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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】粉体供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 65/40 20060101AFI20220725BHJP
   G01G 13/08 20060101ALI20220725BHJP
   B65G 65/32 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
B65G65/40 B
G01G13/08
B65G65/32 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022522572
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(86)【国際出願番号】 JP2021040286
【審査請求日】2022-04-13
(31)【優先権主張番号】P 2020184018
(32)【優先日】2020-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507001162
【氏名又は名称】株式会社ツカサ
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【弁理士】
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】関 知憲
【審査官】山▲崎▼ 歩美
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-130748(JP,A)
【文献】特開平06-174537(JP,A)
【文献】特開2000-136025(JP,A)
【文献】特開2014-232006(JP,A)
【文献】特開2014-055775(JP,A)
【文献】特開2005-280817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 65/40
B65G 65/42
B65G 65/32
G01G 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
上部が開口し、内部に粉体を貯留する容器と、
上側に載置した前記容器を搬送する駆動状態と、上側に載置した前記容器を静止させる停止状態と、を有する搬送部と、
前記本体に接続し、内部に前記粉体を貯留し、外部に供給する複数のストッカと、を備え、
前記搬送部が、該搬送部の上側に載置された前記容器に前記ストッカから前記粉体を供給する領域である供給領域を有し、
前記ストッカが、
該ストッカの内部に前記粉体を投入可能な投入口と、供給口を含み、該ストッカの内部に貯留された前記粉体を前記供給口から前記容器に供給する供給部と、を有し、
前記供給領域を中心として放射状に配置され、前記供給部の中心軸が前記供給領域の中心に向くように前記本体に接続されており、
前記搬送部の上側に載置された前記容器が前記供給領域に位置し、前記搬送部が前記停止状態であるときに、上部が開放された状態の前記容器に前記供給口から前記粉体を供給することと、
前記ストッカ側にはガイド部があり、前記本体側にはガイド受け部があり、前記ストッカが前記本体に装着された時に前記ガイド部が前記ガイド受け部と嵌合する構成を有し、当該嵌合により前記供給部の中心軸の向きのずれを防止することを特徴とする粉体供給装置。
【請求項2】
前記ストッカが、前記本体に着脱可能に接続される構造である請求項1に記載の粉体供給装置。
【請求項3】
前記本体が、制御部を有し、
前記制御部が、前記搬送部による前記容器の搬送と、前記供給部による前記粉体の供給と、を制御する請求項1または2に記載の粉体供給装置。
【請求項4】
前記搬送部が、前記供給領域に計量部を有し、
前記搬送部の上側に載置された前記容器が前記計量部の上側に位置し、前記搬送部が前記停止状態であるときに、前記計量部が、前記容器が貯留する前記粉体の重量を計量する請求項1~3のいずれか1項に記載の粉体供給装置。
【請求項5】
