(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】配送荷物保管装置
(51)【国際特許分類】
A47G 29/12 20060101AFI20220725BHJP
E05B 73/00 20060101ALI20220725BHJP
E05B 47/00 20060101ALN20220725BHJP
【FI】
A47G29/12 Z
E05B73/00 A
E05B47/00 G
(21)【出願番号】P 2018025470
(22)【出願日】2018-01-30
【審査請求日】2020-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】517302192
【氏名又は名称】Yper株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205224
【氏名又は名称】杉尾 雄一
(72)【発明者】
【氏名】内山 智晴
(72)【発明者】
【氏名】島添 彰
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-288065(JP,A)
【文献】登録実用新案第3139026(JP,U)
【文献】登録実用新案第3061582(JP,U)
【文献】実開平05-084222(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 29/00-29/30
E05B 73/00
E05B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部と収納部
とを備えた配送荷物収納体と、前記配送荷物収納体
と固定された物体
の一部とを接続する接続体とを備えた配送荷物保管装置であって、
前記配送荷物収納体は、配送荷物を収納しない第1の形態と、
前記配送荷物を収納する第2の形態に変更することができ、
前記第1の形態より、
前記第2の形態が大きく、
前記接続体は、前記固定された物体の一部と前記配送荷物収納体との距離を伸縮可能とする伸縮部を備え、
前記接続体は、前記接続体の一方が前記固定された物体の一部に接続され、前記接続体の他方が前記配送荷物収納体に接続されるものであり、
前記配送荷物収納体が前記第1の形態の場合に前記伸縮部を短縮した状態として前記配送荷物収納体が前記固定された物体の一部に吊り下げられた状態とし、前記配送荷物収納体が前記第2の形態の場合に前記配送荷物収納体を地面に設置できる長さに前記伸縮部を伸長した状態として前記配送荷物収納体が地面に設置された状態とすることを可能とした配送荷物保管装置。
【請求項2】
前記第1の形態は配送荷物収納体を畳んだ状態であり、前記第2の形態は配送荷物収納体を広げた状態であることを特徴とする請求項1に記載された配送荷物保管装置。
【請求項3】
前記接続体は、
本体部と、前記配送荷物収納体と接続する第1の接続部と、前記固定された物体の一部と接続する第2の接続部とを備え、前記第2の接続部に前記伸縮部を備え、前記第2の接続部を伸長した状態とした場合でも、前記本体部と前記配送荷物収納体とが近接することを特徴とする請求項1又は2に記載された配送荷物保管装置。
【請求項4】
前記接続体は、
前記第1の接続部を施錠する施錠部を備える請求項3に記載された配送荷物保管装置。
【請求項5】
請求項1乃至4に記載された配送荷物保管装置を使用する方法であって、
配送荷物の荷受人が、前記配送荷物収納体を前記第1の形態で、かつ、前記接続体を短縮した状態で、前記接続体を前記固定された物体の一部に吊り下げて接続する第1のステップと、
配送荷物の配送人が、前記配送荷物収納体を地面に設置できる長さに前記伸縮部を伸長すること及び前記配送荷物収納体を前記第2の形態に変更することをした上で、配送荷物を前記配送荷物収納体の収納部に収納する第2のステップと、
配送荷物の荷受人が、前記配送荷物収納体に収納された配送荷物を取り出す第3のステップとを備える配送荷物保管装置を使用する方法。
【請求項6】
請求項1乃至4に記載された配送荷物保管装置を使用する方法であって、
配送荷物の荷送人が、前記配送荷物収納体が前記第2の形態で配送荷物を前記収納部に収納した上で、前記配送荷物収納体を地面に設置できる長さに前記伸縮部を伸長した状態で前記接続体を前記固定された物体の一部に吊り下げて接続する第1のステップと、
