(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】遠位制御される医療用デバイス
(51)【国際特許分類】
A61M 25/092 20060101AFI20220725BHJP
A61M 25/00 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
A61M25/092 500
A61M25/00 632
(21)【出願番号】P 2019520934
(86)(22)【出願日】2017-07-07
(86)【国際出願番号】 US2017041224
(87)【国際公開番号】W WO2018009883
(87)【国際公開日】2018-01-11
【審査請求日】2020-07-07
(32)【優先日】2017-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】520249309
【氏名又は名称】マイクロノバス リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャイルズ,ブライアン
【審査官】伊藤 孝佑
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-531270(JP,A)
【文献】特開2015-192845(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0089569(US,A1)
【文献】特開2000-126301(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/092
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端および遠位端を有する、長手軸を伴う筒状部材と、
前記筒状部材の前記遠位端に、前記遠位端に沿って、または前記遠位端付近に位置する、少なくとも1つの部分的カットであって、前記少なくとも1つの部分的カットが、前記長手軸と、前記長手軸に対して横向きの軸との両方に対して傾斜している向きを含む、少なくとも1つの部分的カットと、
前記筒状部材の内部に配置され、前記筒状部材の前記遠位端を長手方向に選択的に前進させ、それによって前記筒状部材の前記遠位端に沿ってトルクを付与するように構成されたプッシャ部材であって、前記筒状部材の前記遠位端が、前記プッシャ部材が前記筒状部材に対して前記長手軸に沿って前進した際に、少なくとも部分的に回転し、それにより、対象者の特定の解剖学上の位置内における前記遠位端の配置を促進するように構成されている、プッシャ部材と、を備え、
前記筒状部材の前記遠位端が、前記少なくとも1つの部分的カットのエリアに沿うかその付近で、長手方向に延長するように構成されて
おり、
前記プッシャ部材が、前記筒状部材に固定されていない、デバイス。
【請求項2】
前記少なくとも1つの部分的カットが、前記筒状部材の壁の厚さ全体にわたって延びている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記少なくとも1つの部分的カットが、前記筒状部材の壁の厚さ全体にわたって延びていない、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記少なくとも1つの部分的カットが、螺旋状またはヘリカル形状を有している、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記長手軸に対する前記少なくとも1つの部分的カットの角度が、10度から80度の間である、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記プッシャ部材が管腔を備えている、請求項1から請求項
5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
対象者の生体構造内での前記デバイスの操縦を促進するための少なくとも1つのプル部材をさらに備えている、請求項1から請求項
6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
近位端および遠位端を有する、長手軸を伴う筒状部材と、
前記筒状部材の前記遠位端に、前記遠位端に沿って、または前記遠位端付近に位置する、少なくとも1つの部分的カットであって、前記少なくとも1つの部分的カットが、前記長手軸と、前記長手軸に対して横向きの軸との両方に対して傾斜している向きを含む、少なくとも1つの部分的カットと、
前記筒状部材の内部に配置され、前記筒状部材の前記遠位端を長手方向に選択的に前進させ、それによって前記筒状部材の前記遠位端に沿ってトルクを付与するように構成されたプッシャ部材であって、前記筒状部材の前記遠位端が、前記プッシャ部材が前記筒状部材に対して前記長手軸に沿って前進した際に、少なくとも部分的に回転し、それにより、対象者の特定の解剖学上の位置内における前記遠位端の配置を促進するように構成されている、プッシャ部材と、を備え、
前記筒状部材の前記遠位端が、前記少なくとも1つの部分的カットのエリアに沿うかその付近で、長手方向に延長するように構成されており、
前記プッシャ部材が、コイル状部材を備えている
、デバイス。
【請求項9】
ハンドルアセンブリをさらに備え、前記ハンドルアセンブリの第1の部分が前記筒状部材に固定されているとともに、前記ハンドルアセンブリの第2の部分が前記プッシャ部材に固定されており、前記ハンドルアセンブリの前記第2の部分に対する前記第1の部分の移動が、前記プッシャ部材に対する前記筒状部材の移動を促進する、請求項1から請求項
8のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項10】
近位端および遠位端を有する、長手軸を伴う筒状部材と、
前記筒状部材の前記遠位端に、前記遠位端に沿って、または前記遠位端付近に位置する、少なくとも1つの部分的カットであって、前記少なくとも1つの部分的カットが、前記長手軸と、前記長手軸に対して横向きの軸との両方に対して傾斜している向きを含む、少なくとも1つの部分的カットと、
前記筒状部材の内部に配置され、前記筒状部材の前記遠位端を長手方向に選択的に前進させ、それによって前記筒状部材の前記遠位端に沿ってトルクを付与するように構成されたプッシャ部材であって、前記筒状部材の前記遠位端が、前記プッシャ部材が前記筒状部材に対して前記長手軸に沿って前進した際に、少なくとも部分的に回転し、それにより、対象者の特定の解剖学上の位置内における前記遠位端の配置を促進するように構成されている、プッシャ部材と、を備え、
前記筒状部材の前記遠位端が、前記少なくとも1つの部分的カットのエリアに沿うかその付近で、長手方向に延長するように構成されており、
前記少なくとも1つの部分的カットが、単一のピッチ方向に向けられた単一のヘリックスを有している
、デバイス。
【請求項11】
前記プッシャ部材が、部分的または完全に前記筒状部材から除去可能である、請求項1から請求項
10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
近位端および遠位端を有する、長手軸を伴う筒状部材と、
前記筒状部材の前記遠位端に、前記遠位端に沿って、または前記遠位端付近に位置する、少なくとも1つの部分的カットであって、前記少なくとも1つの部分的カットが、前記長手軸と、前記長手軸に対して横向きの軸との両方に対して傾斜している向きを含む、少
なくとも1つの部分的カットと、
前記筒状部材の内部に配置され、前記筒状部材の前記遠位端を長手方向に選択的に前進させ、それによって前記筒状部材の前記遠位端に沿ってトルクを付与するように構成されたプッシャ部材であって、前記筒状部材の前記遠位端が、前記プッシャ部材が前記筒状部材に対して前記長手軸に沿って前進した際に、少なくとも部分的に回転し、それにより、対象者の特定の解剖学上の位置内における前記遠位端の配置を促進するように構成されている、プッシャ部材と、を備え、
前記筒状部材の前記遠位端が、前記少なくとも1つの部分的カットのエリアに沿うかその付近で、長手方向に延長するように構成されており、
前記筒状部材の前記遠位端が、前記長手軸に対して傾斜している
、デバイス。
【請求項13】
近位端および遠位端を有する、長手軸を伴う筒状部材と、
前記筒状部材の前記遠位端に、前記遠位端に沿って、または前記遠位端付近に位置する、少なくとも1つの部分的カットと、
前記長手軸に沿って前記筒状部材に対して移動するように構成され、かつ前記筒状部材の前記遠位端を前記長手軸に沿って選択的に移動するように構成された力付与部材であって、前記筒状部材の前記遠位端が、前記力付与部材が前記筒状部材に対して前進した際に、前記長手軸の周りを少なくとも部分的に回転するように構成されている、力付与部材と、を備え、
前記筒状部材の前記遠位端が、前記少なくとも1つの部分的カットのエリアに沿うかその付近で、長手方向に延長するように構成されている、デバイス。
【請求項14】
近位端および遠位端を有する、長手軸を伴う筒状部材と、
前記筒状部材の前記遠位端に、前記遠位端に沿って、または前記遠位端付近に位置する、少なくとも1つの部分的カットと、
前記長手軸に沿って前記筒状部材に力を付与するように構成され、かつ前記長手軸に沿って前記少なくとも1つの部分的カットを用いて前記筒状部材の部分の長さを選択的に修正するように構成された力付与部材と、を備え、
前記筒状部材の前記遠位端が、前記力付与部材からの前記力を変化させた際に、前記長手軸の周りを少なくとも部分的に回転するように構成されており、
前記筒状部材の前記遠位端が、前記少なくとも1つの部分的カットのエリアに沿うかその付近で、長手方向に延長するように構成されている、デバイス。
【請求項15】
前記少なくとも1つの部分的カットが、前記筒状部材の壁の厚さ全体にわたって延びている、請求項
13又は請求項
14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記少なくとも1つの部分的カットが、前記筒状部材の壁の厚さ全体にわたって延びていない、請求項
13又は請求項
14に記載のデバイス。
【請求項17】
前記少なくとも1つの部分的カットが、前記長手軸と、前記長手軸に対して横向きの軸との両方に対して傾斜している向きを含む、請求項
13から請求項
16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記少なくとも1つの部分的カットが、螺旋状またはヘリカル形状を有している、請求項
13から請求項
17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
前記長手軸に対する前記少なくとも1つの部分的カットの角度が、10度から80度の間である、請求項
18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記力付与部材が、前記筒状部材の前記遠位端に沿って前記筒状部材に固定されている
、請求項
13から請求項
19のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項21】
前記力付与部材が、前記筒状部材に固定されていない、請求項
13から請求項
19のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項22】
前記力付与部材が、前記筒状部材の開口内に配置されている、請求項
13から請求項
21のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項23】
前記力付与部材が管腔を備えている、請求項
13から請求項
22のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項24】
対象者の生体構造内での前記デバイスの操縦を促進するための少なくとも1つのプル部材をさらに備えている、請求項
13から請求項
23のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項25】
前記力付与部材が、コイル状部材を備えている、請求項
13から請求項
24のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項26】
ハンドルアセンブリをさらに備え、前記ハンドルアセンブリの第1の部分が前記筒状部材に動作可能なように結合されているとともに、前記ハンドルアセンブリの第2の部分が前記力付与部材に動作可能なように結合されており、前記ハンドルアセンブリの前記第2の部分に対する前記第1の部分の移動が、前記力付与部材に対する前記筒状部材の移動を促進する、請求項
13から請求項
25のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項27】
前記少なくとも1つの部分的カットが、単一のピッチ方向に向けられた単一のヘリックスを有している、請求項
13から請求項
26のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項28】
前記力付与部材が、部分的または完全に前記筒状部材から除去可能である、請求項
13から請求項
27のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項29】
前記筒状部材の前記遠位端が、前記長手軸に対して傾斜している、請求項
13から請求項
28のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項30】
筒状部材と、前記筒状部材に対して選択的に移動するように構成された力付与部材とを備え、前記筒状部材が、前記筒状部材の遠位端に沿って少なくとも1つのカットを備えている、管腔内デバイスを提供することと、
前記筒状部材に対する前記力付与部材の移動により、前記力付与部材が、前記筒状部材の前記遠位端を前記デバイスの長手方向に移動させ、前記筒状部材の前記遠位端を長手軸の周りを選択的に回転させるように構成されており、
前記筒状部材に対して前記力付与部材を移動させて、前記デバイスの前記遠位端を前記長手軸の周りを選択的に回転させることと、を含む、管腔内デバイスの遠位端を回転させる方法。
【請求項31】
筒状部材と、前記筒状部材に力を選択的に付与するように構成された力付与部材とを備え、前記筒状部材が、前記筒状部材の遠位端に沿って少なくとも1つのカットを備えている、管腔内デバイスを提供することと、
前記力付与部材からの前記付与された力が、前記装置の長手方向に沿って前記筒状部材の長さを変更させ、前記筒状部材の前記遠位端を長手軸の周りを選択的に回転させるように構成されており、
前記力付与部材が前記筒状部材に付与して、前記装置の前記遠位端が前記長手軸の周りを選択的に回転させる量を変化させる結果となる前記力を変更/変化させることと、を含
む、管腔内デバイスの遠位端を回転させる方法。
【請求項32】
前記少なくとも1つのカットが、螺旋状またはヘリカル形状を有している、請求項
30又は請求項
31に記載の方法。
【請求項33】
前記長手軸に対する前記少なくとも1つのカットの角度が、10度から80度の間である、請求項
30又は請求項
31に記載の方法。
【請求項34】
ハンドルアセンブリをさらに備え、前記ハンドルアセンブリの第1の部分が前記筒状部材に動作可能なように結合されているとともに、前記ハンドルアセンブリの第2の部分が前記力付与部材に動作可能なように結合されており、前記ハンドルアセンブリの前記第2の部分に対する前記第1の部分の移動が、前記力付与部材に対する前記筒状部材の移動を促進する、請求項
30又は請求項
31に記載の方法。
【請求項35】
前記力付与部材が、部分的または完全に前記筒状部材から除去可能である、請求項
30又は請求項
31に記載の方法。
【請求項36】
前記筒状部材の前記遠位端が、前記デバイスの前記長手軸に対して傾斜している、請求項
30又は請求項
31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年7月7日に出願された米国特許出願第15/204,800号、2016年7月7日に出願された米国仮特許出願第62/359,588号、および、2017年3月5日に出願された米国仮特許出願第62/467,229号の優先権を主張する。これら文献の各々の全内容は、参照することにより、その全体が、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、外科用器械の概略的分野にあり、特に、カテーテル、ガイドワイヤ、内視鏡、および内視鏡デバイスに関する。これらは、限定ではないが、血管、消化器管、および泌尿生殖器管などの、体内の腔内構造内へのデバイスの配置を促すために、心臓血管の手術および血管内の手術などの、侵襲性が最小限の手術で使用される。
【背景技術】
【0003】
カテーテル、ガイドワイヤ、内視鏡、および関連する内視鏡器具が、身体の管腔構造にアクセスすることにより、状況を診断および処置するために使用されてきた。身体の管腔構造には、限定ではないが、血管、心臓、消化器(GI)管、泌尿生殖器(GU)管、腹膜キャビティ、胸部キャビティ、隔膜、気管支路、くも膜下空間、および頭蓋内脳室系が含まれる場合がある。カテーテル、ガイドワイヤ、および内視鏡は、侵襲性が最小限とされる、腹腔鏡検査手術および他の手術において使用される場合がある。これらデバイスは、近位端(すなわち、身体の外側のデバイスの端部)から遠位端(すなわち、身体内のデバイスの端部)に、デバイスの長手構造に沿うとともにこの長手構造を通して力を伝達することによって操作される。デバイスの遠位部分の正確な制御が、血管などの所望の管腔構造に正確にカニューレを挿入するように、医療手術のために必要とされている。このことを達成するために、いくつかの実施形態では、ガイドワイヤおよびカテーテルなどの腔内デバイスの設計プロセスの間、複数の設計上の基準が考慮される。主要な設計の基準には、プッシュ能力、トルク能力、および柔軟性が含まれる
【0004】
プッシュ能力は、デバイスを、デバイスの長手軸に沿って移動させ、結果として平行移動させる能力に関する。プッシュ能力は、デバイスの剛性に直接依存しており、デバイス内で採用される材料の弾性係数に大きく依存している。弾性係数が高いデバイスは、デバイスの長さに沿って効率的に力を伝達することが可能であり、一方、弾性係数が低いデバイスは、それほど効率的には力を伝達せず、デバイスの変形または歪みが生じる結果となる。
【0005】
トルク能力は、デバイスの長さに沿って伝達される回転移動の能力に関し、デバイス内で採用される材料の剛性率(またはせん断弾性係数)に直接依存する。剛性率が高いデバイスは、デバイスの長さに沿って効率的にトルクを伝達することが可能であり、一方、剛性率が低いデバイスは、それほど効率的には力を伝達しない。
【0006】
柔軟性は、その横軸に沿って曲がり、反れるデバイスの能力に関する。柔軟性は、人間の脈管構造内に存在する曲げ部および湾曲部にデバイスが追従することを可能にするために必要である。柔軟性は、材料のタイプならびに/または、曲げを可能にする、デバイス内のスリットの間隔およびサイズなどの、構造的な因子によって影響される場合がある。しかし、柔軟性は、弾性係数および剛性率とは逆に依存しており、このため、プッシュ能力およびトルク能力を犠牲にすることになる。
【0007】
理想的には、カテーテル、ガイドワイヤ、内視鏡、または内視鏡器具などのデバイスは、遠位端の、近位端に対する1対1の回転を示す。たとえば、デバイスの近位端が90度だけ時計回りに回転した場合、デバイスの遠位端も、90度だけ時計回りに回転することになる。残念ながら、実際には、このことは通常、デバイスが身体の管腔構造の湾曲路に従属的な、1つまたは複数の曲げ部またはループを、その長さに沿って有している場合に特に、生じない。身体構造(血管、GI管およびGU管)の本来的な湾曲は、デバイスの各部分が、デバイスが身体内を移動する際に摩擦力を課されることを意味している。
【0008】
これら摩擦力は、デバイスの近位端から遠位端への力の伝達を妨げる場合がある。特に問題であるエリアの1つが、デバイスに沿ってのトルクの伝達である。結果として、ポテンシャルエネルギがしばしば、近位端が回転する際に、デバイスの長さに沿って貯蔵される。このデバイス内に貯蔵されたポテンシャルエネルギが、デバイスに沿って発揮される摩擦力を超えると、ポテンシャルエネルギが解放された際に、「デバイスウィップ(device whip)」としても知られている、デバイスの突然の回転が生じる場合がある。このことは、所望の管にカニューレを挿入することを困難にし得て、また、対象者に傷害を生じる場合がある。このため、カテーテル、ガイドワイヤ、内視鏡、および内視鏡器具デバイスなどの現在のデバイスは、様々な方法で、剛性と柔軟性との間のバランスを取ることに努めている。正確で、信頼性のある回転移動を医療用デバイスの遠位の態様に与えるための、向上された装置、システム、および方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
いくつかの実施形態によれば、デバイスは、近位端および遠位端を有する、長手軸を伴う筒状部材と、筒状部材の遠位端に、遠位端に沿って、または遠位端付近に位置する、少なくとも1つの部分的カットであって、少なくとも1つの部分的カットが、長手軸と、長手軸に対して横向きの軸との両方に対して傾斜している向きを含む、少なくとも1つの部分的カットと、筒状部材の内部に配置され、筒状部材の遠位端を長手方向に選択的に前進させるように構成されたプッシャ部材であって、筒状部材の遠位端が、プッシャ部材が筒状部材に対して前進した際に、少なくとも部分的に回転し、それにより、対象者の管腔内のネットワークの特定の枝部内における遠位端の配置を促進するように構成されている、プッシャ部材と、を備え、筒状部材の遠位端が、少なくとも1つの部分的カットのエリアに沿うかその付近で、長手方向に延長するように構成されている。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、デバイスは、近位端および遠位端を有する、長手軸を伴う筒状部材と、筒状部材の遠位端に、遠位端に沿って、または遠位端付近に位置する、少なくとも1つの部分的カットであって、少なくとも1つの部分的カットが、長手軸と、長手軸に対して横向きの軸との両方に対して傾斜している向きを含む、少なくとも1つの部分的カットと、筒状部材の内部に配置され、筒状部材の遠位端を長手方向に選択的に前進させるように構成されたプッシャ部材と、を備え、筒状部材に対するプッシャ部材の移動が、長手方向の変位を回転移動に変換し、筒状部材の遠位端を、プッシャ部材が筒状部材に対して前進した際に、少なくとも部分的に回転させ、それにより、対象者の管腔内のネットワークの特定の枝部内における遠位端の配置を促進し、筒状部材の遠位端が、少なくとも1つの部分的カットのエリアに沿うかその付近で、長手方向に延長するように構成されている。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、管腔内デバイスの遠位端を選択的に回転させる方法は、筒状部材と、筒状部材に対して選択的に移動するように構成されたプッシャ部材とを備え、筒状部材が、筒状部材の遠位端に沿って少なくとも1つのカットを備えている、管腔内デバイスを提供することを含み、筒状部材に対するプッシャ部材の移動により、プッシャ部材が、筒状部材の遠位端を遠位に移動させ、筒状部材の遠位端を選択的に回転させるようになっている。本方法は、筒状部材に対してプッシャ部材を移動させて、デバイスの遠
位端を選択的に回転させることをさらに含んでいる。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの部分的カットは、筒状部材の壁の厚さ全体にわたって延びている。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの部分的カットは、筒状部材の壁の厚さ全体にわたって延びていない。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの部分的カットは、螺旋状またはヘリカル形状を有している。いくつかの実施形態では、長手軸に対する少なくとも1つの部分的カットの角度は、デバイスの長手軸に対して10度から80度の間(たとえば、10度から15度、15度から20度、20度から25度、25度から30度、30度から35度、35度から40度、40度から45度、45度から50度、50度から55度、55度から60度、60度から65度、65度から70度、70度から75度、75度から80度、前述の範囲の間の角度など)である。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、プッシャ部材は、筒状部材の遠位端に沿って筒状部材に固定されている。特定の構成では、プッシャ部材が、接着剤および機械的接続の少なくとも1つを使用して、筒状部材に固定されている。他の実施形態では、プッシャ部材は、筒状部材には固定されていない(たとえば、筒状部材に対して自在に動き、外れるように構成されている)。一実施形態では、プッシャ部材が遠位方向に十分に移動した際に、プッシャ部材は、筒状部材の内部に沿って少なくとも1つの表面に当接して、筒状部材を遠位に前進させるように構成されている。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、筒状部材は管腔を備え、この管腔を通して、プッシャ部材が選択的に移動する。いくつかの実施形態では、プッシャ部材は管腔を備えている。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、本デバイスは、筒状部材の外部に沿って配置された、少なくとも1つの外側部材またはコーティングをさらに備えている。いくつかの実施形態では、本デバイスは、対象者の生体構造内でのデバイスの操縦を促進するための少なくとも1つのプル部材をさらに備えている。一実施形態では、プル部材はプルワイヤを備えている。一実施形態では、プル部材は形状記憶材料を含んでいる。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、プッシャ部材は、使用中にその構造的完全性を維持するように構成されたコイル状部材を備えている。いくつかの実施形態では、本デバイスは、ハンドルアセンブリをさらに含み、ハンドルアセンブリの第1の部分が筒状部材に固定されているとともに、ハンドルアセンブリの第2の部分がプッシャ部材に固定されており、ハンドルアセンブリの第2の部分に対する第1の部分の移動が、プッシャ部材に対する筒状部材の移動を促進する。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの部分的カットは、単一のピッチ方向に向けられた単一のヘリックスを有している。他の実施形態では、少なくとも1つの部分的カットは、二重対掌性ヘリックスを含んでいる。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、管腔内デバイスは、外側部材に対する内側部材の線形移動の、デバイスの遠位部分の回転への変換を促進する、少なくとも1つのカットまたは特徴を有する外側部材を備えている。そのような回転移動により、所望または必要に応じて、(たとえば、所望の解剖学上の位置に達するかアプローチするために)デバイスの遠位端の、対象者の脈管構造または他の管腔内構造を通しての移動を促進することができる。いくつかの実施形態では、本明細書にさらに詳細に論じるように、管腔内デバイスは、管腔内位置(たとえば、血管内、他の管腔内、解剖学上の位置(たとえば、対象者の気道、消化器系などを通して)など)に向けられるように構成されている。
【0019】
本明細書にさらに詳細に論じるように、本明細書に開示の様々な実施形態は、医療用デ
バイスの遠位端(たとえば、カテーテル、マイクロカテーテル、シース、他の管腔内デバイスなど)を操作するための有利なデバイス、システム、および/または方法を提供することができる。いくつかの実施形態では、本デバイスは、1つまたは複数のカット(たとえば、チューブまたは外側部材の壁を通る、部分的であるか完全なカット)を備えたチューブまたは外側部材を含んでいる。いくつかの実施形態では、カットまたは類似の特徴は、チューブまたは外側部材の厚さ全体にわたって延びている。しかし、他の実施形態では、カットは、所望または必要に応じて、チューブまたは外側部材を部分的にのみ通って延びている。
【0020】
いくつかの実施形態では、チューブまたは外側部材の遠位部分は、1つまたは複数のカットまたは他の特徴を備えている。いくつかの実施形態では、そのようなカットは、形状がヘリカルまたは螺旋状である。いくつかの実施形態では、そのようなヘリカルカットは、一定であるか、一様な向きを有している。しかし、他の構成では、カットは、所望または必要に応じて、長手軸に対する2つ以上の向き(たとえば、角度、ピッチなど)、開口サイズ、間隔、および/または他の特性を有している。たとえば、いくつかの構成では、カット(複数の場合もある)は、デュアルヘリックスまたは二重対掌性ヘリックスの設計を有している。しかし、他の実施形態では、カットは、単一のヘリックスの設計を有している(たとえば、同じピッチ、向きの概略的な方向、他の特性、および/または類似のものを有するカット)。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、デバイスは、チューブまたは外側部材、プッシャまたは内側部材、および、チューブの遠位端に沿う1つまたは複数のカットまたは他の特徴を備えている。いくつかの実施形態では、チューブまたは外側部材に対するプッシャ部材の線形移動は、チューブの遠位部分の回転移動(たとえば、回転、ツイスト、旋回など)を生じる。そのような移動は、対象者の脈管構造または他の管腔内システムを通しての、デバイスの移動および/またはデバイスの操作を助けることができる。いくつかの実施形態では、チューブまたは他の部材は、1つまたは複数の固定(たとえば、直接的または間接的な)方法、特徴、デバイス、技術などを使用して、1つまたは複数の位置(たとえば、デバイスの遠位端)に沿ってプッシャまたは内側部材に固定されている。
【0022】
いくつかの実施形態では、(たとえば、部分的または完全に)チューブまたは外側部材を通るカットは、ヘリカルまたは螺旋状の形状を有している。たとえば、いくつかの実施形態では、カットは、デバイスの長手軸(または、長手軸に対して垂直な軸)に対して角度が付されている。たとえば、ヘリカル角度は、デバイスの長手軸に対して10度から80度の範囲(たとえば、10度から15度、15度から20度、20度から25度、25度から30度、30度から35度、35度から40度、40度から45度、45度から50度、50度から55度、55度から60度、60度から65度、65度から70度、70度から75度、75度から80度、前述の範囲の間の角度など)とすることができる。いくつかの実施形態では、ヘリカル角度は、15度から75度の範囲である。
【0023】
いくつかの実施形態では、カットは、チューブまたは遠位部材の遠位端に沿うかその近位にのみ存在する。たとえば、カット(複数の場合もある)は、遠位の0パーセントから20パーセント(たとえば、チューブおよび/またはデバイスの0%から1%、1%から2%、2%から3%、3%から4%、4%から5%、5%から6%、6%から7%、7%から8%、8%から9%、9%から10%、10%から15%、15%から20%、前述の範囲および値の間のパーセンテージなど)に沿って位置している。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、内側部材、そしてひいては、管腔内デバイス全体に、カニューレが挿入されるか、別様に管腔を備えている。いくつかの実施形態では、そのようなデバイスにより、所望または必要に応じて、1つまたは複数の他のデバイス、器具、お
よび/または他の部材の、その内部を通しての通過を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示のデバイスは、1つまたは複数の外側部材、層、コーティング、および/または他の部材を備えている。
