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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】増幅装置および棟内共聴装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 3/36 20060101AFI20220725BHJP
   H03G 1/02 20060101ALI20220725BHJP
   H04N 21/61 20110101ALI20220725BHJP
   H04H 20/76 20080101ALI20220725BHJP
   H04H 60/95 20080101ALI20220725BHJP
【FI】
H04B3/36
H03G1/02
H04N21/61
H04H20/76
H04H60/95
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019144539
(22)【出願日】2019-08-06
(65)【公開番号】P2020036314
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-06-08
(31)【優先権主張番号】P 2018155553
(32)【優先日】2018-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000227892
【氏名又は名称】日本アンテナ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102635
【弁理士】
【氏名又は名称】浅見 保男
(74)【代理人】
【識別番号】100197022
【弁理士】
【氏名又は名称】谷水 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100199820
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 博志
(72)【発明者】
【氏名】伊澤 勝弘
(72)【発明者】
【氏名】岡元 達哉
(72)【発明者】
【氏名】坂井 来人
(72)【発明者】
【氏名】上田 剛士
(72)【発明者】
【氏名】大澤 雄二
(72)【発明者】
【氏名】森澤 大輔
【審査官】後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-232859(JP,A)
【文献】特開平1-317083(JP,A)
【文献】特開昭56-158584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 3/36
H03G 1/02
H04N 21/61
H04H 20/76
H04H 60/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周波数帯域の信号を増幅する増幅ユニットと、
前記増幅ユニットと接続されて、少なくとも前記増幅ユニットにレベルを調整できるパラメータの情報を設定することができると共に、通信信号の送受信を行える通信手段と、前記通信信号の出力レベルをレベル調整するレベル調整手段とを有する制御ユニットとを備え、
前記通信信号は、増幅ユニットでは増幅されない周波数帯域を用いており、前記パラメータの情報が乗った前記通信信号を前記通信手段が受信すると、自機向けの前記パラメータの情報が取り込まれて、前記制御ユニットは取り込んだパラメータの情報を前記増幅ユニットに設定して、前記増幅ユニットのレベルを調整すると共に、受信した前記通信信号の出力レベルが所定の出力レベルになるよう前記制御ユニットの前記レベル調整手段でレベル調整して送出することを特徴とする増幅装置。
【請求項2】
異なる周波数帯域とされている複数の放送信号を少なくとも含む共聴信号を伝送する棟内における伝送線路に、共聴信号を増幅する複数の増幅装置が設けられ、公衆通信網に接続するゲートウェイを備えている棟内共聴装置において、
前記増幅装置は、
前記共聴信号を構成する複数の周波数帯域の信号を、周波数帯域別にそれぞれ増幅する複数の増幅ユニットと、
前記複数の増幅ユニットと接続されて、少なくとも前記複数の増幅ユニットにレベルを調整できるパラメータの情報を設定することができると共に、通信信号の送受信を行える通信手段を有する制御ユニットとを備え、
前記通信信号は前記共聴信号において使用されていない周波数帯域を用いており、前記ゲートウェイは、公衆通信網を介して受け取った前記パラメータの情報を前記通信信号に乗せて前記複数の増幅装置に向けて前記伝送線路に送出し、前記複数の増幅装置における各増幅装置の前記通信手段が、前記伝送線路から前記通信信号を受信すると、自機向けの前記パラメータの情報が取り込まれて、前記制御ユニットは取り込んだパラメータの情報を前記複数の増幅ユニットに設定して、前記増幅ユニットのレベルを調整すると共に、受信した前記通信信号の出力レベルが所定の出力レベルになるようレベル調整して前記伝送線路に送出することを特徴とする棟内共聴装置。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記複数の増幅ユニットに設定されたパラメータの情報を取り込むと共に、前記増幅ユニットの動作状態を示す動作データからなるモニタ信号を、前記複数の増幅ユニットから取り込んで、前記パラメータの情報と前記モニタ信号とを乗せた通信信号を作成して、前記通信手段から送出することを特徴とする請求項2に記載の棟内共聴装置。
【請求項4】
前記制御ユニットは、前記伝送線路から受信した前記通信信号の出力レベルが所定の出力レベルになるようレベル調整して、前記作成した通信信号と共に前記ゲートウェイに向けて前記伝送線路に送出し、前記ゲートウェイは、前記伝送線路から受信した通信信号における前記パラメータの情報と前記モニタ信号とを特定のサーバに向けて公衆通信網に送信できることを特徴とする請求項3に記載の棟内共聴装置。
【請求項5】
前記ゲートウェイから送信された前記パラメータの情報と前記モニタ信号とを受信したサーバは、前記モニタ信号における前記動作データの情報から、前記複数の増幅装置の各増幅装置における前記複数の増幅ユニットの動作をそれぞれ監視することができることを特徴とする請求項4に記載の棟内共聴装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナで受信した放送信号やCATV局からの伝送信号などを棟内において分岐・分配する棟内共聴装置、および、棟内共聴装置の増幅装置に適用して好適な増幅装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この明細書で云う「棟内共聴装置」とは、ビルや集合住宅,共同住宅などの建物に設置する共聴装置、および、戸建の建物に設置する共聴装置などの棟内に設置する共聴装置を云うものとする。
棟内共聴装置にCATV(ケーブルテレビジョン)を導入する場合の一例の構成を図16に示す。
図16に示す棟内共聴装置1100は、棟内に設置され、CATV信号伝送ライン中に挿入されている双方向分岐増幅装置1101により分岐された下り方向のCATV信号が、タップオフ(TAP OFF )1102および保安器SBを介して棟内に引き込まれ、双方向増幅装置1105の第1入力端子に入力されると共に、BS/CSアンテナ1103よりのBS-IFあるいはCS-IF信号が、双方向増幅装置1105の第2入力端子に入力される。これらの第1入力端子および第2入力端子に入力された3種類の信号は、それぞれ双方向増幅装置1105により増幅されて出力端子から混合されて出力される。
【0003】
双方向増幅装置1105の出力は分岐器1106に供給され、分岐器1106において分岐された1つの信号は、分配器1107により複数に分配される。この分配された信号は双方向増幅装置1108により増幅されて、さらに分配器1109により複数に分配される。分配器1109により分配された1つの分配出力は、複数個縦続に接続された直列ユニット1110~1115に供給される。この直列ユニット1115の終端にはインピーダンス整合用の終端抵抗1116が接続されている。
この直列ユニット1110~1115は宅内の各部屋等に設けられており、この直列ユニット1110~1115にはテレビジョン受像機等に接続されるケーブルが接続される。
また、棟内共聴装置1100において、CATV信号を棟内共聴装置1100に導入することに替えて、FM放送を受信するFMアンテナおよび地上デジタル放送を受信するUHFアンテナを設ける。そして、FMアンテナで受信したFM放送信号と、UHFアンテナで受信した地上デジタル放送信号と、BS/CSアンテナ1103よりのBS・CS-IF信号とを混合して双方向増幅装置1105に入力してもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-4357号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の棟内共聴装置1100において、伝送される共聴信号は上り方向のCATV信号と、下り方向のCATV信号と、BS・CS-IF信号とにより構成される。あるいは、FM放送信号と、地上デジタル放送信号と、BS・CS-IF信号とにより構成される。そして、双方向分岐増幅装置1105,1108は、この3つの異なる周波数帯域の信号からなる共聴信号を増幅する増幅部を備えている。この増幅部では、所定のレベルで3つの異なる周波数帯域の信号が出力されるようにレベル調整されている。この場合、増幅部における3つの異なる周波数帯域の各信号の入力・出力レベルを作業者が測定器で確認しながら、内蔵されているゲイン調整ボリュームや減衰量切換スイッチを操作して、増幅部のレベルの調整を行っていた。このため、双方向分岐増幅装置1105,1108における増幅部の入力・出力レベルを調整する際には、入力・出力レベルを測定するための測定器が必要になるという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、測定器を用いることなく出力レベルが所定の出力レベルになるよう調整することができる増幅装置、および、増幅装置が適用される棟内共聴装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の増幅装置は、所定の周波数帯域の信号を増幅する増幅ユニットと、前記増幅ユニットと接続されて、少なくとも前記増幅ユニットにレベルを調整できるパラメータの情報を設定することができると共に、通信信号の送受信を行える通信手段を有する制御ユニットとを備え、前記通信信号は、増幅ユニットが増幅する信号において使用されていない周波数帯域を用いており、前記パラメータの情報が乗った前記通信信号を前記通信手段が受信すると、前記制御ユニットは自機向けの前記パラメータの情報を取り込んで、取り込んだパラメータの情報を前記増幅ユニットに設定して、前記増幅ユニットのレベルを調整すると共に、受信した前記通信信号の出力レベルが所定の出力レベルになるようレベル調整して送出することを最も主要な特徴としている。
【0008】