配送荷物の配送人が、前記配送荷物収納体に収納された配送荷物を取り出した上で、前記配送荷物収納体を前記第1の形態に変更すること及び前記伸縮部を短縮することを行う第2のステップとを備える配送荷物保管装置を使用する方法。
【請求項7】
一方を、配送荷物を収納しない第1の形態と前記配送荷物を収納する第2の形態とに変更することができ、かつ、前記第1の形態より前記第2の形態が大きい配送荷物収納体と接続し、他方を、固定された物体の一部と接続する、接続体であって、
前記接続体は、前記固定された物体の一部と前記配送荷物収納体との距離を伸縮可能とする伸縮部を備え、
前記配送荷物収納体が前記第1の形態の場合に、前記伸縮部を短縮して、前記配送荷物収納体が前記固定された物体の一部に吊り下げられた状態とし、
前記配送荷物収納体が前記第2の形態の場合に、前記伸縮部を伸長して、前記配送荷物収納体が地面に設置された状態とする接続体。
【請求項8】
前記接続体は、本体部と、前記配送荷物収納体と接続する第1の接続部と、前記固定された物体の一部と接続する第2の接続部とを備え、
前記第2の接続部に前記伸縮部を備え、
前記第2の接続部を伸長した状態とした場合でも、前記本体部と前記配送荷物収納体とが近接する請求項7に記載された接続体。
【請求項9】
前記第1の接続部を施錠する施錠部を備える請求項8に記載された接続体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、インターネットのオンラインショッピングにより購入した商品の宅配荷物の受取りに用いられる収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネットなどによるオンラインショッピングにより購入した商品の荷物の宅配が増加する一方で、独身者や共働き世帯の増加により、購入者が荷物の配送時に不在となっている。これにより、配送業者にとっては、再配達のコストが問題となる。また、ユーザー(荷受人、購入者)にとっては、荷物をなかなか受取ることができない、という問題が生じる。配送業者、ユーザーの双方にとって、荷物の受け渡しを円滑に行うことが、重要な課題となっている。
【0003】
かかる課題を解決するため、不在時の荷物の受取りを可能にするために、荷物の受取りに用いられる配送荷物保管装置が、自宅のドアのノブに設置される等の形で利用されている。例えば、特許文献1に記載された配送荷物保管装置1は、配送荷物の収納体である収納袋2と係留手段である係留体3とからなり、該収納袋2の開口部の両周縁部に閉蓋部材2a、2bをそれぞれ設け、一方の閉蓋部材2aの両端部に短い円筒状の係合筒体4aを固着すると共に他方の閉蓋部材2bの両端部より内方位置に短い円筒状の係合筒体4bを固着し、前記開口部を閉じたとき両閉蓋部材2a、2bが当接して左右の隣り合う係合筒体4a、4b及び4a、4bの孔4cが一直線状となり、これら係合筒体4a、4bに係留体3の第1係止手段の係止横杆5を挿通すると共に第2係止手段6の湾曲部6aにおいてドアのノブに係止して施錠する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された配送荷物保管装置は、収納体の容量が小さいことから、収納できる配送荷物の大きさが大きく制限されることや、配送荷物が収納されていない状態でも収納体の大きさが目立ち、見栄えが良くなかった。また、特許文献1に記載された配送荷物保管装置は、住人と配送業者との間で事前に鍵を持ち合う必要があった。
【0006】
このように従来の配送荷物保管装置は、使用者にとって利用性が良くなかった。そこで、本発明は、使用者にとって利用性が高い配送荷物保管装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる課題を解決すべく、第1の発明は、開口部と収納部とを備えた配送荷物収納体と、前記配送荷物収納体と固定された物体の一部とを接続する接続体とを備えた配送荷物保管装置であって、前記配送荷物収納体は、配送荷物を収納しない第1の形態と、前記配送荷物を収納する第2の形態に変更することができ、前記第1の形態より、前記第2の形態が大きく、前記接続体は、前記固定された物体の一部と前記配送荷物収納体との距離を伸縮可能とする伸縮部を備え、前記接続体は、前記接続体の一方が前記固定された物体の一部に接続され、前記接続体の他方が前記配送荷物収納体に接続されるものであり、前記配送荷物収納体が前記第1の形態の場合に前記伸縮部を短縮した状態として前記配送荷物収納体が前記固定された物体の一部に吊り下げられた状態とし、前記配送荷物収納体が前記第2の形態の場合に前記配送荷物収納体を地面に設置できる長さに前記伸縮部を伸長した状態として前記配送荷物収納体が地面に設置された状態とすることを可能とした配送荷物保管装置である。