前記ガイド部の外側に位置し、前記ストッカが前記本体に装着された状態で前記本体と接触する弾性体を備える請求項1~4のいずれか1項に記載の粉体供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体供給装置に関し、より詳細には、搬送部により搬送される容器に粉体を供給する粉体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
1つの容器に対して、複数種類の粉体を供給し、該容器内に貯留する工程を行う際、人の手作業で前記の工程を行う場合は、作業量が多いため、多くの時間と手間とを要し、さらに人為的なミスも発生しやすい。前記の工程を繰り返し行う際には、より一層人為的なミスの発生する確率が増加する。
【0003】
特許文献1では、搬送用コンベアにより搬送されてくる容器に粉体の所定量の重量を計測した上で充填する粉体自動計量充填装置において、容器をコンベア上から離脱させる離脱手段と、離脱した容器内に粉体を切出す切出機と、容器内に切り出された粉体の自重量を計量する計量器と、計量器によって計量された計量値に基づいて粉体の切出し量を制御する制御部とを有することを特徴とする粉体自動計量充填装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-201393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の発明は、粉体毎に該粉体を切出す場所を必要とするため、切出す粉体の種類の増加に伴い、粉体を切出す場所が増加し、装置の設置に必要なスペースも大きくなる。
【0006】
そこで、本発明では、1か所で複数種類の粉体の供給が可能で、省スペースな粉体供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、本体と、上部が開口し、内部に粉体を貯留する容器と、上側に載置した前記容器を搬送する駆動状態と、上側に載置した前記容器を静止させる停止状態と、を有する搬送部と、前記本体に接続し、内部に前記粉体を貯留し、外部に供給する複数のストッカと、を備え、前記搬送部が、該搬送部の上側に載置された前記容器に前記ストッカから前記粉体を供給する領域である供給領域を有し、前記ストッカが、該ストッカの内部に前記粉体を投入可能な投入口と、供給口を含み、該ストッカの内部に貯留された前記粉体を前記供給口から前記容器に供給する供給部と、を有し、前記供給領域を中心として放射状に配置され、前記供給部の中心軸が前記供給領域の中心に向くように前記本体に接続されており、前記搬送部の上側に載置された前記容器が前記供給領域に位置し、前記搬送部が前記停止状態であるときに、上部が開放された状態の前記容器に前記供給口から前記粉体を供給することと、前記ストッカ側にはガイド部があり、前記本体側にはガイド受け部があり、前記ストッカが前記本体に装着された時に前記ガイド部が前記ガイド受け部と嵌合する構成を有し、当該嵌合により前記供給部の中心軸の向きのずれを防止することを特徴とする粉体供給装置である。
【0008】
この構成によれば、前記搬送部により前記供給領域に搬送された前記容器に、前記供給領域を中心として放射状に配置された前記ストッカから前記粉体を供給することができ、該粉体を前記容器の内部に貯留することができる。したがって、複数の前記ストッカからの前記粉体の供給を1か所で行うことができ、供給する粉体毎に供給場所を必要としないため、粉体供給装置の設置に必要なスペースを削減することができる。また、ガイド部がガイド受け部に嵌合した状態では、ストッカと本体とが固定され、供給部の中心軸の向きがずれることを防止できる。
【0009】
本発明は、前記ストッカが、前記本体に着脱可能に接続される構造であることが好ましい。この構成によれば、前記粉体供給装置に備えられた前記ストッカと、別のストッカと、を交換することが可能であり、前記粉体供給装置から供給される粉体を別の粉体に切り替える作業が簡略化される。さらに、前記粉体供給装置の整備性も向上する。
【0010】
本発明は、前記本体が、制御部を有し、前記制御部が、前記搬送部による前記容器の搬送と、前記供給部による前記粉体の供給と、を制御することが好ましい。この構成によれば、前記容器の搬送および前記粉体の供給の効率が向上する。
