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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】装身具
(51)【国際特許分類】
   A44C 23/00 20060101AFI20220725BHJP
   A44C 5/20 20060101ALI20220725BHJP
   A44C 5/18 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
A44C23/00
A44C5/20 D
A44C5/18 K
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018027301
(22)【出願日】2018-02-19
(65)【公開番号】P2019141258
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2021-01-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 東京ビッグサイトにて、平成29年8月23日~25日に開催したエンディング産業展2017 平成29年8月23日~25日に、エンディング産業展2017で頒布したエンディング産業展2017の展示に出品した物のパンフレット インテックス大阪にて、平成29年11月8日~10日に開催した関西エンディング産業展2017 平成29年11月8日~10日に、関西エンディング産業展2017で頒布した関西エンディング産業展2017の展示に出品した物のパンフレット
(73)【特許権者】
【識別番号】518058661
【氏名又は名称】株式会社九曜
(74)【代理人】
【識別番号】100110319
【弁理士】
【氏名又は名称】根本 恵司
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 浩司
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-007936(JP,U)
【文献】韓国公開特許第2003-0076290(KR,A)
【文献】米国特許第07104668(US,B1)
【文献】特開2019-107284(JP,A)
【文献】登録実用新案第3184812(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0013512(US,A1)
【文献】特開2001-078817(JP,A)
【文献】特開2001-178512(JP,A)
【文献】米国特許第7441917(US,B1)
【文献】米国特許第5058405(US,A)
【文献】特開2004-121532(JP,A)
【文献】米国特許第5158174(US,A)
【文献】登録実用新案第3014010(JP,U)
【文献】登録実用新案第3139477(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第104421253(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0079731(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44C 23/00
A44C 5/20
A44C 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の数珠玉と一対の連結部材からなる環状の装身具であって、
複数の数珠玉をワイヤーで繋ぎ、ワイヤーの両端に一対の連結部材を取り付けるとともに、
一対の連結部材は、球体である第一部材と、第一部材の内部に嵌め込む第二部材からなり、
一対の連結部材の第一部材と第二部材の少なくとも一方にマグネットを配置し、
一対の連結部材の第二部材に保存物を収納する収納部を有し、
マグネットの磁力により一対の連結部材の第一部材と第二部材を取り外し可能に連結するとともに、
収納部は、第二部材に形成された凹状部と、凹状部を密閉する蓋を有することを特徴とする装身具。
【請求項2】
請求項に記載された装身具において、
ワイヤーの一端を収納部の蓋に取り付けたことを特徴とする装身具。
【請求項3】
複数の数珠玉と一対の連結部材からなる環状の装身具であって、
複数の数珠玉をワイヤーで繋ぎ、ワイヤーの両端に一対の連結部材を取り付けるとともに、
一対の連結部材は、球体である第一部材と、第一部材の内部に嵌め込む第二部材からなり、
一対の連結部材の第一部材と第二部材の少なくとも一方にマグネットを配置し、
一対の連結部材の第二部材に保存物を収納する収納部を有し、