【0008】
かかる課題を解決すべく、第2の発明は、上記配送荷物保管装置を使用する方法であって、配送荷物の荷受人が、前記配送荷物収納体を前記第1の形態で、かつ、前記接続体を短縮した状態で、前記接続体を前記固定された物体の一部に吊り下げて接続する第1のステップと、配送荷物の配送人が、前記配送荷物収納体を地面に設置できる長さに前記伸縮部を伸長すること及び前記配送荷物収納体を前記第2の形態に変更することをした上で、配送荷物を前記配送荷物収納体の収納部に収納する第2のステップと、配送荷物の荷受人が、前記配送荷物収納体に収納された配送荷物を取り出す第3のステップとを備える配送荷物保管装置を使用する方法である。
【0009】
かかる課題を解決すべく、第3の発明は、上記配送荷物保管装置を使用する方法であって、配送荷物の荷送人が、前記配送荷物収納体が前記第2の形態で配送荷物を前記収納部に収納した上で、前記配送荷物収納体を地面に設置できる長さに前記伸縮部を伸長した状態で前記接続体を前記固定された物体の一部に吊り下げて接続する第1のステップと、配送荷物の配送人が、前記配送荷物収納体に収納された配送荷物を取り出した上で、前記配送荷物収納体を前記第1の形態に変更すること及び前記伸縮部を短縮することを行う第2のステップとを備える配送荷物保管装置を使用する方法である。
【0010】
かかる課題を解決すべく、第4の発明は、一方を、配送荷物を収納しない第1の形態と前記配送荷物を収納する第2の形態とに変更することができ、かつ、前記第1の形態より前記第2の形態が大きい配送荷物収納体と接続し、他方を、固定された物体の一部と接続する、接続体であって、前記接続体は、前記固定された物体の一部と前記配送荷物収納体との距離を伸縮可能とする伸縮部を備え、前記配送荷物収納体が前記第1の形態の場合に、前記伸縮部を短縮して、前記配送荷物収納体が前記固定された物体の一部に吊り下げられた状態とし、前記配送荷物収納体が前記第2の形態の場合に、前記伸縮部を伸長して、前記配送荷物収納体が地面に設置された状態とする接続体である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の配送荷物保管装置は、配送荷物を収納している状態と配送荷物を収納していない状態において形態を変更できることから、配送荷物を収納しない場合には、コンパクトな大きさで見栄えが良く、配送荷物を収納する場合は、大きな配送荷物も収納することが可能となり、利用性がよい。
【0018】
また、接続体が伸縮部を備えることから、配送荷物を収納しない状態では、配送荷物保管装置をドア等に接続した状態でも目立たず、配送荷物を収納した状態では、配送荷物収納体を地面に置くことができる点で、重い配送荷物も受け取ることができ、利用性がよい。
【0019】
本発明の配送荷物保管装置の使用方法では、必ずしも、事前に、荷受人と配送業者との間で鍵を持ち合う必要もないため、利用性がよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】配送荷物収納体の第1の形態を示す図面である。
【
図2】配送荷物収納体の第2の形態を示す図面である。
【
図5】配送荷物を収納していない配送荷物保管装置の使用状態を示す図面である。
【
図6】配送荷物を収納した配送荷物保管装置の使用状態を示す図面である。
【
図7】荷受人が、配送荷物保管装置を用いて、配送荷物を受け取る際の方法を示すフローチャートの図面である。
【
図8】荷受人が、配送荷物保管装置を用いて、配送荷物を発送する際の方法を示すフローチャートの図面である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1及び
図2は、本実施形態に係る配送荷物保管装置に用いる配送荷物収納体1の一例を示す図面である。
図1は、配送荷物収納体1の第1の形態の一例を示す図であり、第1の形態は、配送荷物収納体1に配送荷物を収納しない状態で用いることを想定した形態である。
図2は、配送荷物収納体1の第2の形態の一例を示す図であり、第2の形態は、配送荷物収納体1に配送荷物を収納した状態で用いることを想定した形態である。
【0022】
配送荷物収納体1は、折り畳むことが可能である。配送荷物収納体1を折り畳んだ状態にすることにより、配送荷物を収納しない場合に、配送荷物収納体1をコンパクトな大きさにすることができ、自宅の前に設置した際に、目立たないことから、見栄え良く、使用することができる。