【0011】
本発明は、前記搬送部が、前記供給領域に計量部を有し、前記搬送部の上側に載置された前記容器が前記計量部の上側に位置し、前記搬送部が前記停止状態であるときに、前記計量部が、前記容器が貯留する前記粉体の重量を計量することが好ましい。この構成によれば、複数の前記ストッカが、1つずつ順番に前記粉体の供給を行うことにより、1つの計量部で、前記容器に貯留された複数種類の粉体の計量が可能である。本発明は、前記ガイド部の外側に位置し、前記ストッカが前記本体に装着された状態で前記本体と接触する弾性体を備えることが好ましい。これにより、ストッカが予期しない衝撃を受けたとき、その衝撃を弾性体が吸収するため、ストッカの破損を防止することができる。
【0012】
本明細書において、字句の解釈は次の通りである。「粉体」とは、粉体に加えて、粒体、または粉体と粒体の混合体のいずれも含む。食品、薬品、建築・土木、半導体等、粉体の用途は限定されない。
【0013】
「粉体を供給口から供給」とは、供給口からストッカの外部に粉体を排出することを意味する。例えば、排出された粉体が、容器に落下して貯留され、計量器で容器内の粉体の重量を計量する目的で供給される。
【0014】
「供給部」には、スクリューコンベア、スクリューフィーダが例示されるが、粉体の移送機能を有するものであれば、他の粉体供給部、例えば、振動フィーダ、ベルトコンベア等でも採択できる。
【0015】
「搬送部」としては特に限定されず、既存のものを採択可能であり、例えば、ローラコンベア、ベルトコンベア等が挙げられる。
【0016】
「計量部」としては特に限定されず、既存のものを採択可能であり、例えば、電子天秤等が挙げられる。
【0017】
「接続」とは、2つのものを繋ぐことを意味し、固定されて繋がったもの、着脱可能な状態で繋がったもののいずれも含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、1か所で複数種類の粉体の供給が可能であり、粉体供給装置の設置に必要なスペースを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態における粉体供給装置の正面図である。
図2】同、平面図である。
図3】同、右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
粉体供給装置1(以下、供給装置1という。)を、図1~3を参照して説明する。供給装置1は、本体2と、上部が開口し、内部に粉体Pを貯留する容器3と、上側に載置した容器3を搬送する駆動状態と、上側に載置した容器3を静止させる停止状態と、を有する搬送部4と、本体2に接続し、内部に粉体Pを貯留し、外部に供給する複数のストッカ5と、を備える構成である。
【0021】
本体2は、本体部21と、本体部21を支持する架台22を備え、架台22にストッカ5が着脱可能に接続される構造である。
【0022】
本体部21は、制御部211と、報知部212と、を有しており、制御部211は、搬送部4が本体2に接続されることにより、搬送部4による容器3の搬送を制御し、本体2がストッカ5と接続されることにより、後述する供給部52による粉体Pの供給を制御する。これらの制御は、手動的に、または設定により自動的に実行可能である。
【0023】
報知部212は、制御部211が搬送部4の制御をする際に、その制御により搬送部4の状態が切り替わることを報知するものであり、搬送部4の駆動または停止による不都合の防止に有用である。報知部212は、機械の不調や故障等のトラブルにより、後述する計量部41で計量される、容器3に貯留された粉体Pの重量が所定の重量を超過した異常量である場合には、容器3に貯留された粉体Pの量が異常であることを報知する。この報知により、所定の重量を超過した異常量の粉体Pを貯留する容器3が後述する供給領域Aの下流側に搬送されることを未然に防ぐことができる。本実施形態の報知部212は、回転灯であり、制御部211が搬送部4を制御し、搬送部4の状態が切り替わる際に点灯し、所定の時間経過後に停止する。報知部212としては、搬送部4の状態が切り替わることを報知するものであれば他のものでも採択でき、例えば、光により視覚的に報知する電灯等、音により聴覚的に報知するスピーカ等も採択できる。
