(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】おみくじホルダー
(51)【国際特許分類】
B42F 5/02 20060101AFI20220725BHJP
B42D 1/08 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
B42F5/02 Z
B42D1/08 Z
(21)【出願番号】P 2019129758
(22)【出願日】2019-07-12
【基礎とした実用新案登録】
【原出願日】2018-06-18
【審査請求日】2021-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】515142721
【氏名又は名称】合同会社チップスリーズ
(74)【代理人】
【識別番号】100174090
【氏名又は名称】和気 光
(74)【代理人】
【識別番号】100100251
【氏名又は名称】和気 操
(74)【代理人】
【識別番号】100205383
【氏名又は名称】寺本 諭史
(72)【発明者】
【氏名】河口 裕
【審査官】富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】特開昭60-131277(JP,A)
【文献】登録実用新案第3088622(JP,U)
【文献】実開平07-035077(JP,U)
【文献】2014年1月 4日 (土) おみくじ帳,高千穂日記(ブログ版) ,2022年03月17日,http://muzina-press.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-ea87.html
【文献】おみくじの保存方法はA4ノートで。処分は神社さんかお寺か調べてから,2022年03月17日,https://isihara.co.jp/archives/1449
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42F 1/00-23/00、
B42D 1/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のおみくじを保管可能なおみくじホルダーであって、
該おみくじホルダーは、表紙と、該表紙に固定された用紙からなる複数の頁とを備え、
前記表紙は、表表紙と裏表紙と背表紙とから構成され、
前記各頁は、
複数の用紙からなる用紙ユニットの一面であり、前記用紙ユニットは、前記表表紙側の頁である表頁を構成する用紙と、前記裏表紙側の頁である裏頁を構成する用紙と、これらの用紙の間に介在する用紙とからなり、
前記表頁を構成する用紙および前記裏頁を構成する用紙はそれぞれ、前記おみくじを挿入可能な切れ目部を複数有しており、互いに隣接した切れ目部は所定間隔をもって平行に配置されて
おり、
前記表頁を構成する用紙と前記裏頁を構成する用紙との間に介在する用紙には前記切れ目部が形成されておらず、前記表頁側および前記裏頁側に挿入されたおみくじが互いに干渉しないことを特徴とするおみくじホルダー。
【請求項2】
前記各頁は平面視が略長方形であり、前記複数の切れ目部は、該頁の短手方向に延びて形成されていることを特徴とする請求項1記載のおみくじホルダー。
【請求項3】
前記複数の切れ目部の切れ目長さは、いずれも6~8cmであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のおみくじホルダー。
【請求項4】
前記各頁において、前記複数の切れ目部は3つであることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項記載のおみくじホルダー。
【請求項5】
2つの前記所定間隔の長さがいずれも2~8cmであり、該2つの所定間隔の長さが互いに異なっていることを特徴とする請求項4項記載のおみくじホルダー。
【請求項6】
前記複数の切れ目部の両端にはそれぞれスリットが設けられており、該スリットは、下端に向かって傾斜するようにへの字状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項記載のおみくじホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、神社などで販売されるおみくじを保管するためのおみくじホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、神社や仏閣の人気が高まり、神社などを訪れる参拝者の数が増加している。神社などではおみくじが販売されており、運試しや参拝の記念などの目的でおみくじを引く参拝者も多い。一般に、おみくじは結びどころに結んだり、持ち帰ったりされている。持ち帰ったおみくじは、例えば、財布の中や自宅の所定の場所などに大切に保管されることが望ましい。しかし、その保管方法に困ることも多く、結果としておみくじを汚してしまったり、紛失してしまったりすることがある。
