(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】二輪自動車の前後方向間隔調整システムを制御するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
B60W 30/16 20200101AFI20220725BHJP
【FI】
B60W30/16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018003114
(22)【出願日】2018-01-12
【審査請求日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】10 2017 201 693.0
(32)【優先日】2017-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(72)【発明者】
【氏名】グレロード,マチュー
(72)【発明者】
【氏名】ションヘル,ミヒャエル
【審査官】田中 純一
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-531654(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0021830(US,A1)
【文献】特開平07-047864(JP,A)
【文献】特開2016-185769(JP,A)
【文献】特開2016-068861(JP,A)
【文献】特表2016-507423(JP,A)
【文献】特表2004-505844(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 10/00 - 10/30
B60W 30/00 - 60/00
B60K 31/00 - 31/18
B60R 21/00 - 21/13
B60R 21/34 - 21/38
B60T 7/12 - 8/1769
B60T 8/32 - 8/96
B62J 1/00 - 99/00
F02D 9/00 - 11/10
F02D 29/00 - 29/06
F02D 41/00 - 41/40
F02D 43/00 - 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二輪自動車の前後方向間隔調整システムを制御するための方法であって、
運転者の他に別の座者が自動車上に存在しているかどうかを算出し(101)、
別の座者の存在に応じて前記前後方向間隔調整システムを制御し(103,104)、
別の座者が存在する場合、前記前後方向間隔調整システムによって、同じ走行状況で別の座者が存在しない場合におけるよりも大きい、先行車両に対する間隔を調節し、
運転者が操作部材によって、別の座者の存在を知らせる、
二輪自動車の前後方向間隔調整システムを制御するための方法。
【請求項2】
別の座者が存在する場合、前記前後方向間隔調整システムによって、同じ走行状況で別の座者が存在しない場合におけるよりも低い車両加速度を調節することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
別の座者が存在する場合、前記前後方向間隔調整システムによって、同じ走行状況で別の座者が存在しない場合におけるよりも低い車両減速度を調節することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項記載の方法を実施するために構成された手段を有する装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
特許文献1から、車両と対象物との間の間隔を規定するための方法が公知である。この方法は、ビデオACCシステムの範囲内で例えばオートバイ車に使用されてよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【文献】独国特許公告第102011088134号明細書
【発明の概要】
【0003】
本発明は、二輪自動車、特にオートバイの前後方向間隔調整システムを制御するための方法に関し、この方法において、
運転者の他に別の座者若しくは同乗者が自動車上に存在しているかどうかが算出され、
別の座者の存在に応じて前後方向間隔調整システムが制御されるか若しくは別のパラメータで運転される。
【0004】
前後方向間隔調整システムは、特にACCシステム(Adaptive Cruise Control:アダプティブクルーズコントロール)であってよい。オートバイ上の別の座者の存在は、オートバイのドライビングダイナミックスをより複雑にし、これにより、別の座者のコントロール不能な挙動が運転者により予測できなくなる。従って、前後方向間隔調整システムの特性を、第2の座者が存在する場合に適合させることが有意義である。
【0005】
本発明の好適な実施態様は、別の座者が存在する場合、前後方向間隔調整システムによって、同じ走行状況で別の座者が存在しない場合におけるよりも大きい、先行車両に対する間隔が調節されることを特徴とする。
【0006】
本発明の好適な実施態様は、別の座者が存在する場合、前後方向間隔調整システムによって、同じ走行状況で別の座者が存在しない場合におけるよりも低い車両加速度が調節されることを特徴とする。
【0007】
本発明の好適な実施態様は、別の座者が存在する場合、前後方向間隔調整システムによって、同じ走行状況で別の座者が存在しない場合におけるよりも低い車両減速度が調節されることを特徴とする。
【0008】
前記実施態様は、第2の座者が存在している場合にスポーツ走行性には不利になるが、走行状態の安全性は高まる。
【0009】
本発明の好適な実施態様は、運転者が操作部材によって、別の座者の存在を知らせることを特徴とする。
【0010】
本発明の好適な実施態様は、別の座者の存在を、着席検知システムによって検知することを特徴とする。
【0011】
本発明の好適な実施態様は、別の座者の存在を、サスペンションシステムまたは減衰システムの圧縮ストロークセンサによって検知することを特徴とする。
【0012】
さらに本発明は、本発明による方法を実施するために構成された手段を有する装置を含んでいる。この場合、これは特に、本発明による方法を実施するためのプログラムコードを備えたコントロールユニットである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明による方法の基本的な流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
【0015】
本発明の核心は、同乗者を乗せた二輪車走行時、つまり二輪車で後部同乗者を乗せた二輪車走行時に、ACCシステム支援において、快適性および安全性の理由により加速操作および制動操作が、同乗者のいない二輪車走行時におけるよりも明らかに慎重に選択される、という点にある。これは、同乗者の数に対応してACCシステム特性を適合させることによって行われる。後部同乗者が同乗すると直ちに、例えばACC制御の次のような特性が適合され得る:
より穏やかな加速、
より穏やかな制動、
より穏やかな制動を可能にするための、先行車両に対する増大された間隔。
【0016】
このシステム内のアプリケーション構成の選択は、同乗者の同乗の検出により自動的に行われる。同乗者が同乗するときに、運転者が例えばコンビインストルメント上の操作部材を用いてプリセットすることも可能である。同乗者の自動的な検出は、例えば減衰システム若しくは着席検知センサの圧縮ストローク信号を評価することによって行うことができる。
【0017】
図1には、本発明による方法の一実施例の基本的な流れが示されている。ブロック100の始動後に、ブロック101で、オートバイ上に運転者の他に同乗者が存在するかどうかが算出される。この情報は記憶され、実際の走行のために有効となる。運転者がブロック102でACC運転者支援システムを作動させると、
同乗者が存在していない場合、ブロック103でACCの標準運転が調節され、
同乗者が存在している場合、ブロック104で、ACCシステムの修正された、安全性および快適性が追及された運転が調節される。
【符号の説明】
【0018】
101,103,104 ブロック