本発明の棟内共聴装置は、異なる周波数帯域とされている複数の放送信号を少なくとも含む共聴信号を伝送する棟内における伝送線路に、共聴信号を増幅する複数の増幅装置が設けられ、公衆通信網に接続するゲートウェイを備えている棟内共聴装置において、前記増幅装置は、前記共聴信号を構成する複数の周波数帯域の信号を、周波数帯域別にそれぞれ増幅する複数の増幅ユニットと、前記複数の増幅ユニットと接続されて、少なくとも前記複数の増幅ユニットにレベルを調整できるパラメータの情報を設定することができると共に、通信信号の送受信を行える通信手段を有する制御ユニットとを備え、前記通信信号は前記共聴信号において使用されていない周波数帯域を用いており、前記ゲートウェイは、公衆通信網を介して受け取った前記パラメータの情報を前記通信信号に乗せて前記複数の増幅装置に向けて前記伝送線路に送出し、前記複数の増幅装置における各増幅装置の前記通信手段が、前記伝送線路から前記通信信号を受信すると、自機向けの前記パラメータの情報が取り込まれて、前記制御ユニットは取り込んだパラメータの情報を前記複数の増幅ユニットに設定して、前記増幅ユニットのレベルを調整すると共に、受信した前記通信信号の出力レベルが所定の出力レベルになるようレベル調整して前記伝送線路に送出することを最も主要な特徴としている。
【0009】
上記した本発明の棟内共聴装置において、前記制御ユニットは、前記複数の増幅ユニットに設定されたパラメータの情報を取り込むと共に、前記増幅ユニットの動作状態を示す動作データからなるモニタ信号を、前記複数の増幅ユニットから取り込んで、前記パラメータの情報と前記モニタ信号とを乗せた通信信号を作成して、前記通信手段から送出している。
また、上記した本発明の棟内共聴装置において、前記制御ユニットは前記伝送線路から受信した前記通信信号の出力レベルが所定の出力レベルになるようレベル調整して、前記作成した通信信号と共に前記ゲートウェイに向けて前記伝送線路に送出し、前記ゲートウェイは、前記伝送線路から受信した通信信号における前記パラメータの情報と前記モニタ信号とを特定のサーバに向けて公衆通信網に送信できるようにされている。
さらに、上記した本発明の棟内共聴装置において、前記ゲートウェイから送信された前記パラメータの情報と前記モニタ信号とを受信したサーバは、前記モニタ信号における前記動作データの情報から、前記複数の増幅装置の各増幅装置における前記複数の増幅ユニットの動作をそれぞれ監視することができるようにされている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の増幅装置は、増幅ユニットと通信手段を有する制御ユニットとを備え、増幅ユニットにレベルを調整できるパラメータの情報が乗った通信信号を通信手段が受信すると、自機向けのパラメータの情報が取り込まれて、制御ユニットは取り込んだパラメータの情報を増幅ユニットに設定している。これにより、測定器を用いることなく増幅装置の出力レベルが所定の出力レベルになるよう調整することができる。
本発明の棟内共聴装置は、通信手段を有する制御ユニットと、複数の増幅ユニットとを備える増幅装置が伝送線路に接続されている。ゲートウェイから伝送線路に送出された増幅ユニットにレベルを調整できるパラメータの情報が乗った通信信号を通信手段が受信すると、自機向けのパラメータの情報が取り込まれて、制御ユニットは取り込んだパラメータの情報を増幅ユニットに設定している。また、受信した通信信号の出力レベルが所定の出力レベルになるようレベル調整して伝送線路に送出しており、次段以降の増幅ユニットにおいてレベル調整することができるようになる。これにより、測定器を用いることなく増幅装置の出力レベルが所定の出力レベルになるよう調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の増幅装置を備える第1実施例の棟内共聴装置の構成を示す図である。
図2】本発明の増幅装置を備える第2実施例の棟内共聴装置の構成を示す図である。
図3】本発明の増幅装置とされる双方向増幅装置において、制御ユニットと各増幅ユニットとの接続状態を示す機能ブロック図である。
図4】本発明の増幅装置とされる双方向増幅装置の制御ユニットの構成を示す機能ブロック図である。
図5】本発明の増幅装置とされる双方向増幅装置の増幅ユニットの構成を示す機能ブロック図である。
図6】本発明の増幅装置を備える本発明の棟内共聴装置における遠隔制御部の構成を示す機能ブロック図である。
図7】本発明の増幅装置を備える本発明の棟内共聴装置におけるゲートウェイの構成を示す機能ブロック図である。
図8】本発明の第1実施例の増幅装置である双方向増幅装置の詳細構成を示す機能ブロック図である。
図9】本発明の第1実施例の増幅装置である双方向増幅装置の増幅ユニットの他の構成を示す機能ブロック図である。
図10】本発明の第2実施例の増幅装置である双方向増幅装置の詳細構成を示す機能ブロック図である。
図11】本発明の第2実施例の増幅装置である双方向増幅装置の増幅ユニットの他の構成を示す機能ブロック図である。
図12】本発明の増幅装置とされる双方向増幅装置においてマルチホップ通信を行うための構成を示す機能ブロック図、マルチホップ通信の経路の概略を示す図である。
図13】本発明の第1実施例の棟内共聴装置の使用例を説明するための構成のみを示す図である。
図14】本発明の第2実施例の棟内共聴装置の使用例を説明するための構成のみを示す図である。
図15図13および図14に示す使用例における測定ユニットの構成を示す機能ブロック図である。
図16】従来の棟内共聴装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<棟内共聴装置の第1実施例>
本発明の増幅装置を備える第1実施例の棟内共聴装置の構成を図1に示す。
図1に示す本発明の第1実施例の棟内共聴装置1は、屋上などに設置されたBS・CSアンテナ10と混合器12とゲートウェイ13とを備え、混合器15と双方向増幅装置17と分岐・分配器18と双方向増幅装置19と分岐・分配器20とが縦続接続された伝送線路と、双方向増幅装置22と分岐・分配器23とが縦続接続された第1系統と、双方向増幅装置24と分岐・分配器25とが縦続接続された第2系統とから構成されている。伝送線路で伝送される伝送信号は、伝送線路損失や分配や分岐されることで減衰され、この減衰を補償するために、本発明の増幅装置とされる双方向増幅装置17,19,22,24が設けられている。
棟内共聴装置1には、CATV局1010から幹線に設置されている増幅装置や分岐・分配装置などの幹線機器1011を介してCATV信号の伝送路に挿入されている分岐・分配装置などにより分岐されたCATV信号の下り信号(以下、「CATV下り信号」という)がタップオフ(TAP OFF )1012および保安器1013を介して棟内に引き込まれている。そして、保安器1013までのメンテナンスはCATV局1010が行うが、保安器1013以降のメンテナンスは加入者が行うこととされている。
【0013】
棟内共聴装置1では、第2入力端子にゲートウェイ13が接続されている混合器12の第1入力端子にBS・CSアンテナ10よりのBS・CS-IF信号が入力され、混合器12の出力端子は混合器15の第2入力端子に接続されている。棟内共聴装置1に入力されたCATV下り信号は、混合器15の第1入力端子に入力され、混合器15の第1入力端子に入力されたCATV下り信号および第2入力端子に入力されたBS・CS-IF信号が混合されて共聴信号とされて出力端子から出力される。CATV下り信号には、地上デジタル放送信号が含まれている。
【0014】
混合器15の出力端子から出力された共聴信号は双方向増幅装置17に入力されて所定のレベルになるよう増幅される。双方向増幅装置17の出力は分岐・分配器18に供給され、分岐・分配器18において複数に分岐・分配される。分岐・分配器18を通過した共聴信号は、双方向増幅装置19に入力されて所定のレベルになるよう増幅される。双方向増幅装置19の出力は分岐・分配器20に供給され、分岐・分配器20において複数に分岐・分配される。分岐・分配器20を通過した共聴信号は、さらに、分岐・分配器21で第1系統と第2系統の共聴信号に分配される。第1系統に分配された共聴信号は、双方向増幅装置22に入力されて所定のレベルになるよう増幅されて、双方向増幅装置22の出力は分岐・分配器23に供給されて複数に分岐・分配される。分岐・分配器23で分岐・分配された共聴信号は宅内の各部屋等に設けられている直列ユニットのテレビ端子にそれぞれ供給され、テレビ端子にはテレビジョン受像機等に接続されるケーブルが接続される。また、第2系統に分配された共聴信号は、双方向増幅装置24に入力されて所定のレベルになるよう増幅されて、双方向増幅装置24の出力は分岐・分配器25に供給されて複数に分岐・分配される。分岐・分配器25で分岐・分配された共聴信号は宅内の各部屋等に設けられている直列ユニットのテレビ端子にそれぞれ供給され、テレビ端子にはテレビジョン受像機等に接続されるケーブルが接続される。
【0015】
また、第1系統の直列ユニットから送出された上り信号は分岐・分配器23を介して双方向増幅装置22で所定のレベルになるよう増幅されて、分岐・分配器21に供給される。さらに、第2系統の直列ユニットから送出された上り信号は分岐・分配器25を介して双方向増幅装置24で所定のレベルになるよう増幅されて、分岐・分配器21に供給される。分岐・分配器21から出力された上り信号は、分岐・分配器20-双方向増幅装置19-分岐・分配器18-双方向増幅装置17の経路で上っていき、混合器15を介して保安器1013に入力される。保安器1013を通過した上り信号は、タップオフ1012、CATVの幹線および幹線機器1011を介してCATV局1010に上っていき受信される。
【0016】
上記したように、共聴信号は、CATV下り信号とCATV信号の上り信号(以下、「CATV上り信号」という)およびBS・CS-IF信号から構成され、双方向増幅装置17,19,22,24は、CATV下り信号を増幅する増幅ユニットとCATV上り信号を増幅する増幅ユニットおよびBS・CS-IF信号を増幅する増幅ユニットを有している。それぞれの増幅ユニットの供給電圧および供給電流や温度などの機器の状態情報と、入力レベル、出力レベル、C/Nなどの伝送信号の状態情報からなる動作データは周期的にモニタされている。モニタされるモニタ信号は、動作データにモニタされた増幅ユニット特有の一意の識別情報(以下、「ID」という)を付加して構成されており、モニタ信号は変調されて共聴信号では使用されていない周波数帯域(例えば、920MHz)のキャリアを用いた通信信号とされて棟内共聴装置1内の幹線を上っていき、混合器15と混合器12を介してゲートウェイ13に供給される。モニタ信号はデジタル信号とされており、パケット化されると共に、そのパケットで上記キャリアがFSK(frequency shift keying)変調されて通信信号が作成される。非同期通信で通信信号は通信され、通信信号のパケットは送信元情報や宛先情報のヘッダを有している。ゲートウェイ13は、棟内共聴装置1と公衆通信網であるインターネット14との間でデータの送受を行える機能を有しており、通信信号をベースバンドのパケット信号に戻してTCP(Transmission Control Protocol )やHTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)によりモニタ信号をインターネット14上のクラウド3に送出することができる。クラウド3で受信されたモニタ信号はクラウド3に保存される。なお、ゲートウェイ13は、所定時間ごとにモニタ信号をクラウド3に送出したり、モニタ信号が更新されるごとにモニタ信号をクラウド3に送出している。
【0017】
