(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】照明制御システム及び照明制御方法
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/80 20170101AFI20220725BHJP
H05B 47/11 20200101ALI20220725BHJP
H05B 47/125 20200101ALI20220725BHJP
B60Q 3/74 20170101ALI20220725BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20220725BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
B60Q3/80
H05B47/11
H05B47/125
B60Q3/74
F21V23/00 113
G06F3/01 570
(21)【出願番号】P 2019079735
(22)【出願日】2019-04-19
【審査請求日】2020-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】平松 瞭
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-081053(JP,A)
【文献】特開2017-199302(JP,A)
【文献】特開昭60-166806(JP,A)
【文献】特開2009-126212(JP,A)
【文献】特開2016-107864(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 3/80
H05B 47/00
B60Q 3/74
F21V 23/00
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前席及び後席を有する車両における車室の内部を上方から照らす車室照明と、
前記車室における前方側基準位置からの前記車室内部の測距情報を取得する情報取得部と、
前記測距情報に基づいて、少なくとも、前記前席に座る前席搭乗者が前記後席側を振向く振向き動作を行ったか否かと、前記後席に座る後席搭乗者の有無と、を判断する判断部と、
前記振向き動作が行われたか否か、及び前記後席搭乗者の有無、に基づい
てオンオフ制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部が、前記後席搭乗者が存在せず且つ前記振向き動作が行われたと前記判断部で判断された場合に前記車室照明をオンする、
ことを特徴とする照明制御システム。
【請求項2】
前記判断部は、前記前席搭乗者が前記後席側に振り向いた状態から前方側へと向き直る向直り動作を行ったか否かも判断し、
前記制御部が、一旦オンした前記車室照明を、前記向直り動作が行われたと前記判断部で判断された場合にオフすることを特徴とする請求項1に記載の照明制御システム。
【請求項3】
前記車室の内外少なくとも一方の明るさを計測する明るさセンサと、
前記明るさセンサでの計測結果が予め定められた閾値未満であるか否かを判断する明るさ判断部と、を備え、
前記制御部が、前記判断部での判断結果に加え、前記明るさ判断部での判断結果にも基づいて前記オンオフ制御を行うことを特徴とする請求項1~2のうち何れか一項に記載の照明制御システム。
【請求項4】
前記情報取得部が、前記車室を撮影し、当該車室の撮影範囲内の対象物までの距離も表す撮影画像を得る撮影装置であることを特徴とする請求項1~3のうち何れか一項に記載の照明制御システム。
【請求項5】
前記撮影装置が、
赤外線を照射する照射部と、
赤外線領域の画像を撮影可能な撮像部と、
を備えていることを特徴とする請求項4に記載の照明制御システム。
【請求項6】
前席及び後席を有する車両の車室に設置された照明を制御する照明制御システムで実行される照明制御方法であって、
前記車両の車室における前方側基準位置からの前記車室内部の測距情報を取得する情報取得工程と、
前記測距情報に基づいて、少なくとも、前記前席に座る前席搭乗者が前記後席側を振向く振向き動作を行ったか否かと、前記後席に座る後席搭乗者の有無と、を判断する判断工程と、
前記振向き動作が行われたか否か、及び前記後席搭乗者の有無、に基づい
てオンオフ制御を行う制御工程と、を含み、
前記制御
工程は、前記後席搭乗者が存在せず且つ前記振向き動作が行われたと前記判断
工程で判断された場合
に車室照明をオンする、
ことを特徴とする照明制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両における車室の内部の照明を制御する照明制御システム及び照明制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両における前席の搭乗者が後席の荷物等を確認するに際し、車室の内部が暗いときに搭乗者が車室照明をオン操作して明るさを確保することは一般的なことである。一方で、何度も確認する必要がある場合等に、車室照明を頻繁にオン操作しなければならないとなると搭乗者が煩わしさを感じてしまうケースがある。
