照度を補正することができる。
【0028】
ここで、一般に照度センサが直接に検出する値は照度の他に温度によっても変わるため、計測する照度は、温度補正した照度であるのが好ましい。また、照度に応じて調光調整値を書き換えるためには、通常は、照度を照度基準値と比較しその結果により調光調整値を書き換える。照度基準値は、検査開始準備期間に調光値記憶部40bに調光値として記憶された調光設定値に応じて調光された光源2の光による照度の値とすることができる。
【0029】
調光調整装置6は、調光調整装置本体61、センサ制御体62、照度センサ63、温度センサ64を有する構成とすることができる。
【0030】
調光調整装置本体61は、詳細には、以下のような構成にすることができる。すなわち、調光調整装置本体61は、例えば、センサ用端子部61aとネットワーク用端子部61bと電源入力端子部61cとを有するようにできる(図1参照)。調光調整装置本体61は、例えば、CPU611、プログラム部612、ワークメモリ部613、センサインターフェイス部614、ネットワークインターフェイス部615、電源部616を有するようにできる(図1参照)。調光調整装置本体61では、CPU611によって、プログラム部612に記憶されたプログラムに従って各部が制御される。前述した調光調整値記憶部60aはワークメモリ部613に設けることができる(図1参照)。
【0031】
調光調整装置本体61のセンサ用端子部61aには、シリアルバス等のバス61Aを介してセンサ制御体62が接続される。調光調整装置本体61は、センサインターフェイス部614及びセンサ用端子部61aを通してセンサ制御体62と通信する。
【0032】
調光調整装置本体61のネットワーク用端子部61bには、ハブ装置3の第3のポート33に接続される前述したネットワークケーブル6Aが接続される。調光調整装置本体61は、ネットワークインターフェイス部615、ネットワーク用端子部61b、ネットワークケーブル6A、ハブ装置3、ネットワークケーブル4Aを介して調光装置4の調光設定値記憶部40aの調光設定値を読み出したり、調光装置4の調光値記憶部40bに調光調整値記憶部60aの調光調整値を調光値として書き込んだりすることができる。
【0033】
調光調整装置本体61は、検査開始準備期間に、調光装置4の調光設定値記憶部40aの調光設定値を読み出して調光調整値として調光調整値記憶部60aに記憶する。
【0034】
また、調光調整装置本体61は、検査開始準備期間に、調光装置4の調光値記憶部40bに調光値として記憶された調光設定値に応じて調光された光源2の光による照度の値(より詳細には温度補正した照度の値)を後述するようにセンサ制御体62から受信しそれに対応する照度基準値を照度基準値記憶部60bに記憶する。これは、検査開始準備期間では、照度の低下前のものが得られるからである。
【0035】
また、調光調整装置本体61は、検査期間に定期的(特に限定されるものではないが、例えば1秒おき)に、センサ制御体62から照度の値(より詳細には温度補正した照度の値)を受信し、それを照度基準値と比較しその結果により調光調整値記憶部60aの調光調整値を書き換える。この調光調整値の書き換えは、例えば、書き換え前の値に1を加えたり又は1を引いたり又は何も変えずにして行うことができる。そして、調光調整装置本体61は、書き換えた調光調整値を調光値として調光装置4の調光値記憶部40bにハブ装置3を介して書き込む。
【0036】
調光調整装置本体61の電源入力端子部61cには通常のAC電源(図1では符号ACで示す)が接続され、電力が電源入力端子部61cと電源部616を通って各部に供給される(図示は省略)。なお、電源部616が出力する電力は、センサ制御体62にも供給される(図示は省略)。そのようなことから、電源入力端子部61cと電源部616は、調光調整装置本体61のCPU611等を収容する筐体と別体のものとすることも可能である。
【0037】
センサ制御体62は、詳細には、以下のような構成にすることができる。すなわち、センサ制御体62は、例えば、調光調整装置本体用端子部62aと照度センサ用端子部62bと温度センサ用端子部62cとを有するようにできる(図1及び図4参照)。また、センサ制御体62は、例えば、図4に示すように、CPU621、プログラム部622、ワークメモリ部623、調光調整装置本体ンターフェイス部624、照度センサインターフェイス部625、温度センサインターフェイス部626を有するようにできる(図4参照)。センサ制御体62では、CPU621によって、プログラム部622に記憶されたプログラムに従って各部が制御される。
【0038】
センサ制御体62の調光調整装置本体用端子部62aには、前述したバス61Aが接続される。センサ制御体62は、調光調整装置本体ンターフェイス部624及び調光調整装置本体用端子部62aを通して調光調整装置本体61と通信する。
【0039】
センサ制御体62の照度センサ用端子部62bには、照度センサ63が接続される。照度センサ63は、光源2からの光の一部を入力して照度を検出する。また、温度センサ用端子部62cには温度センサ64が接続される。センサ制御体62は、照度センサインターフェイス部625及び照度センサ用端子部62bを通して照度センサ63が検出した照度の値を得、温度センサインターフェイス部626及び温度センサ用端子部62cを通して温度センサ64が検出した検出した温度の値を得ることができる。
