(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】オオイタドリを含む食品
(51)【国際特許分類】
A23L 33/105 20160101AFI20220725BHJP
A23L 33/16 20160101ALI20220725BHJP
A23L 33/15 20160101ALI20220725BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20220725BHJP
【FI】
A23L33/105
A23L33/16
A23L33/15
A23L33/10
(21)【出願番号】P 2018096554
(22)【出願日】2018-05-18
【審査請求日】2021-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】512031080
【氏名又は名称】株式会社APAコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100083068
【氏名又は名称】竹中 一宣
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【氏名又は名称】榊原 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100181593
【氏名又は名称】庄野 寿晃
(72)【発明者】
【氏名】藤原 真一
【審査官】安田 周史
(56)【参考文献】
【文献】環境保全研究所, 2015.08.27 [検索日 2022.02.22], インターネット:<URL:https://www.kankyo-hozen.co.jp/newgoods/10071>
【文献】ダイドードリンコ, 2016.06.23 [検索日 2022.02.22], インターネット:<URL:https://www.dydo.co.jp/corporate/news/2016/160623.html>
【文献】Amazon, 2013.10.01 [検索日 2022.02.22], インターネット:<URL:https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%89%E9%99%90%E4%BC%9A%E7%A4%BE%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B1%E3%82%A2-%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B1%E3%82%A2-%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%89%E3%83%AA-490mg%C3%9790%E7%B2%92%EF%BC%88%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%82%B5%E3%83%9F%E3%83%B31000mg%E3%83%BB%E5%8C%97%E6%B5%B7%E9%81%93%E7%94%A3%E5%A4%A7%E7%97%9B%E5%8F%96%EF%BC%89/dp/B00FJT9BRK/ref=cm_cr_arp_d_product_top?ie=UTF8>
【文献】Amazon, 2018.05.09 [検索日 2022.02.22], インターネット:<URL:https://www.amazon.co.jp/%E5%8C%97%E3%81%AE%E5%BF%AB%E9%81%A9%E5%B7%A5%E6%88%BF-%E3%82%BA%E3%82%AD%E3%82%BA%E3%82%AD%E3%80%81%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%80%81%E6%B0%97%E5%9C%A7%E3%81%AE%E5%A4%89%E5%8C%96%E3%81%AB%EF%BC%BB%E5%8C%97%E3%81%AE%E5%BF%AB%E9%81%A9%E5%B7%A5%E6%88%BF%EF%BC%BD-%E3%81%9A%E3%81%8D%E3%81%97%E3%82%89%E3%81%9A%E3%81%AE%E5%AE%9F-%EF%BC%881%E3%83%B5%E6%9C%88%E5%88%86150%E7%B2%92%EF%BC%89/dp/B07CZ6KZWY>
【文献】PayPayフリマ, [検索日 2022.02.22], インターネット:<URL:https://paypayfleamarket.yahoo.co.jp/item/z76504658>
【文献】ダイドードリンコ, [検索日 2022.02.22], インターネット:<URL:https://www.dydo.co.jp/products/detail/960>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 33/105
