(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】ラベル貼付装置
(51)【国際特許分類】
B65C 9/42 20060101AFI20220725BHJP
B65C 9/26 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
B65C9/42
B65C9/26
(21)【出願番号】P 2020184533
(22)【出願日】2020-11-04
【審査請求日】2022-03-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】上杉 誠
(72)【発明者】
【氏名】中間 淳也
(72)【発明者】
【氏名】山田 修稔
【審査官】佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-118715(JP,A)
【文献】実開平07-033811(JP,U)
【文献】特開2017-171302(JP,A)
【文献】特開2004-018020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 9/42
B65C 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被貼付物の上面にラベルを貼付する第1ラベル貼付部と第2ラベル貼付部を備えるラベル貼付装置であって、
前記被貼付物を搬送する搬送手段と、
所定の状態を検知する検知手段と、を備え、
前記ラベル貼付装置は、
前記搬送手段で搬送された被貼付物を前記第1ラベル貼付部と前記第2ラベル貼付部にて交互にラベルの貼付動作を行う第1のラベル貼付モードと、
前記搬送手段で搬送された被貼付物を前記第1ラベル貼付部又は前記第2ラベル貼付部のいずれかにおいてラベルの貼付動作を行うモードであって、前記第1のラベル貼付モードよりも貼付動作の速度が速い第2のラベル貼付モードと、を有し、
前記検知手段が所定の状態を検知した場合に、前記第1のラベル貼付モードから前記第2のラベル貼付モードへ切り替えるように制御することを特徴とするラベル貼付装置。
【請求項2】
前記検知手段が、前記所定の状態が解消されたことを検知すると、前記第2のラベル貼付モードから前記第1のラベル貼付モードへ切り替えるように制御することを特徴とする請求項1に記載のラベル貼付装置。
【請求項3】
前記所定の状態は、ラベル残量が所定量となったこと、印字ヘッド切れ、通信エラーのうち少なくとも一の状態を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のラベル貼付装置。
【請求項4】
前記第2のラベル貼付モードから前記第1のラベル貼付モードへ切り替えるように制御する場合、前記検知手段において所定の状態が解消されたことに加えて、ラベルの貼付動作を行っていなかったラベル貼付部において、テストラベルを発行したことを条件とすることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか一に記載のラベル貼付装置。
【請求項5】
被貼付物の下面にラベルを貼付する第1ラベル貼付部と第2ラベル貼付部を備えるラベル貼付装置であって、
前記被貼付物を搬送する搬送手段と、
所定の状態を検知する検知手段と、を備え、
前記ラベル貼付装置は、
前記搬送手段で搬送された被貼付物を前記第1ラベル貼付部と前記第2ラベル貼付部にて交互にラベルの貼付動作を行う第1のラベル貼付モードと、
前記搬送手段で搬送された被貼付物を前記第1ラベル貼付部又は前記第2ラベル貼付部のいずれかにおいてラベルの貼付動作を行うモードであって、前記第1のラベル貼付モードよりも貼付動作の速度が速い第2のラベル貼付モードと、を有し、
前記検知手段が所定の状態を検知した場合に、前記第1のラベル貼付モードから前記第2のラベル貼付モードへ切り替えるように制御することを特徴とするラベル貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル貼付システムに関する。
【背景技術】
【0002】
搬送コンベヤ上の商品にラベルを貼付するラベル貼付装置(ラベル貼付システム)が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のラベル貼付装置としての計量値付け装置は、搬送コンベア上の商品にラベルを貼付するラベル貼付部(ラベル貼付機)を複数台備え、この複数台のラベル貼付部により、ラベルをかわるがわる貼付する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の計量値付け装置では作業中にラベルが無くなるとシステム全体を停止させてからラベル交換する必要があるので作業能力が著しく低下していた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るラベル貼付装置(ラベル貼付システム)は、少なくとも以下の構成を具備する。
被貼付物の上面にラベルを貼付する第1ラベル貼付部と第2ラベル貼付部を備えるラベル貼付装置であって、
前記被貼付物を搬送する搬送手段と、
所定の状態を検知する検知手段と、を備え、
前記ラベル貼付装置は、
前記搬送手段で搬送された被貼付物を前記第1ラベル貼付部と前記第2ラベル貼付部にて交互にラベルの貼付動作を行う第1のラベル貼付モードと、
前記搬送手段で搬送された被貼付物を前記第1ラベル貼付部又は前記第2ラベル貼付部のいずれかにおいてラベルの貼付動作を行うモードであって、前記第1のラベル貼付モードよりも貼付動作の速度が速い第2のラベル貼付モードと、を有し、
前記検知手段が所定の状態を検知した場合に、前記第1のラベル貼付モードから前記第2のラベル貼付モードへ切り替えるように制御することを特徴とする。
また、本発明に係るラベル貼付装置(ラベル貼付システム)は、少なくとも以下の構成を具備する。
被貼付物の下面にラベルを貼付する第1ラベル貼付部と第2ラベル貼付部を備えるラベル貼付装置であって、
前記被貼付物を搬送する搬送手段と、
所定の状態を検知する検知手段と、を備え、
前記ラベル貼付装置は、
前記搬送手段で搬送された被貼付物を前記第1ラベル貼付部と前記第2ラベル貼付部にて交互にラベルの貼付動作を行う第1のラベル貼付モードと、
前記搬送手段で搬送された被貼付物を前記第1ラベル貼付部又は前記第2ラベル貼付部のいずれかにおいてラベルの貼付動作を行うモードであって、前記第1のラベル貼付モードよりも貼付動作の速度が速い第2のラベル貼付モードと、を有し、
前記検知手段が所定の状態を検知した場合に、前記第1のラベル貼付モードから前記第2のラベル貼付モードへ切り替えるように制御することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施形態に係るラベル貼付システムの一例を示す全体図である。
【
図2】ラベル貼付システムの電気的な機能ブロックの一例を示す図である。
【
図3】ラベル貼付機のラベル残量検出部の一例を示す概念図である。
【
図4】ラベル貼付システムの通常モード(交互モード)時の動作の一例を説明するための概念図である。
【
図5】本発明の実施形態に係るラベル貼付システムの動作の片側モード(片貼りモード)時の動作の一例を説明するための概念図である。
【
図6】本発明の実施形態に係るラベル貼付システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図7】ラベル貼付システムの動作の一例を説明するための図である。(a)はテストラベルの一例を示す図である。(b)はテストラベルの読み込みを促す表示画面の一例を示す図である。(c)はテストラベルの読み込みを確認するための表示画面の一例を示す図である。
【