ゲートウェイ13は、例えば携帯電話網やWi-Fiなどの無線でインターネット14に接続されるが有線でインターネット14に接続してもよい。インターネット14上には遠隔制御部2が有線あるいは無線で接続されている。これにより、遠隔制御部2はクラウド3にアクセスすることにより、クラウド3上のアプリケーションによりID別にグラフ化されたモニタ信号を表示器上で確認することで双方向増幅装置17,19,22,24を監視できる。また、クラウド3上のアプリケーションによりモニタ信号が解析されて、モニタ信号に異常があった際には、異常情報を表示器上に表示して監視することができる。異常情報により、いずれかの増幅ユニットに不具合が生じる予兆が見られた場合は、当該増幅ユニットを有している棟内共聴装置1が設置されているビルやマンションに要員を派遣して事前に当該増幅ユニットを交換することができ、障害の発生を予防することができるようになる。これにより、遠隔制御部2は、棟内共聴装置1における双方向増幅装置17,19,22,24の各増幅ユニットを周期的に監視することができる。さらに、双方向増幅装置17,19,22,24からは各増幅ユニットに設定されているレベル調整用のパラメータの情報も通信信号によりゲートウェイ13に送っており、ゲートウェイ13はモニタ信号に加えて、レベル調整用のパラメータの情報もクラウド3に送っている。遠隔制御部2はクラウド3に格納されたパラメータを変更することができ、クラウド3からインターネット14を介してゲートウェイ13に変更されたパラメータが送られ、ゲートウェイ13は変更されたパラメータを増幅ユニットに送ることで、遠隔制御により各増幅ユニットのレベル調整をすることができる。なお、各増幅ユニット内には入力レベルを調整する入力レベル調整部と出力レベルを調整する出力レベル調整部とが設けられており、入力レベル調整部および出力レベル調整部に所定のパラメータを設定することで、各増幅ユニットから所定の出力レベルとされた出力信号が出力される。すなわち、パラメータは、割り当てられた周波数帯域の信号を所定レベルで出力するように増幅ユニットに設定されるレベル調整用のパラメータである。パラメータには上記IDが付加されており、IDでは、双方向増幅装置17,19,22,24の各増幅ユニットを識別できると共に、各増幅ユニットにおける入力レベル調整部と出力レベル調整部とをそれぞれ識別することができる。
【0018】
<棟内共聴装置の第2実施例>
本発明の増幅装置を備える第2実施例の棟内共聴装置5の構成を図2に示す。
図2に示す本発明の第2実施例の棟内共聴装置5は、BS・CSアンテナ10とFMアンテナ11aとUHFアンテナ11bと混合器11と混合器12とゲートウェイ13とを備え、混合器15と双方向増幅装置17と分岐・分配器18と双方向増幅装置19と分岐・分配器20とが縦続接続された伝送線路と、双方向増幅装置22と分岐・分配器23とが縦続接続された第1系統と、双方向増幅装置24と分岐・分配器25とが縦続接続された第2系統とから構成されている。伝送線路で伝送される伝送信号は、伝送線路損失や分配や分岐されることで減衰され、この減衰を補償するために、本発明の増幅装置とされる双方向増幅装置17,19,22,24が設けられている。BS・CS放送を受信してBS・CS-IF信号を出力するBS・CSアンテナ10と、FM放送を受信するFMアンテナ11aと、地上波デジタル放送を受信するUHFアンテナ11bとは、棟内共聴装置5が設置された棟の屋上などに設置されている。
【0019】
棟内共聴装置5では、第2入力端子にゲートウェイ13が接続されている混合器12の第1入力端子にBS・CSアンテナ10よりのBS・CS-IF信号が入力され、混合器12の出力端子は混合器15の第2入力端子に接続されている。第1入力端子にFMアンテナ11aで受信されたFM放送信号が入力され、第2入力端子にUHFアンテナ11bで受信された地上波デジタル放送信号が入力されている混合器11において、FM放送信号と地上デジタル放送信号とが混合されて出力端子から出力されている。混合器11の出力端子は混合器15の第1入力端子に接続されて混合器11の出力端子から出力されているFM放送信号と地上デジタル放送信号との混合信号に、第2入力端子に入力されたBS・CS-IF信号が混合されて共聴信号とされて混合器15の出力端子から出力される。
【0020】
混合器15の出力端子から出力された共聴信号は双方向増幅装置17に入力されて所定のレベルになるよう増幅される。双方向増幅装置17の出力は分岐・分配器18に供給され、分岐・分配器18において複数に分岐・分配される。分岐・分配器18を通過した共聴信号は、双方向増幅装置19に入力されて所定のレベルになるよう増幅される。双方向増幅装置19の出力は分岐・分配器20に供給され、分岐・分配器20において複数に分岐・分配される。分岐・分配器20を通過した共聴信号は、さらに、分岐・分配器21で第1系統と第2系統の共聴信号に分配される。第1系統に分配された共聴信号は、双方向増幅装置22に入力されて所定のレベルになるよう増幅されて、双方向増幅装置22の出力は分岐・分配器23に供給されて複数に分岐・分配される。分岐・分配器23で分岐・分配された共聴信号は宅内の各部屋等に設けられている直列ユニットのテレビ端子にそれぞれ供給され、テレビ端子にはテレビジョン受像機等に接続されるケーブルが接続される。また、第2系統に分配された共聴信号は、双方向増幅装置24に入力されて所定のレベルになるよう増幅されて、双方向増幅装置24の出力は分岐・分配器25に供給されて複数に分岐・分配される。分岐・分配器25で分岐・分配された共聴信号は宅内の各部屋等に設けられている直列ユニットのテレビ端子にそれぞれ供給され、テレビ端子にはテレビジョン受像機等に接続されるケーブルが接続される。
【0021】
上記したように、共聴信号は、FM放送信号と地上デジタル放送信号とBS・CS-IF信号との混合信号から構成され、双方向増幅装置17,19,22,24は、FM放送信号を増幅する増幅ユニットと地上デジタル放送信号を増幅する増幅ユニットとBS・CS-IF信号を増幅する増幅ユニットとを有している。それぞれの増幅ユニットの供給電圧および供給電流や温度などの機器の状態情報と、入力レベル、出力レベル、C/Nなどの伝送信号の状態情報からなる動作データは周期的にモニタされている。モニタされるモニタ信号は、動作データにモニタされた増幅ユニット特有の一意の識別情報(以下、「ID」という)を付加して構成されており、モニタ信号は変調されて共聴信号では使用されていない周波数帯域(例えば、920MHz)のキャリアを用いた通信信号とされて棟内共聴装置5内の幹線を上っていき、混合器15と混合器12を介してゲートウェイ13に供給される。ゲートウェイ13は、棟内共聴装置5とインターネット14との間でデータの送受を行える機能を有しており、通信信号をベースバンドのパケット信号に戻してTCPやHTTPSによりモニタ信号をインターネット14上のクラウド3に送出することができる。クラウド3で受信されたモニタ信号はクラウド3に保存される。なお、ゲートウェイ13は、所定時間ごとにモニタ信号をクラウド3に送出したり、モニタ信号が更新されるごとにモニタ信号をクラウド3に送出している。
【0022】
ゲートウェイ13とクラウド3と遠隔制御部2の説明は上記した通りであるので省略するが、双方向増幅装置17,19,22,24からは各増幅ユニットに設定されているレベル調整用のパラメータの情報も通信信号によりゲートウェイ13に送っており、ゲートウェイ13はモニタ信号に加えて、レベル調整用のパラメータの情報もクラウド3に送っている。遠隔制御部2はクラウド3に格納されたパラメータを変更することができ、クラウド3からインターネット14を介してゲートウェイ13に変更されたパラメータが送られ、ゲートウェイ13は変更されたパラメータを増幅ユニットに送ることで、遠隔制御により各増幅ユニットのレベル調整をすることができる。なお、各増幅ユニット内には入力レベルを調整する入力レベル調整部と出力レベルを調整する出力レベル調整部とが設けられており、入力レベル調整部および出力レベル調整部に所定のパラメータを設定することで、各増幅ユニットから所定の出力レベルとされた出力信号が出力される。すなわち、パラメータは、割り当てられた周波数帯域の信号を所定レベルで出力するように増幅ユニットに設定されるレベル調整用のパラメータである。パラメータには上記IDが付加されており、IDでは、双方向増幅装置17,19,22,24の各増幅ユニットを識別できると共に、各増幅ユニットにおける入力レベル調整部と出力レベル調整部とをそれぞれ識別することができる。
【0023】
<双方向増幅装置における接続状態>
本発明の増幅装置の実施例とされる双方向増幅装置17,19,22,24は、それぞれ制御ユニットと複数の増幅ユニットとを備え、制御ユニットと複数の増幅ユニットとの間が相互に接続されている。そこで、本発明にかかる双方向増幅装置17,19,22,24において、制御ユニットと複数の増幅ユニットとの接続状態を示す機能ブロック図を図3に示す。ここで、本発明にかかる双方向増幅装置が適用される第1実施例の棟内共聴装置1では、共聴信号は、CATV下り信号とCATV上り信号およびBS・CS-IF信号から構成され、第2実施例の棟内共聴装置5では、共聴信号は、FM放送信号と地上デジタル放送信号とBS・CS-IF信号との混合信号から構成される。このように、増幅する周波数帯域が異なっているが双方向増幅装置17,19,22,24における制御ユニットと複数の増幅ユニットとの接続状態は同様とされている。また、双方向増幅装置19,22,24は双方向増幅装置17と同じ構成とされているため、双方向増幅装置17を代表として制御ユニットと複数の増幅ユニットとの接続状態を示す機能ブロック図を図3に示している。
図3に示す本発明の増幅装置の実施例とされる双方向増幅装置17は、制御ユニット51と、CATV上り信号あるいはFM放送信号を増幅する第1増幅ユニット52と、CATV下り信号あるいは地上デジタル放送信号を増幅する第2増幅ユニット53と、BS・CS-IF信号を増幅する第3増幅ユニット54とを備えている。そして、制御ユニット51と第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54とは通信バス17-1により相互に接続されている。
【0024】
図3に示すように双方向増幅装置17における制御ユニット51は、マイクロコントローラー(MCU)100とI/O104とインタフェース(IF)104aと通信I/F105を少なくとも備えている。第1増幅ユニット52はMCU130とI/O134と増幅部52-1とを少なくとも備えており、第2増幅ユニット53もMCU150とI/O154と増幅部53-1とを少なくとも備えており、第3増幅ユニット54もMCU160とI/O164と増幅部54-1とを少なくとも備えている。そして、I/O104,I/O134,I/O154,I/O164はそれぞれRS485のインタフェースを備えており、相互にRS485の通信バス17-1により接続されている。これにより、制御ユニット51は、2線の平衡伝送路を用いてシリアルの半二重通信で、第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54との間でデータの送受を行えるようになる。具体的には、制御ユニット51は、パラメータを通信バス17-1を通じて第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定することができると共に、第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定されているパラメータを通信バス17-1を通じて取り込むことができる。