A23L 33/16
A23L 33/15
A23L 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラボノイド類およびスチルベン類を含有するオオイタドリエキスと、
水溶性珪素からなる珪素パウダーと、
アンドログラフォライド類を含有するセンシンレンエキスと、
を含む、
ことを特徴とするオオイタドリを含む食品。
【請求項2】
フラボノイド類およびスチルベン類を含有する前記オオイタドリエキスと、
前記水溶性珪素からなる前記珪素パウダーと、
を含み、
前記オオイタドリエキス:10~30質量%と、
前記珪素パウダー:1~5質量%と、
前記センシンレンエキス:10~20質量%と、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のオオイタドリを含む食品。
【請求項3】
フラボノイド類およびスチルベン類を含有する前記オオイタドリエキスと、
前記水溶性珪素からなる前記珪素パウダーと、
を含み、
アンドログラフォライド類を含有する
前記センシンレンエキス
と、
黒しょうが、フルボ酸、ビタミンC、イチョウ葉エキス、サメ軟骨エキス、結晶セルロース、デンプン、およびショ糖脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1または2以上の成分をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のオオイタドリを含む食品。
【請求項4】
フラボノイド類およびスチルベン類を含有する前記オオイタドリエキスと、
前記水溶性珪素からなる前記珪素パウダーと、
を含み、
前記オオイタドリエキス:10~30質量%と、
前記珪素パウダー:1~5質量%と、
前記センシンレンエキス:10~20質量%と、
黒しょうが、フルボ酸、ビタミンC、イチョウ葉エキス、サメ軟骨エキス、結晶セルロース、デンプン、およびショ糖脂肪酸エステルからなる前記群より選ばれる1または2以上の成分をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1
から3の何れか一項に記載のオオイタドリを含む食品。
【請求項5】
前記水溶性珪素の粒径は、1~10nmである、
ことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載のオオイタドリを含む食品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オオイタドリを含む食品に関する。
【背景技術】
【0002】
オオイタドリ(Polygonum sachalinense)の若芽エキスは、フラボノイド類およびスチルベン類を含んでいることが知られている。フラボノイド類には、鎮痛効果および変形性関節症に効果があることが知られている。また、スチルベン類には、痛感過敏を抑制する効果が知られている。
【0003】
また、特許文献1は、オオイタドリの近縁種であるイタドリ(Polygonum cuspidatum)を含む薬草組成物を開示する。この薬草組成物は、水、炭素数1~20のアルコール、炭素数1~20のエステル、または澱粉中にイタドリ粉末を分散したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オオイタドリに、鎮痛効果、変形性関節症に効果、および痛感過敏を抑制する効果を有する成分が含まれていたとしても、体内に吸収されなければ、これらの効果を得ることは困難である。このため、オオイタドリに含まれる成分が体内に容易に吸収されることが望まれている。
【0006】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、体内に吸収されやすいオオイタドリを含む食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るオオイタドリを含む食品は、
フラボノイド類およびスチルベン類を含有するオオイタドリエキスと、
水溶性珪素からなる珪素パウダーと、
アンドログラフォライド類を含有するセンシンレンエキスと、
を含む、ことを特徴とする。
【0008】
フラボノイド類およびスチルベン類を含有するオオイタドリエキスと、
水溶性珪素からなる珪素パウダーと、
を含み、
オオイタドリエキス:10~30質量%と、
珪素パウダー:1~5質量%と、
センシンレンエキス:10~20質量%と、
を含む、とよい。
【0009】
フラボノイド類およびスチルベン類を含有するオオイタドリエキスと、
水溶性珪素からなる珪素パウダーと、
を含み、
アンドログラフォライド類を含有するセンシンレンエキスと、
黒しょうが、フルボ酸、ビタミンC、イチョウ葉エキス、サメ軟骨エキス、結晶セルロース、デンプン、およびショ糖脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1または2以上の成分をさらに含む、とよい。