【0024】
架台22は内部が中空であり、本体部21を載置する載置部221と、脚部222と、脚部222同士を繋ぐ補強部材223と、位置検出部224と、ストッカ5が本体2に挿入された際に、後述するガイド部55とする嵌合するガイド受け部225と、を含む。架台22は搬送部4を跨いだ状態で配置されており、搬送部4の上側に載置された容器3は、架台22の内部を通過可能である(図1、2参照)。したがって、本体2は、搬送部4により搬送される容器3が、載置部221の下方および脚部222の間を通過するように配置される。
【0025】
位置検出部224は、補強部材223上に設置され、搬送部4の上に載置される容器3の位置が、後述する供給領域A内であるかを検出することができる。本実施形態の位置検出部224は、例えば、発光ダイオードや受光ダイオード等を有する光電センサであるが、特に限定されず、既存の位置検出機器を採択可能である。
【0026】
搬送部4は、搬送部4の上側に載置された容器3にストッカ5から粉体Pを供給する領域である供給領域Aを有している。搬送部4は、さらに、供給領域Aに配置され、容器3内の粉体Pの重量を計る計量部41を有している。
【0027】
搬送部4は、駆動状態と、停止状態と、を有しており、駆動状態においては、搬送部4の上側に載置した容器3を図2、3にそれぞれ示す搬送方向Xに搬送する。停止状態においては、搬送部4の上側に載置した容器3を静止させることができる。搬送部4の状態を制御することにより、搬送部4の上側に載置した容器3を供給領域Aまで搬送し、供給領域A内に静止することができる。供給領域A内に静止した容器3を、供給領域Aから搬送することもできる。本実施形態の搬送部4はローラコンベアであるが、特に限定されず、既存の搬送機器を採択可能であり、例えば、ベルトコンベアが挙げられる。
【0028】
計量部41は、搬送部4の上側に載置された容器3が計量部41の上側に位置し、搬送部4が停止状態であるときに、容器3が貯留する粉体Pの重量を計量する。本実施形態の計量部41は、防塵のロードセル式電子天秤の上側にローラコンベアが固定されたものである。計量部41のローラコンベアは、搬送方向Xを基準として、その上流側および下流側のローラコンベアとは独立して配置されており、該上流側および下流側のローラコンベアの上側に載置されたものの重量は、防塵のロードセル式電子天秤による計量に含まれない。防塵のロードセル式電子天秤は、計量部41の上側に載置された容器3の貯留する粉体Pの重量を正確に計量することができる。計量部41のローラコンベアの高さは、計量部41の上流側および下流側のローラコンベアの高さと揃っており、搬送部4の上側に載置された容器3は、計量部41の上側をつかえることなく滑らかに通過することが可能である。供給装置1は、計量部41により計測された容器3に貯留された粉体Pの重量に応じて、本体2により、ストッカ5から供給される粉体Pの供給流量を制御することも可能であり、ストッカ5から、所定の重量の粉体Pを精度よく容器3に供給することが可能である。計量部41は、特に限定されず、既存の計量機器を採択可能であり、粉体Pの計量に用いる点から、防塵のものが好ましい。
【0029】
ストッカ5は、その内部に粉体Pを投入可能な投入口51と、供給口521を含み、内部に貯留された粉体Pを供給口521から容器3に供給する供給部52と、を有する。ストッカ5内に貯留された粉体Pは、供給部52を介して、供給口521から供給される。例えば、図1中右側のストッカ5から容器3に粉体Pを供給する場合には、粉体Pは供給口521から矢印Bで示す方向に排出される。本実施形態の供給部52は筒状のスクリューフィーダである。ストッカ5は、さらに、底部に回転ストッパ付きのものを含む複数のキャスタ53と、弾性部材54と、本体2に挿入するガイド部55と、を有している。ストッカ5は、キャスタ53により任意の方向に移動可能である。
【0030】