【0003】
おみくじを保管する手段として、例えば、特許文献1には、有底の円筒状または多角筒状の主筒と、該主筒の開口を開閉する蓋筒とを備えた紙製のおみくじ容器が記載されている。該おみくじ容器によれば、紙状のおみくじを丸めて収納できるため、折り目を少なくでき保管性に優れる。また、特許文献2には、専用台本体におみくじを結んだ状態で保管可能なおみくじスタンドが記載されている。この場合、おみくじを結んだ状態で保管できるため、省スペースとなり、またおみくじの型崩れを防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3192563号公報
【文献】実用新案登録第3186563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、参拝の記念や収集などの目的で複数の神社のおみくじを保管する場合がある。この場合、複数のおみくじが状態良く保管できることが望ましく、また、おみくじに記載された託宣を後から読み返す際の使い勝手に優れることが望ましい。上記特許文献1のおみくじ容器は、複数のおみくじを整理して保管することが難しく、また、読み返す際にもその都度おみくじを容器から取り出す必要があり、取り扱い性に劣る。また、上記特許文献2のスタンドはおみくじを結んだ状態で保管することを前提としているため、読み返す際に手間となる。
【0006】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成としつつも複数のおみくじを保管できるとともに、取り扱い性、閲覧性に優れるおみくじホルダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のおみくじホルダーは、複数のおみくじを保管可能なおみくじホルダーであって、該おみくじホルダーは、表紙と、該表紙に固定された用紙からなる複数の頁とを備え、上記各頁は、上記おみくじを挿入可能な切れ目部を複数有しており、互いに隣接した切れ目部は所定間隔をもって平行に配置されていることを特徴とする。本発明において、「平行」とは、厳密に平行である必要はなく、略平行であればよい。つまり、互いに隣接した切れ目部同士の間隔の長さが一定の状態および略一定の状態を含む。
【0008】
上記各頁は平面視が略長方形であり、上記複数の切れ目部は、上記頁の短手方向に延びて形成されていることを特徴とする。
【0009】
上記複数の切れ目部の切れ目長さは、いずれも6~8cmであることを特徴とする。
【0010】
上記各頁において、上記複数の切れ目部は3つであることを特徴とする。
【0011】
2つの上記所定間隔がいずれも2~8cmであり、該2つの所定間隔が互いに異なっていることを特徴とする。
【0012】
上記各頁は、該頁の端部に、頁厚さが該頁の他の部分よりも厚く形成された肉厚部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のおみくじホルダーは、各頁がおみくじを挿入可能な切れ目部を複数有しており、互いに隣接した切れ目部は所定間隔をもって平行に配置されているので、簡易な構成としつつも、複数の平行な切れ目部を跨ぐようにおみくじを挿入することでおみくじを安定に保持できる。また、該おみくじホルダーは、複数の頁を備えたホルダーとなっており、各頁にそれぞれおみくじを保管できるので閲覧性に優れる。
【0014】
おみくじホルダーは平面視が略長方形であり、複数の切れ目部は、おみくじホルダーの短手方向に延びて形成されているので、一般的な長方形のおみくじの形状に合わせておみくじを保持でき、使い勝手に優れる。
【0015】
各頁において、複数の切れ目部は3つであるので、例えば、おみくじを頁の表面側と裏面側に交互に通すことができ、おみくじをより安定して保持できる。さらに、2つの所定間隔がいずれも2~8cmであり、該2つの所定間隔が互いに異なっているので、おみくじの保持性を確保しつつも、頁の表面側に表出するおみくじの面積などを調整でき、おみくじを保持した状態での閲覧性を向上できる。
【0016】
各頁は、該頁の端部に、頁厚さが該頁の他の部分よりも厚く形成された肉厚部を有するので、該肉厚部によって生じた空間におみくじが保持されることで、おみくじホルダーの嵩張りを抑制でき、見た目にも良好となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明のおみくじホルダーの一例を示す斜視図などである。
【
図2】