図8】ニアエンド検出時のラベル貼付システムの動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態に係るラベル貼付システムは、搬送コンベア上の商品にラベルを貼付するラベル貼付機を複数台有する。このラベル貼付システムは、複数台のラベル貼付機に対して、印刷データを生成してラベルを貼付する動作を切り替える制御を実行する制御部と、制御部から出力される指令を受けて、ラベルに印刷される印刷データを生成してラベルを貼付する動作を実行するタイミングを第1の所定間隔で指示する指示手段と、を備え、ており、制御部は、前記複数台のラベル貼付機のうちいずれか1つのラベル貼付機でラベルを貼付する動作に切り替えたことに応じて、ラベルを貼付する動作の実行のタイミングを前記第1の所定間隔より短い第2の所定間隔に変更するように指示手段に対して指令を出力する。
【0008】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。尚、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
【0009】
図1に示すように、本発明の実施形態に係るラベル貼付システム100は、ラベルを発行し、コンベアにより搬送される商品(物品)にラベルを貼付する。
詳細には、ラベル貼付システム100は、搬送台201に設けられた搬送コンベア20(コンベア20ともいう)、制御装置10、複数のラベル貼付機80等を有する。
【0010】
コンベア20は、物品(商品)を搬送する搬送機構である。搬送台201には、コンベア20、ラベル貼付機80が、搬送方向上流側から下流側に順に配設されている。
図1に示す例では、ラベル貼付システム100は、第1ラベル貼付機81、第2ラベル貼付機82、第3ラベル貼付機83、第4ラベル貼付機84を有する。これらのラベル貼付機81~84が、本発明に係るラベル貼付機における複数のラベル貼付部に対応し、また、本発明に係るラベル貼付システムにおける複数のラベル貼付機に対応する。
各ラベル貼付機81,82,83,84はそれぞれラベル発行部及びラベル貼付部等を有する。ラベル貼付部はラベル発行部で発行されたラベルを商品(物品)に貼付する。
【0011】
ラベル貼付機80は、上側ラベル貼付機としての第1ラベル貼付機81及び第2ラベル貼付機82、下側ラベル貼付機としての第3ラベル貼付機83及び第4ラベル貼付機84を有する。
第1ラベル貼付機81及び第2ラベル貼付機82は、搬送方向上流側から下流側に順に、コンベアの上方に配設されている。
第3ラベル貼付機83及び第4ラベル貼付機84は、搬送方向上流側から下流側に順に、コンベアの下方に配設されている。
【0012】
図1に示す例では、コンベア20は、複数のコンベア21、22、23を有する。コンベア21、コンベア22、コンベア23は、搬送方向上流側から下流側に順に水平に配設されている。
詳細には、コンベア21は、搬送路の搬送方向に所定距離だけ離れて配置された一対のローラーR21,R22と、その一対のローラーR21,R22に張設された無端状ベルトB1等を有する。コンベア22は、所定距離だけ離れて配置された一対のローラーR23,R24と、その一対のローラーR23,R24に張設された無端状ベルトB2等を有する。コンベア23は、所定距離だけ離れて配置された一対のローラーR25,R26と、その一対のローラーR25,R26に張設された無端状ベルトB3等を有する。
【0013】
また、コンベア21、22、23は、それぞれ駆動モーター(不図示)を有し、各コンベアのローラー、無端状ベルトが回転可能に構成されている。
【0014】
コンベア21とコンベア22の間には、第3ラベル貼付機83の第3ラベル貼付部832が配置されており、第3ラベル貼付部832が商品(物品)の底面(下面)にラベルを貼付可能に構成されている。
コンベア22とコンベア23の間には、第4ラベル貼付機84の第4ラベル貼付部842が配置されており、第4ラベル貼付部842が商品(物品)の底面(下面)にラベルを貼付可能に構成されている。
【0015】
制御装置10(コンソール)は、表示入力部14(表示操作部)等を有し、コンベア20の近傍に設けられている。
また、警告表示部145がコンベア20の上方に配置されている。警告表示部145には、複数の警告ランプ(
図1に示す例では4つの警告ランプ1451,1452,1453,1454)が上下方向に配設されており、それぞれラベル貼付機81,82,83,84のラベル残量に応じて点灯又は点滅するように構成されている。警告表示部145は、制御装置10や各ラベル貼付機81,82,83,84により制御される。
【0016】
図2は本発明の実施形態に係るラベル貼付システム100の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。
ラベル貼付システム100は、制御装置10、コンベア20、複数のラベル貼付機80(ラベラーともいう)、コンベア20により搬送される商品(被搬送物)の位置を検出する商品検出センサ17(物品検出部)等を有する。
本実施形態では、ラベル貼付システム100は、第1ラベル貼付機81、第2ラベル貼付機82、第3ラベル貼付機83、及び第4ラベル貼付機84を有する。
【0017】
詳細には、第1ラベル貼付機81は、第1ラベル発行部811、第1ラベル貼付部812、第1残量検出部813、第1ラベル貼付機用制御部としてのCPU814、記憶部815、通信部816、表示部(不図示)、操作部(不図示)等を有する。
第2ラベル貼付機82は、第2ラベル発行部821、第2ラベル貼付部822、第2残量検出部823、第2ラベル貼付機用制御部としてのCPU824、記憶部825、通信部826、表示部(不図示)、操作部(不図示)等を有する。
第3ラベル貼付機83は、第3ラベル発行部831、第3ラベル貼付部832、第3残量検出部833、第3ラベル貼付機用制御部としてのCPU834、記憶部835、通信部836、表示部(不図示)、操作部(不図示)等を有する。
第4ラベル貼付機84は、第4ラベル発行部841、第4ラベル貼付部842、第4残量検出部843、第4ラベル貼付機用制御部としてのCPU844、記憶部845、通信部846、表示部(不図示)、操作部(不図示)等を有する。
【0018】
各ラベル貼付機81,82,83,84のラベル発行部811,821,831,841は、それぞれカセットがラベル貼付機本体部に対して着脱自在に設けられている。このカセットには、筐体部内にラベルロール収容部、ラベルロール収容部に収容されたラベルロール、回収される台紙をロール状に収容する台紙収容部等が設けられている。
ラベルロールは、一方面に粘着面を有するラベルが長尺の台紙に仮着されており、それがロール状に巻回されたものである。また、台紙に所定サイズのラベル用紙が仮着されて巻回された台紙付きラベル用紙であって、ラベル用紙に予め規定サイズで切れ目が入れられているものや、所定サイズのラベルが所定間隔(マージン)を空けて連続して仮着されているものであってもよい。
すなわち、各ラベル貼付機は、ラベル残量が所定量以下となった場合、新品のラベルロールを収容したカセットに容易に交換可能に構成されており、ラベル貼付停止状態の時間(交換時間)が非常に短い。
【0019】
ラベルロールを収容したカセットは個々にカセット内のラベルの種類、長さ、対象商品などを登録して管理されている。
また、カセットにICタグなどを設けることで間違ったカセットがセットされたときに報知することもできる。
【0020】
また、ラベルロールを収容したカセットではなくラベルロール単体などで交換されることでもよい。
【0021】
各ラベル貼付機81,82,83,84のラベル発行部811,821,831,841は、例えば印字ヘッド、プラテンローラー等を有し、制御装置10からの商品情報などの印刷データに基づいて、長尺の台紙に仮着されたラベルに印字を行い、台紙からラベルを剥離することで、ラベルを発行する。
なお、本実施形態では、ラベル発行部は、台紙からラベルを剥離することでラベルを発行したが、この実施形態に限られるものではなく、長尺のラベル用紙に印字を行い、所定の長さにラベル用紙を切断することで、ラベル(台紙レスラベル)を発行してもよい。
【0022】