【0025】
本開示は、カテーテル、ガイドワイヤ、慢性完全閉塞横断デバイス、内視鏡または内視鏡器具などの医療用デバイスの遠位端の回転を伴う方法および装置、具体的には、遠位端において線形移動を回転移動に変換する二重対掌性ヘリックスを伴う医療用デバイスを対象としている。
【0026】
本開示に係る一実施形態には、遠位端および近位端を有する、長手軸を伴う筒状部材であって、遠位の態様であって、遠位の態様の近位側において終端する遠位のヘリカルカットによって形成された遠位ヘリックスを伴って遠位端において終端する遠位の態様、近位の態様であって、近位の態様の遠位側で終端する近位のヘリカルカットによって形成された近位ヘリックスを伴って近位端で終端し、近位のヘリカルカットが右手または左手の一方であり、遠位のヘリカルカットが、右手または左手の他方である、近位の態様、および、遠位の態様と近位の態様とが接続している接続部を備えている、筒状部材と、筒状部材内に配置され、筒状部材に対してスライド可能である、長手方向の変位器と、筒状部材の一部の周りに配置され、接続部において筒状部材に結合している遠位セグメントと、を備えた、医療用デバイスが含まれる。遠位のヘリカルカットは、遠位のヘリカルカット幅を有し、近位のヘリカルカットは、近位のヘリカルカット幅を有し、遠位のヘリカルカット幅は、近位のヘリカルカット幅に等しいか異なる場合があり、ヘリカルカットの各々は、約0.1マイクロメートルから約30ミリメートルの間の範囲である場合がある。ヘリカルカットは、各々が、大きさが同じか異なる場合があり、約10度から約80度の範囲である場合があるヘリカルカット角度を有している。筒状部材は、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド、ナイロン、ニッケルチタン、ステンレス鋼の編組、および中空の螺旋状の撚り合わせたチューブ、または、当業者によって理解される他の適切な材料の1つまたは複数で形成される場合がある。結合手段には、1)接着剤、2)溶接、3)ろう付け、4)はんだ付け、5)機械的リンク、または、当業者に理解される他の適切な手段が含まれる場合がある。長手方向の変位器は、ある外径を有する長手部材を含む場合がある。筒状部材は内径を有し、それにより、遠位の態様の遠位端と、筒状部材の内径が長手部材の外径未満に低減されている接続部との間の部分を除き、筒状部材の内径が長手部材の外径よりも大であるようになっており、それにより、筒状部材の遠位端に向かう長手部材の長手方向の移動が、遠位の態様に長手方向の力を与えるようになっている。本医療用デバイスは、筒状部材の遠位端に配置され、長手方向の変位器の前方移動を妨げるキャップを含む場合がある。長手方向の変位器は、流体が注入された際に延長し、二重対掌性ヘリックスの遠位端を長手方向に変位させるように構成された膜を備えている。本医療用デバイスは、筒状部材の遠位の態様に配置された第1の磁気要素と、筒状部材の近位の態様に配置された第2の磁気要素と、第1の磁気要素と第2の磁気要素との少なくとも一方にエネルギを与えるように構成された電源と、を含む場合がある。遠位ヘリックスおよび近位ヘリックスは、形状記憶合金と形状記憶ポリマとの少なくとも一方から成る。第1の磁気要素は、電流を通し、磁場を生成するように構成された、磁石と、エレクトレットと、ワイヤと、コイルとの1つである場合があり、第2の磁気要素は、電流を通し、磁場を生成するように構成された、磁石と、強磁性材料と、エレクトレットと、ワイヤと、コイルとの1つである場合がある。
【0027】
本開示に係る別の実施形態は、遠位端および近位端を有する、長手軸を伴う筒状部材であって、遠位の態様であって、遠位の態様の近位側において終端するヘリカルカットによって形成されたヘリックスを伴って遠位端において終端する遠位の態様、および、近位端において終端している近位の態様を含む、筒状部材と、筒状部材内に配置され、筒状部材に対してスライド可能であり、遠位ヘリックスに長手方向の力を与えるように構成された
、長手方向の変位器と、を含んでいる、医療用デバイスである。遠位のカット幅は、約0.1マイクロメートルから約30ミリメートルの範囲内にある場合があり、遠位のヘリカルカットの角度は、約10度から約80度の間である場合がある。筒状部材は、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド、ナイロン、ニッケルチタン、ステンレス鋼の編組、および中空の螺旋状の撚り合わせたチューブの1つまたは複数で形成される場合があり、結合手段は、1)接着剤、2)溶接、3)ろう付け、4)はんだ付け、および5)機械的リンクの少なくとも1つを含んでいる。長手方向の変位器は、ある外径を有する長手部材を含む場合があり、筒状部材は内径を有し、それにより、遠位の態様の遠位端と、筒状部材の内径が長手部材の外径未満に低減されている接続部との間の部分を除き、筒状部材の内径が長手部材の外径よりも大であるようになっており、それにより、筒状部材の遠位端に向かう長手部材の長手方向の移動が、遠位の態様に長手方向の力を与えるようになっている。本医療用デバイスは、筒状部材の遠位端に配置され、長手方向の変位器の前方移動を妨げるキャップをも含む場合がある。長手方向の変位器は、流体が注入された際に延長し、ヘリカルカットのチューブの遠位端を長手方向に変位させるように構成された膜を含む場合がある。遠位ヘリックスは、形状記憶合金と形状記憶ポリマとの少なくとも一方を含む場合があり、筒状部材の遠位の態様と近位の態様との一方に配置された第1の磁気要素と、筒状部材の遠位の態様と近位との他方に配置された第2の磁気要素と、第1の磁気要素と第2の磁気要素との少なくとも一方にエネルギを与えるように構成された電源であって、第1の磁気要素が、電流を通し、磁場を生成するように構成された、磁石と、エレクトレットと、ワイヤと、コイルとの1つであり、第2の磁気要素が、電流を通し、磁場を生成するように構成された、磁石と、強磁性材料と、エレクトレットと、ワイヤと、コイルとの1つである、電源と、をさらに含んでいる。
【0028】
本開示に係る別の実施形態は、医療用デバイスの遠位端を制御するための方法であって、この医療用デバイスが、遠位端および近位端を有する、長手軸を伴う筒状部材であって、遠位の態様であって、遠位の態様の近位側において終端する遠位のヘリカルカットによって形成された遠位ヘリックスを伴って遠位端において終端する遠位の態様、近位の態様であって、近位の態様の遠位側で終端する近位のヘリカルカットによって形成された近位ヘリックスを伴って近位端で終端する近位の態様であって、近位のヘリカルカットが右手または左手の一方であり、遠位のヘリカルカットが、右手または左手の他方である、近位の態様、および、遠位の態様と近位の態様とが接続している接続部を備えている、筒状部材と、筒状部材内に配置され、筒状部材に対してスライド可能である、長手方向の変位器と、筒状部材の一部の周りに配置され、接続部において筒状部材に結合している遠位セグメントと、を備えている、制御するための方法である。本方法は、医療用デバイスを身体の腔内構造に挿入することと、身体内の医療用デバイスの画像を表示することと、画像内の対象となる領域を選択することと、長手方向の力を印加して、二重対掌性ヘリックスを変位させ、遠位端を回転させることと、ディスプレイ上で遠位端の位置の変化を観察することと、遠位端を所望の回転角度だけ回転させるように調整されるように、長手方向の変位量を調整することと、を含んでいる。ディスプレイは、限定ではないが、X線蛍光透視法、超音波撮像、コンピュータによる断層撮影(CAT)による撮像、磁気共鳴撮像(MRI)、および/または内視鏡撮像を含む、人体の内部の対象に関する任意の撮像技術の形態とすることができる。
【0029】
本開示に係る別の実施形態は、遠位端および近位端を有するチューブであって、このチューブの遠位の態様に二重対掌性ヘリックスがカットされている、チューブと、ワイヤと、このワイヤ上に同軸的に位置する、スライド可能なスリーブと、二重対掌性ヘリックスの2つのヘリックスの接続部に結合された遠位セグメントと、線形変位が制御されるハンドルとを含む、デバイスである。その性質により、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続は、二重対掌性ヘリックスの端部が線形的に延びるか後退される際に回転し、2つのヘリックスの接続ポイントの線形移動を回転移動に変換する結果となる。遠位セグメ
ントは、チューブの遠位の態様の外周周りに配置されており、ここでは、二重対掌性ヘリックスが刻まれている。遠位セグメントは、二重対掌性ヘリックスのヘリックスの接続部に結合している。遠位セグメントの先端は、角度が付けられた先端を有することができ、それにより、デバイスの案内を向上させる助けになっている。チューブは、二重対掌性ヘリックスの遠位側の管腔の内径が低減されたシェルフを有している。スリーブの外径は、チューブのシェルフの内径よりも大であるが、前述のシェルフ付近のチューブの内径より小である。スリーブは、チューブの前述のシェルフにスライド可能に当接および係合する。スリーブを前進させることにより、二重対掌性ヘリックスの線形変位に繋がる。線形変位が制御されたハンドルにより、チューブの長軸に対するスリーブの移動を制御することが可能になる。このことは、次いで、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続ポイントの回転、および、それに次ぐ遠位セグメントの回転に繋がる。回転の角度は、チューブの二重対掌性ヘリックスの線形変位に比例する。
【0030】
本開示に係る別の実施形態は、遠位端および近位端を有するチューブであって、このチューブの遠位の態様に二重対掌性ヘリックスがカットされている、チューブと、遠位端にテーパが付されたワイヤと、二重対掌性ヘリックスの2つのヘリックスの接続部に結合された遠位セグメントと、線形変位が制御されたハンドルとを含む、デバイスである。その性質により、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続は、二重対掌性ヘリックスの端部が線形的に延びるか後退される際に回転し、2つのヘリックスの接続ポイントの線形移動を回転移動に変換する結果となる。遠位セグメントは、チューブの遠位の態様の外周周りに配置されており、ここでは、二重対掌性ヘリックスが刻まれている。遠位セグメントは、二重対掌性ヘリックスのヘリックスの接続部に結合している。遠位セグメントの先端は、角度が付けられた先端を有することができ、それにより、デバイスの案内を向上させる助けになっている。チューブは、二重対掌性ヘリックスの遠位側の管腔の内径が低減されたシェルフを有している。ワイヤのテーパが付された部分の直径は、シェルフの内径未満である。ワイヤのテーパが付されていない部分の外径は、チューブのシェルフの内径よりも大であるが、前述のシェルフ付近のチューブの内径より小である。ワイヤのテーパが付されていない部分は、チューブの前述のシェルフに当接および係合する。ワイヤを前進させることにより、二重対掌性ヘリックスの線形変位に繋がる。線形変位が制御されたハンドルにより、チューブの長軸に対するワイヤの移動を制御することが可能になる。このことは、次いで、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続ポイントの回転、および、それに次ぐ遠位セグメントの回転に繋がる。回転の角度は、チューブの二重対掌性ヘリックスの線形変位に比例する。
【0031】
本開示に係る別の実施形態は、遠位端および近位端を有するチューブであって、このチューブの遠位の態様に二重対掌性ヘリックスがカットされている、チューブと、可逆的に拡張可能な部材を有するワイヤと、二重対掌性ヘリックスの2つのヘリックスの接続部に結合された遠位セグメントと、線形変位が制御されたハンドルとを含む、デバイスである。ワイヤは、チューブの管腔にスライド可能に係合する。可逆的に拡張可能な部材は、ワイヤの遠位の態様に沿って位置している。その性質により、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続は、二重対掌性ヘリックスの端部が線形的に延びるか後退される際に回転し、2つのヘリックスの接続ポイントの線形移動を回転移動に変換する結果となる。遠位セグメントは、チューブの遠位端周りの周囲に位置しており、二重対掌性ヘリックスの左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続部に結合されている。遠位セグメントの先端は、角度が付けられた先端を有することができ、それにより、枝部管腔をより良好に選択するようになっている。拡張可能な部材がしぼむと、ワイヤの外径が、ハイポチューブの内径未満となり、このため、ワイヤは、チューブの管腔内を自在に移動できるようになる。しかし、拡張可能な部材の、その膨張した状態における外径は、チューブの内径より大である。可逆的に拡張可能な部材が拡張されると、この部材は、チューブの遠位端と係合する。このため、続いてワイヤを前進させることにより、二重対掌性ヘリックスの線形
変位に繋がる。線形変位が制御されたハンドルにより、チューブの長軸に対するワイヤの移動を制御することが可能になる。このことは、次いで、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続ポイントの回転、および、それに次ぐ遠位セグメントの回転に繋がる。回転の角度は、チューブの二重対掌性ヘリックスの線形変位に比例する。
【0032】
本開示に係る別の実施形態は、遠位端および近位端を有するチューブであって、このチューブの遠位の態様に二重対掌性ヘリックスがカットされ、遠位端にキャップがされている、チューブと、ワイヤと、二重対掌性ヘリックスの2つのヘリックスの接続部に結合された遠位セグメントと、線形変位が制御されるハンドルとを含む、デバイスである。その性質により、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続は、二重対掌性ヘリックスの端部が線形的に延びるか後退される際に回転し、2つのヘリックスの接続ポイントの線形移動を回転移動に変換する結果となる。遠位セグメントは、チューブの遠位の態様の外周周りに配置されており、ここでは、二重対掌性ヘリックスが刻まれている。遠位セグメントは、二重対掌性ヘリックスのヘリックスの接続部に結合している。遠位セグメントの先端は、角度が付けられた先端を有することができ、それにより、デバイスの案内を向上させる助けになっている。ワイヤの外径は、チューブの内径未満である。ワイヤの遠位端は、チューブのキャップがされた遠位端に当接および係合する。ワイヤを前進させることにより、二重対掌性ヘリックスの線形変位に繋がる。線形変位が制御されたハンドルにより、チューブの長軸に対するワイヤの移動を制御することが可能になる。このことは、次いで、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続ポイントの回転、および、それに次ぐ遠位セグメントの回転に繋がる。回転の角度は、チューブの二重対掌性ヘリックスの線形変位に比例する。
【0033】
本開示に係る別の実施形態は、遠位端および近位端を有するチューブであって、このチューブの遠位の態様に二重対掌性ヘリックスがカットされ、遠位端にキャップがされている、チューブと、二重対掌性ヘリックスを包含するライナと、二重対掌性ヘリックスの2つのヘリックスの接続部に結合された遠位セグメントと、線形変位が制御されるハンドルとを含む、デバイスである。その性質により、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続は、二重対掌性ヘリックスの端部が線形的に延びるか後退される際に回転し、2つのヘリックスの接続ポイントの線形移動を回転移動に変換する結果となる。遠位セグメントは、チューブの遠位の態様の外周周りに配置されており、ここでは、二重対掌性ヘリックスが刻まれている。遠位セグメントは、二重対掌性ヘリックスのヘリックスの接続部に結合している。遠位セグメントの先端は、角度が付けられた先端を有することができ、それにより、デバイスの案内を向上させる助けになっている。チューブの管腔内に流体を注入することにより、二重対掌性ヘリックスの線形変位の程度を変化させることに繋がる。このことは、次いで、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続ポイントの回転、および、それに次ぐ遠位セグメントの回転に繋がる。回転の角度は、チューブの二重対掌性ヘリックスの線形変位に比例する。
【0034】
ハンドルは、細長いチューブに対し、スリーブまたはワイヤをより正確に移動させるために、スリーブまたはワイヤの近位端、および、チューブの近位端に適用することができる。このハンドルは、チューブの長軸に沿って互いに対して変位することが可能である2つの同軸のチューブで構成することができる。互いに対する平行移動のための手段には、限定ではないが、1)チューブの長軸に沿う2つの同軸チューブの手動の変位と、2)ネジ部分に沿うチューブの回転が、互いに対するチューブの線形変位に繋がる(ボルトをナットにねじこむことの線形移動に類似の機構)ように、同軸的に受領可能である、各チューブのネジ部分とが含まれる。ハンドルは、内側ワイヤおよび細長いチューブを、グリッパデバイスの管腔内に同軸的に受領することができる。締結機構は、スリーブまたはワイヤを、一方の端部でグリップし、チューブを他方の端部でグリップするように、ハンドルの各端部に沿って位置することができる。これら締結機構は、永続的または可逆的に、定
位置に固定することができる。これら締結機構は、やはり、スリーブまたはワイヤまたは細長いチューブ周りに旋回することができ、それにより、スリーブ、ワイヤ、または細長いチューブが、1つまたは複数の同軸チューブが回転している間、回転移動しないようになっている。
【0035】
本開示に係る別の実施形態は、遠位端および近位端を有するチューブであって、二重対掌性ヘリックスがチューブの遠位の態様に切られており、前述の細長いチューブが、周囲の環境の変化に応じて形状変化を経ることが可能な材料から成る、チューブと、二重対掌性ヘリックスの2つのヘリックスの接続部に結合している遠位セグメントと、チューブに形状変化を生じさせるための手段と、チューブの形状変化に反作用させるための手段と、を含む、デバイスである。その性質により、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続は、二重対掌性ヘリックスの端部が線形的に延びるか後退される際に回転し、2つのヘリックスの接続ポイントの線形移動を回転移動に変換する結果となる。遠位セグメントは、チューブの遠位端周りの周囲に位置しており、二重対掌性ヘリックスの左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続部に結合されている。遠位セグメントの先端は、角度が付けられた先端を有することができ、それにより、枝部管腔をより良好に選択するようになっている。限定ではないが、温度、電場、pH、光、イオン濃度が含まれる環境の変化により、二重対掌性ヘリックスの線形変位が存在するように、チューブの形状変化を生じる。このことは、次いで、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続ポイントの回転、および、それに次ぐ遠位セグメントの回転に繋がる。回転の角度は、チューブの二重対掌性ヘリックスの線形変位に比例する。チューブの形状変化に反作用するための手段は、限定ではないが、導管をチューブの遠位端に結合することを含んでいる。テンションの量の変化は、二重対掌性ヘリックスの線形変位に反作用するために、導管に適用することができる。
【0036】
本開示に係る別の実施形態は、遠位端および近位端を有するチューブであって、このチューブの遠位の態様に二重対掌性ヘリックスがカットされている、チューブと、二重対掌性ヘリックスの2つのヘリックスの接続部に結合された遠位セグメントと、デュアル螺旋対称性カットを含むチューブの線形変位のための手段と、を含み、前述の手段には、限定ではないが、電場の反発または磁場の反発が含まれる、デバイスである。その性質により、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続は、二重対掌性ヘリックスの端部が線形的に延びるか後退される際に回転し、2つのヘリックスの接続ポイントの線形移動を回転移動に変換する結果となる。遠位セグメントは、チューブの遠位端周りの周囲に位置しており、二重対掌性ヘリックスの左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続部に結合されている。遠位セグメントの先端は、角度が付けられた先端を有することができ、それにより、枝部管腔をより良好に選択するようになっている。二重対掌性ヘリックスの領域に沿うか、領域の近位に、逆向きの電場または磁場を印加させるための手段の例には、限定ではないが、1)二重対掌性ヘリックスの一方の端部に永続的な電荷または磁荷を印加し、二重対掌性ヘリックスの反対側の端部に、可変の、誘導性の電荷または磁荷を印加することと、2)二重対掌性ヘリックスの一方の端部に誘導性の電荷または磁荷を印加し、二重対掌性ヘリックスの反対側の端部に、可変の、誘導性の電荷または磁荷を印加することと、3)二重対掌性ヘリックスのカットの一方の端部に電荷または磁荷を印加し、二重対掌性ヘリックスの近位のガイドワイヤの部分に電荷または磁荷を印加することと、が含まれている。逆の電力または磁力は、二重対掌性ヘリックスの線形変位に繋がる。このことは、次いで、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続ポイントの回転、および、それに次ぐ遠位セグメントの回転に繋がる。回転の角度は、チューブの二重対掌性ヘリックスの線形変位に比例する。
【0037】
本開示に係る別の実施形態は、遠位端および近位端を有するチューブと、2つ以上の外径を有するワイヤと、ワイヤを前進させるための手段とを含むデバイスである。二重対掌
性ヘリックスは、管腔の内径が低減されたチューブのすぐ近くのチューブに切られている。その性質により、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続は、二重対掌性ヘリックスの端部が線形的に延びるか後退される際に回転し、2つのヘリックスの接続ポイントの線形移動を回転移動に変換する結果となる。限定ではないが、歯を含む、ワイヤに係合するための手段は、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続ポイントに存在する。1つまたは複数の溝は、ワイヤのテーパが付された部分に沿う、ワイヤの長手軸に沿って位置しており、溝は、ワイヤの直径の変位部分のわずかに近位で延びている。歯は、1つまたは複数の溝に、内側のワイヤの遠位の態様に沿ってスライド可能に係合する。ワイヤの遠位の態様の直径は、近位の直径未満である。チューブの遠位端の管腔の内径は、ワイヤの遠位の態様の直径より大であるとともに、ワイヤの近位の態様の直径未満である。ワイヤをチューブ内に前進させることにより、二重対掌性ヘリックスの線形変位に繋がる。このことは、次いで、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続ポイントの回転、および、それに次ぐワイヤの遠位の態様の回転に繋がる。回転の角度は、チューブの二重対掌性ヘリックスの線形変位に比例する。
【0038】
本開示に係る別の実施形態は、外側シースと、遠位端および近位端を有するチューブであって、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)がチューブの遠位の態様に与えられている、チューブと、チューブの管腔内に位置する、スライド可能なスリーブと、を備えた医療用デバイスを含んでいる。その特性により、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)より遠位のチューブの部分は、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)が線形的に延びるか後退する際に回転し、線形移動から回転移動への変換に繋がる。ヘリカル/螺旋状のカットのチューブの遠位端は、角度が付けられた先端を有することができ、それにより、デバイスの案内を向上させる助けになっている。チューブは、ヘリカルまたは螺旋状のカットの遠位側の管腔の内径が低減させたシェルフを有することができる。スリーブの外径は、チューブのシェルフの内径よりも大であるが、前述のシェルフ付近のチューブの内径より小である。スリーブは、チューブの前述のシェルフにスライド可能に当接および係合する。スリーブを前進させることにより、チューブのカット部分の線形変位に繋がる。代替的には、スリーブは、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)の遠位側のチューブに、限定ではないが、接着剤、はんだ付け、溶接、ろう付け、および/または機械的リンクを含む手段によって結合することができる。線形変位が制御されたハンドルにより、チューブの長軸に対するスリーブの移動を制御することが可能になる。このことは、次いで、チューブの遠位端の回転に繋がる。回転の角度は、チューブのヘリカルまたは螺旋状のカット部分の線形変位に比例する。チューブは、外側シースの管腔の内部に位置しており、それにより、チューブのヘリカルまたは螺旋状のカットの部分が、外側シースの管腔内に配置され、一方、チューブの遠位端が、外側シースを超えて延びることができるようになっている(たとえば、チューブの全体の長さが、外側シースの全体の長さより大であり、一方、チューブの近位端から、チューブのカット部分のもっとも遠位の態様までの長さが、外側シースの全体の長さより小である)。チューブおよびスライド可能なスリーブは、外側シースから除去することができ、それにより、外側シースが、限定ではないが、造影剤(複数の場合もある)、薬剤(複数の場合もある)、ステント、塞栓剤の注入を含む、診断および/または治療用の薬(複数の場合もある)の搬送のための導管としての役割を果たす場合がある。
【0039】
本開示に係る別の実施形態は、遠位端および近位端を有するチューブであって、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)がチューブの遠位の態様に与えられている、チューブと、チューブの周りの外側層と、チューブの管腔内に位置する、スライド可能なスリーブと、を備えた医療用デバイスを含んでいる。その特性により、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)より遠位のチューブの部分は、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)が線形的に延びるか後退する際に回転し、線形移動から回転移動への変換に繋がる。ヘリカル/螺旋状のカットのチューブの遠
位端は、角度が付けられた先端を有することができ、それにより、デバイスの案内を向上させる助けになっている。チューブは、ヘリカルまたは螺旋状のカットの遠位側の管腔の内径が低減させたシェルフを有することができる。スリーブの外径は、チューブのシェルフの内径よりも大であるが、前述のシェルフ付近のチューブの内径より小である。スリーブは、チューブの前述のシェルフにスライド可能に当接および係合する。スリーブを前進させることにより、チューブのカット部分の線形変位に繋がる。代替的には、スリーブは、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)の遠位側のチューブに、限定ではないが、接着剤、はんだ付け、溶接、ろう付け、および/または機械的リンクを含む手段によって結合することができる。線形変位が制御されたハンドルにより、チューブの長軸に対するスリーブの移動を制御することが可能になる。このことは、次いで、チューブの遠位端の回転に繋がる。回転の角度は、チューブのヘリカルまたは螺旋状のカット部分の線形変位に比例する。チューブの外側の周りには、チューブの近位の態様および遠位の態様に結合された外側層が存在する。外側層は、チューブが線形変位(延長)される際に延長され得る。スライド可能なスリーブは、チューブから除去することができ、限定ではないが、造影剤(複数の場合もある)、薬剤(複数の場合もある)、ステント、塞栓剤の注入を含む、診断および/または治療用の薬(複数の場合もある)の搬送のための導管としての役割を果たす場合がある。
【0040】
本開示に係る別の実施形態は、1)遠位端および近位端を有するチューブであって、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)がチューブの遠位の態様に与えられている、チューブと、2)ヘリカルまたは螺旋状のカットのチューブの周りに同軸的に配置された筒状部材と、3)ハンドルアセンブリと、を備えた医療用デバイスを含んでいる。筒状部材の遠位端は、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)の遠位側のチューブに、限定ではないが、接着剤、はんだ付け、溶接、ろう付け、および/または機械的リンクを含む手段によって結合することができる。筒状部材は、限定ではないが、1)コイル状のワイヤ、2)ポリマ、3)ハイポチューブを含む1つまたは複数の要素から成ることができる。その特性により、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)より遠位のチューブの部分は、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)が線形的に延びるか後退する際に回転し、線形移動から回転移動への変換に繋がる。筒状部材の遠位の態様は、ヘリカルまたは螺旋状のカットチューブの遠位端が回転する際に、トーションの歪みに耐えることができる。ヘリカルまたは螺旋状のカットチューブの遠位端は、限定ではないが、1)デバイスの案内の向上の助けになるように、角度が付けられた先端と、2)重大な狭窄症または閉塞を通過するデバイスを前進させることの助けになるように、斜角になっている縁部と、3)重大な狭窄症または閉塞を通ってデバイスを前進させるか、湾曲路に沿ってデバイスを前進させることの助けになるような、1つまたは複数の螺旋型溝/溝と、4)1つまたは複数の無線不透過性マーカとを含む複数の構成を有することができる。ハンドルアセンブリは、近位構成要素と、遠位構成要素とで構成されている。
【0041】
本開示に係る別の実施形態は、1)遠位端および近位端を有するチューブであって、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)がチューブの遠位の態様に与えられている、チューブと、2)ヘリカルまたは螺旋状のカットのチューブの周りに同軸的に配置された筒状部材と、を備え、カットの遠位側のヘリカルまたは螺旋状のカットチューブの外径が、筒状部材の内径より大であるように、増大する、医療用デバイスを含んでいる。(近位端からヘリカルまたは螺旋状のカットまでの、ヘリカルまたは螺旋状のカットチューブの外径は、ヘリカルまたは螺旋状のカットチューブの内径未満であることに留意されたい。)筒状部材は、限定ではないが、1)コイル状のワイヤ、2)ポリマ、3)ハイポチューブを含む1つまたは複数の要素から成ることができる。筒状部材をヘリカルまたは螺旋状のカットチューブに対して前進させることにより、ヘリカルまたは螺旋状のカットの延長に繋がる。その特性により、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複