図1のおみくじホルダーの頁の平面図である。
【
図3】
図2の頁におみくじを挿入した状態の図である。
【
図4】
図3のおみくじを挿入した状態のA-A線断面図である。
【
図5】
図2の頁におみくじを挿入した状態の他の例を示す図である。
【
図6】本発明のおみくじホルダーの頁の他の例を示す平面図である。
【
図8】本発明のおみくじホルダーの他の例を示す斜視図などである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明のおみくじホルダーの一実施例を
図1に基づいて説明する。
図1(a)は、このおみくじホルダーを示す斜視図であり、
図1(b)は、頁を捲った状態を示す図である。
図1に示すように、おみくじホルダー1は、表紙2と、表紙2に固定された用紙からなる複数の頁3とを備える。おみくじホルダー1は、平面視が略長方形であり、長辺の一辺側で各頁が綴じられており、見開き状態において各頁が閲覧可能になっている。表紙2は、表表紙2aと裏表紙2bと背表紙2cとから構成され、それぞれが互いに折曲げ可能に連結されている。本発明では、各頁について、表表紙2a側の頁を表頁3aといい、裏表紙2b側の頁を裏頁3bという。各頁3(表頁3aおよび裏頁3bを含む)は、複数の用紙が接合された用紙ユニット6の一面となっている。
【0019】
図1(b)に示すように、本発明のおみくじホルダーは、各頁3が3つの切れ目部からなる切れ目4を有しており、互いに隣接した切れ目部は所定間隔をもって平行に配置されている。頁間で、各切れ目部はそれぞれ同じ高さ位置に形成されている。各頁において、複数の切れ目部を跨ぐようにおみくじを差し込むことで、各頁におみくじを保持させることができる。
【0020】
各頁における切れ目部の構成について、
図2に基づいて説明する。
図2は、
図1のおみくじホルダー1の表頁3aの平面図である。なお、裏頁も同様の構成である。
図2に示すように、表頁3aは平面視が略長方形であり、その大きさは、表表紙2aおよび裏表紙2bと同一か、僅かに小さい大きさである。表頁3aにおいて、例えば、長手方向の長さは15~30cmであり、短手方向の長さは6~15cmである。
【0021】
図2において、切れ目4は、3つの直線状の切れ目部から構成され、第1切れ目部4aと第2切れ目部4bと第3切れ目部4cとを有する。切れ目4は、表頁3aの短手方向に延びて形成されている。具体的には、各切れ目部は、表頁3aの短手方向と同軸に形成されている。
図2では、切れ目4は、表頁3aの短手方向中央線Cで左右対称となるように配置される。表頁3aの短手方向における各切れ目部の切れ目長さLは、おみくじが挿入可能な長さであればよく、例えば、6~10cmである。おみくじは、通常、平面視が長方形の用紙からなり、おみくじの短手方向の長さは6cm程度であるので、切れ目長さLは、その長さと同一か僅かに大きい長さである6~8cmであることが好ましい。
【0022】
なお、
図2では、各切れ目部における各切れ目長さは互いに同一となっているが、それらの長さが互いに異なっていてもよい。例えば、最上段の切れ目部となる第1切れ目部4aの切れ目長さを、他の切れ目部4b、4cの切れ目長さよりも長くしてもよい。この場合、おみくじの最初の挿入口となる第1切れ目部4aが、他の切れ目部に比べて余裕をもった大きさとなるため、おみくじが差し込みやすくなり取り扱い性に優れる。
【0023】
また、各切れ目部の両端にはそれぞれスリット7が設けられている。スリット7は、表頁3aの下端に向かって傾斜するように、への字状に形成されている。スリット7を設けることで、おみくじの挿入時に荷重がかかることや、おみくじを保持している際におみくじの縁が擦れることによって、切れ目部の端から用紙が裂けることを抑制できる。なお、スリット7の形状は、おみくじ脱着等の際の裂けを防止できる形状であればよく、特に限定されない。例えば、各切れ目部の両端に、平面視略円形(
図6参照)や平面視略ひし形の孔部を設けてもよい。
【0024】
図2において、複数の切れ目部は互いに平行に配置される。具体的には、第1切れ目部4aと第2切れ目部4bが間隔D
1をもって平行に配置され、第2切れ目部4bと第3切れ目部4cが間隔D
2をもって平行に配置される。間隔D
1、D
2の長さはそれぞれ、1~10cmであり、好ましくは2~8cmである。
図2では、間隔D
1、D
2の長さは、互いに異なる長さとなっており、下側の間隔D
2の方がD
1よりも短くなっている。なお、下側の間隔D
2の方をD
1よりも長くしてもよい。このように少なくとも一つの間隔の長さを他よりも長くすることで、例えば、頁3の表面に表出するおみくじの面積を調整でき、おみくじの閲覧性を向上できる。
【0025】
図2に示した頁におみくじを挿入した状態を
図3に示す。