マグネットの磁力により一対の連結部材の第一部材と第二部材を取り外し可能に連結するとともに、
保存物が、遺骨又は遺品であることを特徴とする装身具。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載された装身具において、
一対の連結部材の第一部材と第二部材の一方から他方にチェーンを架設したことを特徴とする装身具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の装飾パーツを繋いで環状にし、その一部に収納部を有して保存物を収納可能にした装身具に関する。
【背景技術】
【0002】
両親、兄弟、配偶者などの最愛の人あるいはペットが亡くなったとき、残された人には、故人や亡きペットを偲びまた心を癒すため、故人や亡きペットの遺骨又は遺品を身近に永く保存しておきたいと思う気持ちが生じることがある。
この気持ちに応えるものとして、従来、故人や亡きペットの遺骨又は遺品などを収納してメモリアルアクセサリーとして使用する装身具が知られている。この装身具を身に着けることで、残された人は、故人や亡きペットを偲ぶことができ、また心を癒すこともできる。
【0003】
装身具の一例は、複数の数珠玉を伸縮性のある一本の中糸によって繋げて、その中糸の両端を一つの親珠に繋ぎ止めることにより環状にした念珠である。念珠は、中糸の両端を繋ぎ止めている親珠に、その内部に空洞部を設けて、ここに故人や亡きペットの遺骨又は遺品などを収納するとともに、空洞部の入口に栓を設けて、入口を塞ぐようにしている。これにより、念珠として使用しながら、遺骨又は遺品などを身近に保存しておくことができ、故人や亡きペットを偲ぶことができる(特許文献1参照)。
【0004】
従来の念珠では、手首に着けたり外したりできるようにするために、複数の数珠玉と親珠を繋げる中糸に伸縮性のあるゴム製の材料を使用する。これにより、中糸を引き伸ばして念珠を広げることで、手首の出し入れが可能となり、念珠を手首に着けたり外したりすることができる。
しかしながら、中糸は、伸び縮みが頻繁に行われることで、その強度が低下する。それにより、念珠を手首に着けたり外したりするために中糸を引き伸ばすと、中糸が切れてしまうことがある。その結果、念珠において、複数の数珠玉と親珠とがばらばらになり、親珠とともにその内部に収納した遺骨又は遺品などが紛失するという問題が起こることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3184812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来の装身具におけるこのような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、装身具において、故人や亡きペットの遺骨又は遺品などを保存物として収納可能にして、身近に永く保存できるようにするとともに、収納した保存物を紛失しないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数の数珠玉と一対の連結部材からなる環状の装身具であって、複数の数珠玉をワイヤーで繋ぎ、ワイヤーの両端に一対の連結部材を取り付けるとともに、一対の連結部材は、球体である第一部材と、第一部材の内部に嵌め込む第二部材からなり、一対の連結部材の第一部材と第二部材の少なくとも一方にマグネットを配置し、一対の連結部材の第二部材に保存物を収納する収納部を有し、マグネットの磁力により一対の連結部材の第一部材と第二部材を取り外し可能に連結するとともに、収納部は、第二部材に形成された凹状部と、凹状部を密閉する蓋を有する装身具である。
また、本発明は、複数の数珠玉と一対の連結部材からなる環状の装身具であって、複数の数珠玉をワイヤーで繋ぎ、ワイヤーの両端に一対の連結部材を取り付けるとともに、一対の連結部材は、球体である第一部材と、第一部材の内部に嵌め込む第二部材からなり、一対の連結部材の第一部材と第二部材の少なくとも一方にマグネットを配置し、一対の連結部材の第二部材に保存物を収納する収納部を有し、マグネットの磁力により一対の連結部材の第一部材と第二部材を取り外し可能に連結するとともに、保存物が、遺骨又は遺品である装身具である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、装身具において、一対の連結部材に有した収納部に保存物を収納可能にすることで、保存物を身近に永く保存することができる。