本実施形態のストッカ5は、容器3が粉体Pの供給を受けられるように設定した供給領域Aを中心として放射状に複数個(ここでは4個)配置され、供給部52の中心軸Yが供給領域Aの中心に向くように、本体2に着脱可能に接続される構造である。例えば、機械的な差し込み、引き抜き構造が例示できる。ストッカ5を本体2に対して押し込み、ガイド部55を本体2に挿入して、ストッカ5を本体2に装着する。ストッカ5を本体2から引き抜き、ガイド部55を本体2から引き離して、本体2からストッカ5を離脱させる。このとき、ストッカ5が本体2に装着されている状態では、ガイド部55は、本体2に挿入されており、ガイド受け部225と嵌合している。これにより、ストッカ5と本体2とが固定され、供給部52の中心軸Yの向きがずれることを防止できる。弾性部材54は、弾性を有し、弾性変形により衝撃を緩衝する部材であり、ガイド部55の外側に位置し、ストッカ5が本体2に装着されている状態では、本体2と接触している。弾性部材54により、ストッカ5が外部からの予期しない衝撃を受けた際、その衝撃を吸収してストッカ5自体が本体2と接触して破損することを防止できる。
【0031】
ストッカ5は、供給口521を含む供給部52の先端付近が、架台22の内部に差し込まれた状態で本体2に装着され、供給口521は、供給領域Aの上方であって、供給領域Aに載置される容器3よりも上方に位置する。搬送部4が停止状態であるときに、供給領域Aに位置する容器3に供給口521から粉体Pを供給することができる。供給部52の他の部分は、ストッカ5の内部空間に位置しており、供給部52の開口から、ストッカ5に貯留された粉体Pが供給部52の内部に供給される。
【0032】
本体2へのストッカ5の装着は、ストッカ5を、粉体Pを供給する位置に移動させ、ストッカ5のガイド部55と、供給口521を含む供給部52の先端付近を本体2の架台22の内部に押し込み、ガイド部55とガイド受け部225とを嵌合させ、キャスタ53の回転ストッパを作動させてストッカ5の位置を固定し、本体2と、ストッカ5と、をケーブル(図示略)で接続することにより完了する。本体2からのストッカ5の離脱は、本体2と、ストッカ5と、を接続するケーブルを取外し、キャスタ53の回転ストッパを解除し、ストッカ5を本体2から引き抜き、ストッカ5を、粉体Pを供給する位置から移動させることにより完了する。本体2とストッカ5とは容易に着脱可能であり、装着されているストッカ5と、他のストッカ5と、を容易に交換可能である。すなわち、本体2に対して個別のストッカ5がそれぞれ相互に交換可能に装着されている。
【0033】
ストッカ5と、他のストッカ5と、の交換が可能であることにより、容器3に供給する粉体Pの種類の切り替えが容易となる。本体2からストッカ5を離脱可能なことにより、ストッカ5を本体2から離脱した状態で整備が可能であり、粉体供給装置1の整備性が向上する。例えば、供給部52が故障した場合には、修理交換が容易である。
【0034】
供給装置1の動作手順を説明する。本体2にストッカ5を装着する。本体2に装着するストッカ5の数は任意であり、供給する粉体Pの種類、量等を考慮して装着するストッカ5の数を決定することができる。ストッカ5の内部に貯留する粉体Pをストッカ5に投入するタイミングは粉体Pを容器3に供給する前であればいつでもよいが、操作性の観点から、粉体Pをストッカ5に投入した後に、ストッカ5を本体2に装着すること好ましい。
【0035】
容器3を搬送部4の上側に載置する。このとき、搬送部4は停止状態である。本体2の制御部211により、搬送部4を駆動状態にし、容器3を計量部41に向けて搬送する。このとき、報知部212が、搬送部4の状態が切り替わることを報知する。報知部212による報知は、所定の時間の経過後に停止する。
【0036】
位置検出部224により容器3の位置が計量部41の上側であると検出された際には、制御部211が搬送部4による容器3の搬送を制御し、搬送部4が停止状態となる。このとき、上述の場合と同様に、報知部212が、搬送部4の状態が切り替わることを報知し、所定の時間の経過後に停止する。
【0037】
制御部211が供給部52による粉体Pの供給を制御し、ストッカ5から容器3に粉体Pの供給が開始される。容器3は計量部41の上側に位置しており、計量部41が、容器3に貯留された粉体Pの重量を計量する。容器3に貯留された粉体Pの重量が所定の重量に達した際には、制御部211の例えば重量センサ(図示略)が起動して供給部52による粉体Pの供給を制御し、粉体Pの供給が停止する。
【0038】