図3の挿入状態において、おみくじ5は、表頁3aの長手方向つまり切れ目部に対して直交する方向に沿って、表頁3aの用紙の表面側、裏面側を交互に通るように各切れ目部に挿入される。この場合、おみくじ5において、第1切れ目部4aよりも上側の部分、および、第2切れ目部4bから第3切れ目部4cまでの部分が表出し、第1切れ目部4aから第2切れ目部4bまでの部分、および、第3切れ目部4cよりも下側の部分が、後述するように用紙ユニット6の内部空間に収納される。この場合、第1切れ目部4aよりも上側の部分、および、第2切れ目部4bから第3切れ目部4cまでの部分は、挿入状態のままでも託宣を読むことができる。また、この構成では、各切れ目部間(4a-4b間、4b-4c間)の用紙部分がそれぞれバンドとしての機能を果たすため、簡易な構成としつつもおみくじを安定して保持できる。
【0026】
また、第1切れ目部4aは、例えば、表頁3aの上端から所定距離(例えば、5cm)離れた位置に設けられる。所定距離離すことで、挿入状態において、おみくじの上側にスペースSが生じる。スペースSは、例えば、おみくじを引いた日時や、社寺名、吉凶(大吉・吉・中吉・小吉・末吉・凶)などを書き込むスペースとして使用できる。同様に、第3切れ目部4cは、頁の下端から所定距離(例えば、5cm)離れた位置に設けられる。この場合も、おみくじの下側に生じたスペースSに、種々の情報を書き込むことができる。なお、これらのスペースSに予め欄を設けておいてもよい。
【0027】
図4には、
図3のおみくじを挿入した状態の用紙ユニットのA-A線断面図を示す。この場合、表頁3a側と裏頁3b側のそれぞれにおみくじが挿入されている。
図4に示すように、用紙ユニット6は、3つの用紙からなっており、表頁3aを構成する用紙6aと裏頁3bを構成する用紙6bとが用紙6cを介在させて接合されている。用紙6aおよび用紙6bには、上述した切れ目部が形成されており、用紙6cには、切れ目部が形成されていない。上記接合は、各用紙の重ね合わせ面の一部に塗布された糊8によってなされる。糊8は、例えば、各用紙6a~6cの重ね合わせ面の外周部にのみ塗布され、各用紙6a~6cの重ね合わせ面の内周部には塗布されない。その結果、表頁3a側には、用紙6aと用紙6cとの間に内部空間が形成される。表頁3aの切れ目部は、表頁3a側の内部空間と用紙6aの外表面とを繋いでおり、挿入状態においておみくじ5の一部はこの内部空間に収納される。同様に、裏頁3b側には、用紙6bと用紙6cとの間に内部空間が形成される。裏頁3bの切れ目部は、裏頁3b側の内部空間と用紙6bの外表面とを繋いでおり、挿入状態においておみくじ5の一部はこの内部空間に収納される。
【0028】
用紙ユニット6を構成する各用紙6a~6cの種類は、特に限定されず、例えば、複写用紙、コピー用紙、アート紙、コート紙、マット紙、上質紙などの任意の用紙を使用できる。これらの用紙は、単独でも複数種を組み合わせて使用してもよい。用紙6aおよび用紙6bには、同じ種類の用紙を用いることが好ましい。用紙6cは、用紙6aおよび用紙6bに比べて厚さが薄い紙を用いることが好ましい。
【0029】
図4に示した用紙ユニット6では、用紙6aと用紙6bとを用紙6cを介在させて接合したが、これに限定されず、用紙6cを用いずに用紙6aと用紙6bとを直接接合させてもよい。ただし、おみくじの挿入時の使い勝手などから、用紙6cを介在させる構成の方が好ましい。具体的には、用紙6cがあることで、一方側の頁からおみくじを挿入する際に裏側の頁の切れ目に影響されて挿入が困難となることを抑制できる。また、用紙ユニット6の両側におみくじを挿入した状態でも、各おみくじの収納スペースが用紙6cによって仕切られているので、互いのおみくじを干渉させずに保持させることができる。
【0030】
本発明のおみくじホルダーでは、複数の用紙を重ね合わせた用紙ユニットにより各頁が構成されるので、用紙ユニットの両側、つまり表頁と裏頁におみくじをそれぞれ保持させることができる。これにより、多くのおみくじを保持でき、また、頁の裏面におみくじがはみ出すことを防げるので、見た目にも優れる。
【0031】
図2に示した頁におみくじを挿入した状態の他の例を
図5に示す。おみくじによって長手方向長さは様々であり、
図5に示すおみくじ5’は、その長手方向長さがおみくじホルダーの長手方向長さよりも長くなっている。
【0032】
図5において、まず、おみくじ5’の下端から切れ目部4bに挿入し、切れ目部4cからおみくじ5’の下部を表出させる。そして、おみくじ5’の上部に形成された折り目部5a’でおみくじ5’を折り曲げた状態で、おみくじ5’の上端を切れ目部4aに差し込む。このとき、折り目部5a’で折り曲げられた部分が、切れ目部4aに引っかかった状態となる。この状態で、おみくじ5’の下部を下方へゆっくり引っ張り、