数の場合もある)より遠位のチューブの部分は、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)が線形的に延びるか後退する際に回転し、線形移動から回転移動への変換に繋がる。筒状部材の遠位端と、チューブの遠位端とは、互いに対して回転することができる。ヘリカルまたは螺旋状のカットチューブの遠位端は、限定ではないが、1)デバイスの案内の向上の助けになるように、角度が付けられた先端と、2)重大な狭窄症または閉塞を通過するデバイスを前進させることの助けになるように、斜角になっている縁部と、3)重大な狭窄症または閉塞を通ってデバイスを前進させるか、湾曲路に沿ってデバイスを前進させることの助けになるような、1つまたは複数の螺旋型溝/溝と、4)1つまたは複数の無線不透過性マーカとを含む複数の構成を有することができる。
【0042】
本開示に係る別の実施形態は、1)遠位端および近位端を有するチューブであって、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)がチューブの遠位の態様に与えられている、チューブと、2)ヘリカルまたは螺旋状のカットチューブの近位端に結合したワイヤと、3)ヘリカルまたは螺旋状のカットのチューブの周りに同軸的に配置された筒状部材と、を備えた医療用デバイスを含んでいる。ワイヤの遠位端は、ヘリカルまたは螺旋状のカットチューブの近位端に、限定ではないが、接着剤、はんだ付け、溶接、ろう付け、および/または機械的リンクを含む手段によって結合することができる。やはり、筒状部材の遠位端は、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)の遠位側のヘリカルまたは螺旋状のカットチューブに、限定ではないが、接着剤、はんだ付け、溶接、ろう付け、および/または機械的リンクを含む手段によって結合することができる。筒状部材は、限定ではないが、1)コイル状のワイヤ、2)ポリマ、3)ハイポチューブを含む1つまたは複数の要素から成ることができる。その特性により、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)より遠位のチューブの部分は、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)が線形的に延びるか後退する際に回転し、線形移動から回転移動への変換に繋がる。筒状部材の遠位の態様は、ヘリカルまたは螺旋状のカットチューブの遠位端が回転する際に、トーションの歪みに耐えることができる。ヘリカルまたは螺旋状のカットチューブの遠位端は、限定ではないが、1)デバイスの案内の向上の助けになるように、角度が付けられた先端と、2)重大な狭窄症または閉塞を通過するデバイスを前進させることの助けになるように、斜角になっている縁部と、3)重大な狭窄症または閉塞を通ってデバイスを前進させるか、湾曲路に沿ってデバイスを前進させることの助けになるような、1つまたは複数の螺旋型溝/溝と、4)1つまたは複数の無線不透過性マーカとを含む複数の構成を有することができる。
【0043】
本開示に係る別の実施形態は、1)遠位端および近位端を有するチューブであって、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)がチューブの遠位の態様に与えられている、チューブと、2)ヘリカルまたは螺旋状のカットチューブの外周周りに位置する膨張可能な層であって、近位端および遠位端が、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)のすぐ近位側およびすぐ遠位側のヘリカルまたは螺旋状のカットチューブに結合されている、膨張可能な層と、3)ヘリカルまたは螺旋状のカットチューブの管腔およびハンドルアセンブリ内に位置する筒状部材と、を備えた医療用デバイスを含んでいる。膨張可能な層は、ヘリカルまたは螺旋状のカットチューブに、限定ではないが、接着剤、はんだ付け、溶接、ろう付け、および/または機械的リンクを含む手段によって結合することができる。やはり、筒状部材の遠位端は、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)の遠位側のヘリカルまたは螺旋状のカットチューブに、限定ではないが、接着剤、はんだ付け、溶接、ろう付け、および/または機械的リンクを含む手段によって結合することができる。筒状部材は、限定ではないが、1)コイル状のワイヤ、2)補強(たとえば、編組かコイルの補強)を伴うか伴わないポリマ、3)ハイポチューブを含む1つまたは複数の要素から成ることができる。その特性により、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)より遠位のチューブの部分は、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)が線形的に延びるか後退する際に回転し、線形移動
から回転移動への変換に繋がる。筒状部材の遠位の態様は、ヘリカルまたは螺旋状のカットチューブの遠位端が回転する際に、トーションの歪みに耐えることができる。ヘリカルまたは螺旋状のカットチューブの遠位端は、限定ではないが、1)デバイスの案内の向上の助けになるように、角度が付けられた先端と、2)重大な狭窄症または閉塞を通過するデバイスを前進させることの助けになるように、斜角になっている縁部と、3)重大な狭窄症または閉塞を通ってデバイスを前進させるか、湾曲路に沿ってデバイスを前進させることの助けになるような、1つまたは複数の螺旋型溝/溝と、4)1つまたは複数の無線不透過性マーカとを含む複数の構成を有することができる。
【0044】
ハンドルアセンブリにより、外側筒状部材に対し、チューブまたはワイヤをより正確に移動させるために、チューブまたはワイヤの近位端、および、外側筒状部材の近位端に適用することができる。このハンドルは、構成要素の長軸に沿って互いに対して変位することが可能である2つの同軸の構成要素を備えることができる。互いに対する平行移動のための手段には、限定ではないが、1)チューブの長軸に沿う2つの同軸チューブの手動の変位と、2)ネジ部分に沿うチューブの回転が、互いに対するチューブの線形変位に繋がる(ボルトをナットにねじこむことの線形移動に類似の機構)ように、同軸的に受領可能である、各チューブのネジ部分とが含まれる。ハンドルアセンブリは、チューブまたはワイヤの近位端と、外側筒状部材とを同軸的に受領することができる。締結機構は、近位のハンドル構成要素と遠位のハンドル構成要素との両方に沿って位置することができ、それにより、チューブまたはワイヤの近位端と、外側筒状部材の近位端とをグリップする。これら締結機構は、永続的または可逆的に、定位置に固定することができる。これら締結機構は、チューブまたはワイヤの近位端および外側筒状部材の近位端の周りに旋回することもでき、それにより、チューブまたはワイヤと、外側筒状部材とが、同軸構成要素の1つまたは複数が回転している間に、回転移動しないようになっている
【0045】
本開示に係る別の実施形態は、遠位端および近位端を有する、長手軸を伴う筒状部材であって、遠位の態様であって、遠位の態様の近位側において終端する、部分的に厚みのあるヘリカルカットによって形成されたヘリックスを伴って遠位端において終端する遠位の態様、および、近位端において終端している近位の態様を含む、筒状部材と、筒状部材内に配置され、筒状部材に対してスライド可能であり、遠位ヘリックスに長手方向の力を与えるように構成された、長手方向の変位器と、を含む、医療用デバイスである。部分的に厚みのあるカット部分は、弾性であり、延長させることができる。遠位のカット幅は、約0.1マイクロメートルから約30ミリメートルの範囲内にある場合があり、遠位のヘリカルカットの角度は、約10度から約80度の間である場合がある。筒状部材は、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド、ナイロン、ニッケルチタン、ステンレス鋼の編組、および中空の螺旋状の撚り合わせたチューブの1つまたは複数で形成される場合があり、結合手段は、1)接着剤、2)溶接、3)ろう付け、4)はんだ付け、および5)機械的リンクの少なくとも1つを含んでいる。長手方向の変位器は、ある外径を有する長手部材を含む場合があり、筒状部材は内径を有し、それにより、遠位の態様の遠位端と、筒状部材の内径が長手部材の外径未満に低減されている接続部との間の部分を除き、筒状部材の内径が長手部材の外径よりも大であるようになっており、それにより、筒状部材の遠位端に向かう長手部材の長手方向の移動が、遠位の態様に長手方向の力を与えるようになっている。本医療用デバイスは、筒状部材の遠位端に配置され、長手方向の変位器の前方移動を妨げるキャップをも含む場合がある。長手方向の変位器は、流体が注入された際に延長し、ヘリカルカットのチューブの遠位端を長手方向に変位させるように構成された膜を含む場合がある。遠位ヘリックスは、形状記憶合金と形状記憶ポリマとの少なくとも一方を含む場合があり、筒状部材の遠位の態様と近位の態様との一方に配置された第1の磁気要素と、筒状部材の遠位の態様と近位との他方に配置された第2の磁気要素と、第1の磁気要素と第2の磁気要素との少なくとも一方にエネルギを与えるように構成された電源であって、第1の磁気要素が、電流を通し、磁場を生成するように構成された
、磁石と、エレクトレットと、ワイヤと、コイルとの1つであり、第2の磁気要素が、電流を通し、磁場を生成するように構成された、磁石と、強磁性材料と、エレクトレットと、ワイヤと、コイルとの1つである、電源と、をさらに含んでいる。
【0046】
本開示に係る別の実施形態は、外側シースと、遠位端および近位端を有するチューブであって、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)がチューブの遠位の態様に与えられている、チューブと、を備えた医療用デバイスを含んでいる。その特性により、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)より遠位のチューブの部分は、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)が線形的に延びるか後退する際に回転し、線形移動から回転移動への変換に繋がる。ヘリカル/螺旋状のカットのチューブの遠位端は、反らされた遠位端を有することができ、それにより、デバイスの案内を向上させる助けになっている。チューブの遠位端の向きを反らすための手段には、限定ではないが、プルワイヤ(複数の場合もある)、スロット状のチューブ、形状記憶合金、および/または形状記憶ポリマが含まれる。チューブは、外側シースの管腔の内部に位置しており、それにより、チューブのヘリカルまたは螺旋状のカットの部分が、外側シースの管腔内に配置され、一方、チューブの遠位端が、外側シースを超えて延びることができるようになっている(たとえば、チューブの全体の長さが、外側シースの全体の長さより大であり、一方、チューブの近位端から、チューブのカット部分のもっとも遠位の態様までの長さが、外側シースの全体の長さより小である)。チューブの遠位端の向きが反らされた場合、外側シースの遠位端は、向きが反らされたチューブの遠位端にスライド可能に当接および係合する。チューブに対して外側シースを前進させることにより、チューブのカット部分の線形変位(たとえば、延長)に繋がる。線形変位が制御されたハンドルにより、チューブの長軸に対する外側シースの移動を制御することが可能になる。このことは、次いで、チューブの遠位端の回転に繋がる。回転の角度は、チューブのヘリカルまたは螺旋状のカット部分の線形変位に比例する。チューブの向きが反らされていない(たとえば、チューブの遠位端が直線状である)場合、チューブは、外側シースから除去することができ、それにより、外側シースが、限定ではないが、造影剤(複数の場合もある)、薬剤(複数の場合もある)、ステント、塞栓剤の注入を含む、診断および/または治療用の薬(複数の場合もある)の搬送のための導管としての役割を果たす場合がある。
【0047】
本開示に係る別の実施形態は、外側シースと、遠位端および近位端を有するチューブであって、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)がチューブの遠位の態様に与えられている、チューブと、チューブの管腔内に位置する、スライド可能なスリーブと、を備えた医療用デバイスを含んでいる。その特性により、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)より遠位のチューブの部分は、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)が線形的に延びるか後退する際に回転し、線形移動から回転移動への変換に繋がる。チューブは、外側シースの管腔の内部に位置しており、それにより、チューブのヘリカルまたは螺旋状のカットの部分が、外側シースの管腔内に配置され、一方、チューブの遠位端が、外側シースを超えて延びることができるようになっている(たとえば、チューブの全体の長さが、外側シースの全体の長さより大であり、一方、チューブの近位端から、チューブのカット部分のもっとも遠位の態様までの長さが、外側シースの全体の長さより小である)。チューブの螺旋状のカット部分の遠位側のチューブは、湾曲した部分を有することができ、それにより、デバイスの案内が向上される助けになり、ここで、前述の湾曲した部分は外側シースの遠位の態様の弾性係数よりも低い剛性率を有している(たとえば、より柔軟である)。外側シースがチューブの湾曲した部分を超えて遠位に前進するか、チューブの湾曲した部分が外側シース内に後退した際に、チューブの湾曲した部分は直線状になる。チューブの湾曲した部分が直線状にされる程度は、外側シースの管腔内に配置されたチューブの湾曲した部分の量に関連する。チューブの湾曲した部分が、外側シースの管腔内に完全に配置されると、チューブの湾曲した部分は、完全に直線状になる(たとえば、先端の向きが反れる角度が、デバイスの長手軸に
対してほぼ0度である)。これにより、ユーザが、デバイスの先端の向きを選択的に反らすことを可能にすることができる。チューブは、ヘリカルまたは螺旋状のカットの遠位側の管腔の内径が低減させたシェルフを有することができる。スリーブの外径は、チューブのシェルフの内径よりも大であるが、前述のシェルフ付近のチューブの内径より小である。スリーブは、チューブの前述のシェルフにスライド可能に当接および係合する。スリーブを前進させることにより、チューブのカット部分の線形変位に繋がる。代替的には、スリーブは、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)の遠位側のチューブに、限定ではないが、接着剤、はんだ付け、溶接、ろう付け、および/または機械的リンクを含む手段によって結合することができる。線形変位が制御されたハンドルにより、チューブの長軸に対するスリーブの移動を制御することが可能になる。このことは、次いで、チューブの遠位端の回転に繋がる。回転の角度は、チューブのヘリカルまたは螺旋状のカット部分の線形変位に比例する。チューブおよびスライド可能なスリーブは、チューブから除去することができ、限定ではないが、造影剤(複数の場合もある)、薬剤(複数の場合もある)、ステント、塞栓剤の注入を含む、診断および/または治療用の薬(複数の場合もある)の搬送のための導管としての役割を果たす場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本開示を詳細に理解するために、添付図面と合わせて、以下の実施形態の詳細な記載が参照されるものとする。この添付図面では、同様の要素には同様の参照符号が与えられている。
【0049】
【
図1】
図1は、本開示の一実施形態に係る、医療用デバイスを含む医療用システムの図である。
【
図2A】
図2Aは、所望の腔内構造を選択する前に、オリジナルの向きにあり、身体内の腔内構造の枝セグメント内に配置された、医療用デバイスの遠位端の図である。
【
図2B】
図2Bは、身体内の枝腔内構造内の枝部の選択の後の、医療用デバイスの遠位端の図である。
【
図3A】
図3Aは、本開示の一実施形態に係る、力のベクトルがチューブの遠位端が線形的に変位する間の回転力を示している、チューブへのデュアル螺旋対称性ヘリカルカットを示す図である。
【
図4A】
図4Aは、本開示の一実施形態に係る、チューブの遠位端が線形的に変位していない、デュアル螺旋対称性ヘリカルカットを伴うチューブの長軸に沿った断面図である。
【
図4B】
図4Bは、チューブの遠位端が線形的に変位している、
図4Aのチューブの長軸に沿った断面図である。
【
図4C】
図4Cは、チューブの遠位端がさらに線形的に変位している、
図4Aのチューブの長軸に沿った断面図である。
【
図5】
図5は、デュアル螺旋対称性機構を介して、線形変位を回転移動に変換することにより、回転移動をデバイスの遠位端に与える方法のフローチャートである。
【
図6A】
図6Aは、本開示の一実施形態に係る、医療用デバイスの近位端の図である。
【
図6B】
図6Bは、本開示の一実施形態に係る、医療用デバイスの遠位端の図である。
【
図7A】
図7Aは、本開示の一実施形態に係る、開いた遠位端がその作動していない状態にある、デバイスの遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図7B】
図7Bは、シェルフに当接するスリーブを介して、二重対掌性ヘリックスの線形変位を伴っている
図7Aの開いた遠位端を有する、デバイスの遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図8A】
図8Aは、本開示の一実施形態に係る、内側シェルフおよびワイヤを有する、開いた遠位端がその作動していない状態にある、デバイスの遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図8B】
図8Bは、シェルフに当接するワイヤの低減されていない直径を介して、二重対掌性ヘリックスの線形変位を伴っている
図8Aの開いた遠位端を有する、デバイスの遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図9A】
図9Aは、ワイヤが拡張可能な部材を有する、開いた遠位端がその作動していない状態にある、デバイスの遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図9B】
図9Bは、二重対掌性ヘリックスの遠位端に当接するワイヤの拡張された部材を介して、二重対掌性ヘリックスの線形変位を伴っている
図9Aの開いた遠位端を有する、デバイスの遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図10A】
図10Aは、キャップがされた遠位端がその作動していない状態にある、医療用デバイスの遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図10B】
図10Bは、キャップがされた端部に当接するワイヤを介して、二重対掌性ヘリックスの線形変位を伴っている
図10Aのキャップがされた遠位端を有する、医療用デバイスの遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図11A】
図11Aは、チューブの管腔内への注入流体を受領するように構成された、キャップがされた遠位端がその作動していない状態にある、デバイスの遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図11B】
図11Bは、チューブの管腔内への流体の注入を介して、二重対掌性ヘリックスの線形変位を伴っている、
図11Aのキャップがされた遠位端を有する、デバイスの遠位の態様の拡大された長手方向の断面図である。
【
図12A】
図12Aは、開いた状態にある、線形変位が制御された、ハンドルの長手方向の断面図である。
【
図13】
図13は、閉じた状態にある、線形変位が制御された、ハンドルの長手方向の断面図である。
【
図14A】
図14Aは、開いた状態にある、線形変位が制御された、ハンドルの長手方向の断面図である。
【
図15A】
図15Aは、閉じた状態にある、線形変位が制御された、ハンドルの長手方向の断面図である。
【
図16】
図16は、二重対掌性ヘリックスが、周囲の環境の変化に応じて形状変化しているチューブを介して変位している、医療用デバイスの第2の実施形態の図である。
【
図17A】
図17Aは、本開示の別の実施形態に係る、その作動していない状態にある、デバイスの遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図17B】
図17Bは、チューブの形状変化に対して従属的な、二重対掌性ヘリックスの線形変位を伴っている
図17Aの医療用デバイスの遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図18】
図18は、二重対掌性ヘリックスが、磁力を介して変位する、医療用デバイスの別の実施形態の図である。
【
図19A】
図19Aは、磁力による変位機構がその作動していない状態にある、医療用デバイスの遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図19B】
図19Bは、チューブに与えられた磁力に対して従属的な、二重対掌性ヘリックスの線形変位を伴っている、
図19Aの磁力による変位機構を伴う医療用デバイスの遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図20A】
図20Aは、磁力の1つが磁気要素を有するシャフトを介して提供される、磁力による変位機構がその作動していない状態にある、医療用デバイスの別の実施形態の、遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図20B】
図20Bは、磁気要素を有するシャフトを介してチューブに与えられた磁力に対して従属的な、二重対掌性ヘリックスの線形変位を伴っている、
図20Aの磁力による変位機構を伴う医療用デバイスの遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図21A】
図21Aは、二重対掌性ヘリックスの遠位端に力が印加されていない、ガイドワイヤとチューブとの間に歯-ギアのインターフェースを有する医療用デバイスの遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図21B】
図21Bは、二重対掌性ヘリックスの遠位端に力が印加されていない、
図21Aの、B-B’を通る、医療用デバイスの遠位の態様の横方向の断面図である。
【
図21C】
図21Cは、二重対掌性ヘリックスの遠位端に力が印加されていない、
図21Aの、C-C’を通る、医療用デバイスの遠位の態様の横方向の断面図である。
【
図22A】
図22Aは、二重対掌性ヘリックスが長手方向に変位した際の、歯-ギアのインターフェースのレベルにおけるガイドワイヤの遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図22B】
図22Bは、二重対掌性ヘリックスが長手方向に変位した際の、歯-ギアのインターフェースのレベルにおけるガイドワイヤの遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図23A】
図23Aは、本開示の一実施形態に係る、チューブから形成された単一のヘリックスを有するカテーテルの図である。
【
図24A】
図24Aは、遠位部材を有する、作動していない(長手方向の力が生じていない)、
図23Aのカテーテルの図である。
【
図24B】
図24Bは、近位端における長手方向の力が、遠位端を90度だけ回転させている、
図23Aのカテーテルの図である。
【
図24C】
図24Cは、近位端における長手方向の力が、遠位端を180度だけ回転させている、
図23Aのカテーテルの図である。
【
図24D】
図24Dは、近位端における長手方向の力が、遠位端を270度だけ回転させている、
図23Aのカテーテルの図である。
【
図26A】
図26Aは、遠位セグメントの慢性完全閉塞横断デバイスの実施形態を示す概略図である。
【
図26B】
図26Bは、遠位セグメントの慢性完全閉塞横断デバイスの実施形態を示す概略図である。
【
図28】
図28は、遠位セグメントの内視鏡の把持ツールの実施形態を示す図である。
【
図29】
図29は、遠位セグメントの内視鏡の焼灼ツールの実施形態を示す図である。
【
図30A】
図30Aは、スリーブおよびチューブが、ヘリカルカットに対して遠位のその管腔内にあるシェルフを有している、医療用デバイスの別の実施形態の遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図30B】
図30Bは、スリーブがシェルフを変位させ、結果として
図30Aに対して180度回転している、医療用デバイスの別の実施形態の遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図30C】
図30Cは、
図30Aに示すスリーブが、ライナで置き換えられ、結果として、デバイスの管腔の直径が大きくなっている、医療用デバイスの別の実施形態の遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図31A】
図31Aは、スリーブが拡張可能な部材を有する、その作動していない状態にある、デバイスの別の実施形態の、遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図31B】
図31Bは、スリーブの前進により、チューブの遠位端が長手方向に変位している、デバイスの別の実施形態の、遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図31C】
図31Cは、スリーブの拡張可能な部材が、直線にする要素によってしぼんでいる、デバイスの別の実施形態の遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図32A】
図32Aは、スリーブが、ヘリカルカットに対して遠位でチューブに結合している、その作動していない状態にある、デバイスの別の実施形態の遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図32B】
図32Bは、スリーブの前進により、チューブの遠位端が長手方向に変位している、デバイスの別の実施形態の、遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図32C】
図32Cは、カップリングが除去されている、デバイスの別の実施形態の遠位の態様の長手方向の断面図である。
【
図33A】
図33Aは、本開示の一実施形態に係る、線形移動を、デバイスの遠位の態様に沿う回転移動に変換するための医療用デバイスの図であり、このデバイスは、外側シースと、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカットを有するチューブと、前述のチューブの管腔内に配置されたスライド可能なスリーブとを備えている。
【
図33B】
図33Bは、一実施形態に係る、その作動していない状態(たとえば、回転が0度)にある際の
図33Aのデバイスの遠位端の長手方向の断面図である。
【
図33C】
図33Cは、一実施形態に係る、近位端における長手方向の力が、遠位端を180度だけ回転させている、
図33Aのデバイスの遠位端の長手方向の断面図である。
【
図34A】
図34Aは、本開示の別の実施形態に係る、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカットを有するチューブと、前述のチューブの管腔内に配置されたスライド可能なスリーブと、前述のチューブの周りに配置された外側層とを備えた、線形移動を、デバイスの遠位の態様に沿う回転移動に変換するための医療用デバイスの長手方向の断面図である。
【
図35A】
図35Aは、線形移動を、デバイスの遠位の態様に沿う回転移動に変換するための医療用デバイスの一実施形態の概略図である。
【
図35C】
図35Cは、近位端における長手方向の力が、遠位端を回転させている、
図35Aのデバイスの遠位端の長手方向の断面図である。
【
図35D】
図35Dは、その作動していない状態(たとえば、回転が0度)にある際の
図35Aのデバイスの遠位端の長手方向の断面図である。
【
図36A】
図36Aは、線形移動を、デバイスの遠位の態様に沿う回転移動に変換するための医療用デバイスの一実施形態の図である。
【
図36C】
図36Cは、近位端における長手方向の力が、遠位端を180度だけ回転させている、
図36Aのデバイスの遠位端の長手方向の断面図である。
【
図36D】
図36Dは、その作動していない状態(回転が0度)にある際の
図36Aのデバイスの遠位端の長手方向の断面図である。
【
図37A】
図37Aは、線形移動を、デバイスの遠位の態様に沿う回転移動に変換するための医療用デバイスの一実施形態の図である。
【
図37C】
図37Cは、近位端における長手方向の力が、遠位端を180度だけ回転させている、
図37Aのデバイスの遠位端の長手方向の断面図である。
【
図37D】
図37Dは、その作動していない状態(回転が0度)にある際の
図37Aのデバイスの遠位端の長手方向の断面図である。
【
図38A】
図38Aは、線形移動を、デバイスの遠位の態様に沿う回転移動に変換するように構成された医療用デバイスの別の実施形態の長手方向の断面図である。
【
図38C】
図38Cは、線形移動を、デバイスの遠位の態様に沿う回転移動に変換するための医療用デバイスの一実施形態の長手方向の断面図である。
【
図39】
図39は、線形移動を、デバイスの遠位の態様に沿う回転移動に変換するように構成された医療用デバイスの別の実施形態の長手方向の断面図である。
【
図40】
図40は、線形移動を、デバイスの遠位の態様に沿う回転移動に変換するように構成された医療用デバイスの別の実施形態の長手方向の断面図である。
【
図41A】
図41Aは、単一のヘリックスを備えた医療用デバイスの別の実施形態の長手方向の断面図である。
【
図42A】
図42Aは、線形移動を、デバイスの遠位の態様に沿う回転移動に変換するように構成された医療用デバイスの別の実施形態の概略図である。
【
図43A】
図43Aは、線形移動を、デバイスの遠位の態様に沿う回転移動に変換するように構成された医療用デバイスの別の実施形態の概略図である。
【
図44A】
図44Aは、線形移動を、デバイスの遠位の態様に沿う回転移動に変換するように構成された医療用デバイスの別の実施形態の概略図である。
【
図44B】
図44Bは、
図44Aのデバイスの遠位端の長手方向の断面図であり、外側シースが、チューブの湾曲部分に係合しておらず、チューブの遠位の態様が180度湾曲する結果となっている。
【
図44C】
図44Cは、
図44Aのデバイスの遠位端の長手方向の断面図であり、外側シースが、チューブの湾曲部分に部分的に係合し、チューブの遠位の態様が90度湾曲する結果となっている。
【
図44D】
図44Dは、
図3Aのデバイスの遠位端の長手方向の断面図であり、外側シースが、チューブの湾曲部分にさらに係合し、チューブの遠位の態様が45度湾曲する結果となっている。
【
図44E】
図44Eは、
図44Aのデバイスの遠位端の長手方向の断面図であり、外側シースが、チューブの湾曲部分に完全に係合し、チューブの遠位の態様が直線状になる(0度の湾曲)結果となっている。
【0050】
各図は、本開示の基本的な教示の説明を容易にすることのみのために描写されている。好ましい実施形態を形成するためのパーツの数、位置、関係、および寸法に関する図面の拡張は、説明されることになるか、本開示の以下の教示を読み、理解した後に、当該技術の内にあることとなる。さらに、特定の力、重量、強度、および類似の要請に適合する明確な寸法および寸法の割合は、同様に、本開示の以下の教示を読み、理解した後に、当該