各ラベル貼付機81,82,83,84のラベル貼付部812,822,832,842は、ラベル発行部811,821,831,841により発行されたラベルを、コンベアにより搬送されている商品(物品)に貼付する。
詳細には、第1ラベル貼付部812、第2ラベル貼付部822は、高圧エアを下方へ噴射することで空気圧により上面用ラベルを商品の上面の所定位置に貼付する。
第3ラベル貼付部832、第4ラベル貼付部842は、ラベル傾斜コンベアを有し、ラベル発行部831,841により発行された下面用ラベル(底面用ラベル)を、ラベル傾斜コンベアにより搬送し、コンベア20により搬送される商品(物品)の下面(底面)に貼付する。
【0023】
各残量検出部813,823,833,843は、各ラベル貼付機に収容されているラベルの残量を検出し、検出結果を制御装置10に送信する。
図3に示す例では、第1残量検出部813は、例えば発光部813a、受光部813b(光センサ)等により構成され、発光部813aと受光部813bの間にラベルロールRが位置するように、それぞれが配置されている。第1残量検出部813は、ラベルロールの径方向の厚みが規定値を超えている場合に、発光部813aからの光が受光部813b(光センサ)に到達せず、ラベルロール径方向の厚みが規定値以下の場合に、受光部813bで発光部813aからの光を受光するように構成されている。つまり、第1残量検出部813は、発光部813aからの光を受光部813bで検出されるか否かに基づいて、ラベルの残量が所定量となったことを検出することができ、検出結果を制御装置10に出力する。
第2残量検出部823、第3残量検出部833、第4残量検出部843は、第1残量検出部813と略同じ構成であるので、説明を省略する。
また、各残量検出部813,823,833,843は、各ラベル貼付機に収容されているラベルの残量がゼロであることを検出(エンド検出)した場合に、検出結果を制御装置10に送信する。
また、ラベルの残量は予め記憶されているラベルロールの長さに基づいて判断してもよい。
【0024】
各ラベル貼付機のCPU814,824,834,844は、ラベル貼付機それぞれの各構成要素を統括的に制御する。具体的には、各ラベル貼付機において、ラベル残量が所定量以下となるニアエンド検出、ラベル送り出し動作や印字機構の不具合の検出といった各種異常状態の検出時に当該異常状態についての検出結果を制御装置10に送信する監視制御や、後述する事前印字ラベル発行やテストラベルの発行等の復旧時処理を制御装置10に依らずに統括的に制御する。
各ラベル貼付機の記憶部815,825,835,845は、RAMやROM等の記憶装置により構成されており、制御プログラムや受信した商品情報や印刷データ等を記憶する。
各ラベル貼付機の通信部816,826,836,846は、制御装置10(コンソール)と通信路(有線式又は無線式)を介して通信可能に接続されている。
各ラベル貼付機の表示部(不図示)は、例えばラベル残量が所定量以下の場合に点灯又は点滅する警報ランプやラベル貼付の状態を表示する表示装置等である。
各ラベル貼付機の操作部(不図示)は、カセットを着脱する際に操作される操作レバーや、テストラベルを発行する際に操作されるボタン等の各種ボタンやスイッチ等である。テストラベルはカセットを交換したことに応じて自動で発行されてもよい。
【0025】
商品検出センサ17は、搬送台201の所定の位置に配置され、コンベアにより搬送される商品(物品)の位置を検出する。商品検出センサ17は、例えば、コンベアの幅方向の左右いずれかに配置された回帰型反射センサや、コンベアの幅方向の左右に配置された発光部や受光部(光センサ)等である。
本実施形態では、商品検出センサ17は、コンベア21の搬送方向上流側端部付近に配置されている。なお、各検出センサは、バックアップのためや精度向上のために必要に応じて所定位置に複数のセンサ設けてもよいが、1つだけでも十分に全体制御を行うことが可能であり、コストもかからずによい。
物品(商品)がコンベア21,22,23により搬送された場合、制御装置10は、商品検出センサ17からの検出信号や各コンベアの搬送速度に基づいて商品(物品)の位置を特定し、ラベル貼付機81,82,83,84による商品(物品)へのラベル貼付等の処理を行う。
【0026】
制御装置10は、ラベル貼付システムの各構成要素を統括的に制御する。
図2に示す例では、制御装置10は、CPU11、記憶部12、通信部13、表示入力部14、及びテストラベル検出部143等を有する。
【0027】
記憶部12は、制御プログラム、各種制御パラメーター、商品情報、印刷データ等を記憶する。記憶部12は、例えばRAM、ROM、HDD、SSD、装置本体部に対して着脱自在な携帯型記憶装置等である。
【0028】
通信部13は、CPU11の制御により、有線式又は無線式通信路を介して、ラベル貼付機81,82,83,84や、上位管理装置等のコンピュータと通信可能に接続されている。
【0029】
表示入力部14は、表示部141、操作入力部142等を有する。表示部141は液晶表示装置などの表示装置であり、操作入力部142は操作ボタン、操作キー、スイッチ、タッチパネル等である。また、表示入力部14は、タッチパネル式表示装置であってもよい。
【0030】
テストラベル検出部143は、テストラベルを検出する装置であり、例えばコードリーダー等であり、テストラベルに印刷されたバーコードや2次元コード等のコード情報を読み取り、CPU11や記憶部12等に出力する。
【0031】
CPU11は、制御装置10の各構成要素を統括的に制御する。詳細には、CPU11は、制御部102、指示部104(指示手段)、取得部105(取得部)、判定部106(判定手段)等を有する。例えば、CPU11は制御プログラムを実行することにより、コンピュータとしての制御装置に本発明に係る機能を実現する。なお、制御装置10は、専用回路により上記機能を実現してもよい。
【0032】
制御部102は、複数台のラベル貼付機80(81,82,83,84等)に対して、データを生成してラベルを貼付する動作を切り替える制御を実行する。
また、制御部102は、複数台のラベル貼付機のうちいずれか1つのラベル貼付機でラベルを貼付する動作に切り替えたことに応じて、ラベルを貼付する動作の実行のタイミングの指示が第1の所定間隔より短い第2の所定間隔で出力されるように変更する指令を指示部104(指示手段)に対して出力する。この具体的変更内容については後述する。また、ラベルを貼付する動作の実行のタイミングを指示する指示部104(指示手段)は、発行するラベルの印字データ量が大きい場合やラベル長が長い場合などには、指示が出力されるタイミングを要処理時間に応じて適宜変更することができる。
【0033】
後述するとした具体的変更内容について説明する。通常時、指示部104(指示手段)は、センサを検出して(もしくは何らかの動作を開始するきっかけを受けて)複数台のラベル貼付機に送信するラベルを貼付する動作の指示を第1の所定間隔で出力する。しかし、複数台のラベル貼付機のうちいずれか1つのラベル貼付機でラベルを貼付する動作に切り替える必要が生じると、ラベルを貼付する動作の指示は、ラベルを貼付する動作を継続するラベル貼付機のみに出力されることになる。当該ラベルを貼付する動作を継続するラベル貼付機からみれば、ラベルを貼付する動作が停止されることになるラベル貼付機と、交互に受けていたラベル貼付指示を連続して受けるように変更されたことになる。結果として当該貼付する動作を継続するラベル貼付機はラベルを貼付する動作の実行のタイミングを第1の所定間隔より短い第2の所定間隔で受けるように変更されたことになる。
【0034】
また、制御部102は、ラベル貼付機のラベルの残量が所定量となったことを検出したことに応じて、複数のラベル貼付機のうちいずれか1つのラベル貼付機でラベルを貼付する動作に切り替えるとともに、ラベルを貼付する動作の実行のタイミングを第2の所定間隔に変更するように指示手段に対して指令を出力する。
【0035】
また、制御部102は、エラーを検出したことに応じて、複数のラベル貼付機のうちいずれか1つのラベル貼付機でラベルを貼付する動作に切り替えるとともに、ラベルを貼付する動作の実行のタイミングを第2の所定間隔に変更する。