制御ユニット51の通信I/F105はMCU100の制御の基で、制御ユニット51に取り込んだ第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定されていたパラメータにIDを付加したパラメータの情報と、前記したモニタ信号とをパケット化して、共聴信号では使用されていない周波数帯域(例えば、920MHz)のキャリアをパケットでFSK変調した通信信号にしてゲートウェイ13に送出している。また、I/F104aはUART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)のインタフェースとされ、パーソナルコンピュータ等とされた設定用端末を接続することができる。設定用端末を接続すると、設定用端末からI/F104aを介して第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の初期設定を行うことができると共に、所定のパラメータを入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定することができる。
【0025】
具体的には、本発明の増幅装置の実施例とされる双方向増幅装置17の出力レベル等が環境変化などにより変化した際にレベル調整を設定用端末から行うことができる。レベル調整を行う際には、設定用端末をI/F104a介して制御ユニット51に接続する。そして、制御ユニット51に通信バス17-1で接続されている第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54におけるモニタ信号を制御ユニット51から取り込んで、アプリケーションによりID別にグラフ化されたモニタ信号を表示器上で確認する。また、第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54内の各増幅部52-1,53-1,54-1における入力レベル調整部と出力レベル調整部に設定されているパラメータを取り込んで表示器上に表示する。そして、第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の出力レベルが所定の出力レベルになるようにモニタ信号を確認しながら、入力レベル調整部と出力レベル調整部に設定されているパラメータを設定用端末で調整する。これにより、第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54から割り当てられた周波数帯域の信号が所定のレベルで出力されるようになる。このように、双方向増幅装置17は設定用端末から電子制御されて、第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の入力レベル調整部および出力レベル調整部に所定のパラメータが設定されるようになる。
【0026】
本発明の増幅装置の実施例とされる双方向増幅装置17においては、図示しない基板上に制御ユニット51と第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54とが搭載されており、コネクタにより基板に対して脱着可能とされている。そして、RS485とされた通信バス17-1は2線の平衡伝送路とされていることから、脱着の機構を簡易化できると共に、ノイズやサージに対する耐性を向上することができる。上記したように、制御ユニット51を介して第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の入力レベル調整部および出力レベル調整部のレベル調整が行なわれるが、調整時のパラメータは制御ユニット51のメモリに保存されると共に、第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54のメモリに保存される。このため、例えば、制御ユニット51が故障しても、第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54はそれぞれに内蔵されたMCUの制御の基で動作しており、第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54に設定されているパラメータは維持されることから、停波することはない。このように、制御ユニット51と第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54は、それぞれMCUを内蔵しているため独立して動作しており、いずれかのユニットが故障しても、他のユニットに影響を及ぼすことはない。
双方向増幅装置19,22,24においても、上記したとおりの機能を有している。
【0027】
<制御ユニット>
次に、本発明の増幅装置とされる双方向増幅装置が備えている制御ユニット51の構成を示す機能ブロック図を図4に示す。
図4に示す制御ユニット51は、MCU100と通信I/F105と測定部106とアナログ-デジタル変換器(A/D)107とを備え、通信I/F105と測定部106とA/D107とはMCU100のバス108に接続されている。MCU100はマイクロコントローラーであり、MCU100は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、I/O104を備え、これらをバス108で接続して構成されている。CPU101は、ROM102に記憶された制御処理プログラムを実行することにより、制御ユニット51が上記した処理を行うようにMCU100が動作する。この場合、制御ユニット51に取り込まれた増幅ユニットの入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定されたパラメータやモニタ信号はRAM103の領域に設定されテンポラリメモリに格納される。また、電源投入時には、CPU101がROM102に格納されている初期設定プログラムを実行して初期状態とする。通信I/F105はMCU100の制御の基で、各増幅ユニットからのモニタ信号および入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定されているパラメータとのパケットでFSK変調した通信信号をゲートウェイ13に向けて送り出している。モニタ信号およびパラメータには自機のIDが付加されている。また、通信I/F105は通信信号を受信しており、通信信号を受信した際にMCU100の制御の基で、自機のIDが付加されたパラメータの通信信号が取り込まれるようになる。取り込まれたパラメータは、制御ユニット51により対応する増幅ユニットの入力レベル調整部と出力レベル調整部に設定される。さらに、MCU100のI/O104に含まれているRS485ポートを介して通信バス17-1に接続されている。そして、通信バス17-1に接続された第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の入力レベル調整部および出力レベル調整部設定されているパラメータが取り込まれて、テンポラリメモリ領域に格納される。I/O104におけるI/F104aには設定用端末を接続することができ、設定用端末を接続すると、設定用端末からI/F104aを介して上記したように第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の初期設定を行うことができると共に、所定のパラメータを入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定することができる。
【0028】
測定部106には5本のRFラインが接続されて、第1増幅ユニット52の入力と出力を分岐した分岐出力と、第2増幅ユニット53および第3増幅ユニット54の入力を分岐した分岐出力と、双方向増幅装置の出力を分岐した分岐出力からなる分岐出力1~5のRF信号が各RFラインから入力されている。測定部106では、CPU101の制御の基で分岐出力1~5のアナログのRF信号を受信して、各分岐出力における各チャンネル毎のレベルを検出してデジタルのレベル信号としている。また、A/D107は、第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54における電圧、電流、温度等の図示しないセンサーからのアナログのセンサー信号を、CPU101の制御の基で取り込んでデジタル信号に変換している。測定部106のデジタルのレベル信号とデジタルのセンサー信号とは、CPU101の制御の基でMCU100においてID付きのモニタ信号とされて、テンポラリメモリ領域に格納される。そして、MCU100の制御の基で通信I/F105においてデジタルのモニタ信号および設定されているパラメータの情報がパケット化され、そのパケットで上記キャリアがFSK変調されて通信信号が作成され、通信信号がゲートウェイ13に送られるようになる。
【0029】
以上説明した制御ユニット51は、本発明の第1実施例の棟内共聴装置1に適用された本発明にかかる双方向増幅装置に備えられている。また、本発明の第2実施例の棟内共聴装置5に適用された本発明にかかる双方向増幅装置が備えている制御ユニット51は図示していないが、測定部106には4本のRFラインが接続されており、第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の入力を分岐した分岐出力と、双方向増幅装置の出力を分岐した分岐出力からなる分岐出力1~4のRF信号が各RFラインから入力されている。以上の構成を除く構成は、本発明の第1実施例の棟内共聴装置1に適用された本発明にかかる双方向増幅装置が備えている制御ユニット51の構成と同様とされているのでその説明は省略する。
【0030】
<増幅ユニット>
次に、本発明の増幅装置とされる双方向増幅装置の増幅ユニットの構成を示す機能ブロック図を図5に示す。この増幅ユニットは、ここでは、第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の機能ブロック図が同じ構成とされることから、代表として第1増幅ユニット52の機能ブロック図を図5に示している。
図5に示す第1増幅ユニット52は、MCU130と複数のセンサー52-2を備える増幅部52-1とを備えている。MCU130はマイクロコントローラーであり、MCU130は、CPU131、ROM132、RAM133、I/O134を備え、これらをバス137で接続して構成されている。CPU131は、ROM132に記憶された増幅処理プログラムを実行することにより、第1増幅ユニット52が上記した増幅処理を行うようにMCU130が動作する。この場合、増幅部52-1に設定されるパラメータはRAM133の領域に設定されたテンポラリメモリに格納される。また、電源投入時には、CPU131がROM132に格納されている初期設定プログラムを実行して第1増幅ユニット52を初期化する。増幅部52-1における少なくとも入力の分岐信号は第1増幅ユニット52から制御ユニット51に送られる。また、第1増幅ユニット52における電圧、電流、温度等の複数のセンサー52-2からのセンサー信号は制御ユニット51に送られる。I/O134は、RS485インタフェースを備え通信バス17-1に接続される。これにより、制御ユニット51は第1増幅ユニット52に、入力されたRF信号を所定レベルで出力するように入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定するパラメータを送れると共に第1増幅ユニット52の入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定されているパラメータおよび第1増幅ユニット52の動作データを取り込むことができる。通信バス17-1およびI/O134を介して送られたパラメータは、CPU131の制御の基で増幅部52-1の入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定される。