【0003】
そこで、車室の内部を撮影し、予め登録しておいた特定動作を搭乗者が行ったか否かを撮影画像から判断し、その判断結果に基づいて車室照明をオンする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。これによれば、車室照明をオンするトリガとなる特定動作として座席の搭乗者の振向き動作等を登録しておくことで、このような振向き動作に応じて自動的に車室照明をオンすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、搭乗者の特定動作を撮影画像から判断する上記のような技術では、前席ではなく後席の搭乗者の振向き動作等のように、車室照明のオンが不要な場合にも車室照明がオンされる場合がある。このようなことが続くと、今度は搭乗者が車室照明それ自体に煩わしさを感じてしまう恐れがある。
【0006】
従って、本発明は、上記のような問題に着目し、不要なオンを抑えて車室照明を制御することができる照明制御システム及び照明制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の照明制御システムは、前席及び後席を有する車両における車室の内部を上方から照らす車室照明と、前記車室における前方側基準位置からの前記車室内部の測距情報を取得する情報取得部と、前記測距情報に基づいて、少なくとも、前記前席に座る前席搭乗者が前記後席側を振向く振向き動作を行ったか否かと、前記後席に座る後席搭乗者の有無と、を判断する判断部と、前記振向き動作が行われたか否か、及び前記後席搭乗者の有無、に基づいてオンオフ制御を行う制御部と、を備え、前記制御部が、前記後席搭乗者が存在せず且つ前記振向き動作が行われたと前記判断部で判断された場合に前記車室照明をオンする、ことを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するために、本発明の照明制御方法は、前席及び後席を有する車両の車室に設置された照明を制御する照明制御システムで実行される照明制御方法であって、前記車両の車室における前方側基準位置からの前記車室内部の測距情報を取得する情報取得工程と、前記測距情報に基づいて、少なくとも、前記前席に座る前席搭乗者が前記後席側を振向く振向き動作を行ったか否かと、前記後席に座る後席搭乗者の有無と、を判断する判断工程と、前記振向き動作が行われたか否か、及び前記後席搭乗者の有無、に基づいてオンオフ制御を行う制御工程と、を含み、前記制御工程は、前記後席搭乗者が存在せず且つ前記振向き動作が行われたと前記判断工程で判断された場合に車室照明をオンする、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の照明制御システム及び照明制御方法によれば、車室内部の測距情報から前席搭乗者の振向き動作の有無が判断され、その判断結果に基づいて車室照明のオンオフ制御が行われる。測距情報から振向き動作の有無が判断されるので、車室照明のオンを必要とする前席搭乗者の振向き動作の有無を正確に判断することができる。本発明の照明制御システム及び照明制御方法によれば、このような正確な判断により、不要なオンを抑えて車室照明を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】照明制御システムの一実施形態を示す模式図である。
【
図2】
図1に示されている照明制御システムの模式的なブロック図である。
【
図3】
図1及び
図2に示されている照明制御システムで実行される照明制御方法における処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】
図3に示されているフローチャートに従って照明制御方法が実行されるときの車室の内部の様子についての一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、照明制御システムの一実施形態について説明する。
【0012】
図1は、照明制御システムの一実施形態を示す模式図である。また、
図2は、
図1に示されている照明制御システムの模式的なブロック図である。
【0013】
本実施形態における照明制御システム1は、車両C1における車室CR1内部の照明を制御するものであり、車室照明11と、情報取得部12と、明るさセンサ13と、判断部14と、明るさ判断部15と、制御部16と、を備えている。
【0014】
車室照明11は、車両C1における車室CR1内部を上方から照らす照明であり、車室CR1の天井における後席SH2寄りに設置されている。
【0015】