【0023】
配送荷物収納体1は、配送荷物を収納するための開口部11、配送荷物を収納するための収納部12、接続体3と接続するための接続部13、配送荷物収納体1を折り畳んだ状態に保持するための固定部14、荷受人が配送荷物収納体1を持ち運ぶ際に保持するための保持部15を備える。
【0024】
また、配送荷物収納体1は、荷物を収納した場合、荷物の盗難等を防止する目的で、開口部11を施錠可能とするために、図示されていない、施錠体2を取り付けるための施錠体取付部を備える。本実施形態において、施錠体取付部は、開口部11に備えられた両開きのファスナーの2つのスライダーのそれぞれに備わったホールであり、当該ホールのそれぞれに、施錠体2の掛金部21を通し、施錠体2を施錠することにより、開口部11を施錠することができる。接続部13は、接続体3の第1の接続部13を通すためのホールを備える。
【0025】
図3は、配送荷物収納体1の開口部11を施錠するための施錠体2の一例を示す図面である。本実施形態において、施錠体2は、いわゆる南京錠であり、掛金部21と本体部22とを備え、掛金部21の一方が本体22と離れてスライドしたり回転したりする。南京錠には、正しい鍵を用いて施錠及び開錠するタイプの鍵型と、正しい数字や文字等を組み合わせた場合に開錠するタイプのダイヤル錠型のものがあるが、本実施例では、鍵型を用いて説明する。施錠体2を、開錠する場合、正しい鍵又は正しい数字や文字等が必要となるが、施錠する場合は、鍵等が必要とならないタイプを用いれば、配送業者が配送荷物を配送荷物収納体1に収納した後、鍵等がなくても施錠体2を施錠することができ、荷受人と配送業者の間で鍵を持ち合わなくてもよい。
【0026】
図4は、配送荷物収納体1と物体を接続するための接続体3の一例を示す図である。接続体3は、配送荷物収納体1と接続体3を接続するための第1の接続部31と、固定された物体と接続体3を接続するための第2の接続部32と、第1の接続部31を施錠するための施錠部33とを備える。
【0027】
第2の接続部32は、配送荷物が配送荷物保管装置4と共に盗難されることを防止するために、接続体3を固定された物体と接続する。固定された物体は、例えば、住宅のドアの取っ手、住宅のドアのノブ、住宅のドアの蝶番、住宅のポストの支柱等が考えられるが、これらに限定されない。
【0028】
第1の接続部31は、金属製のワイヤーであり、ワイヤーを配送荷物収納体1の接続部13のホールに通し、施錠部33を施錠することにより、荷受人以外の者が配送荷物収納体1を接続体3から取り外せないようにし、配送荷物収納体1の盗難を防止することができる。本実施形態においては、接続体3を簡易に、配送荷物収納体1に固定可能とするために、施錠部33により施錠する構造としたが、荷受人以外の者が配送荷物収納体1を接続体3から取り外せない構造であれば、いかなる構造としてもよい。例えば、第1の接続部31に、第2の接続部32が備えるホール部35と同様のホール部を設け、配送荷物収納体1の接続部13のホールに、当該ホール部を通し、当該ホール部に本体部36を通すことによって、接続体3と第1の接続部31を接続してもよい。この場合、施錠部33は不要となる。
【0029】
第2の接続部32は、金属製のワイヤーであり、固定された物体と配送荷物収納体1との距離を伸縮可能とするために、長さを伸縮可能な伸縮部34を備える。配送荷物収納体1に配送荷物を収納していない場合、伸縮部34を短縮した状態にすることにより、配送荷物保管装置4をコンパクトな大きさにすることができ、自宅の前に設置した際に、目立たないことから、見栄え良く、使用することができる。配送荷物収納体1に配送荷物を収納していない場合、伸縮部34を伸長した状態にすることにより、配送荷物収納体1を地面に置くことができ、重い配送荷物を収納する場合に、配送荷物収納体1や住宅のドアの取っ手等を変形等させないで使用することができる。伸縮部34は、少なくとも、第2の接続部32を住宅のドアの取っ手に固定した場合に、配送荷物収納体1を地面に置ける長さ、つまり、少なくとも、一般的な住宅のドアと地面の距離の長さに伸長できる。伸縮部34は、いかなる構造によって伸縮をしてもよい。例えば、ワイヤーを巻き尺(メジャー)に用いられているぜんまいバネを用いて巻き取る構造としてもよい。また、例えば、ゴム等の伸縮性のある材料を用いて伸縮させてもよいが、外力により破断しない材料である必要がある。