技術の内にあることとなる。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本出願は、遠位部分、近位部分、および、デバイスの遠位端に組み込まれたヘリカル構造を備えた医療用デバイスを対象としており、それにより、カテーテルなどのデバイス(たとえば、カテーテル、マイクロカテーテル、シース、他の管腔内デバイスなど)の遠位端において、線形移動を回転移動に変換(または、別様に回転移動を形成)するようになっている。ヘリカル構造は、単一のヘリックスであるか、二重対掌性ヘリックスである場合がある。いくつかの実施形態では、本明細書により詳細に論じるように、二重対掌性ヘリックスは、ヘリックス(たとえば、時計回りの回転などの第1の回転を有する)と、ヘリックス(たとえば、反時計回りなどの、第1の回転とは逆の第2の回転を有する)とを備えている。いくつかの実施形態では、2つのヘリックスは、互いに交差している。いくつかの実施形態によれば、二重対掌性ヘリックスの、その長軸に沿う変位(たとえば、線形変位または他の移動)は、2つのヘリックスの結合部を回転させることになる。医療用デバイスには、人体の外科手術および診断法に用途が存在するが、本開示には、人間、および人間以外の医療手術の用途および使途、ならびに、検査などの産業および診断法のための、医療以外の用途を有しているデバイスが予期される。
【0052】
いくつかの実施形態によれば、管腔内デバイスは、外側部材に対する内側部材の線形移動の、デバイスの遠位部分の回転への変換を促進する、少なくとも1つのカットまたは特徴を有する外側部材を備えている。そのような回転移動により、所望または必要に応じて、(たとえば、所望の解剖学上の位置に達するかアプローチするために)デバイスの遠位端の、対象者の脈管構造または他の管腔内構造を通しての移動を促進することができる。いくつかの実施形態では、本明細書にさらに詳細に論じるように、管腔内デバイスは、管腔内位置(たとえば、血管内、他の管腔内、解剖学上の位置(たとえば、対象者の気道、消化器系などを通して)など)に向けられるように構成されている。
【0053】
本明細書にさらに詳細に論じるように、本明細書に開示の様々な実施形態は、医療用デバイスの遠位端(たとえば、カテーテル、マイクロカテーテル、シース、他の管腔内デバイスなど)を操作するための有利なデバイス、システム、および/または方法を提供することができる。いくつかの実施形態では、本デバイスは、1つまたは複数のカット(たとえば、チューブまたは外側部材の壁を通る、部分的であるか完全なカット)を備えたチューブまたは外側部材を含んでいる。いくつかの実施形態では、カットまたは類似の特徴は、チューブまたは外側部材の厚さ全体にわたって延びている。しかし、他の実施形態では、カットは、所望または必要に応じて、チューブまたは外側部材を部分的にのみ通って延びている。
【0054】
いくつかの実施形態では、チューブまたは外側部材の遠位部分は、1つまたは複数のカットまたは他の特徴を備えている。いくつかの実施形態では、そのようなカットは、形状がヘリカルまたは螺旋状である。いくつかの実施形態では、そのようなヘリカルカットは、一定であるか、一様な向きを有している。しかし、他の構成では、カットは、所望または必要に応じて、長手軸に対する2つ以上の向き(たとえば、角度、ピッチなど)、開口サイズ、間隔、および/または他の特性を有している。たとえば、いくつかの構成では、カット(複数の場合もある)は、デュアルヘリックスまたは二重対掌性ヘリックスの設計を有している。しかし、他の実施形態では、カットは、単一のヘリックスの設計を有している(たとえば、同じピッチ、向きの概略的な方向、他の特性、および/または類似のものを有するカット)。
【0055】
いくつかの実施形態によれば、デバイスは、チューブまたは外側部材、プッシャまたは内側部材、および、チューブの遠位端に沿う1つまたは複数のカットまたは他の特徴を備
えている。いくつかの実施形態では、チューブまたは外側部材に対するプッシャ部材の線形移動は、チューブの遠位部分の回転移動(たとえば、回転、ツイスト、旋回など)を生じる。そのような移動は、対象者の脈管構造または他の管腔内システムを通しての、デバイスの移動および/またはデバイスの操作を助けることができる。いくつかの実施形態では、チューブまたは他の部材は、1つまたは複数の固定(たとえば、直接的または間接的な)方法、特徴、デバイス、技術などを使用して、1つまたは複数の位置(たとえば、デバイスの遠位端)に沿ってプッシャまたは内側部材に固定されている。
【0056】
いくつかの実施形態では、(たとえば、部分的または完全に)チューブまたは外側部材を通るカットは、ヘリカルまたは螺旋状の形状を有している。たとえば、いくつかの実施形態では、カットは、デバイスの長手軸(または、長手軸に対して垂直な軸)に対して角度が付されている。たとえば、ヘリカル角度は、デバイスの長手軸に対して10度から80度の範囲(たとえば、10度から15度、15度から20度、20度から25度、25度から30度、30度から35度、35度から40度、40度から45度、45度から50度、50度から55度、55度から60度、60度から65度、65度から70度、70度から75度、75度から80度、前述の範囲の間の角度など)とすることができる。いくつかの実施形態では、ヘリカル角度は、15度から75度の範囲である。
【0057】
いくつかの実施形態では、カットは、チューブまたは遠位部材の遠位端に沿うかその近位にのみ存在する。たとえば、カット(複数の場合もある)は、遠位の0パーセントから20パーセント(たとえば、チューブおよび/またはデバイスの0%から1%、1%から2%、2%から3%、3%から4%、4%から5%、5%から6%、6%から7%、7%から8%、8%から9%、9%から10%、10%から15%、15%から20%、前述の範囲および値の間のパーセンテージなど)に沿って位置している。
【0058】
いくつかの実施形態によれば、内側部材、そしてひいては、管腔内デバイス全体に、カニューレが挿入されるか、別様に管腔を備えている。いくつかの実施形態では、そのようなデバイスにより、所望または必要に応じて、1つまたは複数の他のデバイス、器具、および/または他の部材の、その内部を通しての通過を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示のデバイスは、1つまたは複数の外側部材、層、コーティング、および/または他の部材を備えている。
【0059】
本明細書に開示のいくつかの構成が、デュアルヘリックスまたは二重対掌性ヘリックスの設計を有しているが、線形移動から回転移動への変換も達成することができ、また、特定の実施形態では、好まれる場合があり、かつ/またはデュアルヘリックス構成に対し、別様に特定の利点を示す場合がある。このため、本明細書に開示の任意の実施形態は、単一または複数(たとえば、デュアル螺旋対称性)のヘリックス設計を含むように構成され、かつ/または別様に適合され得る。さらに、本明細書に開示の医療用デバイスは、本明細書より詳細に論じ、かつ、添付図面に示すように、ヘリックスを含まない設計を使用して、線形から回転の変換を実施するように適合させることができる。
【0060】
本明細書にさらに詳細に論じるように、本明細書に開示の実施形態は、たとえば、カテーテル、マイクロカテーテル、シース、他の管腔内デバイス、および/または類似のものなどの様々な管腔内デバイスのいずれか1つの形態を取ることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示の管腔内デバイスのいずれかの直径(たとえば、外径)は、所望または必要に応じて、1mmから11.333mm、または、1フレンチから34フレンチの間で変化させる(たとえば、1フレンチ、2フレンチ、3フレンチ、4フレンチ、5フレンチ、6フレンチ、7フレンチ、8フレンチ、9フレンチ、10フレンチ、11フレンチ、12フレンチ、13フレンチ、14フレンチ、15フレンチ、16フレンチ、17フレンチ、18フレンチ、19フレンチ、20フレンチ、21フレンチ、22フレンチ
、23フレンチ、24フレンチ、25フレンチ、26フレンチ、27フレンチ、28フレンチ、29フレンチ、30フレンチ、31フレンチ、32フレンチ、33フレンチ、34フレンチ、前述の値の間のフレンチ値など)ことができる。しかし、他の実施形態では、管腔内デバイスは、たとえば、限定ではないが、上述の値より下、上、または値の間のカスタムのサイズなど、任意の他の直径またはサイズを含むことができる。さらに、デバイスの長さは、アプリケーションまたは使用に応じて変化させることができる。いくつかの実施形態では、デバイスの長さは、10cmから500cmの間(たとえば、50cmから100cm、100cmから300cm、10cmから20cm、20cmから30cm、30cmから40cm、40cmから50cm、50cmから60cm、60cmから70cm、70cmから80cm、80cmから90cm、90cmから100cm、100cmから110cm、110cmから120cm、120cmから130cm、130cmから140cm、140cmから150cm、150cmから160cm、160cmから170cm、170cmから180cm、180cmから190cm、190cmから200cm、200cmから250cm、250cmから300cm、300cmから350cm、350cmから400cm、400cmから450cm、450cmから500cm、前述の値の間の長さなど)である。
【0061】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に開示の管腔内デバイスは、様々な用途および手術で使用することができる。たとえば、本デバイスは、対象者の特定の臓器または脈管構造(たとえば、心臓または噴門部、頭部および首、肝臓、腎臓、肝臓の脈管構造、腎臓の脈管構造、四肢など)に到達するために使用することができる。解剖学上の任意の他の部分も、デバイスを使用して到達し、ターゲットとすることができる。本明細書に開示の様々な実施形態は、不法な導管(tortious vascular)または他の管腔内のルートを通してアクセス可能である対象者の生体構造の部分(たとえば、管腔内デバイスを数回曲げる、方向を変える必要があるもの)に達し、処置することを専門家が試みている場合に特に有利とすることができる。本明細書に開示の様々なデバイスを、たとえば、限定ではないが、切除手術、刺激または神経調節手術、抽出、バイオプシー、吸引、薬剤、流体、エネルギ(たとえば、RF、超音波、極低温など)の搬送、および/または類似のものなどの様々な兆候および手術に関して使用することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、(たとえば、医療用デバイスの長さ全体を回転させることとは対立するものとして)遠位端において遠位部分に回転を与えることにより、脈管構造のストレスを低減し、医療用デバイスの回転の精度を向上させ、制御できずにポテンシャルエネルギが医療用デバイスから解放されるリスクを低減し、かつ/または1つもしくは複数のさらなる利点もしくは利益を提供することを助けることができる。これら品質により、手術の効率を向上させ、患者が手術室内にいる全体の時間を低減し、麻酔にさらされる必要がある患者の時間を低減し、手術に伴う余病のリスクを低減し、医療手術の間の外科スタッフの疲労を低減し、(たとえば、放射線源が手術の間に必要とされる場合に)患者が放射線にさらされる時間を低減するなどすることができる。
【0063】
「頂部(top)」、「底部(bottom)」、「第1(first)」、「第2(second)」、「上方(upper)」、「下方(lower)」、「高さ(height)」、「幅(width)」、「長さ(length)」、「端(end)」、「側(side)」、「水平(horizontal)」、「垂直(vertical)」、および類似の用語などの用語が本明細書で使用される。これら用語は、図に示す構造に対する基準のみを有し、本開示の実施形態の記載を促進することのみのために利用されることを理解されたい。いくつかの実施形態に記載の特徴は、当業者には理解されるように、本明細書に開示の他の実施形態で使用され得る。
【0064】
図1は、一実施形態に係る、人体1内の医療用デバイス10を撮像するシステムを示し
ている。描写されている医療用デバイスは、身体1内で使用するために構成された遠位端12と、身体1の外側で使用するための近位端11と、ハンドル13とを含んでいる。操作時には、デバイス10を、撮像デバイス3で監視することができる。撮像デバイス3は、医療用デバイスの画像5をモニタ4に投影する場合がある。ハンドル13は、遠位端12の動作を制御するように構成されている場合がある。撮像(たとえば、撮像デバイス、モニタなど)の使用により、これらがデバイスに含まれるか含まれないかとは無関係に、本明細書に開示の任意の実施形態に組み込み、同調させることができる。
【0065】
図2Aおよび
図2Bは、一実施形態に係る、腔内構造20内のデバイス10の遠位端12を示している。腔内構造は、限定ではないが、血管、心臓、消化器(GI)管、泌尿生殖器(GU)管、腹膜キャビティ、胸部キャビティ、隔膜、気管支路、くも膜下空間、および頭蓋内脳室系を含んでいる。
図2Aでは、ガイドワイヤ14が、デバイス10内に、デバイスの遠位端12が所望の腔内の枝部21とは逆を向いている状態で示されている。
図2Bでは、
図2Aの、腔内構造20内の遠位端12およびガイドワイヤ14が、所望の腔内の枝部21に向くように回転されている。
【0066】
図3Aは、近位のヘリカルカット31と遠位のヘリカルカット32とによって形成された二重対掌性ヘリックス37を有するチューブ30が示されており、カット31と、カット32とは、接続ポイント33に対して近位と遠位とにある。図示の実施形態では、遠位のカット32は、カット幅38aとヘリカル角度39aとを含んでいる。同様に、近位のカット31は、カット幅38bとヘリカル角度39bとを有している。カット幅38a、38bは、0.1マイクロメートルから10ミリメートルの範囲(たとえば、0.1ミリメートルから0.2ミリメートル、0.2ミリメートルから0.3ミリメートル、0.3ミリメートルから0.4ミリメートル、0.4ミリメートルから0.5ミリメートル、0.5ミリメートルから0.6ミリメートル、0.6ミリメートルから0.7ミリメートル、0.7ミリメートルから0.8ミリメートル、0.8ミリメートルから0.9ミリメートル、0.9ミリメートルから1ミリメートル、1ミリメートルから2ミリメートル、2ミリメートルから3ミリメートル、3ミリメートルから4ミリメートル、4ミリメートルから5ミリメートル、5ミリメートルから6ミリメートル、6ミリメートルから7ミリメートル、7ミリメートルから8ミリメートル、8ミリメートルから9ミリメートル、9ミリメートルから10ミリメートル、前述の値の間の値など)とすることができる。いくつかの実施形態では、カット幅は、10ミクロンから1000ミクロンの範囲である。ヘリカル角度39a、39bは、デバイスの長手軸に対して10度から80度の範囲(たとえば、10度から15度、15度から20度、20度から25度、25度から30度、30度から35度、35度から40度、40度から45度、45度から50度、50度から55度、55度から60度、60度から65度、65度から70度、70度から75度、75度から80度、前述の範囲の間の角度など)とすることができる。いくつかの実施形態では、ヘリカル角度は、15度から75度の範囲である。カット幅38a、38bは、等しいか異なっている場合があり、ヘリカル角度39a、39bは、同じであるか異なる大きさを有している場合がある。いくつかの実施形態では、力34がチューブ30の長軸40に沿って印加される場合、力は、接続ポイント33に加えられる、遠位ヘリックス35に沿う力と、近位ヘリックス36に沿う力とに変換される。カット幅38a、38bおよびヘリカル角度39a、39bは、二重対掌性ヘリックス37が延長されるか短縮されて、回転移動を生じる際に変化する。
【0067】
図3Bは、遠位ヘリックス35に沿う力と、近位ヘリックス36に沿う力との自由物体図を示しており、それぞれの力が、チューブの軸に沿う力と、チューブ30に対して接線方向の力とに分けられている。この図は、一実施形態で、チューブ30に対して接線方向の力がどのように付加され、接続ポイント33にトルクを加えるかを示している。
【0068】
図4Aから
図4Cは、一実施形態に係る、チューブ51の遠位部分が延長された際の近位のヘリカルカット53と遠位のヘリカルカット52との間の接続ポイント54の回転を示している。
図4Aは、延長されていないチューブ51の遠位部分を示しているが、
図4Bは、延長された向き(たとえば、それにより、接続ポイント54と遠位セグメント55とが、
図4Aのそれらのそれぞれの位置に対して90度回転している)でのチューブ51の遠位部分を示している。
図4Cは、延長され、それにより、接続ポイント54と遠位セグメント55とが、
図4Aのそれらのそれぞれの位置に対して180度回転している、チューブ51の遠位部分を示している。
【0069】
図5は、デバイス10の遠位端12を制御する方法500の一実施形態のフローチャートを示している。ステップ510では、デバイス10が、身体1の腔内構造20内に挿入される。ステップ520では、身体1内のデバイス10の画像が表示される。ディスプレイは、限定ではないが、X線蛍光透視法、超音波撮像、コンピュータによる断層撮影(CAT)による撮像、磁気共鳴撮像(MRI)、および/または内視鏡撮像を含む、人体の内部の対象に関する任意の撮像技術の形態とすることができる。ステップ530では、対象となる領域が画像内で選択される。ステップ540では、長手方向の力および変位が、二重対掌性ヘリックス37に印加され、遠位端12を回転させる。長手方向の力は、スリーブ57またはワイヤ62の操作によって印加される場合がある。いくつかの実施形態では、長手方向の力は、磁気要素117、118(
図19A)などの医療用デバイスに結合された1つまたは複数のアクチュエータへのエネルギの印加を通して印加される場合がある。ステップ350では、遠位端12の位置の変化がディスプレイ上で観測される。ステップ360では、長手方向の変位の量が、スリーブ57/ガイドワイヤ62を介して、または1つまたは複数のアクチュエータ117、118へのエネルギの印加を通して、二重対掌性ヘリックス37に印加される長手方向の力の量を変化させることにより、遠位端12を所望の回転角度だけ回転させるように調整される。
【0070】
図6Aは、本開示の一実施形態に係る、医療用デバイス50の図である。図示のように、デバイス50は、チューブ51と、このチューブ51の遠位端に結合した遠位セグメント55と、スリーブ58とを含んでいる。スリーブ58は、チューブ51の管腔内に配置されている。スリーブ58は、ヘリックス52、53を長手方向に変位させるように、チューブ51内で前進または後退させることができる。デバイス50は、近位構成要素71および遠位構成要素72で構成され、チューブ51の近位端に取り付けられたハンドル70をも含んでいる。近位構成要素71および遠位構成要素72の各々は、円筒状の本体を有しており、それにより、近位構成要素71が遠位構成要素72内に挿入され得て、スリーブ58が近位構成要素71内に挿入され得るようになっている。近位構成要素71は、可逆的にスリーブ58に結合されており、遠位構成要素72は、チューブ51に可逆的に結合されている。チューブ51、遠位セグメント55、およびスリーブ58の各々は、限定ではないが、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)、ナイロン、ニッケルチタン(ニチノール)、ステンレス鋼の編組、および中空の螺旋状の撚り合わせたチューブを含む様々な材料の1つまたは複数で形成することができる。さらに、遠位セグメント55は、限定ではないが、直線形状、角度が付けられた形状、および、逆に湾曲した形状を有する場合がある。
【0071】
図6Bは、遠位セグメントおよび遠位端51に注目した図である。図示のように、二重対掌性ヘリックス67は、接続部54に結合された遠位ヘリックス52および近位ヘリックス53によって形成されている。遠位ヘリックス52および近位ヘリックス53は、ヘリカルカットにより、チューブ51から形成され、近位ヘリックス53と遠位ヘリックス52とは、接続ポイント54で集まっている。遠位セグメント55は、チューブ51の遠位端の周りに配置されており、結合手段56を介して接続ポイント54に結合している。遠位セグメント55と接続部54との間の適切な結合手段には、限定ではないが、1)接
着剤(シアノアクリレートなど)、2)溶接、3)ろう付け、4)はんだ付け、および5)機械的リンクの1つまたは複数が含まれ、さらなる適切な手段が、当業者には既知である。図示のように、ワイヤ62は、チューブ51の管腔内に配置され得て、かつ、チューブ51の長軸に沿ってスライド可能に、チューブ51に前進させるか、チューブ51から引き出ことができる。ワイヤ62が前進されると、チューブ51のキャップがされた端部61に当接し得る。キャップがされた端部61にワイヤが当接した後にワイヤ62をさらに前進させることには、二重対掌性ヘリックス67が線形的に変位する結果となる場合がある。二重対掌性ヘリックス67の線形変位に関連する力は、接続部54において、遠位セグメント55を回転させる回転力を生成する。当業者によく知られているように、薄いコイルワイヤ64は、遠位セグメント55の近位端の周りに巻き付けることができ、かつ、チューブ51に結合させて、遠位セグメント55とチューブ51との間をスムーズに変位させることができる。有利には、線形移動は、チューブ51の遠位部分、特に、二重対掌性ヘリックス67およびこの二重対掌性ヘリックス67から遠位側に限定される。このため、チューブ51全体を線形変位させる必要はない。
【0072】
図7Aは、遠位セグメント55内の開いた遠位端65がその作動していない状態にある(すなわち、二重対掌性ヘリックス67が線形変位していない)、デバイス50の長手方向の断面図である。デバイス50の遠位の態様は、チューブ51を伴って示されており、二重対掌性ヘリックス67が、チューブ51の遠位の態様に切られ、それにより、近位ヘリックス53および遠位ヘリックス52を形成している。チューブ51のカットセクションは、チューブの壁全体を通して切られている場合がある。近位ヘリックス53および遠位ヘリックス52は、これら近位ヘリックス53と遠位ヘリックス52とが逆向きになるように形成されている。たとえば、近位ヘリックス53が左手の向きである場合、遠位ヘリックス52は右手の向きであり、またはこの逆もあり得る。左手および右手のヘリックスの接続ポイント54は、二重対掌性ヘリックス67が線形的に延びるか圧縮される際に回転し、2つのヘリックスの接続ポイント54の線形移動を回転移動に変換する結果となる。遠位セグメント55は、チューブ51の遠位の態様の外周周りに配置されており、ここでは、二重対掌性ヘリックス67が切られている。遠位セグメント55は、結合手段56を介して、二重対掌性ヘリックス67のヘリックスの接続ポイント54に結合している。遠位セグメント55は、角度が付けられた先端を有しており、それにより、デバイス50の案内を向上させる助けになっている。チューブ51は、二重対掌性ヘリックス67の遠位側の管腔の内径が低減されており、シェルフ57を形成している。スリーブ58の外径は、チューブ51のシェルフ57の内径よりも大であるとともに、シェルフ57付近のチューブ51の内径より小である。スリーブ58は、チューブ51のシェルフ57にスライド可能に接触している。
【0073】
図7Bは、スリーブ58が前進した後の遠位端65の位置を示している。スリーブ58の前進により、二重対掌性ヘリックス67が線形的に変位している。このことは、次いで、近位ヘリックス53と遠位ヘリックス52との接続ポイント54を回転させ、次いで、遠位セグメント55を回転させる結果となる。接続ポイント54の回転の角度は、チューブ51の二重対掌性ヘリックス67の線形変位に比例する。説明の目的のために、180度回転したものが
図7Bに示されているが、異なる角度の回転が、スリーブ58の線形変位の程度を増大または減少させることによって達成される場合がある。
【0074】
図8Aは、その作動していない状態にあるデバイス50の遠位セグメント55の別の実施形態の断面図を示している。デバイス50の遠位の態様は、遠位端および近位端を有するチューブ51を伴って示されており、二重対掌性ヘリックス67が、チューブ51の遠位の態様に切られ、それにより、近位ヘリックス53および遠位ヘリックス52を形成している。遠位セグメント55は、二重対掌性ヘリックス67の2つのヘリックスの接続ポイント54に結合している。近位ヘリックス53および遠位ヘリックス52は、これら近
位ヘリックス53と遠位ヘリックス52とが逆向きになるように形成されている。たとえば、近位ヘリックス53が左手の向きである場合、遠位ヘリックス52は右手の向きであり、またはこの逆もあり得る。その性質により、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続ポイント54は、二重対掌性ヘリックス67の端部が線形的に延びるか後退される際に回転し、2つのヘリックスの接続ポイント54の線形移動を回転移動に変換する結果となる。遠位セグメント55は、チューブ51の遠位の態様の外周周りに配置されており、ここでは、二重対掌性ヘリックス67が切られている。遠位セグメント55は、結合手段56を介して、二重対掌性ヘリックス67のヘリックスの接続ポイント54に結合している。遠位セグメント55は、角度が付けられた先端を有しており、それにより、デバイス50の案内を向上させる助けになっている。チューブ51は、二重対掌性ヘリックス67の遠位側の管腔の内径が低減されているシェルフ57を含んでいる。スリーブ58の外径は、チューブ51のシェルフ57の内径よりも大であるとともに、前述のシェルフ57付近のチューブ51の内径より小である。デバイス50は、ワイヤ59をも含んでいる。ワイヤ59は、チューブ51の管腔内に配置されており、ワイヤの遠位部分は直径が低減されており、それにより、ワイヤの59の遠位部分がシェルフ57の低減された遠位の径を通過するような寸法になっている。ワイヤ59の残部、または、少なくとも遠位部分に隣接する部分は、シェルフ57の内径より大である直径を有している。このため、遠位の径が低減されたワイヤ59は、チューブ51の前述のシェルフ57とスライド可能に当接および係合する。
【0075】
図8Bでは、ワイヤ59は、チューブ51内に前進して示され、
図8Bに示されるように、二重対掌性ヘリックス67を線形的に変位させている。線形的に変位させることにより、近位ヘリックス53と遠位ヘリックス52との接続ポイント54を回転させ、次いで、遠位セグメント55を回転させる。遠位セグメント55の回転の角度は、チューブ51の二重対掌性ヘリックス67の線形変位に比例する。説明の目的のために、180度回転したものが
図8Bに示されているが、異なる角度の回転が、ワイヤ59の線形変位の程度を増大または減少させることによって達成される場合がある。
【0076】
図9Aは、開いた遠位端65を有する、その作動していない状態にあるデバイス50の遠位セグメント55の別の実施形態の断面図を示している。デバイス50の遠位の態様は、その遠位端およびその近位端を有するチューブ51を伴って示されており、二重対掌性ヘリックス67が、チューブ51の遠位の態様に切られ、それにより、近位ヘリックス53および遠位ヘリックス52を形成している。遠位セグメント55は、二重対掌性ヘリックス67の2つのヘリックスの接続ポイント54に結合している。近位ヘリックス53および遠位ヘリックス52は、これら近位ヘリックス53と遠位ヘリックス52とが逆向きになるように形成されている。たとえば、近位ヘリックス53が左手の向きである場合、遠位ヘリックス52は右手の向きであり、またはこの逆もあり得る。その性質により、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続ポイント54は、二重対掌性ヘリックス67の端部が線形的に延びるか後退される際に回転し、2つのヘリックスの接続ポイント54の線形移動を回転移動に変換する結果となる。遠位セグメント55は、チューブ51の遠位の態様の外周周りに配置されており、ここでは、二重対掌性ヘリックス67が切られている。遠位セグメント55は、結合手段56を介して、二重対掌性ヘリックス67のヘリックスの接続ポイント54に結合している。遠位セグメント55は、角度が付けられた先端を有しており、それにより、デバイス50の案内を向上させる助けになっている。ワイヤ60は、チューブ51の管腔内に同軸的に配置されており、ワイヤ60は、可逆的に拡張可能である。
【0077】
図9Bは、拡張可能な部材66がチューブ51の直径に拡大されているか、チューブ51の直径より大であるように、ワイヤ60が拡張している、
図9Aのデバイス50を示している。可逆的に拡張可能な部材66が拡張されると、この部材66は、チューブ51の
遠位端と係合する。可逆的に拡張された部材66がその拡張状態にある際にワイヤ60が前進されると、ワイヤ60は、二重対掌性ヘリックス67を線形変位させる。このことは、次いで、近位ヘリックス53と遠位ヘリックス52との接続ポイント54を回転させ、次いで、遠位セグメント55を回転させる結果となる。回転の角度は、チューブ51の二重対掌性ヘリックス67の線形変位に比例する。説明の目的のために、180度回転したものが
図9Bに示されているが、異なる角度の回転が、スリーブ58の線形変位の程度を増大または減少させることによって達成される場合がある。可逆的に拡張可能な部材66がしぼんでいる場合、ワイヤ60の外径は、チューブ51の管腔の内径未満であり、このため、ワイヤは、
図9Aに示すように、チューブ51の管腔内を自在に移動することが可能である。
【0078】
図10Aは、チューブ51に、キャップがされた端部61を含む、その作動していない状態にあるデバイス50の遠位の態様の別の実施形態の断面図を示している。デバイス50の遠位の態様は、遠位端および近位端を有するチューブ51を伴って示されており、二重対掌性ヘリックス67が、チューブ51の遠位の態様に切られ、それにより、近位ヘリックス53および遠位ヘリックス52を形成している。遠位セグメント55は、二重対掌性ヘリックス67の2つのヘリックスの接続ポイント54に結合している。近位ヘリックス53および遠位ヘリックス52は、これら近位ヘリックス53と遠位ヘリックス52とが逆向きになるように形成されている。たとえば、近位ヘリックス53が左手の向きである場合、遠位ヘリックス52は右手の向きであり、またはこの逆もあり得る。その性質により、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続ポイント54は、二重対掌性ヘリックス67の端部が線形的に延びるか後退される際に回転し、2つのヘリックスの接続ポイント54の線形移動を回転移動に変換する結果となる。遠位セグメント55は、チューブ51の遠位の態様の外周周りに配置されており、ここでは、二重対掌性ヘリックス67が切られている。遠位セグメント55は、結合手段56を介して、二重対掌性ヘリックス67のヘリックスの接続ポイント54に結合している。遠位セグメント55は、角度が付けられた先端を有しており、それにより、デバイス50の案内を向上させる助けになっている。ワイヤ62は、チューブ51の管腔内に同軸的に配置されている。ワイヤ62は、キャップがされた端部61に接触し、ワイヤ62を前進させることにより、キャップがされた端部61に対して力を印加し、
図10Bに示すように、二重対掌性ヘリックス67を線形的に変位させる。このことは、次いで、近位ヘリックス53と遠位ヘリックス52との接続ポイント54を回転させ、次いで、遠位セグメント55を回転させる結果となる。回転の角度は、チューブ51の二重対掌性ヘリックス67の線形変位に比例する。説明の目的のために、180度回転したものが
図10Bに示されているが、異なる角度の回転が、ワイヤ62の線形変位の程度を増大または減少させることによって達成される場合がある。
【0079】