エラーとはラベルの残量が所定量となったこと以外に印刷ミス、印字ヘッド切れ、ラベル発行ミス、通信エラー、貼付装置の不具合などラベル貼付機が正常に作動しないことを含む。
【0036】
また、制御部102は、テストラベルを検出したことに応じて、複数のラベル貼付機でラベルを貼付する動作に切り替えるとともに、ラベルを貼付する動作の実行のタイミングを前記第1の所定間隔に変更するように前記指示手段に対して指令を出力する。
【0037】
指示部104(指示手段)は、制御部102から出力される指令を受けて、ラベルに印刷される印刷データを生成してラベルを貼付する動作を実行するタイミングを第1の所定間隔で指示する。
【0038】
取得部105は、ラベルを貼付すべき商品の総量としての商品指示数を、例えば表示入力部14からの信号に応じて取得する。
判定部106は、ラベル貼付機のラベルの残量と取得部105で取得した商品指示数のうちラベル未貼付の残り数から前記複数台のラベル貼付機に対して、ラベルを交換せずともラベル貼付作業を完了できるか否かを判定する。
【0039】
また、判定部は、商品が切り替わることに応じてその商品指示数とラベルの残量を計算してラベルを交換せずともラベル貼付作業を完了できるか否かを判定する。
例えば、現場では1つの商品の作業指示数が終わり、別の商品にラベル貼付を行う場合、別の商品を処理するための作業が発生する。そこで別の商品に切り替えたときに判定部は判定を行ってもよい。商品切り替えて作業が止まっている間についでにラベルを交換できるメリットがある。
【0040】
次に、
図4等を参照しながら、ラベル貼付システムの通常モード(交互モード)時の動作の一例を説明する。
図1、
図4に示すラベル貼付システムにおいて、コンベア20の搬送路の上方に、コンベア20の搬送方向上流から下流へ、第1ラベル貼付機81、第2ラベル貼付機82が配置されており、コンベア20の搬送路の下方に、コンベア20の搬送方向上流から下流へ、第3ラベル貼付機83、第4ラベル貼付機84が配置されている。
【0041】
例えば、制御装置10は、通常モード(交互モード)では、コンベア20により次々に搬送されてくる商品(物品)の上面に第1ラベル貼付機81と第2ラベル貼付機82とで、交互にラベルを貼付するように、ラベル発行及びラベル貼付の指示を第1ラベル貼付機81と第2ラベル貼付機82に送信するとともに、商品の下面(底面)に第3ラベル貼付機83と第4ラベル貼付機84とで交互にラベルを貼付するように、ラベル発行及びラベル貼付の指示を第3ラベル貼付機83と第4ラベル貼付機84に送信する。
【0042】
本実施形態では、例えば第1ラベル貼付機81、第2ラベル貼付機82、第3ラベル貼付機83、及び第4ラベル貼付機84はそれぞれ1分間当り最大100個の貼付能力を有するが、ラベル貼付システム100が交互モード(通常モード)の場合に例えば1分間当り50個に設定される。
また、本実施形態では、コンベア20により搬送される1分間当りの商品の搬送個数は例えば100個であり、コンベアにより順次搬送される商品に対して、第1ラベル貼付機81(1分間当り50個)と第2ラベル貼付機82(1分間当り50個)が交互に、上面用ラベルを商品の上面に貼付するとともに、第3ラベル貼付機83(1分間当り50個)と第4ラベル貼付機84(1分間当り50個)が交互に、下面用ラベル(底面用ラベル)を商品の下面(底面)に貼付する。
つまり、ラベル貼付システム全体では、コンベア20により搬送される1分間当り100個の商品の上面及び下面(底面)にラベルを貼付することができる。
なお、本実施形態では、第3ラベル貼付機83のラベル貼付タイミングは、第1ラベル貼付機の貼付タイミングと略同じ又は僅かに遅いタイミングである。第4ラベル貼付機84のラベル貼付タイミングは、第2ラベル貼付機の貼付タイミングと略同じ又は僅かに遅いタイミングである。
【0043】
本実施形態では、上側ラベル貼付機及び下側ラベル貼付機という2組4つのラベル貼付機で構成されているが、搬送ラインに沿って3組や4組のラベル貼付機で構成することも可能である。2組のラベル貼付機の実施形態では、1つのラベル貼付機が担う貼付処理を1分間当り50個から1分間当たり100個へ高めるように切り替えているが、3組や4組のラベル貼付機で構成した場合には、休止するラベル貼付機に対応させて稼働を続けるラベル貼付機の貼付処理については、通常状態から追加される処理を休止以外の2組や3組に分担させることによって、1分間当たり100個まで高める必要はない。具体的オペレーションについては当業者が適宜に設定し得る。以上の説明から、第2の所定間隔とは、第1の所定間隔の半分でなくとも、第1の所定間隔よりも短いということ足り、十分に、本発明の技術思想として具現化されていることが理解されよう。
【0044】
次に、
図5等を参照しながら、ラベル貼付システムの片側モード(片貼りモード)時の動作の一例を説明する。
図5に示す例では、第1ラベル貼付機81のラベル残量が所定量(少量)となった場合に、新品のラベルロールに交換する。
詳細には、第1ラベル貼付機81では、紙送り、カセットの取り出し、カセットの挿入、ラベル発行禁止、事前印字ラベル発行、通常ビットマップ(印刷データ)作成、テストラベルの発行等は、すべて第1ラベル貼付機81側の処理のみで行えるように構成されており、制御装置10(コンソール)側の処理は非常に少ない。
つまり、第1ラベル貼付機81が独立して、制御装置10(コンソール)の処理なし(又は非常に少ない処理)で、カセット交換を行うことができる。つまり、ラベル貼付機のカセット交換時、制御装置10の処理負荷が小さく、第2ラベル貼付機82、第3ラベル貼付機83、及び第4ラベル貼付機84へのラベル印刷及びラベル貼付の指令を遅延なく高精度に所定のタイミングで送信することができ、貼付位置のずれ等の貼付不良を防止し、商品にラベルを高精度に所定位置に貼付することができる、ラベル貼付システムを提供することができる。
【0045】
制御装置10は、第2ラベル貼付機82に対して、ラベルを印刷して商品の上面に貼付するタイミングを、例えば1分間当り100個となるタイミングで指令を出力し、上面用ラベルを商品の上面に貼付するとともに、第3ラベル貼付機83(1分間当り50個)と第4ラベル貼付機84(1分間当り50個)が交互に、下面用ラベル(底面用ラベル)を商品の下面(底面)に貼付する。
つまり、第1ラベル貼付機81がカセット交換等でラベル貼付休止状態であっても、ラベル貼付システム全体では、コンベア20により搬送される1分間当り100個の商品の上面及び下面(底面)にラベルを貼付することができる。
【0046】
なお、制御装置10は、第1ラベル貼付機81がカセット交換等でラベル貼付休止状態のとき、第3ラベル貼付機83をラベル貼付休止状態とし、第2ラベル貼付機82(1分間当り100個)と、第4ラベル貼付機84(1分間当り100個)とで、コンベア20により搬送される1分間当り100個の商品の上面及び下面(底面)にラベルを貼付してもよい。
【0047】
例えば、第1ラベル貼付機のカセット交換後、そのラベル貼付機でテストラベルを発行し、テストラベルの印字内容、印字状態等を確認後、制御装置1は、片側モード(片貼りモード)から
図4に示す通常モード(交互モード)に切り替える処理を行う。
【0048】
<比較例>
なお、比較例として、例えば第1ラベル貼付機のラベル残量が所定量(少量)となったときに、制御装置10(コンソール)が、その第1ラベル貼付機のカセット交換に関する処理を行う場合を説明する(比較例)。
この比較例では、第1ラベル貼付機で、カセットが取り出され、新しいカセットが挿入されたとき、第1ラベル貼付機は、カセット挿入通知を制御装置へ送信する。制御装置は、新しいカセットが挿入された第1ラベル貼付機(ラベラー)へ、発行禁止命令、カセット挿入命令、事前印字ラベル発行命令、通常ビットマップ作成命令、発行許可命令などを適宜送信する。第1ラベル貼付機は、その命令を受信して、それぞれの命令に基づいて、発行禁止、カセット挿入、事前印字ラベル発行、通常ビットマップ作成、発行許可などの処理を行う。