以上説明した構成とされた増幅ユニットを備える増幅装置は、本発明の第1実施例の棟内共聴装置1および本発明の第2実施例の棟内共聴装置5のいずれにも適用することができる。
【0031】
<遠隔制御部>
次に、インターネット14に接続される遠隔制御部2の構成を示す機能ブロック図を図6に示す。遠隔制御部2は、本発明の増幅装置を備える第1実施例の棟内共聴装置1および第2実施例の棟内共聴装置5において同じ構成とされている。
図6に示す遠隔制御部2は、MCU140と入力装置145と表示器146と広域通信I/F147とを備え、入力装置145はI/O144に接続され、表示器146と広域通信I/F147はMCU140のバス148に接続されている。広域通信I/F147は、インターネット14などの公衆通信網に接続可能な通信インタフェースである。MCU140はマイクロコントローラーであり、MCU140は、CPU141、ROM142、RAM143、I/O144を備え、これらをバス148で接続して構成されている。CPU141は、ROM142に記憶された遠隔制御プログラムを実行することにより、クラウド3にアクセスする。これにより、クラウド3上のアプリケーションにより双方向増幅装置17,19,22,24のそれぞれにおいてID別にグラフ化されたモニタ信号が表示器176に表示され、表示内容を視認することで双方向増幅装置17,19,22,24のそれぞれにおける第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54を監視できる。また、クラウド3上のアプリケーションによりモニタ信号が解析されて、モニタ信号に異常があった際には、CPU141の制御の基で双方向増幅装置17,19,22,24のそれぞれにおいて異常情報を表示器176上に表示して監視することができる。異常情報により、双方向増幅装置17,19,22,24のそれぞれにおいて、いずれかの増幅ユニットに不具合が生じる予兆がCPU141の制御の基で見られた場合は、その旨を棟内共聴装置の管理者にメール送信したり、当該増幅ユニットを有している棟内共聴装置1が設置されているビルやマンションに要員を派遣して事前に当該増幅ユニットを交換することができ、障害の発生を予防することができるようになる。これにより、遠隔制御部2は、棟内共聴装置1における双方向増幅装置17,19,22,24の第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54を周期的に監視することができる。
【0032】
また、電源投入時には、CPU141がROM142に格納されている初期設定プログラムを実行して各部の初期設定が行われる。
遠隔制御部2では、CPU141の制御の基で表示器146に表示された双方向増幅装置17,19,22,24における第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の動作状態を確認することができる。これにより、双方向増幅装置17,19,22,24の出力レベル等が環境変化などにより変化した際にレベル調整を遠隔制御部2から行うことができる。レベル調整を行う際には、ID別に表示器146上に表示されたグラフ化されたモニタ信号と、第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の入力レベル調整部と出力レベル調整部に設定されているパラメータを確認しながら、I/O144に接続されたキーボード等の入力装置145を用いて、任意の増幅ユニットの入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定されているパラメータを変更する。変更されたパラメータは、CPU141の制御の基でインターネット14およびゲートウェイ13を介して棟内共聴装置1あるいは棟内共聴装置5に送られる。棟内共聴装置1あるいは棟内共聴装置5では、変更されたパラメータの情報に付加されているIDにより定められる増幅ユニットを備える双方向増幅装置が受け取って、IDに応じた増幅ユニットの入力レベル調整部および出力レベル調整部に変更されたパラメータが設定される。このように、遠隔制御部2では、双方向増幅装置17,19,22,24における第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定されているパラメータを遠隔制御で調整することができる。また、インターネット14に接続可能な遠隔制御プログラムがインストールされているタブレットやスマートフォンでも、クラウド3にアクセスすることにより、双方向増幅装置17,19,22,24における第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の監視を行えると共に、双方向増幅装置17,19,22,24における第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の入力レベル調整部および出力レベル調整部に設定されているパラメータを遠隔制御で調整することができる。
【0033】
<ゲートウェイ>
次に、本発明の増幅装置を備える第1実施例の棟内共聴装置1および第2実施例の棟内共聴装置5におけるゲートウェイ13の構成を示す機能ブロック図を図7に示す。
図7に示すゲートウェイ13は、MCU170と入力装置175と表示器176と広域通信I/F177と通信I/F178とを備え、入力装置175はI/O174に接続され、表示器176と広域通信I/F177と通信I/F178はMCU170のバス179に接続されている。広域通信I/F177は、インターネット14などの公衆通信網に接続可能な通信インタフェースである。MCU170はマイクロコントローラーであり、MCU170は、CPU171、ROM172、RAM173、I/O174を備え、これらをバス179で接続して構成されている。CPU171は、ROM172に記憶されたゲートウェイ処理プログラムを実行することにより、以下に説明するゲートウェイ処理を実行する。
ゲートウェイ13では、通信信号で用いている通信規格 (プロトコル)と、インターネット14上のクラウド3に接続するプロトコル(HTTPSあるいはTCP)との相互変換を行っている。双方向増幅装置17,19,22,24における制御ユニット51からゲートウェイ13に送られた通信信号は、CPU171の制御の基でID付きのモニタ信号やID付きのパラメータに復調されてRAM173のテンポラリメモリ領域に格納される。CPU171の制御の基で所定時間毎にID付きのモニタ信号およびID付きのパラメータがRAM173から読み出されて所定のプロトコルの書式に変更されてパケット化され、インターネット14上のクラウド3に送出される。
【0034】
また、ゲートウェイ13はクラウド3に格納されているパラメータが変更されたかを尋ねるリクエストを送る。クラウド3は、格納されているパラメータが変更されている場合は、リクエストに応えて変更されたID付きのパラメータをゲートウェイ13に送る。ゲートウェイ13はCPU171の制御の基で変更されたID付きのパラメータをRAM173に格納して、IDから識別した双方向増幅装置にパラメータを変更するコマンドと変更されたID付きのパラメータを送る。双方向増幅装置の制御ユニット51では、CPU101の制御の基で送られたID付きのパラメータから該当する増幅ユニットを識別して、当該増幅ユニットに変更されたパラメータを設定する。
【0035】
<第1実施例の増幅装置の詳細>
次に、本発明の棟内共聴装置1に適用される本発明の第1実施例の増幅装置である双方向増幅装置の詳細構成を示す機能ブロック図を図8図9に示す。ここでは、双方向増幅装置17と双方向増幅装置19,22,24の構成が同じ構成とされることから、代表として第1実施例にかかる双方向増幅装置17の詳細構成を示す機能ブロック図を図8に、図8では示されていない第1実施例にかかる双方向増幅装置17の増幅ユニットの構成を示す機能ブロック図を図9に示している。
図8図9に示すように第1実施例にかかる双方向増幅装置17は、制御ユニット51と第1増幅ユニット52と第2増幅ユニット53と第3増幅ユニット54とを備えている。制御ユニット51ではCPU101が制御処理プログラムを実行することにより実現される設定部51-1と、I/F104aを含むI/O104と通信I/F105と測定部106とA/D107とが示されている。また、図9においては第1増幅ユニット52の増幅部52-1と第2増幅ユニット53の増幅部53-1と第3増幅ユニット54の増幅部54-1の構成だけが示され、他の構成は省略されている。
図8図9に示す双方向増幅装置17においては、図3に示すように制御ユニット51と第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54とが通信バス17-1により相互に接続されている。
【0036】
端子201はCATV上り信号が出力されると共にCATV下り信号が入力される端子であり、端子202はBS・CS-IF信号が入力される、あるいは、CATV上り信号が出力されると共にCATV下り信号およびBS・CS-IF信号が入力される端子である。入力切換スイッチ210は、端子201にCATV下り信号が入力され、端子202にBS・CS-IF信号が入力された時に、端子201側に切り換えて第1フィルタ(Fil1)にCATV下り信号を供給し、端子202にCATV下り信号およびBS・CS-IF信号が入力された時に、端子202側に切り換えて第3フィルタ(Fil3)で分波されたCATV下り信号をFil1に供給している。Fil1は、CATV下り信号を分波して第2増幅ユニット53の増幅部53-1に供給し、第2分岐器(Sp2)から供給された所定レベルに調整されたCATV上り信号を分波して入力切換スイッチ210に供給する。入力切換スイッチ210では、端子201側に切り換えられている時は所定レベルに調整されたCATV上り信号を端子201から出力し、端子202側に切り換えられている時はCATV上り信号をFil3に供給して、Fil3を通じて所定レベルに調整されているCATV上り信号が端子202から出力している。
【0037】
端子203は、棟内共聴装置1における直列ユニットから送出されたCATV上り信号が入力されると共に、所定レベルに調整されたCATV下り信号およびBS・CS-IF信号が出力される端子である。端子203に入力されたCATV上り信号は、第5分岐器(Sp5)を通過して第4フィルタ(Fil4)に供給されて分波され、第2フィルタ(Fil2)に供給される。Fil2は、CATV上り信号を分波して第1増幅ユニット52の増幅部52-1に供給する。増幅部52-1は、入力レベル調整部211と第1分岐器(Sp1)と第1増幅器(Amp1)と出力レベル調整部212と第2増幅器(Amp2)とSp2とが縦続接続されて構成されている。そして、Sp1で分岐されたAmp1の入力信号を分岐した分岐出力1と、Sp2で分岐されたAmp2の出力信号を分岐した分岐出力2とは測定部106に送られて入力レベルと出力レベルが検出されて、第1増幅ユニット52のIDが付加されて制御ユニット51内に格納される。この入力レベルと出力レベルが所定の値となるように、入力レベル調整部211および出力レベル調整部212に、設定部51-1からパラメータA,Bがそれぞれ設定される。この際に、図9に示すように設定部51-1からのパラメータA,BはMCU130の制御の基でそれぞれ入力レベル調整部211および出力レベル調整部212に設定される。パラメータA,Bは上記したように遠隔制御部2において遠隔制御により調整されて、ゲートウェイ13を介して制御ユニット51の通信I/F105が受け取ることができる。また、制御ユニット51のI/F104aに設定用端末を接続することにより、設定用端末で調整されたパラメータA,Bを制御ユニット51のI/F104aから受け取ることもできる。これにより、所定レベルに調整されたCATV上り信号がSp2に供給されるようになる。