【0010】
フラボノイド類およびスチルベン類を含有するオオイタドリエキスと、
水溶性珪素からなる珪素パウダーと、
を含み、
オオイタドリエキス:10~30質量%と、
珪素パウダー:1~5質量%と、
センシンレンエキス:10~20質量%と、
黒しょうが、フルボ酸、ビタミンC、イチョウ葉エキス、サメ軟骨エキス、結晶セルロース、デンプン、およびショ糖脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1または2以上の成分をさらに含む、とよい。
【0011】
水溶性珪素の粒径は、1~10nmであるとよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、珪素パウダーにより腸が活性させられるため、オオイタドリエキスが腸で吸収されやすくなる。このため、体内に吸収されやすいオオイタドリを含む食品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】(A)から(D)は、本実施の形態に係る珪素パウダーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態に係るオオイタドリ(Polygonum sachalinense)を含む食品を詳細に説明する。
【0015】
オオイタドリを含む食品は、オオイタドリエキス末と、珪素パウダーと、を含む粉末である。オオイタドリを含む食品は、好ましくは、センシンレンエキス末を含み、より好ましくは、黒しょうが、フルボ酸、ビタミンC、イチョウ葉エキス、サメ軟骨エキス、結晶セルロース、デンプン、およびショ糖脂肪酸エステルからなる群より選ばれる1または2以上の成分をさらに含む。
【0016】
オオイタドリエキス末は、有効成分としてフラボノイド類(Flavonoides)およびスチルベン類(Stilbenes)を含む粉末である。オオイタドリエキス末は、オオイタドリを含む食品に10~30質量%含まれるとよい。フラボノイド類は、クェルセチン(Quercetin)、クェルセチン-3-ルチノシド(Quercetin-3-rutinoside)、を含む。スチルベン類は、トランスレスベラトロール(Trans-Resveratrol)、シスレスベラトロール(Cis-Resveratrol)、トランスピセイド(Trans-Piceid)を含む。オオイタドリエキス末100g中、クェルセチンは5~30mg、クェルセチン-3-ルチノシドは3~15mg、トランスレスベラトロールは5~30mg、シスレスベラトロールは1~10mg、トランスピセイドは5~30mg含まれる。オオイタドリエキス末は、オオイタドリの若芽をカット、洗浄、粗粉砕したものを熱水抽出し、熱水抽出されたものをフリーズドライして得られる。
【0017】
珪素パウダーは、水溶性珪素10からなる粒子であり、抗酸化作用に優れ、腸内環境を整えると考えられる。珪素パウダーは、オオイタドリを含む食品に1~5質量%含まれるとよい。水溶性珪素10の粒径は、1~10nmであり、好ましくは2~7nmであり、より好ましくは4nmである。水溶性珪素10は、単体で含まれてもよく、
図1(A)に示す水溶性珪素10のミセルコロイド20、
図1(B)に示す水溶性珪素10の中空型ミセルコロイド30、
図1(C)に示す水溶性珪素10の三層型ミセルコロイド40、または
図1(D)に示す水溶性珪素10の多層型ミセルコロイド50を乾燥したものとして含まれてもよい。水溶性珪素10のミセルコロイド20は、水溶性珪素10が球状に集まった集合体である。ミセルコロイド20の粒径は、400~1000nmである。中空型ミセルコロイド30は、中央部に空所があり断面がドーナツ状の形状を有する。中空型ミセルコロイド30の粒径は、800~1200nmである。三層型ミセルコロイド40は、空所に100nm以下の粒子が存在する構造を有する。三層型ミセルコロイド40の粒径は、1.0~2.5μmである。多層型ミセルコロイド50は、中空型ミセルコロイド30が入れ子になった構造を有する。多層型ミセルコロイド50の粒径は、2.5~4.5nmである。具体的には、水溶性珪素10は、例えばAPAコーポレーション社製のumo(登録商標)を用いることができる。なお、umoの詳細は、特開2017-57156号公報に開示されている。
【0018】
センシンレンエキス末は、センシンレン(Andrographis Paniculata)の葉/茎を含水エタノールで抽出、乾燥した粉末である。センシンレンエキス末は、オオイタドリを含む食品に10~20質量%含まれるとよい。センシンレンエキス末は、有効成分としてアンドログラフォライド類(Andrographolides)を50質量%以上含む。アンドログラフォライド類は、アンドログラフォライド(Andrographolide)、ネオアンドログラフォライド(Neo-androgranpholide)、デオキシアンドログラフォライド(Deoxyandrographolides)を含む。具体的には、センシンレンエキス末は、テルヴィス社製のPARACTIN(登録商標)を用いることができる。