情報取得部12は、車室CR1における前方側基準位置からの車室CR1内部の測距情報を取得する。具体的には、情報取得部12は、前方側基準位置から車室CR1を撮影し、当該車室CR1の撮影範囲内の対象物までの距離も表す三次元的な撮影画像を測距情報として得る撮影装置となっている。このような撮影装置としては、ここでは特定しないが、ステレオカメラやTOF(Time-of-Flight)カメラ等といった測距機能を有する従来公知のカメラ等が一例として採用可能である。
【0016】
また、この情報取得部12としての撮影装置は、車室CR1が暗い場合でも撮影が可能なように、赤外線を照射する照射部121と、赤外線領域の画像を撮影可能な撮像部122と、を備えたものとなっている。撮像部122は、前席SH1に座る前席搭乗者Y1と後席SH2に座る後席搭乗者Y2の両方が撮影範囲に入るように、フロントガラスFG1の上縁近傍に設置されている。この設置位置が本実施形態における前方側基準位置に相当する。そして、照射部121は、撮像部122の撮影範囲を十分にカバーできるように、この撮像部122に取り付けられている。
【0017】
明るさセンサ13は、車室CR1内部の明るさを計測するセンサであり、車室CR1の天井における後席SH2寄りに設置されている。
【0018】
判断部14は、情報取得部12での測距情報に基づいて、前席SH1に座る前席搭乗者Y1が後席SH2側を振向く振向き動作を行ったか否かを判断する。また、判断部14は、情報取得部12での測距情報に基づいて、後席SH2に座る後席搭乗者Y2の有無や、前席搭乗者Y1が後席SH2側に振り向いた状態から前方側へと向き直る向直り動作を行ったか否かも判断する。
【0019】
明るさ判断部15は、明るさセンサ13での計測結果が予め定められた閾値未満であるか否かを判断する。
【0020】
制御部16は、判断部14での判断結果及び明るさ判断部15での判断結果に基づいて、車室照明11のオンオフ制御を行う。即ち、制御部16は、明るさセンサ13での計測結果が予め定められた閾値未満であるか否か、前席搭乗者Y1の振向き動作が行われたか否か、及び後席搭乗者Y2の有無、に基づいてオンオフ制御を行う。具体的には、制御部16は、明るさセンサ13での計測結果が閾値未満のときに、後席搭乗者Y2が存在せず且つ上記の振向き動作が行われたと判断部14で判断された場合に車室照明11をオンする。また、制御部16は、一旦オンした車室照明11を、前席搭乗者Y1によって向直り動作が行われたと判断部14で判断された場合にオフする。
【0021】
以上に説明した照明制御システム1の構成要素のうち、判断部14、明るさ判断部15、及び制御部16は、車両C1に搭載されたECU(Electronic Control Unit)に構築された機能ブロックとなっている。
【0022】
次に、この照明制御システム1で実行される照明制御方法について説明する。
【0023】
図3は、
図1及び
図2に示されている照明制御システムで実行される照明制御方法における処理の流れを示すフローチャートである。
【0024】
この
図3に示されている照明制御方法は、車両C1のECUに電源が投入されるとスタートする。処理がスタートすると、情報取得部12の照射部121による赤外線の照射(ステップS101)と、その照射の下での撮像部122による撮影(ステップS102)と、明るさセンサ13による明るさの計測(ステップS103)と、が実行される。ステップS101,S102の処理が、車室CR1における前方側基準位置からの車室CR1内部の測距情報を取得する情報取得工程の一例に相当する。また、ステップS103の処理が、車室CR1内部の明るさを計測する明るさ計測工程の一例に相当する。
【0025】
次に、車室照明11がオンされているか否かが判断部14によって判断される(ステップS104)。車室照明11がオンされていないと判断された場合(ステップS104のNo判定)、車室CR1の内部の明るさが閾値未満であるか否かが明るさ判断部15によって判断される(ステップS105)。ステップS105の処理が、明るさの計測結果が予め定められた閾値未満であるか否かを判断する明るさ判断工程の一例に相当する。
【0026】
明るさが閾値未満であると判断された場合(ステップS105のYes判定)、撮像部122で得られた測距情報としての三次元的な撮影画像に基づいて、前席搭乗者Y1が振向き動作を行ったか否かが判断部14によって判断される(ステップS106)。振向き動作が行われたと判断された場合(ステップS106のYes判定)、上記の撮影画像に基づいて、後席搭乗者Y2が存在するか否かが判断部14によって判断される(ステップS107)。そして、後席搭乗者Y2が存在しないと判断された場合(ステップS107のNo判定)、制御部16によって車室照明11がオンされる(ステップS108)。その後は、処理がステップS101に戻って以降の処理が繰り返される。ステップS106の処理が、上記の情報取得工程(ステップS101,S102)での測距情報に基づいて、前席搭乗者Y11が振向き動作を行ったか否かを判断する判断工程の一例に相当する。また、ステップS107の処理が、後席搭乗者Y2が存在するか否かを判断する判断工程の一例に相当する。