【0038】
Fil1で分波されたCATV下り信号は、第2増幅ユニット53の増幅部53-1に供給される。増幅部53-1は、入力レベル調整部213と第3分岐器(Sp3)と第3増幅器(Amp3)と出力レベル調整部214と第4増幅器(Amp4)とが縦続接続されて構成されている。そして、Sp3で分岐されたAmp3の入力信号を分岐した分岐出力3と、Sp5で分岐されたFil4からの出力信号を分岐した分岐出力4とは測定部106に送られて各チャンネル毎の入力レベルと出力レベルが検出されて、第2増幅ユニット53のIDが付加されて制御ユニット51内に格納される。この各チャンネル毎の入力レベルと出力レベルが所定の値となるように、入力レベル調整部213および出力レベル調整部214に、設定部51-1からパラメータC,Dがそれぞれ設定される。この際に、図9に示すように設定部51-1からのパラメータC,DはMCU150の制御の基でそれぞれ入力レベル調整部213および出力レベル調整部214に設定される。パラメータC,Dは、上記したように遠隔制御部2において遠隔制御により設定することができる。また、制御ユニット51のI/F104aに設定用端末を接続することにより、設定用端末からパラメータC,Dを設定することもできる。これにより、所定レベルに調整されたCATV下り信号が端子203から出力されるようになる。
【0039】
Fil3で分波されたBS・CS-IF信号は、第3増幅ユニット54の増幅部54-1に供給される。増幅部54-1は、入力レベル調整部215と第4分岐器(Sp4)と第5増幅器(Amp5)と出力レベル調整部216と第6増幅器(Amp6)とが縦続接続されて構成されている。そして、Sp4で分岐されたAmp5の入力信号を分岐した分岐出力5と、Sp5で分岐されたFil4からの出力信号を分岐した分岐出力4とは測定部106に送られて各チャンネル毎の入力レベルと出力レベルが検出されて、第2増幅ユニット53のIDが付加されて制御ユニット51内に格納される。この各チャンネル毎の入力レベルと出力レベルが所定の値となるように、入力レベル調整部215および出力レベル調整部216に、設定部51-1からパラメータE,Fがそれぞれ設定される。この際に、図9に示すように設定部51-1からのパラメータE,FはMCU160の制御の基でそれぞれ入力レベル調整部215および出力レベル調整部216に設定される。パラメータE,Fは、上記したように遠隔制御部2において遠隔制御により設定することができる。また、制御ユニット51のI/F104aに設定用端末を接続することにより、設定用端末からパラメータE,Fを設定することもできる。これにより、所定レベルに調整されたBS・CS-IF信号が端子203から出力されるようになる。
なお、入力レベル調整部211,213,215および出力レベル調整部212,214,216はアッテネータ、イコライザ、ゲインコントロール回路、チルト回路などのレベルや周波数特性を調整可能な回路を組み合わせて構成することができ、いずれの回路にもパラメータが設定されており、このパラメータを上記したように電子制御により調整可能とされている。
【0040】
測定部106には、第1増幅ユニット52の入力と出力を分岐した分岐出力1,2と、第2増幅ユニット53および第3増幅ユニット54の入力を分岐した分岐出力3,5と、双方向増幅装置の出力を分岐した分岐出力4からなる分岐出力1~5のRF信号が入力される。そして、各分岐信号における各チャンネル毎のレベルを検出してデジタルのレベル信号としている。また、A/D107は、第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54における電圧、電流、温度等の図示しないセンサーからのセンサー信号を取り込んでデジタル信号に変換している。測定部106から出力されるデジタルのレベル信号とA/D107から出力されるデジタルのセンサー信号とは、ID付きのモニタ信号とされる。そして、通信I/F105においてMCU100の制御の基でデジタルのモニタ信号および設定されているパラメータとの情報がパケット化されてそのパケットで、共聴信号で使用されていない周波数帯域のキャリアをFSK変調した通信信号が作成され、通信信号がゲートウェイ13に送られるようになる。
【0041】
上記したように、双方向増幅装置17,19,22,24における第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54の入力レベル調整部211,213,215および出力レベル調整部212,214,216に設定されているパラメータA~Fの情報はゲートウェイ13からクラウド3に送られて、クラウド3に保持される。環境変化等により双方向増幅装置17,19,22,24における第1増幅ユニット52ないし第3増幅ユニット54のいずれかの増幅ユニットのレベル調整を行う必要がある場合は、遠隔制御部2はクラウド3に保持されているパラメータA~Fを変更することにより、インターネット14およびゲートウェイ13を介して変更されたパラメータA~FがIDで特定された増幅ユニットに送られて、当該増幅ユニットの双方向増幅装置における制御ユニット51がIDで特定された入力レベル調整部あるいは出力レベル調整部に設定するようになる。また、増幅ユニットを設置した際には、遠隔制御部2はクラウド3にアクセスすることにより、設置した増幅ユニットに設定されたパラメータを表示器146上で確認でき設置時の工事ミスなどを指摘することができる。
【0042】
<第2実施例の増幅装置の詳細>
次に、本発明の第2実施例の棟内共聴装置5に適用される本発明の第2実施例の増幅装置である双方向増幅装置の詳細構成を示す機能ブロック図を図10図11に示す。ここでは、双方向増幅装置17と双方向増幅装置19,22,24の構成が同じ構成とされることから、代表として第2実施例にかかる双方向増幅装置17の詳細構成を示す機能ブロック図を図10に、図10では示されていない第2実施例にかかる双方向増幅装置17の増幅ユニットの構成を示す機能ブロック図を図11に示している。
図10図11に示すように第2実施例にかかる双方向増幅装置17は、制御ユニット51と第1増幅ユニット55と第2増幅ユニット56と第3増幅ユニット54とを備えている。制御ユニット51ではCPU101が制御処理プログラムを実行することにより実現される設定部51-1と、I/F104aを含むI/O104と通信I/F105と測定部106とA/D107とが示されている。また、図10においては第1増幅ユニット55の増幅部55-1と第2増幅ユニット56の増幅部56-1と第3増幅ユニット54の増幅部54-1の構成だけが示され、他の構成は省略されている。
図10図11に示す双方向増幅装置17においては、図3と同様に制御ユニット51と第1増幅ユニット55,第2増幅ユニット56,第3増幅ユニット54が通信バス17-1により相互に接続されている。
【0043】
端子231はFM放送信号と地上デジタル放送信号との混合信号が入力される端子であり、端子232はBS・CS-IF信号、あるいは、FM放送信号と地上デジタル放送信号との混合信号およびBS・CS-IF信号が入力される端子である。入力切換スイッチ240は、端子231にFM放送信号と地上デジタル放送信号との混合信号が入力され、端子232にBS・CS-IF信号が入力された時に、端子231側に切り換えて第11フィルタ(Fil11)にFM放送信号と地上デジタル放送信号との混合信号を供給し、端子232にFM放送信号と地上デジタル放送信号との混合信号およびBS・CS-IF信号が入力された時に、端子232側に切り換えて第13フィルタ(Fil13)で分波されたFM放送信号と地上デジタル放送信号との混合信号をFil11に供給している。Fil11は、FM放送信号を分波して第1増幅ユニット55の増幅部55-1に供給すると共に、地上デジタル放送信号を分波して第2増幅ユニット56の増幅部56-1に供給する。
【0044】
増幅部55-1から所定の出力レベルで出力されるFM放送信号と、増幅部56-1から所定の出力レベルで出力される地上デジタル放送信号とは第12フィルタ(Fil12)に供給されて混合され、第14フィルタ(Fil14)に供給される。Fil14には、第3増幅部54-1から所定の出力レベルで出力されるCS・BS-IF信号が供給されて、FM放送信号と地上デジタル放送信号との混合信号に混合される。Fil14からの出力信号(FM放送信号と地上デジタル放送信号とCS・BS-IF信号との混合信号)は、第15分岐器(Sp15)を通過して端子233から出力される。
【0045】
Fil11で分波されたFM放送信号は、第1増幅ユニット55の増幅部55-1に供給される。増幅部55-1では、入力レベル調整部241と第11分岐器(Sp11)と第11増幅器(Amp11)と出力レベル調整部242と第12増幅器(Amp12)とが縦続接続されて構成されている。そして、Sp11で分岐されたAmp11の入力信号を分岐した分岐出力1は、測定部106に送られて入力レベルが検出されて、第1増幅ユニット55のIDが付加されて制御ユニット51内に格納される。また、Sp15で分岐されたFil14からの出力信号を分岐した分岐出力4は測定部106に送られて各チャンネル毎の出力レベルが検出されて、双方向増幅装置17のIDが付加されて制御ユニット51内に格納される。これにより、測定部106では各チャンネル毎の出力レベルをFM放送信号と地上デジタル放送信号とCS・BS-IF信号とで別々に検出できる。そして、測定部106で検出された増幅部55-1の入力レベルと分岐出力4から検出されたFM放送信号の出力レベルが所定の値となるように、入力レベル調整部241および出力レベル調整部242に、設定部51-1からパラメータA,Bがそれぞれ設定される。この際に、図11に示すように設定部51-1からのパラメータA,BはMCU180の制御の基でそれぞれ入力レベル調整部241および出力レベル調整部242に設定される。パラメータA,Bは、上記したように遠隔制御部2において遠隔制御により設定することができる。また、制御ユニット51のI/F104aに設定用端末を接続することにより、設定用端末からパラメータA,Bを設定することもできる。これにより、所定レベルに調整されたFM放送信号が端子233から出力されるようになる。
【0046】