図11Aは、チューブ51の、キャップがされた端部61を有する、その作動していない状態にあるデバイス50の遠位の態様の別の実施形態の断面図を示している。デバイス50の遠位の態様は、遠位端および近位端を有するチューブ51を伴って示されており、二重対掌性ヘリックス67が、チューブ51の遠位の態様に切られ、それにより、近位ヘリックス53および遠位ヘリックス52を形成している。遠位セグメント55は、二重対掌性ヘリックス67の2つのヘリックスの接続ポイント54に結合している。近位ヘリックス53および遠位ヘリックス52は、これら近位ヘリックス53と遠位ヘリックス52とが逆向きになるように形成されている。たとえば、近位ヘリックス53が左手の向きである場合、遠位ヘリックス52は右手の向きであり、またはこの逆もあり得る。その性質により、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続ポイント54は、二重対掌性ヘリックス67の端部が線形的に延びるか後退される際に回転し、2つのヘリックスの接続ポイント54の線形移動を回転移動に変換する結果となる。遠位セグメント55は、チューブ51の遠位の態様の外周周りに配置されており、ここでは、二重対掌性ヘリックス67
が切られている。遠位セグメント55は、結合手段56を介して、二重対掌性ヘリックス67のヘリックスの接続ポイント54に結合している。遠位セグメント55の先端は、角度が付けられた先端を有することができ、それにより、デバイス50の案内を向上させる助けになっている。膜またはライナ63は、チューブ51の管腔内に配置されている。チューブ51の管腔内に流体を注入することにより、膜63を拡張させ、
図11Bに示すように、二重対掌性ヘリックス67を線形変位させる。このことは、次いで、近位ヘリックス53と遠位ヘリックス52との接続ポイント54を回転させ、次いで、遠位セグメント55を回転させる結果となる。回転の角度は、チューブ51の二重対掌性ヘリックス67の線形変位に比例する。膜63の内部への流体の注入、または、膜63の内部からの流体の抽出は、正確に制御することができ、これにより、遠位セグメント55の回転を細かく調整することが可能になる。細かい調整により、医療用デバイス100を、小さい管を有する脈管構造で使用することが可能になり、遠位セグメント55の回転の間のウィップまたは選択された枝部の通過に起因する、管壁に衝撃を与えるリスクをほとんど伴わずに、特定の枝部を選択することが可能になる。さらに、細かい調整により、身体の内部の照明のためのランプなど、補助設備の正確な配置が可能になる。ここで、個別の、および/または、微妙な回転角度の調整が、有利であるか必要である。細かい調整により、やはり、あまりに突然に解放される場合にウィップを生じる結果になり得る、遠位セグメント55のポテンシャルエネルギの蓄積が低減されることに留意されたい。説明の目的のために、180度回転したものが
図11Bに示されているが、異なる角度の回転が、膜63の膨張/収縮により、二重対掌性ヘリックス67の線形変位の程度を増大または減少させることによって達成される場合がある。いくつかの実施形態では、単一のヘリックス203が、二重対掌性ヘリックス67を代替する場合がある。たとえば、
図23から
図25を参照されたい。
【0080】
図12Aは、デバイス10の近位端11を把持するための、
図1に示すハンドル13の実施形態として適切なハンドル70の断面図を示している。ハンドル70は、近位構成要素71および遠位構成要素72を含み得、近位構成要素71と遠位構成要素72とは、互いに同軸である。近位構成要素71および遠位構成要素72は、限定ではないが、ポリカーボネートおよび金属の1つまたは複数を含む、1つまたは複数の様々な材料で形成され得る。遠位構成要素72は、チューブ51の近位の態様およびスリーブ58またはワイヤ78をスライド可能に受領するように構成されたシリンダ73を有している。近位構成要素71および遠位構成要素72は、ハンドル70の長軸に沿って互いに対して移動するように構成されている。
【0081】
遠位のフィッティング76は、遠位構成要素72の遠位端に位置している。この遠位のフィッティング76は、管腔73から外に張り出している。近位のフィッティング74は、近位構成要素71の近位端の遠位端に位置しており、やはり、シリンダ73から外に張り出している。遠位の圧縮ナット77は、遠位構成要素72の外径周りにフィットしている。遠位のフィッティング76は、ネジ山が遠位の圧縮ナット77と嵌合するように、ネジが切られている。近位の圧縮ナット75は、近位構成要素71の外径周りにフィットしている。近位のフィッティング74は、ネジ山が近位の圧縮ナット75と嵌合するように、ネジが切られている。
図12Bは、線A-A’を通る短軸の断面を示している。近位構成要素71と遠位構成要素72とは、互いに、かつ、ワイヤ78と同軸である。
【0082】
図13は、近位の圧縮ナット75と遠位の圧縮ナット77とが、近位のフィッティング74のネジ部分と遠位のフィッティング76のネジ部分とにそれぞれ係合し、それにより、遠位のフィッティング76と近位のフィッティング74とが、
図12Aのように外に張り出すよりむしろ、シリンダ73に向かって圧縮されるようになっている、ハンドル70の長手軸を通る断面図を示している。
【0083】
図14Aから
図14Cおよび
図15Aから
図15Cは、デバイス10の近位端11を把持するための、
図1に示すハンドル13の別の実施形態として適切なハンドル80を示している。
図14Aは、近位構成要素81および遠位構成要素82を含み、近位構成要素81と遠位構成要素82とが互いに同軸であるハンドル80を示している。近位構成要素81および遠位構成要素82は、限定ではないが、ポリカーボネートおよび金属の1つまたは複数を含む、1つまたは複数の様々な材料で形成され得る。近位構成要素81の遠位の態様は、近位構成要素ネジ88と本明細書で呼ばれるネジ部分を有しており、遠位構成要素82の近位部分は、遠位構成要素ネジ89と本明細書で呼ばれるネジ部分を有している。近位構成要素81と遠位構成要素82とは、近位構成要素81の、遠位構成要素82に対する回転を介して、ハンドル80の長軸に沿って互いに対して変位することが可能である。スイベル90は、近位のフィッティング84と近位構成要素81とが互いに対して回転し得るように、近位構成要素81内に配置されている。ハンドル80は、チューブ91の近位の態様と、少なくともその長さの一部に関して、チューブ91内に同軸的に配置されたスリーブまたはワイヤ92とを受領するような寸法である管腔83を有している。
【0084】
遠位のフィッティング86は、遠位構成要素82の遠位端に位置している。遠位のフィッティング86の遠位端は、管腔83から外に張り出している。近位のフィッティング84は、近位構成要素81の近位端に位置している。近位のフィッティングの近位端は、管腔83から外に張り出している。遠位の圧縮ナット87は、遠位構成要素82の外径周りにフィットしている。遠位のフィッティング86は、ネジ山が遠位の圧縮ナット87と嵌合するように、ネジが切られている。近位の圧縮ナット85は、近位構成要素81の外径周りにフィットしている。近位のフィッティング84は、ネジ山が近位の圧縮ナット85と嵌合するように、ネジが切られている。
【0085】
図14Bは、遠位のフィッティング86を通過する、
図14Aの線B-B’を通る短軸の断面を示している。スリーブまたはワイヤ92などの長手方向の変位器が、チューブ91と同軸に示されており、スリーブまたはワイヤ92とチューブ91との両方が、遠位のフィッティング86と同軸である。同様に、
図14Cは、近位のフィッティング84を通過する、
図14Aの線C-C’を通る短軸の断面を示している。ここでは、近位のフィッティング84が遠位のフィッティング86と重なっている。スリーブまたはワイヤ92は、チューブ91、ならびに、近位のフィッティング84および遠位のフィッティング86と同軸に示されている。
【0086】
図15Aは、近位の圧縮ナット85と遠位の圧縮ナット87とが、近位のフィッティング84のネジ部分と遠位のフィッティング86のネジ部分とにそれぞれ係合し、それにより、遠位のフィッティング86と近位のフィッティング84とが、管腔83に向かって圧縮されるようになっている、ハンドル80の長手軸を通る断面図を示している。
図15Bは、遠位のフィッティング86を通過する、
図15Aの線B-B’を通る短軸の断面を示している。スリーブまたはワイヤ92が、チューブ91と同軸に示されており、スリーブまたはワイヤ92とチューブ91との両方が、遠位のフィッティング86と同軸である。同様に、
図15Cは、近位のフィッティング84を通過する、
図15Aの線C-C’を通る短軸の断面を示している。ここでは、近位のフィッティング84が遠位のフィッティング86と重なっている。スリーブまたはワイヤ92は、チューブ91、ならびに、近位のフィッティング84および遠位のフィッティング86と同軸に示されている。
【0087】
図16は、医療用デバイス100を含む装置の別の実施形態を示す図である。この実施形態では、二重対掌性ヘリックス1709(
図17A参照)が、チューブ101の遠位の態様内に切り込まれている。チューブ101は、限定ではないが、ニッケルチタン(ニチノール)を含む材料を含んでいる。この材料は、二重対掌性ヘリックス1709の延長が生じるように、局所的な環境の変化に応じた形状変化を経るように選択されている。導管
108は、チューブ101内に配置されている。導管108は、チューブ101内に配置された、局所的な環境を変化させるための因子に関し、ソース109に接続されている場合がある。局所的な環境を変化させるための例示的な因子には、限定ではないが、ジュール加熱または磁場変化のためのバッテリ、無線周波数ジェネレータ、マイクロウェーブジェネレータ、加熱源、光源、および、解放可能なイオンの化学物質の発生源の1つまたは複数が含まれる場合がある。一実施形態では、二重対掌性ヘリックス1709は、温度が上昇されると、線形的に延長する場合がある。この延長は、セ氏40度からセ氏90度の温度範囲にわたって生じる場合がある。いくつかの実施形態では、延長のための温度範囲は、セ氏40からセ氏60度の間である場合がある。遠位セグメント105は、チューブ101の遠位の態様に結合されている。
【0088】
図17Aは、医療用デバイス100の一実施形態の遠位の態様が、その作動していない状態にある長手方向の断面図を示しており、二重対掌性ヘリックス1709の線形変位が存在していない。医療用デバイス100の遠位の態様は、遠位端および近位端を有するチューブ101を伴って示されており、二重対掌性ヘリックス1709が、チューブ101の遠位の態様に切られ、それにより、近位ヘリックス103および遠位ヘリックス102を形成している。導管108は、チューブ101の管腔内に同軸的に位置しており、遠位セグメント105は、二重対掌性ヘリックス1709の2つのヘリックス102、103の接続ポイント104に結合している。近位ヘリックス103および遠位ヘリックス102は、これら近位ヘリックス103と遠位ヘリックス102とが逆向きになるように形成されている。たとえば、近位ヘリックス103が左手の向きである場合、遠位ヘリックス102は右手の向きであり、またはこの逆もあり得る。
【0089】
その性質により、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続ポイント104は、二重対掌性ヘリックス1709の端部が線形的に延びるか後退される際に回転し、2つのヘリックス102、103の接続ポイント104の線形移動を回転移動に変換する結果となる。遠位セグメント105は、チューブ101の遠位の態様の外周周りに配置されており、ここでは、二重対掌性ヘリックス1709が切られている。遠位セグメント105は、二重対掌性ヘリックス1709のヘリックス102、103の接続ポイント104に、結合手段106を介して結合している。結合手段106には、限定ではないが、1)接着剤(シアノアクリレートなど)、2)溶接、3)ろう付け、4)はんだ付け、および5)機械的リンクの1つまたは複数が含まれる。遠位セグメント105は、角度が付けられた先端を有しており、それにより、医療用デバイス100の案内を向上させる助けになっている。いくつかの実施形態には、限定ではないが、導管108をチューブ101の遠位端に結合することを含む、チューブ101の形状変化に反作用するための任意選択的手段が含まれる場合がある。一実施形態では、チューブ101は、チューブ101の残りの部分よりもわずかに大である遠位の径を有しており、薄いワイヤ1081が、チューブ101と導管108との間の環状空間など、前述の導管108に隣接してチューブ101内を通っている。薄いワイヤ1081が定位置にある状態で導管108にテンションが印加されると、薄いワイヤ1081のテンションが、二重対掌性ヘリックス1709の線形変位と反作用する。
【0090】
図17Bは、局所的な環境107の変化が、二重対掌性ヘリックス1709の周りの環境に、二重対掌性ヘリックス1709の近位で局所的に与えられた際の、
図17Aの実施形態の遠位の態様の長手方向の断面図を示している。局所的な環境の例示的な変化は、医療用デバイス100の一部を、熱膨張または収縮に起因して、形状変化させ得る、局所的な温度の変化である場合がある。局所的な環境の変化は、温度、pH、磁界強度、イオン濃度、および光の変化の1つまたは複数を含む場合がある。局所的な環境107の変化は、近位ヘリックス103および遠位ヘリックス102の形状変化を生じ得て、かつ、二重対掌性ヘリックス1709の線形変位を生じ得る。近位ヘリックス103と遠位ヘリック
ス102との接続ポイント104が回転し、次いで、遠位セグメント105を回転させる。遠位セグメント105の回転の角度は、チューブ101の二重対掌性ヘリックス1709の線形変位に比例する。説明の目的のために、180度の回転が示されている。いくつかの実施形態では、遠位ヘリックス102および近位ヘリックス103は、形状部材合金(限定ではないが、ニチノールなど)、または、形状記憶ポリマ(限定ではないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)およびポリエチレンオキシド(PEO)のブロック共重合体など)から成る場合がある。
【0091】
いくつかの実施形態では、薄いワイヤ1081は、接続ポイント104の長手方向の移動を抑制するために使用される場合がある。このため、ユーザは、ワイヤ1081上のテンションを解放することにより、接続ポイント104が、制御される方式で長手方向に延長することを可能にし得る。
【0092】
図18は、医療用デバイス120を含む装置の別の実施形態を示す図である。この実施形態では、二重対掌性ヘリックス1937(
図19A参照)が、チューブ121の遠位の態様に切り込まれており、デュアル螺旋対称性ヘリカルカットを含む、チューブの線形変位のための別の手段が提供されている。チューブ212は、限定ではないが、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)、ナイロン、ニッケルチタン(ニチノール)、ステンレス鋼の編組、コイル状のワイヤ、および中空の螺旋状の撚り合わせたチューブを含む様々な材料の1つまたは複数で形成することができる。医療用デバイス120の近位端は、バッテリなどの電源129に接続されており、エネルギを、薄いワイヤなどの導電要素を介して、デバイスに沿って送ることができる。遠位セグメント125は、チューブ121の遠位の態様に結合されている。線形変位手段は、限定ではないが、二重対掌性ヘリックス1937の遠位端にあるか、この遠位端に結合された、永続的であるか誘導性の磁場を放出することができる要素と、二重対掌性ヘリックス1937の遠位端の近位であるが、直接接触していない、永続的であるか誘導性の磁場を放出することができる要素との間の電場または磁場の反発または吸引を含んでいる。これら要素の例には、限定ではないが、希土類磁石、電流を通すことができるコイル状のワイヤ、エレクトレット、および平板コンデンサが含まれる。二重対掌性ヘリックス1937の領域に沿うか、領域の近位に、逆向きの電場または磁場を印加させるための方法の例には、限定ではないが、1)二重対掌性ヘリックス1937の一方の端部に永続的な電荷または磁荷を印加し、二重対掌性ヘリックス1937の反対側の端部に、可変の、誘導性の電荷または磁荷を印加することと、2)二重対掌性ヘリックス1937の一方の端部に誘導性の電荷または磁荷を印加し、二重対掌性ヘリックス1937の反対側の端部に、可変の、誘導性の電荷または磁荷を印加することと、3)二重対掌性ヘリックス1937の一方の端部に電荷または磁荷を印加し、二重対掌性ヘリックス1937の近位のガイドワイヤ119の部分に電荷または磁荷を印加することと、が含まれている。
【0093】
図19Aは、
図18の医療用デバイス120の遠位の態様に関する代替形態として使用するために適切である、医療用デバイス110の遠位の態様の長手方向断面図を、デバイスが作動していない状態で示している。医療用デバイス110の遠位の態様は、遠位端および近位端を有するチューブ111を伴って示されており、二重対掌性ヘリックス1937が、近位ヘリックス113および遠位ヘリックス112、遠位の磁気要素117、近位の磁気要素118、ならびに、二重対掌性ヘリックス1937の2つのヘリックス112、113の接続ポイント114に結合された遠位セグメント115を形成するように、チューブ111の遠位の態様に切り込まれている。磁気要素117、118の各々は、生体親和性である場合がある。例示的な磁気要素117、118は、希土類磁石およびコイル電磁石を含む場合がある。磁気要素117と118とに使用される電磁石のタイプは、同じであるか異なっている場合がある。磁気要素117、118は、磁気要素117と磁気要素118との間の吸引/反発の力が、エネルギが与えられると、二重対掌性ヘリックス
1937のバネ力を超えるのに十分であるように選択される。磁気要素117、118は、二重対掌性ヘリックス1937の両端付近でチューブ111に接続され得て、それにより、磁気要素117と磁気要素118との間の磁力が、エネルギが与えられると、磁気要素117、118の構成に応じて、二重対掌性ヘリックス1937を長手方向に延長または短縮するようになっている(吸引または反発する磁力)。この方式で、磁気要素117、118の一方または両方にエネルギを与えることが、二重対掌性ヘリックス1937を延長または短縮させることにより、ガイドワイヤ119を回転させることなく、遠位セグメント115に回転力を与える。例示的な磁気要素117、118は、永久磁石(希土類磁石など)および電磁石を含む場合がある。いくつかの実施形態では、磁気要素117、118の一方が、磁場に反応し、それ自体は磁性ではない、強磁性材料である場合がある。近位ヘリックス113および遠位ヘリックス112は、これら近位ヘリックス113と遠位ヘリックス112とが逆向きになるように形成されている。たとえば、近位ヘリックス113が左手の向きである場合、遠位ヘリックス112は右手の向きであり、またはこの逆もあり得る。その性質により、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続ポイント114は、二重対掌性ヘリックス1937の端部が線形的に延びるか後退される際に回転し、2つのヘリックスの接続ポイント114の線形移動を回転移動に変換する結果となる。遠位セグメント115は、チューブ111の遠位の態様の外周周りに配置されており、ここでは、二重対掌性ヘリックス1937が切られている。遠位セグメント115は、結合手段116を介して、二重対掌性ヘリックス1937のヘリックス112、113の接続ポイント114に結合している。結合手段116には、1)接着剤(シアノアクリレートなど)、2)溶接、3)ろう付け、4)はんだ付け、および5)機械的リンクの1つまたは複数が含まれ得る。遠位セグメント115は、角度が付けられた先端を有しており、それにより、医療用デバイス110の案内を向上させる助けになっている。
【0094】
図19Bは、遠位の磁気要素117と近位の磁気要素118との少なくとも一方の磁場が変化した際の、
図19Aからの医療用デバイス110の遠位の態様の長手方向の断面図である。この磁場の変化により、二重対掌性ヘリックス1937の線形変位が生じる。このことは、次いで、近位ヘリックス113と遠位ヘリックス112との接続ポイント114を回転させ、次いで、遠位セグメント115を回転させる。回転の角度は、チューブ111の二重対掌性ヘリックス1937の線形変位に比例する。説明の目的のために、180度の回転が示されている。
【0095】
いくつかの実施形態では、単一のヘリックス203(たとえば、
図23から
図25を参照)を、医療用デバイス110の二重対掌性ヘリックス1937の代替物として使用することができ、それにより、磁気要素117、118が、チューブ111の遠位セグメント115および/または遠位端を回転移動させるために、単一のヘリックス203の延長または短縮を実現するように、単一のヘリックス203の両側に接触して、チューブ111上またはチューブ111内に配置され得るようになっている。同様に、この回転移動は、磁気要素117、118が、
図19Aおよび
図19Bと実質的に同じか同一である位置で、デバイス200内に配置される際に、
図25Aおよび
図25Bのチューブ201の遠位端に与えられ得る。
【0096】
図20Aは、医療用デバイス120がその作動していない状態にある、医療用デバイス120の実施形態の遠位の態様の長手方向の断面図である。医療用デバイス120の遠位の態様は、遠位端および近位端を有するチューブ121(二重対掌性ヘリックス2037が、近位ヘリックス123および遠位ヘリックス122形成するように、チューブ121の遠位の態様に切り込まれている)、チューブの磁気要素127、ガイドワイヤの磁気要素128、ならびに、二重対掌性ヘリックス2037の2つのヘリックス122、123の接続ポイント124に結合された遠位セグメント125を伴って示されている。近位ヘリックス123および遠位ヘリックス122は、これら近位ヘリックス123と遠位ヘリ
ックス122とが逆向きになるように形成されている。たとえば、近位ヘリックス123が左手の向きである場合、遠位ヘリックス122は右手の向きであり、またはこの逆もあり得る。その性質により、左手のヘリックスと右手のヘリックスとの接続ポイント124は、二重対掌性ヘリックス2037の端部が線形的に延びるか後退される際に回転し、2つのヘリックスの接続ポイント124の線形移動を回転移動に変換する結果となる。遠位セグメント125は、チューブ121の遠位の態様の外周周りに配置されており、ここでは、二重対掌性ヘリックス2037が切られている。遠位セグメント125は、結合手段126を介して、二重対掌性ヘリックス2037のヘリックス122、123の接続部124に結合している。遠位セグメント125は、角度が付けられた先端を有し得て、それにより、医療用デバイス120の案内を向上させる助けになっている。磁気要素127、128は、永久磁石と電磁石との1つまたは複数を含む場合がある。いくつかの実施形態では、磁気要素127、128の一方または両方が、希土類磁石である場合がある。チューブの磁気要素127は、ガイドワイヤの磁気要素128と同じであるか異なる磁気要素を含む場合がある。磁気要素127、128は、吸引力または反発力を、互いの間に与えて、二重対掌性ヘリックス2037を線形変位させるように構成されている場合がある。
【0097】
図20Bは、1)チューブの磁気要素127もしくはガイドワイヤの磁気要素128の磁場の変化、または、2)チューブの磁気要素127とガイドワイヤの磁気要素128との間の距離の変化が生じた際に、二重対掌性ヘリックス2037の線形変位が生じることを示している。線形変位は、近位ヘリックス123と遠位ヘリックス122との接続ポイント124を回転させ、次いで、遠位セグメント125を回転させる。回転の角度は、チューブ121の二重対掌性ヘリックス2037の線形変位に比例する。説明の目的のために、180度の回転が示されている。
【0098】
図21Aは、その作動していない状態にある、デバイスの別の実施形態の、遠位の態様の長手方向の断面図である。デバイスの遠位の態様は、遠位端および近位端を有するチューブ130を伴って示されており、二重対掌性ヘリックス138が、チューブ130の遠位の態様に切られて、近位ヘリックス132および遠位ヘリックス131、ならびに、チューブ130の管腔内に位置するガイドワイヤ137を形成している。チューブ130は、限定ではないが、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)、ナイロン、ニッケルチタン(ニチノール)、ステンレス鋼の編組、コイル状のワイヤ、および中空の螺旋状の撚り合わせたチューブを含む様々な材料の1つまたは複数で形成することができる。近位ヘリックス132および遠位ヘリックス131は、これら近位ヘリックス132と遠位ヘリックス131とが逆向きになるように形成されている。たとえば、近位ヘリックス132が左手の向きである場合、遠位ヘリックス131は右手の向きであり、またはこの逆もあり得る。その性質により、左手のヘリックス131と右手のヘリックスと132の接続ポイント133は、二重対掌性ヘリックス138の端部が線形的に延びるか後退される際に回転し、2つのヘリックスの接続ポイント133の線形移動を回転移動に変換する結果となる。チューブ130は、その遠位の態様に沿って、低減された内径136を有している。ガイドワイヤ137の遠位の態様は、直径が低減されている。チューブ130の遠位端の内径は、ガイドワイヤ137の遠位の態様の径より大であるが、ガイドワイヤ137の低減されていない径よりは小である。ガイドワイヤ137は、ガイドワイヤ137の長手軸に沿って位置する1つまたは複数の溝135を含む場合がある。歯134などの、ガイドワイヤ137に係合するための係合手段134が、二重対掌性ヘリックス138の接続ポイント133において、ガイドワイヤ137とチューブ130との間に配置されている。歯134は、溝135の1つまたは複数と、ガイドワイヤ137の遠位の態様に沿ってスライド可能に係合する。
図21Bは、接続ポイント133においてチューブを通過する、
図21Aの線B-B’を通る短軸の断面を示している。歯134は、接続ポイント133において、チューブ130から突出して示されており、ガイドワイヤ137の溝135の1つと噛合している。
図21Cは、チュ
ーブ130の近位ヘリックス132を通過する、
図21Aの線C-C’を通る短軸の断面を示している。ガイドワイヤ137をチューブ130内に前進させることにより、二重対掌性ヘリックス138の線形変位に繋がる。このことは、次いで、接続ポイント133および歯134を回転させ、次いで、
図22Aおよび
図22Bに示すように、ガイドワイヤ137の遠位の態様を回転させる。
【0099】
図22Aは、二重対掌性ヘリックス138が変位した際の、
図21Bの線A-A’を通る長手方向の断面図を示している。
図22Bは、二重対掌性ヘリックス138が変位した際の、
図21Bの線B-B’を通る長手方向の断面図を示している。回転の角度は、チューブ130の二重対掌性ヘリックス138の変位に比例する。
【0100】
図23aは、本出願の別の実施形態に係る医療用デバイス200を示している。図示のように、デバイス200は、チューブ201と、たとえばスリーブ202などの長手方向の変位器と、チューブ201の近位端に取り付けられたハンドル270とを含むことができる。いくつかの実施形態では、ヘリカルまたは螺旋状のカット203が、チューブ201の遠位の態様に存在しており、ヘリカルまたは螺旋状のカット203は、カット幅208およびヘリカル角度209を有している。ヘリカルカット203の遠位側のチューブ201の端部は、脈管構造を通して医療用デバイス200を案内する助けになるように湾曲を含む場合がある。カット幅208は、0.1マイクロメートルから30ミリメートルの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、カット幅は、約0.1ミリメートルから約10ミリメートルの範囲である場合がある。ヘリカル角度は、チューブ201の長手軸に対して、10度から80度の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、ヘリカル角度は、15度から75度の範囲である。スリーブ202は、チューブ201の管腔内に配置されている。チューブ201は、スリーブ202の前方移動を防止するシェルフ204を形成するように、遠位端に低減された内径を有する場合がある。いくつかの実施形態では、スリーブ202は、シェルフ204に当接して、長手方向の力をスリーブ202からチューブ201に伝達する場合がある。いくつかの実施形態では、スリーブ202は、シェルフ204など、ヘリカルまたは螺旋状のカット203の遠位側のポイントにおいてチューブ201に結合され得て、また、チューブ201内を前進または後退することができる。ここで、スリーブ202の前進または後退により、ヘリカルまたは螺旋状のカット203の遠位側のチューブ201の前進または後退を生じることになる。いくつかの実施形態では、結合手段は、スリーブ202をチューブ201から解放するために、電流または熱を印加することによって溶かすことができるはんだ接続など、可逆的である場合がある。スリーブ202とチューブ201とを結合する手段には、限定ではないが、1)摩擦フィット、2)接着剤(シアノアクリレートなど)、3)溶接、4)ろう付け、5)はんだ付け、および6)機械的リンクの1つまたは複数が含まれる。
図23fに示すように、デバイス200は、近位構成要素271および遠位構成要素272で構成され、チューブ201の近位端に取り付けられたハンドル270をも含んでいる。近位構成要素271および遠位構成要素272の各々は、円筒状の本体を有しており、それにより、近位構成要素271が遠位構成要素272内に挿入され得て、スリーブ202が近位構成要素271内に挿入され得るようになっている。近位構成要素271は、可逆的にスリーブ202に結合されており、遠位構成要素272は、チューブ201に可逆的に結合されている。チューブ201およびスリーブ202の各々は、限定ではないが、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)、ナイロン、ニチノール、ステンレス鋼の編組、コイル状のワイヤ、および中空の螺旋状の撚り合わせたチューブを含む様々な材料の1つまたは複数で形成することができる。チューブ201の管腔およびスリーブ202の外側表面は、優先的に、PTFEまたは親水性コーティングを含む、低い摩擦係数を有する。さらに、チューブ201の遠位の態様は、限定ではないが、直線形状、角度が付けられた形状、および、逆に湾曲した形状を有する場合がある。
図23cは、
図23aの線C-C’を通る軸方向の断面図である。
図23dは、
図23
aの線D-D’を通る軸方向の断面図である。
図23bは、
図23aのデバイス200の長手方向の断面図である。
図23eは、
図23aの線E-E’を通る軸方向の断面図である。
【0101】
図24aは、デバイス200が、チューブ201の遠位端の、その作動していない状態(長手方向に変位していない)にある、デバイス200を示している。
図24bは、スリーブ202の前進により、チューブ201の遠位端の長手方向の変位が存在し、それにより、チューブ201の遠位端が、
図24Aのチューブ201の遠位端の位置に対して90度回転する結果となっている、デバイス200を示している。
図24cは、スリーブ202の前進により、チューブ201の遠位端の長手方向のさらなる変位が存在し、それにより、チューブ201の遠位端が、
図24Aのチューブ201の遠位端の位置に対して180度回転する結果となっている、デバイス200を示している。
図24dは、スリーブ202の前進により、チューブ201の遠位端の長手方向のさらなる変位が存在し、それにより、チューブ201の遠位端が、
図24Aのチューブ201の遠位の位置に対して270度回転する結果となっている、デバイス200を示している。