機械の不調や故障等のトラブルにより、ストッカ5から容器3への粉体Pの供給において、計量部41で計量される容器3に貯留された粉体Pの重量が所定の重量を超過した異常量である場合には、報知部212が、容器3に貯留された粉体Pの量が異常であることを報知し、その後の工程である、後述する計量部41からの容器3の搬送が阻止されるため、その搬送は行われない。所定の重量を超過した異常量の粉体Pが貯留された容器3が、供給領域Aの下流側に搬送されることを未然に防ぐことができる。
【0039】
ストッカ5からの粉体Pの供給の開始と停止は、供給作業の状況に応じて任意の回数を繰り返して行われてもよい。複数のストッカ5から粉体Pの供給を行う場合には、各ストッカ5は、1つずつ順番に粉体Pの供給を行う。これにより、各ストッカ5の供給した粉体Pの重量を計量部41により計量することができるため、1か所で複数種類の粉体Pを所定の量で容器3毎にそれぞれ貯留することができる。
【0040】
計量部41により、容器3に貯留された粉体Pの重量が所定の重量になったと判断されると、粉体供給処理は終了し、制御部211が搬送部4による容器3の搬送を制御することにより、搬送部4が駆動状態となり、容器3が、計量部41から搬送される。このとき、報知部212が、搬送部4の状態が切り替わることを報知し、所定の時間の経過後に停止する。
【0041】
供給装置1は、上述の容器3の計量部41への搬送と、ストッカ5からの粉体Pの供給と、容器3の計量部41からの搬送と、の動作を繰り返し行うことが可能であり、複数の容器3に連続的に粉体Pを貯留することができる。
【0042】
容器3への粉体Pの供給および容器3の計量部41からの搬送が終了した後、ストッカ5を本体2から離脱させる。
【0043】
以上に説明した通り、供給装置1は、本体2に接続された複数のストッカ5の供給口521が供給領域Aの上方に位置するため、1か所で複数種類の粉体Pの供給が可能であり、供給装置1の設置に必要なスペースを削減することができて省スペース化に寄与する。さらに、制御部211が搬送部4による容器3の搬送を制御することにより、容器3を効率的に搬送できる。計量部41が容器3の内部に貯留する粉体Pの重量を計量し、制御部211が供給部52による粉体Pの供給を制御することにより、容器3毎に複数種類の粉体Pを精度よく所定の量で貯留可能である。
【0044】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、改変等を加えることができるものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれることとなる。例えば、本体2へ装着するストッカ5の数は、上記実施形態では4個であったが、1、2、3、5・・・等、適宜の数を採択できる。
【符号の説明】
【0045】
1・・・粉体供給装置
2・・・本体
21・・・本体部
211・・・制御部
212・・・報知部
22・・・架台
221・・・載置部
222・・・脚部
223・・・補強部材
224・・・位置検出部
225・・・ガイド受け部
3・・・容器
4・・・搬送部
41・・・計量部
5・・・ストッカ
51・・・投入口
52・・・供給部
521・・・供給口
53・・・キャスタ
54・・・弾性部材
55・・・ガイド部
A・・・供給領域
B・・・矢印
P・・・粉体
X・・・搬送方向
Y・・・中心軸
【要約】
1か所で複数種類の粉体の供給が可能で、省スペースな粉体供給装置を提供すること。本発明の粉体供給装置1は、本体2と、上部が開口し、内部に粉体Pを貯留する容器3と、駆動状態と停止状態とを有する搬送部4と、本体2に接続し、内部に粉体Pを貯留し、外部に供給する複数のストッカ5と、を備え、搬送部4が、搬送部4の上側に載置された容器3にストッカ5から粉体Pを供給する領域である供給領域を有し、ストッカ5が、ストッカ5の内部に粉体Pを投入可能な投入口51と、ストッカ5の内部に貯留された粉体Pを供給口521から供給する供給部52と、を有し、供給領域を中心として放射状に配置され、供給部52の中心軸Yが供給領域の中心に向くように本体2に接続され、容器3が供給領域に位置し、搬送部4が停止状態であるときに、容器3に供給口521から粉体Pを供給することを特徴とする。
図1
図2
図3