しかしながら、比較例の制御装置は、上記第1ラベル貼付機のカセット交換に関する処理(発行禁止命令、カセット挿入命令、事前印字ラベル発行命令、通常ビットマップ作成命令、発行許可命令等)を行うとともに、第2ラベル貼付機、第3ラベル貼付機及び第4ラベル貼付機への、ラベル発行及びラベル貼付タイミングの指示を行うことを要し、制御装置への処理負荷が大きい場合があり、第2~第4ラベル貼付機への指示の遅れや、ラベル貼付位置のズレ等の貼付不良が発生する虞がある。
【0049】
一方、本発明の実施形態に係るラベル貼付システムでは、上述したように、第1ラベル貼付機のカセット交換時、第1ラベル貼付機81が独立して、制御装置10(コンソール)の処理なし(又は非常に少ない処理)で、カセット交換を行うことができ、制御装置10の処理負荷が小さく、第2ラベル貼付機82、第3ラベル貼付機83、及び第4ラベル貼付機84へのラベル印刷及びラベル貼付の指令を遅延なく高精度に所定のタイミングで送信することができ、商品にラベルを高精度に所定位置に貼付することができる。
【0050】
次に、
図6等を参照しながら、本発明の実施形態に係るラベル貼付システムの動作の一例を説明する。
【0051】
ステップST1において、制御装置10のCPU11は、例えば操作者による表示入力部14の操作に応じて、ラベル貼付対象の商品に関する商品情報を記憶部12から呼び出す、又は通信部13を介して通信可能に接続されたコンピュータの記憶部から商品情報を読み出す。または、制御装置10のCPU11は、例えば操作者による表示入力部14の操作に応じて、ラベル貼付対象の商品に関する商品情報を作成する。
商品情報は、例えば商品名、商品の価格、消費期限、製造日時、製造者名等である。
また、制御装置10の取得部105(取得手段)は、表示入力部14からの信号に基づいてラベルを貼付すべき商品の総量としての商品指示数を取得する。例えば表示入力部14の設定画面において、操作者(作業者)により、ラベルを貼付すべき商品の総量としての商品指示数を入力することで、商品指示数が設定される。
【0052】
ステップST2において、各ラベル貼付機80、詳細には第1ラベル貼付機81、第2ラベル貼付機82、第3ラベル貼付機83、第4ラベル貼付機84で、テストラベルを発行する。
制御装置10が各ラベル貼付機80(81,82,83,84)にテストラベルの発行指令を送信し、各ラベル貼付機80(81,82,83,84)がその指令を受信して、テストラベルを発行する。
なお、各ラベル貼付機80(81,82,83,84)のテストラベル発行ボタン(不図示)が操作者(作業者)により操作されることで、それぞれのラベル貼付機がテストラベルを発行してもよい。また、ステップST1において、ラベル貼付対象の商品に関する商品情報を作成すると自動でテストラベルを発行してもよい。
テストラベルは、例えば実際に商品に貼付されるラベルと同じ印字内容のものであることが好ましい。
操作者は、発行されたテストラベルを台帳(管理台帳)に貼り付けて管理を行う。
【0053】
図7(a)はラベル貼付機により発行されるラベルLの一例を示す図である。
図7(a)に示す例では、テストラベルは、商品に貼付されるラベルと同じ印字内容のものである。例えば、このラベルには、商品名(いなり寿司等)、商品の価格(480円等)、消費期限(20年9月30日午前8時等)、コード情報(123123456789等)、バーコード(又は2次元コード)、製造者名(△□○スーパー等)、製造場所(△□○県△□○町等)などが印字される。
また、ラベルにはテスト用ラベルであることを示すバーコードや2次元コード等のコード情報が印刷されていてもよい。
【0054】
ステップST3において、制御装置10は、表示入力部14の表示部に、テストラベルの読み込みを促す表示処理を行う。
例えば、
図7(b)に示すように、表示入力部14の設定画面は、ラベルイメージ表示部D1、商品コード表示入力部D2、ラベルイメージの貼付位置を示すラベル貼付位置表示部D3、ラベルの残量(残枚数)を示す残枚数表示部D4、ラベル貼付機の番号を示す貼付機番号表示部D5、現在の日時情報表示部D6、ラベル貼付機の通信状態(オンライン/オフライン)を示す通信状態表示部D7等を有する。
また、
図7(b)に示す例では、表示入力部14の設定画面は、「テストラベルのバーコードをスキャンしてください 両貼りモード(交互モード)が実行されます」とテストラベルの読み込みを促す表示部D8(ポップアップ表示部)を有する。
【0055】
ステップST3におけるテストラベルの読み込みはスキャナ以外の撮像手段(CCDイメージセンサ)を用いてラベルを画像認識してバーコード以外のデータを認識することにより行われてもよい。
【0056】
ステップST4において、制御装置10のCPU11は、テストラベル検出部143(コードスキャナ)等によりテストラベルを検出したか否かを判別し、検出していない場合にステップST3の処理に進み、検出した場合に、ステップST5の処理に進む。
なお、
図7(c)に示すように、表示入力部14の設定画面に、「テストラベルを読みましたか?」、「はい」ボタンBT1、「いいえ」ボタンBT2等を表示部するテストラベル確認表示部D9(ポップアップ表示部)を表示してもよい。
「はい」ボタンBT1が操作された場合にステップST5の処理に進み、「いいえ」ボタンBT2が操作された場合にステップST3の処理に進んでもよい。
【0057】
ステップST5において、制御装置10は、複数のラベル貼付機80により、交互モードにて、コンベア20により搬送されている商品(物品)にラベルを貼付する処理を行う。
交互モードでは、例えばラベル貼付機81,82,83,84でそれぞれ1分間当りラベル貼付数50個となるように、制御装置10がラベル印字ラベル貼付の実行のタイミングを第1の所定間隔で指令を、各ラベル貼付機81,82,83,84に出力する。
【0058】
ステップST6において、制御装置10は、例えば、設定された商品の個数分の貼付が終了したか否かを判別し、又は表示入力部14からの信号や停止ボタン(不図示)からの信号に基づいて、貼付処理を終了するか否かを判別し、判別の結果、貼付終了の場合に、ラベル貼付システムの貼付動作を終了し、それ以外の場合にステップST7の処理に進む。
【0059】
ステップST7において、各ラベル貼付機は、ラベルの残量がゼロか否かを判定する。また、制御装置10は、第1残量検出部813、第2残量検出部823、第3残量検出部833、第4残量検出部843からの信号に基づいて、各ラベル貼付機のラベルロールの残量を取得し、何れかのラベル貼付機のラベルの残量がゼロか否かを判定する。ラベル残量がゼロの場合にそのラベル貼付機のカセット交換や片側モードでのラベル貼付を行うために、ステップST8~ST12の処理に進み、それ以外の場合にステップST5の処理に進む。
【0060】
ラベル貼付システムでは、ラベル残量が少ない又はゼロのラベル貼付機(例えば第1ラベル貼付機81)に関する処理(カセット交換等)であるステップST9~ST12と、正常なラベル貼付機(例えば第2ラベル貼付機82)に関する片側モードによるラベル貼付処理であるステップST8の処理とが並列に処理される。
【0061】
詳細には、ステップST8において、制御装置10は、交互モードから片側モードに切り替える制御を行う。詳細には、例えばラベル残量が少ない第1ラベル貼付機81のカセット交換を行っているとき(ST9~ST12)、制御装置10は、上面貼り用の第2ラベル貼付機82に、ラベルの発行及びラベルを貼付する動作を実行するタイミングを第1の所定間隔より短い第2の所定間隔に変更する指令を出力する。具体的には、例えば、制御装置10は、第2ラベル貼付機82において、1分間当りラベル貼付数50個から1分間当りラベル貼付数100個となるように制御する。第2ラベル貼付機82は、片側モードにて、コンベア20により搬送される商品にラベルを貼付する。
第2ラベル貼付機82の片側モードでのラベル貼付は、例えば第1ラベル貼付機81でのカセット交換に関連した動作(ST9~ST12)が終了するまで行われる。