【0102】
図25aは、デバイス200が、チューブ201の遠位端の、その作動していない状態(長手方向に変位していない)にある、デバイス200を示している。
図25bは、スリーブ202の後退により、チューブ201の遠位端の長手方向の変位が存在し、それにより、チューブ201の遠位端が、-90度回転する結果となっている、デバイス200を示している。
【0103】
図26Aは、ここでは遠位セグメント171および管腔173である、遠位セグメント171の慢性完全閉塞横断デバイスの実施形態170の長手方向の断面図である。一実施形態では、遠位セグメント171は、面取した先端172を有している。
図26Bは、
図26Aの線B-B’を通る短軸の図である。
【0104】
図27Aは、遠位セグメントの内視鏡の実施形態180の長手方向の断面図であり、カメラ181および光源182が、遠位端に位置している。デバイスの近位端に情報を伝達するための、カメラ(光ファイバまたは配線)のための導管184と、光源182にエネルギ(光または電流など)を伝達するための、光源185(光ファイバまたは配線)のための導管が存在する。さらに、この実施形態180は、器具の通過、または、流体の搬送もしくは吸引のための作業チャネルを有することができる。
図27Bは、
図27Aの線B-B’を通る短軸の図である。
【0105】
図28は、内視鏡器具の実施形態190の長手方向の断面図であり、中空部分191、中実部分192、および把持器196が存在する。
【0106】
図29は、内視鏡器具の実施形態190の長手方向の断面図であり、中空部分191、中実部分192、および焼灼器197が存在する。
【0107】
図30aは、デバイス3000の遠位端の長手方向断面図を示しており、デバイス3000が、その作動していない状態にある(長手方向に変位していない)。デバイス3000は、チューブ3001と、スリーブ3002などの長手方向の変位器とを含んでいる。ヘリカルまたは螺旋状のカット3003は、チューブ3001の遠位の態様に存在する。スリーブ3002は、チューブ3001の管腔内に配置されている。スリーブ3002は、ヘリカルまたは螺旋状のカット3003の遠位のチューブ3001に結合されており、スリーブ3002は、チューブ3001内を前進または後退することができる。ここで、スリーブ3002の前進または後退により、ヘリカルまたは螺旋状のカット3003の遠位側のチューブ3001の前進または後退を生じることになる。チューブ3001の前述
の前進または後退により、ヘリカルまたは螺旋状のカット3003の遠位のチューブ3001が回転し、ここで、回転量は、チューブ3001の前進または後退の量に比例する。スリーブ3002とチューブ3001とを結合する手段には、限定ではないが、1)摩擦フィット、2)接着剤(シアノアクリレートなど)、3)溶接、4)ろう付け、5)はんだ付け、6)機械的リンク、および、7)米国特許第5,122,136号(その全体が参照することにより本明細書に組み込まれる)のGuglielmiによって教示されるものなどの電気分解を受けることができる部材による直接のリンク、または、当業者に理解される他の適切な手段の1つまたは複数が含まれる。さらに、チューブ3001は、ヘリカルまたは螺旋状のカット3003の遠位側の管腔の内径が低減されている場合があり、シェルフ3007を形成している。スリーブ3002の外径は、チューブ3001のシェルフ3007の内径よりも大であり、スリーブ3002の外径は、シェルフ3007付近のチューブ3001の内径よりも小である。スリーブ3002は、チューブ3001のシェルフ3007にスライド可能に接触している。
図30bは、スリーブ3002の前進に起因して、チューブ3001の遠位端が長手方向に変位し、それにより、チューブ3001の遠位端が、
図30aのチューブ3001の遠位端の位置に対して180度回転する結果となっている、デバイス3000を示している。180度の回転が示されているが、この角度は、線形変位の調整により、回転量が180度より小か大に調整され得ることから、もっぱら説明および例示的なものである。
図30cは、デバイス3000を示している。この図では、スリーブ3002が除去され、ライナ3009がチューブ3001内に同軸的に挿入されている。スリーブ3002を除去および/または置換することが可能であることにより、ユーザは、押出し性、追従性などのデバイスの特性を変更するか、管腔の径を増大させることが可能になる。たとえば、スリーブ3002(コイル状のワイヤなど)を、薄い壁のライナ3009(薄い壁のポリイミドのチューブなど)と交換することにより、管腔の径がより大となり、この径を通して、塞栓材料などの治療薬(たとえば、コイル、粒子、液体塞栓材)を搬送することができる。代替的には、押出し性または追従性の向上が所望である場合、コイル状のワイヤまたは編み込まれたチューブを採用することができる。
図30aおよび
図30bに示すように、スリーブ3002は、コイル状のワイヤで構成されており、それにより、コイル状のワイヤの遠位の態様が、シェルフ3007の内径未満の、低減された外径を有するようになっている。これにより、ガイドワイヤ3010と、チューブ3001の遠位チップとの間にテーパまたは平滑な遷移部が設けられている。シェルフ3007の近位のスリーブ3002の外径は、シェルフ3007の内径より大である。
【0108】
図31aは、デバイス3100の遠位端の長手方向断面図を示しており、デバイス3100が、その作動していない状態にある(長手方向に変位していない)。デバイス3100は、チューブ3101と、スリーブ3102などの長手方向の変位器とを含んでいる。ヘリカルまたは螺旋状のカット3103は、チューブ3101の遠位の態様に存在する。スリーブ3102は、チューブ3101の管腔内に配置されている。ガイドワイヤ3104は、スリーブ3102の管腔内に配置されている。スリーブ3102は、径方向に拡張した部分3110を有しており、それにより、径方向に拡張した部分3110が、ヘリカルまたは螺旋状のカット3103の遠位でチューブ3101に当接するようになっている。径方向に拡張した部分3110は、マルコータイプのチューブまたは編み込まれた材料または、当業者に理解されるような、容易に拡張可能な他の適切な材料で構成することができる。スリーブ3102は、チューブ3101内を前進または後退することができる。ここで、スリーブ3102の前進または後退により、ヘリカルまたは螺旋状のカット3103の遠位側のチューブ3101の前進または後退を生じることになる。チューブ3101の前述の前進または後退により、ヘリカルまたは螺旋状のカット3103の遠位のチューブ3101が回転し、ここで、回転量は、チューブ3101の前進または後退の量に比例する。
図31bは、スリーブ3102の前進によってチューブ3101の遠位端が長手方向に変位し、それにより、チューブ3101の遠位端が、
図31aのチューブ3101
の遠位端の位置に対して180度回転する結果となっている、デバイス3100を示している。しかし、長手方向の変位を調整することにより、180度より大か小に回転量を調整するように使用することが可能であることが予期される。
図31cは、直線にする要素3111がスリーブ3102の管腔内に前進して、径方向に拡張した部分3110にテンションを生じ、ひいては、径方向に拡張した部分3110をしぼませることにより、径方向に拡張した部分3110がしぼんだ状態を示している。
【0109】
図32aは、デバイス3200の遠位端の長手方向断面図を示しており、デバイス3200が、その作動していない状態にある(長手方向に変位していない)。デバイス3200は、チューブ3201と、スリーブ3202などの長手方向の変位器とを含んでいる。ヘリカルまたは螺旋状のカット3203は、チューブ3201の遠位の態様に存在する。スリーブ3202は、チューブ3201の管腔内に配置されている。ガイドワイヤ3210は、スリーブ3202の管腔内に配置されている。スリーブ3202は、ヘリカルまたは螺旋状のカット3203の遠位のチューブ3201に結合され、チューブ3201内を前進または後退することができる。ここで、スリーブ3202の前進または後退により、ヘリカルまたは螺旋状のカット3203の遠位側のチューブ3201の前進または後退を生じることになる。チューブ3201の前述の前進または後退により、ヘリカルまたは螺旋状のカット3203の遠位のチューブ3201が回転し、ここで、回転量は、チューブ3201の前進または後退の量に比例する。スリーブ3202とチューブ3201とを結合する手段3209には、限定ではないが、1)摩擦フィット、2)接着剤(シアノアクリレートなど)、3)溶接、4)ろう付け、5)はんだ付け、6)機械的リンク、および、7)電気分解を受けることができる部材による直接のリンク、または、当業者に理解される他の適切な手段の1つまたは複数が含まれる。
図32bは、スリーブ3202の前進によってチューブ3201の遠位端が長手方向に変位し、それにより、チューブ3201の遠位端が、
図32aのチューブ3201の遠位端の位置に対して180度回転する結果となっている、デバイス3200を示している。しかし、この回転角度は、線形変位を調整することにより、180度より大か小に調整される場合がある。
図32cはデバイス3200を示しており、ここでは、結合部3209が除去され、それにより、スリーブ3202の除去を可能にしている。スリーブ3202を除去および/または置換することが可能であることにより、ユーザは、押出し性、追従性などのデバイスの特性を変更するか、管腔の径を増大させることが可能になる。
【0110】
図33Aは、本開示の別の実施形態に係る医療用デバイス4010を概略的に示している。図示のように、デバイス4010は、チューブ4011、外側シース4015、スリーブ4012、およびハンドルアセンブリ4020を含んでいる。図示の構成では、スリーブ4012は、チューブ4011の管腔内に配置されている。図示の実施形態では、チューブ4011は、外側シース4015の管腔内に配置されている。チューブ4011、外側シース4015、およびスリーブ4012の各々は、限定ではないが、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)、ナイロン、ニッケルチタン(ニチノール)、ステンレス鋼、ステンレス鋼の編組、および中空の螺旋状の撚り合わせたチューブを含む様々な材料の1つまたは複数を備えることができる。さらに、チューブ4011の遠位端は、限定ではないが、直線形状、角度が付けられた形状、および、逆に湾曲した形状を有する場合がある。いくつかの実施形態では、チューブ4011は、外側シース4015の管腔の内部に位置しており、それにより、チューブ4011の遠位の態様における1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)4013が、外側シース4015の管腔内に配置され、一方、チューブ4011の遠位端が、外側シース4015を超えて延びるようになっている(たとえば、チューブの全体の長さが、外側シースの全体の長さより大であり、一方、チューブの近位端から、チューブのカット部分のもっとも遠位の態様までの長さが、外側シースの全体の長さより小である)。
【0111】
図33Bは、デバイス4010の遠位の態様に注目した、長手方向の断面図である。図示の構成では、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)4013が、チューブ4011の遠位の態様に存在しており、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)4013は、カット幅およびヘリカル角度を有している。1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)4013の遠位側のチューブ4011の端部は、脈管構造を通してデバイス4010を案内する助けになるように、湾曲を含む場合がある。しかし、他の実施形態では、チューブ4011の端部(
図33Aと
図33Bとに図示された構成の両方、ならびに、本明細書に開示の任意の他の構成、またはそれらの変形形態に関する)は、所望または必要に応じて、直線状(湾曲していない)であり、かつ/または、いくつかの他の特徴または特性(たとえば、テーパが付されている、張り出しているなど)を含んでいる。いくつかの実施形態では、ヘリカルまたは螺旋状のカットは、チューブ4011の壁厚か深さの全体を通って延びている。しかし、代替的実施形態では、カットは、所望または必要に応じて、壁を部分的にのみ通って延びている。このため、カットは、チューブの、凹状であるか刻まれた部分とすることができ、一定量(たとえば、しかしすべてよりは少なく、たとえば、材料の5%から10%、10%から25%、25%から50%、50%から75%、75から99%が、第1の場所の壁の隣接する部分に関し、除去されているか、存在しなかった)。カットのこれら特徴または特性は、本明細書に開示の任意の実施形態に適用することができる。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書で使用される場合、ヘリカルまたは螺旋状のカットは、チューブの長手軸と、チューブの径方向または横方向の角度との両方に対して傾斜した向きを含むように構成されている(たとえば、長手軸に垂直な軸に対して傾斜している)。
【0112】
いくつかの構成では、カット幅は、デバイスのサイズ、使用される材料、所望のレベルおよび回転の応答、ならびに/または、1つもしくは複数の他の要素もしくは考慮事項に応じて、0.1マイクロメートルから30ミリメートルの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、カット幅は、所望または必要に応じて、約0.1ミリメートルから約10ミリメートルの範囲(たとえば、0.1ミリメートルから0.2ミリメートル、0.2ミリメートルから0.5ミリメートル、0.5ミリメートルから1ミリメートル、1ミリメートルから2ミリメートル、2ミリメートルから3ミリメートル、3ミリメートルから4ミリメートル、4ミリメートルから5ミリメートル、5ミリメートルから6ミリメートル、6ミリメートルから7ミリメートル、7ミリメートルから8ミリメートル、8ミリメートルから9ミリメートル、9ミリメートルから10ミリメートル、前述の範囲間の値など)である場合がある。ヘリカル角度は、チューブ4011の長手軸に対して10度から80度の範囲(たとえば、10度から15度、15度から20度、20度から25度、25度から30度、30度から35度、35度から40度、40度から45度、45度から50度、50度から55度、55度から60度、60度から65度、65度から70度、70度から75度、75度から80度、前述の範囲の間の角度など)とすることができる。いくつかの実施形態では、ヘリカル角度は、15度から75度の範囲とすることができる。スリーブ4012は、チューブ4011の管腔内に配置されている。チューブ4011は、スリーブ4012の前方移動を防止するか、少なくとも部分的に制限する、シェルフ4014を形成するように、遠位端に低減された内径を有する場合がある。いくつかの実施形態では、スリーブ4012は、シェルフ4014に当接して、長手方向の力をスリーブ4012からチューブ4011に伝達する場合がある。いくつかの実施形態では、スリーブ4012は、シェルフ4014など、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)4013の遠位側のポイントにおいてチューブ4011に結合され得て、また、チューブ4011内を前進または後退することができる。ここで、スリーブ4012の前進または後退により、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)4013の遠位側のチューブ4011の前進または後退を生じ
ることになる。いくつかの実施形態では、結合手段は、スリーブ4012をチューブ4011から解放するために、電流または熱を印加することによって溶かすことができるはんだ接続など、可逆的である場合がある。スリーブ4012とチューブ4011とを結合する手段には、限定ではないが、1)摩擦フィット、2)接着剤(シアノアクリレートなど)、3)溶接、4)ろう付け、5)はんだ付け、および6)機械的リンクの1つまたは複数が含まれる。
【0113】
図33Aおよび
図33Bの実施形態にさらに注目すると、チューブ4011とスリーブ4012との各々は、限定ではないが、所望または必要に応じて、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)、ナイロン、ニチノール、ステンレス鋼、ステンレス鋼の編組、コイル状のワイヤ、中空の螺旋状の撚り合わせたチューブ、任意または任意の他の適切な材料を含む様々な材料の1つまたは複数で形成することができる。チューブ4011の管腔およびスリーブ4012の外側表面は、優先的に、限定ではないが、PTFEまたは親水性コーティングを含む、低い摩擦係数を有する。さらに、チューブ4011の遠位の態様は、限定ではないが、直線形状、角度が付けられた形状、および、逆に湾曲した形状を有する場合がある。
図33Cは、近位端における長手方向の力が、遠位端を(たとえば、180度だけ)回転させている、
図33Aのデバイスの遠位端の長手方向の断面図である。
図33Dは、
図33Aの線33D-33D’を通る軸方向の断面図である。
図33Eは、
図33Aの線33E-33E’を通る軸方向の断面図である。
図33Fは、
図33Aの線33F-33F’を通る軸方向の断面図である。
【0114】
図34Aは、本開示の別の実施形態に係る医療用デバイス5010の長手方向の断面図を示している。図示のように、デバイス5010は、チューブ5011、外側層5030、スリーブ5012、およびハンドルアセンブリ5020を含むことができる。ハンドルアセンブリ5020は、近位構成要素または部分5021と、遠位構成要素または部分5022とで構成されている。遠位構成要素または部分5022は、チューブ5011の近位端に結合されている。図示の実施形態では、近位構成要素5021は、スリーブ5012の近位端に結合されている。近位構成要素5021と遠位構成要素5022との各々は、円筒状の本体を有することができ、それにより、近位構成要素5021が遠位構成要素5022内に挿入され得る。しかし、本明細書に開示の任意の他の実施形態では、これら構成要素は、所望または必要に応じて、任意の他の断面形状(たとえば、矩形、楕円形、不規則形状、他の円形ではない形状など)とすることができる。チューブ5011とスリーブ5012との各々は、限定ではないが、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)、ナイロン、ニッケルチタン(ニチノール)、ステンレス鋼、ステンレス鋼の編組、および中空の螺旋状の撚り合わせたチューブを含む様々な材料の1つまたは複数を含むことができる。1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)5013は、チューブ5011の遠位の態様に存在している。カット幅は、0.1マイクロメートルから30ミリメートルの範囲である場合がある。いくつかの実施形態では、カット幅は、約0.1ミリメートルから約10ミリメートルの範囲である場合がある。カット(複数の場合もある)5013のヘリカル角度は、チューブ5011の長手軸に対して、10度から80度の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、ヘリカル角度は、15度から75度の範囲とすることができる。さらに、チューブ11の遠位端は、限定ではないが、直線形状、角度が付けられた形状、および、逆に湾曲した形状を有する場合がある。
【0115】
いくつかの実施形態では、スリーブ5012は、チューブ5011の管腔内に配置されている。チューブ5011は、スリーブ5012の前方移動を防止するシェルフ5014を形成するように、遠位端に低減された内径を有する場合がある。いくつかの実施形態では、スリーブ5012は、シェルフ5014に当接して、長手方向の力をスリーブ501
2からチューブ5011に伝達する場合がある。いくつかの実施形態では、スリーブ5012は、シェルフ5014など、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)5013の遠位側のポイントにおいてチューブ5011に結合され得て、また、チューブ5011内を前進または後退することができる。ここで、スリーブ5012の前進または後退により、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)5013の遠位側のチューブ5011の前進または後退を生じることになる。いくつかの実施形態では、結合手段は、スリーブ5012をチューブ5011から解放するために、電流または熱を印加することによって溶かすことができるはんだ接続など、可逆的である場合がある。スリーブ5012とチューブ5011とを結合する手段には、限定ではないが、1)摩擦フィット、2)接着剤(シアノアクリレートなど)、3)溶接、4)ろう付け、5)はんだ付け、および6)機械的リンクの1つまたは複数が含まれる。チューブ5011とスリーブ5012との各々は、限定ではないが、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)、ナイロン、ニチノール、ステンレス鋼、ステンレス鋼の編組、コイル状のワイヤ、および中空の螺旋状の撚り合わせたチューブを含む様々な材料の1つまたは複数を含むことができる。チューブ5011の管腔およびスリーブ5012の外側表面は、優先的に、PTFEまたは親水性コーティングを含む、低い摩擦係数を有する。外側層5030は、チューブ5011の外側表面周りに配置されている。外側層5030の遠位端は、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)5013の遠位側のチューブ5011に結合されている。外側層5030の近位端は、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)5013の近位側のチューブ5011に結合されている。1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)5013を包含するチューブ5011の部分は、外側層5030に対して、長手軸に沿って移動することができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、外側層5030または外側層の少なくとも一部は、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)5013を含むチューブ5011の一部が延長される際に、延長され得る。外側層5030は、限定ではないが、薄い壁のPETチューブ、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)、ナイロン、ニチノール、ステンレス鋼、ステンレス鋼の編組、コイル状のワイヤ、および中空の螺旋状の撚り合わせたチューブを含む様々な材料の1つまたは複数を含むことができる。
図34Bは、
図34Aの線34B-34B’を通る軸方向の断面図である。
【0117】
図35Aは、本開示の一実施形態に係る、医療用デバイス6010の図である。このデバイスは、チューブ6011、外側筒状部材6020、およびハンドルアセンブリ6025を含んでいる。図示の実施形態では、ハンドルアセンブリ6025は、近位のハンドル構成要素6026と遠位のハンドル構成要素6027とを備えている。近位のハンドル構成要素6026と遠位のハンドル構成要素6027とは、互いに同軸とすることができ、かつ、互いにスライド可能に係合することができる。図示のように、近位のハンドル構成要素6026は、チューブ6012の近位端に結合することができ、遠位のハンドル構成要素6027は、外側筒状部材6022の近位端に結合されている。
【0118】
図35Bは、
図35Aのデバイス6010の遠位の態様の詳細な図を提供している。1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット6014は、
図35Bに示すように、チューブ6011の遠位の態様に沿って配置することができる。いくつかの実施形態では、チューブ6011は、外側筒状部材の管腔6023内に配置されている。いくつかの実施形態では、チューブ6011と外側筒状部材6020との各々は、限定ではないが、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)、ナイロン、ニッケルチタン(ニチノール)、ステンレス鋼、ステンレス鋼の編組、コイル状のワイヤ、および中空の螺旋状の撚り合わせたチューブを含む様々な材料の1つまたは複
数を含んでいる。いくつかの実施形態では、外側筒状部材の管腔6023およびチューブ6011の外側表面は、限定ではないが、PTFE、親水性コーティング、他の比較的摩擦が低いコーティングもしくは材料、および/または類似のものを含むものを介して、低い摩擦係数を有することが有利である。チューブの遠位端6013は、人体を通してデバイス6010を案内することの助けになるように、限定ではないが、直線形状、角度が付けられた形状、および、逆に湾曲した形状を有する場合がある。さらに、チューブの遠位端13は、チューブの遠位端13を、使用時に、オペレータによって手作業で成形することができるように、1つまたは複数の可鍛性要素を有することができる。
【0119】
いくつかの実施形態によれば、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)6014は、チューブ6011の遠位の態様に存在している。いくつかの構成では、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)6014は、カット幅6015およびヘリカル角度6016を有している。いくつかの実施形態では、カット幅6015は、0.1マイクロメートル度から30ミリメートルの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、カット幅6015は、約0.1ミリメートルから約10ミリメートルの範囲である場合がある。いくつかの構成では、ヘリカル角度6016は、チューブ6011の長手軸に対して、10度から80度の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、ヘリカル角度6016は、15度から75度の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、外側筒状部材6021の遠位端は、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)6014の遠位側のチューブ6011に結合されている。外側筒状部材6021の遠位端とチューブ6011とを結合する手段には、限定ではないが、1)摩擦フィット、2)接着剤(シアノアクリレートなど)、3)溶接、4)ろう付け、5)はんだ付け、および6)機械的リンクの1つまたは複数が含まれる。
【0120】
図35Cは、
図35Aのデバイスの遠位端の長手方向の断面図に注目した図である。本明細書に論じるように、いくつかの実施形態では、チューブ6011に対する外側筒状部材6020の前進により、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)の変位が生じ、遠位端を(たとえば、180度またはいくつかの他の所望の角度だけ)回転させる。
図35Dは、その作動していない状態(たとえば、回転が0度)にある際の
図35Aのデバイスの遠位端の長手方向の断面に注目した図である。さらに、
図35Eは、
図35Dの線35E-35E’を通る軸方向の断面図を示しており、
図1Fは、
図35Dの線35F-35F’を通る軸方向の断面図を示しており、
図35Hは、
図35Dの線35H-35H’を通る軸方向の断面図を示している。
【0121】
図36Aは、遠位端または部分の回転を促進するように構成された医療用デバイス7010の別の実施形態を概略的に示している。図示のように、このデバイスは、チューブ7011、外側筒状部材7020、およびハンドルアセンブリ7025を含むことができる。
図36Bは、デバイス7010の遠位部分または態様の詳細な図である。本明細書に開示の他の実施形態のように、図示のデバイスは、チューブ7011の遠位の態様に沿って配置された1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット7014を含むことができる。いくつかの実施形態では、チューブ7011は、外側筒状部材の管腔7023内に配置されている。図示のチューブ7011は、2つ以上の外径を含んでおり、チューブの遠位端7013の外径が、外側筒状部材の管腔7023よりも大である一方、ヘリカルまたは螺旋状のカット7014までであるか、ヘリカルまたは螺旋状のカット7014を含むチューブの近位端からの外径が、外側筒状部材の管腔7023よりも小である。
【0122】
図36Aに引き続き注目すると、デバイス7010のハンドルアセンブリ7025は、近位のハンドル構成要素7026および遠位のハンドル構成要素7027を備えている。いくつかの実施形態では、近位のハンドル構成要素7026と遠位のハンドル構成要素7
027とは、互いに同軸であるとともに、互いにスライド可能に係合する。近位のハンドル構成要素7026は、チューブ7012の近位端に結合することができ、遠位のハンドル構成要素7027は、外側筒状部材7022の近位端に結合することができる。チューブ7011と外側筒状部材7020との各々は、限定ではないが、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)、ナイロン、ニッケルチタン(ニチノール)、ステンレス鋼、ステンレス鋼の編組、コイル状のワイヤ、および中空の螺旋状の撚り合わせたチューブを含む様々な材料の1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、外側筒状部材の管腔7023およびチューブ7011の外側表面は、(たとえば、PTFE、1つまたは複数の親水性コーティング、および/または類似のものなどの使用を介して)低い摩擦係数を有することが有利である。
【0123】
いくつかの構成によれば、チューブ7013の遠位端は、人体を通してデバイス7010を案内することの助けになるように、限定ではない(かつ/または、有する必要はない)が、直線形状、角度が付けられた形状、および、逆に湾曲した形状を有する場合がある。さらに、チューブ7013の遠位端は、チューブ7013の遠位端を、使用時に、オペレータによって手作業で成形することができるように、1つまたは複数の可鍛性要素を有することができる。そのような成形の特徴は、本明細書に開示の任意の実施形態に組み込むことができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)7014は、チューブ7011の遠位の態様に存在している。例として、限定ではなく、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)14は、カット幅7015およびヘリカル角度7016を有することができる。カット幅7015は、0.1マイクロメートルから30ミリメートルの範囲である場合がある。いくつかの実施形態では、カット幅7015は、約0.1ミリメートルから約10ミリメートルの範囲である場合がある。ヘリカル角度7016は、チューブ7011の長手軸に対して、10度から80度の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、ヘリカル角度7016は、15度から75度の範囲とすることができる。
【0124】