【0019】
黒しょうがは、アルギニン(Arginine)、アントシアニン(Anthocyanin)、クルクミン(Curcumin)およびグリシン(Glycine)を含む黒しょうが由来の粉末である。黒しょうがは、オオイタドリを含む食品に0.3~1質量%含まれるとよい。
【0020】
フルボ酸は、植物などが微生物により分解される最終生成物である腐植物質のうち、酸によって沈殿しない無定形高分子有機酸である。フルボ酸は、オオイタドリを含む食品に0.1~0.3質量%含まれるとよい。
【0021】
ビタミンC(Vitamin C)は、L-アスコルビン酸ともいわれ、骨や腱などの結合タンパク質であるコラーゲンの生成に必須の化合物である。ビタミンCは、オオイタドリを含む食品に1~3質量%含まれるとよい。
【0022】
イチョウ葉エキスは、イチョウ葉由来フラボノイド配糖体、イチョウ葉由来テルペンラクトンを含む粉末である。イチョウ葉エキスは、オオイタドリを含む食品に0.1~0.5質量%含まれるとよい。
【0023】
サメ軟骨エキスは、サメの軟骨から抽出したものであり、コンドロイチンを含む粉末である。サメ軟骨エキスは、オオイタドリを含む食品に0.2~1質量%含まれるとよい。
【0024】
結晶セルロース(Microcrystalline cellulose)は、繊維性植物から得られたα-セルロースを酸で部分的に解重合して精製した水に溶けない白色の粉末状であり、賦形剤として含まれる。結晶セルロースは、オオイタドリを含む食品に35~50質量%含まれるとよい。
【0025】
デンプンは、多数のα-グルコース分子がグリコシド結合によって重合した天然高分子であり、賦形剤として含まれる。デンプンは、オオイタドリを含む食品に5~20質量%含まれるとよい。
【0026】
ショ糖脂肪酸エステルは、親水基のショ糖と、親油基の食用油脂から得られる脂肪酸で構成された非イオン性界面活性剤として含まれる。ショ糖脂肪酸エステルは、オオイタドリを含む食品に3~10質量%含まれるとよい。
【0027】
上述したオオイタドリを含む食品によれば、オオイタドリを含むため、変形性関節症に対する効果、鎮痛効果、痛感過敏を抑制する効果を有すると考えられる。また、オオイタドリを含む食品は、腸内環境を整えると考えられる珪素パウダーを含むため、腸からのオオイタドリの成分の吸収を助けると考えられる。また、オオイタドリを含む食品は、センシンレンエキス末、黒しょうが、フルボ酸、ビタミンC、イチョウ葉エキス、サメ軟骨エキス、を含むことにより、体によい影響を与えると考えられる。従って、上述したように、体内に吸収されやすいオオイタドリを含む食品を提供することができる。
【0028】
(変形例)
上述の実施の形態では、オオイタドリを含む食品が粉末である例について説明した。オオイタドリを含む食品は、オオイタドリエキスと珪素パウダーとを含めばよく、液体であってもよく、ゼリー状であってもよく、錠剤であってもよい。液体のオオイタドリを含む食品は、粉末であるオオイタドリを含む食品を水などに分散することで得られる。液体であることで、飲料水などに混ぜて摂取することができる。ゼリー状のオオイタドリを含む食品は、粉末であるオオイタドリを含む食品をゼリーに混ぜることで得られる。ゼリー状であることで、お年寄りや子供であっても摂取しやすくなる。錠剤のオオイタドリを含む食品は、粉末であるオオイタドリを含む食品を錠剤に加工することで得られる。錠剤であることで、摂取量を一定にすることが容易である。
【0029】
上述の実施の形態のオオイタドリを含む食品は、上述した成分以外の成分を含んでもよい。例えば、オオイタドリを含む食品は、亜鉛、カルシウム、鉄、銅、マグネシウムなどのミネラル類、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンD、ビタミンE、葉酸などのビタミン類を含んでもよい。また、オオイタドリを含む食品は、これら以外の有用な成分を含んでもよい。
【0030】
(実施例)
オオイタドリを含む食品の配合量および配合比の一例を表1に示す。
【0031】
【0032】
表1に示すオオイタドリを含む食品は、オオイタドリを含むため、変形性関節症に対する効果、鎮痛効果、痛感過敏を抑制する効果を有すると考えられる。また、このオオイタドリを含む食品は、腸内環境を整えると考えられる珪素パウダーを含むため、腸からのオオイタドリの成分の吸収を助けると考えられる。また、このオオイタドリを含む食品は、センシンレンエキス末、黒しょうが、フルボ酸、ビタミンC、イチョウ葉エキス、サメ軟骨エキス、を含むことにより、体によい影響を与えると考えられる。
【0033】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲とが含まれる。
【符号の説明】
【0034】
10 水溶性珪素
20 ミセルコロイド
30 中空型ミセルコロイド
40 三層型ミセルコロイド
50 多層型ミセルコロイド