Fil11で分波された地上デジタル放送信号は、第2増幅ユニット56の増幅部56-1に供給される。増幅部56-1は、入力レベル調整部243と第13分岐器(Sp13)と第13増幅器(Amp13)と出力レベル調整部244と第14増幅器(Amp14)とが縦続接続されて構成されている。そして、Sp13で分岐されたAmp13の入力信号を分岐した分岐出力3は測定部106に送られて各チャンネル毎の入力レベルが検出されて、第2増幅ユニット56のIDが付加されて制御ユニット51内に格納される。この各チャンネル毎の入力レベルと分岐出力4から測定部106で検出された地上デジタル放送信号の出力レベルが所定の値となるように、入力レベル調整部243および出力レベル調整部244に、設定部51-1からパラメータC,Dがそれぞれ設定される。この際に、図11に示すように設定部51-1からのパラメータC,DはMCU190の制御の基でそれぞれ入力レベル調整部243および出力レベル調整部244に設定される。パラメータC,Dは、上記したように遠隔制御部2において遠隔制御により設定することができる。また、制御ユニット51のI/F104aに設定用端末を接続することにより、設定用端末からパラメータC,Dを設定することもできる。これにより、所定レベルに調整されたCATV下り信号が端子233から出力されるようになる。
【0047】
Fil13で分波されたBS・CS-IF信号は、第3増幅ユニット54の増幅部54-1に供給される。増幅部54-1は、入力レベル調整部215と第4分岐器(Sp4)と第5増幅器(Amp5)と出力レベル調整部216と第6増幅器(Amp6)とが縦続接続されて構成されている。そして、Sp4で分岐されたAmp5の入力信号を分岐した分岐出力5は測定部106に送られて各チャンネル毎の入力レベルが検出されて、第2増幅ユニット53のIDが付加されて制御ユニット51内に格納される。この各チャンネル毎の入力レベルと分岐出力4から測定部106で検出されたCS・BS-IF信号との出力レベルが所定の値となるように、入力レベル調整部215および出力レベル調整部216に、設定部51-1からパラメータE,Fがそれぞれ設定される。パラメータE,Fは、上記したように遠隔制御部2において遠隔制御により設定することができる。また、制御ユニット51のI/F104aに設定用端末を接続することにより、設定用端末からパラメータE,Fを設定することもできる。これにより、所定レベルに調整されたBS・CS-IF信号が端子203から出力されるようになる。
なお、入力レベル調整部241,243,215および出力レベル調整部242,244,216はアッテネータ、イコライザ、ゲインコントロール回路、チルト回路などのレベルや周波数特性を調整可能な回路を組み合わせて構成することができ、いずれの回路にもパラメータが設定されており、このパラメータを上記したように電子制御により調整可能とされている。
【0048】
測定部106には、第1増幅ユニット55の入力と出力を分岐した分岐出力1と、第2増幅ユニット56および第3増幅ユニット54の入力を分岐した分岐出力2,3と、双方向増幅装置17の出力を分岐した分岐出力4からなる分岐出力1~4のRF信号が入力される。そして、各分岐信号における各チャンネル毎のレベルを検出してデジタルのレベル信号としている。また、A/D107は、第1増幅ユニット55と第2増幅ユニット56および第3増幅ユニット54における電圧、電流、温度等の図示しないセンサーからのセンサー信号を取り込んでデジタル信号に変換している。測定部106から出力されるデジタルのレベル信号とA/D107から出力されるデジタルのセンサー信号とは、ID付きのモニタ信号とされる。そして、通信I/F105においてMCU100の制御の基でデジタルのモニタ信号および設定されているパラメータとの情報がパケット化されてそのパケットで、共聴信号で使用されていない周波数帯域のキャリアをFSK変調した通信信号が作成され、通信信号がゲートウェイ13に送られるようになる。
【0049】
上記したように、双方向増幅装置17,19,22,24における第1増幅ユニット55と第2増幅ユニット56および第3増幅ユニット54の入力レベル調整部241,243,215および出力レベル調整部242,244,216に設定されているパラメータA~Fの情報はゲートウェイ13からクラウド3に送られて、クラウド3に保持される。環境変化等により双方向増幅装置17,19,22,24における第1増幅ユニット55と第2増幅ユニット56および第3増幅ユニット54のいずれかの増幅ユニットのレベル調整を行う必要がある場合は、遠隔制御部2はクラウド3に保持されているパラメータA~Fを変更することにより、インターネット14およびゲートウェイ13を介して変更されたパラメータA~FがIDで特定された増幅ユニットに送られて、当該増幅ユニットを備える双方向増幅装置の制御ユニット51がIDで特定された入力レベル調整部あるいは出力レベル調整部に設定するようになる。また、増幅ユニットを設置した際には、遠隔制御部2はクラウド3にアクセスすることにより、設置した増幅ユニットに設定されたパラメータを表示器146上で確認でき設置時の工事ミスなどを指摘することができる。
【0050】
<マルチホップ通信>
ところで、本発明の増幅装置を備える第1実施例の棟内共聴装置1においては、通信信号はゲートウェイ13から双方向増幅装置17,19,22,24に向けて発信されたり、双方向増幅装置17,19,22,24の制御ユニット51のそれぞれから発信されてゲートウェイ13まで上っていくが、棟内共聴装置1の伝送線路に送出された通信信号は双方向増幅装置17,19を通過するようになる。しかしながら、双方向増幅装置17,19においては共聴信号では使用されていない周波数帯域(例えば、920MHz)のキャリアを用いた通信信号が増幅される経路がない(図8参照)ことから減衰してしまうため、双方向増幅装置19,22,24あるいはゲートウェイ13まで届かない恐れがある。そこで、本発明の増幅装置を備える第1実施例の棟内共聴装置1においては、通信信号をマルチホップ通信により双方向増幅装置17,19において減衰を補うために増幅中継するようにしている。なお、共聴信号では使用されていない周波数帯域(例えば、920MHz)のキャリアをFSK変調した通信信号は非同期通信で通信されており、双方向増幅装置17,19,22,24は非同期で通信信号の送受を行っている。
双方向増幅装置17,19におけるマルチホップ通信を行うための構成を示す機能ブロック図を図12(a)に、マルチホップ通信の経路の概略を図12(b)に示す。図12(a)では、図8に示す双方向増幅装置17の構成を省略して示している。
図12(b)に示すマルチホップ通信の経路において、ゲートウェイ13から双方向増幅装置17,19,22,24に向けて伝送線路に送出された通信信号は、双方向増幅装置17に到達して自機向けの宛先情報とされたパケットが取り込まれ、取り込まれなかった通信信号は所定の出力レベルになるようレベル調整されて双方向増幅装置19,22,24に向けて伝送線路に送出される。また、双方向増幅装置19に到達した通信信号は自機向けの宛先情報のパケットが取り込まれ、取り込まれなかった通信信号は所定の出力レベルになるようレベル調整されて双方向増幅装置22,24に向けて伝送線路に送出される。さらに、双方向増幅装置22(24)に到達した通信信号は自機向けの宛先情報のパケットが取り込まれる。
また、図12(b)に示すマルチホップ通信の経路において、ゲートウェイ13に向けて双方向増幅装置17,19,22,24から伝送線路に送出された通信信号は、所定の出力レベルになるようレベル調整されて次段の双方向増幅装置に向けて伝送線路に送出されると共に、到達した双方向増幅装置において送信元情報が自機のパケットからなる通信信号が自機から非同期でかつ所定の出力レベルで次段の双方向増幅装置に向けて伝送線路に送出される。これにより、伝送線路に送出された通信信号はゲートウェイ13に確実に到達するようになる。
【0051】
双方向増幅装置17,19において通信信号がレベル調整されて送出されないシングルホップ通信でゲートウェイ13から双方向増幅装置17,19,22,24に向けて伝送線路に送出された通信信号の場合、通信信号はゲートウェイ13から双方向増幅装置17までの経路aでは届くものの、経路b、cでは減衰が激しく通信信号は正常に届かないようになる。これに対して、双方向増幅装置17,19において通信信号がレベル調整されて中継されるマルチホップ通信の場合は、双方向増幅装置17,19のそれぞれにおいて減衰されることはないから、通信信号はゲートウェイ13から双方向増幅装置17までの経路aおよび経路b,cでも通信信号は確実に届くようになる。
ゲートウェイ13に向けて双方向増幅装置17,19,22,24から伝送線路に送出された通信信号の場合も同様であり、シングルホップ通信の場合は、上り方向の次段の双方増幅装置までは届くもののゲートウェイ13までは届かないようになる。これに対して、マルチホップ通信の場合は、双方向増幅装置17,19において通信信号がレベル調整されて中継されることから、ゲートウェイ13まで確実に届くようになる。
【0052】
マルチホップ通信を具体的に説明すると、図12(a)に示すA点は、図8に示す入力切換スイッチ210とFil3との接続点であるA点に接続され、B点は、図8に示すFil2とFil4との接続点であるB点に接続される。ゲートウェイ13から送出された通信信号は、図8に示す端子202に入力され、Fil3を通過してA点に至り、通信信号抽出フィルタ221により通信信号のみが抽出されて制御ユニット51の通信I/F105に供給される。通信I/F105ではMCU100の制御の基で、通信信号を受信した双方向増幅装置に向けた宛先情報のパケットを取り込むと共に、供給された通信信号のレベルが所定の出力レベルになるようレベル調整されて通信I/F105から次段の双方向増幅装置に向けて送出される。送出された通信信号は通信信号抽出フィルタ221を通過してB点に至る。そして、Fil4を通過しSp5を介して端子203から所定の出力レベルで出力される。
【0053】
また、ゲートウェイ13へ向けて送出された通信信号は、図8に示す端子203に入力され、Sp5およびFil4を通過してB点に至り、通信信号抽出フィルタ220により通信信号のみが抽出されて制御ユニット51の通信I/F105に供給される。通信I/F105ではMCU100の制御の基で、供給された通信信号のレベルが所定の出力レベルになるようレベル調整されて送出されると共に、通信I/F105で作成された送信元情報が自機の通信信号が通信I/F105から非同期で送出される。送出された通信信号は通信信号抽出フィルタ221を通過してA点に至る。そして、Fil3を通じて端子202から所定の出力レベルで出力される。
【0054】
次に、通信信号がゲートウェイ13まで届かない恐れがあることは、本発明の増幅装置を備える第2実施例の棟内共聴装置5においても同様であり、図12(b)を用いて説明すると、シングルホップ通信の場合は、ゲートウェイ13から双方向増幅装置17,19,22,24に向けて伝送線路に送出された通信信号は、ゲートウェイ13から双方向増幅装置17までの経路aでは届くものの、経路b、cでは減衰が激しく通信信号は正常に届かないと共に、ゲートウェイ13に向けて双方向増幅装置17,19,22,24から伝送線路に送出された通信信号は、上り方向の次段の双方増幅装置までは届くもののゲートウェイ13までは届かないようになる。これに対して、マルチホップ通信の場合は、ゲートウェイ13から双方向増幅装置17,19,22,24に向けて伝送線路に送出された通信信号は、ゲートウェイ13から経路a,b,cで各双方向増幅装置まで確実に届くと共に、ゲートウェイ13に向けて双方向増幅装置17,19,22,24から伝送線路に送出された通信信号は、確実にゲートウェイ13まで届くようになる。
【0055】
具体的には、本発明の増幅装置を備える第2実施例の棟内共聴装置5における双方向増幅装置17,19がマルチホップ通信を行うための機能ブロック図の構成は図12(a)に示す構成と同様となる。