また、環状の装身具では、一対の連結部材においてマグネットによる連結を取り外すことで、装身具への手首の出し入れが可能となる。これにより、装身具を手首に着けたり外したりする際に、ワイヤーが引き伸ばされることがなくなり、ワイヤーが切れるのを防止できる。その結果、装身具において、ワイヤーが切れて複数の装飾パーツと一対の連結部材がばらばらになるのをなくして、一対の連結部材の収納部に収納した保存物を紛失しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の装身具の正面図である。
図2】一対の連結部材において連結を取り外したときの装身具の正面図である。
図3】一対の連結部材を示す図である。
図4図3のA-A断面図である。
図5】一対の連結部材において連結を取り外した状態の断面図である。
図6】第二部材において収納部の蓋を外した状態の断面図である。
図7】マグネットを第二部材に配置した場合の一対の連結部材を示す断面図である。
図8】マグネットを第一部材と第二部材の両方に配置した場合の一対の連結部材を示す断面図である。
図9】二つの収納部を有した場合の一対の連結部材を示す図である。
図10図9に示す一対の連結部材において二つの収納部の蓋を外した状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の装身具の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の装身具は、複数の装飾パーツを繋いで環状にし、その一部に収納部を有して、収納部に故人や亡きペットの遺骨又は遺品などを保存物として収納可能にする。これにより、遺骨又は遺品などを身近に保存することができる。
ここでは、装身具は、ブレスレットであるとして説明するが、必ずしもブレスレットに限らない。装身具は、例えば、身に着けて使用するネックレスあるいは念珠などの他のものでもよい。また、収納部に収納する保存物も、必ずしも遺骨や遺品に限らない。
【0011】
図1は、本実施形態の装身具であるブレスレット1の正面図である。図2は、一対の連結部材4において連結を取り外したときのブレスレット1の正面図である。
ブレスレット1は、図1及び図2に示すように、複数の装飾パーツ2をワイヤー3で繋ぐ。装飾パーツ2は、例えば球体の数珠玉で、中央に挿通孔を設ける。その素材は、ガラス、プラスチック、石、木、貝殻、真珠、金属(貴金属を含む)など多岐にわたる。なお、装飾パーツ2は、必ずしも数珠玉に限らず、形状も球体に限らない。また、複数の装飾パーツ2では、同じ素材、同じ形状のものを用いてもよいし、異なる素材、異なる形状のものを混ぜ合わせてもよい。
【0012】
ワイヤー3は、それぞれの装飾パーツ2の挿通孔に挿通して複数の装飾パーツ2を一列に繋いでいる。ワイヤー3は、例えば、一本の鋼線である。鋼線は、具体的には、ステンレスワイヤーであるが、必ずしもステンレスワイヤーに限らず、ピアノ線などの他のものでもよい。また、その本数も一本に限らず、複数本でもよい。
ワイヤー3の両端には、一対の連結部材4を取り付ける。一対の連結部材4を連結することで、ブレスレット1は、複数の装飾パーツ2と一対の連結部材4から環状になり、手首に着けて使用することができる。
【0013】
次に、ブレスレット1の一対の連結部材4について説明する。
図3は、一対の連結部材4を示す図である。図4は、図3のA-A断面図である。図5は、一対の連結部材4において連結を取り外した状態の断面図である。図6は、第二部材4bにおいて収納部6の蓋16を外した状態の断面図である。
一対の連結部材4は、その少なくとも一方にマグネット5を配置し、互いをマグネット5の磁力により取り外し可能に連結するとともに、少なくとも一方に遺骨又は遺品などを収納する収納部6を有する。一対の連結部材4は、例えば、図3図4及び図5に示すように、その一方を第一部材4aとし、他方を第二部材4bとする。第一部材4aには、マグネット5を配置し、第一部材4aと第二部材4bをマグネット5の磁力により取り外し可能に連結する。また、第二部材4bには、遺骨又は遺品などを収納する収納部6を有する。
【0014】
第一部材4aは、装飾パーツ2(数珠玉)と同じ大きさの球体あるいは僅かに大きな球体である。第一部材4aには、嵌合凹部11を形成し、嵌合凹部11は、球体の第一部材4aの表面から内部に向かって開口する断面が円形の有底の穴である。嵌合凹部11の底には、円板状のマグネット5を配置し、マグネット5は嵌合凹部11の底に固着される。また、第一部材4aにおいて、嵌合凹部11を形成した側の反対には、リング状のワイヤー取り付け部12を設け、ここにワイヤー3の一端が取り付く。なお、第一部材4aの形状は、必ずしも球体に限らず、円柱状や角柱状などの他の形状でもよい。
【0015】