いくつかの構成では、チューブ7013の遠位端は、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)7014の遠位の、より大である外径に変位する。外側筒状部材7021の遠位端は、より大である直径に変位する位置でチューブ7013の遠位端に当接する場合がある。いくつかの構成では、外側筒状部材7020の相対的な前進は、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)7014が延長する結果となり、ひいては、チューブ7013の遠位端を回転させる。いくつかの実施形態では、チューブ7013の遠位端は、外側筒状部材7021の遠位端に対して自在に、または実質的に自在に回転することができる。
【0125】
図36Cは、
図36Aのデバイスの遠位端の長手方向断面図である。本明細書に論じるように、いくつかの実施形態では、チューブ7011に対する外側筒状部材7020の前進により、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)の変位が生じ、それにより、遠位端を(たとえば、180度またはいくつかの他の所望の角度だけ)回転させる。
図36Aから
図36Fに示すデバイス、および/または、本出願に開示の任意の他のデバイスのそのような回転により、処置されている対象者の生体構造内で、管腔内デバイス(たとえば、ガイドワイヤ、マイクロカテーテル、カテーテル、シース、内視鏡など)の前進を促進させることができる。さらに、
図36Dは、デバイス7010が作動していない状態(0度の回転)にある間の、デバイス7010の遠位の態様に注目した、長手方向の断面図であり、
図36Eは、
図36Dの線36E-36E’を通る軸方向の断面図を示しており、
図36Fは、
図2Dの線36F-36F’を通る軸方向の断面図を示しており、
図2Gは、
図36Dの線36G-36G’を通る軸方向の断面図を示している。
【0126】
図37Aは、本開示の別の実施形態に係る管腔内デバイス8010を示している。図示
のように、デバイス8010は、チューブ8011、コアワイヤ8030、外側筒状部材8020、およびハンドルアセンブリ8025を備えている。
図37Bは、
図37Aのデバイス8010の遠位の態様または部分の詳細な図である。本明細書に開示の他の実施形態のように、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット8014は、チューブ8011に沿って配置することができる。チューブ8012の近位端は、コアワイヤ8032の遠位端に結合させることができる。結合する手段には、限定ではないが、1)摩擦フィット、2)接着剤(シアノアクリレートなど)、3)溶接、4)ろう付け、5)はんだ付け、および6)機械的リンクの1つまたは複数が含まれる。コアワイヤ30、チューブ8012の近位端、および、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)14を含むチューブ8011の部分は、外側筒状部材8023の管腔内に配置することができる。いくつかの実施形態では、チューブ8011は、2つ以上の外径を含んでおり、チューブの遠位端13の外径が、外側筒状部材の管腔8023よりも大である一方、ヘリカルまたは螺旋状のカット8014までであるか、ヘリカルまたは螺旋状のカット8014を含むチューブ8011の近位端からの外径が、外側筒状部材の管腔8023よりも小である。いくつかの構成では、コアワイヤ8030の外径は、外側筒状部材の管腔8023よりも小である(たとえば、それにより、外側筒状部材8020が、コアワイヤ8030に沿って同軸的にスライドできるようになっている)。
【0127】
図37Aを引き続き参照すると、ハンドルアセンブリ25は、近位のハンドル構成要素8026と遠位のハンドル構成要素8027とを備えることができる。いくつかの実施形態では、近位のハンドル構成要素8026と遠位のハンドル構成要素8027とは、互いに同軸であるとともに、互いにスライド可能に係合する。近位のハンドル構成要素8026は、コアワイヤ31の近位端に結合することができ、遠位のハンドル構成要素8027は、外側筒状部材8022の近位端に結合することができる。チューブ8011と外側筒状部材8020との各々は、限定ではないが、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)、ナイロン、ニッケルチタン(ニチノール)、ステンレス鋼、ステンレス鋼の編組、コイル状のワイヤ、中空の螺旋状の撚り合わせたチューブ、および/または類似のものを含む様々な材料の1つまたは複数を含むことができる。
【0128】
いくつかの実施形態では、外側筒状部材の管腔8023およびチューブ8011の外側表面は、(たとえば、PTFE、親水性コーティング、および/または、比較的低い摩擦係数を有する他の材料もしくは特徴の使用を介して)低い摩擦係数を有することが有利である。チューブ8013の遠位端は、人体を通してデバイス8010を案内することの助けになるように、限定ではないが、直線形状、角度が付けられた形状、および、逆に湾曲した形状を有する場合がある。さらに、チューブ8013の遠位端は、チューブ8013の遠位端を、使用時に、オペレータによって手作業で成形することができるように、1つまたは複数の可鍛性要素を有することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)8014は、チューブ8011の遠位の態様に存在している。1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)8014は、カット幅8015およびヘリカル角度8016を有することができる。カット幅8015は、0.1マイクロメートルから30ミリメートルの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、カット幅8015は、約0.1ミリメートルから約10ミリメートルの範囲である場合がある。ヘリカル角度8016は、チューブ8011の長手軸に対して、10度から80度の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、ヘリカル角度8016は、15度から75度の範囲とすることができる。いくつかの構成では、チューブ8013の遠位端は、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)8014の遠位の、より大である外径に変位する。外側筒状部材8021の遠位端は、より大である直径に変位するチューブ8013の遠位端に当接する場合があり、ここで、外側筒状部材8020の相対的な前進は、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複
数の場合もある)8014が延長する結果となり、ひいては、チューブ8013の遠位端を回転させる。いくつかの実施形態では、チューブ8013の遠位端は、外側筒状部材8021の遠位端に対して自在に、または実質的に自在に回転するように構成されている。
【0129】
図37Cは、
図37Aのデバイスの遠位端の長手方向断面図である。本明細書に論じるように、いくつかの実施形態では、チューブ8011に対する外側筒状部材8020の前進により、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)の変位が生じ、遠位端を(たとえば、180度、他の所望の角度だけ)回転させる。
図37Dは、デバイス8010の遠位の態様の詳細な長手方向の断面図を示しており、
図3Eは、
図37Dの線37E-37E’を通る軸方向の断面図を示しており、
図37Fは、
図37Dの線37F-37F’を通る軸方向の断面図を示しており、
図37Gは、
図37Dの線37G-37G’を通る軸方向の断面図を示している。
【0130】
図38Aは、管腔内の医療用デバイス9040の別の実施形態の長手方向の断面図である。図示のように、このデバイスは、チューブ9041と、内側筒状部材9047と、チューブ9041のカット部分の外側表面に沿う、膨張可能な層または部材(たとえば、バルーン、他の拡張可能な部材など)50と、ハンドルアセンブリ9025とを含んでいる。いくつかの実施形態では、ハンドルアセンブリ9025は、近位のハンドル構成要素9026と遠位のハンドル構成要素9027とを備えている。いくつかの実施形態では、近位のハンドル構成要素9026と遠位のハンドル構成要素9027とは、互いに同軸であり、かつ、たとえば、限定ではないが、対応するネジ状の構成要素などの複数の手段を介して、互いに係合することができる。いくつかの実施形態では、近位のハンドル構成要素9026は、内側筒状部材9049の近位端に、スイベルまたは他の可動部分9029を介して結合することができ、遠位のハンドル構成要素9027は、チューブ9042の近位端に結合されている。
【0131】
図38Aを引き続き参照すると、近位のハンドル構成要素9026は、膨張可能であるか拡張可能な部材9050(たとえばバルーン)を膨張させるように、流体を注入するためのインフレーションポート9028を備えている。いくつかの実施形態では、図示のように、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット9044は、チューブ9041の遠位の態様に沿って配置されている。内側筒状部材9047は、チューブ9041の管腔内に配置することができる。チューブ9041と内側筒状部材9047とは、限定ではないが、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)、ナイロン、ニッケルチタン(ニチノール)、ステンレス鋼、ステンレス鋼の編組、コイル状のワイヤ、および中空の螺旋状の撚り合わせたチューブを含む様々な材料の1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施形態では、チューブ9041の管腔および内側筒状部材9047の外側表面は、たとえば、PTFE、親水性コーティング、および/または類似のものなどの材料の使用を含むことを介して、低い摩擦係数を有することが有利である。いくつかの実施形態では、チューブ9043の遠位端は、人体を通してデバイス9040を案内することの助けになるように、限定ではないが、直線形状、角度が付けられた形状、および、逆に湾曲した形状を有している。さらに、チューブ9043の遠位端は、チューブ9043の遠位端を、使用時に、オペレータによって手作業で成形することができるように、1つまたは複数の可鍛性要素を有することができる。いくつかの実施形態では、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)9044が、チューブ9041の遠位の態様に存在しており、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)9044は、記載のように、カット幅およびヘリカル角度を有している。カット幅は、0.1マイクロメートルから30ミリメートルの範囲である場合がある。いくつかの実施形態では、カット幅は、約0.1ミリメートルから約10ミリメートルの範囲である場合がある。ヘリカル角度は、チューブ9041の長手軸に対して、10度から80度の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、ヘリカル角度
は、15度から75度の範囲とすることができる。内側筒状部材9048の遠位端は、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)9044の遠位側のチューブ9041に結合されている。内側筒状部材9048の遠位端とチューブ9041とを結合する手段には、限定ではないが、1)摩擦フィット、2)接着剤(シアノアクリレートなど)、3)溶接、4)ろう付け、5)はんだ付け、および6)機械的リンクの1つまたは複数が含まれる。図示のように、膨張可能な層9050は、チューブ9041のカット部分の外側表面に沿って位置することができる。
【0132】
図38Bは、線38B-38B’を通る、
図38Aの横方向の断面図である。膨張可能な層9050は、
図38Cに示すように、(たとえば、インフレーションポート29を通して流体を注入することにより)膨張させることができる。注入される流体(たとえば、水、食塩水、他の液体、気体など)は、チューブ9041と内側筒状部材9047との間の空間内を移動することが可能である。流体は次いで、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)9044を通って、チューブ9041のカット部分と、膨張可能な部材9050との間の空間内へ移動する。
図38Dは、線38C-38C’を通る、
図38Cの横方向の断面図である。これら構成は、放射線塞栓性粒子(たとえば、Y-90)を含むが、それに限定されない塞栓材料の搬送の間に、逆流およびターゲットではない塞栓形成を防止することに有用とすることができる。
【0133】
図39は、管腔内デバイス960の別の実施形態を示している。本明細書に開示の他の実施形態のように、デバイス960は、予測可能で、信頼性があり、かつ、すぐ反応するデバイスの遠位部分の回転を形成するために、1つの部材または構成要素の(たとえば、別の部材または構成要素に対する)長手方向の移動を有利に使用するように構成されている。たとえば、図示の構成では、内側部材またはプッシャ962は、プッシャまたは内側部材962の外側に沿って配置されたチューブの管腔または外側部材961内をスライド可能に移動するようなサイズ、形状とされるか、別様に構成されている。図示の構成では、プッシャまたは内側部材962は、デバイスの遠位部分に沿って、チューブ961の内部に沿って形成されたフランジ部分または肩部分に当接するように構成されている。他の実施形態を参照して本明細書に論じたように、プッシャの遠位端がチューブの内部の肩部分に接触した後にプッシャまたは内側部材962を前進させることにより、チューブの遠位部分または外側部材961を回転させる。いくつかの実施形態では、このことは、チューブの遠位端に沿って位置するカット(複数の場合もある)963(たとえば、ヘリカルまたは螺旋状のカット)の存在、構成、および他の詳細から生じる。
図39の実施形態では、プッシャ962は、チューブ961には取り付けられていない。このため、プッシャまたは内側部材962は、部分的または完全にチューブから(そしてひいては、デバイスの残りの部分から)除去可能とすることができる。図示のように、デバイスは、1つまたは複数の外側層、コーティング、部分、構成要素、および/または類似のもの966を、チューブ961の外部に沿って含むことができる。そのような層または部分966は、チューブ961および/または、デバイス960の他の部分に(たとえば、接着剤、摩擦フィット接続などを使用して)固定することができる。
【0134】
図40は、
図39に示す実施形態に類似の、管腔内デバイス970の実施形態を示している。しかし、
図40のデバイス970では、プッシャまたは内側部材972は、チューブ971(および、1つまたは複数の、デバイスの他の層または部分、たとえば、デバイスの外側に沿って位置する外側層)に(たとえば、直接的または間接的に)取り付けられるか、別様に結合されている。
図40に示すように、いくつかの実施形態では、プッシャまたは内側部材972は、デバイス970の遠位端974に沿ってチューブ971に固定されている。いくつかの実施形態では、デバイス970の遠位端974は、テーパが付された先端(または、直径もしくは他の断面サイズが低減された他の部分)を含むことができる。このことは、デバイスの遠位端974を対象者の生体構造の所望の部分に配置する
ことを補助することができ、そのような特徴は、本明細書に開示の任意の実施形態に、そのような実施形態に関して明確に論じられていないか図示されていない場合であっても、組み込むことができる。
【0135】
図40を引き続き参照すると、外側層、コーティング、または他の外側部分976は、やはり、1つまたは複数の取付け場所において、チューブ971に対し、固定するか、別様に結合するか、配置することができる。いくつかの実施形態では、そのような取付け場所または複数の取付け場所979は、デバイスの遠位端974か、その近位に位置している。しかし、外側層976およびチューブ971は、所望または必要に応じて、デバイスの1つまたは複数の位置において、連続的または間欠的に、(たとえば、直接的または間接的に(たとえば、1つまたは複数の中間部材または特徴を使用して))、デバイス970の遠位端974の代わりに、またはそれに加えて、固定することができる。上述のように、そのような外側部材、コーティング、または他の部材976は、本明細書に開示の任意の実施形態に組み込むことができる。
【0136】
図39および
図40に示すデバイスを含む、本出願に開示の任意の実施形態では、デバイスの1つまたは複数の構成要素は、(たとえば、ベース部材周り、それ自体の周りなどに)巻かれた、ワイヤ(たとえば、薄いコイルワイヤ)を含むことができる。たとえば、
図39または
図40のプッシャまたは内側部材962、972は、本明細書に開示の任意の他の実施形態で可能であるか、その均等のように、そのような巻かれた部材を含むことができる。本明細書に開示の任意の実施形態に関し、プッシャまたは内側部材は、(たとえば、束縛されるか、固着するか、他の問題を生じることなく、プッシャがチューブに対して自在にスライド可能に移動することを可能にするように)プッシャの外径または他の断面の寸法と、チューブの内径または他の寸法との間に、所望の量のクリアランスを提供するようなサイズとすることができる。そのような巻かれた部材は、座屈を生じないか、他の問題に直面することなく、プッシャおよび/または、デバイスの他の構成要素もしくは部分に、所望の剛性を提供することができる。
【0137】
同様に、デバイスの外側または外部の層(たとえば、
図40に示す実施形態の外側層またはコーティング976)は、巻かれたワイヤ、コイル、または他の部材の1つまたは複数の層を、単独で、または別のコーティングもしくは部材(たとえば、熱可塑性樹脂の層、金属部材など)と組み合わせて、含むことができる。そのような外側部材は、チューブ(たとえば、チューブのカットセクション)をシールドおよび保護し、より滑らかなデバイスの外側表面を提供し、かつ/または、さらなる利益もしくは利点を提供することができる。
【0138】
図41Aは、本出願の別の実施形態に係る医療用デバイス10000を示している。図示のように、デバイス10000は、チューブ10001と、長手方向の変位器と、プッシャまたは他の内側部材10002と、チューブ10001の近位端に取り付けられたハンドル(図示せず)とを含むことができる。図示の実施形態では、部分的に厚みのあるヘリカルまたは螺旋状のカット10003は、チューブ10001の遠位部分、または遠位部分に沿って含まれている。いくつかの実施形態では、部分的に厚みのあるヘリカルまたは螺旋状のカット10003は、カット幅10008およびヘリカル角度10009を含んでいる。カット幅10008および/またはヘリカル角度10009は、たとえば、限定ではないが、
図3Aを参照して説明および開示された実施形態を含み、本明細書に開示の任意の実施形態と同一であるか類似のものとすることができる。
【0139】
いくつかの実施形態では、部分的に厚みのあるカット10003は、チューブ10001の壁を部分的にのみ通って延びている。そのような部分的に厚みのあるカット10003は、本明細書に開示の任意の実施形態に組み込むことができる。たとえば、本明細書に
開示の任意の構成では、
図41Aに示すデバイスの限定を伴わずに、カット10003は、所望または必要に応じて、チューブ10001の壁の全体の厚さの10から90%(たとえば、10%から15%、15%から20%、20%から25%、25%から30%、30%から35%、35%から40%、40%から45%、45%から50%、50%から55%、55%から60%、60%から65%、65%から70%、70%から75%、75%から80%、80%から85%、85から90%、前述の範囲の間のパーセンテージなど)だけ延びている。
【0140】
図41Aを引き続き参照すると、部分的に厚みのあるヘリカルカット10003の遠位側のチューブ10001の端部は、脈管構造を通して医療用デバイス10000を案内する助けになる湾曲を備えることができる。たとえば、そのような構成は、ユーザがデバイス10000を、様々なカーブまたは湾曲を通して、対象者の生体構造の所望の部分または位置にアクセスするように操作することを補助することができる。いくつかの実施形態では、カット幅10008は、0.1マイクロメートルから30ミリメートルの間である(たとえば、0.1マイクロメートルから0.2マイクロメートル、0.2マイクロメートルから0.3マイクロメートル、0.3マイクロメートルから0.4マイクロメートル、0.4マイクロメートルから0.5マイクロメートル、0.5マイクロメートルから0.6マイクロメートル、0.6マイクロメートルから0.7マイクロメートル、0.7マイクロメートルから0.8マイクロメートル、0.8マイクロメートルから0.9マイクロメートル、0.9マイクロメートルから1マイクロメートル、1マイクロメートルから2マイクロメートル、2マイクロメートルから3マイクロメートル、3マイクロメートルから4マイクロメートル、4マイクロメートルから5マイクロメートル、5マイクロメートルから6マイクロメートル、6マイクロメートルから7マイクロメートル、7マイクロメートルから8マイクロメートル、8マイクロメートルから9マイクロメートル、9マイクロメートルから10マイクロメートル、10マイクロメートルから15マイクロメートル、15マイクロメートルから20マイクロメートル、20マイクロメートルから30マイクロメートル、30マイクロメートルから40マイクロメートル、40マイクロメートルから50マイクロメートル、50マイクロメートルから60マイクロメートル、60マイクロメートルから70マイクロメートル、70マイクロメートルから80マイクロメートル、80マイクロメートルから90マイクロメートル、90マイクロメートルから100マイクロメートル、100マイクロメートルから150マイクロメートル、150マイクロメートルから200マイクロメートル、200マイクロメートルから250マイクロメートル、250マイクロメートルから300マイクロメートル、300マイクロメートルから400マイクロメートル、400マイクロメートルから500マイクロメートル、500マイクロメートルから600マイクロメートル、600マイクロメートルから700マイクロメートル、700マイクロメートルから800マイクロメートル、800マイクロメートルから900マイクロメートル、900マイクロメートルから1ミリメートル、1ミリメートルから2ミリメートル、2ミリメートルから3ミリメートル、3ミリメートルから4ミリメートル、4ミリメートルから5ミリメートル、5ミリメートルから6ミリメートル、6ミリメートルから7ミリメートル、7ミリメートルから8ミリメートル、8ミリメートルから9ミリメートル、9ミリメートルから10ミリメートル、10ミリメートルから15ミリメートル、15ミリメートルから20ミリメートル、20ミリメートルから25ミリメートル、25ミリメートルから30ミリメートル、前述の値の間の幅など)。いくつかの実施形態では、カット幅は、0.1ミリメートルから10ミリメートルの範囲である(たとえば、0.5-5ミリメートル)。他の構成では、カット幅は、特定の用途または使用のために、所望または必要に応じて、0.1マイクロメートル未満であるか、30ミリメートルより大である(たとえば、30ミリメートルから40ミリメートル、40ミリメートルから50ミリメートル、50ミリメートルから100ミリメートル、前述の値の間の値、100ミリメートルより大である値)。
【0141】
図41Aに示す構成、および、本明細書に開示の任意の他の構成またはその均等を含む、いくつかの実施形態では、カットのヘリカル角度10009は、チューブ10001の長手軸に対して10度から80度の範囲(たとえば、10度から15度、1度から20度、20度から25度、25度から30度、30度から35度、35度から40度、40度から45度、45度から50度、50度から55度、55度から60度、60度から65度、65度から70度、70度から75度、75度から80度、前述の範囲の角度間など)とすることができる。いくつかの実施形態では、ヘリカル角度10009は、15度から75度の範囲である(たとえば、20度から70度、30度から60度、15度から30度、25度から40度、40度から60度、60度から75度など)。
【0142】
いくつかの実施形態によれば、本明細書に開示の他の構成のように、スリーブ10002は、チューブ10001の管腔内に配置されている。いくつかの構成では、チューブ10001は、スリーブ10002がチューブ10001に対して前方に移動することを防止するシェルフ10004を形成するように、遠位端または遠位端に沿って、より小である径(たとえば、内径)を有している。しかし、チューブに対するスリーブの前方移動を防止する、任意の他の構成を使用することができる。たとえば、スリーブおよびチューブは、遠位端に沿って、たとえば限定ではないが、接着剤、溶接または他の溶接手順、ろう付け、はんだ付け、他の熱ベースの方法または技術、機械的リンク、および/または類似のものを使用して、(たとえば、1つまたは複数の取付け方法またはデバイスを介し、直接的または間接的に)結合することができる。代替的には、スリーブ10002およびチューブ10001は、電磁場と相互作用する1つまたは複数の要素を有することができ、前述の要素は、磁石、強磁性材料、エレクトレット、電荷を保持することが可能である材料、ワイヤ、および、電流を通すとともに磁場を発生させるように構成されたコイルの1つである場合がある。いくつかの実施形態では、スリーブ10002は、シェルフ10004に当接して、長手方向の力をスリーブ10002からチューブ10001に伝達する。いくつかの実施形態では、スリーブ10002は、たとえば、シェルフ10004など、ヘリカルまたは螺旋状のカット10003(たとえば、部分的に厚みのあるカット)の遠位側のポイントにおいてチューブ10001に結合され得て、また、チューブ10001内を選択的に前進および/または後退することができる。本明細書に述べるように、いくつかの実施形態では、スリーブ10002のそのような前進および後退は、部分的に厚みのあるヘリカルまたは螺旋状のカット10003の遠位側のスリーブに対して、チューブ10001を前進または後退させることになる。
【0143】
いくつかの実施形態では、スリーブ10002とチューブ10001との間の結合手段または機構は、逆にすることができる。たとえば、はんだ接続は、電流または熱を印加することによって溶かすか切り離して、スリーブ10002をチューブ10001から解放することができる。スリーブ10002とチューブ10001とを結合する手段には、限定ではないが、摩擦フィット、接着剤(たとえば、アクリルベースの接着剤(たとえば、シアノアクリレート)、エポキシ、シリコン、熱硬化性樹脂、ポリウレタン、他の適切な接着剤など)、溶接、ろう付け、はんだ付け、機械的リンクもしくはカップリング、および/または類似のものの、1つまたは複数が含まれる。
【0144】
いくつかの構成によれば、チューブ、10001および/またはスリーブ10002は、限定ではないが、所望または必要に応じて、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)、ナイロン、他のポリマ、ニチノール、ステンレス鋼の編組、コイル状のワイヤ、中空の螺旋状の撚り合わせたチューブ、他の金属および/もしくは合金、ならびに/または、任意の他の天然材料もしくは合成材料を含む様々な材料の1つまたは複数を含むことができる。
【0145】
いくつかの実施形態では、部分的に厚みのあるカット10003は、弾性であり、延長
および/または短縮させることができる。いくつかの構成では、チューブ10001の残りの部分に比べて相対的に低減された厚みに照らし、部分的に厚みのあるカット10003は、優先的に延長される。チューブ10001の管腔およびスリーブ10002の外側表面は、優先的に、低い摩擦係数を有している。たとえば、いくつかの実施形態では、互いに接触する表面および/または構成要素は、たとえば、PTFE、親水性材料、他のポリマ材料などの、比較的摩擦の少ない材料、コーティング、層などを含むことができる。さらに、チューブ10001の遠位の態様は、限定ではないが、直線形状、角度が付けられた形状、および、逆に湾曲した形状を有する場合がある。
【0146】
図42Aは、本出願の別の実施形態に係る医療用デバイス14010を概略的に示している。いくつかの実施形態では、図示のように、デバイス14010は、チューブ14011、外側シース14015、およびハンドルアセンブリ14020を備えている。
図42Aに示すように、ハンドルアセンブリ14020は、近位構成要素または部分14021と、遠位構成要素または部分14022とを備えることができる。いくつかの実施形態では、遠位構成要素または部分14022は、チューブ14011の近位端に結合されており、近位構成要素または部分14021は、チューブ14011の近位端に結合されている。遠位構成要素14022は、外側シース14015の近位端に結合することができる。
【0147】
引き続き
図42Aを参照すると、近位構成要素または部分14021と遠位構成要素または部分14022との各々は、円筒状の本体を有し、それにより、近位構成要素または部分14021を、遠位構成要素または部分14022内か、遠位構成要素または部分14022に対して別様に(たとえば、スライド可能に)挿入することができるようになっている。このため、構成要素14201、14022の断面形状は、円形であるか丸くすることができる。しかし、他の実施形態では、近位構成要素および遠位構成要素は、所望または必要に応じて、任意の他の断面形状を含むことができる(たとえば、正方形または矩形、他の多角形、卵型、不規則形状など)。その明確な形状、サイズ、および他の特性に関わらず、近位構成要素または部分14021と遠位構成要素または部分14022とは、互いに対してスライド可能か、別様に移動可能とすることができる。
【0148】
図示の実施形態では、チューブ14011は、外側シース14015の管腔内に配置されている。チューブ14011と外側シース14015との各々は、限定ではないが、所望または必要に応じて、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)、ナイロン、他のポリマ、ニッケルチタン(ニチノール)、ステンレス鋼、ステンレス鋼の編組、中空の螺旋状の撚り合わせたチューブ、他の金属もしくは合金、他の合成材料もしくは天然材料、ならびに/または類似のものを含む様々な材料の1つまたは複数を含むことができる。チューブ14011は、外側シース14015の管腔内に配置することができ、それにより、チューブ14011の遠位の態様または部分の1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)14013は、外側シース14015の管腔内に配置されており、一方、チューブ14011の遠位端は、外側シース14015を超えて(たとえば、遠位側に超えて)延びている。したがって、いくつかの実施形態では、チューブ14011の全体の長さが、外側シース14015の全体の長さより大であり、一方、チューブの近位端から、チューブのカット部分のもっとも遠位の態様までの長さが、外側シースの全体の長さより小である。
【0149】
さらに、本明細書に開示のいずれかの実施形態では、たとえば、
図42Bから
図42Eに示すように、プルワイヤ14016をチューブ14011に結合するか、別様に固定することができる。図示の構成では、プルワイヤ14016は、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)14013の遠位側に結合されている。しかし、他の実施形態では、プルワイヤは、チューブ14011の任意の他の部分および/ま