【0027】
明るさが閾値未満ではないと判断された場合(ステップS105のNo判定)、振向き動作が行われていないと判断された場合(ステップS106のNo判定)、車室照明11はオンされずに処理がステップS101に戻って以降の処理が繰り返される。また、後席搭乗者Y2が存在すると判断された場合(ステップS107のYes判定)にも、車室照明11はオンされずに処理がステップS101に戻って以降の処理が繰り返される。
【0028】
他方、ステップS104において車室照明11がオンされていると判断された場合(ステップS104のYes判定)、前席搭乗者Y1が向直り動作を行ったか否かが判断部14によって判断される(ステップS109)。そして、向直り動作が行われたと判断された場合(ステップS109のYes判定)、制御部16によって車室照明11がオフされる(ステップS110)。その後は、処理がステップS101に戻って以降の処理が繰り返される。一方で、向直り動作が行われていないと判断された場合(ステップS109のNo判定)、車室照明11はオフされずに処理がステップS101に戻って以降の処理が繰り返される。ステップS109の処理が、前席搭乗者Y11が向き直る向直り動作を行ったか否かも判断する判断工程の一例に相当する。そして、ステップS108,S110の処理が、判断工程(ステップS106,S107,S109)での判断結果に基づいて、車室照明11のオンオフ制御を行う制御工程の一例に相当する。
【0029】
この
図3に示されているフローチャートの処理が、車両C1のECUの電源が遮断されるまで繰り返し実行される。
【0030】
図4は、
図3に示されているフローチャートに従って照明制御方法が実行されるときの車室の内部の様子についての一例を示す模式図である。
【0031】
図4の例では、前席SH1のうちの運転席SH11に前席搭乗者Y1のうちの運転者Y11が座り、助手席SH12に助手席搭乗者Y12が座っている。そして、後席SH2には、後席搭乗者Y2が存在していない。この例において、助手席SH12の助手席搭乗者Y12が振向き動作を行った場合、車室CR1内部の明るさが閾値未満のときに車室照明11がオンされることとなる。他方、後席搭乗者Y2が存在している場合には、助手席搭乗者Y12が振向き動作を行っても車室照明11はオンされない。
【0032】
そして、車室照明11がオンされた後に助手席搭乗者Y12が向直り動作を行うと、車室照明11がオフされることとなる。
【0033】
以上に説明した実施形態の照明制御システム1及び照明制御方法によれば、車室CR1内部の測距情報から前席搭乗者Y11の振向き動作の有無が判断され、その判断結果に基づいて車室照明11のオンオフ制御が行われる。測距情報から振向き動作の有無が判断されるので、車室照明11のオンを必要とする前席搭乗者Y11の振向き動作の有無を正確に判断することができる。本実施形態によれば、このような正確な判断により、不要なオンを抑えて車室照明11を制御することができる。
【0034】
ここで、後席搭乗者Y2が存在する場合には、前席搭乗者Y1は後席の荷物の確認等をその後席搭乗者Y2に頼むことが可能であり、車室照明11のオンが不要であることが多い。本実施形態によれば、前席搭乗者Y1の振向き動作が行われたか否か、及び後席搭乗者Y2の有無、に基づいてオンオフ制御が行われるので、不要なオンを一層抑えて車室照明11を制御することができる。
【0035】
また、本実施形態によれば、後席搭乗者Y2が存在せず且つ前席搭乗者Y1の振向き動作が行われた場合にのみ車室照明11がオンされるので、後席搭乗者Y2が存在する場合の不要な車室照明11のオンを確実に抑えることができる。
【0036】
また、本実施形態によれば、一旦オンした車室照明11のオフが、前席搭乗者Y1の向直り動作に応じて自動的に行われるので好適である。
【0037】
また、本実施形態によれば、車室CR1内部の明るさにも基づいて車室照明11のオンオフ制御が行われるので、明るい場合の不要な車室照明11のオンについても抑えることができる。
【0038】
また、本実施形態によれば、測距情報が、搭乗者の動き等とともに撮影画像として捉えられるので、振向き動作の有無を一層正確に判断することができる。
【0039】
また、本実施形態では、情報取得部12としての撮影装置が、赤外線を照射する照射部121と、赤外線領域の画像を撮影可能な撮像部122と、を備えている。このような撮影装置によれば、車室CR1が暗い場合であっても、赤外線領域の画像が撮影されるので、振向き動作の有無を更に正確に判断することができる。
【0040】
尚、以上に説明した実施形態は照明制御システム及び照明制御方法の代表的な形態を示したに過ぎず、照明制御システム及び照明制御方法は、これに限定されるものではなく種々変形して実施することができる。
【0041】