【0040】
センサ制御体62は、照度センサ63が検出した照度の値及び温度センサ64が検出した検出した温度の値の平均化などを行い、また、照度センサ63が検出した照度の値を温度センサ64が検出した検出した温度の値により補正し、温度補正した照度を求める。温度補正した照度のデータは、調光調整装置本体61に送られる。
【0041】
センサ制御体62と照度センサ63と温度センサ64は、それらを物品Mの近傍に配置することで、物品における照度とほぼ変わらない照度を求めることが可能である。なお、照度センサ63と温度センサ64のみを物品Mの近傍に配置することも可能である。
【0042】
図5に、検査期間における経過時間(分)に対する照度の変化の実験結果を示す。図5の縦軸は、経過時間が0分近傍の最大値を基準とした照度の相対値である。図5の曲線aは、検査用調光システム1を用いたものであり、曲線bは、曲線aとの比較のために、検査用調光システム1の調光調整装置6による照度の補正を省いたものである。曲線aでは、1秒おきに調光調整値記憶部60aの調光調整値を書き換えて調光値として調光装置4の調光値記憶部40bに書き込んでいる。曲線bでは、時間の経過とともに照度は低下して行くが、曲線aでは照度を補正して所要範囲に保持できるようになっていることが分かる。なお、曲線aにおいて、経過時間が約1分以内では調光調整装置6による照度の補正が機能していないが、これは実験システム上の問題で約40秒経過するまで調光調整装置6が立ち上がらなかったためである。
【0043】
以上説明した構成により、検査用調光システム1は、検査期間において検査対象である物品における照度を補正できる。また、検査用調光システム1は、調光装置4と調光設定装置5を有する既存のシステムに汎用のハブ装置3を介して調光調整装置6を接続することで構成することができるので、簡便であり汎用性の高いものとなる。
【0044】
以上、本発明の実施形態に係る検査用調光システムについて説明したが、本発明は、実施形態に記載したものに限られることなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内でのさまざまな設計変更が可能である。例えば、光源2が複数個の場合、調光調整装置6(及び/又は調光設定装置5など)を複数個設けて1個のハブ装置3に接続するようにすることも可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 検査用調光システム
2 光源
2a 光源のアノード側端子
2b 光源のカソード側端子
20 発光素子
21 抵抗
3 ハブ装置
31 第1のポート
32 第2のポート
33 第3のポート
4 調光装置
4a 光源駆動端子部
4aa、4ab 光源駆動端子部の端子
4b トリガー信号入力端子部
4c ネットワーク用端子部
4d 電源入力端子部
40a 調光設定値記憶部
40b 調光値記憶部
41 調光装置のCPU
42 調光装置のプログラム部
43 調光装置の不揮発性記憶部
44 調光装置のワークメモリ部
45 調光装置の光源駆動部
46 トリガー信号インターフェイス部
47 ネットワークインターフェイス部
48 電源部
4A 調光装置用のネットワークケーブル
5 調光設定装置
51 調光設定装置本体
51a 表示装置用端子部
51b 入力装置用端子部
51c ネットワーク用端子部
51d 電源入力端子部
511 調光設定装置本体のCPU
512 調光設定装置本体のプログラム部
513 調光設定装置本体のワークメモリ部
514 調光設定装置本体の表示装置インターフェイス部
515 調光設定装置本体の入力装置インターフェイス部
516 調光設定装置本体のネットワークインターフェイス部
517 調光設定装置本体の電源部
52 表示装置
53 入力装置
5A 調光設定装置用のネットワークケーブル
6 調光調整装置
60a 調光調整値記憶部
60b 照度基準値記憶部
61 調光調整装置本体
61a センサ用端子部
61b ネットワーク用端子部
61c 電源入力端子部
611 調光調整装置本体のCPU
612 調光調整装置本体のプログラム部
613 調光調整装置本体のワークメモリ部
614 調光調整装置本体のセンサインターフェイス部
615 調光調整装置本体のネットワークインターフェイス部
616 調光調整装置本体の電源部
61A シリアルバス等のバス
62 センサ制御体
62a 調光調整装置本体用端子部
62b 照度センサ用端子部
62c 温度センサ用端子部
62d 電源入力端子部
621 センサ制御体のCPU
622 センサ制御体のプログラム部
623 センサ制御体のワークメモリ部
624 センサ制御体の調光調整装置本体ンターフェイス部
625 センサ制御体の照度センサインターフェイス部
626 センサ制御体の温度センサインターフェイス部
63 照度センサ
64 温度センサ
6A 調光調整装置用のネットワークケーブル
AC AC電源
C カメラ
M 物品
P パルス電流
St トリガー信号
Tc パルス電流が流れる期間
Th パルス電流のパルス幅
Tp パルス電流の繰り返しの周期
Tt トリガー信号の間隔
図1
図2
図3
図4
図5