図12(a)に示すA点は、図10に示す入力切換スイッチ240とFil13との接続点であるA点に接続され、B点は、図10に示すFil12とFil14との接続点であるB点に接続される。
ゲートウェイ13から送出された通信信号は、図10に示す端子232に入力され、Fil13を通過してA点に至り、通信信号抽出フィルタ221により通信信号のみが抽出されて制御ユニット51の通信I/F105に供給される。通信I/F105ではMCU100の制御の基で、通信信号を受信した双方向増幅装置に向けた宛先情報のパケットが取り込まれると共に、供給された通信信号のレベルが所定の出力レベルになるようレベル調整されて通信I/F105から次段の双方向増幅装置に向けて送出される。送出された通信信号は通信信号抽出フィルタ221を通過してB点に至る。そして、Fil14を通過しSp15を介して端子233から所定の出力レベルで出力される。
【0056】
また、ゲートウェイ13へ向けて送出された通信信号は、図10に示す端子233に入力され、Sp15およびFil14を通過してB点に至り、通信信号抽出フィルタ220により通信信号のみが抽出されて制御ユニット51の通信I/F105に供給される。通信I/F105ではMCU100の制御の基で、供給された通信信号のレベルが所定の出力レベルになるようレベル調整されて送出されると共に、通信I/F105で作成された送信元情報が自機の通信信号が通信I/F105から非同期で送出される。送出された通信信号は通信信号抽出フィルタ221を通過してA点に至る。そして、Fil13を通じて端子232から所定の出力レベルで出力される。
このように、本発明の増幅装置を備える第1実施例の棟内共聴装置1および本発明の増幅装置を備える第2実施例の棟内共聴装置5においては、マルチホップ通信を行うことにより通信信号の減衰を補うことができ、通信信号は最終段の双方向増幅装置あるいはゲートウェイ13まで確実に到達するようになる。
【0057】
<第1実施例の棟内共聴装置の使用例>
次に、本発明の第1実施例の棟内共聴装置1の使用例を説明する。この使用例を説明するための構成のみを図13に示す。図13に示す構成は、分岐・分配器23で分配された分配信号が供給される宅内300の構成のみとされており、この構成は図1に示す第1実施例の棟内共聴装置1の分岐・分配器23の使用例の構成とされて、他の構成は省略して示している。
図13に示す使用例において、分岐・分配器23で分配された共聴信号が宅内300の分配器311に供給され、分配器311で複数に分配された共聴信号が、直列ユニットにおけるそれぞれ同軸端子とされた複数のテレビ端子312に供給されている。テレビ端子312の一つにはテレビ受像機(TV)320が接続され、他のテレビ端子312にはCATVモデム321が接続されている。そして、テレビ端子312の一つに測定ユニット322が接続されている。テレビ端子312の一つに測定ユニット322が接続されると、本発明の第1実施例の棟内共聴装置1が備える本発明の増幅装置の出力レベルが以下に説明するように自動的にレベル調整されるようになる。
【0058】
ここで、測定ユニット322の構成を示す機能ブロック図を図15に示す。図15に示す測定ユニット322は、テレビ端子312に装着される同軸コネクタ334を備え、同軸コネクタ334に入力された共聴信号におけるCATV上り信号とCATV下り信号とCS・BS-IF信号とにおける各チャンネル毎のレベルが、MCU331の制御の基でレベル測定部332で検出されてデジタルのレベル信号とされ、このレベル信号はMCU331内のメモリに格納される。そして、通信I/F333はMCU331の制御の基で格納されたレベル信号を上記した通信信号に乗せてテレビ端子312および分岐・分配器23を介して棟内共聴装置の伝送線路に送出する。伝送線路に送出された通信信号は、本発明の増幅装置とされる双方向増幅装置17,19,22,24における制御ユニット51が受け取って、レベル信号が所定の出力レベルとされているかを検出する。そして、所定の出力レベルとされていない周波数帯域の信号が検出された場合は、制御ユニット51は当該周波数帯域が割り当てられている増幅ユニットの入力レベル調整部および出力レベル調整部のパラメータを調整することにより、当該周波数帯域の信号の出力レベルが所定の出力レベルになるよう自動的にレベル調整を行う。これにより、測定ユニット322をいずれかのテレビ端子に接続することにより、本発明の第1実施例の棟内共聴装置1が備える全てのテレビ端子から出力される共聴信号であるCATV上り信号、CATV下り信号およびCS・BS-IF信号の出力レベルが所定の出力レベルとなるよう自動的にレベル調整されるようになる。
なお、以上の説明では分岐・分配器23からの分配信号を使用するようにしたが、分岐・分配器18,20,25からの分配信号を引き込んだ宅内において、テレビ端子の一つに測定ユニット322を装着した場合も、上記したように本発明の第1実施例の棟内共聴装置が備える全てのテレビ端子から出力される共聴信号であるCATV上り信号、CATV下り信号およびCS・BS-IF信号の出力レベルが所定の出力レベルとなるよう自動的にレベル調整されるようになる。
【0059】
<第2実施例の棟内共聴装置の使用例>
次に、本発明の第2実施例の棟内共聴装置5の使用例を説明する。この使用例を説明するための構成のみを図14に示す。図14に示す構成は、分岐・分配器23で分配された分配信号が供給される宅内300の構成のみとされており、この構成は図2に示す第2実施例の棟内共聴装置5の分岐・分配器23の使用例の構成とされて、他の構成は省略して示している。
図14に示す使用例において、分岐・分配器23で分配された共聴信号が宅内300の分配器311に供給され、分配器311で複数に分配された共聴信号が、直列ユニットにおけるそれぞれ同軸端子とされたテレビ端子312に供給されている。テレビ端子312の一つにはテレビ受像機(TV)320が接続され、他のテレビ端子312にはFM受信機323が接続されている。そして、テレビ端子312の一つに測定ユニット322が接続されている。テレビ端子312の一つに測定ユニット322が接続されると、本発明の第2実施例の棟内共聴装置5が備える本発明の増幅装置の出力レベルが以下に説明するように自動的にレベル調整されるようになる。
【0060】
ここで、測定ユニット322の構成は図15に示す通りとされている。図15に示す測定ユニット322は、テレビ端子312に装着されて同軸コネクタ334に共聴信号が入力される。共聴信号は、FM放送信号と地上デジタル放送信号とCS・BS-IF信号とされ、共聴信号における各チャンネル毎のレベルが、MCU331の制御の基でレベル測定部332で検出されてデジタルのレベル信号とされ、このレベル信号はMCU331内のメモリに格納される。そして、通信I/F333はMCU331の制御の基で格納されたレベル信号を上記した通信信号に乗せてテレビ端子312および分岐・分配器23を介して棟内共聴装置の伝送線路に送出する。伝送線路に送出された通信信号は、本発明の増幅装置とされる双方向増幅装置17,19,22,24における制御ユニット51が受け取って、レベル信号が所定の出力レベルとされているかを検出する。そして、所定の出力レベルとされていない周波数帯域の信号が検出された場合は、制御ユニット51は当該周波数帯域が割り当てられている増幅ユニットの入力レベル調整部および出力レベル調整部のパラメータを調整することにより、当該周波数帯域の信号の出力レベルが所定の出力レベルになるよう自動的にレベル調整を行う。これにより、測定ユニット322をいずれかのテレビ端子に接続することにより、本発明の第2実施例の棟内共聴装置5が備える全てのテレビ端子から出力される共聴信号であるFM放送信号と地上デジタル放送信号およびCS・BS-IF信号の出力レベルが所定の出力レベルとなるよう自動的にレベル調整されるようになる。
なお、以上の説明では分岐・分配器23からの分配信号を使用するようにしたが、分岐・分配器18,20,25からの分配信号を引き込んだ宅内において、テレビ端子の一つに測定ユニット322を装着した場合も、上記したように本発明の第2実施例の棟内共聴装置が備える全てのテレビ端子から出力される共聴信号であるFM放送信号と地上デジタル放送信号およびCS・BS-IF信号の出力レベルが所定の出力レベルとなるよう自動的にレベル調整されるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の実施例の増幅装置を備える本発明にかかる棟内共聴装置において、ゲートウェイはモニタ信号やパラメータの情報をクラウドに送ると説明したが、クラウドを省略して遠隔制御部にモニタ信号やパラメータの情報を直接送るようにしてもよい。
また、本発明の実施例の増幅装置である双方向増幅装置における通信バスはRS485と説明したが、これに限ることはなく2線の平衡伝送路を用いてシリアル接続される通信バスとされていればよい。
さらに、通信信号はCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)を採用した非同期通信で通信することができる。
本発明にかかる増幅装置を備える本発明にかかる「棟内共聴装置」には、ビルや集合住宅,共同住宅などの建物に設置する共聴装置、および、戸建の建物に設置する共聴装置などの棟内に設置される共聴装置が含まれているが、双方向増幅装置や分岐・分配器の数は上記説明した数に限らず、棟内の規模や設備等に応じた任意の数とすることができる。
【符号の説明】
【0062】
1 棟内共聴装置、2 遠隔制御部、3 クラウド、5 棟内共聴装置、10 BS・CSアンテナ、11,12,15 混合器、11a FMアンテナ、11b UHFアンテナ、13 ゲートウェイ、14 インターネット、17,19,22,24 双方向増幅装置、17-1 通信バス、18,20,21,23,25 分配器、51 制御ユニット、51-1 設定部、52,55 第1増幅ユニット、52-2 センサー、53,56 第2増幅ユニット、53-1,54-1,55-1,56-1 増幅部、54 第3増幅ユニット、100,130,140,150,160,170,180,190,331 MCU、101,131,141,171 CPU、102,132,142,172 ROM、103,133,143,173 RAM、104,134144,174 I/O、104a I/F、105,178,333 通信I/F、106 測定部、107 A/D変換器、108,137,148,179 バス、145,175 入力装置、146,176 表示器、147,177 広域通信I/F、201,202,203,231,232,233 端子、210,240 入力切換スイッチ、211,213,215,241,243 入力レベル調整部、212,214,216,242,244 出力レベル調整部、220 通信信号抽出フィルタ、221 通信信号抽出フィルタ、300 宅内、311 分配器、312 テレビ端子、320 テレビ受像機、321 CATVモデム、322 測定ユニット、323 FM受信機、332 レベル測定部、334 同軸コネクタ、1010 CATV局、1011 幹線機器、1012 タップオフ、1013 保安器、1100 棟内共聴装置、1101 双方向分岐増幅装置、1103 BS/CSアンテナ、1105,1108 双方向分岐増幅装置、1106 分岐器、1107,1109 分配器、1110~1115 直列ユニット、1116 終端抵抗
図1
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