【0030】
第2の接続部32は、配送荷物収納体1の盗難を防止し得る構造であれば、いかなる構造によって、固定された物体と接続することとしてもよい。本実施形態では、ドアの取っ手に、第2の接続部32が備えるホール部35を通し、ホール部35に本体部36を通すことによって、接続体3とドアの取っ手を接続するものであるが、鍵等を用いて接続体3とドアの取っ手を接続してもよい。
【0031】
本実施形態においては、第2の接続部32に、伸縮部34を設け、第2の接続部32を伸縮可能としたが、伸縮部34は、接続体3の一部又は接続体3と配送荷物収納体1若しくは固定された物体との間に介在する部材が伸縮することとしてもよい。接続体3の一部が伸縮する場合として、例えば、第1の接続部31を、ワイヤーを巻き尺(メジャー)に用いられているぜんまいバネを用いて巻き取る構造として、伸縮させることとしてもよい。ただし、第1の接続部31を伸縮させるよりも、第2の接続部32を伸縮させた方が、伸長させた場合に、接続体3が配送荷物収納体1側に近接し、固定された物体の回りの見栄えが良くなり、利用性に優れる。接続体3と配送荷物収納体1との間に介在する部材が伸縮する場合として、例えば、第1の接続部31と配送荷物収納体1との間に伸縮性があり、かつ、外力により破断しない部材を介在させてもよい。
【0032】
図5は、配送荷物を収納していない配送荷物保管装置4の使用状態を示す図面である。接続体3の第1の接続部31を配送荷物収納体1の接続部13のホールに通し、施錠部33で施錠することにより、配送荷物収納体1の盗難を防止する。また、ドアの取っ手のホール5に、接続体3の第2の接続部32が供えるホール部35を通し、ホール部35に本体部36を通すことによって、接続体3とドアの取っ手5を接続し、配送荷物保管装置4の盗難を防止する。配送荷物収納体1は、折り畳まれた状態であり、接続体3の伸縮部34は短縮した状態であることから、配送荷物保管装置4はコンパクトな大きさであり、配送荷物保管装置4をドアに接続した状態でも目立たず、利用性がよい。
【0033】
図5において、施錠体2は、配送荷物収納体1のファスナーのスライダーに、施錠されずに、取り付けられているが、配送荷物収納体1の内部又は配送荷物収納体1と近接した位置に、開錠された状態で設置されていれば、いかなる態様で、設置されていてもよい。
【0034】
図6は、配送荷物を収納した配送荷物保管装置4の使用状態を示す図面である。配送荷物収納体1の収納部12には、荷物が収納されている。配送荷物収納体1の開口部11に備えられた両開きのファスナーの2つのスライダーのそれぞれのホールには、施錠体2の掛金部21が通された状態で、施錠体2が施錠されていることから、配送荷物を配送荷物収納体1から取り出すことができないため、配送荷物の盗難を防止することができる。
【0035】
配送荷物収納体1は地面に設置されており、接続体3の伸縮部34は、配送荷物収納体1を地面に置くことができる長さに伸長されている。
【0036】
図7は、荷受人が、配送荷物保管装置4を用いて、配送荷物を受け取る際の方法を示すフローチャートである。
【0037】
S11において、荷受人は、配送荷物収納体1を折り畳んだ状態、施錠体2を開錠した状態及び接続体3の伸縮部34を短縮した状態で、配送荷物保管装置4を、ドアの取っ手に接続し備え付ける。荷受人は、配送荷物保管装置4を備え付けた状態で、外出等することができる。S11が完了すると、
図5の状態となる。
【0038】
S12、S13において、荷受人が、配送荷物保管装置4を、上記の状態で備え付けることにより、配送荷物の配送業者は、伸縮部34を伸長した後、配送荷物収納体1を広げて収納部12に配送荷物を収納し、配送荷物収納体1を地面に置き、施錠体2を施錠する。施錠体2を施錠する時に、正しい鍵や正しい数字や文字は必要とならないことから、荷受人は、配送業者と鍵を持ち合う必要や、数字や文字を共有する必要がない。
【0039】
配送荷物の配送業者が、伸縮部34を伸長するタイミングは、いずれのタイミングでもよく、上記のとおりS12をS13の先にしてもよいし、S13をS12の先にすることしてもよい。また、配送荷物収納体1を広げた後で、伸縮部34を伸長し、その後、収納部12に配送荷物を収納し、施錠体2を施錠させてもよい。また、配送荷物が軽量である場合は、必ずしも、伸縮部34を伸長させる必要はないことから、S12を省略することも可能である。
【0040】