【0062】
なお、下面貼り(底面貼り)用の第3ラベル貼付機83及び第4ラベル貼付機84は、上面貼り用の第1ラベル貼付機81及び第2ラベル貼付機82のうち一方のラベル残量が少なくカセット交換を行う場合であっても交互モードを続けてよい。または、上面貼り用の第2ラベル貼付機82のうちラベル残量の少ないラベル貼付機の下方に位置するラベル貼付機(例えば第3ラベル貼付機83)をラベル貼付休止状態とし、第4ラベル貼付機84を片側モードにして、第2ラベル貼付機82と同期してラベル貼付のタイミングを高速化させてもよい。
【0063】
ステップST9において、ラベル残量の少ない又はゼロのラベル貼付機(例えば第1ラベル貼付機81)は、新しいカセット(ラベル残量が最大値のラベルロールを有するカセット)に交換する処理を行う。例えば操作者がラベル貼付機の操作レバーを操作して、ラベル残量の少ないカセットをラベル貼付機本体部から取り外した後、新しいカセットをラベル貼付機の本体部に装着する。
【0064】
ステップST10において、例えば第1ラベル貼付機81のCPUは、カセットを交換後、テストラベルを発行する処理を行う。また、第1ラベル貼付機81のCPUは、カセット交換が完了し、テストラベルを発行したことを示す信号を制御装置10へ送信する。詳細には、例えば、操作者がラベル貼付機のテストラベル発行ボタン(不図示)を操作することで、ラベル貼付機のCPUは、そのテストラベル発行ボタンの操作に応じてテストラベルを発行する処理を行う。
操作者は、テストラベルの印字内容、印字状態を確認し、適切である場合に、例えば管理台帳にテストラベルを貼り付けて、ラベルロール交換履歴(カセット交換履歴)を残しておく。
なお、上面貼り用ラベル貼付機(第1ラベル貼付機81または第2ラベル貼付機82)でテストラベルを発行する場合、コンベア20で搬送中の商品に接触しないように、上面貼り用ラベル貼付機の本体部をコンベア20の上方からコンベア20の幅方向の右側又は左側へ移動させた状態で、テストラベルを発行することが好ましい。
【0065】
また、コンベア20の下方に配置されている下面貼り(底面貼り)用第3ラベル貼付機83及び第4ラベル貼付機84の本体部を、手前側(コンベア20の幅方向)に引き出し自在に設けておき、ラベル残量が少量又はゼロになった第3ラベル貼付機83または第4ラベル貼付機84でカセット交換を行った後、テストラベルを発行する場合、第3ラベル貼付機83または第4ラベル貼付機84をコンベア20の幅方向に引き出された状態で、テストラベルを発行することが好ましい。つまり、テストラベルは、コンベア21とコンベア22の間、又はコンベア22とコンベア23の間から出力されないので、コンベアにより搬送中の商品に誤ってテストラベルが接触することがない。
操作者はコンベアの下方から引き出された第3ラベル貼付機83または第4ラベル貼付機から直接テストラベルを取り出すことができる。
下面貼り(底面貼り)用第3ラベル貼付機83及び第4ラベル貼付機84は、テストラベル発行後、操作者や移動用モーター(不図示)によって、コンベア20の下方の規定位置に移動する。
【0066】
ステップST11において、制御装置10は、表示入力部14に、テストラベルの読み込みを促すように表示する処理を行う(
図7(b)、
図7(c)を参照)。
【0067】
ステップST12において、新しいカセット(ラベル用紙の残量が最大値のラベルロールを有する)を装着したラベル貼付機81(ラベル貼付停止状態)は、テストラベルを発行する処理を行う。テストラベルは、例えば商品に貼付されるラベルと同じ印刷内容であることが好ましい。
テストラベルを発行し、台帳にテストラベルを貼り付けて管理することにより、ラベルの印字内容(印刷内容)の間違いを予防したり、印字かすれ等の印刷不良を予防することができる。
【0068】
ステップST12において、制御装置10は、操作入力部やコードスキャナ等でテストラベルを検出したか否かを判別し、検出されない場合にステップST11の処理に進み、それ以外の場合に、ステップST5の処理に進み、制御装置10は、片側モードから交互モードに切り替えて、各ラベル貼付機を制御する。
【0069】
なお、上述した例では、上面貼り用ラベル貼付機のラベル残量がゼロとなった場合のラベル貼付システムの動作を説明したが、下面貼り(底面貼り)用ラベル貼付機のラベル残量がゼロとなった場合には、上述した説明の上面貼り用ラベル貼付機を下面貼り用ラベル貼付機と読み替え、上述した説明の下面貼り用ラベル貼付機を上面貼り用ラベル貼付機と読み替えることができる。
【0070】
次に、
図8等を参照しながら、ラベル貼付機のニアエンド検出時のラベル貼付システムの動作の一例を説明する。
図8に示すステップST21~ST26の動作は、
図6に示した実施例のステップST1~ST6の動作と略同じであるので説明を省略する。
【0071】
ステップST27において、各ラベル貼付機は、ラベルの残量が少量で所定量以下か否かを判定する。また、制御装置10は、第1残量検出部813、第2残量検出部823、第3残量検出部833、第4残量検出部843からの信号に基づいて、各ラベル貼付機のラベルロールの残量を取得し、何れかのラベル貼付機のラベルの残量が少量で所定量以下か否かを判定する。ラベル残量が所定量以下の場合にそのラベル貼付機のカセット交換や片側モードでのラベル貼付を行うために、ステップST28の処理に進み、それ以外の場合にステップST25の処理に進み、交互モードで貼付処理が行われる。
【0072】
ステップST28において、制御装置10は、交互モードから片側モードに切り替える制御を行う。詳細には、制御装置10の制御部102は、例えば第1ラベル貼付機81のラベルの残量が少量である所定量となったことを検出したことに応じて、ラベル残量が少ない第1ラベル貼付機81を貼付停止状態とし、上面貼り用の第2ラベル貼付機82に、ラベルの発行及びラベルを貼付する動作を実行するタイミングを第1の所定間隔より短い第2の所定間隔に変更するように、指示手段(指示部104)に対して指令を出力する。指示手段(指示部104)は、第2ラベル貼付機82にラベル発行、ラベルを貼付する動作を実行するタイミングを第2の所定間隔で指示する。第2ラベル貼付機82は、制御装置10から受信した指示に応じて、第2の所定間隔でラベル発行、ラベルを商品に貼付する。
具体的には、例えば、制御装置10は、第2ラベル貼付機82において、1分間当りラベル貼付数50個から1分間当りラベル貼付数100個となるように制御する。
なお、下面貼り(底面貼り)用の第3ラベル貼付機83及び第4ラベル貼付機84は、制御装置10により交互モード又は片側モードで制御されるものである。
【0073】
ステップST29において、制御装置10は、各ラベル貼付機のラベル残量を表示入力部14に表示する。詳細には、例えば、片側モードの場合、現在ラベル貼付が行われているラベル貼付機のラベル残量等のステータスを表示する処理を行う。具体的には、制御装置10は、「第1ラベル貼付機:ラベルがあと○○枚あります」や「第1ラベル貼付機:あと数分でラベルが無くなりますので交換してください」などと、各ラベル貼付機とその貼付機の現在のステータスを関連付けて表示入力部14に表示する処理を行う。
【0074】
ステップST30において、制御装置10は、例えば、設定された商品の個数分(商品指示数)の貼付が終了したか否かを判別し、又は表示入力部14からの信号や停止ボタン(不図示)からの信号に基づいて、貼付処理を終了するか否かを判別し、判別の結果、貼付終了の場合に、ラベル貼付システムの貼付動作を終了し、それ以外の場合にステップST31の処理に進む。
【0075】
ステップST31において、制御装置10の判定部106(判定手段)は、各ラベル貼付機のラベル残量、商品指示数、残りの商品(ラベル未貼付)の個数(未貼付商品数)に基づいて、片側モードでラベル貼付機がラベルを貼付し続けたときにそのラベル貼付機の残りのラベルが足りるか否かを判定し、足りると判定した場合にはステップST28の処理に進み片側モードにてラベル貼付を行い、足りないと判定した場合にステップST32の処理に進む。