第二部材4bは、第一部材4aに形成した嵌合凹部11の中に嵌め込み可能となる円柱状で、その先端側を平坦な面にする。ここでの先端側は、円柱状の第二部材4bにおける軸方向の一方の端で、第一部材4aの嵌合凹部11に嵌め込んだ際に嵌合凹部11の底と向かい合うようになる側である。図5において先端側をTで示す。
【0016】
第二部材4bには、図6に示すように、遺骨又は遺品などを収納する収納部6を有し、収納部6は、第二部材4bに形成された凹状部15と、凹状部15を密閉する蓋16を有する。凹状部15は、第二部材4bに形成した断面が円形の有底の穴である。また、収納部6において、蓋16に雄ネジ16aを設けるとともに、凹状部15に雌ネジ15aを設けて、これらが螺合することで、凹状部15を蓋16により密閉する。なお、凹状部15の密閉は、前記の雄ネジ16aと雌ネジ15aの螺合に限らず、接着剤などを用いて蓋16を凹状部15に固着して密閉してもよい。これにより、収納部6の凹状部15の中に故人や亡きペットの遺骨又は遺品などを入れてから、凹状部15を蓋16により密閉し、ここに遺骨又は遺品などを収納する。また、収納部6の蓋16には、リング状のワイヤー取り付け部17を設け、ここにワイヤー3の一端が取り付く。
【0017】
収納部6は、蓋16によって凹状部15を密閉することで、凹状部15の内部を外部から遮断する。それにより、収納部6に収納した遺骨又は遺品などが外部の空気や水に触れるのをなくすことで、劣化を抑えることができ、長期間に亘って遺骨又は遺品などを良好な状態で収納することができる。
【0018】
第二部材4bは、その全体を鉄などの磁性体材料から造る。なお、磁性体材料は鉄に限らない。磁性体材料とは、磁場の中で磁化されて強い磁性を示す材料である。これにより、第二部材4bは、第一部材4aの嵌合凹部11に嵌め込んだ際に、その先端側の面が嵌合凹部11の底に配置したマグネット5によって吸着される。即ち、第一部材4aと第二部材4bをマグネット5の磁力により連結することができる。
【0019】
なお、第二部材4bは、その全体を磁性体材料から造っているが、これに限らず、第二部材4bの一部のみを磁性体材料から造るようにしてもよい。例えば、第二部材4bを磁性体材料から造るのではなく、それ以外の材料から造るとともに、第二部材4bの先端側の面に、磁性体材料から造った円板状の磁性部材を固着する。これにより、第二部材4bに固着した磁性部材が第一部材4aのマグネット5によって吸着されて、第一部材4aと第二部材4bを連結する。
【0020】
一対の連結部材4(第一部材4a及び第二部材4b)は、収納部6を有する第二部材4bが、球体の第一部材4aの嵌合凹部11の中に嵌め込まれることから、その全体の形状が球体になる。これにより、球体になる一対の連結部材4を、複数の球体の装飾パーツ2と繋げても、そこに違和感が生じることがなく、全体が統一されたデザインになり、美的にも優れた商品(ブレスレット1)にすることができる。
【0021】
ブレスレット1は、一対の連結部材4をマグネット5の磁力により取り外し可能に連結している。これにより、手首に着けて使用する際は、一対の連結部材4を連結することで、ブレスレット1を環状にして、手首から抜け落ちないようにすることができる。また、ブレスレット1では、第一部材4aと第二部材4bの連結を取り外すことで、ブレスレット1への手首の出し入れが可能となり、ブレスレット1を手首に容易に着けたり外したりすることができる。第一部材4aと第二部材4bの連結又はその取り外しは、これらがマグネット5の磁力により連結しているだけであるから、極めて簡単に行うことができる。
【0022】
また、ブレスレット1には、図1及び図2に示すように、一対の連結部材4の一方から他方に一本のチェーン7を架設する。即ち、チェーン7の端部を、第一部材4aに隣接する装飾パーツ2とその隣の装飾パーツ2との間のワイヤー3に取り付け、チェーン7のもう一方の端部を、第二部材4bに隣接する装飾パーツ2とその隣の装飾パーツ2との間のワイヤー3に取り付ける。これにより、仮に、第一部材4aと第二部材4bの連結が外れても、チェーン7によりブレスレット1が手首から抜け落ちるのを防いで、ブレスレット1が紛失するのを防止する。なお、チェーンは、一本に限らず、複数本でもよく、チェーンの取り付け位置も限定されない。また、チェーン7は、必ず取り付けるものではなく、なくてもよい。
【0023】
本実施形態では、一対の連結部材4において、第一部材4aにマグネット5を配置し、第二部材4bを磁性体材料から造ることで、第一部材4aに配置したマグネット5によって第一部材4aと第二部材4bを連結していたが、これに限らない。例えば、一対の連結部材4において、第一部材4aにマグネット5を配置するのではなく、第二部材4bにマグネット5を配置してもよく、また、第一部材4aと第二部材4bの両方にマグネット5を配置してもよい。