図5中図の状態とする。最後に、所定位置の折り目部5b’でおみくじ5’の下部を折り返すことで、おみくじホルダーからはみ出さずにおみくじ5’を収納できる。このように折り返して収納する場合には、おみくじ5’を保持した状態のまま、折り返し部分を開くことで容易に託宣を読むことができる。また、頁の表面側に表出した部分が多いため、閲覧性に優れる。なお、一般に、おみくじは折り畳まれて販売されている場合が多く、予め複数の折り目部が形成されている場合が多い。
図5の収納方法では、その予め形成された折り目部を利用することが好ましい。
【0033】
また、
図1に示すおみくじホルダー1は、継ぎ目のない見開き頁を有する。この場合、おみくじホルダー1は、二つ折りされた1枚の用紙を複数重ねて構成されている。各用紙は、折り目部が同じ側に位置するように向きを揃えられて重ね合わされている。このおみくじホルダー1は、用紙の折り目部を広げるように捲られる。このため、見開き頁は、1枚の用紙から構成される。この構成とすることで、おみくじホルダー1のいずれの頁を捲った状態でも、見開き頁を完全にフラットな状態とできる。見開き頁の中央に継ぎ目も凹凸もないため、書き込み時などにおいて引っ掛かりがなく使用感に優れる。
【0034】
本発明のおみくじホルダーの頁の構成について、他の実施例を
図6に基づいて説明する。
図6に示すように、表頁3a’は、4つの切れ目部からなる切れ目4’を有している。切れ目4’は、表頁3a’の短手方向の左寄りに形成され、表頁3a’の右寄りにはスペースS’が設けられる。切れ目4’において、互いに隣接した切れ目部同士の間隔の長さは互いに等しくなっている。
【0035】
なお、各頁における切れ目部の数は、3個や4個に限らず、2個や5個以上であってもよい。おみくじの保持性と保持した状態での閲覧性とのバランスから、各頁における切れ目部の数は3~4個が好ましい。
【0036】
上記
図1~
図6において、各切れ目部は、頁の短手方向に沿って1本の直線状に形成したが、これに限らず、複数の直線部、複数の曲線部、またはこれらを組み合わせて形成してもよい。例えば、
図7に示すように、各切れ目部は、ジグザグ状(
図7(a))、略円弧状(
図7(b))、波型状(
図7(c))、略放物線状(
図7(d))などにすることができる。
図7(a)~(d)では、各図の左右方向が頁の短手方向に相当し、各切れ目部は、全体として短手方向に延びて形成されている。これらの形状においても、互いに隣接した切れ目部同士は、間隔長さDを維持した状態で並列に配置される(平行となっている)。なお、各形状における切れ目長さLは、
図7に示すように、頁の短手方向における各切れ目部の一端から他端までの長さである。
【0037】
各頁における切れ目部は、用紙を裁断したり、所定長さや所定形状のカッターを押し当てるなどして形成される。本発明のおみくじホルダーは、予め切れ目部が形成された用紙を周知の方法で綴じることで製造される。
【0038】
本発明のおみくじホルダーの他の実施例を
図8に基づいて説明する。おみくじホルダー11は、表紙12と表紙12に固定された用紙からなる複数の頁13とを有する。頁13は複数の切れ目部からなる切れ目14を有するとともに、頁の端部に、頁厚みが該頁の他の部分よりも厚く形成された肉厚部17を有する。
図8において、肉厚部17は、表頁13aの右上端の一部が表表紙側に折り曲げられて構成される。肉厚部17は、用紙の一部が折り返され、重ねられることで他の部分よりも肉厚となっている。
【0039】
おみくじホルダーは保管するおみくじの数の増加に伴って、そのおみくじの厚み分嵩張っていくため、外観を損ね、使い勝手に支障をきたすおそれがある。この点を考慮し、各頁13に肉厚部17を設けることで、肉厚部17によって生じた頁間のスペースにおみくじが保持されるため、おみくじの保管に伴う嵩張りが抑制される。また、各頁が該頁の端部(
図8では右上端)に肉厚部17を有するため、頁送りなど使い勝手に一層優れる。
【0040】
以上、各図に基づきおみくじホルダーの形態を説明したが、本発明のおみくじホルダーの構成は、これに限定されるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明のおみくじホルダーは、簡易な構成としつつも複数のおみくじを保管できるとともに、取り扱い性、閲覧性に優れるので、おみくじを複数保管するのに適している。
【符号の説明】
【0042】
1、11 おみくじホルダー
2、12 表紙
3、13 頁
3a、13a 表頁
3b、13b 裏頁
4、14 切れ目
4a、4b、4c 切れ目部
5、5’ おみくじ
6、16 用紙ユニット
6a、6b、6c 用紙
7 スリット
8 糊
17 肉厚部