つまり、判定部106(判定手段)は、片側モードでラベル貼付機のカセットを新品のラベルロールを含むカセットに交換せずともラベル貼付作業を完了できるか否かを判定し、完了できると判定した場合にはステップST28の処理に進み片側モードにてラベル貼付を行い、足りないと判定した場合にステップST32の処理に進む。
【0076】
ステップST32において、制御装置10は、カセット交換(新品のラベルロールに交換)を促すように報知を行う。例えば、制御装置10は、表示入力部14に、残量が所定量より少ないラベル貼付機のカセットを交換するように表示する処理を行う。
【0077】
ステップST32の次の処理は、
図6に示す実施例のステップST8~ST12の処理と略同じであるので、説明を省略する。詳細には、ラベル貼付システムでは、ラベル残量が少ない又はゼロのラベル貼付機(例えば第1ラベル貼付機81)に関する処理(カセット交換等)であるステップST9~ST12と、正常なラベル貼付機(例えば第2ラベル貼付機82)に関する片側モードによるラベル貼付処理であるステップST8の処理とが並列に処理される。
ステップST8~ST12の処理の後に、ステップST25の処理に進み、交互モードにて商品にラベル貼付を行い、商品指示数の全ての商品にラベルが貼付された場合に貼付処理を終了する(ST26)。
【0078】
なお、ラベル貼付システムの動作は、上述した実施形態に限られるものではない。
例えば、ラベルロールは、エンド(最後のラベル)の直前2~3枚前に通知する構造、例えば赤やピンク色のマーク等のしるしを設けた構造等を有してもよい。
【0079】
また、2つのラベル貼付機のラベルロールを同時に交換すると、同時にラベル残量がゼロになる場合があるので、例えば2つのラベル貼付機でニアエンドを検知した場合(ラベル残量が少量となり所定量以下となった場合)に、どちらか一方のラベル貼付機のカセット(ラベルロール)を早めに優先して交換するように制御装置が表示入力部等で報知してもよい。
【0080】
また、制御装置10は、交互モードから片側モードに切り替える制御を行ったあと、作動しているラベル貼付装置から別のラベル貼付装置1台のみで貼付する動作を実行するように切り替えることもできる。その場合にはラベルを貼付する動作を実行するタイミングを第2の所定間隔から別のラベル貼付装置に第2の所定間隔で実行するように指示を出すこともできる。
【0081】
<実施形態の総括>
[技術分野]
本発明は、ラベル貼付システムに関する。
[背景技術]
搬送コンベア上の商品にラベルを貼付するラベル貼付システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献1に記載のラベル貼付システムでは、搬送コンベア上の商品にラベルを貼付するラベル貼付機を複数台設けられており、この複数台のラベル貼付機により、ラベルをかわるがわる貼付する。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献2]特開2000-326943号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、特許文献2に記載のラベル貼付システムでは、何れか一方のラベル貼付機が動作休止中である場合に、マイコン(割付制御部)がその他の動作可能なラベル貼付機にラベル貼付指令を割り付け、搬送コンベアを停止させることなく、1台のラベル貼付機でラベル貼付を続けるが、搬送コンベアの搬送速度を遅くすることを要する。つまり、何れか一方のラベル貼付機が動作休止中である場合に、ラベル貼付システム全体の1分間当りのラベル貼付個数が低下する。
[課題を解決するための手段]
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、ラベル貼付システム100は、搬送コンベア(コンベア20)上の商品にラベルを貼付するラベル貼付機80を複数台設けた。このラベル貼付システム100は、前記複数台のラベル貼付機に対して、データを生成してラベルを貼付する動作を切り替える制御を実行する制御部102と、前記制御部102から出力される指令を受けて、前記ラベルに印刷される印刷データを生成してラベルを貼付する動作を実行するタイミングを第1の所定間隔で指示する指示手段(指示部104)とを備える。前記制御部102は、前記複数台のラベル貼付機のうちいずれか1つのラベル貼付機でラベルを貼付する動作に切り替えたことに応じて、ラベルを貼付する動作の実行のタイミングを前記第1の所定間隔より短い第2の所定間隔に変更するように前記指示手段(指示部104)に対して指令を出力する(片側モード(片貼りモード))。
詳細には、ラベル貼付システム100は、複数台のラベル貼付機80(第1ラベル貼付機81、第2ラベル貼付機82、第3ラベル貼付機83、第4ラベル貼付機84等)と、コンベア20と、制御装置10等を有する。
制御装置10は、データを生成してラベルを貼付する動作を切り替える制御を実行する制御部(制御部102)と、制御部(制御部102)から出力される指令を受けて、ラベルに印刷される印刷データを生成してラベルを貼付する動作を実行するタイミングを第1の所定間隔で指示する指示手段(指示部104)とを備える。
交互モード時、第1の所定間隔の指示を受信したラベル貼付機は、例えば1分間当り50個等の規定貼付数/分となるように、コンベア20により所定間隔で順次搬送される商品(物品)にラベルを貼付する。
制御部(制御部102)は、複数台のラベル貼付機(ラベル貼付機81,82,83,84等)のうちいずれか1つのラベル貼付機(例えばラベル貼付機81)での動作の切り替えに応じて、ラベル貼付機(例えばラベル貼付機82)に、ラベルを貼付する動作の実行のタイミングを変更するように指示手段(指示部104)に対して指令を出力する。
具体的には、片側モード時(片貼りモード時)、制御部(制御部102)は、複数台のラベル貼付機(ラベル貼付機81,82,83,84等)のうち、例えば第1ラベル貼付機81で、カセット交換等によりラベル貼付停止状態となったときに、例えば第2ラベル貼付機82でラベルを貼付する動作の実行のタイミングを第1の所定間隔(例えば貼付個数50個/分となる)よりも短い第2の所定間隔(例えば貼付個数100個/分)に変更するように指示手段(指示部104)に対して指令を出力する。
第2ラベル貼付機82は、その指令を示す信号を受信して、第2の所定間隔(例えば貼付個数100個/分)となるように、ラベル貼付を行う。
また、例えば第1ラベル貼付機81が、ラベル貼付停止状態からラベル貼付可能な状態となった場合に、制御装置10は、第2ラベル貼付機82の貼付タイミングを、第2の所定間隔(例えば貼付個数100個/分)から、第1の所定間隔(例えば貼付個数50個/分)に変更し、ラベル貼付機81の貼付タイミングを第1の所定間隔(例えば貼付個数50個/分)に設定し、交互モードに切り替えて制御を行う。
【0082】
また、制御装置10は、例えば上面貼り用の第1ラベル貼付機81が、ラベル貼付停止状態の場合、下面貼り(底面貼り)用の第3ラベル貼付機83及び第4ラベル貼付機84の貼付タイミングを、第1の所定間隔(例えば貼付個数50個/分)に設定し、交互モードにて制御を行う。なお、交互モードの代わりに片側モードにて、第3ラベル貼付機83及び第4ラベル貼付機84を制御してもよい。
【0083】
また、複数の底面貼り用のラベル貼付機(例えば83,84)のうちいずれかのラベル貼付機(例えばラベル貼付機83)がラベル貼付休止状態となった場合、制御装置は、他方のラベル貼付機(例えばラベル貼付機84)を、ラベル貼付のタイミングを第1の所定間隔(例えば貼付個数50個/分となる)よりも短い第2の所定間隔(例えば貼付個数100個/分)となるように制御を行う。
【0084】
また、例えば第3ラベル貼付機83が、ラベル貼付停止状態からラベル貼付可能な状態となった場合に、制御装置10は、第4ラベル貼付機84の貼付タイミングを、第2の所定間隔(例えば貼付個数100個/分)から、第1の所定間隔(例えば貼付個数50個/分)に変更し、ラベル貼付機83の貼付タイミングを第1の所定間隔(例えば貼付個数50個/分)に設定し、交互モードに切り替えて制御を行う。