【0024】
図7は、マグネット5を第二部材4bに配置した場合の一対の連結部材4を示す断面図である。図8は、マグネット5を第一部材4aと第二部材4bの両方に配置した場合の一対の連結部材4を示す断面図である。
第二部材4bにマグネット5を配置する場合は、図7に示すように、第二部材4bの先端側に円形の凹状部18を形成し、凹状部18内に円板状のマグネット5を配置するとともに、第一部材4aの嵌合凹部11の底に磁性体材料から造った円板状の磁性部材19を固着する。これにより、第一部材4aに固着した磁性部材19が第二部材4bのマグネット5によって吸着されて、第一部材4aと第二部材4bを連結する。
【0025】
また、第一部材4aと第二部材4bの両方にマグネット5を配置する場合は、図8に示すように、第一部材4aの嵌合凹部11の底に円板状のマグネット5を配置するとともに、第二部材4bの先端側に円形の凹状部18を形成し、凹状部18内に円板状のマグネット5を配置する。これにより、第一部材4aと第二部材4bの両方に配置したマグネット5同士が吸着することで、第一部材4aと第二部材4bを連結する。マグネット5を第一部材4aと第二部材4bの両方に配置することで、第一部材4aと第二部材4bを強固に連結することができる。
【0026】
また、本実施形態では、一対の連結部材4において、第二部材4bのみに収納部6を有していたが、これに限らない。例えば、一対の連結部材4において、第一部材4aと第二部材4bの両方に収納部6を有して、収納部6を二つにしてもよい。
【0027】
図9は、二つの収納部6を有した場合の一対の連結部材4を示す図である。図10は、図9に示す一対の連結部材4において二つの収納部6の蓋22を外した状態の断面図である。
第一部材4aと第二部材4bは、図9及び図10に示すように、ともに同じ形状であって、全体が円柱状で、その先端側に円形の凹状部20を形成し、凹状部20内に円板状のマグネット5を配置する。ここでの先端側は、円柱状の第一部材4aと第二部材4bにおける軸方向の一方の端で、第一部材4aと第二部材4bを連結する際に互いが向かい合って接するようになる側である。図9及び図10においてそれぞれの先端側をTで示す。これにより、第一部材4aと第二部材4bの両方に配置したマグネット5同士が吸着することで、第一部材4aと第二部材4bを連結する。
【0028】
第一部材4aと第二部材4bには、収納部6をそれぞれ有する。収納部6は、第一部材4aと第二部材4bに形成された凹状部21と、凹状部21を密閉する蓋22を有する。なお、蓋22に雄ネジ22aを、凹状部21に雌ネジ21aをそれぞれ設けて、これらが螺合して凹状部21を蓋22により密閉する。また、収納部6の蓋22には、リング状のワイヤー取り付け部23を設け、ここにワイヤー3の一端が取り付く。これにより、第一部材4aと第二部材4bの両方に収納部6を有し、収納部6を二つにすることができる。
【0029】
以上説明したように、本実施形態のブレスレット1(装身具)によれば、一対の連結部材4に有した収納部6に、故人や亡きペットの遺骨又は遺品などを収納可能にする。これにより、ブレスレット1として手首に着けて普通に使用しながら、遺骨又は遺品などを身近に永く保存することができ、日常的に故人や亡きペットを偲ぶことができる。
【0030】
また、環状のブレスレット1では、一対の連結部材4においてマグネット5による連結を取り外すことで、図2に示すように、ブレスレット1が大きく開き、ここへの手首の出し入れが可能となり、ブレスレット1を手首に容易に着けたり外したりすることができる。これにより、ブレスレット1を手首に着けたり外したりする際に、ワイヤー3が引き伸ばされることがなくなり、ワイヤー3が切れるのを防止できる。また、ワイヤー3を鋼線にすることで、ワイヤー3が切れるのを確実に防止できる。その結果、ブレスレット1において、ワイヤー3が切れて複数の装飾パーツ2と一対の連結部材4がばらばらになるのをなくして、一対の連結部材4の収納部6に収納した遺骨又は遺品などを紛失しないようにすることができる。
【符号の説明】
【0031】
1…ブレスレット、2…装飾パーツ、3…ワイヤー、4…連結部材、4a…第一部材、4b…第二部材、5…マグネット、6…収納部、7…チェーン、11…嵌合凹部、12…ワイヤー取り付け部、15…凹状部、15a…雌ネジ、16…蓋、16a…雄ネジ、17…ワイヤー取り付け部、18…凹状部、19…磁性部材、20…凹状部、21…凹状部、21a…雌ネジ、22…蓋、22a…雄ネジ、23…ワイヤー取り付け部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10