例えば、上述した実施形態では、車室CR1の天井に車室照明11や明るさセンサ13が設置された照明制御システム1が例示されている。また、情報取得部についても、撮像部122がフロントガラスFG1の上縁近傍を前方側基準位置として設置され、照射部121がこの撮像部122に取り付けられた情報取得部12が例示されている。しかしながら、これらの各構成要素の設置位置は、上記の実施形態の設置位置に限るものではなく、各構成要素に要求される性能を満たす位置であれば、その具体的な設置位置を問うものではない。
【0042】
また、上述した実施形態では、車両C1に搭載されたECUに構築された判断部14、明るさ判断部15、及び制御部16が例示されている。しかしながら、これらの構成要素の構築場所はECUに限るものではなく、ECUとは別に車両C1に搭載されたコンピュータ装置等であってもよい。
【0043】
また、上述した実施形態では、明るさセンサの一例として、車室CR1内部の明るさを計測する明るさセンサ13が例示されている。しかしながら、明るさセンサはこれに限るものではなく、例えば車室CR1の外部の明るさを計測するもの等であってもよい。また、明るさの判断は、このような明るさセンサを用いずに間接的に明るさを判断する手法を採用してもよい。この間接的な明るさ判断の一例としては、例えば、搭乗者の手動操作によって点消灯される補助光源としてのスモールランプが点灯しているか否か等といった車両C1の状況を表す情報に基づく手法等が挙げられる。この手法では、例えば車室CR1内部の明るさについて、スモールランプが点灯している場合に暗いと判断し、消灯している場合に明るいと判断する、等といった明るさ判断が行われることとなる。
【0044】
また、上述した実施形態では、前席搭乗者Y1の振向き動作が行われたか否か、及び後席搭乗者Y2の有無、に基づいて車室照明11のオンオフ制御を行う照明制御システム1や照明制御方法が例示されている。そして、ここでのオンオフ制御は、後席搭乗者Y2が存在せず且つ前席搭乗者Y1の振向き動作が行われた場合に車室照明11をオンする制御となっている。しかしながら、照明制御システムや照明制御方法は、これに限るものではなく、後席搭乗者Y2の有無に依らず振向き動作の有無のみに基づいて車室照明11のオンオフ制御を行うものであってもよい。ただし、後席搭乗者Y2の有無にも基づいてオンオフ制御を行うことで、不要なオンを一層抑えて車室照明を制御することができる点は上述した通りである。
【0045】
また、上述した実施形態では、前席搭乗者Y1の向直り動作の有無についても判断し、一旦オンした車室照明11を向直り動作が行われた場合にオフする照明制御システム1や照明制御方法が例示されている。しかしながら、照明制御システムや照明制御方法は、これに限るものではなく、一旦オンした車室照明11のオフについては、搭乗者の手動操作によって行われることとしてもよい。ただし、車室照明11のオフについても上記のように向直り動作に応じて自動的に行なわれるようにすることで、搭乗者の手間が省かれて好適である点も上述した通りである。
【0046】
また、上述した実施形態では、車室CR1内部の明るさの計測結果が閾値未満であるか否かの判断結果にも基づいて車室照明11のオンオフ制御が行なわれる照明制御システム1や照明制御方法が例示されている。しかしながら、照明制御システムや照明制御方法は、これに限るものではなく、車室CR1内部の明るさによらず前席搭乗者Y1の振返り動作の有無に基づいて車室照明11のオンオフ制御が行われることとしてもよい。ただし、車室照明11のオンオフ制御を、車室CR1内部の明るさにも基づいて行なうことで、車室CR1が明るい場合の不要な車室照明のオンについて抑えることができる点も上述した通りである。
【0047】
また、上述した実施形態では、測距情報として、撮影範囲内の対象物までの距離も表す三次元的な撮影画像を得る照明制御システム1や照明制御方法が例示されている。しかしながら、照明制御システムや照明制御方法は、これに限るものではなく、前方側基準位置からの測距情報を単なる距離データとして取得するもの等であってもよい。ただし、測距情報として撮影画像を得ることで、振向き動作の有無を一層正確に判断することができる点も上述した通りである。
【0048】
また、上述した実施形態では、赤外線を照射し、赤外線領域の画像を撮影して上記の撮影画像を得る照明制御システム1や照明制御方法が例示されている。しかしながら、照明制御システムや照明制御方法は、これに限るものではなく、可視光領域の画像のみを撮影することとしてもよい。ただし、赤外線領域の画像を撮影することで、車室が暗い場合であっても振向き動作の有無を更に正確に判断することができる点も上述した通りである。
【符号の説明】
【0049】
1 照明制御システム
11 車室照明
12 情報取得部
13 明るさセンサ
14 判断部
15 明るさ判断部
16 制御部
121 照射部
122 撮像部
C1 車両
CR1 車室
SH1 前席
SH2 後席
Y1 前席搭乗者
Y2 後席搭乗者