また、制御装置10は、例えば底面貼り用の第3ラベル貼付機83が、ラベル貼付停止状態の場合、底面貼り用の第1ラベル貼付機81及び第2ラベル貼付機82の貼付タイミングを、第1の所定間隔(例えば貼付個数50個/分)に設定し、交互モードにて制御を行う。
【0085】
そして、制御装置10の指示手段(指示部104)からの指令(制御信号)に応じてその指令(制御信号)を受信したラベル貼付機80は、第2の所定間隔でラベルを貼付するように処理を行う例えば通常モード(交互モードともいう)時と比較して、約2倍の貼付処理速度である(片側モード)。その指示を受けたラベル貼付機は、ラベル発行及びラベル貼付を通常モード(交互モード)と比較して、約2倍の貼付処理速度でラベル貼付を行うことで、そのコンベア20で搬送されている商品(物品)の搬送速度を変えることなく、また、1分間当りの商品の搬送個数を低下させることなく一定値で、且つ、1分間当りの商品へのラベル貼付数を低下させることなく一定値であり、すなわち、貼付システム全体では、ラベル貼付能力が低下しない、ラベル貼付システムを提供することができる。
つまり、ラベル貼付システムでは、あるラベル貼付機でラベルエンドとなり、ラベル交換(カセット交換)等で貼付停止状態とし、交互モードから片側モードに切り替え制御を行い、片側モード時に、稼働中のラベル貼付機のラベル発行、ラベル貼付の間隔を短くすることで、ラベル貼付システム全体の貼付スピードを低下させることなく、商品にラベル貼付を続けることができる。
また、本発明の実施形態では、ラベル残量が少量の所定量又はゼロのラベル貼付機で、ラベル交換(カセット交換)を行う場合に、そのラベル貼付機のみでラベル交換(カセット交換)に関する処理やテストラベル発行処理等を行うように構成されているので、制御装置10でそのラベル交換(カセット交換)に関する処理の負荷が非常に小さく、また、制御装置10とそのラベル貼付機と制御装置10(制御部や指示部を有する)との間の通信量が少ないので、ラベル交換(カセット交換)しているときでも、制御装置10は稼働中のラベル貼付機へのラベル発行処理やラベル貼付処理等の指示を高精度に所定のタイミングで出力することができ、商品へのラベル貼付のずれ等を防止することができる。
【0086】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載のラベル貼付システム100であって、制御部102は、ラベル貼付機80(例えばラベル貼付機81等)のラベルの残量が所定量(ニアエンド)となったことを検出したことに応じて、複数のラベル貼付機のうちいずれか1つのラベル貼付機(例えばラベル貼付機82等)でラベルを貼付する動作に切り替えるとともに、ラベルを貼付する動作の実行のタイミングを第2の所定間隔(例えば100個/1分間)に変更するように指示手段(104)に対して指令を出力する。
すなわち、その指令を示す信号を受信したラベル貼付機(例えば第2ラベル貼付機82等)は、第2の所定間隔(例えば100個/1分間)でラベルを商品に貼付することができる。
【0087】
(3)本実施形態の一態様は、(1)又は(2)に記載のラベル貼付システム100であって、テストラベルを検出するテストラベル検出部143(コードスキャナ等)を有し、制御部102は、テストラベル検出部143等でテストラベルを検出したことに応じて、複数のラベル貼付機80でラベルを貼付する動作に切り替えるとともに、ラベルを貼付する動作の実行のタイミングを第1の所定間隔(例えば貼付個数50個/1分間)に変更するように指示手段(指示部104)に対して指令を出力する(交互モード)。
すなわち、制御装置10の指示手段(指示部104)からその指令を示す信号を受信したラベル貼付機80は、ラベルを貼付する動作の実行のタイミングを第1の所定間隔(例えば貼付個数50個/1分間)に設定され、ラベルを貼付する動作を行う(交互モード)。
つまり、テストラベルを検出した場合、短時間に、片側モードから交互モードに切り替えて各ラベル貼付機を制御することができる、ラベル貼付システムを提供することができる。
【0088】
(4)本実施形態の一態様は、(2)又は(3)に記載のラベル貼付システムであって、ラベルを貼付すべき商品の総量としての商品指示数を取得する取得手段(制御装置10の取得部105)と、ラベル貼付機のラベルの残量と商品指示数のうちラベル未貼付の残り数から前記複数台のラベル貼付機に対して、ラベルを交換せずともラベル貼付作業を完了できるか否かを判定する判定手段(制御装置10の判定部106)を備える。
すなわち、判定手段(判定部106)により、ラベル貼付機のラベルの残量と商品指示数のうちラベル未貼付の残り数から前記複数台のラベル貼付機に対して、ラベルを交換せずともラベル貼付作業を完了できると判定した場合に、ラベル貼付機のラベルロールの交換(カセットの交換)をせず、完了できない場合に、例えば交互モードから片側モード(片貼りモード)に切り替える制御を行い、ラベル交換を要するラベル貼付機では、ラベルロールを交換(カセットを交換)する処理を行う。
つまり、商品指定数とラベルの残量に応じて適宜ラベルロールの交換等最適な処理を行うラベル貼付システムを提供することができる。
これにより、ラベルを交換せずとも複数台のラベル貼付機のうちいずれか1つでラベル貼付作業を完了できるのであればラベル貼付システムに人を向かわせずに済むので他の作業ができるメリットがある。
また、通常、工場では1つの商品指示がすべて終わった後に次の商品を設定する時に、ラベル貼付装置で商品番号の切り替えなどの作業を行うので、ラベルが無くなったラベル貼付装置についてはその時までラベル交換の作業をしなくて済み、開始時の作業のついでにラベル交換ができるメリットもある。
なお、ラベル貼付システム100は、上記完了できると判定された場合に、ラベル交換の指示は表示部に表示せずに、そのまま稼働中のラベル貼付機のみで最後の商品までラベル貼付を行うが、例えば稼働中のラベル貼付機のみでラベル貼付作業を完了できることを表示部に表示し、作業者(操作者)等にラベル交換を行うか否かを選択させるような構成であってもよい。
【0089】
(5)本実施形態の一態様は、(3)又は(4)に記載のラベル貼付システムであって、制御部102は、例えば制御装置10の表示入力部14の表示部等により、操作者(作業者)に対してテストラベルを読ませることを報知する処理を行う。
つまり、簡単な構成で、新しいラベルロールに交換後(カセット交換後)等に、操作者(作業者)に対してテストラベルを読ませることを報知することができる、ラベル貼付システムを提供することができる。
【0090】
(6)本実施形態の一態様は、(3)から(5)のいずれかに記載のラベル貼付システム100であって、表示部(制御装置の表示入力部14等)を備え、この表示部は、テストラベルに関しての情報を表示する(例えば
図7(b)、
図7(c)等を参照)。
すなわち、簡単な構成で、操作者(作業者)等に対して、表示部によりテストラベルに関しての情報を報知する、ラベル貼付システムを提供することができる。
【0091】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0092】
10…制御装置
11…CPU
12…記憶部
13…通信部
14…表示入力部
141…表示部
17…商品検出センサ(物品検出部又は商品センサーともいう)
20(21,22,23)…コンベア(搬送コンベアともいう)
80…ラベル貼付機
81…第1ラベル貼付機(ラベル貼付部、ラベル貼付機)
82…第2ラベル貼付機(ラベル貼付部、ラベル貼付機)
83…第3ラベル貼付機(ラベル貼付部、ラベル貼付機)
84…第4ラベル貼付機(ラベル貼付部、ラベル貼付機)
100…ラベル貼付システム
102…制御部(データ生成部及び制御手段)
104…指示部(指示手段)
105…取得部
106…判定部
141…表示部(報知部)
142…操作入力部
143…テストラベル検出部(コードスキャナ等)