たは任意の他の位置に固定することができる。さらに他の実施形態では、任意の他の特徴または方法を、デバイスの折曲げまたは他の操作を補助するために使用することができる。たとえば、たとえば
図43Aから
図43Eを参照して本明細書で論じたような形状記憶材料の使用は、所望または必要に応じて、使用することができ、かつ/または、任意の他の方法、デバイス、特徴、および/もしくは技術を使用することができる。
【0150】
図42Bは、
図42Aのデバイス14010の遠位端の長手方向断面図である。図示の構成では、プルワイヤ14016を介してチューブ14011の遠位端にテンションが印加されておらず、それにより、チューブ14011の遠位の態様が、直線状のポジション(たとえば、デバイスの長手軸に対する先端の歪みが0度である)にあるようになっている。他の実施形態で本明細書に図示および記載したように、チューブ14011は、1つまたは複数のカット14013(たとえば、ヘリカルまたは螺旋状のカット)を、チューブの遠位の態様もしくは部分に、またはチューブの遠位の態様もしくは部分に沿って備えている。いくつかの構成では、ヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)14013は、カット幅およびヘリカル角度を有している。したがって、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット14013の遠位側のチューブ14011の端部は、脈管構造を通してデバイス14010を案内する助けになる湾曲を含む場合がある。たとえば、そのような構成は、ユーザがデバイス14010を、様々なカーブまたは湾曲を通して、対象者の生体構造の所望の部分または位置にアクセスするように操作することを補助することができる。
【0151】
いくつかの実施形態では、カット幅は、0.1マイクロメートルから30ミリメートルの間である(たとえば、0.1マイクロメートルから0.2マイクロメートル、0.2マイクロメートルから0.3マイクロメートル、0.3マイクロメートルから0.4マイクロメートル、0.4マイクロメートルから0.5マイクロメートル、0.5マイクロメートルから0.6マイクロメートル、0.6マイクロメートルから0.7マイクロメートル、0.7マイクロメートルから0.8マイクロメートル、0.8マイクロメートルから0.9マイクロメートル、0.9マイクロメートルから1マイクロメートル、1マイクロメートルから2マイクロメートル、2マイクロメートルから3マイクロメートル、3マイクロメートルから4マイクロメートル、4マイクロメートルから5マイクロメートル、5マイクロメートルから6マイクロメートル、6マイクロメートルから7マイクロメートル、7マイクロメートルから8マイクロメートル、8マイクロメートルから9マイクロメートル、9マイクロメートルから10マイクロメートル、10マイクロメートルから15マイクロメートル、15マイクロメートルから20マイクロメートル、20マイクロメートルから30マイクロメートル、30マイクロメートルから40マイクロメートル、40マイクロメートルから50マイクロメートル、50マイクロメートルから60マイクロメートル、60マイクロメートルから70マイクロメートル、70マイクロメートルから80マイクロメートル、80マイクロメートルから90マイクロメートル、90マイクロメートルから100マイクロメートル、100マイクロメートルから150マイクロメートル、150マイクロメートルから200マイクロメートル、200マイクロメートルから250マイクロメートル、250マイクロメートルから300マイクロメートル、300マイクロメートルから400マイクロメートル、400マイクロメートルから500マイクロメートル、500マイクロメートルから600マイクロメートル、600マイクロメートルから700マイクロメートル、700マイクロメートルから800マイクロメートル、800マイクロメートルから900マイクロメートル、900マイクロメートルから1ミリメートル、1ミリメートルから2ミリメートル、2ミリメートルから3ミリメートル、3ミリメートルから4ミリメートル、4ミリメートルから5ミリメートル、5ミリメートルから6ミリメートル、6ミリメートルから7ミリメートル、7ミリメートルから8ミリメートル、8ミリメートルから9ミリメートル、9ミリメートルから10ミリメートル、10ミリメートルから15ミリメートル、15ミリメートルから20ミリメートル、20
ミリメートルから25ミリメートル、25ミリメートルから30ミリメートル、前述の値の間の幅など)。いくつかの実施形態では、カット幅は、0.1ミリメートルから10ミリメートルの範囲である(たとえば、0.5-5ミリメートル)。他の構成では、カット幅は、特定の用途または使用のために、所望または必要に応じて、0.1マイクロメートル未満であるか、30ミリメートルより大である(たとえば、30ミリメートルから40ミリメートル、40ミリメートルから50ミリメートル、50ミリメートルから100ミリメートル、前述の値の間の値、100ミリメートルより大である値)。
【0152】
図42Aから
図42Eに示す構成、および、本明細書に開示の任意の他の構成またはその均等を含む、いくつかの実施形態では、カットのヘリカル角度は、チューブ14011の長手軸に対して10度から80度の範囲(たとえば、10度から15度、1度から20度、20度から25度、25度から30度、30度から35度、35度から40度、40度から45度、45度から50度、50度から55度、55度から60度、60度から65度、65度から70度、70度から75度、75度から80度、前述の範囲の角度間など)とすることができる。いくつかの実施形態では、ヘリカル角度は、15度から75度の範囲である(たとえば、20度から70度、30から60度など)。
【0153】
図42Aから
図42Eに示す実施形態を引き続き参照すると、外側シース14015およびチューブ14011の管腔または開口に隣接するか接触する表面は、摩擦係数が低い。たとえば、これら構成要素は、限定ではないが、PTFE、親水性コーティングまたは材料(たとえば、限定ではないが、BioCoat、DSM Medical、Surmodics、AST Products、Hydromer、Surface Solutions Labs、Harland Medical、Bayer Material Science、Medi-Solve、AdvanSource Biomaterialsなどの会社からのもの(たとえば、HYDAK(登録商標)、Comfortcoat(商標)、LubriLast(登録商標)、Aquacoat、Lubricient(登録商標)、Baymedix CL、Hydromer)、および/または類似のものなどの、比較的摩擦の少ない材料またはコーティングの接触表面を含むことができる。
【0154】
図42Cは、
図42Aのデバイスの遠位端の長手方向断面図である。図示の向きでは、テンションがプルワイヤ14016に印加されており、それにより、チューブ14011の遠位の態様または部分が、90度、またはほぼ90度だけ、チューブ14011の長手軸に対して反らされている。いくつかの実施形態では、チューブ14011の遠位端は、限定ではないが、0度から270度の間の角度(たとえば、0度から30度、0度から45度、0度から60度、0度から90度、0度から120度、0度から150度、0度から180度、0度から210度、0度から240度、0度から270度、15度から30度、15度から45度、15度から60度、15度から90度、15度から120度、15度から150度、15度から180度、15度から210度、15度から240度、15度から270度、30度から45度、30度から60度、30度から90度、30度から120度、30度から150度、30度から180度、30度から210度、30度から240度、30度から270度、45度から60度、45度から90度、45度から120度、45度から150度、45度から180度、45度から210度、45度から240度、45度から270度、60度から90度、60度から120度、60度から150度、60度から180度、60度から210度、60度から240度、60度から270度、75度から90度、75度から120度、75度から150度、75度から180度、75度から210度、75度から240度、75度から270度、90度から120度、90度から150度、90度から180度、90度から210度、90度から240度、および90度から270度)を含む、チューブ14011の長手軸に対して任意の様々な角度で反らすことができる。
図42Dは、線D-D’を通る、
図42Bの横方向の断
面図であり、一方、
図42Fは、線E-E’を通る、
図42Bの横方向の断面図である。
【0155】
図43Aは、本出願の別の実施形態に係る医療用デバイス14110を概略的に示している。本明細書に開示の他の構成のように、図示のデバイス14110は、チューブ14111、外側シース14115、およびハンドルアセンブリ14120を含んでいる。ハンドルアセンブリ14120は、近位構成要素または部分14121と、遠位構成要素または部分14122とを含むことができる。遠位構成要素14122は、チューブ14111の近位端に結合することができる。近位構成要素14121は、チューブ14111の近位端に結合するか、別様に固定することができる。いくつかの実施形態では、遠位構成要素14122は、外側シース14115の近位端に結合されるか、別様に固定されている。
【0156】
引き続き
図43Aを参照すると、近位構成要素または部分14121と遠位構成要素または部分14122との各々は、円筒状の本体を有し、それにより、近位構成要素または部分14121を、遠位構成要素または部分14122内か、遠位構成要素または部分14122に対して別様に(たとえば、スライド可能に)挿入することができるようになっている。このため、構成要素14121、14122の断面形状は、円形であるか丸くすることができる。しかし、他の実施形態では、近位構成要素および遠位構成要素は、所望または必要に応じて、任意の他の断面形状を含むことができる(たとえば、正方形または矩形、他の多角形、卵型、不規則形状など)。その明確な形状、サイズ、および他の特性に関わらず、近位構成要素または部分14121と遠位構成要素または部分14122とは、互いに対してスライド可能か、別様に移動可能とすることができる。
【0157】
チューブ14111と外側シース14115とは、限定ではないが、所望または必要に応じて、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)、ナイロン、他のポリマ、ニッケルチタン(ニチノール)、ステンレス鋼、ステンレス鋼の編組、中空の螺旋状の撚り合わせたチューブ、他の金属もしくは合金、ならびに/または任意の他の材料を含む様々な材料の1つまたは複数を含むことができる。
【0158】
いくつかの実施形態では、チューブ14111は、外側シース14115の管腔内に位置しており、それにより、チューブ14111の遠位の態様の1つまたは複数のカット4113(たとえば、ヘリカルまたは螺旋状のカット)が、外側シース14115の管腔内に配置されるか別様に位置しており、一方、チューブ14111の遠位端は、外側シース14115を超えて延びている。したがって、いくつかの構成では、チューブ14111の全体の長さが、外側シース14115の全体の長さより大であり、一方、チューブの近位端から、チューブのカット部分のもっとも遠位の態様までの長さが、外側シースの全体の長さより小である。
【0159】
さらに、いくつかの構成によれば、形状記憶要素14116は、1つまたは複数のカット14113(たとえば、ヘリカルまたは螺旋状のカット)とは遠位のチューブ14111に結合されるか、別様に固定され得る。形状記憶要素14116は、限定ではないが、たとえば、ニチノール、他の形状記憶ポリマなどの、1つもしくは複数の形状記憶合金および/または他の材料もしくは構成を含むことができる。一実施形態では、形状記憶要素14116は、ジュール加熱を介して相/形状が変化している場合があり、形状記憶要素14116は、2つ以上のワイヤ14117および14119に結合されている。そのような構成では、1つのワイヤ14117は、形状記憶要素14116の近位端に結合することができ、第2のワイヤ14119は、電気伝導性のバンド14118に結合している。いくつかの実施形態では、電気伝導性のバンド14118は、形状記憶要素14116の遠位端に結合されるか、別様に固定(たとえば、直接的または間接的)されている。電気伝導性のバンド14118は、限定ではないが、たとえば、白金、金、パラジウム、ス
テンレス鋼、ならびに/または任意の他の金属および/もしくは合金などの、1つまたは複数の材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、電気伝導性のバンド14118は、有利に、生体構造内でデバイスを使用する間、放射線不透過性マーカとしての役割を果たすことができる。
【0160】
図43Bは、形状記憶要素14116がチューブ14111の遠位端に適用され、それにより、チューブ14111の遠位の態様が直線状の位置にある(たとえば、デバイスの長手軸に対する先端の歪みが0度)ようになっている際の、
図43Aのデバイス14110の遠位端の長手方向の断面図である。図示の構成では、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)14113は、チューブ14111の遠位の態様または部分に存在している。本明細書の他の実施形態を参照して論じたように、カット14113は、カット幅およびヘリカル角度を含んでいる。
【0161】
いくつかの実施形態では、カット幅は、0.1マイクロメートルから30ミリメートルの間である(たとえば、0.1マイクロメートルから0.2マイクロメートル、0.2マイクロメートルから0.3マイクロメートル、0.3マイクロメートルから0.4マイクロメートル、0.4マイクロメートルから0.5マイクロメートル、0.5マイクロメートルから0.6マイクロメートル、0.6マイクロメートルから0.7マイクロメートル、0.7マイクロメートルから0.8マイクロメートル、0.8マイクロメートルから0.9マイクロメートル、0.9マイクロメートルから1マイクロメートル、1マイクロメートルから2マイクロメートル、2マイクロメートルから3マイクロメートル、3マイクロメートルから4マイクロメートル、4マイクロメートルから5マイクロメートル、5マイクロメートルから6マイクロメートル、6マイクロメートルから7マイクロメートル、7マイクロメートルから8マイクロメートル、8マイクロメートルから9マイクロメートル、9マイクロメートルから10マイクロメートル、10マイクロメートルから15マイクロメートル、15マイクロメートルから20マイクロメートル、20マイクロメートルから30マイクロメートル、30マイクロメートルから40マイクロメートル、40マイクロメートルから50マイクロメートル、50マイクロメートルから60マイクロメートル、60マイクロメートルから70マイクロメートル、70マイクロメートルから80マイクロメートル、80マイクロメートルから90マイクロメートル、90マイクロメートルから100マイクロメートル、100マイクロメートルから150マイクロメートル、150マイクロメートルから200マイクロメートル、200マイクロメートルから250マイクロメートル、250マイクロメートルから300マイクロメートル、300マイクロメートルから400マイクロメートル、400マイクロメートルから500マイクロメートル、500マイクロメートルから600マイクロメートル、600マイクロメートルから700マイクロメートル、700マイクロメートルから800マイクロメートル、800マイクロメートルから900マイクロメートル、900マイクロメートルから1ミリメートル、1ミリメートルから2ミリメートル、2ミリメートルから3ミリメートル、3ミリメートルから4ミリメートル、4ミリメートルから5ミリメートル、5ミリメートルから6ミリメートル、6ミリメートルから7ミリメートル、7ミリメートルから8ミリメートル、8ミリメートルから9ミリメートル、9ミリメートルから10ミリメートル、10ミリメートルから15ミリメートル、15ミリメートルから20ミリメートル、20ミリメートルから25ミリメートル、25ミリメートルから30ミリメートル、前述の値の間の幅など)。いくつかの実施形態では、カット幅は、0.1ミリメートルから10ミリメートルの範囲である(たとえば、0.5-5ミリメートル)。他の構成では、カット幅は、特定の用途または使用のために、所望または必要に応じて、0.1マイクロメートル未満であるか、30ミリメートルより大である(たとえば、30ミリメートルから40ミリメートル、40ミリメートルから50ミリメートル、50ミリメートルから100ミリメートル、前述の値の間の値、100ミリメートルより大である値)。
【0162】
図43Aに示す構成、および、本明細書に開示の任意の他の構成またはその均等を含む、いくつかの実施形態では、カットのヘリカル角度は、チューブ14111の長手軸に対して10度から80度の範囲(たとえば、10度から15度、1度から20度、20度から25度、25度から30度、30度から35度、35度から40度、40度から45度、45度から50度、50度から55度、55度から60度、60度から65度、65度から70度、70度から75度、75度から80度、前述の範囲の角度間など)とすることができる。いくつかの実施形態では、ヘリカル角度は、15度から75度の範囲である(たとえば、20度から70度、30から60度など)。
【0163】
いくつかの実施形態では、外側シース14115およびチューブ14111の管腔の隣接する接触表面は、有利には、限定ではないが、たとえば、PTFE、親水性コーティングまたは材料(たとえば、限定ではないが、BioCoat、DSM Medical、Surmodics、AST Products、Hydromer、Surface Solutions Labs、Harland Medical、Bayer Material Science、Medi-Solve、AdvanSource Biomaterialsなどの会社からのもの(たとえば、HYDAK(登録商標)、Comfortcoat(商標)、LubriLast(登録商標)、Aquacoat、Lubricient(登録商標)、Baymedix CL、Hydromer))および/または類似のものなどの、摩擦係数が比較的低い材料またはコーティングを有することを含み、低い摩擦係数を有することができる。
図43Cは、
図43Aのデバイスの遠位端の長手方向断面図である。図示の向きでは、電流が形状記憶要素14116に、ワイヤ14117およびワイヤ14119を介して印加されており、それにより、チューブ14111の遠位の態様または部分が、チューブ14111の長手軸に対して90度(たとえば、またはほぼ90度だけ)反らされている。
図43Dは、線D-D’を通る、
図43Bのデバイスの横方向の断面図であり、一方、
図43Eは、線E-E’を通る、デバイスの横方向の断面図である。いくつかの実施形態では、チューブ14111の遠位端は、たとえば、限定ではないが、0度から270度の間の角度(たとえば、0度から30度、0度から45度、0度から60度、0度から90度、0度から120度、0度から150度、0度から180度、0度から210度、0度から240度、0度から270度、15度から30度、15度から45度、15度から60度、15度から90度、15度から120度、15度から150度、150度から180度、15度から210度、15度から240度、15度から270度、30度から45度、30度から60度、30度から90度、30度から120度、30度から150度、30度から180度、30度から210度、30度から240度、30度から270度、45度から60度、45度から90度、45度から120度、45度から150度、45度から180度、45度から210度、45度から240度、45度から270度、60度から90度、60度から120度、60度から150度、60度から180度、60度から210度、60度から240度、60度から270度、75度から90度、75度から120度、75度から150度、75度から180度、75度から210度、75度から240度、75度から270度、90度から120度、90度から150度、90度から180度、90度から210度、90度から240度、および90度から270度)を含む、チューブ14111の長手軸に対して任意の様々な角度で反らすことができる。
【0164】
図44Aは、本出願の別の実施形態に係る医療用デバイス14210の略図を示している。他の実施形態を参照して本明細書で図示するとともに論じたように、デバイス14210は、チューブ14211、外側シース14215、スリーブ14212、およびハンドルアセンブリ14220を備えている。ハンドルアセンブリ14220は、近位構成要素または部分14221と、遠位構成要素または部分14222とを含むことができる。遠位構成要素14222は、チューブ14211の近位端に結合することができる。近位構成要素14221は、スリーブ14212の近位端に結合することができる。
【0165】
図44Aを引き続き参照すると、近位構成要素14221は、スリーブ14212の近位端の外周周りに延びるスイベル部材または部分14229を備えることができる。そのような実施形態では、近位構成要素14221は、スリーブ14212とは独立して回転することができる。いくつかの構成では、近位構成要素14221と遠位構成要素14222との各々は、円筒状の本体を有し、それにより、近位構成要素14221が遠位構成要素14222内に挿入され得る。チューブ14211は、外側シース14215の管腔内に配置するか、別様に位置することができる。チューブ14211、スリーブ14212、外側シース14215、および/または、デバイスの任意の他の部分もしくは構成要素は、限定ではないが、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステルブロックアミド(Pebax(登録商標)など)、ナイロン、他のポリマ、ニッケルチタン(ニチノール)、ステンレス鋼、ステンレス鋼の編組、中空の螺旋状の撚り合わせたチューブ、他の金属もしくは合金、ならびに/または任意の他の材料を含む様々な材料の1つまたは複数を含むことができる。
【0166】
いくつかの実施形態では、チューブ14211の遠位端は、限定ではないが、1つまたは複数の、傾斜しているか逆にカーブした形状を含むことができる。図示の構成では、チューブ14211は、外側シース14215の管腔内に位置し、それにより、チューブ14211の遠位の態様の1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)14213(および/または、任意の他のカットもしくは特徴)は、外側シース14215の管腔内に配置されている。チューブ14211の遠位端は、外側シース14215を超えて延ばすことができる。したがって、いくつかの実施形態では、チューブの全体の長さが、外側シースの全体の長さより大であり、一方、チューブの近位端から、チューブのカット部分のもっとも遠位の態様までの長さが、外側シースの全体の長さより小である。
【0167】
いくつかの実施形態では、スリーブ14212は、チューブ14211の管腔内に配置されている。チューブ14211は、スリーブ14212の前方移動を防止するか、別様に制限する、シェルフ14214を形成するように、遠位端に低減された内径を有することができる。いくつかの実施形態では、スリーブ14212は、シェルフ14214に当接して、長手方向の力をスリーブ14212からチューブ14211に伝達する。いくつかの実施形態では、スリーブ14212は、シェルフ14214など、1つまたは複数のヘリカルまたは螺旋状のカット(複数の場合もある)14213の遠位側のポイントにおいてチューブ14211に結合されるか、別様に固定され、また、チューブ14211内を前進または後退することができる。いくつかの構成では、スリーブ14212の前進または後退は、1つまたは複数のカット14213の遠位側のチューブ14211の前進または後退に繋がる。いくつかの実施形態では、結合手段は、スリーブ14212をチューブ14211から解放するために、電流または熱を印加することによって溶かすことができるはんだ接続など、可逆的である場合がある。スリーブ14212とチューブ14211とを結合する手段には、限定ではないが、所望または必要に応じて、摩擦フィット、圧入、接着剤(たとえば、アクリルベースの接着剤(たとえば、シアノアクリレート)、エポキシ、シリコン、熱硬化性樹脂、ポリウレタン、および/または類似のもの)、溶接、ろう付け、はんだ付け、機械的リンク、および/もしくは任意の他のカップリング方法、デバイス、ならびに/または技術の、1つまたは複数が含まれる。
【0168】
いくつかの実施形態によれば、チューブ14211の管腔およびスリーブ14212の外側表面は、優先的に、低い摩擦係数を有している。たとえば、チューブ14211とスリーブ14212との隣接する接触表面は、たとえば、限定ではないが、BioCoat、DSM Medical、Surmodics、AST Products、Hydromer、Surface Solutions Labs、Harland Medi
cal、Bayer Material Science、Medi-Solve、AdvanSource Biomaterialsなどの会社からのPTFE、親水性材料/コーティング(たとえば、HYDAK(登録商標)、Comfortcoat(商標)、LubriLast(登録商標)Aquacoat、Lubricient(登録商標)Baymedix CL、Hydromer)、および/または類似のものを含むことができる。
【0169】
図44Bは、
図44Aのデバイスの長手方向断面図である。図示の向きでは、外側シースは、チューブの湾曲した部分と係合しておらず、チューブの遠位の態様または部分が長手軸に対して180度(たとえば、または約180度)湾曲することになっている。
図44Cは、
図44Aのデバイスの遠位端の長手方向断面図である。図示の向きでは、外側シースは、チューブの湾曲した部分と部分的に係合し、チューブの遠位の態様がデバイスの長手軸に対して90度(たとえば、約90度)湾曲することになっている。
図44Dは、
図44Aのデバイスの遠位端の長手方向断面図である。図示の向きでは、外側シースは、チューブの湾曲した部分とさらに係合し、チューブの遠位の態様が長手軸に対して45度(たとえば、約45度)湾曲することになっている。さらに、
図44Eは、
図44Aのデバイスの遠位端の長手方向断面図である。図示の向きでは、外側シースは、チューブの湾曲した部分と完全に係合し、チューブの遠位の態様が直線状(長手軸に対して0度の湾曲)になっている。
図44Fは、線F-F’を通る、
図44Eの横方向の断面図であり、一方、
図44Gは、線G-G’を通る、
図44Eの横方向の断面図である。いくつかの実施形態では、チューブ14211の遠位端の湾曲は、限定ではないが、10度から270度の間の角度(たとえば、60度から180度、90度から145度、10度から45度、30度から90度、30度から60度、45度から90度、90度から100度、100度から110度、110度から120度、120度から130度、130度から140度、140度から150度、150度から160度、160度から170度、170度から180度、180度から190度、190度から200度、200度から210度、210度から220度、220度から230度、230度から240度、240度から250度、250度から260度、260度から270、前述の値の間の範囲など)を含む、チューブ14211の長手軸に対する様々な角度を有することができる。
【0170】
ここで、当業者には、デバイスの遠位の態様の回転を向上させるための方法および装置が本明細書に記載されてきたことが明らかとなるであろう。本明細書の発明が、いくつかの実施形態として記載されてきたが、本明細書の精神および範囲を逸脱することなく、他の適用形態および変形形態を採用できることが、明らかとなるであろう。本明細書で採用される用語および表現は、記載のための用語として使用されており、限定するものではない。このため、均等のものを除外する意図はない。しかし、対照的に、本発明の精神および範囲を逸脱することなく採用され得る、任意の、およびすべての均等のものをカバーすることが意図されている。
【0171】
本開示が、特定の実施形態を参照して記載されているが、本開示の範囲を逸脱することなく、様々な変更が行われ得、均等のものが、本開示の要素に代替され得ることを理解されたい。さらに、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく、特定の器具、状況、または材料を、本開示の教示に適合させるために、多くの変更が認識されるであろう。したがって、本開示が、本開示を実施するために考えられるベストモードとして開示された特定の実施形態に限定されないが、本開示が、添付の特許請求の範囲の範囲内となるすべての実施形態を含むことが意図されている。
【0172】
いくつかの実施形態および例が、本明細書に開示されているが、本出願は、明確に開示された実施形態を超え、他の代替的な実施形態および/または本発明の使用、ならびに、これらの変形形態および均等形態に拡大される。実施形態の特定の特徴および態様の様々
な組合せまたはサブの組合せが行われ得るとともに、依然として本発明の範囲内となることも、考慮される。したがって、開示の実施形態の様々な特徴および態様が、開示の発明の変形モードを形成するために、互いに組み合わせられるか、代替され得ることを理解されたい。このため、本明細書に開示の本発明の範囲は、上述の特定の開示された実施形態によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ、判定されるものとすることが意図されている。
【0173】
本明細書に開示の実施形態には、様々な変形形態、および代替的な形態の余地があるが、本明細書の特定の例は、図面に示され、本明細書に詳細に記載されている。しかし、本発明は、開示の特定の形態または方法に限定されるものではないが、対照的に、本発明は、記載の様々な実施形態および添付の特許請求の範囲の精神および範囲内にある、すべての変形形態、均等形態、および代替形態をカバーすることを理解されたい。本明細書に開示の任意の方法は、述べられている順番で実施する必要はない。本明細書に開示の方法には、専門家によって行われる特定の作業が含まれる。しかし、これら開示の方法には、任意の第三者によるこれら作業の指示が、明示的に、または暗示によって含むこともできる。たとえば、「カテーテルもしくはマイクロカテーテルを前進させる」または「デバイスの一部分をデバイスの別の部分に対して(たとえば線形的に)前進させて、デバイスの遠位端を回転させる」などの動作には、それぞれ、カテーテルを前進させるように命令する」または「デバイスの一部分を前進させるように命令する」ことが含まれる。本明細書に開示の範囲は、任意の、およびすべての、重複、サブレンジ、およびこれらの組合せを、やはり包含する。「以下(up to)」、「少なくとも(at least)」、「より大(greater than)」、「未満(less than)」、「間(between)」、および類似のものなどの言語には、述べられている数が含まれる。「約(about)」または「約(approximately)」などの用語が先行する数には、述べられている数が含まれる。たとえば、「約10mm(about 10mm)」には「10mm」が含まれる。「実質的に(substantially)」などの用語が先行する用語またはフレーズには、述べられている用語またはフレーズが含まれる。たとえば、「実質的に平行(substantially parallel)」には、「平行(parallel)」が含まれる。