配送荷物の配送業者は、配送荷物保管装置4の使用方法を理解していることが前提であることから、荷受人が、配送荷物保管装置4をドアの取っ手等に備え付けることにより、配送荷物の配送業者に、S12及びS13を実行させることが可能である。
【0041】
【0042】
S14において、荷受人は、施錠体2を開錠し、配送荷物を配送荷物収納体1から取り出す。
【0043】
本実施形態においては、住宅のドア等に、配送荷物保管装置4を設置することとし、住宅の住人を荷受人であることを前提に説明をしたが、小規模の事業所のドア等に、配送荷物保管装置4を設置し、従業者等を荷受人として、配送荷物保管装置4を利用してもよい。また、荷受人は、単数に限られず、住宅の住人の場合、家族のような集団を含み、事業所の場合、同一事業所で働く複数の従業員を含む。
【0044】
(変形実施例1)
本実施形態において、配送荷物収納体1は、折り畳み構造とすることにより、第1の形態と第2の形態の間で形態を変更できることとしたが、第2の形態より、第1の形態の容積を小さくできる構造であれば、いかなる構造でもよい。例えば、配送荷物収納体1の収納部12を伸縮性のある素材とし、第1の形態においては縮小した状態であり、収納荷物を収納した場合は、収納部12の大きさが収納荷物と同程度の大きさに伸長することとしてもよい。
【0045】
(変形実施例2)
本実施形態において、配送荷物収納体1と施錠体2とは、独立しているが、配送荷物収納体1と施錠体2とを一体としてもよい。すなわち、配送荷物収納体1の開口部11を施錠することができれば、施錠体2は、配送荷物収納体1の一部であってもよい、
【0046】
(変形実施例3)
本実施形態では、配送荷物収納体1と接続体3とを第1の接続部で接続し、施錠部33で施錠する構造としており、利用性の観点から、施錠部33を開錠すれば、配送荷物収納体1と接続体3とは、取り外し可能な構成としたが、配送荷物収納体1と接続体3とを一体の構成とし取り外し不可能としてもよい。
【0047】
(変形実施例4)
本実施形態では、施錠体2は、いわゆる南京錠であり、鍵又はダイアルにより開錠することとしていたが、電気で開閉操作を行う電子錠を用いることとしてもよい。電子錠にもさまざまなタイプがあるが、例えば、テンキーから、予め指定された開錠番号を入力する暗証番号型を用いることや、RFIDを用いて開錠するRFID型を用いることとしてもよい。電子錠を用いた場合、荷受人と配送業者の間で、鍵を容易に共有することができるため、鍵を共有する方法としても、利用性が失われない。電子錠を用いた場合、配送業者と容易に鍵を共有できることから、配送荷物保管装置4を、荷物の受取りだけでなく、荷物の発送に用いる場合にも、配送荷物の盗難を防止することができる。
【0048】
図8は、施錠体2に電子錠を用いた場合に、荷送人が配送荷物を発送するときのフローチャートを示す図面である。
【0049】
S21において、荷送人は、配送荷物収納体1を広げ、配送荷物を収納し、施錠体2を施錠する。また、接続体3の伸縮部34を伸長し、配送荷物収納体1を地面に設置する。この場合、
図6の状態となる。また、配送荷物が軽量である場合は、必ずしも、伸縮部34を伸長させる必要はない。
【0050】
S22において、配送業者は、施錠体2を開錠し、配送荷物を取出し、配送荷物収納体1を折り畳む。
【0051】
S23において、配送業者は、伸縮部34を短縮する。なお、S23は、S22の前に行ってもよく、S22の途中で行ってもよい。
【0052】
S22及びS23が完了すると、
図5の状態となる。なお、この場合、施錠体2は開錠された状態でも施錠された状態であってもいずれでもよい。
【0053】
(変形実施例5)
本実施形態において、荷受人が住宅のドアに配送荷物保管装置4を設置する使用方法を説明したが、マンション等の集合住宅の場合、マンションの管理者が、マンションの共有部に、配送荷物保管装置4を配置しておき、配送業者が、マンションに設置された宅配ロッカーが荷物で満室で使用できなかった場合等に、配置された配送荷物保管装置4を用いて、住宅のドア等に配送荷物保管装置4を設置し、配送荷物を住宅の前まで配送することとしてもよい。この場合、
図7のS11乃至S13を配送業者が行うこととなる。
【符号の説明】
【0054】
1 配送荷物収納体
11 開口部
12 収納部
13 接続部
14 固定部
15 保持部
2 施錠体
21 掛金部
22 本体部
3 接続体
31 第1の接続部
32 第2の接続部
33 施錠部
34 伸縮部
35 ホール部
36 本体部
4 配送荷物保管装置
5 ドアの取っ手のホール